JPWO2006077846A1 - 注意欠陥/多動性障害治療薬 - Google Patents

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Abstract

テニロキサジン、又はその光学異性体、その医薬上許容しうる塩又はそれらの水和物を有効成分とするAD/HDの予防及び/又は治療薬。

Description

本発明は、注意欠陥/多動性障害の予防及び/又は治療に有用な医薬の発明に関するものである。
多動性障害あるいは注意欠陥/多動性障害(Attention deficit hyperactivity disorder; 以下、AD/HDと記す)は注意力の障害と多動・衝動性を特徴とする行動の障害であり、小児に多く発症する疾患の一つである。AD/HDはアメリカにおいて全児童の約5%が罹患していると報告されている。
AD/HDの原因については周産期の脳障害、遺伝、中枢のノルエピネフリンやドパミン系の異常、あるいは鉛中毒等の種々の原因説が唱えられているが正確な原因は不明である。この疾患は6歳以前の小児に発症し、病態としての多動そのものは年齢とともに落ち着く傾向がある。しかしながら反抗挑戦性障害などに発展することも多いので早期に十分な治療を行う必要がある。
従来、この疾患の治療には主として療育法が採用されており、患者に対して精神療法、教育療法、又は感覚統合療法を行い、適切な社会生活ができるような訓練が行われている。薬物療法として、主に精神刺激薬・向精神薬であるメチルフェニデート(methylphenidate: Ritalinとして Novartisが販売)とアンフェタミン(amphetamine: Adderallとして販売されている)がかなりの規模で使用されてきたが、これらの薬剤はいずれもAD/HDに対する有効性が認められるものの、副作用が強いという問題を有している。
近年、アトモキセチン(Atomoxetine、化学名:((-)-N-メチル-3- ((2-メチルフェニル)オキシ)-3-フェニル-1-アミノプロパン 塩酸塩: StratteraとしてEli Lillyが販売)がAD/HDの治療薬として販売された(非特許文献1参照)。
アトモキセチンは選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬であり、既存のAD/HD治療薬とは異なる作用機序を有している。しかしながら、アトモキセチンがどのようにAD/HDの症状を抑えるのかについては、完全には解明されていない。また、習慣性はないものとして期待されているが、嘔吐、鎮静等の副作用、さらに長期使用による成長への影響については不明である。
AD/HD治療薬として非精神刺激性の薬剤はアトモキセチンのみであり、臨床現場の要求が十分満たされているとは言えない。
一方、テニロキサジン(teniloxazine、化学名:(±) - 2 - [[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン・マレイン酸塩)(特許文献1参照)は低酸素状態での脳障害の改善効果、中枢神経系への作用、血圧上昇作用、胃酸分泌抑制作、局所麻酔作用、又は鎮痛作用を有することが報告されている(非特許文献2参照)が、その光学異性体の薬理作用についてはこれまで知られておらず、AD/HD治療薬としての可能性についても一切報告されていない。
米国特許第4005084号公報 エキスパート・オピニオン ・オブ・ファーマコセラピィー2003 Jul.; 4(7): 1165-74. 日薬理誌 Y-8894の薬理的研究(第5報), 89, 145〜153, 1987年
本発明は、AD/HDに対して有効な薬物療法を可能にする治療薬の提供を目的としている。
本発明者は、テニロキサジンの光学異性体が、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用に加えセロトニン(5-HT)2A受容体アンタゴニスト作用を併せ持つことを見出し、さらに、これら作用を併せ持つ化合物がAD/HDの治療に有用であることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明者は鋭意検討を行った結果、式(1)
Figure 2006077846
で表される化合物の光学異性体、その医薬上許容しうる塩、若しくはそれらの溶媒和物がAD/HDの治療薬になりうることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下(1)ないし(9)に関する。
(1) 注意欠陥/多動性障害を治療するための方法であって、哺乳動物のノルエピネフリンの再取込み阻害作用およびセロトニン2A受容体アンタゴニスト作用を有する化合物又はそれらの医薬上許容し得る塩を投与することを特徴とする前記方法。
(2) 哺乳動物のノルエピネフリンの再取込み阻害作用およびセロトニン2A受容体アンタゴニスト作用を有する化合物又はそれらの医薬上許容し得る塩を有効成分とする注意欠陥/多動性障害の治療薬。
(3) 注意欠陥/多動性障害を治療するための医薬組成物であって、哺乳動物のノルエピネフリンの再取込み阻害作用およびセロトニン2A受容体アンタゴニスト作用を有する化合物又はそれらの医薬上許容し得る塩、製剤的に許容される担体を含有する前記医薬組成物。
(4) 注意欠陥/多動性障害を治療するための、哺乳動物のノルエピネフリンの再取込み阻害作用およびセロトニン2A受容体アンタゴニスト作用を有する化合物又はそれらの医薬上許容し得る塩の使用。
(5) S- 2-[[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン、又はR-2-[[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン、又はその医薬上許容しうる塩、若しくはそれらの溶媒和物の少なくとも1つを有効成分とする注意欠陥/多動性障害治療薬。
(6) S-2-[[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン、又はその医薬上許容しうる塩、若しくはそれらの溶媒和物を有効成分とする注意欠陥/多動性障害治療薬。
(7) R-2-[[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン、又はその医薬上許容しうる塩、若しくはそれらの溶媒和物を有効成分とする注意欠陥/多動性障害治療薬。
(8) S-2-[[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン、又はR-2-[[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン、又はその医薬上許容しうる塩、若しくはそれらの溶媒和物の少なくとも1つを含有する医薬組成物。
(9) 注意欠陥/多動性障害の治療に使用する前記8に記載の医薬組成物。
本発明の治療薬である前記式(1)の化合物は、AD/HDのモデルである6-OH-DAラット及びSHRマウスの多動性を抑制する方向に改善する。これらの活性のために、前記式(1)の化合物はAD/HDの予防及び/又は治療薬として有用である。また、本発明の治療薬は毒性も低く、医薬として安全に使用することが可能である。
図1−Aは、6-OH-DA処置による幼若期ドパミン神経破壊ラットの運動量亢進および自発運動量に対する化合物Aの作用を示す図である。 図1−Bは、正常ラットに対する化合物Aの作用を示す図である。 ##:はシャムに対する危険率(P)がP<0.01 (t-test)、**:はコントロールに対するP<0.01 (Dunnett法)を表す。 図2−Aは、6-OH-DA処置による幼若期ドパミン神経破壊ラットの運動量亢進及び自発運動量に対するアトモキセチンの作用を示す図である。 図2−Bは、正常ラットに対するアトモキセチンの作用を示す図である。 ##:はシャムに対する危険率(P)がP<0.01 (t-test)を表す。 6-OH-DA処置による幼若期ドパミン神経破壊ラットの運動量亢進及び自発運動量に対するアトモキセチンとM100,907との併用作用を示す図である。 *はM100,907非存在下の運動量に対する危険率(P)がP<0.01 (t-test)を表す。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の治療薬の有効成分として用いる「哺乳動物のノルエピネフリンの再取込み阻害作用およびセロトニン2A受容体アンタゴニスト作用を有する化合物(以下、活性成分化合物と記す)」とは、遊離形態の前記式(1)の化合物を用いてもよいが、その医薬上許容しうる酸付加塩、あるいはそれらの任意の溶媒和物を用いることもできる。活性成分化合物及びその医薬上許容しうる塩は溶媒和物の形で存在することもあるので、これらの水和物又は、そのほかの溶媒和物もまた本発明の方法、治療薬、組成物、又は使用に包含される。
なお、活性成分化合物は米国特許第4005084号公報等に記載された方法によりラセミ体を合成した後、光学分割剤(酒石酸又はその誘導体、アラニン又はその誘導体等)を用いて光学分割することにより得ることが出来る。
医薬上許容しうる塩としては無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)又は有機酸(酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、アスコルビン酸など)との酸付加塩が挙げられる。
本発明の治療薬を医薬として用いる場合、活性成分化合物を製剤上許容しうる担体(賦形剤、結合剤、崩壊剤、矯味剤、矯臭剤、乳化剤、希釈剤、溶解補助剤など)と混合して得られる医薬組成物を通常の方法に従って製剤化して得られる錠剤、ピル剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、エマルジョン剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤、注射剤、点滴剤あるいは坐剤などの形態で経口的または非経口的に投与することができる。
非経口とは皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射あるいは点滴法などを含むものであり、注射用調剤、例えば注射用水性懸濁物あるいは油性懸濁物は、適当な分散化剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を用いて当該分野で知られた方法で調製することができる。注射用調剤は、また、非毒性の非経口投与することのできる溶剤中、注射のできる溶液又は懸濁液であってもよい。使用することのできる溶剤として許されるものとしては、水、リンゲル液、等張食塩液などがあげられる。さらに、通常溶剤又は懸濁化溶媒として無菌の不揮発性油も用いることができる。このためには、いかなる不揮発性油も脂肪酸も使用でき、天然あるいは合成あるいは半合成の脂肪性油又は脂肪酸、そして天然あるいは合成あるいは半合成のモノあるいはジあるいはトリグリセリド類も包含される。
直腸投与用の坐剤は、活性成分化合物と適当な非刺激性の補形剤、例えば、ココアバターやポリエチレングリコール類といった常温では固体であるが、腸管の温度では液体で、直腸内で融解し、薬物を放出するものなどと混合して製造することができる。
経口投与用の固形投与剤型としては、粉剤、顆粒剤、錠剤、ピル剤、カプセル剤などの上記したものがあげられる。そのような剤型において、活性成分化合物は少なくとも一つの添加物、例えばショ糖、乳糖、セルロース糖、マンニトール、マルチトール、デキストラン、デンプン類、寒天、アルギネート類、キチン類、キトサン類、ペクチン類、トラガントガム類、アラビアゴム類、ゼラチン類、コラーゲン類、カゼイン、アルブミン、合成又は半合成のポリマー類又はグリセリド類と混合することができる。そのような剤型物は、また、通常の如く、さらなる添加物を含むことができ、例えば不活性希釈剤、マグネシウムステアレートなどの滑択剤、パラベン類、ソルビン酸又はその塩などの保存剤、アスコルビン酸、α−トコフェロール、システインなどの抗酸化剤、崩壊剤、結合剤、増粘剤、緩衝剤、甘味付与剤、フレーバー付与剤、パーフューム剤などがあげられる。
錠剤及びピル剤はさらにエンテリックコーティングされて製造されることもできる。
経口投与用の液剤は、医薬として許容されるエマルジョン型、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤などが挙げられ、それらは当該分野で普通用いられる不活性希釈剤、例えば水を含んでいてもよい。
投与量は、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬物の組合せ、患者のその時に治療を行っている病状の程度に応じ、それら、あるいはその他の要因を考慮して決められる。活性成分化合物、又はその医薬上許容しうる塩は、低毒性で安全に使用することができ、その1日の投与量は、患者の状態や体重、化合物の種類、投与経路などによって異なるが、例えば非経口的には皮下、静脈内、筋肉内又は直腸内に、約0.01〜50mg/人/日、好ましくは0.01〜20mg/人/日投与され、また経口的には約0.01〜150mg/人/日、好ましくは0.1〜100mg/人/日投与されることが望ましい。
以下に、製剤例及び薬理試験の結果を示すが、これらは本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
参考例1 S-2-[[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン・マレイン酸塩の合成
(ア)-2-[[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン 58gをエタノール 1Lに溶解し、この溶液を攪拌しながら、2,3-ジヒドロキシ-N-フェニル-ジブタン酸モノアミド 45gのエタノール 400ml溶液を加えた。溶液を減圧下で濃縮し、イソプロピルアルコールを加え、析出した結晶をろ取した(なお、ここで結晶を除いた母液に対して以下同様の精製処理すると、表題と逆の立体異性体を得ることができる)。
結晶にベンゼン 600ml、水酸化ナトリウム水溶液を加え分液し、有機層を乾燥後、溶媒を留去した。残渣をエタノール 500mlに溶解し、マレイン酸を加えて溶液を濃縮した。溶液にイソプロピルアルコールを加え、析出した結晶をろ取した。結晶をアセトン、イソプロピルアルコールでそれぞれ洗浄し、表題化合物24gを得た。
融点 128-129℃
[α]D=-4.54(MeOH, C=207.0mg/10ml)
製剤処方例1
本発明化合物の経口剤の一般的な製剤例を以下に示す。
S-2-[[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン・マレイン酸塩 100g、コーンスターチ 200g、乳糖 500g、カルボキシメチルセルロースカルシウム 150g、ポリビニルピロリドン 75g、タルク 75g、及び微結晶セルロース 250gを常法に従って混和し、顆粒状とし、圧縮成型して1錠 120mgの錠剤を製造する。また、本発明化合物及び添加物の量を適宜変更することにより、所望の錠剤を得ることができる。
以下、本発明の医薬の薬理作用を実験例により説明する。
被験化合物として(±)-2-[[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン・マレイン酸塩、S-2-[[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン・マレイン酸塩、R-2-[[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン・マレイン酸塩を用いた。 以下、当該化合物をそれぞれテニロキサジン、化合物A又はBと称する。
また、アトモキセチンはThe Journal of organic chemistry 1988 vol53,No.13:2916-2920記載の方法により合成して使用し、セロトニン2A受容体の選択的なアンタゴニストであるM100,907 ((+)2,3-dimethoxyphenyl-1-[2-4-(piperidine)-methanol])は欧州特許公報531410号記載の方法により合成して各実験に使用した。
実験例1:6-OH-DA処置による幼若期ドパミン神経破壊ラットの運動量亢進に対する抑制作用
[1] 試験方法
Zhang等の方法(Neuropsychopharmacology 2001 Nov;25(5):624-32)に準じ、SD系雄性ラット(日本チャールズ・リバー)生後5日目にデシプラミン(シグマ社)を前処置後、6-ヒドロキシドパミン(以下、6-OH-DAと記す)(シグマ社)を片側の脳室内投与した。生後12〜18日目間に運動量測定装置(東洋産業)への馴化を3回行い、生後19日目に運動量を測定し各群の群分けを行った。生後20日目に化合物A(1、3又は10 mg/kg、経口)、及びアトモキセチン(1、3、10又は30 mg/kg、経口)を投与し、投与の1時間後から、30分間の運動量を測定した。なお、コントロールとして0.5% HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を経口投与した。
また、アトモキセチンとM100,907 (0.3 mg/kg、経口)とを併用した時の30分間の運動量についても併せて検討した。
2) 結果および考察
化合物Aの投与により6-OH-DA処置により亢進した運動量は用量依存的に抑制され、3mg/kgから有意な差が認められた(図1−A)。正常ラットに化合物Aを投与しても有意な運動量の抑制は認められなかった(図1−B)。一方、アトモキセチンの投与により6-OH-DA処置により亢進した運動量は用量依存的に抑制したものの、有意な抑制は認められなかった(図2−A)。
また、アトモキセチンとM100,907とを併用投与することにより、6-OH-DA処置により亢進した運動量は著明に抑制された(図3)。 この結果は、ノルエピネフリンの再取込み阻害作用およびセロトニン2A受容体アンタゴニスト作用を合わせる事がAD/HD治療に有効である事を示している。
6-OH-DA処置により亢進した運動量を100%とし、その抑制のED50値を直線回帰したところ化合物A、及びアトモキセチンはそれぞれ1.7及び24mg/kgであった。
実験例2:テニロキサジン、化合物AおよびBの5-HT2A受容体に対する親和性の検討
1) 試験方法
既知の方法(モレキュラー・ファーマコロジー、第21巻、301頁、1981年)に準じて特異的5-HT2A受容体結合試験を行った。
6〜12週齢のウイスターラット(セアック吉富)大脳皮質より粗シナプトソーム画分を分離し、50mmol/Lトリス−塩酸緩衝液(pH 7.7)(ナカライテスク社)に懸濁して実験に用いた。次にシナプトソーム懸濁液に数種類の濃度の試験化合物およびトリチウム化したケタンセリン(終濃度 0.2 nmol/L)(日本アイソトープ)を加え、37℃で20分間反応させた。反応後、反応液をワットマンGF/Bフィルター(ニューロサイエンス)で吸引濾過し、50 mmol/L トリス−塩酸緩衝液(pH 7.7)で洗浄後、フイルターに残った放射能活性を液体シンチレェーションカウンター(アロカ社)で測定した。
非特異的結合を10−5 mmol/L ミアンセリン(シグマ社)存在下で決定した。50%抑制濃度をグラフ的に算出し、阻害定数(Ki値)を求めた。
2) 結果および考察
テニロキサジン、化合物A、及びBの5-HT2A受容体に対するKi値はそれぞれ49、26、及び1000 nmol/Lであり、化合物Aが最も高い親和性を示した。
実験例3:テニロキサジン、化合物AおよびBのノルエピネフリン取り込み阻害作用に対する親和性の検討
1) 試験方法
既知の方法(ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エックスペリメント・セラペウティック、第165巻、78頁、1969年)を一部変更してノルエピネフリン取り込み阻害作用を測定した。
ddy系雄性マウスの海馬より粗シナプトソーム画分を分離し、Krebs-Henseleit緩衝液(pH 7.4)に懸濁して実験に用いた。次にシナプトソーム懸濁液に数種類の濃度の試験化合物を加え、5分間プレインキュベーションした後、反応液にトリチウム化したノルエピネフリン(日本アイソトープ)を加え、37℃で10分間反応させた。反応後、反応液をワットマンGF/Bフィルター(ニューロサイエンス)で吸引濾過し、Krebs-Henseleit緩衝液(pH 7.4)で洗浄後、フイルターに残った放射能活性を液体シンチレェーションカウンター(パッカード社、3380型)で測定した。なお、ノルエピネフリンの濃度依存性取り込み量は、37℃における取り込み量から0℃における取り込み量を差し引いた値とした。50%抑制濃度をグラフ的に算出し、阻害定数(Ki値)を求めた。
2)結果および考察
テニロキサジン、化合物AおよびBのマウス脳シナプトソームへのノルエピネフリン取り込みに対する50%阻害濃度(IC50)はそれぞれ12、2.6、および33 nmol/Lであり、化合物Aが最も高い親和性を示した。
本発明の治療薬である前記式(1)の化合物は、AD/HDのモデルである6-OH-DAラット及びSHRマウスの多動性を抑制する方向に改善する。これらの活性のために、前記式(1)の化合物はAD/HDの予防及び/又は治療薬として有用である。また、本発明の治療薬は毒性も低く、医薬として安全に使用することが可能である。
なお、本願は特願2005−010226号を優先権主張して出願されたものである。

Claims (9)

  1. 注意欠陥/多動性障害を治療するための方法であって、哺乳動物のノルエピネフリンの再取込み阻害作用およびセロトニン2A受容体アンタゴニスト作用を有する化合物又はそれらの医薬上許容し得る塩を投与することを特徴とする前記方法。
  2. 哺乳動物のノルエピネフリンの再取込み阻害作用およびセロトニン2A受容体アンタゴニスト作用を有する化合物又はそれらの医薬上許容し得る塩を有効成分とする注意欠陥/多動性障害の治療薬。
  3. 注意欠陥/多動性障害を治療するための医薬組成物であって、哺乳動物のノルエピネフリンの再取込み阻害作用およびセロトニン2A受容体アンタゴニスト作用を有する化合物又はそれらの医薬上許容し得る塩、製剤的に許容される担体を含有する前記医薬組成物。
  4. 注意欠陥/多動性障害を治療するための、哺乳動物のノルエピネフリンの再取込み阻害作用およびセロトニン2A受容体アンタゴニスト作用を有する化合物又はそれらの医薬上許容し得る塩の使用。
  5. S-2-[[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン、又はR-2-[[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン、又はその医薬上許容しうる塩、若しくはそれらの溶媒和物の少なくとも1つを有効成分とする注意欠陥/多動性障害治療薬。
  6. S-2-[[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン、又はその医薬上許容しうる塩、若しくはそれらの溶媒和物を有効成分とする注意欠陥/多動性障害治療薬。
  7. R-2-[[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン、又はその医薬上許容しうる塩、若しくはそれらの溶媒和物を有効成分とする注意欠陥/多動性障害治療薬。
  8. S-2-[[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン、又はR-2-[[o-(2-テニル)フェノキシ]メチル]モルホリン、又はその医薬上許容しうる塩、若しくはそれらの溶媒和物の少なくとも1つを含有する医薬組成物。
  9. 注意欠陥/多動性障害の治療に使用する請求項8記載の医薬組成物。
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