JPWO2006025360A1 - 光学用共重合体及びそれからなる成形体 - Google Patents
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Abstract
高透過性、高耐熱性、低複屈折性、機械的強度のバランスに優れた光学用共重合体及びその光学用共重合体からなる光学用成形体を提供すること。メタクリル酸メチル単位50〜80質量%、下記一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位10〜20質量%及びメタクリル酸トリフルオロエチル単位10〜30質量%を含む共重合体であって、特定のラクトン化合物に由来する単位の質量を1とした場合のメタクリル酸トリフルオロエチル単位の質量比が0.5〜2.0の範囲であり、かつガラス転移温度が120℃以上である対物レンズ、プリズム、集光レンズ、回折格子、コリメーターレンズ、センサーレンズに好適な光学用共重合体。
Description
本発明は、特定化合物単位を含む光学用共重合体及びそれからなる光学用成形体に関する。
通信、放送などの、異なる複数のサービス形態を使って映像、画像、音、文字の情報を高速で送受信する形態に対応する、すなわちマルチメディアに対応する、パーソナルコンピューター、オーディオ・ビジュアル機器、テレビゲーム機等が普及し始めている。マルチメディア対応機器には情報を保存、再生するために、CD−ROM、CD−R、MD、DVDなどの光学式記録媒体が備わっている。マルチメディアによる情報量が年々増加しているため、これらの光学式記録媒体の記録密度を高くして記録容量を大きくすることが進められている。光学式情報記録媒体の高記録密度化が進められると、光学式情報記録媒体への情報読み取り/書き込み装置に使用するレーザー光を短波長のものに、具体的には350〜450nmのブルー系レーザーにすることが必要になる。
情報読み取り/書き込み装置用光学部材等の光学用途に使用される樹脂としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルを主成分とする共重合体、スチレンとメタクリル酸メチルの共重合体、熱可塑性ノルボルネン系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等が使用されている。
例えば、メタクリル酸メチルを主成分とする共重合体として、特定構造のラクトン化合物とメタクリル酸メチルとの共重合体が開示されている(特許文献1参照)。しかし、この樹脂は、低複屈折性及び低吸湿性が不足のため、情報読み取り/書き込み装置用光学部材として使用が困難である。
また、メタクリル酸メチルを主成分とする共重合体として、メタクリル酸メチル、エステル部分に炭素数5〜22の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル、及びエステル部分にフッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルを必須成分とする単量体混合物を重合してなる樹脂からなる光学用樹脂組成物が開示されている(特許文献2参照)。しかし、この樹脂は、耐熱性、低複屈折性及び機械的強度のバランスがとり難いため、情報読み取り/書き込み装置用光学部材として使用が困難である。
特開平8−231648号公報
特開2004−204018号公報
本発明の目的は、高透過性、高耐熱性、低複屈折性、機械的強度のバランスに優れた光学用共重合体及びその光学用共重合体からなる光学用成形体を提供することにある。
本発明の要旨は、メタクリル酸メチル単位50〜80質量%、下記一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位10〜20質量%及びメタクリル酸トリフルオロエチル単位10〜30質量%を含む共重合体であって、一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位の質量を1とした場合のメタクリル酸トリフルオロエチル単位の質量比が0.5〜2.0の範囲であり、かつガラス転移温度が120℃以上である光学用共重合体にある。
(式中、R1、R2は、独立して水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R1及びR2における炭素数の合計が1〜3のいずれかである。)
また、本発明の要旨は、前述の光学用共重合体からなる光学用成形体にある。
また、本発明の要旨は、前述の光学用共重合体からなる光学用成形体にある。
本発明の共重合体は、高透過性、高耐熱性、低複屈折性、機械的強度のバランスに優れ、光学用に好適である。さらに、その光学用共重合体からなる成形品は、ブルー系レーザーなどの短波長レーザー光線を高強度で透過させて情報記録媒体への情報の書き込みや該媒体からの情報の読み出しを行っても、長期間に亘りエラーレートが増加しない。
本発明の、メタクリル酸メチル単位50〜80質量%、下記一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位10〜20質量%及びメタクリル酸トリフルオロエチル単位10〜30質量%を含む共重合体であって、一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位の質量を1とした場合のメタクリル酸トリフルオロエチル単位の質量比が0.5〜2.0の範囲であり、かつガラス転移温度が120℃以上である光学用共重合体を、便宜的に「本発明の光学用共重合体」と称する。またメタクリル酸メチル単位50〜75質量%、下記一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位10〜20質量%、メタクリル酸トリフルオロエチル単位10〜30質量%、及びエステル部分に炭素数6〜22の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単位5〜25質量%を含む共重合体であって、一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位の質量を1とした場合のメタクリル酸トリフルオロエチル単位の質量比が0.5〜2.0の範囲であり、かつガラス転移温度が120℃以上である光学用共重合体も、便宜的に「本発明の光学用共重合体」と称する。
(式中、R1、R2は、独立して水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R1及びR2における炭素数の合計が1〜3のいずれかである。)
また、本発明の光学用共重合体からなる光学用成形体のことを、便宜的に「本発明の光学用成形体」と称する。
また、本発明の光学用共重合体からなる光学用成形体のことを、便宜的に「本発明の光学用成形体」と称する。
本発明の光学用共重合体を構成するメタクリル酸メチル単位は、光学用共重合体として十分な光学特性及び機械的強度を付与する為に必要である。機械的強度に優れた共重合体を得るため、共重合体を構成する全化合物単位中50質量%以上にする必要があり、55質量%以上が好ましい。また、耐熱性に優れた共重合体を得るため、80質量%以下にする必要があり、73質量%以下が好ましい。さらに本発明の光学用共重合体に、後述するエステル部分に炭素数6〜22の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単位を含有する場合は、50質量%以上、75質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。
本発明の光学用共重合体を構成する一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位は、光学用共重合体として十分な耐熱性を付与する為に必要である。耐熱性に優れた共重合体を得るため、共重合体を構成する全化合物単位中10質量%以上にする必要があり、12質量%以上が好ましい。また、低吸湿性、低複屈折性及び機械的強度に優れた共重合体を得るため、20質量%以下にする必要があり、18質量%以下が好ましい。さらに本発明の光学用共重合体に、後述するエステル部分に炭素数6〜22の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単位を含有する場合は、10質量%以上、20質量%以下が好ましく、18質量%以下がより好ましい。
本発明の光学用共重合体を構成するメタクリル酸トリフルオロエチル単位は、光学用共重合体として十分な低複屈折性及び低吸湿性を付与する為に必要である。低複屈折性及び低吸湿性に優れた共重合体を得るため、共重合体を構成する全化合物単位中10質量%以上にする必要があり、15質量%以上が好ましい。また、耐熱性に優れた共重合体を得るため、30質量%以下にする必要があり、25質量%以下が好ましい。さらに本発明の光学用共重合体に、後述するエステル部分に炭素数6〜22の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単位を含有する場合は、10質量%以上、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
本発明の光学用共重合体を構成する一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位の質量を1とした場合、メタクリル酸トリフルオロエチル単位の質量比は、光学用共重合体として十分な耐熱性と低複屈折性のバランスに優れた共重合体を得るため、0.5〜2.0の範囲にする必要がある。低複屈折性に優れた共重合体を得るため、0.5以上にする必要があり、0.8以上が好ましい。また耐熱性及び機械的強度のバランスに優れた共重合体を得るため、2.0以下にする必要があり、1.5以下が好ましい。
さらに本発明の光学用共重合体は、エステル部分に炭素数6〜22の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単位を含有することができる。低吸湿性を付与する観点から共重合体を構成する全化合物単位中5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。また機械的強度の観点から25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。ここでエステル部分に炭素数6〜22の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニルメチル、(メタ)アクリル酸シアノノルボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸メンチル、(メタ)アクリル酸フェンチル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル、(メタ)アクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−4−メチル、(メタ)アクリル酸シクロデシル等が挙げられる。これらは、一種又は二種以上を併用して使用することができる。なお、本発明における「(メタ)アクリル」とは「メタクリル」と「アクリル」との総称である。
また、本発明の共重合体は、光学用共重合体としての性能を損なわない範囲であれば、前述の単位以外の共重合可能な単量体に由来する単位を含有することができる。具体的には、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソ−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2―エチルヘキシル等のメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸芳香族エステル;(メタ)アクリル酸フルオロフェニル、(メタ)アクリル酸クロロフェニル、(メタ)アクリル酸フルオロベンジル、(メタ)アクリル酸クロロベンジル等の(メタ)アクリル酸置換芳香族エステル;(メタ)アクリル酸フルオロメチル、アクリル酸フルオロエチル等の(メタ)アクリル酸ハロゲン化アルキルエステル;(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸エチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールエステル;スチレン、α―メチルスチレン、α―エチルスチレン等のα―置換スチレン;フルオロスチレン、メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;N―メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−クロロフェニルマレイミド等のN−置換マレイミド;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の不飽和二塩基酸またはその誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸カルシウム、(メタ)アクリル酸バリウム、(メタ)アクリル酸鉛、(メタ)アクリル酸すず、(メタ)アクリル酸亜鉛等の(メタ)アクリル酸の金属塩;(メタ)アクリル酸等の不飽和脂肪酸およびその誘導体等が挙げられる。これらの前述の単位以外の単量体単位としては、熱安定性を付与する観点から、アクリル酸メチルが好ましい。これらは、一種又は二種以上を併用して使用することができる。
本発明の光学用共重合体のガラス転移温度は、光学用成形体の使用環境下での形状安定性を十分に得るため、120℃以上にする必要がある。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量計で測定して得られる値である。
本発明の光学用共重合体の飽和吸湿率は、特に限定されないが、光学用成形体の使用環境下での形状安定性を十分に得るため、1.6質量%以下が好ましく、1.2質量%以下がより好ましい。なお、飽和吸湿率は、温度60℃、相対湿度90%、暴露時間720時間で測定したときの値とする。
本発明の光学用共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、機械的強度を十分に得るため、5万以上が好ましく、7万以上がより好ましい。また、成形加工性及び低複屈折性を十分に得るため、15万以下が好ましく、10万以下がより好ましい。
重量平均分子量の設定は、共重合体を製造する際、連鎖移動剤の添加量を調整する等の公知の方法により行うことができる。
本発明の光学用共重合体は、メタクリル酸メチル、一般式(1)で表わされるラクトン化合物、メタクリル酸トリフルオロエチル、場合によってその他の共重合可能な単量体との混合物を塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合法等の公知の方法にて重合することによって製造することができる。
本発明の光学用共重合体には、必要に応じて、公知の添加剤、例えば離型剤、染料、顔料等の着色剤、各種酸化防止剤、光安定剤、可塑剤等を添加することができる。
本発明の光学用共重合体を成形することによって、光学用成形体を得ることができる。光学用成形体の成形方法は、特に限定されないが、例えば、得られた共重合体を用いた射出成形法、プレス成形法、押出成形法、ブロー成形法などの加熱溶融成形法が挙げられる。また、得られた共重合体を用いた溶液キャスト法が挙げられる。さらに先の混合物を塊状重合する場合には、直接、光学用成形体の形状に成形することもできる。本発明においては、寸法精度等に優れ、非球面形状等が成形可能な射出成形法又はプレス成形法が好ましく、射出成形法がより好ましい。
本発明の光学用成形体の曲げ強さは、特に限定されないが、光学用成形体の製造又は取り扱い時の強度を十分に得るため、50MPa以上が好ましく、60MPa以上がより好ましい。なお、曲げ強さは、JIS K7171に準拠して測定したときの値である。
本発明の光学用成形体の成形直後における波長405nmの光線透過率は、特に限定されないが、光学用成形体の信頼性の観点から、88%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
複屈折の評価手段の一つにレターデーションがある。本発明の光学用成形体のレターデーションは、特に限定されないが、使用環境下でのレンズの集光性を十分に得るため、100nm以下が好ましく、80nm以下がより好ましい。なお、レターデーションは、試験片の位相差(測定波長は、546nm)を偏光顕微鏡にて測定して算出した値である。
前記ガラス転移温度、曲げ強さ、飽和吸湿率等の物性については、共重合体を構成する各化合物単位を所定量比とすることにより、それぞれ好適な範囲とすることができる。
本発明の光学用成形体としては、特に限定されないが、例えば、情報読み取り/書き取り装置用光学部材、情報伝送体、眼鏡用レンズ等が挙げられる。これらの光学用成形体の中でも、情報読み取り/書き取り装置用光学部材、具体的には、対物レンズ、プリズム、集光レンズ、回折格子、コリメーターレンズ、センサーレンズ等に有用である。特に、次世代DVD等のピックアップレンズに好適である。
次に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。各実施例において、各略号は以下の化合物を示す。
MMA :メタクリル酸メチル
MMBL :α−メチレン−β−メチルブチロラクトン(文献公知の方法により合成)
CHMA :メタクリル酸シクロヘキシル
3FMA :メタクリル酸トリフルオロエチル(三菱レイヨン(株)製)
CHMI :シクロヘキシルマレイミド
FA513M:メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル(日立化成工業(株)製)
MA :アクリル酸メチル
AIBN :2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
P−MC :1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−2−メチルシクロヘキサン(日本油脂(株)製パーヘキサMC)
LPO :ラウロイルパーオキサイド
n−OM :n−オクチルメルカプタン
S100A :グリセリンモノステアレート(理研ビタミン(株)製リケマールS−100A)
また、実施例および比較例中の各種物性評価方法は、次の通りである。
MMBL :α−メチレン−β−メチルブチロラクトン(文献公知の方法により合成)
CHMA :メタクリル酸シクロヘキシル
3FMA :メタクリル酸トリフルオロエチル(三菱レイヨン(株)製)
CHMI :シクロヘキシルマレイミド
FA513M:メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル(日立化成工業(株)製)
MA :アクリル酸メチル
AIBN :2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
P−MC :1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−2−メチルシクロヘキサン(日本油脂(株)製パーヘキサMC)
LPO :ラウロイルパーオキサイド
n−OM :n−オクチルメルカプタン
S100A :グリセリンモノステアレート(理研ビタミン(株)製リケマールS−100A)
また、実施例および比較例中の各種物性評価方法は、次の通りである。
(1)重量平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)と示差屈折率計より求められる値から、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を求めた。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)と示差屈折率計より求められる値から、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を求めた。
(2)ガラス転移温度
ニッパーで細かく切断したペレット状共重合体を、示差走査熱量計セイコーインスツルメンツ(株)製DSC6200を用いて測定した。
ニッパーで細かく切断したペレット状共重合体を、示差走査熱量計セイコーインスツルメンツ(株)製DSC6200を用いて測定した。
(3)透過率
射出成形により作製した平板(厚み2mm)を、島津 紫外可視分光光度計 UVmini−1240を用いて測定した。なお、透過率の測定波長は、405nmである。
射出成形により作製した平板(厚み2mm)を、島津 紫外可視分光光度計 UVmini−1240を用いて測定した。なお、透過率の測定波長は、405nmである。
(4)レターデーション
日精樹脂(株)製、射出成形機PS−60Eを用いて、シリンダー温度240℃、金型温度60℃、射出速度50%、射出時間10秒、冷却時間25秒、成形サイクル時間50秒の条件で、射出圧力を適宜変更させながら作製したダンベル型試験片(全長;198mm、幅;両端19mm、中央13mm、厚み;3mm)のゲート口から50mm、幅中心部の位置の位相差を偏光顕微鏡にて測定し、下記式にて算出した。なお、測定波長は、546nmである。
日精樹脂(株)製、射出成形機PS−60Eを用いて、シリンダー温度240℃、金型温度60℃、射出速度50%、射出時間10秒、冷却時間25秒、成形サイクル時間50秒の条件で、射出圧力を適宜変更させながら作製したダンベル型試験片(全長;198mm、幅;両端19mm、中央13mm、厚み;3mm)のゲート口から50mm、幅中心部の位置の位相差を偏光顕微鏡にて測定し、下記式にて算出した。なお、測定波長は、546nmである。
レターデーション(nm)=位相差(°)×546(nm)/180(°)
(5)曲げ強さ
JIS K7171に準拠して測定した。
(5)曲げ強さ
JIS K7171に準拠して測定した。
(6)飽和吸湿率
射出成形法により作製した平板(長さ100mm、幅50mm、厚み2mm)を80℃で48時間乾燥後、恒温恒湿器を用い、温度60℃、相対湿度90%、暴露時間720時間の条件で吸湿させて、下記式にて算出し、この値を飽和吸湿率とした。
射出成形法により作製した平板(長さ100mm、幅50mm、厚み2mm)を80℃で48時間乾燥後、恒温恒湿器を用い、温度60℃、相対湿度90%、暴露時間720時間の条件で吸湿させて、下記式にて算出し、この値を飽和吸湿率とした。
飽和吸湿率(質量%)=(S2−S1)/S1×100
S1:80℃で48時間乾燥後の平板の質量
S2:吸湿試験後の平板の質量
[製造例1]アニオン系高分子化合物水溶液(A1)
攪拌機を備えた重合装置に、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム58質量部、メタクリル酸カリウム水溶液(メタクリル酸カリウム分30質量%)31質量部、メタクリル酸メチル11質量部からなる単量体混合物と、脱イオン水900質量部とを加えて攪拌溶解させた。その後、窒素雰囲気下で混合物を攪拌しながら60℃まで昇温し、6時間攪拌しつつ60℃で保持させてアニオン系高分子化合物水溶液を得た。この際、温度が50℃に到達した後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1質量部を添加し、更に別に計量したメタクリル酸メチル11質量部を75分間かけて、上記の反応系に連続的に滴下した。
S1:80℃で48時間乾燥後の平板の質量
S2:吸湿試験後の平板の質量
[製造例1]アニオン系高分子化合物水溶液(A1)
攪拌機を備えた重合装置に、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム58質量部、メタクリル酸カリウム水溶液(メタクリル酸カリウム分30質量%)31質量部、メタクリル酸メチル11質量部からなる単量体混合物と、脱イオン水900質量部とを加えて攪拌溶解させた。その後、窒素雰囲気下で混合物を攪拌しながら60℃まで昇温し、6時間攪拌しつつ60℃で保持させてアニオン系高分子化合物水溶液を得た。この際、温度が50℃に到達した後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1質量部を添加し、更に別に計量したメタクリル酸メチル11質量部を75分間かけて、上記の反応系に連続的に滴下した。
上記した製造方法により得られたアニオン系高分子化合物水溶液を、(A1)とする。
[製造例2]アニオン系高分子化合物水溶液(A2)
攪拌機を備えた重合装置に、水酸化カリウム水溶液(水酸化カリウム分17.1質量%)68質量部、メタクリル酸メチル32質量部を加えてなる混合物を攪拌する。ケン化反応終了後、混合物の温度を80℃まで昇温し、4時間攪拌しつつ80℃で保持させてアニオン系高分子化合物水溶液を得た。この際、温度が72℃に到達した後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1質量部を添加した。その後、攪拌機を備えた重合装置内に脱イオン水1000質量部を分割投入すると同時に、攪拌機を備えた容器にアニオン系高分子化合物水溶液を移液・回収した。
攪拌機を備えた重合装置に、水酸化カリウム水溶液(水酸化カリウム分17.1質量%)68質量部、メタクリル酸メチル32質量部を加えてなる混合物を攪拌する。ケン化反応終了後、混合物の温度を80℃まで昇温し、4時間攪拌しつつ80℃で保持させてアニオン系高分子化合物水溶液を得た。この際、温度が72℃に到達した後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1質量部を添加した。その後、攪拌機を備えた重合装置内に脱イオン水1000質量部を分割投入すると同時に、攪拌機を備えた容器にアニオン系高分子化合物水溶液を移液・回収した。
上記した製造方法により得られたアニオン系高分子化合物水溶液を、(A2)とする。
[実施例1]
攪拌機を備えた内容積10リットルのセパラブルフラスコに、脱イオン水6000mLを入れ、分散安定剤として製造例1で得られたアニオン系高分子化合物水溶液(A1)4g、及び製造例2で得られたアニオン系高分子化合物水溶液(A2)1g、分散安定助剤として硫酸ナトリウム9gを加え攪拌・溶解させた。また、攪拌機を備えた別容器に用意した、MMA2145g、MMBL360g、3FMA450g、MA45gの単量体混合物に、重合開始剤としてAIBN6g、連鎖移動剤としてn−OM8.1g、離型剤としてS100A6gを加え、攪拌・溶解させた。この単量体混合物を前記攪拌機を備えた内容積10セパラブルフラスコに投入し、窒素置換しながら攪拌機の回転数300rpmで15分間攪拌した。その後、80℃に加温して重合を開始させ、重合発熱ピーク終了後、95℃で60分間の熱処理を行い、重合を完結させた。
攪拌機を備えた内容積10リットルのセパラブルフラスコに、脱イオン水6000mLを入れ、分散安定剤として製造例1で得られたアニオン系高分子化合物水溶液(A1)4g、及び製造例2で得られたアニオン系高分子化合物水溶液(A2)1g、分散安定助剤として硫酸ナトリウム9gを加え攪拌・溶解させた。また、攪拌機を備えた別容器に用意した、MMA2145g、MMBL360g、3FMA450g、MA45gの単量体混合物に、重合開始剤としてAIBN6g、連鎖移動剤としてn−OM8.1g、離型剤としてS100A6gを加え、攪拌・溶解させた。この単量体混合物を前記攪拌機を備えた内容積10セパラブルフラスコに投入し、窒素置換しながら攪拌機の回転数300rpmで15分間攪拌した。その後、80℃に加温して重合を開始させ、重合発熱ピーク終了後、95℃で60分間の熱処理を行い、重合を完結させた。
得られたビーズ状重合体を濾過、水洗し、80℃で24hr乾燥した後、池貝(株)製PCM30,脱揮式二軸押出機を用いて、シリンダー温度220℃で押出しペレット化した。このペレット状共重合体を用い、重量平均分子量及びガラス転移温度を評価した。評価結果を表1に示す。
また、このペレット状共重合体を用いて各種評価用試験片を射出成形法にて作製し、透過率、レターデーション、曲げ強度、飽和吸湿率を評価した。評価結果を表1に示す。なお、射出成形は、日精樹脂(株)製、射出成形機PS−60Eを用いて、シリンダー温度240℃、金型温度60℃、射出速度50%、射出時間10秒、冷却時間25秒、成形サイクル時間50秒の条件で、射出圧力を適宜変更させながら試験片を作製した。
〔実施例2〕
単量体混合物の組成をMMA1695g、MMBL360g、3FMA300g、CHMA600g、MA45gに変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
単量体混合物の組成をMMA1695g、MMBL360g、3FMA300g、CHMA600g、MA45gに変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
〔実施例3〕
単量体混合物の組成をMMA1665g、MMBL540g、3FMA750g、MA45g及びn−OMを6.3gに変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
単量体混合物の組成をMMA1665g、MMBL540g、3FMA750g、MA45g及びn−OMを6.3gに変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
〔比較例1〕
単量体混合物の組成をMMA1740g、CHMA720g、CHMIが540g、重合開始剤としてP−MC9g、n−OMを4.5gに変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
単量体混合物の組成をMMA1740g、CHMA720g、CHMIが540g、重合開始剤としてP−MC9g、n−OMを4.5gに変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
〔比較例2〕
単量体混合物の組成をMMA1800g、FA513M1200g、AIBNを3g、n−OMを6gに変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
単量体混合物の組成をMMA1800g、FA513M1200g、AIBNを3g、n−OMを6gに変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
〔比較例3〕
n−OMを8.1gに変更したこと以外は、比較例2と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
n−OMを8.1gに変更したこと以外は、比較例2と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
〔比較例4〕
単量体混合物の組成をMMA1350g、FA513M1200g、3FMA450gに変更したこと以外は、比較例2と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
単量体混合物の組成をMMA1350g、FA513M1200g、3FMA450gに変更したこと以外は、比較例2と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
〔比較例5〕
単量体混合物の組成をMMA750g、FA513M1800g、3FMA450g、重合開始剤をLPO12gに変更したこと以外は、比較例2と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
単量体混合物の組成をMMA750g、FA513M1800g、3FMA450g、重合開始剤をLPO12gに変更したこと以外は、比較例2と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
〔比較例6〕
単量体混合物の組成をMMA2550g、MMBL405g、MA45g、連鎖移動剤であるn−OMを6gに変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
単量体混合物の組成をMMA2550g、MMBL405g、MA45g、連鎖移動剤であるn−OMを6gに変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
〔比較例7〕
単量体混合物の組成をMMA1695g、MMBL360g、3FMA900g、MA45gに変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
単量体混合物の組成をMMA1695g、MMBL360g、3FMA900g、MA45gに変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
〔比較例8〕
三菱レイヨン(株)製アクリペットVH 000のガラス転移温度を評価したところ、109℃であった。さらに、各種評価用試験片を射出成形法にて作製し、透過率、レターデーション、飽和吸湿率、曲げ強さを評価した。透過率92%、レターデーション85nm、飽和吸湿率1.6質量%、曲げ強さ125MPaであった。
三菱レイヨン(株)製アクリペットVH 000のガラス転移温度を評価したところ、109℃であった。さらに、各種評価用試験片を射出成形法にて作製し、透過率、レターデーション、飽和吸湿率、曲げ強さを評価した。透過率92%、レターデーション85nm、飽和吸湿率1.6質量%、曲げ強さ125MPaであった。
本発明の光学用共重合体は、情報読み取り/書き込み装置用光学部材に好適であり、ブルー系レーザー用ピックアップレンズに特に好適である。
Claims (6)
- メタクリル酸メチル単位50〜75質量%、下記一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位10〜20質量%、メタクリル酸トリフルオロエチル単位10〜30質量%、及びエステル部分に炭素数6〜22の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単位5〜25質量%を含む共重合体であって、一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位の質量を1とした場合のメタクリル酸トリフルオロエチル単位の質量比が0.5〜2.0の範囲であり、かつガラス転移温度が120℃以上である光学用共重合体。
- 60℃で相対湿度90%環境下での飽和吸湿率が1.6質量%以下である請求項1または請求項2に記載の光学用共重合体。
- 請求項3に記載の光学用共重合体からなる光学用成形体。
- JIS K7171による曲げ強さが50MPa以上である請求項4に記載の光学用成形体。
- レターデーションが100nm以下である請求項4に記載の光学用成形体。
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