JP2005219422A - ダイレクトオフセット印刷用原版、ダイレクトオフセット印刷版及びその使用方法 - Google Patents

ダイレクトオフセット印刷用原版、ダイレクトオフセット印刷版及びその使用方法 Download PDF

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祐子 小林
Tomoya Terauchi
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Tetsuhiro Koide
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Abstract

【課題】親水性の高い感光層を用いたダイレクトオフセット印刷版の場合、印刷時に湿し水を吸収すると、親水性感光層が膨潤し、非画線部の表面が削れたり、基板又は下地層との界面に応力がかかり剥離する恐れがあり、これらの起こらないものを提供すること。
【解決手段】基板上に直接又は他の層を介して親水性感光層が形成された印刷版において、その親水性感光層に用いられる架橋剤が、架橋剤単独で存在するときに自己縮合する特性をもつ化合物であり、且つその親水性感光層の水膨潤率が50%以下であるダイレクトオフセット印刷用原版及びダイレクトオフセット印刷版並びにその使用方法
【選択図】 なし

Description

本発明は、ダイレクトオフセット印刷用原版及びそれを用いたダイレクトオフセット印刷版に関するものである。さらに詳しくは、明室でも取り扱うことができ、版に直接レーザー光で描画でき、感度に優れ、且つ現像や拭き取り等の操作が不要なダイレクトオフセット印刷用原版、およびそれを用いて形成される印刷特性に優れたダイレクトオフセット印刷版に関するものである。
CTP(Computer to Plate)対応の印刷版が実用化されている。特に近赤外レーザーを用いたシステムは、明室で印刷版の取り扱いができるため、近年着実に広がってきた。すでに市販されている近赤外レーザー対応CTP用印刷版は、従来のPS版のようにアルカリ現像を必要とするものが多い。しかし、近赤外レーザーはレーザーパワーを上げることができるため、アルカリ現像によりレーザー照射部あるいは未照射部を溶出し取り除くことを要しない、新しいメカニズムで製版することが可能である。その例として近赤外レーザー照射時に発生する熱を利用して、レーザー照射後印刷機に版を取り付けて、インクや水で非画線部の不要な樹脂を取り除く、いわゆる機上現像型の版が開発されている(特許文献1等参照)。この版は親水性基板の上に、疎水性熱可塑性重合体粒子が親水性結合剤中に分散されている像形成層を持つ構造である。レーザーを照射すると光熱変換化合物が光を吸収して熱を発生し、疎水性熱可塑性重合体粒子が溶融、凝固する。その後、不要な部分の像形成層をインクや水で取り除くことで、画線部と非画線部ができるというものである。この版はアルカリ現像工程がないため、現像液の管理や大きな装置の設置の必要がないという利点を有している。しかしながら、像形成層は架橋してないために、ハンドリング時に傷がつきやすく、また機上現像時にインクや水を汚染するという問題があった。
また、まったく現像工程を必要としない版として、熱により画像部に転換するマイクロカプセル化された親油性成分と親水性バインダーポリマーと光反応開始剤とを含有する親水層および支持体とから構成される平版印刷版が開発されている(特許文献2等参照)。この版は、明室でも取り扱うことができ、現像処理は不要なものである。該技術は、近赤外レーザーを照射し、マイクロカプセルの熱破壊によりマイクロカプセル中の親油性成分が外部に染み出し、親水性バインダーポリマーの官能基と反応し画像部が形成されるものである。しかし、親水性バインダーポリマーの水酸基やカルボン酸基のような官能基が反応してお互いに架橋し、非画線部の強度を保っているため、十分な親水性や耐刷性を維持することが難しいという問題があった。また、印刷枚数が増えると親水層中のマイクロカプセルが壊れてしまい、印刷に欠陥が生じるという問題も存在していた。
上記のように今まで報告されているアルカリ現像不要のCTP用印刷版では、親水性感光層がレーザー照射によって親油性を発現し、なおかつ非画線部は高い親水性を有していなければならないため、機上現像を必要としていた。また、親水性を維持するために耐刷性を犠牲にする等の問題点を抱えており、これらの問題点を改良したCTP用の版の開発が望まれている。
特許第2938397号公報 特許第3206297号公報
本発明の課題は、アルカリ現像だけではなく、湿し水やインクで現像する機上現像も必要としない、レーザー照射部が親水性から親油性に変化する感光層を有し、その親水性感光層が印刷に必要な親水性を維持しつつ、膨潤しない特徴をもつ、印刷特性に優れたダイレクトオフセット印刷原版及び印刷版を提供することである。
本発明者等は上記した課題を解決するために鋭意検討を行った結果、基板上に形成された親水性感光層に用いられる架橋剤が、架橋剤単独で存在したときに自己縮合する性質を有する架橋剤を用いることで、親水性感光層内の他の成分と架橋していない架橋剤の官能基が自己縮合で消費され、強度の高い架橋物となり、そのため耐刷性が向上することを見出した。更に親水性感光層の水膨潤率が50%以下の場合、加えて印刷時の摩擦による削れ低減効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に関するものである。
1)基板上に直接又は他の層を介して親水性感光層が形成された印刷版において、その親水性感光層に用いられる架橋剤が、架橋剤単独で存在するときに自己縮合する特性をもつ化合物であり、且つその親水性感光層の水膨潤率が50%以下であることを特徴とするダイレクトオフセット印刷用原版。
2)前記の架橋剤が1種類または2種類以上からなり、そのうち1種類以上がエポキシ基を含有する化合物である1)に記載のダイレクトオフセット印刷用原版。
3)前記の架橋剤が1種類または2種類以上からなり、そのうち1種類以上がメチロール基を含有する化合物である1)又は2)に記載のダイレクトオフセット印刷用原版。
4)メチロール基を含有する化合物が、アミノ樹脂である3)に記載のダイレクトオフセット印刷用原版。
5)前記の架橋剤の少なくとも1種類が、1分子あたり架橋しうる官能基を3個以上含有する化合物である1)〜4)記載のダイレクトオフセット印刷用原版。
6)前記親水性感光層が、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、光熱変換化合物を含有するものである1)〜5)記載のダイレクトオフセット印刷用原版。
7)1)〜6)記載のダイレクトオフセット印刷用原版にレーザー光を照射してなるダイレクトオフセット印刷版。
8)1)〜6)記載のダイレクトオフセット印刷用原版に、レーザー光を照射した後、乾式及び/又は湿式現像工程を通さずに、印刷機に取り付けて印刷することを特徴とするダイレクトオフセット印刷版の使用方法。
9)前記の印刷用原版にレーザー光を照射した後、現像工程を通さずに印刷機に取り付け、印刷前に感光層の一部を取り除く工程も通さずに印刷を行う8)記載のダイレクトオフセット印刷版の使用方法。
本発明により、非画像部の親水性を維持しながら過度の膨潤を抑えた、耐刷性が高くて、傷に強いダイレクトオフセット印刷原版が得られる。また、印刷時にアルカリ現像や湿し水現像をする必要が全くないため、取り扱いの容易な印刷版とすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるダイレクトオフセット印刷用原版は、基板上に直接又は他の層を介して、水に不溶な親水性感光層を有するものである。
親水性感光層は印刷可能なだけの親水性を保ちながらも、印刷時に供給される湿し水を吸収し過ぎないようにすることが望ましい。そのために、本発明においては親水性感光層に架橋剤を用い、その架橋剤が架橋剤単独で存在する時に自己縮合する特性を有する化合物を有することを必須とするものである。
本発明において、架橋剤単独で存在する時に自己縮合する特性を有する化合物とは、化合物が有する同一官能基、または該化合物が有する他の官能基と反応して結合することが可能な化合物を指すものとする。自己縮合する特性を有する化合物は、その化合物単独や反応に関与しない溶剤で希釈したものを、そのまま、または触媒存在下加熱すると徐々に架橋が生じることができるものである。特に反応性の高いものは室温でも少しずつ縮合が起きる場合があり、このような特徴を示すものであれば特に限定されず、本発明に使用することが可能である。好ましい具体例としては、エポキシ基を含有する化合物、メチロール基を含有する化合物等が挙げられる。これらの化合物は、感光層の親水性を維持したまま強い架橋物をつくることができるため好ましい。
エポキシ基を含有する化合物は、カルボキシル基や水酸基、アミンとの反応によって結合を生じるだけでなく、その近傍に水酸基が発生するため、架橋が進んでも感光層の親水性を保持することが可能である架橋剤である。このエポキシ基を含有する化合物はエポキシ同士で架橋することが知られており、親水性ポリマーの架橋性官能基と反応しなくても残ったエポキシ基が自己縮合で消費されるため、網目構造が細かくなり強度が増すため好ましい。
エポキシ基を含有する化合物中のエポキシ基の数は、1分子あたり好ましくは2個以上必要で、高い膜強度を達成するには、より好ましくは3官能以上である。また、1種類で親水性と耐刷性を達成することで難しい場合、親水性の高い2官能エポキシ化合物と膜強度を上げる効果のある4官能エポキシ化合物のように2種類以上のエポキシ化合物を混合して用いてもよい。
エポキシ基を含有する化合物は、他の成分と相溶すれば使用可能である。エポキシ基を含有する化合物としては、例としてエチレングリコールジグリシジルエーテルやポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、炭素数3以上のグリコールのジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ポリブタジエン等のジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリコールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリエチロールプロピレンポリグリシジルエーテル等の脂肪族系、レソルシノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型グリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートのような芳香族環や環状化合物をふくむもの等が挙げられ、これらは有用である。更にこの他にオキセタン系化合物も有用である。また、グリジシル(メタ)アクリレートを重合して得られたオリゴマーやポリマー、エマルションも使用可能である。
より好ましいものとして、脂肪族骨格を持つ親水性の高い2官能以上のエポキシ基を含有する化合物であり、市販のものを使うこともできる。市販品の例として、ナガセケムテックス株式会社製エポキシ化合物、デナコール(登録商標)のEX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−411、EX−421、EX−313、EX−314、EX−321、EX−201、EX−211、EX−212、EX−252、EX−810,EX−811、EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−861、EX−911、EX−941、EX−920、EX−931、デナレックス(登録商標)R−45EPT、EX−721等、エポキシエマルションであるEM−150等が挙げられる。
本発明において、架橋剤にエポキシ基を含有する化合物を用いた場合、これらの化合物の硬化を促進させるため、助剤を使用することも可能である。エポキシ化合物を硬化する助剤の具体例として、トリエチルアミンやジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン、2−メチルイミダゾールや2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、ピペラジン等のルイス酸、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタキシリレンジアミンのような脂肪族ポリアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンのような脂環族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホンのような芳香族ポリアミン、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジドのようなポリアミン、ダイマー酸変性、ケトン変性、エポキシド変性、チオ尿素変性、マンニッヒ変性、マイケル付加変性等のポリアミン、ドデセニル無水琥珀酸、ポリアゼライン酸無水物等の脂肪族系酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸等の脂環族酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸のような芳香族酸無水物、テトラブロモ無水フタル酸、無水ヘット酸のようなハロゲン系酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン、イソシアネート、カルボン酸含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。
また、エポキシ基を含有する化合物と反応するアンモニア、モノエタノールアミンのような1級アミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミンのような2級アミンも使用することが可能である。より好ましいものは1級、2級、3級のアミンである。親水性感光層を形成する感光性樹脂組成物の保存安定性から考えると、蒸発しにくい沸点が100℃以上の化合物を使用することが好ましい。硬化促進助剤の添加量は、親水性感光層を形成する感光性樹脂組成物に含まれる樹脂成分を100wt%とすると、0.01wt%から10.0wt%程度が好ましい。添加量が少ない場合は硬化促進効果が得られない場合があり、多すぎる場合には硬化を促進するものの、親水性感光層の非画線部の地汚れや画線部の着インク不良を引き起こす原因となる可能性がある。
本発明において、好ましい架橋剤であるメチロール基を含有する化合物としては、メラミンやグリコールウリル、フェノール樹脂等が挙げられる。特にそのうちでもアミノ樹脂が好ましい。アミノ樹脂としては、尿素系、ベンゾグアナミン系、メラミン系、グリコールウリル系等が挙げられ、そのうちでもメラミン系は環状構造を持ち、機械的強度を上げる作用があるためより好ましい。置換基は完全にメチル化やブチル化したメチロールアミノ化合物の場合自己縮合しにくいが、イミノ基とメチロール基を含有するアミノ樹脂は反応して自己縮合を起こしやすいため好ましい。自己縮合すると親水性感光層内の網目構造が密になり機械的強度が増す。使用可能な市販品の例としては三井サイテック株式会社製のメラミン系架橋剤である、サイメル(登録商標)の300、301、303、350、370、771、325、327、703、712、701、385、266、267、285、232、235、236、238、272、212、253、254、202、207、マイコート(登録商標)の506、508、ベンゾグアナミン系架橋剤であるサイメル(登録商標)の1123、1123−10、1128、マイコート(登録商標)の102、105、106、130、グリコールウリル系架橋剤であるサイメル(登録商標)の1172、1170、尿素系架橋剤であるUFR(登録商標)の65、300、カルボキシ変性アミノ樹脂系架橋剤であるサイメル(登録商標)の1141、1125−80、マイコート(登録商標)の101、132等が挙げられる。
アミノ樹脂を用いる場合は、架橋を促進する触媒として、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、塩化アンモニウム等の酸性化合物を併用しても良い。これら触媒の添加量は、親水性感光層を形成する感光性樹脂組成物に含まれる樹脂成分を100wt%とすると、0.001wt%から5wt%程度が好ましい。触媒を多く添加すると、親水性感光層を形成する感光性樹脂組成物の保存安定性が低下することがあるため5wt%以下が望ましい。また、本発明において親水性感光層に含まれる架橋剤は2種類以上混合してもよい。
また、架橋剤の少なくとも一種類は、1分子あたり架橋しうる官能基を3個以上含有する化合物であることが好ましい。2官能の架橋剤のみを用いた場合、親水性感光層の架橋密度が上がらないため膜強度が低下する場合があったり、また、架橋剤が自己縮合すると2次元の架橋になるため膜強度が望めない可能性がある。特に脂肪族系の3官能以上のエポキシ基を含有する化合物と3官能以上のメラミン化合物を用いると、親水性ポリマーと反応しなかった官能基は自己縮合反応とエポキシ−メラミン間の反応で消費され、より強固な親水性感光層が得られるので好ましい。
本発明において親水性感光層に含まれる架橋剤は、上記化合物以外に発明の効果を損なわない範囲でその他の架橋剤を使用しても構わない。その他の架橋剤としては、「架橋剤ハンドブック」(金子東助、山下晋三編、大成社 昭和56年)や「架橋システムの開発と応用技術」(技術情報協会、1998年)に記載の化合物等から選ぶことができる。例えば、親水性感光層に含まれる親水性ポリマー中の架橋性官能基であるカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、グリシジル基、場合によってはアミド基と反応することのできる、公知の多価アルコール化合物類、多価カルボン酸化合物やその無水物類、多価アミン化合物類、ポリアミド樹脂類、多価イソシアナート化合物類(ブロックイソシアナート類を含む)、オキサゾリン樹脂、グリオキザール等の有機系架橋剤、水酸化アルミニウム、ジルコニウム化合物等の無機系架橋剤が挙げられる。
本発明において、ダイレクトオフセット印刷用原版に形成される親水性感光層は、前述の架橋剤を含有する感光性樹脂組成物を塗布後、室温で乾燥、または加熱、UV光照射、EB照射等によって形成され、感光層が水に不溶化するものである。このように架橋の密な親水性感光層の水膨潤率は50%以下であることが必須である。本発明の親水性感光層は薄いため、重量法による膨潤率算出方法では誤差が大きくなる。そこで本発明においては、親水性感光層の薄膜切片の厚み変化率を水膨潤率として用い、以下の方法で測定し、膨潤率を算出する。
基板上に直接又は他の層を介して存在する親水性感光層を、基板ごと液体窒素で凍らした後に、ミクロトームで親水性感光層をスライスする。基板が硬い場合には、事前に剥離したり、凍結後剥離した親水性感光層をスライスする。そのスライスした親水性感光層をスライドガラスに乗せ、乾燥した状態での厚み(A)を光学顕微鏡で測長する。その後純水をそのスライスした親水性感光層の上に滴下して5分間放置し十分に膨潤させる。不要な水分をウエスで取り除き、光学顕微鏡で膨潤した状態での厚み(B)を測定する。
(B − A)/A ×100 = 水膨潤率(%)
本発明においては、この水膨潤率が50%以下であることが重要であり、より好ましくは0%以上50%以下である。さらに好ましくは0%以上30%以下である。水膨潤率が上記範囲の場合、親水性感光層が削れにくく、また、膨潤による応力がかからず、親水性感光層と基板またはその上に設けられた層との界面での剥離が生じにくいという効果がある。
本発明においては、親水性感光層の親水性を保つために、親水性感光層を形成する感光性樹脂組成物には親水性ポリマーを用いることが好ましい。ここでいう親水性ポリマーとは、水に完全に溶解するものだけでなく、水と任意の比率に均一に混合できる有機溶剤に溶解できてその溶液を水に溶解することが可能なもの、水を吸着するもの、水を吸収して膨潤するものも含むものとする。親水性ポリマーの例としては、「新・水溶性ポリマーの応用と市場」(シーエムシー出版 1988年)などに記載のものが使用できる。
親水性ポリマーとして具体的には、アミド基、カルボキシル基及びそのアルカリ金属又はアミン塩、水酸基、スルホン酸基及びその塩、アミノ基及びその塩、ホスホン酸基及びその塩、スルホンアミド基、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等の親水性置換基を側鎖に有するポリマー、更にポリオキシエチレン系ポリマー、ポリオキシプロピレン系ポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン系ポリマー、セルロース系ポリマー、ゼラチン等が挙げられる。
本発明においては、これらの親水性ポリマーの中でも、感光性樹脂組成物を刷版の感光層に用いた場合、感光層に求められる耐水性(例えば架橋等により水に不溶化させ易さ)等の点から、アミド基、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基及び水酸基から選ばれる親水性置換基を1種又は2種以上側鎖に有するポリマー、例えば、前記した親水性置換基を側鎖に有する不飽和モノマーを1種又は2種以上重合したポリマーやポリビニルアルコール系ポリマー、セルロース系ポリマー、ゼラチン等が好ましい。
前記した親水性置換基を側鎖に有する不飽和モノマーを1種又は2種以上重合したポリマーに於いて用いられる不飽和モノマーの具体例を説明する。アミド基を側鎖に有する不飽和モノマーとしては、無置換又は置換の(メタ)アクリルアミド、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等の二塩基酸のアミド化モノマー、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
無置換又は置換(メタ)アクリルアミドのより具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、スルホン酸プロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。また、前記イタコン酸等の二塩基酸アミド化モノマーの場合は、一方のカルボキシル基がアミド化されたモノアミド、両方のカルボキシル基がアミド化されたジアミド、更に一方のカルボキシル基がアミド化され、他方のカルボキシル基がエステル化されたアミドエステルであってもよい。
カルボキシル基を側鎖に有する不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸及びその無水物等の二塩基不飽和酸やこれら二塩基不飽和酸のモノエステル、モノアミド等のカルボキシル基含有不飽和モノマー等が挙げられる。これらのカルボキシル基を有するモノマーに於いては、該カルボキシル基は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基やアンモニアやアミン類で中和されていても良い。又、重合してから中和しても良い。
スルホン酸基を側鎖に有する不飽和モノマーとしては、ビニルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、ビニルメチルスルホン酸、イソプロぺニルメチルスルホン酸、(メタ)アクリル酸にエチレンオキシド、又はプロピレンオキシドを付加したアルコールの硫酸エステル(例えば、三洋化成工業(株)のエレミノール(登録商標)RS−30)、(メタ)アクリロイロキシエチルスルホン酸、モノアルキルスルホ琥珀酸エステルとアリル基を有する化合物とのエステル(例えば、三洋化成工業(株)のエレミノール(登録商標)JS2、花王(株)のラテムル(登録商標)S−180、又はS180A)、モノアルキルスルホ琥珀酸エステルとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、及び日本乳化剤(株)のAntox(登録商標) MS60等が挙げられる。これらのスルホン酸基を有するモノマーに於いては、該スルホン酸基は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基やアンモニアやアミン類で中和されていても良い。又、重合してから中和しても良い。
ホスホン酸基を側鎖に有する不飽和モノマーとしては、ビニルリン酸、リン酸モノ(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリレート、リン酸モノアルキルエステルのモノ(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのホスホン酸基を有するモノマーに於いては、該ホスホン酸基は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基やアンモニアやアミン類で中和されていても良い。又、重合してから中和しても良い。
また、水酸基を有する不飽和モノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及び、これらの(メタ)アクリレートにエチレンオキシド、プロピレンオキシドを付加したモノマー、メチロール(メタ)アクリルアミドや該メチロール(メタ)アクリルアミドとメチルアルコールやブチルアルコールとの縮合物であるメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
尚、本発明に於ける前記「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクロイル」等の記載はそれぞれアクリルまたはメタクリル、アクリレートまたはメタアクリレート、アクリロイルまたはメタアクリロイルを意味する。
ポリビニルアルコール系ポリマーを更に詳細に説明すると、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニルモノマーのホモポリマーやコポリマーを完全又は部分加水分解して得られるポリマー、及びこのポリマーの部分ホルマール化、アセタール化、ブチラール化ポリマー等が挙げられる。
さらに、本発明において用いる親水性ポリマーは、前記親水性置換基を有する不飽和モノマー、架橋性官能基を有する不飽和モノマー以外に、本発明の効果をさらに向上させるために、その他の共重合可能な不飽和モノマーを共重合することもできる。その他の共重合可能な不飽和モノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシ(C1〜C50)エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソポロニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル等が挙げられる。
本発明において前述のように親水性感光層には、好ましくは親水性ポリマーを用いるが、親水性ポリマーの官能基はすべて架橋性であるわけではなく、親水性を維持したり、他の成分との相溶性を調整するために選択されることが多い。そのため親水性ポリマーの一部に含まれる架橋性官能基と架橋剤が架橋するだけでは、架橋による網目構造が大きく、印刷時の湿し水を多く吸収する場合が多い。吸収した水の分だけ親水性感光層は体積が増えて膨潤するため、印刷時にこすられて感光層が削れたり、基板や下地との界面に膨潤による応力がかかり剥離することがある。そこでこのような膨潤を防ぐため、本発明者らは架橋剤同士がさらに架橋することによって細かい架橋の網目構造を作り、耐刷性を向上することを見出したのである。
本発明において、ダイレクトオフセット印刷用原版にレーザー光を照射したときに、照射部分が十分に親水性から疎水性に変化するためには、親水性感光層に疎水性ポリマーを添加することが好ましい。親水性感光層を形成する親水性感光性樹脂組成物の調製に用いられる疎水性ポリマーはポリマー溶液でも使用可能であるが、特にエマルション状ポリマーが望ましい。エマルション状ポリマーは特に限定されず、「新しい合成樹脂エマルション」(築山文俊著 日本科学情報、2003年)に記載のエマルション等が使用可能である。エマルション状ポリマーとは、ポリマー微粒子が水に分散した溶液を指し、ポリマー溶液中の微粒子の割合は好ましくは5wt%以上60wt%以下、より好ましくは10wt%以上40wt%以下である。エマルションは自己乳化型のものでも、強制乳化型のものでも特に制限はなく、どちらも使用可能である。これらは乳化重合、懸濁重合、グラフト重合等で製造することができ、例えばウレタン系、(メタ)アクリル系、共役ジエン系ブタジエンゴム、ポリエチレン系、ポリエステル系、エポキシ系、石油樹脂系、ロジンエステル系、シリコーン系、アルキッド樹脂系、多硫化ゴム系、スチレン系、酢酸ビニル系、塩化ビニリデン系エマルション等が挙げられる。これらは超高分子化してもよいし、架橋していても良い。
エマルション状ポリマーの大きさは親水性感光層の特性に合わせて、さまざまな大きさが選択可能である。粒径を10〜50nmと超微小化したものでも単分散大粒径のものでもよいが、高精彩の印刷に対応させるためには100nm以下の粒子が望ましい。また、ソープフリーの場合、アニオン型でもカチオン型でも使用可能である。さらに、コア/シェルタイプ、パウダーフィードタイプ、ポリマー同士のポリマーアロイ、無機物とポリマーのポリマーアロイなどの異相構造粒子も使用可能である。特にコア/シェル型エマルションは組み合わせが多く、親水性とレーザー照射部の疎水性のコントラストを大きくすることができるため有用である。
エマルション状のポリマーの粒子形は球形でもよいし、金平糖型などの表面を異形化したものも使用できる。また、中空粒子でもよい。
これらのエマルション状ポリマーが持つ官能基、例えばカルボン酸やスルホン酸をアミン化合物によって中和して使用することが好ましい。ここで用いられるのは、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、エタノールアミン、モノイソプロパノ−ルアミン等の1級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、エチルエタノールアミン、エチルイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の2級アミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルトリエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の3級アミン等が挙げられる。窒素原子に結合する置換基は水素、アルキル基、アルキル基に官能基が置換したもの、ベンゼン環、複素環またそれらに官能基が置換したものを用いることができるが、親水性が高いものが好ましい。また、アミン以外にも水酸化ナトリウムのようなアルカリ性化合物で中和をしてもよい。
これらのポリマーに用いられるモノマーは1種類だけでなく2種類以上を用いてもよい。これらのエマルション状ポリマー由来のポリマーを添加した樹脂組成物からなる感光層は、乾燥後、架橋した親水性ポリマー相とこれらの親油性ポリマー相との相分離構造となる。
本発明において、疎水性ポリマーとしてウレタン系、(メタ)アクリル樹脂系、ポリエチレン系、ポリエステル系の樹脂を主成分とした、粒子径10〜100μmの自己乳化型のエマルション状ポリマーを用いることが望ましい。このような樹脂を用いることで、親水性感光層を形成する感光性樹脂組成物の保存安定性があり、均一な親水性感光層を形成することができる。また、粒子径が小さいことで、10μm角程度のレーザー光が照射されたときにその照射領域が均一に疎水性に変化させることが可能である。
本発明において、ダイレクトオフセット印刷用原版にレーザー光を照射したときにその光を吸収し熱に変換するためには、親水性感光層に更に光熱変換化合物を添加することが好ましい。親水性感光層を形成する感光性樹脂組成物に用いられる光熱変換化合物としては、明室での取り扱いを可能にするために、波長700〜1200nmの範囲、特に市場に供されている高出力半導体レーザーの発振波長である800〜860nmに吸収域を有する光熱変換化合物が好ましく、特に感度、分解特性等に優れる点から有機色素が望ましい。有機色素としては、シアニン系化合物、ポリメチン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、アントラシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、アゾ系化合物、ベンゾキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、ジチオール金属錯体類、ジアミンの金属錯体類等が挙げられる。これらは1種類単独でも、2種類以上を混合してもよい。さらにカーボンブラック等の無機光吸収剤と併用してもよい。
本発明において、光熱変換化合物はレーザー光を吸収すると多量の発熱を伴いながら急激に分解を起こす。その熱によって感光層のエマルションに由来のポリマーを溶融したり、感光性樹脂組成物内の残留有機溶剤や低分子量の化合物の分解や蒸発、親水性ポリマーの親水性置換基や主鎖の一部の分解等が起り発泡することが可能となると考えられる。それらの変化により、感光層の親水性を親油(インク)性に変えることができると思われる。そのため分解物の堆積が少なく、画像部の機械的強度も低下しないことを可能とするのである。
本発明に用いられる光熱変換化合物が、使用する親水性ポリマーに不溶の場合、光熱変換化合物を親水性ポリマーに分散させて用い感光性樹脂組成物とすることが可能である。分散した際の光熱変換化合物の粒子径は、刷版の感光層の膜厚、解像度にもよるが、通常は平均で0.5μm以下が好ましい。分散する方法としては、例えばサンドミル、ペイントシェーカー、3本ロールなどを用いる方法、スラリーを加圧下に高速で衝突させる方法等を挙げることができる。
本発明において、親水性感光層の非画線部の親水性をより高めるために、親水性感光層には親水性の高い化合物を更に添加することが可能である。本発明に用いられる親水性添加剤としては、水や有機溶媒に溶解するものが好ましい。親水性添加剤の添加によって印刷版表面の親水性を高め、印刷開始後すぐに湿し水が表面に付くような作用をするものであればどのような化合物でも使用し得るが、特に界面活性剤や表面改質剤と呼ばれているものが好ましい。現在さまざまな親水性添加剤が入手できるが、例えば「特殊機能界面活性剤」(シーエムシー出版(1986))に記載の親水性界面活性剤等を使用可能なものとして挙げることができる。
親水性添加剤の例として、非イオン性界面活性剤が挙げることができ、その具体例としてポリエチレングリコール型、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリプロピレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等や、多価アルコール型例えばアルキルアルカノールアミド、グリセリン脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、やし油やひまし油を原料とした界面活性剤、ポリエチレングリコール、アルキルフェニルエーテルやアルキルエーテル、アルキルアリルエーテル、ラウリルエーテル系の界面活性剤等が挙げられる。
また陽イオン系界面活性剤も用いることができ、具体例として第1級アミン塩系、第2級アミン塩系、第3級アミン塩系、第4級アンモニウム塩系、四級ピリジニウム塩系、ラウリルイミダゾリン系、アルキルアミン系等が挙げられる。更に両性界面活性剤も使用かのうであり、具体例としてアルキルベタイン系、アミノ酸型、スルホン酸型、硫酸エステル型、りん酸エステル型、アミンオキシド型、ポリオキシエチレンアルキルアミン型、ポリアルキレンポリアミン型、ポリエチレンイミン型、カルボン酸型、硫酸エステル型等の両イオン性のものを挙げることができる。
さらに陰イオン系界面活性剤も使用でき、具体例としてはスルホン酸塩系、例えばアルキルフェニルスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルアリルスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物のナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウムやジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム等があげられる。また、カルボン酸塩系、例えばジアルキル琥珀酸エステルナトリウム、モノアルキルコハク酸エステルナトリウム、ポリカルボン酸等が挙げられる。硫酸エステル塩系として、例えばアルキルジフェニル硫酸オキシド、アルキル硫酸エステル、高級アルコール硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エーテルナトリウムまたはアンモニウム等が挙げられる。また、りん酸エステル塩系、例えばアルキルエーテルりん酸エステルナトリウムやアルコールりん酸エステルナトリウム等が使用できる。特にジアルキル琥珀酸エステルナトリウムやモノアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム系は感光層表面が水に濡れても溶出しにくいため好ましい。これらの親水性添加剤は、2種類以上を同時に用いてもよい。
本発明において、親水性感光層を形成する感光性樹脂組成物は、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、架橋剤、光吸収剤及び親水性添加剤を用いた場合、これらの混合割合は、刷版の感光層の親水性と耐水性のバランスや種々の印刷特性の点から、固形分として、親水性ポリマー97〜10重量部、疎水性ポリマー80〜10重量部、架橋剤3〜50重量部、及び光吸収剤と親水性添加剤は、前記親水性ポリマー、疎水性ポリマーと架橋剤の固形分の合計100重量部に対し、それぞれ2〜20重量部、0.01〜5重量部が好ましい。さら好ましくは、固形分として、親水性ポリマー50〜20重量部、疎水性ポリマー70〜20重量部、架橋剤5〜40部、及び光吸収剤と親水性添加剤は、前記親水性ポリマー、疎水性ポリマーと架橋剤の固形分の合計100重量部に対し、それぞれ5〜15重量部、0.1〜4重量部である。光吸収剤が上記の範囲であれば感度が適当で、経済的にも有利である。また、親水性添加剤が上記の範囲内であれば、感光性樹脂組成物表面の親水性が良好で、感光性樹脂組成物の架橋に悪影響を与えることがない。
本発明のダイレクトオフセット印刷用原版は、基板上に直接または他の層を介して前記した感光性樹脂組成物を含有する水に不溶性の感光層を設けてなるが、この際用いられる基板の具体例としてはアルミ板、鋼板、ステンレス板、銅板等の金属板やこれらの金属の合金板、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂、酢酸セルロース等のプラスチックフィルムや紙、アルミ箔をラミネートした紙、金属蒸着紙、プラスチックフィルムラミネート紙等が挙げられる。これらの基板の厚さは特に制限はないが通常100〜500μm程度である。また、これらの基板には、密着性の改良等のために酸化処理、リン酸亜鉛処理、サンドブラスト処理、コロナ放電処理等の表面処理を施してもよい。これらの中では、特に取り扱いが容易であり、さびにくく安価であるアルミ板が望ましい。さらにアルミ板を用いると長時間印刷を行っても基板が伸びることがないので4色以上のカラー印刷に適している。
また、感光層との密着性を改良したり、熱の拡散を防止したりするために、ポリマーの下地層を用いてもよい。これに用いられるポリマーは、基板と感光層との密着性及び機械的強度のあるポリマーならば特に制限なく使用できる。また、ポリマーの中にフィラーを添加してプライマーとしてポリマー表面に凹凸を作り感光層との接触面積を大きくすることでさらに密着性及び機械的強度を上げることができる。下地層は架橋してもよいし架橋しなくてもよい。下地層の形成は、有機溶媒に溶解して塗布する方法などにより行うことができる。また、有機溶媒を用いずにポリマー水溶液や水系エマルションを用いることができる。特に親水性感光層に用いられる疎水性ポリマーと同じ樹脂のエマルションを下地層に用いることで、親水性感光層と下地層界面の密着性が強くなり、耐刷性が向上するため望ましい。
前記基板に親水性感光層を設けるには、感光性樹脂組成物を含有する溶液を基板に塗布し、乾燥、硬化すればよい。この感光性樹脂組成物の溶剤は親水性ポリマーやエマルション状ポリマーに含まれる水や水に溶解するアルコール系有機溶剤のほか、均一に混合できるものであれば特に制限はない。また、粘度調整や塗布作業性等を改善するために、感光性樹脂組成物調製後塗布直前に加えても良い。塗布する方法としては、塗布する溶液の粘度や塗布速度等によって異なるが、通常例えば、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンフローコーター、ダイコーター、ディップコーターやスプレー法等を用いれば良い。その際、塗布溶液の消泡のためや、塗布膜の平滑化のために塗布溶液に消泡剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、カップリング剤等の各種添加剤を用いても良い。また、感光層の耐水性等の特性を改良するために有機や無機のフィラーを添加してもよい。これらのフィラーは感光性樹脂組成物に混合して凝集等を起こさなければ形状や材質に制限はない。
感光性樹脂組成物の溶液を塗布した後、加熱して乾燥及び架橋する。加熱温度は通常50〜200℃程度である。それにより形成された感光層の膜厚は特に制限はないが、通常0.5〜10μm程度が好ましい。
本発明のダイレクトオフセット印刷用原版においては、その感光層を保護するためにその上にフィルムを積層しても良い。それによって輸送やハンドリングによる印刷版表面の傷を防ぐことができる。このフィルムはレーザー照射前に剥離してから使用することが好ましい。
本発明のダイレクトオフセット印刷用原版は、親水性感光層表面にレーザー光を照射することによりダイレクトオフセット印刷版となり、これはバキュームのような乾式処理やアルカリ・水による湿式現像工程も必要とせず使用可能である。さらに、レーザー光を照射した後に印刷版を印刷機に取り付けて、印刷前に感光層の一部を取り除く工程、即ち、湿し水で不要な部分の感光層を溶解したり、インクで剥ぎ取ったりする必要もなく使用することができる。
また、本発明のダイレクトオフセット印刷用原版は、レーザー照射により照射された部分の親水性感光層は、親油性から親油(インク)性に変化し、ダイレクトオフセット印刷版となる。これは、レーザー照射により、感光層内で部分的にポリマーエマルション由来の親油性ポリマーが溶融、融着したり、親水性ポリマー、架橋剤、親水性添加剤の親水性置換基が分解したりして、親油(インク)性に変化するものと推定される。従って、レーザー照射後には現像や拭き取り等の操作を必ずしも必要としない。又、感光層が部分的に分解した際に、ガスを発生して感光層が発泡することもあり、それにより露光部の感光層が未露光部よりも隆起することがある。感光層が発泡により隆起している場合でも、印刷を開始すると印圧によりその隆起部は低くなったり、無くなったりするため印刷物への影響はないと考えられる。
本発明において、ダイレクトオフセット印刷用原版のレーザー照射に用いられる光の波長は、700〜1200nmの範囲内であることが好ましく、この波長域の中で光吸収剤の吸収波長域に合致する光を用いることが好ましい。光源としては、使用しやすく高出力の光源が好ましく、この点から700〜1200nmの波長域に発振波長を有するレーザーが好ましく、例えば830nmの高出力半導体レーザーや1064nmのYAGレーザーがより好ましい。これらのレーザーを搭載した露光機はサーマル用プレートセッター(露光機)として既に市販されている。
このようにして形成される本発明のダイレクトオフセット印刷用原版は、すでに市販されている露光機で使用可能であり、現像工程が不要である。
以下、実施例により本発明を詳細に示すが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。尚、実施例中の各評価は以下の方法により測定した。
親水性ポリマーの粘度測定方法:親水性ポリマー水溶液200mlを250mlポリビンに入れ、容器ごと20℃の水浴に1時間放置した。BM型粘度計を用い、それぞれの粘度にあわせて回転子を選択し、ポリマー溶液中で1分間回転した後の粘度を読み取った。
(親水性ポリマーA−1の合成)
1000mlのフラスコに水400gを入れ、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。窒素ガスをフラスコに流しながら、アクリルアミド90g、ヒドロキシエチルアクリレート10g、水67gからなるモノマー溶液と過硫酸カリ0.5gを水50gに溶解した開始剤の水溶液を、内温を80℃に維持しながら、別々に3時間に渡り連続滴下した。滴下終了後80℃で2時間重合を続けた後、更に90℃で2時間重合した。最後に水150g加え、親水性ポリマーA−1の水溶液を得た。このポリマーの水溶液は粘度が6000mPa・s 、固形分は15重量%であった。
(親水性ポリマーA−2の合成)
1000mlのフラスコに水400gを入れ、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。窒素ガスをフラスコに流しながら、アクリルアミド80g、ヒドロキシエチルアクリレート5g、アクリル酸15g、水67gからなるモノマー溶液と、過硫酸カリ0.5gを水50gに溶解した開始剤の水溶液を、内温を80℃に維持しながら、別々に3時間に渡り連続滴下した。滴下終了後、80℃で2時間重合を続けた後、更に90℃で2時間重合した。最後に水150g加え親水性ポリマーA−2の水溶液を得た。このポリマーの水溶液は粘度が12000mPa・s 、固形分は15重量%であった。
実施例1
(感光性組成物B−1の調整)
次に前記方法にて得られた親水性ポリマーA−1(NV=15%)を固形分として40重量部、ウレタン系エマルション(NV=40%、第一工業製薬製スーパーフレックス(登録商標)750)を固形分として40重量部、架橋剤として下記式で表されるメチル化メラミン樹脂(NV=80%、三井サイテック(株)製サイメル(登録商標)350)を固形分として20重量部、水100重量部に溶解したシアニン色素(アクロス製IR125)5重量部、親水性添加剤としてジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム(NV=70%、第一工業製薬(株)製ネオコール(登録商標)YSK)の不揮発分として3重量部、含フッ素化合物サーフロン(登録商標)S141(パーフルオロアルキルアミンオキシド、NV=30%、セイミケミカル社製)の10%メタノール溶液3重量部を混合し、均一になるまでディスパーでかき混ぜて感光性樹脂組成物B−1を含む溶液を得た。
Figure 2005219422
(印刷用原版の作成)
厚み0.188mmのポリエステルフィルムに上記で得られた感光性樹脂組成物B−1を含む溶液をワイヤーバー#10を用いて均一に塗布した後、120℃で1時間乾燥し、約2μmの膜厚の感光層を成膜した。
実施例2
(感光性組成物B−2の調整)
次に前記親水性ポリマーA−1(NV=15%)を固形分として30重量部、ウレタン系エマルション(NV=40%、三井化学(株)製オレスター(登録商標)UD350)を固形分として50重量部、架橋剤として下記式で表されるエポキシ化合物(NV=100%、ナガセ化成工業(株)製デナコール(登録商標)EX614)を固形分として20重量部、水100重量部に溶解したシアニン色素(アクロス製IR125)5重量部、親水性添加剤としてジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム(NV=70%、第一工業製薬(株)製ネオコール(登録商標)YSK)の不揮発分として3重量部、含フッ素化合物サーフロン(登録商標)S131(パーフルオロアルキルアミンオキシド、NV=30%、セイミケミカル社製)の10%メタノール溶液3重量部を混合し、均一になるまでディスパーでかき混ぜて感光性樹脂組成物B−2を含む溶液を得た。
Figure 2005219422
(印刷用原版の作成)
厚み0.24mmのアルミニウム基板にウレタン系エマルション(NV=40%、三井化学(株)製オレスター(登録商標)UD500)をワイヤーバー#10で塗布し、120℃10分加熱した。その表面に上記で得られた感光性樹脂組成物B−2を含む溶液をワイヤーバー#10を用いて均一に塗布した後、140℃で30分乾燥し、約2μmの膜厚の感光層を成膜した。
実施例3
(感光性組成物B−3の調整)
次に前記親水性ポリマーA−1(NV=15%)を固形分として40重量部、ウレタン系エマルション(NV=40%、三井化学(株)製オレスター(登録商標)UD350)を固形分として40重量部、架橋剤として下記一般式で表されるメチル化メラミン樹脂(NV=80%、三井サイテック(株)製サイメル(登録商標)385)を固形分として10重量部、下記式で表されるエポキシ化合物(NV=100%、ナガセ化成工業(株)製デナコール(登録商標)EX313)を固形分として20重量部、水100重量部に溶解したシアニン色素(アクロス製IR125)5重量部、親水性添加剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(NV=60%、第一工業製薬(株)製ネオゲン(登録商標)R)の不揮発分として3重量部、含フッ素化合物サーフロン(登録商標)S131(パーフルオロアルキルアミンオキシド、NV=30%、セイミケミカル社製)の10%メタノール溶液3重量部を混合し、均一になるまでディスパーでかき混ぜて感光性樹脂組成物B−3を含む溶液を得た。
Figure 2005219422
Figure 2005219422
(印刷用原版の作成)
厚み188mmのポリエステルフィルムに上記で得られた感光性樹脂組成物B−3を含む溶液をワイヤーバー#10を用いて均一に塗布した後、140℃で30分乾燥し、約2μmの膜厚の感光層を成膜した。
比較例1
(感光性組成物B−4の調整)
前記親水性ポリマーA−2(NV=15%)を固形分として40重量部、ウレタン系エマルション(NV=40%、第一工業製薬製スーパーフレックス(登録商標)750)を固形分として40重量部、架橋剤として自己縮合しないオキサゾリン基含有ポリマー(NV=40%(株)日本触媒製エポクロス(登録商標)WS−2)を固形分として20重量部、水100重量部に溶解したシアニン色素(アクロス製IR125)5重量部、親水性添加剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(NV=60%、第一工業製薬(株)製ネオゲン(登録商標)R)の不揮発分として3重量部、含フッ素化合物サーフロン(登録商標)S141(パーフルオロアルキルアミンオキシド、NV=30%、セイミケミカル社製)の10%メタノール溶液3重量部を混合し、均一になるまでディスパーでかき混ぜて感光性樹脂組成物B−4を含む溶液を得た。
(印刷用原版の作成)
厚み0.24mmのアルミニウム基板にウレタン系エマルション(NV=40%、三井化学(株)製オレスター(登録商標)UD500)をワイヤーバー#10で塗布し、120℃10分加熱した。その表面に上記で得られた感光性樹脂組成物B−4を含む溶液をワイヤーバー#10を用いて均一に塗布した後、140℃で30分乾燥し、約2μmの膜厚の感光層を成膜した。
比較例2
(感光性組成物B−5の調整)
前記親水性ポリマーA−1(NV=15%)を固形分として40重量部、を固形分として40重量部、ウレタン系エマルション(NV=40%、三井化学(株)製オレスター(登録商標)UD350)、架橋剤として下記式で表される炭酸ジルコニウムアンモニウム(ZrO2含有量=13%、第一稀元素化学工業(株)製ジルコゾール(登録商標)AC−7)を固形分として20重量部、水100重量部に溶解したシアニン色素(アクロス製IR125)5重量部、親水性添加剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(NV=60%、第一工業製薬(株)製ネオゲン(登録商標)R)の不揮発分として3重量部、含フッ素化合物サーフロン(登録商標)S141(パーフルオロアルキルアミンオキシド、NV=30%、セイミケミカル社製)の10%メタノール溶液3重量部を混合し、均一になるまでディスパーでかき混ぜて感光性樹脂組成物B−4を含む溶液を得た。
Figure 2005219422
(印刷用原版の作成)
厚み0.24mmのアルミニウム基板にウレタン系エマルション(NV=40%、三井化学(株)製オレスター(登録商標)UD500)をワイヤーバー#10で塗布し、120℃10分加熱した。その表面に上記で得られた感光性樹脂組成物B−4を含む溶液をワイヤーバー#10を用いて均一に塗布した後、140℃で30分乾燥し、約2μmの膜厚の感光層を成膜した。
(露光・印刷)
印刷特性を評価するために、サーマルタイプ露光機の大日本スクリーン(株)製プレートライト4000を用いて印刷用原版を露光した。そのときの感度は約300mJ/cmであった。レーザー光を照射した部分は緑色から灰色に変色した。この露光して得られた版を湿し水を用いるオフセット印刷機(コモリコーポレーション(株)製スプリント(登録商標)S26、印刷インク:エコピュア(登録商標)HP墨(サカタインクス株式会社製)、湿し水添加剤:アストロマーク3(登録商標)(日研化学株式会社(株)製)1.5%添加)にセットしてコート紙を用いて印刷を行った。10,000枚印刷したときの印刷物および印刷版の表面観察を行った。
(水膨潤率測定)
実施例1、3はポリエステルフィルム基板であるため、はさみで約1×5cmの短冊状に切った。実施例2、比較例1、2はアルミニウム基板であるため、カッターナイフで約1×5cmの短冊状に切った。それらを液体窒素に漬けて凍結した。アルミニウム基板を用いた版は冷却による収縮によってアルミニウム基板と下地層の界面で自然に剥離した。
これらをミクロトームで約0.1μmの厚みにスライスし、スライドガラスの上に乗せて光学顕微鏡で厚みを測定した。その後純水を滴下し5分間放置した。その後余分な水分をウエスで取り除き、再び光学顕微鏡で厚みを観察した。
(結果)
実施例1〜3、比較例1、2ともに印刷物は地汚れなく印刷が可能だった。1万枚印刷終了後、比較例1は非画像部の印刷物の頭に地汚れが発生した。その印刷版を観察すると対応する部分の非画線部がこすれてはがれ、インクが付着していた。感光層の吸水性が良く、印刷終了後しばらく感光層が白濁していたが、乾燥後は元に戻った。比較例2は1500枚ですでに地汚れが発生し、感光層の剥離が生じた。実施例1〜3では非像部の地汚れはなく、印刷版の親水性感光層のハガレや削れは見られなかった。水膨潤率および印刷結果を表1に示す。
Figure 2005219422
現像工程をまったく使用しないため、廃液処理のまったくないCTP版を提供することができる。また、耐刷性が高く印刷特性も良好である。

Claims (9)

  1. 基板上に直接又は他の層を介して親水性感光層が形成された印刷版において、その親水性感光層に用いられる架橋剤が、架橋剤単独で存在するときに自己縮合する特性をもつ化合物であり、且つその親水性感光層の水膨潤率が50%以下であることを特徴とするダイレクトオフセット印刷用原版。
  2. 前記の架橋剤が1種類または2種類以上からなり、そのうち1種類以上がエポキシ基を含有する化合物である請求項1に記載のダイレクトオフセット印刷用原版。
  3. 前記の架橋剤が1種類または2種類以上からなり、そのうち1種類以上がメチロール基を含有する化合物である請求項1又は2に記載のダイレクトオフセット印刷用原版。
  4. メチロール基を含有する化合物が、アミノ樹脂である請求項3に記載のダイレクトオフセット印刷用原版。
  5. 前記の架橋剤の少なくとも1種類が、1分子あたり架橋しうる官能基を3個以上含有する化合物である請求項1〜4記載のダイレクトオフセット印刷用原版。
  6. 前記親水性感光層が、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、光熱変換化合物を含有するものである請求項1〜5記載のダイレクトオフセット印刷用原版。
  7. 請求項1〜6記載のダイレクトオフセット印刷用原版にレーザー光を照射してなるダイレクトオフセット印刷版。
  8. 請求項1〜6記載のダイレクトオフセット印刷用原版に、レーザー光を照射した後、乾式及び/又は湿式現像工程を通さずに、印刷機に取り付けて印刷することを特徴とするダイレクトオフセット印刷版の使用方法。
  9. 前記の印刷用原版にレーザー光を照射した後、現像工程を通さずに印刷機に取り付け、印刷前に感光層の一部を取り除く工程も通さずに印刷を行う請求項8記載のダイレクトオフセット印刷版の使用方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010074340A1 (ja) 2008-12-26 2010-07-01 花王株式会社 ガスバリア用材料及びガスバリア性成形体とその製造方法
JP2011215597A (ja) * 2010-03-15 2011-10-27 Jsr Corp 感放射線性組成物、絶縁膜の形成方法、絶縁膜及び固体撮像素子
WO2018139059A1 (ja) * 2017-01-30 2018-08-02 富士フイルム株式会社 ポジ型平版印刷版原版、及び、平版印刷版の作製方法

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