JP2007154072A - 光学用共重合体及びそれからなる成形体 - Google Patents

光学用共重合体及びそれからなる成形体 Download PDF

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幸則 沖本
Hiroki Hatakeyama
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Abstract

【課題】405nmの透過率、耐熱性、流動性に優れ、且つ光学素子として十分な強度を有することのできる光学用共重合体及びその光学用共重合体からなる光学用成形体を提供すること。
【解決手段】
メタクリル酸メチル単位20〜85質量%、下記一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位5〜20質量%及びメタクリル酸トリフルオロエチル単位10〜60質量%を含む共重合体であって、一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位の質量を1とした場合のメタクリル酸トリフルオロエチル単位の質量が1.0〜5.0の範囲であり、かつガラス転移温度が110℃以上であり、メルトフローレート(230℃、37.2N)が10g/10min以上である対物レンズ、プリズム、集光レンズ、回折格子、コリメーターレンズ、センサーレンズに好適な光学用共重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定化合物単位を含む光学用共重合体及びそれからなる光学用成形体に関する。
従来は、レンズ、プリズム、光ディスク、LCD用基板等の光学用素子にはガラスが使用されていたが、最近は、軽量・小型化、生産性、形状の自由度の観点からプラスチックが使用されることが多くなっている。光学用成形体に使用されるプラスチックには、一般にポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、スチレン・メタクリル酸メチル共重合体等が知られている。
しかし、ポリスチレン、ポリカーボネート等については、成形性に優れるが、分子内に芳香環を持つため、配向歪みによる複屈折が生じ易い欠点があった。さらに、波長405nm付近の光線透過率が低いことから、近年上市されている記録密度を向上させるための青色レーザーを使用する次世代DVDへの使用が困難であり、光学素子用の材料として十分に満足できる材料ではない。
また、ポリメタクリル酸メチルは、光弾性係数が小さく、比較的配向歪みによる複屈折が生じ難いが、肉厚の薄い光ピックアップ用レンズや、微細な凹凸を有した導光板などの光学素子においては、形状や面の精度が安定しないことがあり、流動性改良の要求がある。これに対して、脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、N−置換マレイミド、メタクリル酸ベンジル、及びアクリル酸エステルまたは芳香族ビニル化合物を、特定の組成比で共重合することにより得られる配向複屈折が低く、メルトフローレートが高く、曲げ破壊強度が大きい樹脂を含有してなる非複屈折性光学用樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照)。
この非複屈折性光学用樹脂組成物は、従来のポリメタクリル酸メチルより、流動性が優れていることから、形状や面の精度の良好な光学素子を得ることができるようになったが、波長405nm付近の光線透過率が低いため、近年上市されている記録密度を向上させるための青色レーザーを使用する次世代DVDへの使用が困難であり、光学素子用の材料として十分に満足できる材料ではなかった。
また、青色レーザー波長の380〜420nm範囲で高い透過率を有し、かつ耐レーザー光性、耐環境性及び低複屈折性に優れた光学用樹脂組成物及び光学用素子が提案されている(特許文献2参照)。
この光学用樹脂組成物は、波長400nm付近の光線透過率に優れているが、十分な流動性を得ることが困難であり、光学素子用の材料として十分に満足できる材料ではなかった。
特開2004−018710号公報 特開2004−204018号公報
本発明の目的は、波長405nmの光線透過率、耐熱性、流動性に優れ、且つ光学用成形体として十分な機械的強度を有することのできる光学用共重合体及びその光学用共重合体からなる光学用成形体を提供することにある。
本発明の要旨は、メタクリル酸メチル単位20〜85質量%、下記一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位5〜20質量%及びメタクリル酸トリフルオロエチル単位10〜60質量%を含む共重合体であって、一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位の質量を1とした場合のメタクリル酸トリフルオロエチル単位の質量が1.0〜5.0の範囲であり、かつガラス転移温度が110℃以上であり、メルトフローレート(230℃、37.2N)が10g/10min以上である光学用共重合体にある。
Figure 2007154072
(式中、R、Rは、独立して水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R及びRにおける炭素数の合計が1〜3のいずれかである。)
また、本発明の要旨は、前述の光学用共重合体からなる光学用成形体にある。
本発明の共重合体は、波長405nmの光線透過率、耐熱性、流動性に優れ、光学用に好適である。さらに、その光学用共重合体からなる成形体は、光学用成形体として十分な機械的強度を有し、ブルー系レーザーなどの短波長レーザー光線を高強度で透過させて情報記録媒体への情報の書き込みや該媒体からの情報の読み出しを行っても、長期間に亘りエラーレートが増加しない。
本発明の、メタクリル酸メチル単位20〜85質量%、下記一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位5〜20質量%及びメタクリル酸トリフルオロエチル単位10〜60質量%を含む共重合体であって、一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位の質量を1とした場合のメタクリル酸トリフルオロエチル単位の質量が1.0〜5.0の範囲であり、かつガラス転移温度が110℃以上であり、メルトフローレート(230℃、37.2N)が10g/10min以上である光学用共重合体を、便宜的に「本発明の光学用共重合体」と称する。
Figure 2007154072
(式中、R、Rは、独立して水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R及びRにおける炭素数の合計が1〜3のいずれかである。)
また、本発明の光学用共重合体からなる光学用成形体のことを、便宜的に「本発明の光学用成形体」と称する。
本発明の光学用共重合体を構成するメタクリル酸メチル単位は、光学用共重合体として十分な光学特性及び機械的強度を付与する為に必要である。機械的強度に優れた共重合体を得るため、共重合体を構成する全化合物単位に対して20質量%以上にする必要があり、25質量%以上が好ましく、27質量%以上がさらに好ましい。また、耐熱性に優れた共重合体を得るため、85質量%以下にする必要があり、75質量%以下が好ましく、74.5質量%以下がさらに好ましい。
本発明の光学用共重合体を構成する一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位は、光学用共重合体として十分な耐熱性を付与する為に必要である。耐熱性に優れた共重合体を得るため、共重合体を構成する全化合物単位に対して5質量%以上にする必要があり、10質量%以上が好ましい。また、低吸湿性、低複屈折性及び機械的強度に優れた共重合体を得るため、20質量%以下にする必要があり、18質量%以下が好ましい。
本発明の光学用共重合体を構成するメタクリル酸トリフルオロエチル単位は、光学用共重合体として十分な低複屈折性及び低吸湿性を付与する為に必要である。低複屈折性及び低吸湿性に優れた共重合体を得るため、共重合体を構成する全化合物単位に対して10質量%以上にする必要があり、15質量%以上が好ましい。また、耐熱性に優れた共重合体を得るため、60質量%以下にする必要があり、55質量%以下が好ましい。
本発明の光学用共重合体を構成する一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位の質量を1とした場合、メタクリル酸トリフルオロエチル単位の質量は、光学用共重合体として十分な耐熱性と低複屈折性のバランスに優れた共重合体を得るため、1.0〜5.0の範囲にする必要がある。低複屈折性および低吸湿性に優れた共重合体を得るため、1.0以上にする必要があり、1.5以上が好ましい。また耐熱性に優れた共重合体を得るため、5.0以下にする必要があり、4.0以下が好ましい。
さらに本発明の光学用共重合体は、エステル部分に炭素数6〜22の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単位を含有することができる。低吸湿性を付与する観点から共重合体を構成する全化合物単位に対して5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。また機械的強度の観点から25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。ここでエステル部分に炭素数6〜22の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニルメチル、(メタ)アクリル酸シアノノルボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸メンチル、(メタ)アクリル酸フェンチル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル、(メタ)アクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−4−メチル、(メタ)アクリル酸シクロデシル等が挙げられる。これらは、一種又は二種以上を併用して使用することができる。なお、本発明における「(メタ)アクリル」とは「メタクリル」と「アクリル」との総称である。
また、本発明の共重合体は、光学用共重合体としての性能を損なわない範囲であれば、前述の単位以外の共重合可能な単量体に由来する単位を含有することができる。具体的には、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソ−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2―エチルヘキシル等のメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸芳香族エステル;(メタ)アクリル酸フルオロフェニル、(メタ)アクリル酸クロロフェニル、(メタ)アクリル酸フルオロベンジル、(メタ)アクリル酸クロロベンジル等の(メタ)アクリル酸置換芳香族エステル;(メタ)アクリル酸フルオロメチル、アクリル酸フルオロエチル等の(メタ)アクリル酸ハロゲン化アルキルエステル;(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸エチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールエステル;スチレン、α―メチルスチレン、α―エチルスチレン等のα―置換スチレン;フルオロスチレン、メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;N―メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−クロロフェニルマレイミド等のN−置換マレイミド;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の不飽和二塩基酸またはその誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸カルシウム、(メタ)アクリル酸バリウム、(メタ)アクリル酸鉛、(メタ)アクリル酸すず、(メタ)アクリル酸亜鉛等の(メタ)アクリル酸の金属塩;(メタ)アクリル酸等の不飽和脂肪酸およびその誘導体等が挙げられる。これらの前述の単位以外の単量体単位としては、熱安定性を付与する観点から、アクリル酸メチルが好ましく、共重合体を構成する全化合物単位に対して0.5〜5質量%とすることが好ましい。これらは、一種又は二種以上を併用して使用することができる。
本発明の光学用共重合体のガラス転移温度は、光学用成形体の使用環境によっても異なるが形状安定性を十分に得るため、少なくとも110℃以上にする必要がある。また、十分な流動性を得るために、120℃未満が好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量計で測定して得られる値である。
本発明の光学用共重合体のメルトフローレートは、成形加工する際、形状や面の精度の良好な光学用成形体を得るために、10g/10min以上必要である。光学用成形体の機械的強度を保持する観点から、メルトフローレートは、50g/10min以下が好ましい。なお、メルトフローレートは、JIS K7210(温度230℃、荷重37.2N)に準拠して測定したときの値である。
本発明の光学用共重合体の曲げ強さは、特に限定されないが、光学用成形体の製造又は取り扱い時の強度を十分に得るため、40MPa以上が好ましく、45MPa以上がより好ましい。なお、曲げ強さは、JIS K7171に準拠して測定したときの値である。
本発明の光学用共重合体の飽和吸湿率は、特に限定されないが、光学用成形体の使用環境下での形状安定性を十分に得るため、1.6質量%以下が好ましく、1.2質量%以下がより好ましい。なお、飽和吸湿率は、温度60℃、相対湿度90%、暴露時間720時間で測定したときの値とする。
前記ガラス転移温度、曲げ強さ、飽和吸湿率等の物性については、共重合体を構成する各化合物単位を所定量とすることにより、それぞれ好適な範囲とすることができる。
本発明の光学用共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、機械的強度を十分に得るため、5万以上が好ましく、7万以上がより好ましい。また、成形加工性及び低複屈折性を十分に得るため、15万以下が好ましく、10万以下がより好ましい。
重量平均分子量の設定は、共重合体を製造する際、連鎖移動剤の添加量を調整する等の公知の方法により行うことができる。
本発明の光学用共重合体は、メタクリル酸メチル、一般式(1)で表わされるラクトン化合物、メタクリル酸トリフルオロエチル、場合によってその他の共重合可能な単量体との混合物を塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合法等の公知の方法にて重合することによって製造することができる。
本発明の光学用共重合体には、必要に応じて、公知の添加剤、例えば離型剤、染料、顔料等の着色剤、各種酸化防止剤、光安定剤、可塑剤等を添加することができる。
本発明の光学用共重合体を成形することによって、光学用成形体を得ることができる。光学用成形体の成形方法は、特に限定されないが、例えば、得られた共重合体を用いた射出成形法、プレス成形法、押出成形法、ブロー成形法などの加熱溶融成形法が挙げられる。また、得られた共重合体を用いた溶液キャスト法が挙げられる。さらに先の混合物を塊状重合する場合には、直接、光学用成形体の形状に成形することもできる。本発明においては、寸法精度等に優れ、非球面形状等が成形可能な射出成形法又はプレス成形法が好ましく、射出成形法がより好ましい。
本発明の光学用成形体の成形直後における波長405nmの光線透過率は、特に限定されないが、光学用成形体の信頼性の観点から、88%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
複屈折の評価手段の一つにレターデーションがある。本発明の光学用成形体のレターデーションは、特に限定されないが、使用環境下でのレンズの集光性を十分に得るため、50nm以下が好ましく、40nm以下がより好ましい。なお、レターデーションは、試験片の位相差(測定波長は、546nm)を偏光顕微鏡にて測定して算出した値である。
本発明の光学用成形体としては、特に限定されないが、例えば、情報読み取り/書き取り装置用光学部材、情報伝送体、眼鏡用レンズ、導光板等が挙げられる。これらの光学用成形体の中でも、対物レンズ、プリズム、集光レンズ、回折格子、コリメーターレンズ、センサーレンズ等の情報読み取り/書き取り装置用光学部材、液晶ディスプレイ等の導光板に有用である。特に、次世代DVD等のピックアップレンズに好適である。
次に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。各実施例において、各略号は以下の化合物を示す。
MMA :メタクリル酸メチル
MMBL :α−メチレン−β−メチルブチロラクトン(文献公知の方法により合成)
3FMA :メタクリル酸トリフルオロエチル(三菱レイヨン(株)製)
FA513M:メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル(日立化成工業(株)製)
MA :アクリル酸メチル
AIBN :2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
n−OM :n−オクチルメルカプタン
S100A :グリセリンモノステアレート(理研ビタミン(株)製リケマールS−100A)
また、実施例および比較例中の各種物性評価方法は、次の通りである。
(1)重量平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)と示差屈折率計より求められる値から、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を求めた。
(2)ガラス転移温度(Tg)
ニッパーで細かく切断したペレット状共重合体を、示差走査熱量計セイコーインスツルメンツ(株)製DSC6200を用いて測定した。
(3)透過率
射出成形により作製した平板(厚み2mm)を、(株)島津製作所製 紫外可視分光光度計 UVmini−1240を用いて測定した。なお、透過率の測定波長は、405nmである。
(4)レターデーション
日精樹脂(株)製、射出成形機PS−60Eを用いて、シリンダー温度240℃、金型温度60℃、射出速度50%、射出時間10秒、冷却時間25秒、成形サイクル時間50秒の条件で、射出圧力を適宜変更して作製したダンベル型試験片(全長;198mm、幅;両端19mm、中央13mm、厚み;3mm)のゲート口から50mm、幅中心部の位置の位相差を偏光顕微鏡にて測定し、下記式にて算出した。なお、測定波長は、546nmである。
レターデーション(nm)=位相差(°)×546(nm)/180(°)
(5)曲げ強さ
JIS K7171に準拠して測定した。
(6)飽和吸湿率
射出成形法により作製した平板(長さ100mm、幅50mm、厚み2mm)を80℃で48時間乾燥後、恒温恒湿器を用い、温度60℃、相対湿度90%、暴露時間720時間の条件で吸湿させて、下記式にて算出し、この値を飽和吸湿率とした。
飽和吸湿率(質量%)=(S2−S1)/S1×100
S1:80℃で48時間乾燥後の平板の質量
S2:吸湿試験後の平板の質量
(7)メルトフローレート
JIS K7210に準拠して測定した(温度;230℃、荷重37.2N)
(8)成形性
東芝機械製、射出成形機EC20PNIIを用いて、シリンダー温度240℃、金型温度60℃、射出速度50%、射出時間10秒、冷却時間25秒、成形サイクル時間50秒の条件で、射出圧力を適宜変更して平板(幅;50mm、長さ;100mm、厚み;1mm)を作製し、平板の形状転写性及び金型からの取り出す際の平板の取り扱い性を評価した。
形状転写性;目視による評価
○ 金型キャビティー形状が良好に転写されている
× 成形品のエッジ部分にヒケ、欠けが見られる
取り扱い性;金型からの剥離性
○ 難なく剥離する
△ 割れが多発する
× 剥離しない
[製造例1]アニオン系高分子化合物水溶液(A1)
攪拌機を備えた重合装置に、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム58質量部、メタクリル酸カリウム水溶液(メタクリル酸カリウム分30質量%)31質量部、メタクリル酸メチル11質量部からなる単量体混合物と、脱イオン水900質量部とを加えて攪拌溶解させた。その後、窒素雰囲気下で混合物を攪拌しながら60℃まで昇温し、6時間攪拌しつつ60℃で保持させてアニオン系高分子化合物水溶液を得た。この際、温度が50℃に到達した後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1質量部を添加し、更に別に計量したメタクリル酸メチル11質量部を75分間かけて、上記の反応系に連続的に滴下した。
上記した製造方法により得られたアニオン系高分子化合物水溶液を、(A1)とする。
[製造例2]アニオン系高分子化合物水溶液(A2)
攪拌機を備えた重合装置に、水酸化カリウム水溶液(水酸化カリウム分17.1質量%)68質量部、メタクリル酸メチル32質量部を加えてなる混合物を攪拌する。ケン化反応終了後、混合物の温度を80℃まで昇温し、4時間攪拌しつつ80℃で保持させてアニオン系高分子化合物水溶液を得た。この際、温度が72℃に到達した後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1質量部を添加した。その後、攪拌機を備えた重合装置内に脱イオン水1000質量部を分割投入すると同時に、攪拌機を備えた容器にアニオン系高分子化合物水溶液を移液・回収した。
上記した製造方法により得られたアニオン系高分子化合物水溶液を、(A2)とする。
[実施例1]
攪拌機を備えた内容積10リットルのセパラブルフラスコに、脱イオン水6000mlを入れ、分散安定剤として製造例1で得られたアニオン系高分子化合物水溶液(A1)4g、及び製造例2で得られたアニオン系高分子化合物水溶液(A2)1g、分散安定助剤として硫酸ナトリウム9gを加え攪拌・溶解させた。また、攪拌機を備えた別容器に用意した、MMA2265g、MMBL240g、3FMA450g、MA45gの単量体混合物に、重合開始剤としてAIBN6g、連鎖移動剤としてn−OM8.1g、離型剤としてS100A6gを加え、攪拌・溶解させた。この単量体混合物を前記攪拌機を備えた内容積10リットルセパラブルフラスコに投入し、窒素置換しながら攪拌機の回転数300rpmで15分間攪拌した。その後、80℃に加温して重合を開始させ、重合発熱ピーク終了後、95℃で60分間の熱処理を行い、重合を完結させた。
得られたビーズ状重合体を濾過、水洗し、80℃で24hr乾燥した後、池貝(株)製PCM30,脱揮式二軸押出機を用いて、シリンダー温度220℃で押出しペレット化した。このペレット状共重合体を用い、重量平均分子量、ガラス転移温度及びメルトフローレートを評価した。評価結果を表1に示す。
また、このペレット状共重合体を用いて各種評価用試験片を射出成形法にて作製し、透過率、レターデーション、曲げ強度、飽和吸湿率、成形性を評価した。評価結果を表1及び表2に示す。なお、透過率、レターデーション、曲げ強度、飽和吸湿率の測定用試験片は、日精樹脂(株)製、射出成形機PS−60Eを用いて、シリンダー温度240℃、金型温度60℃、射出速度50%、射出時間10秒、冷却時間25秒、成形サイクル時間50秒の条件で、射出圧力を適宜変更して作製した。
Figure 2007154072
Figure 2007154072
〔実施例2〕
単量体混合物の組成をMMA1695g、MMBL360g、3FMA900g、MA45gに変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1及び表2に示す。
〔実施例3〕
単量体混合物の組成をMMA1245g、MMBL360g、3FMA1350g、MA45g及びn−OMを6.0gに変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1及び表2に示す。
〔実施例4〕
単量体混合物の組成をMMA795g、MMBL510g、3FMA1650g、MA45g及びn−OMを6.0gに変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1及び表2に示す。
〔比較例1〕
単量体混合物の組成をMMA2100g、FA513M900g、AIBNを3g、n−OMを13.5gに変更したこと以外は、実施例1と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1及び表2に示す。
〔比較例2〕
単量体混合物の組成をMMA1050g、FA513M1500g、3FMA450g、n−OMを6.0gに変更したこと以外は、比較例1と同様に重合、ペレット化、試験片作製等を行い、各種評価を行った。得られた成形品の評価結果を一括して表1及び表2に示す。
〔比較例3〕
三菱レイヨン(株)製アクリペットVH 000のガラス転移温度を評価したところ、109℃であった。さらに、各種評価用試験片を射出成形法にて作製し、透過率、レターデーション、飽和吸湿率、曲げ強さ、メルトフローレート、成形性を評価した。透過率92%、レターデーション85nm、飽和吸湿率1.6質量%、曲げ強さ115MPa、メルトフローレート2.1g/10minであった。また、成形性の評価では、エッジ部分にヒケのある成形品があり、形状転写性が不足していた。
本発明の光学用共重合体は、情報読み取り/書き込み装置用光学部材に好適であり、ブルー系レーザー用ピックアップレンズに特に好適である。

Claims (5)

  1. メタクリル酸メチル単位20〜85質量%、下記一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位5〜20質量%及びメタクリル酸トリフルオロエチル単位10〜60質量%を含む共重合体であって、一般式(1)で表わされるラクトン化合物に由来する単位の質量を1とした場合のメタクリル酸トリフルオロエチル単位の質量が1.0〜5.0の範囲であり、かつガラス転移温度が110℃以上であり、メルトフローレート(230℃、37.2N)が10g/10min以上である光学用共重合体。
    Figure 2007154072
    (式中、R、Rは、独立して水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R及びRにおける炭素数の合計が1〜3のいずれかである。)
  2. 60℃で相対湿度90%環境下での飽和吸湿率が1.6質量%以下である請求項1に記載の光学用共重合体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光学用共重合体からなる光学用成形体。
  4. JIS K7171による曲げ強さが40MPa以上である請求項3に記載の光学用成形体。
  5. レターデーションが50nm以下である請求項3または請求項4に記載の光学用成形体。
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