JP2005132826A - 含フッ素エーテル化合物の製造方法 - Google Patents

含フッ素エーテル化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】含フッ素エーテル化合物を比較的短時間で高選択的に得ることができ、後処理工程が簡便な新規な製造方法を提供する。
【解決手段】塩基性化合物並びに第二級アルコール及び第三級アルコールからなる群から選ばれる少なくとも一種の存在下に、Rf−CHOHで表される含フッ素アルコールと、CF=CR で表される含フッ素オレフィン化合物とを反応させることを特徴とする、Rf−CH−O−CF−CHRで表される含フッ素エーテル化合物の製造方法(Rf,R、Rは請求項1に定義される通りである)
【選択図】なし

Description

本発明は含フッ素エーテル化合物の製造方法に関する。
含フッ素エーテルの製造方法としては、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属水素化物の存在下にアルコールと含フッ素オレフィン化合物とを反応させる方法が広く知られている(下記特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、比較的高温、高圧条件が必要であり、反応速度も小さく、さらに、反応後に大量の沈殿物を生じる等の問題があり、生産性の点で満足のいく方法とはいえない。
また、上記反応を有機溶媒中で行うことによって穏やかな条件下で含フッ素エーテルが得られることが知られている(下記特許文献2参照)。しかしながら、この方法では、目的の含フッ素エーテル以外に、カルバニオン中間体からフッ素原子が脱離したオレフィン化合物をはじめとする副生物が多量に生じる傾向にあり、しかも原料に対する溶媒量が多いことから、1回の反応によって得られる含フッ素エーテルの量が相対的に少ない。
また、反応溶媒として水を使用する製造方法も知られている(下記特許文献3参照)。この方法では、目的の含フッ素エーテル化合物を高選択的に得ることができ、後処理工程が簡便であるが、反応速度が大幅に低下するために生産性に問題がある。水の使用量を減少させることによって反応速度を上げることは可能であるが、この場合には反応後に沈殿が多量に発生するために後処理工程が簡便であるという利点が失われる。
米国特許第3557294号 特開平9−263559号公報 特開2002−201152号公報
本発明の主な目的は、含フッ素エーテル化合物を比較的短時間で高選択的に得ることができ、後処理工程が簡便な新規な製造方法を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、塩基性化合物とアルコールの存在下に、含フッ素アルコールと含フッ素オレフィン化合物を反応させる方法によれば、目的物の選択性を損なうことなく比較的短時間で含フッ素エーテルを得ることができることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の含フッ素エーテル化合物の製造方法を提供するものである。
1. 塩基性化合物並びに第二級アルコール及び第三級アルコールからなる群から選ばれる少なくとも一種の存在下に、一般式(I):
Rf−CH−OH (I)
(式中、Rfは、炭素数1〜18のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜18のポリフルオロアルキル基、炭素数6〜18のパーフルオロアリール基又は炭素数6〜18のポリフルオロアリール基である)で表される含フッ素アルコールと、一般式(II):
CF=CR (II)
(式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、炭素数6〜18のパーフルオロアリール基又は炭素数6〜18のポリフルオロアリール基である)で表される含フッ素オレフィン化合物とを反応させることを特徴とする、一般式(III):
Rf−CH−O−CF−CHR(III)
(式中、Rf、R及びRは上記に定義される通りである)で表される含フッ素エーテル化合物の製造方法。
2. 一般式(I)で表される含フッ素アルコールが、2,2,2-トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパノール、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブタノール、2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブタノール、3,3,4,4-テトラフルオロブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンタノール、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキサノール、3,3,4,4,5,5,6,6-オクタフルオロヘキサノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクタノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8-ドデカフルオロオクタノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフルオロデカノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10-ヘキサデカフルオロデカノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12-ヘンエイコサフルオロドデカノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12-エイコサフルオロドデカノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,14-ペンタコサフルオロテトラデカノール、及び3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14-テトラコサフルオロテトラデカノールからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である項1に記載の方法。
3. 一般式(I)で表される含フッ素アルコールが、2,2,2-トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパノール及び2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である項1に記載の方法。
4. 一般式(II)で表される含フッ素オレフィン化合物が、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン及びオクタフルオロイソブテンからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である項1〜3のいずれかに記載の方法。
5. 一般式(II)で表される含フッ素オレフィン化合物がテトラフルオロエチレン及びヘキサフルオロプロピレンからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である項4に記載の方法。
6. 塩基性化合物が、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である項1〜5のいずれかに記載の方法。
・ 第二級アルコール及び第三級アルコールが、各々下記の一般式(IV)
Figure 2005132826
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数6〜18のパーフルオロアリール基、又は炭素数6〜18のポリフルオロアリール基である;但し、R、R及びRは全て水素原子ではないか、1つが水素原子のとき他の2つは水素原子ではない)で表される、項1〜6のいずれかに記載の方法。
8. 第二級アルコール及び第三級アルコールからなる群から選ばれる少なくとも一種が、イソプロパノール、3−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノール、tert -ブタノール、トリチルアルコール及び1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールからなる群から選ばれる少なくとも一種である項1〜7のいずれかに記載の方法。
9. 水の存在下に行う、項1〜8のいずれかに記載の方法。
本発明方法において原料として用いる含フッ素アルコールは、下記一般式(I):
Rf−CHOH (I)
{式中、Rfは炭素数1〜18のパーフルオロアルキル基、一般式:C(式中、mは1〜18の整数、nは、1〜2mの整数、pは2m+1−nである)で表される炭素数1〜18のポリフルオロアルキル基、炭素数6〜18のパーフルオロアリール基又は炭素数6〜18のポリフルオロアリール基である}で表されるものである。
上記一般式(I)において、Rfで表されるパーフルオロアルキル基及びポリフルオロアルキル基におけるアルキル基の構造は、直鎖状及び分岐鎖状のいずれでも良い。
炭素数1〜18のパーフルオロアルキル基としては、C2q+1(q=1〜18の整数)で表される基が挙げられ、特に炭素数1〜10程度の直鎖状又は分岐鎖状のものが好ましい。
一般式:C(式中、mは1〜18の整数、nは、1〜2mの整数、pは2m+1−nである)で表される炭素数1〜18のポリフルオロアルキル基は、特に炭素数1〜10程度の直鎖状又は分岐鎖状のものが好ましい。
炭素数6〜18のパーフルオロアリール基としては、ペンタフルオロフェニル、ヘプタフルオロナフチル、パーフルオロトルイル、パーフルオロキシリル、パーフルオロアントラニル、パーフルオロフェナントリル、パーフルオロジフェニルなどが例示される。
炭素数6〜18のポリフルオロアリール基としては、(モノ、ジ、トリ又はテトラ)フルオロフェニル、(モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ又はヘキサ)フルオロナフチルなどが挙げられる。
含フッ素アルコールとしては、一般式(I)で表される化合物であれば特に限定なく使用できる。特に、入手の容易性を考慮すると、例えば、2,2,2-トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパノール、2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブタノール、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブタノール、3,3,4,4-テトラフルオロブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンタノール、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキサノール、3,3,4,4,5,5,6,6-オクタフルオロヘキサノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクタノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8-ドデカフルオロオクタノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフルオロデカノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10-ヘキサデカフルオロデカノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12-ヘンエイコサフルオロドデカノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12-エイコサフルオロドデカノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,14-ペンタコサフルオロテトラデカノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14-テトラコサフルオロテトラデカノール等が好ましい。これらのうちで、2,2,2-トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパノール、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブタノールは特に好ましい。
本発明の他方の原料である含フッ素オレフィン化合物は、下記一般式(II):
CF=CR (II)
(式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基、一般式:C(式中、mは1〜10の整数、nは、1〜2mの整数、pは2m+1−nである)で表される炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、炭素数6〜18のパーフルオロアリール基又は炭素数6〜18のポリフルオロアリール基である)で表されるものである。
上記一般式(II)において、炭素数1〜10のアルコキシ基のアルキル基部分は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでも良い。
,Rとして好ましい官能基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基、ヘキシロキシ基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、ジフルオロメチル基、2H-パーフルオロエチル基、3H-パーフルオロプロピル基、4H-パーフルオロブチル基、5H-パーフルオロペンチル基、6H-パーフルオロヘキシル基、ペンタフルオロフェニル基、パーフルオロナフチル基、フルオロアントラニル基などが挙げられる。
一般式(II)で表される含フッ素オレフィンのうちで、好ましい化合物としては、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、オクタフルオロイソブテン等を例示できる。これらのうちで、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンは特に好ましい。

一般式(II)で表される含フッ素オレフィンの使用量については、特に限定的ではないが、経済性を考慮すると、含フッ素アルコール1モルに対して0.7〜2モル程度とすることが好ましく、0.9〜1.3モル程度とすることがより好ましい。
本発明によれば、塩基性化合物並びに第二級アルコール及び第三級アルコールからなる群から選ばれる少なくとも一種の存在下に、一般式(I):
Rf−CHOH (I)
(式中、Rfは前記に定義される通りである。)で表される含フッ素アルコールと、一般式(II):
CF=CR (II)
(式中、R及びRは前記に定義される通りである)で表される含フッ素オレフィン化合物とを反応させることによって、一般式(III):
Rf−CH−O−CF−CHR(III)
(式中、Rf、R及びRは上記に同じ)で表される含フッ素エーテル化合物を得ることができる。
本発明方法の重要な特徴は、塩基性化合物とともに、第二級アルコール及び第三級アルコールからなる群から選ばれる少なくとも一種を使用することである。これにより添加剤として使用した第二級/第三級アルコールが含フッ素オレフィン化合物と反応することによって生成物の純度を低下させてしまうこと無く、反応速度が大幅に加速され、短時間で高選択的に目的の含フッ素エーテル化合物を得ることが可能となる。
塩基性化合物としては、金属酸化物、金属水酸化物等を用いることができ、金属水酸化物としては、アルカリ金属水酸化物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム)などを例示できる。特に、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物は、入手が容易で安価である点で好ましい。アルカリ金属酸化物として酸化ナトリウム、酸化カリウム,酸化リチウムが例示され、アルカリ土類金属酸化物として酸化カルシウム、酸化マグネシウム,酸化バリウムが例示される。
塩基性化合物は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
塩基性化合物の使用量については、特に限定的ではないが、反応速度、経済性等を考慮すると、含フッ素アルコール1モルに対して0.01〜2モル程度とすることが好ましく、0.05〜0.6モル程度とすることがより好ましい。
第二級アルコール及び第三級アルコールからなる群から選ばれる少なくとも一種としては、特に限定的ではないが、例えば、下記の一般式(IV)
Figure 2005132826
(式中、R、R及びRは、前記に定義される通りである。)で表されるアルコールを使用することができるが、第三級アルコールのように水酸基近傍が立体的に嵩高いものが好ましい。中でも入手の容易性、効果の顕著性、目的物の選択性を考慮すると、イソプロパノール、3−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノール、tert-ブタノール、トリチルアルコール、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールなどが好ましい。特に、tert-ブタノール、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールなどが好ましい。
第二級アルコール及び第三級アルコールは、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
第二級アルコール及び第三級アルコールの使用量については、特に限定的ではないが、反応速度、経済性を考慮すると、原料の含フッ素アルコール1モルに対して0.001〜2モル程度とすることが好ましく、0.01〜0.8モル程度とすることがより好ましい。
本発明の製造方法を実施するための具体的な方法については特に限定的ではないが、製造方法の一例を示すと次の通りである。
まず、オートクレーブ等の加圧可能な反応装置に含フッ素アルコール、塩基性化合物及びアルコールを投入し、装置内を不活性気体で置換した後、大気圧より0.01〜0.09MPa程度減圧する。この時、減圧による原料のロスを防ぐために反応装置を適当な寒剤で冷却しても良い。
次いで、減圧後の反応装置を昇温し、所定の温度を維持しながらガス状の含フッ素オレフィン化合物を導入する。反応温度は原料の反応速度に応じて変えることができるが、反応速度や反応の選択性を考慮すると、通常、0〜200℃程度、好ましくは50〜100℃程度とすればよい。含フッ素オレフィン化合物の導入方法としては、反応開始時に全量を装置に導入する方法の他に、導入速度を一定に保つ方法、導入圧力を一定に保つ方法などによって連続的もしくは断続的に導入する方法が挙げられる。特に、装置及び操作の簡便さや、反応時間短縮の効果を最大限に活用できる方法としては、導入圧力を一定に保つ方法が好ましい。この時の圧力は、特に限定されるものではないが、反応速度や含フッ素オレフィン化合物の重合を防ぐことを考慮すると0.1〜3MPa程度が好ましい。
本発明の製造方法では、水の存在下に上記反応を行ってもよい。水の供給源としては、原料中に含まれる水分をすることができ、別途水を添加する事もできる。水を別途追加する場合の方法としては特に限定的ではないが、反応系内に直接水を加える方法、含フッ素アルコール、塩基性化合物、第二級アルコール及び第三級アルコールからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を水溶液として使用する方法が挙げられる。
使用する水の量は特に限定されないが、第二級アルコール及び第三級アルコールの添加による反応時間短縮の効果を最大限に活用することを考慮すると、水の使用量は原料の含フッ素アルコール1モルに対して0.01〜1.70モル程度とすることが好ましく、含フッ素アルコール1モルに対して0.05〜0.95モル程度とすることがさらに好ましい。水を添加した場合には反応速度が低下するが、本発明の製造方法では第二級アルコール及び第三級アルコールが無い場合と比較して反応速度の低下を軽減することができる。
得られた含フッ素エーテル化合物は、更に、必要に応じて、常法に従って、抽出、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー、分液、洗浄などの公知の方法で精製すればよい。
本発明によれば、目的とする含フッ素エーテル化合物を選択性を損なうことなく比較的短時間で高選択的に得ることができる。得られたエーテル化合物は、例えば、洗浄剤、発泡剤、溶剤などの各種用途に有効に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
容量200mlのステンレス製オートクレーブに、2,2,2-トリフルオロエタノール80.0g、純度85%の水酸化カリウム13.5g、tert-ブタノール 17.3gを投入した。オートクレーブをドライアイス-アセトン浴で冷却して容器内の脱気、窒素置換を行った後に再び減圧した。
次いでオートクレーブを85℃に昇温して、撹拌しながらテトラフルオロエチレンを装置内圧0.7Mpaを保って導入した。84.3g(トリフルオロエタノール1モルに対して1.05モル)のテトラフルオロエチレンを導入するのに127分を要した。
反応後の有機層をガスクロマトグラフィーにより分析して、転化率99.99%以上,選択率99.0%で目的の1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテルが生成していることを確認した。
アルコールを添加しない比較例1の条件に対して、約半分の時間で反応が終了し、得られたエーテルの転化率及び選択率はほぼ同等である。
比較例1
容量200mlのステンレス製オートクレーブに、2,2,2-トリフルオロエタノール80.0g、純度85%の水酸化カリウム13.6gを投入した。オートクレーブをドライアイス-アセトン浴で冷却して容器内の脱気、窒素置換を行った後に再び減圧した。
次いでオートクレーブを85℃に昇温して、撹拌しながらテトラフルオロエチレンを装置内圧0.7Mpaを保って導入した。84.0g(トリフルオロエタノール1モルに対して1.05モル)のテトラフルオロエチレンを導入するのに237分を要した。
反応後の有機層をガスクロマトグラフィーにより分析して、転化率99.99%以上,選択率98.7%で目的の1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテルが生成していることを確認した。
実施例2
実施例1で使用した2,2,2-トリフルオロエタノール80.0gに代えて、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパノール120.0gを使用する以外は、実施例1と同様にして優れた転化率及び選択率で1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルエーテルを得ることができる。
実施例3
実施例1で使用した2,2,2-トリフルオロエタノール80.0gに代えて、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブタノール145.6gを使用する以外は、実施例1と同様にして優れた転化率及び選択率で1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチルエーテルを得ることができる。

Claims (9)

  1. 塩基性化合物並びに第二級アルコール及び第三級アルコールからなる群から選ばれる少なくとも一種の存在下に、一般式(I):
    Rf−CH−OH (I)
    (式中、Rfは、炭素数1〜18のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜18のポリフルオロアルキル基、炭素数6〜18のパーフルオロアリール基又は炭素数6〜18のポリフルオロアリール基である)で表される含フッ素アルコールと、一般式(II):
    CF=CR (II)
    (式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、炭素数6〜18のパーフルオロアリール基又は炭素数6〜18のポリフルオロアリール基である)で表される含フッ素オレフィン化合物とを反応させることを特徴とする、一般式(III):
    Rf−CH−O−CF−CHR(III)
    (式中、Rf、R及びRは上記に定義される通りである)で表される含フッ素エーテル化合物の製造方法。
  2. 一般式(I)で表される含フッ素アルコールが、2,2,2-トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパノール、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブタノール、2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブタノール、3,3,4,4-テトラフルオロブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンタノール、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキサノール、3,3,4,4,5,5,6,6-オクタフルオロヘキサノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクタノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8-ドデカフルオロオクタノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフルオロデカノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10-ヘキサデカフルオロデカノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12-ヘンエイコサフルオロドデカノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12-エイコサフルオロドデカノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,14-ペンタコサフルオロテトラデカノール、及び3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14-テトラコサフルオロテトラデカノールからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1に記載の方法。
  3. 一般式(I)で表される含フッ素アルコールが、2,2,2-トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパノール及び2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1に記載の方法。
  4. 一般式(II)で表される含フッ素オレフィン化合物が、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン及びオクタフルオロイソブテンからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 一般式(II)で表される含フッ素オレフィン化合物がテトラフルオロエチレン及びヘキサフルオロプロピレンからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項4に記載の方法。
  6. 塩基性化合物が、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 第二級アルコール及び第三級アルコールが、各々下記の一般式(IV)
    Figure 2005132826
    (式中、R、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数6〜18のパーフルオロアリール基、又は炭素数6〜18のポリフルオロアリール基である;但し、R、R及びRは全て水素原子ではないか、1つが水素原子のとき他の2つは水素原子ではない)で表される、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 第二級アルコール及び第三級アルコールからなる群から選ばれる少なくとも一種が、イソプロパノール、3−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノール、tert -ブタノール、トリチルアルコール及び1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 水の存在下に行う、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
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