JP7243098B2 - 感光性ctpフレキソ印刷原版 - Google Patents

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Description

本発明は、コンピュータ製版技術により凸版印刷版を製造するために使用される感光性CTPフレキソ印刷原版に関する。本発明は、特に、バリヤ層が感光性樹脂層との密着経時安定性に優れ、得られる印刷版の網点再現性に優れるバリヤ層を設けたCTPフレキソ印刷原版に関する。
近年、フレキソ印刷の分野において、デジタル画像形成技術として知られるコンピュータ製版技術(Computer to Plate、CTP技術)は、極めて一般的なものになってきている。CTP技術は、コンピュータ上で処理された情報を印刷原版上に直接出力してレリーフとなる凹凸パターンを得る方法である。この技術により、ネガフィルムの製造工程が不要となり、コストとネガ作成に必要な時間を削減できる。
CTP技術では、光重合すべきでない領域を覆うために、従来から用いられているネガフィルムが印刷版内で形成統合されるマスクに取って代えられる。この統合マスクを得る方法として、感光性樹脂層上に化学線に対して不透明な感熱マスク層(感赤外線層)を設け、赤外線レーザでこの感熱マスク層を蒸発させることにより画像マスクを形成する方法が広く使用されている。
感熱マスク層には、放射線不透明材料であるカーボンブラックとバインダーよりなるものが一般的に使われている。感熱マスク層は、赤外線レーザによりアブレーションされるものであり、より薄い層が、アブレーション効率の点から好ましい。また、薄膜であるほどレリーフに与える皺の影響も少ない。ただし、感熱マスク層は、光重合層に対する化学放射線の透過を阻止するために、一般的に2.0以上の透過光学濃度(遮光性)が求められる。
特許文献1の感光性フレキソCTP印刷原版は、感光性樹脂層、保護層、感熱マスク層から構成されており、保護層は、バリヤ層とも呼ばれる。感光性樹脂層と感熱マスク層との間に配置されるバリヤ層は、感光性樹脂層と感熱マスク層の間の物質移動を防ぐ働きと、大気中の酸素による感光性樹脂層の重合阻害を防ぐ働きを有しており、重要な役割を果たす。
特許文献2には、ポリビニルアルコール(PVA)と合成ゴム系エマルジョン化合物とを含有するバリヤ層(保護層)が開示されているが、バリヤ層が感光性樹脂層との密着経時安定性の悪いものであった。つまり、特許文献2は高温高湿度下での長期保存時によって感光性樹脂層の低分子量成分が移行し、感光性樹脂層とバリヤ層との間で密着性が低下することで剥離する問題が発生していた。
一方、最近、微細な文字に対する要望が厳しくなっている。特許文献1のフレキソ印刷原版では、保護層には感光層と実質的に非相溶の物質が単独で使用されており酸素遮断性が非常に高いために、レリーフの文字サイズは本来の画像に相当する感熱マスク層の開口部サイズ(赤外線レーザによりアブレーションされた開口部のサイズ)よりも大きくなった。その結果、本来の印刷デザインよりも太った暗いハイライトの印刷物できなかった。又、特許文献3のフレキソ印刷原版では、保護層を使用していないために、レリーフサイズは感熱マスク層の開口サイズよりも大幅に小さくなるが、微細な網点はレリーフのエッジが丸みを帯びた形状(ラウンドトップ)となる。その結果、レリーフエッジが丸みを帯びているため、僅かに印刷版への圧力(印圧)を加えた印刷条件であっても太った暗いハイライトの印刷物となる印刷品位の低下が起こっていた。このように、微細な文字レリーフが本来のデザインと同一となるフレキソ印刷原版が得られていない問題があった。このような状況から優れた印刷品位を得るためにレリーフの文字サイズはCTPマスク層開口サイズ(赤外線レーザによりアブレーションされた開口部のサイズ)と同一となる画像再現性が求められていた。
従って、高温高湿度下に長期保存しても感光性樹脂層とバリヤ層との間で界面剥離を起こさない密着性とレリーフの文字サイズはCTPマスク層開口サイズと同一となる画像再現性が得られる高品質な感光性CTPフレキソ印刷原版が強く望まれている。
特表平7-506201号公報 特開2013-156495 特許第2916408号
本発明は、上記従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は、高温高湿度環境下で長期保存しても感光性樹脂層とバリヤ層との間で界面剥離がなく、得られる微細な文字レリーフがCTPマスク層開口サイズと同一となる画像再現性を有する高品質な感光性CTPフレキソ印刷原版を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究を行った結果、分子内に塩基性窒素原子を含有するポリアミド樹脂(A)、及び分子内にアルキレングリコール構造単位を特定の割合で含有するポリアミド樹脂(B)という二種類の特定のポリアミド樹脂をポリアミド樹脂(B)がバリヤ層中に10質量%以上25質量%未満の範囲で含有させることによって、高温高湿度下に長期保存しても感光性樹脂層とバリヤ層との間で界面剥離を起こさない密着性とレリーフの文字サイズはCTPマスク層開口サイズと同一となる画像再現性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の(1)~(3)の構成を有するものである。
(1)少なくとも支持体、感光性樹脂層、バリヤ層、及び感熱マスク層が順次積層されてなる感光性凸版印刷原版であって、バリヤ層が、分子内に塩基性窒素原子を含有するポリアミド樹脂(A)と、分子内にアルキレングリコール構造単位を40~70質量%含有するポリアミド樹脂(B)とを含有し、且つポリアミド樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)の合計量に対するポリアミド樹脂(B)の含有量が全ポリアミド樹脂中に10質量%以上25質量%未満を含有することを特徴とする水現像可能な感光性CTPフレキソ印刷原版。
(2)ポリアミド樹脂(B)が、ポリエーテルアミド又はポリエーテルエステルアミドであり、アルキレングリコール構造単位が、数平均分子量400~1000のポリエチレングリコール又はポリエチレングリコール共重合体に由来することを特徴とする(1)の水現像可能な感光性CTPフレキソ印刷原版
(3)ポリアミド樹脂(A)が、ピペラジン環を分子内に含有するポリアミドであることを特徴とする(1)又は(2)の水現像可能な感光性CTPフレキソ印刷原版。
本発明は、上記従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は、高温高湿度環境下で長期保存しても感光性樹脂層とバリヤ層との間で界面剥離がなく、微細な文字レリーフが赤外線レーザによりアブレーションされたCTPマスク層開口サイズと同一となる画像再現性が得られる高品質な感光性CTPフレキソ印刷原版を提供することができる。
以下、本発明のフレキソ印刷原版を詳細に説明する。
本発明のフレキソ印刷原版は、少なくとも支持体、感光性樹脂層、バリヤ層、及び感熱マスク層が順次積層された基本構成を有する。
本発明のフレキソ印刷原版に使用される支持体は、可撓性であるが、寸法安定性に優れた材料が好ましく、例えばスチール、アルミニウム、銅、ニッケルなどの金属製支持体、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、またはポリカーボネートフィルムなどの熱可塑性樹脂製支持体を使用することができる。これらの中でも、寸法安定性に優れ、充分に高い粘弾性を有するポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。支持体の厚みは、機械的特性、形状安定化あるいは印刷版製版時の取り扱い性等から、50~350μm、好ましくは100~250μmが望ましい。また、必要により、支持体と感光性樹脂層との接着性を向上させるために、それらの間に接着剤を設けても良い。
本発明のフレキソ印刷原版に使用される感光性樹脂層は、合成高分子化合物、光重合性不飽和化合物、及び光重合開始剤の必須成分と、可塑剤、熱重合防止剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、香料、又は酸化防止剤などの任意の添加剤とを含有するものである。
本発明のフレキソ印刷原版に使用されるバリヤ層は、光硬化していない感光性樹脂層の柔軟性が高い場合にその効果が発揮される。柔軟性の評価は、押し込み変位量で評価できる。柔軟性が高い感光性樹脂層としては、例えば高分子化合物としてラテックスより得られる水分散性重合体を含有する感光性樹脂層を挙げることができる。
水分散性重合体を得ることが可能なラテックスとしては、ポリブタジエンラテックス、天然ゴムラテックス、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ラテックス、ポリクロロプレンラテックス、ポリイソプレンラテックス、ポリウレタンラテックス、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体ラテックス、ビニルピリジン重合体ラテックス、ブチル重合体ラテックス、チオコール重合体ラテックス、アクリレート重合体ラテックスなどの水分散ラテックス重合体や、これらの重合体にアクリル酸やメタクリル酸などの他の成分を共重合して得られる重合体が挙げられる。これらの中でも、分子鎖中にブタジエン骨格またはイソプレン骨格を含有する水分散ラテックス重合体が、硬度やゴム弾性の点から好ましく用いられる。具体的には、ポリブタジエンラテックス、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体ラテックス、ポリイソプレンラテックスが好ましい。ラテックスより得られる重合体は、独立した微粒子として光重合性不飽和化合物中に存在することが好ましい。
本発明のフレキソ印刷原版に使用される感光性樹脂層は、合成高分子化合物として水現像性を低下させない範囲で室温で固形の合成ゴムを含有しても良い。具体的な合成ゴムとしては、ブタジエンゴム、ニトリル・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン・イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴムから選ばれる高分子量の合成ゴムである。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併合して用いてもよい。この中でも、ブタジエンゴム、ニトリル・ブタジエンゴムが好ましく、ブタジエンゴムが最も好ましい。また、共役ジエン系ゴム成分の水分散ラテックスから得られる疎水性重合体とゴムとが、それぞれ共通の骨格構造を有することが好ましい。これにより、感光性樹脂層の機械的強度が向上し、耐刷性を備えた印刷版を得ることができる。感光性樹脂層を構成する感光性樹脂組成物中の共役ジエン系ゴム成分の配合量は、好ましくは1~10質量%、さらに好ましくは1~7質量%である。
感光性樹脂組成物には、柔軟性を付与するなどの目的で可塑剤を添加することができる。可塑剤の配合量は、0.1~30質量%であることが好ましい。より好ましくは5~20質量%である。配合量を上記の範囲とすることで、感光性樹脂組成物の強度を保ちつつ柔軟性を付与できる。
可塑剤としては、一般的に版材を柔軟化する性質を有するものであれば特に限定されるものではないが、他成分と相溶性が良好なものが好ましい。具体的には、室温で液状のポリエン化合物やエステル結合を有する化合物が挙げられる。室温で液状のポリエン化合物としては、液状のポリブタジエン、ポリイソプレン、さらにそれらの末端基あるいは側鎖を変性したマレイン化物、エポキシ化物などが挙げられる。エステル結合を有する化合物としては、フタル酸エステル、リン酸エステル、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、分子量1000~3000のポリエステル等が挙げられる。
本発明の感光性CTPフレキソ印刷原版は、感光性樹脂層と感熱マスク層との間に、分子内に塩基性窒素原子を含有するポリアミド樹脂(A)と、分子内にアルキレングリコール構造単位を40~70質量%含有するポリアミド樹脂(B)とを含有するバリヤ層を設け、且つポリアミド樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)の合計量に対するポリアミド樹脂(B)の含有量が全ポリアミド樹脂中に10質量%以上25質量%未満を含有することを最大の特徴とする。このような二種類の特定のポリアミド樹脂中のポリアミド樹脂(B)の含有率が低いバリヤ層を設けることで、高温高湿度環境下で長期保存しても感光性樹脂層とバリヤ層との間で剥離がなく、微細な文字レリーフが赤外線レーザによりアブレーションされたCTPマスク層開口サイズと同一となる画像再現性が得られる高品質な感光性CTPフレキソ印刷原版を提供することができる。
分子内に塩基性窒素原子を含有するポリアミド樹脂(A)とは、主鎖または側鎖の一部分に塩基性窒素原子を含有するポリアミド樹脂である。塩基性窒素原子とは、アミド基ではないアミノ基を構成する窒素原子である。そのようなポリアミドとしては、第3級窒素原子を主鎖中に有するポリアミドが好ましい。塩基性窒素原子を含有するポリアミド樹脂(A)としては、例えば、塩基性窒素原子を含むジアミンとして、ピペラジン環を有するジアミンやメチルイミノビスプロピルアミン等の塩基性窒素原子を含むジアミンをジアミン成分として用いて共重合することにより得られるポリアミドである。ポリアミド樹脂(A)は、水溶性であることが好ましい。水溶性の面から、ポリアミド樹脂(A)は、ピペラジン環を有するジアミンを用いることが特に好ましい。ピペラジン環を有するジアミンとしては、1,4-ビス(3-アミノエチル)ピペラジン、1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジン、N-(2-アミノエチル)ピペラジンなどが挙げられる。また、ポリアミド樹脂(A)は物性面より一部に塩基性窒素原子を含有しないジアミン、ジカルボン酸やアミノカルボン酸等の原料を用いて共重合しても良い。分子内に塩基性窒素原子を含有するポリアミド樹脂を得る方法は、例えば特開昭50-7605号公報に開示されている。
分子内にアルキレングリコール構造単位を40~70質量%含有するポリアミド樹脂(B)とは、共重合ポリアミド中に6-ナイロン及び/又は66-ナイロンを60~30質量%含有し、且つアルキレングリコール構造単位を40~70質量%含有するポリアミド樹脂である。アルキレングリコール構造単位としては、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール共重合体に由来するものが好ましく、特にポリエチレングリコールに由来するものが水現像性の面から好ましい。ポリエチレングリコール共重合体としては、ポリエチレングリコールの含有率が50質量%以上の共重合体であり、共重合する成分としてポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。アルキレングリコール構造単位の含有率は、好ましくは40~65質量%である。アルキレングリコール構造単位の含有率が上記の範囲内であれば、ポリエーテル結合の量を適度に含有しているため、バリヤ層のコート性やCTPマスク層開口サイズに対する画像再現性に優れる。アルキレングリコール構造単位の由来するポリエチレングリコールやポリエチレングリコール共重合体の数平均分子量としては、バリヤ層の膜物性とガラス転移点の面から400~1000が好ましく、400~800がより好ましい。また、水溶性を向上させるためにポリアミド樹脂(B)の分子中に塩基性窒素原子を含有させても良い。
分子内にアルキレングリコール構造単位を含有するポリアミド樹脂(B)としては、ポリエーテルアミド又はポリエーテルエステルアミドが使用できるが、耐加水分解性の面よりポリエーテルアミドが好ましい。ポリエーテルアミドは、特開昭55-79437号公報に従って合成することができる。具体的には、ポリエチレングリコールの両末端にアクリロニトリルを付加し、これを水素還元して得たα,ω-ジアミノポリオキシエチレンをジアミン成分として用いることでポリエーテルアミドを合成することができる。一方、ポリエーテルエステルアミドは、ポリエチレングリコールを原料として用い、エステル結合によりポリエチレングリコールを分子内に導入するという一般的な方法で合成できる。
本発明では、分子内に塩基性窒素原子を含有するポリアミド樹脂(A)は、バリヤ層に水溶性又は水分散性を付与すると共にバリヤ層に適度な硬度を付与する役割を有する。一方、分子内にアルキレングリコール構造単位を40~70質量%含有するポリアミド樹脂(B)は、アルキレングリコール構造単位中のポリエーテル結合の存在により、適度な酸素バリヤ性を有し、印刷版の画像再現性を良好なものにする。つまり、微細な文字レリーフがCTPマスク層開口サイズ(赤外線レーザによりアブレーションされた開口部のサイズ)と同一となる優れた画像再現性が得られる。
バリヤ層中のポリアミド樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)の合計量に対するポリアミド樹脂(B)の含有量は、10質量%以上25質量%未満であり、好ましくは15質量%~20質量%未満の範囲である。ポリアミド樹脂(B)の含有率が10質量%以上25質量%未満の範囲にあることにより、本発明の画像再現性に対して適度な酸素バリヤ性が得られ、又、感光性樹脂層成分とのなじみが悪くなることから高温高湿度環境下で長期保存しても感光性樹脂層成分が移行することはなく、感光性樹脂層とバリヤ層との間で界面剥離は発生しない。
バリヤ層は、性能に悪影響を及ぼさない範囲で添加剤を含有しても良い。添加剤としては、可塑剤、各種安定剤などが挙げられる。また、バリヤ層の欠点を低減するために性能に悪影響を及ぼさない範囲で、消泡剤やレベリング剤等の添加剤を配合しても良い。
消泡剤としては、メタノール、エタノール、ブタノールなど低級アルコール系消泡剤、シリコーン系消泡剤、鉱物油系消泡剤、トリブチルホスフェート、オレイン酸などの有機極性化合物系消泡剤、ポリプロピレングリコール誘導体などのポリエーテル系消泡剤などが挙げられる。その使用量は、バリヤ層の質量に対して通常、5質量%以下である。
レベリング剤としては、アクリル系レベリング剤、ビニルエーテル系レベリング剤、シ
リコーン系レベリング剤、フッ素-ケイ素系レベリング剤、アセチレングリコール系レベ
リング剤等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることが
できる。このようなレベリング剤の中でも、アクリル系レベリング剤、ビニルエーテル系レベリング剤、アセチレングリコール系レベリング剤を用いることが好ましい。これにより、得られるバリヤ層の表面を、より平坦化することができる。
一般的には、バリヤ層は2種類の機能を有していると考えられてきた。1つは、隣接する感光性樹脂層あるいは感熱マスク層との間で物質が移動することを防ぐ『層間バリヤ性』が挙げられる。もう1つは、感光性樹脂層に向かってマスクを介して活性光線を全面照射する際の重合阻害を防ぐ『酸素バリヤ性』が挙げられる。『酸素バリヤ性』が最適化することで、高温高湿度下に長期保存しても感光性樹脂層とバリヤ層との間で剥離を起こさない密着性とレリーフの文字サイズが赤外線レーザによりアブレーションされたCTPマスク層開口サイズと同一となる画像再現性を得られるかどうかが重要である。
本発明において、レリーフの文字サイズがCTPマスク層開口サイズと同一とは、感熱マスク層に形成した画像(ネガフィルムと同じ)と比較して、感熱マスク層が独立点として直径200μの点を形成した点に対して得られた印刷版が190μm~210μmの範囲内である場合を示す。CTPマスク層開口サイズの評価はCTPマスク層開口サイズ再現性として評価した。
本発明のフレキソ印刷原版で使用される感熱マスク層は、赤外線レーザーを吸収して熱に変換する機能と紫外光を遮断する機能を有する材料であるカーボンブラックと、その分散バインダーと、被膜形成可能なバインダーポリマーとから構成される。分散バインダーと被膜形成可能なバインダーポリマーとは、兼用することもできる。また、これら以外の任意成分として、顔料分散剤、フィラー、界面活性剤又は塗布助剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
本発明のフレキソ印刷原版に使用される感熱マスク層は、特に限定されないが、水現像性であることが好ましい。具体的な感熱マスク層としては、極性基含有ポリアミドとブチラール樹脂とを組合せた感熱マスク層(特許第4200510号)、感光性樹脂層中のポリマーと同じ構造を持つポリマーとアクリル樹脂とを含有する感熱マスク層(特許第5710961号)、アニオン性ポリマーと側鎖にエステル結合を有するケン化度が0%以上90%以下のポリマーとを含有する感熱マスク層(特許第5525074号)などが挙げられる。
本発明のフレキソ印刷原版を製造する方法は特に限定されないが、一般的には以下のようにして製造される。
まず、感熱マスク層のカーボンブラック以外のバインダー等の成分を適当な溶媒に溶解させ、そこにカーボンブラックを分散させて分散液を作製する。次に、このような分散液を感熱マスク層用支持体(例えばポリエチレンテレフタレートフィルム)上に塗布して、溶媒を蒸発させる。その後、バリヤ層成分を上塗りし、一方の積層体を作成する。さらに、これとは別に、支持体上に塗工により感光性樹脂層を形成し、他方の積層体を作成する。このようにして得られた二つの積層体を、圧力及び/又は加熱下に、感光性樹脂層がバリヤ層に隣接するように積層する。なお、感熱マスク層用支持体は、印刷原版の完成後はその表面の保護フィルムとして機能する。
本発明のCTP印刷原版から印刷版を製造する方法としては、保護フィルムが存在する場合には、まず保護フィルムを感光性印刷版から除去する。その後、感熱マスク層をIRレーザにより画像様に照射して、感光性樹脂層上にマスクを形成する。好適なIRレーザの例としては、ND/YAGレーザ(1064nm)又はダイオードレーザ(例、830nm)を挙げることができる。コンピュータ製版技術に好適なレーザシステムは、市販されており、例えばCDI Spark(エスコ・グラフィックス社)を使用することができる。このレーザシステムは、印刷原版を保持する回転円筒ドラム、IRレーザの照射装置、及びレイアウトコンピュータを含み、画像情報は、レイアウトコンピュータからレーザ装置に直接移される。
画像情報を感熱マスク層に書き込んだ後、感光性印刷原版にマスクを介して活性光線を全面照射する。これは版をレーザシリンダに取り付けた状態で行うことも可能であるが、版をレーザ装置から除去し、慣用の平板な照射ユニットで照射する方が規格外の版サイズに対応可能な点で有利であり、一般的である。活性光線としては、150~500nm、特に300~400nmの波長を有する紫外線を使用することができる。その光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、カーボンアーク灯、紫外線用蛍光灯等を使用することができる。その後、照射された版は現像され、印刷版を得る。現像工程は、慣用の現像ユニットで実施することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中(本文)の部数は質量部を表わす。
以下に各実施例に用いた材料を説明する。
<塩基性窒素原子を含有するポリアミド樹脂(A)の合成>
A-1:ε-カプロラクタム520質量部、1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジンアジペート400質量部、3-ビスアミノメチルシクロヘキサンアジペート80質量部と水1000質量部をオートクレーブ中に仕込み、窒素置換後、密閉して徐々に加熱した。内圧が1MPaに達した時点から、その圧力を保持できなくなるまで水を留出させ、約2時間で常圧に戻し、その後1時間常圧で反応させた。最高重合反応温度は255℃であった。これにより、塩基性窒素原子含有ポリアミド樹脂を得た。
A-2:ε-カプロラクタム 90質量部、N-(2-アミノエチル)ピペラジンとアジピン酸のナイロン塩 910質量部および水1000質量部をオートクレーブに入れ、内部の空気を窒素ガスで置換した後に200℃で1時間加熱し、次いで水分を除去して、水溶性の塩基性窒素原子含有ポリアミド樹脂を得た。
A-3:ε-カプロラクタム540質量部、1,4-ビス(3-アミノエチル)ピペラジンアジペート380質量部、3-ビスアミノメチルシクロヘキサンアジペート80質量部と水1000質量部をオートクレーブ中に仕込み、窒素置換後、密閉して徐々に加熱した。内圧が1MPaに達した時点から、その圧力を保持できなくなるまで水を留出させ、約2時間で常圧に戻し、その後1時間常圧で反応させた。最高重合反応温度は255℃であった。これにより、塩基性窒素原子含有ポリアミド樹脂を得た。
<アルキレングリコール構造単位を含有するポリアミド樹脂(B)の合成>
B-1:数平均分子量600のポリエチレングリコールの両末端にアクリロニトリルを付加し、これを水素還元して得たα、ω-ジアミノポリオキシエチレンとアジピン酸との当モル塩790質量部、ε-カプロラクタム210質量部を通常の条件で溶融重合した。得られたポリアミドは、分子中にアルキレングリコール構造単位を59質量%含有するPEG含有ポリアミド樹脂であった。
B-2:数平均分子量600のポリエチレングリコールの両末端にアクリロニトリルを付加し、これを水素還元して得たα、ω-ジアミノポリオキシエチレンとアジピン酸との当モル塩604質量部、ε-カプロラクタム396質量部をB-1と同様にして溶融重合した。得られたポリアミドは、分子中にアルキレングリコール構造単位を45質量%含有するPEG含有ポリアミド樹脂であった。
B-3:数平均分子量600のポリエチレングリコールの両末端にアクリロニトリルを付加し、これを水素還元して得たα、ω-ジアミノポリオキシエチレンとアジピン酸との当モル塩839質量部、ε-カプロラクタム261質量部をB-1と同様にして溶融重合した。得られたポリアミドは、分子中にアルキレングリコール構造単位を55質量%含有するPEG含有ポリアミド樹脂であった。
B-4:数平均分子量500のポリエチレングリコールの両末端にアクリロニトリルを付加し、これを水素還元して得たα、ω-ジアミノポリオキシエチレンとアジピン酸との当モル塩790質量部、ε-カプロラクタム210質量部を通常の条件で溶融重合した。得られたポリアミドは、分子中にアルキレングリコール構造単位を54質量%含有するPEG含有ポリアミド樹脂であった。
B-5:数平均分子量800のポリエチレングリコールの両末端にアクリロニトリルを付加し、これを水素還元して得たα、ω-ジアミノポリオキシエチレンとアジピン酸との当モル塩730質量部、ε-カプロラクタム270質量部を通常の条件で溶融重合した。得られたポリアミドは、分子中にアルキレングリコール構造単位を57質量%含有するPEG含有ポリアミド樹脂であった。
B-6:数平均分子量600のポリエチレングリコールの両末端にアクリロニトリルを付加し、これを水素還元して得たα、ω-ジアミノポリオキシエチレンとアジピン酸との当モル塩309質量部、ε-カプロラクタム691質量部を通常の条件で溶融重合した。得られたポリアミドは、分子中にアルキレングリコール構造単位を31質量%含有するPEG含有ポリアミド樹脂であった。
なお、得られたポリアミド樹脂B-1~B-7の分子中のアルキレングリコール構造単位の含有率は、原料の仕込み投入量から計算した。
<バリヤ層用塗工液組成物作成>
表1の組成比率のポリアミド樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)とを固形分濃度が10質量%となるように60℃でエタノールに溶解し、バリヤ層用塗工液作成を作成した。
<感熱マスク層作成>
感熱マスク層の塗工液には、カーボンブラック分散液(オリエント化学工業(株)製、AMBK-8)と共重合ポリアミドの混合物を用いた。混合物中の各成分の混合割合は、固形分質量比でカーボンブラック:ブチラール樹脂:共重合ポリアミド=35:28:37であった。次にPETフィルム(東洋紡(株)、E5000、厚さ100μm)の両面に離型処理を施した後、感熱マスク層塗工液をバーコーター♯12を用いて塗工し、120℃×5分乾燥した。この時の光学濃度は2.3であった。この光学濃度は白黒透過濃度計DM-520(大日本スクリーン製造(株))によって測定した。
<バリヤ層を設けた感熱マスク層積層体のフィルムの作成>
作成した感熱マスク層の上に、バリヤ層用塗工液を所定の厚みになるように適切な種類のバーコーターを用いて塗工し、120℃×5分乾燥し、バリヤ層を最上層に設けた感熱マスク層積層体のフィルムを得た。
<感光性樹脂層用感光性樹脂組成物の作成>
ブタジエンラテックス(NipolLX111NF 不揮発分55% 日本ゼオン(株)製)70質量部、アクリロニトリル-ブタジエンラテックス(NipolSX1503 不揮発分42% 日本ゼオン(株)製)30質量部、親水性重合体(PFT-3、ウレタンウレア構造を有する分子量約20000の重合体、不揮発分25% 共栄社化学(株)製)20質量部、オリゴブタジエンアクリレート(ABU-2S 共栄社化学(株)製)20質量部、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート(分子量304、NKエステルA-DCP新中村化学(株)製)0.9質量部、フェノキシジエチレングリコールアクリレート(分子量約236、AMP-20GY、新中村化学(株)製)6部、光重合開始剤1.0質量部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.03質量部をトルエン6質量部とともに容器中で混合してから、次に加圧ニーダーを用いて105℃で混練し、その後トルエンと水を減圧除去することにより、感光性樹脂層に用いる感光性樹脂組成物を得た。この組成物の押し込み変位量を測定したところ、13μmであった。
<印刷原版作成>
共重合ポリエステル系接着剤を塗工したPETフィルム支持体(東洋紡(株)、E5000、厚さ125μm)上に上記感光性樹脂組成物を配置し、その上からバリヤ層を最上層に設けた感熱マスク層積層体のフィルムを重ね合わせた。ヒートプレス機を用いて100℃でラミネートし、PET支持体、接着層、感光性樹脂層、保護層、感熱マスク層および離型処理PET保護フィルム(カバーフィルム)からなるフレキソ印刷原版を得た。版の総厚は1.90mmであった。
<印刷原版からの印刷版の作成>
原版のPET支持体側から化学線(光源Philips10R、365nmにおける照度8mW/cm)を1分間照射した。続いて、離型処理PETフィルム(カバーフィルム)を剥離した。この版を、Digital Imager Spark(バルコ社製)の回転ドラムに感熱マスク層が表側にくるように巻き付け、真空引き後、画像形成を行った。アブレーション後、版を取り出し平面に戻し、化学線(光源Philips10R、365nmにおける照度8mW/cm)を6分照射した。その後、A&V(株)製現像機(Stuck System)で、40℃で8分現像を行った。現像液には、食器洗剤Cascade(米国P&G製)を1%添加した水道水を使用した。現像後、60℃で10分乾燥し、化学線を10分間照射し、最後に表面粘着性を除去するために殺菌灯を5分間照射した。
<評価方法>
バリヤ層と感光性樹脂層との密着安定性:作製したフレキソ印刷版原版を幅10cmで長さが10cmにカットし、評価サンプルとした。サンプルを35℃の恒温室で相対湿度80%の条件下、平面台の上に1日間及び30日間保存し、サンプルを調整した。恒温室で調整したサンプルを平坦な場所に1分間静置し、カバーフィルムを剥離した。剥離した後、目視でバリヤ層が感光性樹脂層より剥離していないかを観察し、以下の基準で密着性を判定した。

○:バリヤ層と感光性樹脂層との界面剥離が確認されなかったもの
△:バリヤ層と感光性樹脂層との界面剥離がサンプルの端部に確認されたもの×:バリヤ層と感光性樹脂層との界面剥離がサンプルの全面に確認されたもの
CTPマスク層開口サイズ再現性:赤外線レーザによりアブレーションして形成した直径200μmの独立点のCTP層を用いて独立点のレリーフを作成し、CTPマスク層開口サイズに対するレリーフの再現性として評価した。レーザー顕微鏡(VK9510、キーエンス社製)を用いて1000倍の拡大で、ピッチ0.1μmで立体画像の独立点の直径を測定した。なお、線の中心部高さから2μm低下するまでの水平距離をレリーフ独立点直径とした。評価は以下の判定基準で判断した。

○:独立点のトップ直径が190μmから210μmの範囲にある。
△:独立点のトップ直径が180μmから190μm未満、又は210μmを超えて220μm以下の範囲にある。
×:独立点のトップ直径が180μm未満、又は220μmを超えた範囲にある。
レリーフトップ形状再現性:赤外線レーザによりアブレーションして形成した直径200μmの独立点のCTP層を用いて直径200μmの独立点のレリーフトップの形状を評価した。評価は顕微鏡を用いて100倍に拡大した直径200μmの独立点レリーフトップの形状を断面で観察し、以下の判定基準で判定した。

○:独立点レリーフトップの端部に丸みが見られない。
×:独立点レリーフトップの端部に丸みが見られる。
押し込み変位量の測定:支持体の上に1.70mmの厚みを有する感光性樹脂層が配置された印刷原版に直径10mmの円盤状の圧子を120g重の荷重で60秒間負荷し、その際の変位量をONO SOKKI製LINEAR SENSOR(GS-112)を用いて測定した。押し込み変位量が大きいほど、版は柔軟である。
実施例1
<感熱マスク層作成>で作成した感熱マスク層を準備した。次に、表1に示す実施例1のバリヤ層組成比率で<バリヤ層用塗工液組成物の作成>に従って塗工液組成物を作成した。次に、<バリヤ層を設けた感熱マスク層積層体のフィルムの作成>に従って、バリヤ層を厚みが1.5μmとなるように感熱マスク層上に塗布・乾燥し、バリヤ層を最上層に設けた感熱マスク層積層体のフィルムを得た。得られた感熱マスク層積層体のフィルムを<印刷原版作成>に従って感光性樹脂層とラミネートし、PET支持体、接着層、感光性樹脂層、保護層、感熱マスク層および離型処理PET保護フィルム(カバーフィルム)からなるフレキソ印刷原版を得た。版の総厚は1.90mmであった。なお、実施例1に用いた感光性樹脂層は、<感光性樹脂層用感光性樹脂組成物の作成>で作成したものを用いた。
実施例2~9、比較例1~3
実施例1の製造方法に従って、表1に記載の感熱マスク層組成(質量比)で作成した感熱マスク層を設けたフィルムを用いて実施例1の感光性樹脂層を設け、PET支持体、接着層、感光性樹脂層、バリヤ層、感熱マスク層および離型処理PET保護フィルム(カバーフィルム)からなるフレキソ印刷原版を得た。版の総厚は1.90mmであった。得られた感熱マスク層及びCTPフレキソ印刷原版を用いて性能評価を行った。これらの性能評価の結果を以下の表1に示す。
比較例4
ポリビニルアルコール(ゴーセノール KL-03 日本合成化学(株))とアクリルエマルション(ボンコートSEP119 DIC社製、固形分濃度 45%)を、50/50の固形重量割合で混合してバリヤ層用組成物を得た。得られたバリヤ層用組成物を用いて、作成した感熱マスク層の上に、バリヤ層用塗工液を所定の厚みになるように適切な種類のバーコーターを用いて塗工し、125℃×5分乾燥し、バリヤ層を最上層に設けた感熱マスク層積層体のフィルムを得た。得られた感熱マスク層積層体のフィルムを用いて、実施例1と同様にして印刷原版を得た。得られた感熱マスク層及びCTPフレキソ印刷原版を用いて性能評価を行った。
Figure 0007243098000001
表1から分かるように、本発明の構成要件を満たす実施例1~9は、高温高湿度環境下で長期保存しても感光性樹脂層とバリヤ層との間で剥離がなく、得られる微細な文字レリーフがCTPマスク層開口サイズと同一となる画像再現性であり、又、得られるレリーフトップ形状がフラット形状であり、いずれの性能にも優れる。これに対して、ポリアミド樹脂(B)の含有量が少ない比較例1は、マスク層開口サイズ再現性に劣る。ポリアミド樹脂(B)の含有量が多い比較例2は、感光性樹脂層とバリヤ層との密着安定性に劣る。又、ポリアミド樹脂(B)中のアレキレングリコール構造単位の量が少ない比較例3はマスク層開口サイズ再現性に劣る。比較例4は、低温での耐皺性、感光性樹脂層とバリヤ層との密着安定性及びマスク層開口サイズ再現性に劣る。
本発明によれば、高温高湿度環境下で長期保存しても感光性樹脂層とバリヤ層との間で層間剥離がなく、得られる微細な文字レリーフがCTPマスク層開口サイズと同一となる画像再現性であり、レリーフトップ形状がフラット形状である高品質な感光性CTPフレキソ印刷原版を提供することができる。従って、本発明は、極めて有用である。

Claims (5)

  1. 少なくとも支持体、感光性樹脂層、バリヤ層、及び感熱マスク層が順次積層されてなる感光性CTPフレキソ印刷原版であって、
    前記バリヤ層が、分子内に塩基性窒素原子を含有するポリアミド樹脂(A)と、分子内にアルキレングリコール構造単位を40~70質量%含有するポリアミド樹脂(B)とを含有し、且つ、前記バリヤ層中のポリアミド樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)の合計量に対するポリアミド樹脂(B)の含有量が10質量%以上25質量%未満である
    ことを特徴とする水現像可能な感光性CTPフレキソ印刷原版。
  2. ポリアミド樹脂(B)が、ポリエーテルアミド又はポリエーテルエステルアミドであり、アルキレングリコール構造単位が、数平均分子量400~1000のポリエチレングリコール又はポリエチレングリコール共重合体に由来することを特徴とする請求項1に記載の水現像可能な感光性CTPフレキソ印刷原版。
  3. ポリアミド樹脂(A)が、ピペラジン環を分子内に含有するポリアミドであることを特徴とする請求項1又は2に記載の水現像可能な感光性CTPフレキソ印刷原版。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の感光性CTPフレキソ印刷原版から得られる印刷版。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の感光性CTPフレキソ印刷原版から印刷版を製造する、印刷版の製造方法。
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