JPWO2005120356A1 - 超音波探触子 - Google Patents

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Abstract

高感度な超音波の送受信を実現し、且つ、超音波送受信部の駆動の円滑化および高速化を実現し得る超音波探触子を提供する。本発明の超音波探触子は、超音波を送受信する超音波送受信部101と、前記超音波送受信部101を格納する外装ケース105と、前記外装ケース105内に充填された音響媒体106とを備え、前記音響媒体106が、1,2−ブチレングリコールを含むことを特徴とする。

Description

本発明は、超音波診断装置などに用いられる超音波探触子に関するものである。
超音波診断装置に用いられる超音波探触子としては、超音波を送受信する超音波送受信部を、音響媒体を封入した外装ケース内で、機械的に揺動または回転させることにより、超音波を走査するものが知られている。このような超音波探触子において、音響媒体としては、生体に近い音響インピーダンスを有する物質が用いられ、具体的には、流動パラフィンなどの液体が用いられている(例えば、特許文献1〜3)。
特開2001−178727号公報 特開平3−32652号公報 特開平4−84946号公報
しかしながら、従来の超音波探触子においては、音響媒体として使用される流動パラフィンなどの物質は、生体に近い音響インピーダンスを有するが、例えば、超音波の減衰が大きいなどというように、音響特性に問題があった。そのため、超音波の送受信感度が低下し、超音波画像の画質を低下させてしまうなどの問題があった。更に、これら音響媒体は粘性が高いために、この媒体中で超音波送受信部をモータなどで機械的に揺動または回転させる際に、モータにかかる負荷トルクが大きく、超音波送受信部の円滑な駆動や高速での駆動が困難であるという問題があった。
そこで、本発明は、高感度な超音波の送受信を実現し、且つ、超音波送受信部の駆動の円滑化および高速化を実現し得る超音波探触子を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の超音波探触子は、超音波を送受信する超音波送受信部と、前記超音波送受信部を格納する外装ケースと、前記外装ケース内に充填された音響媒体とを備え、前記音響媒体が、1,2−ブチレングリコールを含むことを特徴とする。
上記本発明の超音波探触子においては、音響媒体として1,2−ブチレングリコールを使用している。1,2−ブチレングリコールは、生体に近い音響インピーダンスを有しており、且つ、超音波減衰が比較的小さいため、これを音響媒体として使用することにより、高感度な超音波の送受信が可能となる。加えて、1,2−ブチレングリコールは、比較的低い粘度を有しているため、これを音響媒体として使用しても、超音波送受信部の円滑な駆動および高速での駆動が可能となる。
図1は、本発明の超音波探触子の一例を示す断面図である。 図2は、1,2−ブチレングリコールおよび1,3−ブチレングリコールの各周波数における超音波減衰特性を示すグラフである。 図3は、1,2−ブチレングリコールおよび1,3−ブチレングリコールの各温度における粘度を示すグラフである。 図4は、1,2−ブチレングリコールと1,3−ブチレングリコールとの混合物において、その混合比と音速との関係を示すグラフである。 図5は、1,2−ブチレングリコールと1,3−ブチレングリコールとの混合物において、その混合比と超音波減衰との関係を示すグラフである。
本発明の超音波探触子は、前述したように、超音波を送受信する超音波送受信部と、前記超音波送受信部を格納する外装ケースと、前記外装ケース内に充填された音響媒体とを備える。更に、超音波探触子は、前記超音波送受信部を揺動または回転させる機構を備える、機械走査型超音波探触子であってもよい。また、前記超音波送受信部が、複数の振動子が配列されたアレイ素子を含む、電子走査型超音波探触子であってもよい。
音響媒体としては、1,2−ブチレングリコールが使用される。1,2−ブチレングリコールのみで使用してもよいが、他の物質と組み合わせて使用することも可能である。
前記音響媒体において、1,2−ブチレングリコールの含有量は、特に限定するものではなく、組み合わせる物質によっても変化するが、好ましくは25〜100重量%である。
前記超音波探触子においては、前記音響媒体は、次のような特性を有することが好ましい。特に、前記音響媒体として1,2−ブチレングリコールを他の物質と組み合わせて使用する場合、前記音響媒体が次の特性を満足するように、組み合わせる物質の種類および比率を調節することが好ましい。
前記音響媒体の、20℃の温度条件下における音響インピーダンスは、被検体である生体の音響インピーダンスに近い値である、1.4〜1.6MRaylであることが好ましい。更には、1.45〜1.517MRaylであることが好ましい。
前記音響媒体の、周波数3MHzにおける減衰量は小さいほど好ましく、0.07〜0.091dB/mmであることが好ましい。
前記音響媒体において、1,2−ブチレングリコールと組み合わせて使用可能な物質としては、超音波を伝播し得る物質であり、1,2−ブチレングリコールに可溶で(すなわち、1,2−ブチレングリコールとの混合物が相分離しない。)、且つ、10〜40℃の温度条件において液体で存在する物質を使用できる。更には、探触子を構成する部材(金属、プラスチック類など)に及ぼす影響(例えば、腐蝕など)が小さく、生体に対して害がないもの、または害が小さい物質であることが望まれる。
このような物質としては、例えば、各種のグリコール類、水などが挙げられるが、特に、グリコール類が好ましい。このようなグリコール類としては、例えば、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコールなどが挙げられる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を用いて、更に詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る超音波探触子の一例の構造を示す断面図である。この超音波探触子においては、フレーム103とウインドウ104とが接合されることにより外装ケース105が構成されており、この外装ケース105内には、脱気した音響媒体106が充填されている。また、外装ケース105内には、超音波送受信部101が格納されている。なお、ウインドウ104および音響媒体106の構成材料については、後に詳説する。
超音波送受信部101は、超音波を送受信するための超音波振動子を備えている。超音波振動子としては、例えば、PZT系などの圧電セラミック、高分子材料または単結晶などの圧電材料が用いられる。超音波振動子の前面(超音波の送受信面)には、必要に応じて、超音波を効率よく送受信するための音響整合層、更には超音波を収束させるための音響レンズが配置されていてもよい。また、超音波振動子の背面(送受信面とは反対の面)には、超音波を吸収するためのバッキング層が配置されていてもよい。
上記超音波振動子はロータに取り付けられており、これによって、超音波送受信部101が構成されている。ロータには駆動軸102が接続されており、更に、この駆動軸102を介して、回転力を発生させるための駆動装置(例えば、モータなど:図示せず)が接続されている。これにより、駆動装置から出力された回転力を、駆動軸102を介してロータに伝達し、超音波振動子を回転または揺動させることができる。
次に、上記超音波探触子の動作について説明する。上記超音波探触子は、超音波診断装置に接続されて使用される。超音波診断装置は、例えば、探触子を駆動させる制御部と、探触子に対して信号の送受信を行なう送受信部と、受信された信号に基づいて被検物の画像を作成する画像構成部と、作成された断層像を表示する画像表示部とを備えている。
超音波診断時には、まず、被検体である生体表面に超音波探触子を配置する。このとき、ウインドウ104は、生体に直接接触、または、超音波伝搬媒体を介して間接的に接触させて配置される。そして、超音波診断装置の制御部からの駆動信号により、探触子の駆動装置を駆動させ、超音波送受信部101を回転または揺動させる。次に、超音波診断装置の送受信部から、電気信号(送信信号)を超音波探触子に送信する。送信信号は、探触子の超音波送受信部において超音波に変換されて、音響媒体106およびウインドウ104を伝播し、生体に送波される。この超音波は生体内の目標物で反射され、その反射波の一部が探触子の超音波送受信部101で受波され、電気信号(受信信号)に変換されて、超音波診断装置の送受信部に送信される。この送受信動作を、超音波送受信部101を回転または揺動させながら繰り返し行うことにより、超音波の走査が可能となる。受信信号は、増幅、検波などの処理を受けた後、画像構成部に出力される。画像構成部では、受信信号に基づいて目標物の超音波画像(断層像など)が作成されて、これが画像表示部に出力される。
上記のように、この超音波探触子における超音波の伝播経路は、超音波送受信部101に接触している音響媒体106およびこれを内包するウインドウ104である。高分解能の超音波画像を得るためには、この超音波の伝播経路となる音響媒体106およびウインドウ104の音響特性、特に、音響インピーダンスおよび超音波減衰が問題となる。具体的には、音響媒体106およびウインドウ104には、被検体(例えば、生体)との間での音響インピーダンスの差による反射が少ないこと、すなわち被検体の音響インピーダンス(例えば、生体であれば1.5〜1.6MRayl)に近い音響インピーダンスを有することが望まれる。また、減衰による超音波の送受信感度および周波数特性の劣化を抑制するため、超音波減衰量が可能な限り小さいことが望まれる。特に、周波数依存減衰があるため、高分解能の画像を得るために高い周波数を用いた超音波送受波部を使用するときは、この特性が極めて重要となる。
更に、ウインドウ104には、上記音響特性に加えて、超音波送受信部101の揺動または回転運動を円滑にさせるために、被検体表面への押し当てなどの外圧に対して変形が少ないことが望まれる。これらの観点から、ウインドウとしては、例えば、ポリエチレン、ポリメチルペンテンなどの、プラスチック材料を用いることができる。また、ウインドウの厚さは、特に限定するものではないが、例えば1〜3mm程度に設定できる。
音響媒体106には、上記音響特性に加えて、その粘性が小さいことが望まれる。粘性が小さいと、駆動軸102を駆動する駆動装置への負荷(トルク等)を小さくできるために、超音波送受信部101を円滑且つ高速に揺動または回転させることができるからである。また、被検体が生体である場合、診断中に何らかの要因で音響媒体106が外部に流れ出て、生体に接触する可能性がある。従って、音響媒体106は、生体に対して害がないもの、または害が小さいものであることが望まれる。更には、外装ケース105内の超音波送受信部101、駆動軸102などの、音響媒体と接触する部材に対する悪影響(腐食など)がない、または小さいことが望まれる。
本実施形態においては、音響媒体106として、例えば、1,2−ブチレングリコールのみが用いられる。
1,2−ブチレングリコールについては、今まで音響特性(音響インピーダンス、音速、減衰)が明らかにされていなかった。そこで、本発明者らは、1,2−ブチレングリコールの音響特性の評価を行った。その結果、後述するように、1,2−ブチレングリコールは、従来の音響媒体や他のブチレングリコールと比較して、音響媒体として極めて有用な特性を有することが明らかとなった。このような1,2−ブチレングリコールの音響媒体としての有用性は、本発明者らによって初めて見出されたものである。
以下、1,2−ブチレングリコールの特性についての評価結果を記述する。
(1)音響インピーダンス
1,2−ブチレングリコールの音速を測定したところ、温度25℃で1.47km/s、温度20℃で1.45km/sであった。なお、音速の測定方法は、次の通りである。温度コントロールした音響媒体内に、送信用および受信用の超音波トランスデューサを一定の距離をあけて設置した。前記送信用トランスデューサにパルス信号を印加し、前記音響媒体に超音波を伝播させ、前記超音波を受信用トランスデューサで受信して、超音波の伝播時間を測定した。この伝播時間および送信用トランスデューサと受信用トランスデューサとの距離から、音速を算出した。
また、1,2−ブチレングリコールの密度は、1.0kg/mであることが既知である(例えば、CAS No.584−03−2(CHEM EXPER)参照。)。
上記各値から、1,2−ブチレングリコールの音響インピーダンスを算出したところ、温度25℃で1.47MRayl、温度20℃で1.45MRaylであり、生体の音響インピーダンスの値に近いことが確認できた。
なお、従来の超音波探触子において音響媒体として提案されている流動パラフィン、ヒマシ油、1,3−ブチレングリコールの音響インピーダンスは、それぞれ、約1.19MRayl、1.46MRayl、1.54MRaylである(超音波技術便覧(日刊工業新聞社)参照)。
(2)超音波減衰
1,2−ブチレングリコールの各周波数における超音波減衰を測定した。また、比較例として、1,3−ブチレングリコールの超音波減衰を測定した。結果を、図2に示す。なお、超音波減衰の測定方法は、次の通りである。前記音速測定と同様の系を使用し、送信用トランスデューサに任意の周波数の約30波のsin波を印加し、音響媒体内を伝播した超音波を受信用トランスデューサで受信して、受信電圧を測定した。更に、送受信トランスデューサを一定距離(例えば、10mm)変化させて、同様に受信電圧を測定した。前記受信電圧の比と、送受信トランスデューサの距離とから超音波減衰を算出した。
図2に示すように、1,2−ブチレングリコールは、1,3−ブチレングリコールに比較して、超音波の減衰量が小さいことが確認できた。例えば、3MHzの周波数では、1,2−ブチレングリコールの減衰量は0.07dB/mmであるのに対して、1,3−ブチレングリコールは0.14dB/mmであり、減衰量を約2分の1とすることができる。また、この減衰量の差は、周波数が高くなるに従って大きくなることが確認できた。
(3)粘度
図3は、1,2−ブチレングリコールの粘度の温度特性を示すグラフである。また、図3には、比較例として、1,3−ブチレングリコールの粘度の温度特性を併せて示している。
図3から明らかなように、1,2−ブチレングリコールは、1,3−ブチレングリコールに比較して、極めて粘性が低いことが確認できた例えば、10℃〜40℃(探触子の通常使用環境温度の範囲)では、明らかに粘性の差があり、特に温度が低い10℃においては、1,3−ブチレングリコールの約4分の1以下の粘性を実現している。この値は、1,3−ブチレングリコールが、温度約37℃の時とほぼ同じレベルとなっている。また、ヒマシ油の粘度は、20℃において986cpであり、1,2−ブチレングリコールは、このヒマシ油と比較しても極めて低い粘度を有している。
(4)その他の特性
1,2−ブチレングリコールは、生体に対する影響が極めて少ない物質である。また、プラスチックなどで構成されるウインドウ、圧電セラミックなどで構成される超音波送受信部、金属などで構成される駆動軸およびフレームなどの構成部品に対しても、腐食などの悪影響が極めて少ない物質である。
上記のように、1,2−ブチレングリコールは、音響媒体として望まれる音響特性、粘性、生体への影響(安全性)、更には構成部品への影響などにおいて、良好な特性を有することが確認できた。そのため、1,2−ブチレングリコールを音響媒体として用いることにより、高性能、高品質、安全性を有した超音波探触子を得ることができる。
特に、1,2−ブチレングリコールは超音波の減衰量が小さいため、超音波の送受信感度を向上させることができる。しかも、周波数依存減衰の値が小さいため、高周波数での送受信が可能となり、その結果、高分解能で高感度の超音波診断が可能となる。また、1,2−ブチレングリコールは粘度が低いため、超音波送受信部を揺動または回転走査させるときに、音響媒体の粘性抵抗による、モータへの負荷を小さくでき、円滑な駆動(例えば、等速駆動など)、高速駆動が可能となる。また、モータの小型化や、駆動電流を小さくすることが可能となる。
なお、上記説明においては、振動子をモータで回転させる機械走査式を採用した例を挙げたが、複数の振動子を短冊状に配列して成るアレイ素子による電子走査式であっても同様に実施可能である。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態においては、音響媒体として、1,2−ブチレングリコールのみを用いた場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1,2−ブチレングリコールを他の物質と組み合わせて使用してもよい。本実施形態では、このような音響媒体の一例として、1,2−ブチレングリコールと1,3−ブチレングリコールとの混合物を使用した場合について説明する。
なお、本実施形態に係る超音波探触子は、音響媒体の組成が異なること以外は、第1の実施形態と同様の構成を有し、その動作についても第1の実施形態と同様である。
(1)音響インピーダンス
図4は、1,2−ブチレングリコールと1,3−ブチレングリコールとの混合物において、その混合比(重量比)を変化させた場合の前記混合物の音速を測定した結果を示すグラフである。なお、音速の測定方法は前述と同様であり、温度条件は25℃である。
図4において、横軸は混合比を示し、左側程1,2−ブチレングリコールの含有量が多く、右側程1,3−ブチレングリコールの含有量が多くなることを示す。また、縦軸は音速を示す。図4に示すように、音速は混合比によって変化しており、1,2−ブチレングリコールが100重量%のときの音速は1.45km/sであり、これに1,3−ブチレングリコールの比率が増すほど音速は速くなり、1,3−ブチレングリコールが100重量%になると音速は1.54km/sとなる。また、音速の変化は、混合比に対して、ほぼ単純な比例関係である。
1,2−ブチレングリコールおよび1,3−ブチレングリコールは、いずれも、密度1.0kg/mであるので、混合物の密度は、混合比に関わらず1.0kg/mと考えることができる。従って、音響インピーダンスは、図4に示す音速と、密度1.0kg/mとの積で算出することができる。その結果、混合物の音響インピーダンスは、約1.45〜1.54MRaylの範囲となり、どのような混合比であっても生体の音響インピーダンスに近い値となることが確認された。
例えば、1,3−ブチレングリコールの含有量が75重量%、すなわち1,2−ブチレングリコールの含有量が25重量%の混合物の音速は、1.517km/sである。したがって、音響インピーダンスは1.517MRaylとなり、生体の音響インピーダンスに近い値となる。
(2)超音波減衰
図5は、1,2−ブチレングリコールと1,3−ブチレングリコールとの混合物において、その混合比(重量比)を変化させた場合の、周波数3MHzにおける超音波減衰を示すグラフである。なお、超音波減衰の測定方法は、前述と同様である。
図5において、図4と同様に、横軸は混合比を示し、左側程1,2−ブチレングリコールの含有量が多く、右側程1,3−ブチレングリコールの含有量が多くなることを示す。また、縦軸は減衰量を示す。図5に示すように、1,3−ブチレングリコールの含有量が多くなると減衰量は大きくなることが分かる。減衰の傾向は、単純に1,3−ブチレングリコールの混合割合に対して比例関係に変化するのではなく、1,3−ブチレングリコールの割合が75重量%よりも多くなる場合に、減衰量が顕著に増加する傾向がある。このことから、1,2−ブチレングリコールの含有量が25重量%以上の混合割合とすれば、減衰量を、従来の1,3−ブチレングリコールのみを用いた場合よりも極めて小さくすることができ,超音波の送受信感度をより向上できることが確認できた。例えば,1,2−ブチレングリコールの含有量が25重量%(1,3−ブチレングリコールの含有量が75重量%)のときの減衰量は0.091dB/mmであり、従来の1,3−ブチレングリコールのみの減衰量0.14dB/mmより約35%小さくなっており、極めて有効である。
以上、音響インピーダンス、超音波減衰の観点から、1,2−ブチレングリコールの含有量は25〜100重量%の範囲が望ましく、そのときの音響インピーダンスは1.45〜1.517MRaylで、超音波減衰は0.07〜0.091dB/mm(3MHz)の特性を有している。
(3)粘性
1,2−ブチレングリコールと1,3−ブチレングリコールとの混合物において、その粘度は、1,2−ブチレングリコールのみの粘度と、1,3−ブチレングリコールのみの粘度との間の値になると推測される。
(4)その他の特性
1,2−ブチレングリコールおよび1,3−ブチレングリコールは、いずれも、生体に対する影響が極めて少ない物質である。また、プラスチックなどで構成されるウインドウ、圧電セラミックなどで構成される超音波送受信部、金属などで構成される駆動軸およびフレームなどの構成部品に対しても、腐食などの悪影響が極めて少ない物質である。
上記のように、1,2−ブチレングリコールと1,3−ブチレングリコールとの混合物もまた、音響媒体として望まれる音響特性、粘性、生体への影響(安全性)、更には構成部品への影響などにおいて、良好な特性を有することが確認できた。
特に、1,2−ブチレングリコールの含有量が25〜100重量%であると、混合物の超音波減衰量が極めて小さくなるため、超音波の送受信感度を著しく向上させることができる。よって、本実施形態に係る音響媒体において、混合物中における1,2−ブチレングリコールの含有量は、好ましくは25〜100重量%に調整される。
なお、本実施形態では、音響媒体として、1,2−ブチレングリコールと1,3−ブチレングリコールとの混合物を用いた場合を例示しているが、前述したように、本発明はこれに限定されるものではない。
また、上記説明においては、振動子をモータで回転させる機械走査式を採用した例を挙げたが、複数の振動子を短冊状に配列して成るアレイ素子による電子走査式であっても同様に実施可能である。
本発明に係る超音波探触子は、高感度な超音波の送受信を実現し、且つ、超音波送受信部の駆動の円滑化および高速化を実現し得るため、例えば、リアルタイムで高分解能の3次元超音波画像を得ることが可能になる。従って、例えば、超音波診断装置などに用いる超音波探触子などとして有用である。
本発明は、超音波診断装置などに用いられる超音波探触子に関するものである。
超音波診断装置に用いられる超音波探触子としては、超音波を送受信する超音波送受信部を、音響媒体を封入した外装ケース内で、機械的に揺動または回転させることにより、超音波を走査するものが知られている。このような超音波探触子において、音響媒体としては、生体に近い音響インピーダンスを有する物質が用いられ、具体的には、流動パラフィンなどの液体が用いられている(例えば、特許文献1〜3)。
特開2001−178727号公報 特開平3−32652号公報 特開平4−84946号公報
しかしながら、従来の超音波探触子においては、音響媒体として使用される流動パラフィンなどの物質は、生体に近い音響インピーダンスを有するが、例えば、超音波の減衰が大きいなどというように、音響特性に問題があった。そのため、超音波の送受信感度が低下し、超音波画像の画質を低下させてしまうなどの問題があった。更に、これら音響媒体は粘性が高いために、この媒体中で超音波送受信部をモータなどで機械的に揺動または回転させる際に、モータにかかる負荷トルクが大きく、超音波送受信部の円滑な駆動や高速での駆動が困難であるという問題があった。
そこで、本発明は、高感度な超音波の送受信を実現し、且つ、超音波送受信部の駆動の円滑化および高速化を実現し得る超音波探触子を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の超音波探触子は、超音波を送受信する超音波送受信部と、前記超音波送受信部を格納する外装ケースと、前記外装ケース内に充填された音響媒体とを備え、前記音響媒体が、1,2−ブチレングリコールを含むことを特徴とする。
上記本発明の超音波探触子においては、音響媒体として1,2−ブチレングリコールを使用している。1,2−ブチレングリコールは、生体に近い音響インピーダンスを有しており、且つ、超音波減衰が比較的小さいため、これを音響媒体として使用することにより、高感度な超音波の送受信が可能となる。加えて、1,2−ブチレングリコールは、比較的低い粘度を有しているため、これを音響媒体として使用しても、超音波送受信部の円滑な駆動および高速での駆動が可能となる。
本発明の超音波探触子は、前述したように、超音波を送受信する超音波送受信部と、前記超音波送受信部を格納する外装ケースと、前記外装ケース内に充填された音響媒体とを備える。更に、超音波探触子は、前記超音波送受信部を揺動または回転させる機構を備える、機械走査型超音波探触子であってもよい。また、前記超音波送受信部が、複数の振動子が配列されたアレイ素子を含む、電子走査型超音波探触子であってもよい。
音響媒体としては、1,2−ブチレングリコールが使用される。1,2−ブチレングリコールのみで使用してもよいが、他の物質と組み合わせて使用することも可能である。
前記音響媒体において、1,2−ブチレングリコールの含有量は、特に限定するものではなく、組み合わせる物質によっても変化するが、好ましくは25〜100重量%である。
前記超音波探触子においては、前記音響媒体は、次のような特性を有することが好ましい。特に、前記音響媒体として1,2−ブチレングリコールを他の物質と組み合わせて使用する場合、前記音響媒体が次の特性を満足するように、組み合わせる物質の種類および比率を調節することが好ましい。
前記音響媒体の、20℃の温度条件下における音響インピーダンスは、被検体である生体の音響インピーダンスに近い値である、1.4〜1.6MRaylであることが好ましい。更には、1.45〜1.517MRaylであることが好ましい。
前記音響媒体の、周波数3MHzにおける減衰量は小さいほど好ましく、0.07〜0.091dB/mmであることが好ましい。
前記音響媒体において、1,2−ブチレングリコールと組み合わせて使用可能な物質としては、超音波を伝播し得る物質であり、1,2−ブチレングリコールに可溶で(すなわち、1,2−ブチレングリコールとの混合物が相分離しない。)、且つ、10〜40℃の温度条件において液体で存在する物質を使用できる。更には、探触子を構成する部材(金属、プラスチック類など)に及ぼす影響(例えば、腐蝕など)が小さく、生体に対して害がないもの、または害が小さい物質であることが望まれる。
このような物質としては、例えば、各種のグリコール類、水などが挙げられるが、特に、グリコール類が好ましい。このようなグリコール類としては、例えば、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコールなどが挙げられる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を用いて、更に詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る超音波探触子の一例の構造を示す断面図である。この超音波探触子においては、フレーム103とウインドウ104とが接合されることにより外装ケース105が構成されており、この外装ケース105内には、脱気した音響媒体106が充填されている。また、外装ケース105内には、超音波送受信部101が格納されている。なお、ウインドウ104および音響媒体106の構成材料については、後に詳説する。
超音波送受信部101は、超音波を送受信するための超音波振動子を備えている。超音波振動子としては、例えば、PZT系などの圧電セラミック、高分子材料または単結晶などの圧電材料が用いられる。超音波振動子の前面(超音波の送受信面)には、必要に応じて、超音波を効率よく送受信するための音響整合層、更には超音波を収束させるための音響レンズが配置されていてもよい。また、超音波振動子の背面(送受信面とは反対の面)には、超音波を吸収するためのバッキング層が配置されていてもよい。
上記超音波振動子はロータに取り付けられており、これによって、超音波送受信部101が構成されている。ロータには駆動軸102が接続されており、更に、この駆動軸102を介して、回転力を発生させるための駆動装置(例えば、モータなど:図示せず)が接続されている。これにより、駆動装置から出力された回転力を、駆動軸102を介してロータに伝達し、超音波振動子を回転または揺動させることができる。
次に、上記超音波探触子の動作について説明する。上記超音波探触子は、超音波診断装置に接続されて使用される。超音波診断装置は、例えば、探触子を駆動させる制御部と、探触子に対して信号の送受信を行なう送受信部と、受信された信号に基づいて被検物の画像を作成する画像構成部と、作成された断層像を表示する画像表示部とを備えている。
超音波診断時には、まず、被検体である生体表面に超音波探触子を配置する。このとき、ウインドウ104は、生体に直接接触、または、超音波伝搬媒体を介して間接的に接触させて配置される。そして、超音波診断装置の制御部からの駆動信号により、探触子の駆動装置を駆動させ、超音波送受信部101を回転または揺動させる。次に、超音波診断装置の送受信部から、電気信号(送信信号)を超音波探触子に送信する。送信信号は、探触子の超音波送受信部において超音波に変換されて、音響媒体106およびウインドウ104を伝播し、生体に送波される。この超音波は生体内の目標物で反射され、その反射波の一部が探触子の超音波送受信部101で受波され、電気信号(受信信号)に変換されて、超音波診断装置の送受信部に送信される。この送受信動作を、超音波送受信部101を回転または揺動させながら繰り返し行うことにより、超音波の走査が可能となる。受信信号は、増幅、検波などの処理を受けた後、画像構成部に出力される。画像構成部では、受信信号に基づいて目標物の超音波画像(断層像など)が作成されて、これが画像表示部に出力される。
上記のように、この超音波探触子における超音波の伝播経路は、超音波送受信部101に接触している音響媒体106およびこれを内包するウインドウ104である。高分解能の超音波画像を得るためには、この超音波の伝播経路となる音響媒体106およびウインドウ104の音響特性、特に、音響インピーダンスおよび超音波減衰が問題となる。具体的には、音響媒体106およびウインドウ104には、被検体(例えば、生体)との間での音響インピーダンスの差による反射が少ないこと、すなわち被検体の音響インピーダンス(例えば、生体であれば1.5〜1.6MRayl)に近い音響インピーダンスを有することが望まれる。また、減衰による超音波の送受信感度および周波数特性の劣化を抑制するため、超音波減衰量が可能な限り小さいことが望まれる。特に、周波数依存減衰があるため、高分解能の画像を得るために高い周波数を用いた超音波送受波部を使用するときは、この特性が極めて重要となる。
更に、ウインドウ104には、上記音響特性に加えて、超音波送受信部101の揺動または回転運動を円滑にさせるために、被検体表面への押し当てなどの外圧に対して変形が少ないことが望まれる。これらの観点から、ウインドウとしては、例えば、ポリエチレン、ポリメチルペンテンなどの、プラスチック材料を用いることができる。また、ウインドウの厚さは、特に限定するものではないが、例えば1〜3mm程度に設定できる。
音響媒体106には、上記音響特性に加えて、その粘性が小さいことが望まれる。粘性が小さいと、駆動軸102を駆動する駆動装置への負荷(トルク等)を小さくできるために、超音波送受信部101を円滑且つ高速に揺動または回転させることができるからである。また、被検体が生体である場合、診断中に何らかの要因で音響媒体106が外部に流れ出て、生体に接触する可能性がある。従って、音響媒体106は、生体に対して害がないもの、または害が小さいものであることが望まれる。更には、外装ケース105内の超音波送受信部101、駆動軸102などの、音響媒体と接触する部材に対する悪影響(腐食など)がない、または小さいことが望まれる。
本実施形態においては、音響媒体106として、例えば、1,2−ブチレングリコールのみが用いられる。
1,2−ブチレングリコールについては、今まで音響特性(音響インピーダンス、音速、減衰)が明らかにされていなかった。そこで、本発明者らは、1,2−ブチレングリコールの音響特性の評価を行った。その結果、後述するように、1,2−ブチレングリコールは、従来の音響媒体や他のブチレングリコールと比較して、音響媒体として極めて有用な特性を有することが明らかとなった。このような1,2−ブチレングリコールの音響媒体としての有用性は、本発明者らによって初めて見出されたものである。
以下、1,2−ブチレングリコールの特性についての評価結果を記述する。
(1)音響インピーダンス
1,2−ブチレングリコールの音速を測定したところ、温度25℃で1.47km/s、温度20℃で1.45km/sであった。なお、音速の測定方法は、次の通りである。温度コントロールした音響媒体内に、送信用および受信用の超音波トランスデューサを一定の距離をあけて設置した。前記送信用トランスデューサにパルス信号を印加し、前記音響媒体に超音波を伝播させ、前記超音波を受信用トランスデューサで受信して、超音波の伝播時間を測定した。この伝播時間および送信用トランスデューサと受信用トランスデューサとの距離から、音速を算出した。
また、1,2−ブチレングリコールの密度は、1.0kg/m3であることが既知である(例えば、CAS No.584−03−2(CHEM EXPER)参照。)。
上記各値から、1,2−ブチレングリコールの音響インピーダンスを算出したところ、温度25℃で1.47MRayl、温度20℃で1.45MRaylであり、生体の音響インピーダンスの値に近いことが確認できた。
なお、従来の超音波探触子において音響媒体として提案されている流動パラフィン、ヒマシ油、1,3−ブチレングリコールの音響インピーダンスは、それぞれ、約1.19MRayl、1.46MRayl、1.54MRaylである(超音波技術便覧(日刊工業新聞社)参照)。
(2)超音波減衰
1,2−ブチレングリコールの各周波数における超音波減衰を測定した。また、比較例として、1,3−ブチレングリコールの超音波減衰を測定した。結果を、図2に示す。なお、超音波減衰の測定方法は、次の通りである。前記音速測定と同様の系を使用し、送信用トランスデューサに任意の周波数の約30波のsin波を印加し、音響媒体内を伝播した超音波を受信用トランスデューサで受信して、受信電圧を測定した。更に、送受信トランスデューサを一定距離(例えば、10mm)変化させて、同様に受信電圧を測定した。前記受信電圧の比と、送受信トランスデューサの距離とから超音波減衰を算出した。
図2に示すように、1,2−ブチレングリコールは、1,3−ブチレングリコールに比較して、超音波の減衰量が小さいことが確認できた。例えば、3MHzの周波数では、1,2−ブチレングリコールの減衰量は0.07dB/mmであるのに対して、1,3−ブチレングリコールは0.14dB/mmであり、減衰量を約2分の1とすることができる。また、この減衰量の差は、周波数が高くなるに従って大きくなることが確認できた。
(3)粘度
図3は、1,2−ブチレングリコールの粘度の温度特性を示すグラフである。また、図3には、比較例として、1,3−ブチレングリコールの粘度の温度特性を併せて示している。
図3から明らかなように、1,2−ブチレングリコールは、1,3−ブチレングリコールに比較して、極めて粘性が低いことが確認できた。例えば、10℃〜40℃(探触子の通常使用環境温度の範囲)では、明らかに粘性の差があり、特に温度が低い10℃においては、1,3−ブチレングリコールの約4分の1以下の粘性を実現している。この値は、1,3−ブチレングリコールが、温度約37℃の時とほぼ同じレベルとなっている。また、ヒマシ油の粘度は、20℃において986cpであり、1,2−ブチレングリコールは、このヒマシ油と比較しても極めて低い粘度を有している。
(4)その他の特性
1,2−ブチレングリコールは、生体に対する影響が極めて少ない物質である。また、プラスチックなどで構成されるウインドウ、圧電セラミックなどで構成される超音波送受信部、金属などで構成される駆動軸およびフレームなどの構成部品に対しても、腐食などの悪影響が極めて少ない物質である。
上記のように、1,2−ブチレングリコールは、音響媒体として望まれる音響特性、粘性、生体への影響(安全性)、更には構成部品への影響などにおいて、良好な特性を有することが確認できた。そのため、1,2−ブチレングリコールを音響媒体として用いることにより、高性能、高品質、安全性を有した超音波探触子を得ることができる。
特に、1,2−ブチレングリコールは超音波の減衰量が小さいため、超音波の送受信感度を向上させることができる。しかも、周波数依存減衰の値が小さいため、高周波数での送受信が可能となり、その結果、高分解能で高感度の超音波診断が可能となる。また、1,2−ブチレングリコールは粘度が低いため、超音波送受信部を揺動または回転走査させるときに、音響媒体の粘性抵抗による、モータへの負荷を小さくでき、円滑な駆動(例えば、等速駆動など)、高速駆動が可能となる。また、モータの小型化や、駆動電流を小さくすることが可能となる。
なお、上記説明においては、振動子をモータで回転させる機械走査式を採用した例を挙げたが、複数の振動子を短冊状に配列して成るアレイ素子による電子走査式であっても同様に実施可能である。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態においては、音響媒体として、1,2−ブチレングリコールのみを用いた場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1,2−ブチレングリコールを他の物質と組み合わせて使用してもよい。本実施形態では、このような音響媒体の一例として、1,2−ブチレングリコールと1,3−ブチレングリコールとの混合物を使用した場合について説明する。
なお、本実施形態に係る超音波探触子は、音響媒体の組成が異なること以外は、第1の実施形態と同様の構成を有し、その動作についても第1の実施形態と同様である。
(1)音響インピーダンス
図4は、1,2−ブチレングリコールと1,3−ブチレングリコールとの混合物において、その混合比(重量比)を変化させた場合の前記混合物の音速を測定した結果を示すグラフである。なお、音速の測定方法は前述と同様であり、温度条件は25℃である。
図4において、横軸は混合比を示し、左側程1,2−ブチレングリコールの含有量が多く、右側程1,3−ブチレングリコールの含有量が多くなることを示す。また、縦軸は音速を示す。図4に示すように、音速は混合比によって変化しており、1,2−ブチレングリコールが100重量%のときの音速は1.45km/sであり、これに1,3−ブチレングリコールの比率が増すほど音速は速くなり、1,3−ブチレングリコールが100重量%になると音速は1.54km/sとなる。また、音速の変化は、混合比に対して、ほぼ単純な比例関係である。
1,2−ブチレングリコールおよび1,3−ブチレングリコールは、いずれも、密度1.0kg/m3であるので、混合物の密度は、混合比に関わらず1.0kg/m3と考えることができる。従って、音響インピーダンスは、図4に示す音速と、密度1.0kg/m3との積で算出することができる。その結果、混合物の音響インピーダンスは、約1.45〜1.54MRaylの範囲となり、どのような混合比であっても生体の音響インピーダンスに近い値となることが確認された。
例えば、1,3−ブチレングリコールの含有量が75重量%、すなわち1,2−ブチレングリコールの含有量が25重量%の混合物の音速は、1.517km/sである。したがって、音響インピーダンスは1.517MRaylとなり、生体の音響インピーダンスに近い値となる。
(2)超音波減衰
図5は、1,2−ブチレングリコールと1,3−ブチレングリコールとの混合物において、その混合比(重量比)を変化させた場合の、周波数3MHzにおける超音波減衰を示すグラフである。なお、超音波減衰の測定方法は、前述と同様である。
図5において、図4と同様に、横軸は混合比を示し、左側程1,2−ブチレングリコールの含有量が多く、右側程1,3−ブチレングリコールの含有量が多くなることを示す。また、縦軸は減衰量を示す。図5に示すように、1,3−ブチレングリコールの含有量が多くなると減衰量は大きくなることが分かる。減衰の傾向は、単純に1,3−ブチレングリコールの混合割合に対して比例関係に変化するのではなく、1,3−ブチレングリコールの割合が75重量%よりも多くなる場合に、減衰量が顕著に増加する傾向がある。このことから、1,2−ブチレングリコールの含有量が25重量%以上の混合割合とすれば、減衰量を、従来の1,3−ブチレングリコールのみを用いた場合よりも極めて小さくすることができ,超音波の送受信感度をより向上できることが確認できた。例えば,1,2−ブチレングリコールの含有量が25重量%(1,3−ブチレングリコールの含有量が75重量%)のときの減衰量は0.091dB/mmであり、従来の1,3−ブチレングリコールのみの減衰量0.14dB/mmより約35%小さくなっており、極めて有効である。
以上、音響インピーダンス、超音波減衰の観点から、1,2−ブチレングリコールの含有量は25〜100重量%の範囲が望ましく、そのときの音響インピーダンスは1.45〜1.517MRaylで、超音波減衰は0.07〜0.091dB/mm(3MHz)の特性を有している。
(3)粘性
1,2−ブチレングリコールと1,3−ブチレングリコールとの混合物において、その粘度は、1,2−ブチレングリコールのみの粘度と、1,3−ブチレングリコールのみの粘度との間の値になると推測される。
(4)その他の特性
1,2−ブチレングリコールおよび1,3−ブチレングリコールは、いずれも、生体に対する影響が極めて少ない物質である。また、プラスチックなどで構成されるウインドウ、圧電セラミックなどで構成される超音波送受信部、金属などで構成される駆動軸およびフレームなどの構成部品に対しても、腐食などの悪影響が極めて少ない物質である。
上記のように、1,2−ブチレングリコールと1,3−ブチレングリコールとの混合物もまた、音響媒体として望まれる音響特性、粘性、生体への影響(安全性)、更には構成部品への影響などにおいて、良好な特性を有することが確認できた。
特に、1,2−ブチレングリコールの含有量が25〜100重量%であると、混合物の超音波減衰量が極めて小さくなるため、超音波の送受信感度を著しく向上させることができる。よって、本実施形態に係る音響媒体において、混合物中における1,2−ブチレングリコールの含有量は、好ましくは25〜100重量%に調整される。
なお、本実施形態では、音響媒体として、1,2−ブチレングリコールと1,3−ブチレングリコールとの混合物を用いた場合を例示しているが、前述したように、本発明はこれに限定されるものではない。
また、上記説明においては、振動子をモータで回転させる機械走査式を採用した例を挙げたが、複数の振動子を短冊状に配列して成るアレイ素子による電子走査式であっても同様に実施可能である。
本発明に係る超音波探触子は、高感度な超音波の送受信を実現し、且つ、超音波送受信部の駆動の円滑化および高速化を実現し得るため、例えば、リアルタイムで高分解能の3次元超音波画像を得ることが可能になる。従って、例えば、超音波診断装置などに用いる超音波探触子などとして有用である。
図1は、本発明の超音波探触子の一例を示す断面図である。 図2は、1,2−ブチレングリコールおよび1,3−ブチレングリコールの各周波数における超音波減衰特性を示すグラフである。 図3は、1,2−ブチレングリコールおよび1,3−ブチレングリコールの各温度における粘度を示すグラフである。 図4は、1,2−ブチレングリコールと1,3−ブチレングリコールとの混合物において、その混合比と音速との関係を示すグラフである。 図5は、1,2−ブチレングリコールと1,3−ブチレングリコールとの混合物において、その混合比と超音波減衰との関係を示すグラフである。
また、1,2−ブチレングリコールの密度は、1.0×10 3 kg/m3であることが既知である(例えば、CAS No.584−03−2(CHEM EXPER)参照。)。
1,2−ブチレングリコールおよび1,3−ブチレングリコールは、いずれも、密度1.0×10 3 kg/m3であるので、混合物の密度は、混合比に関わらず1.0×10 3 kg/m3と考えることができる。従って、音響インピーダンスは、図4に示す音速と、密度1.0×10 3 kg/m3との積で算出することができる。その結果、混合物の音響インピーダンスは、約1.45〜1.54MRaylの範囲となり、どのような混合比であっても生体の音響インピーダンスに近い値となることが確認された。

Claims (9)

  1. 超音波を送受信する超音波送受信部と、前記超音波送受信部を格納する外装ケースと、前記外装ケース内に充填された音響媒体とを備えた超音波探触子であって、前記音響媒体が、1,2−ブチレングリコールを含むことを特徴とする超音波探触子。
  2. 前記音響媒体が、1,2−ブチレングリコールのみからなる請求項1に記載の超音波探触子。
  3. 前記音響媒体が、更に、1,2−ブチレングリコールに可溶であり、且つ、10〜40℃の温度条件において液体である少なくとも1種の物質を含む請求項1に記載の超音波探触子。
  4. 前記物質が、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコールおよび水からなる群より選択される少なくとも1種である請求項3に記載の超音波探触子。
  5. 前記物質が、1,3−ブチレングリコールである請求項4に記載の超音波探触子。
  6. 前記音響媒体における1,2−ブチレングリコールの含有量が、25〜100重量%である請求項1に記載の超音波探触子。
  7. 前記音響媒体は、20℃の温度条件下において、音響インピーダンスが1.45〜1.517MRayl、周波数3MHzにおける超音波減衰が0.07〜0.091dB/mmである請求項1に記載の超音波探触子。
  8. 前記超音波送受信部を揺動または回転させる機構を備える請求項1に記載の超音波探触子。
  9. 前記超音波送受信部が、複数の振動子が配列されたアレイ素子を含む請求項1に記載の超音波探触子。
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