JP2010201637A - 平版印刷用原版及び平版印刷版 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光の照射で感光層の表面の親水性が親油性に性質が変化し、現像処理を必要としない平版印刷用原版であって、非画像部の親水性に優れ、従って印刷の最初から非画像部はインクの付着がなく、且つ多量部の印刷を行っても地汚れを生じることなく、綺麗な印刷が行える平版印刷用原版、及び平版印刷版を提供する。
【解決手段】 支持体に親水性の感光層を有し、光の照射により感光層の表面の親水性が親油性に変化する平版印刷用原版であって、該感光層がパーフロロアルキル基を有する親水性樹脂、架橋剤、水分散疎水性樹脂、光吸収剤を含有してなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、湿し水を用いる平版印刷、特に現像不要な平版印刷用原版、中でも近赤外線レーザー光の照射により感光層の親水性が親油性に変化する平版印刷用原版、及び平版印刷版に関する。
通常、湿し水を用いる平版印刷版においては、非画像部は印刷版の表面を親水性にして湿し水を付着させる。他方、画像部は親油性にしてインクを付着させて紙に転写して、印刷が行われる。そして、一般に前記した非画像部を親水性にした平版印刷版は、基板としてアルミが用いられ、該アルミの表面を砂目立てし、陽極酸化処理して親水性表面にした後、該アルミ板に親油性の感光層を成膜して平版印刷用原版とし、該印刷用原版に光を印刷画像に従って照射して露光する。次に、現像して、非画像部の感光層を除去し、親水性の陽極酸化処理したアルミ表面を露呈させることにより平版印刷版が製版される。印刷時にはアルミ表面が露呈された非画像部には湿し水が付着し、他方、親油性の感光層が形成された画像部にはインクが付着する。
しかし近年、親水性の感光層を有する平版印刷用原版に光を照射すると、光が照射された感光層の親水性が親油性に変化する平版印刷用原版が提案されている。該平版印刷用原版は、現像を行うことなしに使用できるため、現像処理液等の廃棄物が低減され、環境に優しい平版印刷版として一部実用化されている。このような現像が不要な平版印刷用原版は、親水性樹脂、架橋剤、水分散疎水性樹脂、及び光吸収剤を含有する感光層を支持体上に有し、該感光層は親水性樹脂相と疎水性樹脂相の相分離構造を有する。
前記した現像が不要な平版印刷用原版に光を照射して平版印刷版を製版し、印刷に供した場合、印刷枚数が増加するにつれて、非画像部にインクが付着すると言う問題(地汚れ)が生じる。特に印刷枚数が1万部を越えてくるとその問題は顕著に現れ、印刷し難くなってくる。
特開2002−192846号公報 特開2005−14523号公報
本発明は、前記した現像が不要な平版印刷用原版に光を照射して平版印刷版を製版し、印刷に供した場合、印刷枚数が増加するにつれて、非画像部にインクが付着すると言う問題(地汚れ)を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
支持体に親水性の感光層を有し、光の照射により感光層の表面の親水性が親油性に変化する平版印刷用原版であって、該感光層がパーフロロアルキル基を有する親水性樹脂、架橋剤、水分散疎水性樹脂、及び光吸収剤を含有してなることを特徴とする平版印刷用原版、及び
前記パーフロロアルキル基の炭素数が6以上である前記記載の平版印刷用原版、及び
前記親水性樹脂がアクリルアミドを主成分とする前記記載の平版印刷用原版、及び
前記親水性樹脂中のパーフロロアルキル基の含有量が2.0〜0.2重量%である前記記載の平版印刷用原版、及び
前記記載のいずれかの平版印刷用原版にレーザー光を画像様に照射することにより、レーザー光が照射された領域の感光層が親油性に変化してなる平版印刷版、である。
本発明の平版印刷用原版に、光を画像様に照射し、現像せずに製版した平版印刷版を用いて印刷を行った際、印刷枚数が1万枚を越えても非画像部が地汚れすることなく、且つ画像部のインクの付着量も十分で、綺麗な印刷ができる。又、印刷条件のマージン幅も大きく印刷し易い。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明の平版印刷用原板は、支持
体上に光の照射により親水性が親油性に変化する親水性の感光層を有する。この際、必要に応じて、支持体と感光層の間に断熱層、感光層の上に水可溶性の保護層を設けることができる。
本発明の親水性の感光層は、親水性樹脂、架橋剤、水分散疎水性樹脂、及び光吸収剤を含有する。該感光層は親水性樹脂相と疎水性樹脂相の相分離構造からなり、通常は親水性樹脂相が連続相を形成し、疎水性樹脂相は親水性樹脂相に分散している。このような相構造を形成することにより、感光層は親水性を有し、平版印刷版においては非画像部になり、湿し水が付着する。
本発明の感光層に用いられる好適な親水性樹脂としては、パーフロロアルキル基を有する親水性樹脂が挙げられる。該パーフロロアルキル基を有する親水性樹脂を用いることにより、印刷枚数が増えるに従って従来生じていた非画像部の地汚れが生じなくなり、より数多くの枚数印刷することが出来る。このような効果を顕著に発現させるためには、パーフロロアルキル基は炭素数が6以上が好ましく、パーフロロアルキル基の含有量は、親水性樹脂中2.0〜0.2重量%が好ましい。
本発明に用いられる親水性樹脂の具体例としては、アラビアゴム、澱粉類、カルボキシメチルセルローズやヒドロキシエチルセルローズ等のセルロース類及びその誘導体、アルギン酸及びその誘導体、カゼイン、ゼラチン類、ポリビニルアルコール(PVA)系ポリマー,ポリビニルホルムアミド系ポリマー、ポリビニルアセトアミド系ポリマー、ポリビニルピロリドン系ポリマー、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体系ポリマー、スチレン−マレイン酸共重合体系ポリマー、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリメタクリル酸系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポリマー、ポリメタクリルアミド系ポリマー、ポリ(エチレンオキサイド)系ポリマー、水溶性ウレタン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ヒドロキシエチルアクリレート系ポリマー、ヒドロキシエチルメタクリレート系ポリマー等が挙げられる。
前記した親水性樹脂の中で、パーフロロアルキル基の導入のし易さ、樹脂特性の制御のし易さ等から、アクリルアミド系ポリマーが好ましい。
アクリルアミド系ポリマーとは、アクリルアミドを主成分とし、アクリルアミドと共重合可能なモノマーとの共重合ポリマー及びその誘導体を意味する。アクリルアミドと共重合可能なモノマーの具体例としては、アミド系モノマー、カルボキシル基を有するモノマー、スルホン酸きを有するモノマー、水酸基を有するモノマー等が挙げられる。
アミド系モノマーとしては、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、スルホン酸プロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。
スルホン酸基を有するモノマーとしては、マレイン酸ビニルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、ビニルメチルスルホン酸、イソプロぺニルメチルスルホン酸、(メタ)アクリル酸にエチレンオキシド、又はプロピレンオキシドを付加したアルコールの硫酸エステル( 例えば、三洋化成工業(株)のエレミノール(登録商標)RS−30 )、(メタ)アクリロイロキシエチルスルホン酸、モノアルキルスルホ琥珀酸エステルとアリル基を有する化合物とのエステル(例えば、三洋化成工業(株)のエレミノール(登録商標)JS2、花王(株)のラテムル( 登録商標)S−180、又はS180A )、モノアルキルスルホ琥珀酸エステルとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、及び日本乳化剤(株)のAntox(登録商標)MS60 等が挙げられる。
水酸基を有するモノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及び、これらの(メタ)アクリレートにエチレンオキシド、プロピレンオキシドを付加したモノマー、メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
更に、前記したメチロール(メタ)アクリルアミドとメチルアルコールやブチルアルコールとの縮合物であるメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等、及びメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル等も本発明の親水性樹脂を合成する際にアクリルアミドと共重合可能なモノマーとして挙げられる。
尚、本発明に於ける前記「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)
アクロイル」等の記載はそれぞれアクリルまたはメタクリル、アクリレートまたはメタア
クリレート、アクリロイルまたはメタアクリロイルを意味する。
本発明の親水性樹脂はパーフロロアルキル基を有するが、該パーフロロアルキル基の導入方法としては、パーフロロアルキル基を有するモノマーを共重合する方法。パーフロロアルキル基を有する化合物を親水性樹脂と反応させる方法が挙げられる。
パーフロロアルキル基を有するモノマーとしては、N−プロピル−N−(β−アクリロキシエチル)パーフロロオクタンスルホンアミドが挙げられる。該モノマーを共重合するには通常の方法で行えばよいが、アクリルアミドを主成分とする他の共重合モノマーとの相溶性を改善するために、重合溶媒として、水にアルコール、アセトン等の溶媒を添加して用いても良い。
次にパーフロロアルキル基を有する化合物を親水性樹脂と反応させる方法の具体例としては、パーフロロアルキル基とグリシジル基を有する化合物とカルボン酸基や水酸基を有する親水性樹脂とを反応させる方法、パーフロロアルキル基とカルボン酸基又はスルホン酸基を有する化合物とグリシジル基を有する親水性樹脂とを反応させる方法等が挙げられる。
パーフロロアルキル基とグリシジル基を有する化合物としては、3−(2−パーフロロヘキシルエトキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(2−パーフロロオクチルエトキシ)−1,2−エポキシプロパン等が挙げられる。カルボン酸基や水酸基を有する親水性樹脂はアクリルアミドと(メタ)アクリル酸やヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを共重合すれば良い。
パーフロロアルキル基とカルボン酸基を有する化合物としては、パーフロロカプリル酸、パーフロロオクタン酸等が挙げられる。又、パーフロロアルキル基とスルホン酸基を有する化合物としては、パーフロロオクタンスルホン酸が挙げられる。グリシジル基を有する親水性樹脂はアクリルアミドとグリシジル(メタ)アクリレートを共重合すれば良い。
本発明の平版印刷版は湿し水を用いた印刷に使われ、感光層はそのままで非画像部になり、湿し水が付着する。それ故に感光層は水に不溶性にする必要がある。感光層を水に不溶性にするには、親水性樹脂を架橋する。架橋するためには、親水性樹脂に架橋剤と反応する架橋性官能基を導入する。
親水性樹脂に導入される架橋性官能基の具体例としては、用いる架橋剤の種類により異なるが、例えば、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基、グリシジル基、オキサゾリン基等が挙げられる。これらの架橋性官能基を導入するには、これらの官能基を有する不飽和モノマー、例えば前記した水酸基を有するモノマー、カルボン酸基を有するモノマー、またスルホン酸基を有するモノマーを、更にはグリシジル基を有するモノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレート等を親水性樹脂を重合する際にアクリルアミドと共重合すればよい。
親水性樹脂を架橋するのに用いられる架橋剤としては、前記親水性樹脂と架橋反応して感光層を水に不溶性にするものであれば特に限定されない。架橋反応に関しては、「架橋剤ハンドブック」( 金子東助、山下晋三編、大成社、昭和5 6 年) に記載の反応から選ぶことができる。架橋剤の具体例としては、公知の多価アルコール化合物類、多価カルボン酸化合物やその無水物類、多価グリシジル化合物( エポキシ樹脂)類、多価アミン化合物類、ポリアミド樹脂類、多価イソシアナート化合物類(ブロックイソシアナート類を含む)、オキサゾリン樹脂、アミノ樹脂、グリオキザール等が挙げられる。
本発明においては前記した架橋剤の中でも、硬化速度と感光層の形成に用いられる感光液の安定性や感光層の親水性と耐水性のバランス等から、公知の種々の多価グリシジル化合物( エポキシ樹脂)、オキサゾリン樹脂、アミノ樹脂、多価アミン化合物やポリアミド樹脂、グリオキザールが好ましく、アミノ樹脂が特に好ましい。アミノ樹脂としては、公知のメラミン樹脂(メラミン−ホルムアルデヒド樹脂)、尿素樹脂(尿素−ホルムアルデヒド樹脂)、ベンゾグアナミン樹脂(ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂)、グリコールウリル樹脂等や、これら樹脂のアルコール変性樹脂、カルボキシ変性樹脂等が挙げられる。
また、架橋反応を促進するために、前記したグリシジル化合物を用いる際には3 級アミン類を、アミノ樹脂を用いる場合はパラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、塩化アンモニウム等の酸性化合物を併用しても良い。感光液を塗布した後室温、又は加熱して乾燥することで、これらの架橋剤が親水性樹脂と反応して感光層が水に不溶性となる。
本発明の感光層に用いられる水分散疎水性樹脂は、感光層において親水性樹脂からなる連続相に分散し、熱軟化性または熱融解性の樹脂粒子で、感光層に一定以上の熱を加えたときに融着もしくは合体して感光層を親油性に変換する機能を有する。好ましい水分散疎水性樹脂として、(1)分子内に親油性樹脂部分と親水性基を有する原料樹脂を、特開平3−221137号や特開平5−66600号に記載されているような転相乳化法によって乳化剤や保護コロイドなしに水に分散した樹脂微粒子、および(2)コア/シェル構造を有し、コア部は親油性樹脂、シェル部は親水性の成分からなる樹脂微粒子を挙げることができる。
水分散疎水性樹脂の具体例としては、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂のカルボキシル基をアンモニア、エタノールアミン等の塩基で中和して水に分散してなる自己乳化性の樹脂が挙げられる。このような自己乳化性の樹脂は粒子径を非常に小さくするのが容易であり好ましい。
本発明の感光層に用いられる光吸収剤としては、明室での取り扱いを可能にするために、波長700〜1200nmの範囲、特に市場に供されている高出力半導体レーザーの発振波長である760〜860nmに吸収域を有する光吸収剤が好ましく、特に感度、溶解性、水分散性、経済性等の点からカーボンブラック、有機色素が望ましい。有機色素としては、シアニン系化合物、ポリメチン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、アントラシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、アゾ系化合物、ベンゾキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、ジチオール金属錯体類、ジアミンの金属錯体類等が挙げられる。これらは1 種類単独でも、2 種類以上を混合してもよい。
本発明において、光吸収剤は光を吸収すると多量の熱を発生する。この発生した熱によって感光層の水分散疎水性樹脂が溶融、又は合体し、感光層の親水性を親油( インク) 性
に変える。
本発明の感光層における前記親水性樹脂、架橋剤、水分散疎水性樹脂及び光吸収剤の割合は、固形分で、親水性樹脂が20〜50重量%、架橋剤が5〜40重量%、水分散疎水性樹脂が35〜60重量%、光吸収剤が2〜15重量%程度が好ましい。
本発明の感光層は、親水性樹脂、架橋剤、水分散疎水性樹脂、光吸収剤を含有する感光液を支持体に塗布することにより形成される。感光液を作る際には前記した各成分を水に溶解、又は分散して混合する。この際、水と混ざり合うアルコール、アセトン等の有機溶剤を併用しても良い。又、分散性を改良するために界面活性剤等の添加剤を加えても良い。
更に、感光液を塗布する際に、感光液の消泡のためや、感光層の平滑化のために、消泡剤、レベリング剤、ハジキ防止剤等の添加剤を用いても良い。
添加剤として用いられる界面活性剤としては、公知のアニオン性界面活性剤、カチエオ性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が挙げられる。レベリング剤及びはじき防止剤としては、例えば、Schwego Fluor(Bernd Schwegmann社製)、AC1000(Algin Chemie社製)、Fluorad(3M社製)、MEGAFAC(大日本インキ化学工業株式会社製)、サーフロン(セイミケミカル社製)などのフッ素系化合物が挙げられる。
本発明の平版印刷用原版においては支持体に直接または他の層を介して前記した感光液を塗布して感光層を設けるが、この際用いられる支持体の具体例としては、アルミ板、鋼板、ステンレス板、銅板等の金属板やこれらの金属の合金板、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂、酢酸セルロース等のプラスチックフィルムや紙、アルミ箔をラミネートした紙、金属蒸着紙、プラスチックフィルムラミネート紙等が挙げられる。これらの基板の厚さは特に制限はないが通常100〜 500μm 程度である。また、これらの支持体には、感光層の密着性の改良等のために、酸化処理、リン酸亜鉛処理、サンドブラスト処理、コロナ放電処理等の表面処理を施
してもよい。これらの中では、特に取り扱いが容易であり、さびにくく安価であるアルミ
板が望ましい。さらにアルミ板を用いると長時間印刷を行っても基板が伸びることがなく、4色以上のカラー印刷に適している。
又、感光層との密着性を改良したり、熱の拡散を防止したりするために、樹脂からなる下地層を形成してもよい。これに用いられる樹脂は、支持体と感光層との密着性を改善し、且つ機械的強度のある樹脂であれば特に制限ない。この下地層の中にフィラーを添加してもよいし、下地層は架橋しても、又は架橋しなくてもよい。
支持体に感光層を設けるには、前記した感光液を支持体に塗布し、乾燥、硬化する。塗布する方法としては、塗布する溶液の粘度や塗布速度等によって異なるが、通常例えば、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンフローコーター、ダイコーター、ディップコーターやスプレー法等が用いられる。
感光液を塗布した後、加熱して乾燥及び架橋する。加熱温度は通常50〜200℃程度である。形成された感光層の膜厚は特に制限はないが、通常0.5〜10μm程度が好ましい。
本発明の平版印刷用原版には、その感光層を保護するためにその上にフィルムや紙を積層しても良い。それによって輸送やハンドリングによる印刷版表面の傷を防ぐことができる。このフィルムや紙はレーザー照射前に剥離してから使用する。
本発明の平版印刷用原版は光を照射することにより平版印刷版を製版することができる。照射に用いられる光はの波長は、700〜1200nmが好ましく、光の光源としては、前記の波長の光を発振するレーザー、特に760〜860nmの半導体レーザーが好ましい。このようなレーザーを搭載した露光機はサーマル用プレートセッター(露光機)として既に市販されている。
本発明の平版印刷用原版は光が照射された部分の感光層は親水性から親油(インク)性に変化する。これは、光の照射により感光層内で部分的に水分散疎水性樹脂由来の親油性樹脂が溶融し、融着、合体したりして、又親水性樹脂や架橋剤等の親水性置換基等が一部分解したりして、親油(インク)性に変化するものと推定される。従って、光の照射後には版を現像や拭き取り等の操作をすることなしに印刷に供することができる。
以下に本発明を実施例により更に詳細に説明する。
≡.パーフロロアルキル基を有する親水性樹脂の合成
容器に水300gを入れ、窒素ガスをバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。この容器に窒素ガスを容器に流しながら、アクリルアミド80g、ヒドロキシエチルアクリレート15g、グリシジルアクリレーと5g、水100gからなる溶液と、過硫酸カリ0.5gを水50gに溶解した溶液をそれぞれ別々に3時間で連続的に滴下しながら重合した。この間液温は80℃に維持した。滴下終了後、更に80℃で1.5時間、90℃で1.5時間重合を続けた。水を110g追加してアクリルアミド共重合樹脂(A)の水溶液を作った。次にこの樹脂の水溶液を30℃にし、パーフロロオクタンスルホン酸(株式会社ジェムコ社の商品:エフトップEF−101)2gの10%水溶液を添加し、パーフロロオクタンスルホン酸をアクリルアミド共重合樹脂に付加し、パーフロロアルキル基を有する親水性樹脂(A−1)を合成した。尚、該親水性樹脂溶液の固形分は15重量%、又該親水性樹脂中のパーフロロアルキル基の含有量は1.64重量%であった。
≡.平版印刷用原版の作製
前記したパーフロロアルキル基を有する親水性樹脂(A−1)を固形分で40g、架橋剤としてメチル化メラミン樹脂(日本サイテック社製:サイメル350)を固形分で20g、水分散疎水性樹脂としてウレタン樹脂(第一工業薬品株式会社製:スパーフレックス750)を固形分で40g、光吸収剤としてシアニン色素(株式会社林原生物化学研究所製:NK−5078)10g、添加剤として界面活性剤(第一工業製薬株式会社製:ネオコールYSK)を固形分で2gからなる感光液を、予め前記の感光液に用いられた水分散性のウレタン樹脂を膜厚2μm塗布した0.3mm厚のアルミ板に塗布し、135℃で20分乾燥し、2μmの感光層を形成し、平版印刷用原版を作製した。
≡.平版印刷版の作製と印刷評価
前記の平版印刷用原版に露光機(大日本スクリーン製造株式会社製:プレートライト8000)を用いて180mjで露光し、平版印刷版を作製した。この平版印刷版をオフセット印刷機(株式会社小森マシナリー社製: )にセットし、湿し水としてアストロマーク3(株式会社日研化学研究所製)、インクとしてエコピュア(サカタインクス株式会社製)を用いて印刷を行った。印刷の最初から非画像部には地汚れは無く、且つ1万枚印刷しても地汚れは生じることはなく、綺麗に印刷できた。
比較例として、上記において、パーフロロアルキル基を導入する前のアクリルアミド共重合樹脂(A)の水溶液を用い、ハジキ防止剤としてサーフロンS131(セイミカミカル株式会社製)を固形分で0.02gを使用する以以外は実施例1と同じようにして平版印刷用原版、平版印刷版を作製して印刷に供した。印刷の最初は非画像部にインキが付着(地汚れ)し、50部程度印刷するとこの地汚れは無くなった。印刷を続けたが、2000部頃から再び地汚れが発生し、更に印刷を続けると地汚れは徐々に激しくなった。
実施例1において、パーフロロオクタンスルホン酸2gの10%水溶液の代わりに該スルホン酸0.5gの5%水溶液を用いる以外は実施例1と同じようにしてパーフロロアルキル基を有する親水性樹脂(A−2)を合成した。尚、該親水性樹脂溶液の固形分は15重量%、又該親水性樹脂中のパーフロロアルキル基の含有量は0.42重量%であった。
次に、パーフロロアルキル基を有する親水性樹脂(A−1)の代わりに親水性樹脂(A−2)を用いる以外は実施例1と同じ方法で平版印刷用原版、及び平版印刷版を作製し、印刷に供した。印刷結果は実施例と略同じで、最初の印刷から地汚れは起こらず、1万部印刷しても綺麗に印刷できた。
実施例1で合成したアクリルアミド共重合樹脂(A)の水溶液にパーフロロカプリル酸(株式会社ジェムコ社の商品:エフトップEF−201)1.5gの9%水溶液、触媒としてトリエタノールアミン0.05gを添加し95℃で2時間反応し、パーフロロカプリル酸をアクリルアミド共重合樹脂に付加し、パーフロロアルキル基を有する親水性樹脂(A−3)を合成した。尚、該親水性樹脂溶液の固形分は15重量%、又該親水性樹脂中のパーフロロアルキル基の含有量は1.32重量%であった。
パーフロロアルキル基を有する親水性樹脂(A−1)の代わりに(A−3)を用いる以外は実施例1と同じようにして感光液を作り、アルミ板に塗布して平版印刷用原版を作製し、露光して平版印刷版を作り、印刷に供した。印刷結果は実施例1と略同じで、印刷の最初から地汚れは無く、1万部印刷しても地汚れは発生せず、綺麗な印刷が行えた。
実施例1において、グリシジルアクリレーとの代わりにアクリル酸を持いる以外は実施例1と同じようにしアクリルアミドの共重合樹脂(B)の水溶液を合成した。
実施例3において、アクリルアミド共重合樹脂(A)水溶液の代わりに(B)の水溶液を、パーフロロカプリル酸の変わりに3−(2−パーフロロヘキシルエトキシ)−1,2−エポキシプロパン(株式会社ジェムコ社の商品:エフトップMF−120)1gの7.5%エタノール溶液を用いる以外は実施例3と同じ用にして、3−(2−パーフロロヘキシルエトキシ)−1,2−エポキシプロパンをアクリルアミド共重合樹脂に付加し、パーフロロアルキル基を有する親水性樹脂(B−1)を合成した。尚、該親水性樹脂溶液の固形分は15重量%、又該親水性樹脂中のパーフロロアルキル基の含有量は0.75重量%であった。
パーフロロアルキル基を有する親水性樹脂(A−1)の代わりに(B−1)を用いる以外は実施例1と同じようにして感光液を作り、アルミ板に塗布して平版印刷用原版を作製し、露光して平版印刷版を作り、印刷に供した。印刷結果は実施例1と略同じで、印刷の最初から地汚れは無く、1万部印刷しても地汚れは発生せず、綺麗な印刷が行えた。
≡.パーフロロアルキル基を有する親水性樹脂の合成
容器に水300g、アセトン100g、及び硫酸第1鉄0.005g、ロンガリット0.15gを入れ、窒素ガスをバブリングして溶存酸素を除去した後、50℃に昇温した。この容器に窒素ガスを容器に流しながら、アクリルアミド83g、ヒドロキシエチルアクリレート15g、N−プロピル−N−(β−アクリロキシエチル)パーフロロオクタンスルホンアミド(株式会社ジェムコ社の商品:エフトップEF−125M)2g、水100gからなる溶液と、キュメンハイドロパーオキシド0.4gをアセトン50gと水50gに溶解した溶液をそれぞれ別々に4時間で連続的に滴下しながら重合した。この間液温は50℃に維持した。滴下終了後、更に50℃で1.5時間、60℃で1.5時間重合を続けながらアセトン133gを留去し、水を100g追加してパーフロロアルキル基を有する親水性樹脂(C−1)の水溶液を作った。尚、該親水性樹脂溶液の固形分は15重量%、又該親水性樹脂中のパーフロロアルキル基の含有量は1.31重量%であった。
≡.平版印刷用原版の作製
前記したパーフロロアルキル基を有する親水性樹脂(C−1)を固形分で30g、架橋剤としてメチル化メラミン樹脂(サイテック社製:サイメル385)を固形分で30g、水分散疎水性樹脂としてウレタン樹脂(三井化学株式会社製:オレスターUD350)を固形分で40g、光吸収剤としてシアニン色素(林原社製:NK−5078)10g、添加剤として界面活性剤( :ネオコールYSK)を固形分で2gからなる感光液を、予め前記の感光液に用いられた水分散性のウレタン樹脂(オレスターUD350)を膜厚2μm塗布した0.3mm厚のアルミ板に塗布し、135℃で20分乾燥し、2μmの感光層を形成し、平版印刷用原版を作製した。
前記した平版印刷用原版を用いて実施例1と同じ方法で露光し、平版印刷版を作製し、印刷評価に供した。印刷結果は実施例1と略同じで、印刷の最初から地汚れは無く、1万部印刷しても地汚れは発生せず、綺麗な印刷が行えた。
実施例5において、アクリルアミド84g、ヒドロキシエチルアクリレート15g、N−プロピル−N−(β−アクリロキシエチル)パーフロロオクタンスルホンアミド1gを用いる以外は実施例5と同じようにしてパーフロロアルキル基を有する親水性樹脂(C−2)の水溶液を作った。尚、該親水性樹脂溶液の固形分は15重量%、又該親水性樹脂中のパーフロロアルキル基の含有量は0.66重量%であった。
この親水性樹脂(C−2)を用いて、実施例5と同じようにして平版印刷用原版、及び平版印刷版を作製し、印刷に供した。印刷結果は実施例5と略同じで、印刷の最初から地汚れは無く、1万部印刷しても地汚れは発生せず、綺麗な印刷が行えた。
本発明の平版印刷用原版は光の照射により感光層の表面が親水性から親油性に変化するため、現像工程が不要であり、印刷の最初から非画像部にインクの付着(地汚れ)がなく、 且つ、多量部の印刷を続けても地汚れを生じることなく、綺麗な印刷ができ、フルカラーの平版印刷用に幅広く用いることができる。

Claims (5)

  1. 支持体に親水性の感光層を有し、光の照射により感光層の表面の親水性が親油性に変化する平版印刷用原版であって、該感光層がパーフロロアルキル基を有する親水性樹脂、架橋剤、水分散疎水性樹脂、光吸収剤を含有してなることを特徴とする平版印刷用原版。
  2. パーフロロアルキル基の炭素数が6以上である請求項1記載の平版印刷用原版。
  3. 親水性樹脂がアクリルアミドを主成分とすることを特徴とする請求項1、または2記載の平版印刷用原版。
  4. 親水性樹脂中のパーフロロアルキル基の含有量が2.0〜0.2重量%であることを特徴とする請求項1〜3記載の平版印刷用原版。
  5. 請求項1〜4記載のいずれかの平版印刷用原版にレーザー光を画像様に照射することにより、レーザー光が照射された領域の感光層が親油性に変化してなる平版印刷版。
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