JP2006278148A - プラズマディスプレイパネルの製造方法とその製造装置 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法とその製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 基板加工工程から組み立て封着封止工程に至るまで、基板面に不純物ガスや水分を吸着させることなく、放電効率、発光効率および信頼性を向上させ製造するプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 基板面上に加工を施す基板加工工程と、基板を運搬する基板運搬工程と、基板加工面を対向させ貼り合わせ封着封止するパネル組み立て工程とを有するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、基板運搬工程は、基板加工工程で加工をした第2の基板11(背面板3)を、不活性雰囲気301中に保持しながら、パネル組み立て工程へ少なくとも運搬するための基板密閉運搬容器30を使用する工程を有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、気体放電からの放射を利用したプラズマディスプレイ(気体放電表示)パネルの製造方法とその製造装置に関し、特にパネルの放電効率や発光効率を向上させ、かつ信頼性を向上させる製造方法に係わるものである。
従来の気体放電からの放射を利用した平面表示装置としてプラズマディスプレイ装置あるいはプラズマディスプレイパネル(以下PDPと記す)の商品化が図られている。PDPには直流型(DC型)と交流型(AC型)があるが、大型表示装置としてAC型の内でも特に寿命特性のすぐれた面放電型PDPが商品として主流になりつつある。
図11は、従来の面放電型AC型PDPの放電単位である放電セル構造を示す断面概念図である。図11(b)は、図11(a)において、x−yで示した面で切断した断面概念図である。以下に、従来のプラズマディスプレイパネルについて、図11の放電セル91を使って説明する。前面板2のガラス基板10の表面に、透明導電性材料からなる表示電極4としての走査(スキャン)電極5と維持(サステイン)電極6が対をなして例えばストライプ状に形成され、これらの電極対を覆うように誘電体層97および保護膜98が積層された構造となるように形成されている。上記対をなす表示電極4は、ITO(インジュウム錫酸化膜)などによる電気抵抗が比較的高い膜厚約100nmの透明電極155、156であり、それらの上に電力を供給するために通常、細い幅で膜厚5〜6μmの金属電極であるバス電極99がAgペーストを印刷塗布し焼成する厚膜プロセスにより形成されている。前面板2において、壁電荷を蓄積するための誘電体層97は、鉛系ガラス材料による誘電率εが約13を有する低融点ガラスペーストが印刷法によって塗布された後焼成され、低融点ガラス層が膜厚約40μmで形成されたものであり、AC型PDP特有の電流制限機能であるメモリ性を有するようにしている。また、誘電体層97、保護膜98は、放電によって発生した高エネルギーのイオンによって上記電極対の表面がスパッタリングされ劣化するのを防止する働きをする。保護膜98は、真空蒸着法などによる真空成膜プロセス法で形成された電気絶縁性が高く透明な膜厚数百nmのMgO膜が通常使用され、上記電極面を保護する働きと共に、放電セル内に2次電子を効率よく放出し、放電開始電圧を低下させる働きをする。
背面板3のガラス基板11上には、画像データを書き込むためのデータ電極92がAg焼成電極などによりストライプ状に形成され、さらにデータ電極92を覆うように背面側の誘電体層93が低融点ガラスの焼成により積層される。隣接する放電セル(図示省略)との間の誘電体層93上には、所定の高さの隔壁14がストライプ状や井桁状(図示省略)などに形成され、さらに誘電体層93の表面と隔壁14の側壁には、蛍光体層15が塗布焼成された構造となっている。
上記のように構成された前面板2と背面板3は、各基板加工工程から大気中を通して組み立て貼り合わせ工程へ運搬され、走査電極5および維持電極6と、データ電極92とが互いに直交するように、組み立て貼り合わせ工程において大気中で加工面を対向させて貼り合わされる。次に、封着工程において、一方の基板周囲に塗布印刷された低融点ガラスペーストによるシール(封着)部材(図示省略)を高温(約450℃)で焼成することにより封着される。そして、基板11に設けられた排気用のチップ管19を通してパネル内の大気や不純物ガス、水分を排気し、また放電ガス封入用のチップ管19を通して、放電用ガスとして希ガスのキセノン・ネオンあるいはキセノン・ヘリウムなどの混合ガスが封入された後、放電ガス封入用のチップ管19が封止される。また、チップ管は排気用と封入用の2本を有する場合もある。
そして、放電単位である放電セル91を複数個マトリックス状に配列してプラズマディスプレイパネルとし、プラズマディスプレイ装置を完成させる。プラズマディスプレイ装置には、図には省略しているが、プラズマディスプレイパネルにおける放電セルをマトリックス状に駆動する駆動回路や、これらを制御する制御回路などが備わっている。
上記AC型PDPは、3つの動作期間(図示省略)、つまり(1)全表示セルを初期化状態にする初期化期間、(2)各放電セルをアドレスし、各セルへ入力データに対応した表示状態を選択・入力していくデータ書き込み期間、(3)表示状態にある放電セルを表示発光させる維持放電期間、とから構成されるアドレス・表示分離駆動方式により、駆動表示されている。
通常、1フィールド期間において少なくとも1回実施される上記(1)の初期化期間において、走査電極5とデータ電極92との間には、400〜600Vの高電圧が印加され、全表示セルの壁電荷の量が初期化状態のレベルになる。そして、各サブフィールド期間における上記(2)のデータ書き込み期間において、背面板3のデータ電極92を使って書き込みデータが入力され、対向する前面板2の誘電体層97、保護膜98の表面に壁電荷が形成される。上記(3)の維持放電期間において、上記壁電荷が存在する放電セルで、対をなす表示電極4の走査電極5および維持電極6のそれぞれに電極電圧パルス約200Vの矩形波電圧が互いに位相が異なるように印加される。すなわち上記電極対間に交流電圧を印加することにより、表示状態が書き込まれた放電セルに、電圧極性が変化するたびにパルス放電を発生せしめる。この維持放電により、表示発光は、放電空間の励起キセノン原子からは147nmの共鳴線が、励起キセノン分子からは173nm主体の分子線が放射され、次いで上記紫外放射を背面板3に設けた蛍光体層15で可視放射に変換することにより得られる。誘電体層97,保護膜98に壁電荷が書き込まれていない放電セルでは、維持放電が発生せず表示状態は黒表示となる。なお、AC型PDPの表示画素単位は、それぞれに赤、緑及び青発光の蛍光体層を設けた3つの表示放電単位である放電セルから構成される。
保護膜98の表面は放電空間に露出していて、誘電体層97を放電時のイオン衝撃から保護するとともに、2次電子を効率よく放出することにより、放電開始電圧を下げる働きをする。中でも、金属酸化物であるMgO(酸化マグネシウム)は2次電子放出係数γが大きな材料であるとともに、耐スパッタ性も高く光学的な透明材料であるので、保護膜98の材料として広く用いられている。
しかし、従来のPDPの製造方法においては、加工された基板の保持、移動運搬、組み立て貼り合わせや封着などの工程において、前面板2と背面板3が大気中に晒されるために大気中の水分子が不純物ガスとなり、またバインダ樹脂を混合したシール材が塗布された後、高温(約450℃)で焼成されるために、バインダ樹脂が焼成時にガス化して不純物ガスとなり、誘電体層や保護膜に吸着し膜材料との反応が進んでパネルの放電効率、発光効率や信頼性が低下する。特に、保護膜98が形成された前面板2は、薄膜プロセスによって成膜された後、PDP製造工程中において大気中に晒される工程を通るために、保護膜98が大気中の不純物ガスや水分を吸着する。金属酸化物は、水(H2O)や二酸化炭素(CO2)などの不純物ガスを吸着し、水酸化化合物や炭酸化合物を容易に形成するという性質がある。吸着形成されたMgOの水酸化化合物や炭酸化合物は、本来のMgOに比べて2次電子放出効率が低くなるために放電開始電圧を上昇させて放電効率や発光効率が低下し、また、耐スパッタ特性を低下させて信頼性が低下するという大きな問題があった。
従来、前面板と背面板を真空チャンバ内に導入して真空に排気し、仮焼成してシール材のバインダを焼成した後、真空チャンバ内にガスを導入してから、シール材で封着しこれを本焼成して封止することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献1には、前面板と背面板の基板のいずれにも排気用、ガス封入用の孔がないことが開示されている。
図12は、従来のPDPの製造方法であるパネル組み立て貼り合わせ工程の一部を示す断面概念図である。図11と同じものは同じ参照番号を付与している。特許文献1によれば、所要の加工を施した背面板と前面板の2枚の基板10,11を貼り合わせ用治具(図示省略)に装着し、その装着状態で、真空チャンバ100内に導入してから、バルブ121,124を開状態にして真空ポンプ122で真空引きを行って真空チャンバ100内を排気して真空状態とする。そして、この真空状態で真空チャンバ100を加熱し、この加熱によりシール材110の仮焼成を行ってバインダを焼失する。次いで、バルブ124を閉じてバルブ125を開状態にしてガスボンベ123から真空チャンバ100内に放電ガスを導入する。放電ガスを導入した後、図12(b)に示すように、2枚の基板10、11の何れかに形成した隔壁を介して且つシール材110で封着するように貼り合わせ、しかる後に本焼成して両基板10、11間にガスを封入している。
特開平10−40818号公報
特許文献1によれば、前面板と背面板を真空チャンバ内に導入して真空に排気し、バインダを含んだシール材を仮焼成した後、チャンバ内にガスを導入してからシール材を封着した、本焼成して封止している。
しかし、特許文献1は加工した基板をどのような方法で真空チャンバ内に導入しているのかを開示しておらず、基板を基板加工工程から大気中を通して真空チャンバへ運搬しているものと推定される。また、シール材の焼成時にバインダがガス化するので、発生した不純物ガスを吸着するためのゲッター材をパネル内部に必要とするとしているが、例えゲッター材を導入しても不純物ガスの吸着は十分でない。従って、基板を大気中で運搬するため、基板加工面に水分が吸着し、また焼成時のバインダによる不純物ガスが吸着して反応し、保護膜の2次電子放出効率が低くなって放電効率が下がり、また蛍光体層の発光効率が下がり、さらに保護膜の耐スパッタ特性が低下して信頼性が低くなるという大きな問題がある。さらに、シール材焼成などに際し450℃以上の高温プロセスを必要とし、基板の割れや歪みが発生して品質不良が発生しやすいという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みなされたもので、基板加工工程から組み立て封着封止工程に至るまで、基板加工面およびパネル内において不純物ガスの発生や吸着あるいは水分を混入吸着させることなく、誘電体層や保護膜の性能を向上させ放電効率、発光効率、信頼性や品質を向上させて製造することができるプラズマディスプレイパネルの製造方法とその製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
すなわち、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法は、第1の基板および第2の基板面上に加工を施す基板加工工程と、両基板を運搬する基板運搬工程と、両基板の加工面同士を対向させて貼り合わせ、放電ガスを封入し封着封止するパネル組み立て工程とを少なくとも有するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記基板運搬工程では、前記両基板のうち基板加工工程で加工を施した少なくとも一方の基板を、内部を減圧雰囲気および不活性ガス雰囲気の内の少なくとも1種を含む不活性雰囲気中に保持しながら、パネル組み立て工程へ、少なくとも運搬するための基板密閉運搬容器を使用する工程を有することを特徴とすることを要旨とするものである。
上記により、加工した基板を、真空を含む減圧や不活性ガス雰囲気である不活性雰囲気中に積載し保持し運搬するための基板密閉運搬容器を使用して、大気に曝すことなく、パネル組み立て工程へ運搬することにより、基板加工面に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることがないので、パネルの放電効率、発光効率および信頼性を向上させて組み立て製造することができる。
また、具体的には、基板密閉運搬容器を使用する工程は、基板密閉運搬容器を準備する工程と、基板加工工程で加工した第2の基板を基板密閉運搬容器の基板トレーに装填し、これを密閉する工程と、基板密閉運搬容器内を少なくとも不活性雰囲気にする工程と、不活性雰囲気を破ることなく基板密閉運搬容器を運搬する工程と、を少なくとも有することを特徴とするものである。また、さらに具体的には、基板密閉運搬容器を密閉する工程は、密閉する蓋を兼ねる着脱可能な基板トレーによって蓋をして、基板密閉運搬容器を密閉する工程を有することを特徴とするものである。
上記により、基板密閉運搬容器内に基板を装填し、あるいは基板密閉運搬容器の蓋を兼ねる着脱可能な基板トレー上に基板を積載して密閉し、減圧あるいは不活性ガスの不活性雰囲気を破ることなく、基板加工工程から基板を運搬するという簡略な方法により、基板加工面に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることなく、基板をパネル組み立て工程へ信頼性よく安価に運搬することができる。
また、望ましくは、製造方法は、少なくとも基板密閉運搬容器内を不活性雰囲気にする工程の前に、不活性ガス雰囲気中で、加工した第2の基板面上の一部に、封着封止用のシール部材を、塗布、転写、貼り付けおよび配置の内の少なくとも一つを含む方法により形成して設ける工程を有することを特徴とするものである。これにより、基板密閉運搬容器内を不活性雰囲気にする前に、基板面上の一部にシール部材を塗布などの方法によって、不活性ガス雰囲気中で形成して設けることにより、シール部材形成の工程において基板面に不純物ガスや水分を吸着させることがないので、基板加工面の性質を低下させることがない。
また、詳細には、パネル組み立て工程は、パネル組み立て工程に利用する真空封着排気部の一部に、基板密閉運搬容器を装着して密閉する工程と、真空封着排気部内を減圧雰囲気および不活性ガス雰囲気の内の少なくとも1種を含む不活性雰囲気にする工程と、不活性雰囲気を破ることなく、基板密閉運搬容器の基板トレーを取り外して第2の基板を取り出す工程と、真空封着排気部内で加工済みの第1の基板を移動させる工程と、両基板を対向させ組み立て貼り合わせる工程と、少なくとも所定の放電ガス圧力中で両基板を封着封止する工程と、を有することを特徴とするものである。また、さらに詳細には、真空封着排気部を密閉する工程は、密閉する蓋を兼ねる着脱可能な基板密閉運搬容器によって、真空封着排気部に蓋をして密閉する工程を有することを特徴とするものである。また、さらに詳細には、第2の基板を取り出す工程は、不活性雰囲気を破ることなく、真空封着排気部の一部に可動するように設けた基板トレー昇降部の少なくとも一部に、基板密閉運搬容器の基板トレーを把持させ、基板密閉運搬容器から第2の基板および基板トレーを取り外し、真空封着排気部の内部に取り出す工程を有することを特徴とするものである。
上記により、パネル組み立て工程は、内部を不活性雰囲気とした着脱可能な蓋を兼ねる基板密閉運搬容器によって、真空封着排気部内に基板を移動させ、基板密閉運搬容器、真空封着排気部を使用することによって、加工した基板の取り出し、組み立て貼り合わせ、封着封止工程まで、一貫して真空を含む減圧、不活性ガスあるいは放電ガスの中で行うことになり、パネル組み立て工程中において、基板加工面やパネル内に不純物ガスや水分を吸着あるいは混入させることがないので、放電効率、発光効率や信頼性をさらに向上させたパネルを安定して組み立て製造することができる。また、不活性雰囲気を破ることなく、真空封着排気部の基板トレー昇降部により、基板密閉運搬容器の基板トレーを取り外し開放するという簡略な方法により、不活性雰囲気中に第2の基板を容易に取り出すことができ、かつ基板加工面に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることがない。
また、さらに詳細には、第1の基板面上を加工する基板加工工程は、前面板形成工程として、第1の基板面上に少なくとも誘電体層までを積層する工程を有していて、第2の基板面上を加工する基板加工工程は、背面板形成工程として、第2の基板面上に少なくとも蛍光体層までを形成する工程を有していることを特徴とするものである。また、さらに詳細には、前面板形成工程は、真空封着排気部に隣接する成膜室において、真空成膜プロセス法により、第1の基板上の誘電体層上に保護膜を成膜する工程と、保護膜を成膜した後、不活性雰囲気を破ることなく、真空封着排気部内に第1の基板を戻す工程と、を有していることを特徴とするものである。
上記により、前面板形成工程として、不活性雰囲気を破ることなく、真空封着排気部に隣接する成膜室で、第1の基板上の誘電体層上に保護膜を成膜した後、真空封着排気部内に戻すことにより、前面板として、誘電体層や保護膜に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることがなく、保護膜の2次電子放出効率を高めて、放電効率をさらに向上させ、また蛍光体層の発光効率を上げ、さらに保護膜の耐スパッタ特性を向上させて、信頼性をさらに向上させることができる。
また、背面板として隔壁、蛍光体層およびシール部材を形成配置した第2の基板は、不活性雰囲気を破ることなく、真空封着排気部内に取り出すことにより、誘電体層や蛍光体層に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることがなく、発光効率をさらに向上させることができる。
また、さらに別に詳細には、加工した第1の基板は、少なくとも隔壁や蛍光体層を形成した背面板であり、加工した第2の基板は、少なくとも誘電体層や保護層を積層した前面板であることを特徴とするものである。これにより、不活性雰囲気を破ることなく、背面板および前面板を真空封着排気部内で扱うことにより、前面板および背面板に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることがなく、パネルの放電効率、発光効率や耐スパッタ性を向上させることができる。
また、具体的には、真空封着排気部内で第1の基板を移動させる工程は、基板密閉運搬容器の一部に可動するように設けた基板昇降部およびそれに設置した複数個の爪部により、移動させた加工済みの第1の基板を掴んで取り外し、基板密閉運搬容器内の所定の位置に収納する工程を有することを特徴とするものである。これにより、基板密閉運搬容器に設けた基板昇降部およびそれに設置した複数個の爪部によって、基板を掴んで取り外し収納するという簡便な方法により、不活性雰囲気中で第1の基板を所定の位置に簡略に設置することができ、かつ基板加工面の性質を低下させることがない。
また、さらに具体的には、両基板を対向させ組み立て貼り合わせる工程は、基板トレー昇降部によって第2の基板および基板トレーを戻し、基板密閉運搬容器を密閉する工程と、基板密閉運搬容器内を少なくとも所定の放電ガス圧力に置換した状態にし、第1の基板と第2の基板とを対向させて位置決めする工程と、基板昇降部に設けた加圧部により、所定の圧力で加圧しながら貼り合わせる工程と、を有することを特徴とするものである。これにより、両基板を対向させ組み立て貼り合わせる工程として、基板トレー昇降部によって第2の基板を戻し、基板トレーで基板密閉運搬容器密閉した後、基板密閉運搬容器内で所定の放電ガス圧力にした状態で両基板を対向させ位置決めした後、基板昇降部の加圧部により、加圧しながら貼り合わせるという簡単な方法により、かつ組み立て工程における放電ガスの充填量を少なくでき、また両基板加工面やその間隙内に不純物ガスや水分を吸着あるいは混入させることなく、パネルの放電効率、発光効率および信頼性をさらに向上させ、かつ安価に組み立て貼り合わせることができる。
また、さらに具体的には、封着封止工程は、基板密閉運搬容器内において、少なくとも所定の放電ガス圧力中で、両基板を加圧部により加圧しながら、加熱接着法、紫外線硬化接着法、レーザ溶接法および超音波溶着法の内の少なくとも1種を含む方法を使用して、シール部材により封着と同時に封止する工程を有することを特徴とするものである。またさらに具体的には、本発明の製造方法は、パネルの表面周囲のいずれにも排気および放電ガス封入用のチップ管を有さず、少なくとも所定の放電ガス圧力中で、封着と同時に封止してパネルを製造する工程であることを特徴とするものである。これにより、基板密閉運搬容器の所定の放電ガス圧力中で、両基板を加圧しながら加熱や紫外線硬化などの方法により、封着と同時に封入封止することにより、パネル内に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることがないので、パネルの放電効率や発光効率をさらに向上させ、かつ信頼性のさらに高いパネルを製造することができる。また、封着と同時に封入封止することにより、パネルは排気および放電ガス封入用のチップ管を有さないので、信頼性が高いフラットなプラズマディスプレイを製造することができる。
また、別に具体的には、基板加工工程は、CVD法により、少なくともSiO2を含んで誘電体層を形成する工程を有することを特徴とするものである。また、さらに具体的には、CVD法は、ICP−CVD法であることを特徴とするものである。これにより、誘電体層をCVD法やICP−CVD法によって形成し、かつ不活性雰囲気中に保持し運搬することにより、誘電体層は、緻密で絶縁耐圧が高い薄膜の誘電体層となり、かつ形成時における不純物ガスの発生や大気中の水分の吸着もないので、耐電圧が高くなって維持放電電圧を低くでき、放電効率、発光効率および信頼性をさらに向上させることができる。
また、さらに別に具体的には、基板加工工程は、前面板の保護膜として、少なくともMgOを含む膜を成膜する工程を有することを特徴とするものである。これにより、前面板の保護膜として、少なくとも放電開始電圧を低下させ、耐スパッタ特性が良好なMgOを含む膜を成膜し、かつ不活性雰囲気中で組み立て工程まで移動させることにより、MgO保護膜に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着反応させることがないので、MgO保護膜の2次電子放出効率がさらに高くなって、放電開始電圧を低下させ、かつ耐スパッタ特性や品質をさらに向上させ、パネルの放電効率、発光効率および信頼性をさらに向上させることができる。
また、さらに別に具体的には、基板加工工程は、バス電極およびデータ電極の内の少なくとも一方の電極を形成する工程が、少なくともAl系電極材料により成膜しパターニングする工程を有することを特徴とするものである。これにより、バス電極などをAl系電極材料によって形成することにより、緻密で低抵抗の薄い膜厚の電極となるので、積層される誘電体層が平坦となって絶縁破壊を防ぎ、かつ駆動中にマイグレーションを発生させることがない。
また、さらに別に具体的には、基板加工工程、基板運搬工程およびパネル組み立て工程は、室温以上300℃以下の低温プロセスであることを特徴とするものである。これにより、従来のようなパネルの反りや割れの発生がなくなり、かつ殆どの工程を真空あるいは減圧ガス中で実施することができるようになって品質を向上させて製造することができる。
本発明のプラズマディスプレイパネルの製造装置は、第1の基板および第2の基板面上に加工を施す基板加工工程を経た後、内部を不活性雰囲気に保持しながら、少なくとも第2の基板を、パネル組み立て工程へ少なくとも運搬するための基板密閉運搬容器を少なくとも有し、基板密閉運搬容器は、第2の基板を積載するためと基板密閉運搬容器を密閉するための蓋を兼ねる着脱可能な基板トレーと、不活性雰囲気にするための開閉バルブを有する真空排気・置換ガス導入部と、を少なくとも具備するように構成するものである。
上記により、基板密閉運搬容器は、その着脱可能な蓋も兼ねる基板トレー上に加工した基板を積載し密閉し、真空排気・置換ガス導入部により、内部を不活性雰囲気にして保持しながらパネル組み立て工程へ基板を移動運搬することにより、基板加工面に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることがないので、放電効率、発光効率および信頼性を向上させたパネルを組み立て製造することができる。
また、具体的には、製造装置は、基板密閉運搬容器を着脱可能な蓋として使用し、密閉し内部を不活性雰囲気にし、両基板を対向させて組み立てに利用する真空封着排気部を有することを特徴とするものである。また、さらに具体的には、真空封着排気部は、基板密閉運搬容器により蓋をして密閉する部分である容器装着部と、装着された基板密閉運搬容器の蓋でもある基板トレーを取り外した後、基板トレーおよび第2の基板を真空封着排気部内に少なくとも取り出すための上昇降下する基板トレー昇降部と、開閉バルブを有する真空排気・置換ガス導入部と、を少なくとも具備することを特徴とするものである。
上記により、製造装置は、組み立て工程に利用する真空封着排気部と、着脱可能な蓋として真空封着排気部を密閉する基板密閉運搬容器とを有することになるので、基板密閉運搬容器から真空封着排気部内に、不純物ガスや水分に触れることなく、基板を移動させることができる。また、真空封着排気部の基板トレー昇降部によって、基板トレーと基板とを、真空排気・置換ガス導入部によって不活性雰囲気とした真空封着排気部内に、不純物ガスや水分に触れることなく簡略に取り出すことができる。また、基板密閉運搬容器の内容積は小さいので、組み立ての際に充填する放電ガス量を少なくすることができ安価に製造することができる。
また、具体的には、真空封着排気部は、基板を少なくとも真空封着排気部内で移動させるための、可動する基板搬送部を具備することを特徴とするものである。また、具体的には、真空封着排気部は隣接して成膜室を有し、成膜室において基板搬送部によって挿入された第1の基板上の誘電体層上に、保護膜を成膜形成することを特徴とするものである。また、さらに具体的には、真空封着排気部は、少なくとも成膜室との間に密閉開放するゲート(門)を具備することを特徴とするものである。これにより、真空封着排気部は、可動する基板搬送部によって、基板を隣接する成膜室内や対向させる基板の位置へ容易に移動させることができる。また、真空封着排気部と成膜室との間に設けたゲートを閉め、成膜室内を減圧状態にして、基板搬送部によって挿入された第1の基板上の誘電体層上に保護膜を成膜した後、ゲートを開け真空封着排気部内へ第1の基板を戻すことにより、不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることがなく、放電効率、耐スパッタ性および信頼性を向上させた前面板を形成することができる。
また、具体的には、基板密閉運搬容器は、挿入された基板を掴んで取り外し収納するために、複数個の爪部を先端側に有し上昇下降する基板昇降部を具備することを特徴とするものである。これにより、基板密閉運搬容器は、上昇下降する基板昇降部の先端側に設けた複数個の爪部により基板を掴んで取り外し、基板密閉運搬容器内へ簡略な方法で安定して収納させることができる。
また、具体的には、基板密閉運搬容器は、基板トレーの一部に両基板を間隔を挟んで対向させ位置決めする位置決めピンを具備し、基板昇降部の一部に、所定の圧力で加圧しながら貼り合わせるための加圧部を具備することを特徴とするものである。これにより、基板密閉運搬容器は、基板トレーの一部に位置決めピンを具備し、また基板昇降部の一部に加圧部を具備することにより、対の基板を対向させながら位置決めし、かつ所定の圧力で加圧することができるので、所定の位置と間隙を有した基板からなる品質の良いパネルを歩留まりよく製造することができる。
また、具体的には、基板密閉運搬容器はその一部に、少なくとも所定の放電ガス中で、両基板を加圧部により加圧しながら、第2の基板面上の一部に設けたシール部材により封着封止するための、加熱接着法および超音波溶着法の内の少なくとも1種を含む方法による封着封止手段付与部を具備することを特徴とするものである。これにより、基板密閉運搬容器は、その一部に設けた加熱接着法または超音波溶着法による封着封止手段付与部によって、所定の放電ガス中で、加圧部により基板同士を加圧しながら、シール部材を加熱接着硬化または超音波溶着し封着と同時に封止することにより、パネル内で不純物ガスを発生させることなく、また、基板加工面に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることがないので、放電効率、耐スパッタ性および信頼性をさらに向上させたパネルを製造することができる。
また、別に具体的には、基板密閉運搬容器は、少なくとも所定の放電ガス中で、両基板を加圧部により加圧しながら、第2の基板面上の一部に設けたシール部材により封着封止するための、紫外線硬化接着法およびレーザ溶接法の内の少なくとも1種を含む方法に使用する光照射窓部を具備することを特徴とするものである。これにより、基板密閉運搬容器は、所定の放電ガス中で、加圧部により基板同士を加圧しながら、基板密閉運搬容器の一部に設けた光照射窓部を通して、シール部材に紫外線あるいはレーザ光を照射して、シール材部を接着硬化あるいは溶接して両基板間を封着と同時に封止することにより、パネル内で不純物ガスを発生させることなく、また、基板加工面に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることがないので、放電効率、耐スパッタ性および信頼性をさらに向上させたパネルを製造することができる。
なお、以上に述べた各構成は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
以上のように、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法によれば、加工した基板を不活性雰囲気中に保持しながら、少なくとも運搬するための基板密閉運搬容器を使用して、基板をパネル組み立て工程へ運搬することにより、基板面の誘電体層や保護膜などに不純物ガスや水分を吸着させることがないので、パネルの放電効率、発光効率および信頼性を向上させ安定して組み立て製造することができる。
また、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造装置によれば、加工した基板を載せた基板トレーで蓋をし、不活性雰囲気中に密閉保持し運搬するための基板密閉運搬容器と、不活性雰囲気中で両基板を取り出し移動させ対向させる真空封着排気部とを有する構成とすることにより、不活性雰囲気を破ることなく、基板面の誘電体層や保護膜などに不純物ガスや水分を吸着させることなく、パネル組み立てをすることができるので、パネルの放電効率、発光効率や信頼性を向上させて製造することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1のPDPの製造方法に係わる基板加工工程の一例を説明する放電セル単位の前面板および背面板の構成を示す断面概念図である。図1(a)における前面板2の一部を示す断面概念図は、図11(b)の前面板2と上下を逆にして示している。図11〜12と同じ構成のものは同じ参照番号を付与していて、簡略のために一部省略している。
図1(a)において、前面板2の少なくとも一部を作製する基板加工工程として、ガラス板からなる第1の基板10表面上の少なくとも一部にITO、SnO2、ZnOなどからなる透明電極を薄膜で成膜し、放電ギャップを挟んで平行に幅広にパターンニングし、対の透明電極155、156を形成する。次に、透明電極155、156上に、Al−Nd(Nd含有重量比2〜6%)材料のように希土類金属を少なくとも含むAl系電極材料を使用して、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法やスパッタリング法などの真空成膜プロセス法により、基板温度が室温〜300℃の低温プロセスでAl系合金薄膜を膜厚0.3〜4μmで、望ましくは膜厚0.3〜1μmで成膜する。次に、フォトエッチング法やドライエッチング法による室温〜300℃の低温プロセスによって、透明電極155、156よりも幅狭にパターニングし、Al系電極材料からなるバス電極9をそれぞれほぼ平行に配列し形成する。このようにして、走査電極5および維持電極6からなる表示電極4の対をそれぞれ形成する。これにより、バス電極を電気特性の優れたAl系電極材料によって形成することにより、低抵抗で緻密、かつ平坦な薄膜電極からなるバス電極となるので、その上に積層される誘電体層が平坦となって絶縁破壊を防ぎ、かつAl系電極材料からなるバス電極はPDPの駆動中にマイグレーションを発生させることがない。
そして、図1(a)において、第1の基板10の表面上に形成加工した透明電極155、156、各バス電極9を覆って誘電体層7を膜厚約1〜10μm積層する。誘電体層7は、TEOS(テトラエトキシシラン)を含む誘電体原料などを使用して、CVD法(化学気相成長法)により少なくともSiO2を含んで形成する。さらに望ましくは、ICP−CVD法(誘導結合プラズマCVD法)により緻密な誘電体層として高速で成膜形成する。上記方法で形成する誘電体層は、1.0×106V/cm以上の絶縁耐圧を有し、緻密で誘電率εが2〜5と低く優れた薄膜誘電体層となる。
図示はしないが、上記ICP−CVD法による製法は以下の如くである。ICP−CVD装置内に電波が導入されて誘導電界が形成され、誘導電界により加熱された電子は、ガス分子と衝突しイオンおよび別の電子を生成する。その結果、イオンと電子を多量に含む比較的均一なプラズマが形成され、プラズマ中で高温に加熱され活性化された酸素ガスは、拡散により基板近傍まで到達する。ここで活性化された酸素ガスとTEOS気化ガスとが反応することにより、基板の加工面上にSiO2膜が生成される。チャンバ圧力および酸素ガス流量、TEOS気化ガス供給量の条件を適切に選ぶことにより、速い成膜速度で、緻密な薄い所定の膜厚のSiO2膜からなる誘電体層を形成することができる。誘電体層形成の際の基板温度として、室温〜300℃の低温プロセスにより形成することができる。
上記により、誘電体層を絶縁耐圧が高く誘電率が低い緻密な薄膜誘電体層とすることにより、放電開始電圧が低下し維持放電電圧が低くなるので、パネルの放電効率、発光効率を向上させることができる。また、低温プロセスにより誘電体層を作成することができるので、従来のようなペースト焼成などによる高温プロセスに基づく誘電体層形成工程において発生する基板の反りや割れがなくなって、品質を安定させて製造することができる。
このようにして、低温プロセスの真空成膜プロセス法やパターン加工プロセスなどを使用した第1の基板面上を加工する前面板基板加工工程により、第1の基板10表面上に対の表示電極4から少なくとも誘電体層7までを加工形成した前面板2を準備する。
次に、図1(b)において、背面板3を作製する基板加工工程として、ガラス板からなる第2の基板11の表面上の少なくとも一部に、少なくともAl系電極材料から上記と同様に真空成膜プロセス法、ドライエッチング法によってAl系金属薄膜を低温プロセスで成膜し、これを低温プロセスでパターン化してデータ電極12を形成する。
そして、図1(b)において、データ電極12を形成した第2の基板11の表面上に、データ電極12を覆って、上述した前面板2の誘電体層7の作成工程と同様に、CVD法やICP−CVD法あるいはプラズマCVD法などによる各種CVD方法によって低温プロセスでSiO2を少なくとも含む誘電体層13を所定の膜厚で形成する。
そして、図1(b)に示すように、データ電極12、誘電体層13を少なくとも形成した第2の基板11の上に、ほぼ一定の高さを有する隔壁14を形成配置する。隔壁14は、材料として鉛系ガラス材料、望ましくは非鉛系ガラス材料を使用して塗布焼成し、放電セルの複数個の配列を列方向にストライプ状あるいは井桁状(図示省略)などに仕切る所定のパターンでリブ形状に形成する。
次に、隔壁14をパターン状に形成した背面板3に対して、赤、緑、青発光の各蛍光体層15として、(Y、Gd)BO3:Eu、Zn2SiO4:MnおよびBaMg2Al1424:Euなどの蛍光体を、蛍光体色毎に印刷塗布、焼成工程を通し、蛍光体層15を隔壁14の側面および誘電体層13の表面を覆って形成する。
このようにして、第2の基板11表面上に少なくともデータ電極12、誘電体層13、隔壁14および蛍光体層15を加工形成した背面板3を準備する。
図2は、本発明の実施の形態1のPDPの製造方法に係わるシール部材形成工程を説明する断面概念図である。図1と同じ構成のものは同じ参照番号を付与していて、簡略のために一部省略している。
図2において、後述する基板密閉運搬容器の少なくとも基板トレーを準備して、窒素ガスや乾燥空気などを内部に流す例えばグローブボックス20などの不活性ガス雰囲気21の中で、図1(b)に示す背面板3の基板加工工程で、図示は省略するが、少なくともデータ電極、誘電体層、隔壁および蛍光体層を形成加工した第2の基板11を、後述する基板密閉運搬容器の一部である基板トレー内側に形成した堀溝内に納める。そして、背面板3である加工した第2の基板11面上の一部周辺に、封着封止用のシール材として、例えば有機系材料と無機系材料の混合からなる複合材料系のシール部材22をディスペンサー23などの方法により塗布印刷する。シール部材を設ける方法は、塗布、転写、貼り付けおよび配置の内の少なくとも一つを含む方法により形成して設けてもよい。また、使用するシール部材は有機材料系、無機材料系、金属材料系あるいはこれらを複合化した複合材料系の封着封止材料でもよく、後述する封着封止法によりそれぞれ異なった適切なシール部材を選択する。本実施の形態におけるシール部材は、望ましくは従来のような焼結用のバインダ材料を含まないものが好ましい。また、シール部材は基板周辺に貼り付けあるいは配置する方法などで使用する成形された形状のシール部材でもよい。
上記により、少なくとも基板密閉運搬容器内を不活性雰囲気にする後述する工程の前に、不活性ガス雰囲気中で、シール部材を基板面上の一部に形成して設けることにより、シール部材形成工程において、基板加工面の蛍光体層や隔壁に不純物ガスや水分を吸着させることがないので、背面板である第2の基板加工面の性質を低下させることがない。
さらに、本発明は、上記基板加工工程で加工を施した基板を運搬する基板運搬工程として、その内部を減圧雰囲気および不活性ガス雰囲気の内の少なくとも1種を含む不活性雰囲気中に保持しながら、基板をパネル組み立て工程へ少なくとも運搬するための基板密閉運搬容器を使用する工程を有するものである。
図3は、本発明の実施の形態1のPDPの製造方法に係わる基板運搬工程の一部を説明する基板密閉運搬容器の構成を示す断面概念図である。図1〜2と同じ構成のものは同じ参照番号を付与していて、簡略のために図示を一部省略している。
図3(a)に示すように、基板密閉運搬容器の準備工程として、上記基板加工工程で加工を施した第1の基板や第2の基板を、その内部を減圧雰囲気および不活性ガス雰囲気の内の少なくとも1種を含む不活性雰囲気中に保持しながら、少なくとも運搬するための基板密閉運搬容器30を準備する。
図3(a)を参照しながら、背面板3である加工した第2の基板11を積載運搬し組み立て貼り合わせ封着封止に利用するための基板密閉運搬容器30の構成を説明する。
本発明のプラズマディスプレイパネルの製造装置の一部である基板密閉運搬容器30は、背面板3である加工した第2の基板11を積載するためと基板密閉運搬容器30を密閉するための蓋を兼ねる着脱可能な基板トレー31と、容器内部を減圧、不活性ガスあるいは減圧不活性ガスなどの不活性雰囲気にするための開閉バルブ32を有する真空排気・置換ガス導入部33と、を少なくとも具備する筐体形状で形成される。基板トレー31は、組み立てに利用するように、第2の基板11を正確な位置に配置するための堀溝34を設ける。また、基板密閉運搬容器30は、後述する組み立て工程で挿入する他方の第1の基板(図示省略)を掴んで取り外し、容器内部に収納するための複数個の爪部35を先端側に有し上昇下降する可動する基板昇降部36を具備する。また、基板密閉運搬容器30は、基板昇降部36の容器内側の一部に、両基板を加圧するための加圧部37と、第2の基板11面上の一部に設けたシール部材22によって封着封止するための封着封止手段付与部として、例えば加熱部38を例えば加圧部37の内部に具備する。さらに、少なくとも内部を点検するための透明なガラス板の窓部39を具備していてもよい。
図3(a)において、基板トレーへの背面板装填工程として、基板密閉運搬容器30を準備した後、図1(b)の基板加工工程で加工した第2の基板11である背面板3を、基板トレー31に形成した堀溝34内に配置し装填する。
次に、図3(b)において、基板密閉運搬容器の密閉工程として、基板密閉運搬容器30自体を密閉する蓋を兼ねる着脱可能な基板トレー31によって蓋をして、基板密閉運搬容器30を密閉する。そして、不活性雰囲気化工程として、開閉バルブ32を開け、真空排気・置換ガス導入部33を通して容器内部を排気し、真空を含む減圧状態、あるいはN2(窒素)ガス、Ar(アルゴン)ガス、乾燥空気などの不活性ガス雰囲気または減圧不活性ガス雰囲気に置換して、容器内部を不活性雰囲気301にした後、開閉バルブ32を閉める。

図4は、本発明の実施の形態1のPDPの製造方法に係わる基板運搬工程の一部を説明する断面概念図である。図1〜3と同じ構成のものは同じ参照番号を付与していて、簡略のために図示を一部省略している。
図4(a)において、前面板の真空封着排気部内への設置工程として、図1(a)で説明した基板加工工程において、誘電体層7までを形成加工した第1の基板10である前面板2を、パネル組み立て工程に利用する真空封着排気部41内で可動させる基板搬送部43の一部に設けた保護膜形成用の開口部44の位置に設置する。そして、前面板2を、基板密閉運搬容器30を装着する位置から邪魔にならないように基板搬送部43を可動させ、図4(a)においては左側へ移動させる。上記において、加工した第2の基板11である背面板の上記運搬と同様に、加工した第1の基板10である前面板2を、別に準備した基板密閉運搬容器(図示省略)を使用して、不活性雰囲気を破ることなくパネル組み立て工程へ運搬してもよい。
図4(b)において、基板密閉運搬容器による基板運搬工程として、基板加工工程から、図3(b)において第2の基板11である背面板3を基板トレー31に載せ、内部を不活性雰囲気301とし密閉した基板密閉運搬容器30を使用して、不活性雰囲気を破ることなく、図4(b)における下記に説明する真空封着排気部41を利用するパネル組み立て工程へ運搬する。
上記により、加工した基板を、内部を真空を含む減圧や不活性ガス雰囲気である不活性雰囲気中に積載し保持しながら運搬するための基板密閉運搬容器を使用して、基板をパネル組み立て工程へ運搬することにより、大気に晒されることがないので、基板加工面に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることがなくなり、パネルの放電効率、発光効率および信頼性を向上させて組み立て製造することができる。
また、上記により、基板密閉運搬容器内に基板を装填し、あるいは基板密閉運搬容器の蓋を兼ねる着脱可能な基板トレー上に基板を積載して密閉して、減圧あるいは不活性ガスの不活性雰囲気を破ることなく、基板加工工程から基板を運搬するという簡略な方法により、基板加工面面に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることなく、パネル組み立て工程へ基板を信頼性よく、かつ安価に運搬することができる。

図5は、本発明の実施の形態1のPDPの製造方法に係わるパネル組み立て工程の一部を説明する真空封着排気部の構成を示す断面概念図および保護膜成膜工程を説明する断面概念図である。図1〜4と同じ構成のものは同じ参照番号を付与していて、簡略のために図示を一部省略している。
図5(a)を参照しながら、不活性雰囲気中で上記両基板を取り出し移動させ加工面同士を対向させ、パネル組み立て工程に利用する真空封着排気部41の構成を説明する。
本発明のプラズマディスプレイパネルの製造装置の一部である真空封着排気部41は、図3に示す基板密閉運搬容器30自体を着脱可能な蓋として装着し密閉する場所である容器装着部42と、少なくとも真空封着排気部41内部で第1の基板10を移動させ、かつ第1の基板10の加工面に後述する保護膜を形成する際の開口部44を有する可動する基板搬送部43と、基板密閉運搬容器30の基板トレー31および第2の基板11を真空封着排気部41内に取り出すための上昇降下し可動する基板トレー昇降部45と、真空封着排気部41内を少なくとも排気し不活性雰囲気にするための開閉バルブ46を有する真空排気・置換ガス導入部47と、を少なくとも具備する。また、真空封着排気部41は、密閉開放するゲート48を介して隣接し、後述する保護膜を成膜するための成膜室49を具備する。
図5(a)において、基板密閉運搬容器による真空封着排気部への装着、密閉工程として、加工した第2の基板11である背面板3を基板トレー31に載せ、内部を不活性雰囲気301として密閉し運搬してきた基板密閉運搬容器30を、真空封着排気部41を密閉する着脱可能な蓋として兼用し、基板トレー昇降部45を下げた状態で、真空封着排気部41の一部に設けた容器装着部42に装着して蓋をして真空封着排気部41を密閉する。
そして、図5(a)において、真空封着排気部内の不活性雰囲気化工程として、ゲート48を閉めた状態で開閉バルブ46を開け、真空排気・置換ガス導入部47を通して容器内部を排気し、真空を含む減圧雰囲気状態、あるいはNガス、Arガス、乾燥空気などの不活性ガス雰囲気または減圧不活性ガス雰囲気に置換して、真空封着排気部41内部を不活性雰囲気401にした後、開閉バルブ46により圧力調整しあるいは閉める。
次に、図5(b)において、前面板の保護膜成膜工程として、真空封着排気部41に隣接する成膜室49内を真空を含む減圧雰囲気50の状態した後、ゲート48を開けて基板搬送部43を可動させて、前面板2の形成工程として誘電体層7までを積層した第1の基板10を成膜室49に挿入する。前面板の保護膜成膜工程として、MgO材料を含む保護膜材料ターゲット51などを使用し、スパッタリング法や真空蒸着法などの真空成膜プロセス法により、開口部44を通して、図示はしないが、第1の基板10上の誘電体層7の上に保護膜8を膜厚数百nmで成膜する。そして、基板搬送部43に載せた保護膜8を成膜した第1の基板10である前面板2を、不活性雰囲気を破ることなく真空封着排気部41内へ移動させて戻し、ゲート48を閉める。
上記により、前面板形成工程の保護膜成膜工程として、不活性雰囲気を破ることなく、真空封着排気部に隣接する成膜室で、第1の基板上の誘電体層の上に保護膜を成膜した後、真空封着排気部内に移動させ戻すことにより、前面板として、大気に晒すことなく、誘電体層や保護膜に不純物ガスや水分を吸着させることがなく、放電効率、耐スパッタ性および信頼性を向上させることができる。また、前面板の保護膜として、少なくとも放電開始電圧を低下させ耐スパッタ特性が良好なMgOを含む膜を成膜し、かつ不活性雰囲気中で組み立て工程まで移動させることにより、不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることがないので、保護膜として放電開始電圧をさらに低下させ、耐スパッタ特性や品質をさらに向上させ、パネルの放電効率、発光効率および信頼性をさらに向上させることができる。
図6は、本発明の実施の形態1のPDPの製造方法に係わるパネル組み立て工程の一部である基板密閉運搬容器から第2の基板を取り出す工程を説明する断面概念図である。図1〜5と同じ構成のものは同じ参照番号を付与していて、簡略のために図示を一部省略している。

図6(a)において、基板昇降部の上昇により基板トレーを把持する工程として、ゲート48を閉めた状態で不活性雰囲気401を破ることなく、真空封着排気部41の一部に可動するように設けた基板トレー昇降部45を上昇させ、基板密閉運搬容器30の基板トレー31の下側あるいはその一部を、基板トレー昇降部45の少なくとも一部例えばその先端に把持させ、あるいは基板トレー31の下側に基板トレー昇降部45の先端を当接させ、基板トレーを支持、担持あるいは受ける。基板トレー昇降部45により把持する方法として、基板トレーを真空吸着、磁気吸着するなどの方法を使用してもよい。
次に、図6(b)において、基板昇降部の下降による背面板および基板トレーの取り出し工程として、基板密閉運搬容器30の不活性雰囲気301と真空封着排気部41内の不活性雰囲気401とを少なくともほぼ同圧力とした状態において、基板トレー31を把持した基板トレー昇降部45を下降させて、基板密閉運搬容器30から加工した第2の基板10である背面板3および基板トレー31を取り外し開放して、基板搬送部43の水平位置(一点鎖線)よりもさらに下側に取り出す。そして、基板搬送部43に載せた保護膜を成膜加工した第1の基板10の前面板2を、背面板3および基板トレー31の上方の位置まで移動させる。これにより、基板密閉運搬容器から第2の基板を取り出す工程として、不活性雰囲気を破ることなく、真空封着排気部の基板トレー昇降部により、基板密閉運搬容器の基板トレーを取り外し開放するという方法により、背面板として隔壁、蛍光体層およびシール部材を形成配置した第2の基板の加工面を大気に晒すことがないので、不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることなく、第2の基板を真空封着排気部内に簡略に取り出すことができる。
図7は、本発明の実施の形態1のPDPの製造方法に係わるパネル組み立て工程の一部である第1の基板を移動させる工程の一部を説明する断面概念図である。図1〜6と同じ構成のものは同じ参照番号を付与していて、簡略のために図示を一部省略している。
図7(a)において、基板搬送部から第1の基板を取り外す工程として、不活性雰囲気401の中で、基板密閉運搬容器30の一部に可動するように設けた基板昇降部36の先端側に設置した複数個の爪部35により、基板搬送部43に載せて移動させた加工済みの第1の基板10である前面板2を掴んで取り外す。
そして、図7(b)において、第1の基板を基板密閉運搬容器へ収納する工程として、不活性雰囲気401の中で、基板昇降部36の爪部35に加工済みの第1の基板10である前面板2を掴ませた状態で、基板昇降部36を上昇させて基板密閉運搬容器30内に第1の基板10を所定の位置に収納し移動させる。基板搬送部43は基板密閉運搬容器30の下側位置から左方へ移動させておく。これにより、第1の基板を移動させる工程として、基板密閉運搬容器に設けた基板昇降部およびそれに設置した複数個の爪部によって、第1の基板を掴んで取り外し収納するという簡略な方法により、不活性雰囲気中で第1の基板を所定の位置に設置することができ、かつ基板加工面の性質を低下させることがない。
図8は、本発明の実施の形態1のPDPの製造方法に係わるパネル組み立て工程の一部である組み立て工程を説明する断面概念図である。図1〜7と同じ構成のものは同じ参照番号を付与していて、簡略のために図示を一部省略している。
図8(a)において、基板昇降部による前面板、背面板の対向および基板密閉運搬容器の密閉
工程として、不活性雰囲気401の中で、基板トレー昇降部45を上昇させて、シール部材22を設けている第2の基板11および複数個の位置決めピン81を有する基板トレー31を戻し、第1の基板と第2の基板とを対向させる。そして、開閉バルブ32を開けつつ、真空排気・置換ガス導入部33から真空排気しながら、基板トレー31により基板密閉運搬容器30を密閉する。
そして、図8(b)において、放電ガス置換および前面板の位置決め工程として、基板密閉運搬容器30において、開閉バルブ32を調整しながら、真空排気・置換ガス導入部33から所定の放電ガスを導入し、
基板密閉運搬容器30内を少なくとも放電ガス雰囲気801の所定の圧力に置換した状態にする。そして、放電ガス雰囲気801の中で、第2の基板11である背面板3に対して、隔壁(図示省略)などによる所定の間隔で対向させた状態で、第1の基板10である前面板2を位置決めピン81により位置決めする。
図9は、本発明の実施の形態1のPDPの製造方法に係わるパネル組み立て工程の一部である貼り合わせ、封着封止工程を説明する断面概念図である。図1〜8と同じ構成のものは同じ参照番号を付与していて、簡略のために図示を一部省略している。
図9(a)において、基板加圧、貼り合わせ工程として、放電ガス雰囲気801の中で、基板密閉運搬容器30の内側の基板昇降部36の一部に設けた加圧部37によって所定の圧力で、前面板2と基板トレー31に載せた背面板3とを均一に加圧し、位置決めピン81を立てた状態で、シール部材(図示省略)を周囲に挟んで貼り合わせる。これにより、両基板を対向させ組み立て貼り合わせる工程として、基板トレー昇降部によって第2の基板を積載した基板トレーで基板密閉運搬容器を密閉した後、基板密閉運搬容器内において、所定の放電ガス圧力にした状態で両基板を対向させ位置決めした後、基板昇降部の加圧部により加圧しながら貼り合わせるという簡単な方法により、組み立て工程における放電ガスの充填量を少なくでき、また両基板加工面やその間隙内に不純物ガスや水分を吸着あるいは混入させることなく、信頼性よく安価に組み立て貼り合わせることができる。
そして、図9(b)において、封着封止工程として、基板密閉運搬容器30の中において、少なくとも所定の放電ガス雰囲気801の圧力中で、前面板2と背面板3とを加圧部37により加圧しながら、図9(b)に示すような加圧部37の内部に設けた、例えばヒーターなどによる加熱部38である封着封止手段付与部91を使用して、加熱接着法によりシール部材22(図示省略)を加熱硬化させ、放電ガス雰囲気801の中で両基板同士を封着すると同時に封止する。
また、シール部材によって封着と同時に封止するその他の方法として、加熱接着法、紫外線硬化接着法、レーザ溶接法および超音波溶着法の内の少なくとも1種を含む方法を使用することができる。図示は省略するが、例えば紫外線硬化接着法を使用して、基板密閉運搬容器30に設けた窓部39である光照射窓部93を通して、少なくとも基板周辺に紫外線を照射し、シール部材である紫外線硬化型接着材を硬化させることができる。また、レーザ溶接法により、基板密閉運搬容器30の窓部39の光照射窓部93を通して、少なくとも基板周辺にレーザを照射し、ガラス基板周辺に当初よりガラスフリットにより結合させた金属製のシール部材同士をレーザ熱で溶接し封着封止することができる。また、超音波溶着法により、基板密閉運搬容器30の内部に設けた超音波溶着部からの超音波発振により、シール部材である超音波溶着用のシール部材を両基板面に超音波溶着させ封着封止することができる。さらに、上記各種の方法を組み合わせて用いることもできる。
また、シール部材22の材料として、使用する方法に適した有機材料系、無機材料系、あるいはこれらを複合させた複合材料系のシール部材を選ぶことができ、有機樹脂材料、無機材料および金属材料の内の少なくとも2種を混合して含む複合材料などを使用することができる。例えば、高気密な複合材料としてSiO2、ガラスなど金属酸化物、金属窒化物および金属炭化物などの無機材料からなる粉体、ウイスカや粒子をより多く含んだアクリレート系紫外線硬化型接着剤やカチオン硬化タイプ紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤およびこれらを含む紫外線硬化型有機接着材料を使用できる。また、無機材料をより少なく含んだ複合材料からなる紫外線硬化型有機接着材料、あるいは無機材料を全く含まないアクリレート系紫外線硬化型接着剤やカチオン硬化タイプ紫外線硬化型エポキシ系樹脂接着剤などやこれらを含む紫外線硬化型有機接着材料なども使用できる。
上記により、封着封止工程として、基板密閉運搬容器の所定の放電ガス圧力中で、両基板を加圧しながら、加熱や紫外線硬化などの方法により封着と同時に封入封止することにより、組み立て時におけるシールバインダ材料の焼結による不純物ガスの発生や大気中の水分を吸着させることがないので、パネルの放電効率や発光効率を向上させ、かつ信頼性の高いパネルを製造することができる。
また、図9における製造工程は、パネルの表面周囲のいずれにも排気および放電ガス封入用のチップ管を有さず、少なくとも所定の放電ガス圧力中で封着と同時に封止してパネルを製造する工程となり、信頼性が高いフラットなプラズマディスプレイを製造することができる。
本実施の形態における一実施例として、Al−Nd電極材料によるバス電極、CVD法による緻密なSiO2薄膜誘電体層などを形成する前面板基板加工工程と、隔壁、蛍光体層などを形成する背面板基板加工工程と、N2ガス不活性雰囲気中に基板を保持しながら、パネル組み立て工程へ運搬する基板密閉運搬容器を使用する工程と、真空封着排気部と基板密閉運搬容器を使用して、不活性雰囲気を破ることなく前面板にMgO保護膜を形成し、不活性雰囲気中を運搬した両基板の加工面同士を対向させて貼り合わせ、キセノン分圧を上げた放電ガス中で封着と同時に封止するパネル組み立て工程と、を少なくとも経て作製したプラズマディスプレイパネルは、基板加工面やパネル内に不純物ガスや水分を吸着あるいは発生混入させることがなく、保護膜の2次電子放出効率を高めて放電効率をさらに向上させ、また蛍光体層の発光効率を上げ、さらに保護膜の耐スパッタ特性を向上させて信頼性をさらに向上させ、パネルの放電効率、発光効率が向上し、またその信頼性が従来よりも向上した。
本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法により、加工した基板を不活性雰囲気中に保持しながら少なくとも運搬するための基板密閉運搬容器を使用して、基板をパネル組み立て工程へ運搬することにより、基板面の誘電体層や保護膜などに不純物ガスや水分を吸着させることがないので、パネルの放電効率、発光効率および信頼性を向上させ安定して組み立て製造することができる。
また、上記により、内部を不活性雰囲気とした着脱可能な蓋を兼ねる基板密閉運搬容器によって、真空封着排気部内に基板を運搬して移動させ、さらに基板密閉運搬容器、真空封着排気部を使用し、加工した基板の取り出し、組み立て貼り合わせ、封着封止する工程に至るまで、一貫して真空を含む減圧、不活性ガスあるいは放電ガスの中で行う、かつ簡略なパネル組み立て方法により、従来のパネル組み立て方法のように、基板加工面やパネル内でバインダ樹脂の焼成による不純物ガスを発生させることや、基板を大気中に晒すことによって水分を吸着あるいはパネルへ混入させることがなく、誘電体層や保護膜の性能を向上させた状態で組み立てることになるので、パネルの放電効率、発光効率および信頼性をさらに向上させ、かつ安価に組み立て製造することができる。
また、上記により、基板加工工程、基板運搬工程およびパネル組み立て工程は、室温以上300℃以下の低温プロセスによる工程であるので、従来のような誘電体層の焼成に基づくパネルの反りや割れの発生がなくなり、かつ殆どの工程を真空あるいは減圧ガス中で実施することができるようになって、パネルの品質を安定させ歩留まりよく製造することができる。
なお、上記において、加工した第1の基板は少なくとも誘電体層を積層した前面板であり、加工した第2の基板は少なくとも隔壁や蛍光体層を形成した背面板として説明したが、加工した第1の基板は少なくとも隔壁や蛍光体層を形成した背面板とし、加工した第2の基板は少なくとも誘電体層や保護層を積層した前面板としても同様に実施可能である。これにより、不活性雰囲気を破ることなく、背面板および前面板を真空封着排気部内で扱うことにより、前面板および背面板に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることがなく、パネルの放電効率、発光効率や耐スパッタ性を向上させることができる。
また、上記において、加工した第2の基板である背面板を基板密閉運搬容器により運搬すると同様に、加工した第1の基板である前面板を、別に準備した基板密閉運搬容器を使用して、不活性雰囲気を破ることなくパネル組み立て工程へ運搬してもよい。前面板を大気中に晒すことなく、誘電体層や保護膜の性能を向上させた状態で組み立てることになるので、パネルの放電効率、発光効率および信頼性をさらに向上させることができる。
また、上記において、両基板を対向させ組み立て貼り合わせる工程において、図8(a)において、基板密閉運搬容器を密閉した後、図8(b)においてその内部を所定の放電ガス圧力に置換した状態にし、基板を対向させて位置決めするとして説明したが、図8(a)において、基板昇降部によって前面板、背面板を対向させ、容器を密閉する前後の段階で、基板密閉運搬容器および真空封着排気部内に所定の放電ガスを導入し置換してもよい。この場合には、容器体積が増加するので使用する放電ガスの導入量が大きくなる。
また、上記において、シール部材として、従来のようなバインダ樹脂材料を含まないシール材を使用するとして説明したが、本発明の製造方法は、バインダ樹脂材料を含むシール部材を塗布してこれを少なくとも仮焼成した後、大気に曝すことなく基板密閉運搬容器で運搬し、基板密閉運搬容器および真空封着排気部を使用して、不活性雰囲気中で基板同士を組み立て貼り合わせて封着封止する工程であっても構わない。これにより、組み立て時における不純物ガス発生を低減することができ、さらに大気中の水分の吸着を防止することができるので、パネルの放電効率、発光効率および信頼性を向上させることができる。
また、上記において、保護膜としてMgOからなる保護膜として説明したが、他の金属酸化物、例えば、CaO、BaO、SrO、MgNO、ZnOなどからなる保護膜を形成しても同様に実施可能である。
また、上記において、前面板、背面板の誘電体層をCVD法で形成するとして説明したが、従来の前面板、背面板と同じように、低融点ガラスである誘電体層を印刷焼成し形成しても構わない。これらの前面板、背面板を、大気に曝すことなく、少なくとも基板密閉運搬容器および真空封着排気部の不活性雰囲気中で扱うので、放電効率、発光効率および信頼性を向上させることができる。
また、上記において、データ電極はAl系電極材料から真空中で形成するとして説明したが、従来の背面板と同じように、印刷焼成するAg電極や真空中で形成するCr−Cu−Crなどからなる積層電極であっても構わない。
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2のプラズマディスプレイパネルの製造装置の構成を示す断面概念図である。本実施の形態における製造装置は、上記実施の形態1の製造方法において使用する製造装置を含むものであり、図10は図4(b)と同じ図面であり、実施の形態1の図3〜9を参照しながら説明する。同じ構成のものは同じ参照番号を付与し、簡略のために図示を一部省略している。
図10において、本実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルの製造装置は、第1の基板10および第2の基板11面上に加工を施す基板加工工程を経た後、少なくとも第2の基板11を、内部を不活性雰囲気301に保持しながら、パネル組み立て工程へ少なくとも運搬するための基板密閉運搬容器30を設ける。基板密閉運搬容器30は、可搬型の筐体箱であり、基板11および基板トレー31を少なくとも出し入れできる構成とする。そして、本実施例におけるパネル組み立て工程側には、不活性雰囲気401中で少なくとも前面板2および背面板3の両基板を取り出し移動させ、加工面同士を対向させパネル組み立て工程に利用する真空封着排気部41を少なくとも設ける。
そして、図3(a)、10に示すように、基板密閉運搬容器30は、第2の基板11を積載するためと、基板密閉運搬容器30を密閉するための蓋を兼ねる、着脱可能な基板トレー31を設けている。また、内部を不活性雰囲気にするために、開閉バルブ32を有する真空排気・置換ガス導入部33を少なくとも具備する。これにより、本発明の製造装置の一部である基板密閉運搬容器を使用することにより、その蓋も兼ねる基板トレー上に加工した基板を積載し密閉し、真空排気・置換ガス導入部により内部を不活性雰囲気にして保持しながら、パネル組み立て工程に利用する真空封着排気部へ基板を移動運搬することにより、基板加工面に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることがないので、放電効率、発光効率および信頼性を向上させたパネルを組み立て製造することができる。
そして、図5(a)に示すように、基板密閉運搬容器30は、加工した基板を不活性雰囲気にしたままで運搬するとともに、真空封着排気部41を密閉するために、着脱可能な蓋をも兼ねるように構成する。これにより、基板密閉運搬容器は真空封着排気部を密閉する蓋を兼ねるので、不純物ガスや水分に触れることなく基板を真空封着排気部内に移動させることができる。
図5〜6、10に示すように、真空封着排気部41は、基板密閉運搬容器30により蓋をして密閉する部分である容器装着部42を設ける。装着した基板密閉運搬容器30の蓋でもある基板トレー31を取り外し開放した後、基板トレー31および第2の基板11を真空封着排気部41内に少なくとも取り出すために、基板トレー昇降部45を上昇降下して可動するように設けている。また、真空排気、ガス置換するために、開閉バルブ46を有する真空排気・置換ガス導入部47を少なくとも設けている。これにより、真空封着排気部の基板トレー昇降部によって、基板トレーと基板とを、真空排気・置換ガス導入部によって不活性雰囲気とした真空封着排気部内に、不純物ガスや水分に触れることなく簡略に取り出すことができる。
また、図5〜6に示すように、真空封着排気部41は、基板を少なくとも真空封着排気部41内で移動させるために、その内部に可動する基板搬送部43を設ける。また、真空封着排気部41には隣接して、密閉開放するゲート48を挟んで、基板搬送部43によって挿入した第1の基板10である前面板2の誘電体層7上に保護膜8を成膜形成する成膜室49を設ける。これにより、真空封着排気部は、可動する基板搬送部によって、基板を隣接する成膜室内や対向させる基板の位置へ容易に移動させることができる。また、真空封着排気部と成膜室との間に設けたゲートを閉め、成膜室内を減圧状態にして、基板搬送部によって挿入した前面板の誘電体層上に保護膜を成膜することにより、誘電体層や保護膜に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることがなく、放電効率、耐スパッタ性および信頼性を向上させた前面板を形成することができる。
また、図7〜8に示すように、基板密閉運搬容器30は、上昇下降する基板昇降部36を設けていて、容器内側の先端側には、挿入した第1の基板10を掴んで取り外し収納するための複数個の爪部35を配置している。また、基板密閉運搬容器30は、基板トレー31の一部に基板を間隔を挟んで対向させ位置決めするための位置決めピン81を立脚するように設けている。そして、基板昇降部36の一部には、所定の圧力で加圧しながら貼り合わせるための加圧部37を設ける。これにより、基板密閉運搬容器により、上昇下降する基板昇降部の先端側に設けた複数個の爪部により基板を掴んで取り外し、基板密閉運搬容器内へ簡便に安定して収納させることができる。また、基板密閉運搬容器により、基板トレーの一部に位置決めピンを具備し、また基板昇降部の一部に加圧部を具備することにより、対の基板を対向させながら位置決めし、かつ所定の圧力で加圧することができるので、所定の位置と間隙を有する対向基板からなる品質の良いパネルを歩留まりよく製造することができる。
図9に示すように、基板密閉運搬容器30はその内部一部に、少なくとも所定の放電ガス中で、第2の基板11面上の一部に設けたシール部材22を挟んで、基板を加圧部37により加圧しながら、加熱接着法および超音波溶着法の内の少なくとも1種を含む方法によって、シール部材を加熱接着硬化または超音波溶着し、両基板間を封着と同時に封止するための封着封止手段付与部91を設ける。封着封止手段付与部91としては、加圧部37の内部に設けたヒーター状の加熱部38や、図示しないが超音波を発生させて溶着する超音波溶着部でもよい。これにより、基板密閉運搬容器は、その一部に設けた加熱接着法または超音波溶着法による封着封止手段付与部によって、所定の放電ガス中で、加圧部により基板同士を加圧しながら、シール部材を加熱接着硬化または超音波溶着し封着と同時に封止することにより、パネル内で不純物ガスを発生させることなく、また、基板加工面に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることがないので、放電効率、耐スパッタ性および信頼性を向上させたパネルを製造することができる。
また、上記とは別に、基板密閉運搬容器30は、少なくとも所定の放電ガス中で、第2の基板11面上の一部に設けたシール部材22を挟んで、両基板を加圧部により加圧しながら、紫外線硬化接着法およびレーザ溶接法の内の少なくとも1種を含む方法で封着封止するために使用する透明なガラス板などからなる光照射窓部93を設ける。図示しないが、容器外部から光照射窓部93を通して、シール材部22に紫外線やレーザを照射することにより、両基板間を封着と同時に封止してもよい。これにより、基板密閉運搬容器は、所定の放電ガス中で加圧部により基板同士を加圧しながら、基板密閉運搬容器の一部に設けた光照射窓部を通して、シール部材に紫外線あるいはレーザ光を照射して、シール材部を接着硬化あるいは溶接して両基板間を封着と同時に封止することにより、パネル内で不純物ガスを発生させることなく、また、基板加工面に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることがないので、放電効率、耐スパッタ性および信頼性を向上させたパネルを製造することができる。
本発明のプラズマディスプレイパネルの製造装置によれば、加工した基板を載せた基板トレーで蓋をし、不活性雰囲気中に密閉保持し運搬するための基板密閉運搬容器と、不活性雰囲気中で両基板を取り出し移動させ対向させる真空封着排気部と、を有する構成とすることにより、不活性雰囲気を破ることなく、基板面の基板面の誘電体層や保護膜などに不純物ガスや水分を吸着させることなくパネル組み立てをすることができるので、パネルの放電効率、発光効率や信頼性をさらに向上させて製造することができる。
また、上記により、基板密閉運搬容器の内容積が小さい容器の中で基板同士を貼り合わせ封着封止するので、充填する放電ガス量を少なくすることができ安価に製造することができる。
なお、実施の形態1および2において、図2〜10に示すように、プラズマディスプレイパネルの製造方法とその製造装置として、基板密閉運搬容器、真空封着排気部の内部で基板を水平横方向に設置し組み立てる製造装置あるいは製造方法として説明したが、基板を縦方向あるいは横方向、その他の方向に設置し組み立てる製造方法あるいは製造装置としても同様に実施可能である。
また、実施の形態1および2において、図7に示すように、プラズマディスプレイパネルの製造方法とその製造装置として、真空封着排気部内で第1の基板を移動させる工程は、基板昇降部の爪部により加工済みの第1の基板を掴んで取り外すとして説明したが、基板昇降部に設けた真空吸着部により加工済みの第1の基板の裏面を吸着し取り外してもよい。
また、実施の形態1および2において、図8〜10に示すように、プラズマディスプレイパネルの製造方法とその製造装置として、基板の位置決め貼り合わせ工程、パネルの封着封止工程を、基板密閉運搬容器および真空封着排気部を少なくとも使用する製造方法あるいは製造装置として説明したが、基板加工工程から少なくとも不活性雰囲気とした基板密閉運搬容器で基板を運搬した後、真空封着排気部とは別な場所における不活性雰囲気中において、保護膜を形成し、大気に晒すことなく基板を対向させ位置決め貼り合わせ、さらに放電ガス中でパネルを封着封止する工程を有する、すなわち真空封着排気部を使用せずに組み立てる工程を有する製造方法あるいは製造装置であっても構わない。これにより、前面板および背面板に不純物ガスや水分を付着あるいは吸着させることがなく、パネルの放電効率、発光効率や耐スパッタ性を向上させることができる。
本発明によるプラズマディスプレイパネルの製造方法により、基板を不活性雰囲気中に保持運搬する基板密閉運搬容器を使用することにより、基板面に不純物ガスや水分を吸着させることがないので、放電効率、発光効率および信頼性を向上させたフラットなプラズマディスプレイパネルを小型から大型の薄型テレビジョン、高精細テレビジョンあるいは薄型情報機器端末など、映像機器産業、情報機器産業、宣伝機器産業、産業機器やその他の産業分野に利用することができ、その産業上の利用可能性は非常に広く且つ大きい。
本発明の実施の形態1のPDPの製造方法に係わる基板加工工程の一例を説明する放電セル単位の前面板および背面板の構成を示す断面概念図である。 本発明の実施の形態1のPDPの製造方法に係わるシール部材形成工程の一例を説明する断面概念図である。 本発明の実施の形態1のPDPの製造方法に係わる基板運搬工程の一部を説明する基板密閉運搬容器の構成を示す断面概念図である。 本発明の実施の形態1のPDPの製造方法に係わる基板運搬工程の一部を説明する断面概念図である。 本発明の実施の形態1のPDPの製造方法に係わるパネル組み立て工程の一部を説明する真空封着排気部の構成を示す断面概念図および保護膜成膜工程を説明する断面概念図である。 本発明の実施の形態1のPDPの製造方法に係わるパネル組み立て工程の一部である基板密閉運搬容器から第2の基板を取り出す工程を説明する断面概念図である。 本発明の実施の形態1のPDPの製造方法に係わるパネル組み立て工程の一部である第1の基板を移動させる工程の一部を説明する断面概念図である。 本発明の実施の形態1のPDPの製造方法に係わるパネル組み立て工程の一部である組み立て工程を説明する断面概念図である。 本発明の実施の形態1のPDPの製造方法に係わるパネル組み立て工程の一部である貼り合わせ、封着封止工程を説明する断面概念図である。 本発明の実施の形態2のプラズマディスプレイパネルの製造装置の構成を示す断面概念図である。 従来の面放電型AC型PDPの放電単位である放電セル構造を示す断面概念図である。 従来のPDPの製造方法であるパネル組み立て貼り合わせ工程の一部を示す断面概念図である。
符号の説明
2 前面板
3 背面板
4 表示電極
5 走査電極
6 維持電極
7、13 誘電体層
8 保護膜
9 バス電極
10 第1の基板
11 第2の基板
12 データ電極
20 グローブボックス
21 不活性ガス雰囲気
22 シール部材
23 ディスペンサー
30 基板密閉運搬容器
31 基板トレー
32、46 開閉バルブ
33、47 真空排気・置換ガス導入部
34 堀溝
35 爪部
36 基板昇降部
37 加圧部
38 加熱部
39 窓部
41 真空封着排気部
42 容器装着部
43 基板搬送部
44 開口部
45 基板トレー昇降部
48 ゲート
49 成膜室
50 真空を含む減圧雰囲気
51 保護膜材料ターゲット
81 位置決めピン
91 封着封止手段付与部
93 光照射窓部
155、156 透明電極
301、401 不活性雰囲気
801 放電ガス雰囲気

Claims (29)

  1. 第1の基板および第2の基板面上に加工を施す基板加工工程と、前記両基板を運搬する基板運搬工程と、前記両基板の加工面同士を対向させて貼り合わせ、放電ガスを封入し封着封止するパネル組み立て工程とを有するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記基板運搬工程では、前記基板加工工程で加工を施した少なくとも一方の基板を、内部を減圧雰囲気および不活性ガス雰囲気の内の少なくとも1種を含む不活性雰囲気中に保持しながら、前記パネル組み立て工程に至るまで、少なくとも運搬するための基板密閉運搬容器を使用する工程を有する
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 前記基板密閉運搬容器を使用する前記工程は、
    前記基板密閉運搬容器を準備する工程と、
    前記基板加工工程で加工した前記第2の基板を前記基板密閉運搬容器の基板トレーに装填して密閉する工程と、
    前記基板密閉運搬容器内を少なくとも前記不活性雰囲気にする工程と、
    前記不活性雰囲気を破ることなく前記基板密閉運搬容器を運搬する工程と、
    を少なくとも有することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  3. 前記基板密閉運搬容器を密閉する前記工程は、
    密閉する蓋を兼ねる着脱可能な前記基板トレーによって蓋をして前記基板密閉運搬容器を密閉する工程
    を有することを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 前記製造方法は、
    少なくとも前記基板密閉運搬容器内を前記不活性雰囲気にする工程の前に、不活性ガス雰囲気中で、加工した前記第2の基板面上の一部に、封着封止用のシール部材を、塗布、転写、貼り付けおよび配置の内の少なくとも一つを含む方法により形成して設ける工程
    を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  5. 前記パネル組み立て工程は、
    前記パネル組み立て工程に利用する真空封着排気部の一部に、前記基板密閉運搬容器を装着して密閉する工程と、
    前記真空封着排気部内を減圧雰囲気および不活性ガス雰囲気の内の少なくとも1種を含む不活性雰囲気にする工程と、
    前記不活性雰囲気を破ることなく、前記基板密閉運搬容器の前記基板トレーを開放して前記基板を取り出す工程と、
    前記真空封着排気部内で加工済みの前記第1の基板を移動させる工程と、
    前記両基板を対向させ組み立て貼り合わせる工程と、
    少なくとも所定の放電ガス圧力中で前記両基板間を封着封止する工程と、
    を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  6. 前記真空封着排気部を密閉する前記工程は、
    密閉する蓋を兼ねる着脱可能な前記基板密閉運搬容器によって、前記真空封着排気部に蓋をして密閉する工程を有する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  7. 前記基板を取り出す前記工程は、
    前記不活性雰囲気を破ることなく、前記真空封着排気部の一部に可動するように設けた基板トレー昇降部の少なくとも一部に、前記基板密閉運搬容器の前記基板トレーを把持させ、前記基板密閉運搬容器から前記第2の基板および前記基板トレーを取り外し、前記真空封着排気部の内部に取り出す工程
    を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  8. 前記第1の基板面上を加工する前記基板加工工程は、前面板形成工程として、前記第1の基板面上に少なくとも誘電体層までを積層する工程を有していて、
    前記第2の基板面上を加工する前記基板加工工程は、背面板形成工程として、前記第2の基板面上に少なくとも蛍光体層までを形成する工程を有している
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  9. 前記前面板形成工程は、
    前記真空封着排気部に隣接する成膜室において、真空成膜プロセス法により、前記第1の基板上の前記誘電体層上に保護膜を成膜する工程と、
    前記保護膜を成膜した後、前記不活性雰囲気を破ることなく、前記真空封着排気部内に前記第1の基板を戻す工程と、
    を有していることを特徴とする請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  10. 加工した前記第1の基板は、少なくとも隔壁や蛍光体層を形成した背面板であり、加工した前記第2の基板は、少なくとも誘電体層や保護層を積層した前面板であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  11. 前記真空封着排気部内で前記第1の基板を移動させる前記工程は、前記基板密閉運搬容器の一部に可動するように設けた基板昇降部およびそれに設置した複数個の爪部により、移動させた加工済みの前記第1の基板を掴んで取り外し、前記基板密閉運搬容器内の所定の位置に収納する工程を有する
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  12. 前記両基板を対向させ組み立て貼り合わせる前記工程は、
    前記基板トレー昇降部によって前記第2の基板および前記基板トレーを戻して前記基板密閉運搬容器を密閉する工程と、
    前記第1の基板と前記第2の基板とを対向させて位置決めする工程と、前記基板昇降部に設けた前記加圧部により所定の圧力で加圧しながら貼り合わせる工程と、
    を有することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  13. 前記封着封止工程は、
    前記基板密閉運搬容器内において、少なくとも所定の放電ガス圧力中で、前記両基板間を前記加圧部により加圧しながら、加熱接着法、紫外線硬化接着法、レーザ溶接法および超音波溶着法の内の少なくとも1種を含む方法を使用して、前記シール部材により封着と同時に封止する工程を有する
    ことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  14. 前記製造方法は、前記パネルの表面周囲のいずれにも排気および放電ガス封入用のチップ管を有さず、少なくとも所定の放電ガス圧力中で、封着と同時に封止してパネルを製造する工程である
    ことを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  15. 前記基板加工工程は、CVD法により、少なくともSiO2を含んで前記誘電体層を形成する工程を有する
    ことを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  16. 前記CVD法は、ICP−CVD法である
    ことを特徴とする請求項15に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  17. 前記基板加工工程は、前記前面板の前記保護膜として、少なくともMgOを含む膜を成膜する工程を有する
    ことを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  18. 前記基板加工工程は、バス電極およびデータ電極の内の少なくとも一方の電極を形成する工程が、少なくともAl系電極材料により成膜しパターニングする工程を有する
    ことを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  19. 前記基板加工工程、前記基板運搬工程および前記パネル組み立て工程は、室温以上300℃以下の低温プロセスである
    ことを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  20. 第1の基板および第2の基板面上に加工を施す基板加工工程を経た後、内部を不活性雰囲気に保持しながら、少なくとも前記第2の基板を、パネル組み立て工程へ少なくとも運搬するための基板密閉運搬容器を少なくとも有し、
    前記基板密閉運搬容器は、前記第2の基板を積載するためと前記基板密閉運搬容器を密閉するための蓋を兼ねる着脱可能な基板トレーと、不活性雰囲気にするための開閉バルブを有する真空排気・置換ガス導入部と、を少なくとも具備するように構成されている
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造装置。
  21. 前記製造装置は、前記基板密閉運搬容器を着脱可能な蓋として使用し、密閉し内部を不活性雰囲気にして、前記両基板を対向させて組み立てに利用する真空封着排気部を有する
    ことを特徴とする請求項20に記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置。
  22. 前記真空封着排気部は、前記基板密閉運搬容器により蓋をする部分である容器装着部と、装着された前記基板密閉運搬容器の蓋でもある前記基板トレーを取り外した後、前記基板トレーおよび前記第2の基板を前記真空封着排気部内に少なくとも取り出すための上昇下降する基板トレー昇降部と、開閉バルブを有する真空排気・置換ガス導入部と、を少なくとも具備する
    ことを特徴とする請求項20または21に記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置。
  23. 前記真空封着排気部は、前記基板を少なくとも前記真空封着排気部内で移動させるための、可動する基板搬送部を具備する
    ことを特徴とする請求項20から22のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置。
  24. 前記真空封着排気部は隣接して成膜室を有し、前記成膜室において前記基板搬送部によって挿入された前記第1の基板上の誘電体層上に、保護膜を成膜形成する
    ことを特徴とする請求項20から23のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置。
  25. 前記真空封着排気部は、少なくとも前記成膜室との間に密閉開放するゲートを具備する
    ことを特徴とする請求項20から24のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置。
  26. 前記基板密閉運搬容器は、挿入された前記基板を掴んで取り外し収納するために、先端側に複数個の爪部を有し上昇下降する基板昇降部を具備する
    ことを特徴とする請求項20から25のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置。
  27. 前記基板密閉運搬容器は、前記基板トレーの一部に前記両基板を対向させ位置決めする位置決めピンを具備し、前記基板昇降部の一部に所定の圧力で加圧しながら前記両基板を貼り合わせるための加圧部を具備する
    ことを特徴とする請求項20から26のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置。
  28. 前記基板密閉運搬容器はその一部に、少なくとも所定の放電ガス中で、前記両基板を前記加圧部により加圧しながら、前記第2の基板面上の一部に設けたシール部材により封着封止するための、加熱接着法および超音波溶着法の内の少なくとも1種を含む方法による封着封止手段付与部を具備する
    ことを特徴とする請求項20から27のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置。
  29. 前記基板密閉運搬容器は、少なくとも所定の放電ガス中で、前記両基板を前記加圧部により加圧しながら、前記第2の基板面上の一部に設けたシール部材により封着封止するための、紫外線硬化接着法およびレーザ溶接法の内の少なくとも1種を含む方法に使用する光照射窓部を具備する
    ことを特徴とする請求項20から27のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置。
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