JPWO2006051872A1 - ピペリジン化合物を含有する嫌気性接着剤組成物又は光硬化型嫌気性接着剤組成物 - Google Patents

ピペリジン化合物を含有する嫌気性接着剤組成物又は光硬化型嫌気性接着剤組成物 Download PDF

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Abstract

本発明によれば貯蔵安定性と硬化性に優れた接着剤組成物が提供される。該接着剤組成物は、ラジカル重合性モノマー及び/又はオリゴマー、重合開始剤及び重合促進剤を含有する嫌気性接着剤組成物であって、式(1)[化1]〔式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。〕で表されるピペリジン化合物を配合してなる接着剤組成物。

Description

本発明は、相反する特性である貯蔵安定性と硬化性に優れた光硬化型嫌気性接着剤組成物に関する。
嫌気性接着剤は酸素が存在する条件下では室温で安定な液状を保つ。この接着剤を被着材に塗布して金属の間に封じ込めて空気を排除すると、空気中の酸素によって阻害されていたラジカル重合が始まり硬化し、接着力を発現する。嫌気性接着剤はこのような特性を利用され、ねじのゆるみ止めや、ベアリング、モーターシャフト、プーリー歯車などのはめあい部の固着や、ガスケット、フランジ、パイプシーラント部などのシーリング等に使用されている。さらには、マイクロカプセル化した嫌気性接着剤をボルトにプレコートしておけば、現場においてこのボルトにナットを締めるだけでゆるみ止め接着が可能である。しかし、嫌気性接着剤では、空気に触れる部分は未硬化のままとなる欠点があった。
嫌気性接着剤には、典型的には多官能性(メタ)アクリル酸エステルを有するオリゴマー、(メタ)アクリル酸(エステル)モノマー、重合開始剤、重合促進剤、安定剤(重合抑制剤)、粘度調整剤、着色剤等が配合されている。光硬化型嫌気性接着剤は、嫌気性接着剤に光重合開始剤を配合したものであり、空気に接触しない部分は嫌気性重合により硬化して接着力を発揮し、空気と接触する部分は光(紫外線)重合により比較的短時間で硬化して接着力を発揮し、上記の嫌気性接着剤の欠点が改良されたものである。
嫌気性接着剤及び光硬化型嫌気性接着剤に配合される重合促進剤(アミン誘導体、金属石鹸など)は、過酸化物系重合開始剤によるラジカル発生の開始温度を室温まで下げることにより嫌気性重合を促進し、接着剤塗布後の硬化時間を短縮するために有用である。しかし、重合促進剤の配合によって接着剤の保管時にも硬化が促進されるため、重合促進剤の存在により貯蔵安定性は悪化する。一方、貯蔵安定性を改良するため、p−ベンゾキノンなどのキノン類、tert−ブチルカテコールなどのカテコール類が安定剤として配合されている。また、例えば、フェノチアジン又はその誘導体を配合した接着剤や(特許文献1)、ポリリン酸塩を配合した接着剤(特許文献2)なども報告されている。
特開平9−194515号公報 特開昭62−184076号公報
しかし、上記の安定剤を接着剤に配合すると、接着剤の硬化が遅くなり、接着剤塗布後、硬化まで長い時間を要した。したがって、従来の安定剤は貯蔵安定性の向上を目的としていたが、硬化性を損なうものであった。
本発明は、貯蔵安定性に優れ、かつ硬化時間のロスがない、或いはロスがあっても少ない、嫌気性接着剤組成物又は光硬化型嫌気性接着剤の提供を目的とする。
本発明者は、嫌気性接着剤組成物に特定のピペリジルアクリレート又はメタクリレートを配合すると、貯蔵安定性が向上し、かつ硬化性の低下がない、或いは硬化性の低下が少ないことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の嫌気性接着剤組成物を提供するものである。
項1.ラジカル重合性モノマー及び/又はオリゴマー、重合開始剤及び重合促進剤を含有する嫌気性接着剤組成物であって、式(1)
Figure 2006051872
〔式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。〕
で表されるピペリジン化合物を配合してなる接着剤組成物。
項2.前記式(1)においてRが水素原子又はメチル基であり、Rが水素原子又はメチル基である項1に記載の嫌気性接着剤組成物。
項3.前記式(1)で表されるピペリジン化合物の含有量が0.1〜10重量%である項1又は2に記載の嫌気性接着剤組成物。
項4.さらに、重合性不飽和基を有するリン酸エステルを接着剤組成物に対し0.5〜30重量%配合してなる項1〜3のいずれかに記載の嫌気性接着剤組成物。
項5.さらに、光重合開始剤を配合してなる光硬化型の項1〜4のいずれかに記載の嫌気性接着剤組成物。
本発明の嫌気性接着剤組成物は、上記式(1)のピペリジン化合物を含有することを特徴とする。なお、本発明の嫌気性接着剤組成物には光硬化型の嫌気性接着剤組成物も包含される。本発明の嫌気性接着剤組成物には、ラジカル重合性モノマー及び/又はオリゴマー、重合開始剤及び重合促進剤が配合される。また、本発明の光硬化型嫌気性接着剤組成物には、上記の嫌気性接着剤組成物配合成分に加え、光重合開始剤が配合され得る。
(1)ピペリジン化合物
本発明において、上記式(1)で表されるピペリジン化合物を配合することによって、嫌気性接着剤組成物の貯蔵安定性が向上し、かつ硬化時間の延長がない又は少ない組成物となる。上記式(1)において、Rがアルキル基である場合、アルキル基は直鎖状アルキル基、分枝状アルキル基のいずれでもよい。好ましいピペリジン化合物はRが水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基で表される化合物であり、より好ましいピペリジン化合物は、Rが水素原子又はメチル基で表される化合物である。さらに好ましいのは、テトラメチルピペリジルアクリレート、テトラメチルピペリジルメタクリレート、ペンタメチルピペリジルアクリレート、ペンタメチルピペリジルメタクリレートである。本発明の接着剤組成物には上記式(1)のピペリジン化合物を1種単独又は2種以上組み合わせて配合することができる。ピペリジン化合物の配合量は、組成物全量に対し、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜3重量%である。ピペリジン化合物の配合量が上記範囲内であると、組成物の貯蔵安定性の向上効果と硬化性低下の抑制効果に有利である。
(2)ラジカル重合性モノマー及びオリゴマー
本発明において、ラジカル重合性モノマー及びオリゴマーは、本発明の組成物が重合開始剤の存在下で酸素の存在しない条件におかれた場合にラジカル重合して硬化し、接着作用を発現する。また、光重合開始剤の存在下で紫外線の照射を受けた場合にもラジカル重合して硬化し、接着する。なお、ピペリジン化合物及び重合性不飽和基を有するリン酸エステルも重合性を有するが、本発明におけるラジカル重合性モノマー及び/又はオリゴマーには含まない。ラジカル重合性モノマー及びオリゴマーは1種単独でも本発明組成物に配合できるし、2種以上組み合わせて配合することもできる。好ましくは、ラジカル重合性モノマーとオリゴマーを併用する。ラジカル重合性オリゴマーはラジカル重合性モノマーが2〜9個、好ましくは2〜6個、より好ましくは2〜4個付加したものである。
ラジカル重合性オリゴマーとしては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレートなどが挙げられ、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートが好ましい。
ウレタンアクリレートは、一般的には、ポリオールと有機ジイソシアネートを反応させ、ポリウレタンプレポリマーとし、次いで水酸基含有アクリレート付加させることによって得られ、分子中に官能基としてアクリロイル基(CH=CHCO−)と、ウレタン結合(−NHCOO−)を有するオリゴマーである。具体的なポリオールの例としては、ポリ(プロピレンオキサイド)ジオール、ポリ(エチレンオキサイド)ジオール、ポリ(テトラメチレンオキサイド)ジオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、エトキシ化ビスフェノールAなどが挙げられる。
エポキシアクリレートは、一般的には、ポリエポキシ化合物(またはエポキシ樹脂)とアクリル酸とをエステル化して得られる。具体的なエポキシアクリレートの例としては、各種ビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなど)とエピクロルヒドリンによるエポキシ化合物とアクリル酸との反応により合成されるビスフェノール型エポキシアクリレート、フェノールノボラックとエピクロルヒドリンによるエポキシ化合物とアクリル酸との反応により合成されるフェノールノボラック型エポキシアクリレートなどが挙げられる。
ポリエステルアクリレートは、一般的には、多価アルコール又はポリエステルポリオールを触媒存在下にてアクリル酸でエステル化して得られる。具体的なポリエステルアクリレートの例としては、無水フタル酸とプロピレングリコールなどで縮合したポリエステルとアクリル酸との反応により合成されるアクリレート、アジピン酸と1,6-ヘキサンジオールなどで縮合したポリエステルとアクリル酸との反応により合成されるアクリレート、トリメリット酸とジエチレングリコールで縮合したポリエステルとアクリル酸との反応により合成されるアクリレートなどが挙げられる。
ラジカル重合可能なモノマーは、主としてラジカル重合可能なオリゴマーと併用して使用され、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソペンチルアクリレート、イソペンチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ジアクリル化イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン、ドデシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸などが挙げられ、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。好ましくは、アクリレート系モノマーであり、より好ましくは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジメタクリレートなどである。
本発明におけるラジカル重合性モノマー及び/又はオリゴマーの配合量は、組成物全量に対し、通常50〜95重量%、好ましくは60〜92重量%、より好ましくは70〜90重量%である。
(3)重合開始剤
重合開始剤は、嫌気条件下で重合を開始させるために使用される。本発明では、従来の嫌気性接着剤において使用可能な重合開始剤を1種単独又は2種以上併用して使用できる。例えば、ジアシルパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ケトンパーオキシド類、パーオキシエステル類等の過酸化物が使用でき、具体的な化合物としては、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、ジtert−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、クミルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、イソプロピルパーオキサイド、シクロヘキシルパーオキサイドなどが上げられる。好ましい重合開始剤は、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、クミルハイドロパーオキサイドである。重合開始剤の配合量は、組成物全量に対し、通常0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.5〜3重量%である。
(4)重合促進剤
重合開始剤は分解することによって嫌気性重合を開始させるが、通常、その分解は常温ではおこらず、重合は開始しない。重合促進剤は重合開始剤を常温で分解させる作用を有するため、重合促進剤を接着剤組成物に配合することにより常温での重合が可能となる。
本発明では、従来の嫌気性接着剤において使用可能な重合促進剤を1種単独又は2種以上併用して使用できる。例えば、O−ベンゾイックスルファミド;1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、N,N−ジメチルトルイジン、トリエタノールアミンなどのアミン類;ベンゼンスルホニルヒドラジドなどのヒドラジン誘導体;エチレンジアミン誘導体;オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ナフテン酸銅などの金属石けん、等が使用できる。好ましくはO−ベンゾイックスルファミド、1,2,3,4−テトラヒドロキノリンであり、より好ましくはO−ベンゾイックスルファミドである。O−ベンゾイックスルファミドは重合促進剤であるが、貯蔵安定性を向上される作用も有する。重合促進剤の配合量は、組成物全量に対し、通常0.01〜15重量%、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜3重量%である。
(5)光重合開始剤
光重合開始剤は、紫外線による光重合性モノマー及びオリゴマーの重合を開始させる。本発明では、従来の光硬化性接着剤において使用可能な光重合開始剤を1種単独又は2種以上併用して使用できる。例えば、4−フェノキジクロロアセトフェノン、4−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、4−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、α−アシロキシムエステル、アシルホスフィノキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレキノン、カンファーキノン、ジベンゾスベロンなどが挙げられる。好ましい光重合開始剤は1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オンである。光重合開始剤の配合量は、組成物全量に対し、通常1〜12重量%、好ましくは3〜6重量%である。
(6)重合性不飽和基を有するリン酸エステル
重合性不飽和基を有するリン酸エステルは、従来、接着強度の向上に寄与することが知られていたが、本発明の組成物ではピペリジン化合物とリン酸エステルを配合することによって、ピペリジン化合物を単独で配合した場合より、貯蔵安定性が向上する。また、このリン酸エステルを配合することによって接着剤組成物の接着強度が向上する。本発明では、従来の光硬化型接着剤において使用されていたリン酸エステルを1種単独又は2種以上併用して使用できる。例えば、リン酸エステルアクリレート又はメタクリレートが挙げられる。リン酸エステルアクリレート又はメタクリレートとしては、アルキレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、これらの混合物などが挙げられる。これらのリン酸エステルは、ライトエステルP-1M(共栄社化学(株)製)、ライトエステルP-2M(共栄社化学(株)製)、カヤマーPM-2(日本化薬(株)製)、カヤマーPM-21(日本化薬(株)製)などとして市販されている。重合性不飽和基を有するリン酸エステルの配合量は、組成物全量に対し、通常0.5〜30重量%、好ましくは2〜10重量%、より好ましくは2〜7重量%である。
(7)その他の任意配合成分
本発明の組成物には、必要に応じて、ラジカル重合性又は光重合性を持たない他のポリマー、安定剤(キノン類、カテコール類、フェノール類など)、粘度調整剤(増粘剤、反応希釈剤など)、増感剤、可塑剤、着色剤、抗酸化剤、熱可塑性樹脂、消泡剤等の任意成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
本発明の組成物は、上記の成分を混合することにより得ることができる。例えば、上記の成分を50℃で1時間撹拌することによって組成物となる。
また、本発明の組成物の接着対象となる材質は金属であることが好ましいが、他の材質であっても、接着面に金属を含有するプライマーをコーティングしておくことによって接着が可能となる。また、本発明の組成物はシーリング剤としての用途も包含する。接着対象は、例えばねじ部、はめあわせ部、しめあわせ部などである。
本発明の組成物を接着面に塗装する方法は、特に制限されず、公知の塗装方法が採用される。例えば、エアスプレー、エアレススプレー、刷毛塗り、ローラー塗りなどが挙げられる。
本発明の組成物は、硬化時間を犠牲にすることなく貯蔵安定性が向上した、すなわち硬化性と貯蔵安定性に優れた嫌気性接着剤組成物である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例及び比較例
下記表1に記載の成分を50℃で1時間撹拌して均質な接着剤組成物を得た。なお、表1中の成分の数値は重量部である。また、UV−2000B(日本合成化学(株)製)はウレタンアクリレートオリゴマーである。カヤマーPM-21(日本化薬(株)製)及びライトエステルP-2M(共栄社化学(株)製)は重合性不飽和基を有するリン酸エステルである。また、tert−ブチルカテコール及びp−ベンゾキノンは従来の安定剤である。
貯蔵安定性
実施例及び比較例の組成物をガラス製容器に入れて空気が入らないように栓をし、このガラス製容器を80℃のオーブンに2時間入れた。この2時間の間に、30分間隔で組成物の硬化状態を観察し、接着剤組成物の塗布に支障がある程度に硬化していた時間を記録した。結果を表1に示す。なお、オーブン内は遮光条件であり、2時間硬化しなければ、常温で約1年の貯蔵安定性に相当する。また、2時間目に硬化していないものは「2時間以上」と表した。
固着所要時間
実施例及び比較例の組成物を3mm径の鋼製ボルトに塗布しナットをねじ込み、1時間間隔で、ボルトを固定しながらナットを手で回し、手でナットを回せなくなった時間を記録した。結果を表1に示す。
紫外線接着性
実施例及び比較例の組成物をガラス板の片面に塗布し、塗布面にもう1枚のガラス板を重ね、の紫外線積算光量(1000mJ/cm)を照射した後、重ね合わせたガラス板の剪断強度を、JIS K6850に準拠した方法で測定した。結果を表1に示す。なお、ガラス板が100kgfで破断するので、ガラス板が破断した場合は「100<」と表した。
Figure 2006051872
本発明の組成物は従来嫌気性接着剤組成物が使用されていた分野で使用できる。また、本発明の光硬化型の組成物は上記の分野に加え、光硬化性接着剤組成物が使用されていた分野で使用できる。

Claims (5)

  1. ラジカル重合性モノマー及び/又はオリゴマー、重合開始剤及び重合促進剤を含有する嫌気性接着剤組成物であって、式(1)
    Figure 2006051872
    〔式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。〕
    で表されるピペリジン化合物を配合してなる接着剤組成物。
  2. 前記式(1)においてRが水素原子又はメチル基である請求項1に記載の嫌気性接着剤組成物。
  3. 前記式(1)で表されるピペリジン化合物の含有量が0.1〜10重量%である請求項1又は2に記載の嫌気性接着剤組成物。
  4. さらに、重合性不飽和基を有するリン酸エステルを接着剤組成物に対し0.5〜30重量%配合してなる請求項1〜3のいずれかに記載の嫌気性接着剤組成物。
  5. さらに、光重合開始剤を配合してなる光硬化型の請求項1〜4のいずれかに記載の嫌気性接着剤組成物。
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