JPWO2006046279A1 - 平版印刷用版 - Google Patents
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Abstract
レーザー露光後の後処理不要なプロセスレス平版印刷用版であって、レーザー照射後のレーザー未露光部の明度(L*1)とレーザー露光部の明度(L*2)差が、10≦(L*2−L*1)<100であることを特徴とするプロセスレス平版印刷用版。レーザー光での書き込み及びプロセスレスを実現した平版印刷用の版において、検版性の良好な版材を提供する。本発明の平版印刷用版を用いれば、レーザー露光部の表面だけが親油性に変化するため感度、解像度に優れ、かつ現像や拭き取り等の処理を不要とすることが可能であり、かつレーザー露光部の検版性に優れたプロセスレス平版印刷用版を提供することができる。
Description
本発明は印刷用の版、特に湿し水を用いる平版印刷用版に関するものである。特に近赤外領域の光に感光し、明室でも取り扱うことができ、版に直接レーザー光で描画でき、かつ現像や拭き取り操作を不要とする(プロセスレス)ことができる、種々の印刷特性に優れた平版印刷用版に関するものである。さらに詳しくは、レーザー露光後の露光部の視認性(検版性)に優れた平版印刷用版に関する。
コンピュータの普及につれ、製版用フィルムを使用しないで、コンピュータ上の原稿から直接版材にレーザー光やサーマルヘッド、インクジェットで印字し製版する所謂コンピュータ・ツー・プレート(CTP)タイプの印刷版が登場し、普及し始めている。このうちレーザー光を用いる印刷版は、さらに光反応によるフォトンモードのものと、光熱変換を行って熱反応を起こさせるヒートモードの2つのタイプに分けられる。このうちヒートモードタイプのCTP版は、明室で取り扱えるといった利点があり、今後の主流になると言われている。また、フォトンモードでは露光後に未露光部が反応しないよう、失活や現像といった後工程が必須であるが、ヒートモードではこれら後工程を省くことが可能であり、所謂プロセスレス版を得ることも可能になると期待されている。
プロセスレス版には数種のタイプがあり、その中の一つのタイプとして印刷機上現像タイプが挙げられる。このタイプは例えば、支持体上に親油性層と撥インク性層、あるいは親油性層と親水性層の二つの層を積層し、レーザー露光によって表面側の層とその下の層との密着力を変化させ、密着力の低い部分を印刷機上で除去するというものである。密着力の低い部分の除去には水供給ローラとの接触、インクローラとの接触、インクのタックによる剥離、ブランケット胴との接触等、種々の方法が用いられている。この印刷機上現像タイプの印刷版においては、少なくとも表面層の一部が印刷機上で除去されるため、印刷機の湿し水やインクの着色汚染を防止する為には除去される層が着色していないことが望まれ、そのため良好な検版性の付与が困難となっている。
これを解決する方法として例えば、特開平11−240270公報や特開2004−167904公報には、露光により光学濃度が変化する赤外線吸収色素を含有する感熱層を設けることにより、検版性を付与した印刷版が開示されている。しかし、このような赤外線吸収色素は一般的に赤外線露光により退色するが、完全に消色することはないため、レーザー露光部と未露光部のコントラストは低く、検版性は十分とは言えない。また、表面層の露光部が除去される場合にも若干の着色物が印刷機の湿し水やインクに混入し着色汚染する、という問題点が存在していた。一方、表面層の未露光部が除去される場合、着色濃度が高いほど検版性は向上するが、印刷機での着色汚染はひどくなり、両者を両立させることは困難であった。
別の方法として例えば、特開2004−50616公報や特開2004−122363公報には、熱で発色する感熱色素と顕色剤を含有する感光層を設けることにより、検版性を付与した印刷版が開示されている。表面層の未露光部が除去される場合、未露光部は発色しておらず、無色あるいは薄色であり、印刷機での着色汚染は問題ない。しかし、このような感熱色素は一般に発色構造ではカルボキシル基などの親水性基を持つため、印刷機で湿し水に溶解し着色汚染する、という問題点が存在する。また、検版性を得るためだけに使用された感熱色素と顕色剤が、親水性の低下や耐刷性の低下といった印刷性能に悪影響を及ぼす可能性があり、実用化し難い技術である。
プロセスレス版のその他のタイプとしては、極性変換タイプが挙げられる。このタイプは例えば、支持体上にレーザー露光によって親水性樹脂感光層の露光部のみが親水性から親油性に変化するしくみとなっているものである。露光後の版表面がすでに親油性と親水性に分かれているため、印刷機上での除去作業も不要であり、完全なプロセスレス版とすることが可能となるものである。このタイプの印刷版として例えば、WO01/83234号公報に、親水性ポリマーマトリクス中に親油性ポリマーの微粒子を分散させた感光層が、レーザー露光により親油性ポリマーが発泡したり、熱融着したりして、親水性が失われ親インク性に変化する印刷版が開示されている。この版は露光により感光層表面が白濁するため検版は可能であるが、コントラストが小さく検版性の向上が望まれている。
:特開平11−240270公報 :特開2004−167904公報 :特開2004−50616公報 :特開2004−122363公報 :WO01/83234号公報
本発明の目的は、レーザー光での書き込み及びプロセスレスを実現した平版印刷用版において、検版性の良好な版材を提供することである。
本出願人は、レーザー光での書き込み及びプロセスレスを実現した平版印刷用版において、レーザー露光部が白濁化している現象に着目し、レーザー未露光部を特定の範囲の明度にしておくことで、白濁した露光部と暗色の未露光部との間で十分なコントラストが得られることを見いだした。即ち本発明は、以下の構成からなるものである。
(1)レーザー露光後の後処理不要なプロセスレス平版印刷用版であって、レーザー照射後のレーザー未露光部の明度(L*1)とレーザー露光部の明度(L*2)差が、10≦(L*2−L*1)<100であることを特徴とするプロセスレス平版印刷用版、好ましくは、
(2)レーザー未露光部の明度(L*1)が、0以上20以下である請求項1記載のプロセスレス平版印刷用版、また好ましくは、
(3)プロセスレス平版印刷用版が、支持体上に下地層を介して感光層が形成されたものであり、該下地層にレーザー未露光部の明度(L*1)が、0以上20以下となる色素を含有するものである(1)に記載のプロセスレス平版印刷用版、また好ましくは、
(4)プロセスレス平版印刷用版が、支持体上に直接、又は下地層を介して感光層が形成されたものであり、該支持体にレーザー未露光部の明度(L*1)が、0以上20以下となる色素を含有するものである(1)に記載のプロセスレス平版印刷用版、また好ましくは、
(5)プロセスレス平版印刷用版が、支持体上に直接、又は下地層を介して感光層が形成されたものであり、支持体が透明であり、且つ該支持体が裏面にレーザー未露光部の明度(L*1)が、0以上20以下となる色素を含有した層を持つものである(1)に記載のプロセスレス平版印刷用版、並びに
(6)レーザー露光後の後処理不要なプロセスレス平版印刷用原版であって、レーザー照射後のレーザー未露光部の明度(L*1)とレーザー露光部の明度(L*2)差が、10≦(L*2−L*1)<100となることを特徴とするプロセスレス平版印刷用原版。
(1)レーザー露光後の後処理不要なプロセスレス平版印刷用版であって、レーザー照射後のレーザー未露光部の明度(L*1)とレーザー露光部の明度(L*2)差が、10≦(L*2−L*1)<100であることを特徴とするプロセスレス平版印刷用版、好ましくは、
(2)レーザー未露光部の明度(L*1)が、0以上20以下である請求項1記載のプロセスレス平版印刷用版、また好ましくは、
(3)プロセスレス平版印刷用版が、支持体上に下地層を介して感光層が形成されたものであり、該下地層にレーザー未露光部の明度(L*1)が、0以上20以下となる色素を含有するものである(1)に記載のプロセスレス平版印刷用版、また好ましくは、
(4)プロセスレス平版印刷用版が、支持体上に直接、又は下地層を介して感光層が形成されたものであり、該支持体にレーザー未露光部の明度(L*1)が、0以上20以下となる色素を含有するものである(1)に記載のプロセスレス平版印刷用版、また好ましくは、
(5)プロセスレス平版印刷用版が、支持体上に直接、又は下地層を介して感光層が形成されたものであり、支持体が透明であり、且つ該支持体が裏面にレーザー未露光部の明度(L*1)が、0以上20以下となる色素を含有した層を持つものである(1)に記載のプロセスレス平版印刷用版、並びに
(6)レーザー露光後の後処理不要なプロセスレス平版印刷用原版であって、レーザー照射後のレーザー未露光部の明度(L*1)とレーザー露光部の明度(L*2)差が、10≦(L*2−L*1)<100となることを特徴とするプロセスレス平版印刷用原版。
本発明の平版印刷用版を用いれば、レーザー露光部の表面だけが親油性に変化するため感度、解像度に優れ、かつ現像や拭き取り等の後処理を不要とすることが可能であり、かつレーザー露光部の検版性に優れたプロセスレス平版印刷用版を提供することができる。
以下、本発明の平版印刷用版について詳細に説明する。
[明度差]
本発明における明度は、JIS Z 8729規定のL*a*b*表色系に準じた値である。すなわち、L*a*b*表色系では、明度をL*、色相と彩度を示す色度をa*b*で表す。本発明においては、レーザー未露光部の明度をL*1、露光部の明度をL*2と表記する。このとき、レーザー未露光部と露光部の明度差は、下記式で表される。
[明度差]
本発明における明度は、JIS Z 8729規定のL*a*b*表色系に準じた値である。すなわち、L*a*b*表色系では、明度をL*、色相と彩度を示す色度をa*b*で表す。本発明においては、レーザー未露光部の明度をL*1、露光部の明度をL*2と表記する。このとき、レーザー未露光部と露光部の明度差は、下記式で表される。
明度差:L*2−L*1
ここで本発明の版ではレーザー露光部が白濁化することから、彩度よりも明度が重要になる。従って、良好な検版性を得るためには、レーザー未露光部と露光部の明度差(L*2−L*1)は10以上必要である。明度差が10以上あればレーザー露光部と未露光部の明暗が明確になり、検版性が良好となる。より好ましくは、15以上である。明度差が10未満の場合は、白濁化したレーザー露光部とレーザー未露光部が区別し難く、検版することが困難である。また、数値の取り得る範囲から(L*2−L*1)の値は、100未満である。
ここで本発明の版ではレーザー露光部が白濁化することから、彩度よりも明度が重要になる。従って、良好な検版性を得るためには、レーザー未露光部と露光部の明度差(L*2−L*1)は10以上必要である。明度差が10以上あればレーザー露光部と未露光部の明暗が明確になり、検版性が良好となる。より好ましくは、15以上である。明度差が10未満の場合は、白濁化したレーザー露光部とレーザー未露光部が区別し難く、検版することが困難である。また、数値の取り得る範囲から(L*2−L*1)の値は、100未満である。
明度L*の測定は、市販の濃度計や測色計を使用すれば測定可能であり、例えばコニカミノルタ製分光測色計CM−2002、X−Rite製分光色彩濃度計x−rite528JP、テシコン製分光濃度計スペクトロデンスアドバンス、グレタグマクベス製分光光度計スペクトロアイで測定することができる。
[レーザー未露光部の暗色化]
本発明においては、レーザー未露光部の明度L*1を0以上20以下にすることにより、検版性を良好とすることが好ましい。明度L*1を0以上20以下にするということは、可視領域の広い範囲にわたって強い吸収を有するように印刷原版を濃色あるいは黒色に着色することである。ここで、レーザー未露光部の明度L*1を0以上20以下にする方法としては、感光層が下地層を介して支持体上に形成されており該下地層に未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素を添加する方法、支持体に未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素を含有させる方法、支持体が透明であり該支持体の裏面に未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素を含有した層を持たせる方法等が挙げられる。各方法の具体的態様については、後に説明する。
本発明においては、レーザー未露光部の明度L*1を0以上20以下にすることにより、検版性を良好とすることが好ましい。明度L*1を0以上20以下にするということは、可視領域の広い範囲にわたって強い吸収を有するように印刷原版を濃色あるいは黒色に着色することである。ここで、レーザー未露光部の明度L*1を0以上20以下にする方法としては、感光層が下地層を介して支持体上に形成されており該下地層に未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素を添加する方法、支持体に未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素を含有させる方法、支持体が透明であり該支持体の裏面に未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素を含有した層を持たせる方法等が挙げられる。各方法の具体的態様については、後に説明する。
[添加色素]
本発明においては、レーザー未露光部の明度L*1を0以上20以下にするために、版のレーザー未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素を支持体、下地層又は透明支持体の裏面層に添加することが好ましい。このような支持体、下地層又は透明支持体の裏面層に添加される色素は、色素自体が暗色、すなわち濃色から黒色であることが好ましい態様である。あるいは色素自体が暗色でなくても、感光層に添加しているレーザー光を吸収する光吸収剤(色素)を含有している場合、該光吸収剤(色素)と組み合わせてレーザー未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素も好ましい。この場合、感光層に添加される光吸収剤とは異なる波長領域に吸収極大(λmax)を有する色素が選択でき、光吸収剤のλmaxに対して支持体、下地層又は透明支持体の裏面層に添加される色素のλmaxが100nm以上、好ましくは150nm以上離れていることが望ましい。つまり、色素自体の色が黒に近いカーボンブラックやスダンブラックBのようなもの、黒ではないが紫色などの濃色となるクリスタルバイオレットのようなものが好ましい。特に、感光層に添加する色素の色と無関係に未露光部を暗色にできるため色素自体の色が黒に近い色素が望ましい。
本発明においては、レーザー未露光部の明度L*1を0以上20以下にするために、版のレーザー未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素を支持体、下地層又は透明支持体の裏面層に添加することが好ましい。このような支持体、下地層又は透明支持体の裏面層に添加される色素は、色素自体が暗色、すなわち濃色から黒色であることが好ましい態様である。あるいは色素自体が暗色でなくても、感光層に添加しているレーザー光を吸収する光吸収剤(色素)を含有している場合、該光吸収剤(色素)と組み合わせてレーザー未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素も好ましい。この場合、感光層に添加される光吸収剤とは異なる波長領域に吸収極大(λmax)を有する色素が選択でき、光吸収剤のλmaxに対して支持体、下地層又は透明支持体の裏面層に添加される色素のλmaxが100nm以上、好ましくは150nm以上離れていることが望ましい。つまり、色素自体の色が黒に近いカーボンブラックやスダンブラックBのようなもの、黒ではないが紫色などの濃色となるクリスタルバイオレットのようなものが好ましい。特に、感光層に添加する色素の色と無関係に未露光部を暗色にできるため色素自体の色が黒に近い色素が望ましい。
レーザー未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素の具体例としては、例えばカーボンブラック、黒色酸化鉄、アニリンブラック、ペリレンブラック、トリスアゾ色素、ロイコ色素など黒色色素、クリスタルバイオレットなど紫色色素の他、シアニン系化合物、ポリメチン系化合物、フタロシアニン系化合物、アントラシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、アゾ系化合物、ベンゾキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、スクワリリウム系色素、ピリリウム系色素、トリアリールメタン系化合物、アントラキノン系化合物、インジゴ系化合物、ジチオール金属錯体類、ジアミンの金属錯体類等が挙げられる。好ましい色素はカーボンブラック、クリスタルバイオレットである。これらは1種類単独でも、2種類以上を混合してもよい。
これら未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素を下地層に添加する場合には、下地層に用いる樹脂にこれらの色素を溶解しても良いし、分散させてもよい。この下地層用の溶液または分散液を支持体に塗布し、乾燥、更に必要であれば加熱することで下地層が形成できる。下地層用の溶液または分散液の塗布方法としては例えば、バーコーター、ロールコータ、ブレードコータ、グラビアコータ、カーテンフローコータ、ダイコータ、ディップコータやスプレー法等が挙げられる。色素の添加量は未露光部の明度が上記範囲となる量を選択すればよく、特に限定されないが、樹脂100質量部に対し0.1〜300質量部であることが好ましく、0.5〜100質量部であることがより好ましい。上記範囲の量である方が暗色にすることが容易であり、また下地層が丈夫であり、印刷中に剥れるといったトラブルが発生しにくいため好ましい。また、このとき更に分散剤、湿潤剤等の各種添加剤を用いても良い。各種添加剤の例としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、水溶性樹脂などが挙げられる。
本発明においてレーザー未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素を支持体に含有させる場合には、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂の重合反応時あるいは反応終了後に色素を添加し、色素含有マスターペレットを製造してからフィルム化する方法、あるいは前記樹脂に色素を添加し溶融混錬してからフィルム化する方法等が挙げられる。このようにして色素含有させたフィルムは既に市販されており、例えばカーボンブラック等黒色色素を含有したフィルムとして、東レ(株)のルミラー(登録商標)X30、帝人デュポンフィルム(株)製メリネックス(登録商標)427、三菱樹脂(株)のダイアラミー(登録商標)などが挙げられる。これらも使用可能である。色素の含有量は版の未露光部の明度が前述の範囲となるように調整すればよく、特に制限されないが、樹脂100質量部に対し0.1〜100質量部であることが好ましく、1〜50質量部であることがより好ましい。上記範囲で使用した方が、暗色にすることが可能であり、フィルム化も容易で、作成させたフィルムが脆くなって印刷中に破断すること等なく、好ましい。
また前記レーザー未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素を含有したフィルムを他の支持体に接着させた多層支持体も本発明の好ましい態様である。他の支持体に接着する方法としては、接着剤を使用する方法やラミネート法が挙げられる。
また透明フィルムの場合には、未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素を含有する溶液あるいは分散液を裏面に塗布する、あるいは前記未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素を含有したフィルムを裏面に接着させることも本発明の好ましい態様である。未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素を含有する溶液あるいは分散液を裏面に塗布する方法として、色素を樹脂に溶解または分散させた裏面層用液を透明フィルムの裏面に塗布し、乾燥、更に必要であれば加熱することで裏面層を形成させる方法が挙げられる。裏面層用の溶液または分散液の塗布方法としては例えば、バーコーター、ロールコータ、ブレードコータ、グラビアコータ、カーテンフローコータ、ダイコータ、ディップコータやスプレー法等が挙げられる。色素の添加量は、未露光部の明度が前述の範囲となるように調整すれば特に限定されず、樹脂100質量部に対し0.1〜300質量部であることが好ましく、0.5〜100質量部であることがより好ましい。上記範囲で使用する方が暗色にすることが容易であり、また樹脂量が十分であるため裏面層が丈夫であり、擦れなどによって色素が脱離することなく好ましい。このとき更に分散剤、湿潤剤等の各種添加剤を用いても良い。
各種添加剤の例としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、水溶性樹脂などが挙げられる。未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素を含有したフィルムを裏面に接着させる方法として、既に市販されている前記黒色色素含有フィルムを透明フィルムの裏面に接着する方法が挙げられる。接着する方法としては、接着剤を使用する方法やラミネート法が挙げられる。ここで透明フィルムとは、可視光380〜780nmにおける光線透過率が50%以上、好ましくは80%以上であるフィルムを指すこととする。光線透過率が50%以下では裏面層の効果が少なくなる。この場合には前記下地層に添加する方法を用いることが望ましい。
[支持体]
本発明の平版印刷版用版は、支持体上に直接又は他の層を介して撥インク性(親水性)を有する感光層を設けることが好ましく、この際用いられる支持体の種類は特に限定されない。支持体の具体例としては、アルミ板、鋼板、ステンレス板、銅板などの金属板、これら金属の合金板、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂、酢酸セルロースなどのプラスチックフィルム、紙、アルミ箔ラミネート紙、金属蒸着紙、プラスチックラミネート紙などのラミネートフィルム等が挙げられる。特に好ましくは取り扱いが容易でさびにくく、伸びが小さく長時間印刷に適し、かつ安価であるアルミ板、プラスチックフィルムでは、耐熱性など物理的性質や、引張強度など機械的性質に優れ、かつ安価であるポリエステルである。これらの支持体の厚さには特に制限はないが、通常100〜500μm程度である。又、これらの支持体は、密着性の改良等を目的として、酸化処理、クロメート処理、リン酸亜鉛処理、サンドブラスト処理、コロナ放電処理などの表面処理を施してもよい。又、支持体上に他の層を介して感光層を形成する方法も有効である。
本発明の平版印刷版用版は、支持体上に直接又は他の層を介して撥インク性(親水性)を有する感光層を設けることが好ましく、この際用いられる支持体の種類は特に限定されない。支持体の具体例としては、アルミ板、鋼板、ステンレス板、銅板などの金属板、これら金属の合金板、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂、酢酸セルロースなどのプラスチックフィルム、紙、アルミ箔ラミネート紙、金属蒸着紙、プラスチックラミネート紙などのラミネートフィルム等が挙げられる。特に好ましくは取り扱いが容易でさびにくく、伸びが小さく長時間印刷に適し、かつ安価であるアルミ板、プラスチックフィルムでは、耐熱性など物理的性質や、引張強度など機械的性質に優れ、かつ安価であるポリエステルである。これらの支持体の厚さには特に制限はないが、通常100〜500μm程度である。又、これらの支持体は、密着性の改良等を目的として、酸化処理、クロメート処理、リン酸亜鉛処理、サンドブラスト処理、コロナ放電処理などの表面処理を施してもよい。又、支持体上に他の層を介して感光層を形成する方法も有効である。
ここで、本発明の未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素を含有する支持体を使用する場合、およびポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の透明支持体を用いることが好ましい。また、前述の未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素を裏面層に含有させる場合は、先の説明の通りである。
[感光層]
本発明の平版印刷用版は、支持体上に直接又は他の層を介して感光層を有するものであることが好ましく、感光層は親水性を有する親水性感光層であることがより好ましい。該親水性感光層は、露光により、融着、発泡して感光層表面に親油性の画線部を形成するものであることが好ましい。また、本発明において感光層は、レーザー未露光の状態ではその表面が撥インク性(親水性)を有するものであり、レーザー露光することにより撥インク性から親油性に変化するものであることが好ましい。特に、湿し水を用いるオフセット印刷に適用することにより、レーザー未露光部は親水性であることから湿し水に覆われてインクをはじく撥インク性を有する。ここで、感光層は湿し水との接触により溶解しないことが必要であり、そのため、親水性ポリマーを架橋させて耐水性を付与することが好ましい。
本発明の平版印刷用版は、支持体上に直接又は他の層を介して感光層を有するものであることが好ましく、感光層は親水性を有する親水性感光層であることがより好ましい。該親水性感光層は、露光により、融着、発泡して感光層表面に親油性の画線部を形成するものであることが好ましい。また、本発明において感光層は、レーザー未露光の状態ではその表面が撥インク性(親水性)を有するものであり、レーザー露光することにより撥インク性から親油性に変化するものであることが好ましい。特に、湿し水を用いるオフセット印刷に適用することにより、レーザー未露光部は親水性であることから湿し水に覆われてインクをはじく撥インク性を有する。ここで、感光層は湿し水との接触により溶解しないことが必要であり、そのため、親水性ポリマーを架橋させて耐水性を付与することが好ましい。
このような感光層を形成するための感光性組成物としては、親水性ポリマー、架橋剤及び光吸収剤を含有する感光性組成物あるいは、親水性ポリマー、架橋剤、親油性ポリマー及び光吸収剤を含有する感光性組成物等が挙げられる。本発明ではより好ましくは後者の親油性ポリマーを含有する感光性組成物を用い、支持体上に塗布した後架橋して、感光層を形成する。該感光層の膜厚は特に制限はないが、熱処理後の膜厚として、通常0.5〜20μm程度、特に1〜10μmが好ましい。
[親水性ポリマー]
本発明において感光層を形成するための感光性組成物に用いられる親水性ポリマーとしては、親水基及び架橋剤と反応し得る官能基を側鎖に有していることが好ましい。
本発明において感光層を形成するための感光性組成物に用いられる親水性ポリマーとしては、親水基及び架橋剤と反応し得る官能基を側鎖に有していることが好ましい。
該親水基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、スルホン酸基及びそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、リン酸基及びそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、アミド基、アミノ基、スルホンアミド基、オキシメチレン基、オキシエチレン基などが挙げられる。
又、架橋剤と反応し得る官能基としては、上記の親水基の他、イソシアナート基、グリシジル基、オキサゾリル基、メチロール基、及びメチロール基とメタノール、ブタノールなどのアルコールとが縮合したメトキシメチル基やブトキシメチル基などが挙げられる。
水酸基を側鎖に有するポリマーとしては、ポリビニルアルコール系ポリマー、及び水酸基を有する不飽和モノマーを重合して得られるホモポリマーやコポリマー及びこれらポリマーの種々の変性ポリマーが挙げられる。ポリビニルアルコール系ポリマーを更に詳細に説明すると、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニルモノマーのホモポリマーやコポリマーを完全又は部分加水分解して得られるポリマー、及びこのポリマーの部分ホルマール化、アセタール化、ブチラール化ポリマー等が挙げられる。また、水酸基を有する不飽和モノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及び、これらの(メタ)アクリレートにエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加したモノマー、メチロール(メタ)アクリルアミドや該メチロール(メタ)アクリルアミドとメチルアルコールやブチルアルコールとの縮合物であるメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
カルボキシル基を側鎖に有するポリマーとしては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸及びその無水物等の二塩基不飽和酸やこれら二塩基不飽和酸のモノエステル、モノアミド等のカルボキシル基含有不飽和モノマーを重合して得られるホモポリマーやコポリマー及びこれらポリマーの種々の変性ポリマー等が挙げられる。
スルホン酸基を側鎖に有するポリマーとしては、ビニルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、ビニルメチルスルホン酸、イソプロペニルメチルスルホン酸、(メタ)アクリル酸にエチレンオキシド、又はプロピレンオキシドを付加したアルコールの硫酸エステル(例えば、三洋化成工業(株)の商品名:「エレミノールRS−30」)、(メタ)アクリロイロキシエチルスルホン酸、モノアルキルスルホ琥珀酸エステルとアリル基を有する化合物とのエステル(例えば、三洋化成工業(株)の商品名:「エレミノールJS2」、花王(株)の商品名:「ラテムルS−180」、又は「同S180A」)、モノアルキルスルホ琥珀酸エステルとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、及び日本乳化剤(株)の商品名:「AntoxMS60」等を重合して得られるホモポリマーやコポリマー及びこれらポリマーの種々の変性ポリマー等が挙げられる。これらのスルホン酸基を有するポリマーに於いては、該スルホン酸基は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基やアミン類で中和されていても良い。
リン酸基を側鎖に有するポリマーとしては、ビニルリン酸、リン酸モノ(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリレート、リン酸モノアルキルエステルのモノ(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリレート等を重合して得られるホモポリマーやコポリマー及びこれらポリマーの種々の変性ポリマー等が挙げられる。
これらのカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を有するポリマーは、無機塩基やアミン類で中和されて、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩を形成していても良い。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどが、アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウムなどが、アミン類としては、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
アミド基を側鎖に有するポリマーとしては、無置換又は置換のアミド基を有する不飽和モノマーを重合して得られるホモポリマーやコポリマー及びこれらポリマーの種々の変性ポリマー(例えば加水分解ポリマー、種々の化合物を付加したポリマー等)が挙げられる。無置換又は置換のアミド基を有する不飽和モノマーとしては、無置換又は置換の(メタ)アクリルアミド、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等の二塩基酸のアミド化モノマー、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。無置換又は置換(メタ)アクリルアミドのより具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、スルホン酸プロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。また、前記イタコン酸等の二塩基酸のアミド化モノマーの場合は一方のカルボキシル基がアミド化されたモノアミド、両方のカルボキシル基がアミド化されたジアミド、更に一方のカルボキシル基がアミド化され、他方のカルボキシル基がエステル化されたアミドエステルであってもよい。尚、本発明に於ける前記“(メタ)アクリル”、(メタ)アクリレート”、(メタ)アクロイル”等の記載はそれぞれアクリルとメタクリル、アクリレートとメタアクリレート、アクリロイルとメタアクリロイルの両者を意味する。
本発明において、感光層を形成するための感光性組成物に用いられる親水性ポリマーとして、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドンなどアミド基を有する不飽和モノマーを重合して得られるホモポリマーやコポリマーが親水性の高さと架橋による耐水性の高さを両立することができ、特に好ましい。
更に、本発明に用いることのできる親水性ポリマーに於いては、前記親水性置換基を有する不飽和モノマー、架橋性官能基を有する不飽和モノマー以外に、本発明の効果を更に向上させるために、その他の共重合可能不飽和モノマーを共重合することもできる。共重合可能不飽和モノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソポロニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル等が挙げられる。
[架橋剤]
本発明において、感光層を形成するための感光性組成物中に用いられる架橋剤としては、前記親水性ポリマーと架橋反応して親水性ポリマーを水不溶性にすることにより感光層の耐水性を向上させるものであればよく、特に限定されない。例えば、親水性ポリマー中の架橋性官能基であるカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、グリシジル基、場合によってはアミド基と反応する公知の多価アルコール化合物類、多価カルボン酸化合物やその無水物類、多価グリシジル化合物(エポキシ樹脂)類、多価アミン化合物類、ポリアミド樹脂類、多価イソシアナート化合物類(ブロックイソシアナート類を含む)、オキサゾリン樹脂、アミノ樹脂、グリオキザール等が挙げられる。本発明に於いては前記した架橋剤の中でも、硬化速度と感光性組成物の安定性や感光層の親水性と耐水性のバランス等から公知の種々の多価グリシジル化合物(エポキシ樹脂)、オキサゾリン樹脂、アミノ樹脂、多価アミン化合物やポリアミド樹脂等のエポキシ樹脂用の硬化剤、グリオキザールが好ましい。アミノ樹脂としては、公知のメラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂やグリコールウリル樹脂等やこれら樹脂の変性樹脂、例えばカルボキシ変性メラミン樹脂等が挙げられる。また、架橋反応を促進するために、前記したグリシジル化合物を用いる際には3級アミン類を、アミノ樹脂を用いる場合は、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、塩化アンモニウム等の酸性化合物を併用しても良い。
本発明において、感光層を形成するための感光性組成物中に用いられる架橋剤としては、前記親水性ポリマーと架橋反応して親水性ポリマーを水不溶性にすることにより感光層の耐水性を向上させるものであればよく、特に限定されない。例えば、親水性ポリマー中の架橋性官能基であるカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、グリシジル基、場合によってはアミド基と反応する公知の多価アルコール化合物類、多価カルボン酸化合物やその無水物類、多価グリシジル化合物(エポキシ樹脂)類、多価アミン化合物類、ポリアミド樹脂類、多価イソシアナート化合物類(ブロックイソシアナート類を含む)、オキサゾリン樹脂、アミノ樹脂、グリオキザール等が挙げられる。本発明に於いては前記した架橋剤の中でも、硬化速度と感光性組成物の安定性や感光層の親水性と耐水性のバランス等から公知の種々の多価グリシジル化合物(エポキシ樹脂)、オキサゾリン樹脂、アミノ樹脂、多価アミン化合物やポリアミド樹脂等のエポキシ樹脂用の硬化剤、グリオキザールが好ましい。アミノ樹脂としては、公知のメラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂やグリコールウリル樹脂等やこれら樹脂の変性樹脂、例えばカルボキシ変性メラミン樹脂等が挙げられる。また、架橋反応を促進するために、前記したグリシジル化合物を用いる際には3級アミン類を、アミノ樹脂を用いる場合は、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、塩化アンモニウム等の酸性化合物を併用しても良い。
[光吸収剤]
本発明において感光性組成物に含むことのできる光吸収剤としては、光を吸収して熱を生じるものであればよく、吸収する光の波長に関しても特に制限は無い。露光に際しては、光吸収剤が吸収する波長域の光を適宜用いればよい。光吸収剤の具体例としては、シアニン系色素、ポリメチン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、アントラシアニン系色素、ポルフィリン系色素、アゾ系色素、ベンゾキノン系色素、ナフトキノン系色素、ジチオール金属錯体類、ジアミンの金属錯体類、ニグロシン等が挙げられる。
本発明において感光性組成物に含むことのできる光吸収剤としては、光を吸収して熱を生じるものであればよく、吸収する光の波長に関しても特に制限は無い。露光に際しては、光吸収剤が吸収する波長域の光を適宜用いればよい。光吸収剤の具体例としては、シアニン系色素、ポリメチン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、アントラシアニン系色素、ポルフィリン系色素、アゾ系色素、ベンゾキノン系色素、ナフトキノン系色素、ジチオール金属錯体類、ジアミンの金属錯体類、ニグロシン等が挙げられる。
これらの光吸収剤においては、明室での取り扱いを可能にするため、あるいは露光に用いる光源の出力や使いやすさから、700〜1200nm、特に市場に供されている高出力半導体レーザーの発振波長である800〜860nmに吸収域を有し、且つ感度、分解特性等に優れる光吸収剤を用いることが望ましい。これらの吸収波長域に関しては、置換基やπ電子の共役系の長さなどを変えることにより調整することが可能である。これらの光吸収剤は、感光性組成物に溶解していても分散していてもよい。
[親油性ポリマー]
本発明において感光性組成物に用いられる親油性ポリマーは、ポリマー微粒子が水に分散したエマルジョン型が好ましく、自己乳化型でも強制乳化型でもよい。これは乳化重合、懸濁重合、グラフト重合、ポリマーの後乳化等で製造することが可能である。親油性ポリマーとしてはウレタン系、(メタ)アクリル樹脂系エマルジョン、スチレン系、酢酸ビニル系、塩化ビニリデン系、共役ジエン系ゴム、ブタジエンゴム系等が挙げられる。これらに用いられる親油性ポリマーは1種類だけでなく2種類以上を用いてもよい。これらを添加した場合、親水性感光層は架橋した親水性ポリマー相とこれらの親油性ポリマー相との相分離構造をとる。このとき、非画像部の地汚れ防止の観点から、親油性ポリマー相が架橋した親水性ポリマー相中に分散していることがより好ましい。親油性ポリマーとして用いられるポリマー粒子の平均粒子径は、0.005〜0.5μmであることが好ましく、0.1μm以下であることがより好ましい。
本発明において感光性組成物に用いられる親油性ポリマーは、ポリマー微粒子が水に分散したエマルジョン型が好ましく、自己乳化型でも強制乳化型でもよい。これは乳化重合、懸濁重合、グラフト重合、ポリマーの後乳化等で製造することが可能である。親油性ポリマーとしてはウレタン系、(メタ)アクリル樹脂系エマルジョン、スチレン系、酢酸ビニル系、塩化ビニリデン系、共役ジエン系ゴム、ブタジエンゴム系等が挙げられる。これらに用いられる親油性ポリマーは1種類だけでなく2種類以上を用いてもよい。これらを添加した場合、親水性感光層は架橋した親水性ポリマー相とこれらの親油性ポリマー相との相分離構造をとる。このとき、非画像部の地汚れ防止の観点から、親油性ポリマー相が架橋した親水性ポリマー相中に分散していることがより好ましい。親油性ポリマーとして用いられるポリマー粒子の平均粒子径は、0.005〜0.5μmであることが好ましく、0.1μm以下であることがより好ましい。
[その他の添加剤]
本発明において感光性組成物には更に親水性添加剤を添加してもよい。親水性添加剤としては、水や有機溶媒に溶解するものが望ましい。この親水性添加剤によって印刷版表面の親水性を高め、印刷開始後すぐに湿し水が表面に付くような作用をするものであればどのような化合物でも使用できるが、特に界面活性剤や表面改質剤と呼ばれているものが特に好ましい。例えば、「特殊機能界面活性剤」シーエムシー出版(1986)記載の親水性界面活性剤が使用可能である。具体例を以下に示す。
本発明において感光性組成物には更に親水性添加剤を添加してもよい。親水性添加剤としては、水や有機溶媒に溶解するものが望ましい。この親水性添加剤によって印刷版表面の親水性を高め、印刷開始後すぐに湿し水が表面に付くような作用をするものであればどのような化合物でも使用できるが、特に界面活性剤や表面改質剤と呼ばれているものが特に好ましい。例えば、「特殊機能界面活性剤」シーエムシー出版(1986)記載の親水性界面活性剤が使用可能である。具体例を以下に示す。
非イオン性活性剤としてはポリエチレングリコール型、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリプロピレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等や、多価アルコール型例えばアルキルアルカノールアミド、グリセリン脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、やし油やひまし油を原料とした活性剤、ポリエチレングリコール、アルキルフェニルエーテルやアルキルエーテル、アルキルアリルエーテル、ラウリルエーテル系の活性剤等がある。
陽イオン系活性剤としては第1級アミン塩系、第2級アミン塩系、第3級アミン塩系、第4級アンモニウム塩系、四級ピリジニウム塩系、ラウリルイミダゾリン系、アルキルアミン系等がある。
両性活性剤としてはアルキルベタイン系、アミノ酸型、スルホン酸型、硫酸エステル型、リン酸エステル型、アミンオキシド型、ポリオキシエチレンアルキルアミン型、ポリアルキレンポリアミン型、ポリエチレンイミン型、カルボン酸型、硫酸エステル型等の両イオン性のものが使用できる。
陰イオン系活性剤としてはスルホン酸塩系、例えばアルキルフェニルスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルアリルスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物のナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム等がある。また、カルボン酸塩系、例えばジアルキル琥珀酸エステルナトリウム、モノアルキルコハク酸エステルナトリウム、ポリカルボン酸等がある。硫酸エステル塩系、例えばアルキルジフェニル硫酸オキシド、アルキル硫酸エステル、高級アルコール硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エーテルナトリウムまたはアンモニウム等が挙げられる。また、リン酸エステル塩系、例えばアルキルエーテルリン酸エステルナトリウムやアルコールリン酸エステルナトリウム等が使用できる。特にジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウムやモノアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウムなどのスルホン酸塩系やアルキルエーテルリン酸エステルナトリウムやアルコールリン酸エステルナトリウムなどのリン酸エステル塩系は感光層表面が水に濡れても溶出しにくいため特に好ましい。
フッ素系界面活性剤としてはパーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキシド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、ヘキサフルオロプロペンオリゴマーカルボン酸塩、ヘキサフルオロプロペンオリゴマースルホン酸塩、ヘキサフルオロプロペンオリゴマーホスホン酸、ヘキサフルオロプロペンオリゴマーベタイン、ヘキサフルオロプロペンオリゴマーアンモニウム塩等が挙げられる。これら添加剤は2種類以上を同時に用いてもよい。
[感光性組成物の組成比]
本発明における感光性組成物に於いて、親水性ポリマー、親油性ポリマー、架橋剤、光吸収剤使用割合は印刷版の感光層の親水性と耐水性のバランスや、レーザー露光に対する感度、その他種々の印刷特性の点や経済性の観点から検討すれば特に限定されないが、固形分で親水性ポリマー87〜10質量部、親油性ポリマー80〜10質量部、架橋剤3〜50質量部が好ましい。これらを全体で100質量部とした場合、光吸収剤は前記親水性ポリマー、親油性ポリマーと架橋剤の固形分の合計100質量部に対し2〜30質量部が好ましい。更に好ましくは、親水性ポリマー60〜20質量部、親油性ポリマー70〜20質量部、架橋剤5〜40質量部、及び光吸収剤は前記親水性ポリマー、親油性ポリマーと架橋剤の固形分の合計100質量部に対し3〜20質量部が好ましい。
本発明における感光性組成物に於いて、親水性ポリマー、親油性ポリマー、架橋剤、光吸収剤使用割合は印刷版の感光層の親水性と耐水性のバランスや、レーザー露光に対する感度、その他種々の印刷特性の点や経済性の観点から検討すれば特に限定されないが、固形分で親水性ポリマー87〜10質量部、親油性ポリマー80〜10質量部、架橋剤3〜50質量部が好ましい。これらを全体で100質量部とした場合、光吸収剤は前記親水性ポリマー、親油性ポリマーと架橋剤の固形分の合計100質量部に対し2〜30質量部が好ましい。更に好ましくは、親水性ポリマー60〜20質量部、親油性ポリマー70〜20質量部、架橋剤5〜40質量部、及び光吸収剤は前記親水性ポリマー、親油性ポリマーと架橋剤の固形分の合計100質量部に対し3〜20質量部が好ましい。
[下地層]
本発明において支持体と感光層との間には下地層を設けてもよい。この時に用いる下地層は密着性の点から感光性組成物に含まれる親油性ポリマーと同じ樹脂系を用いることが望ましい。この樹脂系は特にウレタン系、アクリル系、酢酸ビニル系、合成ゴム系、エチレン系の親油性ポリマーが望ましい。下地層を構成する親油性ポリマーは、感光性組成物に用いられるものと同種類のものを用いる場合、分子量その他の諸物性は同一である必要はない。下地層を成膜する際に用いられる樹脂は、水溶液又は有機溶媒に溶解した均一溶液でもよいし、エマルジョンでも良い。特に望ましいのはポリマーエマルジョン型である。この親油性ポリマーエマルジョンは強制乳化型でもよいし自己乳化型でもよい。
本発明において支持体と感光層との間には下地層を設けてもよい。この時に用いる下地層は密着性の点から感光性組成物に含まれる親油性ポリマーと同じ樹脂系を用いることが望ましい。この樹脂系は特にウレタン系、アクリル系、酢酸ビニル系、合成ゴム系、エチレン系の親油性ポリマーが望ましい。下地層を構成する親油性ポリマーは、感光性組成物に用いられるものと同種類のものを用いる場合、分子量その他の諸物性は同一である必要はない。下地層を成膜する際に用いられる樹脂は、水溶液又は有機溶媒に溶解した均一溶液でもよいし、エマルジョンでも良い。特に望ましいのはポリマーエマルジョン型である。この親油性ポリマーエマルジョンは強制乳化型でもよいし自己乳化型でもよい。
エマルジョンの平均粒径は、一般的には水で薄めて粒度測定器(例えば「マイクロトラック」等)により測定される。その他、エマルジョンを凍結後スライスして透過型電子顕微鏡で測定することもでき、特に平均粒径が10nm以下の場合には好ましく用いられる。このエマルジョンは塗布後、分散溶媒が蒸発すると融着して造膜する特性が必要である。製造上問題がなければ造膜温度は何度でもよい。
下地層には1種類または2種類以上の前記親油性ポリマー樹脂を混合して使用できる。さらに、架橋剤を加えて強靭な膜を作ることも可能である。この下地層を塗布するときには例えば、バーコーター、ロールコータ、ブレードコータ、グラビアコータ、カーテンフローコータ、ダイコータ、ディップコータやスプレー法等を用いれば良い。この際、塗布溶液の消泡のためや、塗布膜の平滑化の支持体との密着性向上、親水性の感光層との密着性向上のために塗布溶液に消泡剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、カップリング剤等の各種添加剤を用いても良い。下地層の膜厚は特に制限はないが、通常0.1〜20μm程度、好ましくは0.2〜10μmである。
下地層塗布後そのまま感光性組成物を塗布してもよいし、加熱または送風乾燥してから使用してもよい。このように設けた下地層によって、支持体と感光層の密着性が上がるため耐刷性がよく、湿し水が供給されても界面での剥離は起きない。さらにレーザー露光部分の熱の拡散を防止でき、感度が向上する効果も有する。
ここで、本発明の下地層が未露光部の明度L*1を0以上20以下にする色素を含有する方法をおこなう場合は、先の説明の通りである。
[感光層の製造]
前記支持体に感光層を設けるには、感光性組成物を含有する溶液を支持体に直接又は下地層表面に塗布し、乾燥、硬化すればよい。この感光性組成物を塗布するときには例えば、バーコーター、ロールコータ、ブレードコータ、グラビアコータ、カーテンフローコータ、ダイコータ、ディップコータやスプレー法等を用いれば良い。この際、塗布溶液の消泡のためや、塗布膜の平滑化のために塗布溶液に消泡剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、カップリング剤等の各種添加剤を用いても良い。
前記支持体に感光層を設けるには、感光性組成物を含有する溶液を支持体に直接又は下地層表面に塗布し、乾燥、硬化すればよい。この感光性組成物を塗布するときには例えば、バーコーター、ロールコータ、ブレードコータ、グラビアコータ、カーテンフローコータ、ダイコータ、ディップコータやスプレー法等を用いれば良い。この際、塗布溶液の消泡のためや、塗布膜の平滑化のために塗布溶液に消泡剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、カップリング剤等の各種添加剤を用いても良い。
[塗布液組成]
本発明の感光層を形成するための塗布液組成は、前記感光性組成物を溶剤に溶解又は分散させて使用する。ここで、使用する溶剤としては、水、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコール等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルあるいはこれらの混合溶剤を使用することができる。溶剤の使用量は感光性組成物100質量部に対し50〜3000質量部であることが好ましく、100〜2000質量部であることがより好ましい。上記範囲内であることで安定した塗布が可能であり、また塗布後の乾燥時間が短時間で完了することができ経済的に好ましい。
本発明の感光層を形成するための塗布液組成は、前記感光性組成物を溶剤に溶解又は分散させて使用する。ここで、使用する溶剤としては、水、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコール等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルあるいはこれらの混合溶剤を使用することができる。溶剤の使用量は感光性組成物100質量部に対し50〜3000質量部であることが好ましく、100〜2000質量部であることがより好ましい。上記範囲内であることで安定した塗布が可能であり、また塗布後の乾燥時間が短時間で完了することができ経済的に好ましい。
また、感光層の耐水性等の特性を改良するために有機や無機のフィラーを用いてもよい。フィラーの添加量は塗布安定性や印刷性に影響を与えなければ特に制限はないが、感光性組成物100質量部に対し0.1〜100質量部であることが好ましく、0.5〜50質量部であることがより好ましい。上記範囲内であると添加効果が十分見られ、安定した塗布が可能であり、また地汚れや着インク不良等が起こらず好ましい。
[感光層の性質の概要]
次に本発明の平版印刷用版における感光層に関して詳しく説明する。本発明の平版印刷用版は湿し水を用いるオフセット印刷用の版であり、従って感光層は親水性と、耐水性(湿し水に溶けないこと)を有することが好ましい。そして露光により光を照射した部分の感光層は部分的に溶融、融着及び/又は発泡し、親水性から親油(インク)性に変化することが好ましい。従って、露光後には現像や拭き取り等の処理を不要とすることが可能である。
次に本発明の平版印刷用版における感光層に関して詳しく説明する。本発明の平版印刷用版は湿し水を用いるオフセット印刷用の版であり、従って感光層は親水性と、耐水性(湿し水に溶けないこと)を有することが好ましい。そして露光により光を照射した部分の感光層は部分的に溶融、融着及び/又は発泡し、親水性から親油(インク)性に変化することが好ましい。従って、露光後には現像や拭き取り等の処理を不要とすることが可能である。
本発明の印刷用版の露光に用いられる光の波長は、好ましくは700〜1200nmであり、この波長域の中で、光吸収剤の吸収波長域に合致する光を用いればよい。露光に用いる光源としては、使用しやすく高出力の光源が適している。この点からはレーザー、特に800〜1100nmの波長域に発振波長を有するレーザーが好ましく、例えば830nmの高出力半導体レーザーや1064nmのYAGレーザーが好ましく、これらのレーザーを搭載した露光機は所謂サーマル用プレートセッターとして既に市場に供されている。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(親水性ポリマーAの合成)
1000mlのフラスコに水400gを入れ、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。窒素ガスをフラスコに流しながら、アクリルアミド75g、N−ビニルホルムアミド15g、ヒドロキシエチルアクリレート10g、水67gからなるモノマー溶液と過硫酸カリ0.5gを水50gに溶解した開始剤の水溶液を、内温を80℃に維持しながら、別々に3時間に渡り連続滴下した。滴下終了後80℃で2時間重合を続けた後、更に90℃で2時間重合した。最後に水150g加え親水性ポリマーAの水溶液を得た。このポリマーの水溶液は粘度が600mPa・s
、固形分は15質量%であった。
(親水性ポリマーAの合成)
1000mlのフラスコに水400gを入れ、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。窒素ガスをフラスコに流しながら、アクリルアミド75g、N−ビニルホルムアミド15g、ヒドロキシエチルアクリレート10g、水67gからなるモノマー溶液と過硫酸カリ0.5gを水50gに溶解した開始剤の水溶液を、内温を80℃に維持しながら、別々に3時間に渡り連続滴下した。滴下終了後80℃で2時間重合を続けた後、更に90℃で2時間重合した。最後に水150g加え親水性ポリマーAの水溶液を得た。このポリマーの水溶液は粘度が600mPa・s
、固形分は15質量%であった。
(感光性組成物Bの調整)
次に前記親水性ポリマーA(NV=15%)を固形分として30質量部、ウレタン系エマルジョン(NV=40%、三井化学(株)製「オレスター(登録商標)UD350」)を固形分として50質量部、架橋剤としてメチル化メラミン樹脂(NV=80%、三井サイテック(株)製「サイメル(登録商標)350」)を固形分として20質量部、シアニン色素(アクロス製「IR125」の5質量%水溶液)を固形分として13質量部、親水性添加剤としてリン酸エステル塩(NV=100%、第一工業製薬(株)製「プライサーフA208」(商品名))の1質量部を均一になるまでディスパーでかき混ぜて感光性樹脂組成物Bの溶液を得た。
次に前記親水性ポリマーA(NV=15%)を固形分として30質量部、ウレタン系エマルジョン(NV=40%、三井化学(株)製「オレスター(登録商標)UD350」)を固形分として50質量部、架橋剤としてメチル化メラミン樹脂(NV=80%、三井サイテック(株)製「サイメル(登録商標)350」)を固形分として20質量部、シアニン色素(アクロス製「IR125」の5質量%水溶液)を固形分として13質量部、親水性添加剤としてリン酸エステル塩(NV=100%、第一工業製薬(株)製「プライサーフA208」(商品名))の1質量部を均一になるまでディスパーでかき混ぜて感光性樹脂組成物Bの溶液を得た。
(着色用塗布液C−1の調整)
ウレタン系エマルジョン(NV=40%、三井化学(株)製「オレスター(登録商標)UD350」)10gに対し、クリスタルバイオレット(純正化学(株)製)の1質量%水溶液10gを均一になるまでディスパーでかき混ぜて着色用塗布液C−1を作成した。この溶液は濃青紫色になった。
ウレタン系エマルジョン(NV=40%、三井化学(株)製「オレスター(登録商標)UD350」)10gに対し、クリスタルバイオレット(純正化学(株)製)の1質量%水溶液10gを均一になるまでディスパーでかき混ぜて着色用塗布液C−1を作成した。この溶液は濃青紫色になった。
(着色用塗布液C−2の調整)
ウレタン系エマルジョン(NV=40%、三井化学(株)製「オレスター(登録商標)UD350」)20gに対し、水分散カーボンブラック(NV=20%、キャボット・スペシャリティ・ケミカルズ・インク製、CAB−O−JET(登録商標)200)10gを均一になるまでディスパーでかき混ぜて着色用塗布液C−2を作成した。この溶液は黒色になった。
ウレタン系エマルジョン(NV=40%、三井化学(株)製「オレスター(登録商標)UD350」)20gに対し、水分散カーボンブラック(NV=20%、キャボット・スペシャリティ・ケミカルズ・インク製、CAB−O−JET(登録商標)200)10gを均一になるまでディスパーでかき混ぜて着色用塗布液C−2を作成した。この溶液は黒色になった。
(着色用塗布液C−3の調整)
ウレタン系エマルジョン(NV=40%、三井化学(株)製「オレスター(登録商標)UD350」)20gに対し、クリスタルバイオレット(純正化学(株)製)の1質量%水溶液2g水分散カーボンブラック(NV=15%、キャボット・スペシャリティ・ケミカルズ・インク製CAB−O−JET(登録商標)300)2gを均一になるまでディスパーでかき混ぜて着色用塗布液C−3を作成した。この溶液は黒紫色になった。
ウレタン系エマルジョン(NV=40%、三井化学(株)製「オレスター(登録商標)UD350」)20gに対し、クリスタルバイオレット(純正化学(株)製)の1質量%水溶液2g水分散カーボンブラック(NV=15%、キャボット・スペシャリティ・ケミカルズ・インク製CAB−O−JET(登録商標)300)2gを均一になるまでディスパーでかき混ぜて着色用塗布液C−3を作成した。この溶液は黒紫色になった。
(着色用塗布液C−4の調整)
ウレタン系エマルジョン(NV=40%、三井化学(株)製「オレスター(登録商標)UD350」)10gに対し、アシドバイオレット7(Aldrich Chemical Company.Inc.製)の1質量%水溶液10gを均一になるまでディスパーでかき混ぜて着色用塗布液C−4を作成した。この溶液は赤紫色になった。
ウレタン系エマルジョン(NV=40%、三井化学(株)製「オレスター(登録商標)UD350」)10gに対し、アシドバイオレット7(Aldrich Chemical Company.Inc.製)の1質量%水溶液10gを均一になるまでディスパーでかき混ぜて着色用塗布液C−4を作成した。この溶液は赤紫色になった。
(着色用塗布液C−5の調整)
ウレタン系エマルジョン(NV=40%、三井化学(株)製「オレスター(登録商標)UD350」)10gに対し、パテントグリーン(東京化成工業(株)製)の1質量%水溶液10gを均一になるまでディスパーでかき混ぜて着色用塗布液C−5を作成した。この溶液は濃緑色になった。
ウレタン系エマルジョン(NV=40%、三井化学(株)製「オレスター(登録商標)UD350」)10gに対し、パテントグリーン(東京化成工業(株)製)の1質量%水溶液10gを均一になるまでディスパーでかき混ぜて着色用塗布液C−5を作成した。この溶液は濃緑色になった。
(着色用塗布液C−6の調整)
ウレタン系エマルジョン(NV=40%、三井化学(株)製「オレスター(登録商標)UD350」)20gに対し、インドシアニングリーン(アクロス製)の5質量%水溶液5gを均一になるまでディスパーでかき混ぜて着色用塗布液C−6を作成した。この溶液は濃緑色になった。
ウレタン系エマルジョン(NV=40%、三井化学(株)製「オレスター(登録商標)UD350」)20gに対し、インドシアニングリーン(アクロス製)の5質量%水溶液5gを均一になるまでディスパーでかき混ぜて着色用塗布液C−6を作成した。この溶液は濃緑色になった。
下地層着色例1
厚み0.28mmのアルミ板に着色用塗布液C−1をワイヤーバー#20で塗布し、風乾した。その後、合成例1で製造した感光性樹脂組成物Bをワイヤーバー#14を用いて均一に塗布した後、120℃で1時間乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は濃青紫色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。
厚み0.28mmのアルミ板に着色用塗布液C−1をワイヤーバー#20で塗布し、風乾した。その後、合成例1で製造した感光性樹脂組成物Bをワイヤーバー#14を用いて均一に塗布した後、120℃で1時間乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は濃青紫色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。
(評価)
このように画像形成した版について、検版性を評価した。評価は20倍の拡大鏡で露光網点を観測し判断した。
○ 2〜98%網点の形状が明確に確認できる。
△ 50%網点の形状は確認できるが、2%および98%網点の形状は確認できない。
× 50%網点の形状を確認できない。
レーザー露光部と未露光部の明度L*は、X−Rite製分光色彩濃度計x−rite528JPで実施した。結果を下記表1に示す。
このように画像形成した版について、検版性を評価した。評価は20倍の拡大鏡で露光網点を観測し判断した。
○ 2〜98%網点の形状が明確に確認できる。
△ 50%網点の形状は確認できるが、2%および98%網点の形状は確認できない。
× 50%網点の形状を確認できない。
レーザー露光部と未露光部の明度L*は、X−Rite製分光色彩濃度計x−rite528JPで実施した。結果を下記表1に示す。
下地層着色例2
厚み0.28mmのアルミ板に着色用塗布液C−2をワイヤーバー#14を用いて塗布し120℃5分乾燥した。その後、実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は黒色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
厚み0.28mmのアルミ板に着色用塗布液C−2をワイヤーバー#14を用いて塗布し120℃5分乾燥した。その後、実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は黒色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
下地層着色例3
厚み0.28mmのアルミ板に着色用塗布液C−3をワイヤーバー#20を用いて塗布し120℃5分乾燥した。その後、実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は黒紫色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
厚み0.28mmのアルミ板に着色用塗布液C−3をワイヤーバー#20を用いて塗布し120℃5分乾燥した。その後、実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は黒紫色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
着色支持体使用例
カーボンブラックを練り込んだ黒色ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム製メリネックス(登録商標)427)に、実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は黒色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
カーボンブラックを練り込んだ黒色ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム製メリネックス(登録商標)427)に、実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は黒色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
透明フィルムの裏面着色例1
厚み0.19mmの透明ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム製テトロン(登録商標)HLW)の裏面に着色用塗布液C−2をワイヤーバー#14を用いて塗布し120℃5分乾燥し、裏面が黒色の支持体を作成した。この支持体の着色層とは反対側に、実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は黒色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
厚み0.19mmの透明ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム製テトロン(登録商標)HLW)の裏面に着色用塗布液C−2をワイヤーバー#14を用いて塗布し120℃5分乾燥し、裏面が黒色の支持体を作成した。この支持体の着色層とは反対側に、実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は黒色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
厚み0.28mmのアルミ板に下地層として、ウレタン系エマルジョン(NV=40%、三井化学製「オレスター(登録商標)UD350」)をワイヤーバー#20を用いて塗布し120℃5分乾燥した。その後、実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は薄緑色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
厚み0.28mmのアルミ板に下地層として、ウレタン系エマルジョン(NV=40%、三井化学製「オレスター(登録商標)UD350」)をワイヤーバー#20を用いて塗布し120℃5分乾燥した。その後、実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は薄緑色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
厚み0.28mmのアルミ板に着色用塗布液C−4をワイヤーバー#20を用いて塗布し120℃5分乾燥した。その後、実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は赤紫色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
厚み0.28mmのアルミ板に着色用塗布液C−4をワイヤーバー#20を用いて塗布し120℃5分乾燥した。その後、実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は赤紫色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
厚み0.28mmのアルミ板に着色用塗布液C−5をワイヤーバー#20を用いて塗布し120℃5分乾燥した。その後、実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は緑色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
厚み0.28mmのアルミ板に着色用塗布液C−5をワイヤーバー#20を用いて塗布し120℃5分乾燥した。その後、実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は緑色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
[比較例4]
厚み0.28mmのアルミ板に着色用塗布液C−6をワイヤーバー#14を用いて塗布し120℃5分乾燥した。その後、実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は濃緑色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
厚み0.28mmのアルミ板に着色用塗布液C−6をワイヤーバー#14を用いて塗布し120℃5分乾燥した。その後、実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は濃緑色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
[比較例5]
厚み0.19mmの白色ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム製テトロン(登録商標)U2)に実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は薄緑色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
厚み0.19mmの白色ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム製テトロン(登録商標)U2)に実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は薄緑色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
[比較例6]
厚み0.19mmの透明ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム製テトロン(登録商標)HLW)の裏面に着色用塗布液C−6をワイヤーバー#14を用いて塗布し120℃5分乾燥し、裏面が緑色の支持体を作成した。この支持体の着色層とは反対側に、実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は緑色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
厚み0.19mmの透明ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム製テトロン(登録商標)HLW)の裏面に着色用塗布液C−6をワイヤーバー#14を用いて塗布し120℃5分乾燥し、裏面が緑色の支持体を作成した。この支持体の着色層とは反対側に、実施例1と同様に感光性樹脂組成物Bを塗布、乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜した。原版の色は緑色であった。以上のように製造した印刷用原版に、830nm半導体レーザー露光機で版面上のエネルギーで200mJ/cm2となるようにレーザー照射したところ、露光部が白く変化した。検版性について実施例1と同様な方法にて評価した。結果を表1に示す。
本発明の平版印刷用版によれば、非画線部(レーザー未露光部)が暗色であり、画線部(レーザー露光部)が白濁化していることで、コントラストが高く目視による検版性が良好となる。
Claims (6)
- レーザー露光後の後処理不要なプロセスレス平版印刷用版であって、レーザー照射後のレーザー未露光部の明度(L*1)とレーザー露光部の明度(L*2)差が、10≦(L*2−L*1)<100であることを特徴とするプロセスレス平版印刷用版。
- レーザー未露光部の明度(L*1)が、0以上20以下である請求項1記載のプロセスレス平版印刷用版。
- プロセスレス平版印刷用版が、支持体上に下地層を介して感光層が形成されたものであり、該下地層にレーザー未露光部の明度(L*1)が、0以上20以下となる色素を含有するものである請求項1に記載のプロセスレス平版印刷用版。
- プロセスレス平版印刷用版が、支持体上に直接、又は下地層を介して感光層が形成されたものであり、該支持体にレーザー未露光部の明度(L*1)が、0以上20以下となる色素を含有するものである請求項1に記載のプロセスレス平版印刷用版。
- プロセスレス平版印刷用版が、支持体上に直接、又は下地層を介して感光層が形成されたものであり、支持体が透明であり、且つ該支持体が裏面にレーザー未露光部の明度(L*1)が、0以上20以下となる色素を含有した層を持つものである請求項1に記載のプロセスレス平版印刷用版。
- レーザー露光後の後処理不要なプロセスレス平版印刷用原版であって、レーザー照射後のレーザー未露光部の明度(L*1)とレーザー露光部の明度(L*2)差が、10≦(L*2−L*1)<100となることを特徴とするプロセスレス平版印刷用原版。
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