JP2015158551A - 感光性樹脂積層体および感光性樹脂印刷版原版 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像時にレリーフの割れや剥がれが発生しない感光性樹脂積層体および感光性樹脂印刷版原版を提供する。
【解決手段】支持体、第一中間層、第二中間層、感光性樹脂層をこの順に有する感光性樹脂積層体であって、感光性樹脂層にケン化度70%以上、数平均重合度が300〜2000である部分ケン化ポリ酢酸ビニルを含み、第二中間層にケン化度70%以上、数平均重合度が300〜2000である部分ケン化ポリ酢酸ビニルを含み、第二中間層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルが、感光性樹脂層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルよりも数平均重合度が大きい部分ケン化ポリ酢酸ビニルであり、第二中間層に反応性基を有する化合物を含まないことを特徴とする感光性樹脂積層体。
【選択図】なし
【解決手段】支持体、第一中間層、第二中間層、感光性樹脂層をこの順に有する感光性樹脂積層体であって、感光性樹脂層にケン化度70%以上、数平均重合度が300〜2000である部分ケン化ポリ酢酸ビニルを含み、第二中間層にケン化度70%以上、数平均重合度が300〜2000である部分ケン化ポリ酢酸ビニルを含み、第二中間層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルが、感光性樹脂層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルよりも数平均重合度が大きい部分ケン化ポリ酢酸ビニルであり、第二中間層に反応性基を有する化合物を含まないことを特徴とする感光性樹脂積層体。
【選択図】なし
Description
本発明は、支持体及び感光性樹脂層の間に中間層を有する感光性樹脂積層体に関するものであり、より詳しくは、現像時に感光性樹脂層から形成されたレリーフの割れ、および支持体とレリーフとの間の剥がれが発生せず、密着力が良好な感光性樹脂積層体および感光性樹脂印刷版原版に関するものである。
凸版印刷版は、一般に、金属またはプラスチック支持体と、その上に設けられたレリーフを形成する樹脂層とからなっている。表面に凹凸を形成してレリーフとする凸版印刷版の製版方法は、感光性樹脂層に画像様に紫外光を露光し、画像部分を選択的に硬化させて、未硬化部を現像液で除去する方法が知られており、特に水系現像液で未硬化部分を除去する方法が簡便である。そのような水系現像液を用いて現像する感光性樹脂層には、水溶解性が良好な部分ケン化ポリ酢酸ビニルおよびその誘導体を用いることが提案されている。
部分ケン化ポリ酢酸ビニルを感光性樹脂層に用いた場合、感光性樹脂層と支持体とを接着する方法としては、部分ケン化ポリ酢酸ビニルと反応性基を有する化合物を含有する感光性樹脂組成物からなる中間層を設け密着させる方法(特許文献1)や、支持体と密着性のよい第1の中間層と、感光性樹脂層と密着性を向上させるために部分ケン化ポリ酢酸ビニルに反応性基を導入した化合物を含有する第2の中間層を設ける方法(特許文献2)などが知られている。
ところで、上記のように反応性基を有する化合物を含有する中間層と感光性樹脂層を密着させた積層体では、過剰な現像条件となったときに、感光性樹脂層により形成されたレリーフが水で膨潤し、膨潤しにくい中間層と密着している部分に応力が集中し、レリーフの裾部が割れるという不具合が発生する場合があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、現像時においてレリーフの割れ、および支持体とレリーフとの間の剥がれが発生せず、密着力が良好な感光性樹脂積層体に関するものである。
すなわち、本発明は支持体、第一中間層、第二中間層、感光性樹脂層をこの順に有する感光性樹脂積層体であって、感光性樹脂層にケン化度70%以上、数平均重合度が300〜2000である部分ケン化ポリ酢酸ビニルを含み、第二中間層にケン化度70%以上、数平均重合度が300〜2000である部分ケン化ポリ酢酸ビニルを含み、第二中間層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルが、感光性樹脂層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルよりも数平均重合度が大きい部分ケン化ポリ酢酸ビニルであり、第二中間層に反応性基を有する化合物を含まないことを特徴とする感光性樹脂積層体である。
本発明によれば、現像時においてレリーフ割れ、および基材とレリーフとの間の剥がれが発生せず、且つ印刷条件下で支障のでない接着力を有する感光性樹脂印刷版原版を得ることができる。
本発明は、支持体、第一中間層、第二中間層、感光性樹脂層をこの順に有する積層体であって、感光性樹脂層にケン化度70%以上、数平均重合度が300〜2000である部分ケン化ポリ酢酸ビニルを含み、第二中間層にケン化度70%以上、数平均重合度が300〜2000である部分ケン化ポリ酢酸ビニルを含み、第二中間層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルが、感光性樹脂層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルよりも数平均重合度が大きい部分ケン化ポリ酢酸ビニルであり、第二中間層に反応性基を有する化合物を含まないことを特徴とする感光性樹脂積層体である。感光性樹脂層にケン化度70%以上、数平均重合度が300〜2000である部分ケン化ポリ酢酸ビニルを含むことで、感光性樹脂層を画像様に紫外光で露光し、画像部分を選択的に硬化させて、未硬化部を現像で除去する際に、水系現像液で速やかに除去することができる。また、第二中間層にケン化度70%以上、数平均重合度が300〜2000である部分ケン化ポリ酢酸ビニルを含み、かつ反応性基を有する化合物を含まないことで、水系現像液で過剰な現像条件となったときに、感光性樹脂層により形成されたレリーフが水で膨潤したときに、第二の中間層も水で膨潤するため中間層と密着している部分に応力が集中しにくく、レリーフの裾部が割れるという不具合が発生しない。さらに、感光性樹脂層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルよりも、第二中間層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルの数平均重合度の方が大きいことにより、各層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルの溶解性に差が生じ、水系現像液で過剰な現像条件となったときでも、第二中間層が完全に溶解してレリーフが支持体から剥がれることを抑制できる。
本発明の感光性樹脂層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルは、ケン化度70%以上である。ケン化度が70%以上とすることにより、中性の水への溶解性が良好となる。また、ケン化度は70〜90%がより好ましい。ケン化度が前述の範囲である場合、感光性樹脂層に含まれる重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物や光重合開始剤などの有機化合物との混合が良好である。また、本発明の感光性樹脂層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルは、数平均重合度が300〜2000である。数平均重合度が300以上あると、感光性樹脂層をシート状に加工する際に、均一な厚みの感光性樹脂層を得ることが可能となる。数平均重合度が2000以下であると、感光性樹脂層を画像様に紫外光で露光し、画像部分を選択的に硬化させて、未硬化部を現像で除去する際に、水系現像液で速やかに除去することができる。
また、感光性樹脂層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルには、側鎖に反応性基を導入することも可能である。反応性基とは、ラジカル反応により架橋することができる官能基のことである。一般に、このような官能基としては、通常は非芳香族の不飽和炭素−炭素結合、中でもエチレン性二重結合が多く使用され、ビニル基、(メタ)アクリロイル基が挙げられる。
このような反応性基を導入することで、感光性樹脂層にネガフィルムを介して紫外光により露光し、画像部分を選択的に硬化させて、未硬化部を現像液で除去する方法で、現像時のレリーフ欠けを抑制し、より微細な画像を形成することができる。
このような反応性基を部分ケン化ポリ酢酸ビニルの側鎖に導入する方法としては、例えば、上述の特許文献3にある方法が挙げられる。
特許文献3に記載の方法は、部分ケン化ポリ酢酸ビニルと酸無水物とを反応させ、部分ケン化ポリ酢酸ビニルの水酸基を起点としてカルボキシル基をポリマー側鎖に導入し、そのカルボキシル基に不飽和エポキシ化合物を反応させることにより反応性基を導入する方法である。
このような反応性基は、変性部分ケン化ポリ酢酸ビニル中、0.08〜0.72モル/kg存在することが好ましく、さらに好ましくは0.12〜0.36モル/kgである。0.72モル/kgより多いと、水溶解性が悪くなり、水現像性が満足するレベルを得られないことが多い。0.08モル/kgより少ないと、反応性基を導入することで改善される現像時のレリーフ欠けなどに対する効果が発現しなくなることが多い。このようにして得られた反応性基を有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニルは、少なくとも次の(I)、(II)、および(III)の構造単位を有する。
(ここで、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Xは末端に不飽和炭素−炭素結合を有する官能基を示す。)
反応性基を側鎖に有する部分ケン化ポリ酢酸ビニルに水現像性を付与する場合、構造(I)の単位を70〜99モル%有することが好ましく、さらに好ましくは70〜90モル%である。(I)の構造単位が70モル%未満であると水溶解性が低下し十分な水現像性を得ることができないことが多く、99モル%より大きいと常温水に対する溶解性が低下して十分な水現像性を得ることができないことが多い。
反応性基を側鎖に有する部分ケン化ポリ酢酸ビニルに水現像性を付与する場合、構造(I)の単位を70〜99モル%有することが好ましく、さらに好ましくは70〜90モル%である。(I)の構造単位が70モル%未満であると水溶解性が低下し十分な水現像性を得ることができないことが多く、99モル%より大きいと常温水に対する溶解性が低下して十分な水現像性を得ることができないことが多い。
また、紫外光により露光し、画像部分を選択的に硬化させて、未硬化部を現像液で除去する方法で画像を形成する場合、感光性樹脂層には、重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物および光重合開始剤を加えるのが一般的である。
重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物の含有量は部分ケン化ポリ酢酸ビニル100重量部に対して、5〜200重量部であることが好ましい。5重量部より少ないと、紫外光により露光し、画像部分を選択的に硬化させて、未硬化部を現像液で除去する方法で画像を形成する場合、画像再現性が不足し、200重量部を超えると画像レリーフの成形が困難となる傾向がある。
また、光重合開始剤としては、光によって重合性の炭素−炭素不飽和基を重合させることができるものであれば全て使用できる。なかでも、光吸収によって、自己分解や水素引き抜きによってラジカルを生成する機能を有するものが好ましく用いられる。例えば、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフェノン類、ジアセチル類などがある。光重合開始剤の配合量としては、部分ケン化ポリ酢酸ビニル100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲が好ましい。
本発明の感光性樹脂層には、相溶性、柔軟性を高めるための相溶助剤としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン及びその誘導体、トリメチロールプロパン及びその誘導体、トリメチロールエタンおよびその誘導体、ペンタエリスリトールおよびその誘導体などの多価アルコール類を添加することも可能である。これらの多価アルコールは、感光性樹脂層を形成する樹脂組成物全体に対して、40重量%以下であることか好ましい。
本発明の感光性樹脂層の熱安定性を上げる為に、従来公知の重合禁止剤を添加することもできる。好ましい重合禁止剤としては、フェノール類、ハイドロキノン類、カテコール類、ヒドロキシアミン誘導体などが挙げられる。これらの配合量は、感光性樹脂層を形成する樹脂組成物全体に対して、0.001〜5重量%の範囲で使用することが一般的である。
さらに、本発明の感光性樹脂層には、現像液中に発生する沈降物が抑止される目的で、特許文献3に記載の塩基性窒素を有するポリアミドを配合することも可能である。塩基性窒素を有するポリアミドを配合することで、感光層性樹脂層中の部分ケン化ポリ酢酸ビニルの水酸基や前述の変性を行った部分ケン化ポリ酢酸ビニルのカルボキシル基と安定なコンプレックスを形成し、現像液中に安定に存在することができると考えられる。塩基性窒素を有するポリアミドは主鎖または側鎖の一部分に塩基性窒素を含有する重合体であり、塩基性窒素とはアミド基でないアミノ基を構成する窒素原子である。そのようなポリアミドとしては、3級アミノ基を主鎖中に有するポリアミドを挙げることができ、具体的な塩基性窒素としてはピペラジンやN,N-ジアルキルアミノ基が好ましい。また、塩基性窒素を有するポリアミドの含有量としては、感光性材料中の部分ケン化ポリ酢酸ビニル100重量部に対して0.5重量部〜100重量部が好ましい。0.5重量部〜100重量部であることで現像液中でのポリマーの分散性が向上し、ポリマーの沈降物の堆積を抑えることができる。よってポリマーの沈降物が版表面へ付着することにより発生する印刷時の印刷物への欠点を改善することができる。
また、本発明の感光性樹脂層には、他の成分として、染料、顔料、界面活性剤、消泡剤、紫外線吸収剤、香料などを添加することができる。
本発明の感光性樹脂積層体の感光性樹脂層と接する第二中間層は、ケン化度70%以上の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを含有する。ケン化度が70%以上の部分ケン化ポリ酢酸ビニルは中性水で溶解するため、水系現像液で過剰な現像条件となったときに、感光性樹脂層より形成されたレリーフが水で膨潤した際に、第二中間層も水に膨潤、溶解するために、レリーフと中間層とが密着している部分に応力が集中しないため、レリーフの裾部が割れるという不具合が発生しなくなる。
本発明の第二中間層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルは、数平均重合度が300〜2000である。数平均重合度が300〜2000の範囲では、第二中間層を加工する際に、均一な厚みの第二中間層が得られる。
また、本発明の第二中間層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルは、数平均重合度が感光性樹脂層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルよりも大きいことが必要である。一般に、部分ケン化ポリ酢酸ビニルの水への溶解速度は、数平均重合度が大きくなると小さくなる。したがって、第二中間層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルの数平均重合度が感光性樹脂層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルの数平均重合度よりも大きいことで、第二中間層のほうが感光性樹脂層よりも溶解速度が小さくなり、水系現像液で過剰な現像条件となったときでも、第二中間層が完全に溶解してレリーフが支持体から剥がれることを抑制できる。第二中間層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルの数平均重合度が100以上大きいことが好ましく、500以上大きいことがより好ましい。
また、本発明の第二中間層は、反応性基を有する化合物を含まない。反応性基を有する化合物とは、ラジカル反応により架橋することができる官能基を含む化合物である。このような官能基としては非芳香族の不飽和炭素−炭素結合、中でもエチレン性二重結合が多く使用され、ビニル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。反応性基を有する化合物を含まないことで、第二中間層と感光性樹脂層とが反応性基を有する化合物により結合しないので、水系現像液で過剰な現像条件となり、感光性樹脂層により形成されたレリーフが水で膨潤したときに、第二中間層も水で膨潤するため中間層と密着している部分に応力が集中しにくく、レリーフの裾部が割れるという不具合が発生しない。
次に、本発明の感光性樹脂積層体について説明する。本発明の積層体は、少なくとも支持体、第一中間層、第二中間層、感光性樹脂層をこの順に有する。
支持体としては、ポリエステルなどのプラスチックシートやスチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴムシート、スチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属板を使用することができる。
支持体の厚さは特に限定されないが、取扱性、柔軟性の観点から100〜350μmの範囲が好ましい。100μm以上であれば支持体としての取扱性が向上し、350μm以下であれば印刷原版としての柔軟性が向上する。
支持体は、第一中間層との接着性を向上させる目的で、その表面にサンドブラストなどの機械的処理、コロナ放電などの物理的処理をしてもよい。
第一中間層は、第一中間層の成分を溶剤に溶解した第一中間層組成物溶液を、支持体上に流延、または塗布し、乾燥することによって形成することができる。同様に第二中間層は、第一中間層上に第二中間層の成分を溶剤に溶解した第二中間層組成物溶液を、支持体上に流延、または塗布し、乾燥することによって形成することが可能である。
感光性樹脂層は、感光性樹脂層の成分を溶剤に溶解した組成物溶液を流延し、乾燥することによって形成することができる。感光性樹脂層の厚さは、十分なレリーフ深度を有し印刷適性を向上させる観点から、0.3mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましい。一方、露光に用いられる活性光線を底部まで十分に到達させて画像再現性をより向上させる観点から、5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましい。
本発明の積層体は、表面保護、異物等の付着防止の観点から、感光性樹脂層上にカバーフィルムを有することが好ましい。感光性樹脂層はカバーフィルムと直接接していてもよいし、感光性樹脂層とカバーフィルムの間に1層または複数の層を有していてもよい。感光性樹脂層とカバーフィルムの間の層としては、例えば、感光性樹脂層表面の粘着を防止する目的で設けられる粘着防止層などが挙げられる。
カバーフィルムの材質は特に限定されないが、ポリエステル、ポリエチレンなどのプラスチックシートが好ましく使用される。カバーフィルムの厚さは特に限定されないが、10〜150μmの範囲が取扱性、コストの観点から好ましい。またカバーフィルム表面は、原画フィルムの密着性向上を目的として粗面化されていてもよい。
本発明の感光性樹脂積層体は、感光性樹脂層の上にさらに感熱マスク層を有してもよい。感熱マスク層は、紫外光を事実上遮断し、描画時には赤外レーザー光を吸収し、その熱により瞬間的に一部または全部が昇華または融除するものが好ましい。これによりレーザーの照射部分と未照射部分の光学濃度に差が生じ、従来の原画フィルムと同様の機能を果たすことができる。
ここで、紫外光を遮断する機能を有するというのは、感熱マスク層の光学濃度が2.5以上のことを指し、3.0以上であることがより好ましい。光学濃度は一般にDで表され、以下の式で定義される。D=log10(100/T)=log10(I0/I)(ここでTは透過率(%)、I0は透過率測定の際の入射光強度、Iは透過光強度である。)
光学濃度の測定には、入射光強度を一定にして透過光強度の測定値から算出する方法と、ある透過光強度に達するまでに必要な入射光強度の測定値から算出する方法が知られているが、本発明における光学濃度は前者の透過光強度から算出した値をいう。
光学濃度の測定には、入射光強度を一定にして透過光強度の測定値から算出する方法と、ある透過光強度に達するまでに必要な入射光強度の測定値から算出する方法が知られているが、本発明における光学濃度は前者の透過光強度から算出した値をいう。
光学濃度は、オルソクロマチックフィルターを用いてマクベス透過濃度計「TR−927」(コルモルゲンインスツルメンツ(Kollmorgen Instruments Corp.)社製)を用いることで測定することができる。
感熱マスク層の好ましい具体例としては、赤外線吸収物質を分散させた樹脂が挙げられる。赤外線吸収物質としては、赤外光を吸収して熱に変換し得る物質であれば、特に限定されるものではない。例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック等の黒色顔料、フタロシアニン、ナフタフロシアニン系の緑色顔料、ローダミン色素、ナフトキノン系色素、ポリメチン系染料、ジイモニウム塩、アゾイモニウム系色素、カルコゲン系色素、カーボングラファイト、鉄粉、ジアミン系金属錯体、ジチオール系金属錯体、フェノールチオール系金属錯体、メルカプトンフェノール系金属錯体、アリールアルミニウム金属塩類、結晶水含有無機化合物、硫酸銅、硫化クロム、珪酸塩化合物、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化タングステン等の金属酸化物、これらの金属の水酸化物、硫酸塩、さらにビスマス、スズ、テルル、鉄、アルミの金属粉などが挙げられる。
これらの中でも、光熱変換率、経済性、取り扱い性、および後述する紫外線吸収機能の面から、カーボンブラックが特に好ましい。バインダーとなる樹脂成分としては特に限定されないが、感熱マスク層の安定性や耐傷性の観点から熱硬化性樹脂が好ましく使用できる。
次に、本発明の積層体の製造方法について説明する。例えば、部分ケン化ポリ酢酸ビニルを、水/アルコール混合溶媒に加熱溶解した後に、エチレン性二重結合を有する化合物、光重合開始剤および必要に応じて可塑剤その他の添加剤等を添加し、撹拌して十分に混合し、感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層用組成物溶液を得る。
得られた組成物溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に流延し、乾燥製膜により感光性樹脂層を作製する。
次に、第一中間層の成分を溶剤中に加熱溶解し、撹拌して十分に混合し、第一中間層組成物溶液とした後、得られた第一中間層組成物溶液を、支持体上にバーコーターを用いて塗布、乾燥することによって、支持体/第一中間層からなる積層体を形成する。
さらに、第二中間層の成分を水/アルコール混合溶媒に加熱溶解し、撹拌して十分に混合し、第二中間層組成物溶液とし、これを支持体/第一中間層からなる積層体の第一中間層上にバーコーターを用いて塗布、乾燥することによって、支持体/第一中間層/第二中間層がこの順に積層された積層体を形成できる。
支持体/第一中間層/第二中間層により構成される積層体とカバーフィルムとで感光性樹脂層を挟み込むようにラミネートすることで、本発明の積層体を得る。
積層体が感熱マスク層を有する場合、感熱マスク層の形成方法は特に限定されないが、例えば、カーボンブラックを分散させた樹脂を適当な溶媒で溶解・希釈し、感光性樹脂層上に塗布して溶媒を乾燥することにより、感熱マスク層を形成することができる。また、前述のカーボンブラック溶液を一旦カバーフィルムに塗布し、感熱マスク層/カバーフィルムからなる積層体を形成してから、感熱マスク層/カバーフィルムからなる積層体と支持体/第一中間層/第二中間層により構成される積層体で感光性樹脂層を挟み込むようにラミネートすることでも積層体を形成することができる。
積層体が、感光性樹脂層と感熱マスク層との間に、感熱マスク層と感光性樹脂層との接着を最適化する目的で接着力調整層を有しても良い。接着力調整層を有する場合、接着力調整層の形成方法は特に限定されないが、薄膜形成の簡便さから、接着力調整層成分を溶媒に溶解した溶液を感熱マスク層上に塗布し、溶媒を除去する方法が特に好ましく行われる。溶媒の除去方法としては、例えば熱風乾燥、遠赤外線乾燥、自然乾燥などを挙げることができる。接着力調整層成分を溶解する溶媒は特に限定されないが、水やアルコール、または水とアルコールの混合物が好ましく使用される。水やアルコールを使用した場合、感熱マスク層が水不溶性であると、感熱マスク層上に塗布しても感熱マスク層が浸食を受けることがないため好ましい。
積層体は感熱マスク層とカバーフィルムとの間に剥離補助層を有することもできる。剥離補助層は、印刷版原版からカバーフィルムのみ、またはカバーフィルムおよび剥離補助層の両方を容易に剥離せしめる機能を有することが好ましい。剥離補助層の形成方法は特に限定されないが、薄膜形成の簡便さから、剥離補助層成分を溶媒に溶解した溶液をカバーフィルム上に塗布し、溶媒を除去する方法が特に好ましく行われる。溶媒の除去方法としては、例えば熱風乾燥、遠赤外線乾燥、自然乾燥などを挙げることができる。剥離補助層成分を溶解する溶媒は特に限定されないが、水やアルコール、または水とアルコールの混合物が好ましく使用される。
次に、本発明の積層体を用いた凸版印刷版の製造方法について説明する。
本発明の積層体より形成される凸版印刷版は、前述の凸版印刷版原版を露光および現像することにより得られる。
例えば、露光および現像することによって凸版印刷版を得る方法は、積層体が感熱マスク層を具備しない場合(以下アナログ版と呼ぶ)、カバーフィルムを具備する場合はこれを剥離し、感光性樹脂層である画像を形成する樹脂層上にネガティブまたはポジティブの原画フィルムを密着させ、紫外線照射することによって、感光性樹脂層を像様に光硬化させる。また、感光性樹脂層が感熱マスク層を具備するいわゆるCTP(コンピュータ・トゥ・プレート)版の場合は、カバーフィルムを剥離後、レーザー描画機を用いて原画フィルムに相当する像の描画を実施した後、紫外線照射することによって、感光性樹脂層を像様に光硬化させる。紫外線照射は、通常300〜400nmの波長を照射できる高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、カーボンアーク灯、ケミカル灯などを用いて行う。特に微細な細線、独立点の再現性が要求される場合は、カバーフィルムの剥離前に支持体側から短時間露光(裏露光)することも可能である。
次に、像様に光硬化させた感光性樹脂層を水系現像液に浸漬し、未硬化部分をブラシで擦りだして除去するブラシ式現像装置により基板上にレリーフ像を形成する。また、ブラシ式現像装置の他にスプレー式現像装置を使用することも可能である。現像時の液温は15〜40℃が好ましい。レリーフ像形成後、50〜70℃において10分間程度乾燥し、必要に応じてさらに大気中ないし真空中で活性光線処理して凸版印刷版を得ることができる。
以下、本発明を実施例で詳細に説明する。
<反応性基を側鎖に有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニルの合成>
合成例1:
日本合成化学工業(株)製の部分ケン化ポリ酢酸ビニル“KL−05”(数平均重合度約500、ケン化度80モル%)をアセトン中で膨潤させ、無水コハク酸1.0モル%を添加し、60℃で6時間撹拌して分子鎖にカルボキシル基を付加させた。このポリマーをアセトンで洗浄して未反応の無水コハク酸を除去乾燥した。酸価を測定したところ、10.0mgKOH/gであった。このポリマー100重量部をエタノール/水=30/70(重量比)の混合溶媒200重量部に80℃で溶解した。ここにグリシジルメタクリレートを6重量部添加して部分ケン化ポリ酢酸ビニル中に反応性基を導入した。ポリマー中のカルボキシル基がグリシジルメタクリレートのエポキシ基と反応しポリマー側鎖中にメタクロイル基が導入されたことを電位差滴定法による分析結果から確認し、反応性基を側鎖に有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニル1を得た。
合成例1:
日本合成化学工業(株)製の部分ケン化ポリ酢酸ビニル“KL−05”(数平均重合度約500、ケン化度80モル%)をアセトン中で膨潤させ、無水コハク酸1.0モル%を添加し、60℃で6時間撹拌して分子鎖にカルボキシル基を付加させた。このポリマーをアセトンで洗浄して未反応の無水コハク酸を除去乾燥した。酸価を測定したところ、10.0mgKOH/gであった。このポリマー100重量部をエタノール/水=30/70(重量比)の混合溶媒200重量部に80℃で溶解した。ここにグリシジルメタクリレートを6重量部添加して部分ケン化ポリ酢酸ビニル中に反応性基を導入した。ポリマー中のカルボキシル基がグリシジルメタクリレートのエポキシ基と反応しポリマー側鎖中にメタクロイル基が導入されたことを電位差滴定法による分析結果から確認し、反応性基を側鎖に有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニル1を得た。
合成例2:
日本合成化学工業(株)製の部分ケン化ポリ酢酸ビニル“KH−17”(数平均重合度約1700)、ケン化度80モル%)をアセトン中で膨潤させ、無水コハク酸1.0モル%を添加し、60℃で6時間撹拌して分子鎖にカルボキシル基を付加させた。このポリマーをアセトンで洗浄して未反応の無水コハク酸を除去乾燥した。酸価を測定したところ、10.0mgKOH/gであった。このポリマー100重量部をエタノール/水=30/70(重量比)の混合溶媒200重量部に80℃で溶解した。ここにグリシジルメタクリレートを6重量部添加して部分ケン化ポリ酢酸ビニル中に反応性基を導入した。ポリマー中のカルボキシル基がグリシジルメタクリレートのエポキシ基と反応しポリマー側鎖中にメタクロイル基が導入されたことを電位差滴定法による分析結果から確認し、反応性基を側鎖に有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニル2を得た。
日本合成化学工業(株)製の部分ケン化ポリ酢酸ビニル“KH−17”(数平均重合度約1700)、ケン化度80モル%)をアセトン中で膨潤させ、無水コハク酸1.0モル%を添加し、60℃で6時間撹拌して分子鎖にカルボキシル基を付加させた。このポリマーをアセトンで洗浄して未反応の無水コハク酸を除去乾燥した。酸価を測定したところ、10.0mgKOH/gであった。このポリマー100重量部をエタノール/水=30/70(重量比)の混合溶媒200重量部に80℃で溶解した。ここにグリシジルメタクリレートを6重量部添加して部分ケン化ポリ酢酸ビニル中に反応性基を導入した。ポリマー中のカルボキシル基がグリシジルメタクリレートのエポキシ基と反応しポリマー側鎖中にメタクロイル基が導入されたことを電位差滴定法による分析結果から確認し、反応性基を側鎖に有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニル2を得た。
<塩基性窒素を有するポリアミドの合成>
合成例3:
ε−カプロラクタム10重量部、N−(2−アミノエチル)ピペラジンとアジピン酸のナイロン塩90重量部および水100重量部をステンレス製オートクレーブに入れ、内部の空気を窒素ガスで置換した後に180℃で1時間加熱し、ついで水分を除去して水溶性ポリアミド樹脂である塩基性窒素を有するポリアミド1を得た。
合成例3:
ε−カプロラクタム10重量部、N−(2−アミノエチル)ピペラジンとアジピン酸のナイロン塩90重量部および水100重量部をステンレス製オートクレーブに入れ、内部の空気を窒素ガスで置換した後に180℃で1時間加熱し、ついで水分を除去して水溶性ポリアミド樹脂である塩基性窒素を有するポリアミド1を得た。
<重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物>
重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物としては表1に記載のものを使用した。
重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物としては表1に記載のものを使用した。
<支持体/第一中間層/第二中間層の積層体1の作製>
“バイロン”(登録商標)31SS(非晶性ポリエステル樹脂のトルエン溶液、東洋紡績(株)製)260重量部および“PS−8A”(ベンゾインエチルエーテル、和光純薬工業(株)製)2重量部の混合物を70℃で2時間加熱後30℃に冷却し、エチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート7重量部を加えて2時間混合した。さらに、“コロネート”(登録商標)3015E(多価イソシアネート樹脂の酢酸エチル溶液、日本ポリウレタン工業(株)製)25重量部および“EC−1368”(工業用接着剤、住友スリーエム(株)製)14重量部を添加して混合し、第1中間層用組成物溶液1を得た。
“バイロン”(登録商標)31SS(非晶性ポリエステル樹脂のトルエン溶液、東洋紡績(株)製)260重量部および“PS−8A”(ベンゾインエチルエーテル、和光純薬工業(株)製)2重量部の混合物を70℃で2時間加熱後30℃に冷却し、エチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート7重量部を加えて2時間混合した。さらに、“コロネート”(登録商標)3015E(多価イソシアネート樹脂の酢酸エチル溶液、日本ポリウレタン工業(株)製)25重量部および“EC−1368”(工業用接着剤、住友スリーエム(株)製)14重量部を添加して混合し、第1中間層用組成物溶液1を得た。
次に日本合成化学工業(株)製の部分ケン化ポリ酢酸ビニル“KH−17”(数平均重合度約1700、ケン化度80モル%)45重量部を“ソルミックス”(登録商標)H−11(アルコール混合物、日本アルコール(株)製)200重量部および水200重量部の混合溶媒中70℃で2時間混合し、第二中間層用組成物溶液1を得た。
厚さ250μmの“ルミラー”(登録商標)T60(ポリエステルフィルム、東レ(株)製)上に第一中間層用組成物溶液1を乾燥後膜厚が30μmになるようにバーコーターで塗布し、180℃のオーブンで3分間加熱して溶媒を除去した後、その上に第二中間層用組成物溶液1を乾燥膜厚が5μmとなるようにバーコーターで塗布し、160℃のオーブンで3分間加熱して、支持体/第一中間層/第二中間層からなる積層体1を得た。
<支持体/第一中間層/第二中間層の積層体2の作製>
日本合成化学工業(株)製の部分ケン化ポリ酢酸ビニル“KL−05”(数平均重合度約500、ケン化度80モル%)45重量部を“ソルミックス”(登録商標)H−11(アルコール混合物、日本アルコール(株)製)200重量部および水200重量部の混合溶媒中70℃で2時間混合し、第二中間層用組成物溶液2を得た。
日本合成化学工業(株)製の部分ケン化ポリ酢酸ビニル“KL−05”(数平均重合度約500、ケン化度80モル%)45重量部を“ソルミックス”(登録商標)H−11(アルコール混合物、日本アルコール(株)製)200重量部および水200重量部の混合溶媒中70℃で2時間混合し、第二中間層用組成物溶液2を得た。
積層体1と同様に第一中間層を形成した後に、第二中間層用組成物溶液2を乾燥膜厚が5μmとなるようにバーコーターで塗布し、160℃のオーブンで3分間加熱して、支持体/第一中間層/第二中間層からなる積層体2を得た。
<支持体/第一中間層/第二中間層の積層体3の作製>
“ゴーセノール”(登録商標)KH−17(数平均重合度約1700、ケン化度80モル%のポリビニルアルコール、日本合成化学工業(株)製)50重量部を“ソルミックス”(登録商標)H−11(アルコール混合物、日本アルコール(株)製)200重量部および水200重量部の混合溶媒中70℃で2時間混合した後、“ブレンマー”(登録商標)G(グリシジルメタクリレート、日本油脂(株)製)1.5重量部を添加して1時間混合し、さらに(ジメチルアミノエチルメタクリレート)/(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)重量比2/1の共重合体(共栄社化学(株)製)3重量部、“イルガキュア”(登録商標)651(ベンジルメチルケタール、チバ・ガイギー(株)製)5重量部、“エポキシエステル70PA”(プロピレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、共栄社化学(株)製)21重量部およびエチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート20重量部を添加して90分間混合し、50℃に冷却後、“メガファック F−470”(DIC(株)製)を0.1重量部添加して30分間混合して第二中間層用組成物溶液3を得た。積層体1と同様に第一中間層を形成した後に、第二中間層用組成物溶液3を乾燥膜厚が5μmとなるようにバーコーターで塗布し、160℃のオーブンで3分間加熱して、支持体/第一中間層/第二中間層からなる積層体3を得た。
“ゴーセノール”(登録商標)KH−17(数平均重合度約1700、ケン化度80モル%のポリビニルアルコール、日本合成化学工業(株)製)50重量部を“ソルミックス”(登録商標)H−11(アルコール混合物、日本アルコール(株)製)200重量部および水200重量部の混合溶媒中70℃で2時間混合した後、“ブレンマー”(登録商標)G(グリシジルメタクリレート、日本油脂(株)製)1.5重量部を添加して1時間混合し、さらに(ジメチルアミノエチルメタクリレート)/(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)重量比2/1の共重合体(共栄社化学(株)製)3重量部、“イルガキュア”(登録商標)651(ベンジルメチルケタール、チバ・ガイギー(株)製)5重量部、“エポキシエステル70PA”(プロピレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、共栄社化学(株)製)21重量部およびエチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート20重量部を添加して90分間混合し、50℃に冷却後、“メガファック F−470”(DIC(株)製)を0.1重量部添加して30分間混合して第二中間層用組成物溶液3を得た。積層体1と同様に第一中間層を形成した後に、第二中間層用組成物溶液3を乾燥膜厚が5μmとなるようにバーコーターで塗布し、160℃のオーブンで3分間加熱して、支持体/第一中間層/第二中間層からなる積層体3を得た。
<アナログ版用のカバーフィルム1の作製>
表面粗さRaが0.1〜0.6μmとなるように粗面化された厚さ100μmの“ルミラー”S10(ポリエステルフィルム、東レ(株)製)に、“ゴーセノール”AL−06(ケン化度91〜94モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール、日本合成化学工業(株)製)を乾燥膜厚が1μmとなるように塗布し、100℃で25秒間乾燥し、アナログ版用のカバーフィルム1を得た。
表面粗さRaが0.1〜0.6μmとなるように粗面化された厚さ100μmの“ルミラー”S10(ポリエステルフィルム、東レ(株)製)に、“ゴーセノール”AL−06(ケン化度91〜94モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール、日本合成化学工業(株)製)を乾燥膜厚が1μmとなるように塗布し、100℃で25秒間乾燥し、アナログ版用のカバーフィルム1を得た。
<感光性樹脂層用組成物溶液1の調整>
撹拌用ヘラおよび冷却管を取り付けた3つ口フラスコ中に、表2に示すポリマー成分を添加し、“ソルミックス”(登録商標)H−11(アルコール混合物、日本アルコール(株)製)50重量部および水50重量部の混合溶媒を混合した後、撹拌しながら90℃2時間加熱し、ポリマー成分を溶解させた。70℃に冷却した後、その他の成分を添加し、30分撹拌し、画像を形成する感光性樹脂層用組成物溶液1を得た。
撹拌用ヘラおよび冷却管を取り付けた3つ口フラスコ中に、表2に示すポリマー成分を添加し、“ソルミックス”(登録商標)H−11(アルコール混合物、日本アルコール(株)製)50重量部および水50重量部の混合溶媒を混合した後、撹拌しながら90℃2時間加熱し、ポリマー成分を溶解させた。70℃に冷却した後、その他の成分を添加し、30分撹拌し、画像を形成する感光性樹脂層用組成物溶液1を得た。
<感光性樹脂層1の作製>
ポリエステルフィルム上に、ある間隔で所定の厚みのスペーサーを置き、スペーサー間に感光性樹脂層用組成物溶液1を流延させ、スキージを行い、次いで60℃で2時間乾燥した後、フィルムを剥がすことで厚さ650μmの感光性樹脂層1を得た。 感光性樹脂層2については、表2に示す成分を用い、感光性樹脂層1と同様に作製した。
ポリエステルフィルム上に、ある間隔で所定の厚みのスペーサーを置き、スペーサー間に感光性樹脂層用組成物溶液1を流延させ、スキージを行い、次いで60℃で2時間乾燥した後、フィルムを剥がすことで厚さ650μmの感光性樹脂層1を得た。 感光性樹脂層2については、表2に示す成分を用い、感光性樹脂層1と同様に作製した。
[評価方法]
各実施例および比較例における評価は、次の方法で行った。
各実施例および比較例における評価は、次の方法で行った。
(1)凸版印刷版の画像再現性の評価
10cm×10cmの感光性印刷原版からカバーフィルム1のポリエステルフィルムのみを剥離し(剥離後の感光性印刷原版の最表面は乾燥膜厚1μmの部分ケン化ポリビニルアルコール層)、感度測定用グレースケールネガフィルムおよび画像再現性評価用ネガフィルム(150線4%網点)を真空密着させ、ケミカル灯FL20SBL−360 20ワット(三菱電機オスラム(株)製)でグレースケール感度16±1段となる条件で露光した(主露光)。その後、現像液温25℃のブラシ式現像装置により現像し、60℃で10分間乾燥した後、さらにケミカル灯FL20SBL−360 20ワット(三菱電機オスラム(株)製)で主露光と同条件で後露光し、画像再現性評価用印刷版を得た。
10cm×10cmの感光性印刷原版からカバーフィルム1のポリエステルフィルムのみを剥離し(剥離後の感光性印刷原版の最表面は乾燥膜厚1μmの部分ケン化ポリビニルアルコール層)、感度測定用グレースケールネガフィルムおよび画像再現性評価用ネガフィルム(150線4%網点)を真空密着させ、ケミカル灯FL20SBL−360 20ワット(三菱電機オスラム(株)製)でグレースケール感度16±1段となる条件で露光した(主露光)。その後、現像液温25℃のブラシ式現像装置により現像し、60℃で10分間乾燥した後、さらにケミカル灯FL20SBL−360 20ワット(三菱電機オスラム(株)製)で主露光と同条件で後露光し、画像再現性評価用印刷版を得た。
得られた印刷版について、以下の方法で網点を評価した。
網点:1cm×1cmの領域に形成された150線4%の網点を倍率20倍の拡大鏡を用いて観察し、ネガを密着した位置に網点が再現しているかどうかを以下の点数基準で判定し、4点以上であれば合格とした。
5:欠けなし
4:最外周部エリアの網点に欠けが見られる
3:最外周部および最外周から2列目のエリアに欠けが見られる
2:最外周から3列目を含む内部のエリアに欠けが見られる
1:全網点エリアの20%以上の面積に欠けが見られる。
5:欠けなし
4:最外周部エリアの網点に欠けが見られる
3:最外周部および最外周から2列目のエリアに欠けが見られる
2:最外周から3列目を含む内部のエリアに欠けが見られる
1:全網点エリアの20%以上の面積に欠けが見られる。
(2)過剰現像時の影響評価
10cm×10cmの感光性凸版印刷原版からカバーフィルム1のポリエステルフィルムのみを剥離し(剥離後の感光性印刷原版の最表面は乾燥膜厚1μmの部分ケン化ポリビニルアルコール層)、感度測定用グレースケールネガフィルムおよび過剰現像時の影響評価用ネガフィルム(5pt文字、1cm×1cmのベタ)を真空密着させ、ケミカル灯FL20SBL−360 20ワット(三菱電機オスラム(株)製)でグレースケール感度16±1段となる条件で露光した(主露光)。その後、現像液温25℃のブラシ式現像装置で中間層が露出するまで現像し、中間層が露出した後、さらに1分間現像した。得られた印刷版について、5pt文字、1cm×1cmのベタ部のレリーフの裾が割れていないか、レリーフが浮いていないかについて20倍の拡大鏡にて観察し、評価した。レリーフ割れについては、割れ発生の有無で判定し、浮きについては、以下の基準で判定を行い、3点を合格とした。
3:レリーフの剥がれや浮きが無い。
2:レリーフに剥がれがないが、裾部がえぐれた形状になっている。
1:レリーフに浮きが見られる
実施例1
<印刷版原版1の製造>
感光性樹脂層の片側にエタノールを塗布し、積層体1の第二中間層側に圧着した。このようにして得られた積層体上の画像を形成する樹脂層上に水/エタノール=50/50(重量比)の混合溶剤を塗布し、アナログ版用のカバーフィルム1を圧着し、印刷版原版1を得た。得られた印刷版原版を用いて、評価方法に従って評価した。評価結果を表3に示す。
10cm×10cmの感光性凸版印刷原版からカバーフィルム1のポリエステルフィルムのみを剥離し(剥離後の感光性印刷原版の最表面は乾燥膜厚1μmの部分ケン化ポリビニルアルコール層)、感度測定用グレースケールネガフィルムおよび過剰現像時の影響評価用ネガフィルム(5pt文字、1cm×1cmのベタ)を真空密着させ、ケミカル灯FL20SBL−360 20ワット(三菱電機オスラム(株)製)でグレースケール感度16±1段となる条件で露光した(主露光)。その後、現像液温25℃のブラシ式現像装置で中間層が露出するまで現像し、中間層が露出した後、さらに1分間現像した。得られた印刷版について、5pt文字、1cm×1cmのベタ部のレリーフの裾が割れていないか、レリーフが浮いていないかについて20倍の拡大鏡にて観察し、評価した。レリーフ割れについては、割れ発生の有無で判定し、浮きについては、以下の基準で判定を行い、3点を合格とした。
3:レリーフの剥がれや浮きが無い。
2:レリーフに剥がれがないが、裾部がえぐれた形状になっている。
1:レリーフに浮きが見られる
実施例1
<印刷版原版1の製造>
感光性樹脂層の片側にエタノールを塗布し、積層体1の第二中間層側に圧着した。このようにして得られた積層体上の画像を形成する樹脂層上に水/エタノール=50/50(重量比)の混合溶剤を塗布し、アナログ版用のカバーフィルム1を圧着し、印刷版原版1を得た。得られた印刷版原版を用いて、評価方法に従って評価した。評価結果を表3に示す。
比較例1〜4
感光性樹脂層、積層体を表3に示すものを使用する以外は実施例1と同様にして印刷版原版を作製し、評価した。評価結果を表3に示す。
感光性樹脂層、積層体を表3に示すものを使用する以外は実施例1と同様にして印刷版原版を作製し、評価した。評価結果を表3に示す。
Claims (3)
- 支持体、第一中間層、第二中間層、感光性樹脂層をこの順に有する感光性樹脂積層体であって、感光性樹脂層にケン化度70%以上、数平均重合度が300〜2000である部分ケン化ポリ酢酸ビニルを含み、第二中間層にケン化度70%以上、数平均重合度が300〜2000である部分ケン化ポリ酢酸ビニルを含み、第二中間層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルが、感光性樹脂層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルよりも数平均重合度が大きい部分ケン化ポリ酢酸ビニルであり、第二中間層に反応性基を有する化合物を含有しないことを特徴とする感光性樹脂積層体。
- 感光性樹脂層に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニルが、反応性基を側鎖に有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニルであることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂積層体。
- 請求項1または2に記載の感光性樹脂積層体を用いた感光性樹脂印刷版原版。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014032515A JP2015158551A (ja) | 2014-02-24 | 2014-02-24 | 感光性樹脂積層体および感光性樹脂印刷版原版 |
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
WO2017038970A1 (ja) * | 2015-09-03 | 2017-03-09 | 東レ株式会社 | 感光性樹脂印刷版原版および印刷版の製造方法 |
-
2014
- 2014-02-24 JP JP2014032515A patent/JP2015158551A/ja active Pending
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WO2017038970A1 (ja) * | 2015-09-03 | 2017-03-09 | 東レ株式会社 | 感光性樹脂印刷版原版および印刷版の製造方法 |
US10583679B2 (en) | 2015-09-03 | 2020-03-10 | Toray Industries, Inc. | Photosensitive resin printing plate precursor and method of manufacturing printing plate |
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