JPWO2006019032A1 - プラズマディスプレイパネルとその製造方法 - Google Patents

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博明 石尾
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Abstract

本発明は、良好な封着工程を行うことで、誘電体層及び保護層の変質を防止して、良好な画像表示性能を発揮することが可能なプラズマディスプレイパネルとその製造方法を提供するものであって、フロントパネル(10)とバックパネル(11)が一定間隔をおいて対向配置され、当該両パネルの周囲が封着層(17)により囲繞されてなるプラズマディスプレイパネルであって、前記封着層は、有機樹脂材料、無機材料及び金属材料のうちの少なくとも一種を含む材料(具体的にはシリカ材料を主成分とし、これにエポキシ樹脂材料を添加してなる複合材料)から構成するものとした。

Description

本発明はプラズマディスプレイパネルとその製造方法に関し、特に製造工程の封止技術において、その信頼性の向上に係わるものである。
プラズマディスプレイパネル(以下PDPと記す)は代表的なフラットパネルディスプレイ(FPD)の一つとして知られており、これを利用した画像表示装置の商品化等が図られている。PDPは直流型(DC型)と交流型(AC型)とに大別され、現時点ではAC型PDPが大型ディスプレイの構成として高度な技術的ポテンシャルを持つ。さらに、AC型の内でも特に、優れた寿命特性を持つ面放電型PDPが主流商品になりつつある。
図21は、一般的な面放電型AC型PDPの放電セル周辺の構造を示すパネル断面図である。図21(b)は図21(a)に示すxy線に沿った断面図である。
PDP1cは、フロントパネルFPとバックパネルBPを一定間隔をおいて対向配置させ、これを両パネルFP、BPの外周付近に配した封着層(不図示)で封着し、内部に放電ガスを充填した構成を有する。
フロントパネルFPには、フロントパネルガラス10cの表面に、一対の表示電極4cが複数対にわたりストライプ状に併設されている。各表示電極4cは、幅広帯状の透明電極85c、86cであるITO(インジウム酸化スズ)膜と、これに電気的に接続するようにAgペースト等を焼成してなるバス電極89cが配設されてなる。表示電極4cはスキャン電極、表示電極5cはサステイン電極であり、フロントパネルガラス10c表面において一定の放電ギャップをおいて対向配置されている。
さらにフロントパネルガラス10cの上には、前記表示電極4cを被覆するように、別のガラス材料からなるFP側誘電体層87c及び酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層88cが順次積層される。
一方、バックパネルBPは、バックパネルガラス11cの表面に、複数のデータ電極12cが帯状に併設され、これを覆うようにBP側誘電体層813cが形成される。また、誘電体層813c上には、各データ電極12cの間隙に併せて隔壁14cが形成され、隣接する隔壁14cの間にはR、G、Bいずれかの色の蛍光体層15cが形成されてなる。図21中に表された817cは、放電空間と連通するように配され、当該放電空間内部を減圧しガス封入を行うためのチップ管である。
前記各表示電極4cとデータ電極12cとが放電空間を挟んで立体交差する領域に対応して放電セルがなされ、パネル全体で複数の放電セルがマトリクス状に配設される。代表的なPDPでは、表示電極4cの長手方向に沿って隣接するR、G、B3色の放電セルで1ピクセル(画素)を構成するようになっている。
以上の構成を持つフロントパネルFPとバックパネルBPは、例えば特許文献1に示すように、保護層88cに隔壁14cが当接するように対向配置され、両パネル82c、83cの周囲に封着層材料を塗布して張り合わせ、封着工程にて封着層を形成することで両パネル内部が放電空間として封着される。その後はチップ管817cを介して放電空間を減圧し、これに放電用ガスとしてXe−Ne系ガスあるいはXe−He系ガス等の希ガスからなる混合ガスが所定の圧力で封入され、封止される。チップ管817はその後除去される。
以上でPDP1cが完成する。
ここで一般的にPDPでは、製造工程においてフロントパネルFP或いはバックパネルBPが大気に触れることで、誘電体層及び保護層(特に酸化マグネシウム)が大気中の空気、水蒸気、炭酸ガス等の不純物ガスに触れて水酸化物や炭素化合物に化学変化することがある。そして、放電特性が変わって良好な画像表示性能が得られにくくなるという問題が存在する。
また、フロントパネルFPやバックパネルBPが外気に触れる以外にも、封着用のガラスフリット中に含まれる有機成分(炭素成分)が封着工程において残存し、この成分による不純物ガスが誘電体層や保護層に悪影響を及ぼすこともある。これは特に、450℃以上に達する比較的高温プロセスで封着工程を行う場合において、封着層中のバインダ成分がガス化するために見られる問題である。
このため製造工程において誘電体層や保護層に不純物が付着するのを防止すべく、従来より幾つかの対策がなされている。
例えば特許文献2及び4に示すように、PDPの封着工程を外気から遮断され密閉されたチャンバー内において、減圧雰囲気下で行うことで、不純物の混入を防止する技術が開示されている。
また、特許文献2では、減圧雰囲気下でガラスフリットの仮焼成を予め行い、或程度の有機成分を除去してから両パネルFP、BPを張り合わせ、本焼成を行うことで、ガラスフリット由来の有機成分が保護層等に付着することを防止する技術が開示されている。
特開2001351532号公報 特開平1040818号公報 特開200128240号公報 特開平9251839号公報
しかしながら、上記従来技術においても誘電体層及び保護層の不要な化学変化を有効に防止できるとは言い難い現状にある。
すなわち、チャンバー等により両パネルを大気から隔離して、減圧雰囲気若しくは真空下で封着工程をする手法を採れば、大気に起因する不純物ガスの混入を防止することはできるが、当該封着工程で放電空間で発生する封着層材料由来の不純物ガスを除去することはできない。
そのため、特許文献1では封着工程中にチップ管(配管部材)を通して両パネルの内部空間に残存する不純物ガスを除去する工夫についても開示されているが、現実的には放電空間が100μmから200μm程度の間隙しかないため排気抵抗が高く、これによって除去効率が優れない面がある。また、不純物ガスを吸着除去するためのゲッター材を両パネル内部に配置することも考えられるが、これによっても十分にガスを吸着除去することができない。
また、チップ管は本来細い管であるため、ガスの除去に比較的長時間を要する。このため、ガスを迅速に排気することができず、結果的に保護層等への不純物の吸着を効果的に防止することは困難である。
以上の問題は、PDPが大型化するにつれて顕著化するおそれがあり、早急に解決すべき課題であると言える。
本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであって、良好な封着工程を行うことで、誘電体層及び保護層の変質を防止して、良好な画像表示性能を発揮することが可能なPDPとその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、フロントパネルとバックパネルが一定間隔をおいて対向配置され、当該両パネルの周囲が封着層により囲繞されてなるPDPであって、前記封着層は、有機樹脂材料、無機材料及び金属材料のうちの少なくとも一種を含む材料を使用するものとした。例えば封着層は、シリカ材料を主成分とし、これにエポキシ樹脂材料を添加してなる複合材料から構成することができる。より具体的に封着層は、シリカ成分を略70wt%とし、これにエポキシ樹脂材料を添加して構成することができる。なおキシレン成分は添加しない方が望ましい。
以上の構成を持つ本発明のPDPによれば、このような封着層の材料の選択を行うことにより、従来に比べて低温プロセスにて封着工程が行えるようになっている。
これにより、封着工程中で封着層材料に起因するガスが発生することが抑制され、当該ガスによる誘電体層や保護層の不要な化学変化を防止し、長期にわたり安定した画像表示性能を実現することができる。
ここで、前記封着層は、放電ガス雰囲気中における減圧雰囲気下で形成されたものとすることができる。
また、前記両パネルにおいて、前記封着層により囲繞された内部空間に対し、放電ガスが前記一定間隔の間隙を通して封入された構成とすることもできる。
さらに前記封着層は、両パネル主面の平面に沿って配された二重の封止層により構成されているものとすることもできる。
また、前記二重の封止層は、高気密封止層及び高強度封止層からなるものとすることもできる。
また、前記高気密封止層は、前記両パネル主面において、パネル周縁側に位置するものとすることもできる。
なお、前記二重の封止層は、互いにパネル主面の平面方向に沿った幅が異なるようにすることも可能である。
さらに前記二重の封止層において、パネル周縁側の封止層が高強度封止層、内側の封止層が高気密封止層として配されている場合、前記高強度封止層の前記幅が高気密封止層よりも幅広に形成することができる。
ここで、前記両パネルの少なくともいずれかには、減圧雰囲気下において、主面に誘電体層と保護層が順次形成することができる。
また、本発明はフロントパネルとバックパネルを一定間隔をおいて対向配置し、当該両パネルの周囲を封着層で囲繞して封止する封着工程を有するPDPの製造方法であって、前記封着工程において、前記封着層の材料としてシリカ材料を主成分とし、これにエポキシ樹脂材料を添加してなる複合材料を用いるものとした。
前記封止においては、前記封着層を放電ガス中で封止することができる。さらに前記封着工程では、封着層を加熱溶着法、紫外線硬化法、レーザ照射法、超音波溶着法の少なくともいずれかの方法で封着層を形成することもできる。
また、前記封着工程で前記加熱溶着法を用いる場合において、封着工程後にエージング工程を有し、当該エージング工程では、引き続き前記加熱溶着を補助的に行うこともできる。
さらに前記封着工程の前に、パネル表面に複数の電極及び誘電体層を順次形成することで、前記フロントパネル及び前記バックパネルの少なくともいずれかを構成するパネル形成工程を有し、前記パネル形成工程から封着工程の終了までを連続して減圧雰囲気下で行うこともできる。
このように本発明では、フロントパネル及びバックパネルの作製から封着工程の終了までを外気から隔離して行うことで、従来のようにPDPに対してチップ管を使わずに、迅速な脱気と放電ガスの封入が可能である。また、これにより外気から不純物ガスが混入するが防止される。従って、PDP内部に水分や不純物ガス等による保護層及び誘電体層の化学変化を長期間にわたり防止できるようになっている。
さらに、本発明ではチップ管を用いないため、パネルの表面周囲のいずれにも排気および放電ガス封入用の孔が形成されない。従って、外観形状としても良好であって、フラットなPDPを実現することができる。
また前記封着工程の前に、パネル表面に複数の電極及び誘電体層を順次形成することで、前記フロントパネル及び前記バックパネルの少なくともいずれかを構成するパネル形成工程を有し、前記パネル形成工程では、CVD法を用いて誘電体層を形成することもできる。
ここで、前記CVD法にはプラズマCVD法を採用することができる。
また、前記封着工程の前に、パネル表面に複数の電極及び誘電体層を順次形成するとともに、当該誘電体層上に保護層を形成することで、前記フロントパネルを構成するパネル形成工程を有し、パネル形成工程では、真空プロセスを用いて保護層を形成することもできる。
さらに前記封着工程の前に、フロントパネル及びバックパネルの少なくともいずれかのパネル表面に複数の電極を形成する電極形成工程を有し、前記電極形成工程では、真空プロセス法を用いて、Al−Nd材料により電極を形成することもできる。
また前記封着工程の前に、パネル表面に複数の電極及び誘電体層、並びに保護層を順次形成することで、前記フロントパネルを構成するパネル形成工程を有し、当該パネル形成工程を、室温以上300℃以下の低温プロセスにて行うこともできる。
これにより、従来のような高温プロセスおよび組み立て封着工程に基づくパネルの反りや割れの発生がなくなり、かつ殆どの工程を真空あるいは減圧ガス中で実施することができるようになって品質を安定させて製造することができる。
以下、本発明の好ましい各実施の形態を順次説明する。なお各実施の形態の記載内容は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
<実施の形態1>
11PDPの構成
図1は実施の形態1のPDPの構成図である。図1(a)は、パネルの厚み方向に沿った模式的な断面図であり、図1(b)は、パネル正面図である。
なお、全体的なPDPの構成は図21で前述した通りであるので、ここでは従来との構成の差異を中心に説明する。
PDP1は、ここでは一例として42インチクラスのNTSC仕様に合わせた仕様にしているが、本発明はもちろんXGAやSXGA等、この他の仕様・サイズに適用してもよい。
図1に示すPDP1の構成は、互いに主面を対向させて配設されたフロントパネルFPおよびバックパネルBPに大別される。
フロントパネルFPの基板となるフロントパネルガラス10には、その一方の主面に一対の表示電極4(スキャン電極5、サステイン電極6)が複数対にわたり形成されている。各表示電極4は、ITOまたはSnO等の透明導電性材料からなる帯状の透明電極155、156(厚さ0.1μm、幅150μm)に対して、導電性に極めて優れるAl−Nd系材料からなるバス電極9(厚さ7μm、幅95μm)が積層されてなる。本実施の形態1はAl−Nd系材料でバス電極9を構成することによって、透明電極155、156のシート抵抗が下げられ、良好な給電がなされる。
なお、本発明のバス電極としては、この他、少なくとも希土類金属を含むAl系金属合金薄膜を用いることが可能である。
表示電極4を配設したフロントパネルガラス10には、当該ガラス10の主面全体にわたって、SiOを主成分とするガラス材料からなる誘電体層(FP側誘電体層)7が、スクリーン印刷法等によって厚み20μm50μmで形成されている。
FP側誘電体層7の表面には、厚さ約1.0μmの保護層8が積層されている。
以上の構成を持つフロントパネルFPとバックパネルBPは、両パネル周囲に二重に配された封着層17(第一封止層171、第二封止層172)により内部封止されている。第一封止層171は高気密性、第二封止層172は高強度(すなわち高接着性)にそれぞれ特化した特性を有する構成となっており、封着層17全体として極めて優れた封着性を呈するものである。また、両封止層171、172の材料には、一般的な封着層材料で用いられるバインダ成分が含まれていないという特徴があり、これにより封着工程では当該バインダ成分に起因する不純物ガスを発生することがない。このため、封着工程においてPDP内部で保護層等に不純物ガスが付着する問題が発生しにくい。
ここで封着層17の材料としては、有機樹脂材料、無機材料及び金属材料のうちの少なくとも一種を含む材料を使用する。例えば封着層は、シリカ材料を主成分とし、これにエポキシ樹脂材料等の有機材料を添加してなる複合材料から構成することができる。なお、キシレン成分は添加しない方が望ましいことが本願発明者らの実験結果より分かっている。
このうち、高気密性を得るための封着層としては、シリカ成分を略70wt%とし、これにエポキシ樹脂材料を添加して構成することができる。
また、高強度を得るためには、有機材料として、アクリル系紫外線硬化樹脂材料を用いることができる。
なお、本実施の形態1では、放電空間30に臨むパネルの内側に高気密性の第一封止層171を配し、外側に高強度の第二封止層172を配する構成としたが、本発明はこの構成に限定するものではない。
また、封着層17の構成は、二重の封止層171、172に限定するものではなく、これ以上の多重構成(例えば高気密封止層と高強度封止層を交互に配置する構成)としてもよいし、逆に、一重のみの封着層17を配設してなる構成としてもよい。この一重のみの構成の場合には、前記高気密性と高強度の両方の特性を備えるように形成することが望まれる。
放電空間30には、60kPaから70kPa程度の圧力でXe−Ne系希ガスが放電ガスとして封入されている。なお、放電ガスのXe分圧を挙げると放電効率が向上することが知られている。
フロントパネルFPとバックパネルBPの間において、バックパネルBP側のBP側誘電体層13と蛍光体層15、および隣接する2つの隔壁14で仕切られた各空間が放電空間30となる。また隣接する一対の表示電極4(スキャン電極5及びサステイン電極6)と、1本のデータ電極12が放電空間30を挟んで交叉する領域が、画像表示にかかる放電セルに対応する。
以上の構成を有するPDP1は、公知の駆動回路と接続され、PDP装置として構成される。
そして駆動時には指定された放電セルにおいて、データ電極12と表示電極4の一方の間でアドレス放電が開始され、一対の表示電極4同士での維持放電により短波長紫外線(波長約147nmのXe共鳴線、波長約173nmのXe分子線)等の紫外線が発生し、当該紫外線を受けた蛍光体層15が可視光発光することで画像表示がなされる。代表的な画像表示方式としてはフィールド階調表示方式が採用され、放電回数の異なる複数の期間(サブフィールド)を階調に応じて選択することで、1枚の画像が階調表示される。
ここでPDP1は、フロントパネルFPにおいてFP側誘電体層7及び保護層8が大気に触れることなく連続的に減圧雰囲気下で形成されており、且つ、封着工程において両パネルFP、BPの周囲に配された封着層17が、有機樹脂(エポキシ樹脂もしくはアクリル系紫外線硬化樹脂)材料、無機材料(シリカ材料)及び金属材料のうちの少なくとも一種を含む材料により構成され、二重の第一及び第二封止層171、172として形成されている点に主たる特徴を有する。
この封着層材料の選択により、本実施の形態1のPDPは、従来に比べて低温プロセスにて封着工程が行えるようになっており、且つ、減圧雰囲気下で連続して工程を行うことができる。その結果、後述するようにPDP1内部からチップ管を使わずに迅速な脱気と放電ガスの封入が可能であって、不純物ガスの混入が防止される効果が奏される。これにより、PDP内部に水分や不純物ガス等による保護層及び誘電体層の化学変化を長期間にわたり防止し、優れた画像表示性能を発揮できるようになっている。
ここで実際に実施の形態1のPDPを実施例として作製したところ、従来のPDPよりも長寿命でありながら、長期にわたり画像表示性能等の信頼性を維持できることが明らかにされた。
具体的には、フロントパネルFPやバックパネルBPを大気に曝して作製された従来のPDPに比べ、維持放電電圧が低減され、且つ発光効率が約1.5倍に向上することが確認された。
また、寿命においては従来のPDPよりも、高い発光効率を維持したまま約3倍まで延長され、優れた発光効率の向上と信頼性を確認することができた。
この理由は次のように考えられる。すなわち、PDP1では、誘電体層7、13や保護層8が大気から隔離された状態で成膜され、且つ、封着工程も外気を遮断してなされていることから、大気中の不純物の混入が抑えられている。さらに、封着層の材料にもバインダ成分を用いず、且つ低温プロセスで封止するため、不要な不純物ガスが発生しにくい。このため、PDP1全体として誘電体層や保護層が不純物ガスや水分による変質を起こすことが防止され、製造直後の性能を長期間にわたり呈することとなっている。
1−2.PDPの製造方法
ここではPDP1の主要な製造工程について順次説明する。図4は、PDP1の製造工程の一例を示すフロー図である。なお当該製造工程は、基本的には後述する各実施の形態2−15のPDPにおいて共通する。
[フロントパネルFPの作製]
フロントパネルガラス10の表面に対し、表示電極4、FP側誘電体層7、保護層8を順次構成する(S1からS4)。本発明では図4に示すように、これらの工程を連続して減圧雰囲気下で行うことで、作製中のフロントパネルFPを外気に曝さないように保つ。さらにフロントパネルFPは、これらが実質的に形成加工される時のみでなく、次への移動、保管やパネルの封着・封止工程への移行の状態においても、その減圧状態が破られることなく形成、移動、保管される。
ここで「減圧状態」とは、真空中や真空減圧状態あるいは不活性ガスで置換された減圧状態を言う。
各工程は、具体的には以下の通りに行うことができる。
<表示電極4の形成>
まず、スパッタリング法等の手法を用い、フロントパネルガラス10の表面の少なくとも一部の上にITO、SnO、ZnO等のいずれかの透明電極材料を約100nmの膜厚で成膜する。このとき、フォトリソグラフィ法を利用することで、所望のパターン(例えば幅広の帯状パターン)を行い、放電ギャップを挟んで互いに対向して向かい合って平行に幅広にパターニングし、図5(a)のように透明電極155、156を得る(S1)。
透明電極155、156を形成したら、その上に、優れた電気特性(低抵抗)を有する、例えばAl−Nd系等の少なくとも希土類金属を含むAl系金属合金薄膜を、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、プラズマビーム蒸着法やスパッタリング法等の真空成膜プロセス法により例えば膜厚約1μmの薄膜で一様に積層する。そして、ドライエッチング法やフォトエッチング法により当該薄膜をパターニングし、図5(b)のように所望のパターンを有するバス電極9を形成する(S2)。当該成膜は、パネル温度を室温以上300℃以下に設定し、真空中あるいはスパッタリングガスを充満させた減圧雰囲気下で行う。
ここで「真空成膜プロセス法」とは、真空状態またはガス減圧状態の中で薄膜を形成するプロセスによる方法を指す。真空成膜プロセス法によって形成された薄膜で電極を作成すれば、これに積層される誘電体層が凸状に変形するのが防止され、膜圧分布においてバラツキの少ない誘電体層を形成し、電極形状に起因する部分的な絶縁破壊の発生(例えば電極のエッジ部分に相当する領域での発生)を防止することが可能となるので有利である。
上記Al−Nd系材料はガラス材料に対して化学的に安定なため、PDPの駆動中において、電極に起因する金属成分がFP側誘電体層7中に移動して拡散する所謂マイグレーション現象を発生することがないので、信頼性が高い電極構成を得ることができる。
なお、バス電極9としては従来通り、厚膜形成法を用いて、Ag電極やCr/Cu/Cr積層電極等の構成として作成することもできる。
以上で、優れた電気特性を有する表示電極4が、厚膜法等に比べて均一な膜厚及び形状で形成される。
なお、本願発明の課題である、大気中の不純物による悪影響は、もっぱら保護層(酸化マグネシウム)に対する前記不純物の吸着による原因が大きいという事実を考慮すれば、当該表示電極の形成工程、或いは当該形成工程と以下のFP側誘電体層7の形成工程との間において、パネルを大気中に曝しても、一応の本願効果は得られるものと推測される。しかしながら、より一層高い本願の効果を得るためには、やはりS1S4の工程をすべて大気より隔離し、連続して行うことが望ましい。
<FP側誘電体層7の形成>
次に、フロントパネルガラス10の表面に対し、前記配設した表示電極4を覆うように、FP側誘電体層7を最終厚み110μmの範囲で形成する(S3)。
当該FP側誘電体層7は、誘電率εが2以上5以下の範囲であり、1.0×10V/cm以上の絶縁耐圧を有する緻密な誘電体層を形成できる材料が望ましく、このためSiO等の材料を用いることができる。
FP側誘電体層7は、具体的にはTEOS(テトラエトキシシラン)を含む誘電体層原料を利用し、CVD法(化学気相成長法)やICP−CVD法(誘導結合プラズマCVD法:Inductively Coupled Plasma CVD)によるガス減圧中で成膜する各種CVD方法を用いて成膜することができる。ICP−CVD法を用いれば、比較的高速に成膜することが可能である。
ここで図5(c)はFP側誘電体層7の形成過程を示す模式図である。CVD装置31の詳細は簡略化している。プラズマ中で高温に加熱され活性化された酸素ガスは、拡散によりパネル近傍まで到達し、活性化された酸素ガスとTEOS気化ガスとが反応することによりフロントパネルガラス10の上にSiO膜が生成される。チャンバ内圧力および酸素ガス流量、TEOS気化ガス供給量の条件を適切に選ぶことにより約2.5μm/分の速い成膜速度で、緻密な薄い所定の膜厚のSiO膜からなるFP側誘電体層7を形成することができる。
当該FP側誘電体層7の形成の際のパネル加熱温度は、従来と同様に室温以上300℃以下の比較的低温プロセスとすることで薄膜でありながら緻密で良好な耐電圧特性を有する誘電体層を早く作製することができる。また、焼成工程を行わないので、フロントパネルFPの反りや割れの発生がなくなるといったメリットも奏される。
なおFP側誘電体層7としては、最終的にSiOを80〜100%含むことが望ましく、当該比率を高めることで、より緻密で絶縁耐圧が高いFP側誘電体層7を得ることができる。一般に誘電体層の特性としては、1.0×10V/cm以上の高い絶縁耐圧を確保し、且つ誘電率εを2以上5以下の範囲に設定すれば、FP側誘電体層7の厚みを1μm〜10μmの範囲まで薄くしても耐電圧を高く維持することができるため望ましい。このようにFP側誘電体層7を薄くすれば、放電開始電圧の低減が図られ、消費電力を低減しつつ、優れた発光効率を実現することが可能となる。
以上でFP側誘電体層7が形成される。
ここで本発明では、次に保護層8を形成するまでの間、FP側誘電体層7を外気に触れさせないようにする必要がある。このため図4、図5(c)〜(d)に示すように、FP側誘電体層7を上に形成したフロントパネルガラス10を、CVD装置31から次の真空成膜装置32内へ、予め減圧雰囲気下に調整した通路33で移動させ、さらに必要に応じて当該条件で一時保管する。このときの雰囲気としては、例えばNやAr不活性ガスを満たし、100kPa以下、望ましくは0.13Pa以下に設定することが好適である。
<保護層の形成>
次に、誘電体層の主面上に保護層を成膜する(S4)。
具体的には図4、図5(d)に示すように、内部を減圧雰囲気下に保った真空成膜装置32内において、電子ビーム蒸着法やスパッタリング法等の真空成膜プロセス法を用い、金属酸化物であるMgOを含む材料を前記誘電体層の表面上に成膜する。スパッタリングガスとしては、Arガス等を用いる。
なお、ここで言う「真空成膜プロセス」とは、真空状態の中で薄膜を形成するプロセスを指し、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法の他に真空蒸着法、プラズマビーム蒸着法、各CVD法等の方法があり、低温プロセスにより保護層の形成に利用することが可能である。当該真空成膜プロセスを用いることで、前記誘電体層に引き続き保護層を外気から遮断しつつ成膜されるので、品質が高い保護層を安定に維持して形成することができる。また、真空成膜プロセス法を比較的低温で実施することで、従来の高温プロセスで発生していたパネルの反りや割れの発生を抑制するといった効果も期待できる。
以上の工程で、最終厚み0.4〜1μmの膜厚で成膜を行う。保護層8をMgOで構成することによって、優れた2次電子放出係数を有し、良好な透明性及び高い耐スパッタ性を持つ保護層8が形成されることとなる。
なお、保護層8としてはMgO以外の材料を用いてもよく、他の金属酸化物、例えば、CaO、BaO、SrO、MgNO、ZnOなどからなる保護層8でも同様に実施可能である。
以上でフロントパネルFPが完成される。
なお、本実施の形態1では、次の封着工程が終了するまで、当該フロントパネルFPを外気に曝すことなく減圧雰囲気下で保管する。
このようにフロントパネルFPは、封着工程の終了まで外気に触れることがないため(S1S4)、外気に起因する水分や不純物ガスが保護層8や誘電体層に付着するのが防止される。このため例えば保護層8においては成膜直後の性能(2次電子放出効率、耐スパッタ性等)を高く維持したままの状態を保つことが可能となり、発光効率等の信頼性を損なうことがない。また、減圧雰囲気下で表示電極4、FP側誘電体層7、保護層8を形成することで、これらはともに緻密な薄膜構造体として構成することができ、優れた耐電圧性を獲得し、優れた発光効率を呈することが可能となる。
なお、このような効果を奏する緻密な薄膜構造体は、以下のバックパネルBPのデータ電極12及びBP側誘電体層13においても同様に構成される。
[バックパネルの作製]
次に、バックパネルBPの作製を説明する(S5からS9)。当該バックパネルBPにおいても、フロントパネルFPと同様に、外気に触れることなく封着工程の終了に至るまで減圧雰囲気下に管理される。
図6は、PDPの製造方法におけるバックパネルBPの形成工程を示す模式的な断面図である。
図6(工程a)に示すように、バックパネルガラス11の表面に、Al−Nd系金属材料を含む金属電極材料を用いる。そして、前記バス電極と同様に真空成膜プロセス法を用い、ドライエッチング法によって所望のパターニングを行うことで、低温プロセスでAl−Nd合金薄膜からなる複数のデータ電極12を形成する(S5)。
なお、データ電極12はAl−Nd系金属材料から真空中で形成する方法に限定されず、Agペーストを塗布した後に焼成する方法や、Cr/Cu/Crの積層構造として構成する方法を採ってもよい。
次に、前記データ電極12を被覆するように、最終厚み約2μmでBP側誘電体層13を形成する(S6)。
具体的には、図6(工程b)に示すように、データ電極12を形成したバックパネルガラス11を、CVD装置41に搬入する。そしてCVD法、プラズマCVD法あるいはICP−CVD法に基づき、前記FP側誘電体層7と同様にBP側誘電体層13を作製する。
ここで本発明では、誘電体層形成ステップ(S6)及び隔壁形成ステップ(S7)、さらにパネルの移動・保管期間において、連続してバックパネルBPを真空或いは減圧雰囲気下で管理することとする。これにより、大気中に起因する水分や不純物ガスが保護層8等に付着するのが防止される。
なお、当該BP側誘電体層13は、従来と同様に低融点ガラス材料を印刷塗布したのち焼成することで構成してもよい。
続いて、図6(工程c)に示すように、各データ電極12毎に、その延伸方向に沿って複数の隔壁を形成する(S7)。当該隔壁としては非鉛系ガラス材料を用いることが可能であり、当該材料をペーストとしてパネル表面に塗布・焼成する。この際、公知の所定のパターニングを行うことで、ストライプ状或いは井桁状隔壁を形成することができる。
隔壁が形成されたら、図6(工程d)に示すように、各隔壁の間に蛍光体層を形成する。具体的には、R、G、B各色蛍光体材料として、それぞれ、(Y、Gd)BO:Eu、ZnSiO:MnおよびBaMgAl1424:Eu等の蛍光体粉末を利用する。これをα−ターピネオール、エチルセルロース等等の有機溶剤に混合し、粘度調整を行い蛍光体インクを作製したのち、各隔壁間にラインジェット法等を利用して塗布する。その後は約500℃で焼成工程を行うことで、蛍光体層が形成されることとなる(S8)。
次に、図6(工程e)に示すように、隔壁14、蛍光体層15を含んで形成したバックパネルBPの外側周囲に対して封止層の材料を塗布する(S9)。ここで当該材料は、ディスペンサーを用い、少なくとも一重に(望ましくは二重に)塗布する。
本実施の形態3においては、封着層17として、バックパネルBPの周囲に二重の形状で、封着材として、内側の封着塗布層1711は主に高気密性材料を塗布し、外側の封着塗布層1721には主として高強度材料を塗布する。なお、この二つの材料の塗布順序は限定されるものではなく、この逆としてもよい。
また、封着層17の材料としては、有機樹脂材料、無機材料および金属材料の内の少なくとも1種を含む材料を使用することができる。望ましくは、有機樹脂材料、無機材料および金属材料の内の少なくとも2種を混合して含む複合材料などを使用する。具体的にはシリカ成分を略70wt%と主成分とし、これにエポキシ樹脂材料を添加してなる複合材料から構成することができる。なおキシレン成分は添加しない方が望ましい。
このうち高気密性とする封止層の材料(封着塗布層1711の材料)としては、SiO、ガラス、金属窒化物や金属炭化物等の無機材料を混合してなる粉体・ウィスカ材料等に対し、アクリレート系紫外線硬化型接着剤、カチオン硬化タイプ紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を加えてなる材料を使用することができる。
一方、高強度性材料(封着塗布層1721の材料)としては、上記高気密性とする封着層材料から無機材料を若干減らしたものが利用できる。
以上でバックパネルBPが作製される。
[封着工程から完成まで]
図7は、本発明におけるPDPの製造方法の封着・封止工程等(S10からS12)を示す模式的な断面図である。
まず、前記減圧雰囲気下で管理されたフロントパネルFP及びバックパネルBPを、図7(工程a)に示すように、真空中あるいは減圧中(100kPaから0.13Pa)の通路71を通ってチャンバ70内の真空中あるいは減圧中の真空パッケージ室72に導入する。
次に、チャンバ70内を一定レベルまで真空排気した後、チャンバ70内をXe−Ne系希ガスを含む混合ガスからなる放電ガスに置換する(S10)。次いで、真空パッケージ室72を開き、大気中に曝すことなくフロントパネルFPを図7(b)の組立貼合わせ工程へ移す。そして、図7(工程b)に示すように、放電ガスで置換したチャンバ70内において、フロントパネルFPとバックパネルBPとを隔壁を挟んで対向させ、これを組立て貼合わせる(S11)。
そして、所定の圧力(実施の形態1では約60kPa)とした放電ガス中において、図7(工程c)に示すように、フロントパネルFPおよびバックパネルBPの外周領域に配された封着塗布層1711、1721に向かって、チャンバ70の外側または内側から、常温雰囲気で紫外線(UV光)を照射する。この紫外線硬化接着法によって、封着塗布層1711、1721を紫外線硬化させ、第一封止層171及び第二封止層172の二重からなる封着層17を封着と同時に封止し形成する(S12)。
なお、封着方法はこれ以外にも、加熱接着法、紫外線硬化接着法、レーザ溶接法および超音波溶着法の内の少なくとも一つを含む方法により封止層を封着しても構わない。使用する封着層材料によっては紫外線硬化と加熱を同時に行ってその性能を向上させることができる。
また、二重の封着層17を設ける場合には、まず内側の封着層材料を塗布した後にこれを硬化させて封止し、その後に外側の封着層材料を塗布して硬化させるようにしてもよい。このとき、外側の封着層材料で両パネルの外周を包み込むように塗布すれば、一層高機密性及び高強度を期待できるので望ましい。
このように本発明では、チャンバ70内において放電ガスがパネル間隙に封入された状態で封着層17を封着すると同時に放電ガスを封止するようになっている。従って、この方法を用いればPDPにチップ管等を配設する必要がなく、極めてフラット且つスマートなPDPを作製できるメリットがある。
また、上記方法によれば、両パネルは大気に曝されることなく減圧雰囲気下で放電ガスを封入し封着工程を経るため、大気に起因する不純物ガスの吸着がまったくない。また、低温プロセスで封着工程を行うことで、当該工程において封着層17に起因する炭素ガスが発生することも低減されている。このため、パネル内部のBP側誘電体層13及び保護層8が不純物ガスにより変質することが極力低減されており、長期間にわたり良好な発光効率と信頼性を維持することが可能となっている。
なお、この時、常温条件における減圧雰囲気下で封着工程(S12)をするが、このとき使用する封着材の種類によっては若干の加熱を行うことが望ましい場合がある。この場合、チャンバ内において補足的に加熱してもよい。あるいは、その後の工程であるエージング工程などにおいて低温(約100℃)に加熱して接着強度を上げるようにしてもよい。
以上の設定に基づく封着工程によって、両パネルの間に配された封着層材料は低温プロセスにて焼成され、パネル全体より焼成ガスの除去がなされる。従って、チップ管を用いる従来に比べて、飛躍的に高速でガス除去を行うことができる。また、パネルにチップ管を設ける必要がないため、外観形状もチップ管の跡がなく、フラット且つスマートなPDPを作製することが可能となっている。
さらに、本実施の形態では低温プロセスで焼成を行うため、高温時に発生する除去すべき不要ガス(炭酸ガス)が少ない性質もある。すなわち、従来の封着工程に用いられるガラスフリットでは、焼成温度が約450℃程度で行う必要があり、これによってガラスフリット由来のバインダ等の有機成分が不要な化学反応を起こし、PDPの内部に残留し易くなるといった問題があった。これに対し本実施の形態では、封着層材料にシリカ材料を主成分とし、これにエポキシ樹脂材料を添加してなる複合材料を用いているため、焼成温度としては室温から約300℃までの低温範囲において封着工程を行える。これにより、前記不要な化学反応の発生を抑制することが可能となるため、除去すべき炭素ガスの量も飛躍的に低減できるというメリットが奏される。
なお、上記PDPではパネルガラスを利用する構成例について説明したが、本発明はこれに限定せず、ガラス材料以外(例えばプラスチックパネル)を使用することもできる。プラスチックパネルをフロントパネル及びバックパネルに使用する際には、封着工程においては同士パネル周囲を超音波溶着法で溶着することで封止することができる。
以上の放電ガス置換(S10)、組立・張り合わせ工程(S11)、封着工程(S12)では、いずれも連続して減圧雰囲気を破ることなく行われる。
その後はエージング工程(S13)を終えることで、PDPが完成する。
なお、例えば加熱溶着法により封着工程を行う場合、封着層の材料選択によっては、封着工程に加えて補助的に加熱処理を行ったほうがよい場合がある。このような場合には、当該エージング工程において、引き続き加熱溶着を補助的に行うことが望ましい。
<実施の形態1のバリエーション>
次に、前記封着層17に金属材料を用いた場合の一構成例(図2)について説明する。当図2に示されるPDPの特徴は、封着層17において、パネル厚み方向に沿って設けられたガラスフリット層174の間に金属層173を介設した点にある。
ガラスフリット層174は、従来と同様の低融点ガラス組成を含む材料で構成されており、封着工程前に予め両パネルFP、BPの外周表面に固着されたものである。なお、その使用量は金属層173を固着するためでよいので、従来の封着層に比べて少量でよく、これによりガラスフリット由来の炭素ガスの低減が図られる。
金属層173は、パネル断面方向に沿って、コの字型断面形状を持つ層として形成されている。当該金属層173としては封止性を確保するため、熱膨張係数がパネルガラスFP、BPと同様か、これに準ずる特性を持つ材料が望ましく、ここでは一例として42%Ni−6%Cr−42%Fe系金属材料で構成している。もちろん、金属層173の組成はこれに限定されない。
当該封着層17の形成方法としては、全体的には前記実施の形態1の製造方法と同様であるが、封着工程前に両パネルにガラスフリット層にL字型断面形状を持つ金属材料をそれぞれ積層しておく。そして、当該金属材料を対向配置させて両パネルを対向配置させつつ、外部よりレーザ照射にて金属材料を溶融接着する。
以上の構成を持つによれば、図1に示すPDP1と同様の効果が奏されるほか、封着工程では金属を溶融させるだけで封着がなされるので、封着時に不純物ガスが発生するのを極力抑制することができる。そのため、保護層8やFP側誘電体層7、BP側誘電体層13の変質を防いで良好に封着を行うことが可能となっており、PDPの高い信頼性を得ることができる。
なお、当図では一重の封着層を設ける例を示したが、本発明はこれに限定するものではなく、二重以上にわたり設けてもよい。
<実施の形態2>
図3は、実施の形態2におけるPDPの構成を示す模式的な断面図である。
本実施の形態2の特徴は、封着層17が第一封止層176、第二封止層177の二重層で構成されており、且つ、外側の封着層(第二封止層)が、パネル厚み方向に2つの異なる薄膜層1771、1772を交互に積層してなる点にある。
第一封止層176は、実施の形態1で説明した高気密性材料で構成されている。
一方、特徴的な第二封止層177は、有機材料、無機材料、金属材料の中から選ばれた2つの材料を薄膜1771、1772とし、これがパネル厚み方向に交互に積層されている。当該多層膜構造を持つ第二封止層177は、通常の有機接着層等のみからなる封止層に比べ、気密度が非常に優れており、容易に水分や酸素ガスを通さない性質があり、PDPの構成として有利である。ここで、図3に示すように、積層多層膜178による第二封止層177は両パネルの少なくとも一方を周縁外部より包み込むように(ここではパネル周囲からL字型断面形状ではみ出るように)配設することが、パネルの機密性向上の点で望ましい。
当該第二封止層177は、減圧雰囲気下において実施の形態1と同様に第一封止層176を形成した後、以下の方法で形成される。
すなわち、例えばAl材料からなる金属薄膜1771と有機樹脂層1772との積層構造として構成する場合には、まず減圧雰囲気下において、スパッタリング法でAl薄膜を形成し、その上にプラズマ重合法により有機樹脂層を形成し、これを交互に繰り返す方法を採ることができる。当該積層数は薄膜の厚みにもよるが、数μm程度であれば約百層程度が望ましいと思われる。
以上の構成を持つ実施の形態2のPDP1においても、実施の形態1と同様にフロントパネルFP及びバックパネルBPを大気より隔離して作製し、さらに連続的に低温プロセスで封着工程を行うことで、保護層8及び誘電体層7、13の変質が防止され、優れた信頼性及び封止性を呈するようになっている。また、封着に際しPDPに対してチップ管を用いる必要もなく、フラット且つスマートなPDPが実現される。
また第二封止層177は、その積層構造によりパネルの厚み方向に向かってパネルが或程度撓んだ場合でも損壊を生じにくい性質があり、優れた気密性が発揮される。このためPDPの封止性及び信頼性の向上が期待できる。従って、このような第二封止層177は、例えば10、11のようなパネルガラスの代わりに可撓性のプラスチックパネル等を備えたPDPにも好適であると思われる。
<実施の形態3>
図8は、実施の形態3のPDP101aの構成図である。このうち図8(a)は、PDP101aの厚み方向断面図、図8(b)は、PDP101aの模式的な正面図をそれぞれ示す。
本実施の形態3が上記実施の形態1及び2と異なる点は、両パネルFP、BPの外周を囲繞するように配された封着層18aにおいて、その最外周領域がパネル厚み方向に沿って、接着層181a、シール層182a、接着層183aの三層を同順に積層した構造を持つ点にある。一方、当該三層構造で囲まれた内側領域は、一体的な接着層184aとして構成されている。
当該封着層18aは、実施の形態1及び2と同様に、チャンバ内部に放電ガスを満たした減圧雰囲気下で、封着工程とともに封止されたものである。
接着層181a、183a、184aは、実施の形態1で説明した封止層と同様の機密性に優れる封着層材料からなり、バインダ成分を含まない材料で構成されており、封着工程前に封着層18aの封止層分の一部として、印刷法等によりシール層材料を挟んで塗布形成される。これにより、室温以上300℃以下の温度範囲における低温プロセスで比較的簡単に封着工程を行うことが可能となり、良好な封止性能を有する封着層を実現できる。なお、加熱接着法、紫外線硬化接着法、レーザ溶接法および超音波溶着法の内の少なくとも一つを含む方法により接着層を硬化させて封着を行うことも可能である。
一方、シール層182aは、実質的にバインダ成分を含まない材料(シリカ材料を主成分(70wt%程度)とし、これに若干の有機樹脂(エポキシ、アクリル等)材料を添加した材料)で構成されている。そして接着層181a、183a、184aに比べて放電ガスを閉じ込め、かつ外部の酸素ガス、炭酸ガスや、あるいは接着層181a、183a、184aからの有機溶剤揮発ガスのパネル内への流入を防止する高気密性を有する層として形成される。
また、具体的にシール層182aは、真空パッキング材料、例えばゴム材料等の弾性材料、或いはAl、Cu等の金属材料などを含むパッキング材料から構成することもできる。これにより放電ガスを大気に対して負圧とする場合、高気密なシール性を実現できる。
以上の構成を持つ本実施の形態3のPDP101aによっても、実施の形態1及び2とほぼ同様の効果が奏される。また、本実施の形態3に基づく実施例を作製して信頼性評価をした結果、フロントパネルFPやバックパネルBPを大気に曝して貼合わせて組み立てた従来のPDPよりも、放電開始電圧の低減により発光効率が向上したことが確認された。さらに、従来の大気に曝して封着する工程で作成した従来のPDPよりも、高い発光効率を維持しつつ長寿命化が実現された。
なお、本実施の形態3では、シール層の材料にエポキシ樹脂等の有機材料を用いているが、これは実際にはシリカ材料等の無機材料に対して少量添加して(30wt%より少ない量で)用いられるため、従来のように当該有機樹脂材料による不純物ガスが発生しにくい。従って、当該エポキシ樹脂等の有機材料が、本願における不純物ガスの問題の原因となることはない。
<実施の形態4>
図9は、実施の形態4におけるPDP102aの構成を示す模式的な断面図である。実施の形態4と異なるのは、図9に示すように、封着層28aの最外周にも一様な接着層282が形成され、これによってシール層281、接着層282a、シール層283aの三層構造がパネル主面の平面方向の両側面より接着層284で挟まれる構成とした点にある。当該封着層28aも、実施の形態4と同様に、封着工程前に材料を印刷法等で積層することで形成される。
この構成によれば、実施の形態3と同様の効果が奏されるほか、さらに内部封止性の向上が期待できる。
また、本実施の形態4では、シール層283aをパネルの内外周に設けるので、パネル外部からの酸素ガスや炭酸ガスの混入、あるいは封着工程中の接着層282a、284に起因する炭酸ガスの流入をさらに効果的に防止することができる。
<実施の形態5>
図10は、実施の形態5におけるPDP103aの構成を示す模式的な断面図である。実施の形態6の特徴は、封着層28aにおいて、パネル厚み方向に沿ってシール層281a、接着層282a、シール層283aの三層構造がパネル主面の平面に沿って二重に設けられ、且つパネル外周のシール層283aが外部に露出する点にある。
このような構成によっても、上記実施の形態3及び4と同様の効果が奏されるほか、封止層分が両側のシール層283aに挟まれて、複数箇所配置されて形成され配置されることにより、封着層28aがパネル面に容易に配置できる。また、パネル面に対する封着層28aの接着面積が増加することにより、さらに接着強度の向上が期待できる。
<実施の形態6>
図11は、実施の形態6におけるPDP104aの構成を示す模式的な断面図である。実施の形態6は、実施の形態5とほぼ同様であるが、封着層48aの最外周における接着層が省略された構成である。PDPのサイズが比較的小さい等の理由で、それほど大量の封着層を形成しなくても封着性が望める場合には、このように最外周の接着層を省略しても、上記実施の形態3〜5と同様の効果が期待できる。
<実施の形態7>
図12は、実施の形態7におけるPDP105aの構成を示す模式的な断面図である。実施の形態7の特徴は、封着層58aの最外周側が、両パネル間の厚み方向に連続して形成された接着層aで構成されている点にある。
すなわち図12に示すように、PDP105aの封着層58aは、接着層581a、シール層582aおよび接着層583aの三層を有する封着層58aが、封着層17aの幅方向に2カ所(2カ所以上の複数箇所もでよい)にわたり形成され、且つその最外周側に、パネル周囲を連続して一様に接着層585aが形成配置されている。当該封着層58aの形状は、封着工程前において、各材料を実施の形態3と同様に積層配置することで、予め設定できる。
一方、封着層58aの幅方向における最内周側の層は、シール層582aから連続して形成されたシール層584aである。
なお、封着層58aは、パネル主面の平面に沿った幅方向に1重に形成されていてもよいし、これを2重に形成してもよい。
以上の構成を持つ実施の形態7によれば、実施の形態3〜6と同様の効果が奏されるほか、封着層58aのパネル主面の平面に沿った接着面積が飛躍的に増大するので、良好な接着強度を保って封着をなす効果も奏される。
<実施の形態8>
図13は、実施の形態8におけるPDP106aの構成を示す模式的な断面図である。実施の形態8は、全体的には実施の形態7と同様であるが、封着層68aがパネル主面の平面に沿った幅方向中央部分に空隙部686が確保されている点に特徴を有する。
このような構成によっても、実施の形態7と同様の効果が奏される。また、空隙部686の導入により、封着層68aのサイズが大きくなっても、封着層68a全体での密度はそれほど増大しないので、PDP全体として重量の軽量化に貢献することが可能なメリットも有する。
<実施の形態9>
図14は、実施の形態9におけるPDP107aの構成を示す正面図である。
実施の形態9の特徴は、図14に示すように、PDP107aのパネル周囲にわたり高気密性層からなるシール層784aによって一様に配された1重の封着層17aにおいて、その四隅に相当する領域に、接着層781a、シール層782aおよび接着層783aの三層構造を有する封着層78aが配された点にある。
このような構成によれば、実施の形態38と同様の効果が奏されるほか、接着層781a、783aはパネル四隅の限られた領域にのみ使用すればよいので、全体として接着層材料の使用が飛躍的に低減される。従って、封着工程に置いて、バインダ等に起因する不要な炭酸ガス等の不純物ガスの発生が抑制され、誘電体層及び保護層を良好に保つことが可能である。
ここで封着層78aは、例えば封着工程に先だち、接着層781a、シール層782aおよび接着層783aの各材料を積層して形成することができる。
なお、封着層78aは、ここではパネルの四隅に設ける例を示したが、本発明はこれに限定するものではなく、例えばパネル周囲の少なくとも一部以上に設ければよい。
例えば、実施の形態4及び5における接着層282(382)a、シール層283(383)aおよび接着層281(381)aの三層を有する封着接着部を、図14における封着層17aとして、パネル周囲に複数箇所設けても同様に実施可能であり、その他の組み合わせも同様に実施可能である。
<実施の形態10>
111.PDPの構成
図15は、実施の形態10に係るPDP201bの構成を示す図であって、図15(a)はバックパネルBPの正面図、図1(b)はPDPの断面図である。
当図に示すPDP201bは、基本的には、対向表面にそれぞれ表示電極12b、データ電極22bを備えたフロントパネルガラス10bとバッグパネルガラス21bとを、所望の間隔で、前記表示電極12b、データ電極22bが互いに直交するように重ね合わせ、前記パネルガラス11b、21bの外周部に設けたガスケット層1bおよび当該ガスケット層1bの外周部に設けた封着層2bとを介し、放電空間26bを減圧した状態で封着した構造を持つ。同図において、隔壁24b、蛍光体層25bは、簡略化して図示している。
ガスケット層1bの材料としては、金属材料として、Cu、Al、Zn、Ag、Inの中から選ばれた1以上を含む材料を用いることができる。
封着層2の材料としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。
これにより本実施の形態10において、両パネルガラス11b、21bでは、前記封着層2bの硬化時の収縮効果による応力、および減圧された放電空間26bと大気圧との差圧によって、ガスケット層1b付近に圧縮力が伝わり、良好な密封状態が維持されるようになっている。
また本実施の形態10によるPDP201bは、従来構成の封着層のようにガラスフリットからなる封着層材料を用いず、金属製ガスケットからなるガスケット層1bを用いる点に特徴を有する。これにより、製造工程に封着装置中で加熱する封着工程で、不純物ガスが放電空間26bに流入しないようになっている。つまり本実施の形態10のPDP201bにおいて、放電空間26bに臨んで露出するのはCu、Al、ZnまたはAg等の金属ガスケットなので、数百℃の高温で封着工程を行っても、金属材料から不純物ガスは放出されず、良好に誘電体層及び保護層を維持することができる。
なお、当該ガスケット材料としては、金属の他に黒鉛、PTFE系等のガスケット材料を用いてもよい。
また、この構成例では封着層2bとして熱硬化性樹脂を用いたが、金属ガスケットと濡れ性の良いガラスフリットを用いても良い。この場合も放電空間26bに露出しているのは金属ガスケットであるため、ガラスフリットから放電空間26bへの不純物ガスの放出が防止できる。この封着構造は、両パネルガラス11b、21bと封着用ガラスフリットとの熱膨張係数のマッチングの点で優れている。
(ガスケット層と封着層の厚み関係について)
本実施の形態10では、PDP201bの封着手段としてガスケット層1b及び封着層2bの2重構造からなる層を利用している。ここで、PDPのサイズ規格等の理由により、PDPに設けられるガスケット層及び封着層の合計厚み限界はほぼ一定であるため、これらの厚み調整の組み合わせが問題となる。
ガスケット層及び封着層の材料と、パネル主面の平面に沿ったガスケット層厚みa、及び封着層厚みbの関係については、以下のように調整することが可能である。
封着層は高気密性を有しており、当該封着層の厚みbを延長すれば、機密性の向上が望める。
一方、ガスケット層は金属材料等を用いることから高強度性を有しており、当該ガスケット層の厚みaを延長すれば、PDPの機械的強度の向上が望める。但し、ガスケット層にも良好なシール性を要求する場合には、封着工程の際に塑性変形を促すソフトメタル系の材料を用いる必要があるが、これによれば機械的強度の性能は若干低下する。
なお、この機密性と強度とのバランスは、構成するPDPのサイズによっても多少変化があると考えられる。このため、パネル主面の平面に沿ったガスケット層厚みa、及び封着層厚みbの設定については、実際に作製するPDPのサイズ規格に合わせて考慮することが望ましい。
11−2.PDPの製造方法
ここでは、実施の形態10のPDP201bの封着工程について説明する。
図16は、実施の形態10のPDPを封着するための封着装置40bの断面図である。当該装置40bは、室温から数百℃まで加熱できる加熱ヒータ(不図示)を備える雰囲気炉41bと、パネル固定台42b、真空ポンプ43bに繋がる排気管44b、放電ガス供給ボンベ45bに繋がるガス供給管46b等からなる。
同図(a)は排気、放電ガス導入工程に先立って行う、マウント工程における封着装置40bの状態を示す図である。PDP201bの製造時には、雰囲気炉41b中の固定台42b上に、バッグパネルガラス21bが電極面を上にして配置されるとともに、当該バッグパネルガラス21bの外周部にCuからなるガスケット層1bとして金属ガスケットが配設される。
一方、図16に示すように、バッグパネルガラス21bと対向させつつ、金属ブロック47bを付けたフロントパネルガラス10bを支持枠(図示せず)によって支持し、所定の間隔を開けて前記バッグパネルガラス21上に配置する。ここで、両パネルガラス11b、21bは互いの表示電極12b、データ電極22bを形成した面が対向するような配置を行う。その後は、封着装置40b内を真空ポンプ43bによって排気した後、放電ガス供給ボンベ45bから封着装置40b内に放電ガスを導入する。このとき両パネルガラス11b、21b間は、開放状態であるため、流体抵抗が低く高速排気、放電ガスの高速導入が可能である。
続いて、同図(b)に示すように、前記支持枠(図示せず)を下方に移動させ、フロントパネルガラス10bを位置合わせしながら金属ガスケットを両パネルガラス11b、21bに介挿されるように重ね合わせた後、フロントパネルガラス10bから支持枠を外す。
その結果、フロントパネルガラス10bの上面に付けた金属ブロック47bにより両パネルが均一に荷重される。そして、パネルの外周部の金属ガスケットと両パネルガラス11b、21bの内壁とによって形成される溝内に封着層2bとしてのエポキシ樹脂を注入した後、封着装置40b内をエポキシ樹脂の硬化温度まで加熱する。これにより封着工程が行われ、両パネルガラス11b、21b間の放電空間26bに放電ガスが導入されたPDPbが完成する。
図17は、実施の形態10におけるPDPの別の封着工程例であって、封着層として紫外線硬化樹脂(封着層3b)を用いた場合の工程を示す。
同図では、完成前のPDP201bが載置されている雰囲気炉の内部の様子を示している。この例では、雰囲気炉内での排気工程、放電ガス導入工程を経て、両パネルガラス11b、21bを位置合わせしながら、バッグパネルガラス21bの外周部に配設されたガスケット層1としての金属ガスケットが両パネルガラスに介挿されるように重ね合わせられる。
これとともに、フロントパネルガラスbの上面に付けた金属ブロック47bにより両パネルガラス11b、21bが均一に荷重される。そして、パネルの外周部の金属ガスケットbと両パネルガラスbの内壁によって形成される溝内に封着層3bとしての紫外線硬化樹脂を注入した後、パネルの側面から紫外線を所定の時間、照射して樹脂を硬化させることで封着工程がなされる。
このとき、波長350nm以上の長波長の紫外線光で硬化する紫外線硬化樹脂を用いると、パネルガラスを透過した光も、硬化に寄与させることができるので、硬化ムラがなくなるため好適である。
図16の雰囲気炉4bに設けていた加熱ヒータの代わりに、図17では、パネル外周部を照射するための一対の紫外線ランプ48bを備えている。封着層3bの硬化のために加熱する必要が無いこと、封着層3bが紫外線により高速で硬化すること、温度変化が少ないため両パネルガラスの位置合わせが正確に行えること等が、この方法の特徴である。
<実施の形態11>
図18は、実施の形態11に係るPDP202bの構成を示す図であって、図18(a)はバックパネルBPの正面図、図18(b)はPDP202bの断面図である。
当図に示すPDP202bが実施の形態10と異なる特徴は、前記のパネルガラス11b、21bの外周部に設けた溝101bにガスケット層1bが嵌め込まれ、前記ガスケット層1bとその外周部に設けた封着層2bとを介して封着した構造にある。
両パネルガラス11b、21bは封着層2bの硬化時の収縮効果よる応力、および減圧された放電空間26bと大気圧との差圧によって、金属ガスケットに圧縮力が伝わり密封状態が維持される。この場合、ガスケット層1bが両パネルガラス11b、21bに設けられた溝101bに固定されるため製作が容易になると共に、封着性能が向上する。
<実施の形態12>
図19は、実施の形態12に係るPDP203bの構成を示す図であって、図19(a)はバックパネルBPの正面図、図19(b)はPDP203bの断面図である。
当図に示すPDP203bが実施の形態10と異なる特徴は、片面に電極を備えたフロントパネルガラス10bとバッグパネルガラス21bとを所望の間隔で、前記表示電極12b、データ電極22bが互いに空間をおいて直交するように重ね合わせ、前記のパネルガラス11b、21bの外周部に設けた溝101bにガスケット層1bが嵌め込まれ、さらに前記ガスケット層1bとその外周部に断続的に設けた封着層2bとを介して封着した構造にある。
封着層2bの機能は、両パネルガラスの圧着を保持する圧縮力を与えることのみであり、封着の機能は必要がない。このため、封着層2bを外周部に連続して配置する必要がなく、圧着を保持する必要な強度が得られる部分のみに、部分的に配置することで十分である。部分的に配置することにより、部材の減少と工程簡略化が図られ、コストの低減が可能となっている。
<実施の形態13>
図20は、実施の形態13に係るPDP204bの平面図(a)および断面図(b)である。
当図に示すPDP204bの特徴は、片面に表示電極12b、データ電極22bを備えたフロントパネルガラス10bとバッグパネルガラス21bとを、いずれかのパネルガラス周辺部に設けたガスケット層1bを介して前記表示電極12b、データ電極22bが直交するように重ね合わせられ、さらに周辺部に設けたクリップ6b等の拘束冶具によって互いに強固に封着した構造にある。
ガスケット層1bとしては、前記金属材料は、Cu、Al、Zn、Ag、Inの中から選ばれた1以上を含む材料からなる金属製のガスケットが用いられ、コの字型断面形状のクリップ6bによって両パネルが圧着された状態で固定される。
以上の構成によれば、両パネルガラス11b、21bは、クリップ6bによる圧縮力に加え、減圧された放電空間26bと大気圧との差圧によって発生する圧縮力によって金属ガスケットが圧着され、確実な密封状態が維持される。
ここで本実施の形態14のPDP204bは、前記拘束冶具としてのクリップ6bの採用により封着層やガラスフリットの溶融、硬化のための加熱処理が不要であるので、室温でも封着処理できるメリットを有する。
また、放電空間26bに露出しているのは、Cuまたは亜鉛等の金属ガスケットであり、しかも封着に係る加熱処理が不要であるので、ガラスフリットに起因する不純物ガスが放電空間26bに混入する恐れが極めて低い。
なお、前記拘束冶具としては、前記クリップの他、コの字型断面形状を持つ枠体等を用いることもできる。この場合、両パネルガラス11b、21bに嵌合させたときに当該両パネルガラス11b、21bが互いに圧着させるようにテンションを掛ける必要がある。
本実施の形態13におけるPDPの封着工程としては、まず完成したフロントパネルFPとバックパネルBPを互いに対向させて雰囲気炉に挿入し、これを真空排気した後、雰囲気炉内部に放電ガスを導入する。このとき、フロントパネルFPとバックパネルBPはともに外気に触れないように、実施の形態1の製造方法と同様にして製造する。
その後、フロントパネルFPとバックパネルBPの相対位置を調節しながら、バックパネルガラス21bの外周部に配設されたガスケット層1bが両パネルガラス11b、21bに介挿されるように重ね合わせつつ、フロントパネルガラス10bの上面に金属ブロックにより均一に荷重を掛ける。そして、同容器中で両パネルガラス11b、21bの四辺に拘束冶具であるクリップ6bを装着することにより、本実施の形態13のPDP204bが完成する。
本発明は、小型から大型にわたる広範囲な薄型テレビジョン、高精細テレビジョンあるいは薄型情報機器端末等のPDPに利用することが可能である。すなわち、映像機器産業、情報機器産業、宣伝機器産業、産業機器やその他の産業分野にも利用することができ、その産業上の利用可能性は非常に広く且つ大きい。
実施の形態1のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態1のPDPのバリエーションにおける模式的な構成を示す図である。 実施の形態2のPDPの模式的な構成を示す図である。 本発明におけるPDPの製造工程を表すフローチャートである。 本発明におけるPDPに係るフロントパネルFPの形成工程を示す模式的な図である。 本発明におけるPDPに係るバックパネルBPの形成工程を示す模式的な図である。 本発明におけるPDPの封着・封止工程を示す模式的な図である。 実施の形態3のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態4のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態5のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態6のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態7のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態8のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態9のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態10のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態10におけるPDPの製造方法の工程を示す模式的な図である。 実施の形態10におけるPDPの製造方法の工程(紫外線硬化)を示す模式的な図である。 実施の形態11のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態12のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態13のPDPの模式的な構成を示す図である。 従来の面放電型AC型PDPの放電単位である放電セル構造を示す模式的な断面図である。
本発明はプラズマディスプレイパネルとその製造方法に関し、特に製造工程の封止技術において、その信頼性の向上に係わるものである。
プラズマディスプレイパネル(以下PDPと記す)は代表的なフラットパネルディスプレイ(FPD)の一つとして知られており、これを利用した画像表示装置の商品化等が図られている。PDPは直流型(DC型)と交流型(AC型)とに大別され、現時点ではAC型PDPが大型ディスプレイの構成として高度な技術的ポテンシャルを持つ。さらに、AC型の内でも特に、優れた寿命特性を持つ面放電型PDPが主流商品になりつつある。
図21は、一般的な面放電型AC型PDPの放電セル周辺の構造を示すパネル断面図である。図21(b)は図21(a)に示すxy線に沿った断面図である。
PDP1cは、フロントパネルFPとバックパネルBPを一定間隔をおいて対向配置させ、これを両パネルFP、BPの外周付近に配した封着層(不図示)で封着し、内部に放電ガスを充填した構成を有する。
フロントパネルFPには、フロントパネルガラス10cの表面に、一対の表示電極4cが複数対にわたりストライプ状に併設されている。各表示電極4cは、幅広帯状の透明電極85c、86cであるITO(インジウム酸化スズ)膜と、これに電気的に接続するようにAgペースト等を焼成してなるバス電極89cが配設されてなる。表示電極4cはスキャン電極、表示電極5cはサステイン電極であり、フロントパネルガラス10c表面において一定の放電ギャップをおいて対向配置されている。
さらにフロントパネルガラス10cの上には、前記表示電極4cを被覆するように、別のガラス材料からなるFP側誘電体層87c及び酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層88cが順次積層される。
一方、バックパネルBPは、バックパネルガラス11cの表面に、複数のデータ電極12cが帯状に併設され、これを覆うようにBP側誘電体層813cが形成される。また、誘電体層813c上には、各データ電極12cの間隙に併せて隔壁14cが形成され、隣接する隔壁14cの間にはR、G、Bいずれかの色の蛍光体層15cが形成されてなる。図21中に表された817cは、放電空間と連通するように配され、当該放電空間内部を減圧しガス封入を行うためのチップ管である。
前記各表示電極4cとデータ電極12cとが放電空間を挟んで立体交差する領域に対応して放電セルがなされ、パネル全体で複数の放電セルがマトリクス状に配設される。代表的なPDPでは、表示電極4cの長手方向に沿って隣接するR、G、B3色の放電セルで1ピクセル(画素)を構成するようになっている。
以上の構成を持つフロントパネルFPとバックパネルBPは、例えば特許文献1に示すように、保護層88cに隔壁14cが当接するように対向配置され、両パネル82c、83cの周囲に封着層材料を塗布して張り合わせ、封着工程にて封着層を形成することで両パネル内部が放電空間として封着される。その後はチップ管817cを介して放電空間を減圧し、これに放電用ガスとしてXe-Ne系ガスあるいはXe-He系ガス等の希ガスからなる混合ガスが所定の圧力で封入され、封止される。チップ管817はその後除去される。
以上でPDP1cが完成する。
ここで一般的にPDPでは、製造工程においてフロントパネルFP或いはバックパネルBPが大気に触れることで、誘電体層及び保護層(特に酸化マグネシウム)が大気中の空気、水蒸気、炭酸ガス等の不純物ガスに触れて水酸化物や炭素化合物に化学変化することがある。そして、放電特性が変わって良好な画像表示性能が得られにくくなるという問題が存在する。
また、フロントパネルFPやバックパネルBPが外気に触れる以外にも、封着用のガラスフリット中に含まれる有機成分(炭素成分)が封着工程において残存し、この成分による不純物ガスが誘電体層や保護層に悪影響を及ぼすこともある。これは特に、450℃以上に達する比較的高温プロセスで封着工程を行う場合において、封着層中のバインダ成分がガス化するために見られる問題である。
このため製造工程において誘電体層や保護層に不純物が付着するのを防止すべく、従来より幾つかの対策がなされている。
例えば特許文献2及び4に示すように、PDPの封着工程を外気から遮断され密閉されたチャンバー内において、減圧雰囲気下で行うことで、不純物の混入を防止する技術が開示されている。
また、特許文献2では、減圧雰囲気下でガラスフリットの仮焼成を予め行い、或程度の有機成分を除去してから両パネルFP、BPを張り合わせ、本焼成を行うことで、ガラスフリット由来の有機成分が保護層等に付着することを防止する技術が開示されている。
特開2001-351532号公報 特開平10-40818号公報 特開2001-28240号公報 特開平9-251839号公報
しかしながら、上記従来技術においても誘電体層及び保護層の不要な化学変化を有効に防止できるとは言い難い現状にある。
すなわち、チャンバー等により両パネルを大気から隔離して、減圧雰囲気若しくは真空下で封着工程をする手法を採れば、大気に起因する不純物ガスの混入を防止することはできるが、当該封着工程で放電空間で発生する封着層材料由来の不純物ガスを除去することはできない。
そのため、特許文献1では封着工程中にチップ管(配管部材)を通して両パネルの内部空間に残存する不純物ガスを除去する工夫についても開示されているが、現実的には放電空間が100μmから200μm程度の間隙しかないため排気抵抗が高く、これによって除去効率が優れない面がある。また、不純物ガスを吸着除去するためのゲッター材を両パネル内部に配置することも考えられるが、これによっても十分にガスを吸着除去することができない。
また、チップ管は本来細い管であるため、ガスの除去に比較的長時間を要する。このため、ガスを迅速に排気することができず、結果的に保護層等への不純物の吸着を効果的に防止することは困難である。
以上の問題は、PDPが大型化するにつれて顕著化するおそれがあり、早急に解決すべき課題であると言える。
本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであって、良好な封着工程を行うことで、誘電体層及び保護層の変質を防止して、良好な画像表示性能を発揮することが可能なPDPとその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、フロントパネルとバックパネルが一定間隔をおいて対向配置され、当該両パネルの周囲が封着層により囲繞されてなるPDPであって、前記封着層は、有機樹脂材料、無機材料及び金属材料のうちの少なくとも一種を含む材料を使用するものとした。例えば封着層は、シリカ材料を主成分とし、これにエポキシ樹脂材料を添加してなる複合材料から構成することができる。より具体的に封着層は、シリカ成分を略70wt%とし、これにエポキシ樹脂材料を添加して構成することができる。なおキシレン成分は添加しない方が望ましい。
以上の構成を持つ本発明のPDPによれば、このような封着層の材料の選択を行うことにより、従来に比べて低温プロセスにて封着工程が行えるようになっている。
これにより、封着工程中で封着層材料に起因するガスが発生することが抑制され、当該ガスによる誘電体層や保護層の不要な化学変化を防止し、長期にわたり安定した画像表示性能を実現することができる。
ここで、前記封着層は、放電ガス雰囲気中における減圧雰囲気下で形成されたものとすることができる。
また、前記両パネルにおいて、前記封着層により囲繞された内部空間に対し、放電ガスが前記一定間隔の間隙を通して封入された構成とすることもできる。
さらに前記封着層は、両パネル主面の平面に沿って配された二重の封止層により構成されているものとすることもできる。
また、前記二重の封止層は、高気密封止層及び高強度封止層からなるものとすることもできる。
また、前記高気密封止層は、前記両パネル主面において、パネル周縁側に位置するものとすることもできる。
なお、前記二重の封止層は、互いにパネル主面の平面方向に沿った幅が異なるようにすることも可能である。
さらに前記二重の封止層において、パネル周縁側の封止層が高強度封止層、内側の封止層が高気密封止層として配されている場合、前記高強度封止層の前記幅が高気密封止層よりも幅広に形成することができる。
ここで、前記両パネルの少なくともいずれかには、減圧雰囲気下において、主面に誘電体層と保護層が順次形成することができる。
また、本発明はフロントパネルとバックパネルを一定間隔をおいて対向配置し、当該両パネルの周囲を封着層で囲繞して封止する封着工程を有するPDPの製造方法であって、前記封着工程において、前記封着層の材料としてシリカ材料を主成分とし、これにエポキシ樹脂材料を添加してなる複合材料を用いるものとした。
前記封止においては、前記封着層を放電ガス中で封止することができる。さらに前記封着工程では、封着層を加熱溶着法、紫外線硬化法、レーザ照射法、超音波溶着法の少なくともいずれかの方法で封着層を形成することもできる。
また、前記封着工程で前記加熱溶着法を用いる場合において、封着工程後にエージング工程を有し、当該エージング工程では、引き続き前記加熱溶着を補助的に行うこともできる。
さらに前記封着工程の前に、パネル表面に複数の電極及び誘電体層を順次形成することで、前記フロントパネル及び前記バックパネルの少なくともいずれかを構成するパネル形成工程を有し、前記パネル形成工程から封着工程の終了までを連続して減圧雰囲気下で行うこともできる。
このように本発明では、フロントパネル及びバックパネルの作製から封着工程の終了までを外気から隔離して行うことで、従来のようにPDPに対してチップ管を使わずに、迅速な脱気と放電ガスの封入が可能である。また、これにより外気から不純物ガスが混入するが防止される。従って、PDP内部に水分や不純物ガス等による保護層及び誘電体層の化学変化を長期間にわたり防止できるようになっている。
さらに、本発明ではチップ管を用いないため、パネルの表面周囲のいずれにも排気および放電ガス封入用の孔が形成されない。従って、外観形状としても良好であって、フラットなPDPを実現することができる。
また前記封着工程の前に、パネル表面に複数の電極及び誘電体層を順次形成することで、前記フロントパネル及び前記バックパネルの少なくともいずれかを構成するパネル形成工程を有し、前記パネル形成工程では、CVD法を用いて誘電体層を形成することもできる。
ここで、前記CVD法にはプラズマCVD法を採用することができる。
また、前記封着工程の前に、パネル表面に複数の電極及び誘電体層を順次形成するとともに、当該誘電体層上に保護層を形成することで、前記フロントパネルを構成するパネル形成工程を有し、パネル形成工程では、真空プロセスを用いて保護層を形成することもできる。
さらに前記封着工程の前に、フロントパネル及びバックパネルの少なくともいずれかのパネル表面に複数の電極を形成する電極形成工程を有し、前記電極形成工程では、真空プロセス法を用いて、Al-Nd材料により電極を形成することもできる。
また前記封着工程の前に、パネル表面に複数の電極及び誘電体層、並びに保護層を順次形成することで、前記フロントパネルを構成するパネル形成工程を有し、当該パネル形成工程を、室温以上300℃以下の低温プロセスにて行うこともできる。
これにより、従来のような高温プロセスおよび組み立て封着工程に基づくパネルの反りや割れの発生がなくなり、かつ殆どの工程を真空あるいは減圧ガス中で実施することができるようになって品質を安定させて製造することができる。
以下、本発明の好ましい各実施の形態を順次説明する。なお各実施の形態の記載内容は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
<実施の形態1>
11PDPの構成
図1は実施の形態1のPDPの構成図である。図1(a)は、パネルの厚み方向に沿った模式的な断面図であり、図1(b)は、パネル正面図である。
なお、全体的なPDPの構成は図21で前述した通りであるので、ここでは従来との構成の差異を中心に説明する。
PDP1は、ここでは一例として42インチクラスのNTSC仕様に合わせた仕様にしているが、本発明はもちろんXGAやSXGA等、この他の仕様・サイズに適用してもよい。
図1に示すPDP1の構成は、互いに主面を対向させて配設されたフロントパネルFPおよびバックパネルBPに大別される。
フロントパネルFPの基板となるフロントパネルガラス10には、その一方の主面に一対の表示電極4(スキャン電極5、サステイン電極6)が複数対にわたり形成されている。各表示電極4は、ITOまたはSnO等の透明導電性材料からなる帯状の透明電極155、156(厚さ0.1μm、幅150μm)に対して、導電性に極めて優れるAl-Nd系材料からなるバス電極9(厚さ7μm、幅95μm)が積層されてなる。本実施の形態1はAl-Nd系材料でバス電極9を構成することによって、透明電極155、156のシート抵抗が下げられ、良好な給電がなされる。
なお、本発明のバス電極としては、この他、少なくとも希土類金属を含むAl系金属合金薄膜を用いることが可能である。
表示電極4を配設したフロントパネルガラス10には、当該ガラス10の主面全体にわたって、SiOを主成分とするガラス材料からなる誘電体層(FP側誘電体層)7が、スクリーン印刷法等によって厚みが20μmから50μmの範囲で形成されている。
FP側誘電体層7の表面には、厚さ約1.0μmの保護層8が積層されている。
以上の構成を持つフロントパネルFPとバックパネルBPは、両パネル周囲に二重に配された封着層17(第一封止層171、第二封止層172)により内部封止されている。第一封止層171は高気密性、第二封止層172は高強度(すなわち高接着性)にそれぞれ特化した特性を有する構成となっており、封着層17全体として極めて優れた封着性を呈するものである。また、両封止層171、172の材料には、一般的な封着層材料で用いられるバインダ成分が含まれていないという特徴があり、これにより封着工程では当該バインダ成分に起因する不純物ガスを発生することがない。このため、封着工程においてPDP内部で保護層等に不純物ガスが付着する問題が発生しにくい。
ここで封着層17の材料としては、有機樹脂材料、無機材料及び金属材料のうちの少なくとも一種を含む材料を使用する。例えば封着層は、シリカ材料を主成分とし、これにエポキシ樹脂材料等の有機材料を添加してなる複合材料から構成することができる。なお、キシレン成分は添加しない方が望ましいことが本願発明者らの実験結果より分かっている。
このうち、高気密性を得るための封着層としては、シリカ成分を略70wt%とし、これにエポキシ樹脂材料を添加して構成することができる。
また、高強度を得るためには、有機材料として、アクリル系紫外線硬化樹脂材料を用いることができる。
なお、本実施の形態1では、放電空間30に臨むパネルの内側に高気密性の第一封止層171を配し、外側に高強度の第二封止層172を配する構成としたが、本発明はこの構成に限定するものではない。
また、封着層17の構成は、二重の封止層171、172に限定するものではなく、これ以上の多重構成(例えば高気密封止層と高強度封止層を交互に配置する構成)としてもよいし、逆に、一重のみの封着層17を配設してなる構成としてもよい。この一重のみの構成の場合には、前記高気密性と高強度の両方の特性を備えるように形成することが望まれる。
放電空間30には、60kPaから70kPa程度の圧力でXe-Ne系希ガスが放電ガスとして封入されている。なお、放電ガスのXe分圧を挙げると放電効率が向上することが知られている。
フロントパネルFPとバックパネルBPの間において、バックパネルBP側のBP側誘電体層13と蛍光体層15、および隣接する2つの隔壁14で仕切られた各空間が放電空間30となる。また隣接する一対の表示電極4(スキャン電極5及びサステイン電極6)と、1本のデータ電極12が放電空間30を挟んで交叉する領域が、画像表示にかかる放電セルに対応する。
以上の構成を有するPDP1は、公知の駆動回路と接続され、PDP装置として構成される。
そして駆動時には指定された放電セルにおいて、データ電極12と表示電極4の一方の間でアドレス放電が開始され、一対の表示電極4同士での維持放電により短波長紫外線(波長約147nmのXe共鳴線、波長約173nmのXe分子線)等の紫外線が発生し、当該紫外線を受けた蛍光体層15が可視光発光することで画像表示がなされる。代表的な画像表示方式としてはフィールド階調表示方式が採用され、放電回数の異なる複数の期間(サブフィールド)を階調に応じて選択することで、1枚の画像が階調表示される。
ここでPDP1は、フロントパネルFPにおいてFP側誘電体層7及び保護層8が大気に触れることなく連続的に減圧雰囲気下で形成されており、且つ、封着工程において両パネルFP、BPの周囲に配された封着層17が、有機樹脂(エポキシ樹脂もしくはアクリル系紫外線硬化樹脂)材料、無機材料(シリカ材料)及び金属材料のうちの少なくとも一種を含む材料により構成され、二重の第一及び第二封止層171、172として形成されている点に主たる特徴を有する。
この封着層材料の選択により、本実施の形態1のPDPは、従来に比べて低温プロセスにて封着工程が行えるようになっており、且つ、減圧雰囲気下で連続して工程を行うことができる。その結果、後述するようにPDP1内部からチップ管を使わずに迅速な脱気と放電ガスの封入が可能であって、不純物ガスの混入が防止される効果が奏される。これにより、PDP内部に水分や不純物ガス等による保護層及び誘電体層の化学変化を長期間にわたり防止し、優れた画像表示性能を発揮できるようになっている。
ここで実際に実施の形態1のPDPを実施例として作製したところ、従来のPDPよりも長寿命でありながら、長期にわたり画像表示性能等の信頼性を維持できることが明らかにされた。
具体的には、フロントパネルFPやバックパネルBPを大気に曝して作製された従来のPDPに比べ、維持放電電圧が低減され、且つ発光効率が約1.5倍に向上することが確認された。
また、寿命においては従来のPDPよりも、高い発光効率を維持したまま約3倍まで延長され、優れた発光効率の向上と信頼性を確認することができた。
この理由は次のように考えられる。すなわち、PDP1では、誘電体層7、13や保護層8が大気から隔離された状態で成膜され、且つ、封着工程も外気を遮断してなされていることから、大気中の不純物の混入が抑えられている。さらに、封着層の材料にもバインダ成分を用いず、且つ低温プロセスで封止するため、不要な不純物ガスが発生しにくい。このため、PDP1全体として誘電体層や保護層が不純物ガスや水分による変質を起こすことが防止され、製造直後の性能を長期間にわたり呈することとなっている。
1-2.PDPの製造方法
ここではPDP1の主要な製造工程について順次説明する。図4は、PDP1の製造工程の一例を示すフロー図である。なお当該製造工程は、基本的には後述する各実施の形態2-15のPDPにおいて共通する。
[フロントパネルFPの作製]
フロントパネルガラス10の表面に対し、表示電極4、FP側誘電体層7、保護層8を順次構成する(S1からS4)。本発明では図4に示すように、これらの工程を連続して減圧雰囲気下で行うことで、作製中のフロントパネルFPを外気に曝さないように保つ。さらにフロントパネルFPは、これらが実質的に形成加工される時のみでなく、次への移動、保管やパネルの封着・封止工程への移行の状態においても、その減圧状態が破られることなく形成、移動、保管される。
ここで「減圧状態」とは、真空中や真空減圧状態あるいは不活性ガスで置換された減圧状態を言う。
各工程は、具体的には以下の通りに行うことができる。

<表示電極4の形成>
まず、スパッタリング法等の手法を用い、フロントパネルガラス10の表面の少なくとも一部の上にITO、SnO、ZnO等のいずれかの透明電極材料を約100nmの膜厚で成膜する。このとき、フォトリソグラフィ法を利用することで、所望のパターン(例えば幅広の帯状パターン)を行い、放電ギャップを挟んで互いに対向して向かい合って平行に幅広にパターニングし、図5(工程A)のように透明電極155、156を得る(S1)。
透明電極155、156を形成したら、その上に、優れた電気特性(低抵抗)を有する、例えばAl-Nd系等の少なくとも希土類金属を含むAl系金属合金薄膜を、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、プラズマビーム蒸着法やスパッタリング法等の真空成膜プロセス法により例えば膜厚約1μmの薄膜で一様に積層する。そして、ドライエッチング法やフォトエッチング法により当該薄膜をパターニングし、図5(工程B)のように所望のパターンを有するバス電極9を形成する(S2)。当該成膜は、パネル温度を室温以上300℃以下に設定し、真空中あるいはスパッタリングガスを充満させた減圧雰囲気下で行う。
ここで「真空成膜プロセス法」とは、真空状態またはガス減圧状態の中で薄膜を形成するプロセスによる方法を指す。真空成膜プロセス法によって形成された薄膜で電極を作成すれば、これに積層される誘電体層が凸状に変形するのが防止され、膜圧分布においてバラツキの少ない誘電体層を形成し、電極形状に起因する部分的な絶縁破壊の発生(例えば電極のエッジ部分に相当する領域での発生)を防止することが可能となるので有利である。
上記Al-Nd系材料はガラス材料に対して化学的に安定なため、PDPの駆動中において、電極に起因する金属成分がFP側誘電体層7中に移動して拡散する所謂マイグレーション現象を発生することがないので、信頼性が高い電極構成を得ることができる。
なお、バス電極9としては従来通り、厚膜形成法を用いて、Ag電極やCr/Cu/Cr積層電極等の構成として作成することもできる。
以上で、優れた電気特性を有する表示電極4が、厚膜法等に比べて均一な膜厚及び形状で形成される。
なお、本願発明の課題である、大気中の不純物による悪影響は、もっぱら保護層(酸化マグネシウム)に対する前記不純物の吸着による原因が大きいという事実を考慮すれば、当該表示電極の形成工程、或いは当該形成工程と以下のFP側誘電体層7の形成工程との間において、パネルを大気中に曝しても、一応の本願効果は得られるものと推測される。しかしながら、より一層高い本願の効果を得るためには、やはりS1からS4の工程をすべて大気より隔離し、連続して行うことが望ましい。
<FP側誘電体層7の形成>
次に、フロントパネルガラス10の表面に対し、前記配設した表示電極4を覆うように、FP側誘電体層7を最終厚み110μmの範囲で形成する(S3)。
当該FP側誘電体層7は、誘電率εが2以上5以下の範囲であり、1.0×10V/cm以上の絶縁耐圧を有する緻密な誘電体層を形成できる材料が望ましく、このためSiO等の材料を用いることができる。
FP側誘電体層7は、具体的にはTEOS(テトラエトキシシラン)を含む誘電体層原料を利用し、CVD法(化学気相成長法)やICP-CVD法(誘導結合プラズマCVD法:Inductively Coupled Plasma CVD)によるガス減圧中で成膜する各種CVD方法を用いて成膜することができる。ICP-CVD法を用いれば、比較的高速に成膜することが可能である。
ここで図5(工程C)はFP側誘電体層7の形成過程を示す模式図である。CVD装置31の詳細は簡略化している。プラズマ中で高温に加熱され活性化された酸素ガスは、拡散によりパネル近傍まで到達し、活性化された酸素ガスとTEOS気化ガスとが反応することによりフロントパネルガラス10の上にSiO膜が生成される。チャンバ内圧力および酸素ガス流量、TEOS気化ガス供給量の条件を適切に選ぶことにより約2.5μm/分の速い成膜速度で、緻密な薄い所定の膜厚のSiO膜からなるFP側誘電体層7を形成することができる。
当該FP側誘電体層7の形成の際のパネル加熱温度は、従来と同様に室温以上300℃以下の比較的低温プロセスとすることで薄膜でありながら緻密で良好な耐電圧特性を有する誘電体層を早く作製することができる。また、焼成工程を行わないので、フロントパネルFPの反りや割れの発生がなくなるといったメリットも奏される。
なおFP側誘電体層7としては、最終的にSiOを80〜100%含むことが望ましく、当該比率を高めることで、より緻密で絶縁耐圧が高いFP側誘電体層7を得ることができる。一般に誘電体層の特性としては、1.0×10V/cm以上の高い絶縁耐圧を確保し、且つ誘電率εを2以上5以下の範囲に設定すれば、FP側誘電体層7の厚みを1μm〜10μmの範囲まで薄くしても耐電圧を高く維持することができるため望ましい。このようにFP側誘電体層7を薄くすれば、放電開始電圧の低減が図られ、消費電力を低減しつつ、優れた発光効率を実現することが可能となる。
以上でFP側誘電体層7が形成される。
ここで本発明では、次に保護層8を形成するまでの間、FP側誘電体層7を外気に触れさせないようにする必要がある。このため図4、図5の工程C、Dに示すように、FP側誘電体層7を上に形成したフロントパネルガラス10を、CVD装置31から次の真空成膜装置32内へ、予め減圧雰囲気下に調整した通路33で移動させ、さらに必要に応じて当該条件で一時保管する。このときの雰囲気としては、例えばNやAr不活性ガスを満たし、100kPa以下、望ましくは0.13Pa以下に設定することが好適である。
<保護層の形成>
次に、誘電体層の主面上に保護層を成膜する(S4)。
具体的には図4、図5(d)に示すように、内部を減圧雰囲気下に保った真空成膜装置32内において、電子ビーム蒸着法やスパッタリング法等の真空成膜プロセス法を用い、金属酸化物であるMgOを含む材料を前記誘電体層の表面上に成膜する。スパッタリングガスとしては、Arガス等を用いる。
なお、ここで言う「真空成膜プロセス」とは、真空状態の中で薄膜を形成するプロセスを指し、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法の他に真空蒸着法、プラズマビーム蒸着法、各CVD法等の方法があり、低温プロセスにより保護層の形成に利用することが可能である。当該真空成膜プロセスを用いることで、前記誘電体層に引き続き保護層を外気から遮断しつつ成膜されるので、品質が高い保護層を安定に維持して形成することができる。また、真空成膜プロセス法を比較的低温で実施することで、従来の高温プロセスで発生していたパネルの反りや割れの発生を抑制するといった効果も期待できる。
以上の工程で、最終厚み0.4〜1μmの膜厚で成膜を行う。保護層8をMgOで構成することによって、優れた2次電子放出係数を有し、良好な透明性及び高い耐スパッタ性を持つ保護層8が形成されることとなる。
なお、保護層8としてはMgO以外の材料を用いてもよく、他の金属酸化物、例えば、CaO、BaO、SrO、MgNO、ZnOなどからなる保護層8でも同様に実施可能である。
以上でフロントパネルFPが完成される。
なお、本実施の形態1では、次の封着工程が終了するまで、当該フロントパネルFPを外気に曝すことなく減圧雰囲気下で保管する。
このようにフロントパネルFPは、封着工程の終了まで外気に触れることがないため(S1からS4)、外気に起因する水分や不純物ガスが保護層8や誘電体層に付着するのが防止される。このため例えば保護層8においては成膜直後の性能(2次電子放出効率、耐スパッタ性等)を高く維持したままの状態を保つことが可能となり、発光効率等の信頼性を損なうことがない。また、減圧雰囲気下で表示電極4、FP側誘電体層7、保護層8を形成することで、これらはともに緻密な薄膜構造体として構成することができ、優れた耐電圧性を獲得し、優れた発光効率を呈することが可能となる。
なお、このような効果を奏する緻密な薄膜構造体は、以下のバックパネルBPのデータ電極12及びBP側誘電体層13においても同様に構成される。
[バックパネルの作製]
次に、バックパネルBPの作製を説明する(S5からS9)。当該バックパネルBPにおいても、フロントパネルFPと同様に、外気に触れることなく封着工程の終了に至るまで減圧雰囲気下に管理される。
図6は、PDPの製造方法におけるバックパネルBPの形成工程を示す模式的な断面図である。
図6(工程A)に示すように、バックパネルガラス11の表面に、Al-Nd系金属材料を含む金属電極材料を用いる。そして、前記バス電極と同様に真空成膜プロセス法を用い、ドライエッチング法によって所望のパターニングを行うことで、低温プロセスでAl-Nd合金薄膜からなる複数のデータ電極12を形成する(S5)。
なお、データ電極12はAl-Nd系金属材料から真空中で形成する方法に限定されず、Agペーストを塗布した後に焼成する方法や、Cr/Cu/Crの積層構造として構成する方法を採ってもよい。
次に、前記データ電極12を被覆するように、最終厚み約2μmでBP側誘電体層13を形成する(S6)。
具体的には、図6(工程B)に示すように、データ電極12を形成したバックパネルガラス11を、CVD装置41に搬入する。そしてCVD法、プラズマCVD法あるいはICP-CVD法に基づき、前記FP側誘電体層7と同様にBP側誘電体層13を作製する。
ここで本発明では、誘電体層形成ステップ(S6)及び隔壁形成ステップ(S7)、さらにパネルの移動・保管期間において、連続してバックパネルBPを真空或いは減圧雰囲気下で管理することとする。これにより、大気中に起因する水分や不純物ガスが保護層8等に付着するのが防止される。
なお、当該BP側誘電体層13は、従来と同様に低融点ガラス材料を印刷塗布したのち焼成することで構成してもよい。
続いて、図6(工程C)に示すように、各データ電極12毎に、その延伸方向に沿って複数の隔壁を形成する(S7)。当該隔壁としては非鉛系ガラス材料を用いることが可能であり、当該材料をペーストとしてパネル表面に塗布・焼成する。この際、公知の所定のパターニングを行うことで、ストライプ状或いは井桁状隔壁を形成することができる。
隔壁が形成されたら、図6(工程D)に示すように、各隔壁の間に蛍光体層を形成する。具体的には、R、G、B各色蛍光体材料として、それぞれ、(Y、Gd)BO:Eu、ZnSiO:MnおよびBaMgAl1424:Eu等の蛍光体粉末を利用する。これをα-ターピネオール、エチルセルロース等等の有機溶剤に混合し、粘度調整を行い蛍光体インクを作製したのち、各隔壁間にラインジェット法等を利用して塗布する。その後は約500℃で焼成工程を行うことで、蛍光体層が形成されることとなる(S8)。
次に、図6(工程E)に示すように、隔壁14、蛍光体層15を含んで形成したバックパネルBPの外側周囲に対して封止層の材料を塗布する(S9)。ここで当該材料は、ディスペンサーを用い、少なくとも一重に(望ましくは二重に)塗布する。
本実施の形態3においては、封着層17として、バックパネルBPの周囲に二重の形状で、封着材として、内側の封着塗布層1711は主に高気密性材料を塗布し、外側の封着塗布層1721には主として高強度材料を塗布する。なお、この二つの材料の塗布順序は限定されるものではなく、この逆としてもよい。
また、封着層17の材料としては、有機樹脂材料、無機材料および金属材料の内の少なくとも1種を含む材料を使用することができる。望ましくは、有機樹脂材料、無機材料および金属材料の内の少なくとも2種を混合して含む複合材料などを使用する。具体的にはシリカ成分を略70wt%と主成分とし、これにエポキシ樹脂材料を添加してなる複合材料から構成することができる。なおキシレン成分は添加しない方が望ましい。
このうち高気密性とする封止層の材料(封着塗布層1711の材料)としては、SiO、ガラス、金属窒化物や金属炭化物等の無機材料を混合してなる粉体・ウィスカ材料等に対し、アクリレート系紫外線硬化型接着剤、カチオン硬化タイプ紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を加えてなる材料を使用することができる。
一方、高強度性材料(封着塗布層1721の材料)としては、上記高気密性とする封着層材料から無機材料を若干減らしたものが利用できる。
以上でバックパネルBPが作製される。

[封着工程から完成まで]
図7は、本発明におけるPDPの製造方法の封着・封止工程等(S10からS12)を示す模式的な断面図である。
まず、前記減圧雰囲気下で管理されたフロントパネルFP及びバックパネルBPを、図7(工程A)に示すように、真空中あるいは減圧中(100kPaから0.13Pa)の通路71を通ってチャンバ70内の真空中あるいは減圧中の真空パッケージ室72に導入する。
次に、チャンバ70内を一定レベルまで真空排気した後、チャンバ70内をXe-Ne系希ガスを含む混合ガスからなる放電ガスに置換する(S10)。次いで、真空パッケージ室72を開き、大気中に曝すことなくフロントパネルFPを図7(工程B)の組立貼合わせ工程へ移す。そして、図7(工程B)に示すように、放電ガスで置換したチャンバ70内において、フロントパネルFPとバックパネルBPとを隔壁を挟んで対向させ、これを組立て貼合わせる(S11)。
そして、所定の圧力(実施の形態1では約60kPa)とした放電ガス中において、図7(工程C)に示すように、フロントパネルFPおよびバックパネルBPの外周領域に配された封着塗布層1711、1721に向かって、チャンバ70の外側または内側から、常温雰囲気で紫外線(UV光)を照射する。この紫外線硬化接着法によって、封着塗布層1711、1721を紫外線硬化させ、第一封止層171及び第二封止層172の二重からなる封着層17を封着と同時に封止し形成する(S12)。
なお、封着方法はこれ以外にも、加熱接着法、紫外線硬化接着法、レーザ溶接法および超音波溶着法の内の少なくとも一つを含む方法により封止層を封着しても構わない。使用する封着層材料によっては紫外線硬化と加熱を同時に行ってその性能を向上させることができる。
また、二重の封着層17を設ける場合には、まず内側の封着層材料を塗布した後にこれを硬化させて封止し、その後に外側の封着層材料を塗布して硬化させるようにしてもよい。このとき、外側の封着層材料で両パネルの外周を包み込むように塗布すれば、一層高機密性及び高強度を期待できるので望ましい。
このように本発明では、チャンバ70内において放電ガスがパネル間隙に封入された状態で封着層17を封着すると同時に放電ガスを封止するようになっている。従って、この方法を用いればPDPにチップ管等を配設する必要がなく、極めてフラット且つスマートなPDPを作製できるメリットがある。
また、上記方法によれば、両パネルは大気に曝されることなく減圧雰囲気下で放電ガスを封入し封着工程を経るため、大気に起因する不純物ガスの吸着がまったくない。また、低温プロセスで封着工程を行うことで、当該工程において封着層17に起因する炭素ガスが発生することも低減されている。このため、パネル内部のBP側誘電体層13及び保護層8が不純物ガスにより変質することが極力低減されており、長期間にわたり良好な発光効率と信頼性を維持することが可能となっている。
なお、この時、常温条件における減圧雰囲気下で封着工程(S12)をするが、このとき使用する封着材の種類によっては若干の加熱を行うことが望ましい場合がある。この場合、チャンバ内において補足的に加熱してもよい。あるいは、その後の工程であるエージング工程などにおいて低温(約100℃)に加熱して接着強度を上げるようにしてもよい。
以上の設定に基づく封着工程によって、両パネルの間に配された封着層材料は低温プロセスにて焼成され、パネル全体より焼成ガスの除去がなされる。従って、チップ管を用いる従来に比べて、飛躍的に高速でガス除去を行うことができる。また、パネルにチップ管を設ける必要がないため、外観形状もチップ管の跡がなく、フラット且つスマートなPDPを作製することが可能となっている。
さらに、本実施の形態では低温プロセスで焼成を行うため、高温時に発生する除去すべき不要ガス(炭酸ガス)が少ない性質もある。すなわち、従来の封着工程に用いられるガラスフリットでは、焼成温度が約450℃程度で行う必要があり、これによってガラスフリット由来のバインダ等の有機成分が不要な化学反応を起こし、PDPの内部に残留し易くなるといった問題があった。これに対し本実施の形態では、封着層材料にシリカ材料を主成分とし、これにエポキシ樹脂材料を添加してなる複合材料を用いているため、焼成温度としては室温から約300℃までの低温範囲において封着工程を行える。これにより、前記不要な化学反応の発生を抑制することが可能となるため、除去すべき炭素ガスの量も飛躍的に低減できるというメリットが奏される。
なお、上記PDPではパネルガラスを利用する構成例について説明したが、本発明はこれに限定せず、ガラス材料以外(例えばプラスチックパネル)を使用することもできる。プラスチックパネルをフロントパネル及びバックパネルに使用する際には、封着工程においては同士パネル周囲を超音波溶着法で溶着することで封止することができる。
以上の放電ガス置換(S10)、組立・張り合わせ工程(S11)、封着工程(S12)では、いずれも連続して減圧雰囲気を破ることなく行われる。
その後はエージング工程(S13)を終えることで、PDPが完成する。
なお、例えば加熱溶着法により封着工程を行う場合、封着層の材料選択によっては、封着工程に加えて補助的に加熱処理を行ったほうがよい場合がある。このような場合には、当該エージング工程において、引き続き加熱溶着を補助的に行うことが望ましい。

<実施の形態1のバリエーション>
次に、前記封着層17に金属材料を用いた場合の一構成例(図2)について説明する。当図2に示されるPDPの特徴は、封着層17において、パネル厚み方向に沿って設けられたガラスフリット層174の間に金属層173を介設した点にある。
ガラスフリット層174は、従来と同様の低融点ガラス組成を含む材料で構成されており、封着工程前に予め両パネルFP、BPの外周表面に固着されたものである。なお、その使用量は金属層173を固着するためでよいので、従来の封着層に比べて少量でよく、これによりガラスフリット由来の炭素ガスの低減が図られる。
金属層173は、パネル断面方向に沿って、コの字型断面形状を持つ層として形成されている。当該金属層173としては封止性を確保するため、熱膨張係数がパネルガラスFP、BPと同様か、これに準ずる特性を持つ材料が望ましく、ここでは一例として42%Ni-6%Cr-42%Fe系金属材料で構成している。もちろん、金属層173の組成はこれに限定されない。
当該封着層17の形成方法としては、全体的には前記実施の形態1の製造方法と同様であるが、封着工程前に両パネルにガラスフリット層にL字型断面形状を持つ金属材料をそれぞれ積層しておく。そして、当該金属材料を対向配置させて両パネルを対向配置させつつ、外部よりレーザ照射にて金属材料を溶融接着する。
以上の構成を持つによれば、図1に示すPDP1と同様の効果が奏されるほか、封着工程では金属を溶融させるだけで封着がなされるので、封着時に不純物ガスが発生するのを極力抑制することができる。そのため、保護層8やFP側誘電体層7、BP側誘電体層13の変質を防いで良好に封着を行うことが可能となっており、PDPの高い信頼性を得ることができる。
なお、当図では一重の封着層を設ける例を示したが、本発明はこれに限定するものではなく、二重以上にわたり設けてもよい。
<実施の形態2>
図3は、実施の形態2におけるPDP1の構成を示す模式的な断面図である。
本実施の形態2の特徴は、封着層17が第一封止層176、第二封止層177の二重層で構成されており、且つ、外側の封着層(第二封止層177)が、パネル厚み方向に2つの異なる薄膜層1771、1772を交互に積層してなる点にある。
第一封止層176は、実施の形態1で説明した高気密性材料で構成されている。
一方、特徴的な第二封止層177は、有機材料、無機材料、金属材料の中から選ばれた2つの材料を薄膜1771、1772とし、これがパネル厚み方向に交互に積層されている。当該多層膜構造を持つ第二封止層177は、通常の有機接着層等のみからなる封止層に比べ、気密度が非常に優れており、容易に水分や酸素ガスを通さない性質があり、PDPの構成として有利である。ここで、図3に示すように、積層多層膜構造による第二封止層177は両パネルの少なくとも一方を周縁外部より包み込むように(ここではパネル周囲からL字型断面形状ではみ出るように)配設することが、パネルの機密性向上の点で望ましい。
当該第二封止層177は、減圧雰囲気下において実施の形態1と同様に第一封止層176を形成した後、以下の方法で形成される。
すなわち、例えばAl材料からなる金属薄膜1771と有機樹脂層1772との積層構造として構成する場合には、まず減圧雰囲気下において、スパッタリング法でAl薄膜を形成し、その上にプラズマ重合法により有機樹脂層を形成し、これを交互に繰り返す方法を採ることができる。当該積層数は薄膜の厚みにもよるが、数μm程度であれば約百層程度が望ましいと思われる。
以上の構成を持つ実施の形態2のPDP1においても、実施の形態1と同様にフロントパネルFP及びバックパネルBPを大気より隔離して作製し、さらに連続的に低温プロセスで封着工程を行うことで、保護層8及び誘電体層7、13の変質が防止され、優れた信頼性及び封止性を呈するようになっている。また、封着に際しPDPに対してチップ管を用いる必要もなく、フラット且つスマートなPDPが実現される。
また第二封止層177は、その積層構造によりパネルの厚み方向に向かってパネルが或程度撓んだ場合でも損壊を生じにくい性質があり、優れた気密性が発揮される。このためPDPの封止性及び信頼性の向上が期待できる。従って、このような第二封止層177は、例えば10、11のようなパネルガラスの代わりに可撓性のプラスチックパネル等を備えたPDPにも好適であると思われる。
<実施の形態3>
図8は、実施の形態3のPDP101aの構成図である。このうち図8(a)は、PDP101aの厚み方向断面図、図8(b)は、PDP101aの模式的な正面図をそれぞれ示す。
本実施の形態3が上記実施の形態1及び2と異なる点は、両パネルFP、BPの外周を囲繞するように配された封着層18aにおいて、その最外周領域がパネル厚み方向に沿って、接着層181a、シール層182a、接着層183aの三層を同順に積層した構造を持つ点にある。一方、当該三層構造で囲まれた内側領域は、182aと一体的なシール層184aとして構成されている。
当該封着層18aは、実施の形態1及び2と同様に、チャンバ内部に放電ガスを満たした減圧雰囲気下で、封着工程とともに封止されたものである。
接着層181a、183aは、実施の形態1で説明した第一封止層171と同様の機密性に優れる材料からなり、バインダ成分を含まない材料で構成されており、封着工程前に封着層18aの封止層分の一部として、印刷法等によりシール層182aの材料を挟んで塗布形成される。これにより、室温以上300℃以下の温度範囲における低温プロセスで比較的簡単に封着工程を行うことが可能となり、良好な封止性能を有する封着層を実現できる。なお、加熱接着法、紫外線硬化接着法、レーザ溶接法および超音波溶着法の内の少なくとも一つを含む方法により接着層を硬化させて封着を行うことも可能である。
一方、シール層182a、184aは、実質的にバインダ成分を含まない材料(シリカ材料を主成分(70wt%程度)とし、これに若干の有機樹脂(エポキシ、アクリル等)材料を添加した材料)で構成されている。そして接着層181a、183aに比べて放電ガスを閉じ込め、かつ外部の酸素ガス、炭酸ガスや、あるいは接着層181a、183a、184aからの有機溶剤揮発ガスのパネル内への流入を防止する高気密性を有する層として形成される。
また、具体的にシール層182a、184aは、真空パッキング材料、例えばゴム材料等の弾性材料、或いはAl、Cu等の金属材料などを含むパッキング材料から構成することもできる。これにより放電ガスを大気に対して負圧とする場合、高気密なシール性を実現できる。

以上の構成を持つ本実施の形態3のPDP101aによっても、実施の形態1及び2とほぼ同様の効果が奏される。また、本実施の形態3に基づく実施例を作製して信頼性評価をした結果、フロントパネルFPやバックパネルBPを大気に曝して貼合わせて組み立てた従来のPDPよりも、放電開始電圧の低減により発光効率が向上したことが確認された。さらに、従来の大気に曝して封着する工程で作成した従来のPDPよりも、高い発光効率を維持しつつ長寿命化が実現された。
なお、本実施の形態3では、シール層182a、184aの材料にエポキシ樹脂等の有機材料を用いているが、これは実際にはシリカ材料等の無機材料に対して少量添加して(30wt%より少ない量で)用いられるため、従来のように当該有機樹脂材料による不純物ガスが発生しにくい。従って、当該エポキシ樹脂等の有機材料が、本願における不純物ガスの問題の原因となることはない。
<実施の形態4>
図9は、実施の形態4におけるPDP102aの構成を示す模式的な断面図である。実施の形態3と異なるのは、図9に示すように、封着層28aの最外周にも一様なシール層284aが形成され、これによって接着層281a、シール層282a、接着層283aの三層構造がパネル主面の平面方向の両側面よりシール層284aで挟まれる構成とした点にある。当該封着層28aも、実施の形態3と同様に、封着工程前に材料を印刷法等で積層することで形成される。
この構成によれば、実施の形態3と同様の効果が奏されるほか、さらに内部封止性の向上が期待できる。
また、本実施の形態4では、シール層284aをパネルの内外周に設けるので、パネル外部からの酸素ガスや炭酸ガスの混入、あるいは封着工程中の接着層281a、283aに起因する炭酸ガスの流入をさらに効果的に防止することができる。
<実施の形態5>
図10は、実施の形態5におけるPDP103aの構成を示す模式的な断面図である。実施の形態5の特徴は、封着層38aにおいて、パネル厚み方向に沿って接着層381a、シール層382a、接着層383aの三層構造がパネル主面の平面に沿って二重に設けられ、且つパネル外周のシール層384aが外部に露出する点にある。
このような構成によっても、上記実施の形態3及び4と同様の効果が奏されるほか、封止層38aが両側のシール層384aに挟まれて、複数箇所配置されて形成され配置されることにより、封着層38aがパネル面に容易に配置できる。また、パネル面に対する封着層38aの接着面積が増加することにより、さらに接着強度の向上が期待できる。
<実施の形態6>
図11は、実施の形態6におけるPDP104aの構成を示す模式的な断面図である。実施の形態6は、実施の形態5とほぼ同様であるが、封着層48aの最外周におけるシール層が省略された構成である。PDPのサイズが比較的小さい等の理由で、それほど大量の封着層を形成しなくても封着性が望める場合には、このように最外周のシール層を省略しても、上記実施の形態3〜5と同様の効果が期待できる。
<実施の形態7>
図12は、実施の形態7におけるPDP105aの構成を示す模式的な断面図である。実施の形態7の特徴は、封着層58aの最外周側が、両パネル間の厚み方向に連続して形成された接着層585aで構成されている点にある。
すなわち図12に示すように、PDP105aの封着層58aは、接着層581a、シール層582aおよび接着層583aの三層を有する封着層58aが、幅方向に2カ所(2カ所以上の複数箇所もでよい)にわたり形成され、且つその最外周側に、パネル周囲を連続して一様に接着層585aが形成配置されてなる。当該封着層58aの形状は、封着工程前において、各材料を実施の形態3と同様に積層配置することで、予め設定できる。
一方、封着層58aの幅方向における最内周側の層は、シール層582aから連続して形成されたシール層584aである。
なお、封着層58aは、パネル主面の平面に沿った幅方向に1重に形成されていてもよいし、これを2重に形成してもよい。
以上の構成を持つ実施の形態7によれば、実施の形態3〜6と同様の効果が奏されるほか、封着層58aのパネル主面の平面に沿った接着面積が飛躍的に増大するので、良好な接着強度を保って封着をなす効果も奏される。
<実施の形態8>
図13は、実施の形態8におけるPDP106aの構成を示す模式的な断面図である。実施の形態8は、全体的には実施の形態7と同様であるが、封着層68aにおけるパネル主面の平面に沿った幅方向中央部分に空隙部686が確保されている点に特徴を有する。
このような構成によっても、実施の形態7と同様の効果が奏される。また、空隙部686の導入により、封着層68aのサイズが大きくなっても、封着層68a全体での密度はそれほど増大しないので、PDP全体として重量の軽量化に貢献することが可能なメリットも有する。
<実施の形態9>
図14は、実施の形態9におけるPDP107aの構成を示す正面図である。
実施の形態9の特徴は、図14に示すように、PDP107aのパネル周囲にわたり高気密性層からなるシール層784aによって一様に配された1重の封着層において、その四隅に相当する領域に、接着層781a、シール層782aおよび接着層783aの三層構造を有する封着層78aが配された点にある。
このような構成によれば、実施の形態3〜8と同様の効果が奏されるほか、接着層781a、783aはパネル四隅の限られた領域にのみ使用すればよいので、全体として接着層材料の使用が飛躍的に低減される。従って、封着工程に置いて、バインダ等に起因する不要な炭酸ガス等の不純物ガスの発生が抑制され、誘電体層及び保護層を良好に保つことが可能である。
ここで封着層78aは、例えば封着工程に先だち、接着層781a、シール層782aおよび接着層783aの各材料を積層して形成することができる。
なお、封着層78aは、ここではパネルの四隅に設ける例を示したが、本発明はこれに限定するものではなく、例えばパネル周囲の少なくとも一部以上に設ければよい。
例えば、実施の形態4及び5における接着層282(382)a、シール層283(383)aおよび接着層281(381)aの三層を有する封着接着部を、図14における封着層として、パネル周囲に複数箇所設けても同様に実施可能であり、その他の組み合わせも同様に実施可能である。
<実施の形態10>
11-1.PDPの構成
図15は、実施の形態10に係るPDP201bの構成を示す図であって、図15(a)はバックパネル20bの正面図、図1(b)はPDPの断面図である。
当図に示すPDP201bは、基本的には、対向表面にそれぞれ表示電極12b、データ電極22bを備えたフロントパネルガラス10bとバッグパネルガラス21bとを、所望の間隔で、前記表示電極12b、データ電極22bが互いに直交するように重ね合わせ、前記パネルガラス11b、21bの外周部に設けたガスケット層1bおよび当該ガスケット層1bの外周部に設けた封着層2bとを介し、放電空間26bを減圧した状態で封着した構造を持つ。同図において、隔壁24b、蛍光体層25bは、簡略化して図示している。
ガスケット層1bの材料としては、金属材料として、Cu、Al、Zn、Ag、Inの中から選ばれた1以上を含む材料を用いることができる。
封着層2の材料としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。
これにより本実施の形態10において、両パネルガラス11b、21bでは、前記封着層2bの硬化時の収縮効果による応力、および減圧された放電空間26bと大気圧との差圧によって、ガスケット層1b付近に圧縮力が伝わり、良好な密封状態が維持されるようになっている。
また本実施の形態10によるPDP201bは、従来構成の封着層のようにガラスフリットからなる封着層材料を用いず、金属製ガスケットからなるガスケット層1bを用いる点に特徴を有する。これにより、製造工程に封着装置中で加熱する封着工程で、不純物ガスが放電空間26bに流入しないようになっている。つまり本実施の形態10のPDP201bにおいて、放電空間26bに臨んで露出するのはCu、Al、ZnまたはAg等の金属ガスケットなので、数百℃の高温で封着工程を行っても、金属材料から不純物ガスは放出されず、良好に誘電体層及び保護層を維持することができる。
なお、当該ガスケット材料としては、金属の他に黒鉛、PTFE系等のガスケット材料を用いてもよい。
また、この構成例では封着層2bとして熱硬化性樹脂を用いたが、金属ガスケットと濡れ性の良いガラスフリットを用いても良い。この場合も放電空間26bに露出しているのは金属ガスケットであるため、ガラスフリットから放電空間26bへの不純物ガスの放出が防止できる。この封着構造は、両パネルガラス11b、21bと封着用ガラスフリットとの熱膨張係数のマッチングの点で優れている。
(ガスケット層と封着層の厚み関係について)
本実施の形態10では、PDP201bの封着手段としてガスケット層1b及び封着層2bの2重構造からなる層を利用している。ここで、PDPのサイズ規格等の理由により、PDPに設けられるガスケット層及び封着層の合計厚み限界はほぼ一定であるため、これらの厚み調整の組み合わせが問題となる。
ガスケット層及び封着層の材料と、パネル主面の平面に沿ったガスケット層厚みa、及び封着層厚みbの関係については、以下のように調整することが可能である。
封着層は高気密性を有しており、当該封着層の厚みbを延長すれば、機密性の向上が望める。
一方、ガスケット層は金属材料等を用いることから高強度性を有しており、当該ガスケット層の厚みaを延長すれば、PDPの機械的強度の向上が望める。但し、ガスケット層にも良好なシール性を要求する場合には、封着工程の際に塑性変形を促すソフトメタル系の材料を用いる必要があるが、これによれば機械的強度の性能は若干低下する。
なお、この機密性と強度とのバランスは、構成するPDPのサイズによっても多少変化があると考えられる。このため、パネル主面の平面に沿ったガスケット層厚みa、及び封着層厚みbの設定については、実際に作製するPDPのサイズ規格に合わせて考慮することが望ましい。
11-2.PDPの製造方法
ここでは、実施の形態10のPDP201bの封着工程について説明する。
図16は、実施の形態10のPDPを封着するための封着装置40bの断面図である。当該装置40bは、室温から数百℃まで加熱できる加熱ヒータ(不図示)を備える雰囲気炉41bと、パネル固定台42b、真空ポンプ43bに繋がる排気管44b、放電ガス供給ボンベ45bに繋がるガス供給管46b等からなる。
同図(a)は排気、放電ガス導入工程に先立って行う、マウント工程における封着装置40bの状態を示す図である。PDP201bの製造時には、雰囲気炉41b中の固定台42b上に、バッグパネルガラス21bが電極面を上にして配置されるとともに、当該バッグパネルガラス21bの外周部にCuからなるガスケット層1bとして金属ガスケットが配設される。
一方、図16に示すように、バッグパネルガラス21bと対向させつつ、金属ブロック47bを付けたフロントパネルガラス10bを支持枠(図示せず)によって支持し、所定の間隔を開けて前記バッグパネルガラス21上に配置する。ここで、両パネルガラス11b、21bは互いの表示電極12b、データ電極22bを形成した面が対向するような配置を行う。その後は、封着装置40b内を真空ポンプ43bによって排気した後、放電ガス供給ボンベ45bから封着装置40b内に放電ガスを導入する。このとき両パネルガラス11b、21b間は、開放状態であるため、流体抵抗が低く高速排気、放電ガスの高速導入が可能である。
続いて、同図(b)に示すように、前記支持枠(図示せず)を下方に移動させ、フロントパネルガラス10bを位置合わせしながら金属ガスケットを両パネルガラス11b、21bに介挿されるように重ね合わせた後、フロントパネルガラス10bから支持枠を外す。
その結果、フロントパネルガラス10bの上面に付けた金属ブロック47bにより両パネルが均一に荷重される。そして、パネルの外周部の金属ガスケットと両パネルガラス11b、21bの内壁とによって形成される溝内に封着層2bとしてのエポキシ樹脂を注入した後、封着装置40b内をエポキシ樹脂の硬化温度まで加熱する。これにより封着工程が行われ、両パネルガラス11b、21b間の放電空間26bに放電ガスが導入されたPDPbが完成する。
図17は、実施の形態10におけるPDPの別の封着工程例であって、封着層として紫外線硬化樹脂(封着層3b)を用いた場合の工程を示す。
同図では、完成前のPDP201bが載置されている雰囲気炉の内部の様子を示している。この例では、雰囲気炉内での排気工程、放電ガス導入工程を経て、両パネルガラス11b、21bを位置合わせしながら、バッグパネルガラス21bの外周部に配設されたガスケット層1としての金属ガスケットが両パネルガラスに介挿されるように重ね合わせられる。
これとともに、フロントパネルガラスbの上面に付けた金属ブロック47bにより両パネルガラス11b、21bが均一に荷重される。そして、パネルの外周部の金属ガスケットbと両パネルガラスbの内壁によって形成される溝内に封着層3bとしての紫外線硬化樹脂を注入した後、パネルの側面から紫外線を所定の時間、照射して樹脂を硬化させることで封着工程がなされる。
このとき、波長350nm以上の長波長の紫外線光で硬化する紫外線硬化樹脂を用いると、パネルガラスを透過した光も、硬化に寄与させることができるので、硬化ムラがなくなるため好適である。
図16の雰囲気炉4bに設けていた加熱ヒータの代わりに、図17では、パネル外周部を照射するための一対の紫外線ランプ48bを備えている。封着層3bの硬化のために加熱する必要が無いこと、封着層3bが紫外線により高速で硬化すること、温度変化が少ないため両パネルガラスの位置合わせが正確に行えること等が、この方法の特徴である。
<実施の形態11>
図18は、実施の形態11に係るPDP202bの構成を示す図であって、図18(a)はバックパネルBPの正面図、図18(b)はPDP202bの断面図である。
当図に示すPDP202bが実施の形態10と異なる特徴は、前記のパネルガラス11b、21bの外周部に設けた溝101bにガスケット層1bが嵌め込まれ、前記ガスケット層1bとその外周部に設けた封着層2bとを介して封着した構造にある。
両パネルガラス11b、21bは封着層2bの硬化時の収縮効果よる応力、および減圧された放電空間26bと大気圧との差圧によって、金属ガスケットに圧縮力が伝わり密封状態が維持される。この場合、ガスケット層1bが両パネルガラス11b、21bに設けられた溝101bに固定されるため製作が容易になると共に、封着性能が向上する。

<実施の形態12>
図19は、実施の形態12に係るPDP203bの構成を示す図であって、図19(a)はバックパネルBPの正面図、図19(b)はPDP203bの断面図である。
当図に示すPDP203bが実施の形態10と異なる特徴は、片面に電極を備えたフロントパネルガラス10bとバッグパネルガラス21bとを所望の間隔で、前記表示電極12b、データ電極22bが互いに空間をおいて直交するように重ね合わせ、前記のパネルガラス11b、21bの外周部に設けた溝101bにガスケット層1bが嵌め込まれ、さらに前記ガスケット層1bとその外周部に断続的に設けた封着層2bとを介して封着した構造にある。
封着層2bの機能は、両パネルガラスの圧着を保持する圧縮力を与えることのみであり、封着の機能は必要がない。このため、封着層2bを外周部に連続して配置する必要がなく、圧着を保持する必要な強度が得られる部分のみに、部分的に配置することで十分である。部分的に配置することにより、部材の減少と工程簡略化が図られ、コストの低減が可能となっている。
<実施の形態13>
図20は、実施の形態13に係るPDP204bの平面図(a)および断面図(b)である。
当図に示すPDP204bの特徴は、片面に表示電極12b、データ電極22bを備えたフロントパネルガラス10bとバッグパネルガラス21bとを、いずれかのパネルガラス周辺部に設けたガスケット層1bを介して前記表示電極12b、データ電極22bが直交するように重ね合わせられ、さらに周辺部に設けたクリップ6b等の拘束冶具によって互いに強固に封着した構造にある。
ガスケット層1bとしては、前記金属材料は、Cu、Al、Zn、Ag、Inの中から選ばれた1以上を含む材料からなる金属製のガスケットが用いられ、コの字型断面形状のクリップ6bによって両パネルが圧着された状態で固定される。
以上の構成によれば、両パネルガラス11b、21bは、クリップ6bによる圧縮力に加え、減圧された放電空間26bと大気圧との差圧によって発生する圧縮力によって金属ガスケットが圧着され、確実な密封状態が維持される。
ここで本実施の形態13のPDP204bは、前記拘束冶具としてのクリップ6bの採用により封着層やガラスフリットの溶融、硬化のための加熱処理が不要であるので、室温でも封着処理できるメリットを有する。
また、放電空間26bに露出しているのは、Cuまたは亜鉛等の金属ガスケットであり、しかも封着に係る加熱処理が不要であるので、ガラスフリットに起因する不純物ガスが放電空間26bに混入する恐れが極めて低い。
なお、前記拘束冶具としては、前記クリップの他、コの字型断面形状を持つ枠体等を用いることもできる。この場合、両パネルガラス11b、21bに嵌合させたときに当該両パネルガラス11b、21bが互いに圧着させるようにテンションを掛ける必要がある。
本実施の形態13におけるPDPの封着工程としては、まず完成したフロントパネルFPとバックパネルBPを互いに対向させて雰囲気炉に挿入し、これを真空排気した後、雰囲気炉内部に放電ガスを導入する。このとき、フロントパネルFPとバックパネルBPはともに外気に触れないように、実施の形態1の製造方法と同様にして製造する。
その後、フロントパネルFPとバックパネルBPの相対位置を調節しながら、バックパネルガラス21bの外周部に配設されたガスケット層1bが両パネルガラス11b、21bに介挿されるように重ね合わせつつ、フロントパネルガラス10bの上面に金属ブロックにより均一に荷重を掛ける。そして、同容器中で両パネルガラス11b、21bの四辺に拘束冶具であるクリップ6bを装着することにより、本実施の形態13のPDP204bが完成する。
本発明は、小型から大型にわたる広範囲な薄型テレビジョン、高精細テレビジョンあるいは薄型情報機器端末等のPDPに利用することが可能である。すなわち、映像機器産業、情報機器産業、宣伝機器産業、産業機器やその他の産業分野にも利用することができ、その産業上の利用可能性は非常に広く且つ大きい。
実施の形態1のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態1のPDPのバリエーションにおける模式的な構成を示す図である。 実施の形態2のPDPの模式的な構成を示す図である。 本発明におけるPDPの製造工程を表すフローチャートである。 本発明におけるPDPに係るフロントパネルFPの形成工程を示す模式的な図である。 本発明におけるPDPに係るバックパネルBPの形成工程を示す模式的な図である。 本発明におけるPDPの封着・封止工程を示す模式的な図である。 実施の形態3のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態4のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態5のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態6のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態7のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態8のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態9のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態10のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態10におけるPDPの製造方法の工程を示す模式的な図である。 実施の形態10におけるPDPの製造方法の工程(紫外線硬化)を示す模式的な図である。 実施の形態11のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態12のPDPの模式的な構成を示す図である。 実施の形態13のPDPの模式的な構成を示す図である。 従来の面放電型AC型PDPの放電単位である放電セル構造を示す模式的な断面図である。
符号の説明
FP,10b フロントパネル
BP,20b バックパネル
1、1a〜1c、101a〜107a、201b〜204b PDP
1b ガスケット層
2b,17、18a〜78a 封着層
6b クリップ
101b 溝
171、176 第一封止層
172、177 第二封止層
173 金属層
181a〜781a、183a〜783a、585a 接着層
182a〜782a、184a〜784a シール層
686 空隙部
1711、 1721 封着塗布層
1771 薄膜層(金属薄膜)
1772 薄膜層(有機樹脂層)

Claims (45)

  1. フロントパネルとバックパネルが一定間隔をおいて対向配置され、当該両パネルの周囲が封着層により囲繞されてなるプラズマディスプレイパネルであって、
    前記封着層は、有機樹脂材料、無機材料及び金属材料のうちの少なくとも一種を含む材料から構成されている
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記封着層は、放電ガス雰囲気中における減圧雰囲気下で形成されたものである
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記両パネルにおいて、前記封着層により囲繞された内部空間に対し、放電ガスが前記一定間隔の間隙を通して封入された構成である
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記封着層は、両パネル主面の平面に沿って配された二重の封止層により構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 前記二重の封止層は、高気密封止層及び高強度封止層からなる
    ことを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネル。
  6. 前記高気密封止層は、前記両パネル主面において、パネル周縁側に位置する
    ことを特徴とする請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 前記二重の封止層は、互いにパネル主面の平面方向に沿った幅が異なる
    ことを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネル。
  8. 前記二重の封止層において、パネル周縁側の封止層が高強度封止層、内側の封止層が高気密封止層として配されている場合、
    前記高強度封止層の前記幅が高気密封止層よりも幅広に形成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプレイパネル。
  9. 前記両パネルの少なくともいずれかには、減圧雰囲気下において、主面に誘電体層と保護層が順次形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  10. フロントパネルとバックパネルを一定間隔をおいて対向配置し、当該両パネルの周囲を封着層で囲繞して封止する封着工程を有するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記封着工程において、前記封着層の材料として有機樹脂材料、無機材料及び金属材料のうちの少なくとも一種を含む材料を用いる
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  11. 前記封着工程において、前記封着層を放電ガス中で封止する
    ことを特徴とする請求項10に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  12. 封着層の材料はシリカ材料を主成分とし、これにエポキシ樹脂材料を添加してなる複合材料である
    ことを特徴とする請求項10に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  13. 前記封着工程では、封着層を加熱溶着法、紫外線硬化法、レーザ照射法、超音波溶着法の少なくともいずれかの方法で封着層を形成する
    ことを特徴とする請求項10に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  14. 前記封着工程で前記加熱溶着法を用いる場合において、封着工程後にエージング工程を有し、
    当該エージング工程では、引き続き前記加熱溶着を補助的に行う
    ことを特徴とする請求項13に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  15. 前記封着工程の前に、パネル表面に複数の電極及び誘電体層を順次形成することで、前記フロントパネル及び前記バックパネルの少なくともいずれかを構成するパネル形成工程を有し、
    前記パネル形成工程から封着工程の終了までを連続して減圧雰囲気下で行う
    ことを特徴とする請求項10に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  16. 前記封着工程の前に、パネル表面に複数の電極及び誘電体層を順次形成することで、前記フロントパネル及び前記バックパネルの少なくともいずれかを構成するパネル形成工程を有し、
    前記パネル形成工程では、CVD法を用いて誘電体層を形成する
    ことを特徴とする請求項10に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  17. 前記CVD法はプラズマCVD法である
    ことを特徴とする請求項16に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  18. 前記封着工程の前に、パネル表面に複数の電極及び誘電体層を順次形成するとともに、当該誘電体層上に保護層を形成することで、前記フロントパネルを構成するパネル形成工程を有し、
    パネル形成工程では、真空プロセスを用いて保護層を形成する
    ことを特徴とする請求項10に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  19. 前記封着工程の前に、フロントパネル及びバックパネルの少なくともいずれかのパネル表面に複数の電極を形成する電極形成工程を有し、
    前記電極形成工程では、真空プロセス法を用いて、Al−Nd材料により電極を形成する
    ことを特徴とする請求項10に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  20. 前記封着工程の前に、パネル表面に複数の電極及び誘電体層、並びに保護層を順次形成することで、前記フロントパネルを構成するパネル形成工程を有し、
    当該パネル形成工程を、室温以上300℃以下の低温プロセスにて行う
    ことを特徴とする請求項10に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  21. フロントパネルとバックパネルが放電空間をおいて対向配置され、当該両パネルの周囲が封着層により囲繞されてなるプラズマディスプレイパネルであって、
    前記封着層の少なくとも一部には、前記両パネルの厚み方向に沿って、接着層の間にシール層が介層されてなる積層領域が形成されている
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  22. 前記封着層は、放電ガス雰囲気中における減圧雰囲気下で形成されたものである
    ことを特徴とする請求項21に記載のプラズマディスプレイパネル。
  23. 前記接着層は前記シール層よりも高接着強度を有し、
    前記シール層は前記接着層よりも高気密性を有する
    ことを特徴とする請求項21に記載のプラズマディスプレイパネル。
  24. 前記シール層は、少なくとも前記放電空間に臨む領域に形成されている
    ことを特徴とする請求項21に記載のプラズマディスプレイパネル。
  25. 前記高気密封止層は、少なくとも前記封着層の最外周に形成されている
    ことを特徴とする請求項21に記載のプラズマディスプレイパネル。
  26. 前記積層領域は、前記封着層において、前記パネル主面の平面方向に沿って複数箇所に配設されている
    ことを特徴とする請求項21に記載のプラズマディスプレイパネル。
  27. 前記積層領域は前記封着層において、前記パネル主面に沿った幅方向にわたり複数箇所に設けられている
    ことを特徴とする請求項21に記載のプラズマディスプレイパネル。
  28. 前記封着層の最外周が接着層で構成されており、
    当該接着層が、前記両パネルの周囲を連続的に囲繞するように形成されている
    ことを特徴とする請求項21に記載のプラズマディスプレイパネル。
  29. 前記封着層には、パネル主面の平面に沿った厚み方向中央部において、外部及び前記放電空間のいずれにも接触しない部分に空隙部が設けられている
    ことを特徴とする請求項21に記載のプラズマディスプレイパネル。
  30. 前記シール層は、シリカ材料を主成分とし、これに有機樹脂材料を添加した材料で形成されてなる
    ことを特徴とする請求項21に記載のプラズマディスプレイパネル。
  31. 前記シール層は、真空パッキング材料を含んで形成されてなる
    ことを特徴とする請求項21に記載のプラズマディスプレイパネル。
  32. 前記接着層は、有機系封着層料および複合封着層料の内の少なくとも1種を含む材料により形成されてなる
    ことを特徴とする請求項21に記載のプラズマディスプレイパネル。
  33. フロントパネルとバックパネルの少なくともいずれかに、当該パネルの外周部分を囲繞するように封着層の材料を配設するともに、前記両パネルを対向配置させ、これを封着する封着工程を経るプラズマディスプレイの製造方法であって、
    前記封着工程では、
    前記封着層の一部領域において、接着層の間にシール層が介設された積層構造からなる封着層材料を配設するとともに、前記接着層を接着硬化させる
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  34. 前記封着工程では、所定の放電ガス雰囲気に保ったチャンバ内で行うとともに、当該封着工程において、前記放電ガスをパネル内部に放電ガスとして封入する
    ことを特徴とする請求項33に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  35. 前記封着工程では、加熱接着法、紫外線硬化接着法、レーザ溶接法および超音波溶着法の内の少なくとも一つを含む方法により封着を行う
    ことを特徴とする請求項33に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  36. フロントパネルとバックパネルが一定間隔をおいて対向配置され、当該両パネルの周囲が封着層により囲繞されてなるプラズマディスプレイパネルであって、
    前記両パネルには、前記前記封着層に囲繞された各パネル主面の内側領域において、ガスケット層が配設されている
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  37. 前記ガスケット層は金属材料を含んでなる
    ことを特徴とする請求項36に記載のプラズマディスプレイパネル。
  38. 前記金属材料は、Cu、Al、Zn、Ag、Inの中から選ばれた1以上を含む材料である
    ことを特徴とする請求項37に記載のプラズマディスプレイパネル。
  39. 前記封着層は、熱硬化材料、紫外線硬化材料、ガラス材料の少なくともいずれかを含んでなる
    ことを特徴とする請求項36に記載のプラズマディスプレイパネル。
  40. 前記封着層と前記ガスケット層は、パネル主面の平面に沿った厚みが互いに異なる構成である
    ことを特徴とする請求項36に記載のプラズマディスプレイパネル。
  41. 前記封着層は、前記厚みが前記ガスケット層の前記厚みよりも厚い
    ことを特徴とする請求項40に記載のプラズマディスプレイパネル。
  42. 前記両パネルのうち少なくともいずれかの主面において、前記封着層に対応する位置の一部以上に溝が形成されている
    ことを特徴とする請求項36に記載のプラズマディスプレイパネル。
  43. 前記封着層は、断続的に設けられている
    ことを特徴とする請求項36に記載のプラズマディスプレイパネル。
  44. フロントパネルとバックパネルを一定間隔をおいて対向配置し、当該両パネルの周囲を封着層で囲繞して封止する封着工程を有するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記封着工程では、前記封着層とともに、前記前記封着層に囲繞された各パネル主面の内側領域において、ガスケット層を配設する
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  45. フロントパネルとバックパネルを対向させ、当該両パネルの周囲にガスケット層及び封着層の材料を配設して封着工程を行うプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    当該封着工程では、
    放電ガスを満たした減圧雰囲気下で、前記両パネルの間に放電ガスを封入するとともに、封着層による封着を行う
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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