JPWO2006068046A1 - 電気スズおよびスズ合金めっき液 - Google Patents
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Abstract
イミダゾール基と水酸基を1分子中に有する化合物を1種または2種類以上含む電気スズおよびスズ合金めっき液。前記化合物としては、下記式(1)で表されるイミダゾールアルコール化合物が好ましい。
【化1】
(一般式(1)中、R1、R2、R3はそれぞれ水素、ビニル基、または炭素数1〜20のアルキル基であって、R2とR3とで芳香環を形成していてもよく、R4は水素、ビニル基、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、あるいは―(CH2CH(R5)O)kH、R5は水素、炭素数1〜20のアルキル基、Xは水素、炭素数1〜6のアルキル基、またはN、Oを含んでいてもよい置換基を表し、mは0〜20の整数、n、lは1〜3の整数、kは1〜20の整数を表す。)
Description
[1] イミダゾール基と水酸基を1分子中に有する化合物を1種または2種類以上含むことを特徴とする電気スズおよびスズ合金めっき液。
電気スズめっき液中、スズ塩の濃度としては、金属として1〜60g/Lが好ましく、また、電気スズ合金めっき液の場合は、前記濃度のスズ塩と、スズと合金を形成する金属塩を金属として0.01〜50g/L含有するのが好ましい。
めっき液中、金属塩の安定剤は、次亜リン酸塩を用いた場合は1〜50g/L、その他の場合は0.05〜10g/L含有することが好ましい。
めっき液中、光沢剤は0.01〜10g/L含有することが好ましい。
めっき液中、伝導塩は5〜300g/L含有することが好ましい。
めっき液中、錯化剤は0.05〜100g/L含有することが好ましい。
添加量が少な過ぎると、めっきが半光沢にならず、粗いめっきとなる。また、陰極電流効率の改善が見られないためめっき速度が遅い、はんだ付け性の改善効果が見られないなど期待した効果が得られない。また、添加量が過剰となると、めっき速度の低下、皮膜への添加剤咬みこみによる物性(耐酸化性、はんだ付け性、はんだ付け強度ほか)劣化が起こり、大過剰では、無めっき部分が発生する。
めっき温度は10℃から50℃、好ましくは、20℃から45℃である。また、めっき液のpHとしては、強酸性から中性の範囲で用いることが出来る。特にスズ−亜鉛めっきに関しては、pH2からpH6.5の範囲で用いられるが、特にこれに限定されるものではない。電気めっきの電流密度としては、0.1A/dm2から30A/dm2、特には1A/dm2から15A/dm2の条件で電気めっきをすることができる。
めっきの方法としては、バレルめっき、ラック式めっき、フープ式めっきなどのいずれも適応することが可能である。
合成例
イミダゾールアルコール化合物1〜3の合成
イミダゾール9.2gを120℃に加熱し、2,3−エポキシプロパノール10gを滴下後、150℃で3時間反応させ、イミダゾールアルコール1を得た。
下記に示すイミダゾールアルコール2、及び3も上記合成方法と同様にして、イミダゾール化合物とエポキシ化合物の添加モル比が1:1になるようにして合成した。
スズめっき基本液、またはスズ合金めっき基本液に対して上記構造のイミダゾールアルコール化合物を添加して、めっき試験を実施した。
電気スズ合金めっき液の基本液は以下の組成の液を用いた。
めっきは3dm3ビーカーにアノードバック付スズ板(150×150×厚さ10mm)をアノードとし、スターラー撹拌(回転子50mm、300rpm)を行った。陰極は10×25mm銅板を用い、ストローク長60mm、24rpmでカソードを揺動させた。めっき温度は35℃である。
めっき速度は、陰極電流密度2、3、5、10A/dm2でめっきを行い、重量法及び蛍光X線膜厚測定法にて測定した。
はんだ付け試験前処理として、オートクレーブにて温度105℃、湿度100%条件(以下PCT)で4、16時間処理、あるいはリフロー処理として、全処理時間3分、予備加熱160℃、本加熱230℃のリフローを行った。はんだ付け試験はメニスコグラフ法を行った。
フラックスにNA−200(タムラ化研(株)製)を用い、スズ−3銀−0.5銅鉛フリーはんだ、温度240℃、浸漬深さ2mm、浸漬速度2mm/秒でのゼロクロスタイムを測定した。
結果はめっき速度を表5、はんだ付け性を表7に示す。
リフロー性の評価は、スズ亜鉛めっきを行った試験片をアルミニウム板(0.3mm厚、1020材)に乗せ、ホットプレート上でリフローを行った。リフロー温度は230℃±5℃、リフロー時間30秒で行った。
結果はめっき速度を表5、はんだ付け性を表7、リフロー性を表9、めっき後及びリフロー後外観を図1に示す。
結果はめっき速度を表5、はんだ付け性を表8に示す。
上記表3に示す組成物(pH6.0)にイミダゾールアルコール化合物1を3g/L添加しためっき液を使用してめっきを行い、めっき速度、はんだ付け性を確認した。めっきはバレル(ミニバレル:株式会社山本鍍金試験器製)にて行い、素材は銅板(10×25mm)を使用した。
めっき条件は液量3L、めっき温度35℃、めっき時間50分、回転数10rpmとした他は実施例1と同様に行った。また、めっき速度、はんだ付け性は実施例1と同様に測定、評価した。
結果はめっき速度を表5、はんだ付け性を表7に示す。
結果はめっき速度を表5、はんだ付け性を表8、めっき皮膜の結晶状態を図2に示す。
上記表4−1に示す組成物(pH4.0)にイミダゾールアルコール化合物2を0.5g/Lを添加しためっき液を使用して実施例3と同様にめっきを行い、めっき速度、はんだ付け性を確認した。
結果はめっき速度を表5、はんだ付け性を表8に示す。
上記表4−1に示す組成物(pH4.0)にイミダゾールアルコール化合物3を0.5g/L添加しためっき液を使用して実施例3と同様にめっきを行い、めっき速度、はんだ付け性を確認した。
結果はめっき速度を表5、はんだ付け性を表8に示す。
上記表4−1に示す組成物(pH4.0)にイミダゾールアルコール化合物2を5g/L添加しためっき液を使用して実施例3と同様にめっきを行い、めっき速度、はんだ付け性を確認した。
結果はめっき速度を表5、はんだ付け性を表8に示す。
上記表4−1に示す組成物(pH4.0)にイミダゾールアルコール化合物1とクエン酸の等モル混合物0.5g/Lを添加しためっき液を使用して実施例3と同様にめっきを行い、めっき速度、はんだ付け性を確認した。
結果はめっき速度を表5、はんだ付け性を表8に示す。
上記表4−1に示す組成物にイミダゾールアルコール化合物1を3g/L添加しためっき液を使用して実施例1と同様にめっきを行い、めっき速度、はんだ付け性を確認した。
その結果はめっき速度を表5、はんだ付け性を表7に示す。
その結果はめっき速度を表5、はんだ付け性を表7に示す。
表1〜4に示すめっき液を使用して、すなわち、イミダゾールアルコール化合物無添加のめっき液を使用した以外は、前記の実施例1〜5、10及び11と同様にめっきを行い、また同様の測定、評価を行った。その結果はめっき速度を表6、はんだ付け性を表7、8、リフロー性を表9、比較例2、5で得られためっき皮膜の結晶状態を図1、2に示す。
なお、比較例1〜5、10、及び11は、それぞれ実施例1〜5、10及び11に対応するものである。
Claims (3)
- イミダゾール基と水酸基を1分子中に有する化合物を1種または2種類以上含むことを特徴とする電気スズおよびスズ合金めっき液。
- 前記イミダゾール基と水酸基を1分子中に有する化合物が、下記一般式(1)で表されるイミダゾールアルコール化合物であることを特徴とする請求の範囲1記載の電気スズおよび電気スズ合金めっき液。
- 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表されるイミダゾール化合物と下記一般式(3)で表されるエポキシ化合物を反応させて得られたイミダゾールアルコール化合物であることを特徴とする請求の範囲2記載の電気スズおよびスズ合金めっき液。
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