JPWO2006049235A1 - マルチインタフェース通信装置、端末、および経路切替方法 - Google Patents

マルチインタフェース通信装置、端末、および経路切替方法 Download PDF

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Abstract

ルータ装置(10)はルーティング機能の実行が不可能であると判断すると、最近の中継フローを終端するローカルネットワーク上の端末のアドレスを含む接続指示メッセージを他のルータ装置(10)に送出して切替を要請する。接続指示メッセージを受信したルータ装置(10)は、外部網への接続処理を開始するとともに端末とのリンク接続処理を実施し、外部網および端末との接続がともに確立した時点で接続完了通知メッセージを送出する。これにより、ルータ装置(10)は高速な経路切替えを実現することができる。

Description

本発明は、複数の通信インタフェースを有するマルチインタフェース通信装置と、複数のマルチインタフェース装置を切り替える経路切替方法に関するものであって、特にマルチインタフェース装置である2台以上のルータ装置を切り替える経路切替方法に関する。
従来より、移動通信を行う端末装置は、携帯端末に無線アクセスインタフェースを追加することにより実現されていた。
しかし、無線アクセスインタフェースによって接続する無線アクセス網は、カバレッジや帯域、通信料金等が種類によって異なっている。このため、端末装置が、どこに移動しても通信を継続するにはカバレッジの異なる複数の無線アクセス網に対応するインタフェースを有する必要があった。このような複数の無線アクセスインタフェースを端末装置に備えることは、コストや機器サイズが大きくなるという課題があり、特に、携帯する端末装置が複数である場合にはその課題が顕著であった。
この課題を解決する手段として、無線アクセスインタフェースよりもコストが低くデバイスサイズの小さい短距離無線インタフェースを有する複数の携帯端末と、それら携帯端末と短距離無線によって接続された携帯端末に無線アクセスインタフェースを追加したルータ装置とによりローカルエリアネットワーク(LAN)を形成し、このルータ装置以外の携帯端末はルータ装置を介して外部網と接続する技術が文献「移動ネットワークのシームレスハンドオーバに関する研究」(松本泰輔他、信学技法、NS2002−323、2003年3月)に開示された。
また、移動通信において、特に、端末装置は、カバレッジの異なる無線アクセスインタフェース(例えばセルラと無線LAN)を搭載したルータ装置を、場所に応じて切り替えて使用することが必要になる。この切り替えによる通信断が通話中に生じることは通信品質の点で課題となり、それを回避する技術が文献「移動ネットワークのシームレスハンドオーバに関する研究」に開示された。
また、IP(Internet Protocol)ネットワークにおいて、ローカルエリアネットワーク(LAN)内の端末装置が、外部ネットワークの端末装置と通信する際には、いわゆるデフォルトルータ装置を設定する必要がある。このデフォルトルータ装置の設定は、ルータ装置から端末装置に対して近隣探索プロトコル(Neighbor Discovery for IP Version 6、以下「ND」という。)により自動的に行うことが可能であり、この設定方法が文献「Neighbor Discovery for IP Version 6(IPv6)」(T.Narten et al.、RFC 2461、IETF、December 1998)に開示されている。以下にその設定方法を説明する。
NDにおいて、ルータ装置から以下のような情報を含むルータ広告(Router Advertisement)メッセージ(以下「RAメッセージ」という。)が、定期的に、または端末装置からの要請(Router Solicitationメッセージ、以下「RSメッセージ」という。)に応答する形で、送信される。
(1)ルータ装置のIPアドレス
(2)当該メッセージに含まれる情報の有効期限(ルータライフタイムRouter Lifetime、以下「RL」という。)
(3)到達可能時間(Reachable Time、以下「RT」という。)
このRAメッセージを受信した端末装置は、自己のデフォルトルータリスト、及び近隣キャッシュに上記の情報を追加する。また、デフォルトルータリストに複数のルータ装置が登録されている場合、端末装置は経路表に登録されていない宛先へ送信するとき、デフォルトルータリストのエントリの中からプライマリルータ装置を選択する。また、プライマリルータ装置は自己がシャットダウンする際には、RL=0のRAをブロードキャストする。そして、端末装置はRL=0のRAメッセージを受信すると、デフォルトルータリストに対応するエントリがある場合、当該エントリを削除する。しかしながら、文献「Neighbor Discovery for IP Version 6(IPv6)」によれば、デフォルトルータは、自己をシャットダウンするときにのみ、RL=0のRAメッセージを送信する。このため、ルータ装置の外部網への接続が過負荷である場合や、無線アクセスインタフェースにより外部網へ接続しているときの電界強度が低下した等により外部網への接続が困難あるいは不可能な状態となった場合にも、通常のRAメッセージが送信され続けるので、端末装置は通信不能となった。そして、端末装置がデフォルトルータを切り替えるには、外部端末装置との通信が不可能となったことを認識する必要があり、これには多大な時間を要した。このため、ルータ装置がシャットダウン以外の原因で外部網と通信不能となった場合には、通信が長時間にわたり中断されてしまうという課題を有していた。
また、従来の二重化したルータ装置を有するLANにおいて、マスタルータの故障発生時にマスタルータからバックアップルータへ切り替える方法として、特開平11−261561号公報に開示されているようなものがあった。すなわち、バックアップルータからマスタルータにヘルスチェック要求を行い、マスタルータからヘルスチェック応答が返ってこなければ、バックアップルータがマスタルータに自動的に切り替わっていた。しかしながら、特開平11−261561号公報に開示された方法を用いるには、複数のルータ装置で同じMACアドレスを共用する必要があり、MACレイヤにおける認証を行うような無線ネットワークにおいては使用できない場合があるという課題を有していた。
特に、外部網と無線通信により接続するローカルネットワークの場合、バックアップルータは消費電力を低減するために非接続状態にしておき、バックアップルータからマスタルータに切り替わるときに外部網とコネクションを確立する必要がある。そのため、バックアップルータがマスタルータに高速で切り替えるためには、マスタルータの接続状態が不安定になった時点で、バックアップルータが外部網とのコネクションの確立を開始する技術が提案された。
たとえば、国際公開2004/093397号パンフレットに記載のような従来方法では、マスタルータ装置が外部網への接続が過負荷となったときや、無線インタフェースにより外部網へ接続している場合に電界強度が低下したこと等によりルーティング機能の実行が不可能になることが予測できたときに、マスタルータ装置がルーティング停止メッセージとしてRL=0のRAをLAN内の全ノードにブロードキャストする。そして、バックアップルータ装置はこのルーティング停止メッセージを受信した時点で、自己のルーティング機能が実行可能であるか、または外部網との接続処理等の関係で所定時間後にルーティング機能が実行可能となる場合には、ルーティング可能メッセージをLAN内の全ノードにブロードキャストする。このときのルーティング可能メッセージには、RTに実行可能となるまでの時間を設定したRAを使用して、実行可能時間を通知していた。そして、ルーティング停止メッセージとルーティング可能メッセージを受信したLAN上のノードは、自己の経路表を更新して通知された実行可能時間が経過した後に、外部網と接続するためのデフォルトルータを切替えていた。
しかしながら、国際公開2004/093397号パンフレットに開示された方法を用いた場合、切替先ルータ装置が実際には外部網への接続を完了しているにも関わらず、LAN上のノードはルーティング可能メッセージに記載された実行可能時間の経過まで経路表の更新を行えずにいて、高速なルータ切替を行えなかった。あるいは、実際には外部網への接続が完了していないにも関わらず、実行可能時間が経過したことを契機として、ノードが経路表を更新してしまい、パケットを受信できないことがあった。
さらに、ブルートゥース(登録商標)のようなコネクション型プロトコルを採用するLANにおいて、LAN上のノードが切替先ルータ装置とIPパケットを伝送するためのレイヤ2コネクションを確立していない場合、切替先ルータ装置が送信するルーティング可能メッセージを受信できないので、ルータ切替を正常に実施できなかった。
また、通信中のノードが切替元ルータ装置からのルーティング停止メッセージを受信後、自発的にデフォルトルータを探索して切替を実施しようとしても、切替先ルータ装置とのリンクコネクションが確立していないので経路表を更新できない。このため、切替先ルータ装置における外部網への接続が完了している場合でも、ノードは切替先ルータ装置との間のリンクコネクションが確立するまで経路切替を行えなかった。
本発明の目的は、無線ネットワークにおいて、マスタルータとして動作する切替元ルータ装置に障害が発生したとき、マスタルータが切替元ルータ装置から切替先ルータ装置に高速に切り替わることにより、通信中断によるパケットロスを低減して、ネットワーク資源を効率的に活用することである。
本発明では、第一のルータ装置は外部網への接続が過負荷の場合や、無線インタフェースにより外部網へ接続しているときの電界強度が低下した等によりルーティング機能の実行が不可能になることが検出された場合、最近の中継フローを終端するローカルネットワーク上の端末のアドレスを含む接続指示メッセージを第二のルータ装置に送出する。第二のルータ装置において、接続指示メッセージを受信すると、その時点で自己のルーティング機能が実行可能であるか、あるいは所定時間後に外部網への接続が完了しルーティング機能が実行可能となる場合は、接続指示応答メッセージを第一のルータ装置に送出し、外部網への接続処理を開始する。第二のルータ装置は、外部網への接続処理とともに、接続指示メッセージに含まれるローカルネットワーク上の端末との接続が確立されていない場合はその端末との接続処理を実施する。そして、外部網およびローカルネットワーク上の端末との接続がともに確立した時点で、第二のルータ装置は接続完了通知メッセージを第一のルータ装置に送出する。
第一のルータ装置は、その接続完了通知メッセージを受信すると、最近の中継フローを終端するローカルネットワーク上の端末にデフォルトルータの切り替えを指示する経路切替指示メッセージを送出する。そして、ローカルネットワーク上の端末がこの経路切替指示メッセージを受信すると、デフォルトルータを第一のルータ装置から第二のルータ装置に切り替える。
これにより、無線ローカルネットワーク上の端末が第二のルータ装置とレイヤ2コネクションを未確立であっても、第二のルータ装置からの要求でコネクションの確立を行うので、第二のルータ装置からの接続完了通知を受信することができる。また、第二のルータ装置は外部網との接続処理を指定された端末とのリンクコネクションの確立と並行して実施するので、両接続の処理時間差によるタイムロスを最小にした、高速なルータ切替えを実現することができる。
また、端末は、ルータ切替に際して経路表の更新とデフォルトルータの変更を行うだけでよく、切替元ルータ装置のルーティング機能停止までの時間や切替先ルータ装置のルーティング可能となるまでの時間を管理する必要がなくなる。
本発明の第1の態様にかかる経路切替方法は、同一の無線ローカルネットワーク上の複数の通信インタフェースを有する、複数のマルチインタフェース通信装置を切り替える経路切替方法であって、第一のマルチインタフェース通信装置が、第二のマルチインタフェース通信装置へ接続指示を送出するステップと、第二のマルチインタフェース通信装置が、接続指示を受信すると外部網との接続処理を開始するステップと、第二のマルチインタフェース通信装置が接続を完了すると、当該接続の完了を通知する接続完了通知を第一のマルチインタフェース通信装置へ送出したり、自己のネットワーク情報を通知する自己情報通知を無線ローカルネットワークへ送出するステップと、第一のマルチインタフェース通信装置がその接続完了通知を受信すると、経路切替指示を無線ローカルネットワークへ通知するステップと、自己情報通知と経路切替指示とを受信した無線ローカルネットワーク上の端末が、中継に用いるマルチインタフェース通信装置を第一のマルチインタフェース通信装置から第二のマルチインタフェース通信装置に変更するステップとを有するものである。
これにより、切替先の第二のマルチインタフェース通信装置(切替先マルチインタフェース通信装置)は、適したタイミングで切替元の第1のマルチインタフェース通信装置(切替元マルチインタフェース通信装置)から中継処理の切替を開始できるとともに、外部網との接続処理完了等のイベントに即してリアルタイムに端末との中継先の切替処理を実施できるため高速な経路切替を実現することができる。
本発明の第2の態様にかかるルータ切替方法は、第一のマルチインタフェース通信装置からの接続指示が、第一のマルチインタフェース通信装置の外部網との通信パケットロス率が所定値より大きい場合、電波受信強度が所定値より低い場合、自己のシャットダウンが開始された場合、および他のマルチインタフェース通信装置への切替要求を受けた場合のいずれかにおいて送出されるものである。
これにより、切替元マルチインタフェース通信装置は外部網との接続が継続できなくなったことをいち早く切替先マルチインタフェース通信装置に通知することができる。
本発明の第3の態様にかかる経路切替方法は、第二のマルチインタフェース通信装置による接続処理が、外部網との接続可能性のある場合に開始され、さらに第二のマルチインタフェース通信装置が、第一のマルチインタフェース通信装置に、外部網への接続を開始したことを通知する接続指示応答を送出するステップを有するものである。
これにより、切替元マルチインタフェース装置は切替先マルチインタフェース装置が外部リンクとの接続を開始したことを知ることができるので、別のマルチインタフェース装置を指定して接続指示を送信する必要がなくなる。
本発明の第4の態様にかかる経路切替方法は、第一のマルチインタフェース通信装置が、中継している通信フロー特性に基づく通信性能要求を接続指示に含めて送出し、第二のマルチインタフェース通信装置は、接続対象の外部網との通信性能が通信性能要求をさらに満たす場合に、接続処理を開始するものである。
これにより、切替元マルチインタフェース通信装置は、切替先マルチインタフェース装置を現在の中継フローの特性に応じて選択することができ、経路切替による中継フローの破綻を未然に防ぐことができる。
本発明の第5の態様にかかる経路切替方法は、第二のマルチインタフェース通信装置が、外部網との接続可能性がない場合、あるいは接続可能性はあるが、通信性能要求を満たさない場合、外部網との接続処理を開始せず、第二のマルチインタフェース通信装置が外部網への接続を実施しなかったことを通知する接続指示応答を送出するステップをさらに有するものである。
これにより、切替元マルチインタフェース装置が当初の切替先マルチインタフェース装置の有用性がない事実を即座に知ることができるとともに、迅速に他の切替先マルチインタフェース装置に対して切替処理を移行することができる。
本発明の第6の態様にかかる経路切替方法は、第一のマルチインタフェース通信装置が、外部網への接続を実施しなかったことを通知する接続指示応答を第二のマルチインタフェース通信装置から受信した場合、第三のマルチインタフェース通信装置に経路切替指示を送出するステップをさらに有するものである。
これにより、切替元マルチインタフェース通信装置は切替先を第二のマルチインタフェース通信装置から第三のマルチインタフェース装置へ指定をすばやく変更することができる。
本発明の第7の態様にかかる経路切替方法は、第二のマルチインタフェース通信装置が、接続完了通知を送出した後、あるいは送出に代えて、第一のマルチインタフェース通信装置による経路切替指示を通知するステップの代理として、その経路切替指示を無線ローカルネットワークへ通知するものである。
これにより、第一のマルチインタフェース通信装置が経路切替指示をを送出するよりも早く、経路切替指示を無線ローカルネットワーク上のノードへ通知することができる。
本発明の第8の態様にかかる経路切替方法は、第一のマルチインタフェース通信装置が、第二のマルチインタフェース通信装置に、無線ローカルネットワーク上の中継中の端末を特定する端末識別子を接続指示とともに送出するステップと、第二のマルチインタフェース通信装置が、端末識別子で特定された端末に対する接続処理を開始するステップとをさらに有するものである。
これにより、端末が切替先マルチインタフェース装置の経路切替処理中に当該切替先マルチインタフェース通信装置リンク確立を行うので、経路切替が終了すると即座に切替先マルチインタフェース装置を介して外部網と通信を行うことができるようになる。また、複数の端末が存在する場合でも、該当する端末に限って切替先マルチインタフェース装置がリンクを確立することが可能となるので、切替先マルチインタフェース装置の処理負荷およびリソースの有効活用を図ることができる。
本発明の第9の態様にかかる経路切替方法は、第二のマルチインタフェース通信装置が、外部網への接続と端末への接続とがともに完了したとき、自己情報通知と接続完了通知とを送出するものである。
これにより、切替元マルチインタフェース通信装置は、端末へ中継先の切替を指示することができる。
本発明の第10の態様にかかる経路切替方法は、端末識別子で特定される端末が、第一のマルチインタフェース通信装置の近隣キャッシュあるいはARP(Address Resolution Protocol)キャッシュに登録されているものの中から指定されるものである。
これにより、切替元マルチインタフェース通信装置は、IETF RFC2461で規定される近隣キャッシュ(Neighbor Cache)等で管理されるリンク上のノード(端末およびマルチインタフェース装置)のアドレス情報から最近の通信実績のある端末を特定することができるので、あらためて中継フローの抽出や履歴管理を行う必要がなくなり、マルチインタフェース装置の処理負荷の低減およびリソースの有効活用を図ることができる。これは、近隣キャッシュでは、一定期間ノードに対するアクセスが確認されないと、近隣キャッシュからそのノードに対するエントリが削除されるという特性を利用したもので、最近の通信実績がある端末の特定という目的での使用においては、近隣キャッシュは適している。
本発明の第11の態様にかかる経路切替方法は、第二のマルチインタフェース通信装置が、外部網との接続可能性の状態が変化した時点で、第一のマルチインタフェース通信装置へ接続の可否を通知する接続可能性通知を送出するステップと、第一のマルチインタフェース通信装置が接続可を受信したとき、接続可能性通知に含まれる第二のマルチインタフェース通信装置の接続可の情報を記憶し、接続不可を受信したとき、第二のマルチインタフェース通信装置の接続可の情報の記憶を削除するステップと、第一のマルチインタフェース通信装置が接続指示を送出する際に、記憶した第二のマルチインタフェース通信装置の接続可否の情報に基づいて送出先を決定するステップとを有するものである。
これにより、切替元マルチインタフェース通信装置は、個々のマルチインタフェース装置の外部網への接続状況、特に接続可能であることをリアルタイムに把握することが可能となり、その時々で適した切替先マルチインタフェース装置を的確に選択することができるようになる。
本発明の第12の態様にかかる経路切替方法は、接続可能性通知がマルチインタフェース通信装置の識別子と、外部網との通信性能とを含み、第一のマルチインタフェース通信装置が、中継フローの特性に適した通信性能を外部網との通信で有する、接続可能なマルチインタフェース通信装置を接続指示の送出先に決定するものである。
これにより、切替元マルチインタフェース通信装置は、切替先マルチインタフェース装置を現在の中継フローの特性に応じて選択することができるので、経路切替による中継フローの破綻を未然に防ぐことができる。
本発明の第13の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、複数の通信インタフェースを有するマルチインタフェース通信装置であって、外部網との接続状況の悪化や、自己がシャットダウンされたことや、外部網との接続を他のマルチインタフェース通信装置と交替する切替要求を受信したことの少なくともいずれか一つを検出する接続管理部と、その検出の通知を受けて、外部網への接続指示と、近隣キャッシュあるいはARPキャッシュに登録されている端末を特定する識別子とを自己の接続しているローカルネットワーク上の他のマルチインタフェース通信装置へ通知する経路管理部と、接続指示の通知先のマルチインタフェース通信装置から、外部網への接続完了の通知を受信する受信部と、その受信部からの接続完了通知を受けて、中継に用いるマルチインタフェース通信装置の切替を指示する経路切替指示をローカルネットワークに通知する経路切替指示部とを具備している。
これにより、中継機能を提供中のマルチインタフェース装置が中継機能を提供できる切替先へ中継の引継要請と、中継を必要とする端末情報とを通知するので、要請されたマルチインタフェース装置が切替処理を外部リンクと端末へ同時に実施することが可能になる。
本発明の第14の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、経路管理部の通知する識別子が、所定時間内に中継したフローの終端である端末の識別子であることを特徴とするものである。
これにより、中継の引継要請されたマルチインタフェース装置は、最近、外部リンクへ通信を行った端末を知ることができるので、中継を必要とする可能性の高い端末に対して事前に接続を行うことが可能になる。
本発明の第15の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、経路管理部が中継している通信フロー特性に基づく通信品質(QoS)や通信性能を示す要求パラメータを接続指示と共に送出することを特徴とするものである。
これにより、中継の引継要請されたマルチインタフェース装置は、必要とされる通信品質等を提供できるか否かを判断することができる。
本発明の第16の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、受信部が接続指示の通知先のマルチインタフェース通信装置から外部網との非接続を通知するための接続指示応答を受信し、経路管理部が受信部からの接続指示応答の通知を受けて、異なる宛先のマルチインタフェース通信装置に対して接続指示を送出することを特徴とするものである。
これにより、中継機能を提供しているマルチインタフェース通信装置は、通信条件に適合するものから順に中継先として指示することができる。
本発明の第17の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、受信部がローカルネットワーク上の他のマルチインタフェース通信装置から外部網への接続可能性通知を受信し、経路切替部が受信部から接続可を通知されたとき、接続可能性通知の送信元マルチインタフェース通信装置を特定する識別子を記憶し、接続不可を通知されたとき、記憶してある送信元マルチインタフェース通信装置を特定する識別子を記憶から削除し、接続指示の送出先を記憶した識別子の中から決定することを特徴とするものである。
これにより、中継機能を提供しているマルチインタフェース通信装置は、中継ができなくなることを検出したときに、引き継ぐのに適した他のマルチインタフェース装置を選択することができる。
本発明の第18の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、他のマルチインタフェース通信装置へ通知する接続可能性通知が、外部網との接続の可否、自己を特定する識別子、および外部網との通信容量を含み、経路切替部が接続可能性通知に基づいて、中継フローの特性に適した通信容量のマルチインタフェース通信装置を接続指示の送出先に決定することを特徴とするものである。
これにより、中継機能を提供しているマルチインタフェース通信装置は、通信に必要な条件に適合するか否かを判断することができる。
本発明の第19の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、経路管理部が接続可能性通知、接続指示応答、および接続完了通知を即時的に送出することを要請する即時通知要請を送出することを特徴とするものである。
これにより、マルチインタフェース通信装置は、他のマルチインタフェース装置を特定して必要な情報をリアルタイムで取得することができる。
本発明の第20の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、受信部が接続完了通知を受信する以前に、接続指示の通知先のマルチインタフェース通信装置から経路切替指示を受信した場合、経路切替指示部は経路切替指示の送出を中止するものである。
これにより、経路切替指示が重複して送出されることを防止できる。
本発明の第21の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、複数の通信インタフェースを有するマルチインタフェース通信装置であって、外部網への接続指示と、ローカルネットワーク上の端末を特定する識別子との通知を受信する指示受信部と、外部網との接続処理を行う外部リンク処理部と、識別子を通知された端末との接続処理を行う内部リンク処理部と、外部リンク処理部と内部リンク処理部との両方から接続を完了したことを受けて、接続完了を通知する接続完了通知を接続指示の送信元であるマルチインタフェース通信装置へ送出したり、自己のネットワーク情報を通知する自己情報通知をローカルネットワークへ送出する接続通知部とを具備する。
これにより、中継機能の引継要請を受けるマルチインタフェース装置は、中継機能を完全に引き継げる状態を、要請元のマルチインタフェース装置へ通知することができる。
本発明の第22の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、外部網との接続可能性を検出する接続検出部をさらに有し、外部リンク処理部と内部リンク処理部が接続検出部からの接続可の検出通知を受けて接続処理を開始し、接続通知部が接続検出部からの接続可の検出通知を受けて、接続指示の送信元マルチインタフェース通信装置に外部網への接続処理の開始を通知するための接続指示応答を送出する。
これにより、要請元のマルチインタフェース装置は、要請先マルチインタフェース装置の通信性能等を中継切替処理の早い段階で確認することが可能になる。
本発明の第23の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、指示受信部がさらに通信品質(QoS)と通信性能を示す要求パラメータを受信すると接続検出部へ通知し、接続検出部が要求パラメータによって与えられる要件を接続対象の外部網によって満足できるか否かを検出することを特徴とするものである。
これにより、中継機能の引継要請を受けるマルチインタフェース装置は、要件を満足できるか否かを要請元のマルチインタフェース装置へ通知することができる。
本発明の第24の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、接続通知部が接続検出部からの接続不可の検出通知を受けて、接続指示の送信元マルチインタフェース通信装置に、外部網への非接続を通知するための接続指示応答を送出することを特徴とするものである。
これにより、要請元のマルチインタフェース装置は、要請先マルチインタフェース装置の通信可否を知ることができる。
本発明の第25の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、接続検出部が外部網との接続可能性を常時監視し、接続可能性の状態が変化した時点で、接続通知部へ通知し、接続通知部が当該通知を受けて、接続可能性を知らせる接続可能性通知をローカルネットワーク上の他のマルチインタフェース通信装置へ送出することを特徴とするものである。
これにより、マルチインタフェース通信装置は、他のマルチインタフェース通信装置の外部網への接続状況、特に接続可否をリアルタイムに把握することが可能となる。
本発明の第26の態様にかかるマルチインタフェース通信装置において、外部リンクとの接続状態を通知する接続可能性通知は、外部網との接続の可否、自己を特定する識別子、および外部網との通信容量を含んでいる。
これにより、マルチインタフェース通信装置は、他のマルチインタフェース装置が通信に必要な条件に適合するか否かを判断することができる。
本発明の第27の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、接続通知部が接続可能性通知、接続指示応答、および接続完了通知を即時的に送出することを要請する即時通知要請を受信している場合、該当メッセージの生成時に即時的に要請元のマルチインタフェース通信装置へ送出することを特徴とするものである。
これにより、要請元のマルチインタフェース装置は、要請先マルチインタフェース装置の接続処理状況を遅滞なく知ることができるので、中継機能の引継をタイムロスなしに行うことができる。
本発明の第28の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、接続通知部が接続完了通知の送出後に、あるいは接続完了通知に代えて、接続指示の送信元であるマルチインタフェース通信装置の代理として、中継に用いるマルチインタフェース通信装置の切替を指示する経路切替指示を無線ローカルネットワークへ通知するものである。
これにより、接続指示の送信元マルチインタフェース通信装置が経路切替指示を送出するよりも早く、経路切替指示を無線ローカルネットワーク上のノードへ通知することができる。
本発明にかかる端末は、未接続のマルチインタフェース通信装置から接続要求を受信したり、接続中のマルチインタフェース通信装置から他のマルチインタフェース通信装置への経路切替を指示する経路切替指示を受信する受信部と、その受信部から通知される接続要求に基づいて要求元のマルチインタフェース通信装置と接続処理を行ったり、経路切替指示に基づいて接続済みのマルチインタフェース通信装置へ中継先を切り替える接続管理部とを具備している。
これにより、端末は中継の切替先であるマルチインタフェース装置からコネクションの確立を要求されるので、当該マルチインタフェース装置へ中継先を切り替えるときのタイムロスを削減することができる。
以上のように本発明によれば、無線ネットワークにおいて、中継機能を提供していたマルチインタフェース装置が中継を継続できなくなったとき、中継ノードが当該マルチインタフェース装置から他のマルチインタフェース装置へ高速に切り替わることができる。これにより、切り替え時のパケットロスを低減して、ネットワーク資源を効率的に活用することが可能になる。
図1は本発明の実施の形態1に係るルータ装置の構成を示す図である。 図2は本発明の実施の形態1に係る端末の構成を示す図である。 図3は本発明の実施の形態1に係る通信システムの構成を示す図である。 図4は本発明の実施の形態1に係る通信システムの第一の動作を示すシーケンス図である。 図5は本発明の実施の形態1に係る通信システムの第二の動作を示すシーケンス図である。 図6は本発明の実施の形態1に係る切替元ルータ装置の動作例を示すフロー図である。 図7は本発明の実施の形態1に係る切替先ルータ装置の動作例を示すフロー図である。 図8Aは本発明の実施の形態1に係る端末の動作例を示すフロー図である。 図8Bは本発明の実施の形態1に係る端末の動作例を示すフロー図である。 図9は本発明の実施の形態1に係る接続指示メッセージの構成を示す図である。 図10は本発明の実施の形態1に係る接続指示応答メッセージの構成を示す図である。 図11は本発明の実施の形態1に係る接続完了通知メッセージの構成を示す図である。 図12は本発明の実施の形態1に係る接続可能性通知メッセージの構成を示す図である。 図13は本発明の実施の形態1に係る接続要求メッセージの構成を示す図である。 図14は本発明の実施の形態1に係るQoSレベル一覧の構成を示す図である。 図15は本発明の実施の形態1に係るルータ情報管理テーブルの構成を示す図である。 図16は本発明の実施の形態1に係る通知登録メッセージの構成を示す図である。 図17は本発明の実施の形態1に係るイベント管理テーブルの第一の構成を示す図である。 図18は本発明の実施の形態1に係るイベント管理テーブルの第二の構成を示す図である。 図19は本発明の実施の形態1に係るルータ装置の第二の構成を示す図である。 図20は本発明の実施の形態2に係る通信システムの構成を示す図である。
符号の説明
1 外部ネットワーク
2 無線ローカルネットワーク
3,3a,3b アクセスポイント装置
10,10a,10b ルータ装置
11,12 下位レイヤ処理部
13 接続管理部
14 ルータ切替部
15 バッファ
16 L3処理部
17 上位層処理部
20 無線端末
21 下位レイヤ処理部
22 接続管理部
23 L3処理部
24 上位レイヤ処理部
30 マルチインタフェース通信端末
40 外部端末
51 SDP
52 BNEP
53 L2CAP
54 HCI
55 ベースバンド
90 ルータ情報管理テーブル
100 イベント管理テーブル
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図3は本発明による通信システムの構成を示す図であり、ルータ装置10a、bと無線端末20とが無線通信して無線ローカルネットワーク2を構成している。また、インターネット等の外部ネットワーク1には、アクセスポイント装置3a、3bと、外部端末40とが接続している。そしてルータ装置10a、bは無線通信によるアクセス回線によりアクセスポイント装置3a、3bと接続する。
上記のように構成された通信システムにおいて、無線端末20はルータ装置10aを介して外部端末40と通信を行う。その後、ルータ装置10aとアクセスポイント装置3a間の通信状況が悪化して通信リンクが切断されそうであることをルータ装置10aが検出する。ルータ装置10aは、無線ローカルネットワーク2上の他のルータ装置10bに無線端末20に関する通信の引き継ぎを要請する。ルータ装置10bはこれを受けて、アクセスポイント装置3bとの通信リンクを確立して無線端末20に関する通信の中継を引き継ぐ。
なお、アクセスポイント装置3a、3bは、ルータ装置10a、10bが外部ネットワーク1と通信を行うためにアクセス可能な通信装置であればよく、特に無線LANシステムにおけるアクセスポイントに限定したものではない。すなわち、セルラシステムにおける基地局装置であってもよい。
次に、各装置の構成およびその動作について、図面を用いて説明する。
図1は本発明にかかるルータ装置10の構成図である。
図1において、下位レイヤ処理部11は物理層処理と、データリンク層処理とを行うものであり、アクセスポイント装置3への無線アクセス回線に接続するものである。下位レイヤ処理部12は、無線端末20と無線通信する無線ローカルネットワーク2に接続するものである。
また、接続管理部13は、下位レイヤ処理部11、12の接続状況等を管理するものである。また、接続管理部は、イベント管理テーブル100を作成し、イベントの発生に合わせて、指定された処理部や転送先へメッセージを送出する。
図17と図18は、イベント管理テーブル100の構成を示す図であり、イベントタイプ101は発生するイベントの種類を示し、配送先102はメッセージの送信先を示し、ローカル配送先103は自己の装置内の配送先である処理部を示し、イベント送信元104はイベントを通知してきた送信元を示している。なお、配送先が、“00:00:00:00:00:00“は自己の装置内を示しており、イベント送信元104は必ずしも必要ではない。
また、ルータ切替部14は、ルータ情報管理テーブル90を作成し、無線ローカルネットワーク2上のルータ装置を管理する。そして、そのルータ情報管理テーブル90を基に中継の切替先であるルータ装置を決定し、ルータ切り替えのための指示を生成する。また、ルータ切替部14は、ルータ切り替えの指示を他のルータ装置から受けると、外部ネットワークとの接続を下位レイヤ処理部11、12に指示する。図15はルータ情報管理テーブル90の構成を示す図である。図15において、ルータアドレス91は無線ローカルネットワーク2上のルータ装置のアドレスであり、QoSレベル92は該当するルータ装置が有する通信品質を示すレベル(図14に示す)であり、帯域93は該当するルータ装置が提供できる通信帯域を示している。
さらに、バッファ15は、ルータ切り替え時に発生する他ルータ装置への転送パケットを一時的に保存しておくためのものであり、L3処理部16はネットワーク層処理を行うものであり、上位レイヤ処理部17はトランスポート層以上の処理を行うものである。
なお、下位レイヤ処理部11には、セルラ、PHS、IEEE802.16やIEEE802.20等の広域無線通信方式や、ブルートゥース(登録商標)、UWB、IEEE802.11等の狭域無線通信方式といった無線通信規格に基づくものの他、イーサネット(登録商標)等の有線通信規格に基づくものを適用することができる。
また、下位レイヤ処理部12には、ブルートゥース(登録商標)やUWB、IEEE802.11等の狭域無線通信方式といった無線通信規格に基づくものの他、イーサネット(登録商標)等の有線通信規格に基づくものを適用することができる。
図19は、下位レイヤ処理部12としてブルートゥース(登録商標)(特にPANプロファイル)を適用した場合のルータ装置10の構成を示す図である。図19において、接続管理部13は、ブルートゥーススタックのHCI(Host−Controller Interface)54と接続し、ブルートゥースSIG規格に基づいてリンクの接続や切断制御を行うとともに、リンク確立(リンク・アップ)やリンク切断(リンク・ダウン)などのリンク状態通知(リンク・イベント)を取得する。また、SDP(Service Discovery Protocol)51とも接続して、付近のブルートゥース(登録商標)搭載端末の存在を検出したり、検出した端末の属性やケーパビリティ等の情報を取得する。
これにより、リンク接続の可能性を判定することができる。例えば、接続管理部13は、接続可能な属性を有する端末との接続が可能であることを検出した場合に、後述する“リンク検出イベント”を生成して、ルータ切替部14やL3処理部16などに発行する。さらに、接続管理部13は、L2CAP(Logical Link Control and Adaptation Protocol)53とも接続し、本実施の形態にて使用する各種メッセージの送受信を行う。また、L3処理部16は、BNEP(Bluetooth(登録商標)Network Encapsulation Protocol)52と接続し、IPパケットの送受信を行う。
なお、接続管理部13は、本発明にかかる接続管理部と接続検出部に相当し、ルータ切替部14は本発明にかかる経路管理部と経路切替指示部と接続通知部に相当する。また、下位レイヤ処理部12とL3処理部16とは本発明にかかる各種メッセージの受信部、指示受信部に相当し、特に、下位レイヤ処理部12は、本発明にかかる内部リンク処理部にも相当する。また、下位レイヤ処理部11は本発明にかかる外部リンク処理部にも相当する。
上記のように構成されたルータ装置10の基本的な動作について、以下に説明する。
本実施の形態のルータ装置10のパケット交換動作は、以下の通りである。
無線ローカルネットワーク2から受信したフレームは、下位レイヤ処理部12が物理層プロトコル処理、データリンク層プロトコル処理を行った後に、L3処理部16がルーティング処理を含むIPプロトコル処理を行い、いずれかの下位レイヤ処理部11もしくは12に転送する。外部ネットワーク1からアクセスポイント装置3aを介して受信したパケットについても、下位レイヤ処理部11による物理層プロトコル処理、データリンク層プロトコル処理がされた後、L3処理部16におけるルーティング処理により、いずれかの下位レイヤ処理部11または12に転送される。
また、L3処理部16は、定期的あるいは無線ローカルネットワーク2に接続した無線端末20からの要請に応じて、無線ローカルネットワーク2に対してネットワーク情報及びルータ装置10自身の情報を、IETF RFC2461(Neighbor Discovery for IPv6)によって規定されるルータ広告メッセージ(Router Advertisement Messege)に記載して送出する。
次に、ルータ装置10の行う外部リンクとの接続性通知の動作について以下に説明する。
まず、すべての無線ローカルネットワーク2上のルータ装置10の接続管理部13は、下位レイヤ処理部11がアクセスポイント装置10と外部リンクを確立可能である、あるいは確立されたことを検出すると、接続可能性通知メッセージを無線ローカルネットワーク2に下位レイヤ処理部12を介して送出する。
図12は、接続可能性通知メッセージ1300のフォーマットを示す図であり、アドレスフィールド1301、メッセージタイプフィールド1302、メッセージIDフィールド1303、ステータスフィールド1304、提供QoSレベルフィールド1305、および提供帯域フィールド1306を少なくとも有する。
図12において、アドレスフィールド1301は送信元アドレスと宛先アドレスとを示し、メッセージタイプ1302はメッセージの種類を特定するものであり、メッセージID1303はメッセージを特定する識別子であり、ステータスフィールド1304は接続状態を示すものである。接続状態としては、接続不可を示す値‘0’と接続可能であることを示す値‘1’とが設定される。提供QoSレベル1305は図14に示したQoSの性能を示すレベルであり、提供帯域1306は外部リンクとの通信帯域を示すものである。
なお、異なるメッセージタイプを指定することにより、外部リンクを確立可能であることを通知するメッセージと、既に確立されたことを示すメッセージとを区別してもよい。これによれば、接続可能性通知メッセージ1300を受信したノードは、外部リンク確立に要する時間の有無をメッセージタイプの確認だけで即座に判別することができる。
具体的には、接続管理部13は、アドレスフィールド1301の送信元アドレスに自己の下位レイヤ処理部12に割り当てられたL2アドレス、宛先アドレスにすべてのルータ装置に到達可能なマルチキャストアドレス、あるいはブロードキャストアドレスを記載する。なお、宛先とするルータ装置10を特定できる場合は、そのルータ装置10のL2アドレスを記載してもよい。
さらに、接続管理部13は、メッセージタイプフィールド1302に接続可能性通知メッセージであることを特定するための識別子、メッセージIDフィールド1303にメッセージを特定するための識別子を記載する。ステータスフィールド1304には、接続可能であることを示す値‘1’を記載する。提供QoSレベルフィールド1305には、対象の下位レイヤ処理部11が接続する外部リンクが提供するQoS性能82にあったQoSレベル81の値を記載する。同様に、提供帯域フィールド1306には、外部リンクの通信帯域値を記載する。
次に、無線ローカルネットワーク2上のルータ装置10において、接続管理部13は、自己以外のルータ装置10から送出された接続可能性通知メッセージ1300を下位レイヤ処理部12を介して受信すると、各フィールドに記載された内容をルータ切替部14に通知する。ルータ切替部14は、通知された内容に基づいて、ルータ情報管理テーブル90を作成する。すなわち、ルータ切替部14は、アドレスフィールド1301の送信元アドレスをルータアドレス91、提供QoSレベルフィールド1305の値をQoSレベル92、提供帯域フィールド1306の値を帯域93に記載する。
また、ルータ装置10は、下位レイヤ処理部11の外部リンクの接続状態を常時監視し、外部リンクとの接続が不可能となったことを検出すると、その時点でステータスフィールド1304に接続不能であることを示す値‘0’を記載した接続可能性通知メッセージ1300を無線ローカルネットワーク2に送出する。そして、これを受信した他のルータ装置10の接続管理部13は、ルータ切替部14に接続不能であるという通知を転送する。ルータ切替部14は、接続不能であるという通知を受けて、ルータ情報管理テーブル90の該当するエントリを削除する。これにより、ルータ装置10は、常に他のルータ装置の外部リンクとの接続状態を管理することができる。特に、デフォルトルータとして動作しているルータ装置10は、自己の外部リンク接続が切断する可能性を検出したときに、外部リンクを確立可能なルータ装置、あるいは既に外部リンクを確立しているルータ装置10を切替先ルータ装置に指定することができる。
なお、上記の説明では、接続可能性通知メッセージ1300はステータスフィールド1304を有していたが、これに限らず、ステータスフィールド1304を設けずに、接続可能性ありの通知と接続不能を通知するための個別のメッセージを設けることも可能である。
また、接続可能性通知メッセージ1300に下位レイヤ処理部11の識別子を記載するフィールドを追加し、さらにルータ情報管理テーブル90にも同様の識別子を記載する欄を追加することで、接続可能性が検出された(あるいは接続可能性が失われた)下位レイヤ処理部11の識別子を無線ローカルネットワーク2上のルータ装置10に通知してもよい。
これにより、ルータ装置10が外部ネットワーク1と接続するための複数の下位レイヤ処理部11を有している場合(例えば、携帯電話網インタフェースと無線LANインタフェース等)に、切替元ルータ装置はそれぞれの下位レイヤ処理部11の接続状況を管理できるので、切替先ルータ装置に対してQoS要件に合致した下位レイヤ処理部11を指定することが可能になる。
また、接続可能性通知メッセージ1300に、特に提供QoSレベルや提供帯域に関する情報を転送するフィールドを設けずに、接続可能であるか否かの情報だけで切替先を決定することにより、メッセージ転送効率およびルータ装置10内の処理効率を向上することができる。
次に、ルータ装置10におけるルータ切替処理の動作について、図面を用いて説明する。
図6は、本実施の形態における切替元ルータ装置のルータ切替処理の動作を示す処理フロー図である。なお、一連のルータ切替処理を開始するルータ装置10を特にルータ装置A(10a)(あるいは切替元ルータ装置10a)とよび、ルータ装置A(10a)によって切替先に指定されたルータ装置10を特にルータ装置B(10b)(あるいは切替先ルータ装置10b)とよぶ。
初めに、ルータ装置A(10a)におけるルータ切替処理の動作について説明する。
まず、接続管理部13が、下位レイヤ処理部11とアクセスポイント装置3aとの間の通信リンク(以下、「外部リンク」とよぶ。)の接続状況の悪化を検出したり、パケット転送先への接続性が失われたことを検出したり、また、装置のシャットダウンなどを目的として、ユーザや上位レイヤ処理部17などから明示的に通信リンクの切断要求を受けると、ルータ切替部14に外部リンクとの切断可能性ありを通知する(ステップS601)。
ここで、外部リンクの接続状況は、接続管理部13が定期的にあるいは必要に応じたタイミングで下位レイヤ処理部11から取得したり、接続管理部13が事前に下位レイヤ処理部11に登録を行うことにより接続状況が変化したタイミングで下位レイヤ処理部11から非同期に通知を受けたりすることができる。この外部リンクの接続状況は、標準的には所望の受信電界強度やビットエラーレート等を測定し、その変化により判断する。
例えば、接続管理部13は、受信電界強度の低下を観測することによって接続状況の悪化を判断し、さらに所定の通信品質を確保するのに必要な電解強度値を下回ったときに、これ以上の通信が不可能であるとして切断可能性ありを検出する。
また、接続管理部13は、パケット転送先への接続性の検出のために、L3処理部16や上位レイヤ処理部17による到達確認の結果(例えばL3処理部16によるピング(ping)応答の有無)を定期的に、あるいは必要に応じたタイミングで取得したり、L3処理部16や上位レイヤ処理部17から非同期に通知を受けて判定する。
なお、切替元ルータ装置A(10a)は、他のルータ装置10やユーザや上位層処理部からの切替要請を受けたことを条件に外部リンクとの切断可能性の検出を実施するものであってもよい。これは、切替元ルータ装置A(10a)の外部リンクは悪化していないが、さらに通信条件のよいルータ装置10を中継路としたい場合に有用である。なお、他のルータ装置10による切替要請は、切替要請を示すメーセージタイプ情報と送信元アドレスを有する切替要請メッセージを用いて行うことができる。
次に、ルータ切替部14は、ルータ情報管理テーブル90にて管理されるルータ情報の中から、現在の下位レイヤ処理部11からの切り替えによって、現在中継を行っている通信フロー(以下、中継フローとよぶ)の品質を極力損なわないような外部リンクを有するルータ装置10を切替先として選択する。そして、ルータ切替部14は、接続管理部13にL2アドレス、要求QoS、および要求帯域値を通知し、接続管理部13が接続指示メッセージ1000を以下のようにして生成する。
図9は、接続指示メッセージ1000のフォーマットを示す図であり、メッセージの送信元および宛先を示すアドレスフィールド1001、メッセージタイプフィールド1002、メッセージIDフィールド1003、要求QoSレベルフィールド1004、要求帯域フィールド1005、接続要求時間フィールド1006、および端末アドレスフィールド1007を有する。
図9において、メッセージタイプ1002はメッセージの種類を特定するものであり、メッセージID1003はメッセージを特定する識別子であり、要求QoSレベル1004は図14に示したQoSの性能を示すレベルであり、要求帯域1005は要求する通信帯域を示すものであり、接続要求時間1006は自己が接続する外部リンクが切断されるまでの予想時間を示すものであり、端末アドレス1007は中継中あるいは近隣キャッシュやARPキャッシュに登録されている端末のアドレスを示すものである。ここで、要求QoSレベルフィールド1004と要求帯域フィールド1005に記載する内容を、特にQoS要求パラメータとよぶ。
接続管理部13は、アドレスフィールド1001の送信元(From:)に自己(ルータ装置A(10a))の下位レイヤ処理部12に割り当てられたL2アドレス、宛先(To:)に切替先とするルータ装置B(10b)の下位レイヤ処理部12に割り当てられたL2アドレスを記載する。ここで、接続指示メッセージ1000に、さらにルータ装置A(10a)を示す識別子を設けてもよい。これにより、複数の下位レイヤ処理部12によって無線ローカルネットワーク2に接続され、通信相手の外部端末40に対して複数の経路をとり得る場合でも、送信元L2アドレスによらずルータ装置A(10a)を一意に識別することが可能となる。
続いて、接続管理部13は、接続指示メッセージ1000を特定するための識別子をメッセージタイプフィールド1002に、メッセージ自身を特定するための識別子をメッセージIDフィールド1003に記載する。さらに、要求QoSレベルフィールド1004には、QoSレベル一覧表80に基づいて、要求するQoS性能82のレベル値81を記載し、要求帯域フィールド1005には同様に要求する帯域値(例えば10Mbpsなど)を記載する。ここで、要求QoSレベルフィールド1004と要求帯域フィールド1005には、下位レイヤ処理部11のQoS性能に相当するQoS性能値、通信帯域値をそれぞれ記載する。各値は、サービスにおける公称値に基づくものであっても、下位レイヤ処理部11の実態に基づくものであってもよい。
あるいは、さらに詳細なQoS性能を抽出するために、ルータ切替部14は、中継フローが存在するか否かをL3処理部16あるいは下位レイヤ処理部11、12等から取得し、さらに中継フローが要求するQoS性能が明らかな場合は、そのQoS性能から要求QoS性能を抽出してもよい。
例えば、L3処理部16において中継パケットの受信時間間隔とパケットサイズを監視することにより、パケット中継レートを算出でき、所望の通信帯域値を抽出できるとともに、中継パケットの受信時間間隔の推移からリアルタイム中継の必要性を判別することができる。
さらに、L3処理部16は、中継パケットの中継先が無線ローカルネットワーク2であるか否かを特定し、中継フロー特性を上りと下りで個別に監視することにより、要求すべきQoS性能値を的確に抽出することができる。
また、中継フローの監視は、無線端末20ごと、さらにはTCP/UDP等で使用するポートやアプリケーション単位で実施することにより適したQoS性能を抽出できる。
続いて、接続管理部13は、接続要求時間フィールド1006に、自己の下位レイヤ処理部11の外部リンクが切断されるまでの予想時間(例えば3000ミリ秒など)を記載する。なお、切替先ルータ装置10に接続処理に要する時間を要求する必要がない場合は、接続指示メッセージ1000に接続要求時間フィールド1006を特に設けなくてもよい。あるいは、接続要求時間に関する一切の処理を不要とする所定の値を記載しておくことにより、受信側での処理を省略させてもよく、処理負荷の低減を図ることができる。
また、接続管理部13は、端末アドレスフィールド1007に、自己(ルータ装置A(10a))が中継している、もしくは最近まで中継していたフローを終端する無線端末20のL2アドレスを記載する。あるいは、ルータ切替部14がL3処理部16の保有するIETFRFC2461にて規定される近隣キャッシュ(Neighbor Cache)やARPキャッシュを参照して、最近の通信実績のある無線端末20を特定する。そして、ルータ切替部14はそのL2アドレスを接続管理部13に通知し、接続管理部13が端末アドレスフィールド1007に記載する。なお、近隣キャッシュには無線端末20だけでなく、ルータ装置10の情報も含まれる。しかし、近隣キャッシュから無線端末20の情報だけを抽出するには、ローカルネットワーク2を流れるルータ広告メッセージからルータ装置10のIPアドレスを取得して、近隣キャッシュから情報を抽出する際にルータ装置10のIPアドレスを除外(フィルタリング)することにより可能である。
ここで、端末アドレスフィールド1007に記載すべきものが複数ある場合、接続管理部13は端末アドレスフィールド1007を複数設ける。なお、無線ローカルネットワーク2がイーサネット(登録商標)等で構成され、切替先ルータ装置B(10b)と無線端末20間で、ルータ切替に際して明示的な通信リンクの確立が不要であることが明らかな場合は、接続指示メッセージ1000に端末アドレスフィールド1007を設けなくてもよい。さらには、ルータ装置A(10a)とルータ装置B(10b)のルータ切替部14間で無線端末20のアドレスを通知するためのメッセージ交換を別途実施する場合、接続指示メッセージ1000に端末アドレスフィールド1007を設けなくてもよい。また、ルータ装置A(10a)のルータ切替部14が後述する接続要求メッセージ1400を接続管理部13に発行させて、無線端末20との接続をルータ装置B(10b)の接続管理部13に別途指示するような場合も、接続指示メッセージ1000に端末アドレスフィールド1007を設けなくてもよい。
以上のようにして生成された接続指示メッセージ1000は、下位レイヤ処理部12を介してローカルネットワークの指定のルータ装置へ送信される(ステップS602)。なお、接続指示メッセージ1000は、接続管理部13が生成するのではなく、ルータ切替部14が生成して送信するものであってもよい。また、ルータ装置10が中継するフローのQoSを維持するための要求を行わない場合、接続指示メッセージ1000は、要求QoSレベルフィールド1004や要求帯域フィールド1005を含まなくてもよい。
なお、ルータ切替部14が切替先ルータ装置B(10b)を特定できない場合、接続管理部13は、アドレスフィールド1001の宛先にすべてのルータ装置に到達可能なマルチキャストアドレスあるいはブロードキャストアドレスを記載して、無線ローカルネットワーク2に接続指示メッセージ1000を送信する。
次に、接続指示メッセージ1000を送出した後、接続管理部13は、下位レイヤ処理部12を介して接続指示応答メッセージ1100を受信すると、ルータ切替部14に通知する(ステップS603)。
図10は、接続指示応答メッセージ1100のフォーマットを示す図であり、アドレスフィールド1101、タイプフィールド1102、メッセージIDフィールド1103、ステータスフィールド1107、提供QoSレベルフィールド1104、提供帯域フィールド1105、および接続所要時間フィールド1106を少なくとも含む。なお、ステータス1107は外部リンクとの接続適合性を示すものであり、要求された条件に適合する場合は‘0’が記載され、外部リンクと接続できない場合は‘1’が記載され、要求条件に不適合である場合は‘2’が記載される。また、提供QoSレベル1104は外部リンクとの通信で提供可能な通信品質を図14に記載のレベル値で示すものである。
このとき、接続管理部13は、先に送出した接続指示メッセージ1000の応答であることを、接続指示メッセージ1000のメッセージIDフィールド1003と接続指示応答メッセージ1100のメッセージIDフィールド1103が同一であることから確認する。そのうえで接続管理部13は、ルータ切替部14に各フィールドに記載された情報(値)を転送する。ルータ切替部14は、これを受けて、ステータスフィールド1107に記載された値から、ルータ装置B(10b)を切替先とするのに適しているか否かの判定を行う(ステップS604)。
例えば、ステータス1107の値が「外部リンクを確立することができ、要求QoS性能も満足する」ことを示す‘0’であった場合は、ルータ切替部14はルータ装置B(10b)を切替先に決定する。一方、ステータス1107の値が「外部リンクを確立することができない」ことを示す‘1’や、「外部リンクを確立できるが、要求QoS性能を満足しない」ことを示す‘2’、またはその他の理由により切替先となりえない旨の応答であった場合は、ルータ切替部14はルータ装置B(10b)を切替先にせず、他のルータ装置10を対象に、再度ステップS602から処理を行う。
さらに、ルータ切替部14は、提供QoSレベルフィールド1104および提供帯域フィールド1105に記載された値から、ルータ装置B(10b)が提供可能なQoSレベルと帯域を確認する。さらに、ルータ切替部14は、接続所要時間フィールド1106の値が、自身の下位レイヤ処理部11の外部リンクが切断されるまでの予想時間を上回る場合、ルータ装置B(10b)を切替先にせず、他のルータ装置10を対象にステップS602から処理を再開する。あるいは、ルータ切替部14は、接続所要時間フィールド1106の値が、自身の下位レイヤ処理部11の外部リンクが切断されるまでの予想時間を上回る場合であっても、自己(ルータ装置A(10a))が中継パケットのバッファリング機構を有している場合は、外部リンク切断後の中継パケットをバッファリングするものとして、接続所要フィールド1106に記載された値の評価を省略する。あるいは、バッファリングに必要なバッファサイズを有しているかを算出したりして、ルータ装置A(10a)がルータ装置B(10b)を切替対象とする処理を継続してもよい。
また、ルータ切替部14は、既に外部リンクが切断され、ルータ切替部14からの制御により、L3処理部16が無線端末20を送信元とする中継パケットをバッファ15に一時的に蓄積している場合、今後必要となる蓄積容量を中継パケットの受信頻度とサイズから概算して、効率的なリソース管理を行う。
なお、切替先ルータ装置B(10b)から切替元ルータ装置A(10a)に対して、接続処理に要する時間を提示してもらう必要がない場合は、接続所要時間フィールド1106を設けなくてもよい。あるいは、接続所要時間に関する一切の処理を不要とする所定の値を接続指示メッセージに記載しておくことにより、受信側での処理を省略させてもよい。これにより、処理負荷の低減を図ることができる。
また、接続管理部13は、ルータ装置A(10a)が、接続指示応答メッセージ1100を受信するまでの許容待ち時間を設定して、受信待ち状態を管理してもよい。特に、許容待ち時間として下位レイヤ処理部12のコネクション維持時間を採用し、下位レイヤ処理部12のコネクションが切断されるか休眠状態に入るまでメッセージの受信を待つようにしてもよい。
あるいは、接続管理部13は、下位レイヤ処理部12におけるルータ装置B(10b)とのコネクション状態から、接続指示応答メッセージ1100の受信待ち状態を解除してもよい。例えば、接続管理部13は、ルータ装置B(10b)との交信が不可能であることをRFC2461で規定されるようなIPv6における近隣キャッシュや、RFC826で規定されるようなIPv4におけるARPにより検出し、他のルータ装置B(10b)に対する切替処理を開始してもよい。
ルータ装置A(10a)のルータ切替部14は、ルータ装置B(10b)が切替先として適切ではないと判定した場合、ルータ装置B(10b)が接続処理を行っている外部リンクを切断することを指示する切断要求メッセージをルータ装置B(10b)に向けて送出するように、接続管理部13に指示してもよい。このとき、ルータ装置A(10a)の接続管理部13は、ルータ切替部14からの指示を受けて切断要求メッセージを送出する。それを受信したルータ装置B(10b)の接続管理部13は、先に受信したルータ装置A(10a)からの接続指示メッセージ1000によって接続処理を行っている外部リンクとの切断処理を開始する。このようにルータ装置A(10a)が切替先ルータ装置の接続可否を判断することによって、結果的に使用されなくなるルータ装置B(10b)の外部リンクを早い時点で切断できるので、ルータ装置B(10b)は通信費用や消費電力の浪費を抑えることができる。
次に、接続管理部13が下位レイヤ処理部12を介して接続完了通知メッセージ1200を受信すると、ルータ切替部14に通知する(ステップS605)。図11は、接続完了通知メッセージ1200のフォーマットを示す図であり、アドレスフィールド1201、メッセージタイプフィールド1202、メッセージIDフィールド1203、ステータスフィールド1207、提供QoSレベルフィールド1204、および提供帯域フィールド1205を少なくとも有する。各フィールドの内容は、先に説明した接続指示応答メッセージ1100が有するものと基本的に同じである。ただし、ステータスフィールド1207は外部リンクの確立に成功したか否かを示すものである。
次に、ルータ切替部14は、通知された接続完了通知メッセージ1200のステータスフィールド1207を参照して、ルータ装置B(10b)が外部リンクの確立に成功したか否かを判別する(ステップS606)。外部リンクが確立できなかった場合、再度他のルータ装置10を対象にステップS602へ処理は戻される。
次に、ルータ切替部14は、切替先ルータ装置B(10b)が外部リンクとの確立を完了したことを判別すると、経路切替指示メッセージとして、RL=0のルータ広告メッセージを送出するようL3処理部16に指示する。L3処理部16はこれを受けて、下位レイヤ処理部12を介して無線ローカルネットワーク2にルータ広告メッセージを送出する(ステップS607)。
なお、接続管理部13は、接続指示応答メッセージ1100を受信することなく、接続完了通知メッセージ1200を受信した場合、上記の接続指示応答メッセージ1100を受信したときの処理を特に実施する必要はない。
また、ルータ切替部14は、ルータ装置B(10b)が切替先として適切であると判定したことを受けて(ステップS604)、無線端末20に特定の通信装置(ここではルータ装置B(10b))との接続処理を開始するように、接続管理部13が接続要求メッセージを送信するように指示してもよい。これにより、無線端末20とルータ装置B(10b)との下位レイヤにおけるコネクションを、ルータ装置A(10a)とルータ装置B(10b)間の切替処理が完了する前に実施しておくことが可能になるので、高速な切替処理を実現することができる。
図13は、接続要求メッセージ1400のフォーマットを示す図であり、アドレスフィールド1401、タイプフィールド1402、メッセージIDフィールド1403、およびルータ装置アドレスフィールド1404を少なくとも有する。
接続管理部13は、ルータ切替部14から無線端末20のアドレスとルータ装置B(10b)のアドレスを取得する。さらに、アドレスフィールド1401の送信元を自己(ルータ装置A(10a))のアドレス、宛先を無線端末20のアドレスに設定し、ルータ装置アドレスフィールド1404にルータ装置B(10b)のアドレスを記載して、下位レイヤ処理部12を介して送出する。
なお、ルータ切替部14が接続管理部13から接続完了通知メッセージ1200の受信通知を受ける前、あるいは接続完了通知メッセージ1200の受信通知を受けた直後に、ルータ装置B(10b)からの、経路切替指示メッセージに対する受信通知をL3処理部16から受けた場合、ルータ切替部14は経路切替指示メッセージの送出指示をL3処理部16に発行しない。
ここで、上記経路切替指示メッセージ(ルータ広告メッセージ)の送信元がルータ装置B(10b)であるか否かは、メッセージのレイヤ2アドレスがルータ装置B(10b)のものと同一であるか否かを比較することにより判断することができる。
次に、切替先ルータ装置B(10b)におけるルータ切替処理の動作について、図7の動作フローを用いて説明する。
図7において、まず、ルータ装置B(10b)の接続管理部13は、下位レイヤ処理部12を介して接続指示メッセージ1000を受信する(ステップS650)。
下位レイヤ処理部11は、アクセスポイント装置3bと外部リンクを確立することが可能か否かを、アクセスポイント装置3bからの電波強度や、無線LANであればSSID、あるいはWEPキー等の情報を取得しているかによって判定する(ステップS651)。
具体的には、下位レイヤ処理部11は、通信プロトコルの制御チャネルを利用して、アクセスポイント装置3bが提供するネットワークの情報をアクセスポイント装置3bから取得する。例えば、アクセスポイント装置3bへの通信が無線LANであれば、SSIDの同一性を判定するなどして接続性を確認することができる。あるいは、下位レイヤ処理部11は、実際にアクセスポイント装置3bと接続処理を行い、通信状態を確認してもよい。
接続管理部13は、下位レイヤ処理部11から接続不可能である通知を受けた場合、接続指示応答メッセージ1100のステータスフィールド1107に記載する値を‘1’に決定する(ステップS652)。
なお、本処理は、接続管理部13が接続指示メッセージ1000の受信を受けて、メッセージ内容をルータ切替部14に通知し、ルータ切替部14が接続管理部13に下位レイヤ処理部11の外部リンクへの接続性を判定するように指示してもよい。その場合、接続指示応答メッセージ1100に記載する値は、ルータ切替部14が接続管理部13に通知し、接続管理部13が接続応答メッセージ1100に記載する。
ステップS651において、外部リンクと接続可能あるいは既に接続済みである場合、接続管理部13は、さらに接続指示メッセージ1000の要求QoSレベルフィールド1004と要求帯域フィールド1005にて通知された要件を満足できるものであるかを判定する(ステップS653)。そして、下位レイヤ処理部11が提供するQoSレベルと通信帯域が、通知された要求値以下あるいは劣るものである場合、接続管理部13は、接続指示応答メッセージ1100のステータスフィールド1107に記載する値を‘2’に決定する(ステップS654)。
また、外部リンクを確立可能でQoS要件も満たすことが判定されると、接続管理部13は、接続指示応答メッセージ1100のステータスフィールド1107に記載する値を‘0’に決定する(ステップS655)。なお、本処理は、接続管理部13が接続指示メッセージ1000の受信を受けて、メッセージ内容をルータ切替部14に通知し、ルータ切替部14が接続管理部13に要求QoSおよび要求帯域に関する処理を実施するように指示してもよい。その場合、接続指示応答メッセージ1100に記載する値は、ルータ切替部14が接続管理部13に通知し、接続管理部13が接続応答メッセージ1100に記載する。
次に、接続管理部13は、アクセスポイント装置3bと未接続である場合に、接続(外部リンク確立)処理を下位レイヤ処理部11に指示するとともに、接続指示メッセージ1000の端末アドレスフィールド1007に記載されたアドレスの無線端末20とのリンク接続処理を下位レイヤ処理部12に指示する(ステップS656)。
なお、本処理は、接続管理部13が接続指示メッセージ1000の受信を受けて、メッセージ内容をルータ切替部14に通知する。そして、ルータ切替部14が接続管理部13に対して、下位レイヤ処理部11のリンク接続処理開始と無線端末20とのリンク接続処理開始を指示するものであってもよい。また、ルータ装置A(10a)とルータ装置B(10b)のルータ切替部14間で、接続指示メッセージ1000とは別に無線端末20のアドレスを通知するためのメッセージ交換を行ってもよい。その場合、ルータ装置B(10b)の接続管理部13は、下位レイヤ処理部11にリンク接続処理を指示したタイミングをルータ切替部14に通知し、それを受けてルータ切替部14が無線端末20と下位レイヤ処理部12との間のリンク接続処理を接続管理部13に指示する。
次に、接続管理部13は、接続指示応答メッセージ1100を生成して送出する(ステップS657)。すなわち、接続管理部13は、接続指示応答メッセージ1100のアドレスフィールド1101の送信元を自己(ルータ装置B(10b))のアドレス、宛先を接続指示メッセージ1000の送信元アドレス(ルータ装置A(10a))に設定し、メッセージIDフィールド1103に接続指示メッセージ1000のメッセージIDフィールド1003と同じ値を設定する。さらに、ステータスフィールド1107に先に決定した値を記載し、提供QoSレベルフィールド1104と提供帯域フィールド1105に、下位レイヤ処理部11が提供可能なレベルおよび帯域を記載する。また、接続所要時間フィールド1105には、下位レイヤ処理部11がアクセスポイント装置3bと外部リンクを確立するのに要する想定時間と、下位レイヤ処理部12が無線端末20とリンクを確立するのに要する想定時間のいずれか一方(最大値)を記載する。接続管理部13は、以上の設定を行った後、下位レイヤ処理部12を介して無線ローカルネットワーク2に送出する。
なお、ステップS656とS657の実施順序は、必ずしも上記の説明した順序である必要はなく、ステップS657(接続指示応答メッセージ1100の送出)を行った後にステップS656を実施してもよいし、両ステップを同時に実施するものであってもよい。
次に、接続管理部13は、下位レイヤ処理部11と下位レイヤ処理部12とがそれぞれの接続先とリンク接続処理を完了したことを受けて(ステップS658)、接続完了通知メッセージ1200を送出する(ステップS659)。このとき、接続完了通知メッセージ1200のアドレスフィールド1201の送信元を自己(ルータ装置B(10b))のアドレス、宛先を接続指示メッセージ1000の送信元アドレス(ルータ装置A(10a))に設定し、メッセージIDフィールド1203に接続指示メッセージ1000のメッセージIDフィールド1003と同じ値を設定する。さらに、ステータスフィールド1207に、両方の接続処理が正常に完了した場合には正常終了を示す‘0’を、正常に終了できなかった場合にはそれ以外のエラー値を記載する。また、提供QoSレベルフィールド1204と提供帯域フィールド1205には、下位レイヤ処理部11が提供可能なレベルおよび帯域を記載する。
また、L3処理部16は、接続管理部13からの通知を受けて、ルータ広告メッセージを無線ローカルネットワークへ送出する。このルータ広告メッセージは、本発明にかかる自己のネットワーク情報を通知する自己情報通知メッセージに相当する。これにより、無線端末20は、ルータ装置B(10b)が中継可能なルータ装置であると認識し、ルータリストにルータ装置B(10b)を追加する。
このように、本発明の目的を達成するには、接続管理部13が双方の処理が完了したことを受けて接続完了通知メッセージ1200を送出することが必要である。
また、無線端末20との接続を行う必要がない場合は、下位レイヤ処理部11におけるリンク接続が完了した時点でステップS659に進む。
なお、接続管理部13は、接続完了通知メッセージ1200の送信完了をルータ切替部14に通知し、それを受けてルータ切替部14が、切替指示メッセージとしてRL=0、送信元をルータ装置A(10a)としたルータ広告メッセージを送出するようL3処理部16に指示してもよい。あるいは、接続管理部13が、下位レイヤ処理部11および下位レイヤ処理部12がそれぞれの接続先とリンク接続処理を完了したことを受けて(ステップS658)、接続完了通知メッセージ1200をすることなくルータ切替部14に通知し、ルータ切替部14が切替指示メッセージとしてRL=0、送信元をルータ装置A(10a)としたルータ広告メッセージを送出するようL3処理部16に指示してもよい。
また、ルータ切替部14が無線端末20のアドレスを接続指示メッセージ1000ではなく、他の専用のメッセージで通知された場合、ルータ切替部14が、別途無線端末20とのリンク接続処理を接続管理部13を介して下位レイヤ処理部12に指示する。この場合、接続管理部13は、無線端末20との接続が完了したことを受けて、別途接続完了通知メッセージ1200をルータ装置A(10a)に送信する。そして、ルータ装置A(10a)は、ルータ装置B(10b)における外部リンク接続完了に対する接続完了通知メッセージ1200と、内部リンク上の無線端末20との接続完了に対する接続完了通知メッセージ1200の両方を受信した後にステップS606へ移行する。
そのため、接続完了通知メッセージ1200に、外部リンクとの接続完了であるか、あるいは端末との接続完了であるかを識別するための識別情報を記載するフィールドを追加する必要がある。この識別情報としては、例えば、接続先のアドレスや、リンク接続を行った下位レイヤ処理部の識別子などである。
また、下位レイヤ処理部12が無線端末20とのリンク接続を完了したタイミングを接続管理部13を介してL3処理部16に通知してもよい。あるいは、そのタイミングを接続管理部13からルータ切替部14へ、そしてルータ切替部14からL3処理部16へ通知して、L3処理部16がルータ広告メッセージ(Router Advertisement Messege)を無線ローカルネットワーク2に送出してもよい。これにより、L3処理部16によるルータ広告メッセージの送信開始タイミングを的確に指示することができ、無線端末20に新たなルータ装置10(ここではルータ装置B(10b))との接続を迅速に検出させることができるので、無線端末20はルータ切替処理を高速に実施することが可能になる。
また、ルータ装置B(10b)の接続管理部13が、接続指示応答メッセージ1100あるいは接続完了通知メッセージ1200を送出する前に、下位レイヤ処理部11の外部リンクが切断されたことを検知した場合、ルータ装置B(10b)の接続管理部13は、リンク切断通知メッセージをルータ装置A(10a)に送信する。この切断通知メッセージは、接続可能性通知メッセージ1300のステータス1304に外部リンクと接続できない状態を示す‘1’を設定したものである。
ルータ装置A(10a)の接続管理部13は、リンク切断通知メッセージをルータ装置B(10b)から受信したことを受けて、接続指示応答メッセージ1100あるいは接続完了通知メッセージ1200の受信待ち状態を終了させる。さらに、接続管理部13は、ルータ装置B(10b)からのリンク切断通知メッセージの受信をルータ切替部14に通知し、ルータ切替部14がルータ情報管理テーブル90からルータ装置B(10b)に該当するエントリを削除する。
また、切替元ルータ装置A(10a)はステップS604において、切替先ルータ装置B(10b)から受信した通信品質(QoS)等が不適切であると判定した場合、切替先ルータ装置B(10b)へ接続指示の取消要求をすることができる。この場合、切替先ルータ装置B(10b)は既に外部リンクとの接続処理を開始しているのであれば、接続処理を中止する。また、端末に対しても同様に、接続処理を中止する。
さらに、本実施の形態では、切替先ルータ装置B(10b)が、ステップS651乃至S654においてステータスを決定した後に、外部リンクへの接続を行っているが、これに限らず、外部リンクへの接続の可能性がないと判断したとき、あるいはQoS要件を満たさないと判断したときは、外部リンクへの接続処理や端末との接続処理を開始しないようにすることも可能である。この場合、切替先ルータ装置B(10b)は、接続指示応答メッセージを送信した後に、すべての処理を終了することになる。
なお、本実施の形態において、ルータ装置10の接続管理部13がすべてのメッセージを、下位レイヤ処理部12を介して取得するとしたが、L3処理部16を介して取得するものであってもよい。これにより、無線ローカルネットワーク2が複数の通信メディアによって構築されている場合に、異なるメディアに属するルータ装置10との間の切替が可能となる。
また、送信元ルータ装置10(あるいは接続管理部)を特定するためのアドレス情報とは異なる識別子をルータ装置間で規定し、その識別子を記載するフィールドを本発明に係る接続指示メッセージ、接続指示応答メッセージ、接続完了メッセージ、接続可能性通知メッセージ、接続要求メッセージ、および通知登録メッセージに設ける。これにより、特にローカルネットワークに接続する複数の下位レイヤ処理部12を有するルータ装置からこれらのメッセージを受信したルータ装置および無線端末は、メッセージの送信元を容易に特定することができるので、メッセージの送受信状態をはじめルータ切替処理を統合的に実施することが可能になり、処理効率の向上を図ることができる。
以上のように、本発明によるルータ装置は、切替先ルータ装置との間で外部リンク状況の悪化やリンク確立等のイベントに基づくリアルタイムなメッセージ交換を行うことにより、高速なルータ切替を実現し、パケットロスを低減することが可能となる。
次に、ルータ装置10が上記の接続性通知を他のルータ装置へ要求する動作について以下に説明する。
まず、接続性通知の要求元ルータ装置(ルータ装置A(10a))は、他のルータ装置(ルータ装置B(10b))が外部リンクを確立できるか否かをリアルタイムに知るため、通知登録メッセージをルータ装置B(10b)に送信する。この通知登録メッセージ1500は、イベントが発生したら、リアルタイムに取得したいメッセージを登録するものであり、送信を望むルータ装置に対してのみ登録すればよい。なお、このときの通知登録メッセージは、外部リンク確立の可能性が明らかとなった時点で、接続可能性通知メッセージ1300の送信を要求するものである。
図16は、通知登録メッセージ1500のフォーマットを示す図である。図16において、アドレスフィールド1501はメッセージの送信元アドレス(From)と宛先アドレス(To)を示し、タイプフィールド1502は通知登録メッセージを識別する値を示し、イベントタイプフィールド1504は送付対象である通知(イベント)メッセージの識別子を示す。すなわち、イベントタイプフィールド1504に各メッセージの識別子を設定することにより、接続可能性通知メッセージ1300以外の非同期に発生する下位レイヤ処理部11や外部リンクに関する状態変化(イベント)を通知するメッセージ(リンク切断通知メッセージや接続完了通知メッセージなど)の送出要求を登録することができる。
上記の通知登録メッセージ1500を他のルータ装置へ送出するときの動作を詳細に説明する。
すなわち、ルータ装置A(10a)のルータ切替部14は、接続可能性通知メッセージ1300をリアルタイムで送信するようにルータ装置B(10b)に対して要求することを接続管理部13に指示する。接続管理部13はこれを受けて、接続可能性通知メッセージ1300の識別子が記載された通知登録メッセージ1500をルータ装置B(10b)へ送信する。
このとき、接続管理部13は、図18に示すようなイベント管理テーブルに該当するエントリを生成する。すなわち、接続管理部13はイベントタイプ101を接続可能性通知メッセージ1300とし、配送先102を”00:00:00:00:00:00”、ローカル配送先103をルータ切替部14とするエントリを生成する。このとき、装置内で発生するイベント通知と外部装置で発生するイベント通知を区別するために、イベント送信元104を追加してもよい。図18では、ルータ装置B(10b)のアドレスを、仮に”11:22:33:44:55:66”とした。これにより、ルータ装置A(10a)の接続管理部13は、本来所望するルータ装置B(10b)におけるイベント通知のみをルータ切替部14に配信することができるので、処理負荷を低減することができる。
次に、ルータ装置B(10b)の接続管理部13は、この通知登録メッセージ1500を受信すると、図17に示すイベント管理テーブル100に通知された情報を登録する。
すなわち、ルータ装置B(10b)の接続管理部13は、登録対象である通知メッセージ(ここでは接続可能性通知メッセージ1300)の識別子をイベントタイプ101に、ルータ装置A(10a)のアドレス(ここでは仮に”22:33:44:55:66:77”とした)を配送先102に記載する。なお、図17には、リンク切断通知メッセージが発生した際にアドレス”33:44:55:66:77:88”に送付する旨の登録や、接続可能性通知メッセージ1300を装置内のルータ切替部14にも配送する旨の登録を参考として記載している。
このように、ルータ装置B(10b)の接続管理部13は下位レイヤ処理部12からリンクの状態や特性、またはイベント通知を受け取ると、イベント管理テーブル100に基づいて、その転送先が外部の装置であるか内部の処理部であるかを判定する。そして、転送先が外部の装置である場合、接続管理部13は受け取った情報をメッセージに含めて外部の装置宛に送出する。
また、ルータ装置B(10b)の接続管理部13は、下位レイヤ処理部11から接続可能性通知を受信したか、あるいは自己が管理する下位レイヤ処理部11の状態から接続可能性を検出したとき、イベント管理テーブル100を参照して、接続可能性通知メッセージ1300の取得を希望するルータ装置A(10a)を検索する。そして、ルータ装置B(10b)の接続管理部13は、下位レイヤ処理部11から取得した接続可能性通知、あるいは自己検出の情報に基づいて接続可能性通知メッセージ1300を生成し、ルータ装置A(10a)に送信する。
ここで、下位レイヤ処理部11から取得する接続可能性通知は、ルータ装置B(10b)に送信する接続可能性通知メッセージ1300と同等のものであってもよく、接続管理部13は特にメッセージを生成することなく、下位レイヤ処理部11から取得した接続可能性メッセージ1300をルータ装置A(10a)に転送することになる。これにより、通知メッセージ処理における効率向上が期待できる。
なお、図17に示すイベント管理テーブル100の例では、接続可能性通知メッセージ1300は、コピーされて装置内のルータ切替部14にも配送されるが、これは一例であり、本実施の形態におけるルータ切替処理とは関係ない。
また、図17には例示していないが、通知メッセージは装置内で複数の処理部に対してコピー配送され得る。この場合、装置の処理負荷と転送遅延とを低減するために、実際にコピーは行わずに、通知メッセージにより記憶されたメモリ領域を通知し、配送を受けた処理部が各々通知されたメモリ領域を参照する。
ここで、接続可能性通知メッセージ1300を受信したルータ装置A(10a)の接続管理部13は、図18に示すイベント管理テーブル100を参照し、ルータ切替部14に受信した接続可能性通知メッセージ1300そのものか、あるいはメッセージに含まれる情報を転送する。
そして、通知登録メッセージ1500を受信したルータ装置B(10b)の接続管理部13が、登録内容をイベント管理テーブル100に登録完了したときに、通知登録完了メッセージをルータ装置A(10a)に返信してもよい。これにより、ルータ装置A(10a)は、通知登録メッセージ1500のネットワーク上での紛失に対応することができるので、確実な登録を行うことが可能になる。
なお、ルータ装置A(10a)あるいはその接続管理部13を一意に識別可能な識別子を下位レイヤ処理部11、12のアドレスとは別にルータ装置間で規定し、通知登録メッセージ1500に含めることにより、通知登録メッセージ1500を受信したルータ装置は、メッセージの送信元や宛先のルータ装置を特定することができる。これは、複数の接続管理部13が一つのルータ装置10内に存在する場合や、複数の下位レイヤ処理部11、12を介して装置間が接続される場合に装置を特定するのに有効である。なお、その際、イベント管理テーブル100および/あるいはルータ情報管理テーブル90にも、ルータ装置10あるいは接続管理部13を一意に識別可能な識別子を記載するための装置識別子フィールドを設ける必要がある。
また、通知登録メッセージ1500にメッセージの交換に用いる下位レイヤ処理部11の種別(例えば、IEEE802.11やIEEE802.16、セルラ、イーサネット(登録商標)、および/あるいは通信インタフェース識別子のように通信メディアをさらに細かく識別するための情報)を含めることにより、通知登録メッセージ1500を受信したルータ装置10が、それらの情報を基にメッセージを送出するための下位レイヤ処理部12を特定してもよい。また、接続管理部13が通知登録メッセージ1500を受信した下位レイヤ処理部12を表すインタフェース識別子を、イベント管理テーブル100および/あるいはルータ情報管理テーブル90に記憶しておき、要求されたメッセージを送出する際に、記憶しておいたインタフェース識別子で特定される下位レイヤ処理部を介して送信するようにしてもよい。
また、装置自身の特性や動作性能、またはメッセージの必要性等から、通知メッセージを受信するタイミングや受信可能頻度を要求するフィールドを、通知登録メッセージ1500に追加してもよい。例えば、メッセージの欠落が発生する場合の信頼性を高めるために、所定の通知メッセージを一定時間間隔で送信し続けることを要求する目的で送信時間間隔と最大送信回数を指定する。あるいは、通知メッセージが短期間に連続して発生する場合の処理負荷を抑えるために、通知メッセージの送信時間間隔を指定する。また、通知メッセージが同時に発生した場合の送信順序を決定するために、優先順位を指定して重要な通知メッセージを優先的に取得できるようにすることができる。
なお、ルータ装置10が、無線ローカルネットワーク2に接続可能な下位レイヤ処理部12に相当するインタフェースを複数有する場合に、通知登録メッセージ1500や以降のメッセージの送受信に用いるインタフェースを決定する方法としては次の2つがある。
第一の方法は、コネクションが確立した、あるいは確立しているインタフェースを選択するというものである。これにより、ただちに登録およびメッセージの送受信が可能となる他、相手のルータ装置10の有するインタフェースをあらためて確認することなく登録処理を行うことができる。
第二の方法は、高い通信特性を有するインタフェースを選択するというものである。ここで通信特性とは、通信品質や通信帯域、通信のリアルタイム性、通信の信頼性などを指し、それらを単独あるいは組み合わせて判断する。これにより、メッセージの再送を抑え、低い伝送遅延でのメッセージ伝送が可能となる。その結果、高速で確実な登録処理とメッセージ交換を行うことができる。なお、上記以外の通信特性として、トラフィック特性や、通信コスト(料金等)や、通信エリアなどを考慮してもよい。
また、選択されたインタフェースがコネクションを確立していない、あるいは接続されていない場合、通知登録メッセージ1500の送付や通知メッセージの受信に先立って、コネクション確立処理または物理的な接続を行う必要がある。
また、メッセージ送信において、複数のインタフェースを選択してもよい。これにより、メッセージ伝送の信頼性を向上することができる。
上記のように、ルータ装置が下位レイヤ処理部12に相当するインタフェースを複数有し、一つのルータ装置10と複数のコネクションを確立し、さらにそれぞれに登録を行っている場合でも、メッセージを伝送するインタフェースを選択することができる。
例えば、ルータ装置は、すべてあるいは複数の選択されたインタフェースを介して送信することにより、メッセージ伝送の信頼性を向上することができる。また、一つのインタフェースを選択して送信することにより、メッセージ送信処理の負荷を低減することができる。なお、選択を行う際、ルータ装置は上記のような通信特性を用いることができる。
なお、複数のインタフェースを介して登録が可能である場合、ルータ装置はそれを管理する項目をルータ情報管理テーブル90に設けてもよい。
また、接続管理部13は、下位レイヤ処理部12によってコネクションが確立された際あるいは確立される前に、接続先の装置が接続管理部を有しており、各種メッセージ交換が可能であるかをケーパビリティ情報として取得してもよい。そのために、下位レイヤ処理部12は、自己の装置が接続管理部を有するか否かを示す情報を、コネクション接続時や接続前の制御メッセージを用いて他のルータ装置と交換する。そして、各装置の接続管理部が周辺装置の接続管理部搭載状況を管理する。
このように、ルータ装置は、接続先の装置が接続管理部13を搭載することをコネクション確立前あるいは確立時に知ることによって、上記で説明したようなイベント通知の登録を行うことができるので、各種通知メッセージをリアルタイムに取得することが可能になる。その結果、ルータ装置は、ルータ切替や一般的なハンドオーバにおける移動検出処理を効率的に行うことができる。
なお、本実施の形態では、接続管理部13は下位レイヤ処理部12を介してメッセージを送出するとしたが、L3処理部16や上位レイヤ処理部17を介して送出してもよい。L3処理部16の具体例としては、IPスタックであり、上位レイヤ処理部17の具体例としては、TCP/UDPスタック、SIPスタック、あるいはHTTPスタック等がある。
また、接続管理部13が上位レイヤ処理部17を介して送出する場合、接続管理部13は上位レイヤ処理部17と接続する。
また、接続管理部13はメッセージの送信に際して、送信先の接続管理部13を識別するために、例えばIPアドレスやMACアドレス、ホスト名等のホスト識別子、あるいはインタフェース識別子などをメッセージに含めてもよい。これら各種アドレスや識別子は、それらを管理管轄する処理部、アプリケーション、あるいはユーザ設定により取得することができる。
また、本実施の形態で説明した接続管理部が実施する処理をルータ切替部14が適宜実施するものであってもよい。
次に、無線端末20の構成および基本的な動作について説明する。
図2は無線端末20の構成図である。
図2において、下位レイヤ処理部21は物理層処理、データリンク層処理を行うものであり、無線ローカルネットワーク2に接続するものであり、接続管理部22は本発明によるルータ切替処理に関する処理を実施するものであり、L3処理部23はネットワーク層処理を行うものであり、上位レイヤ処理部24はアプリケーションを含んだトランスポート層以上の処理を行うものである。
なお、図2は無線端末20がホストとして機能する場合の構成であり、さらに多くの下位レイヤ処理部を有して、無線ローカルネットワーク2内部のルータとして機能することも可能であり、本発明はその具備する数を制限するものではない。
また、無線端末20は、下位レイヤ処理部を二つ以上具備する場合であっても、同様の構成で実現でき、以下に説明する手順によってその動作を実現することができる。
また、下位レイヤ処理部21は、ブルートゥース(登録商標)やUWB、IEEE802.11等の無線LANといった無線通信規格に基づくものを適用することができる。なお、無線端末20においても、図19に示したルータ装置10の構成と同様に、下位レイヤ処理部21としてブルートゥースSIG(Special Interest Group)規格を適用することができる。さらに、下位レイヤ処理部21は接続管理部22やL3処理部23との接続についても、ルータ装置と同様である。
なお、接続管理部22は本発明にかかる接続管理部に相当し、下位レイヤ処理部21とL3処理部23とは本発明にかかる受信部に相当する。
上記のように構成された無線端末20の基本的な動作について、以下に説明する。
初めに、本実施の形態における無線端末20の送受信動作について、以下に説明する。
まず、無線ローカルネットワーク2から受信したフレームは、下位レイヤ処理部21が物理層プロトコル処理、データリンク層プロトコル処理を行った後にL3処理部23に転送する。
L3処理部23はこれを受けて、IPプロトコル処理を行ったのち、上位レイヤ処理部24に転送される。そして、上位レイヤ処理部24は、アプリケーションを含む上位層の処理を行う。
また、上位レイヤ処理部24から送信されたユーザデータは、L3処理部23に転送されてIPプロトコル処理を行った後、下位レイヤ処理部21に転送される。そして、下位レイヤ処理部21はデータリンク層プロトコル処理と物理層プロトコル処理を行い、無線ローカルネットワーク2に送出する。
さらに、L3処理部23は、無線ローカルネットワーク2から受信したルータ広告メッセージ(Router Advertisement Messege)からネットワーク情報やルータ装置10の情報を抽出し、それらの情報を管理する。
次に、無線端末20におけるルータ切替処理について、図面を用いて説明する。
図8Aは、ルータ装置A(10a)から接続要求メッセージ1400を受信した場合の処理を示すフロー図である。
図8Aにおいて、まず、接続管理部22が下位レイヤ処理部21から接続要求メッセージ1400を受信すると(ステップS700)、ルータ装置アドレスフィールド1404から接続対象とするルータ装置B(10b)のアドレスを抽出する(ステップS701)。
次に、接続管理部22は、ルータ装置B(10b)との間でリンク接続処理を行う(ステップS702)。
次に、接続管理部は、ルータ装置B(10b)からルータ広告メッセージを取得して、L3処理部16が管理するルータリストを更新する(ステップS703)。
なお、接続管理部22は、L3処理部23を介して接続要求メッセージ1400を取得してもよい。また、ステップS701によって抽出されたルータ装置B(10b)との接続が既に完了している場合、接続管理部22はステップS702を省略して、重複接続を回避する。
また、無線端末20は接続要求メッセージ1400を処理しない場合接続管理部22を設ける必要がなく、従来使用されていた無線端末20をそのまま利用できる。
図8Bは、ルータ装置A(10a)から経路切替指示メッセージとしてルータ広告メッセージを受信した場合の処理を示すフロー図である。
図8Bにおいて、まず、L3処理部23が下位レイヤ処理部21を介してルータ広告メッセージを受信する(ステップS720)。受信したルータ広告メッセージのルータライフタイム(RL)が‘0’である場合、接続管理部22はルータリストを更新し、そのルータ装置10がデフォルトルータである場合はデフォルトルータを変更する(ステップS722)。ここでは、デフォルトルータであるルータ装置A(10a)からルータライフタイムが‘0’のルータ広告メッセージを受信するので、デフォルトルートのネクストホップをルータ装置A(10a)からルータ装置B(10b)に変更して、ルータ切替処理を完了する。受信したルータ広告メッセージのルータライフタイムが‘0’以外の場合、無線端末20は通常のルータ広告メッセージ処理を行う(ステップS723)。
このように、本発明による無線端末20は、ルータ切替処理の中で切替先ルータ装置とのリンク接続を実施するため、切替処理完了時には即座に切替先ルータ装置を経由して外部ネットワークとパケット通信を行うことができ、高速なルータ切替を実現できる。なお、ルータ装置B(10b)から無線端末20への接続処理が発生する場合、無線端末20は下位レイヤ処理部21によって従来の標準的な接続方法により接続処理を実施するため、特別な手段を必要としない。
以上のように動作するルータ装置10と無線端末20により構成される図3に示す通信システムにおいて、無線端末20が外部端末40とパケット通信を行う際に中継ノードがルータ装置A(10a)からルータ装置B(10b)に切り替わるときの動作について説明する。
図4は、本実施の形態における通信システムの第一の動作を示すシーケンス図である。
無線ローカルネットワーク2上のルータ装置A(10a)がアクセスポイント装置3aと接続しており、無線端末20は、外部端末40とルータ装置A(10a)を介してユーザデータのパケット通信を行っている(ステップS500)。ルータ装置A(10a)とアクセスポイント装置3a間の外部リンクの通信状況が悪化、またはユーザや上位層から明示的に通信リンクの切断を要求されたことにより、ルータ装置A(10a)が外部リンクの切断可能性を検出すると(ステップS520)、ルータ装置A(10a)は、無線ローカルネットワーク2上のルータ装置B(10b)に接続指示メッセージ1000を送出する(ステップS501)。以降、無線端末20が送信する外部端末40宛のパケットは、ルータ装置A(10a)がアクセスポイント装置3aと通信を行える間はアクセスポイント装置3aを介して外部端末40宛に中継するが、アクセスポイント装置3aとの接続が途絶えた場合は、ルータ装置A(10a)がパケットをバッファに一時的に蓄積する(ステップS502)。
接続指示メッセージ1000を受信したルータ装置B(10b)は、アクセスポイント装置3bとの接続性を確認し、接続可能であると判定すると、接続指示応答メッセージ1100をルータ装置A(10a)に返信する(ステップS503)。なお、ルータ装置B(10b)は、アクセスポイント装置3bとの接続が不可能であったり、接続指示メッセージ1000のQoSや帯域や、接続時間に対する要求値を満たすことができない等の理由により、接続指示を拒否する場合だけ、接続指示応答メッセージ1100を返信してもよい。
次に、ルータ装置B(10b)は、アクセスポイント装置3bとのリンク接続処理(ステップS504)と、接続指示メッセージ1000の端末アドレスフィールド1007に記載された無線端末20とのリンク接続処理(ステップS505)を実施する。なお、ステップS503と、S504およびS505の実施順序は、図示したとおりである必要はなく、ステップS504およびS505を開始した直後にステップS503を実施したり、これらを同時に実施してもよい。
次に、ルータ装置B(10b)は、無線端末20とアクセスポイント装置3bとの接続処理をともに完了すると、ルータ装置A(10a)に接続完了通知メッセージ1200を送出する(ステップS506)。また、ルータ装置B(10b)は、自己のネットワーク情報を通知する自己情報通知メッセージとして、ルータ広告メッセージを無線ローカルネットワークへ送出する(ステップS510)。これにより無線端末20は、ルータリストにルータ装置B(10b)を追加する。
ルータ装置A(10a)は、これを受けて、無線端末20に関する中継パケットを蓄積している場合はルータ装置B(10b)に転送し、ルータ装置B(10b)は、アクセスポイント装置3bを介して外部端末40宛に中継する(ステップS507)。なお、ルータ装置A(10a)が蓄積していたパケットをルータ装置B(10b)に転送するタイミングは、接続指示応答メッセージを受信したステップS503の後でもよく、その場合、ルータ装置B(10b)はアクセスポイント装置3bとの接続処理が完了するまで、転送されたパケットをバッファに一時的に蓄積しておく。
また、接続完了通知メッセージ1200を受信したルータ装置A(10a)は、経路切替指示メッセージとしてルータライフタイムを‘0’とするルータ広告メッセージを無線ローカルネットワーク2に送出する(ステップS508)。これにより無線端末20は、ルータリストのデフォルトルータをルータ装置A(10a)からルータ装置B(10b)に変更する。
以後、無線端末20はルータ装置B(10b)を介して外部端末40とパケット通信を行うことができるようになる(ステップS509)。
なお、ルータ装置B(10b)は、接続完了通知メッセージ1200の送信と同時、あるいは接続完了通知メッセージ1200の送信に代えて、ルータ装置A(10a)の代理として経路切替指示メッセージを無線ローカルネットワーク2に送出してもよい。このときの経路切替指示メッセージは、ルータ装置A(10a)のIPアドレスをIPヘッダの送信元アドレスフィールドに記載し、ルータライフタイムを‘0’にしたルータ広告メッセージである。
ルータ装置A(10a)はこれを受けて、経路切替指示メッセージを送出する必要がなくなる。また、無線ローカルネットワーク2上の端末は、ルータ装置A(10a)の経路切替指示メッセージよりも早く受信できるので、さらに高速な経路切替を実現することが可能になる。
図5は、本実施の形態における通信システムの第二の動作を示すシーケンス図である。
基本的な動作は、図4に示したシーケンス図と同じであることから、ユーザデータの流れは省略している。以下、図4にて説明したシーケンスと異なる点のみ説明する。
図5において、ルータ装置A(10a)は、接続指示メッセージ1000を送信し(ステップS501)、その結果として接続指示応答メッセージ1100をルータ装置B(10b)から受信すると(ステップS503)、ルータ装置A(10a)は、ルータ装置アドレスフィールド1404にルータ装置B(10b)のアドレスを記載した接続要求メッセージ1400を無線端末20に送出する(ステップS510)。無線端末20はこれを受けて、ルータ装置B(10b)とのリンク接続処理を行う(ステップS505)。ルータ装置B(10b)は、接続指示メッセージ1000により無線端末20のアドレスを取得済みであるので、無線端末20が開始した接続処理(ステップS505)と、アクセスポイント装置3bとの接続処理(ステップS504)がともに完了した時点で接続完了通知メッセージ1200を送出することができる。また、無線端末20は、既に通信実績のあるルータ装置A(10a)から、ルータ装置B(10b)とのリンク接続指示を受けることにより、高い信頼性のもとでルータ装置B(10b)との接続処理(ステップS510)を行うことができる。
このように、本実施の形態によれば、ルータ装置間で外部リンク状況の悪化やリンク確立等のイベントに基づくリアルタイムなメッセージ交換を行うとともに、切替先ルータ装置と端末間のリンク接続を切替処理の一環として実施することにより高速なルータ切替を実現でき、パケットロスを低減することが可能となる。
さらに、本実施の形態によれば、切替先ルータ装置が外部網への接続完了をリアルタイムに通知するとともに、すべての切替タイミングを制御するので、切替時間の浪費やパケットロスの発生を回避でき、最適なタイミングでルータ切替を実施することが可能になる。
また、切替先ルータ装置が外部網への接続を実施するのと同時にLAN上の端末とのリンクコネクションを確立する操作を実施するので、端末と切替先ルータ装置間でリンクコネクションが未確立な場合にも対応できる。
さらにまた、切替先ルータ装置が外部網への接続と端末とのリンクコネクション確立を完了した時点で、切り替えを開始させるので、端末は既に確立された切替先ルータ装置とのリンクコネクションを含めて経路表を直ちに更新し、デフォルトルータを切替先ルータ装置に高速に切り替えることができる。また、端末はルータ切替に際して経路表の更新とデフォルトルータの変更を行うだけでよく、切替元ルータ装置のルーティング機能停止までの時間や切替先ルータ装置のルーティング可能となるまでの時間を管理する必要がない。
なお、本実施の形態では、QoSに関する情報の一例として所定のQoSレベルと帯域値を用いたが、それ以外の情報を用いてもよく、その利用を制限するものではない。
また、本実施の形態では、IPによる中継を実施するルータ装置について記載したが、レイヤ2における中継を実施するブリッジ装置や、上位層における中継を実施するゲートウェイ装置(NAT装置やNAPT装置を含む)についても、同様に本発明を実施可能である。
また、本実施の形態では、ルータ装置A(10a)は切替元ルータ装置としての機能を有し、ルータ装置B(10b)は切替先ルータ装置としての機能を有するとしたが、ルータ装置A(10a)とルータ装置B(10b)は双方の機能を有するものであってもよい。
また、本実施の形態にて説明したメッセージのうち、特に接続指示メッセージ、接続要求メッセージなどの特定の処理を指示するメッセージは、指示コマンドと称してもよい。すなわち、本発明において、特定の処理を指示するメッセージは、遠隔の通信装置に対するコマンドであることから、リモートコマンドと称することができる。具体的には、各々、リモート接続指示コマンド、リモート接続要求コマンドのように称することができる。
同様に、接続完了通知メッセージ、接続指示応答メッセージ、接続可能性通知メッセージ、およびリンク切断通知メッセージなどの特定の状態変化(イベント)を通知するメッセージは、イベント通知と称してもよい。すなわち、本発明において、特定の状態変化(イベント)を通知するメッセージは、遠隔の通信装置に対するイベント通知であることからリモートイベントと称することができる。具体的には、各々、リモート接続完了イベント、リモート接続指示応答イベント、リモート接続可能性イベント、およびリンク切断イベントのように称することができる。
また同様に、通知登録メッセージなどのイベント通知をリアルタイムに送付させることを依頼するメッセージは、イベント・レジストレーションあるいはイベント・レジストレーション・コマンドと称してもよい。すなわち、本発明において、イベント通知を依頼するメッセージは、遠隔の通信装置に対するイベント・レジストレーションであることから、リモート・イベント・レジストレーションあるいはリモート・イベント・レジストレーション・コマンドのように称することができる。
なお、リモートコマンドの実施に先立って、送信先の装置に対して認証処理を含むレジストレーション処理を行うことにより、信頼性の高いリモートコマンド処理を実現することができる。特に、コマンド発行に先立って包括的にレジストレーションを行っておくことにより、複数のコマンドを発行するたびに認証を行う必要がなくなる。これにより、装置の処理負荷を低減できるとともに、迅速なコマンド処理が可能となる。
上記の表現を用いれば、接続可能性通知メッセージ1300は、当該リンクが接続されてはいないが接続可能であることを通知するために、下位レイヤ処理部が発行する“リンク検出イベント”のリモート転送、すなわち“リモート・リンク検出イベント”であると言える。あるいは、当該リンクが確立可能であり接続処理中であることを通知するために、下位レイヤ処理部が発行する“リンク・ゴーイング・アップ・イベント”のリモート転送、すなわち“リモート・リンク・ゴーイング・アップ・イベント”や、既に当該リンクの接続が確立されていることを通知するために、下位レイヤ処理部が発行する“リンク・アップ・イベント”のリモート転送、すなわち“リモート・リンク・アップ・イベント”であるとも言える。
また、接続指示メッセージ1000は、“リンク・コンフィグレーション・コマンド”のリモート転送、すなわち“リモート・リンク・コンフィグレーション・コマンド”と、後述する“リモート・リンク・アップ・イベント”のリアルタイム発行を登録する“リモート・イベント・レジストレーション”を組み合わせたものであると言える。“リンク・コンフィグレーション・コマンド”は、当該リンクの接続処理を開始するよう下位レイヤ処理部11、12に指示するのに用いられ、下位レイヤ処理部11、12が“リンク・コンフィグレーション・コマンド”を受信すると、コマンドに含まれる接続相手の識別子等の接続に必要な情報に基づいてリンク確立処理を開始する。
このように考えたとき、接続指示メッセージ1000に、“リモート・リンク・ゴーイング・アップ・イベント”のリアルタイム発行を登録する“リモート・イベント・レジストレーション”を組み合わせることにより、接続指示応答メッセージに相当する“リモート・リンク・ゴーイング・アップ・イベント”をリアルタイムに取得することができるようになる。またさらに、接続指示メッセージ1000に“リンク・ゴーイング・ダウン・イベント”のリモート転送、すなわち“リモート・リンク・ゴーイング・ダウン・イベント”を組み合わせることにより、ルータ装置B(10b)に対して迅速な切替処理を暗に要請することができるようにもなる。なお、“リモート・ゴーイング・ダウン・イベント”は、受信電波強度の低下やビットエラー率の向上などを監視した結果から当該リンクの通信状態が悪化しており、近いうちにリンクが切断されるであろうことを判断したことを通知するために、下位レイヤ処理部11、12が発行するものである。
また、接続要求メッセージ1400は、“リモート・リンク・コンフィグレーション・コマンド”と、“リモート・リンク・アップ・イベント”のリアルタイム発行を登録する“リモート・イベント・レジストレーション”を組み合わせたものであると言える。このように考えたとき、リンク接続処理の状況を確認する目的で、“リモート・リンク・ゴーイング・アップ・イベント”のリアルタイム発行を登録する“リモート・イベント・レジストレーション”を組み合わせることもできる。
また、接続指示応答メッセージ1100は、当該リンクが確立可能であり接続処理中であることを通知するために、下位レイヤ処理部が発行する“リンク・ゴーイング・アップ・イベント”のリモート転送、すなわち“リモート・リンク・ゴーイング・アップ・イベント”であると言える。
また、接続完了通知メッセージ1200は、当該リンクの接続が完了したことを通知するために、下位レイヤ処理部が発行する“リンク・アップ・イベント”のリモート転送、すなわち“リモート・リンク・アップ・イベント”であると言える。
なお、本実施の形態では、ルータ装置間で中継機能を委譲するための方法について記載したが、本実施の形態において説明したメッセージは、中継機能を伴わない通信端末がネットワークアクセスポイント装置間を移動する際の、ネットワーク側の主導による中継路切替にも利用することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について、図面を用いて説明する。
図20は本実施の形態における通信システムの構成を示す図であり、実施の形態1とは切替元ルータ装置A(10a)と無線端末20の代わりに外部端末40との通信フローを有するマルチインタフェース通信端末30を有している点が異なる。このマルチインタフェース通信端末30は中継機能を有していない点がルータ装置と異なるが、構成は図1に示すものと同一である。
初めに、マルチインタフェース通信端末30とルータ装置B(10b)の動作について実施の形態1と異なる点のみ説明する。
まず、マルチインタフェース通信端末30のルータ切替部14は、アクセスポイント装置3a間の通信状況悪化を検出すると、接続管理部13を介してルータ装置B(10b)に接続指示メッセージ1000を送信する。このとき、実施の形態1と異なる点は、無線端末20のアドレスを端末アドレスフィールド1007に記載する必要がない点であり、本実施の形態においては、端末アドレスフィールド1007を省略することができる。
次に、ルータ装置B(10b)は、受信した接続指示メッセージ1000に端末アドレスフィールド1007が含まれないか、あるいは端末アドレスフィールド1007に有効なアドレスの記載がない場合、図6のステップ658において外部リンクの接続を完了した時点で次のステップに進む。
以降、マルチインタフェース通信端末30は実施の形態1において説明した処理を進める。そして、最終的に接続完了通知メッセージ1200をルータ装置B(10b)から受信し(図6、ステップS605、S606)、マルチインタフェース通信端末30のルータ切替部14が、L3処理部16に経路切替指示メッセージを送出して(図6、ステップS607)、L3処理部16において管理する経路表を更新する。
すなわち、マルチインタフェース通信端末30の接続管理部13は、それまで下位レイヤ処理部11に相当するインタフェースをデフォルトルートとして設定していたのに対し、下位レイヤ処理部12に相当するインタフェースをデフォルトルートに設定し、デフォルトルータをルータ装置B(10b)に設定する。
また、これと同時に、マルチインタフェース通信端末30の接続管理部13は下位レイヤ処理部11に相当するインタフェースに関するルーティング情報を抹消する。これにより、マルチインタフェース通信端末30は、上位レイヤ処理部17が終端する通信フローを下位レイヤ処理部11経由から下位レイヤ処理部12経由に切り替え、ルータ装置B(10b)を介して送受信することが可能となる。
以上のように本発明によれば、マルチインタフェース通信端末30は、自己の外部リンクへのインタフェースからルータ装置へ高速に切り替えることができるので、パケットロスを低減することが可能となる。
本発明は、外部網への無線通信による接続機能を持つ複数のルータ装置間の切替等に有用であり、外部網との切断を予期した際に、迅速にルータ装置を他のルータ装置へ切り替えるのに適している。
本発明は、複数の通信インタフェースを有するマルチインタフェース通信装置と、複数のマルチインタフェース装置を切り替える経路切替方法に関するものであって、特にマルチインタフェース装置である2台以上のルータ装置を切り替える経路切替方法に関する。
従来より、移動通信を行う端末装置は、携帯端末に無線アクセスインタフェースを追加することにより実現されていた。
しかし、無線アクセスインタフェースによって接続する無線アクセス網は、カバレッジや帯域、通信料金等が種類によって異なっている。このため、端末装置が、どこに移動しても通信を継続するにはカバレッジの異なる複数の無線アクセス網に対応するインタフェースを有する必要があった。このような複数の無線アクセスインタフェースを端末装置に備えることは、コストや機器サイズが大きくなるという課題があり、特に、携帯する端末装置が複数である場合にはその課題が顕著であった。
この課題を解決する手段として、無線アクセスインタフェースよりもコストが低くデバイスサイズの小さい短距離無線インタフェースを有する複数の携帯端末と、それら携帯端末と短距離無線によって接続された携帯端末に無線アクセスインタフェースを追加したルータ装置とによりローカルエリアネットワーク(LAN)を形成し、このルータ装置以外の携帯端末はルータ装置を介して外部網と接続する技術が文献「移動ネットワークのシームレスハンドオーバに関する研究」(松本泰輔他、信学技法、NS2002-323、2003年3月)に開示された。
また、移動通信において、特に、端末装置は、カバレッジの異なる無線アクセスインタフェース(例えばセルラと無線LAN)を搭載したルータ装置を、場所に応じて切り替えて使用することが必要になる。この切り替えによる通信断が通話中に生じることは通信品質の点で課題となり、それを回避する技術が文献「移動ネットワークのシームレスハンドオーバに関する研究」に開示された。
また、IP(Internet Protocol)ネットワークにおいて、ローカルエリアネットワーク(LAN)内の端末装置が、外部ネットワークの端末装置と通信する際には、いわゆるデフォルトルータ装置を設定する必要がある。このデフォルトルータ装置の設定は、ルータ装置から端末装置に対して近隣探索プロトコル(Neighbor Discovery for IP Version 6、以下「ND」という。)により自動的に行うことが可能であり、この設定方法が文献「Neighbor Discovery for IP Version 6(IPv6)」(T. Narten et al.、RFC 2461、IETF、December 1998)に開示されている。以下にその設定方法を説明する。
NDにおいて、ルータ装置から以下のような情報を含むルータ広告(Router Advertisement)メッセージ(以下「RAメッセージ」という。)が、定期的に、または端末装置からの要請(Router Solicitation メッセージ、以下「RSメッセージ」という。)に応答する形で、送信される。
(1)ルータ装置のIPアドレス
(2)当該メッセージに含まれる情報の有効期限(ルータライフタイムRouter Lifetime、以下「RL」という。)
(3)到達可能時間(Reachable Time、以下「RT」という。)
このRAメッセージを受信した端末装置は、自己のデフォルトルータリスト、及び近隣キャッシュに上記の情報を追加する。また、デフォルトルータリストに複数のルータ装置が登録されている場合、端末装置は経路表に登録されていない宛先へ送信するとき、デフォルトルータリストのエントリの中からプライマリルータ装置を選択する。また、プライマリルータ装置は自己がシャットダウンする際には、RL=0のRAをブロードキャストする。そして、端末装置はRL=0のRAメッセージを受信すると、デフォルトルータリストに対応するエントリがある場合、当該エントリを削除する。 しかしながら、文献「Neighbor Discovery for IP Version 6(IPv6)」によれば、デフォルトルータは、自己をシャットダウンするときにのみ、RL=0のRAメッセージを送信する。このため、ルータ装置の外部網への接続が過負荷である場合や、無線アクセスインタフェースにより外部網へ接続しているときの電界強度が低下した等により外部網への接続が困難あるいは不可能な状態となった場合にも、通常のRAメッセージが送信され続けるので、端末装置は通信不能となった。そして、端末装置がデフォルトルータを切り替えるには、外部端末装置との通信が不可能となったことを認識する必要があり、これには多大な時間を要した。このため、ルータ装置がシャットダウン以外の原因で外部網と通信不能となった場合には、通信が長時間にわたり中断されてしまうという課題を有していた。
また、従来の二重化したルータ装置を有するLANにおいて、マスタルータの故障発生時にマスタルータからバックアップルータへ切り替える方法として、特開平11−261561号公報に開示されているようなものがあった。すなわち、バックアップルータからマスタルータにヘルスチェック要求を行い、マスタルータからヘルスチェック応答が返ってこなければ、バックアップルータがマスタルータに自動的に切り替わっていた。しかしながら、特開平11−261561号公報に開示された方法を用いるには、複数のルータ装置で同じMACアドレスを共用する必要があり、MACレイヤにおける認証を行うような無線ネットワークにおいては使用できない場合があるという課題を有していた。
特に、外部網と無線通信により接続するローカルネットワークの場合、バックアップルータは消費電力を低減するために非接続状態にしておき、バックアップルータからマスタルータに切り替わるときに外部網とコネクションを確立する必要がある。そのため、バックアップルータがマスタルータに高速で切り替えるためには、マスタルータの接続状態が不安定になった時点で、バックアップルータが外部網とのコネクションの確立を開始する技術が提案された。
たとえば、国際公開2004/093397号パンフレットに記載のような従来方法では、マスタルータ装置が外部網への接続が過負荷となったときや、無線インタフェースにより外部網へ接続している場合に電界強度が低下したこと等によりルーティング機能の実行が不可能になることが予測できたときに、マスタルータ装置がルーティング停止メッセージとしてRL=0のRAをLAN内の全ノードにブロードキャストする。そして、バックアップルータ装置はこのルーティング停止メッセージを受信した時点で、自己のルーティング機能が実行可能であるか、または外部網との接続処理等の関係で所定時間後にルーティング機能が実行可能となる場合には、ルーティング可能メッセージをLAN内の全ノードにブロードキャストする。このときのルーティング可能メッセージには、RTに実行可能となるまでの時間を設定したRAを使用して、実行可能時間を通知していた。そして、ルーティング停止メッセージとルーティング可能メッセージを受信したLAN上のノードは、自己の経路表を更新して通知された実行可能時間が経過した後に、外部網と接続するためのデフォルトルータを切替えていた。
しかしながら、国際公開2004/093397号パンフレットに開示された方法を用いた場合、切替先ルータ装置が実際には外部網への接続を完了しているにも関わらず、LAN上のノードはルーティング可能メッセージに記載された実行可能時間の経過まで経路表の更新を行えずにいて、高速なルータ切替を行えなかった。あるいは、実際には外部網への接続が完了していないにも関わらず、実行可能時間が経過したことを契機として、ノードが経路表を更新してしまい、パケットを受信できないことがあった。
さらに、ブルートゥース(登録商標)のようなコネクション型プロトコルを採用するLANにおいて、LAN上のノードが切替先ルータ装置とIPパケットを伝送するためのレイヤ2コネクションを確立していない場合、切替先ルータ装置が送信するルーティング可能メッセージを受信できないので、ルータ切替を正常に実施できなかった。
また、通信中のノードが切替元ルータ装置からのルーティング停止メッセージを受信後、自発的にデフォルトルータを探索して切替を実施しようとしても、切替先ルータ装置とのリンクコネクションが確立していないので経路表を更新できない。このため、切替先ルータ装置における外部網への接続が完了している場合でも、ノードは切替先ルータ装置との間のリンクコネクションが確立するまで経路切替を行えなかった。
本発明の目的は、無線ネットワークにおいて、マスタルータとして動作する切替元ルータ装置に障害が発生したとき、マスタルータが切替元ルータ装置から切替先ルータ装置に高速に切り替わることにより、通信中断によるパケットロスを低減して、ネットワーク資源を効率的に活用することである。
本発明では、第一のルータ装置は外部網への接続が過負荷の場合や、無線インタフェースにより外部網へ接続しているときの電界強度が低下した等によりルーティング機能の実行が不可能になることが検出された場合、最近の中継フローを終端するローカルネットワーク上の端末のアドレスを含む接続指示メッセージを第二のルータ装置に送出する。第二のルータ装置において、接続指示メッセージを受信すると、その時点で自己のルーティング機能が実行可能であるか、あるいは所定時間後に外部網への接続が完了しルーティング機能が実行可能となる場合は、接続指示応答メッセージを第一のルータ装置に送出し、外部網への接続処理を開始する。第二のルータ装置は、外部網への接続処理とともに、接続指示メッセージに含まれるローカルネットワーク上の端末との接続が確立されていない場合はその端末との接続処理を実施する。そして、外部網およびローカルネットワーク上の端末との接続がともに確立した時点で、第二のルータ装置は接続完了通知メッセージを第一のルータ装置に送出する。
第一のルータ装置は、その接続完了通知メッセージを受信すると、最近の中継フローを終端するローカルネットワーク上の端末にデフォルトルータの切り替えを指示する経路切替指示メッセージを送出する。そして、ローカルネットワーク上の端末がこの経路切替指示メッセージを受信すると、デフォルトルータを第一のルータ装置から第二のルータ装置に切り替える。
これにより、無線ローカルネットワーク上の端末が第二のルータ装置とレイヤ2コネクションを未確立であっても、第二のルータ装置からの要求でコネクションの確立を行うので、第二のルータ装置からの接続完了通知を受信することができる。また、第二のルータ装置は外部網との接続処理を指定された端末とのリンクコネクションの確立と並行して実施するので、両接続の処理時間差によるタイムロスを最小にした、高速なルータ切替えを実現することができる。
また、端末は、ルータ切替に際して経路表の更新とデフォルトルータの変更を行うだけでよく、切替元ルータ装置のルーティング機能停止までの時間や切替先ルータ装置のルーティング可能となるまでの時間を管理する必要がなくなる。
本発明の第1の態様にかかる経路切替方法は、同一の無線ローカルネットワーク上の複数の通信インタフェースを有する、複数のマルチインタフェース通信装置を切り替える経路切替方法であって、第一のマルチインタフェース通信装置が、第二のマルチインタフェース通信装置へ接続指示を送出するステップと、第二のマルチインタフェース通信装置が、接続指示を受信すると外部網との接続処理を開始するステップと、第二のマルチインタフェース通信装置が接続を完了すると、当該接続の完了を通知する接続完了通知を第一のマルチインタフェース通信装置へ送出したり、自己のネットワーク情報を通知する自己情報通知を無線ローカルネットワークへ送出するステップと、第一のマルチインタフェース通信装置がその接続完了通知を受信すると、経路切替指示を無線ローカルネットワークへ通知するステップと、自己情報通知と経路切替指示とを受信した無線ローカルネットワーク上の端末が、中継に用いるマルチインタフェース通信装置を第一のマルチインタフェース通信装置から第二のマルチインタフェース通信装置に変更するステップとを有するものである。
これにより、切替先の第二のマルチインタフェース通信装置(切替先マルチインタフェース通信装置)は、適したタイミングで切替元の第1のマルチインタフェース通信装置(切替元マルチインタフェース通信装置)から中継処理の切替を開始できるとともに、外部網との接続処理完了等のイベントに即してリアルタイムに端末との中継先の切替処理を実施できるため高速な経路切替を実現することができる。
本発明の第2の態様にかかるルータ切替方法は、第一のマルチインタフェース通信装置からの接続指示が、第一のマルチインタフェース通信装置の外部網との通信パケットロス率が所定値より大きい場合、電波受信強度が所定値より低い場合、自己のシャットダウンが開始された場合、および他のマルチインタフェース通信装置への切替要求を受けた場合のいずれかにおいて送出されるものである。
これにより、切替元マルチインタフェース通信装置は外部網との接続が継続できなくなったことをいち早く切替先マルチインタフェース通信装置に通知することができる。
本発明の第3の態様にかかる経路切替方法は、第二のマルチインタフェース通信装置による接続処理が、外部網との接続可能性のある場合に開始され、さらに第二のマルチインタフェース通信装置が、第一のマルチインタフェース通信装置に、外部網への接続を開始したことを通知する接続指示応答を送出するステップを有するものである。
これにより、切替元マルチインタフェース装置は切替先マルチインタフェース装置が外部リンクとの接続を開始したことを知ることができるので、別のマルチインタフェース装置を指定して接続指示を送信する必要がなくなる。
本発明の第4の態様にかかる経路切替方法は、第一のマルチインタフェース通信装置が、中継している通信フロー特性に基づく通信性能要求を接続指示に含めて送出し、第二のマルチインタフェース通信装置は、接続対象の外部網との通信性能が通信性能要求をさらに満たす場合に、接続処理を開始するものである。
これにより、切替元マルチインタフェース通信装置は、切替先マルチインタフェース装置を現在の中継フローの特性に応じて選択することができ、経路切替による中継フローの破綻を未然に防ぐことができる。
本発明の第5の態様にかかる経路切替方法は、第二のマルチインタフェース通信装置が、外部網との接続可能性がない場合、あるいは接続可能性はあるが、通信性能要求を満たさない場合、外部網との接続処理を開始せず、第二のマルチインタフェース通信装置が外部網への接続を実施しなかったことを通知する接続指示応答を送出するステップをさらに有するものである。
これにより、切替元マルチインタフェース装置が当初の切替先マルチインタフェース装置の有用性がない事実を即座に知ることができるとともに、迅速に他の切替先マルチインタフェース装置に対して切替処理を移行することができる。
本発明の第6の態様にかかる経路切替方法は、第一のマルチインタフェース通信装置が、外部網への接続を実施しなかったことを通知する接続指示応答を第二のマルチインタフェース通信装置から受信した場合、第三のマルチインタフェース通信装置に経路切替指示を送出するステップをさらに有するものである。
これにより、切替元マルチインタフェース通信装置は切替先を第二のマルチインタフェース通信装置から第三のマルチインタフェース装置へ指定をすばやく変更することができる。
本発明の第7の態様にかかる経路切替方法は、第二のマルチインタフェース通信装置が、接続完了通知を送出した後、あるいは送出に代えて、第一のマルチインタフェース通信装置による経路切替指示を通知するステップの代理として、その経路切替指示を無線ローカルネットワークへ通知するものである。
これにより、第一のマルチインタフェース通信装置が経路切替指示をを送出するよりも早く、経路切替指示を無線ローカルネットワーク上のノードへ通知することができる。
本発明の第8の態様にかかる経路切替方法は、第一のマルチインタフェース通信装置が、第二のマルチインタフェース通信装置に、無線ローカルネットワーク上の中継中の端末を特定する端末識別子を接続指示とともに送出するステップと、第二のマルチインタフェース通信装置が、端末識別子で特定された端末に対する接続処理を開始するステップとをさらに有するものである。
これにより、端末が切替先マルチインタフェース装置の経路切替処理中に当該切替先マルチインタフェース通信装置リンク確立を行うので、経路切替が終了すると即座に切替先マルチインタフェース装置を介して外部網と通信を行うことができるようになる。また、複数の端末が存在する場合でも、該当する端末に限って切替先マルチインタフェース装置がリンクを確立することが可能となるので、切替先マルチインタフェース装置の処理負荷およびリソースの有効活用を図ることができる。
本発明の第9の態様にかかる経路切替方法は、第二のマルチインタフェース通信装置が、外部網への接続と端末への接続とがともに完了したとき、自己情報通知と接続完了通知とを送出するものである。
これにより、切替元マルチインタフェース通信装置は、端末へ中継先の切替を指示することができる。
本発明の第10の態様にかかる経路切替方法は、端末識別子で特定される端末が、第一のマルチインタフェース通信装置の近隣キャッシュあるいはARP(Address Resolution Protocol)キャッシュに登録されているものの中から指定されるものである。
これにより、切替元マルチインタフェース通信装置は、IETF RFC2461で規定される近隣キャッシュ(Neighbor Cache)等で管理されるリンク上のノード(端末およびマルチインタフェース装置)のアドレス情報から最近の通信実績のある端末を特定することができるので、あらためて中継フローの抽出や履歴管理を行う必要がなくなり、マルチインタフェース装置の処理負荷の低減およびリソースの有効活用を図ることができる。これは、近隣キャッシュでは、一定期間ノードに対するアクセスが確認されないと、近隣キャッシュからそのノードに対するエントリが削除されるという特性を利用したもので、最近の通信実績がある端末の特定という目的での使用においては、近隣キャッシュは適している。
本発明の第11の態様にかかる経路切替方法は、第二のマルチインタフェース通信装置が、外部網との接続可能性の状態が変化した時点で、第一のマルチインタフェース通信装置へ接続の可否を通知する接続可能性通知を送出するステップと、第一のマルチインタフェース通信装置が接続可を受信したとき、接続可能性通知に含まれる第二のマルチインタフェース通信装置の接続可の情報を記憶し、接続不可を受信したとき、第二のマルチインタフェース通信装置の接続可の情報の記憶を削除するステップと、第一のマルチインタフェース通信装置が接続指示を送出する際に、記憶した第二のマルチインタフェース通信装置の接続可否の情報に基づいて送出先を決定するステップとを有するものである。
これにより、切替元マルチインタフェース通信装置は、個々のマルチインタフェース装置の外部網への接続状況、特に接続可能であることをリアルタイムに把握することが可能となり、その時々で適した切替先マルチインタフェース装置を的確に選択することができるようになる。
本発明の第12の態様にかかる経路切替方法は、接続可能性通知がマルチインタフェース通信装置の識別子と、外部網との通信性能とを含み、第一のマルチインタフェース通信装置が、中継フローの特性に適した通信性能を外部網との通信で有する、接続可能なマルチインタフェース通信装置を接続指示の送出先に決定するものである。
これにより、切替元マルチインタフェース通信装置は、切替先マルチインタフェース装置を現在の中継フローの特性に応じて選択することができるので、経路切替による中継フローの破綻を未然に防ぐことができる。
本発明の第13の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、複数の通信インタフェースを有するマルチインタフェース通信装置であって、外部網との接続状況の悪化や、自己がシャットダウンされたことや、外部網との接続を他のマルチインタフェース通信装置と交替する切替要求を受信したことの少なくともいずれか一つを検出する接続管理部と、その検出の通知を受けて、外部網への接続指示と、近隣キャッシュあるいはARPキャッシュに登録されている端末を特定する識別子とを自己の接続しているローカルネットワーク上の他のマルチインタフェース通信装置へ通知する経路管理部と、接続指示の通知先のマルチインタフェース通信装置から、外部網への接続完了の通知を受信する受信部と、その受信部からの接続完了通知を受けて、中継に用いるマルチインタフェース通信装置の切替を指示する経路切替指示をローカルネットワークに通知する経路切替指示部とを具備している。
これにより、中継機能を提供中のマルチインタフェース装置が中継機能を提供できる切替先へ中継の引継要請と、中継を必要とする端末情報とを通知するので、要請されたマルチインタフェース装置が切替処理を外部リンクと端末へ同時に実施することが可能になる。
本発明の第14の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、経路管理部の通知する識別子が、所定時間内に中継したフローの終端である端末の識別子であることを特徴とするものである。
これにより、中継の引継要請されたマルチインタフェース装置は、最近、外部リンクへ通信を行った端末を知ることができるので、中継を必要とする可能性の高い端末に対して事前に接続を行うことが可能になる。
本発明の第15の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、経路管理部が中継している通信フロー特性に基づく通信品質(QoS)や通信性能を示す要求パラメータを接続指示と共に送出することを特徴とするものである。
これにより、中継の引継要請されたマルチインタフェース装置は、必要とされる通信品質等を提供できるか否かを判断することができる。
本発明の第16の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、受信部が接続指示の通知先のマルチインタフェース通信装置から外部網との非接続を通知するための接続指示応答を受信し、経路管理部が受信部からの接続指示応答の通知を受けて、異なる宛先のマルチインタフェース通信装置に対して接続指示を送出することを特徴とするものである。
これにより、中継機能を提供しているマルチインタフェース通信装置は、通信条件に適合するものから順に中継先として指示することができる。
本発明の第17の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、受信部がローカルネットワーク上の他のマルチインタフェース通信装置から外部網への接続可能性通知を受信し、経路切替部が受信部から接続可を通知されたとき、接続可能性通知の送信元マルチインタフェース通信装置を特定する識別子を記憶し、接続不可を通知されたとき、記憶してある送信元マルチインタフェース通信装置を特定する識別子を記憶から削除し、接続指示の送出先を記憶した識別子の中から決定することを特徴とするものである。
これにより、中継機能を提供しているマルチインタフェース通信装置は、中継ができなくなることを検出したときに、引き継ぐのに適した他のマルチインタフェース装置を選択することができる。
本発明の第18の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、他のマルチインタフェース通信装置へ通知する接続可能性通知が、外部網との接続の可否、自己を特定する識別子、および外部網との通信容量を含み、経路切替部が接続可能性通知に基づいて、中継フローの特性に適した通信容量のマルチインタフェース通信装置を接続指示の送出先に決定することを特徴とするものである。
これにより、中継機能を提供しているマルチインタフェース通信装置は、通信に必要な条件に適合するか否かを判断することができる。
本発明の第19の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、経路管理部が接続可能性通知、接続指示応答、および接続完了通知を即時的に送出することを要請する即時通知要請を送出することを特徴とするものである。
これにより、マルチインタフェース通信装置は、他のマルチインタフェース装置を特定して必要な情報をリアルタイムで取得することができる。
本発明の第20の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、受信部が接続完了通知を受信する以前に、接続指示の通知先のマルチインタフェース通信装置から経路切替指示を受信した場合、経路切替指示部は経路切替指示の送出を中止するものである。
これにより、経路切替指示が重複して送出されることを防止できる。
本発明の第21の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、複数の通信インタフェースを有するマルチインタフェース通信装置であって、外部網への接続指示と、ローカルネットワーク上の端末を特定する識別子との通知を受信する指示受信部と、外部網との接続処理を行う外部リンク処理部と、識別子を通知された端末との接続処理を行う内部リンク処理部と、外部リンク処理部と内部リンク処理部との両方から接続を完了したことを受けて、接続完了を通知する接続完了通知を接続指示の送信元であるマルチインタフェース通信装置へ送出したり、自己のネットワーク情報を通知する自己情報通知をローカルネットワークへ送出する接続通知部とを具備する。
これにより、中継機能の引継要請を受けるマルチインタフェース装置は、中継機能を完全に引き継げる状態を、要請元のマルチインタフェース装置へ通知することができる。
本発明の第22の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、外部網との接続可能性を検出する接続検出部をさらに有し、外部リンク処理部と内部リンク処理部が接続検出部からの接続可の検出通知を受けて接続処理を開始し、接続通知部が接続検出部からの接続可の検出通知を受けて、接続指示の送信元マルチインタフェース通信装置に外部網への接続処理の開始を通知するための接続指示応答を送出する。
これにより、要請元のマルチインタフェース装置は、要請先マルチインタフェース装置の通信性能等を中継切替処理の早い段階で確認することが可能になる。
本発明の第23の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、指示受信部がさらに通信品質(QoS)と通信性能を示す要求パラメータを受信すると接続検出部へ通知し、接続検出部が要求パラメータによって与えられる要件を接続対象の外部網によって満足できるか否かを検出することを特徴とするものである。
これにより、中継機能の引継要請を受けるマルチインタフェース装置は、要件を満足できるか否かを要請元のマルチインタフェース装置へ通知することができる。
本発明の第24の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、接続通知部が接続検出部からの接続不可の検出通知を受けて、接続指示の送信元マルチインタフェース通信装置に、外部網への非接続を通知するための接続指示応答を送出することを特徴とするものである。
これにより、要請元のマルチインタフェース装置は、要請先マルチインタフェース装置の通信可否を知ることができる。
本発明の第25の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、接続検出部が外部網との接続可能性を常時監視し、接続可能性の状態が変化した時点で、接続通知部へ通知し、接続通知部が当該通知を受けて、接続可能性を知らせる接続可能性通知をローカルネットワーク上の他のマルチインタフェース通信装置へ送出することを特徴とするものである。
これにより、マルチインタフェース通信装置は、他のマルチインタフェース通信装置の外部網への接続状況、特に接続可否をリアルタイムに把握することが可能となる。
本発明の第26の態様にかかるマルチインタフェース通信装置において、外部リンクとの接続状態を通知する接続可能性通知は、外部網との接続の可否、自己を特定する識別子、および外部網との通信容量を含んでいる。
これにより、マルチインタフェース通信装置は、他のマルチインタフェース装置が通信に必要な条件に適合するか否かを判断することができる。
本発明の第27の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、接続通知部が接続可能性通知、接続指示応答、および接続完了通知を即時的に送出することを要請する即時通知要請を受信している場合、該当メッセージの生成時に即時的に要請元のマルチインタフェース通信装置へ送出することを特徴とするものである。
これにより、要請元のマルチインタフェース装置は、要請先マルチインタフェース装置の接続処理状況を遅滞なく知ることができるので、中継機能の引継をタイムロスなしに行うことができる。
本発明の第28の態様にかかるマルチインタフェース通信装置は、接続通知部が接続完了通知の送出後に、あるいは接続完了通知に代えて、接続指示の送信元であるマルチインタフェース通信装置の代理として、中継に用いるマルチインタフェース通信装置の切替を指示する経路切替指示を無線ローカルネットワークへ通知するものである。
これにより、接続指示の送信元マルチインタフェース通信装置が経路切替指示を送出するよりも早く、経路切替指示を無線ローカルネットワーク上のノードへ通知することができる。
本発明にかかる端末は、未接続のマルチインタフェース通信装置から接続要求を受信したり、接続中のマルチインタフェース通信装置から他のマルチインタフェース通信装置への経路切替を指示する経路切替指示を受信する受信部と、その受信部から通知される接続要求に基づいて要求元のマルチインタフェース通信装置と接続処理を行ったり、経路切替指示に基づいて接続済みのマルチインタフェース通信装置へ中継先を切り替える接続管理部とを具備している。
これにより、端末は中継の切替先であるマルチインタフェース装置からコネクションの確立を要求されるので、当該マルチインタフェース装置へ中継先を切り替えるときのタイムロスを削減することができる。
以上のように本発明によれば、無線ネットワークにおいて、中継機能を提供していたマルチインタフェース装置が中継を継続できなくなったとき、中継ノードが当該マルチインタフェース装置から他のマルチインタフェース装置へ高速に切り替わることができる。これにより、切り替え時のパケットロスを低減して、ネットワーク資源を効率的に活用することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図3は本発明による通信システムの構成を示す図であり、ルータ装置10a、bと無線端末20とが無線通信して無線ローカルネットワーク2を構成している。また、インターネット等の外部ネットワーク1には、アクセスポイント装置3a、3bと、外部端末40とが接続している。そしてルータ装置10a、bは無線通信によるアクセス回線によりアクセスポイント装置3a、3bと接続する。
上記のように構成された通信システムにおいて、無線端末20はルータ装置10aを介して外部端末40と通信を行う。その後、ルータ装置10aとアクセスポイント装置3a間の通信状況が悪化して通信リンクが切断されそうであることをルータ装置10aが検出する。ルータ装置10aは、無線ローカルネットワーク2上の他のルータ装置10bに無線端末20に関する通信の引き継ぎを要請する。ルータ装置10bはこれを受けて、アクセスポイント装置3bとの通信リンクを確立して無線端末20に関する通信の中継を引き継ぐ。
なお、アクセスポイント装置3a、3bは、ルータ装置10a、10bが外部ネットワーク1と通信を行うためにアクセス可能な通信装置であればよく、特に無線LANシステムにおけるアクセスポイントに限定したものではない。すなわち、セルラシステムにおける基地局装置であってもよい。
次に、各装置の構成およびその動作について、図面を用いて説明する。
図1は本発明にかかるルータ装置10の構成図である。
図1において、下位レイヤ処理部11は物理層処理と、データリンク層処理とを行うものであり、アクセスポイント装置3への無線アクセス回線に接続するものである。下位レイヤ処理部12は、無線端末20と無線通信する無線ローカルネットワーク2に接続するものである。
また、接続管理部13は、下位レイヤ処理部11、12の接続状況等を管理するものである。また、接続管理部は、イベント管理テーブル100を作成し、イベントの発生に合わせて、指定された処理部や転送先へメッセージを送出する。
図17と図18は、イベント管理テーブル100の構成を示す図であり、イベントタイプ101は発生するイベントの種類を示し、配送先102はメッセージの送信先を示し、ローカル配送先103は自己の装置内の配送先である処理部を示し、イベント送信元104はイベントを通知してきた送信元を示している。なお、配送先が、“00:00:00:00:00:00“は自己の装置内を示しており、イベント送信元104は必ずしも必要ではない。
また、ルータ切替部14は、ルータ情報管理テーブル90を作成し、無線ローカルネットワーク2上のルータ装置を管理する。そして、そのルータ情報管理テーブル90を基に中継の切替先であるルータ装置を決定し、ルータ切り替えのための指示を生成する。また、ルータ切替部14は、ルータ切り替えの指示を他のルータ装置から受けると、外部ネットワークとの接続を下位レイヤ処理部11、12に指示する。図15はルータ情報管理テーブル90の構成を示す図である。図15において、ルータアドレス91は無線ローカルネットワーク2上のルータ装置のアドレスであり、QoSレベル92は該当するルータ装置が有する通信品質を示すレベル(図14に示す)であり、帯域93は該当するルータ装置が提供できる通信帯域を示している。
さらに、バッファ15は、ルータ切り替え時に発生する他ルータ装置への転送パケットを一時的に保存しておくためのものであり、L3処理部16はネットワーク層処理を行うものであり、上位レイヤ処理部17はトランスポート層以上の処理を行うものである。
なお、下位レイヤ処理部11には、セルラ、PHS、IEEE802.16やIEEE802.20等の広域無線通信方式や、ブルートゥース(登録商標)、UWB、IEEE802.11等の狭域無線通信方式といった無線通信規格に基づくものの他、イーサネット(登録商標)等の有線通信規格に基づくものを適用することができる。
また、下位レイヤ処理部12には、ブルートゥース(登録商標)やUWB、IEEE802.11等の狭域無線通信方式といった無線通信規格に基づくものの他、イーサネット(登録商標)等の有線通信規格に基づくものを適用することができる。
図19は、下位レイヤ処理部12としてブルートゥース(登録商標)(特にPANプロファイル)を適用した場合のルータ装置10の構成を示す図である。図19において、接続管理部13は、ブルートゥーススタックのHCI(Host−Controller Interface)54と接続し、ブルートゥースSIG規格に基づいてリンクの接続や切断制御を行うとともに、リンク確立(リンク・アップ)やリンク切断(リンク・ダウン)などのリンク状態通知(リンク・イベント)を取得する。また、SDP(Service Discovery Protocol)51とも接続して、付近のブルートゥース(登録商標)搭載端末の存在を検出したり、検出した端末の属性やケーパビリティ等の情報を取得する。
これにより、リンク接続の可能性を判定することができる。例えば、接続管理部13は、接続可能な属性を有する端末との接続が可能であることを検出した場合に、後述する“リンク検出イベント”を生成して、ルータ切替部14やL3処理部16などに発行する。さらに、接続管理部13は、L2CAP(Logical Link Control and Adaptation Protocol)53とも接続し、本実施の形態にて使用する各種メッセージの送受信を行う。また、L3処理部16は、BNEP(Bluetooth(登録商標) Network Encapsulation Protocol)52と接続し、IPパケットの送受信を行う。
なお、接続管理部13は、本発明にかかる接続管理部と接続検出部に相当し、ルータ切替部14は本発明にかかる経路管理部と経路切替指示部と接続通知部に相当する。また、下位レイヤ処理部12とL3処理部16とは本発明にかかる各種メッセージの受信部、指示受信部に相当し、特に、下位レイヤ処理部12は、本発明にかかる内部リンク処理部にも相当する。また、下位レイヤ処理部11は本発明にかかる外部リンク処理部にも相当する。
上記のように構成されたルータ装置10の基本的な動作について、以下に説明する。
本実施の形態のルータ装置10のパケット交換動作は、以下の通りである。
無線ローカルネットワーク2から受信したフレームは、下位レイヤ処理部12が物理層プロトコル処理、データリンク層プロトコル処理を行った後に、L3処理部16がルーティング処理を含むIPプロトコル処理を行い、いずれかの下位レイヤ処理部11もしくは12に転送する。外部ネットワーク1からアクセスポイント装置3aを介して受信したパケットについても、下位レイヤ処理部11による物理層プロトコル処理、データリンク層プロトコル処理がされた後、L3処理部16におけるルーティング処理により、いずれかの下位レイヤ処理部11または12に転送される。
また、L3処理部16は、定期的あるいは無線ローカルネットワーク2に接続した無線端末20からの要請に応じて、無線ローカルネットワーク2に対してネットワーク情報及びルータ装置10自身の情報を、IETF RFC2461(Neighbor Discovery for IPv6)によって規定されるルータ広告メッセージ(Router Advertisement Messege)に記載して送出する。
次に、ルータ装置10の行う外部リンクとの接続性通知の動作について以下に説明する。
まず、すべての無線ローカルネットワーク2上のルータ装置10の接続管理部13は、下位レイヤ処理部11がアクセスポイント装置10と外部リンクを確立可能である、あるいは確立されたことを検出すると、接続可能性通知メッセージを無線ローカルネットワーク2に下位レイヤ処理部12を介して送出する。
図12は、接続可能性通知メッセージ1300のフォーマットを示す図であり、アドレスフィールド1301、メッセージタイプフィールド1302、メッセージIDフィールド1303、ステータスフィールド1304、提供QoSレベルフィールド1305、および提供帯域フィールド1306を少なくとも有する。
図12において、アドレスフィールド1301は送信元アドレスと宛先アドレスとを示し、メッセージタイプ1302はメッセージの種類を特定するものであり、メッセージID1303はメッセージを特定する識別子であり、ステータスフィールド1304は接続状態を示すものである。接続状態としては、接続不可を示す値‘0’と接続可能であることを示す値‘1’とが設定される。提供QoSレベル1305は図14に示したQoSの性能を示すレベルであり、提供帯域1306は外部リンクとの通信帯域を示すものである。
なお、異なるメッセージタイプを指定することにより、外部リンクを確立可能であることを通知するメッセージと、既に確立されたことを示すメッセージとを区別してもよい。これによれば、接続可能性通知メッセージ1300を受信したノードは、外部リンク確立に要する時間の有無をメッセージタイプの確認だけで即座に判別することができる。
具体的には、接続管理部13は、アドレスフィールド1301の送信元アドレスに自己の下位レイヤ処理部12に割り当てられたL2アドレス、宛先アドレスにすべてのルータ装置に到達可能なマルチキャストアドレス、あるいはブロードキャストアドレスを記載する。なお、宛先とするルータ装置10を特定できる場合は、そのルータ装置10のL2アドレスを記載してもよい。
さらに、接続管理部13は、メッセージタイプフィールド1302に接続可能性通知メッセージであることを特定するための識別子、メッセージIDフィールド1303にメッセージを特定するための識別子を記載する。ステータスフィールド1304には、接続可能であることを示す値‘1’を記載する。提供QoSレベルフィールド1305には、対象の下位レイヤ処理部11が接続する外部リンクが提供するQoS性能82にあったQoSレベル81の値を記載する。同様に、提供帯域フィールド1306には、外部リンクの通信帯域値を記載する。
次に、無線ローカルネットワーク2上のルータ装置10において、接続管理部13は、自己以外のルータ装置10から送出された接続可能性通知メッセージ1300を下位レイヤ処理部12を介して受信すると、各フィールドに記載された内容をルータ切替部14に通知する。ルータ切替部14は、通知された内容に基づいて、ルータ情報管理テーブル90を作成する。すなわち、ルータ切替部14は、アドレスフィールド1301の送信元アドレスをルータアドレス91、提供QoSレベルフィールド1305の値をQoSレベル92、提供帯域フィールド1306の値を帯域93に記載する。
また、ルータ装置10は、下位レイヤ処理部11の外部リンクの接続状態を常時監視し、外部リンクとの接続が不可能となったことを検出すると、その時点でステータスフィールド1304に接続不能であることを示す値‘0’を記載した接続可能性通知メッセージ1300を無線ローカルネットワーク2に送出する。そして、これを受信した他のルータ装置10の接続管理部13は、ルータ切替部14に接続不能であるという通知を転送する。ルータ切替部14は、接続不能であるという通知を受けて、ルータ情報管理テーブル90の該当するエントリを削除する。これにより、ルータ装置10は、常に他のルータ装置の外部リンクとの接続状態を管理することができる。特に、デフォルトルータとして動作しているルータ装置10は、自己の外部リンク接続が切断する可能性を検出したときに、外部リンクを確立可能なルータ装置、あるいは既に外部リンクを確立しているルータ装置10を切替先ルータ装置に指定することができる。
なお、上記の説明では、接続可能性通知メッセージ1300はステータスフィールド1304を有していたが、これに限らず、ステータスフィールド1304を設けずに、接続可能性ありの通知と接続不能を通知するための個別のメッセージを設けることも可能である。
また、接続可能性通知メッセージ1300に下位レイヤ処理部11の識別子を記載するフィールドを追加し、さらにルータ情報管理テーブル90にも同様の識別子を記載する欄を追加することで、接続可能性が検出された(あるいは接続可能性が失われた)下位レイヤ処理部11の識別子を無線ローカルネットワーク2上のルータ装置10に通知してもよい。
これにより、ルータ装置10が外部ネットワーク1と接続するための複数の下位レイヤ処理部11を有している場合(例えば、携帯電話網インタフェースと無線LANインタフェース等)に、切替元ルータ装置はそれぞれの下位レイヤ処理部11の接続状況を管理できるので、切替先ルータ装置に対してQoS要件に合致した下位レイヤ処理部11を指定することが可能になる。
また、接続可能性通知メッセージ1300に、特に提供QoSレベルや提供帯域に関する情報を転送するフィールドを設けずに、接続可能であるか否かの情報だけで切替先を決定することにより、メッセージ転送効率およびルータ装置10内の処理効率を向上することができる。
次に、ルータ装置10におけるルータ切替処理の動作について、図面を用いて説明する。
図6は、本実施の形態における切替元ルータ装置のルータ切替処理の動作を示す処理フロー図である。なお、一連のルータ切替処理を開始するルータ装置10を特にルータ装置A(10a)(あるいは切替元ルータ装置10a)とよび、ルータ装置A(10a)によって切替先に指定されたルータ装置10を特にルータ装置B(10b)(あるいは切替先ルータ装置10b)とよぶ。
初めに、ルータ装置A(10a)におけるルータ切替処理の動作について説明する。
まず、接続管理部13が、下位レイヤ処理部11とアクセスポイント装置3aとの間の通信リンク(以下、「外部リンク」とよぶ。)の接続状況の悪化を検出したり、パケット転送先への接続性が失われたことを検出したり、また、装置のシャットダウンなどを目的として、ユーザや上位レイヤ処理部17などから明示的に通信リンクの切断要求を受けると、ルータ切替部14に外部リンクとの切断可能性ありを通知する(ステップS601)。
ここで、外部リンクの接続状況は、接続管理部13が定期的にあるいは必要に応じたタイミングで下位レイヤ処理部11から取得したり、接続管理部13が事前に下位レイヤ処理部11に登録を行うことにより接続状況が変化したタイミングで下位レイヤ処理部11から非同期に通知を受けたりすることができる。この外部リンクの接続状況は、標準的には所望の受信電界強度やビットエラーレート等を測定し、その変化により判断する。
例えば、接続管理部13は、受信電界強度の低下を観測することによって接続状況の悪化を判断し、さらに所定の通信品質を確保するのに必要な電解強度値を下回ったときに、これ以上の通信が不可能であるとして切断可能性ありを検出する。
また、接続管理部13は、パケット転送先への接続性の検出のために、L3処理部16や上位レイヤ処理部17による到達確認の結果(例えばL3処理部16によるピング(ping)応答の有無)を定期的に、あるいは必要に応じたタイミングで取得したり、L3処理部16や上位レイヤ処理部17から非同期に通知を受けて判定する。
なお、切替元ルータ装置A(10a)は、他のルータ装置10やユーザや上位層処理部からの切替要請を受けたことを条件に外部リンクとの切断可能性の検出を実施するものであってもよい。これは、切替元ルータ装置A(10a)の外部リンクは悪化していないが、さらに通信条件のよいルータ装置10を中継路としたい場合に有用である。なお、他のルータ装置10による切替要請は、切替要請を示すメーセージタイプ情報と送信元アドレスを有する切替要請メッセージを用いて行うことができる。
次に、ルータ切替部14は、ルータ情報管理テーブル90にて管理されるルータ情報の中から、現在の下位レイヤ処理部11からの切り替えによって、現在中継を行っている通信フロー(以下、中継フローとよぶ)の品質を極力損なわないような外部リンクを有するルータ装置10を切替先として選択する。そして、ルータ切替部14は、接続管理部13にL2アドレス、要求QoS、および要求帯域値を通知し、接続管理部13が接続指示メッセージ1000を以下のようにして生成する。
図9は、接続指示メッセージ1000のフォーマットを示す図であり、メッセージの送信元および宛先を示すアドレスフィールド1001、メッセージタイプフィールド1002、メッセージIDフィールド1003、要求QoSレベルフィールド1004、要求帯域フィールド1005、接続要求時間フィールド1006、および端末アドレスフィールド1007を有する。
図9において、メッセージタイプ1002はメッセージの種類を特定するものであり、メッセージID1003はメッセージを特定する識別子であり、要求QoSレベル1004は図14に示したQoSの性能を示すレベルであり、要求帯域1005は要求する通信帯域を示すものであり、接続要求時間1006は自己が接続する外部リンクが切断されるまでの予想時間を示すものであり、端末アドレス1007は中継中あるいは近隣キャッシュやARPキャッシュに登録されている端末のアドレスを示すものである。ここで、要求QoSレベルフィールド1004と要求帯域フィールド1005に記載する内容を、特にQoS要求パラメータとよぶ。
接続管理部13は、アドレスフィールド1001の送信元(From:)に自己(ルータ装置A(10a))の下位レイヤ処理部12に割り当てられたL2アドレス、宛先(To:)に切替先とするルータ装置B(10b)の下位レイヤ処理部12に割り当てられたL2アドレスを記載する。ここで、接続指示メッセージ1000に、さらにルータ装置A(10a)を示す識別子を設けてもよい。これにより、複数の下位レイヤ処理部12によって無線ローカルネットワーク2に接続され、通信相手の外部端末40に対して複数の経路をとり得る場合でも、送信元L2アドレスによらずルータ装置A(10a)を一意に識別することが可能となる。
続いて、接続管理部13は、接続指示メッセージ1000を特定するための識別子をメッセージタイプフィールド1002に、メッセージ自身を特定するための識別子をメッセージIDフィールド1003に記載する。さらに、要求QoSレベルフィールド1004には、QoSレベル一覧表80に基づいて、要求するQoS性能82のレベル値81を記載し、要求帯域フィールド1005には同様に要求する帯域値(例えば10Mbpsなど)を記載する。ここで、要求QoSレベルフィールド1004と要求帯域フィールド1005には、下位レイヤ処理部11のQoS性能に相当するQoS性能値、通信帯域値をそれぞれ記載する。各値は、サービスにおける公称値に基づくものであっても、下位レイヤ処理部11の実態に基づくものであってもよい。
あるいは、さらに詳細なQoS性能を抽出するために、ルータ切替部14は、中継フローが存在するか否かをL3処理部16あるいは下位レイヤ処理部11、12等から取得し、さらに中継フローが要求するQoS性能が明らかな場合は、そのQoS性能から要求QoS性能を抽出してもよい。
例えば、L3処理部16において中継パケットの受信時間間隔とパケットサイズを監視することにより、パケット中継レートを算出でき、所望の通信帯域値を抽出できるとともに、中継パケットの受信時間間隔の推移からリアルタイム中継の必要性を判別することができる。
さらに、L3処理部16は、中継パケットの中継先が無線ローカルネットワーク2であるか否かを特定し、中継フロー特性を上りと下りで個別に監視することにより、要求すべきQoS性能値を的確に抽出することができる。
また、中継フローの監視は、無線端末20ごと、さらにはTCP/UDP等で使用するポートやアプリケーション単位で実施することにより適したQoS性能を抽出できる。
続いて、接続管理部13は、接続要求時間フィールド1006に、自己の下位レイヤ処理部11の外部リンクが切断されるまでの予想時間(例えば3000ミリ秒など)を記載する。なお、切替先ルータ装置10に接続処理に要する時間を要求する必要がない場合は、接続指示メッセージ1000に接続要求時間フィールド1006を特に設けなくてもよい。あるいは、接続要求時間に関する一切の処理を不要とする所定の値を記載しておくことにより、受信側での処理を省略させてもよく、処理負荷の低減を図ることができる。
また、接続管理部13は、端末アドレスフィールド1007に、自己(ルータ装置A(10a))が中継している、もしくは最近まで中継していたフローを終端する無線端末20のL2アドレスを記載する。あるいは、ルータ切替部14がL3処理部16の保有するIETF RFC2461にて規定される近隣キャッシュ(Neighbor Cache)やARPキャッシュを参照して、最近の通信実績のある無線端末20を特定する。そして、ルータ切替部14はそのL2アドレスを接続管理部13に通知し、接続管理部13が端末アドレスフィールド1007に記載する。なお、近隣キャッシュには無線端末20だけでなく、ルータ装置10の情報も含まれる。しかし、近隣キャッシュから無線端末20の情報だけを抽出するには、ローカルネットワーク2を流れるルータ広告メッセージからルータ装置10のIPアドレスを取得して、近隣キャッシュから情報を抽出する際にルータ装置10のIPアドレスを除外(フィルタリング)することにより可能である。
ここで、端末アドレスフィールド1007に記載すべきものが複数ある場合、接続管理部13は端末アドレスフィールド1007を複数設ける。なお、無線ローカルネットワーク2がイーサネット(登録商標)等で構成され、切替先ルータ装置B(10b)と無線端末20間で、ルータ切替に際して明示的な通信リンクの確立が不要であることが明らかな場合は、接続指示メッセージ1000に端末アドレスフィールド1007を設けなくてもよい。さらには、ルータ装置A(10a)とルータ装置B(10b)のルータ切替部14間で無線端末20のアドレスを通知するためのメッセージ交換を別途実施する場合、接続指示メッセージ1000に端末アドレスフィールド1007を設けなくてもよい。また、ルータ装置A(10a)のルータ切替部14が後述する接続要求メッセージ1400を接続管理部13に発行させて、無線端末20との接続をルータ装置B(10b)の接続管理部13に別途指示するような場合も、接続指示メッセージ1000に端末アドレスフィールド1007を設けなくてもよい。
以上のようにして生成された接続指示メッセージ1000は、下位レイヤ処理部12を介してローカルネットワークの指定のルータ装置へ送信される(ステップS602)。なお、接続指示メッセージ1000は、接続管理部13が生成するのではなく、ルータ切替部14が生成して送信するものであってもよい。また、ルータ装置10が中継するフローのQoSを維持するための要求を行わない場合、接続指示メッセージ1000は、要求QoSレベルフィールド1004や要求帯域フィールド1005を含まなくてもよい。
なお、ルータ切替部14が切替先ルータ装置B(10b)を特定できない場合、接続管理部13は、アドレスフィールド1001の宛先にすべてのルータ装置に到達可能なマルチキャストアドレスあるいはブロードキャストアドレスを記載して、無線ローカルネットワーク2に接続指示メッセージ1000を送信する。
次に、接続指示メッセージ1000を送出した後、接続管理部13は、下位レイヤ処理部12を介して接続指示応答メッセージ1100を受信すると、ルータ切替部14に通知する(ステップS603)。
図10は、接続指示応答メッセージ1100のフォーマットを示す図であり、アドレスフィールド1101、タイプフィールド1102、メッセージIDフィールド1103、ステータスフィールド1107、提供QoSレベルフィールド1104、提供帯域フィールド1105、および接続所要時間フィールド1106を少なくとも含む。なお、ステータス1107は外部リンクとの接続適合性を示すものであり、要求された条件に適合する場合は‘0’が記載され、外部リンクと接続できない場合は‘1’が記載され、要求条件に不適合である場合は‘2’が記載される。また、提供QoSレベル1104は外部リンクとの通信で提供可能な通信品質を図14に記載のレベル値で示すものである。
このとき、接続管理部13は、先に送出した接続指示メッセージ1000の応答であることを、接続指示メッセージ1000のメッセージIDフィールド1003と接続指示応答メッセージ1100のメッセージIDフィールド1103が同一であることから確認する。そのうえで接続管理部13は、ルータ切替部14に各フィールドに記載された情報(値)を転送する。ルータ切替部14は、これを受けて、ステータスフィールド1107に記載された値から、ルータ装置B(10b)を切替先とするのに適しているか否かの判定を行う(ステップS604)。
例えば、ステータス1107の値が「外部リンクを確立することができ、要求QoS性能も満足する」ことを示す‘0’であった場合は、ルータ切替部14はルータ装置B(10b)を切替先に決定する。一方、ステータス1107の値が「外部リンクを確立することができない」ことを示す‘1’や、「外部リンクを確立できるが、要求QoS性能を満足しない」ことを示す‘2’、またはその他の理由により切替先となりえない旨の応答であった場合は、ルータ切替部14はルータ装置B(10b)を切替先にせず、他のルータ装置10を対象に、再度ステップS602から処理を行う。
さらに、ルータ切替部14は、提供QoSレベルフィールド1104および提供帯域フィールド1105に記載された値から、ルータ装置B(10b)が提供可能なQoSレベルと帯域を確認する。さらに、ルータ切替部14は、接続所要時間フィールド1106の値が、自身の下位レイヤ処理部11の外部リンクが切断されるまでの予想時間を上回る場合、ルータ装置B(10b)を切替先にせず、他のルータ装置10を対象にステップS602から処理を再開する。あるいは、ルータ切替部14は、接続所要時間フィールド1106の値が、自身の下位レイヤ処理部11の外部リンクが切断されるまでの予想時間を上回る場合であっても、自己(ルータ装置A(10a))が中継パケットのバッファリング機構を有している場合は、外部リンク切断後の中継パケットをバッファリングするものとして、接続所要フィールド1106に記載された値の評価を省略する。あるいは、バッファリングに必要なバッファサイズを有しているかを算出したりして、ルータ装置A(10a)がルータ装置B(10b)を切替対象とする処理を継続してもよい。
また、ルータ切替部14は、既に外部リンクが切断され、ルータ切替部14からの制御により、L3処理部16が無線端末20を送信元とする中継パケットをバッファ15に一時的に蓄積している場合、今後必要となる蓄積容量を中継パケットの受信頻度とサイズから概算して、効率的なリソース管理を行う。
なお、切替先ルータ装置B(10b)から切替元ルータ装置A(10a)に対して、接続処理に要する時間を提示してもらう必要がない場合は、接続所要時間フィールド1106を設けなくてもよい。あるいは、接続所要時間に関する一切の処理を不要とする所定の値を接続指示メッセージに記載しておくことにより、受信側での処理を省略させてもよい。これにより、処理負荷の低減を図ることができる。
また、接続管理部13は、ルータ装置A(10a)が、接続指示応答メッセージ1100を受信するまでの許容待ち時間を設定して、受信待ち状態を管理してもよい。特に、許容待ち時間として下位レイヤ処理部12のコネクション維持時間を採用し、下位レイヤ処理部12のコネクションが切断されるか休眠状態に入るまでメッセージの受信を待つようにしてもよい。
あるいは、接続管理部13は、下位レイヤ処理部12におけるルータ装置B(10b)とのコネクション状態から、接続指示応答メッセージ1100の受信待ち状態を解除してもよい。例えば、接続管理部13は、ルータ装置B(10b)との交信が不可能であることをRFC2461で規定されるようなIPv6における近隣キャッシュや、RFC826で規定されるようなIPv4におけるARPにより検出し、他のルータ装置B(10b)に対する切替処理を開始してもよい。
ルータ装置A(10a)のルータ切替部14は、ルータ装置B(10b)が切替先として適切ではないと判定した場合、ルータ装置B(10b)が接続処理を行っている外部リンクを切断することを指示する切断要求メッセージをルータ装置B(10b)に向けて送出するように、接続管理部13に指示してもよい。このとき、ルータ装置A(10a)の接続管理部13は、ルータ切替部14からの指示を受けて切断要求メッセージを送出する。それを受信したルータ装置B(10b)の接続管理部13は、先に受信したルータ装置A(10a)からの接続指示メッセージ1000によって接続処理を行っている外部リンクとの切断処理を開始する。このようにルータ装置A(10a)が切替先ルータ装置の接続可否を判断することによって、結果的に使用されなくなるルータ装置B(10b)の外部リンクを早い時点で切断できるので、ルータ装置B(10b)は通信費用や消費電力の浪費を抑えることができる。
次に、接続管理部13が下位レイヤ処理部12を介して接続完了通知メッセージ1200を受信すると、ルータ切替部14に通知する(ステップS605)。図11は、接続完了通知メッセージ1200のフォーマットを示す図であり、アドレスフィールド1201、メッセージタイプフィールド1202、メッセージIDフィールド1203、ステータスフィールド1207、提供QoSレベルフィールド1204、および提供帯域フィールド1205を少なくとも有する。各フィールドの内容は、先に説明した接続指示応答メッセージ1100が有するものと基本的に同じである。ただし、ステータスフィールド1207は外部リンクの確立に成功したか否かを示すものである。
次に、ルータ切替部14は、通知された接続完了通知メッセージ1200のステータスフィールド1207を参照して、ルータ装置B(10b)が外部リンクの確立に成功したか否かを判別する(ステップS606)。外部リンクが確立できなかった場合、再度他のルータ装置10を対象にステップS602へ処理は戻される。
次に、ルータ切替部14は、切替先ルータ装置B(10b)が外部リンクとの確立を完了したことを判別すると、経路切替指示メッセージとして、RL=0のルータ広告メッセージを送出するようL3処理部16に指示する。L3処理部16はこれを受けて、下位レイヤ処理部12を介して無線ローカルネットワーク2にルータ広告メッセージを送出する(ステップS607)。
なお、接続管理部13は、接続指示応答メッセージ1100を受信することなく、接続完了通知メッセージ1200を受信した場合、上記の接続指示応答メッセージ1100を受信したときの処理を特に実施する必要はない。
また、ルータ切替部14は、ルータ装置B(10b)が切替先として適切であると判定したことを受けて(ステップS604)、無線端末20に特定の通信装置(ここではルータ装置B(10b))との接続処理を開始するように、接続管理部13が接続要求メッセージを送信するように指示してもよい。これにより、無線端末20とルータ装置B(10b)との下位レイヤにおけるコネクションを、ルータ装置A(10a)とルータ装置B(10b)間の切替処理が完了する前に実施しておくことが可能になるので、高速な切替処理を実現することができる。
図13は、接続要求メッセージ1400のフォーマットを示す図であり、アドレスフィールド1401、タイプフィールド1402、メッセージIDフィールド1403、およびルータ装置アドレスフィールド1404を少なくとも有する。
接続管理部13は、ルータ切替部14から無線端末20のアドレスとルータ装置B(10b)のアドレスを取得する。さらに、アドレスフィールド1401の送信元を自己(ルータ装置A(10a))のアドレス、宛先を無線端末20のアドレスに設定し、ルータ装置アドレスフィールド1404にルータ装置B(10b)のアドレスを記載して、下位レイヤ処理部12を介して送出する。
なお、ルータ切替部14が接続管理部13から接続完了通知メッセージ1200の受信通知を受ける前、あるいは接続完了通知メッセージ1200の受信通知を受けた直後に、ルータ装置B(10b)からの、経路切替指示メッセージに対する受信通知をL3処理部16から受けた場合、ルータ切替部14は経路切替指示メッセージの送出指示をL3処理部16に発行しない。
ここで、上記経路切替指示メッセージ(ルータ広告メッセージ)の送信元がルータ装置B(10b)であるか否かは、メッセージのレイヤ2アドレスがルータ装置B(10b)のものと同一であるか否かを比較することにより判断することができる。
次に、切替先ルータ装置B(10b)におけるルータ切替処理の動作について、図7の動作フローを用いて説明する。
図7において、まず、ルータ装置B(10b)の接続管理部13は、下位レイヤ処理部12を介して接続指示メッセージ1000を受信する(ステップS650)。
下位レイヤ処理部11は、アクセスポイント装置3bと外部リンクを確立することが可能か否かを、アクセスポイント装置3bからの電波強度や、無線LANであればSSID、あるいはWEPキー等の情報を取得しているかによって判定する(ステップS651)。
具体的には、下位レイヤ処理部11は、通信プロトコルの制御チャネルを利用して、アクセスポイント装置3bが提供するネットワークの情報をアクセスポイント装置3bから取得する。例えば、アクセスポイント装置3bへの通信が無線LANであれば、SSIDの同一性を判定するなどして接続性を確認することができる。あるいは、下位レイヤ処理部11は、実際にアクセスポイント装置3bと接続処理を行い、通信状態を確認してもよい。
接続管理部13は、下位レイヤ処理部11から接続不可能である通知を受けた場合、接続指示応答メッセージ1100のステータスフィールド1107に記載する値を‘1’に決定する(ステップS652)。
なお、本処理は、接続管理部13が接続指示メッセージ1000の受信を受けて、メッセージ内容をルータ切替部14に通知し、ルータ切替部14が接続管理部13に下位レイヤ処理部11の外部リンクへの接続性を判定するように指示してもよい。その場合、接続指示応答メッセージ1100に記載する値は、ルータ切替部14が接続管理部13に通知し、接続管理部13が接続応答メッセージ1100に記載する。
ステップS651において、外部リンクと接続可能あるいは既に接続済みである場合、接続管理部13は、さらに接続指示メッセージ1000の要求QoSレベルフィールド1004と要求帯域フィールド1005にて通知された要件を満足できるものであるかを判定する(ステップS653)。そして、下位レイヤ処理部11が提供するQoSレベルと通信帯域が、通知された要求値以下あるいは劣るものである場合、接続管理部13は、接続指示応答メッセージ1100のステータスフィールド1107に記載する値を‘2’に決定する(ステップS654)。
また、外部リンクを確立可能でQoS要件も満たすことが判定されると、接続管理部13は、接続指示応答メッセージ1100のステータスフィールド1107に記載する値を‘0’に決定する(ステップS655)。なお、本処理は、接続管理部13が接続指示メッセージ1000の受信を受けて、メッセージ内容をルータ切替部14に通知し、ルータ切替部14が接続管理部13に要求QoSおよび要求帯域に関する処理を実施するように指示してもよい。その場合、接続指示応答メッセージ1100に記載する値は、ルータ切替部14が接続管理部13に通知し、接続管理部13が接続応答メッセージ1100に記載する。
次に、接続管理部13は、アクセスポイント装置3bと未接続である場合に、接続(外部リンク確立)処理を下位レイヤ処理部11に指示するとともに、接続指示メッセージ1000の端末アドレスフィールド1007に記載されたアドレスの無線端末20とのリンク接続処理を下位レイヤ処理部12に指示する(ステップS656)。
なお、本処理は、接続管理部13が接続指示メッセージ1000の受信を受けて、メッセージ内容をルータ切替部14に通知する。そして、ルータ切替部14が接続管理部13に対して、下位レイヤ処理部11のリンク接続処理開始と無線端末20とのリンク接続処理開始を指示するものであってもよい。また、ルータ装置A(10a)とルータ装置B(10b)のルータ切替部14間で、接続指示メッセージ1000とは別に無線端末20のアドレスを通知するためのメッセージ交換を行ってもよい。その場合、ルータ装置B(10b)の接続管理部13は、下位レイヤ処理部11にリンク接続処理を指示したタイミングをルータ切替部14に通知し、それを受けてルータ切替部14が無線端末20と下位レイヤ処理部12との間のリンク接続処理を接続管理部13に指示する。
次に、接続管理部13は、接続指示応答メッセージ1100を生成して送出する(ステップS657)。すなわち、接続管理部13は、接続指示応答メッセージ1100のアドレスフィールド1101の送信元を自己(ルータ装置B(10b))のアドレス、宛先を接続指示メッセージ1000の送信元アドレス(ルータ装置A(10a))に設定し、メッセージIDフィールド1103に接続指示メッセージ1000のメッセージIDフィールド1003と同じ値を設定する。さらに、ステータスフィールド1107に先に決定した値を記載し、提供QoSレベルフィールド1104と提供帯域フィールド1105に、下位レイヤ処理部11が提供可能なレベルおよび帯域を記載する。また、接続所要時間フィールド1105には、下位レイヤ処理部11がアクセスポイント装置3bと外部リンクを確立するのに要する想定時間と、下位レイヤ処理部12が無線端末20とリンクを確立するのに要する想定時間のいずれか一方(最大値)を記載する。接続管理部13は、以上の設定を行った後、下位レイヤ処理部12を介して無線ローカルネットワーク2に送出する。
なお、ステップS656とS657の実施順序は、必ずしも上記の説明した順序である必要はなく、ステップS657(接続指示応答メッセージ1100の送出)を行った後にステップS656を実施してもよいし、両ステップを同時に実施するものであってもよい。
次に、接続管理部13は、下位レイヤ処理部11と下位レイヤ処理部12とがそれぞれの接続先とリンク接続処理を完了したことを受けて(ステップS658)、接続完了通知メッセージ1200を送出する(ステップS659)。このとき、接続完了通知メッセージ1200のアドレスフィールド1201の送信元を自己(ルータ装置B(10b))のアドレス、宛先を接続指示メッセージ1000の送信元アドレス(ルータ装置A(10a))に設定し、メッセージIDフィールド1203に接続指示メッセージ1000のメッセージIDフィールド1003と同じ値を設定する。さらに、ステータスフィールド1207に、両方の接続処理が正常に完了した場合には正常終了を示す‘0’を、正常に終了できなかった場合にはそれ以外のエラー値を記載する。また、提供QoSレベルフィールド1204と提供帯域フィールド1205には、下位レイヤ処理部11が提供可能なレベルおよび帯域を記載する。
また、L3処理部16は、接続管理部13からの通知を受けて、ルータ広告メッセージを無線ローカルネットワークへ送出する。このルータ広告メッセージは、本発明にかかる自己のネットワーク情報を通知する自己情報通知メッセージに相当する。これにより、無線端末20は、ルータ装置B(10b)が中継可能なルータ装置であると認識し、ルータリストにルータ装置B(10b)を追加する。
このように、本発明の目的を達成するには、接続管理部13が双方の処理が完了したことを受けて接続完了通知メッセージ1200を送出することが必要である。
また、無線端末20との接続を行う必要がない場合は、下位レイヤ処理部11におけるリンク接続が完了した時点でステップS659に進む。
なお、接続管理部13は、接続完了通知メッセージ1200の送信完了をルータ切替部14に通知し、それを受けてルータ切替部14が、切替指示メッセージとしてRL=0、送信元をルータ装置A(10a)としたルータ広告メッセージを送出するようL3処理部16に指示してもよい。あるいは、接続管理部13が、下位レイヤ処理部11および下位レイヤ処理部12がそれぞれの接続先とリンク接続処理を完了したことを受けて(ステップS658)、接続完了通知メッセージ1200をすることなくルータ切替部14に通知し、ルータ切替部14が切替指示メッセージとしてRL=0、送信元をルータ装置A(10a)としたルータ広告メッセージを送出するようL3処理部16に指示してもよい。
また、ルータ切替部14が無線端末20のアドレスを接続指示メッセージ1000ではなく、他の専用のメッセージで通知された場合、ルータ切替部14が、別途無線端末20とのリンク接続処理を接続管理部13を介して下位レイヤ処理部12に指示する。この場合、接続管理部13は、無線端末20との接続が完了したことを受けて、別途接続完了通知メッセージ1200をルータ装置A(10a)に送信する。そして、ルータ装置A(10a)は、ルータ装置B(10b)における外部リンク接続完了に対する接続完了通知メッセージ1200と、内部リンク上の無線端末20との接続完了に対する接続完了通知メッセージ1200の両方を受信した後にステップS606へ移行する。
そのため、接続完了通知メッセージ1200に、外部リンクとの接続完了であるか、あるいは端末との接続完了であるかを識別するための識別情報を記載するフィールドを追加する必要がある。この識別情報としては、例えば、接続先のアドレスや、リンク接続を行った下位レイヤ処理部の識別子などである。
また、下位レイヤ処理部12が無線端末20とのリンク接続を完了したタイミングを接続管理部13を介してL3処理部16に通知してもよい。あるいは、そのタイミングを接続管理部13からルータ切替部14へ、そしてルータ切替部14からL3処理部16へ通知して、L3処理部16がルータ広告メッセージ(Router Advertisement Messege)を無線ローカルネットワーク2に送出してもよい。これにより、L3処理部16によるルータ広告メッセージの送信開始タイミングを的確に指示することができ、無線端末20に新たなルータ装置10(ここではルータ装置B(10b))との接続を迅速に検出させることができるので、無線端末20はルータ切替処理を高速に実施することが可能になる。
また、ルータ装置B(10b)の接続管理部13が、接続指示応答メッセージ1100あるいは接続完了通知メッセージ1200を送出する前に、下位レイヤ処理部11の外部リンクが切断されたことを検知した場合、ルータ装置B(10b)の接続管理部13は、リンク切断通知メッセージをルータ装置A(10a)に送信する。この切断通知メッセージは、接続可能性通知メッセージ1300のステータス1304に外部リンクと接続できない状態を示す‘1’を設定したものである。
ルータ装置A(10a)の接続管理部13は、リンク切断通知メッセージをルータ装置B(10b)から受信したことを受けて、接続指示応答メッセージ1100あるいは接続完了通知メッセージ1200の受信待ち状態を終了させる。さらに、接続管理部13は、ルータ装置B(10b)からのリンク切断通知メッセージの受信をルータ切替部14に通知し、ルータ切替部14がルータ情報管理テーブル90からルータ装置B(10b)に該当するエントリを削除する。
また、切替元ルータ装置A(10a)はステップS604において、切替先ルータ装置B(10b)から受信した通信品質(QoS)等が不適切であると判定した場合、切替先ルータ装置B(10b)へ接続指示の取消要求をすることができる。この場合、切替先ルータ装置B(10b)は既に外部リンクとの接続処理を開始しているのであれば、接続処理を中止する。また、端末に対しても同様に、接続処理を中止する。
さらに、本実施の形態では、切替先ルータ装置B(10b)が、ステップS651乃至S654においてステータスを決定した後に、外部リンクへの接続を行っているが、これに限らず、外部リンクへの接続の可能性がないと判断したとき、あるいはQoS要件を満たさないと判断したときは、外部リンクへの接続処理や端末との接続処理を開始しないようにすることも可能である。この場合、切替先ルータ装置B(10b)は、接続指示応答メッセージを送信した後に、すべての処理を終了することになる。
なお、本実施の形態において、ルータ装置10の接続管理部13がすべてのメッセージを、下位レイヤ処理部12を介して取得するとしたが、L3処理部16を介して取得するものであってもよい。これにより、無線ローカルネットワーク2が複数の通信メディアによって構築されている場合に、異なるメディアに属するルータ装置10との間の切替が可能となる。
また、送信元ルータ装置10(あるいは接続管理部)を特定するためのアドレス情報とは異なる識別子をルータ装置間で規定し、その識別子を記載するフィールドを本発明に係る接続指示メッセージ、接続指示応答メッセージ、接続完了メッセージ、接続可能性通知メッセージ、接続要求メッセージ、および通知登録メッセージに設ける。これにより、特にローカルネットワークに接続する複数の下位レイヤ処理部12を有するルータ装置からこれらのメッセージを受信したルータ装置および無線端末は、メッセージの送信元を容易に特定することができるので、メッセージの送受信状態をはじめルータ切替処理を統合的に実施することが可能になり、処理効率の向上を図ることができる。
以上のように、本発明によるルータ装置は、切替先ルータ装置との間で外部リンク状況の悪化やリンク確立等のイベントに基づくリアルタイムなメッセージ交換を行うことにより、高速なルータ切替を実現し、パケットロスを低減することが可能となる。
次に、ルータ装置10が上記の接続性通知を他のルータ装置へ要求する動作について以下に説明する。
まず、接続性通知の要求元ルータ装置(ルータ装置A(10a))は、他のルータ装置(ルータ装置B(10b))が外部リンクを確立できるか否かをリアルタイムに知るため、通知登録メッセージをルータ装置B(10b)に送信する。この通知登録メッセージ1500は、イベントが発生したら、リアルタイムに取得したいメッセージを登録するものであり、送信を望むルータ装置に対してのみ登録すればよい。なお、このときの通知登録メッセージは、外部リンク確立の可能性が明らかとなった時点で、接続可能性通知メッセージ1300の送信を要求するものである。
図16は、通知登録メッセージ1500のフォーマットを示す図である。図16において、アドレスフィールド1501はメッセージの送信元アドレス(From)と宛先アドレス(To)を示し、タイプフィールド1502は通知登録メッセージを識別する値を示し、イベントタイプフィールド1504は送付対象である通知(イベント)メッセージの識別子を示す。すなわち、イベントタイプフィールド1504に各メッセージの識別子を設定することにより、接続可能性通知メッセージ1300以外の非同期に発生する下位レイヤ処理部11や外部リンクに関する状態変化(イベント)を通知するメッセージ(リンク切断通知メッセージや接続完了通知メッセージなど)の送出要求を登録することができる。
上記の通知登録メッセージ1500を他のルータ装置へ送出するときの動作を詳細に説明する。
すなわち、ルータ装置A(10a)のルータ切替部14は、接続可能性通知メッセージ1300をリアルタイムで送信するようにルータ装置B(10b)に対して要求することを接続管理部13に指示する。接続管理部13はこれを受けて、接続可能性通知メッセージ1300の識別子が記載された通知登録メッセージ1500をルータ装置B(10b)へ送信する。
このとき、接続管理部13は、図18に示すようなイベント管理テーブルに該当するエントリを生成する。すなわち、接続管理部13はイベントタイプ101を接続可能性通知メッセージ1300とし、配送先102を”00:00:00:00:00:00”、ローカル配送先103をルータ切替部14とするエントリを生成する。このとき、装置内で発生するイベント通知と外部装置で発生するイベント通知を区別するために、イベント送信元104を追加してもよい。図18では、ルータ装置B(10b)のアドレスを、仮に”11:22:33:44:55:66”とした。これにより、ルータ装置A(10a)の接続管理部13は、本来所望するルータ装置B(10b)におけるイベント通知のみをルータ切替部14に配信することができるので、処理負荷を低減することができる。
次に、ルータ装置B(10b)の接続管理部13は、この通知登録メッセージ1500を受信すると、図17に示すイベント管理テーブル100に通知された情報を登録する。
すなわち、ルータ装置B(10b)の接続管理部13は、登録対象である通知メッセージ(ここでは接続可能性通知メッセージ1300)の識別子をイベントタイプ101に、ルータ装置A(10a)のアドレス(ここでは仮に”22:33:44:55:66:77”とした)を配送先102に記載する。なお、図17には、リンク切断通知メッセージが発生した際にアドレス”33:44:55:66:77:88”に送付する旨の登録や、接続可能性通知メッセージ1300を装置内のルータ切替部14にも配送する旨の登録を参考として記載している。
このように、ルータ装置B(10b)の接続管理部13は下位レイヤ処理部12からリンクの状態や特性、またはイベント通知を受け取ると、イベント管理テーブル100に基づいて、その転送先が外部の装置であるか内部の処理部であるかを判定する。そして、転送先が外部の装置である場合、接続管理部13は受け取った情報をメッセージに含めて外部の装置宛に送出する。
また、ルータ装置B(10b)の接続管理部13は、下位レイヤ処理部11から接続可能性通知を受信したか、あるいは自己が管理する下位レイヤ処理部11の状態から接続可能性を検出したとき、イベント管理テーブル100を参照して、接続可能性通知メッセージ1300の取得を希望するルータ装置A(10a)を検索する。そして、ルータ装置B(10b)の接続管理部13は、下位レイヤ処理部11から取得した接続可能性通知、あるいは自己検出の情報に基づいて接続可能性通知メッセージ1300を生成し、ルータ装置A(10a)に送信する。
ここで、下位レイヤ処理部11から取得する接続可能性通知は、ルータ装置B(10b)に送信する接続可能性通知メッセージ1300と同等のものであってもよく、接続管理部13は特にメッセージを生成することなく、下位レイヤ処理部11から取得した接続可能性メッセージ1300をルータ装置A(10a)に転送することになる。これにより、通知メッセージ処理における効率向上が期待できる。
なお、図17に示すイベント管理テーブル100の例では、接続可能性通知メッセージ1300は、コピーされて装置内のルータ切替部14にも配送されるが、これは一例であり、本実施の形態におけるルータ切替処理とは関係ない。
また、図17には例示していないが、通知メッセージは装置内で複数の処理部に対してコピー配送され得る。この場合、装置の処理負荷と転送遅延とを低減するために、実際にコピーは行わずに、通知メッセージにより記憶されたメモリ領域を通知し、配送を受けた処理部が各々通知されたメモリ領域を参照する。
ここで、接続可能性通知メッセージ1300を受信したルータ装置A(10a)の接続管理部13は、図18に示すイベント管理テーブル100を参照し、ルータ切替部14に受信した接続可能性通知メッセージ1300そのものか、あるいはメッセージに含まれる情報を転送する。
そして、通知登録メッセージ1500を受信したルータ装置B(10b)の接続管理部13が、登録内容をイベント管理テーブル100に登録完了したときに、通知登録完了メッセージをルータ装置A(10a)に返信してもよい。これにより、ルータ装置A(10a)は、通知登録メッセージ1500のネットワーク上での紛失に対応することができるので、確実な登録を行うことが可能になる。
なお、ルータ装置A(10a)あるいはその接続管理部13を一意に識別可能な識別子を下位レイヤ処理部11、12のアドレスとは別にルータ装置間で規定し、通知登録メッセージ1500に含めることにより、通知登録メッセージ1500を受信したルータ装置は、メッセージの送信元や宛先のルータ装置を特定することができる。これは、複数の接続管理部13が一つのルータ装置10内に存在する場合や、複数の下位レイヤ処理部11、12を介して装置間が接続される場合に装置を特定するのに有効である。なお、その際、イベント管理テーブル100および/あるいはルータ情報管理テーブル90にも、ルータ装置10あるいは接続管理部13を一意に識別可能な識別子を記載するための装置識別子フィールドを設ける必要がある。
また、通知登録メッセージ1500にメッセージの交換に用いる下位レイヤ処理部11の種別(例えば、IEEE802.11やIEEE802.16、セルラ、イーサネット(登録商標)、および/あるいは通信インタフェース識別子のように通信メディアをさらに細かく識別するための情報)を含めることにより、通知登録メッセージ1500を受信したルータ装置10が、それらの情報を基にメッセージを送出するための下位レイヤ処理部12を特定してもよい。また、接続管理部13が通知登録メッセージ1500を受信した下位レイヤ処理部12を表すインタフェース識別子を、イベント管理テーブル100および/あるいはルータ情報管理テーブル90に記憶しておき、要求されたメッセージを送出する際に、記憶しておいたインタフェース識別子で特定される下位レイヤ処理部を介して送信するようにしてもよい。
また、装置自身の特性や動作性能、またはメッセージの必要性等から、通知メッセージを受信するタイミングや受信可能頻度を要求するフィールドを、通知登録メッセージ1500に追加してもよい。例えば、メッセージの欠落が発生する場合の信頼性を高めるために、所定の通知メッセージを一定時間間隔で送信し続けることを要求する目的で送信時間間隔と最大送信回数を指定する。あるいは、通知メッセージが短期間に連続して発生する場合の処理負荷を抑えるために、通知メッセージの送信時間間隔を指定する。また、通知メッセージが同時に発生した場合の送信順序を決定するために、優先順位を指定して重要な通知メッセージを優先的に取得できるようにすることができる。
なお、ルータ装置10が、無線ローカルネットワーク2に接続可能な下位レイヤ処理部12に相当するインタフェースを複数有する場合に、通知登録メッセージ1500や以降のメッセージの送受信に用いるインタフェースを決定する方法としては次の2つがある。
第一の方法は、コネクションが確立した、あるいは確立しているインタフェースを選択するというものである。これにより、ただちに登録およびメッセージの送受信が可能となる他、相手のルータ装置10の有するインタフェースをあらためて確認することなく登録処理を行うことができる。
第二の方法は、高い通信特性を有するインタフェースを選択するというものである。ここで通信特性とは、通信品質や通信帯域、通信のリアルタイム性、通信の信頼性などを指し、それらを単独あるいは組み合わせて判断する。これにより、メッセージの再送を抑え、低い伝送遅延でのメッセージ伝送が可能となる。その結果、高速で確実な登録処理とメッセージ交換を行うことができる。なお、上記以外の通信特性として、トラフィック特性や、通信コスト(料金等)や、通信エリアなどを考慮してもよい。
また、選択されたインタフェースがコネクションを確立していない、あるいは接続されていない場合、通知登録メッセージ1500の送付や通知メッセージの受信に先立って、コネクション確立処理または物理的な接続を行う必要がある。
また、メッセージ送信において、複数のインタフェースを選択してもよい。これにより、メッセージ伝送の信頼性を向上することができる。
上記のように、ルータ装置が下位レイヤ処理部12に相当するインタフェースを複数有し、一つのルータ装置10と複数のコネクションを確立し、さらにそれぞれに登録を行っている場合でも、メッセージを伝送するインタフェースを選択することができる。
例えば、ルータ装置は、すべてあるいは複数の選択されたインタフェースを介して送信することにより、メッセージ伝送の信頼性を向上することができる。また、一つのインタフェースを選択して送信することにより、メッセージ送信処理の負荷を低減することができる。なお、選択を行う際、ルータ装置は上記のような通信特性を用いることができる。
なお、複数のインタフェースを介して登録が可能である場合、ルータ装置はそれを管理する項目をルータ情報管理テーブル90に設けてもよい。
また、接続管理部13は、下位レイヤ処理部12によってコネクションが確立された際あるいは確立される前に、接続先の装置が接続管理部を有しており、各種メッセージ交換が可能であるかをケーパビリティ情報として取得してもよい。そのために、下位レイヤ処理部12は、自己の装置が接続管理部を有するか否かを示す情報を、コネクション接続時や接続前の制御メッセージを用いて他のルータ装置と交換する。そして、各装置の接続管理部が周辺装置の接続管理部搭載状況を管理する。
このように、ルータ装置は、接続先の装置が接続管理部13を搭載することをコネクション確立前あるいは確立時に知ることによって、上記で説明したようなイベント通知の登録を行うことができるので、各種通知メッセージをリアルタイムに取得することが可能になる。その結果、ルータ装置は、ルータ切替や一般的なハンドオーバにおける移動検出処理を効率的に行うことができる。
なお、本実施の形態では、接続管理部13は下位レイヤ処理部12を介してメッセージを送出するとしたが、L3処理部16や上位レイヤ処理部17を介して送出してもよい。L3処理部16の具体例としては、IPスタックであり、上位レイヤ処理部17の具体例としては、TCP/UDPスタック、SIPスタック、あるいはHTTPスタック等がある。
また、接続管理部13が上位レイヤ処理部17を介して送出する場合、接続管理部13は上位レイヤ処理部17と接続する。
また、接続管理部13はメッセージの送信に際して、送信先の接続管理部13を識別するために、例えばIPアドレスやMACアドレス、ホスト名等のホスト識別子、あるいはインタフェース識別子などをメッセージに含めてもよい。これら各種アドレスや識別子は、それらを管理管轄する処理部、アプリケーション、あるいはユーザ設定により取得することができる。
また、本実施の形態で説明した接続管理部が実施する処理をルータ切替部14が適宜実施するものであってもよい。
次に、無線端末20の構成および基本的な動作について説明する。
図2は無線端末20の構成図である。
図2において、下位レイヤ処理部21は物理層処理、データリンク層処理を行うものであり、無線ローカルネットワーク2に接続するものであり、接続管理部22は本発明によるルータ切替処理に関する処理を実施するものであり、L3処理部23はネットワーク層処理を行うものであり、上位レイヤ処理部24はアプリケーションを含んだトランスポート層以上の処理を行うものである。
なお、図2は無線端末20がホストとして機能する場合の構成であり、さらに多くの下位レイヤ処理部を有して、無線ローカルネットワーク2内部のルータとして機能することも可能であり、本発明はその具備する数を制限するものではない。
また、無線端末20は、下位レイヤ処理部を二つ以上具備する場合であっても、同様の構成で実現でき、以下に説明する手順によってその動作を実現することができる。
また、下位レイヤ処理部21は、ブルートゥース(登録商標)やUWB、IEEE802.11等の無線LANといった無線通信規格に基づくものを適用することができる。なお、無線端末20においても、図19に示したルータ装置10の構成と同様に、下位レイヤ処理部21としてブルートゥースSIG(Special Interest Group)規格を適用することができる。さらに、下位レイヤ処理部21は接続管理部22やL3処理部23との接続についても、ルータ装置と同様である。
なお、接続管理部22は本発明にかかる接続管理部に相当し、下位レイヤ処理部21とL3処理部23とは本発明にかかる受信部に相当する。
上記のように構成された無線端末20の基本的な動作について、以下に説明する。
初めに、本実施の形態における無線端末20の送受信動作について、以下に説明する。
まず、無線ローカルネットワーク2から受信したフレームは、下位レイヤ処理部21が物理層プロトコル処理、データリンク層プロトコル処理を行った後にL3処理部23に転送する。
L3処理部23はこれを受けて、IPプロトコル処理を行ったのち、上位レイヤ処理部24に転送される。そして、上位レイヤ処理部24は、アプリケーションを含む上位層の処理を行う。
また、上位レイヤ処理部24から送信されたユーザデータは、L3処理部23に転送されてIPプロトコル処理を行った後、下位レイヤ処理部21に転送される。そして、下位レイヤ処理部21はデータリンク層プロトコル処理と物理層プロトコル処理を行い、無線ローカルネットワーク2に送出する。
さらに、L3処理部23は、無線ローカルネットワーク2から受信したルータ広告メッセージ(Router Advertisement Messege)からネットワーク情報やルータ装置10の情報を抽出し、それらの情報を管理する。
次に、無線端末20におけるルータ切替処理について、図面を用いて説明する。
図8Aは、ルータ装置A(10a)から接続要求メッセージ1400を受信した場合の処理を示すフロー図である。
図8Aにおいて、まず、接続管理部22が下位レイヤ処理部21から接続要求メッセージ1400を受信すると(ステップS700)、ルータ装置アドレスフィールド1404から接続対象とするルータ装置B(10b)のアドレスを抽出する(ステップS701)。
次に、接続管理部22は、ルータ装置B(10b)との間でリンク接続処理を行う(ステップS702)。
次に、接続管理部は、ルータ装置B(10b)からルータ広告メッセージを取得して、L3処理部16が管理するルータリストを更新する(ステップS703)。
なお、接続管理部22は、L3処理部23を介して接続要求メッセージ1400を取得してもよい。また、ステップS701によって抽出されたルータ装置B(10b)との接続が既に完了している場合、接続管理部22はステップS702を省略して、重複接続を回避する。
また、無線端末20は接続要求メッセージ1400を処理しない場合接続管理部22を設ける必要がなく、従来使用されていた無線端末20をそのまま利用できる。
図8Bは、ルータ装置A(10a)から経路切替指示メッセージとしてルータ広告メッセージを受信した場合の処理を示すフロー図である。
図8Bにおいて、まず、L3処理部23が下位レイヤ処理部21を介してルータ広告メッセージを受信する(ステップS720)。受信したルータ広告メッセージのルータライフタイム(RL)が‘0’である場合、接続管理部22はルータリストを更新し、そのルータ装置10がデフォルトルータである場合はデフォルトルータを変更する(ステップS722)。ここでは、デフォルトルータであるルータ装置A(10a)からルータライフタイムが‘0’のルータ広告メッセージを受信するので、デフォルトルートのネクストホップをルータ装置A(10a)からルータ装置B(10b)に変更して、ルータ切替処理を完了する。受信したルータ広告メッセージのルータライフタイムが‘0’以外の場合、無線端末20は通常のルータ広告メッセージ処理を行う(ステップS723)。
このように、本発明による無線端末20は、ルータ切替処理の中で切替先ルータ装置とのリンク接続を実施するため、切替処理完了時には即座に切替先ルータ装置を経由して外部ネットワークとパケット通信を行うことができ、高速なルータ切替を実現できる。なお、ルータ装置B(10b)から無線端末20への接続処理が発生する場合、無線端末20は下位レイヤ処理部21によって従来の標準的な接続方法により接続処理を実施するため、特別な手段を必要としない。
以上のように動作するルータ装置10と無線端末20により構成される図3に示す通信システムにおいて、無線端末20が外部端末40とパケット通信を行う際に中継ノードがルータ装置A(10a)からルータ装置B(10b)に切り替わるときの動作について説明する。
図4は、本実施の形態における通信システムの第一の動作を示すシーケンス図である。
無線ローカルネットワーク2上のルータ装置A(10a)がアクセスポイント装置3aと接続しており、無線端末20は、外部端末40とルータ装置A(10a)を介してユーザデータのパケット通信を行っている(ステップS500)。ルータ装置A(10a)とアクセスポイント装置3a間の外部リンクの通信状況が悪化、またはユーザや上位層から明示的に通信リンクの切断を要求されたことにより、ルータ装置A(10a)が外部リンクの切断可能性を検出すると(ステップS520)、ルータ装置A(10a)は、無線ローカルネットワーク2上のルータ装置B(10b)に接続指示メッセージ1000を送出する(ステップS501)。以降、無線端末20が送信する外部端末40宛のパケットは、ルータ装置A(10a)がアクセスポイント装置3aと通信を行える間はアクセスポイント装置3aを介して外部端末40宛に中継するが、アクセスポイント装置3aとの接続が途絶えた場合は、ルータ装置A(10a)がパケットをバッファに一時的に蓄積する(ステップS502)。
接続指示メッセージ1000を受信したルータ装置B(10b)は、アクセスポイント装置3bとの接続性を確認し、接続可能であると判定すると、接続指示応答メッセージ1100をルータ装置A(10a)に返信する(ステップS503)。なお、ルータ装置B(10b)は、アクセスポイント装置3bとの接続が不可能であったり、接続指示メッセージ1000のQoSや帯域や、接続時間に対する要求値を満たすことができない等の理由により、接続指示を拒否する場合だけ、接続指示応答メッセージ1100を返信してもよい。
次に、ルータ装置B(10b)は、アクセスポイント装置3bとのリンク接続処理(ステップS504)と、接続指示メッセージ1000の端末アドレスフィールド1007に記載された無線端末20とのリンク接続処理(ステップS505)を実施する。なお、ステップS503と、S504およびS505の実施順序は、図示したとおりである必要はなく、ステップS504およびS505を開始した直後にステップS503を実施したり、これらを同時に実施してもよい。
次に、ルータ装置B(10b)は、無線端末20とアクセスポイント装置3bとの接続処理をともに完了すると、ルータ装置A(10a)に接続完了通知メッセージ1200を送出する(ステップS506)。また、ルータ装置B(10b)は、自己のネットワーク情報を通知する自己情報通知メッセージとして、ルータ広告メッセージを無線ローカルネットワークへ送出する(ステップS510)。これにより無線端末20は、ルータリストにルータ装置B(10b)を追加する。
ルータ装置A(10a)は、これを受けて、無線端末20に関する中継パケットを蓄積している場合はルータ装置B(10b)に転送し、ルータ装置B(10b)は、アクセスポイント装置3bを介して外部端末40宛に中継する(ステップS507)。なお、ルータ装置A(10a)が蓄積していたパケットをルータ装置B(10b)に転送するタイミングは、接続指示応答メッセージを受信したステップS503の後でもよく、その場合、ルータ装置B(10b)はアクセスポイント装置3bとの接続処理が完了するまで、転送されたパケットをバッファに一時的に蓄積しておく。
また、接続完了通知メッセージ1200を受信したルータ装置A(10a)は、経路切替指示メッセージとしてルータライフタイムを‘0’とするルータ広告メッセージを無線ローカルネットワーク2に送出する(ステップS508)。これにより無線端末20は、ルータリストのデフォルトルータをルータ装置A(10a)からルータ装置B(10b)に変更する。
以後、無線端末20はルータ装置B(10b)を介して外部端末40とパケット通信を行うことができるようになる(ステップS509)。
なお、ルータ装置B(10b)は、接続完了通知メッセージ1200の送信と同時、あるいは接続完了通知メッセージ1200の送信に代えて、ルータ装置A(10a)の代理として経路切替指示メッセージを無線ローカルネットワーク2に送出してもよい。このときの経路切替指示メッセージは、ルータ装置A(10a)のIPアドレスをIPヘッダの送信元アドレスフィールドに記載し、ルータライフタイムを‘0’にしたルータ広告メッセージである。
ルータ装置A(10a)はこれを受けて、経路切替指示メッセージを送出する必要がなくなる。また、無線ローカルネットワーク2上の端末は、ルータ装置A(10a)の経路切替指示メッセージよりも早く受信できるので、さらに高速な経路切替を実現することが可能になる。
図5は、本実施の形態における通信システムの第二の動作を示すシーケンス図である。
基本的な動作は、図4に示したシーケンス図と同じであることから、ユーザデータの流れは省略している。以下、図4にて説明したシーケンスと異なる点のみ説明する。
図5において、ルータ装置A(10a)は、接続指示メッセージ1000を送信し(ステップS501)、その結果として接続指示応答メッセージ1100をルータ装置B(10b)から受信すると(ステップS503)、ルータ装置A(10a)は、ルータ装置アドレスフィールド1404にルータ装置B(10b)のアドレスを記載した接続要求メッセージ1400を無線端末20に送出する(ステップS510)。無線端末20はこれを受けて、ルータ装置B(10b)とのリンク接続処理を行う(ステップS505)。ルータ装置B(10b)は、接続指示メッセージ1000により無線端末20のアドレスを取得済みであるので、無線端末20が開始した接続処理(ステップS505)と、アクセスポイント装置3bとの接続処理(ステップS504)がともに完了した時点で接続完了通知メッセージ1200を送出することができる。また、無線端末20は、既に通信実績のあるルータ装置A(10a)から、ルータ装置B(10b)とのリンク接続指示を受けることにより、高い信頼性のもとでルータ装置B(10b)との接続処理(ステップS510)を行うことができる。
このように、本実施の形態によれば、ルータ装置間で外部リンク状況の悪化やリンク確立等のイベントに基づくリアルタイムなメッセージ交換を行うとともに、切替先ルータ装置と端末間のリンク接続を切替処理の一環として実施することにより高速なルータ切替を実現でき、パケットロスを低減することが可能となる。
さらに、本実施の形態によれば、切替先ルータ装置が外部網への接続完了をリアルタイムに通知するとともに、すべての切替タイミングを制御するので、切替時間の浪費やパケットロスの発生を回避でき、最適なタイミングでルータ切替を実施することが可能になる。
また、切替先ルータ装置が外部網への接続を実施するのと同時にLAN上の端末とのリンクコネクションを確立する操作を実施するので、端末と切替先ルータ装置間でリンクコネクションが未確立な場合にも対応できる。
さらにまた、切替先ルータ装置が外部網への接続と端末とのリンクコネクション確立を完了した時点で、切り替えを開始させるので、端末は既に確立された切替先ルータ装置とのリンクコネクションを含めて経路表を直ちに更新し、デフォルトルータを切替先ルータ装置に高速に切り替えることができる。また、端末はルータ切替に際して経路表の更新とデフォルトルータの変更を行うだけでよく、切替元ルータ装置のルーティング機能停止までの時間や切替先ルータ装置のルーティング可能となるまでの時間を管理する必要がない。
なお、本実施の形態では、QoSに関する情報の一例として所定のQoSレベルと帯域値を用いたが、それ以外の情報を用いてもよく、その利用を制限するものではない。
また、本実施の形態では、IPによる中継を実施するルータ装置について記載したが、レイヤ2における中継を実施するブリッジ装置や、上位層における中継を実施するゲートウェイ装置(NAT装置やNAPT装置を含む)についても、同様に本発明を実施可能である。
また、本実施の形態では、ルータ装置A(10a)は切替元ルータ装置としての機能を有し、ルータ装置B(10b)は切替先ルータ装置としての機能を有するとしたが、ルータ装置A(10a)とルータ装置B(10b)は双方の機能を有するものであってもよい。
また、本実施の形態にて説明したメッセージのうち、特に接続指示メッセージ、接続要求メッセージなどの特定の処理を指示するメッセージは、指示コマンドと称してもよい。すなわち、本発明において、特定の処理を指示するメッセージは、遠隔の通信装置に対するコマンドであることから、リモートコマンドと称することができる。具体的には、各々、リモート接続指示コマンド、リモート接続要求コマンドのように称することができる。
同様に、接続完了通知メッセージ、接続指示応答メッセージ、接続可能性通知メッセージ、およびリンク切断通知メッセージなどの特定の状態変化(イベント)を通知するメッセージは、イベント通知と称してもよい。すなわち、本発明において、特定の状態変化(イベント)を通知するメッセージは、遠隔の通信装置に対するイベント通知であることからリモートイベントと称することができる。具体的には、各々、リモート接続完了イベント、リモート接続指示応答イベント、リモート接続可能性イベント、およびリンク切断イベントのように称することができる。
また同様に、通知登録メッセージなどのイベント通知をリアルタイムに送付させることを依頼するメッセージは、イベント・レジストレーションあるいはイベント・レジストレーション・コマンドと称してもよい。すなわち、本発明において、イベント通知を依頼するメッセージは、遠隔の通信装置に対するイベント・レジストレーションであることから、リモート・イベント・レジストレーションあるいはリモート・イベント・レジストレーション・コマンドのように称することができる。
なお、リモートコマンドの実施に先立って、送信先の装置に対して認証処理を含むレジストレーション処理を行うことにより、信頼性の高いリモートコマンド処理を実現することができる。特に、コマンド発行に先立って包括的にレジストレーションを行っておくことにより、複数のコマンドを発行するたびに認証を行う必要がなくなる。これにより、装置の処理負荷を低減できるとともに、迅速なコマンド処理が可能となる。
上記の表現を用いれば、接続可能性通知メッセージ1300は、当該リンクが接続されてはいないが接続可能であることを通知するために、下位レイヤ処理部が発行する“リンク検出イベント”のリモート転送、すなわち“リモート・リンク検出イベント”であると言える。あるいは、当該リンクが確立可能であり接続処理中であることを通知するために、下位レイヤ処理部が発行する“リンク・ゴーイング・アップ・イベント”のリモート転送、すなわち“リモート・リンク・ゴーイング・アップ・イベント”や、既に当該リンクの接続が確立されていることを通知するために、下位レイヤ処理部が発行する“リンク・アップ・イベント”のリモート転送、すなわち“リモート・リンク・アップ・イベント”であるとも言える。
また、接続指示メッセージ1000は、“リンク・コンフィグレーション・コマンド”のリモート転送、すなわち“リモート・リンク・コンフィグレーション・コマンド”と、後述する“リモート・リンク・アップ・イベント”のリアルタイム発行を登録する“リモート・イベント・レジストレーション”を組み合わせたものであると言える。“リンク・コンフィグレーション・コマンド”は、当該リンクの接続処理を開始するよう下位レイヤ処理部11、12に指示するのに用いられ、下位レイヤ処理部11、12が“リンク・コンフィグレーション・コマンド”を受信すると、コマンドに含まれる接続相手の識別子等の接続に必要な情報に基づいてリンク確立処理を開始する。
このように考えたとき、接続指示メッセージ1000に、“リモート・リンク・ゴーイング・アップ・イベント”のリアルタイム発行を登録する“リモート・イベント・レジストレーション”を組み合わせることにより、接続指示応答メッセージに相当する“リモート・リンク・ゴーイング・アップ・イベント”をリアルタイムに取得することができるようになる。またさらに、接続指示メッセージ1000に“リンク・ゴーイング・ダウン・イベント”のリモート転送、すなわち“リモート・リンク・ゴーイング・ダウン・イベント”を組み合わせることにより、ルータ装置B(10b)に対して迅速な切替処理を暗に要請することができるようにもなる。なお、“リモート・ゴーイング・ダウン・イベント”は、受信電波強度の低下やビットエラー率の向上などを監視した結果から当該リンクの通信状態が悪化しており、近いうちにリンクが切断されるであろうことを判断したことを通知するために、下位レイヤ処理部11、12が発行するものである。
また、接続要求メッセージ1400は、“リモート・リンク・コンフィグレーション・コマンド”と、“リモート・リンク・アップ・イベント”のリアルタイム発行を登録する“リモート・イベント・レジストレーション”を組み合わせたものであると言える。このように考えたとき、リンク接続処理の状況を確認する目的で、“リモート・リンク・ゴーイング・アップ・イベント”のリアルタイム発行を登録する“リモート・イベント・レジストレーション”を組み合わせることもできる。
また、接続指示応答メッセージ1100は、当該リンクが確立可能であり接続処理中であることを通知するために、下位レイヤ処理部が発行する“リンク・ゴーイング・アップ・イベント”のリモート転送、すなわち“リモート・リンク・ゴーイング・アップ・イベント”であると言える。
また、接続完了通知メッセージ1200は、当該リンクの接続が完了したことを通知するために、下位レイヤ処理部が発行する“リンク・アップ・イベント”のリモート転送、すなわち“リモート・リンク・アップ・イベント”であると言える。
なお、本実施の形態では、ルータ装置間で中継機能を委譲するための方法について記載したが、本実施の形態において説明したメッセージは、中継機能を伴わない通信端末がネットワークアクセスポイント装置間を移動する際の、ネットワーク側の主導による中継路切替にも利用することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について、図面を用いて説明する。
図20は本実施の形態における通信システムの構成を示す図であり、実施の形態1とは切替元ルータ装置A(10a)と無線端末20の代わりに外部端末40との通信フローを有するマルチインタフェース通信端末30を有している点が異なる。このマルチインタフェース通信端末30は中継機能を有していない点がルータ装置と異なるが、構成は図1に示すものと同一である。
初めに、マルチインタフェース通信端末30とルータ装置B(10b)の動作について実施の形態1と異なる点のみ説明する。
まず、マルチインタフェース通信端末30のルータ切替部14は、アクセスポイント装置3a間の通信状況悪化を検出すると、接続管理部13を介してルータ装置B(10b)に接続指示メッセージ1000を送信する。このとき、実施の形態1と異なる点は、無線端末20のアドレスを端末アドレスフィールド1007に記載する必要がない点であり、本実施の形態においては、端末アドレスフィールド1007を省略することができる。
次に、ルータ装置B(10b)は、受信した接続指示メッセージ1000に端末アドレスフィールド1007が含まれないか、あるいは端末アドレスフィールド1007に有効なアドレスの記載がない場合、図6のステップ658において外部リンクの接続を完了した時点で次のステップに進む。
以降、マルチインタフェース通信端末30は実施の形態1において説明した処理を進める。そして、最終的に接続完了通知メッセージ1200をルータ装置B(10b)から受信し(図6、ステップS605、S606)、マルチインタフェース通信端末30のルータ切替部14が、L3処理部16に経路切替指示メッセージを送出して(図6、ステップS607)、L3処理部16において管理する経路表を更新する。
すなわち、マルチインタフェース通信端末30の接続管理部13は、それまで下位レイヤ処理部11に相当するインタフェースをデフォルトルートとして設定していたのに対し、下位レイヤ処理部12に相当するインタフェースをデフォルトルートに設定し、デフォルトルータをルータ装置B(10b)に設定する。
また、これと同時に、マルチインタフェース通信端末30の接続管理部13は下位レイヤ処理部11に相当するインタフェースに関するルーティング情報を抹消する。これにより、マルチインタフェース通信端末30は、上位レイヤ処理部17が終端する通信フローを下位レイヤ処理部11経由から下位レイヤ処理部12経由に切り替え、ルータ装置B(10b)を介して送受信することが可能となる。
以上のように本発明によれば、マルチインタフェース通信端末30は、自己の外部リンクへのインタフェースからルータ装置へ高速に切り替えることができるので、パケットロスを低減することが可能となる。
本発明は、外部網への無線通信による接続機能を持つ複数のルータ装置間の切替等に有用であり、外部網との切断を予期した際に、迅速にルータ装置を他のルータ装置へ切り替えるのに適している。
本発明の実施の形態1に係るルータ装置の構成を示す図 本発明の実施の形態1に係る端末の構成を示す図 本発明の実施の形態1に係る通信システムの構成を示す図 本発明の実施の形態1に係る通信システムの第一の動作を示すシーケンス図 本発明の実施の形態1に係る通信システムの第二の動作を示すシーケンス図 本発明の実施の形態1に係る切替元ルータ装置の動作例を示すフロー図 本発明の実施の形態1に係る切替先ルータ装置の動作例を示すフロー図 本発明の実施の形態1に係る端末の動作例を示すフロー図 本発明の実施の形態1に係る端末の動作例を示すフロー図 本発明の実施の形態1に係る接続指示メッセージの構成を示す図 本発明の実施の形態1に係る接続指示応答メッセージの構成を示す図 本発明の実施の形態1に係る接続完了通知メッセージの構成を示す図 本発明の実施の形態1に係る接続可能性通知メッセージの構成を示す図 本発明の実施の形態1に係る接続要求メッセージの構成を示す図 本発明の実施の形態1に係るQoSレベル一覧の構成を示す図 本発明の実施の形態1に係るルータ情報管理テーブルの構成を示す図 本発明の実施の形態1に係る通知登録メッセージの構成を示す図 本発明の実施の形態1に係るイベント管理テーブルの第一の構成を示す図 本発明の実施の形態1に係るイベント管理テーブルの第二の構成を示す図 本発明の実施の形態1に係るルータ装置の第二の構成を示す図 本発明の実施の形態2に係る通信システムの構成を示す図
符号の説明
1 外部ネットワーク
2 無線ローカルネットワーク
3,3a,3b アクセスポイント装置
10,10a,10b ルータ装置
11,12 下位レイヤ処理部
13 接続管理部
14 ルータ切替部
15 バッファ
16 L3処理部
17 上位層処理部
20 無線端末
21 下位レイヤ処理部
22 接続管理部
23 L3処理部
24 上位レイヤ処理部
30 マルチインタフェース通信端末
40 外部端末
51 SDP
52 BNEP
53 L2CAP
54 HCI
55 ベースバンド
90 ルータ情報管理テーブル
100 イベント管理テーブル

Claims (29)

  1. 同一の無線ローカルネットワーク上の複数の通信インタフェースを有する、複数のマルチインタフェース通信装置を切り替える経路切替方法であって、
    第一のマルチインタフェース通信装置が、第二のマルチインタフェース通信装置へ接続指示を送出するステップと、
    第二のマルチインタフェース通信装置が、前記接続指示を受信すると外部網との接続処理を開始するステップと、
    第二のマルチインタフェース通信装置が接続を完了すると、当該接続の完了を通知する接続完了通知を第一のマルチインタフェース通信装置へ送出したり、自己のネットワーク情報を通知する自己情報通知を無線ローカルネットワークへ送出するステップと、
    第一のマルチインタフェース通信装置が前記接続完了通知を受信すると、経路切替指示を無線ローカルネットワークへ通知するステップと、
    前記自己情報通知と前記経路切替指示とを受信した無線ローカルネットワーク上の端末が、中継に用いるマルチインタフェース通信装置を第一のマルチインタフェース通信装置から第二のマルチインタフェース通信装置に変更するステップと
    を有する経路切替方法。
  2. 前記第一のマルチインタフェース通信装置からの前記接続指示は、前記第一のマルチインタフェース通信装置が、外部網との通信パケットロス率が所定値より大きい場合、電波受信強度が所定値より低い場合、自己のシャットダウンが開始された場合、および他のマルチインタフェース通信装置への切替要求を受けた場合のいずれかにおいて送出される請求項1に記載の経路切替方法。
  3. 前記第二のマルチインタフェース通信装置による前記接続処理は、外部網との接続可能性がある場合に開始され、さらに第二のマルチインタフェース通信装置は、前記第一のマルチインタフェース通信装置に、外部網への接続を開始したことを通知する接続指示応答を送出するステップを有する請求項1に記載の経路切替方法。
  4. 第一のマルチインタフェース通信装置が、中継している通信フロー特性に基づく通信性能要求を前記接続指示に含めて送出し、第二のマルチインタフェース通信装置は、接続対象の外部網との通信性能が前記通信性能要求をさらに満たす場合に、前記接続処理を開始する請求項3に記載の経路切替方法。
  5. 前記第二のマルチインタフェース通信装置が、外部網との接続可能性がない場合、あるいは接続可能性があるが、前記通信性能要求を満たさない場合、外部網との前記接続処理を開始せず、
    前記第二のマルチインタフェース通信装置は、外部網への接続を実施しなかったことを通知する接続指示応答を送出するステップをさらに有する請求項4に記載の経路切替方法。
  6. 第一のマルチインタフェース通信装置が、外部網への接続を実施しなかったことを通知する接続指示応答を第二のマルチインタフェース通信装置から受信した場合、第三のマルチインタフェース通信装置に経路切替指示を送出するステップをさらに有する請求項5に記載の経路切替方法。
  7. 前記第二のマルチインタフェース通信装置が、前記接続完了通知を送出した後、あるいは送出に代えて、前記第一のマルチインタフェース通信装置による前記経路切替指示を通知するステップの代理として、前記経路切替指示を無線ローカルネットワークへ通知する請求項1に記載の経路切替方法。
  8. 前記第一のマルチインタフェース通信装置が、前記第二のマルチインタフェース通信装置に、無線ローカルネットワーク上の中継中の端末を特定する端末識別子を前記接続指示とともに送出するステップと、
    前記第二のマルチインタフェース通信装置が、前記端末識別子で特定された端末に対する接続処理を開始するステップと
    をさらに有する請求項1乃至7のいずれか一つに記載の経路切替方法。
  9. 前記第二のマルチインタフェース通信装置が、外部網への接続と前記端末への接続とがともに完了したとき、前記自己情報通知と前記接続完了通知とを送出する請求項8に記載の経路切替方法。
  10. 前記端末識別子で特定される端末は、第一のマルチインタフェース通信装置の近隣キャッシュあるいはARPキャッシュに登録されているものの中から指定される請求項8に記載の経路切替方法。
  11. 前記第二のマルチインタフェース通信装置が、外部網との接続可能性の状態が変化した時点で、前記第一のマルチインタフェース通信装置へ接続の可否を通知する接続可能性通知を送出するステップと、
    前記第一のマルチインタフェース通信装置が、接続可を受信したとき、前記接続可能性通知に含まれる前記第二のマルチインタフェース通信装置の接続可の情報を記憶し、接続不可を受信したとき、前記第二のマルチインタフェース通信装置の接続可の情報の記憶を削除するステップと、
    前記第一のマルチインタフェース通信装置が前記接続指示を送出する際に、記憶した前記第二のマルチインタフェース通信装置の接続可否の情報に基づいて送出先を決定するステップと
    をさらに有する請求項1に記載の経路切替方法。
  12. 前記接続可能性通知は、マルチインタフェース通信装置の識別子と、外部網との通信性能とを含み、
    前記第一のマルチインタフェース通信装置は、中継フローの特性に適した通信性能を外部網との通信で有する、接続可能なマルチインタフェース通信装置を前記接続指示の送出先に決定する請求項11に記載の経路切替方法。
  13. 複数の通信インタフェースを有するマルチインタフェース通信装置であって、
    外部網との接続状況の悪化や、自己がシャットダウンされたことや、外部網との接続を他のマルチインタフェース通信装置と交替する切替要求を受信したことの少なくともいずれか一つを検出する接続管理部と、
    前記接続管理部からの前記検出の通知を受けて、外部網への接続指示と、近隣キャッシュあるいはARPキャッシュに登録されている端末を特定する識別子とを自己の接続しているローカルネットワーク上の他のマルチインタフェース通信装置へ通知する経路管理部と、
    前記接続指示の通知先のマルチインタフェース通信装置から、外部網への接続完了の通知を受信する受信部と、
    前記受信部からの接続完了通知を受けて、中継に用いるマルチインタフェース通信装置の切替を指示する経路切替指示をローカルネットワークに通知する経路切替指示部と
    を具備するマルチインタフェース通信装置。
  14. 前記経路管理部が通知する前記識別子は、所定時間内に中継したフローの終端である端末の識別子である請求項13に記載のマルチインタフェース通信装置。
  15. 前記経路管理部は、中継している通信フロー特性に基づく通信品質や通信性能を示す要求パラメータを前記接続指示と共に送出する請求項13に記載のマルチインタフェース通信装置。
  16. 前記受信部は、前記接続指示の通知先のマルチインタフェース通信装置から外部網との非接続を通知するための接続指示応答を受信し、
    前記経路管理部は、前記受信部からの前記接続指示応答の通知を受けて、異なる宛先のマルチインタフェース通信装置に対して接続指示を送出する請求項13に記載のマルチインタフェース通信装置。
  17. 前記受信部は、ローカルネットワーク上の他のマルチインタフェース通信装置から外部網への接続可能性通知を受信し、
    前記経路切替部は、前記受信部から接続可を通知されたとき、接続可能性通知の送信元マルチインタフェース通信装置を特定する識別子を記憶し、接続不可を通知されたとき、記憶してある前記送信元マルチインタフェース通信装置を特定する識別子を記憶から削除し、前記接続指示の送出先を前記記憶した識別子の中から決定する請求項16に記載の経路切替装置。
  18. 前記接続可能性通知は、外部網との接続の可否、自己を特定する識別子、および外部網との通信容量を含み、
    前記経路切替部は、前記接続可能性通知に基づいて、中継フローの特性に適した通信容量のマルチインタフェース通信装置を接続指示の送出先に決定する請求項17に記載のマルチインタフェース通信装置。
  19. 前記経路管理部は、前記接続可能性通知、前記接続指示応答、および前記接続完了通知を即時的に送出することを要請する即時通知要請を送出する請求項17に記載のマルチインタフェース通信装置。
  20. 前記受信部が前記接続完了通知を受信する以前に、前記接続指示の通知先のマルチインタフェース通信装置から経路切替指示を受信した場合、前記経路切替指示部は前記経路切替指示の送出を中止する請求項13乃至19のいずれか一つに記載のマルチインタフェース通信装置。
  21. 複数の通信インタフェースを有するマルチインタフェース通信装置であって、
    外部網への接続指示と、ローカルネットワーク上の端末を特定する識別子との通知を受信する指示受信部と、
    外部網との接続処理を行う外部リンク処理部と、
    前記識別子を通知された端末との接続処理を行う内部リンク処理部と、
    前記外部リンク処理部と前記内部リンク処理部との両方から接続を完了したことを受けて、接続完了を通知する接続完了通知を前記接続指示の送信元であるマルチインタフェース通信装置へ送出したり、自己のネットワーク情報を通知する自己情報通知をローカルネットワークへ送出する接続通知部と
    を具備するマルチインタフェース通信装置。
  22. 外部網との接続可能性を検出する接続検出部をさらに有し、
    前記外部リンク処理部と前記内部リンク処理部は、前記接続検出部からの接続可の検出通知を受けて、前記接続処理を開始し、
    前記接続通知部は、前記接続検出部からの接続可の検出通知を受けて、前記接続指示の送信元マルチインタフェース通信装置に、外部網への接続処理の開始を通知するための接続指示応答を送出する請求項21に記載のマルチインタフェース通信装置。
  23. 前記指示受信部は、さらに通信品質と通信性能を示す要求パラメータを受信すると、前記接続検出部へ通知し、
    前記接続検出部は、前記要求パラメータによって与えられる要件が接続対象の外部網によって満足できるか否かを検出する請求項22に記載のマルチインタフェース通信装置。
  24. 前記接続通知部は、前記接続検出部からの接続不可の検出通知を受けて、前記接続指示の送信元マルチインタフェース通信装置に、外部網への非接続を通知するための接続指示応答を送出する請求項22に記載のマルチインタフェース通信装置。
  25. 前記接続検出部は、外部網との接続可能性を常時監視し、接続可能性の状態が変化した時点で、前記接続通知部へ通知し、
    前記接続通知部が当該通知を受けて、接続可能性を知らせる接続可能性通知をローカルネットワーク上の他のマルチインタフェース通信装置へ送出する請求項24に記載のマルチインタフェース通信装置。
  26. 前記接続可能性通知は、外部網との接続の可否、自己を特定する識別子、および外部網の通信容量を含む請求項25に記載のマルチインタフェース通信装置。
  27. 前記接続通知部は、前記接続可能性通知、前記接続指示応答、および前記接続完了通知を即時的に送出することを要請する即時通知要請を受信している場合、該当メッセージの生成時に即時的に要請元のマルチインタフェース通信装置へ送出する請求項25に記載のマルチインタフェース通信装置。
  28. 前記接続通知部は、前記接続完了通知の送出後に、あるいは前記接続完了通知に代えて、前記接続指示の送信元であるマルチインタフェース通信装置の代理として、中継に用いるマルチインタフェース通信装置の切替を指示する経路切替指示を無線ローカルネットワークへ通知する請求項21乃至27のいずれか一つに記載のマルチインタフェース通信装置。
  29. 未接続のマルチインタフェース通信装置から接続要求を受信したり、接続中のマルチインタフェース通信装置から他のマルチインタフェース通信装置への経路切替を指示する経路切替指示を受信する受信部と、
    前記受信部から通知される前記接続要求に基づいて要求元のマルチインタフェース通信装置と接続処理を行ったり、前記経路切替指示に基づいて接続済みのマルチインタフェース通信装置へ中継先を切り替える接続管理部と
    を具備する端末。
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