JP4442187B2 - 感光性樹脂印刷版原版、その製造方法およびこれを用いた樹脂凸版印刷版の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は画像状に露光した後、水または水を主成分とする液により現像される、デジタル情報転写に適する感光性樹脂印刷版原版、その製造方法およびこれによる樹脂凸版印刷版の製造方法に関するものである。
感光性樹脂組成物を印刷用版材として使用することは一般的に行われ、樹脂凸版、平版、凹版、フレキソ版印刷の各分野において主流となっている。
このような印刷版材は、原画フィルムを感光性樹脂層に密着させ、原画フィルムを通して紫外光で露光することにより、感光性樹脂層中に溶剤に溶解する部分と溶解しない部分を形成することでレリーフ像を形成し、印刷版材として使用するものである。
このような印刷版材は、ネガティブ、ポジティブの原画フィルムを必要とするため、そのための製造時間およびコストを要する。さらに、原画フィルムの現像には化学的な処理が必要で、かつ現像廃液の処理をも必要とすることから、環境衛生上の不利を伴う。
コンピューターの進歩に伴い、コンピューター上で処理された情報を印刷版材上に直接出力し、原画フィルムの作成工程を必要とせずに凸版印刷版を得る、いわゆるCTP(computer to plate)方式が提案されている。このCTP方式は、デジタルデータで制御されたレーザーにより画像マスクを‘その場で’感光性樹脂上に形成し、その後、活性光線、多くの場合では紫外線を画像マスク側から全面露光することによって、画像マスクの非被覆部のみ選択的に感光性樹脂層を硬化させる。この方式の利点は、上述した原画フィルムの製造工程が不要となること、原画フィルムの現像廃液の処理が不要で環境衛生的に好ましいことに加え、シャープな構造のレリーフが得られることなどが挙げられる。
具体的には、インキジェットプリンターまたは電子写真プリンターを用いて感光性記録成分上に画像マスク被膜を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法によると細かな画像形成ができないという問題がある。
また、感光性エラストマー性層、紫外光に対して不透明な感赤外線層およびカバーシートから形成される感光性フレキソ記録材料に、赤外レーザーを照射し画像マスク被膜を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。赤外線照射部の感赤外線層の上部がカバーシートに固着し、カバーシートを剥離する際に赤外レーザー照射部の感赤外線層が選択的に除去される。しかし、この方法では、保護層としての機能をも有するカバーシートに引っ掻き傷のような損傷が生じることがあり、情報転写が不完全になるという問題がある。また、感赤外線層の剥離現像という手段は、赤外レーザー未照射部をも剥離しやすく、微細な画像マスクを形成するには不適切であった。
凸版の中でも、樹脂としてブタジエンゴムやスチレンゴムのようなエラストマー性バインダーを使用し、水性インキを用いた印刷が可能なフレキソ版の分野では、CTP方式の提案は一般的である。これに対して、樹脂としてエラストマーバインダーではなく可溶性の樹脂を用い、油性インキを用いた印刷が可能な樹脂凸版の分野でもCTP方式が提案されているが、感赤外線層と可溶性樹脂からなる感光性樹脂層の極性が類似したものになりやすく、感赤外線層と感光性樹脂層とが経時で混合しやすいと行った問題があり、CTP方式の樹脂凸版の提案は少ない。
フレキソ版を用いて印刷を行う場合、画像を転写するレリーフが柔軟であるため、版胴と圧胴間の印刷は弱く設定される。フレキソ版は、段差のある段ボールや、あまり強い印圧に耐えられない軟包装用途のフィルムに対して印刷適性がある。これに対して樹脂凸版は、版胴と圧胴間の印圧は強く設定することが可能である。これはレリーフが硬質であるため、強い印圧に対してレリーフが型くずれすることがなく、文字太りのような印刷品質の低下を引き起こさないためである。樹脂凸版を用い印圧を強くすることによって、インキを厚盛りして印刷物に力強さを与えたり、インキが比較的転写されにくい金属に対して印刷を行うことができる。
CTP方式を導入した感光性樹脂凸版としては、感光性樹脂層、必要に応じて酸素透過性の中間層、紫外光に対して不透明な感赤外線層、および保護層から形成される感光性樹脂凸版記録材料が提案されている(例えば、特許文献3参照)。保護層を剥離後、赤外レーザーを照射して感赤外線層から画像マスクを形成し、紫外光を全面露光した後、画像マスクと感光層の未硬化部が同一の現像液で除去される。酸素透過性の中間層は、感光性樹脂層と感赤外線層間の物質移動を防ぐとともに、感光性樹脂層のレーザー彫刻除去を防ぐ役割がある。感赤外線層は、水溶性あるいは水分散性のバインダーに、カーボンブラックのような紫外光を遮断する機能を有し、赤外線を吸収する物質を混合したものである。しかし、感赤外線層は架橋構造を有しておらず、外傷に対して脆いために保護層を剥離後の取り扱いに注意する必要がある。
また、基板上に感光性樹脂層、フィルム層および感赤外線層から形成される感光性樹脂凸版原版に、赤外レーザーを照射し画像マスクを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。この提案では、形成された画像マスクの上から紫外光を全面露光した後、フィルム層ごと画像マスクを剥離除去し、水現像して樹脂凸版印刷版が得られる。現像液中に画像マスクを構成する感赤外線層の材料が混入することがなく、現像廃液の処理が行いやすいという利点があるが、感光性樹脂層と感赤外線層の間にあるフィルム層の膜厚が厚いと、その分だけ紫外光の屈曲や散乱が起こりやすくなり、指向性の低い紫外光の光源を選択すると、画像が太るなどの不利益を被る場合がある。
独国特許第4117127号公報(第1頁) 特許第2773847号公報(第3−9頁) 特開平9−171247号公報(第3−7頁) 国際公開01/18605号(第2−3頁、17頁)
本発明の目的は、上記問題を鑑みて、原画フィルムを必要としないで、凸状のレリーフ像を形成することが可能な感光性樹脂印刷版原版とその製造方法、およびそれを用いた樹脂凸版印刷版の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によれば、主として以下の構成を有する感光性樹脂印刷版原版が提供される。すなわち、「支持体上に、水に溶解または分散可能な樹脂および紫外光により硬化可能なモノマーを含有する感光性樹脂層(A)、および赤外線吸収物質を含有する水不溶性の感熱マスク層(C)がこの順に積層されており、感光性樹脂層(A)と水不溶性の感熱マスク層(C)とが接しており、かつ水不溶性の感熱マスク層(C)が、硬化性の樹脂で架橋された層であることを特徴とする感光性樹脂印刷版原版。」である。また、「支持体上に、水に溶解または分散可能な樹脂および紫外光により硬化可能なモノマーを含有する感光性樹脂層(A)、水に溶解または分散可能な樹脂を含有する接着調整層(B)、および赤外線吸収物質を含有する水不溶性の感熱マスク層(C)がこの順に積層されており、水に溶解または分散可能な樹脂を含有する接着調整層(B)と水不溶性の感熱マスク層(C)とが接しており、かつ水不溶性の感熱マスク層(C)が、硬化性の樹脂で架橋された層であることを特徴とする感光性樹脂印刷版原版。」である。
さらに、主として以下の構成を有する樹脂凸版印刷原版の製造方法が提供される。すなわち、
「(1)基板上に感光性樹脂層(A)を積層して感光性樹脂シートを得る工程
(2) 水不溶性の感熱マスク層(C)を含む感熱マスク要素を得る工程
(3)感光性樹脂シートの感光性樹脂層(A)の表面と、感熱マスク要素をラミネートする工程、を含み、かつ感熱マスク要素を得る工程において、感熱マスク層(C)を積層する際に、加熱することによって感熱マスク層(C)に架橋構造を形成させる感光性樹脂印刷版原版の製造方法。」である。
さらに、主として以下の構成を有する樹脂凸版印刷版の製造方法が提供される。すなわち、
「(1)本発明の感光性樹脂印刷版原版を用い、
(2)赤外レーザーで感熱マスク層(C)に像様照射することによって画像マスク(C’)を形成し、
(3)形成された画像マスク(C’)側から紫外光を用いて露光し、感光性樹脂層(A)に潜像を形成し、
(4)水を主成分とする液により現像処理し、画像マスク(C’)および紫外光未露光部の感光性樹脂層(A)を除去することを特徴とする樹脂凸版印刷版の製造方法。」である。
本発明は、原画フィルムを必要としないで、凸状のレリーフ像を形成することが可能な感光性樹脂印刷版原版を容易に提供することができる。感光性の樹脂を用いていれば、凸状レリーフを有する印刷版である樹脂凸版だけではなく、フレキソ版、凹版、平版、孔版にも応用できるが、その応用範囲がこれらに限定されるものではない。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明における感光性樹脂印刷版原版は、支持体上に感光性樹脂層(A)、感熱マスク層(C)をこの順に積層した構成を有する。
本発明における感光性樹脂層(A)は、水に溶解または分散可能な樹脂および紫外光により硬化可能なモノマーを含有している必要がある。また、層(A)は紫外光、好ましくは300〜400nmの光を照射することにより、光硬化する。感光性樹脂層(A)の素材としては、感光性樹脂組成物が用いられ、好ましくは厚さ0.1〜10mmのシート状に形成したものである。
上記した感光性樹脂組成物には、水に溶解または分散可能な樹脂および紫外光により硬化可能なモノマーが含有される。さらに、光重合開始剤が好ましくは含有される。
本発明における水に溶解または分散可能な樹脂は、感光性樹脂組成物を固体状態にして形態を保持するための担体樹脂としての機能を有するとともに、感光性樹脂層(A)の水現像性を付与するために使用される。このような樹脂として、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、部分ケン化ポリ酢酸ビニル(部分鹸化ポリビニルアルコール)、セルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンオキサイドの如き親水性基を導入したポリアミド樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体など、およびこれら樹脂の変性体が挙げられる。なかでも、ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール、親水性基を導入したポリアミド樹脂、およびこれら樹脂の変性体が好ましく用いられる。
紫外光により硬化可能なモノマーとは、一般的に、ラジカル重合により架橋可能な物質である。ラジカル重合により架橋可能な物質であれば、特に限定されるものではないが、例えば次のようなものを挙げることができる。2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシ−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート、クロロエチル(メタ)アクリレート、クロロプロピル(メタ)アクリレート等のハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドのような(メタ)アクリルアミド類、2、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、などのエチレン性不飽和結合を1個だけ有する化合物、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルに不飽和カルボン酸や不飽和アルコールなどのエチレン性不飽和結合と活性水素を持つ化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和エポキシ化合物とカルボン酸やアミンのような活性水素を有する化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどの多価(メタ)アクリルアミド、ジビニルベンゼンなどの多価ビニル化合物、などの2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。
本発明に好ましく使用される光重合開始剤とは、光によって重合性の炭素−炭素不飽和基を重合させることができるものであれば特に限定されない。なかでも、自己開裂や水素引き抜きによってラジカルを生成する機能を有するものが好ましく用いられる。例えば、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフェノン類、ジアセチル類などある。
感光性樹脂組成物には、その他の成分として、相溶性、柔軟性を高める等の目的で、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類を添加することが可能であり、熱安定性を上げる為に、従来公知の重合禁止剤を添加することもできる。好ましい重合禁止剤としては、フェノール類、ハイドロキノン類、カテコール類などが挙げられる。また、染料、顔料、界面活性剤、紫外線吸収剤、香料、酸化防止剤などを添加することもできる。
感光性樹脂組成物から感光性樹脂層(A)を得る方法としては特に限定されないが、例えば、担体樹脂を溶剤に溶解した後に、紫外光で硬化可能なモノマー、光重合開始剤を添加して充分攪拌し、感光性樹脂組成物溶液を得て、この溶液から溶剤を除去した後に、好ましくは接着剤を塗布した支持体上に溶融押し出しすることにより得ることができる。あるいは一部溶媒が残存している溶液を、接着剤を塗布した支持体上に溶融押し出しし、一部残存している溶媒を経時によって自然乾燥させることによっても得ることができる。
本発明における支持体に使用する素材は特に限定されないが、寸法安定なものが好ましく使用され、例えば、スチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属板やポリエステルなどのプラスチックシート、スチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴムシートが挙げられる。
本発明における感熱マスク層(C)は、(1)赤外レーザーを効率よく吸収して、その熱によって瞬間的に該層の一部または全部が蒸発または融除し、レーザーの照射部分と未照射部分の光学濃度に差が生じる、すなわち照射部分の光学濃度の低下が起こる働きと、(2)紫外光を実用上遮断する働きを有するものである。
感熱マスク層(C)は、赤外線吸収物質を含有する水不溶性の感熱層である。層(C)は、赤外レーザーを吸収し熱に変換する機能を有する赤外線吸収物質の他に、好ましくは、熱によって蒸発、融除する機能を有する熱分解性化合物と紫外光を遮断する機能を有する紫外線吸収物質を含有する。
ここで、紫外光を遮断する機能を有するとは、感熱マスク層(C)の光学濃度(optical density)が2.5以上のことを指し、3.0以上であることがより好ましい。光学濃度は一般にDで表され、以下の式で定義される。
D=log10(100/T)=log10(I0/I)
(ここで、Tは透過率(単位は%)、I0は透過率測定の際の入射光強度、Iは透過光強度である)。
光学濃度の測定には、入射光強度を一定にして透過光強度の測定値から算出する方法と、ある透過光強度に達するまでに必要な入射光強度の測定値から算出する方法が知られているが、本発明における光学濃度は前者の透過光強度から算出した値をいう。
光学濃度は、オルソクロマチックフィルターを用いて、マクベス透過濃度計「TR−927」(コルモルゲンインスツルメンツ(Kollmorgen Instruments Corp.)社製)を用いることで測定することができる。
赤外線吸収物質としては、赤外光を吸収して熱に変換し得る物質であれば、特に限定されるものではない。例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック等の黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニン系の緑色顔料、ローダミン色素、ナフトキノン系色素、ポリメチン系染料、ジイモニウム塩、アゾイモニウム系色素、カルコゲン系色素、カーボングラファイト、鉄粉、ジアミン系金属錯体、ジチオール系金属錯体、フェノールチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、アリールアルミニウム金属塩類、結晶水含有無機化合物、硫酸銅、硫化クロム、珪酸塩化合物や、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化タングステン等の金属酸化物、これらの金属の水酸化物、硫酸塩、さらにビスマス、スズ、テルル、鉄、アルミの金属粉などが挙げられる。
これらのなかでも、光熱変換率および、経済性、取扱い性、および後述する紫外線吸収機能の面から、カーボンブラックが特に好ましい。カーボンブラックは、その製造方法からファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等に分類されるが、ファーネスブラックは粒径その他の面で様々なタイプのものが市販されており、商業的にも安価であるため、好ましく使用される。
赤外線吸収物質の使用量は、感熱マスク層(C)の全組成物に対して2〜75重量%が好ましく、5〜70重量%がより好ましい。2重量%以上であれば光熱変換が効率良く行われ、75重量%以下であれば他の成分が不足して、感熱マスク層(C)に傷がつきやすいという問題が生じない。
層(C)に好ましく使用される熱分解性化合物としては、例えば、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、ニトロセルロース等のニトロ化合物や有機過酸化物、ポリビニルピロリドン、アゾ化合物、ジアゾ化合物あるいはヒドラジン誘導体、および赤外線吸収物質の項で列挙した金属あるいは金属酸化物が挙げられるが、溶液の塗工性の面などから高分子化合物であるポリビニルピロリドンやニトロセルロースが好ましい。
ニトロセルロースを用いる場合、ニトロセルロースの粘度はASTM D301―72に規定された測定方法で1/16秒〜1秒であることが好ましく、1/8秒〜1/2秒がより好ましい。ここで、粘度はニトロセルロースの重合度に対応しており、粘度が低いことはすなわち重合度が低いことを意味する。この粘度が1/16秒以上であれば、ニトロセルロースの重合度が十分高いために感熱マスク層(C)表面に傷がつきにくく、1秒以下であれば粘度が高くなることによる取扱いの不便さが生じない。
ニトロセルロースは熱分解する際に、有害なNOxガスを発生しやすい。感熱マスク層(C)がニトロセルロースを含有する場合、赤外線レーザーによるマスク描画を行うプレートセッターには、発生したNOxを吸い込む集気設備、およびNOxを無害な化合物に分解する設備を直結させる必要があり、プレートセッターが大型に、かつ高価になるという問題がある。
この課題は、ニトロ基のようなNOx発生源を含有しない熱分解性化合物を用いることで解決できる。
アクリル樹脂は比較的熱分解しやすく、窒素原子を全く含まずNOxを発生する懸念がないため、ニトロセルロースに変わる熱分解性化合物として特に好ましく用いられる。一般的なアクリル樹脂の熱分解温度は190℃〜250℃である。NOxの発生を抑制することを主目的とする場合、ニトロセルロースを実質含有しないことが好ましい。ニトロセルロースを実質含有しないとは、感熱マスク層(C)の全組成物に対して2重量%以下であることをいう。ニトロセルロースの含有量が2重量%以下であれば、NOxの発生量が環境衛生的に問題ないレベルに抑制しうるからである。
アクリル樹脂とは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる1つ以上のモノマーの重合体あるいは共重合体のことをいう。
アクリル樹脂の中でも、水やアルコールに溶解しないグレードを選択することによって、下層の感光性樹脂層(A)への物質移動を抑制する事ができるので、水/アルコール不溶型のアクリル樹脂がさらに好ましく用いられる。
熱分解性化合物の使用量は、感熱マスク層(C)の全組成物に対して80重量%以下が好ましく、15〜60重量%がより好ましい。使用量が80重量%以下であれば、後述する光熱変換物質量の低下に伴い易熱分解性化合物の分解がうまくできないという問題が発生しない。
層(C)に好ましく使用される紫外線吸収物質としては特に限定されないが、好ましくは、300nm〜400nmの領域に吸収を有する化合物である。例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、カーボンブラック、および赤外線吸収物質で列挙した金属あるいは金属酸化物などを挙げることができる。なかでもカーボンブラックは、紫外光領域だけでなく赤外光領域にも吸収特性があり、光熱変換物質としても機能するので、特に好ましく用いられる。
紫外線吸収物質の使用量は、感熱マスク層(C)の全組成物に対して0.1重量%〜75重量%が好ましく、1〜50重量%がより好ましい。使用量が0.1重量%以上であれば必要な光学濃度が得られ、75重量%以下であれば他の成分が不足して感熱マスク層(C)に傷がつきやすいという問題が生じない。
感熱マスク層(C)は感光性樹脂層(A)の上に直接、あるいは接着調整層(B)を介して積層される。感光性樹脂層(A)は、水に溶解または分散可能な樹脂を含有している、いわゆる親水性の組成である。後述する接着調整層(B)も水に溶解または分散可能な樹脂を含有している、いわゆる親水性の組成である場合、感熱マスク層(C)が親水性の組成であると、各層間で物質移動が起こり、各層固有の機能を低下させる。例えば感熱マスク層(C)に感光性樹脂層(A)のモノマーなどが移動すると、感熱マスク層(C)のレーザー融除性が損なわれることになるし、感光性樹脂層(A)中に紫外線吸収物質が混入すると紫外光による硬化が阻害される。
よって本発明に使用する感熱マスク層(C)は疎水性である必要がある。本発明で言う疎水性とは、該層単体では水現像が不可能な性質を具備する、いわゆる水不溶性であることをいう。金属あるいは金属酸化物を用いる場合はそれ自体疎水性であるが、カーボンブラックのような有機物を用いる場合は対策を講じる必要がある。水不溶性を付与する方法は特に限定されないが、例えば、感熱マスク層(C)の全組成物を疎水性成分で構成する方法、硬化性の樹脂をバインダーとして用い層を架橋させる方法によって達成できる。後者の方法は、組成物成分の高分子化により層間物質移動をさらに起こりにくくする効果や、感熱マスク層(C)表面の耐傷性を付与する効果も得られるので好ましい。具体的には、JIS規格L0823に記載の染色堅牢度試験用摩擦試験機II型により、水に濡らした白綿布に500gの荷重(そのうち摩擦子の自重が200g、追加の重りが300g)をかけて、感熱マスク層(C)の表面を擦る試験方法で、5回往復擦り後も貫通性の傷が付かないことが好ましく、10回往復擦り後も貫通性の傷が付かないことがさらに好ましい。
硬化性の樹脂をバインダーとして用いた場合、樹脂の硬化方法は特に限定されないが、感熱マスク層(C)が紫外光を吸収する機能を有するので光硬化は困難あるいは不効率であるため、熱硬化が好ましい。バインダーとして用いる熱硬化樹脂としては、例えば、多官能イソシアネートおよび多官能エポキシ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、尿素系樹脂、アミン系化合物、アミド系化合物、水酸基含有化合物、カルボン酸化合物、チオール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物との組み合わせが挙げられる。
多官能イソシアネート系化合物を用いた場合、反応が短時間で完結しないので、高温でキュアする必要があるが、熱分解性化合物としてニトロセルロースを用いる場合、その分解温度が180℃であるため、それ以上の温度でキュアすることができないという制約がある。従って、架橋方法としては、多官能エポキシ化合物と、尿素系樹脂、アミン系化合物、アミド系化合物、水酸基含有化合物、カルボン酸化合物、チオール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物との組み合わせが好ましく使用される。
ここで、多官能エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂が挙げられる。
また、尿素系樹脂としては、ブチル化尿素樹脂、ブチル化メラミン樹脂、ブチル化ベンゾグアナミン樹脂、ブチル化尿素メラミン共縮合樹脂、アミノアルキッド樹脂、iso−ブチル化メラミン樹脂、メチル化メミニン樹脂、ヘキサメトキシメチロールメラミン、メチル化ベンゾグアナミン樹脂、ブチル化ベンゾグアナミン樹脂などが挙げられる。
また、アミン系化合物としては、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、メタキシレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミンなどが挙げられる。
また、アミド系化合物としては、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられるポリアミド系硬化剤やジシアンジアミドなどがあり、水酸基含有化合物としてはフェノール樹脂、多価アルコールなどがあり、チオール系化合物としては、多価チオールなどがある。
また、カルボン酸としては、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ドデシニルコハク酸、ピロメリット酸、クロレン酸、マレイン酸、フマル酸やこれらの無水物が好ましく使用される。
複数成分による硬化性の樹脂を用いる方法とは別に、単独成分で用いても硬化性のある樹脂を用いても良い。単体で用いても硬化性のある樹脂としては、エポキシ樹脂の他、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、架橋性ポリエステル樹脂、架橋性ポリアミド樹脂などが挙げられる。これら樹脂は組み合わせて使用することも可能である。
これら熱硬化性樹脂の使用量は感熱マスク層(C)の全組成物に対して10重量%〜75重量%以下が好ましく、30重量%〜60重量%がより好ましい。10重量%以上であれば水不溶性を付与するに十分な架橋構造が得られ、75重量%以下であれば感熱マスク層(C)のレーザー融除が効率よく行われる。
また、赤外線吸収物質としてカーボンブラックのような顔料を用いる場合は、その分散を行いやすくするため、可塑剤、界面活性剤や分散助剤を添加しても良い。
感熱マスク層(C)を形成する方法は特に限定されないが、金属酸化物を用いる場合には、例えば、蒸着やスパッタリングにより得られ、カーボンブラックなどの有機物を用いる場合には、感熱マスク層組成物をそのまま、あるいは適当な溶媒に溶解させてコーティングし、熱キュアさせることによって得ることができる。
コーティングにより得られる感熱マスク層(C)の厚さは0.5μm〜10μmであることが好ましく、1μm〜3μmがより好ましい。0.5μm以上であれば、表面傷が発生しにくく、また光の漏れが生じにくく、一定の高光学濃度を得ることができ、また高い塗工技術を必要としない。また、10μm以下であれば感熱マスク層(C)を融除するのに高いエネルギーが必要とされないので、コスト的に有利である。
感光性樹脂層(A)と感熱マスク層(C)の間に、接着調整層(B)を設けても良い。接着調整層(B)は、層(A)/(C)の接着力が弱い場合には層間の接着を強化するために、層(A)/(C)間の接着力が強固すぎて層(C)のレーザー融除性に悪影響を与える場合には層間の接着力を抑制するために設けられる。さらに接着調整層(B)は、層(A)/(C)間の物質移動を確実に防止する働きと、感光性樹脂層(A)をレーザー融除から防ぐ役割も有する。
層(A)/(C)間の接着力が強固すぎる場合には、どちらかの層あるいは両層の粘着が強い、あるいは各層に接着に寄与する官能基が含まれているケースが考えられる。こういった場合には層間の接着力を抑制するために接着調整層(B)を設置する事ができる。層(A)/(C)の粘着が強い場合には、粘着防止に用いられる樹脂、例えばポリビニルアルコールやセルロースを用いることによって目的を達成することができる。各層が接着に寄与する官能基をそれぞれ含有する場合には、それらの官能基と相互作用の低い樹脂を用いればよい。
接着調整層(B)を層(A)/(C)間の接着力強化の目的で設置する場合、感光性樹脂層(A)が親水性、感熱マスク層(C)が疎水性なので、層(B)には親水性基および疎水性基を両方有する化合物を用いるのが好ましい。例えば感熱マスク層(C)に用いられている水不溶性の樹脂に水酸基を導入した樹脂、感熱マスク層(C)に用いられている熱硬化性樹脂の未硬化物を用いることができる。
接着調整(B)の成分としては、水現像の観点から水に溶解または分散可能な樹脂が挙げられ、感光性樹脂層(A)の説明で挙げた水に溶解または分散可能な樹脂が好ましく使用される。すなわち、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、部分ケン化ポリ酢酸ビニル(部分鹸化ポリビニルアルコール)、セルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンオキサイドの如き親水性基を導入したポリアミド樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体が好ましく使用される。これらの樹脂に界面活性剤などの添加剤を含有させることも任意である。接着調整層(B)は積層後、感光性樹脂層(A)に拡散移動させ、層(A)と同化させても良い。
接着調整層(B)の膜厚は15μm以下が好ましく、0.3μm以上5μm以下がより好ましい。15μm以下であれば、紫外光を露光した際の該層による光の屈曲や散乱が抑えられ、シャープなレリーフ画像が得られる。また、0.3μm以上であれば、接着調整層(B)の形成が容易となる。
感熱マスク層(C)の上に、保護層(E)を設けても良い。層(E)は、感熱マスク層(C)を外傷から保護する目的等に使用することができる。保護層(E)には、感熱マスク層(C)から剥離可能なポリマーフィルムが好ましく使用される。このような保護層(E)として、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、フルオロポリマー、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのフィルムが挙げられる。あるいはシリコーンなどが塗布された剥離紙も層(E)として使用できる。
保護層(E)の膜厚は25μm〜200μmが好ましく、50μm〜150μmがより好ましい。25μm以上であれば取り扱いが容易であり、かつ感熱マスク層(C)を外傷から保護する機能が発現し、200μm以下であれば安価で経済的に有利であり、かつ剥離しやすいという利点を有する。
感熱マスク層(C)の上に剥離補助層(D)を設けても良い。層(D)は好ましくは層(C)と層(E)の間に設けられる。剥離補助層(D)は、感光性樹脂印刷版原版から剥離補助層(D)のみまたは保護層(E)のみまたは保護層(E)および剥離補助層(D)両方を容易に剥離せしめる機能を有することが好ましい。保護層(E)と感熱マスク層(C)が直接積層されており両層間の接着力が強いと、保護層(E)を剥離できなかったり、感熱マスク層(C)ごと剥離してしまう可能性がある。
したがって、剥離補助層(D)は、感熱マスク層(C)との接着力が強く、保護層(E)との接着力が剥離可能な程度に弱い物質、あるいは感熱マスク層(C)との接着力が剥離可能な程度に弱く、保護層(E)との接着力が強い物質から構成されことが好ましい。なお、保護層(E)を剥離した後、剥離補助層(D)は感熱マスク層側に残留し最外層になる場合があるので、取り扱いの面から粘着質でないことや、該層を通して紫外光露光されるため実質透明であることが好ましい。
剥離補助層(D)に使用される材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、部分鹸化ポリビニルアルコール、ヒドロシキアルキルセルロース、アルキルセルロース、ポリアミド樹脂などであり、水に溶解または分散可能で、粘着性の少ない樹脂を主成分とすることが好ましい。これらの中で、粘着性の面から、鹸化度60〜99モル%の部分鹸化ポリビニルアルコール、アルキル基の炭素数が1〜5のヒドロキシアルキルセルロースおよびアルキルセルロースが特に好ましく用いられる。
層(D)は、さらに、赤外線で融除しやすくするために赤外線吸収物質および/または熱分解性物質を含有してもよい。赤外線吸収物質や熱分解性物質としては、前述したものを使用することができる。また、塗工性や濡れ性向上のために界面活性剤を添加しても良い。
剥離補助層(D)の膜厚は6μm以下が好ましく、0.1μm以上3μm以下がより好ましい。6μm以下であれば、下層の感熱マスク層(C)のレーザー融除性を損なうことがない。また、0.1μm以上であれば、層(D)の形成が容易である。
感光性樹脂印刷版原版から保護層(E)を早さ200mm/分のスピードで剥離する時、1cm当たりの剥離力が0.5〜20g/cmであることが好ましく、1〜15g/cmがさらに好ましい。0.5g/cm以上であれば、作業中に保護層(E)が剥離してくることなく作業できるので好ましく、20g/cm以下であれば無理なく保護層(E)を剥離することができるので好ましい。
次に本発明の感光性樹脂印刷版原版の好ましい製造方法を記載する。
第1の例は、基板上に感光性樹脂層(A)、任意で接着調整層(B)、感熱マスク層(C)、剥離補助層(D)および保護層(E)を順次積層した構造を有する原版である。保護層(E)上に順次コーティング法で、層(D)、層(C)および必要に応じて層(B)を積層した感熱マスクシートと、基板上に層(A)を積層した感光性樹脂シートとをラミネートすることによって得ることができる。ラミネート方法としては特に限定されず、例えば、層(A)あるいは層(B)の表面を水および/またはアルコールで膨潤させ、感熱マスクシートを貼り合わせる方法、層(A)と同じ、あるいは類似組成の高粘度の液体を、感光性樹脂シートと感熱マスクシートの間に流し込んで両者を貼り合わせる方法、常温下であるいは加熱しながらプレス機でプレスする方法などがある。
第2の例は、基板上に感光性樹脂層(A)、任意で接着調整層(B)および感熱マスク層(C)を順次積層した構造を有する原版である。まず、基板上に、第1の例で記載した方法で感光性樹脂層(A)を積層した感光性樹脂シートに、層(B)を設ける場合は層(B)の成分が溶解している液をコーティング、乾燥させて、次いで、感熱マスク層(C)の成分が溶解あるいは分散している液をコーティング、加熱して硬化させる事によって得ることができる。
別の方法として、剥離紙に同様のコーティング法で層(C)および任意で層(B)を順次積層した感熱マスクシートを用意し、次いで、基板上に層(A)を積層した感光性樹脂シートと感熱マスクシートとを、層(A)が層(B)あるいは層(C)と接するようにラミネートした後、剥離紙を剥離することによって得ることもできる。剥離した剥離紙は、同目的で再利用できるという利点がある。
第3の例は、基板上に感光性樹脂層(A)、任意で接着調整層(B)、感熱マスク層(C)、剥離補助層(D)を順次積層した構造を有する原版である。この原版は、第1の例で得られた原版から保護層(E)を剥離することによって得ることができる。この例では、保護層(E)を再利用できるという利点がある。
第4の例は、基板上に感光性樹脂層(A)、任意で接着調整層(B)、感熱マスク層(C)、保護層(E)を順次積層した構造を有する原版である。保護層(E)上に順次コーティング法で層(C)および必要に応じて層(B)を積層した感熱マスクシートと、基板上に層(A)を積層した感光性樹脂シートとをラミネートすることによって得ることができる。
以上のようにして得られた感光性樹脂印刷版原版は、下記する工程を経て、樹脂凸版印刷版を製造することができる。
本発明における樹脂凸版印刷版の製造方法は、(1)上述の感光性樹脂印刷版原版を用い、(2)赤外レーザーで感熱マスク層(C)に像様照射することによって画像マスク(C’)を形成する工程、(3)形成された画像マスク(C’)側から紫外光を用いて露光し、感光性樹脂層(A)に潜像を形成する工程、(4)水を主成分とする液により現像処理し、画像マスク(C’)および紫外光未露光部の感光性樹脂層(A)を除去する工程からなる。
層(E)または、層(D)および層(E)が存在する場合には、少なくとも層(E)を剥離した後、感熱マスク層(C)に赤外レーザーを画像状に像様照射して、画像マスク(C’)を形成することが好ましい。より好ましくは、層(D)と層(E)が存在し、層(E)のみを剥離した後、感熱マスク層(C)に赤外レーザーを画像状に像様照射して、画像マスク(C’)を形成することである。
(2)赤外レーザーで感熱マスク層(C)に像様照射して画像マスク(C’)を形成する工程とは、赤外レーザーを画像データに基づきON/OFFさせて、感熱マスク層(C)に対して走査照射する工程のことである。感熱マスク層(C)は、赤外レーザーが照射されると赤外線吸収物質の作用で熱が発生し、その熱の作用で熱分解性化合物が分解して感熱マスク層(C)が除去、すなわちレーザー融除される。レーザー融除された部分は、光学濃度が大きく低下し、紫外光に対して実質透明になる。画像データに基づき、感熱マスク層(C)を選択的にレーザー融除する事によって、感光性樹脂層(A)に潜像を形成しうる画像マスク(C’)が得られる。
赤外レーザー照射には、発振波長が750nm〜3000nmの範囲にあるものが用いられる。このようなレーザーとしては、例えば、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、ペロブスカイトレーザー、Nd−YAGレーザーやエメラルドガラスレーザーなどの固体レーザー、InGaAsP、InGaAsやGaAsAlなどの半導体レーザー、ローダミン色素のような色素レーザーなどが挙げられる。またこれらの光源をファイバーにより増幅させるファーバーレーザーも用いることができる。なかでも、半導体レーザーは近年の技術的進歩により、小型化し、経済的にも他のレーザー光源よりも有利であるので好ましい。また、Nd−YAGレーザーも高出力であり、歯科用や医療用に多く利用されており、経済的にも安価であるので好ましい。
(3)画像マスク(C’)側から紫外光を用いて露光し、感光性樹脂層(A)に潜像を形成する工程とは、上記の方法でレーザー照射された感光性樹脂印刷版材に、紫外光を、好ましくは300〜400nmの波長の紫外光を、レーザーにより画像が形成された画像マスク(C’)を通して全面に露光し、画像マスク(C’)におけるレーザー融除部の下部の感光性樹脂層(A)を選択的に光硬化する工程である。
露光の際、感光性樹脂印刷版材のサイド面からも紫外光が入り込むので、紫外光が透過しないカバーでサイド面を覆うようにしておくのが良い。300〜400nmの波長を露光できる光源として、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、カーボンアーク灯、ケミカル灯などが使用できる。紫外光で露光された部分の感光性樹脂層(A)は、現像液により溶出分散できない物質に変化する。
(4)水を主成分とする液により現像処理し、画像マスク(C’)および紫外光未露光部の感光性樹脂層(A)を除去する工程は、例えば、感光性樹脂層(A)を溶解分散可能な水を主成分とする現像液を持つブラシ式洗い出し機やスプレー式洗い出し機を用いて現像することで達成される。この工程を経て、紫外光で露光された部分が残存し、レリーフ像を有する樹脂凸版印刷版が得られる。
剥離補助層(D)が残存している場合は、(4)の現像工程で除去されることが好ましい。
水を主成分とする現像液には、水道水、蒸留水、水のいずれかを主成分とし、炭素数1〜6のアルコールを含有してもよい。ここで、主成分とは、70重量%以上であることを言う。また、これらの液に感光性樹脂層(A)、接着調整層(B)、感熱マスク層(C)や剥離補助層(D)の成分が混入したものも使用できる。
画像マスク(C’)は耐傷性向上の目的で水不溶性にしており、水やアルコールからなる現像液には溶解しない。しかし、コスト的に優位な薄膜状であるため、コシの強い、例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)製のブラシで擦ることで、物理的に除去することができる。この際、30℃から70℃の比較的高温の現像水を用いることによって、画像マスク(C’)の除去を効率的に行うことができる。
その後、必要に応じ、版面に付着している現像液を乾燥する処理、感光性樹脂印刷版材の後露光や粘着性除去処理等を行うこともできる。
本発明の製造方法で製造された樹脂凸版印刷版は、印刷機に装着できる樹脂凸版印刷版として好ましく使用される。
以下、本発明を実施例で詳細に説明する。
<水溶性ポリアミド樹脂1の合成>
数平均分子量600のポリエチレングリコールの両末端にアクリロニトリルを付加し、これを水素還元して得たα,ω−ジアミノポリオキシエチレンとアジピン酸との等モル塩 60重量部、ε−カプロラクタム 20重量部およびヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩 20重量部を溶融重合して、相対粘度(ポリマー1gを抱水クロラール100mlに溶解し、25℃で測定した粘度)2.50の水溶性ポリアミド樹脂1を得た。
<感光性樹脂層(A1)用の塗工液組成物1の調製>
撹拌用ヘラおよび冷却管を取り付けた3つ口フラスコ中に(a)水溶性ポリアミド樹脂1 50重量部、(b)水34重量部および(c)エタノール22重量部を入れ、撹拌しながら90℃で2時間加熱し、水溶性ポリアミド樹脂1を溶解させた。70℃に冷却した後、(d)グリシジメメタクリレート(“ブレンマー”G、日本油脂(株)製)1.5重量部を添加し、30分間撹拌した。さらに、(e)グリセリンジメタクリレート(“ブレンマー”GMR、日本油脂(株)製)8重量部、(f)2−アクロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸(HOA−MPE、共栄社化学(株)製)24重量部、(g)ポリエチレングリコール(PEG#400、ライオン(株)製)5重量部、(h)N,N,N’,N’−テトラ(2−ヒドロキシ−3−メタアクロイルオキシプロピル)−m−キシレンジアミン 5重量部、(i)テトラメチロールメタントリアクリレート(“NKエステル”A−TMM−3、新中村化学(株)製)4重量部、(j)ベンジルジメチルケタール(“イルガキュア”651、チバ・ガイギー(株)製)1.3重量部および(k)ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.01重量部を添加して30分間撹拌し、感光性樹脂層(A1)用の塗工液組成物1を得た。
<接着調整層(B1)用の塗工液組成物2の調製>
上記で合成した水溶性ポリアミド樹脂1を、水/エタノール=50/50(重量比)の混合溶媒中に固形分濃度15重量%となるように80℃で溶解させ、接着調整層(B1)用の塗工液組成物2を得た。
<感熱マスク層(C1)用の塗工液組成物3の調製>
“MA100”(カーボンブラック、三菱化学(株)製)25重量部、硝化綿“SL−1”(ニトロセルロース、旭化成工業(株)製)26重量部、可塑剤ATBC(アセチルクエン酸トリブチル、(株)ジェイ・プラス製)6重量部および“PMアセテート”(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、大阪印刷インキ製造(株)製)30重量部をあらかじめ混合させたものを、3本ロールミルを用いて混練分散させ、カーボンブラック分散液を調製した。該分散液に“アラルダイト”6071(エポキシ樹脂、旭チバ(株)製)17重量部、“ユーバン”2061(メラミン樹脂、三井化学(株)製)24重量部、(g)“ライトエステル”P−1M(リン酸モノマー、共栄社化学(株)製)1重量部および(h)メチルイソブチルケトン 600重量部を添加し、30分間撹拌した。その後、固形分濃度が16重量%になるように(d)“PMアセテート”を添加し、感熱マスク層(C1)用の塗工液組成物3を得た。
<剥離補助層(D1)用の塗工液組成物4の調製>
鹸化度91%〜94%のポリビニルアルコール(“ゴーセノール”AL−06、日本合成化学(株)製)100重量部を、水/エタノール=40/60(重量比)の混合溶媒に固形分濃度10重量%となるように80℃で溶解させ、剥離補助層(D1)用の塗工液組成物4を得た。
<剥離補助層(D2)用の塗工液組成物5の調製>
鹸化度91%〜94%のポリビニルアルコール(“ゴーセノール”AL−06、日本合成化学(株)製)100重量部および赤外線吸収剤(“PROJET”825、AVECIA(株)製)2重量部を、水/エタノール=40/60(重量比)の混合溶媒に固形分濃度10重量%となるように80℃で溶解させ、剥離補助層(D2)用の塗工液組成物5を得た。
<感光性樹脂シート1の製造>
250μmのポリエステルフィルム“ルミラー”S10(東レ(株)製)に予めポリエステル系接着剤を塗布した基板上に、感光性樹脂層(A1)用の塗工液組成物1を流延させ、60℃で2時間乾燥し、基板を含めて厚さ950μmの感光性樹脂シート1を得た。感光性樹脂シート1の膜厚は基板上に所定厚みのスペーサーを設置し、スペーサーをはみ出している部分の塗工液組成物1を、水平な金尺で掻き出すことによって行った。
<感熱マスク要素1の製造>
厚さ100μmのポリエステルフィルム“ルミラー”S10(東レ(株)製)を層(E)として使用し、該フィルム上に、塗工液組成物4をバーコーターを用いて乾燥膜厚が0.5μmになるように塗布、120℃で30秒間乾燥し、剥離補助層(D1)/保護層(E)の積層体を得た。
このようにして得られた積層体の剥離補助層(D1)側に、塗工液組成物3をバーコーターを用いて乾燥膜厚が2μmになるように塗布、140℃で20秒間乾燥し、感熱マスク層(C1)/剥離補助層(D1)/保護層(E)の積層体である感熱マスク要素1を得た。この感熱マスク要素1の光学濃度(オルソクロマチックフィルター、透過モード)は3.3であった。
<感熱マスク要素2の製造>
厚さ100μmのポリエステルフィルム“ルミラー”S10(東レ(株)製)上に、塗工液組成物5をバーコーターを用いて乾燥膜厚が0.5μmになるように塗布、120℃で30秒間乾燥し、剥離補助層(D2)/保護層(E)の積層体を得た。
このようにして得られた積層体の剥離補助層(D2)側に、塗工液組成物3をバーコーターを用いて乾燥膜厚が2μmになるように塗布、140℃で20秒間乾燥し、感熱マスク層(C1)/剥離補助層(D2)/保護層(E)の積層体である感熱マスク要素2を得た。この感熱マスク要素2の光学濃度(オルソクロマチックフィルター、透過モード)は3.5であった。
<感熱マスク要素3の製造>
厚さ100μmのポリエステルフィルム“ルミラー”S10(東レ(株)製)上に、塗工液組成物5をバーコーターを用いて乾燥膜厚が1μmになるように塗布、120℃で30秒間乾燥し、剥離補助層(D2)/保護層(E)の積層体を得た。
このようにして得られた積層体の剥離補助層(D2)側に、塗工液組成物3をバーコーターを用いて乾燥膜厚が2μmになるように塗布、140℃で20秒間乾燥し、感熱マスク層(C1)/剥離補助層(D2)/保護層(E)の積層体を得た。
さらに感熱マスク層(C1)上に、塗工液組成物2をバーコーターを用いて乾燥膜厚が1μmになるように塗布、120℃で30秒間乾燥し、接着調整層(B1)/感熱マスク層(C1)/剥離補助層(D2)/保護層(E)の積層体である感熱マスク要素3を得た。この感熱マスク要素3の光学濃度(オルソクロマチックフィルター、透過モード)は3.5であった。
(実施例1)
上記した感光性樹脂シート1の感光性樹脂層(A1)上に、水/エタノール=70/30重量%の混合溶媒をバーコーター#20を用いて塗布して感光性樹脂層(A1)を膨潤させ、感熱マスク要素1の感熱マスク層(C1)が感光性樹脂層(A1)に接するようにローラー圧着し、1週間静置して、基板/感光性樹脂層(A1)/感熱マスク層(C1)/剥離補助層(D1)/保護層(E)の順に積層された感光性樹脂印刷版原版1を得た。
感光性樹脂印刷版原版1から保護膜(E)を剥離した後、赤外線に発光領域を有するファイバーレーザーを備えた外面ドラム型プレートセッター“CDI SPARK”(エスコ・グラフィックス(株)製)に、基板側がドラムに接するように装着し、解像度156線のテストパターン(ベタ部、1%〜99%網点、1〜8ポイントの細線、1〜8ポイントの白抜き部分を有する)を描画し、感熱マスク層(C1)を画像マスク(C1’)に形成した。レーザー出力6W、ドラム回転数300rpmの条件で、ベタ部の感熱マスク層(C1)が実質上レーザー融除され、下層の感光性樹脂層(A1)表面へのレーザー掘削や描画パターンの歪みなどのレーザー出力過多による弊害は発生しなかった。また、感熱マスク層(C1)は架橋されているため外傷に強く、プレートセッターへの装着などの取り扱いが容易であった。感熱マスク層(C1)の耐傷性を評価するために、染色物摩擦堅牢度試験機(JIS規格L0823に記載の試験機II型、(株)大栄科学精器製作所製)を用いて、水で濡らした白綿布に500gの荷重(摩擦子の自重が200g、追加の重りが300g)をかけて、原版1から保護膜(E)を剥離して露出している表面を擦った。表面を10回往復擦っても、黒色の感熱マスク層(C1)に貫通性の傷が入らなかった。
続いて、画像マスク(C1’)側から、紫外領域に光源を有する超高圧水銀灯(オーク(株)製)で全面露光した(露光量:900mJ/cm2)。次いで、PBT(ポリブチレンテレフタレート)製のブラシを備えたブラシ式現像機FTW430II(東レ(株)製)により25℃の水道水により1.5分間現像を行ったところ、剥離補助層(D1)、画像マスク(C1’)および画像マスクに遮断され紫外線に露光されていない部分の感光性樹脂層(A1)が選択的に現像され、画像マスク(C1’)に対してネガティブなレリーフを忠実に再現していた。感熱マスク層(C1)自体は架橋されており疎水性であるため水不溶であるが、層(C1)の膜厚を2μmと薄くすることにより、コシの強いブラシで削りとることが可能となり、結果として層(C1)は水現像された。
得られたレリーフには黒色の画像マスク(C1’)が混入しておらず、感光性樹脂層(A1)のみで形成されており、シャープな形状を示していた。これは感熱マスク層(C1)が架橋されて水不溶性の性質を有しているため、親水性の感光性樹脂層(A1)と混合することが無く、各層が独立して存在していたためである。
(実施例2)
実施例1において、感熱マスク要素2を用いた以外は、実施例1とすべて同様にして、基板/感光性樹脂層(A1)/感熱マスク層(C1)/剥離補助層(D2)/保護層(E)の順に積層された感光性樹脂印刷版原版2を得た。実施例1と同様に描画を行ったが、出力6W、ドラム回転数500rpmで、ベタ部の感熱マスク層(C1)が実質上レーザー融除され、下層の感光性樹脂層(A1)表面へのレーザー掘削や描画パターンの歪みなどのレーザー出力過多による弊害は発生しなかった。感熱マスク層(C1)の上層の剥離補助層(D2)に赤外線吸収剤が添加されているため、剥離補助層(D2)がレーザー融除されやすくなっており、実施例1より高いドラム回転数(つまり1スポット当たりのレーザー出力が低い)での描画が可能となった。また、実施例1と同様に超高圧水銀灯による露光およびブラシ式現像機による現像を行ったところ、シャープな形状のレリーフが得られた。
(実施例3)
上記感光性樹脂シート1の感光性樹脂層(A1)上に、水/エタノール=70/30重量%の混合溶媒をバーコーター#20を用いて塗布して感光性樹脂層(A1)を膨潤させ、感熱マスク要素3の接着調整層(B1)が感光性樹脂(A1)に接するようにローラー圧着し、1週間静置して、基板/感光性樹脂層(A1)/接着調整層(B1)/感熱マスク層(C1)/剥離補助層(D2)/保護層(E)の順に積層された感光性樹脂印刷版原版3を得た。実施例2と同様、出力6W、ドラム回転数500rpmでの描画が可能であった。
実施例1と同様に超高圧水銀灯による露光およびブラシ式現像機による現像を行った。接着調整層(B1)は感光性樹脂層(A1)に用いている水溶性ポリアミド樹脂で構成されているため、感光性樹脂層(A1)と一体化していた。また、親水性の接着調整層(B1)と水不溶性の感熱マスク層(C1)は互いに混入することがなく、レリーフはシャープな形状を有していた。
<接着調整層(B2)用の塗工液組成物6の調製>
(a)部分鹸化ポリビニルアルコール(“Mowiol”4−80、Hoechst社製)2重量部を(b)水 40重量部に溶解し、接着調整層(B2)用の塗工液組成物6を得た。
<感熱マスク層(C2)用の塗工液組成物7の調製>
(a)カーボンブラック(“Printex”U、Degussa社製)2重量部、(b)部分鹸化ポリビニルアルコール(KP205、クラレ(株)製)8重量部、(c)n−プロパノール 20重量部および(d)水 80重量部を混合し、分散機“Ultra Turrax”中で2時間処理して、感熱マスク層(C2)用の塗工液組成物7を得た。
<感熱マスク要素4の製造>
厚さ100μmのポリエステルフィルム“ルミラー”S10(東レ(株)製)を層(E)として用い、該フィルム上に、塗工液組成物7をバーコーターを用いて乾燥膜厚が6μmになるように塗布、120℃で30秒間乾燥し、感熱マスク層(C2)/保護層(E)の積層体を得た。
このようにして得られた積層体の感熱マスク層(C2)側に、塗工液組成物6をバーコーターを用いて乾燥膜厚が5μmになるように塗布、120℃で20秒間乾燥し、接着調整層(B2)/感熱マスク層(C2)/保護層(E)の積層体である感熱マスク要素4を得た。この感熱マスク要素4の光学濃度(オルソクロマチックフィルター、透過モード)は3.4であった。
(比較例1)
上記した感光性樹脂シート1の感光性樹脂層(A1)上に、水/エタノール=70/30重量%の混合溶媒をバーコーター#20を用いて塗布して感光性樹脂層(A1)を膨潤させ、感熱マスク要素4の接着調整層(B2)が感光性樹脂(A1)に接するようにローラー圧着し、1週間静置して、基板/感光性樹脂層(A1)/接着調整層(B2)/感熱マスク層(C2)/保護層(E)の順に積層された感光性樹脂印刷版原版4を得た。実施例1と同様に、プレートセッターによる描画、超高圧水銀灯による露光およびブラシ式現像機による現像を行った。感熱マスク層(C2)はカーボンブラックを、水溶性樹脂である部分鹸化ポリビニルアルコールに分散させただけであるために、膜強度が弱く、版の取り扱い時に傷が入りやすかった。実施例1と同様の方法で感熱マスク層(C2)の耐傷性を評価したところ、1回往復擦りで貫通性の傷が入った。感熱マスク層(C2)に傷が入ると、その部分で紫外光を遮断する機能がなくなり、紫外光での硬化を防止したい部分が硬化されてしまう。これにより、不必要なレリーフが形成されることになり、印刷版としては好ましくなかった。また、感熱マスク層(C2)は水現像を発現するため、水溶性樹脂をバインダーとして用いており、経時により、同じく親水性を有する接着調整層(B2)や感光性樹脂層(A1)中に感熱マスク層(C2)の成分が混入している様子が見られた。感光性樹脂層(A1)に感熱マスク層(C2)の成分が混入していたため、混入部分で光硬化不良が起こりやすくなり、満足のいくレリーフが得られなかった。
<水溶性ポリアミド樹脂2の合成>
ε−カプロラクタム 10重量部、N−(2−アミノエチル)ピペラジンとアジピン酸のナイロン塩 90重量部および水 100重量部をステンレス製オートクレーブに入れ、内部の空気を窒素ガスで置換した後に180℃で1時間加熱し、次いで水分を除去して水溶性ポリアミド樹脂2を得た。
<変性ポリビニルアルコール1の合成>
冷却管をつけたフラスコ中に、部分鹸化ポリビニルアルコール“ゴーセノール”KL−05(鹸化度 78.5%〜82.0%、日本合成化学工業(株)製)50重量部、無水コハク酸 2重量部およびアセトン 10重量部を入れ、60℃で6時間加熱した後、冷却管を外してアセトンを揮発させた。その後、100重量部のアセトンで未反応の無水コハク酸を溶出させる精製工程を2回行った後、60℃で減圧乾燥を5時間行い、水酸基にコハク酸がエステル結合した、変性ポリビニルアルコール1を得た。
<感光性樹脂層(A2)用の塗工液組成物8の調製>
撹拌ヘラおよび冷却管をつけた3つ口フラスコ中に、水溶性ポリアミド樹脂2を7.5重量部、変性ポリビニルアルコール1を47.5重量部、ジエチレングリコール 11重量部、水 38重量部およびエタノール 44重量部を入れ、撹拌しながら110℃で30分間、次いで70℃で90分間加熱しポリマーを溶解させた。ついで、“ブレンマー”G(グリシジルメタクリレート、日本油脂(株)製)3重量部を添加し、70℃で30分間撹拌した。さらに“ブレンマー”GMR(グリシジルメタクリレートのメタクリル酸付加物、日本油脂(株)製)12重量部、“ライトエステル”G201P(グリシジルメタクリレートのアクリル酸付加物、共栄社化学(株)製)5重量部、“エポキシエステル”70PA(プロピレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、共栄社化学(株)製)6重量部、“NKエステル”A−200(平均分子量200のポリエチレングリコールのジアクリレート、新中村化学工業(株)製)5重量部、“イルガキュア”651(ベンジルジメチルケタール、チバ・ガイギー(株)製)0.1重量部、“イルガキュア”184(α−ヒドロキシケトン、チバ・ガイギー(株)製)1.5重量部、“Suminol Fast Cyanine Green G conc.”(酸性染料、カラーインデックス C. I. Acid Green 25、住友化学工業(株)製)0.01重量部、“ダイレクトスカイブルー6B”(浜本染料(株)製)0.01重量部、“フォーマスタ”(消泡剤、サンノプコ(株)製)0.05重量部、“チヌビン”327(紫外線吸収剤、チバ・ガイギー(株)製)0.015重量部、“TTP−44”(ビス−{2−(2−エトキシエトキシカルボニル)エチルチオ}オクチルチオ ホスフィン、淀化学(株)製)0.2重量部および“Q−1300”(アンモニウム N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、和光純薬工業(株)製)0.005重量部を添加して30分間撹拌し、流動性のある感光性樹脂層(A2)の塗工液組成物8を得た。
<接着剤塗布基板2の作製>
“バイロン31SS”(不飽和ポリエステル樹脂のトルエン溶液、東洋紡績(株)製)260重量部および“PS−8A”(ベンゾインエチルエーテル、和光純薬工業(株)製)2重量部の混合物を70℃で2時間加熱後30℃に冷却し、エチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート 7重量部を加えて2時間混合した。さらに、“コロネート”3015E(多価イソシアネート樹脂の酢酸エチル溶液、日本ポリウレタン工業(株)製)25重量部および“EC−1368”(工業用接着剤、住友スリーエム(株)製)14重量部を添加し、接着剤組成物1を得た。
“ゴーセノール”KH−17(鹸化度78.5%〜81.5%のポリビニルアルコール、日本合成化学工業(株)製)50重量部を“ソルミックス”H−11(アルコール混合物、日本アルコール(株)製)200重量部および水 200重量部の混合溶媒で70℃で2時間溶解させた後、“ブレンマー”G(グリシジルメタクリレート、日本油脂(株)製)1.5重量部を添加して1時間混合し、さらに(ジメチルアミノエチルメタクリレート)/(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)/(メタクリル酸)共重合体(共栄社化学(株)製)3重量部、“イルガキュア”651(ベンジルジメチルケタール、チバ・ガイギー(株)製)5重量部、“エポキシエステル”70PA(プロピレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、共栄社化学(株)製)21重量部およびエチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート 20重量部を添加して90分間混合し、50℃に冷却後“フロラード”TM FC−430(住友スリーエム(株)製)0.1重量部添加して30分間混合して接着剤組成物2を得た。
厚さ250μmの“ルミラー”T60(ポリエステルフィルム、東レ(株)製)上に、接着層組成物1を乾燥後膜厚が40μmとなるようバーコーターで塗布し、180℃のオーブン中で3分間入れて溶媒を除去後、その上に接着層組成物2を乾燥膜厚が30μmとなるようバーコーター塗布し、160℃のオーブンで3分間乾燥させ、接着剤塗布基板2を得た。
<感光性樹脂シート2の製造>
接着剤塗布基板2を接着剤塗工側から超高圧水銀灯で1000mJ/cm2露光した後、感光性樹脂層(A2)用の塗工液組成物8を接着剤塗布基板2の接着剤塗布面に流延し、60℃のオーブン中で5時間乾燥させて、基板を含めておよそ厚さ900μmの感光性樹脂シート2を得た。感光性樹脂シート2の厚さは、基板上に所定厚のスペサーを設置し、スぺーサーからはみ出ている部分の塗工液組成物8を、水平な金尺で掻き出すことによって制御した。
<剥離補助層(D3)用の塗工液組成物9の調製>
“ゴーセノール”AL−06(鹸化度91%〜94%のポリビニルアルコール、日本合成化学工業(株)製)4重量部を水 55重量部、メタノール 14重量部、n−プロパノール 10重量部およびn−ブタノール 10重量部に溶解させ、剥離補助層(D3)用の塗工液組成物9を得た。
<感熱マスク層(C3)用の塗工液組成物10の調製>
“MA100”(カーボンブラック、三菱化学(株)製)23重量部、“ダイアナール”BR−95(アルコール不溶性のアクリル樹脂、三菱レーヨン(株)製)15重量部、可塑剤ATBC(アセチルクエン酸トリブチル、(株)ジェイ・プラス製)6重量部および“PMアセテート”(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、大阪印刷インキ製造(株)製)30重量部をあらかじめ混合させたものを、3本ロールミルを用いて混練分散させ、カーボンブラック分散液2を調整した。分散液2に“アラルダイト”6071(エポキシ樹脂、旭チバ(株)製)20重量部、“ユーバン”2061(メラミン樹脂、三井化学(株)製)27重量部、“ライトエステル”P−1M(リン酸モノマー、共栄社化学(株)製)0.7重量部およびメチルイソブチルケトン 140重量部を添加し、30分間撹拌した。その後、固形分濃度が33重量%になるように“PMアセテート”を添加し、感熱マスク層(C3)用の塗工液組成物10を得た。
<感熱マスク層(C4)用の塗工液組成物11の調製>
“MA100”(カーボンブラック、三菱化学(株)製)23重量部、“ダイアナール”BR−95(アルコール不溶性のアクリル樹脂、三菱レーヨン(株)製)15重量部、可塑剤ATBC(アセチルクエン酸トリブチル、(株)ジェイ・プラス製)6重量部およびジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート 30重量部をあらかじめ混合させたものを、3本ロールミルを用いて混練分散させ、カーボンブラック分散液3を調整した。分散液3に“アラルダイト”6071(エポキシ樹脂、旭チバ(株)製)20重量部、“ユーバン”2061(メラミン樹脂、三井化学(株)製)27重量部、“ライトエステル”P−1M(リン酸モノマー、共栄社化学(株)製)0.7重量部およびメチルイソブチルケトン 140重量部を添加し、30分間撹拌した。その後、固形分濃度が33重量%になるようにジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテートを添加し、感熱マスク層(C3)用の塗工液組成物11を得た。
<接着調整層(B3)用の塗工液組成物12の調製>
“エピコート”1004(エポキシ樹脂、ジャパン・エポキシ・レジン(株)製)10重量部をシクロヘキサノン 90重量部に溶解させ、接着調整層(B3)用の塗工液組成物12を得た。
<感熱マスク要素5の製造>
厚さ100μmのポリエステルフィルム“ルミラー”S10(東レ(株)製)上に、塗工液組成物9をバーコーターを用いて乾燥膜厚が0.25μmになるように塗布、100℃で25秒間乾燥し、剥離補助層(D3)/保護層(E)の積層体を得た。このようにして得られた積層体の剥離補助層(D3)側に、塗工液組成物10をバーコーターを用いて乾燥膜厚が2μmになるように塗布、140℃で90秒間乾燥し、感熱マスク層(C3)/剥離補助層(D3)/保護層(E)の積層体である感熱マスク要素5を得た。この感熱マスク要素5の光学濃度(オルソクロマチックフィルター、透過モード)は3.8であった。
<感熱マスク要素6の製造>
厚さ100μmのポリエステルフィルム“ルミラー”S10(東レ(株)製)上に、塗工液組成物9をバーコーターを用いて乾燥膜厚が0.25μmになるように塗布、100℃で25秒間乾燥し、剥離補助層(D3)/保護層(E)の積層体を得た。このようにして得られた積層体の剥離補助層(D3)側に、塗工液組成物11をバーコーターを用いて乾燥膜厚が2μmになるように塗布、140℃で90秒間乾燥し、感熱マスク層(C4)/剥離補助層(D3)/保護層(E)の積層体である感熱マスク要素6を得た。この感熱マスク要素6の光学濃度(オルソクロマチックフィルター、透過モード)は3.8であった。
<感熱マスク要素7の製造>
厚さ100μmのポリエステルフィルム“ルミラー”S10(東レ(株)製)上に、塗工液組成物9をバーコーターを用いて乾燥膜厚が0.25μmになるように塗布、100℃で25秒間乾燥し、剥離補助層(D3)/保護層(E)の積層体を得た。このようにして得られた積層体の剥離補助層(D3)側に、塗工液組成物10をバーコーターを用いて乾燥膜厚が2μmになるように塗布、140℃で90秒間乾燥し、感熱マスク層(C3)/剥離補助層(D3)/保護層(E)の積層体を得た。このようにして得られた積層体の剥離補助層(C3)側に、塗工液組成物12をバーコーターを用いて乾燥膜厚が1μmになるように塗布、140℃で60秒間乾燥し、接着調整層(B3)/感熱マスク層(C3)/剥離補助層(D3)/保護層(E)の積層体である感熱マスク要素7を得た。この感熱マスク要素7の光学濃度(オルソクロマチックフィルター、透過モード)は3.8であった。
(実施例4)
感光性樹脂シート2の感光性樹脂層(A2)上に塗工液組成物8を展開し、その上に、感熱マスク要素5を感熱マスク層(C3)が塗工液組成物8が展開された感光性樹脂層(A2)に接するようにかぶせて、80℃に加熱したカレンダーロールでラミネートを行い、接着剤塗布基板2/感光性樹脂層(A2)/感熱マスク層(C3)/剥離補助層(D3)/保護層(E)の順に積層された感光性樹脂印刷版原版5を得た。カレンダーロールのクリアランスは、原版5から保護層(E)を剥離した後における積層体の厚みが950μmになるように調整した。展開された塗工液組成物8は、ラミネート後1週間静置させることによって、残存溶媒が自然乾燥し、追加の感光性樹脂層(A2)を形成する。
感光性樹脂印刷版原版5から保護膜(E)を剥離した後、赤外線に発光領域を有するファイバーレーザーを備えた外面ドラム型プレートセッター“CDI SPARK”(エスコ・グラフィックス(株)製)に、基板側がドラムに接するように装着し、解像度156線のテストパターン(ベタ部、1%〜99%網点、1〜8ポイントの細線、1〜8ポイントの白抜き部分を有する)を描画し、感熱マスク層(C3)から画像マスク(C3’)を形成した。レーザー出力9W、ドラム回転数500rpmの条件で、ベタ部の感熱マスク層(C3)が実質上レーザー融除され、下層の感光性樹脂層(A2)表面へのレーザー掘削や描画パターンの歪みなどのレーザー出力過多による弊害は発生しなかった。
また、感熱マスク層(C3)は架橋されているため外傷に強く、プレートセッターへの装着などの取り扱いが容易であった。実施例1と同様の方法で感熱マスク層(C3)の耐傷性を評価したところ、表面を10回往復擦っても、黒色の感熱マスク層(C3)に貫通性の傷が入らなかった。
続いて、画像マスク(C3’)側から、紫外領域に光源を有する超高圧水銀灯(オーク(株)製)で全面露光した(露光量:1000mJ/cm2)。
次いで、PBT(ポリブチレンテレフタレート)製のブラシを備えたブラシ式現像機FTW500II(東レ(株)製)を用いて、35℃の水道水で1.5分間現像を行ったところ、剥離補助層(D3)、画像マスク(C3’)および画像マスクに遮断され紫外線に露光されていない部分の感光性樹脂層(A2)が選択的に現像され、画像マスク(C3’)に対してネガティブなレリーフを忠実に再現していた。感熱マスク層(C3)自体は架橋されており水不溶性であるが、層(C3)の膜厚を2μm以下と薄くし、かつコシの強いブラシで現像する事によって、感熱マスク層(C3)が機械的に削りとられ、結果として層(C3)は現像された。
得られたレリーフには黒色の画像マスク(C3’)が混入しておらず、感光性樹脂層(A2)のみで形成されており、シャープな形状を示していた。これは感熱マスク層(C3)が架橋されて水不溶性の性質を有しているため、親水性の感光性樹脂層(A2)と混合することが無く、各層が独立して存在していたためである。
(実施例5)
感光性樹脂シート2の感光性樹脂層(A2)上に塗工液組成物8を展開し、その上に、感熱マスク要素6を感熱マスク層(C4)が塗工液組成物8が展開された感光性樹脂層(A2)に接するようにかぶせて、80℃に加熱したカレンダーロールでラミネートを行い、接着剤塗布基板2/感光性樹脂層(A2)/感熱マスク層(C4)/剥離補助層(D3)/保護層(E)の順に積層された感光性樹脂印刷版原版6を得た。カレンダーロールのクリアランスは、原版6から保護層(E)を剥離した後における積層体の厚みが950μmになるように調整した。展開された塗工液組成物8は、ラミネート後1週間静置させることによって、残存溶媒が自然乾燥し、追加の感光性樹脂層(A2)を形成する。
感光性樹脂印刷版原版6から保護膜(E)を剥離した後、赤外線に発光領域を有するファイバーレーザーを備えた外面ドラム型プレートセッター“CDI SPARK”(エスコ・グラフィックス(株)製)に、基板側がドラムに接するように装着し、解像度156線のテストパターン(ベタ部、1%〜99%網点、1〜8ポイントの細線、1〜8ポイントの白抜き部分を有する)を描画し、感熱マスク層(C4)から画像マスク(C4’)を形成した。レーザー出力9W、ドラム回転数500rpmの条件で、ベタ部の感熱マスク層(C4)が実質上レーザー融除され、下層の感光性樹脂層(A2)表面へのレーザー掘削や描画パターンの歪みなどのレーザー出力過多による弊害は発生しなかった。また、感熱マスク層(C3)は架橋されているため外傷に強く、プレートセッターへの装着などの取り扱いが容易であった。実施例1と同様の方法で感熱マスク層(C4)の耐傷性の評価を行ったところ、10回往復擦りでも感熱マスク層(C4)に貫通性の傷が入らなかった。
続いて、画像マスク(C4’)側から、紫外領域に光源を有する超高圧水銀灯(オーク(株)製)で全面露光した(露光量:1000mJ/cm2)。
次いで、PBT(ポリブチレンテレフタレート)製のブラシを備えたブラシ式現像機FTW500II(東レ(株)製)を用いて、35℃の水道水で1.5分間現像を行ったところ、剥離補助層(D3)、画像マスク(C4’)および画像マスクに遮断され紫外線に露光されていない部分の感光性樹脂層(A2)が選択的に現像され、画像マスク(C4’)に対してネガティブなレリーフを忠実に再現していた。感熱マスク層(C4)自体は架橋されており水不溶性であるが、層(C4)の膜厚を2μm以下と薄くし、かつコシの強いブラシで現像する事によって、感熱マスク層(C4)が機械的に削りとられ、結果として層(C4)は現像された。
得られたレリーフには黒色の画像マスク(C4’)が混入しておらず、感光性樹脂層(A2)のみで形成されており、シャープな形状を示していた。これは感熱マスク層(C4)が架橋されて水不溶性の性質を有しているため、親水性の感光性樹脂層(A2)と混合することが無く、各層が独立して存在していたためである。
(実施例6)
感光性樹脂シート2の感光性樹脂層(A2)上に塗工液組成物8を展開し、その上に、感熱マスク要素7を接着調整層(B3)が塗工液組成物8が展開された感光性樹脂層(A2)に接するようにかぶせて、80℃に加熱したカレンダーロールでラミネートを行い、接着剤塗布基板2/感光性樹脂層(A2)/接着調整層(B3)/感熱マスク層(C3)/剥離補助層(D3)/保護層(E)の順に積層された感光性樹脂印刷版原版7を得た。カレンダーロールのクリアランスは、原版7から保護層(E)を剥離した後における積層体の厚みが950μmになるように調整した。展開された塗工液組成物8は、ラミネート後1週間静置させることによって、残存溶媒が自然乾燥し、追加の感光性樹脂層(A2)を形成する。
感光性樹脂印刷版原版7から保護膜(E)を剥離した後、赤外線に発光領域を有するファイバーレーザーを備えた外面ドラム型プレートセッター“CDI SPARK”(エスコ・グラフィックス(株)製)に、基板側がドラムに接するように装着し、解像度156線のテストパターン(ベタ部、1%〜99%網点、1〜8ポイントの細線、1〜8ポイントの白抜き部分を有する)を描画し、感熱マスク層(C3)から画像マスク(C3’)を形成した。レーザー出力9W、ドラム回転数500rpmの条件で、ベタ部の感熱マスク層(C3)が実質上レーザー融除され、下層の感光性樹脂層(A2)表面へのレーザー掘削や描画パターンの歪みなどのレーザー出力過多による弊害は発生しなかった。また、感熱マスク層(C3)は架橋されているため外傷に強く、プレートセッターへの装着などの取り扱いが容易であった。
続いて、画像マスク(C3’)側から、紫外領域に光源を有する超高圧水銀灯(オーク(株)製)で全面露光した(露光量:1000mJ/cm2)。
次いで、PBT(ポリブチレンテレフタレート)製のブラシを備えたブラシ式現像機FTW500II(東レ(株)製)を用いて、35℃の水道水で1.5分間現像を行ったところ、剥離補助層(D3)、画像マスク(C3’)および画像マスクに遮断され紫外線に露光されていない部分の感光性樹脂層(A2)が選択的に現像され、画像マスク(C3’)に対してネガティブなレリーフを忠実に再現していた。感熱マスク層(C3)自体は架橋されており水不溶性であるが、層(C3)の膜厚を2μm以下と薄くし、かつコシの強いブラシで現像する事によって、感熱マスク層(C3)が機械的に削りとられ、結果として層(C3)は現像された。
得られたレリーフには黒色の画像マスク(C3’)が混入しておらず、感光性樹脂層(A2)のみで形成されており、シャープな形状を示していた。これは感熱マスク層(C3)が架橋されて水不溶性の性質を有しているため、親水性の感光性樹脂層(A2)と混合することが無く、各層が独立して存在していたためである
感熱マスク要素10の製造>
実施例1に使用した感熱マスク要素1において、層(C1)用の塗工液3の代わりに層(C2)用の塗工液7を用い、層(C2)の乾燥膜厚を6μmに、層(C2)の乾燥条件
を120℃で30秒にした以外は全て同様の手順で作製し、感熱マスク層(C2)/剥離補助層(D1)/保護層(E)の積層体である感熱マスク要素10を得た。この感熱マスク要素10の光学濃度(オルソクロマチックフィルター、透過モード)は3.4であった。
<感熱マスク要素11の製造>
実施例4に使用した感熱マスク要素5において、層(C3)用の塗工液10の代わりに層(C2)用の塗工液7を用い、層(C2)の乾燥膜厚を6μmに、層(C2)の乾燥条件を120℃で30秒にした以外は全て同様の手順で作製し、感熱マスク層(C2)/剥離補助層(D3)/保護層(E)の積層体である感熱マスク要素11を得た。この感熱マスク要素11の光学濃度(オルソクロマチックフィルター、透過モード)は3.4であった。
(比較例2)
実施例1において、感熱マスク要素1の代わりに感熱マスク要素10を用いた以外は同様にして原版の製造を行い、基板/感光性樹脂層(A1)/感熱マスク層(C2)/剥離補助層(D1)/保護層(E)の積層体である感光性樹脂印刷版原版10を得た。実施例1で評価した原版1との違いは、架橋構造を有する感熱マスク層(C1)の代わりに、非架橋で水溶性の感熱マスク層(C2)を用いたことのみである。
実施例1と同様の評価を行ったところ、比較例1と同様に、感熱マスク層(C2)が非架橋で水溶性であることに起因する諸問題(感熱マスク層の耐傷性が不足していること、層(C)/(A)間の物質移動が原因によるレリーフ再現不良)が発生した。
(比較例3)
実施例4において、感熱マスク要素5の代わりに感熱マスク要素11を用いた以外は同様にして原版の製造を行い、基板/感光性樹脂層(A2)/感熱マスク層(C2)/剥離補助層(D3)/保護層(E)の積層体である感光性樹脂印刷版原版11を得た。実施例4で評価した原版5との違いは、架橋構造を有する感熱マスク層(C3)の代わりに、非架橋で水溶性の感熱マスク層(C2)を用いたことのみである。
実施例4と同様の評価を行ったところ、比較例1と同様に、感熱マスク層(C2)が非架橋で水溶性であることに起因する諸問題(感熱マスク層の耐傷性が不足していること、層(C)/(A)間の物質移動が原因によるレリーフ再現不良)が発生した。
これらの結果を表にまとめる。
Figure 0004442187
Figure 0004442187

Claims (15)

  1. 支持体上に、水に溶解または分散可能な樹脂および紫外光により硬化可能なモノマーを含有する感光性樹脂層(A)、および赤外線吸収物質を含有する水不溶性の感熱マスク層(C)がこの順に積層されており、感光性樹脂層(A)と水不溶性の感熱マスク層(C)とが接しており、かつ水不溶性の感熱マスク層(C)が、硬化性の樹脂で架橋された層であることを特徴とする感光性樹脂印刷版原版。
  2. 支持体上に、水に溶解または分散可能な樹脂および紫外光により硬化可能なモノマーを含有する感光性樹脂層(A)、水に溶解または分散可能な樹脂を含有する接着調整層(B)、および赤外線吸収物質を含有する水不溶性の感熱マスク層(C)がこの順に積層されており、水に溶解または分散可能な樹脂を含有する接着調整層(B)と水不溶性の感熱マスク層(C)とが接しており、かつ水不溶性の感熱マスク層(C)が、硬化性の樹脂で架橋された層であることを特徴とする感光性樹脂印刷版原版。
  3. 硬化性の樹脂が、多官能イソシアネートおよび多官能エポキシ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、尿素樹脂、アミン系化合物、アミド系化合物、水酸基含有化合物、カルボン酸化合物、チオール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物との組み合わせである請求項1または2記載の感光性樹脂印刷版原版。
  4. 感光性樹脂層(A)が、ポリアミド樹脂を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂印刷版原版。
  5. 感光性樹脂層(A)がポリビニルアルコールまたは部分鹸化ポリビニルアルコールまたはそれらの変性体を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂印刷版原版。
  6. 感熱マスク層(C)がアクリル樹脂を含有し、ニトロセルロースを含有しない請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂印刷版原版。
  7. 感熱マスク層(C)の上に、保護層(E)が積層された請求項1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂印刷版原版。
  8. 感熱マスク層(C)の上に、剥離補助層(D)および保護層(E)が積層された請求項1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂印刷版原版。
  9. 剥離補助層(D)が赤外線吸収物質および/または熱分解性化合物を含有する請求項8に記載の感光性樹脂印刷版原版。
  10. (1)基板上に感光性樹脂層(A)を積層して感光性樹脂シートを得る工程、
    (2)水不溶性の感熱マスク層(C)を含む感熱マスク要素を得る工程、
    (3)感光性樹脂シートの感光性樹脂層(A)の表面と、感熱マスク要素の感熱マスク層(C)が接するようにラミネートする工程、を含み、かつ感熱マスク要素を得る工程において、感熱マスク層(C)を積層する際に、加熱することによって感熱マスク層(C)に架橋構造を形成させる感光性樹脂印刷版原版の製造方法。
  11. (1)基板上に感光性樹脂層(A)を積層して感光性樹脂シートを得る工程、
    (2)水不溶性の感熱マスク層(C)と水に溶解または分散可能な樹脂を含有する接着調整層(B)を含む感熱マスク要素を得る工程、
    (3)感光性樹脂シートの感光性樹脂層(A)の表面と、感熱マスク要素の水に溶解または分散可能な樹脂を含有する接着調整層(B)側が接するようにラミネートする工程、を含み、かつ感熱マスク要素を得る工程において、感熱マスク層(C)を積層する際に、加熱することによって感熱マスク層(C)に架橋構造を形成させる感光性樹脂印刷版原版の製造方法。
  12. 感熱マスク要素が保護層(E)と感熱マスク層(C)を含請求項10または11に記載の感光性樹脂印刷版原版の製造方法。
  13. 保護層(E)と感熱マスク層(C)の間に剥離補助層(D)を設ける請求項12に記載の感光性樹脂印刷版原版の製造方法。
  14. (1)請求項1〜9のいずれかに記載の感光性樹脂印刷版原版を用い、
    (2)赤外レーザーで感熱マスク層(C)に像様照射することによって画像マスク(C’)を形成し、
    (3)形成された画像マスク(C’)側から紫外光を用いて露光し、感光性樹脂層(A)に潜像を形成し、
    (4)水を主成分とする液により現像処理し、画像マスク(C’)および紫外光未露光部の感光性樹脂層(A)を除去することを特徴とする樹脂凸版印刷版の製造方法。
  15. (1)請求項7〜9のいずれかに記載の感光性樹脂印刷版原版を用い、
    (2)赤外レーザーで感熱マスク層(C)に像様照射するに際して、少なくとも保護層(E)の一部を剥離する請求項14に記載の樹脂凸版印刷版の製造方法。
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