JP2002370467A - オフセット平版印刷用の版 - Google Patents

オフセット平版印刷用の版

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JP2002370467A
JP2002370467A JP2001182907A JP2001182907A JP2002370467A JP 2002370467 A JP2002370467 A JP 2002370467A JP 2001182907 A JP2001182907 A JP 2001182907A JP 2001182907 A JP2001182907 A JP 2001182907A JP 2002370467 A JP2002370467 A JP 2002370467A
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JP
Japan
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polymer
hydrophilic
printing
photosensitive layer
meth
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Application number
JP2001182907A
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English (en)
Inventor
Yuko Suzuki
祐子 鈴木
Takayuki Sanada
隆幸 真田
Sumio Hirose
純夫 広瀬
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 基板上に下地層を介して、親水性ポリマ
ー、疎水性ポリマーエマルジョン、架橋剤及び光吸収剤
を含有する感光性組成物からなる親水性樹脂感光層を有
する平版印刷用原版において、下地層に感光性組成物に
含まれる疎水性ポリマーエマルジョンと同種類のポリマ
ー系をが主成分としてである樹脂を用いる。 【効果】 本発明の印刷版は、アルミ基板表面に感光性
組成物に含まれる疎水性ポリマーエマルジョンと同種類
のポリマー系が主成分の下地層を有するためにであるた
め、下地層と感光性組成物層の界面の密着性が高く、耐
刷性に優れる。また、基板表面と下地層界面の密着性も
高い。さらに現像や、拭き取り等の操作が不要で、且つ
感度、解像度に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷用の版、明室で
も取り扱うことができ、版に直接レーザー光で描画で
き、感度に優れ、且つ現像や拭き取り等の操作が不要
で、解像度、網点再現性、耐刷性等の種々の印刷特性に
優れた平版印刷用の版、特に近赤外領域の光に感光し、
湿し水を用いるオフセット印刷用の版に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の情報のデジタル化技術の進歩とレ
ーザーの高出力化に伴い、レーザーを走査して直接刷版
に描画して製版する、CTP対応の印刷版が実用化され
ている。特に近赤外レーザーを用いたシステムは明室で
印刷版の取り扱いができるため近年着実に広がってき
た。
【0003】すでに市販されている近赤外レーザー対応
CTP用印刷版は従来のPS版のようにアルカリ現像を
するものが多い。しかし、近赤外レーザーはレーザーパ
ワーを上げることができるため、アルカリ現像でレーザ
ー照射部、又は未照射部を溶出し取り除く方法を用いな
い、新しいメカニズムで製版することが可能である。
【0004】アルカリ現像を行わない印刷版は一般的に
「現像レス」タイプの版と呼ばれているが、この中には
さまざまな様式のものが含まれる。例えば、レーザー照
射後照射部分から発生した樹脂片を拭き取る方法(特開
H7−314934号)、分解物をバキュームする方法
(特開H6−199064号)、湿し水で不要な樹脂分
を洗い流す方法(特開H9―127683号)等が近年
提案されている。しかしこれらの操作はアルカリ現像よ
りは手軽であるものの、プレートセッターやダイレクト
イメージング印刷機においてさらに新たな装備を必要と
するため更なる改善を望まれていた。
【0005】その後発表されたのが親水性を示す感光層
がレーザー照射によって親油性になり、そのまま刷版と
なるタイプである。特に有機高分子ポリマーを用いたも
のは製造しやすく、安価であるため実用化が望まれてき
ているが、高い耐刷性を得るにはまだいくつもの問題を
抱えている。
【0006】従来のものよりも耐刷性を向上させる方法
として、特開平11―291653号公報に基板と親水
性膨潤層の間にプライマー層を設けることが提案されて
いる。しかしながらこのプライマーに使用されるポリマ
ーとしてゼラチンやカゼインなどの天然高分子類が挙げ
られているが、一般的に天然高分子類は保存中吸湿した
り黴が生えるため、保存安定性に問題がある。また、そ
のほかに挙げられている合成ポリマー類は基板表面に塗
布された後印刷機の版胴に巻き付けられた場合、応力の
緩和ができず剥離することがある。また、親水性膨潤層
があまりにも吸水する場合密着性が低下することがあ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の現
像レスCTP用の印刷版に有機高分子ポリマーを用いる
場合、基板やや吸水後の親水性層との界面の剥離の発生
による耐刷性低下の問題点を抱えており、これらの問題
点を改良したCTP用の版の開発が強く望まれていた。
即ち、本発明の課題は、親水性樹脂感光層、特にレーザ
ー照射部が親水性から親油性に変化する親水性樹脂感光
層を有する版であり、その感光層の一部を取り除くこと
なくオフセット印刷が可能である現像レス印刷原版にお
いて、印刷中に刷版の感光層の剥離が生じないオフセッ
ト印刷原版を開発することである。
【0008】さらに明室で取り扱うことができ、現像や
拭き取り操作が不要で、且つ感度、解像度、地汚れ、印
刷欠陥等の種々の印刷特性に優れたCTP用の印刷版を
開発することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記した課
題を解決するために鋭意検討を行い、本発明を完成し
た。
【0010】即ち、本発明は、以下の事項により特定さ
れる。
【0011】(1)基板に下地層を介して、親水性ポリ
マー、疎水性ポリマー、光吸収剤、架橋剤を含有する感
光性組成物からなる親水性樹脂感光層を設けた印刷版に
おいて、感光性組成物に含まれる疎水性ポリマーと同種
類のポリマー成分を含む下地層を有することを特徴とす
るダイレクトオフセット印刷用原版。
【0012】(2)上記疎水性ポリマーがウレタン系、
アクリル系、酢酸ビニル系、合成ゴム系、エチレン系エ
マルジョンであることを特徴とする請求項1及び2記載
のダイレクトオフセット印刷用原版。
【0013】(3)上記疎水性ポリマーの平均粒径が5
〜500nm以下のポリマーエマルジョンを用いて造膜
された下地層を有することを特徴とする請求項1または
2に記載のダイレクトオフセット印刷用原版。
【0014】(4)上記疎水性ポリマーの平均粒径が5
〜500nm以下のポリマーエマルジョンを用いて造膜
することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の
ダイレクトオフセット印刷用原版用の下地層の製造方
法。
【0015】(5)溶媒を除去することにより粒子同士
が融着して造膜されることを特徴とする請求項1乃至3
いずれかに記載のダイレクトオフセット印刷用原版用の
下地層の製造に用いられるのポリマーエマルジョン。
【0016】(6)レーザー照射によって親水性樹脂感
光層が親油性に変化することを特徴とする請求項1乃至
5記載のダイレクトオフセット印刷用原版。
【0017】(7)親水性樹脂感光層にレーザー照射
後、現像を行うことなく印刷に使用できることを特徴と
する請求項1乃至6記載のダイレクトオフセット印刷
版。
【0018】上記のような層構成は親水性ポリマー、疎
水性ポリマー、光吸収剤、架橋剤を含有する有機物であ
る感光性組成物からなる親水性樹脂感光層を直接基板表
面に設けるのではなく、感光性組成物の成分の疎水性ポ
リマーエマルジョンと同じ樹脂系の下地層を介すること
によって、感光性組成物/下地層界面及び基板/下地層
界面の密着力を上げるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に於ける印刷用原版は、基
板上に直接又は他の下地層を介して、水に不溶な親水性
樹脂感光層性組成物を有するものである。
【0020】[感光性組成物]まず、本発明に於ける印
刷用原版の感光層を形成する感光性組成物について説明
する。感光性組成物は親水性ポリマー、疎水性ポリマー
エマルジョン、700〜1200nmに吸収をもつ光吸
収剤色素、架橋剤及び親水性添加剤を含有してなる。こ
こでいう親水性ポリマーとは、水に完全に溶解するもの
だけでなく、水と任意の比率に混合できる有機溶剤に溶
解しその溶液を水に溶解することが可能なもの、水を吸
着するものや吸収して膨潤するものも含む。親水性ポリ
マーの例としては「新・水溶性ポリマーの応用と市場」
シーエムシー出版、などに記載のものが使用できる。具
体的には以下のようなものがある。
【0021】[親水性ポリマー]親水性ポリマーとして
は、アミド基、カルボキシル基及びそのアルカリ金属又
はアミン塩、水酸基、スルホン酸基及びその塩、アミノ
基及びその塩、ホスホン酸基及びその塩、スルホンアミ
ド基、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基
等の親水性置換基を側鎖に有するポリマー、更にポリオ
キシエチレン系ポリマー、ポリオキシプロピレン系ポリ
マー、ポリオキシエチレン・ ポリオキシプロピレン系
ポリマー、セルロース系ポリマー、ゼラチン等が挙げら
れる。これらの親水性ポリマーの中でも、本発明に於い
ては、感光性組成物を刷版の感光層に用いた場合、感光
層には耐水性が求められ、架橋等により水に不溶化する
必要があり、この水に不溶化のし易さ等の点から、該親
水性ポリマーは、アミド基、カルボキシル基、スルホン
酸基、ホスホン酸基及び水酸基から選ばれる親水性置換
基を1種又は2種以上側鎖に有するポリマーが、例え
ば、前記した親水性置換基を側鎖に有する不飽和モノマ
ーを1種又は2種類以上重合したポリマーやポリビニル
アルコール系ポリマー、セルロース系ポリマー、ゼラチ
ン等が好ましい。
【0022】前記した親水性置換基を側鎖に有する不飽
和モノマーを1種又は2種以上重合したポリマーに於い
て用いられる不飽和モノマーを具体例に説明すると、ア
ミド基を側鎖に有する不飽和モノマーとしては、無置換
又は置換の(メタ)アクリルアミド、イタコン酸、フマ
ル酸、マレイン酸等の二塩基酸のアミド化モノマー、N
−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−
ビニルピロリドン等が挙げられる。無置換又は置換(メ
タ)アクリルアミドのより具体例としては、(メタ)ア
クリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリル
アミド、スルホン酸プロピル(メタ)アクリルアミド、
(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。ま
た、前記イタコン酸等の二塩基酸のアミド化モノマーの
場合は一方のカルボキシル基がアミド化されたモノアミ
ド、両方のカルボキシル基がアミド化されたジアミド、
更に一方のカルボキシル基がアミド化され、他方のカル
ボキシル基がエステル化されたアミドエステルであって
もよい。
【0023】カルボキシル基を側鎖に有する不飽和モノ
マーとしては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイ
ン酸及びその無水物等の二塩基不飽和酸やこれら二塩基
不飽和酸のモノエステル、モノアミド等のカルボキシル
基含有不飽和モノマー等が挙げられる。これらのカルボ
キシル基を有するモノマーに於いては、該カルボキシル
基は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基や
アンモニアやアミン類で中和されていても良い。また、
重合してから中和してもよい。
【0024】スルホン酸基を側鎖に有する不飽和モノマ
ーとしては、ビニルスルホン酸、スルホエチル(メタ)
アクリレート、(メタ)アクリルアミドメチルプロパン
スルホン酸、ビニルメチルスルホン酸、イソプロぺニル
メチルスルホン酸、(メタ)アクリル酸にエチレンオキ
シド、又はプロピレンオキシドを付加したアルコールの
硫酸エステル(例えば、三洋化成工業(株)のエレミノー
ルRS−30)、(メタ)アクリロイロキシエチルスル
ホン酸、モノアルキルスルホ琥珀酸エステルとアリル基
を有する化合物とのエステル(例えば、三洋化成工業
(株)のエレミノールJS2、花王(株)のラテムルS−1
80、又はS180A)、モノアルキルスルホ琥珀酸エ
ステルとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成
物、及び日本乳化剤(株)のAntox MS60等が挙
げられる。これらのスルホン酸基を有するモノマーに於
いては、該スルホン酸基は水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等の無機塩基やアンモニアやアミン類で中和され
ていても良い。また、重合してから中和してもよい。
【0025】ホスホン酸基を側鎖に有する不飽和モノマ
ーとしては、ビニルリン酸、リン酸モノ(2−ヒドロキ
シエチル)(メタ)アクリレート、リン酸モノアルキル
エステルのモノ(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アク
リレート等が挙げられる。これらのホスホン酸基を有す
るモノマーに於いては、該ホスホン酸基は水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等の無機塩基やアンモニアやアミ
ン類で中和されていても良い。また、重合してから中和
してもよい。
【0026】また、水酸基を有する不飽和モノマーとし
ては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、及び、これらの(メタ)アクリ
レートにエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加し
たモノマー、メチロール(メタ)アクリルアミドや該メ
チロール(メタ)アクリルアミドとメチルアルコールや
ブチルアルコールとの縮合物であるメトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリル
アミド等が挙げられる。
【0027】尚、本発明に於ける前記“(メタ)アクリ
ル”、(メタ)アクリレート”、(メタ)アクロイル”
等の記載はそれぞれアクリルとメタクリル、アクリレー
トとメタアクリレート、アクリロイルとメタアクリロイ
ルの両者を意味する。
【0028】ポリビニルアルコール系ポリマーを更に詳
細に説明すると、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル等の
脂肪酸ビニルモノマーのホモポリマーやコポリマーを完
全又は部分加水分解して得られるポリマー、及びこのポ
リマーの部分ホルマール化、アセタール化、ブチラール
化ポリマー等が挙げられる。
【0029】本発明に於ける印刷用原版は、基板上に感
光性組成物を含有する水に不溶の感光層を有する。感光
層を水に不溶にするには、通常は架橋剤を用いて親水性
ポリマーを三次元架橋する。架橋する場合、通常親水性
ポリマーに架橋剤と反応する架橋性官能基を導入しなけ
ればならない。架橋性官能基の具体例としては、用いる
架橋剤の種類により異なるが、例えば、水酸基、カルボ
キシル基及びそのアルカリ金属やアミン塩、スルホン酸
基及びそのアルカリ金属やアミン塩、リン酸基及びその
アルカリ金属やアミン塩、アミド基、アミノ基、イソシ
アナート基、グリシジル基、オキサゾリン基等が挙げら
れる。これらの架橋性官能基を導入するにはこれらの官
能基を有する不飽和モノマー、例えば前記した水酸基を
有する不飽和モノマー、カルボキシル基を有する不飽和
モノマー、またスルホン酸基を有する不飽和モノマー
を、更に、グリシジル基を有する不飽和モノマーとして
はグリシジル(メタ)アクリレート等を共重合すればよ
い。
【0030】更に、本発明の親水性ポリマーに於いて
は、前記親水性置換基を有する不飽和モノマー、架橋性
官能基を有する不飽和モノマー以外に、本発明の効果を
更に向上させるために、その他の共重合可能不飽和モノ
マーを共重合することもできる。共重合可能不飽和モノ
マーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、メトキシ(C1〜C50)
エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)ア
クリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソポロ
ニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アク
リレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、スチ
レン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0031】[架橋剤]本発明の親水性ポリマーを架橋
するのに用いられる架橋剤としては、前記親水性ポリマ
ーと架橋反応して親水性ポリマーを水に不溶性にするこ
とにより感光層の耐水性を向上させるものであればよ
い。架橋剤と官能基の組み合わせについては金子東助、
山下晋三編「架橋剤ハンドブック」大成社(昭和56
年)に記載の反応を用いることができる。例えば、親水
性ポリマー中の架橋性官能基であるカルボキシル基、ス
ルホン酸基、水酸基、グリシジル基、場合によってはア
ミド基と反応する公知の多価アルコール化合物類、多価
カルボン酸化合物やその無水物類、多価グリシジル化合
物(エポキシ樹脂)類、多価アミン化合物類、ポリアミ
ド樹脂類、多価イソシアナート化合物類(ブロックイソ
シアナート類を含む)、オキサゾリン樹脂、アミノ樹
脂、グリオキザール等が挙げられる。本発明に於いては
前記した架橋剤の中でも、硬化速度と感光性組成物の安
定性や感光層の親水性と耐水性のバランス等から公知の
種々の多価グリシジル化合物(エポキシ樹脂)、オキサ
ゾリン樹脂、アミノ樹脂、多価アミン化合物やポリアミ
ド樹脂等のエポキシ樹脂用の硬化剤、グリオキザールが
好ましい。アミノ樹脂としては、公知のメラミン樹脂、
尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂やグリコールウリル樹
脂等やこれら樹脂の変性樹脂、例えばカルボキシ変性メ
ラミン樹脂等が挙げられる。また、架橋反応を促進する
ために、前記したグリシジル化合物を用いる際には3級
アミン類を、アミノ樹脂を用いる場合は、パラトルエン
スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、塩化アンモ
ニウム等の酸性化合物を併用しても良い。
【0032】[疎水性ポリマー]本発明の感光性組成物に
用いられる疎水性ポリマーはポリマー微粒子が水に分散
したエマルジョン型が好ましく、自己乳化型でも強制乳
化型でもよい。これは乳化重合、懸濁重合、グラフト重
合、ポリマーの後乳化等で作られる。疎水性ポリマーと
してはウレタン系、(メタ)アクリル樹脂系エマルジョ
ン、スチレン系、酢酸ビニル系、塩化ビニリデン系、共
役ジエン系ゴム、ブタジエンゴム系等が挙げられる。こ
れらに用いられる疎水性ポリマーは1種類だけでなく2
種類以上を用いてもよい。これらを添加した場合は親水
性樹脂感光層は架橋した親水性ポリマー相とこれらの疎
水性ポリマー相との相分離構造をとなる。
【0033】[光吸収剤]本発明の感光性組成物におい
ては、光吸収剤として、明室での取り扱いを可能にする
ために、700〜1200nm、特に市場に供されてい
る高出力半導体レーザーの発振波長である800〜86
0nmに吸収域を有し、且つ感度、分解特性等に優れる
点から有機色素が望ましい。有機色素としては、シアニ
ン系化合物、ポリメチン系化合物、フタロシアニン系化
合物、ナフタロシアニン系化合物、アントラシアニン系
化合物、ポルフィリン系化合物、アゾ系化合物、ベンゾ
キノン系化合物、ナフトキノン系化合物、ジチオール金
属錯体類、ジアミンの金属錯体類等が挙げられる。ま
た、2種類以上の色素を混合してもよい。さらにカーボ
ンブラック等の無機光吸収剤と併用してもよい。
【0034】本発明の光吸収剤はレーザー光を吸収する
と多量の発熱を伴いながら急激に分解が起こる。その熱
によって感光層の疎水性ポリマー相が溶融したり親水性
ポリマーの親水性置換基や主鎖の一部の分解が起り、感
光層の親水性を親油(インク)性に変えることができ
る。そのため分解物の堆積が少なく、画線部の強度も低
下しない。
【0035】本発明に用いられる光吸収剤が使用する親
水性ポリマーに不溶の場合、感光性組成物に用いる場合
は分散して用いることが可能である。分散した際の該化
合物の粒子径は、刷版の感光層の膜厚、解像度による
が、通常は平均で0.5 μm以下が好ましい。分散する
方法は、例えばサンドミル、ペイントシェーカー、3本
ロール、及びスラリーを加圧下に高速で衝突させる方法
等がある。
【0036】[親水性添加剤]本発明の感光性組成物には
親水性添加剤を添加してもよい。親水性添加剤として
は、水や有機溶媒に溶解するものが望ましい。この親水
性添加剤によって印刷版表面の親水性を高め、印刷開始
後すぐに湿し水が表面に付くような作用をするものであ
ればどのような化合物でも使用できるが、特に界面活性
剤や表面改質剤と呼ばれているものが特に好ましい。現
在さまざまな親水性添加剤が入手できるが、「特殊機能
界面活性剤」シーエムシー出版(1986)記載の親水
性界面活性剤使用可能である。具体例を以下に示す。
【0037】非イオン性活性剤としてはポリエチレング
リコール型、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリプロピレングリコールエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソル
ビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル
アミン等や、多価アルコール型例えばアルキルアルカノ
ールアミド、、グリセリン脂肪酸エステル、しょ糖脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、やし油やひま
し油を原料とした活性剤、ポリエチレングリコール、ア
ルキルフェニルエーテルやアルキルエーテル、アルキル
アリルエーテル、ラウリルエーテル系の活性剤等があ
る。また陽イオン系活性剤としては第1級アミン塩系、
第2級アミン塩系、第3級アミン塩系、第4級アンモニ
ウム塩系、四級ピリジニウム塩系、ラウリルイミダゾリ
ン系、アルキルアミン系等がある。両性活性剤としては
アルキルベタイン系、アミノ酸型、スルホン酸型、硫酸
エステル型、りん酸エステル型、アミンオキシド型、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン型、ポリアルキレンポ
リアミン型、ポリエチレンイミン型、カルボン酸型、硫
酸エステル型等の両イオン性のものが使用できる。また
陰イオン系活性剤としてはスルホン酸塩系、例えばアル
キルフェニルスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレ
ンスルホン酸ナトリウム、アルキルアリルスルホン酸ナ
トリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレ
ンスルホン酸のホルマリン縮合物のナトリウム塩、ポリ
オキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ジ
アルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウムやジアルキル
スルホ琥珀酸エステルナトリウム等がある。また、カル
ボン酸塩系、例えばジアルキル琥珀酸エステルナトリウ
ム、モノアルキルコハク酸エステルナトリウム、ポリカ
ルボン酸等がある。硫酸エステル塩系、例えばアルキル
ジフェニル硫酸オキシド、アルキル硫酸エステル、高級
アルコール硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレ
ンアルキル硫酸エーテルナトリウムまたはアンモニウム
等が挙げられる。また、りん酸エステル塩系、例えばア
ルキルエーテルりん酸エステルナトリウムやアルコール
りん酸エステルナトリウム等が使用できる。特にジアル
キル琥珀酸エステルナトリウムやモノアルキルスルホ琥
珀酸エステルナトリウム系は感光層表面が水に濡れても
溶出しにくいため特に好ましい。さらに2種類以上の添
加剤を同時に用いてもよい。
【0038】[感光層の組成]本発明の感光性組成物に
於いて、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、架橋剤、光
吸収剤使用割合は刷版の感光層の親水性と耐水性のバラ
ンスや、感度、その他種々の印刷特性の点や経済性の観
点から、固形分で親水性ポリマー97〜10重量%、疎
水性ポリマー80〜10重量%、架橋剤3〜50%、及
び光吸収剤は前記親水性ポリマー、疎水性ポリマーと架
橋剤の固形分の合計100重量%に対し2〜20重量%
が好ましい。更に、親水性ポリマー60〜20重量%、
疎水性ポリマー70〜20重量%、架橋剤5〜40%、
及び光吸収剤は前記親水性ポリマー、疎水性ポリマーと
架橋剤の固形分の合計100重量%に対し3〜15重量
%が好ましい。
【0039】本発明に於いては、刷版の感光層の露光部
の親水性と耐水性のバランス、疎水性ポリマーエマルジ
ョンとの混ざりやすさや種々の印刷特性の点から、親水
性ポリマーは、アミド基及び水酸基を有する不飽和モノ
マーの部分が20〜100重量%、架橋性官能基を有す
る不飽和モノマーの部分が0〜60重量%、及びその他
の不飽和モノマーの部分が0〜50重量%からなるポリ
マーが好ましく、更に好ましくは、アミド基及び水酸基
を有する不飽和モノマーの部分が40〜100重量%、
架橋性官能基を有する不飽和モノマーの部分が0〜50
重量%、及びその他の不飽和モノマーの部分が0〜50
重量%である。但し、親水性置換基がアミド基だけの場
合は、アミド基を有する不飽和モノマーの部分が40〜
97重量%、架橋性官能基を有する不飽和モノマーの部
分が3〜50重量%、及びその他の不飽和モノマーの部
分が0〜50重量%からなるポリマーが好ましく、更に
好ましくは、アミド基を有する不飽和モノマーの部分が
50〜95重量%、架橋性官能基を有する不飽和モノマ
ーの部分が5〜40重量%、及びその他の不飽和モノマ
ーの部分が0〜50重量%である。尚、アミド基、水酸
基を有する不飽和モノマーは、親水性置換基を有する不
飽和モノマーであり、且つ架橋性官能基を有する不飽和
モノマーでもあるが、前記の親水性ポリマーの組成に於
いては、アミド基、カルボキシル基、水酸基、及びスル
ホン酸基を有する不飽和モノマーは親水性置換基を有す
る不飽和モノマーとみなし、架橋性官能基を有する不飽
和モノマーとしては計算しないものとする。
【0040】[基板]本発明の平版印刷用原版に於いては
基板に前記した感光性組成物をからなる含有する水に不
溶性の親水性樹脂感光層を設けてなるが、この際用いら
れる基板の具体例としてはアルミ板、鋼板、ステンレス
板、銅版等の金属板やこれら金属の合金板、ポリエステ
ル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカ
ーボネート、ABS樹脂、酢酸セルロース等のプラスチ
ックフィルムラミネート紙等が挙げられる。基板の厚さ
は特に制限はないが通常100〜500μm程度であ
る。また、これらの基板は密着性の改良等のために酸化
処理、リン酸亜鉛処理、サンドブラスト処理、コロナ放
電処理等の表面処理を施してもよい。特に取り扱いが容
易であり、さびにくく安価であるアルミ板が望ましい。
さらにアルミ板を用いると長時間印刷を行っても基板が
伸びることがないので4色以上のカラー印刷に適してい
る。
【0041】[下地層]基板と感光層との間には下地層を
用いる。この時に用いる下地層は感光性組成物に含まれ
る疎水性ポリマーエマルジョンと同じ樹脂系を用いて製
膜することが望ましい。この樹脂系は特にウレタン系、
アクリル系、酢酸ビニル系、合成ゴム系、エチレン系の
疎水性ポリマーが望ましい。下地層を構成する疎水性ポ
リマーは、感光性組成物に用いられるものと同一の種類
のものが用いられるが、分子量その他の諸物性は同一で
ある必要はない。下地層を製膜する際に用いられる樹脂
は、水溶液又は有機溶媒に溶解した均一溶液でもよい
し、エマルジョンでも良い。特に望ましいのはポリマー
エマルジョン型である。この疎水性ポリマーエマルジョ
ンは強制乳化型でもよいし自己乳化型でもよい。エマル
ジョンを用いた場合、下地層の表面凹凸を防ぐため、ポ
リマーの平均粒径は5〜500nm以下が望ましい。
【0042】エマルジョンの平均粒径は、一般的には水
で薄めて粒度測定器(例えば「マイクロトラック」等)に
より測定される。その他、エマルジョンを凍結後スライ
スして透過型電子顕微鏡で測定することもでき、特に平
均粒径が10nm以下の場合には好ましく用いられる。
【0043】このエマルジョンは塗布後分散溶媒が蒸発
後すると融着して造膜する特性が必要である。製造上問
題がなければ造膜温度は何度でもよい。
【0044】下地層には1種類または2種類以上の前記
疎水性ポリマー樹脂を混合して使用できる。さらに、架
橋剤を加えて強靭な膜を作ることも可能である。この下
地層を塗布するときには例えば、バーコーター、ロール
コーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カー
テンフローコーター、ダイコーター、ディップコーター
やスプレー法等を用いれば良い。この際、塗布溶液の消
泡のためや、塗布膜の平滑化の基板との密着性向上、親
水性の感光性組成物の層との密着性向上のために塗布溶
液に消泡剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、カップリン
グ剤等の各種添加剤を用いても良い。
【0045】下地層の膜厚は特に制限はないが、通常
0.1〜10μm程度、好ましくは0.2〜5μm、さ
らに好ましくは0.5〜3μmである。
【0046】塗布後そのまま感光性組成物を塗布しても
よいし、加熱または送風乾燥してから使用してもよい。
このように設けた下地層によって、基板/下地層界面、
下地層/感光層界面の密着性が上がるため耐刷性がよ
く、湿し水が供給されても界面での剥離は起きない。さ
らにレーザー照射部分の熱の拡散を防止でき、感度が向
上する効果も有する。
【0047】[感光層の製造]前記基板に感光層を設ける
には、本発明の感光性組成物を含有する溶液を下地層表
面に塗布し、乾燥、硬化すればよい。塗布する方法とし
ては塗布する溶液の粘度や塗布速度等によって異なる
が、通常例えば、バーコーター、ロールコーター、ブレ
ードコーター、グラビアコーター、カーテンフローコー
ター、ダイコーター、ディップコーターやスプレー法等
を用いれば良い。
【0048】この際、塗布溶液の消泡のためや、塗布膜
の平滑化のために塗布溶液に消泡剤、レベリング剤、ハ
ジキ防止剤、カップリング剤等の各種添加剤を用いても
良い。
【0049】また、感光層の耐水性等の特性を改良する
ために有機や無機のフィラーを用いてもよい。これらを
添加した場合は感光層は架橋した親水性ポリマー相とこ
れらの親油性樹脂相との相分離構造をとなる。
【0050】感光性組成物の溶液を塗布した後、加熱し
て乾燥及び親水性ポリマーを架橋する。加熱温度は通常
50〜200℃程度である。該感光層の膜厚は特に制限
はないが、通常0.5〜10μm程度が好ましい。
【0051】本発明の印刷用原版に於いては、感光層を
成膜した後、該感光層を保護するために感光層の上にフ
ィルムを積層しても良い。
【0052】[感光層の性質の概要]次に本発明の感光層
に関して詳しく説明する。本発明の平版印刷用の版は湿
し水を用いるオフセット印刷用の版であり、従って感光
層は親水性と、耐水性(湿し水に溶けないこと)が求め
られる。そして露光により光を照射した部分の感光層は
部分的にエマルジョン疎水性ポリマーが溶融、融着した
り親水性ポリマーや架橋剤、親水性添加剤の一部または
全部が分解し、親水性から親油(インク)性に変化す
る。従って、露光後には現像や拭き取り等の操作を必要
としない。
【0053】本発明に於いては感光層が露光により部分
的に分解した際に、ガスを発生して、感光層が発泡する
こともある。そして露光部の感光層は発泡により未露光
部よりも隆起することもある。感光層が発泡により隆起
している場合でも、印刷を開始すると印圧によりその隆
起は減少したり、無くなることもある。
【0054】本発明の印刷原版の露光に用いられる光の
波長は700〜1200nmであり、この波長域の中
で、光吸収剤の吸収波長域に合致する光を用いればよ
い。露光に用いる光源としては、使用しやすく高出力の
光源が適している。この点からはレーザー、特に800
〜1100nmの波長域に発振波長を有するレーザーが
好ましく、例えば830nmの高出力半導体レーザーや
1064nmのYAGレーザーが好ましく、これらのレ
ーザーを搭載した露光機は所謂サーマル用プレートセッ
ター(露光機)として既に市場に供されている。
【0055】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。
【0056】
【実施例1】(親水性ポリマーAの合成)1000ml
のフラスコに水400gを入れ、窒素をバブリングして
溶存酸素を除去した後、80℃に昇温する。窒素ガスを
フラスコに流しながら、アクリルアミド90g、ヒドロ
キシエチルアクリレート10g、水67gからなるモノ
マー溶液と過硫酸カリ0.5gを水50gに溶解した開
始剤の水溶液を、内温を80℃に維持しながら、別々に
3時間に渡り連続滴下した。滴下終了後80℃で2時間
重合を続けた後、更に90℃で2時間重合した、最後に
水150g加えた後、アンモニア水溶液でpHを4.5
に調整して親水性ポリマーの水溶液を合成した。このポ
リマーの水溶液は粘度8000mPa・s 、固形分は15
重量%であった。
【0057】(感光性組成物)次に上記親水性ポリマー
Aを固形分で40重量%、疎水性ポリマーとしてエマル
ジョンスーパーフレックス700(第一工業製薬製ウレ
タン系エマルジョン)を固形分で40重量%、架橋剤と
してサイメル350 (三井サイテック(株)製のメチル
化メラミン樹脂)を固形分で10重量%、水100重量
%に溶解したシアニン色素IR125(アクロス製)5
重量%、親水性添加剤としてネオコールYSK(第一工
業製薬製)1重量%を混合し均一になるまでディスパー
でかき混ぜた。 (下地層)240nm厚の表面が未処理のアルミ基板を
アセトンで洗浄し油分を取り除く。その表面にUD50
0(三井化学(株)製ウレタンエマルジョン)をワイヤ
ーバー#10で塗布し、100℃5分加熱する。 (感光層)下地層の上に上記感光性組成物をワイヤーバ
ー#14を用いて均一に塗布した後、120 ℃で1時間
乾燥し、約2μmの膜厚の感光層を成膜して印刷用原版
を作成した。 (評価)印刷特性を評価するために、この版に830n
mの半導体レザー光を集光しながら光を走査して情報の
記録を行った。レーザー光を照射した部分は緑色から灰
色に変色した。感度は約350mJ/cm2 であった。こ
の版の表面を電子顕微鏡で観察したところ、いずれの実
施例でも露光部の感光層は溶融したような形状になり、
未記録部より微かに隆起していた。また、露光部の周辺
を顕微鏡で観察しても分解物は堆積していなかった。こ
の露光した版を湿し水を用いるオフセット印刷機(シナ
ノケンシ製カード印刷機プレクスターARX010)に
セットしてコート紙を用いて印刷を行った。 (剥離試験) JIS K−5400 Xカットテープ法を実施 感光性組成物表面にカッターナイフでクロスカットし、
さらにその表面にメンディングテープを貼って勢いよく
引き剥がす。
【0058】実施例1の印刷版は光の未照射部にはイン
クが全く付かず、一方、照射部にはインクが十分に付着
し、且つ、分解物によると思われる印刷欠陥もなく、綺
麗な印刷ができた。また、Xカットテープ法では下地層
及び感光層からの剥離は見られなかった。さらに1万枚
印刷してもアルミ基板/下地層及び下地層/感光層界面
での剥離は見られなかった。
【0059】
【実施例2〜5及び比較例1、2】(親水性ポリマー
B)実施例1の親水性ポリマーの合成に於いて、以下の
モノマー及び重合開始剤を用いて合成した。 親水性ポリマーB アクリルアミド 70重量% ヒドロキシエチルアクリレート 5重量% アクリル酸 25重量% 重合開始剤 V−50(水性アゾ系 和光純薬(株)製品) 次に表−1に示した下地層用ポリマーを表−1記載の基
板にそれぞれ塗布した。その後、表−1に示した種類と
重量%の親水性ポリマー、疎水性ポリマーエマルジョ
ン、架橋剤、親水性添加剤及び水100重量%からなる
水溶液に光吸収剤として色素5重量%を用いて、実施例
1と同じ方法で印刷用原版を作った。表−1に於ける配
合量は固形分の重量部を表す。
【0060】
【表1】
【0061】このように作成した印刷用原版は実施例1
と同じ方法で露光し、露光部の観察及び印刷評価を行っ
た。いずれの版も露光部の周辺には分解物等の飛沫は観
察されなかった。
【0062】表−2に示すように、印刷の評価結果は、
実施例2〜5の版は印刷性及び耐刷性に優れていたが、
比較例1は3000枚で基板と下地層界面で剥離を生じ
た。また、比較例2の版は湿し水によって版の端面から
下地用樹脂が溶けだし、ブランケットの一部を汚染し
た。いずれの版も通常の明室下で取り扱っても全く問題
は生じなかった。
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】親水性の感光性組成物に含まれる疎水性
ポリマーエマルジョンと同種類のポリマー系の下地層を
設けることで、下地層/感光層界面の密着力が高く剥離
しない。また、下地層のポリマーと基板の界面の剥離も
防げるため、耐刷性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/032 G03F 7/032 7/11 503 7/11 503 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AA12 AA14 AB03 AC08 AD01 AD03 BH04 BJ03 CB13 CB14 CB15 FA03 2H096 AA07 AA08 BA16 BA20 CA05 EA04 2H114 AA04 AA21 AA23 AA30 BA01 BA10 DA41 DA46 DA47 DA50 DA53 DA60 DA75 EA03 EA08 FA14 GA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板に下地層を介して、親水性ポリマー、
    ポリマーエマルジョン疎水性ポリマー、光吸収剤、架橋
    剤を含有する感光性組成物からなる親水性樹脂感光層を
    設けた印刷版において、感光性組成物に含まれる疎水性
    ポリマーと同種類のポリマー成分を含む下地層を有する
    ことを特徴とするダイレクトオフセット印刷用原版。
  2. 【請求項2】上記疎水性ポリマーがウレタン系、アクリ
    ル系、酢酸ビニル系、合成ゴム系、エチレン系エマルジ
    ョンであることを特徴とする請求項1及び2記載のダイ
    レクトオフセット印刷用原版。
  3. 【請求項3】上記疎水性ポリマーの平均粒径が5〜50
    0nm以下のポリマーエマルジョンを用いて造膜された
    下地層を有することを特徴とする請求項1または2に記
    載のダイレクトオフセット印刷用原版。
  4. 【請求項4】上記疎水性ポリマーの平均粒径が5〜50
    0nm以下のポリマーエマルジョンを用いて造膜するこ
    とを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のダイレ
    クトオフセット印刷用原版用の下地層の製造方法。
  5. 【請求項5】溶媒を除去することにより粒子同士が融着
    して造膜されることを特徴とする請求項1乃至3いずれ
    かに記載のダイレクトオフセット印刷用原版用の下地層
    の製造に用いられるのポリマーエマルジョン。
  6. 【請求項6】レーザー照射によって親水性樹脂感光層が
    親油性に変化することを特徴とする請求項1乃至5記載
    のダイレクトオフセット印刷用原版。
  7. 【請求項7】親水性樹脂感光層にレーザー照射後、現像
    を行うことなく印刷に使用できることを特徴とする請求
    項1乃至6記載のダイレクトオフセット印刷版。
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