JP2005244590A - マルチサービス端末、ハンドオフ方法、ハンドオフプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ハンドオフ処理の間、マルチサービス端末100が、ハンドオフ前に通信しているシステム側とハンドオフ後に通信するシステムの両方にデータリンク層及びネットワーク層の接続を維持する。
【選択図】 図3
Description
このデータリンク層以下が互いに異なる異種無線通信システムが混在している環境において、ハンドオフを行う場合について説明する。
図1に示すように、データリンク層以下が互いに異なるシステムAからシステムBへハンドオフする場合、マルチサービス端末100は、どの無線通信システムが利用可能であるかを探索する。
バージョン6では、端末が移動して、ネットワークアドレスが変わってもIPによる通信が継続可能な仕組みをIETF(Internet Engineering TaSk Force)にてMobile IPv6というプロトコルが検討されている。
図1に示すように、当該ネットワークシステムは、インターネットに接続された通信相手ノード110をルータ120、無線基地局(以下、BSとする)130、140を介してマルチサービス端末100と接続して構成される。なお、図1は、2つの無線通信システムA、Bから構成されるネットワークシステムを示すが、2つ以上の無線通信システムから構成されてもよい。
マルチサービス端末100は、Mobile IPv6のモバイルノード(MN)機能を実装し、無線通信システムAあるいは無線通信システムBを経由して通信相手である通信相手ノード110と通信を行う。また、通信相手ノード110には、Mobile IPv6のコレスポンデントノード(CN)機能を実装する。また、ルータ120は、Mobile IPv6のホームエージェント機能を実装する。
図1では、システムA側のネットワークをホームネットワークとし、システムB側のネットワークをフォーリンネットワークとする。この場合、ルータ120はホームエージェントを有し、このホームエージェントがマルチサービス端末100の移動の管理を行う。
この従来のモバイルIPを用いた異種システム間のハンドオフについて説明する。
図9は、ホームネットワークからフォーリンネットワークヘの異種システム間ハンドオフの処理フローを示す。図9において、MN(モバイルノード)はマルチサービス端末100を示し、「Home I/F」はマルチサービス端末100のホームネットワーク側のインターフェースを、「Foreign I/F」はマルチサービス端末100のフォーリンネットワークインターフェース210を示す。また、HA(ホームエージェント)はルータ120を示し、CNは通信相手ノード110を示す。
データリンク層が切断される、あるいは、ルータ広告RAの受信が何回か失敗することを検出すると、マルチサービス端末100は、そのネットワークの接続が切断されたと判断する。これが異種システム間ハンドオフのトリガとなって、マルチサービス端末100は、ホームネットワークインターフェース200に割当てられていたIPアドレスを削除するとともに、IPの経路表も削除する。
ステップS3で、マルチサービス端末100は、そのIPアドレスを用いてネットワーク層の接続を行う。具体的には、マルチサービス端末100は、ルータ120のフォーリンネットワークインターフェース210から送出されるネットワーク層のメッセージであるルータ広告RAを受信することによって、フォーリンネットワークに移動したことを検出する。
なお、ここで受信するルータ広告RAは、ルータ120がホームネットワークインターフェース200及びフォーリンネットワークインターフェース210にそれぞれ定期的に送出しているものである。このルータ広告RAには、ネットワークの識別子が含まれており、そのネットワークに在圏する端末が受信すると、その端末がどのネットワークに在圏しているが判断することができる。ホームネットワークとフォーリンネットワークでは異なる識別子になっている。つまり、この場合、データリンク層が切断してから、およそルータ広告RAの受信間隔分、フォーリンネットワークに移動したことを検出するのに時間がかがる。
ステップS5で、ルータ120は、移動通知BUを送信したマルチサービス端末100のIPアドレスが他のマルチサービス端末100のIPアドレスと重複していないかチェックをする。。IPバージョン6の場合、このアドレス重複チェックは、マルチサービス端末100がIPアドレスをデータリンク層のアドレス等を用いて自動生成するために実行される。このとき、ルータ120は、フォーリンネットワークにこのIPアドレスを使用している端末がいないか確認するための報知メッセージを送り、その応答がタイムアウト時間内に無ければ、そのIPアドレスが重複していないことを確認する。ここで、そのタイムアウト分の時間が必要となる。
以上により、通信相手ノード110とのデータ通信は、ルータ120経由で行うことができ、データ通信が再開する。
以上のステップS1〜S7で行う処理が異種システム間のハンドオフ処理である。
つまり、データ通信は、ステップS1まで、ホームネットワークインターフェース200を用いて行い、ステップS6以降は、フォーリンネットワークインターフェース210を用いて行われる。ここで、ステップS1からS6の間は、データ通信が途絶えることになってしまい、この間に送受信したデータはネットワークで廃棄され、マルチサービス端末100及び通信相手ノード110には届かないという問題がある。
このように構成することで、ハンドオフ後の無線通信システムとのデータリンク層の接続確立、ネットワーク層のアドレス生成、アドレス重複チェック中においても、ハンドオフ前の無線通信システムとの間で通信が行われる。
したがって、通信中のハンドオフ処理時間を削減し、無線通信システムの切り替えがスムースにできる効果が得られる。
このように構成することで、ハンドオフ後の無線通信システムを介して、移動通知を送信する場合に比べて、ホームエージェントまでの移動通知到着所要時間を短縮することができる。
したがって、ハンドオフにかかる時間を短縮することができ、通信品質の向上効果が得られる。
このように構成することで、誤って、ホームエージェントがアドレス重複が発生したと判断しても、その結果を無視して、ハンドオフを行う。
したがって、ハンドオフ前の無線通信システム及びハンドオフ後の無線通信システムそれぞれに接続した状態で、ホームエージェントからのアドレス重複チェックに対して、自マルチサービス端末が応答してしまう場合でも、ハンドオフが失敗することを防止することができる効果が得られる。
マルチサービス端末100は、無線システムAインタフェース部200、無線システムBインタフェース処理部210、インターネットプロトコル処理部230、アプリケーション部240、バーチカルハンドオフ処理部250などから構成される。
無線システムAインタフェース部200は、無線システムAの物理層、データリンク層を実装し、無線システムAのBS130との間で、データ通信を行う。
無線システムBインタフェース部210は、無線システムBの物理層、データリンク層を実装し、無線システムBのBS140との間で、データ通信を行う。
インターネットプロトコル部230は、インターネットで使用されるネットワーク層、つまりIPv6とMobile IPv6、及びトランスポート層プロトコルを実装する。
アプリケーション部240は、無線インターフェースから受信したデータを処理して画面に表示する機能を実装する。
そして、ハンドオフトリガ検出から、ハンドオフ後の無線通信システムとの接続確立まで、すなわち、ハンドオフ前の無線通信システムにおいて、ハンドオフトリガを検出してから、ハンドオフ後の無線通信システムとのデータリンク層での接続、ネットワーク層のアドレス生成、アドレス重複チェック完了まで、ハンドオフ前の無線通信システムとのネットワーク層での接続をインターネットプロトコル処理部230に維持させる。
また、バーチカルハンドオフ処理部250は、インターネットプロトコル処理部230を制御して、ハンドオフ後の無線通信システムへの移動通知をハンドオフ前の無線通信システムを介して、ホームエージェントに送信する。また、バーチカルハンドオフ処理部250は、無線通信システム間のハンドオフ中、インターネットプロトコル処理部230にアドレス重複チェックを停止させる。
ステップS102で、システムBインターフェース部210は、データリンク層の接続処理を行い、インターネットプロトコル部230は、フォーリンネットワークインターフェース210にIPアドレスを自動的に割当てるとともにアドレス重複のチェックを行う。
これのルータ広告RAにはネットワークの識別子が含まれており、そのネットワークに在圏する端末が受信すると、その端末がどのネットワークに在圏しているか判断することができる。ホームネットワークとフォーリンネットワークでは異なる識別子になっている。
つまり、今回の場合、ハンドオフの必要性を検出してから、およそルータ広告RAの受信間隔分、フォーリンネットワークに移動したことを検出するのに時間がかかる。
このとき、図4に示すようにホームネットワーク上のホームエージェントとフォーリンネットワークのルータ120の間にたくさんのルータが介在している場合、この移動通知BUをホームエージェントに送るのに、各ルータの処理時間が生じ、転送時間がかかる。また、このような移動端末が多い場合経路上の通信トラヒックも増やしてしまう。
そこで、本実施形態において、マルチサービス端末100は、ホームネットワークインターフェース200を用いる。これにより、転送時間の短縮と通信トラヒックをホームネットワークに閉じ込めることができる。
ステップS106で、ホームエージェントは、移動通知BUの応答である移動確認BAをマルチサービス端末100に送信する。これによりホームエージェントヘフォーリンネットワークに移動したことの通知が完了する。
以上により、通信相手ノード110とのデータ通信は、ホームエージェント経由で行うことができ、データ通信が再開する。
ステップS108で、さらに通信相手ノード110にも、新しいシステムに移動したことを移動通知BUを用いて通知する。これにより、ホームエージェント経由でなく、マルチサービス端末100は、直接、通信相手ノード110とデータ通信を行える。
以上のステップS101〜S108で行う処理が、異種システム間のハンドオフ処理である。
したがって、ステップS101〜S106の間も、データ通信が途絶えることを防止することができる効果が得られる。
なお、上記実施形態は、ホームネットワークからフォーリンネットワークヘの異種システム間ハンドオフの処理について説明しているが、逆にフォーリンネットワークからホームネットワークヘ戻る場合も、同様にハンドオフ中の通信の途切れを短くすることが可能である。
評価方法は、次のとおりである。図5に示すように、アプリケーションとしてFTPを用いて通信相手ノード110に格納されたファイル(サイズ:50Mバイト)をマルチサービス端末100にダウンロードしている最中に、マルチサービス端末100が、複数回、ホームネットワークとフォーリンネットワークの間をハンドオフする。
本評価においては、このファイル転送が終了するまでの平均のファイル転送速度をスループットとして測定する。結果を図6に示す。従来のマルチサービス端末100の測定結果が角プロットで、本実施形態のマルチサービス端末100の測定結果が丸プロットである。従来に比べて、ファイル転送のスループットが、改善されている様子がわかる。従来のハンドオフ方法では、ハンドオフを重ねるたびにスループットが落ちているが、本実施形態のハンドオフ方法によれば、ハンドオフしない場合(ハンドオフ0回)の水準を維持している。これは、ハンドオフ処理による中断時間にネットワークでパケットが破棄されるのを防ぎ、破棄パケットの再送によるスループットの低下を防いでいるためである。
このため、ホームエージェントはアドレスが重複したと勘違いしてしまい、ハンドオフ処理が失敗してしまうという問題がある。
マルチサービス端末100がフォーリンネットワークへ移動すると、ホームエージェントであるルータ120は、マルチサービス端末100宛のデータをホームネットワークからフォーリンネットワークへ転送する。ホームエージェント上において、マルチサービス端末100は、図7に示す端末管理テーブルでアドレス管理される。
図7の端末管理テーブルは、ホームアドレス(システムAでのアドレス)がAAAAのマルチサービス端末100には、フォーリンアドレスBBAA(システムBでのアドレス)に送ればデータが届くようにアドレスがマッピングされていることを示す。
ホームエージェントは、ProxyND(Neighbor Discovery:)という近隣発見の代理機能を有しており、マルチサービス端末100がフォーリンネットワークにいる間、ホームエージェントがマルチサービス端末100の代理で、近隣発見の動作を行う。
具体的には、ホームエージェントは、尋ねたい相手が指定されたNS(Neighbor Solicitation)という近隣探索メッセージを受信すると、マルチサービス端末100に代わって、NA(Neighbor Advertisement)という近隣広告メッセージを応答する。これにより、アドレス重複チェックに対する応答の代理を行う。
ホームエージェントは、マルチサービス端末100からNSを受信すると、端末管理テーブルを参照し、該当するアドレスが登録されているか否かを判定し、該当するアドレスが登録されている場合は、マルチサービス端末100の代理で、NAを応答する。
ハンドオフ処理中は、端末管理テーブルからフォーリンアドレスが削除されないため、ホームエージェントは、フォーリンネットワークにいるマルチサービス端末100の代理で、NAを応答する。
また、マルチサービス端末100は、移動を管理するエージェントにマルチサービス端末100が普段在圏しているホームネットワークを使用して、ハンドオフ先のシステムがサービスする位置に移動したことを通知するメッセージを送信するので、ハンドオフにかかる時間を短縮することができ、通信品質の向上効果が得られる。
無線通信システム間のハンドオフ中、アドレス重複チェックを停止させ、誤ってホームエージェントがアドレス重複が発生したと判断しても、その結果を無視して、ハンドオフを行う。したがって、ハンドオフ前の無線通信システム及びハンドオフ後の無線通信システムそれぞれに接続した状態で、ホームエージェントからのアドレス重複チェックに対して、自マルチサービス端末100が応答してしまう場合でも、ハンドオフが失敗することを防止することができる効果が得られる。
そして、上述したハンドオフ処理に関する一連の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。
すなわち、マルチサービス端末100、通信相手ノード110、ルータ120における、各処理手段、処理部は、CPU等の中央演算処理装置がROMやRAM等の主記憶装置に上記プログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、実現されるものである。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
110…通信相手ノード
120…ルータ(HA)
130、140…基地局
200…システムAインターフェイス部(ホームネットワークインターフェース)
210…システムBインターフェイス部(フォーリンネットワークインターフェース)
230…インターネットプロトコル処理部
240…アプリケーション部
250…バーチカルハンドオフ処理部
Claims (7)
- 互いに異なる複数の無線通信システムと通信するマルチサービス端末において、
ハンドオフ前の無線通信システムにおいて、ハンドオフトリガを検出してから、ハンドオフ後の無線通信システムとの接続を確立するまで、前記ハンドオフ前の無線通信システムとのネットワーク層での接続をインターネットプロトコル処理部に維持させるバーチカルハンドオフ処理部
を具備することを特徴とするマルチサービス端末。 - 前記バーチカルハンドオフ処理部は、前記ハンドオフ前の無線通信システムとのデータリンク層及びネットワーク層での接続を維持した状態でハンドオフトリガを検出する
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチサービス端末。 - 前記バーチカルハンドオフ処理部は、ハンドオフ前の無線通信システムにおいて、前記ハンドオフトリガを検出してから、ハンドオフ後の無線通信システムとのデータリンク層での接続、ネットワーク層のアドレス生成、アドレス重複チェック完了まで、前記ハンドオフ前の無線通信システムとのネットワーク層での接続をインターネットプロトコル処理部に維持させる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマルチサービス端末。 - 前記バーチカルハンドオフ処理部は、前記ハンドオフ後の無線通信システムへの移動通知を前記ハンドオフ前の無線通信システムを介して、ホームエージェントに送信する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの項に記載のマルチサービス端末。 - 前記バーチカルハンドオフ処理部は、無線通信システム間のハンドオフ中、前記インターネットプロトコル処理部にアドレス重複チェックを停止させる
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかの項記載のマルチサービス端末。 - 互いに異なる複数の無線通信システムの接続を切り替えるハンドオフ方法において、
ハンドオフ前の無線通信システムにおいて、マルチサービス端末が、ハンドオフトリガを検出してから、ハンドオフ後の無線通信システムとの接続を確立するまで、前記ハンドオフ前の無線通信システムとのネットワーク層での接続を維持する
ことを特徴とするハンドオフ方法。 - マルチサービス端末に、互いに異なる複数の無線通信システムの接続を切り替える処理を実行させるためのハンドオフプログラムにおいて、
ハンドオフ前の無線通信システムにおいて、ハンドオフトリガを検出してから、ハンドオフ後の無線通信システムとの接続を確立するまで、前記ハンドオフ前の無線通信システムとのネットワーク層での接続を維持する処理
を実行させるためのハンドオフプログラム。
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