現在、IEEE802.21標準委員会は、異種網間における媒体独立ハンドオーバー(media independent handover;MIH)についての深度ある研究を行っている。MIHは、異種網間に途切れのないハンドオーバーに加えて、サービスの連続性をも与えることにより、移動端末を携帯するユーザーにさらなる利便性を与えている。IEEE802.21は、種々の機能(例えば、MIH機能、イベントサービス、コマンドサービス及び情報サービス(IS)など)を基本的な要件として定義している。
移動端末(MSS)は、少なくとも2種類のインタフェース型に対応するためのマルチモードノードを表示する。例えば、マルチモードは、IEEE802.3標準規格に基づくイサーネットなどの有線インタフェース型、IEEE802.XX標準規格(例えば、IEEE802.11、IEEE802.15、IEEE802.16)に基づく無線インタフェース型及び携帯電話標準機構(例えば、3GPPまたは3CPP2)により定義される別の型のインタフェースなど種々のインタフェース型に対応している。
図1は、通常の媒体独立ハンドオーバー機能(Media Independent Handover Function;MIHF)の参照モデルを示す。図1には、他の階層及び遠隔MIHGと相互作用するためのMIHFの構成が示してある。MIHFを介して非同期及び同期サービスを下位階層及び上位階層に与えるために、MIH_MGMT_SAP、MIH_SME_SAP及びMIH_SAPなどのサービスアクセス点(Service Access Points;SAPs)がプリミティブと一緒に定義される。MIH_MGMT_SAPは他の網インタフェースのMIHFと管理面または管理エンティティとの間のインタフェースを定義し、MIHF及びそれに同等なMIHFエンティティだけではなく、ローカル接続階層エンティティとの間にMIHプロトコルを送るのに用いられる。MIH_SAPは、MIHFとデバイスマネージャ、ハンドオーバーポリシーコントロール機能、転送、第3の階層L3移動性管理プロトコルなどの上位階層エンティティとのインタフェースを定義し、MIHの構成及び運営のために用いられる。MIH_SME_SAPは、MIHFと基地局管理エンティティまたはネットワーク管理システムとの間のインタフェースを定義し、MIHの構成及び運営のために用いられる。
図2は、マルチモード移動端末のプロトコル階層を示す構造図である。図2を参照すると、マルチモード移動端末のプロトコルスタックは、IEEE802.11、IEEE802.16を含むMAC構造と3G構造を含み、IP階層の下にMIH機能を位置付ける。様々な移動性管理プロトコルは、移動端末に含まれているネットワーク階層に含まれる。移動端末は、移動端末に接続されている接続点(Point Of Attachment;POA)において支援される移動性管理プロトコル型に応じて、ネットワーク階層に含まれている移動性管理プロトコルを選択し、IP接続を設定する。
以下、MIH機能、イベントサービス、コマンドサービス及び情報サービス(IS)について説明する。
図2に示すように、マルチモード移動端末は、個別モードに対して物理的な階層(physical layer;PHY)、すなわち、第1の階層L1と媒体アクセスコントロール階層(Medium Access Control layer;MAC)、すなわち、第2の階層L2を備え、IP階層の下にMIH階層を位置付けている。MIH機能は、IP階層の下に位置している。換言すると、MIHはIEEE802系のインタフェース間または1つのIEEE802系のインタフェースと非IEEE802系のインタフェース(例えば、3GPPまたは3GPP2)との間において定義される必要がある。MIH機能は第2の階層において受信した入力値(例えば、トリッガーイベント及び他のネットワークに関する情報)を用いてハンドオーバー処理を行い易くする。
MIH機能は、ハンドオーバー処理に影響しうるユーザーポリシー及び構成に応じて、多数の入力値を含んでいてもよい。移動IPとセッション確立プロトコル(Session Initiation Protocol;SIP)などの第3の階層エンティティ及びMIH階層間の通常のインタフェースが定義される。この場合に、上述したインタフェースは第1の階層(すなわち、物理的な階層)、第2の階層(すなわち、MAC階層)及び移動性管理情報を与える。MIH機能は、下位階層、ネットワーク使用イベント及び情報サービス(IS)機能に関する情報を取得する。
上位階層は、移動端末に含まれている種々のリンクの状態と運営を監視する上位管理エンティティを備え、ハンドオーバーコントロール機能とデバイスマネージメント機能を行う。この場合に、ハンドオーバーコントロール機能とデバイスマネージメント機能は異なる個所に独立して位置していてもよく、上位階層に上位管理エンティティとして含まれていてもよい。
図3は、MIH構造と転送プロトコルを示す。より具体的に、図3は、MIH機能、ネットワーク機能エンティティ及び転送プロトコルを含む移動端末機能エンティティを示している。図3中、点線はプリミティブ情報とイベントトリッガーなどを示す。
ハンドオーバー機能を速やかに行うために、ネットワーク階層はリンク階層から発せられる情報を用いて接続状態を速やかに再設定することができる。リンク階層イベントは、ユーザーの動きを予測するように工夫されており、移動端末とネットワークがハンドオーバー機能を準備することを補助する。
ハンドオーバーのためのトリッガーは、物理的な階層(PHY)とMAC階層から始まってよい。トリッガーのソースはローカルスタックや遠隔地スタックにおいて決定されてもよい。図4は、トリッガーモデルを示すブロック図である。
イベントトリッガーは、現在信号の状態情報、他のネットワークの状態変更情報及び将来に予想される変更情報を与える。イベントトリッガーはまた、物理的な階層とMAC階層の変更情報または特定のネットワークの属性変更情報を含む。
イベント型としては、例えば、物理的な階層PHYイベント、MAC階層イベント、管理イベント、第3の階層L3イベント、アプリケーションイベントに分けられる。多数の基本的なトリッガーイベント、例えば、「Link_Up」イベント、「Link_Down」イベント、「Link_Going_Down」イベント、「Link_Going_Up」イベント、「Link_Event_Rollback」イベント、「Link_Available」イベント、「Link_Parameters_Change」イベント、「IP_Renewal_Indication」イベント、「IP_Renewal_Request」イベントがある。以下、上述したトリッガーイベントについて、下記表に基づいて説明する。
下記表1は「Link_Up」イベントのパラメータを示している。
「Link_Up」イベントは、第2の階層L2接続が特定のリンクインタフェースに設定され、上位階層が第3の階層L3パケットが送れるときに発生する。この場合には、リンクに含まれている全てのL2階層が完全に設定されるように決められる。「Link_Up」イベントのソースは、「ローカルMAC」と「遠隔MAC」に相当する。
下記表2は、「Link_Down」イベントのパラメータを示している。
「Link_Down」イベントは、L2接続が特定のインタフェースにおいて解放され、L2パケットが転送先に送られないときに発生する。「Link_Down」イベントのソースは、ローカルMACに示す。
下記表3は、「Link_Going_Down」イベントのパラメータを示している。
「Link_Going_Down」イベントは、L2接続が特定の時間中に「Link_Down」状態に入り、ハンドオーバーの手続きを開始するための信号として使用可能なときに発生する。「Link_Going_Down」イベントのソースは、「ローカルMAC」と「遠隔MAC」に相当する。
下記表4は、「Link_Going_Up」イベントのパラメータを示している。
「Link_Going_Up」イベントは、L2接続が特定の時間中に「Link_Up」状態に入るときに発生し、ネットワークを初期化するためには長時間かかる。「Link_Going_Up」イベントのソースは、「ローカルMAC」と「遠隔MAC」に相当する。
下記表5は、「Link_Event_Rollback」イベントのパラメータを示している。
「Link_Event_Rollback」イベントは、「Link_Going_Down」イベントと「Link_Going_Up」イベントを組み合わせることにより得られる。「Link_Event_Rollback」イベントは、「Link_Going_Up」イベントまたは「Link_Going_Down」イベントが転送先に送られる条件において、特定の時間中に「Link_Up」イベントまたは「Link_Down」イベントがそれ以上発生しないことが期待されるときに発生するトリッガーを示す。「Link_Event_Rollback」イベントのソースは、「ローカルMAC」と「遠隔MAC」に相当する。
下記表6は、「Link_Available」イベントのパラメータを示している。
「Link_Available」イベントは、新たな特定のリンクの使用可能状態を示し、新規基地局(Base Station;BS)または新規な接続点が現在移動端末に接続されている現在のBSまたは接続点に比べてさらに良質なリンクを与えることを許容する可能性を示す。「Link_Available」イベントのソースは、「ローカルMAC」と「遠隔MAC」に相当する。
下記表7は、「Link_Parameter_Change」イベントのパラメータを示している。
「Link_Parameter_Change」イベントは、リンクパラメータ値の変更が特定の限界レベルよりも高いときに発生するイベントを示す。「Link_Parameter_Change」イベントは、リンク階層パラメータ、例えば、リンク速度(すなわち、リンク率)、サービス品質(Quality of Service;QoS)及び暗号化された値などを含む。「Link_Parameter_Change」イベントのソースは、「LocalMAC」と「RemoteMAC」に相当する。
下記表8は、「IP_Renewal_Indication」イベントのパラメータを示している。
移動端末の新たな接続点(例えば、基地局または接続点)は、「Link_Up」トリッガー信号を受信し、「IP_Renewal_Indication」イベントにIPパケットを移動端末に送るのに用いるIPアドレスの変更状態または未変更状態を移動端末に報知させるように導く。IPアドレスは、動的ホスト設定プロトコル(Dynamic Host Configuration Protocol;DHCP)システムにおいては新規に割り当てられたアドレスに、移動IPv4システムにおいては新規な一時アドレス(Care of Adress;CoA)に、移動IPv6システムにおいては自動設定アドレスにそれぞれ設定される。「IP_Renewal_Indication」イベントのソースは、「遠隔MAC」と「MIH」に相当する。
下記表9は、「IP_Renewal_Request」イベントのパラメータを示している。
アドレスの再設定状態を示す「IP_Renewal_Indication」トリッガー信号を受信するとき、移動端末のMIH機能は「IP_Renewal_Request」信号をネットワーク階層に送ることで、ネットワーク階層にIP一時アドレスを再設定することを要求する。「IP_Renewal_Request」イベントのソースは、「RemoteMAC」と「MIH」に相当する。
図5は、ハンドオーバーが行われるときに発生するイベントトリッガーを示している。より具体的には、図5は、現在アクセスリンクの品質が低下するときに発生するトリッガーを典型的に示している。トリッガーは、新たなリンクが設定されるまで発生する。
コマンドサービスは、上位階層が下位階層に指令して所定の動作を行うことを許容する。例えば、上位階層は特定の指令をMIH機能に送ることで、それに相当する動作を行わせる。MIH機能はまた、特定の指令を下位階層に送ることで、それに相当する動作を行わせる。上述した指令は上位階層の決定を下位階層に送り、下位階層エンティティの動作や作業を統制するように適用されている。
情報サービスは、ネットワークの探索及び選択のために必要となるネットワーク関係の詳細情報を与え、全てのネットワークに亘ってユーザーが自由にアクセス可能に設計されている。情報サービスは、リンクアクセスパラメータ、安全メカニズム、近隣地図、位置、サービスプロバイダー及びその他のアクセス情報を示す情報、リンクコストなどの種々の情報を含む。
図6は、情報サーバーを介してネットワーク関係の情報を取得するために、マルチモード移動端末をコントロールする方法を示すフローチャートである。図6を参照すると、マルチモード移動端末は、情報サーバーを介して種々のネットワーク関係の情報を取得して、ハンドオーバー評価、リンク選択及びハンドオーバー処理を行う。
より具体的には、マルチモード移動端末は、「情報要求/応答」メッセージと「使用可能なネットワークの応答一覧」メッセージを受信する。次いで、マルチモード端末は、「情報要求/応答」メッセージと「使用可能なネットワークの応答一覧」メッセージを用いる現在の接続点を介して情報サーバーから様々なネットワーク関係の情報を取得し、ハンドオーバー評価及びリンク選択の動作を行う。もし、新たなリンクが選択されると、移動端末は新たな接続点と「MIHリソース質疑/応答」メッセージを介して新たなネットワーク関係の情報を取得する。
以下、移動端末の移動性に対応するための様々なプロトコル(例えば、MobileIPv4、DHCPv4、MobileIPv6及びDHCPv6など)について説明する。
図7は、移動IPv4システムの動作を示す図である。移動IPv4システムは、様々な機能(例えば、移動ホスト機能、ホームエージェント機能及び訪問エージェント機能)を要求することにより、明らかな移動性を持った上位階層を与えることができる。しかしながら、経路が最適化されていなければ、移動端末と通信するための相手ノードの変更は不要である。この場合に、移動ホストは移動性に対応するIPホストを示す。ホームエージェントは、移動ホストに関する位置情報を保持し、移動ホストのトンネリングを行うためのルーターとして働く。訪問エージェントは、訪問ネットワークに対して移動性に対応するルーターを示す。
以下、図7に示す移動IPv4システムの動作について述べる。図7を参照すると、移動ホストは、ステップS10において、ホームネットワークから訪問ネットワークに移動する。次いで、移動ホストは、訪問ネットワークを介して現在放送されている広告メッセージを受信し、その動きを認識する。このため、移動ホストは、ステップS20において、ホームエージェント(HA)と一緒に移動ホストの現在位置を示す一時アドレスまたはCoAを登録する。この場合に、一時アドレスCoAは訪問エージェントのIPアドレス(例えば、訪問エージェント(FA)-CoA)などの値であっても、訪問ネットワークにおいてDHCPを介して移動ホストに一時に割り当てられた共同配置のCoAなどの値であってもよい。
外部から移動ホストに送られてくるパケットは、ホームネットワークに送られる。このパケットは、ステップS30において、ホームエージェントにより盗まれて移動端末の動きを認識することになる。前記パケットを受け取ったホームエージェントは、移動ホストに送られてきたパケットの転送先アドレスをFA−CoAが用いられる場合に訪問エージェント(FA)のアドレスに設定する。この後、移動ホストは、ステップS40において、FAアドレスを示す転送先アドレスをカプセル化して送る。この後、カプセル化された転送パケットは訪問エージェント(FA)に送られ、訪問エージェントは受信したパケットを逆カプセル化して元のパケットに戻した後、移動ホストに送る(ステップS40)。
移動ホストから相手ノードに送られるパケットは、訪問エージェントを介して直接的に送られてよい。イングレスフィルタリングに問題がある場合、上述したパケットは逆方向トンネルを介して送られてよい。
移動IPに必要となる主な機能としては、エージェント探索、登録、ルーチングなどがあり、これについては後述する。
エージェント探索は、移動端末が現在自分のホームネットワークに接続されているか、あるいは、訪問ネットワークに接続されているかを決める方法を示し、この方法により移動端末は自分が他のネットワークに移動したかどうかを認識することができる。
移動IPは、所望のエージェントを探索するために、既存のインターネット制御通知プロトコル(Internet Control Message Protocol;ICMP)(例えば、IETFFRC1256)を拡張する。エージェント(例えば、ホームエージェント及び訪問エージェント)により周期的に放送されるエージェント広告メッセージは、「ICMPルーター広告」メッセージにある「移動性エージェント広告拡張」メッセージを含み、「移動性エージェント広告拡張」メッセージを含む「ICMPルーター広告」メッセージを送る。移動端末がエージェントを探索するために送る「Agent Solicitation」メッセージは、既存の「ICMP Router Solicitation」メッセージと同じ方式を用いる。
移動端末が他のネットワークに移動したとき、登録機能は、現在の位置情報をホームエージェントに送ることで、移動端末がいかなる変更なしにもホームネットワークにおいてサービスを提供されるようにするかなり融通の利くメカニズムを与える。
移動IPは、移動端末が他のサブネットに移動したとき、一時アドレスまたはCoAを設定するために2種類の登録手続き(例えば、FA−CoA及び共同配置されたCoA)を与える。移動端末がFA−CoAを用いる場合、移動端末は訪問エージェント(FA)を介して登録を行う。移動端末が共同配置されたCoAを用いる場合、移動端末はホームエージェントに直接的に登録を行う。また、FA−CoAが用られるならば、CoAはエージェント広告メッセージを介して訪問エージェントから与えられ、訪問エージェントのIPアドレスは一時アドレスCoAとして用いられる。共同配置されたCoAが用いられるならば、移動端末は訪問ネットワークに位置しているDHCPサーバーを介して一時アドレスCoAを受信する。
ルーチング機能は、移動端末が訪問ネットワークに接続されているとき、移動端末に/から送受されるデータグラムを適切にルーチングするための様々な機能を定義する。データグラムは、ユニキャスト、マルチキャスト及びブロードキャストを含む。
DHCPは、ネットワークマネージャに、組織内のネットワーク上にある必要なIPアドレスの管理及び割当てを中央において行わせるプロトコルを示す。コンピュータユーザーが組織内においてインターネットにアクセスするとき、IPアドレスは個別コンピュータに割り当てられている必要がある。ネットワークマネージャがIPアドレスを中央において管理/割り当てるとき、コンピュータはネットワーク外の接点においてインターネットに接続され、DHCPは自動的にそのコンピュータに新たなIPアドレスを送る。
DHCPは与えられたIPアドレスを管理するために、貸出し(賃貸)の考え方を適用する。この考え方によれば、与えられたIPアドレスは特定の時間中に限って当該コンピュータにおいて有効である。貸出し時間は、特定の位置においてユーザーが要求するインターネットアクセス時間に応じて異なってくる。DHCPは、IPアドレスよりも多くのコンピュータが用いられるときに、IPアドレスの貸出し時間を短縮して、DHCPがネットワークを動的に再設定できるようにする。
DHCPを正確に動作させるために、少なくとも1つのDHCPサーバーと1つのDHCPクライアントが当該ネットワークに存在することが必要である。これに加えて、ネットワークは、TCP/IPアドレスの範囲(203.224.29.10〜203.224.29.100)だけではなく、ゲートウェイアドレスとサブネットマスクも必要とする。
DHCPクライアントは、動作中にはCHCPサーバーからTCP/IPアドレス情報を取得する。しかしながら、取得したTCP/IPアドレスは永久的なものではない。DHCPサーバーは、クライアントに周期的に満了し且つ更新される貸出しアドレスを与える。
DHCPクライアントは、状態として参照される多数のハンドシェイク段階を通じて貸出しアドレスを確保/保持する。多数のクライアントDHCP状態、例えば、初期化(INT)、選択(SELECTING)、要請(REQUESTING)、バインディング(BOUND)、更新(RENEWING)、リバインディング(REBINDING)などがある。
図8は、DHCPメッセージフォーマットを示す。図9は、DHCPクライアント−サーバーモデルの動作を示すフローチャートであり、DHCPクライアントがDHCPサーバーから自動的にIPアドレスを受信することを許容する方法を示す。
下記表10は、図9に示すDHCPメッセージの型と用途を示している。
図9は、DHCPv4システムの動作を示す図である。図9を参照すると、DHCPv6システムは、IPv4システムのためのDHCPプロトコルを示す。以下では、図9と表10に基づき、特に、DHCPクライアントに、DHCPサーバーから自動的にIPアドレスを受信可能にする方法を説明する。先ず、クライアントは、「DHCPDISCOVER」メッセージをブロードキャストする(S120)。個別サーバーがクライアントから「DHCPDISCOVER」メッセージを受信する場合、受信した「DHCPDISCOVER」メッセージに応答し、応答信号として「DHCPOFFER」メッセージを送信する(S120)。
「DHCPDISCOVER」メッセージをブロードキャストしたクライアントは、「DHCPOFFER」メッセージを1つまたはそれ以上のサーバーから受信して、設定パラメータを要請するためにサーバーのうちいずれかを選択し、「DHCPREQUEST」メッセージをブロードキャストする(S130)。この場合に、「DHCPREQUEST」メッセージにより未選択のサーバーは、クライアントがそれらのサーバーの提案を拒絶したと認識する。「DHCPREQUEST」メッセージにより選択されたサーバーは、「DHCPACK」メッセージにアドレス設定情報を含めて応答信号として送る(S140)。
クライアントにより選択されたサーバーから「DHCPACK」メッセージを受信すれば、ステップS150において、アドレスを設定する。しかしながら、クライアントが「DHCPNAK」メッセージを受信すれば、上述したプロセスを再開する。クライアントは、貸出したアドレスを返却する場合、「DHCPRELEASE」メッセージをサーバーに送ってもよい(S160)。
図10は、移動IPv6システムの動作手順を示すフローチャートである。移動IPv6システムは、移動IPv4システムよりも移動端末の移動性にさらに効率よく対応し、優れた拡張性を有している。以下、図10に基づき、移動IPv6システムの主な構成要素の動作と機能について説明する。
図10に示すように、移動ノード(mobile node;MN)は、自分のネットワーク接続を変えるホストまたはルーターである。相手ノード(correspondent node;CN)は、MNと通信するホストまたはルーターである。ホームエージェントHAはルーターとして動作し、ホームネットワークにある他のルーターから取得したMNの登録情報を有していると共に、外部ネットワークにある現在位置のMNにデータグラムを送ることができる。一時アドレスまたはCoAは、移動ノードが外部ノードに移動するとき、移動ノードに接続されるIPアドレスを示す。
「バインディング」とは、ホームエージェントに登録されているCoAを相手ノードのホームアドレスと整合する特別な動作を意味する。「バインディング更新」(Binding Update;BU)メッセージは、移動ノードそれ自体がホームエージェントHAと相手ノードCNに移動ノードのCoAを報知するために用いられるメッセージを示す。「バインディング認定」(Binding Acknowledge;BACK)メッセージは、上述した「BU」メッセージに対する応答メッセージである。「バインディング要請」(Binding Request;BR)メッセージは、相手ノードCNが移動ノードのバインディング情報のタイマーが終了する前に「BU」メッセージを受信できなかったとき、「BU」メッセージを要請するためのメッセージを示す。
「CoA取得」とは、移動ノードが近隣探索機能とアドレス自動設定機能を用いて移動時に自動的に自分の位置情報を構成することを意味する。「ルーター最適化」とは、相手ノードCNがバインディング情報を保存してから、ホームエージェントを介さずに移動ノードと直接的に通信できるようにする特別な手続きを意味する。
上述したアドレス自動設定機能は、2種類のアドレス自動設定方法に大別できる。例えば、第一の方法は、状態保存型アドレス自動設定方法であり、DHCPなどのサーバーを用いてアドレスを取得する方法である。第二の方法は、非状態型アドレス自動設定方法であり、移動ノードが自体的にアドレスを発生させるホストを統制する方法である。
状態保存型アドレス自動設定方法は、ホストがDHCPサーバーからアドレスを要請する場合、サーバーからホストに割り当て可能な多数のアドレスのうちいずれかを割り当てるようにする方法である。非状態型アドレス自動設定方法は、移動ノードのインタフェースID情報とルーターから取得したプレフィックス情報を組み合わせて移動ノードがアドレスを形成する方法である。
以下、図10に示す移動IPv6の動作手順について説明する。図10を参照すると、移動ノードMNが、ステップS200において、サブネットAから他のサブネットBに移動する場合、移動ノードはルーター広告RAメッセージのプレフィックス情報と近隣未到達探知(Neighbor Unreachable Detection;NUD)メカニズムを用いて他のサブネットBに移動した旨を感知する。
また、移動ノードMN自分は、上述したアドレス自動設定方法を用いて一時アドレスまたはCoAを取得する(S220)。この後、移動ノードMNは、「BU」メッセージを送ることで、ホームエージェントが取得したCoAを認識できるようにする(S230)。
「BU」メッセージを受信したホームエージェントHAは、移動ノードMNのホームアドレスと一時アドレスCoAを組み合わせて「BU」メッセージに応答するメッセージとして「BACK」メッセージを送る(S240)。
移動ノードMNと最初に通信する相手ノードCNは、前記移動ノードが他のサブネットに移動した旨を感知できなかったため、転送先アドレスを移動ノードのホームアドレスに設定してホームエージェントに結果パケットを送る(S250)。移動ノードを管理するホームエージェントは、相手ノードのパケットを盗み、移動ノードの現在位置にパケットトンネリングを行う(S260)。
前記トンネリングされたパケットを受け取った場合、送られてきたパケットを有する相手ノードがバインディング情報を有していないと判断し、前記相手ノードに「BU」メッセージを送ることで、相手ノードに移動ノードのCoAを報知する(S270)。移動ノードMNのCoAを受信した相手ノードCNは、バインディング情報を保存し、バインディング情報を用いて移動ノードと直接的に通信する(S280)。
図11は、DHCPv6システムの動作を示すフローチャートである。図11を参照すると、DHCPv6システムは、IPv6のためのDHCPプロトコルを示し、状態保存型アドレス自動設定方法に対応する。DHCPv6システムは、IPアドレス、種々の情報(例えば、ルーチング情報)及びネットワークリソース管理機能が少数のDHCPサーバーに集中していて、メンテナンスコストを節減することのできる特別なメカニズムである。
DHCPv6は、2種類のマルチキャストアドレス、すなわち、「All_DHCP_Relay_Agents_and_Servers」アドレスと「All_DHCP_Servers」アドレスを用いる。「All_DHCP_Relay_Agents_and_Servers」アドレスは、リンクローカルマルチキャストアドレスを示し、クライアントがエージェントのリンクローカルアドレスを知っていない場合、リンクを有しているエージェントと通信可能にクライアントにより用いられる。全てのサーバーとエージェントは、前記マルチキャストグループの構成要素として働く。
「All_DHCP_Servers」アドレスは、サイトローカルマルチキャストアドレスを示し、クライアントまたはリレイにより全てのサーバーにメッセージを送信する場合に、またはサーバーのユニキャストアドレスを認識できなかった場合に、サーバーと通信するために用いられる。クライアントに上述した「All_DHCP_Servers」アドレスを使用させるために、クライアントはサーバーに達する十分な範囲のアドレスを有している必要がある。サイト内にある全てのサーバーは、このマルチキャストグループの構成要素である。
様々なメッセージ、例えば、「SOLICIT」、「ADVERTISE」、「REQUEST」、「REPLY」、「RENEW」、「RELEASE」などのメッセージがDHCPv6システムの基本的な運用のために使用可能である。
「SOLICIT」メッセージは、クライアントがサーバーの位置を把握するために用いるメッセージであり、「All_DHCP_Servers」アドレスを用いてマルチタスキングされる。「ADVERTISE」メッセージは、「SOLICIT」メッセージに対する応答メッセージである。できる限り、DHCPサーバーは、「SOLICIT」メッセージに応答する。
「REQUEST」メッセージは、クライアントが選択したサーバーからIPアドレスが含まれている構成パラメータを取得するために用いるメッセージであり、「All_DHCP_Relay_Agents_and_Servers」アドレスを用いてマルチタスキングされる。「REPLY」メッセージは、上述した「REQUEST」、「RENEW」、「RELEASE」メッセージに対する応答メッセージである。
「RENEW」メッセージは、クライアントが初期に割り当てられたクライアントアドレスと構成パラメータの寿命を取得するためのメッセージである。「RELEASE」メッセージは、クライアントがサーバーに1以上のIPアドレスを返すために用いるメッセージである。
以下、図11に示すDHCPv6システムの動作について説明する。図11を参照すると、クライアントは、「SOLICIT」メッセージを「All_DHCP_Servers」アドレスに送ることで、サーバーの位置情報を認識する(S310)。個別のDHCPv6サーバーは、「ADVERTISE」メッセージを出力して「SOLICIT」メッセージに応答する(S320)。この場合に、「ADVERTISE」メッセージはプレフィックス情報を含む。この後、クライアントは、DHCPv6サーバーのうちいずれかを選択して「REQUEST」メッセージを送るとともに、さらなる構成パラメータを要請する(S330)。選択されたDHCPv6サーバーは、「REPLY」メッセージを出力して「REQUEST」メッセージに応答する(S340)。
「REPLY」メッセージを受信したクライアントは、「RENEW」メッセージをDHCPv6サーバーに送ることで、以前の構成パラメータと割り当てられたアドレスの寿命を更新し、T1タイマーの動作を開始する(S350)。この場合に、T1は、現在のアドレスの寿命を延ばすために既存のアドレスを取得したサーバーに接続する時間を示す。
DHCPv6サーバーは、「REPLY」メッセージを「RENEW」メッセージに応答信号として送る(S360)。この後、クライアントは、割り当てられたアドレスをそれ以上使用しないときに、「RELEASE」メッセージを出力して相手アドレスを解放する(S370)。
図12は、IPアドレスの設定手順を示すフローチャートである。具体的に、IPアドレスの設定手順は、マルチモード移動端末が新たなネットワークにハンドオーバーされ、新たなネットワークの移動性管理プロトコルが旧ネットワークのそれと異なる場合に行われる動作を示す。
図12を参照すると、旧ネットワークは、移動IPv4システムの移動性管理プロトコルに対応する。新ネットワークは、移動IPv6システムの移動性管理プロトコルに対応する。マルチモード端末は、IPv4システムとIPv6システムの移動性管理プロトコルをスタックに装備したものであると想定する。
マルチモード移動端末は、新ネットワークへのハンドオーバーが発生したとき、移動端末は「IP_Renewal_Indication」トリッガー信号を受信して、CoA再設定の手続きを行う。より具体的に、旧ネットワークにおいて移動性管理プロトコルとしてIPv4を用いた移動端末は、「Agent Solicitation」メッセージをブロードキャストして新たなCoAを取得する。しかしながら、新たなネットワーク(移動端末がハンドオーバーされた)は、移動性管理プロトコルとしてIPv6を与えるため、「Agent Solicitation」メッセージは廃棄される。
このため、移動端末は、「Agent Solicitation」メッセージに対する応答として「エージェント広告」メッセージを受信できず、この後、「Agent Solicitation」メッセージの寿命は廃棄される。「Agent Solicitation」メッセージの送信を数回に亘ってリトライした後、移動端末は、それがIPv4によりそれ以上動作しないと判断し、IPv6メッセージを用いてCoA設定の手続きを行う。
上述したように、マルチモード移動端末が新たなインタフェースネットワーク(すなわち、新たなネットワーク)にハンドオーバーしたとき、以前のネットワークの移動性管理プロトコルが新たなネットワークの移動性管理プロトコルである場合、移動端末は新たなネットワークにおいて以前ネットワークの移動性管理プロトコルがそれ以上動作できない旨を認識するのに極めて長時間かかる。長時間が経過してからはじめて、移動端末は新たなネットワークの移動性管理プロトコルを用いるCoAを設定する。換言すると、移動端末が新たなネットワークにおいて以前ネットワークの以前の移動性管理プロトコルが動作できない旨を認識し、且つ、新たな移動性管理プロトコルを用いてCoAを設定するまでは長い遅延時間がかかる。
このため、上述した問題点が原因となって、リアルタイムにてトラフィックの送受信を行うための移動端末は、損傷されたパケットと延びたサービス時間という問題点に直面する。
以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態を詳述する。しかしながら、本発明は以下の実施形態により何ら限定されるものではない。
本発明は、異種網間においてハンドオーバーを行うように移動性管理プロトコル情報をマルチモード移動端末に与える方法に関する。
本発明の利点が容易に理解されるように、上記に簡単に記載した本発明のより具体的な説明は、添付図面に示される特定の実施形態を参照して示される。これらの図面は、本発明の標準的な実施形態のみを図示しており、従って本発明の範囲を限定するものと見なすべきではないことを理解した上で、本発明は、添付図面を用いてさらに具体的かつ詳細に記載され、説明される。なお、図中、同じ構成要素にはできる限り同じ参照符号を付している。
本発明を記述するに先立ち、好ましくは、移動端末に新たなネットワークにおいて支援する移動性管理プロトコル情報を与えるために、2種類の方法が適用される。例えば、第一の方法は、移動端末にイベントサービスを介して移動性管理プロトコル情報を与えるものであり、第二の方法は、情報サービスを介して移動端末に移動性管理プロトコル情報を与えるものである。
図13は、本発明の一実施形態による「ローカルイベント」モデルと「MIHイベント」モデルを示す構造図である。図13を参照すると、MIHイベントは、MIHから上位管理エンティティまたは上位階層のうちいずれか一方に送られるイベントを示し、従来の技術上のイベントトリッガーがこれに相当する。リンクイベントは、下位階層(例えば、MACまたは物理階層)からMIHに送られるイベントであり、それぞれのインタフェースMAC階層または物理階層において用いられるプリミティブが用いられる。
図14は、本発明の一実施形態による「遠隔リンクイベント」モデルを示す構造図である。図14を参照すると、ローカルスタック内にある下位階層から同じローカルスタック内にあるMIHにイベントを発生すると、MIHはこれを遠隔スタックのMIHに送る。
図15は、本発明の一実施形態による「遠隔MIHイベント」モデルを示す構造図である。図15を参照すると、ローカルスタックのMIH機能は、遠隔MIHイベントを発生させて遠隔スタックにある相手MIH機能に送る。相手MIH機能は、受信したイベントを自分のMIH機能スタック内にある上位管理エンティティまたは上位階層に送る。
図16は、本発明の一実施形態による「MIH指令」モデルと「リンク指令」モデルを示す構造図である。図16を参照すると、MIH指令は、上位管理エンティティまたは上位階層から発生してMIH機能に送られ、MIHに特定のタスクを行うことを指示する。リンク指令は、MIH機能から発生して下位階層に送られ、下位階層に特定のタスクを行うことを指示する。
図17は、本発明の一実施形態による「遠隔MIH指令」モデルを示す構造図である。図17を参照すると、遠隔MIH指令は、上位管理エンティティまたは上位階層から発生してMIH機能に送られる。MIH機能は、受信したMIH指令を遠隔スタックにある相手MIH機能に送る。
図18は、本発明の一実施形態による「遠隔リンク指令」モデルを示す構造図である。図18を参照すると、ローカルスタックにあるMIH機能は、遠隔リンク指令を発生させて遠隔スタックにある相手MIH機能に送る。相手MIH機能は、遠隔リンク指令を遠隔スタックにある下位階層に送る。
次は、本発明の実施形態による、移動端末にイベントサービスを介して移動性管理プロトコル情報を与える方法について説明する。図19は、本発明の一実施形態によるプロトコルスタック構造を示す構造図である。図19を参照すると、マルチモード移動端末が移動性管理プロトコルとして移動IPv4に対応するIEEE802.11ネットワーク(例えば、旧ネットワーク)から、移動性管理プロトコルとして移動IPv6に対応するIEEE802.16ネットワーク(例えば、新ネットワーク)にハンドオーバーされる場合、IEEE802.16ネットワーク(例えば、新ネットワーク)に対応する移動性管理プロトコルを送る方法としてプロトコルスタック構造を用いる本発明のイベントサービスを用いる。
マルチモード移動端末として働く移動端末が新たなネットワークにハンドオーバーされる場合、移動端末の媒体アクセスコントロール(MAC)階層は、MIHイベント(例えば、「Link_Available」または「Link_Up」)において新たなネットワークにより支援される移動性管理プロトコル型情報を含み、その移動性管理プロトコル型情報を持ったMIHイベントをMIH機能(MIH階層とも呼ばれる)に送る。そして、MIH機能は、「Link_Up」イベントを相手側の移動性管理プロトコルに送る(すなわち、IPv6)。
イベントサービスを介して移動端末に移動性管理プロトコル情報を与える方法は、新たなネットワークにおいて支援される新たな移動性管理プロトコルを移動端末に与えるために、「Link_Up」、「Link_Available」、「IP_Renewal_Indication」イベントに新たなパラメータを付加する。このため、移動端末は、上述の新たに付加されたパラメータにより新たなネットワークにおいて移動性管理プロトコルを認識する。上述のパラメータは、現在の移動性管理プロトコルに関する情報を含む。しかしながら、新たな移動性管理プロトコルが将来に開発される場合、新たに開発される移動性管理プロトコルに関する情報が、必要に応じて、上述のパラメータに付加されてもよい。
移動性管理プロトコル対応型ビットマップのように新たに追加されたパラメータは、新たなネットワークにより支援可能な様々な移動性管理プロトコル型を示す。例えば、ビット「1」は、相手移動性管理プロトコルがネットワークから供給可能であることを意味する。
図20は、本発明の一実施形態によるIPアドレスの設定手順を示すフローチャートである。好ましくは、移動端末が「Link_Available」イベントを介して新たなネットワークの移動性管理プロトコル情報を受信することを許容する方法が示されている。図20を参照すると、移動IPv4移動性管理プロトコルと移動IPv6移動性管理プロトコルを装備した移動端末が移動IPv4移動性管理プロトコルに対応するネットワークにアクセスする場合、移動IPv6移動性管理プロトコルに対応する新たなネットワークにハンドオーバーされ、本発明の移動性管理プロトコル対応型ビットマップが「Link_Available」イベントに含まれる。このため、新たなネットワークにおいて支援する移動性管理プロトコル型が、移動端末が新たなネットワークと接続状態(すなわち、新たなリンク)を設定する前に移動端末に与えられる。
好ましくは、マルチモード移動端末の新たな下位階層(新規LL)または新たなMAC階層はスキャニングまたは他のメッセージを用いて新たな接続点の移動性管理プロトコル情報(移動IPv6)を取得する。新規LLは、「Link_Available」イベントに取得した情報を含めてMIH階層に送る。
このため、MIH階層が相手接続点に関する移動性管理プロトコル情報を一時に保持するとき、移動端末が相手リンクとの接続を設定した旨を意味する「Link_Up」イベントを受信すると、MIH階層は、「Link_Up」イベントを上述した一時保持情報を参照して相手移動性管理プロトコル(移動IPv6)に送る。この後、移動端末の上位階層またはネットワーク階層は、IPv6CoA設定手順を行うことで新たなCoAを取得し、新たなCoaをホームエージェントに登録する。
下記表11は、移動性管理プロトコル対応型ビットマップを含む「Link_Available」イベントのパラメータを例示している。
図21は、本発明の一実施形態によるIPアドレスの設定手順を示すフローチャートである。好ましくは、図21には、移動端末が「Link_Up」イベントを介して新たなネットワークの移動性管理プロトコル情報を受信することを許容する方法が示してある。
好ましくは、図21に示すように、移動IPv4移動性管理プロトコルと移動IPv6移動性管理プロトコルを装備した移動端末が移動IPv4移動性管理プロトコルに対応するネットワークにアクセスする場合、移動IPv6移動性管理プロトコルに対応する新たなネットワークにハンドオーバーされ、本発明の移動性管理プロトコル対応型ビットマップが「Link_Up」イベントに含まれる。このため、新たなネットワークにおいて支援する移動性管理プロトコル型がネットワーク階層ハンドオーバーの手続きが行われる前に移動端末に与えられる。
好ましくは、マルチモード移動端末のMAC階層などの新たな下位階層(新規LL)が「Link設定要請/応答」メッセージを介して新たなリンクと接続状態を設定し、新規LLは新たな接続点の移動性管理プロトコル情報(MIPv6)を取得する。この後、マルチモード移動端末が新たなリンクと接続状態を設定すれば、移動性管理プロトコル情報を含む「Link_UpMIH」イベントはMIH階層に送られる。そして、MIH階層は、トリッガー「Link_Up」イベントの移動性管理プロトコル対応型ビットマップを参照して、相手イベントサービスを相手移動性管理プロトコル(MIPv6)に送る。
表12は、移動性管理プロトコル対応型ビットマップを含む「Link_Up」イベントのパラメータを例示している。
図22は、本発明の一実施形態によるIPアドレスの設定手順を示すフローチャートである。好ましくは、図22には、移動端末が「IP_Renewal_Indication」イベントを介して新たなネットワークの移動性管理プロトコル情報を受信することを許容する方法が示してある。
好ましくは、図22に示すように、移動IPv4移動性管理プロトコルと移動IPv6移動性管理プロトコルを装備した移動端末が移動IPv4移動性管理プロトコルに対応可能なネットワークにアクセスする場合、移動IPv6移動性管理プロトコルに対応する新たなネットワークにハンドオーバーされ、本発明の移動性管理プロトコル対応型ビットマップが「IP_Renewal_Indication」イベントに含まれる。このため、新たなネットワークにおいて支援する移動性管理プロトコル型が、ネットワーク階層ハンドオーバー手順が行われる前に移動端末に与えられる。
好ましくは、移動端末の新たな接続点は、移動端末から「遠隔Link_UpMIH」イベントを受信する。この新たな接続点は、移動端末のネットワークから与えられた移動性管理プロトコル情報を含む「IP_Renewal_Indicationリンク」イベントを移動端末のMIH階層に送る。そして、移動端末のMIH階層は、「IP_Renewal_Indicationリンク」イベントの移動性管理プロトコル対応型ビットマップを参照して、「IP_Renewal_Request」イベントを相手移動性管理プロトコル(MIPv6)に送る。
上述した実施形態は、移動端末と接続点との間のリンク設定が完了した後、「IP_Renewal_Indication」トリッガー信号が発生することを示している。しかしながら、旧接続点がinter−MIH信号メッセージ(例えば、MIH機能間の信号メッセージ)を用いて新たな接続点のIPアドレス情報を取得すれば、旧接続点は、移動端末が新たな接続点とリンクを設定する前に、上述した「IP_Renewal_Indication」トリッガー信号を与えることができる。
下記表13は、移動性管理プロトコル対応型ビットマップを含む「IP_Renewal_Indication」イベントのパラメータを示している。
図23は、本発明の一実施形態によるIPアドレスの設定手順を示すフローチャートである。好ましくは、図23には、移動端末が情報サービスを介して新たなネットワークの移動性管理プロトコル情報を受信することを許容する方法が示してある。
図23を参照すると、本発明の一実施形態により、上述した移動性管理プロトコル対応型ビットマップに類似するパラメータが「Query(Response) List of Available Networks」メッセージ(すなわち、移動端末のMIHと現在の接続点のMIHまたはアクセス点信号メッセージ)に含まれて、移動端末は相手ネットワークにおいて支援する移動性管理プロトコル情報を受信することができる。
図24は、本発明の一実施形態によるIPアドレスの設定手順を示すフローチャートである。好ましくは、図24には、移動端末が情報サービスを介して新たなネットワークの移動性管理プロトコル情報を受信することを許容する方法が示してある。
図24を参照すると、本発明の一実施形態により、上述した移動性管理プロトコル対応型ビットマップに類似するパラメータが「Query More(Response) Info on 802.y Networks」メッセージ(すなわち、移動端末のMIHと現在の接続点のMIHまたはアクセス点との間の信号メッセージ)に含まれて、移動端末は相手ネットワークにおいて支援する移動性管理プロトコル情報を受信することができる。
図25は、本発明の一実施形態による上位管理エンティティを含むプロトコルスタック構造を示す構造図である。図25には、プロトコルスタック構造を用いて、マルチモード移動端末が移動IPv4移動性管理プロトコルに対応するIEEE802.11ネットワーク(すなわち、旧ネットワーク)から移動IPv6移動性管理プロトコルに対応するIEEE802.16ネットワーク(すなわち、新ネットワーク)にハンドオーバーを行う場合、本発明による上述のIEEE802.16ネットワーク(すなわち、新ネットワーク)において支援する移動性管理プロトコルを送る方法が示してある。
マルチモード移動端末として動作する移動端末が新たなネットワークにハンドオーバーする場合、移動端末のMAC階層は所定のイベント(例えば、「Link_Available」または「Link_Up」)において新たなネットワークが支援する移動性管理プロトコル型情報を含み、上述した移動性管理プロトコル型情報を有するイベントは上位管理エンティティに送られる。そして、上位管理エンティティは、「Link_Up」イベントを相手移動性管理プロトコル(すなわち、MIPv6)に送る。
イベントサービスを介して移動端末に移動性管理プロトコル情報を与える方法においては、移動端末に新たなネットワークにおいて支援する新たな移動性管理プロトコル情報を与えるために、「Link_Up」、「Link_Available」または「IP_Renewal_Indication」イベントに新たなパラメータを付加する。移動端末は、上述した新たに付加されたパラメータを介して新たなネットワークにおいて移動性管理プロトコルを認識する。上述したパラメータは、現在の移動性管理プロトコルに関する情報を含む。しかしながら、新たな移動性管理プロトコルが将来に開発される場合、関連のある情報が、必要に応じて、上述したパラメータに付加されてもよい。
新たに付加されたパラメータ(すなわち、移動性管理プロトコル対応型ビットマップ)は、新たなネットワークにおいて支援する種々の移動性管理プロトコル型を示す。ビット「1」は、相手移動性管理プロトコルがネットワークにおいて提供可能であることを意味する。
図26は、本発明の一実施形態によるIPアドレスの設定手順を示すフローチャートである。好ましくは、図26を参照すると、移動IPv4移動性管理プロトコルと移動IPv6移動性管理プロトコルを装備した移動端末が移動IPv4移動性管理プロトコルを支援するネットワークにアクセスして、移動IPv6移動性管理プロトコルを支援する新たなネットワークにハンドオーバーを行う場合、本発明の移動性管理プロトコル対応型ビットマップは「Link_AvailableMIH」イベントに含まれる。このため、新たなネットワークにおいて支援する移動性管理プロトコル型は、移動端末が新たなネットワークと接続状態(すなわち、新たなリンク)を設定する前に移動端末に与えられる。図26に示す実施形態により、上位管理エンティティは上位階層(すなわち、L3及びその上位)、デバイスマネージャ及びハンドオーバーコントロール機能を含む。
好ましくは、マルチモード移動端末の新たな下位階層(例えば、新たなMAC階層)は、スキャニングと他のメッセージを用いて新たな接続点の移動性管理プロトコル情報(例えば、移動IPv6)を取得する。新たなMAC階層は、取得した情報を「Link_AvailableMIH」イベントに含めてMIH機能を介して上位管理エンティティに送る。好ましくは、上位管理エンティティは、相手接続点に関する移動性管理プロトコル情報を上位階層に送ることで、相手移動性管理プロトコル(すなわち、移動IPv6)を「Link_Up」状態にすることを指示する。この後、移動端末のネットワーク階層は、IPv6CoAの設定手順を行うことで新たなCoAを取得し、ホームエージェントに新たなCoAを登録する。
図27は、本発明の一実施形態によるIPアドレスの設定手順を示すフローチャートである。好ましくは、図27には、移動端末が「Link_Up」イベントを介して新たなネットワークに関する移動性管理プロトコル情報を受信することを許容する方法が示してある。
好ましくは、図27を参照すると、移動IPv4移動性管理プロトコルと移動IPv6移動性管理プロトコルを装備した移動端末が移動IPv4移動性管理プロトコルに対応可能なネットワークにアクセスして移動IPv6移動性管理プロトコルを支援する新たなネットワークにハンドオーバーを行う場合、本発明の移動性管理プロトコル対応型ビットマップは「Link_Up」イベントに含まれる。このため、新たなネットワークにおいて支援する移動性管理プロトコル型は、ネットワーク階層のハンドオーバー手順が行われる前に移動端末に与えられる。図26に示す実施形態によれば、上位管理エンティティは、上位階層(すなわち、L3及びその上位)、デバイスマネージャ、ハンドオーバーコントロール機能を含む。
好ましくは、マルチモード移動端末のMAC階層などの新たな下位階層(新規LL)が「Link設定要請/応答」メッセージを介して新たなリンクと接続状態を設定し、新規LLは、新たな接続点の移動性管理プロトコル情報(MIPv6)を取得する。
この後、マルチモード移動端末が新たなリンクと接続状態を設定すれば、移動性管理プロトコル情報を含む「Link_UpMIH」イベントはMIH階層に送られる。そして、MIH階層は、トリッガー「Link_Up」イベントの移動性管理プロトコル対応型ビットマップを参照することにより、相手イベントサービスを相手移動性管理プロトコル(MIPv6)に送る。
図28は、本発明の一実施形態によるIPアドレスの設定手順を示すフローチャートである。好ましくは、図28には、移動端末が「IP_Renewal_Indication」イベントを介して新たなネットワークに関する移動性管理プロトコル情報を受信することを許容する方法が示してある。
好ましくは、図28に示すように、移動IPv4移動性管理プロトコルと移動IPv6移動性管理プロトコルを装備した移動端末が移動IPv4移動性管理プロトコルに対応可能なネットワークにアクセスして移動IPv6移動性管理プロトコルを支援する新たなネットワークにハンドオーバーを行う場合、本発明の移動性管理プロトコル対応型ビットマップは、「IP_Renewal_Indication」イベントに含まれる。このため、新たなネットワークにおいて支援する移動性管理プロトコル型は、ネットワーク階層ハンドオーバー手順が行われる前に移動端末に与えられる。図28に示す実施形態によれば、上位管理エンティティは、上位階層(すなわち、L3及びその上位)、デバイスマネージャ、ハンドオーバーコントロール機能を含む。
好ましくは、移動端末の新たな接続点は、移動端末から「遠隔Link_UpMIH」イベントを受信する。新たな接続点は、移動端末のネットワークから与えられた移動性管理プロトコル情報を含む「IP_Renewal_Indicationリンク」イベントを上位管理エンティティに送る。そして、上位管理エンティティは、「IP_Renewal_Request」イベントを「IP_Renewal_Indicationリンク」イベントの移動性管理プロトコル対応型ビットマップを参照することにより、相手移動性管理プロトコル(MIPv6)に送る。
上述した実施形態は、「IP_Renewal_Indication」トリッガー信号が移動端末と新たな接続点との間のリンク設定が完了した後に発生することを示している。しかしながら、旧接続点がinter_MIH信号メッセージ(すなわち、MIH機能間の信号メッセージ)を用いて新たな接続点のIPアドレス情報を取得すれば、旧接続点は移動端末が新たな接続点とリンクを設定する前に上述した「IP_Renewal_Indication」トリッガー信号を与えることができる。
図29は、本発明の一実施形態によるIPアドレスの設定手順を示すフローチャートである。好ましくは、図29には、移動端末が情報サービスを介して新たなネットワークに関する移動性管理プロトコル情報を受信することを許容する方法が示してある。
図29を参照すると、上述した移動性管理プロトコル対応型ビットマップに類似するパラメータが「Query(Response) List of Available Networks」メッセージ(すなわち、移動端末のMIHと現在の接続点のMIHまたはアクセス点との間の信号メッセージ)に含まれて上位管理エンティティに送られ、上位管理エンティティは相手ネットワークにおいて支援される移動性管理プロトコル情報を受信することができる。
図30は、本発明の一実施形態によるIPアドレスの設定手順を示すフローチャートである。好ましくは、図30には、移動端末が情報サービスを介して新たなネットワークに関する移動性管理プロトコル情報を受信することを許容する方法が示してある。
図30を参照すると、上述した移動性管理プロトコル対応型ビットマップに類似するパラメータが「Query More(Response) Info on 802.y Networks」メッセージ(すなわち、移動端末のMIHと現在の接続点のMIHまたはアクセス点との間の信号メッセージ)に含まれて上位管理エンティティに送られ、上位管理エンティティは相手ネットワークにおいて支援される移動性管理プロトコル情報を受信することができる。
図31は、本発明の一実施形態によるIPアドレスの設定手順を示すフローチャートである。図31を参照すると、上述した図28の実施形態と同様に、移動性管理プロトコル型情報が「IP_Renewal_Indication」トリッガー信号に含まれている場合であっても、「IP_Renewal_Indication」トリッガー信号は、移動端末が遠隔「Link_Going_Down」トリッガー信号を旧接続点(POA)に送った後に発生する。旧POAは、遠隔「Link_Going_Down」トリッガー信号を移動端末から受信し、新たなPOAに関するIP関係の情報をinter_MIH信号メッセージにより取得し、取得したIP関係の情報を「IP_Renewal_Indication」トリッガー信号に含めて、最後に、新たなIP関係の情報が含まれている「IP_Renewal_Indication」トリッガー信号を移動端末に送る。
上述したように、本発明の実施形態においては、移動IPv4と移動IPv6移動性管理プロトコルを例にとっているが、本発明の範囲は移動IPv4と移動IPv6にのみ制限されるものではなく、他の例や修正にも応用可能である。
以上の説明から明らかなように、本発明による移動通信システムは、多数の移動性管理プロトコルを備えるマルチモード移動端末が新たなインタフェースネットワークにハンドオーバーされるとき、移動端末にイベントサービスまたは情報サービスを介して新たなネットワークにおいて支援する移動性管理プロトコル情報を与える。
このため、本発明は、移動端末が新たなネットワークにおいて旧ネットワークの以前の移動性管理プロトコルによりそれ以上運用できない旨を認識し、新たなネットワークの新たな移動性管理プロトコルを用いてCoAを設定し、新たなCoAはパケットの損傷や時間延長を発生することなく速やかに設定可能であるため、所要の遅延時間を大幅に短縮することができる。
本発明は移動通信について記述しているが、無線通信能を備えるPDA及びノート型パソコンなどいかなる形態の無線通信システムにも使用可能である。さらに、本発明において用いられる特定の用語は、本発明の範囲をUMTなどの無線通信システムの特定の形態に制限しない。本発明はまた、他の空中インタフェースまたは物理階層、例えば、TDMA、CDMA、FDMA、WCDMAなどを用いた他の無線通信システムにも適用可能である。
本発明の実施形態は、標準プログラミング及び/またはエンジニアリング技術を用いて装置や物品の製作に適用することにより、ソフトウェア、フォームウェア、ハードウェアまたはこれらの組合品を生産することができる。ここで、物品の製作とは、ハードウェアロジックにおいて実現されたコードやロジック(例えば、統合された回路チップ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array;FPGA)、特定用途向け集積回路 (Application Specific Integrated Circuit;ASIC)など)またはコンピュータにて読取り可能な媒体(例えば、磁気貯蔵媒体(例えば、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、テープなど)、光学貯蔵媒体(CD−ROM、光ディスクなど)、揮発性及び不揮発性のメモリ装置(例えば、EEPROM、ROM、PROM、RAM、DRAM、SRAM、フォームウェア、プログラム可能なロジックなど))を製作することを言う。
コンピュータにて読取り可能な媒体において、コードは、プロセッサーによりアクセス及び起動される。実施形態におけるコードは、ネットワーク越しの転送媒体を介して、またはファイルサーバーからアクセス可能に実現される。この場合に、コードの具現された物品の製作は、ネットワーク転送線、無線転送媒体、空間を通じた信号伝搬、電波、赤外線信号などの転送媒体により実現できる。もちろん、この技術分野における通常の知識を持った者にとっては、本発明の範囲から逸脱することなく、数多くの修正を加えることができ、物品の製作にはこの技術分野に周知の媒体を含むいかなる情報から構成可能である。
この技術分野における通常の知識を持った者は、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の修正と変更を加えることができる。よって、本発明は、意図の通りに添付された請求範囲内における修正と変更を含む。
本発明の実施形態は単なる例示的なものに過ぎず、本発明を制限するものとして解釈されてはならない。本発明は、他の形態の機構に直ちに適用可能である。多くの代案、修正及び変更はこの技術分野における通常の知識を持った者にとって明らかであろう。請求項において、手段及び機能の構文は引用した機能と構造的な等価物または同等な構造物を行うものであり、ここに叙述されている構造を含むためのものである。