JP2002029775A - 無アルカリガラス - Google Patents
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Abstract
た無アルカリガラスを得る。 【解決手段】モル%表示で、SiO2:64〜74、A
l2O3:5〜14、B2O 3:5〜16、MgO:1〜1
6.5、CaO:0〜14、SrO:0〜6、BaO:
0〜2からなり、好ましくはMgO/(MgO+CaO
+SrO+BaO)が0.1以上である無アルカリガラ
ス。
Description
等のディスプレイ基板、フォトマスク用基板に好適な無
アルカリガラスに関する。
に金属または酸化物の薄膜が形成されるディスプレイ基
板に使用されるガラスには以下のような特性が求められ
ていた。 (1)アルカリ金属酸化物を実質的に含有しないこと、
すなわち無アルカリガラスであること。ガラス基板中の
アルカリ金属イオンは前記薄膜中へ拡散し薄膜特性を劣
化させるので、これを防止するためである。 (2)歪点が高いこと。薄膜形成工程における加熱によ
るガラス基板の変形および/または熱収縮(ガラスの構
造安定化に伴なう収縮)を最小限に抑えるためである。
やSiNxのエッチングに用いられるバッファードフッ
酸(フッ酸とフッ化アンモニウムの混合液)に対する耐
久性(対BHF性)が高いこと。 (4)ガラス基板上に形成された金属電極またはITO
(スズがドープされたインジウム酸化物)のエッチング
に用いられる硝酸、硫酸、塩酸、等のエッチングに対す
る耐久性(耐酸性)が高いこと。 (5)アルカリ性のレジスト剥離液に対する充分な耐久
性。
うな特性を満たすガラスが求められている。 (a)比重が小さいこと。ディスプレイ軽量化のためで
ある。 (b)膨張係数が小さいこと。ディスプレイ製造工程に
おける昇降温速度を大きくし、また耐熱衝撃性を向上さ
せるためである。 (c)耐酸性がより高いこと。
たはガラス基板を切り出す前のガラス板の自重によるた
わみを小さくし、搬送する際等にガラス基板またはガラ
ス板を割れにくくするためである。 (e)失透しにくいこと。本発明は、(1)〜(5)、
および(a)〜(c)の特性を満たすことができる無ア
ルカリガラスの提供を第1の目的とする。本発明は、こ
れら特性に加えて(d)および(e)の特性も満たすこ
とができる無アルカリガラスの提供を第2の目的とす
る。
%表示で、 SiO2 64〜76%、 Al2O3 5〜14%、 B2O3 5〜16%、 MgO 1〜16.5%、 CaO 0〜14%、 SrO 0〜6%、 BaO 0〜2%、 からなる無アルカリガラスを提供する。
本発明のガラスという。)は実質的にアルカリ金属酸化
物を含有しない。アルカリ金属酸化物の含有量の合計は
好ましくは0.5モル%以下である。本発明のガラスの
比重は2.46以下であることが好ましい。2.46超
ではディスプレイの軽量化が困難になるおそれがある。
より好ましくは2.43以下、さらに好ましくは2.4
0以下、特に好ましくは2.39以下、最も好ましくは
2.38以下である。
平均線膨張係数αは34×10-7/℃以下であることが
好ましい。34×10-7/℃超では耐熱衝撃性が低下す
るおそれがある。より好ましくは32×10-7/℃以
下、特に好ましくは30×10 -7/℃以下、最も好まし
くは29×10-7/℃以下である。また、αは24×1
0-7/℃以上であることが好ましい。24×10-7/℃
未満ではガラス基板上に形成されたSiOxやSiNxと
の膨張マッチングが困難になるおそれがある。この観点
からは、より好ましくは26×10-7/℃以上、さらに
好ましくは27×10-7/℃以上、特に好ましくは28
×10-7/℃以上、最も好ましくは30×10-7/℃以
上である。以下では50〜350℃における平均線膨張
係数を単に膨張係数という。
ることが好ましい。より好ましくは660℃以上、さら
に好ましくは670℃以上、特に好ましくは675℃以
上、最も好ましくは680℃以上である。本発明のガラ
スのヤング率は64GPa以上であることが好ましい。
より好ましくは68GPa以上、さらに好ましくは72
GPa以上、特に好ましくは73GPa以上、最も好ま
しくは75GPa以上である。
グ率を密度で除した値は27MNm/kg以上であるこ
とが好ましい。27MNm/kg未満では、ガラス基板
またはガラス基板を切り出す前のガラス板の自重による
たわみが大きくなりすぎるおそれがある。より好ましく
は28MNm/kg以上、さらに好ましくは29MNm
/kg以上、特に好ましくは30MNm/kg以上、最
も好ましくは31MNm/kg以上である。
る温度T2は、1820℃以下であることが好ましい。
1820℃超ではガラス溶解が困難になるおそれがあ
る。より好ましくは1800℃以下、さらに好ましくは
1780℃以下、特に好ましくは1760℃以下、最も
好ましくは1750℃以下である。
る温度T4は、1380℃以下であることが好ましい。
1380℃超ではガラス成形が困難になるおそれがあ
る。より好ましくは1360℃以下、特に好ましくは1
350℃以下、最も好ましくは1340℃以下である。
Lは103.5ポアズ以上であることが好ましい。103.5
ポアズ未満ではガラス成形が困難になるおそれがある。
より好ましくは103.8ポアズ以上、特に好ましくは1
04ポアズ以上、最も好ましくは104.1ポアズ以上であ
る。
ットルである塩酸水溶液中に90℃で20時間浸漬した
とき、その表面に白濁、変色、クラック等が生じないこ
とが好ましい。また、ガラスの表面積と前記浸漬による
ガラスの質量変化とから求めたガラスの単位表面積当り
の質量減少ΔWが0.6mg/cm2以下であることが
好ましい。より好ましくは0.4mg/cm2以下、特
に好ましくは0.2mg/cm2以下、最も好ましくは
0.15mg/cm2以下である。
濃度が40%であるフッ化アンモニウム水溶液と同表示
濃度が50%であるフッ酸水溶液とを体積比で9:1に
混合した液(以下バッファードフッ酸液という。)中に
25℃で20分間浸漬したとき、その表面が白濁しない
ことが好ましい。以下、このバッファードフッ酸液を用
いた評価を耐BHF性評価といい、前記表面が白濁しな
い場合を耐BHF性が良好であるという。また、ガラス
の表面積と前記浸漬によるガラスの質量変化とから求め
たガラスの単位面積当りの質量減少が0.6mg/cm
2以下であることが好ましい。
モル%表示で、 SiO2 64〜74%、 Al2O3 5〜14%、 B2O3 6〜10%、 MgO 3〜16.5%、 CaO 0〜5.4%、 SrO 0〜2%、 BaO 0〜2%、 からなり、MgO+CaO+SrO+BaOが5〜1
6.5%、MgO/(MgO+CaO)が0.4以上、
SrO+BaOが0〜2%、かつ比重が2.40以下で
ある無アルカリガラスが挙げられる。
にモル%表示で、 SiO2 66〜74%、 Al2O3 6〜13%、 B2O3 7〜11%、 MgO 1〜3%、 CaO 4〜8%、 SrO 0〜3%、 BaO 0〜2%、 からなり、MgO+CaO+SrO+BaOが11.5
%以下、MgO/(MgO+CaO)が0.2以上、比
重が2.40以下、かつヤング率が72GPa以上であ
る無アルカリガラスが挙げられる。
は、以下に挙げる態様A、態様Bまたは態様Cをとるこ
とが好ましい。すなわち、本発明の好ましい他の態様と
して、実質的にモル%表示で、 SiO2 68.5〜76%、 Al2O3 5〜12.5%、 B2O3 5〜16%、 MgO 1〜16.5%、 CaO 0.5〜14%、 SrO 0〜3%、 BaO 0〜1.5%、 からなり、MgO/(MgO+CaO+SrO+Ba
O)が0.15以上である無アルカリガラスが挙げられ
る(態様A)。態様Aは、切り粉をより発生しにくくし
たい場合に好適な態様である。
にモル%表示で、 SiO2 64〜76%、 Al2O3 5〜14%、 B2O3 5〜16%、 MgO 1〜16.5%、 CaO 0.5〜14%、 SrO 0〜6%、 BaO 0〜1.5%、 からなり、MgO/(MgO+CaO+SrO+Ba
O)が0.15以上、かつSiO2+B2O3が79%以
上である無アルカリガラスが挙げられる(態様B)。態
様Bは比重をより小さくし、かつ切り粉をより発生しに
くくしたい場合に好適な態様である。
にモル%表示で、 SiO2 64〜76%、 Al2O3 7.5〜14%、 B2O3 5〜16%、 MgO 1〜8%、 CaO 2〜10%、 SrO 0〜2.5%、 BaO 0〜0.5%、 からなり、MgO+CaO+SrO+BaOが11.5
%以下、SrO+BaOが0〜2.5モル%、かつSi
O2+B2O3が80モル%以下である無アルカリガラス
が挙げられる(態様C)。本態様は比重をより小さく
し、かつ溶解性をより向上させたい場合に好適な態様で
ある。
ディスプレイ等に用いられるガラス基板はガラス板を所
望寸法に切断したものであって、該切断は通常次のよう
にして行われる。すなわち、ガラス板にホイールカッタ
等により条痕をつけ、該条痕に沿ってガラス板を折るよ
うな力を加える等の方法により前記条痕に沿って曲げ応
力を発生させてガラス板を切断する。切り粉とは、典型
的には、この切断時に発生するガラスの切り屑である
が、ガラス基板の搬送等ガラス基板取扱い時にもガラス
基板端面から発生する。
切り粉が付着したガラス基板を液晶ディスプレイ等の製
造工程に流すと不良品を発生させる、等の問題がある。
一方、ガラス基板に付着した切り粉をガラス基板の洗浄
等によって除去することは容易でなく、切り粉の発生の
抑制が望まれている。
有する無アルカリガラスにおいて、BaOの含有量が多
くなると切り粉が発生しやすくなり、またMgOの含有
量が多くなると切り粉が発生しにくくなることを見出し
た。これはガラスの網目構造の柔軟性に関係していると
考えられる。以上が切り粉に関する説明であるが、詳細
説明は以下の各成分の説明において適宜行う。
%を単に%と表記して説明する。SiO2はネットワー
クフォーマであり、必須である。76%超ではガラスの
溶解性が低下し、また失透しやすくなる。好ましくは7
4%以下、より好ましくは72%以下、特に好ましくは
71%以下である。64%未満では比重増加、歪点低
下、膨張係数増加、耐酸性低下、耐アルカリ性低下、ま
たは耐BHF性低下が起る。好ましくは66%以上、よ
り好ましくは68%以上、さらに好ましくは68.5%
以上、特に好ましくは69%以上、最も好ましくは6
9.5%以上である。
点を高くする成分であり、必須である。14%超では失
透しやすくなり、また耐BHF性低下および/または耐
酸性低下が起る。好ましくは13%以下、より好ましく
は12.5%以下、特に好ましくは12%以下、最も好
ましくは11.5%以下である。5%未満ではガラスが
分相しやすくなる、または歪点が低下する。好ましくは
6%以上、より好ましくは7%以上、さらに好ましくは
7.5%以上、特に好ましくは8%以上、最も好ましく
は8.5%以上である。
%以上であることが好ましい。76%未満では歪点が低
下するおそれがある。より好ましくは77%以上、特に
好ましくは79%以上である。
くし、ガラスの溶解性を高くし、失透しにくくし、また
膨張係数を小さくする成分であり、必須である。16%
超では歪点が低下する、耐酸性が低下する、またはガラ
ス溶融時のB2O3の揮散に起因するガラスの不均質性が
顕著になる。好ましくは13%以下、より好ましくは1
2%以下、特に好ましくは11%以下、最も好ましくは
10%以下である。5%未満では比重増加、耐BHF性
低下、ガラスの溶解性低下または膨張係数増加が起こ
り、また失透しやすくなる。好ましくは6%以上、より
好ましくは6.5%以上、特に好ましくは7%以上、最
も好ましくは8%以上である。
B2O3は75%以上であることが好ましい。75%未満
では比重が大きくなりすぎるおそれがある、または膨張
係数が大きくなりすぎるおそれがある。より好ましくは
77%以上、特に好ましくは78%以上、最も好ましく
は79%以上である。
+B2O3は78%以上であることが好ましく、より好ま
しくは79%以上である。ガラスの溶解性をより高くし
たい場合、SiO2+B2O3は82%以下であることが
好ましい。より好ましくは81%以下、特に好ましくは
80%以下、最も好ましくは79%以下である。
て除したAl2O3/B2O3は1.7以下であることが好
ましい。1.7超では耐BHF性が低下するおそれがあ
る。より好ましくは1.6以下、特に好ましくは1.5
以下である。また、Al2O3/B2O3は0.8以上であ
ることが好ましい。0.8未満では歪点が低下するおそ
れれがある。より好ましくは0.9以上、特に好ましく
は1.0以上である。
2の含有量によって除した(Al2O 3+B2O3)/Si
O2は0.32以下であることが好ましい。0.32超
では耐酸性が低下するおそれがある。より好ましくは
0.31以下、特に好ましくは0.30以下、最も好ま
しくは0.29以下である。
を高くし、また切り粉の発生を抑制する成分であり、必
須である。16.5%超ではガラスが分相しやすくな
る、失透しやすくなる、耐BHF性が低下する、または
耐酸性が低下する。好ましくは12%以下、より好まし
くは8%以下、特に好ましくは6%以下、最も好ましく
は4%以下である。より失透しにくくするためには、3
%以下とすることが好ましく、2%以下とすることがよ
り好ましい。1%未満では比重が大きくなりすぎる、ガ
ラスの溶解性が低下する、または切り粉が発生しやすく
なる。比重をより小さくしたい場合、ガラスの溶解性を
より向上させたい場合、切り粉の発生をより抑制したい
場合等においては、好ましくは1.5%以上、より好ま
しくは2%以上、特に好ましくは3%以上、最も好まし
くは3.2%以上である。
のように考えられる。すなわち、MgO等のアルカリ土
類金属酸化物はガラスの網目構造中に入り込み網目構造
中の空間を埋めるものと考えられるが、この空間がある
限度より少なくなってくると網目構造の柔軟性が低下し
網目が切れやすくなるものと考えられる。Mgはアルカ
リ土類金属の中で最もイオン半径が小さく(0.065
nm)、そのためにMgOの前記空間を埋める効果はア
ルカリ土類金属酸化物の中で最も小さい。その結果Mg
Oが切り粉発生抑制効果に優れるものと考えられる。ち
なみに、CaO、SrO、BaOのイオン半径はそれぞ
れ、0.099nm、0.113nm、0.135nm
である。
有量を13%以下、かつMgOの含有量を6%以下とす
ることが好ましい。Al2O3の含有量を13%以下、か
つMgOの含有量を3%以下とする、または、Al2O3
の含有量を12%以下、かつMgOの含有量を3%以下
とすることがより好ましい。
るため、ガラスの溶解性を高くするため、または失透し
にくくするために14%まで含有してもよい。14%超
では、比重増加または膨張係数増加が起るおそれがあ
る、かえって失透しやすくなるおそれがある、または切
り粉が発生しやすくなるおそれがある。CaOは、好ま
しくは12%以下、より好ましくは10%以下、特に好
ましくは8%以下、最も好ましくは5.4%以下であ
る。CaOを含有する場合、その含有量は0.5%以上
であることが好ましい。より好ましくは1%以上、特に
好ましくは2%以上である。
の合計によって除したMgO/(MgO+CaO)は
0.2以上であることが好ましい。0.2未満では比重
増加または膨張係数増加が起るおそれがある。より好ま
しくは0.25以上、特に好ましくは0.4以上であ
る。
抑制し、また失透しにくくするために6%まで含有して
もよい。6%超では比重が大きくなりすぎる。好ましく
は3%以下、より好ましくは2.5%以下、特に好まし
くは2%以下である。SrOを含有する場合、その含有
量は0.5%以上であることが好ましい。より好ましく
は1%以上、特に好ましくは1.2%以上である。比重
をより小さくしたい場合はSrOを含有しないことが好
ましい。
CaOおよび/またはSrOを含有することが好まし
い。このようにイオン半径の異なるアルカリ土類金属の
酸化物を混在させることにより、ガラスの網目構造がよ
り柔軟になることが期待される。この場合、CaO/
(MgO+CaO+SrO)が0.3〜0.85である
こと、またはSrO/(MgO+CaO+SrO)が
0.55以下であることが好ましい。
抑制し、また失透しにくくするために2%まで含有して
もよい。2%超では比重が大きくなりすぎる、または切
り粉が発生しやすくなる。好ましくは1.5%以下、よ
り好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下で
ある。比重をより小さくしたい場合、または切り粉発生
を抑制したい場合はBaOを含有しないことが好まし
い。
aOは6%以下であることが好ましい。6%超では比重
が大きくなりすぎるおそれがある。より好ましくは2.
5%以下、特に好ましくは2%以下である。比重をより
小さくしたい場合、またはSiO2+B2O3が79%以
下の場合、SrO+BaOは好ましくは1.5%以下、
より好ましくは1%以下であり、SrOおよびBaOの
いずれも含有しないことが特に好ましい。なお、より失
透しにくくしたい場合には、SrO+BaOは0.5%
以上であることが好ましく、より好ましくは1%以上で
ある。
有量の合計MgO+CaO+SrO+BaOは16.5
%以下であることが好ましい。16.5%超では、比重
が大きくなりすぎるおそれがある、または膨張係数が大
きくなりすぎるおそれがある。より好ましくは14%以
下、さらに好ましくは13%以下、特に好ましくは1
1.5%以下、最も好ましくは10.5%以下である。
比重をより小さくしたい場合は、MgO+CaO+Sr
O+BaOは11.5%以下であることが好ましく、よ
り好ましくは10.5%以下である。
5%以上であることが好ましい。5%未満では、ガラス
の溶解性が低下するおそれがある。より好ましくは6%
以上、特に好ましくは7%以上である。
BaOの含有量の合計Al2O3+MgO+CaO+Sr
O+BaOは15%以上であることが好ましい。15%
未満ではヤング率が小さくなりすぎるおそれがある。よ
り好ましくは16%以上、特に好ましくは18%以上で
ある。
およびBaOの含有量の合計によって除したMgO/
(MgO+CaO+SrO+BaO)は0.1以上であ
ることが好ましい。0.1未満では比重が大きくなりす
ぎるおそれがある、または切り粉が発生しやすくなるお
それがある。より好ましくは0.15以上、さらに好ま
しくは0.2以上、特に好ましくは0.25以上、最も
好ましくは0.4以上である。
およびBaOの含有量の合計によって除したCaO/
(MgO+CaO+SrO+BaO)は0.85以下で
あることが好ましい。0.85超では切り粉が発生しや
すくなるおそれがある。より好ましくは0.8以下、特
に好ましくは0.65以下、最も好ましくは0.6以下
である。
るが、その他の成分を本発明の目的を損なわない範囲で
含有してもよい。前記その他の成分の含有量の合計は1
0モル%以下であることが好ましい。より好ましくは5
%以下である。
げられる。すなわち、SO3、F、Cl、SnO2等を、
溶解性、清澄性、成形性を向上させるためにそれらの含
有量の合計が2モル%までの範囲で適宜含有してもよ
い。また、Fe2O3、ZrO 2、TiO2、Y2O3等を適
宜含有してもよい。
OおよびP2O5は実質的に含有しないことが好ましい。
すなわち、これら5成分の含有量はそれぞれ0.1%以
下であることが好ましい。これら5成分の含有量の合計
は0.1%以下であることがより好ましい。
による成形を行う場合は実質的に含有しないことが好ま
しいが、その他の成形法、たとえばダウンドロー法によ
る成形を行う場合には0.1%を超えて適宜含有しても
よい。特に、ヤング率を大きくしたい場合、または失透
しにくくしたい場合には、2%までの範囲で含有するこ
とが好ましい。2%超では比重が大きくなりすぎるおそ
れがある。
については、より清澄性を向上させたい場合には0.1
%を超えて適宜含有してもよい。
合は実質的に含有しないことが好ましいが、その他の成
形法、たとえばダウンドロー法による成形を行う場合に
は0.1%を超えて適宜含有してもよい。特に、ヤング
率を大きくしたい場合、または失透しにくくしたい場合
には、2%までの範囲で含有することが好ましい。2%
超では比重が大きくなりすぎるおそれがある。
されず、各種製造方法を採用できる。たとえば、目標組
成となるように通常使用される原料を調合し、これを溶
解炉中で1500〜1600℃または1600〜170
0℃に加熱して溶融する。バブリングや清澄剤の添加や
撹拌などによってガラスの均質化を行う。液晶ディスプ
レイ等のディスプレイ基板やフォトマスク用基板として
使用する場合は、周知のプレス法、ダウンドロー法、フ
ロート法などの方法により所定の板厚に成形し、徐冷
後、研削、研磨などの加工を行い、所定のサイズ、形状
の基板とする。
示で示した組成のガラス1〜45の比重d、膨張係数α
(単位:10-7/℃)および歪点(単位:℃)を計算に
よって求めた。また、ガラス1〜33については、粘度
が102ポアズとなる温度T2(単位:℃)および粘度が
104ポアズとなる温度T4(単位:℃)も計算によって
求めた。結果を同表に示す。なお、表のMgO/ROは
MgOの含有量をMgO、CaO、SrO、BaOの含
有量の合計で除した値を、ROはMgO、CaO、Sr
O、BaOの含有量の合計を、MgO/R’OはMgO
の含有量をMgOとCaOの含有量の合計で除した値
を、SrO+BaOはSrOとBaOの含有量の合計
を、SiO2+B2O3はSiO2とB2O3の含有量の合計
を、それぞれ示す。
モル%表示で示した組成となるように原料を調合し、白
金るつぼを用いて、ガラス46〜49については160
0℃で、ガラス50〜64については1650℃で溶解
した。この際白金スターラを用いて撹拌しガラスの均質
化を図った。次に溶融ガラスを流し出し板状に成形し、
徐冷した。ガラス64は比較例である。
dをアルキメデス法により、膨張係数αを示差熱膨張計
(TMA)により、歪点をJIS R3103に規定さ
れている方法により、ヤング率E(単位:GPa)を超
音波パルス法により、それぞれ測定した。なお、表のE
/dは比弾性率(単位:MNm/kg)であり、比重d
がg/cm3を単位として表した密度の値に等しいとし
てヤング率Eと比重dから算出した。
が102ポアズとなる温度T2(単位:℃)および粘度が
104ポアズとなる温度T4(単位:℃)を回転粘度計を
用いて測定した。また、回転粘度計によって得られた温
度−粘度曲線と液相温度から、液相温度における粘度η
L(単位:ポアズ)を求めた。さらに耐BHF性評価も
行った。また、ガラス49、50、53〜64について
は前記ΔW(単位:mg/cm 2)を、ガラス46〜6
4について耐BHF性を測定した。
4については、次に述べる切り粉発生評価試験を行っ
た。すなわち、50mm×50mm×0.7mmの研磨
されたガラス板に刃先角度が125°、130°、13
5°の3種類のダイヤモンド製カッターホイール(三星
ダイヤモンド工業(株)製、商品名:ダイヤコンパクト
ホイールチップ)を用いて長さ50mmの条痕をつけた
(スクライブ)。該スクライブは、ガラススクライバ
(三星ダイヤモンド工業(株)製、型式:AMUM−1
−EE)を用いて、押込み量:100μm、荷重:2
3.5N、スクライブ速度:200mm/秒の条件で行
った。
カッタホイール毎に2回行った。そのうち1回について
はガラス板を折ることなく条痕を光学顕微鏡(倍率:5
0倍)で観察し、20μm以上のクラックまたは20μ
m以上の欠け落ちの有無を調べた。他の1回については
スクライブ後直ちにガラス板を折り、切断面を光学顕微
鏡(倍率:50倍)で観察し、20μm以上のクラック
または20μm以上の欠け落ちの有無を調べた。
の欄における○は耐BHF性が良好であることを、切り
粉の欄における○は前記クラックまたは欠け落ちが認め
られなかったことを、×は少なくとも1ヶ所で前記クラ
ックまたは欠け落ちが認められたことをそれぞれ示す。
比重のゆえに液晶ディスプレイ等のディスプレイを軽量
化でき、また低膨張係数のゆえにその製造効率を上げる
ことができる。さらに、ITO等のエッチングに用いら
れる塩酸等に対する耐久性に優れ、また、SiOxやS
iNxのエッチングに用いられるバッファードフッ酸に
対する耐久性に優れるディスプレイ基板を提供できる。
加えて、搬送時のガラス基板またはガラス板の割れの発
生頻度を減少させることができ、また失透しにくいガラ
スまたは切り粉が発生しにくいガラスが得られ、製造効
率を上げることができる。
Claims (13)
- 【請求項1】実質的にモル%表示で、 SiO2 64〜76%、 Al2O3 5〜14%、 B2O3 5〜16%、 MgO 1〜16.5%、 CaO 0〜14%、 SrO 0〜6%、 BaO 0〜2%、 からなる無アルカリガラス。
- 【請求項2】MgO/(MgO+CaO+SrO+Ba
O)が0.1以上である請求項1に記載の無アルカリガ
ラス。 - 【請求項3】MgO+CaO+SrO+BaOが5〜1
6.5モル%である請求項1または2に記載の無アルカ
リガラス。 - 【請求項4】MgO/(MgO+CaO)が0.2以上
である請求項1、2または3に記載の無アルカリガラ
ス。 - 【請求項5】SrO+BaOが0〜6モル%である請求
項1、2、3または4に記載の無アルカリガラス。 - 【請求項6】SiO2+B2O3が75モル%以上である
請求項1〜5のいずれかに記載の無アルカリガラス。 - 【請求項7】SiO2が68.5モル%以上、Al2O3
が12.5モル%以下、CaOが0.5モル%以上、S
rOが3モル%以下、BaOが1.5モル%以下、かつ
MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)が0.1
5以上である請求項1、4または6に記載の無アルカリ
ガラス。 - 【請求項8】CaOが0.5モル%以上、BaOが0〜
1.5モル%、MgO/(MgO+CaO+SrO+B
aO)が0.15以上、かつSiO2+B2O3が79モ
ル%以上である請求項1または5に記載の無アルカリガ
ラス。 - 【請求項9】Al2O3が7.5モル%以上、CaOが2
モル%以上、SrOが0〜2.5モル%、BaOが0〜
0.5モル%、MgO+CaO+SrO+BaOが1
1.5モル%以下、SrO+BaOが0〜2.5モル
%、かつSiO2+B2O3が80モル%以下である請求
項1または6に記載の無アルカリガラス。 - 【請求項10】比重が2.46以下である請求項1〜9
のいずれかに記載の無アルカリガラス。 - 【請求項11】50〜350℃における平均線膨張係数
が34×10-7/℃以下である請求項1〜10のいずれ
かに記載の無アルカリガラス。 - 【請求項12】ヤング率が64GPa以上である請求項
1〜11のいずれかに記載の無アルカリガラス。 - 【請求項13】歪点が650℃以上である請求項1〜1
2のいずれかに記載の無アルカリガラス。
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