JP2004204018A - 光学用樹脂組成物及びこれを用いた光学用素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】青色レーザー波長の380〜420nm範囲で高い透過率を有し、かつ耐レーザー光性、耐環境性及び低複屈折性に優れた光学用樹脂組成物及び光学用素子を提供する。
【解決手段】メタクリル酸メチル、エステル部分に炭素数5〜22の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル、及び、エステル部分にフッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルを必須成分とする単量体混合物を重合してなる樹脂から主としてなる光学用樹脂組成物及びこれを用いた光学用素子。
【選択図】 なし
【解決手段】メタクリル酸メチル、エステル部分に炭素数5〜22の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル、及び、エステル部分にフッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルを必須成分とする単量体混合物を重合してなる樹脂から主としてなる光学用樹脂組成物及びこれを用いた光学用素子。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光学用樹脂組成物及び該樹脂を用いたレンズ、光ディスク、導光板、シート及びプリズム等の光学用素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、レンズ、光ディスク、プリズム、LCD基板、LCD用導光板などの光学用素子には、ガラスに変わって、光学特性に優れたポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、熱可塑性ノルボルネン系樹脂などが使用されてきた。しかし、ポリカーボネート等の分子内に芳香環を持つ樹脂においては、配向歪みによる大きな複屈折が生じ易く、特開昭61−14617号公報に示されるように成形金型を工夫する必要があった。また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂については、成形時の熱によって着色や焼けが成形品の光学特性を劣化させるため、特開平7−138324号公報に示されるように金型温度を成形中に可変制御したり、無酸素下(真空化、窒素雰囲気下)で成形する必要があった。
【0003】
一方、アクリル樹脂の代表であるPMMAは、透明性、成形性に優れ、光弾性係数が小さく、比較的配向歪みによる複屈折が生じにくいので、ファインダー用レンズ、CD用ピックアップレンズ、LCD用導光板などの比較的高精度を要求されていない光学用素子に使用されてきた。
【0004】
しかし近年では、光学用素子により高精度が要求され、それを構成するプラスチック材料にも様々な特性が要求されている。特に記録密度を向上させるための青色レーザーを使用する次世代DVDにおいては、単に複屈折が小さいだけではなく青色レーザー波長の380〜420nm範囲での透過率が最も重要視されている。さらにレーザー光を長時間照射したときの樹脂劣化による黄変が、まったく生じない安定な材料が求められている。
【0005】
また、高輝度化が進む液晶ディスプレーや液晶プロジェクター等の液晶素子には、可視光全域に渡ってより高い透過率の材料が求められている。最近では、液晶ディスプレーの光源として白色LEDが使用されており、この白色LEDは青〜紫色の光を励起光として赤及び緑色を発光させるため、この波長でのより透明性の高い材料が望まれている。導光板においても、青〜紫領域のわずかな吸収がコントラストや色むらといった問題を起こしてしまう。
【0006】
現在の赤色レーザーDVDにおいては、レンズ用途として熱可塑性シクロオレフィン系樹脂や低複屈折性のアクリル樹脂が、ディスク基板としてポリカーボネートが使用されている。しかし、600nm付近の赤色領域において90%近くの透過率を有するこれらの材料でも400nm付近の透過率は、80%以下となり射出成形時の熱酸化劣化による吸収損失が無視できなくなる。また、シクロオレフィン系樹脂やポリカーボネートは耐紫外線に弱く、青色レーザー光を長時間照射すると樹脂劣化による透過率の低下が見られる。一方、近紫外領域において最も透明性の優れるPMMAでは初期透過率及び耐レーザー光性は問題ないが、耐熱性や吸湿による耐環境性の点で実用化が困難な状況である。
【0007】
シクロオレフィン系樹脂に関しては、製造プロセスの改良、窒素又は真空中での射出成形、酸化防止剤や安定剤の添加(特開2002−179875号公報)によって熱劣化の抑制を図っているが、実用レベルの初期透過率と耐レーザー光性は得られていない。また、ポリスチレンを水素添加したビニルシクロヘキサン系樹脂(特開2002−234953号公報他)等も開発されているが、強度不足等の問題があり実用化には至っていない。さらに複屈折の点でも、汎用のアクリル樹脂より大きく、次世代DVDに要求されている水準を満足することは出来ていない。
【0008】
最近アクリル樹脂に関しては、MMAと数種類のモノマーを共重合することで、樹脂自体の複屈折を消去すると同時にエステル部分にメチル基よりも疎水的な置換基を導入することで、PMMAより優れた低吸湿性を発現することが出来る(Jpn. J. Appl. Phys., 35, 3896(1996)、光学, 24(2), 69(1995)、機能材料, 5, 10(1995))。このため、これらの変性アクリル樹脂から得られる射出成形品はほとんど複屈折がなく、またPMMAと比較して吸湿等による成形品の形状変化も小さい。また透明性に関しても、470nm以上では90%以上の透過率を有しており、これらの変性アクリル樹脂は、高精度が要求されている現在のDVD、液晶プロジェクター用レンズ及び導光板等の材料として充分に満足できる特性を有している。
【0009】
しかし、青色レーザーを使用する次世代DVDの405nm付近の波長領域では、電子遷移吸収による吸収端がかかってくるため、上記の変性アクリル樹脂では透過率の低下が見られ、光学素子の材料として適用することは困難である。また、比較的高い吸水率も実用上問題とされている。このように、現在の光学用樹脂では次世代DVDに好適な材料は存在しないため、高透明で青色レーザー光に対して安定な新規光学用樹脂の開発が望まれている。
【0010】
【特許文献1】
特開昭61−14617号公報
【特許文献2】
特開平7−138324号公報
【特許文献3】
特開2002−179875号公報
【特許文献4】
特開2002−234953号公報
【非特許文献1】
Jpn. J. Appl. Phys., 35, 3896(1996)、光学, 24(2), 69(1995)、機能材料, 5, 10(1995)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、青色レーザー波長の380〜420nm範囲で高い透過率を有し、かつ耐レーザー光性、耐環境性及び低複屈折性に優れた光学用樹脂組成物及び光学用素子を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、メタクリル酸メチル、エステル部分に炭素数5〜22の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル、及び、エステル部分にフッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルを必須成分とする単量体混合物を重合してなる樹脂から主としてなる光学用樹脂組成物に関する。
【0013】
また本発明は、メタクリル酸メチル5〜90重量部、エステル部分に炭素数5〜22の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル10〜90重量部、エステル部分にフッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル1〜90重量部、及び、これらと共重合可能な単量体0〜95重量部からなり、総重量部が100重量部からなる単量体混合物を重合してなる樹脂から主としてなる光学用樹脂組成物に関する。
【0014】
また本発明は、熱可塑成形して得られる厚さ3mm板の380〜420nmから選択される単波長の光線透過率が85%以上である前記の光学用樹脂組成物に関する。
【0015】
また本発明は、前記エステル部分にフッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル単量体に含まれるフッ素原子数が3以上である光学用樹脂組成物に関する。
【0016】
また本発明は、前記エステル部分に炭素数5〜22の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルが、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル及びメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−メチル、メタクリル酸フェニルノルボルニルからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物である光学用樹脂組成物に関する。
【0017】
また本発明は、前記のいずれかの光学用樹脂組成物を成形してなるレンズ、光ディスク、導光板、シート及びプリズム等の光学用素子に関する。
【0018】
さらに本発明は、青色レーザー用のピックアップレンズである前記の光学用素子に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するエステル部分に炭素数5〜22の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メチルシクロヘキシル、アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、アクリル酸ノルボルニル、アクリル酸ノルボルニルメチル、アクリル酸フェニルノルボルニル、アクリル酸シアノノルボルニル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ボルニル、アクリル酸メンチル、アクリル酸フェンチル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸ジメチルアダマンチル、アクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル、アクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−4−メチル、アクリル酸シクロデシル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル、メタクリル酸シアノノルボルニル、メタクリル酸フェニルノルボルニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸メンチル、メタクリル酸フェンチル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ジメチルアダマンチル、メタクリル酸トリシクロ 〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル、メタクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−4−メチル、メタクリル酸シクロデシル等が挙げられる。
【0020】
これらの中でも低吸湿性の点から、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸メンチル、メタクリル酸フェンチル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ジメチルアダマンチル、メタクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル、メタクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−4−メチル、メタクリル酸シクロデシル、メタクリル酸フェニルノルボルニル等が好ましい。
【0021】
さらに耐熱性及び低吸湿性の点からメタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル及びメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−メチル、メタクリル酸フェニルノルボルニルが特に好ましい。
【0022】
本発明におけるエステル部分にフッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル単量体の例としては、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロエチル、メタクリル酸(2−パーフルオロブチル)エチル、メタクリル酸(3−パーフルオロブチル)−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸(2−パーフルオロヘキシル)エチル、メタクリル酸3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸(2−パーフルオロオクチル)エチル、メタクリル酸3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸(2−パーフルオロデシル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル、メタクリル酸(3−パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸(2−パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル、メタクリル酸 (3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸(2−パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル、メタクリル酸(3−パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル、メタクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、メタクリル酸1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル、メタクリル酸1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル、メタクリル酸1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル、メタクリル酸1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロエチル、アクリル酸(2−パーフルオロブチル)エチル、アクリル酸(3−パーフルオロブチル)−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸(2−パーフルオロヘキシル)エチル、アクリル酸3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸(2−パーフルオロオクチル)エチル、アクリル酸3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸(2−パーフルオロデシル)エチル、アクリル酸(2−パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル、アクリル酸(3−パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸(2−パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル、アクリル酸(3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸(2−パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル、アクリル酸(3−パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル、アクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、アクリル酸1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル、アクリル酸1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル、アクリル酸1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル、アクリル酸1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル等が挙げられる。
【0023】
これらの中でも低吸湿性の点から、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロエチル、メタクリル酸(2−パーフルオロブチル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロヘキシル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロオクチル)エチル、メタクリル酸 (2−パーフルオロデシル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル、メタクリル酸1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル、メタクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、メタクリル酸1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル、メタクリル酸1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル、メタクリル酸1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル、メタクリル酸1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロエチル、アクリル酸(2−パーフルオロブチル)エチル、アクリル酸(2−パーフルオロヘキシル)エチル、アクリル酸(2−パーフルオロオクチル)エチル、アクリル酸(2−パーフルオロデシル)エチル、アクリル酸(2−パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル、アクリル酸(2−パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル、アクリル酸(2−パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル、アクリル酸1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル、アクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、アクリル酸1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル、アクリル酸1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル、アクリル酸1H−1− (トリフルオロメチル)トリフルオロエチル、アクリル酸1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル等が好ましい。
【0024】
本発明におけるエステル部分にフッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル単量体の例としては、耐熱性及び低吸湿性の点からエステル部分に3以上のフッ素原子を有するメタクリル酸又はアクリル酸エステル単量体が好ましいが、その例としては、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロエチル、メタクリル酸(2−パーフルオロブチル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロヘキシル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロオクチル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロデシル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル、メタクリル酸1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル、メタクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、メタクリル酸1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル、メタクリル酸1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル、メタクリル酸1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル、メタクリル酸1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル等が前記効果が高く特に好ましい。
【0025】
本発明における上記各単量体と共重合可能な、その他の単量体は、基本的に重合体の透明性、低複屈折性、耐熱性及び低吸湿性を損なわないものであれば、特に限定されず、具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ナフチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ナフチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸エステル類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−フルオロスチレン、α−クロルスチレン、α−ブロモスチレン、フルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、スチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジエチルアクリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミド、N−ジエチルメタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、アクリル酸カルシウム、アクリル酸バリウム、アクリル酸鉛、アクリル酸アクリル酸すず、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸カルシウム、メタクリル酸バリウム、メタクリル酸鉛、メタクリル酸すず、メタクリル酸亜鉛等の(メタ)アクリル酸金属塩、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和脂肪酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−i−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のN−置換マレイミド類等が挙げられ、その中でも、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、メタクリル酸、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、4−ビニルピリジン、アクリルアミド等が好ましく、メタクリル酸エチル、メタクリル酸i−プロピル、N−シクロヘキシルマレイミドがより好ましい。これらは1種又は2種以上で使用してもよい。
【0026】
本発明において、各単量体の混合割合としては、メタクリル酸メチル5〜90重量部、エステル部分に炭素数5〜22の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル10〜90重量部、エステル部分にフッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル1〜90重量部及びこれらと共重合可能な、その他の単量体0〜95重量部からなり、総重量部が100重量部からなる単量体混合物として共重合することが好ましい。
【0027】
本発明におけるメタクリル酸メチルの配合量は、5〜90重量部であることが好ましいが、10〜70重量部であることがより好ましい。メタクリル酸メチルの配合量が90重量部を超えると、低複屈折性、耐熱性及び吸湿性に問題が生じる傾向があり、5重量部未満では機械的強度及び透明性が低下する傾向がある。
【0028】
本発明におけるエステル部分に炭素数5〜22の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルの配合量は、10〜90重量部であることが好ましいが、15〜80重量部であることが吸湿性の点でより好ましい。脂環式(メタ)アクリル酸エステルの配合量が10重量部未満であると、吸湿性が高くなり、また耐熱性が低下する傾向があり、90重量部を超えると、機械的強度が低下する傾向がある。
【0029】
本発明におけるエステル部分フッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルの配合量は、1〜90重量部であることが好ましいが、5〜80重量部であることがより好ましい。この配合量が5重量部未満であると、吸湿性が高くなり、また複屈折が増加する傾向があり、90重量部を超えると、耐熱性が低下し、製造コストが高くなる傾向がある。
【0030】
本発明において、樹脂を製造するための重合方法としては、塊状重合、懸濁重合、溶液重合、沈殿重合、乳化重合等の既存の方法を適用できる。特に、溶液重合や乳化重合の場合においては、重合後に得られた樹脂を高温で溶融し、押出ペレットを作製した後に射出成形等の熱可塑成形を行なって目的の光学素子に加工することが行われる。これらの製造方法では、樹脂は2度以上の溶融プロセスを経由するため熱劣化による樹脂の黄変が起こりやすく、最終的に得られる光学素子は青色から近紫外領域にかけての透過率が減少してしまう。
【0031】
一方、懸濁重合法によって得られた樹脂粒子は、直接熱可塑成形による加工をすることができる。このため、高温での溶融プロセスは1度のみであり、熱劣化が起こりにくく高い透過率を維持することができる。また、生産性においても工程が少なく、水を分散媒体に使用するため低コストでの製造が可能である。従って、短波長領域の透明性や生産性の点から懸濁重合法による樹脂製造が特に好ましい。
【0032】
懸濁重合は、水性媒体中で行われ、懸濁剤及び必要に応じて懸濁助剤を添加して行う。懸濁剤としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難溶性無機物質等があり、水溶性高分子は、単量体の総量100重量部に対して0.03〜1重量部使用するのが好ましく、難溶性無機物質は、単量体の総量100重量部に対して0.05〜0.5重量部使用するのが好ましい。
【0033】
懸濁助剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤があり、懸濁剤として難溶性無機物質を使用する場合には、懸濁助剤を使用するのが好ましい。懸濁助剤は、単量体の総量100重量部に対して0.001〜0.02重量部使用するのが好ましい。
【0034】
本発明において重合を行う際には、ラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサノン−1−カルボニトリル、アゾジベンゾイル等のアゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性触媒及び過酸化物あるいは過硫酸塩と還元剤の組み合わせによるレドックス触媒等、通常のラジカル重合に使用できるものはいずれも使用することができる。重合開始剤は、単量体の総量100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲で使用されることが好ましい。
分子量調整剤として、メルカプタン系化合物、チオグリコール、四塩化炭素、α−メチルスチレンダイマー等を必要に応じて添加することができる。
【0035】
熱重合による場合、重合温度は、0〜200℃の間で適宜選択することができ、40〜120℃が好ましい。
上記のようにして製造される樹脂は、その分子量について特に限定するものではないが、数平均分子量(ポリスチレン換算)が10,000〜1,000,000の範囲のものが好ましく、50,000〜700,000の範囲のものが特に好ましい。数平均分子量が10,000未満であると機械的に脆くなる傾向があり、1,000,000を超えると、溶融時の流動性が低下し精密転写性が悪化する傾向となる。この流動性を損なわないために、樹脂と同組成のオリゴマーを添加してもよい。
【0036】
本発明の樹脂組成物は、上記樹脂からなるか、又はこの樹脂から主としてなるものである。その使用にあたって、劣化防止、熱的安定性、成形性及び加工性などの観点から、フェノール系、チオエーテル系などの抗酸化剤、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、フタル酸エステル、トリグリセライド類、フッ素系界面活性剤、高級脂肪酸金属塩などの離型剤、その他滑剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重金属不活性化剤などを添加して使用してもよい。
これらを使用する場合、耐熱性及び透明性の点から、樹脂組成物中0.01〜10重量%であることが好ましい。
【0037】
本発明の光学用樹脂組成物は、この樹脂組成物を熱可塑成形して得られる厚さ3mm板の380〜420nmにおける光線透過率が85%以上であることが、実用上好ましく、88%以上であることがより好ましい。
なお、光線透過率を測定するための成形品は射出成形法により目的の大きさに加工することができる。また、任意の厚さのシート状成形品を作製できる溶融押出法を採用することも可能である。
【0038】
本発明の樹脂組成物を使用して得られる上記の光学素子は、射出成形法、圧縮成形法、マイクロモールド法、プレスモールド法、フローティングモールド法、ローリンクス法等の公知の熱可塑成形法を利用して加工することができる。特に、精密加工性に優れた射出成形法、プレスモールド法が好ましく、生産性の点から射出成形法が最も好ましい。最近では、より微細な形状を樹脂に転写させるため金型内に溶融した樹脂を射出した後に金型に圧力を付与する射出圧縮成形法が幅広く用いられており、この方法はピックアップレンズ等の非球面形状を転写精度を向上させるのに最も好ましい成形方法である。
【0039】
また、本発明の樹脂組成物を使用して得られる上記の光学素子は、MgF2、SiO2などの無機化合物を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などによってコーティングすること、成形品表面にシランカップリング剤などの有機シリコン化合物、ビニルモノマー、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、シリコン樹脂などをハードコートすることなどによって、耐湿性、光学特性、耐薬品性、耐磨耗性、曇り止めなどを向上させることができる。
【0040】
本発明の光学用素子としては、例えば、一般カメラ用レンズ及びファインダー、ビデオカメラ用レンズ、レーザーピックアップレンズ、レーザープリンター用のfθレンズ、シリンドリカルレンズ及びポリゴンミラー、プロジェクションTV用レンズ、液晶プロジェクター用のマルチレンズ、リレー系レンズ、コンデンサーレンズ、投射レンズ及びフレネルレンズ、眼鏡用レンズ等のレンズ、コンパクトディスク(CD、CD−ROM等)、ミニディスク、DVD用のディスク基板、LCD用基板、導光板、偏光フィルム透明樹脂シート、位相差フィルム、光拡散フィルム、液晶素子結合用接着剤等の液晶素子用部材、プロジェクター用スクリーン、光学フィルター、光ファイバー、光導波路、プリズム、光電変換素子用レンズなどが挙げられる。中でも、青色レーザーDVDのピックアップ系に使用される対物レンズ、回折格子、コリメータレンズ、シリンドリカルレンズ、ディスク基板、カバー層等の光学用素子に好適であり、特に、青色レーザーDVDのピックアップレンズに最適である。
【0041】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲を限定するものではない。
また、以下の実施例で懸濁剤として用いる水溶性高分子(A)(ポリメタクリル酸塩)は、下記の方法で合成した。
水溶性高分子(A)の合成
メタクリル酸メチル5g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル12g、メタクリル酸カリウム23g及び脱イオン水360gを内容積500mlのセパラブルフラスコに入れ、30分間N2ガスを吹き込んで系内の空気を除去した後、水浴で加熱して撹拌しながら系内温度を65℃に昇温し、過硫酸カリウム0.06gを添加した。同温度で5時間重合を行い、続けて90℃に昇温して2時間撹拌を続けてゼリー状の水溶性高分子(A)を得た。
【0042】
実施例1
メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル600g、メタクリル酸メチル1200g、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル200gを計量し、さらに過酸化ラウロイル8g、n−オクチルメルカプタン4gを溶解させて単量体混合液とした。
【0043】
撹拌機及びコンデンサを備えた5Lのオートクレーブに懸濁剤として前記のゼリー状の水溶性高分子(A)を0.1g、脱イオン水を2500g加え、次いで、リン酸水素二ナトリウム−リン酸二水素ナトリウム混合緩衝液を加えて撹拌し、pHを7.2に調整して懸濁媒体とした。ここに撹拌しながら上記単量体混合液を加え、撹拌回転数240rpm、窒素雰囲気下において60℃で2時間、次いで110℃で1時間重合させ、樹脂粒子を得た(重合率は、重量法で99%であった)。この樹脂粒子を水洗、脱水、乾燥し、射出成形機(東芝機械(株)製IS−50EP)を用い、シリンダー温度250℃、射出速度60cm3/秒、金型温度90℃で成形し、特性評価用の試験片(大きさ50×40×3(mm))とした。
【0044】
実施例2〜13
表1に示す組成比率の単量体混合液を用い、実施例1と同様にして特性評価用の試験片とした。
【0045】
比較例1
市販の光学用シクロオレフィン系樹脂(日本ゼオン(株)製、ゼオネックス330R)を用い、実施例1と同様に射出成形して特性評価用の試験片とした。
【0046】
比較例2、3
表1に示す組成比率の単量体混合液を用い、実施例1と同様にして特性評価用の試験片とした。
【0047】
実施例1〜13、比較例1、2及び3で得られた樹脂粒子及び試験片について、光線透過率、耐レーザー光性、成形品の複屈折、飽和吸水率、ガラス転移温度(Tg)、曲げ破壊強度の等を測定し、表1に示した。なお、各評価は下記に示す方法を用いて行った。
【0048】
(1)光線透過率
50×40×3(mm)の射出成形によって得られた試験片において、分光光度計(日本分光(株)製V−5700)を用いて405nmの光線透過率を測定した。
【0049】
(2)耐レーザー光性
波長405nmの青色半導体レーザーを50×40×3(mm)の試験片に1000時間照射し、樹脂の色相変化の程度を観察した。
【0050】
(3)成形品の複屈折
50×40×3(mm)の試験片において、He−Neレーザーを用いたエリプソメーター((株)島津製作所製AEP−100)で、図1に示す測定点について、位相差(シングルパス)を測定した。
【0051】
(4)飽和吸水率
20×15×5(mm)の試験片を90℃で12時間乾燥させ、その重量を測定した後、70℃の水中に放置し、飽和吸水させた後、重量を測定し、次式により飽和吸水率を算出した。
【0052】
【数1】
【0053】
(5)ガラス転移温度(Tg)
得られた樹脂粒子を、示差走査熱量計(リガク製Thermo Plus DSC8230)にて、ガラス転移温度(Tg)を測定した。
【0054】
(6)曲げ破壊強度
試験片(65×20×3mm)を用いて、テンシロン(TOYOBALDWIN製UTM3−500)で、破断荷重とその時のひずみ量を測定し、以下の式に従って曲げ破壊強度を算出した。
【0055】
(7)重量平均分子量
作製サンプルの分子量は、GPC(日立製作所製L-4000 RI Detector)を用いて、スチレン換算分子量を測定した。
【0056】
【数2】
【0057】
以下において、MMAはメタクリル酸メチル、TCDMAはメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル、3FMAはメタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、4FMAはメタクリル酸1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル、8FMAはメタクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、BZMAはメタクリル酸ベンジルを示す。
評価結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】
本発明の光学用樹脂組成物は、青色レーザー波長における透明性、耐レーザー光性、低吸湿性、低複屈折性に優れるものである。従って、この樹脂組成物を用いて透明性、低吸湿性、低複屈折性に優れる様々な光学素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形品の複屈折の測定における測定点を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は光学用樹脂組成物及び該樹脂を用いたレンズ、光ディスク、導光板、シート及びプリズム等の光学用素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、レンズ、光ディスク、プリズム、LCD基板、LCD用導光板などの光学用素子には、ガラスに変わって、光学特性に優れたポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、熱可塑性ノルボルネン系樹脂などが使用されてきた。しかし、ポリカーボネート等の分子内に芳香環を持つ樹脂においては、配向歪みによる大きな複屈折が生じ易く、特開昭61−14617号公報に示されるように成形金型を工夫する必要があった。また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂については、成形時の熱によって着色や焼けが成形品の光学特性を劣化させるため、特開平7−138324号公報に示されるように金型温度を成形中に可変制御したり、無酸素下(真空化、窒素雰囲気下)で成形する必要があった。
【0003】
一方、アクリル樹脂の代表であるPMMAは、透明性、成形性に優れ、光弾性係数が小さく、比較的配向歪みによる複屈折が生じにくいので、ファインダー用レンズ、CD用ピックアップレンズ、LCD用導光板などの比較的高精度を要求されていない光学用素子に使用されてきた。
【0004】
しかし近年では、光学用素子により高精度が要求され、それを構成するプラスチック材料にも様々な特性が要求されている。特に記録密度を向上させるための青色レーザーを使用する次世代DVDにおいては、単に複屈折が小さいだけではなく青色レーザー波長の380〜420nm範囲での透過率が最も重要視されている。さらにレーザー光を長時間照射したときの樹脂劣化による黄変が、まったく生じない安定な材料が求められている。
【0005】
また、高輝度化が進む液晶ディスプレーや液晶プロジェクター等の液晶素子には、可視光全域に渡ってより高い透過率の材料が求められている。最近では、液晶ディスプレーの光源として白色LEDが使用されており、この白色LEDは青〜紫色の光を励起光として赤及び緑色を発光させるため、この波長でのより透明性の高い材料が望まれている。導光板においても、青〜紫領域のわずかな吸収がコントラストや色むらといった問題を起こしてしまう。
【0006】
現在の赤色レーザーDVDにおいては、レンズ用途として熱可塑性シクロオレフィン系樹脂や低複屈折性のアクリル樹脂が、ディスク基板としてポリカーボネートが使用されている。しかし、600nm付近の赤色領域において90%近くの透過率を有するこれらの材料でも400nm付近の透過率は、80%以下となり射出成形時の熱酸化劣化による吸収損失が無視できなくなる。また、シクロオレフィン系樹脂やポリカーボネートは耐紫外線に弱く、青色レーザー光を長時間照射すると樹脂劣化による透過率の低下が見られる。一方、近紫外領域において最も透明性の優れるPMMAでは初期透過率及び耐レーザー光性は問題ないが、耐熱性や吸湿による耐環境性の点で実用化が困難な状況である。
【0007】
シクロオレフィン系樹脂に関しては、製造プロセスの改良、窒素又は真空中での射出成形、酸化防止剤や安定剤の添加(特開2002−179875号公報)によって熱劣化の抑制を図っているが、実用レベルの初期透過率と耐レーザー光性は得られていない。また、ポリスチレンを水素添加したビニルシクロヘキサン系樹脂(特開2002−234953号公報他)等も開発されているが、強度不足等の問題があり実用化には至っていない。さらに複屈折の点でも、汎用のアクリル樹脂より大きく、次世代DVDに要求されている水準を満足することは出来ていない。
【0008】
最近アクリル樹脂に関しては、MMAと数種類のモノマーを共重合することで、樹脂自体の複屈折を消去すると同時にエステル部分にメチル基よりも疎水的な置換基を導入することで、PMMAより優れた低吸湿性を発現することが出来る(Jpn. J. Appl. Phys., 35, 3896(1996)、光学, 24(2), 69(1995)、機能材料, 5, 10(1995))。このため、これらの変性アクリル樹脂から得られる射出成形品はほとんど複屈折がなく、またPMMAと比較して吸湿等による成形品の形状変化も小さい。また透明性に関しても、470nm以上では90%以上の透過率を有しており、これらの変性アクリル樹脂は、高精度が要求されている現在のDVD、液晶プロジェクター用レンズ及び導光板等の材料として充分に満足できる特性を有している。
【0009】
しかし、青色レーザーを使用する次世代DVDの405nm付近の波長領域では、電子遷移吸収による吸収端がかかってくるため、上記の変性アクリル樹脂では透過率の低下が見られ、光学素子の材料として適用することは困難である。また、比較的高い吸水率も実用上問題とされている。このように、現在の光学用樹脂では次世代DVDに好適な材料は存在しないため、高透明で青色レーザー光に対して安定な新規光学用樹脂の開発が望まれている。
【0010】
【特許文献1】
特開昭61−14617号公報
【特許文献2】
特開平7−138324号公報
【特許文献3】
特開2002−179875号公報
【特許文献4】
特開2002−234953号公報
【非特許文献1】
Jpn. J. Appl. Phys., 35, 3896(1996)、光学, 24(2), 69(1995)、機能材料, 5, 10(1995)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、青色レーザー波長の380〜420nm範囲で高い透過率を有し、かつ耐レーザー光性、耐環境性及び低複屈折性に優れた光学用樹脂組成物及び光学用素子を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、メタクリル酸メチル、エステル部分に炭素数5〜22の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル、及び、エステル部分にフッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルを必須成分とする単量体混合物を重合してなる樹脂から主としてなる光学用樹脂組成物に関する。
【0013】
また本発明は、メタクリル酸メチル5〜90重量部、エステル部分に炭素数5〜22の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル10〜90重量部、エステル部分にフッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル1〜90重量部、及び、これらと共重合可能な単量体0〜95重量部からなり、総重量部が100重量部からなる単量体混合物を重合してなる樹脂から主としてなる光学用樹脂組成物に関する。
【0014】
また本発明は、熱可塑成形して得られる厚さ3mm板の380〜420nmから選択される単波長の光線透過率が85%以上である前記の光学用樹脂組成物に関する。
【0015】
また本発明は、前記エステル部分にフッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル単量体に含まれるフッ素原子数が3以上である光学用樹脂組成物に関する。
【0016】
また本発明は、前記エステル部分に炭素数5〜22の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルが、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル及びメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−メチル、メタクリル酸フェニルノルボルニルからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物である光学用樹脂組成物に関する。
【0017】
また本発明は、前記のいずれかの光学用樹脂組成物を成形してなるレンズ、光ディスク、導光板、シート及びプリズム等の光学用素子に関する。
【0018】
さらに本発明は、青色レーザー用のピックアップレンズである前記の光学用素子に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するエステル部分に炭素数5〜22の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メチルシクロヘキシル、アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、アクリル酸ノルボルニル、アクリル酸ノルボルニルメチル、アクリル酸フェニルノルボルニル、アクリル酸シアノノルボルニル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ボルニル、アクリル酸メンチル、アクリル酸フェンチル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸ジメチルアダマンチル、アクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル、アクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−4−メチル、アクリル酸シクロデシル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル、メタクリル酸シアノノルボルニル、メタクリル酸フェニルノルボルニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸メンチル、メタクリル酸フェンチル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ジメチルアダマンチル、メタクリル酸トリシクロ 〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル、メタクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−4−メチル、メタクリル酸シクロデシル等が挙げられる。
【0020】
これらの中でも低吸湿性の点から、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸メンチル、メタクリル酸フェンチル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ジメチルアダマンチル、メタクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル、メタクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−4−メチル、メタクリル酸シクロデシル、メタクリル酸フェニルノルボルニル等が好ましい。
【0021】
さらに耐熱性及び低吸湿性の点からメタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル及びメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−メチル、メタクリル酸フェニルノルボルニルが特に好ましい。
【0022】
本発明におけるエステル部分にフッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル単量体の例としては、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロエチル、メタクリル酸(2−パーフルオロブチル)エチル、メタクリル酸(3−パーフルオロブチル)−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸(2−パーフルオロヘキシル)エチル、メタクリル酸3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸(2−パーフルオロオクチル)エチル、メタクリル酸3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸(2−パーフルオロデシル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル、メタクリル酸(3−パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸(2−パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル、メタクリル酸 (3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸(2−パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル、メタクリル酸(3−パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル、メタクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、メタクリル酸1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル、メタクリル酸1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル、メタクリル酸1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル、メタクリル酸1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロエチル、アクリル酸(2−パーフルオロブチル)エチル、アクリル酸(3−パーフルオロブチル)−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸(2−パーフルオロヘキシル)エチル、アクリル酸3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸(2−パーフルオロオクチル)エチル、アクリル酸3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸(2−パーフルオロデシル)エチル、アクリル酸(2−パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル、アクリル酸(3−パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸(2−パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル、アクリル酸(3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸(2−パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル、アクリル酸(3−パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル、アクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、アクリル酸1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル、アクリル酸1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル、アクリル酸1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル、アクリル酸1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル等が挙げられる。
【0023】
これらの中でも低吸湿性の点から、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロエチル、メタクリル酸(2−パーフルオロブチル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロヘキシル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロオクチル)エチル、メタクリル酸 (2−パーフルオロデシル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル、メタクリル酸1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル、メタクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、メタクリル酸1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル、メタクリル酸1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル、メタクリル酸1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル、メタクリル酸1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロエチル、アクリル酸(2−パーフルオロブチル)エチル、アクリル酸(2−パーフルオロヘキシル)エチル、アクリル酸(2−パーフルオロオクチル)エチル、アクリル酸(2−パーフルオロデシル)エチル、アクリル酸(2−パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル、アクリル酸(2−パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル、アクリル酸(2−パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル、アクリル酸1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル、アクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、アクリル酸1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル、アクリル酸1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル、アクリル酸1H−1− (トリフルオロメチル)トリフルオロエチル、アクリル酸1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル等が好ましい。
【0024】
本発明におけるエステル部分にフッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル単量体の例としては、耐熱性及び低吸湿性の点からエステル部分に3以上のフッ素原子を有するメタクリル酸又はアクリル酸エステル単量体が好ましいが、その例としては、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロエチル、メタクリル酸(2−パーフルオロブチル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロヘキシル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロオクチル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロデシル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル、メタクリル酸(2−パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル、メタクリル酸1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル、メタクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、メタクリル酸1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル、メタクリル酸1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル、メタクリル酸1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル、メタクリル酸1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル等が前記効果が高く特に好ましい。
【0025】
本発明における上記各単量体と共重合可能な、その他の単量体は、基本的に重合体の透明性、低複屈折性、耐熱性及び低吸湿性を損なわないものであれば、特に限定されず、具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ナフチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ナフチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸エステル類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−フルオロスチレン、α−クロルスチレン、α−ブロモスチレン、フルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、スチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジエチルアクリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミド、N−ジエチルメタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、アクリル酸カルシウム、アクリル酸バリウム、アクリル酸鉛、アクリル酸アクリル酸すず、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸カルシウム、メタクリル酸バリウム、メタクリル酸鉛、メタクリル酸すず、メタクリル酸亜鉛等の(メタ)アクリル酸金属塩、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和脂肪酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−i−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のN−置換マレイミド類等が挙げられ、その中でも、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、メタクリル酸、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、4−ビニルピリジン、アクリルアミド等が好ましく、メタクリル酸エチル、メタクリル酸i−プロピル、N−シクロヘキシルマレイミドがより好ましい。これらは1種又は2種以上で使用してもよい。
【0026】
本発明において、各単量体の混合割合としては、メタクリル酸メチル5〜90重量部、エステル部分に炭素数5〜22の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル10〜90重量部、エステル部分にフッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル1〜90重量部及びこれらと共重合可能な、その他の単量体0〜95重量部からなり、総重量部が100重量部からなる単量体混合物として共重合することが好ましい。
【0027】
本発明におけるメタクリル酸メチルの配合量は、5〜90重量部であることが好ましいが、10〜70重量部であることがより好ましい。メタクリル酸メチルの配合量が90重量部を超えると、低複屈折性、耐熱性及び吸湿性に問題が生じる傾向があり、5重量部未満では機械的強度及び透明性が低下する傾向がある。
【0028】
本発明におけるエステル部分に炭素数5〜22の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルの配合量は、10〜90重量部であることが好ましいが、15〜80重量部であることが吸湿性の点でより好ましい。脂環式(メタ)アクリル酸エステルの配合量が10重量部未満であると、吸湿性が高くなり、また耐熱性が低下する傾向があり、90重量部を超えると、機械的強度が低下する傾向がある。
【0029】
本発明におけるエステル部分フッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルの配合量は、1〜90重量部であることが好ましいが、5〜80重量部であることがより好ましい。この配合量が5重量部未満であると、吸湿性が高くなり、また複屈折が増加する傾向があり、90重量部を超えると、耐熱性が低下し、製造コストが高くなる傾向がある。
【0030】
本発明において、樹脂を製造するための重合方法としては、塊状重合、懸濁重合、溶液重合、沈殿重合、乳化重合等の既存の方法を適用できる。特に、溶液重合や乳化重合の場合においては、重合後に得られた樹脂を高温で溶融し、押出ペレットを作製した後に射出成形等の熱可塑成形を行なって目的の光学素子に加工することが行われる。これらの製造方法では、樹脂は2度以上の溶融プロセスを経由するため熱劣化による樹脂の黄変が起こりやすく、最終的に得られる光学素子は青色から近紫外領域にかけての透過率が減少してしまう。
【0031】
一方、懸濁重合法によって得られた樹脂粒子は、直接熱可塑成形による加工をすることができる。このため、高温での溶融プロセスは1度のみであり、熱劣化が起こりにくく高い透過率を維持することができる。また、生産性においても工程が少なく、水を分散媒体に使用するため低コストでの製造が可能である。従って、短波長領域の透明性や生産性の点から懸濁重合法による樹脂製造が特に好ましい。
【0032】
懸濁重合は、水性媒体中で行われ、懸濁剤及び必要に応じて懸濁助剤を添加して行う。懸濁剤としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難溶性無機物質等があり、水溶性高分子は、単量体の総量100重量部に対して0.03〜1重量部使用するのが好ましく、難溶性無機物質は、単量体の総量100重量部に対して0.05〜0.5重量部使用するのが好ましい。
【0033】
懸濁助剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤があり、懸濁剤として難溶性無機物質を使用する場合には、懸濁助剤を使用するのが好ましい。懸濁助剤は、単量体の総量100重量部に対して0.001〜0.02重量部使用するのが好ましい。
【0034】
本発明において重合を行う際には、ラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサノン−1−カルボニトリル、アゾジベンゾイル等のアゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性触媒及び過酸化物あるいは過硫酸塩と還元剤の組み合わせによるレドックス触媒等、通常のラジカル重合に使用できるものはいずれも使用することができる。重合開始剤は、単量体の総量100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲で使用されることが好ましい。
分子量調整剤として、メルカプタン系化合物、チオグリコール、四塩化炭素、α−メチルスチレンダイマー等を必要に応じて添加することができる。
【0035】
熱重合による場合、重合温度は、0〜200℃の間で適宜選択することができ、40〜120℃が好ましい。
上記のようにして製造される樹脂は、その分子量について特に限定するものではないが、数平均分子量(ポリスチレン換算)が10,000〜1,000,000の範囲のものが好ましく、50,000〜700,000の範囲のものが特に好ましい。数平均分子量が10,000未満であると機械的に脆くなる傾向があり、1,000,000を超えると、溶融時の流動性が低下し精密転写性が悪化する傾向となる。この流動性を損なわないために、樹脂と同組成のオリゴマーを添加してもよい。
【0036】
本発明の樹脂組成物は、上記樹脂からなるか、又はこの樹脂から主としてなるものである。その使用にあたって、劣化防止、熱的安定性、成形性及び加工性などの観点から、フェノール系、チオエーテル系などの抗酸化剤、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、フタル酸エステル、トリグリセライド類、フッ素系界面活性剤、高級脂肪酸金属塩などの離型剤、その他滑剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重金属不活性化剤などを添加して使用してもよい。
これらを使用する場合、耐熱性及び透明性の点から、樹脂組成物中0.01〜10重量%であることが好ましい。
【0037】
本発明の光学用樹脂組成物は、この樹脂組成物を熱可塑成形して得られる厚さ3mm板の380〜420nmにおける光線透過率が85%以上であることが、実用上好ましく、88%以上であることがより好ましい。
なお、光線透過率を測定するための成形品は射出成形法により目的の大きさに加工することができる。また、任意の厚さのシート状成形品を作製できる溶融押出法を採用することも可能である。
【0038】
本発明の樹脂組成物を使用して得られる上記の光学素子は、射出成形法、圧縮成形法、マイクロモールド法、プレスモールド法、フローティングモールド法、ローリンクス法等の公知の熱可塑成形法を利用して加工することができる。特に、精密加工性に優れた射出成形法、プレスモールド法が好ましく、生産性の点から射出成形法が最も好ましい。最近では、より微細な形状を樹脂に転写させるため金型内に溶融した樹脂を射出した後に金型に圧力を付与する射出圧縮成形法が幅広く用いられており、この方法はピックアップレンズ等の非球面形状を転写精度を向上させるのに最も好ましい成形方法である。
【0039】
また、本発明の樹脂組成物を使用して得られる上記の光学素子は、MgF2、SiO2などの無機化合物を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などによってコーティングすること、成形品表面にシランカップリング剤などの有機シリコン化合物、ビニルモノマー、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、シリコン樹脂などをハードコートすることなどによって、耐湿性、光学特性、耐薬品性、耐磨耗性、曇り止めなどを向上させることができる。
【0040】
本発明の光学用素子としては、例えば、一般カメラ用レンズ及びファインダー、ビデオカメラ用レンズ、レーザーピックアップレンズ、レーザープリンター用のfθレンズ、シリンドリカルレンズ及びポリゴンミラー、プロジェクションTV用レンズ、液晶プロジェクター用のマルチレンズ、リレー系レンズ、コンデンサーレンズ、投射レンズ及びフレネルレンズ、眼鏡用レンズ等のレンズ、コンパクトディスク(CD、CD−ROM等)、ミニディスク、DVD用のディスク基板、LCD用基板、導光板、偏光フィルム透明樹脂シート、位相差フィルム、光拡散フィルム、液晶素子結合用接着剤等の液晶素子用部材、プロジェクター用スクリーン、光学フィルター、光ファイバー、光導波路、プリズム、光電変換素子用レンズなどが挙げられる。中でも、青色レーザーDVDのピックアップ系に使用される対物レンズ、回折格子、コリメータレンズ、シリンドリカルレンズ、ディスク基板、カバー層等の光学用素子に好適であり、特に、青色レーザーDVDのピックアップレンズに最適である。
【0041】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲を限定するものではない。
また、以下の実施例で懸濁剤として用いる水溶性高分子(A)(ポリメタクリル酸塩)は、下記の方法で合成した。
水溶性高分子(A)の合成
メタクリル酸メチル5g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル12g、メタクリル酸カリウム23g及び脱イオン水360gを内容積500mlのセパラブルフラスコに入れ、30分間N2ガスを吹き込んで系内の空気を除去した後、水浴で加熱して撹拌しながら系内温度を65℃に昇温し、過硫酸カリウム0.06gを添加した。同温度で5時間重合を行い、続けて90℃に昇温して2時間撹拌を続けてゼリー状の水溶性高分子(A)を得た。
【0042】
実施例1
メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル600g、メタクリル酸メチル1200g、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル200gを計量し、さらに過酸化ラウロイル8g、n−オクチルメルカプタン4gを溶解させて単量体混合液とした。
【0043】
撹拌機及びコンデンサを備えた5Lのオートクレーブに懸濁剤として前記のゼリー状の水溶性高分子(A)を0.1g、脱イオン水を2500g加え、次いで、リン酸水素二ナトリウム−リン酸二水素ナトリウム混合緩衝液を加えて撹拌し、pHを7.2に調整して懸濁媒体とした。ここに撹拌しながら上記単量体混合液を加え、撹拌回転数240rpm、窒素雰囲気下において60℃で2時間、次いで110℃で1時間重合させ、樹脂粒子を得た(重合率は、重量法で99%であった)。この樹脂粒子を水洗、脱水、乾燥し、射出成形機(東芝機械(株)製IS−50EP)を用い、シリンダー温度250℃、射出速度60cm3/秒、金型温度90℃で成形し、特性評価用の試験片(大きさ50×40×3(mm))とした。
【0044】
実施例2〜13
表1に示す組成比率の単量体混合液を用い、実施例1と同様にして特性評価用の試験片とした。
【0045】
比較例1
市販の光学用シクロオレフィン系樹脂(日本ゼオン(株)製、ゼオネックス330R)を用い、実施例1と同様に射出成形して特性評価用の試験片とした。
【0046】
比較例2、3
表1に示す組成比率の単量体混合液を用い、実施例1と同様にして特性評価用の試験片とした。
【0047】
実施例1〜13、比較例1、2及び3で得られた樹脂粒子及び試験片について、光線透過率、耐レーザー光性、成形品の複屈折、飽和吸水率、ガラス転移温度(Tg)、曲げ破壊強度の等を測定し、表1に示した。なお、各評価は下記に示す方法を用いて行った。
【0048】
(1)光線透過率
50×40×3(mm)の射出成形によって得られた試験片において、分光光度計(日本分光(株)製V−5700)を用いて405nmの光線透過率を測定した。
【0049】
(2)耐レーザー光性
波長405nmの青色半導体レーザーを50×40×3(mm)の試験片に1000時間照射し、樹脂の色相変化の程度を観察した。
【0050】
(3)成形品の複屈折
50×40×3(mm)の試験片において、He−Neレーザーを用いたエリプソメーター((株)島津製作所製AEP−100)で、図1に示す測定点について、位相差(シングルパス)を測定した。
【0051】
(4)飽和吸水率
20×15×5(mm)の試験片を90℃で12時間乾燥させ、その重量を測定した後、70℃の水中に放置し、飽和吸水させた後、重量を測定し、次式により飽和吸水率を算出した。
【0052】
【数1】
【0053】
(5)ガラス転移温度(Tg)
得られた樹脂粒子を、示差走査熱量計(リガク製Thermo Plus DSC8230)にて、ガラス転移温度(Tg)を測定した。
【0054】
(6)曲げ破壊強度
試験片(65×20×3mm)を用いて、テンシロン(TOYOBALDWIN製UTM3−500)で、破断荷重とその時のひずみ量を測定し、以下の式に従って曲げ破壊強度を算出した。
【0055】
(7)重量平均分子量
作製サンプルの分子量は、GPC(日立製作所製L-4000 RI Detector)を用いて、スチレン換算分子量を測定した。
【0056】
【数2】
【0057】
以下において、MMAはメタクリル酸メチル、TCDMAはメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル、3FMAはメタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、4FMAはメタクリル酸1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル、8FMAはメタクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、BZMAはメタクリル酸ベンジルを示す。
評価結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】
本発明の光学用樹脂組成物は、青色レーザー波長における透明性、耐レーザー光性、低吸湿性、低複屈折性に優れるものである。従って、この樹脂組成物を用いて透明性、低吸湿性、低複屈折性に優れる様々な光学素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形品の複屈折の測定における測定点を示す図である。
Claims (7)
- メタクリル酸メチル、エステル部分に炭素数5〜22の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル、及び、エステル部分にフッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルを必須成分とする単量体混合物を重合してなる樹脂から主としてなる光学用樹脂組成物。
- メタクリル酸メチル5〜90重量部、エステル部分に炭素数5〜22の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル10〜90重量部、エステル部分にフッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル1〜90重量部、及び、これらと共重合可能な単量体0〜95重量部からなり、総重量部が100重量部からなる単量体混合物を重合してなる樹脂から主としてなる光学用樹脂組成物。
- 熱可塑成形して得られる厚さ3mm板の380〜420nmから選択される単波長の光線透過率が85%以上である請求項1又は2記載の光学用樹脂組成物。
- エステル部分にフッ素原子を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル単量体に含まれるフッ素原子数が3以上である請求項1、2又は3記載の光学用樹脂組成物。
- エステル部分に炭素数5〜22の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルが、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル及びメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−メチル、メタクリル酸フェニルノルボルニルからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物である請求項1、2、3又は4記載の光学用樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の光学用樹脂組成物を成形してなる光学用素子。
- 青色レーザー用のピックアップレンズである請求項6記載の光学用素子。
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