JP2004139839A - 車両用部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルコール含有率が高い車両用洗浄剤によってもクラックが発生しにくく、仮にクラックが発生してもクラックが小さく、外観を悪化させる等の問題にならない車両用部品を提供する。
【解決手段】メタクリル酸メチル単位80〜95質量%、スチレン単位5〜20質量%、及び共重合可能な他の単量体単位0〜15質量%からなり、且つ、重量平均分子量が10万〜20万である共重合体からなる車両用部品;車両用部品が車両用ランプレンズである前述の車両用部品。
【選択図】 図1
【解決手段】メタクリル酸メチル単位80〜95質量%、スチレン単位5〜20質量%、及び共重合可能な他の単量体単位0〜15質量%からなり、且つ、重量平均分子量が10万〜20万である共重合体からなる車両用部品;車両用部品が車両用ランプレンズである前述の車両用部品。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐アルコール性、流動性、透明性及び耐侯性に優れた共重合体からなる車両用部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタクリル系樹脂は、透明性、耐侯性、低複屈折性に優れ、機械的性質や成形加工性等のバランスに優れた樹脂であるため、情報伝送体、情報記録媒体、撮像系レンズ、ピックアップレンズ、fθレンズ等の光学用透明部品、メーターカバー、テールランプレンズ、バックパネル等の車両用透明部品、ランプカバーやルーバー等の照明器具、チューナー等のインジケーター、オーディオ部品、OA機器部品等に広く使用されている。特に、テールランプレンズ等の車両用外装部品には、その耐侯性から好適なものとして使用されている。
【0003】
しかし、近年の車両用洗浄剤においては、洗浄効果を高めるため、アルコール類を多く配合したものが増えており、このような車両用洗浄剤を洗車時に使用した場合、テールランプレンズ、ランプカバー、サイドミラーレンズおよびバックパネル等の車両用部品にクラックが発生し、外観が悪化することがある。
【0004】
これに対して、メタクリル樹脂の分子量を大きくして、耐アルコール性を向上させた樹脂を車両用部品に使用している(特許文献1参照。)。その樹脂は、確かにクラックが発生しにくくなるが、樹脂の流動性が低下するため、その樹脂を車両用部品に用いると、成形した車両用部品の残留応力を十分に除去することが困難になる。その結果、車両用部品の耐アルコール性の向上が充分ではなかったり、車両用部品の形状が制約されることがあった。また、車両用部品の残留応力が十分に除去された場合でも、アルコール類の含有率が高い車両用洗浄剤を使用すると、クラックが発生することがあり、一旦クラックが発生すると、クラックが大きく目立つため、外観を悪化させることがあった。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−226429号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、アルコール含有率が高い車両用洗浄剤によってもクラックが発生しにくく、仮にクラックが発生してもクラックが小さく、外観を悪化させる等の問題にならない車両用部品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の目標を達成するために鋭意検討を進めた結果、特定の共重合体からなる車両用部品が最適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の要旨は、メタクリル酸メチル単位80〜95質量%、スチレン単位5〜20質量%、及び共重合可能な他の単量体単位0〜15質量%からなり、且つ、重量平均分子量が10万〜20万である共重合体からなる車両用部品にある。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の車両用部品に適した共重合体を構成するメタクリル酸メチル単位の含有率は、80〜95質量%の範囲である。80質量%以上にすることで、耐侯性の良好な共重合体を得ることができる。85質量%以上であることが好ましい。また、95質量%以下で熱安定性及び流動性の良好な共重合体を得ることができる。90質量%以下であることが好ましい。
【0010】
本発明の車両用部品に適した共重合体を構成するスチレン単位の含有率は、5〜20質量%の範囲である。5質量%以上にすることで、熱安定性及び流動性の良好な共重合体を得ることができる。10質量%以上であることが好ましい。また、20質量%以下にすることで、耐侯性の良好な共重合体を得ることができる。15質量%以下であることが好ましい。
【0011】
本発明の車両用部品に適した共重合体を構成する共重合可能な他の単量体単位としては、特に限定されないが、メタクリル酸メチル以外の不飽和脂肪酸エステル、スチレン以外の芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、不飽和二塩基酸またはその誘導体、不飽和脂肪酸またはその誘導体等を使用することができる。必要に応じて、これらの単量体を二種以上組合せ(共重合時には混合し)て使用してもよい。
【0012】
メタクリル酸メチル以外の不飽和脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。ここで、(メタ)アクリルとは、メタクリルまたはアクリルを示す。(メタ)アクリル酸エステル類としては、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソ−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2―エチルヘキシル等のメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸芳香族エステル、(メタ)アクリル酸フルオロフェニル、(メタ)アクリル酸クロロフェニル、(メタ)アクリル酸フルオロベンジル、(メタ)アクリル酸クロロベンジル等の(メタ)アクリル酸置換芳香族エステル、(メタ)アクリル酸フルオロメチル、(メタ)アクリル酸フルオロエチル等の(メタ)アクリル酸ハロゲン化アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸エチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールエステル等が挙げられる。
【0013】
スチレン以外の芳香族ビニル化合物としては、特に限定されないが、α―メチルスチレン、α―エチルスチレン等のα―置換スチレン、フルオロスチレン、メチルスチレン等の核置換スチレン等が挙げられる。
【0014】
シアン化ビニル化合物としては、特に限定されないが、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
【0015】
不飽和二塩基酸またはその誘導体としては、特に限定されないが、N―メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−クロロフェニルマレイミド等のN−置換マレイミド、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
【0016】
不飽和脂肪酸またはその誘導体としては、特に限定されないが、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリル酸カルシウム、(メタ)アクリル酸バリウム、(メタ)アクリル酸鉛、(メタ)アクリル酸すず、(メタ)アクリル酸亜鉛等の(メタ)アクリル酸の金属塩、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
【0017】
これらの、共重合可能な他の単量体単位の含有率は0〜15質量%の範囲である。
【0018】
本発明の車両用部品に適した共重合体の重量平均分子量は、10万〜20万の範囲である。10万以上であると耐アルコール性に優れた共重合体を得ることができる。12万以上であることが好ましい。また、20万以下であると流動性に優れた共重合体を得ることができる。16万以下であることが好ましい。なお、流動性については、後述するスパイラル流動長の評価で、30cm以上であることが好ましい。30cm以上あれば、射出成形時に細長い形状や複雑な形状の車両用部品が得られやすい。ここでの重量平均分子量とは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)と示差屈折率計により求められる値であり、標準ポリマーはポリスチレンを使用した。
【0019】
本発明の車両用部品に適した共重合体を得る方法としては、特に限定されないが、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の方法が可能である。
【0020】
本発明の車両用部品に適した共重合体を懸濁重合法により製造する場合について説明する。まず、メタクリル酸メチル、スチレン及び共重合可能な他の単量体とからなる単量体混合物に、重合開始剤および連鎖移動剤を均一溶解させる。このとき、メタクリル酸メチル、スチレン及び共重合可能な他の単量体の一部を取り除き、重合中に滴下投入させても良い。
【0021】
次いで、重合開始剤等を溶解させた単量体混合物を分散安定剤が存在する水媒体に懸濁した後、所定の重合温度で一定時間保持して重合を完結させ、その得られた懸濁重合物を濾過し、水洗、乾燥することにより本発明の車両用部品に適した共重合体を得ることができる。
【0022】
懸濁重合の際に使用される重合開始剤としては、特に限定されないが、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン等の過酸化物系開始剤等を挙げることができる。これらの重合開始剤の使用量は、上記単量体混合物100質量部に対して0.01〜3質量部の範囲が好ましい。
【0023】
懸濁重合の際に使用される連鎖移動剤としては、特に限定されないが、t−ブチルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等を挙げることができる。これらの連鎖移動剤の使用量は、上記単量体混合物100質量部に対して0.01〜3質量部の範囲が好ましい。
【0024】
懸濁重合の際に使用される分散安定剤としては、特に限定されないが、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、澱粉末シリカ等の水難溶性無機化合物、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、セルロース誘導体等のノニオン系高分子化合物、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸およびその塩、メタクリル酸エステルとメタクリル酸およびその塩との共重合体等のアニオン系高分子化合物等を挙げることができる。これらの分散安定剤の使用量は、水100質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲が好ましい。また、必要に応じて、これらの分散安定剤と共に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マンガン等の分散安定助剤を併用することもできる。
【0025】
懸濁重合の際に使用される水としては、特に限定されないが、純水、イオン交換水、脱イオン水等が挙げられる。また、水の使用量は、特に限定されないが、前記単量体混合物100質量部に対して100〜1000質量部の範囲が好ましく、より好ましくは150〜400質量部の範囲である。
【0026】
また、懸濁重合の重合温度としては、特に限定されないが、50〜150℃の範囲が好ましく、より好ましくは、70〜130℃の範囲である。
【0027】
さらに、本発明の車両用部品に適した共重合体には、目的に応じて、公知の添加剤、例えば染料、顔料等の着色剤、各種酸化防止剤、可塑剤、離型剤、紫外線吸収剤などの光安定剤等を添加することができる。
【0028】
以上の如く製造した共重合体からなる車両用部品は、従来のメタクリル樹脂の欠点であった耐アルコール性が著しく改良され、かつ流動性、透明性及び耐侯性にも優れるため、車両用部品として好適である。
【0029】
車両用部品の例としては、メーターカバー、ランプレンズ、ランプカバー、サイドミラーレンズ、バイザー、バックパネル等が挙げられる。
【0030】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0031】
実施例および比較例で得た共重合体の物性の評価項目、評価方法は、次の通りである。
【0032】
1)[重量平均分子量]
ペレット状共重合体0.06gをテトラヒドロフラン(和光純薬製1級試薬)25mlに溶解したサンプルを下記の条件下にて測定を行った。
【0033】
2)[全光線透過率、曇価、YI]
ペレット状共重合体から100mm(長さ)×50mm(幅)×2mm(厚み)の試験片を加圧成形により作製した後、JIS K7105に準拠して測定を行った。
【0034】
3)[スパイラル流動長]
ペレット状共重合体を80℃で18時間乾燥させた後、東芝機械(株)製、射出成形機(東芝IS80FPA3)を用いて、スパイラル流動長を評価した。
【0035】
金型:スパイラル(成型品サイズ:幅1.5cm、厚さ0.2cm、スパイラル全長170cm)
金型温度:60℃(設定値)
射出速度:99%(設定値)
射出圧力:36%(設定値)実圧は700kg/cm2程度
シリンダー温度:270℃(設定値)
4)[クラックの大きさ]
ペレット状共重合体から110mm(長さ)×35mm(幅)×2mm(厚み)の試験片を加圧成形により作製した。その後、試験片をアニールし、図1に示す1/4楕円試験法で応力を加えた試験片に薬品を塗布して4時間後、発生したクラックの大きさを評価した。
【0036】
アニール条件:90℃×20時間
薬品:エタノール(脱水処理品)
測定環境:23℃、50%RH、4時間
判定:試験後の試験片に発生したクラックの大きさを下記基準にて評価した。
【0037】
○:2m離れた位置からは見えない大きさ
△:2m離れた位置からも見える大きさ
×:2m離れた位置からでもはっきり見える大きさ
5)[耐侯性]
ペレット状共重合体から70mm(長さ)×50mm(幅)×2mm(厚み)の試験片を加圧成形により作製した後、サンシャインウェザメーター(63℃、雨あり)を用いて、3000時間後の黄変度(ΔYI)により評価した。
【0038】
6)[テールランプレンズの耐アルコール性]
ペレット状共重合体の射出成形により得られたテールランプレンズをアニールした後、エタノールに4時間浸漬し、テールランプレンズにクラックが発生しているか以下の基準にて目視評価した。
【0039】
アニール条件:80℃×20時間
薬品:エタノール(脱水処理品)
測定環境:23℃、4時間
基準:
○:1m離れた位置からは見えない大きさ
△:1m離れた位置からも見える大きさ
×:1m離れた位置からでもはっきり見える大きさ
[製造例1]
攪拌機を備えた重合装置に、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム58質量部、メタクリル酸カリウム水溶液(メタクリル酸カリウム分30質量%)31質量部、メタクリル酸メチル11質量部からなる単量体混合物と、脱イオン水900質量部とを加えて攪拌溶解させた。その後、窒素雰囲気下で混合物を攪拌しながら60℃まで昇温し、6時間攪拌しつつ60℃で保持させてアニオン系高分子化合物水溶液を得た。この際、温度が50℃に到達した後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1質量部を添加し、更に別に計量したメタクリル酸メチル11質量部を75分間かけて、上記の反応系に連続的に滴下した。
【0040】
上記した製造方法により得られたアニオン系高分子化合物水溶液を、(A1)とする。
【0041】
[製造例2]
攪拌機を備えた重合装置に、メタクリル酸カリウム水溶液(メタクリル酸カリウム分30質量%)100質量部、メタクリル酸メチル70質量部からなる単量体混合物とを加えて攪拌し、重合ピーク発現後冷却してアニオン系高分子化合物水溶液を得た。
【0042】
上記した製造方法により得られたアニオン系高分子化合物水溶液を、(A2)とする。
【0043】
[実施例1]
攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸メチル80質量部、スチレン20質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部、連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン0.13質量部、離型剤としてステアリルアルコール0.2質量部を加え攪拌溶解させた。また、別の容器に脱イオン水200質量部を入れ、分散安定剤として製造例1で得たアニオン系高分子化合物水溶液(A1)0.5質量部及び製造例2で得たアニオン系高分子化合物水溶液(A2)0.1質量部、分散安定助剤として硫酸ナトリウム0.5質量部を加え攪拌溶解した。次いで、開始剤等を溶解させた単量体混合物と、分散安定剤等を溶解させた脱イオン水混合物を攪拌機が備わった反応容器に投入し、窒素置換しながら350rpmで15分間攪拌した。その後、75℃に加温して重合を開始させ、重合ピーク発現後、95℃、30分間の熱処理を行い、重合を完結させた。
【0044】
得られたビーズ状共重合体を濾過、水洗し、75℃で24時間乾燥した後、ビーズ状共重合体100質量部に対して、日本チバガイギー(株)製チヌビンPを0.01質量部、三共(株)製サノールLS−770を0.01質量部を混ぜ合わせ、池貝(株)製PCM30,2軸押出機を用いて、シリンダー温度240℃で押出しペレット化した。その後、庄司鉄工(株)製プレス機を用いて、プレス温度200℃、プレス圧力3MPaで各種評価用試片を作製し、各種評価を行った。あわせてスパイラル流動長も評価した。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
【0045】
【表1】
[比較例1]
単量体混合物の仕込組成、重合開始剤量及び連鎖移動剤量を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
【0046】
[実施例2〜5、比較例2〜5]
単量体混合物の仕込組成及び連鎖移動剤量を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
【0047】
[実施例6]
実施例2で得られたペレット状共重合体を名機製作所製M−100II−DM射出成形機を用いて、シリンダー温度270℃、金型温度80℃でテールランプレンズを作製し、テールランプレンズの耐アルコール性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
[実施例7、比較例6、7]
テールランプレンズを作製する共重合体を表2に示すように変更したこと以外は、実施例6と同様にテールランプレンズを作製し、テールランプレンズの耐アルコール性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0049】
【発明の効果】
本発明の共重合体は、耐アルコール性、透明性及び耐侯性に優れるため、車両用部品に好適であり、特に洗浄剤が接触するテールランプレンズ、ランプカバー、サイドミラーレンズ、バイザー、バックパネルなどの車両用外装部品として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】1/4楕円試験法を示す概略図である。
【符号の説明】
1 試験片
2 試験片固定用ベルト
3 エタノール塗布面
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐アルコール性、流動性、透明性及び耐侯性に優れた共重合体からなる車両用部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタクリル系樹脂は、透明性、耐侯性、低複屈折性に優れ、機械的性質や成形加工性等のバランスに優れた樹脂であるため、情報伝送体、情報記録媒体、撮像系レンズ、ピックアップレンズ、fθレンズ等の光学用透明部品、メーターカバー、テールランプレンズ、バックパネル等の車両用透明部品、ランプカバーやルーバー等の照明器具、チューナー等のインジケーター、オーディオ部品、OA機器部品等に広く使用されている。特に、テールランプレンズ等の車両用外装部品には、その耐侯性から好適なものとして使用されている。
【0003】
しかし、近年の車両用洗浄剤においては、洗浄効果を高めるため、アルコール類を多く配合したものが増えており、このような車両用洗浄剤を洗車時に使用した場合、テールランプレンズ、ランプカバー、サイドミラーレンズおよびバックパネル等の車両用部品にクラックが発生し、外観が悪化することがある。
【0004】
これに対して、メタクリル樹脂の分子量を大きくして、耐アルコール性を向上させた樹脂を車両用部品に使用している(特許文献1参照。)。その樹脂は、確かにクラックが発生しにくくなるが、樹脂の流動性が低下するため、その樹脂を車両用部品に用いると、成形した車両用部品の残留応力を十分に除去することが困難になる。その結果、車両用部品の耐アルコール性の向上が充分ではなかったり、車両用部品の形状が制約されることがあった。また、車両用部品の残留応力が十分に除去された場合でも、アルコール類の含有率が高い車両用洗浄剤を使用すると、クラックが発生することがあり、一旦クラックが発生すると、クラックが大きく目立つため、外観を悪化させることがあった。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−226429号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、アルコール含有率が高い車両用洗浄剤によってもクラックが発生しにくく、仮にクラックが発生してもクラックが小さく、外観を悪化させる等の問題にならない車両用部品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の目標を達成するために鋭意検討を進めた結果、特定の共重合体からなる車両用部品が最適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の要旨は、メタクリル酸メチル単位80〜95質量%、スチレン単位5〜20質量%、及び共重合可能な他の単量体単位0〜15質量%からなり、且つ、重量平均分子量が10万〜20万である共重合体からなる車両用部品にある。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の車両用部品に適した共重合体を構成するメタクリル酸メチル単位の含有率は、80〜95質量%の範囲である。80質量%以上にすることで、耐侯性の良好な共重合体を得ることができる。85質量%以上であることが好ましい。また、95質量%以下で熱安定性及び流動性の良好な共重合体を得ることができる。90質量%以下であることが好ましい。
【0010】
本発明の車両用部品に適した共重合体を構成するスチレン単位の含有率は、5〜20質量%の範囲である。5質量%以上にすることで、熱安定性及び流動性の良好な共重合体を得ることができる。10質量%以上であることが好ましい。また、20質量%以下にすることで、耐侯性の良好な共重合体を得ることができる。15質量%以下であることが好ましい。
【0011】
本発明の車両用部品に適した共重合体を構成する共重合可能な他の単量体単位としては、特に限定されないが、メタクリル酸メチル以外の不飽和脂肪酸エステル、スチレン以外の芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、不飽和二塩基酸またはその誘導体、不飽和脂肪酸またはその誘導体等を使用することができる。必要に応じて、これらの単量体を二種以上組合せ(共重合時には混合し)て使用してもよい。
【0012】
メタクリル酸メチル以外の不飽和脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。ここで、(メタ)アクリルとは、メタクリルまたはアクリルを示す。(メタ)アクリル酸エステル類としては、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソ−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2―エチルヘキシル等のメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸芳香族エステル、(メタ)アクリル酸フルオロフェニル、(メタ)アクリル酸クロロフェニル、(メタ)アクリル酸フルオロベンジル、(メタ)アクリル酸クロロベンジル等の(メタ)アクリル酸置換芳香族エステル、(メタ)アクリル酸フルオロメチル、(メタ)アクリル酸フルオロエチル等の(メタ)アクリル酸ハロゲン化アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸エチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールエステル等が挙げられる。
【0013】
スチレン以外の芳香族ビニル化合物としては、特に限定されないが、α―メチルスチレン、α―エチルスチレン等のα―置換スチレン、フルオロスチレン、メチルスチレン等の核置換スチレン等が挙げられる。
【0014】
シアン化ビニル化合物としては、特に限定されないが、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
【0015】
不飽和二塩基酸またはその誘導体としては、特に限定されないが、N―メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−クロロフェニルマレイミド等のN−置換マレイミド、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
【0016】
不飽和脂肪酸またはその誘導体としては、特に限定されないが、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリル酸カルシウム、(メタ)アクリル酸バリウム、(メタ)アクリル酸鉛、(メタ)アクリル酸すず、(メタ)アクリル酸亜鉛等の(メタ)アクリル酸の金属塩、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
【0017】
これらの、共重合可能な他の単量体単位の含有率は0〜15質量%の範囲である。
【0018】
本発明の車両用部品に適した共重合体の重量平均分子量は、10万〜20万の範囲である。10万以上であると耐アルコール性に優れた共重合体を得ることができる。12万以上であることが好ましい。また、20万以下であると流動性に優れた共重合体を得ることができる。16万以下であることが好ましい。なお、流動性については、後述するスパイラル流動長の評価で、30cm以上であることが好ましい。30cm以上あれば、射出成形時に細長い形状や複雑な形状の車両用部品が得られやすい。ここでの重量平均分子量とは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)と示差屈折率計により求められる値であり、標準ポリマーはポリスチレンを使用した。
【0019】
本発明の車両用部品に適した共重合体を得る方法としては、特に限定されないが、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の方法が可能である。
【0020】
本発明の車両用部品に適した共重合体を懸濁重合法により製造する場合について説明する。まず、メタクリル酸メチル、スチレン及び共重合可能な他の単量体とからなる単量体混合物に、重合開始剤および連鎖移動剤を均一溶解させる。このとき、メタクリル酸メチル、スチレン及び共重合可能な他の単量体の一部を取り除き、重合中に滴下投入させても良い。
【0021】
次いで、重合開始剤等を溶解させた単量体混合物を分散安定剤が存在する水媒体に懸濁した後、所定の重合温度で一定時間保持して重合を完結させ、その得られた懸濁重合物を濾過し、水洗、乾燥することにより本発明の車両用部品に適した共重合体を得ることができる。
【0022】
懸濁重合の際に使用される重合開始剤としては、特に限定されないが、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン等の過酸化物系開始剤等を挙げることができる。これらの重合開始剤の使用量は、上記単量体混合物100質量部に対して0.01〜3質量部の範囲が好ましい。
【0023】
懸濁重合の際に使用される連鎖移動剤としては、特に限定されないが、t−ブチルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等を挙げることができる。これらの連鎖移動剤の使用量は、上記単量体混合物100質量部に対して0.01〜3質量部の範囲が好ましい。
【0024】
懸濁重合の際に使用される分散安定剤としては、特に限定されないが、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、澱粉末シリカ等の水難溶性無機化合物、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、セルロース誘導体等のノニオン系高分子化合物、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸およびその塩、メタクリル酸エステルとメタクリル酸およびその塩との共重合体等のアニオン系高分子化合物等を挙げることができる。これらの分散安定剤の使用量は、水100質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲が好ましい。また、必要に応じて、これらの分散安定剤と共に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マンガン等の分散安定助剤を併用することもできる。
【0025】
懸濁重合の際に使用される水としては、特に限定されないが、純水、イオン交換水、脱イオン水等が挙げられる。また、水の使用量は、特に限定されないが、前記単量体混合物100質量部に対して100〜1000質量部の範囲が好ましく、より好ましくは150〜400質量部の範囲である。
【0026】
また、懸濁重合の重合温度としては、特に限定されないが、50〜150℃の範囲が好ましく、より好ましくは、70〜130℃の範囲である。
【0027】
さらに、本発明の車両用部品に適した共重合体には、目的に応じて、公知の添加剤、例えば染料、顔料等の着色剤、各種酸化防止剤、可塑剤、離型剤、紫外線吸収剤などの光安定剤等を添加することができる。
【0028】
以上の如く製造した共重合体からなる車両用部品は、従来のメタクリル樹脂の欠点であった耐アルコール性が著しく改良され、かつ流動性、透明性及び耐侯性にも優れるため、車両用部品として好適である。
【0029】
車両用部品の例としては、メーターカバー、ランプレンズ、ランプカバー、サイドミラーレンズ、バイザー、バックパネル等が挙げられる。
【0030】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0031】
実施例および比較例で得た共重合体の物性の評価項目、評価方法は、次の通りである。
【0032】
1)[重量平均分子量]
ペレット状共重合体0.06gをテトラヒドロフラン(和光純薬製1級試薬)25mlに溶解したサンプルを下記の条件下にて測定を行った。
【0033】
2)[全光線透過率、曇価、YI]
ペレット状共重合体から100mm(長さ)×50mm(幅)×2mm(厚み)の試験片を加圧成形により作製した後、JIS K7105に準拠して測定を行った。
【0034】
3)[スパイラル流動長]
ペレット状共重合体を80℃で18時間乾燥させた後、東芝機械(株)製、射出成形機(東芝IS80FPA3)を用いて、スパイラル流動長を評価した。
【0035】
金型:スパイラル(成型品サイズ:幅1.5cm、厚さ0.2cm、スパイラル全長170cm)
金型温度:60℃(設定値)
射出速度:99%(設定値)
射出圧力:36%(設定値)実圧は700kg/cm2程度
シリンダー温度:270℃(設定値)
4)[クラックの大きさ]
ペレット状共重合体から110mm(長さ)×35mm(幅)×2mm(厚み)の試験片を加圧成形により作製した。その後、試験片をアニールし、図1に示す1/4楕円試験法で応力を加えた試験片に薬品を塗布して4時間後、発生したクラックの大きさを評価した。
【0036】
アニール条件:90℃×20時間
薬品:エタノール(脱水処理品)
測定環境:23℃、50%RH、4時間
判定:試験後の試験片に発生したクラックの大きさを下記基準にて評価した。
【0037】
○:2m離れた位置からは見えない大きさ
△:2m離れた位置からも見える大きさ
×:2m離れた位置からでもはっきり見える大きさ
5)[耐侯性]
ペレット状共重合体から70mm(長さ)×50mm(幅)×2mm(厚み)の試験片を加圧成形により作製した後、サンシャインウェザメーター(63℃、雨あり)を用いて、3000時間後の黄変度(ΔYI)により評価した。
【0038】
6)[テールランプレンズの耐アルコール性]
ペレット状共重合体の射出成形により得られたテールランプレンズをアニールした後、エタノールに4時間浸漬し、テールランプレンズにクラックが発生しているか以下の基準にて目視評価した。
【0039】
アニール条件:80℃×20時間
薬品:エタノール(脱水処理品)
測定環境:23℃、4時間
基準:
○:1m離れた位置からは見えない大きさ
△:1m離れた位置からも見える大きさ
×:1m離れた位置からでもはっきり見える大きさ
[製造例1]
攪拌機を備えた重合装置に、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム58質量部、メタクリル酸カリウム水溶液(メタクリル酸カリウム分30質量%)31質量部、メタクリル酸メチル11質量部からなる単量体混合物と、脱イオン水900質量部とを加えて攪拌溶解させた。その後、窒素雰囲気下で混合物を攪拌しながら60℃まで昇温し、6時間攪拌しつつ60℃で保持させてアニオン系高分子化合物水溶液を得た。この際、温度が50℃に到達した後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1質量部を添加し、更に別に計量したメタクリル酸メチル11質量部を75分間かけて、上記の反応系に連続的に滴下した。
【0040】
上記した製造方法により得られたアニオン系高分子化合物水溶液を、(A1)とする。
【0041】
[製造例2]
攪拌機を備えた重合装置に、メタクリル酸カリウム水溶液(メタクリル酸カリウム分30質量%)100質量部、メタクリル酸メチル70質量部からなる単量体混合物とを加えて攪拌し、重合ピーク発現後冷却してアニオン系高分子化合物水溶液を得た。
【0042】
上記した製造方法により得られたアニオン系高分子化合物水溶液を、(A2)とする。
【0043】
[実施例1]
攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸メチル80質量部、スチレン20質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部、連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン0.13質量部、離型剤としてステアリルアルコール0.2質量部を加え攪拌溶解させた。また、別の容器に脱イオン水200質量部を入れ、分散安定剤として製造例1で得たアニオン系高分子化合物水溶液(A1)0.5質量部及び製造例2で得たアニオン系高分子化合物水溶液(A2)0.1質量部、分散安定助剤として硫酸ナトリウム0.5質量部を加え攪拌溶解した。次いで、開始剤等を溶解させた単量体混合物と、分散安定剤等を溶解させた脱イオン水混合物を攪拌機が備わった反応容器に投入し、窒素置換しながら350rpmで15分間攪拌した。その後、75℃に加温して重合を開始させ、重合ピーク発現後、95℃、30分間の熱処理を行い、重合を完結させた。
【0044】
得られたビーズ状共重合体を濾過、水洗し、75℃で24時間乾燥した後、ビーズ状共重合体100質量部に対して、日本チバガイギー(株)製チヌビンPを0.01質量部、三共(株)製サノールLS−770を0.01質量部を混ぜ合わせ、池貝(株)製PCM30,2軸押出機を用いて、シリンダー温度240℃で押出しペレット化した。その後、庄司鉄工(株)製プレス機を用いて、プレス温度200℃、プレス圧力3MPaで各種評価用試片を作製し、各種評価を行った。あわせてスパイラル流動長も評価した。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
【0045】
【表1】
[比較例1]
単量体混合物の仕込組成、重合開始剤量及び連鎖移動剤量を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
【0046】
[実施例2〜5、比較例2〜5]
単量体混合物の仕込組成及び連鎖移動剤量を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1に示す。
【0047】
[実施例6]
実施例2で得られたペレット状共重合体を名機製作所製M−100II−DM射出成形機を用いて、シリンダー温度270℃、金型温度80℃でテールランプレンズを作製し、テールランプレンズの耐アルコール性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
[実施例7、比較例6、7]
テールランプレンズを作製する共重合体を表2に示すように変更したこと以外は、実施例6と同様にテールランプレンズを作製し、テールランプレンズの耐アルコール性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0049】
【発明の効果】
本発明の共重合体は、耐アルコール性、透明性及び耐侯性に優れるため、車両用部品に好適であり、特に洗浄剤が接触するテールランプレンズ、ランプカバー、サイドミラーレンズ、バイザー、バックパネルなどの車両用外装部品として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】1/4楕円試験法を示す概略図である。
【符号の説明】
1 試験片
2 試験片固定用ベルト
3 エタノール塗布面
Claims (2)
- メタクリル酸メチル単位80〜95質量%、スチレン単位5〜20質量%、及び共重合可能な他の単量体単位0〜15質量%からなり、且つ、重量平均分子量が10万〜20万である共重合体からなる車両用部品。
- 車両用部品が車両用ランプレンズである請求項1に記載の車両用部品。
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-
2002
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