JPWO2006068001A1 - 加水分解シルクを含有する口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

総窒素量とアミノ態窒素量をもとに計算される数平均分子量が200〜6,000の加水分解シルクと、フッ素化合物とを含有することを特徴とする口腔用組成物。

Description

本発明は、歯牙の象牙質への高い吸着性能を持つ加水分解シルクで歯牙をコートすることで、う蝕の原因となる菌や酸、酵素などから歯牙を効果的に保護し、またフッ素や抗菌剤の滞留性を向上させ、歯質の溶解・分解を顕著に防止することにより、象牙質のう蝕予防効果を飛躍的に向上させた口腔用組成物に関するものである。
従来から、歯に対して有効成分を作用させる手段として、歯磨剤、洗口剤、ジェル、錠剤、グミ、ガムなどといった手段がとられてきた。しかしながら、歯磨剤や洗口剤の場合には、吐き出した後では口腔内の有効成分の量が不十分であり、クリームやジェルは使用性が悪く、固形インサートの場合には苦痛を伴ったりするといった問題点があった。また、いずれの場合にも、唾液による清浄作用によって有効成分の濃度低下が起こり、効果が低下するという問題点があった。
一方、象牙質は、エナメル質よりも多孔質でかつ有機質に富んだ構造をとっており、その有機質の大部分はI型コラーゲンである。象牙質う蝕の発症機序としては、以下の通りである。まず、象牙質表面にプラークが付着し、プラーク中の細菌によって糖の代謝がおこり、酸が産生される。その酸により象牙質のミネラル成分が溶出(脱灰)し、コラーゲン質が露出する。更にコラーゲン質は、細菌や唾液に由来するコラゲナーゼにより分解され、う窩(凹み)となる。象牙質う蝕は、これら脱灰とコラーゲン分解の繰り返しにより、より深いう蝕へと進行する。これらのことから、象牙質う蝕の予防効果を向上させるには、脱灰とコラーゲン分解の双方を効果的に抑制することが重要である。
それに対し、歯質保護を謳う技術が提案されている。例えば、天然又は合成のカチオン化ペプチド/タンパクとノニオン又は両性活性剤との組み合わせにより、組成物の外観性向上を実現させた技術(特開平6−9354号公報)は、フッ素の歯面取り込み向上も目的としているが、カチオン化したペプチドやタンパクは、適用時間1時間という長時間処置で効果を発揮している点で、効果は十分といえない。コラーゲン又はゼラチンを含有する洗口剤(特開2003−119157号公報)は、目の硝子体や軟骨に含まれるII型コラーゲンに対しては高い吸着能を示す一方、象牙質や骨、口腔粘膜に含まれるI型コラーゲンに対しては吸着能が小さいことから、歯牙への組成物の吸着には大きな課題がある。脂肪酸塩を含有する歯面コート剤(特開2000−103726号公報)は、脂肪酸塩そのものの界面活性作用により、薬剤処置後のうがいによって有効成分が口腔内から流出してしまい、脂肪酸塩の歯面コート効果ならびに有効成分の歯面滞留性には大きな課題が残る。また、茶ポリフェノール、フッ素、アルミニウム塩からなる歯質耐酸性強化組成物(特開平6−298632号公報)は、味が悪い上に、酸性領域で効果が発揮できるものであり、歯磨剤や洗口剤などの通常の使用下であるpHが中性付近においては、フッ素とアルミニウムイオンとの間に、更には歯磨剤の場合、研磨剤との間にも不溶性沈殿が形成され、フッ素の歯質への取り込み向上効果は、期待できない。
更には、シルクを用いた技術として、絹蛋白質分解物を含有するストレス抑制剤(特開2003−81868号公報)や、絹蛋白質加水分解物由来の生理活性作用組成物(特開平11−139986号公報)があるが、これらは、歯磨剤や洗口剤など口腔用の組成物として処方設計されておらず、効果については不明である。また、シルクフィブロインからなるスクラブ剤(特開2003−113072号公報)があるが、これ自体を口腔内に用いた場合、スクラブ効果こそ認められるものの、歯質の保護効果は認められない。更には、シルクフィブロインからなる口腔用組成物(特開2001−226242号公報)も、特開2003−113072号公報と同様に加水分解したシルクでないため、フィブロインの数平均分子量は、およそ350,000と大きく、舌や頬粘膜など粘膜への造膜保護効果には優れるものの、硬い歯牙への吸着効果は低いため、歯面保護効果は劣る。一般的に、天然由来のポリペプチド化合物は、分子量が小さいほど浸透性・吸着性が高い一方、造膜性が低く、分子量が大きいほど吸着性・浸透性が低くなる一方、造膜性能が上がるといわれる。例えば、(株)成和化成の製品カタログ(プロモイス(登録商標))によると、コラーゲンポリペプチドの毛髪への吸着性及び浸透性は分子量が小さいほど高く、分子量が大きくなると造膜性は向上する一方、吸着性・浸透性は低下するとある。
このように、いずれの公知技術も、短時間処理での歯牙の象牙質への吸着・保護効果、フッ素、抗菌剤などの有効成分の歯面滞留性、製剤中での安定性、組成物の香味などにおいて大きな課題がある。
これらの問題点を解決するために、短時間処理での歯牙の象牙質への効果的な吸着能、フッ素、抗菌剤など有効成分の歯面滞留化機能、製剤中での安定性、香味などを兼ね備えた組成物が望まれる。
本発明は、上記問題点を解決し、短時間処理での象牙質う蝕予防効果の高い口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、絹糸を精製して得られるシルクフィブロインを更に酸・アルカリ、酵素などで加水分解したペプチド化合物とフッ素化合物との組合せにより、I型コラーゲンを主体とする有機質を含有する象牙質に対し、優れたコラーゲン分解抑制能・脱灰抑制能を見出した。更には難水溶性非イオン性抗菌剤を加えることで、コラーゲン分解抑制能・脱灰抑制能がより向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は、
[I]総窒素量とアミノ態窒素量をもとに計算される数平均分子量が200〜6,000の加水分解シルクと、フッ素化合物とを含有することを特徴とする口腔用組成物、
[II]加水分解シルクがリン酸加水分解により得られたものである[I]記載の口腔用組成物、
[III]加水分解シルクの配合量が組成物全体の0.1〜10質量%であり、フッ素化合物の配合量が組成物全体の0.02〜3質量%である[I]又は[II]記載の口腔用組成物、
[IV]更に、難水溶性非イオン性抗菌剤と、界面活性剤及び/又はアルコール類を含有することを特徴とする[I]〜[III]のいずれかに記載の口腔用組成物、
[V]難水溶性非イオン性抗菌剤がトリクロサン又はイソピロピルメチルフェノールであり、界面活性剤が平均付加モル数が5〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はアルキル硫酸エステル塩であり、アルコールがプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(#200〜6000)、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール又はエタノールである[IV]記載の口腔用組成物、
[VI]難水溶性非イオン性抗菌剤の配合量が組成物全体の0.01〜2質量%であり、界面活性剤の配合量が組成物全体の0.1〜5質量%であり、アルコールの配合量が組成物全体の0.1〜50質量%である[IV]又は[V]記載の口腔用組成物を提供する。
本発明によれば、特定の数平均分子量の加水分解シルクとフッ素化合物を用いることにより、象牙質のコラーゲン分解と脱灰を顕著に抑制することができる。更には難水溶性非イオン性抗菌剤とそれを可溶化させるための界面活性剤及び/又はアルコール類を加えることで、象牙質のコラーゲン分解抑制効果と脱灰抑制効果の双方を向上させることにより、象牙質う蝕の予防効果が飛躍的に向上した口腔用組成物を提供することができる。
本発明の口腔用組成物は、加水分解シルクを含有することを特徴とする。
ここで、加水分解シルクは、蚕の吐糸する繭糸を精製して得られるシルクフィブロインを酸・アルカリ、酵素などで加水分解することで得ることができる。繭糸には、中心部にフィブロイン、周囲にセリシンが存在し、存在比は一般的にフィブロイン:セリシン=70〜80%:20〜30%(質量百分率)であることが知られている。
絹糸は、まず養蚕農家で生産された繭を乾繭、煮繭後繰糸して生糸を作製し、次いで生糸の精練を行って絹糸又は絹織物とする。精錬方法としては、アルカリ性ナトリウム塩や石鹸を含む水溶液中で煮沸する方法(アルカリ石鹸精錬)が最も一般的であり、この精錬によって、絹糸の外側のセリシンは除去され、中心部のフィブロインだけに精製される。加水分解シルクは、このフィブロイン(平均分子量:約350,000)を酸・アルカリ、酵素などで加水分解することで得られるが、加水分解する程度により、様々な分子量のものに調製できる。また、本発明の場合、特にリン酸加水分解により得られた加水分解シルクが好ましい。
本発明で用いる加水分解シルクは、数平均分子量が200〜6,000のものであるが、好ましくは500〜5,000、更に好ましくは500〜1,000のものがよい。数平均分子量が200より小さい場合には、歯牙への吸着性はあるものの、造膜性が極端に低く、6,000を超えると造膜性は高いものの、吸着性が低下するため、効果は低下する。加水分解シルクは、様々な数平均分子量のグレードが各社から市販されており、それらを必要に応じ使い分けすることができる。市販品としては、リン酸加水分解による加水分解シルクとして、シルクBN−P((株)NDC製、数平均分子量500)が挙げられ、酵素加水分解による加水分解シルクとして、シルクペプチドM−500(コスモ食品(株)製、数平均分子量500)、その他の製法による加水分解シルクとして、プロモイス(登録商標)シルク1000p((株)成和化成製、数平均分子量1,000)、シルクペプチド5(カネボウ(株)製、数平均分子量1,500)、シルクパウダーFD(カネボウ(株)製、数平均分子量5,000)などが挙げられる。本発明の加水分解シルクは、非カチオン性乃至ノニオン性である。
数平均分子量は、一般的にゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)、分析窒素値の計算によって算出する方法があるが、本発明に用いる加水分解シルクのようにポリペプチド化合物に対しては、後者を用いることが多い。更に詳述すると、本発明の加水分解シルクの数平均分子量は、分子中の総窒素量、アミノ態窒素量、構成アミノ酸の平均分子量をもとに下記式(1)によって算出される。
Figure 2006068001
上記式(1)において、構成アミノ酸の平均分子量は、通常のアミノ酸分析により求めた構成アミノ酸の存在比率(%)に各アミノ酸の分子量を掛け合わせたものを示し、総窒素量は、化粧品原料基準一般試験法の窒素定量法第一法あるいはガスクロマトグラフィー(GC)、アミノ態窒素量は、ホルモール滴定法によって測定できる。
上記加水分解シルクの配合量は、特に制限されるものではないが、組成物全体の0.1〜10%(質量百分率、以下同じ)が好適であり、特に0.5〜5%が望ましい。0.1%より低い場合には、本発明の効果が十分には得られず、10%を超えると、味や使用感が悪くなる場合がある。
本発明の口腔用組成物にはフッ素化合物を配合する。本発明に用いるフッ素化合物としては、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第一スズ等が挙げられ、特にフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムが好ましい。う蝕予防の観点から、これらのフッ素化合物を組成物全体の0.02〜3%配合することが好ましく、特にフッ化ナトリウムの場合は組成物全体の0.02〜1%、より好ましくは0.02〜0.7%であり、モノフルオロリン酸ナトリウムの場合は、組成物全体の0.05〜3%、より好ましくは0.07〜2.5%であることが好ましい。
また、本発明は、更に難水溶性非イオン性抗菌剤を配合することが好ましい。難水溶性非イオン性抗菌剤としては、トリクロサン(水への溶解度;0.001g/100mL(20℃)、環境省ホームページ記載値)、イソプロピルメチルフェノール(同;0.015g/100mL(25℃)、大阪化成(株)カタログ記載値)、チモール(同;0.098g/100mL(25℃)、大阪化成(株)カタログ記載値)など、20〜25℃での水への溶解度が0.1g/100mL以下の非イオン性抗菌剤が挙げられ、中でもトリクロサン、イソプロピルメチルフェノールが好ましい。本発明においては、上記難水溶性非イオン性抗菌剤の1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。配合量は、組成物全体の0.001〜2%が好ましく、より好ましくは0.01〜1%である。0.001%未満では十分な殺菌効果が発揮されない場合があり、また、2%を超えると製剤中への可溶化が困難となったり、味や使用性が悪くなる場合がある。
更に、本発明の口腔用組成物には、難水溶性非イオン性抗菌剤及び油溶性香料の溶解性を向上させるために、界面活性剤を配合することができる。界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油やアルキル硫酸エステル塩が好ましい。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は酸化エチレンの平均付加モル数が5〜100のものであり、特に歯磨剤に対しては5〜20、洗口剤に対しては40〜100のものが好ましい。平均付加モル数が5未満では油溶性が高まり、起泡力の低下を招き、100を超えると難水溶性非イオン性抗菌剤の安定性が低下する場合がある。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の配合量は、組成物に対し0.1〜5%、特に歯磨剤の場合には0.5〜2.5%、洗口剤の場合には0.2〜2%が好適である。0.1%未満では難水溶性非イオン性抗菌剤の安定化効果が十分得られず、5%を超えると十分な起泡力が得られない場合がある。
アルキル硫酸エステル塩としては、例えばオクチル硫酸、デシル硫酸、ラウリル硫酸、ミリスチル硫酸、パルミチル硫酸、ステアリル硫酸などのナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属塩が挙げられ、中でも起泡力に優れるラウリル硫酸ナトリウムが最も好ましい。アルキル硫酸エステル塩の配合量としては、好ましくは0.05〜5%であり、より好ましくは歯磨剤の場合には0.1〜2.5%であり、洗口剤の場合には0.1〜0.5%が好適である。0.05%未満では十分な起泡性が得られず、5%を超えると発泡性が強く、使用感が低下するおそれがある。
また、界面活性剤に代えて、又は界面活性剤と共にアルコール類を配合することができる。アルコール類としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(#200〜6000)、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、エタノール等の1種又は2種以上が使用でき、配合量は組成物全体の0.1〜50%が好ましく、より好ましくは1〜40%である。0.1%より少ない場合、難水溶性非イオン性抗菌剤を安定に配合できない場合があり、50%を超えると味や使用性を悪化させる場合がある。
更に、他のう蝕予防成分として、効果を持つ既知の薬剤が使用でき、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、水酸化カルシウムなどの無機性カルシウム化合物や、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム、マロン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グリセリン酸カルシウム、酒石酸カルシウム、フィチン酸カルシウムなどの有機性カルシウム化合物、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、リゾチームなどの酵素剤を組み合わせて使用することができる。これらの薬剤の配合量は、組成物全体の好ましくは0.005〜10%の範囲であり、特に好ましくは0.05〜5%の範囲である。0.005%より少ない場合には効果が発現されず、また10%を超える場合には、味や使用性に問題が起こる場合がある。
本発明の口腔用組成物は、練歯磨、潤製歯磨、液体歯磨等の歯磨剤、洗口剤、口中清涼剤、うがい用錠剤、義歯用洗浄剤、チューインガム等の形態とすることができ、それぞれの組成物は、その特徴に応じ、その他の成分を本発明の効果を損ねない範囲で使用し、通常の方法で調製することができる。この場合、歯磨剤の場合、通常研磨剤、湿潤剤、粘結剤等が配合される。
研磨剤としては、沈降性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート、ゼオライト、ジルコノシリケート、第2リン酸カルシウム・2水和物及び無水物、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、不溶性メタリン酸カリウム、酸化チタン、ハイドロキシアパタイト、合成樹脂系研磨剤等が挙げられる(配合量;通常、組成物全体に対して5〜50%)。
湿潤剤としては、上記アルコール類のうち、多価アルコール等が挙げられる(配合量;通常、組成物全体に対して10〜50%)。
粘結剤としては、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、キサンタンガム、タラガム、グアガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、ゼラチン、カードラン、アラビアガム、寒天、ペクチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、プルラン等が挙げられる(配合量;通常、組成物全体に対して0.1〜5%)。
また、必要に応じ、上記した界面活性剤以外のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を配合し得、例えば、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、N−アシルグルタメート、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、N−アシルタウレート、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ラウロイルサルコシンナトリウム、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホこはく酸塩等を組成物全体に対して0〜5%配合し得る。
また、洗口剤等の液体口腔用組成物の場合、上記粘稠剤や他の界面活性剤を配合することができる。
更に、本発明の口腔用組成物には必要に応じ、サッカリン、キシリトール等の甘味剤、その他防腐剤、香料、着色剤、pH調整剤、賦形剤、各種薬効成分等を配合することができる。
本発明組成物のpHは、口腔内及び人体に安全性上問題ない範囲であれば、特に限定されるものではないが、望ましくはpH4〜10であり、更に望ましくはpH5.5〜9である。pH4未満の場合には適用時間によっては脱灰の懸念があり、pH10超の場合には、使用性や味が悪くなる場合がある。pH調整剤として、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム等を適量配合し得る。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、各例中の%はいずれも質量百分率である。また、下記例で、数平均分子量は前記式(1)で計算される数平均分子量である。
実験1:初期脱灰象牙質のコラーゲン分解抑制実験
[実施例1〜21、比較例1〜6]
(1)モデル歯磨剤の調製(実施例1〜7)
下記表1の処方に従い、モデル歯磨剤を調製した。リン酸加水分解法による加水分解シルクとしては、数平均分子量500の(株)NDC製のシルクBN−Pを用いた。リン酸加水分解法以外の加水分解シルクとして、シルクペプチドM−500(コスモ食品(株)製、数平均分子量500)、プロモイス(登録商標)シルク1000p((株)成和化成製、数平均分子量1,000)、シルクペプチド5(カネボウ(株)製、数平均分子量1,500)、シルクパウダーFD(カネボウ(株)製、数平均分子量5,000)を用いた。また、7%シルクフィブロイン水溶液は、特開2001−226242号公報の参考例1〈フィブロイン水溶液の製法〉を参考にして調製したもの、同様にシルクフィブロインスクラブ剤は、特開2003−113072号公報の実施例1を参考にして調製したものを使用した。更に、豚皮コラーゲンは、日本ハム(株)製NMPコラーゲンPS、カチオン化シルクは、(株)成和化成製20%高級アルキルカチオン化シルクペプチド溶液(プロモイス(登録商標)S−CAQ)を用いた。
歯磨剤の調製方法としては、精製水中に水溶成分(フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、加水分解シルク、カチオン化シルク、豚皮コラーゲン等)を常温で混合溶解させたA相を調製した。なお、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムは、日本国内で認可される含有量がフッ素イオンとして1,000ppm以下であるため、実施例ではフッ化ナトリウムは0.21%、モノフルオロリン酸ナトリウムは0.73%を中心に配合した。一方、精製水中にポリアクリル酸ナトリウム(レオジック250H、日本純薬(株)製)を常温で分散させたB相を調製した。撹拌中のA相の中にB相を添加混合し、ポリアクリル酸ナトリウムを膨潤させ、C相を調製した。更にC相中に、その他の成分(シルクフィブロインスクラブ剤、ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油)等の成分を1.5Lニーダー(有限会社石山工作所製)を用い、常温で混合し、4kPaまで減圧し、脱泡を行い、歯磨剤1.0kgを得た。
なお、加水分解シルク、シルクフィブロイン、豚皮コラーゲンの数平均分子量は、総窒素量を、化粧品原料基準一般試験法の窒素定量法第一法、アミノ態窒素量をホルモール滴定法によって測定し、式(1)により算出した。
(2)歯磨剤の調製(実施例8〜19)
精製水中に水溶成分(加水分解シルク、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、サッカリンナトリウム、キシリトール、70%ソルビット等)を常温で混合溶解させたA相を調製した。なお、加水分解シルクは、上記(1)と同様、リン酸加水分解法による加水分解シルクとしては、数平均分子量500の(株)NDC製のシルクBN−Pを用いた。リン酸加水分解法以外の加水分解シルクとして、シルクペプチドM−500(コスモ食品(株)製、数平均分子量500)、プロモイス(登録商標)シルク1000p((株)成和化成製、数平均分子量1,000)、シルクペプチド5(カネボウ(株)製、数平均分子量1,500)、シルクパウダーFD(カネボウ(株)製、数平均分子量5,000)を用いた。更にフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムは、日本国内で認可される含有量がフッ素イオンとして1,000ppm以下であるため、実施例ではフッ化ナトリウムは0.21%、モノフルオロリン酸ナトリウムは0.73%を中心に配合した。一方、プロピレングリコール中に、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、チモール、ポリアクリル酸ナトリウム(レオジック250H、日本純薬(株)製)、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム等を常温で溶解・分散させたB相を調製した。次に、撹拌中のA相の中にB相を添加混合し、更にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を配合する実施例については添加混合し、C相を調製した。C相中に、香料、無水ケイ酸、その他の成分(デキストラナーゼ、ラウリル硫酸ナトリウム等)を、1.5Lニーダー(有限会社石山工作所製)を用い常温で混合し、4kPaまで減圧し脱泡を行い、歯磨剤1.0kgを得た。
(3)洗口剤の調製(実施例20,21)
スリーワンモーターと回転羽根を有する撹拌機を装着したステンレス製容器に、規定量の精製水を投入し、配合成分のうち加水分解シルクなどの水溶性成分を撹拌しながら投入、溶解させた。一方、スリーワンモーターと回転羽根を有する撹拌機を装着した別のステンレス製容器に、規定量のエタノール等の有機溶剤を投入し、配合成分のうち油溶性成分を撹拌しながら投入、溶解させた。更に、水溶性成分を溶解させた容器に、上記油溶性成分を加え、1分〜30分撹拌し、均一溶液とし、洗口剤を得た。
(4)象牙質コラーゲン分解抑制実験
JM,Ten Cateらの文献(The influence of the organic matrix on demineralization of bovine root dentin in vitro, Journal of Dental Research 73(9): p1523−1529, September, 1994)を参考に、牛歯象牙質コラーゲンの分解試験を行った。
具体的には、健康なウシから抜去した切歯の根面象牙質を切り出し、縦5mm×横5mm×高さ3mmの象牙質ブロックを作製した。更にブロックの一表面を#4000の耐水研磨紙で鏡面研磨し、その面のうち2mm×2mmの部分を除き、市販のネイルバーニッシュを全ての面に塗布し、大きさ2mm×2mmの被験面(ウィンドウ部)を作製した。この被験面を0.1M酢酸(pH5.0)で、2日間脱灰し、深さ約300μmの脱灰層、即ちコラーゲン層を得た。
実施例1〜19及び比較例1〜6のモデル歯磨剤・歯磨剤は、ヒト使用下での用法容量を考慮し蒸留水で3倍希釈し、その希釈液を処理液とした。また、実施例20,21の洗口剤については、原液を処理液とした。
上記牛歯象牙質ブロックの被験面を各実施例及び比較例の処理液に3分間、室温で浸漬し、歯磨剤については用法容量を考慮し蒸留水でよく濯いだ後、洗口剤については蒸留水で濯がず、Clostridium histolyticum由来のコラゲナーゼ(Type VII,Sigma製)溶液(400単位/mL 50mMHEPES,pH7.8)で18時間処理した。この処理を3回繰返した後、マイクロカッター(MC−201、マルトー(株)製)にて被験面に対し垂直方向に厚さ約200μmの切片を切り出し、ウェット状態のプレパラートを作製した。
最後に、偏光顕微鏡(BH−2、オリンパス光学工業(株)製)にて各切片のコラーゲン分解層の画像を取得し、画像解析装置(PIAS−V、ピアス(株)製)でコラーゲン分解深さ(μm)を求めた。更にコラーゲン分解処理のみを行ったサンプルの平均コラーゲン分解深さを基準に、各実施例及び比較例のコラーゲン分解抑制率を算出した(下記式(2))。なお、一連の実験操作は、各実施例及び比較例につきN=3で行い、その平均値を示した。象牙質コラーゲン分解抑制効果の評価基準は以下の通りであった。
Figure 2006068001
評価基準; 象牙質コラーゲン分解抑制率が、
◎ :80%以上
○〜◎:60%以上80%未満
○ :40%以上60%未満
△ :20%以上40%未満
× :20%未満
実験2:人工プラークを用いた健全象牙質脱灰抑制実験
[実施例1〜21、比較例1〜6]
この実験は、象牙質表面への原因菌の吸着、原因菌の糖代謝による酸産生、原因菌の各種酵素の産生などによる総合的な脱灰現象を評価するものであり、より実際のヒトの口腔内環境に近い評価実験として行った。実験1と同様にして、健康なウシから抜去した切歯の根面象牙質を切り出し、縦5mm×横5mm×高さ3mmの象牙質ブロックを作製した。更にブロックの一表面を#4000の耐水研磨紙で鏡面研磨し、その面のうち2mm×2mmの部分を除き、市販のネイルバーニッシュを全ての面に塗布し、大きさ2mm×2mmの被験面(ウィンドウ部)を作製した。このサンプルをコバルト60ガンマ線照射により、10.4kJ/kgの線量で滅菌処理を行った。
用いる製剤は、実験1で調製した、モデル歯磨剤、歯磨剤及び洗口剤をそのまま使用した。実施例1〜19及び比較例1〜6のモデル歯磨剤、歯磨剤については、蒸留水で3倍希釈し、遠心機(日立05PR−22、日立工機(株)製)にて3,000rpm、室温で10分間遠心した上清液を、更に細孔径0.22μmのフィルター(Millex−GS、日本ミリポア(株)製)でろ過滅菌を行い、それを処理液とした。また、実施例20,21については洗口剤のため、原液をろ過滅菌したものを処理液とした。
次に、上記牛歯象牙質ブロックの被験面を各実施例及び比較例の処理液に3分間、室温で浸漬し、滅菌蒸留水でよく濯いだ後、う蝕原因菌であるミュータンス菌(Streptococcus mutans ATCC25175)を含むTHB(Todd Hewitt Broth、Difco製)培地1.5mLに投入し、37℃、嫌気状態で1日培養し、象牙質ブロックの被験面表面に人工プラークを形成させた。この場合、実施例20,21については、洗口剤のため、減菌蒸留水による濯ぎはしなかった。その後、象牙質ブロックを取り出し、人工プラークが形成された被験面に、再度各実施例及び比較例の処理液を3分間、室温で浸漬させ、滅菌蒸留水でよく濯いだ後、1%ショ糖を含むTHB培地1.5mLに投入し、37℃、嫌気状態で1日培養した。この場合も、実施例20,21については、洗口剤のため、滅菌蒸留水による濯ぎはしなかった。この処理を1日1回、計4日間繰返した。なお、薬剤処理した後浸漬する培地は毎回新しいものを使用した。このあと、被験面の人工プラークを筆で注意深く除去し、マイクロカッター(MC−201、マルトー(株)製)にて被験面に対して垂直方向になるように厚さ約200μmの切片を流水下で注意深く切り出した。更に、ウェット状態で、軟X線発生装置(CMRII、ソフテックス(株)製)により、軟X線用フィルム(SO−343、コダック社製)上に2.8mA、18kVp、60分照射し、各切片のTMR(Transverse Micro Radiography)像を取得した。
最後に、各切片の脱灰程度を、切片とともに撮影した15枚のアルミニウムステップウェッジのTMR像から、画像解析装置(PIAS−V、ピアス(株)製)により各TMR像に対するミネラルプロファイルを描き、ミネラル喪失量ΔZ(脱灰量)を算出した。更に薬剤処理しない(培養のみ)サンプルの平均ΔZを基準脱灰量とし、各実施例及び比較例の象牙質脱灰抑制率を算出した(下記式(3))。なお一連の実験操作は、各実施例及び比較例につきN=3で行い、その平均値を示した。評価基準は以下の通りであった。
Figure 2006068001
評価基準; 象牙質の脱灰抑制率が、
◎:70%以上
○:50%以上70%未満
△:30%以上50%未満
×:30%未満
実施例1〜7及び比較例1〜6の評価結果については表1にまとめた。実施例8〜21の評価結果については表2にまとめた。
Figure 2006068001
*1 リン酸加水分解法によるシルクBN−P
*2 酵素加水分解法によるシルクペプチドM−500
実施例1〜7のように、数平均分子量が500〜5,000の加水分解シルクとフッ素化合物を含有するものについては、優れた象牙質コラーゲン分解抑制効果及び脱灰抑制効果を示した。その中で、特に数平均分子量500〜1,000の加水分解シルクとフッ素化合物とを含有するものが高い象牙質コラーゲン分解抑制効果を示した。また、同じ数平均分子量の加水分解シルクの効果を比較した場合、特にリン酸加水分解した加水分解シルクとフッ素化合物とを含有するものの方が、リン酸で加水分解していない加水分解シルクとフッ素化合物とを含有するものよりも高い象牙質コラーゲン分解抑制効果を示した。これは、リン酸加水分解した加水分解シルクの方が、ペプチド含量が高いためと推測された。一方、比較例のように加水分解シルクのみ、フッ素化合物のみの場合、あるいは、カチオン化シルクや数平均分子量のかなり大きなシルクフィブロインやコラーゲンを含有する場合は、象牙質のコラーゲン分解抑制効果や脱灰抑制効果は十分な効果が得られなかった。
[実施例8]歯磨剤
無水ケイ酸 15.0
フッ化ナトリウム 0.21
加水分解シルク(数平均分子量:500) 1.0
(シルクBN−P、(株)NDC製)
ラウリル硫酸ナトリウム 0.1
ポリアクリル酸ナトリウム 0.8
キサンタンガム 0.3
香料 0.1
精製水 残
計 100.0 %
[実施例9]歯磨剤
無水ケイ酸 15.0
フッ化ナトリウム 0.21
加水分解シルク(数平均分子量:500) 1.0
(シルクペプチドM−500、コスモ食品(株)製)
ラウリル硫酸ナトリウム 0.1
ポリアクリル酸ナトリウム 0.8
キサンタンガム 0.3
香料 0.1
精製水 残
計 100.0 %
[実施例10]歯磨剤
無水ケイ酸 15.0
フッ化ナトリウム 0.21
加水分解シルク(数平均分子量:5,000) 1.0
(シルクパウダーFD、カネボウ(株)製)
ラウリル硫酸ナトリウム 0.1
ポリアクリル酸ナトリウム 0.8
キサンタンガム 0.8
サッカリンナトリウム 0.02
香料 0.1
精製水 残
計 100.0 %
[実施例11]歯磨剤
無水ケイ酸 15.0
フッ化ナトリウム 0.21
加水分解シルク(数平均分子量:1,000) 1.0
(プロモイス(登録商標)シルク1000p、(株)成和化成製)
ラウリル硫酸ナトリウム 0.1
ポリアクリル酸ナトリウム 0.5
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.3
キサンタンガム 0.5
キシリトール 9.0
クエン酸ナトリウム 0.3
香料 0.1
精製水 残
計 100.0 %
[実施例12]歯磨剤
無水ケイ酸 15.0
フッ化ナトリウム 0.21
加水分解シルク(数平均分子量:1,500) 1.0
(シルクペプチド5、カネボウ(株)製)
ラウリル硫酸ナトリウム 0.1
ポリアクリル酸ナトリウム 0.3
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5
キサンタンガム 0.8
キシリトール 2.0
デキストラナーゼ 0.3
香料 0.1
精製水 残
計 100.0 %
[実施例13]歯磨剤
フッ化ナトリウム 0.21
加水分解シルク(数平均分子量:500) 1.0
(シルクBN−P、(株)NDC製)
トリクロサン 0.05
ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油 1.4
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
70%ソルビット 40.0
プロピレングリコール 5.0
ポリアクリル酸ナトリウム 0.8
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.4
キサンタンガム 0.4
香料 0.5
精製水 残
計 100.0 %
[実施例14]歯磨剤
フッ化ナトリウム 0.21
加水分解シルク(数平均分子量:500) 1.0
(シルクBN−P、(株)NDC製)
イソプロピルメチルフェノール 0.05
ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油 1.4
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
70%ソルビット 40.0
プロピレングリコール 5.0
ポリアクリル酸ナトリウム 0.4
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
キサンタンガム 0.2
香料 0.5
精製水 残
計 100.0 %
[実施例15]歯磨剤
無水ケイ酸 15.0
フッ化ナトリウム 0.21
加水分解シルク(数平均分子量:500) 1.0
(シルクBN−P、(株)NDC製)
チモール 0.05
ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油 1.4
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
70%ソルビット 40.0
プロピレングリコール 5.0
ポリアクリル酸ナトリウム 0.5
キサンタンガム 0.8
キシリトール 9.0
香料 0.5
精製水 残
計 100.0 %
[実施例16]歯磨剤
フッ化ナトリウム 0.21
加水分解シルク(数平均分子量:500) 1.0
(シルクBN−P、(株)NDC製)
トリクロサン 0.05
イソプロピルメチルフェノール 0.05
ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油 1.4
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
70%ソルビット 40.0
プロピレングリコール 5.0
ポリアクリル酸ナトリウム 0.8
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.8
水酸化ナトリウム 0.3
サッカリンナトリウム 0.05
キシリトール 9.0
香料 0.5
精製水 残
計 100.0 %
[実施例17]歯磨剤
第二リン酸カルシウム 15.0
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.73
加水分解シルク(数平均分子量:500) 1.0
(シルクBN−P、(株)NDC製)
トリクロサン 0.03
ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油 1.2
ラウリル硫酸ナトリウム 0.8
70%ソルビット 40.0
プロピレングリコール 5.0
ポリアクリル酸ナトリウム 0.5
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5
水酸化ナトリウム 0.3
サッカリンナトリウム 0.05
キシリトール 9.0
香料 0.5
精製水 残
計 100.0 %
[実施例18]歯磨剤
フッ化ナトリウム 0.4
加水分解シルク(数平均分子量:500) 0.5
(シルクBN−P、(株)NDC製)
イソプロピルメチルフェノール 0.05
ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油 1.4
ラウリル硫酸ナトリウム 0.5
70%ソルビット 30.0
プロピレングリコール 5.0
ポリアクリル酸ナトリウム 0.5
水酸化ナトリウム 0.3
サッカリンナトリウム 0.05
デキストラナーゼ 0.3
香料 0.5
精製水 残
計 100.0 %
[実施例19]歯磨剤
無水ケイ酸 15.0
フッ化ナトリウム 0.21
加水分解シルク(数平均分子量:500) 2.0
(シルクBN−P、(株)NDC製)
トリクロサン 0.1
ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油 0.8
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
70%ソルビット 40.0
プロピレングリコール 5.0
ポリアクリル酸ナトリウム 0.8
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5
キサンタンガム 0.3
水酸化ナトリウム 0.3
サッカリンナトリウム 0.05
香料 0.5
精製水 残
計 100.0 %
[実施例20]洗口剤
加水分解シルク(数平均分子量:500) 1.5
(シルクBN−P、(株)NDC製)
フッ化ナトリウム 0.05
トリクロサン 0.02
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 0.3
エタノール 10.0
クエン酸 0.01
クエン酸3ナトリウム 0.3
サッカリンナトリウム 0.1
キシリトール 5.0
0.1%緑色3号 0.8
香料 0.3
精製水 残
計 100.0 %
[実施例21]洗口剤
加水分解シルク(数平均分子量:1,000) 2.0
(プロモイス(登録商標)シルク1000p、(株)成和化成製)
フッ化ナトリウム 0.05
イソプロピルメチルフェノール 0.08
トリクロサン 0.05
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 0.3
エタノール 10.0
クエン酸 0.01
クエン酸3ナトリウム 0.3
サッカリンナトリウム 0.1
デキストラナーゼ 3.0
0.1%緑色3号 0.8
香料 0.3
精製水 残
計 100.0 %
Figure 2006068001
表2から、数平均分子量が500〜5,000の加水分解シルクとフッ素化合物を含有するものについて、優れた象牙質コラーゲン分解抑制効果及び脱灰抑制効果を示した。その中で、特に数平均分子量500〜1,000の加水分解シルクとフッ素化合物とを含有するものが高い象牙質コラーゲン分解抑制効果を示した。また、同じ数平均分子量の加水分解シルクの効果を比較した場合、特にリン酸加水分解した加水分解シルクとフッ素化合物とを含有するものの方が、リン酸で加水分解していない加水分解シルクとフッ素化合物とを含有するものよりも高い象牙質コラーゲン分解抑制効果を示した。これは、前記同様リン酸加水分解した加水分解シルクの方が、ペプチド含量が高いためと推測された。更には難水溶性非イオン性抗菌剤とそれを可溶化させるための界面活性剤及び/又はアルコール類の併用により、象牙質のコラーゲン分解抑制効果と脱灰抑制効果がより向上し、象牙質のう蝕予防効果を飛躍的に向上させることが示唆された。
上記の実験例から、実施例1〜21は、比較例1〜6と比較して、短時間処理で象牙質を保護し、象牙質コラーゲンの分解を効果的に抑制していること、更にはフッ素化合物や抗菌剤の歯面への滞留性を大幅に向上させていることで、相乗的に高い脱灰抑制効果を有することが推測された。
従って、本発明によれば、特定の数平均分子量の加水分解シルクとフッ素化合物を用いることにより、象牙質のコラーゲン分解と脱灰を顕著に抑制することができる。更には難水溶性非イオン性抗菌剤とそれを可溶化させるための界面活性剤及び/又はアルコール類を加えることで、象牙質のコラーゲン分解抑制効果と脱灰抑制効果の双方を向上させることにより、象牙質う蝕の予防効果が飛躍的に向上した口腔用組成物を提供することができる。

Claims (6)

  1. 総窒素量とアミノ態窒素量をもとに計算される数平均分子量が200〜6,000の加水分解シルクと、フッ素化合物とを含有することを特徴とする口腔用組成物。
  2. 加水分解シルクがリン酸加水分解により得られたものである請求項1記載の口腔用組成物。
  3. 加水分解シルクの配合量が組成物全体の0.1〜10質量%であり、フッ素化合物の配合量が組成物全体の0.02〜3質量%である請求項1又は2記載の口腔用組成物。
  4. 更に、難水溶性非イオン性抗菌剤と、界面活性剤及び/又はアルコール類を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の口腔用組成物。
  5. 難水溶性非イオン性抗菌剤がトリクロサン又はイソピロピルメチルフェノールであり、界面活性剤が平均付加モル数が5〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はアルキル硫酸エステル塩であり、アルコールがプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(#200〜6000)、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール又はエタノールである請求項4記載の口腔用組成物。
  6. 難水溶性非イオン性抗菌剤の配合量が組成物全体の0.01〜2質量%であり、界面活性剤の配合量が組成物全体の0.1〜5質量%であり、アルコールの配合量が組成物全体の0.1〜50質量%である請求項4又は5記載の口腔用組成物。
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