JPWO2006051953A1 - ガラス物品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、カレットに含まれる所定粒径未満のガラス粒子の含有率が減少するようにカレットを分級して分級カレットを得る工程と、分級カレットからなる熔融用バッチ、または分級カレットとカレット以外のガラス原料とからなる熔融用バッチを熔融する工程と、を含むガラス物品の製造方法である。

Description

本発明は、ガラス物品の製造方法に関し、特に、残留する泡の少ないガラス物品を製造する方法に関する。
たとえばケイ酸塩ガラスは、建物や自動車等の窓ガラスとして広く利用されている。また近年では、液晶表示装置など表示装置の基板や、ハードディスクドライブなど情報記録媒体の基板としても、利用されるようになっている。
それらの用途で共通するのは、ガラスの均質な特性を利用することである。ただし、ガラス内部に泡が残っていると、特性の均質性が損なわれてしまう。その結果、窓ガラス用途では外観不良など、表示装置の基板用途では表示不良など、情報記録媒体の基板用途では記録不能領域などの欠陥が生じる。したがって、ガラス内部に残留する泡を、最小限のコストで実用上差し支えない程度まで減少させることが、強く求められている。
現在、ガラス内部に残留する泡を少なくする技術が各種開発され、実用に供されている。その技術は大別して3つに分けられる。
一つめの技術は、清澄剤の使用である。清澄剤とは、ガラスバッチ中に添加しておくと、そのバッチを熔融したとき、泡の少ない、もしくは泡のないガラス融液が得られる効果をもたらす添加剤である。清澄剤により泡が減少するのは、原料が熔融してガラス化するときの発生ガスをガラス融液から追い出す効果と、ガラス融液の脱泡・均質化が進む過程で融液中の微小な泡を大きく成長・浮上または吸収させて除去する効果とによる。したがって、清澄剤は、ガラス化反応の始まる比較的低い温度領域と、ガラス融液の脱泡・均質化が起こる比較的高い温度領域とにおいて、ガスを発生させることが望ましい。清澄剤としては、酸化ヒ素、酸化アンチモン、フッ化物や硫酸ナトリウムが周知である。
二つめの技術は、ガラス融液の脱泡である。これは、ガラス融液の中にある泡を、浮力によって液面まで浮上させ、液面で泡を破裂させることによって、泡を減らす方法である。泡の浮上速度が速いほど、脱泡の効果は向上する。浮上速度は、Stokesの法則によって支配され、泡の直径の2乗に比例し、融液の粘度に反比例する。
ところで、ガラス融液を得る方法として、ガラス粒やガラス粉からなるバッチを熔融する方法がよく知られている。このようなガラス粒やガラス粉は一般にカレットと呼ばれる。この方法は、光学ガラス物品の製造時によく採用される。光学ガラス物品は、脈理が極端に少ないことが必要であり、カレットを熔融してガラス融液を得る方法は、脈理の低減に効果的である、と考えられている。
また、脱泡を促進することを目的としてカレットを用いる方法が、たとえば、特開昭60−46944号公報に開示されている。この公報では、カレットの少なくとも10重量%が、粒径0.3mm以下の微細粒径カレットになるようにカレットを調製するガラスの製造方法が開示されている。
また、小さな粒径からなるガラス原料を熔融する方法が、たとえば、特開2000−290042号公報に開示されている。この公報では、平均粒径が5〜15μmにあるジルコンと、平均粒径が5〜150μmにある石粉とを調製したバッチを熔融するガラスの製造方法が開示されている。
三つめの技術は、リボイルの抑制である。リボイルとは、一旦清澄したガラス融液が、再度発泡する現象である。これは、ガラス中に溶存するガス成分の溶解度の温度などに対する依存性が原因で起こる。
しかし、従来行なわれてきた残留泡の低減技術には、以下のような問題点があった。
上述した、特開昭60−46944号公報に開示された製造方法の場合、その微細粒径カレットの粒径は小さい方が好ましいとされている。しかし、カレットの粒径が小さすぎると、混合や輸送時に細粒が飛散しやすくなり、粉塵を発生しやすくなる。粉塵が発生すると、ガラス原料に対するガラス物品の収率が低下する。また、そのカレットの単位重量当りの表面積が増加するので、吸湿しやすくなったり固化しやすくなったりする。その結果、秤量に誤差が生じ、結果的に製品のガラス組成が所望の値から乖離したりする問題がある。
また、特開2000−290042号公報に開示された製造方法の場合にも、ガラス原料の粒径が小さいことに起因した問題点が存在する。さらに、これらガラス原料の粒径は前述の微細粒径カレットよりさらに小さいため、ボールミルでの粉砕工程中にガラス原料同士の会合が起こり、バッチの中での場所の違いによる組成の揺らぎが大きくなる、という問題点もある。
これらの状況に鑑み、本発明は、安価かつ容易に脱泡清澄が行なえるとともに、残留する泡の少ないガラス物品を製造する方法の提供を目的とする。
本発明者らは、カレットを熔融するガラス物品の製造方法に関して鋭意研究努力を重ねた。その結果、カレットに含まれている所定粒径未満のガラス粒子が、ガラス融液の清澄を大きく妨げていることを解明した。
通常、カレットには様々な大きさのガラス粒子が含まれている。そのうち、粒径の小さいガラス粒子は、熔融工程に投入したとき、大気や溶解反応で発生したガスを巻き込む傾向が強い。そのため、粒径の小さいガラス粒子は、熔融初期段階で、より多くの細かい泡を発生させてしまう。
ガラス融液中の泡は、液面まで浮上し破裂することで除去される。しかし、泡の大きさが小さいほど、浮上し破裂するのに要する時間は長くなる。ガラス物品の製造工程においては、ガラスが熔融している時間は有限であるので、小さい泡ほど結果として、製品内に残留しやすくなる。
そこで、ガラス物品の製造工程に、カレットを分級して所定粒径未満のガラス粒子の含有率を減少させる工程を含めてみたところ、想像以上の優れた効果が得られた。
すなわち、本発明のガラス物品の製造方法は、カレットに含まれる所定粒径未満のガラス粒子の含有率が減少するようにカレットを分級して分級カレットを得る工程と、分級カレットからなる熔融用バッチ、または分級カレットとカレット以外のガラス原料とからなる熔融用バッチを熔融する工程と、を含む。
本発明のガラス物品の製造方法によれば、泡などの欠点が少ないガラス物品を、容易かつ小さな環境負荷で提供することができる。なぜなら、本発明のガラス物品の製造方法では、カレットに含まれる粒径の小さい画分を、ある程度以上除去する工程を含むだけで、熔融時の泡抜けを改善できるからである。したがって、減圧などの特殊な清澄技術を用いなくても、高い泡品質のガラス物品を製造できる。また、ヒ素などの環境負荷の大きい清澄剤の使用量を低減できる。
図1は、残留気泡個数のカウント結果を示す第一のグラフである。 図2は、残留気泡個数のカウント結果を示す第二のグラフである。 図3は、残留気泡個数のカウント結果を示す第三のグラフである。
本明細書中において「熔融用バッチ」という用語は、下記(a)(b)の2通りの意味で用いることとする。
(a)工業原料や天然鉱物などのカレット以外の通常のガラス原料と、分級カレットとを必要な組成比になるように秤量および混合したもの。
(b)分級カレットそのもの。
上記(a)の場合は、カレットを分級する分級工程と、熔融用バッチを熔融する熔融工程との間に、ガラス原料と分級カレットとを秤量および混合して熔融用バッチを調製する熔融用バッチ調製工程を行うこととなる。
また、「分級」とは、一般に固体粒子群を粒子の個性によって区分けすることをいう。粒子の大きさ、形状、比重、表面形状、化学成分、磁性、帯電性、色などの種々の性質によって区分けすることができるが、大きさによる区分け(粒度分級)が基本である。本明細書中においても「分級」は「粒度分級」を意味するものとする。
また、カレットを分級する分級工程は、1000μm未満の粒径を有するガラス粒子のカレットにおける含有率が減少するように実施することが望ましい。このようにすれば、熔融用バッチの熔融初期段階で、細かい泡が発生することを十分に抑制できるようになり、熔融時の泡抜けを改善する高い効果を得られる。
より好ましくは、1000μm未満の粒径を有するガラス粒子の含有率を質量%表示で10%以下とすることである。
また、カレットを分級する分級工程において、所定粒径未満(たとえば1000μm未満)のガラス粒子を実質的に除去することが望ましい。“実質的に除去する”とは、工業的に可能な範囲内で除去することを意味する。分級によって得られる分級カレットにおける、所定粒径未満のガラス粒子の含有率が、たとえば2質量%未満(好ましくは1質量%未満)である場合には、“実質的に除去されている”と考えて差し支えない。
また、所定の上限値以上の粒径を有するガラス粒子をカレットから実質的に除去することにより、目的とする分級カレットを得るようにしてもよい。粒径の極端に大きいガラス粒子が分級カレットに含まれる場合には、ガラス原料と分級カレットとを混合して熔融用バッチとするときに混合が不十分になったり、熔融用バッチを熔融炉に供給する装置が目詰まりを起こしたりする可能性がある。したがって、極端に粒径の大きいガラス粒子を除去する操作を行うことが望ましい。具体的には、100mm角以上のガラス粒子を除去するのがよい。より好ましくは、50mm角以上のガラス粒子を除去することである。なお、後述する実施例で、例えば2800μmや5700μmより粒径が大きいガラス粒子を除去しているのは、大きいガラス粒子がボートに入らないからである。本発明を商用のガラス熔融窯に適用する場合には、例えば100mm角を超えるような巨大な粒子を除去すれば十分である。
また、本発明の製造方法を好適に採用できるガラス物品は、ケイ酸塩ガラス組成物からなるガラス物品でありうる。具体的には、質量%表示で下記の組成を持つケイ酸塩ガラス組成物を例示できる。なお、下限値にゼロを含む成分は、任意成分であることを断っておく。
(第一組成)
SiO 65〜80%,
Al 0〜5%,
NaO 10〜18%,
O 0〜5%,
MgO 0〜10%,
CaO 5〜15%,
その他成分 0〜5%
(第二組成)
SiO 52〜73%,
Al 6〜17%,
LiO 3〜8%,
NaO 7〜22%,
O 0〜3%,
MgO 0.06〜4%,
CaO 0.8〜8%,
その他成分 0〜5%
(第三組成)
SiO 50〜70%,
Al 0.5〜10%,
ZrO 0〜5%,
TiO 0〜0.1%,
NaO 1.5〜5%,
O 5〜15%,
MgO 0.1〜10%,
CaO 1〜15%,
SrO 0〜15%,
BaO 0.1〜10%,
O 6.5〜16.5%,ただしRO=NaO+KO,
MO 10〜25%,ただしMO=MgO+CaO+SrO+BaO,
その他成分 0〜5%
(第四組成)
SiO 40〜70%,
Al 5〜20%,
5〜15%,
MgO 0〜5%,
CaO 0〜10%,
SrO 0〜10%,
BaO 0〜30%,
ZnO 0〜5%,
LiO 0〜0.5%,
NaO 0〜0.5%,
O 0〜0.5%,
O 0〜0.5%,ただしRO=LiO+NaO+KO,
MO 5〜30%,ただしMO=MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO,
その他成分 0〜5%
[第一実施例]
第一実施例は、所定粒径未満の画分をカレットから除去した分級カレットを、熔融工程に供する熔融用バッチとして用いることにより、ガラス融液の清澄性を高め、泡品質に優れたガラス物品を製造する方法を示すものである。
(カレット作製工程)
表1に示す組成のカレットを以下の工程により作製した。まず、通常の工業原料や試薬を出発原料として用いて、バッチを調製した。そのバッチを白金ルツボに入れ、雰囲気温度を1450℃に保った電気炉の中で熔融した。ガラス融液をその電気炉の中に2時間保持し、ある程度の清澄を行なった。清澄したガラス融液を、市水を入れたステンレス製バケツの中に流し込んだ。このとき、ガラス融液の流れを幅1cm程度とし、かつガラス融液の流れが途切れないように、また流し込んだガラス融液が一ヶ所に固まらないようにした。こうすることによって、ガラス融液を急激に冷却して、粒径が8mm程度以下の細片に破砕された水砕カレットを得た。この水砕カレットを乾燥し、分級工程に供するカレットを得た。
(分級工程)
こうして得たカレットを日本工業規格(JIS) Z8801(1987)に規定の標準篩にかけた。まず、目の開きが5700μmの篩にこのカレットをかけ、篩を通過した画分のみを回収することによって、カレットから粒径の極端に大きなガラス粒子を除去した。次に、目の開きが5700μmの篩を通った画分を、表2に示す通り、目の開きが2800μm、1700μm、1000μmまたは600μmの篩にかけ、各篩に残った画分を分級カレットとした。例えば、表2中に示す試料No.1は、2800μm以上5700μm未満の粒径を有したガラス粒子からなる分級カレットを用いて作製した試料である。なお、試料No.5は、目の開きが2800μmの篩を通った画分の全て、つまり粒径の大きいガラス粒子は除去しているが、粒径の小さいガラス粒子(所定粒径未満のガラス粒子)を除去していない非分級カレットを用いて作製した試料である。
なお、分級工程における篩がけの順序は上記の順序に限定されない。つまり、目の開きが小さい篩にカレットをかけて小さい粒径のガラス粒子を除去した後、その篩に残った画分を目の開きが大きい篩にかけて大きい粒径のガラス粒子を除去し、目的とする分級カレットを得るようにしてもよい。
(熔融工程および冷却工程)
分級カレットを30g量り取り、内法寸法が長さ200×幅10×深さ10(単位:mm)の白金製のボートに敷き詰め、このボートを温度勾配炉に挿入して、分級カレットを熔融した。この分級カレットは、温度勾配炉内で、ボートの長手方向に沿って最高1420℃、最低1160℃に保たれて熔融される。温度勾配炉内でボートを2時間静置して充分に分級カレットを熔融したのち、炉内からボートを取り出してガラス融液を急冷し固化させた。このようにして熔融工程および冷却工程を行い、長手方向に沿って熔融温度(熔融工程実施時の保持温度)の異なる棒状のガラス試料No.1〜4を得た。同様にして、非分級カレットからガラス試料No.5を得た。なお、本実施例では、ガラス融液のごく近傍の雰囲気温度を熔融温度として測定した。
(気泡のカウント)
このガラス試料を倍率30倍の実体顕微鏡で観察し、試料の長手方向に沿った各部分でガラス内部に残留している泡の個数をカウントした。この残留泡個数は、熔融工程実施時における特定の温度を中心として±5℃の範囲、つまり長手方向の特定の位置を中心として±5mmの範囲に含まれている泡の個数とした。なお、このようにして求めた残留泡個数は、異なる条件で作製した試料の間で清澄性を比較するための指標として用いることができ、実際の生産のための判断材料としても用いることができる。なお、ボート内におけるガラス融液の温度勾配は一定ではなく、低温側では温度変化が急峻になっていた。具体的には、1320〜1420℃では約1℃/mmの温度勾配を示した。他方、1320℃未満では、1.5〜1.6℃/mmと温度勾配が大きく、最低温度が1160℃となった。
使用した篩の目の開き、熔融温度および残留泡個数の関係を表2に示す。表2をグラフ化して図1に示す。ガラス試料No.1とガラス試料No.5とを比較すると、粒径の小さいガラス粒子を除去した分級カレットで作製したガラス試料No.1では、残留泡個数が少なく、両者に顕著な差が現れた。また、ガラス試料No.1〜4を比較すると、ガラス試料No.3とガラス試料No.4の間で残留泡個数が大きく変化している。このことより、目の開き1000μmの篩を通過する粒径の小さいガラス粒子をカレットから除去することによって、熔融後の残留泡個数が大幅に減少することが分かる。このように、本実施例によって、清澄性が向上していることが示され、この結果から、大量生産時においても、泡品質に優れたガラス物品を製造できることが示される。
Figure 2006051953
Figure 2006051953
[第二実施例]
第二実施例は、初期のカレットよりも所定粒径未満のガラス粒子の含有率を減じた分級カレットを、熔融工程に供する熔融用バッチとして用いることにより、ガラス融液の清澄性を高め、泡品質に優れたガラス物品を製造する方法を示すものである。
(カレット作製工程)
まず、ソーダライムガラス組成の水砕カレットを入手した。このカレットは、板ガラスを商業的に製造するためのガラス熔融窯で熔融されているガラス融液を、市水を溜めた水槽に流し込んで冷却・固化・破砕することで作製されたものである。このカレットの最大粒径は8mm程度である。入手したカレットは湿っていたので、篩い分けをしやすいように乾燥させ、分級工程に供するカレットを得た。
(分級工程)
次に、以下の分級工程を実施して分級カレットを得た。分級工程では、第一実施例と同様、JIS標準篩を用いた。まず、目の開きが2800μmの篩にカレットをかけて、大きい粒径のガラス粒子が除去された画分である基本画分を得た。次に、その基本画分を、目の開きが1000μmの篩にかけた。このようにして、目の開きが2800μmの篩を通過し、かつ目の開きが1000μmの篩に残った画分である第一画分と、1000μmの篩を通過した画分である第二画分とを別々に集めた。第一画分と第二画分との質量比率は、88:12であった。
さらに、第一画分と第二画分とを混合した。混合比率は、表3の試料No.6〜12に示す通りとした。試料No.6は、分級カレットとして第一画分だけを用いて作製したガラス試料である。試料No.7,8は、第二画分の含有率を基本画分よりも減じた分級カレットを用いて作製したガラス試料である。他方、試料No.9〜12は、第二画分の含有率が基本画分よりも大きい逆分級カレットを用いて作製したガラス試料である。
(熔融工程および冷却工程)
上記のようにして得た分級カレットを熔融用バッチとして用い、ガラス試料No.6〜8を作製した。また、逆分級カレットからガラス試料No.9〜12を作製した。試料を得るための熔融工程および冷却工程では、第一実施例と同じボートを用い、かつ同じ条件で熔融および冷却した。ガラス試料の評価は第一実施例と同じ方法で行ない、熔融温度1400℃±5℃の範囲で熔融したガラスの残留泡の個数をカウントした。
目の開きが1000μmの篩を通るガラス粒子(第二画分)の含有率、熔融温度および残留泡個数の関係を表3に示す。表3をグラフ化して図2に示す。表3および図2に示すごとく、1000μm未満の粒径を有するガラス粒子の含有率を10質量%以下にすると、その含有率が30質量%以上の場合と比較して、残留泡個数が大幅に減少した。このように、本実施例によっても、清澄性が向上していることが示された。この結果から、大量生産時においても、泡品質に優れたガラス物品を製造できることが示された。
Figure 2006051953
なお、第二実施例では、第一画分と第二画分とを適宜混合することによって熔融用バッチを得たが、第二画分に代えて、あるいは第二画分とともに工業原料や天然鉱物などのガラス原料を、第一画分と混合して、熔融用バッチを得るようにしてもよい。
[第三実施例]
表4に示すガラス組成のカレットを用い、第二実施例と同一手順にて、表5に示すガラス試料の作製および評価を行った。ただし、ガラス融液は高温側が1480℃、低温側が1250℃となるように温度調節した。大きい粒径のガラス粒子を除去した基本画分を構成する第一画分と第二画分との質量比率は、83:17であった。つまり、ガラス試料No.13,14が、分級カレットを用いて作製したガラス試料であり、ガラス試料No.15〜17は、逆分級カレットを用いて作製したガラス試料である。残留泡個数は、熔融温度1450℃±5℃の範囲と、熔融温度1400℃±5℃の範囲について、それぞれカウントした。結果を表5および図3(表5をグラフ化したもの)に示す。
Figure 2006051953
Figure 2006051953
表5および図3から明らかなように、1000μm未満の粒径を有するガラス粒子の含有率を減ずることにより、残留泡個数が大幅に減少した。
ところで、分級カレットと、カレット以外のガラス原料との混合物を熔融用バッチとする場合、その熔融用バッチにおけるガラス原料の質量比率は、例えば、0質量%を超え85質量%未満とすることができるが、好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下とすることができる。分級カレットの割合が大きいほど残留泡の少ない良質なガラスを製造することが可能であるが、生産コストの高騰を招く可能性がある。他方、分級カレットの割合を小さくすれば生産コストを低く抑えることが可能であるが、残留泡を低減する効果を得にくくなる。
また、上述した各実施例では、カレットの分級にJIS標準篩を用いたが、それに限定されることはなく、各種の篩を用いて篩い分けることができることはもちろんのこと、サイクロンなどの乾式分級法や沈降法などの湿式分級法を用いることができる。
なお、上述した分級工程からは、粒径の小さなガラス粒子からなるカレットが副生成物として生じる。この粒径の小さなカレットは、カレット自身を製造する際にバッチに混合して熔融すると、バッチの熔融性やガラス融液の均質性を向上させることができる。つまり、分級工程で副生する粒径の小さなカレットは、カレット自身の製造に有効活用することができる。また、粒径の極端に大きなガラス粒子についても、これを再粉砕して分級カレットの作製に供することができる。

Claims (7)

  1. カレットに含まれる所定粒径未満のガラス粒子の含有率が減少するように前記カレットを分級して分級カレットを得る工程と、
    前記分級カレットからなる熔融用バッチ、または前記分級カレットとカレット以外のガラス原料とからなる熔融用バッチを熔融する工程と、
    を含む、ガラス物品の製造方法。
  2. 1000μm未満の粒径を有するガラス粒子の前記カレットにおける含有率が減少するように前記カレットを分級する、請求項1に記載のガラス物品の製造方法。
  3. 1000μm未満の粒径を有するガラス粒子の前記カレットにおける含有率が質量%表示で10%以下となるように前記カレットを分級する、請求項2に記載のガラス物品の製造方法。
  4. 所定粒径未満のガラス粒子が実質的に除去されるように前記カレットを分級する、請求項1記載のガラス物品の製造方法。
  5. 前記ガラス物品が、ケイ酸塩ガラスからなる、請求項1に記載のガラス物品の製造方法。
  6. 前記ガラス物品は、質量%で表示して、
    SiO 65〜80%,
    Al 0〜5%,
    NaO 10〜18%,
    O 0〜5%,
    MgO 0〜10%,
    CaO 5〜15%,
    その他成分 0〜5%,
    を含むガラス組成物からなる、請求項1に記載のガラス物品の製造方法。
  7. 前記ガラス物品は、質量%で表示して、
    SiO 40〜70%,
    Al 5〜20%,
    5〜15%,
    MgO 0〜5%,
    CaO 0〜10%,
    SrO 0〜10%,
    BaO 0〜30%,
    ZnO 0〜5%,
    LiO 0〜0.5%,
    NaO 0〜0.5%,
    O 0〜0.5%,
    O 0〜0.5%,ただしRO=LiO+NaO+KO,
    MO 5〜30%,ただしMO=MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO,
    その他成分 0〜5%,
    を含むガラス組成物からなる、請求項1に記載のガラス物品の製造方法。
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