JP2001178727A - 超音波プローブ - Google Patents

超音波プローブ

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JP2001178727A
JP2001178727A JP36819399A JP36819399A JP2001178727A JP 2001178727 A JP2001178727 A JP 2001178727A JP 36819399 A JP36819399 A JP 36819399A JP 36819399 A JP36819399 A JP 36819399A JP 2001178727 A JP2001178727 A JP 2001178727A
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ultrasonic
balloon
ultrasonic probe
outer cap
distal end
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JP36819399A
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English (en)
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Toru Mizuguchi
徹 水口
Tetsuhisa Asai
哲久 浅井
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生体との音響的整合性に優れ、且つ機械的強度
を充分に確保することの可能な外装キャップを有する超
音波プローブを提供する。 【解決手段】所定の粘弾性特性を満足するポリメチルペ
ンテンを基材とした材料を用いて、超音波振動子3を内
包する外装キャップ6を形成する。その結果、超音波診
断の妨げとなる多重反射を極小するといったポリメチル
ペンテン本来のもつ優れた生体との音響的整合性は維持
したまま、振動子外装キャップに作用する衝撃荷重、曲
げ応力等の外力に対する機械的強度を充分に確保するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体との音響的整
合性に優れ、且つ機械的強度を充分に確保した外装キャ
ップで超音波振動子を囲繞する超音波プローブに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、超音波診断に供する機械走査式超
音波プローブの構造は、一般的に生体に所要の周波数と
音響パワーとを有した超音波を送信し、生体内の各組織
からその音響インピーダンス(当該媒質の音の伝播速度
と密度の積)との違いにより反射されてくる超音波信号
を受信するPZT(チタンジルコン酸鉛)等からなる圧
電振動子、同振動子を機械的に保持する振動子保持部
材、超音波画像診断用途に応じた目的の2次元情報を得
るべく前記振動子と振動子保持部材とを、回転、揺動又
は進退させる駆動機構を内部に構成し、これらを内包す
るかたちで、超音波診断の目的部位の解剖学的形状に適
用する形状で外装部材(外装キャップ)が形成されてい
る。
【0003】又、外装キャップと、この外装キャップに
内包されている部品との間の空隙部には超音波を効率よ
く透過すべく、流動パラフィン、ブタンジオール、ひま
し油、その他の水溶液等が充填されている。
【0004】この場合、外装キャップは、生体、及び超
音波プローブを操作すると共に、診断する医師の電気的
安全性や被検者の生体のアレルギー反応を惹起させない
生物学的安全性を充分満足する材質、例えば樹脂材で構
成されている。
【0005】更に、外装キャップの材質については、生
体との音響的な整合性についても優れている必要があ
る。この音響的整合性が悪いと外装キャップで強い反射
波が形成され、この反射波が超音波振動子に受信されて
超音波診断装置の画像上に、診断の妨げとなる強エコー
像(多重反射)として描出されてしまう。
【0006】こうした診断上の障害となる外装キャップ
部材の多重反射を極力低減すべく、前述の音響インピー
ダンスが生体の音響インピーダンス(約1.53MRa
yls)に近似した材質のものを選択する必要がある。
【0007】例えば特公平1−42689号公報、或い
は特公平5−57853号公報には、そのような条件を
満足する材質として、ポリメチルペンテン(以下PM
P)を用いて外装キャップを形成した技術が開示されて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、PMPは音響
的特性が生体の音響的特性に近似している反面、機械的
強度、特に衝撃荷重や曲げ応力については、必ずしも満
足できる値を示すものではなく、そのため、実際の臨床
使用に際して、診察台やベッド、超音波診断装置の筐
体、診察室内の他の機器類に不用意に接触したり、床に
落下させた場合、比較的容易に亀裂が発生してしまう不
都合がある。
【0009】外装キャップに亀裂が生じ、この外装キャ
ップ内に充填されている流動パラフィン等の内容液が漏
出してしまうと、同液中に気泡が発生し、超音波診断装
置としての機能を充分に発揮させることが困難となるた
め、取扱には細心の注意が必要であった。
【0010】本発明は上記事情に鑑み、生体との音響的
整合性に優れ、且つ機械的強度を充分に確保することの
可能な外装キャップを有する超音波プローブを提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、外装キャップに内包されている超音波振
動子を駆動させて超音波画像を得る超音波プローブにお
いて、上記外装キャップを、 曲げ弾性率(kg/cm):4500〜6000、 アイゾット衝撃強度(kgcm/cm):50以上、 ロックウェル硬度:30〜50、 の機械的仕様を満足するポリメチルペンテンを基材とし
た材料で形成したことを特徴とする。
【0012】このような構成では、上述した粘弾性特性
を有するポリメチルペンテンを基材とする材料を用いて
外装キャップを形成した結果、生体の音響的整合性を確
保しつつ、機械的強度を向上させることができ、実際の
臨床使用の際に外装キャップが受ける程度の衝撃荷重、
曲げ応力では亀裂等が発生することがなく、耐久性の向
上が図られている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて説明する。本出願人は、ポリメチルペンテンの脆性
特性を改善して粘弾性に富んだ材料特性とし、しかも、
生体との音響的整合性に優れ、且つ被検者のアレルギー
反応を惹起させない生物学的安全性にも適合した仕様値
を実現するために、ポリメチルペンテンを基材とし、こ
の基材に種々の改質剤を含有させて、種々検討した結
果、非晶性若しくは低結晶性のα−オレフィン共重合体
が樹脂改質剤として好ましいと判断した。
【0014】この場合、超音波プローブの外装キャップ
として、その機械的強度について実績のある硬質ポリエ
チレンとほぼ同等の機械的強度を得ることができる値と
して、 曲げ弾性率(kg/cm):4500〜6000、 アイゾット衝撃強度(kgcm/cm):50以上、 ロックウェル硬度:30〜50、 が最適値であるとの結論に達した。
【0015】音響インピーダンスZaと曲げ弾性率σお
よびロックウェル硬度Rとの関係を実験により求めた。
その関係を図6,図7に示す。樹脂改質材含有率を高め
ると曲げ弾性率σおよびロックウェル硬度Rが低下し、
また生体適合性は低下する傾向にある。
【0016】この場合に定めた曲げ弾性率σおよびロッ
クウェル硬度Rの範囲のうち、上限値に関しては、主と
して生体(音響インピーダンスが約1.53MRayl
s)との音響的整合性を考慮して決定し、また、下限値
に関しては、生体適合性を考慮して決定した。
【0017】本発明では、超音波プローブの先端部に装
着する外装キャップを、上述したように、ポリメチルペ
ンテン(PMP)基材に対して、α−オレフィン共重合
体からなる樹脂改質剤を所定割合で混合させた材料で形
成することで、優れた粘弾性特性を得るようにしたもの
で、外装キャップの形状等は、従来のものと特に変わる
ものではない。
【0018】従って、以下の実施例で示す超音波プロー
ブは従来のものと全く同じ構造であり、各超音波プロー
ブに装着されている外装キャップの材質のみが改良され
ている。
【0019】
【実施例】以下、図1〜図5に基づき、本発明による外
装キャップを採用する超音波プローブを実施例毎に示
す。図1に本発明の第1実施例による超音波プローブの
挿入部先端の断面図を示す。本実施例に示す超音波プロ
ーブ1は、主として前立腺、直腸、肛門等の外科的病変
を、挿入軸に対して直行方向の横断面像を超音波観察す
る際に用いる、横断面用硬性体腔内プローブである。
【0020】この超音波プローブ1に設けられている細
長の挿入部本体2の先端に設けられている硬質先端部2
aの前方に、超音波を送受信する超音波振動子3が設け
られており、この超音波振動子3を保持する保持部材4
の後端が駆動軸5に連結されている。
【0021】この駆動軸5は硬質先端部2aに進退回動
自在に支持されており、この駆動軸5の後端部に図示し
ないモータ等の駆動手段に連設されている。
【0022】駆動軸5は駆動手段からの駆動力を受けて
回転、揺動、あるいは進退動作し、この駆動軸5に保持
部材4を介して連設する超音波振動子3を同方向へ一体
動作させる。
【0023】硬質先端部2aに、本実施の形態で採用し
た材料を用いて形成した外装キャップ6が装着されてお
り、この外装キャップ6に、超音波振動子3、保持部材
4等、硬質先端部2aから露呈する部品が内包されてお
り、更に、この外装キャップ6内に、流動パラフィン等
からなる超音波媒体7が充填されている。
【0024】この外装キャップ6は、生体と超音波振動
子3とが直接接触するのを防止し、且つ、内包されてい
る超音波媒体7の漏出を防止するためのもので、この外
装キャップ6の周面に音響透過部6aが形成されてい
る。
【0025】この音響透過部6aは、超音波振動子3か
ら発振される超音波ビームUb、或いは生体からの反射
波を超音波振動子3にて受波する際に透過する部位で、
超音波の減衰を極小化する為、比較的肉薄に形成されて
いる。
【0026】従って、外装キャップ6では、この音響透
過部6aの機械的強度が一番弱く、衝撃荷重、曲げ応力
の影響を最も受けやすい。しかし、この外装キャップ6
は、PMP基材に樹脂改質剤(α−オレフィン共重合
体)を所定割合で混合した材料で形成することで、粘弾
性の向上が図られているため、通常の臨床使用時に生じ
る衝撃荷重、曲げ応力に対しては充分に耐えることがで
きる。
【0027】又、図2に本発明の第2実施例による超音
波プローブの挿入部先端の断面図を示す。本実施例に示
す超音波プローブ11は、主として体表から前方の生体
を走査する機械式プローブである。
【0028】この超音波プローブ11の本体12には、
図示しないモータ等の駆動手段に連設して、回転あるい
は揺動運動する駆動軸15が回動自在に挿通されてお
り、又、本体12の先端前方に、超音波振動子13を駆
動軸15の回転方向に対して直交する方向へ回転自在に
支持する保持部材14が配設されており、この保持部材
14と駆動軸15とが、回転方向を変換する歯車機構1
8を介して連設されている。従って、この超音波振動子
13は、超音波プローブ11の長軸方向前方を扇状に走
査することになる。
【0029】又、本体12の先端に硬質先端部12aを
介して、本実施の形態で採用した材料を用いて形成した
外装キャップ16が装着されている。この外装キャップ
16及び硬質先端部12aに、歯車機構18、保持部材
14、及び超音波振動子13等の部品が内包されている
と共に、流動パラフィン等からなる超音波媒体7が充填
されている。
【0030】この外装キャップ16は、生体と超音波振
動子13とが直接接触するのを防止し、且つ、内包され
ている超音波媒体7の漏出を防止するためのもので、こ
の外装キャップ16の先端面から側面方向へ、すなわち
超音波振動子13の走査方向に沿って音響透過部16a
が形成されている。
【0031】この音響透過部16aは、超音波振動子1
3から発振される超音波ビーム、或いは生体からの反射
波を超音波振動子3にて受波する際に透過する部位で、
超音波の減衰を極小化する為、比較的肉薄に形成されて
いる。
【0032】従って、外装キャップ16では、この音響
透過部16aの機械的強度が一番弱く、衝撃荷重、曲げ
応力の影響を最も受けやすい。しかし、この外装キャッ
プ16は、PMP基材に樹脂改質剤(α−オレフィン共
重合体)を所定割合で混合した材料で形成することで、
粘弾性の向上が図られているため、通常の臨床使用時に
生じる衝撃荷重、曲げ応力に対しては充分に耐えること
ができる。
【0033】図3に本発明の第3実施例による超音波プ
ローブの挿入部先端の概略図を示す。本実施例で採用す
る超音波プローブ21は、主として前立腺や子宮、卵
巣、胎児等の矢状断面像、或いは冠状断面像を超音波観
察する際に用いる、硬性の体腔内プローブである。
【0034】この超音波プローブ21の挿入部本体22
には、図示しないモータ等の駆動手段に連設して、回転
あるいは揺動運動する駆動軸25が回動自在に挿通され
ており、又、挿入部本体22の先端に設けた硬質先端部
22aの前方に、超音波振動子23を駆動軸25の回転
方向に対して直交する方向へ回転自在に支持する保持部
材24が配設されており、この保持部材24と駆動軸2
5とが、回転方向を変換する歯車機構28を介して連設
されている。この超音波振動子23は、超音波プローブ
21の挿入方向前方を矢状或いは冠状に走査する。
【0035】又、硬質先端部22aの先端面に、本実施
の形態で採用した材料を用いて形成した半球状の外装キ
ャップ26が装着されている。この外装キャップ26内
に、硬質先端部22aの先端面から露呈する歯車機構2
8、保持部材24、及び超音波振動子23等の部品が内
包されている。更に、この外装キャップ26に流動パラ
フィン等からなる超音波媒体(図示せず)が充填されて
いる。
【0036】この外装キャップ26は、生体と超音波振
動子23とが直接接触するのを防止し、且つ、内包され
ている超音波媒体の漏出を防止するためのもので、この
外装キャップ26の頂面から超音波振動子23の走査方
向に沿って音響透過部26aが形成されている。
【0037】この音響透過部26aは、超音波振動子2
3から発振される超音波ビーム、或いは生体からの反射
波を超音波振動子23にて受波する際に透過する部位
で、第1、第2実施例と同様、比較的肉薄に形成されて
いる。
【0038】従って、半球状に形成された外装キャップ
26では、この音響透過部26aの機械的強度が一番弱
く、衝撃荷重、曲げ応力の影響を最も受けやすい。しか
し、この外装キャップ26は、PMP基材に樹脂改質剤
(α−オレフィン共重合体)を所定割合で混合した材料
で形成することで、粘弾性の向上が図られているため、
通常の臨床使用時に生じる衝撃荷重、曲げ応力に対して
は充分に耐えることができ、耐久性の向上がはかられて
いる。
【0039】又、図4に本発明の第4実施例による超音
波内視鏡の挿入部先端の概略図を示す。本実施例に示す
超音波プローブ31は、断面観察用超音波内視鏡32の
挿入部先端に設けられている。この断面観察用超音波内
視鏡32は、主として消化管に挿入し、光学像を観察す
ると共に病変部を超音波観察するものである。
【0040】超音波内視鏡32の挿入部33には、図示
しないモータ等の駆動手段により回転、進退等の動作を
行うフレキシブルシャフト35aが挿通されており、こ
のフレキシブルシャフト35aの、挿入部33の先端に
設けられている硬質先端部33aの先端面から突出され
ている先端に、超音波振動子34を保持する保持部材3
5が固設されている。尚、硬質先端部33aには、照明
光学系及び観察光学系からなる内視鏡光学系の光学窓3
3bが設けられている。
【0041】硬質先端部33aの先端面から露呈されて
いる超音波振動子34、保持部材35等の超音波プロー
ブ31を構成する部品が、硬質先端部33aの先端面に
装着されている外装キャップ36に内包されている。
尚、この外装キャップ36内には流動パラフィン等から
なる超音波媒体7が充填されている。
【0042】この外装キャップ36は、生体と超音波振
動子34とが直接接触するのを防止し、且つ、内包され
ている超音波媒体7の漏出を防止するためのもので、こ
の外装キャップ36の周面に音響透過部36aが、超音
波振動子34の走査方向に沿って形成されている。
【0043】この音響透過部36aは、超音波振動子3
4から発振される超音波ビーム、或いは生体からの反射
波を超音波振動子34にて受波する際に透過する部位
で、第1、第2実施例と同様、比較的肉薄に形成されて
いる。
【0044】従って、外装キャップ36では、この音響
透過部36aの機械的強度が一番弱く、衝撃荷重、曲げ
応力の影響を最も受けやすい。しかし、この外装キャッ
プ36は、PMP基材に樹脂改質剤(α−オレフィン共
重合体)を所定割合で混合した材料で形成することで、
粘弾性の向上が図られているため、通常の臨床使用時に
生じる衝撃荷重、曲げ応力に対しては充分に耐えること
ができる。
【0045】又、図5に本発明の第5実施例による超音
波プローブの挿入部先端の概略図を示す。本実施例に示
す超音波プローブ41は、図示しない内視鏡の処置具挿
通チャンネルや硬性鏡の外筒に挿入し、消化管、気管、
尿経等を超音波観察する細径超音波プローブである。
【0046】この超音波プローブ41の外装シース部材
42には、図示しないモータ等の駆動手段に連設して、
回転運動するフレキシブルシャフト45が回動自在に挿
通されており、このフレキシブルシャフト45の先端に
保持部材44を介して超音波振動子43が固設されてい
る。
【0047】この超音波振動子43はフレキシブルシャ
フト45の回転に同期して回転し、ラジアル方向を走査
する。
【0048】外装シース部材42は、図示しない超音波
プローブ41の近位端側より本実施の形態で採用した樹
脂を用いて一体に形成され、前記フレキシブルシャフト
45,超音波振動子43および保持部材44を内包し、
流動パラフィン等からなる超音波媒体(図示せず)が充
填されている。
【0049】この外装シース部材42は、生体と超音波
振動子43等の内包部材とが直接接触することを防止
し、且つ、充填されている超音波媒体の漏出を防止する
ものである。
【0050】音響透過部46aは超音波振動子43の走
査方向に沿って外装シースの先端部に特定の幅を有して
円周状に形成されている。
【0051】この音響透過部46aは、超音波振動子4
3から発振される超音波ビーム、或いは生体からの反射
波を超音波振動子43にて受波する際に透過する部位
で、第1、第2実施例と同様、比較的肉薄に形成されて
いる。
【0052】従って、外装シース部材42では、この音
響透過部46aの機械的強度が一番弱く、衝撃荷重、曲
げ応力の影響を最も受けやすい。しかし、この外装キャ
ップ46は、PMP基材に樹脂改質剤(α−オレフィン
共重合体)を所定割合で混合した材料で形成すること
で、粘弾性の向上が図られているため、通常の臨床使用
時に生じる衝撃荷重、曲げ応力に対しては充分に耐える
ことができる。
【0053】尚、本発明による外装キャップを採用する
超音波プローブは、上述した各実施例に限るものではな
く、例えば超音波伝播経路を変更するための音響ミラー
を外装キャップに内包した前方視型超音波内視鏡に採用
することも可能である。この場合、好ましくは、音響ミ
ラーとして、音響インピーダンスが内容液や生体に対し
て充分大きい値を有する強反射体を用い、強反射体であ
る音響ミラーを回転駆動させて超音波画像を得ると良
い。
【0054】[付記]以上、説明したように本発明によ
れば、以下のような構成を得ることができる。 (付記項1)音響伝播経路中に、音響インピーダンスが
内容液や生体に対して充分大きい値を有する強反射体
を、音響経路を変換する音響ミラーとして設置し、上記
強反射体を回転駆動させて超音波画像を得る超音波プロ
ーブにおいて、上記強反射体を内包する外装キャップ
を、 曲げ弾性率(kg/cm):4500〜6000、 アイゾット衝撃強度(kgcm/cm):50以上、 ロックウェル硬度:30〜50、 の機械的仕様を満足するポリメチルペンテンを基材とし
た材料で形成したことを特徴とする超音波プローブ。
【0055】又、本発明は、以下に示す構成を得ること
もできる。 (付記項2)体腔内挿入部の先端外周面にバルーンを装
着するために用いる体腔内挿入部用バルーン装着装置に
おいて、本体内部に内径が異なり少なくとも3つ以上の
前記挿入部のバルーン装着部を受け入れる受け入れ用孔
を備え、上記各受け入れ用孔の中心軸は互いに直交又は
平行であることを特徴とする体腔内挿入部用バルーン装
着装置。
【0056】(技術的背景)超音波内視鏡等の体腔内挿
入部の先端に超音波を送受信する超音波振動子を設け、
超音波送受信用窓の周囲には弾性ゴム等からなるバルー
ンを設け、バルーン内に脱気水や油等の超音波伝達媒体
液を充満させることによりバルーンを膨張させ、体腔内
壁に接触させて空気による超音波の減衰を抑止しながら
超音波の送受信を行い、良好な超音波断層像を得るよう
にすることは既に知られている。
【0057】このバルーンは、損傷しやすいと共に衛生
管理上の理由により、被験者毎あるいは使用者毎に交換
することが要求される。そのためバルーンの装脱着が頻
繁に行われることとなるが、外す際はともかく、装着す
る場合はバルーンに損傷を与えないように注意しなけれ
ばならない。
【0058】ところがこのバルーンは、バルーンによる
多重エコーを極力少なくするために、通常 0.1〜0.2mm
程度と極めて薄く形成され、手で装着作業をすると爪等
によって損傷させてしまうことを避けられないという不
具合があった。
【0059】この不具合を解決するために、実用新案登
録公報第2527252号には、バルーン装着装置の本
体内部に、体腔内挿入部先端に設けた超音波送受信部を
受け入れる緩挿孔と、バルーン装着中の緩挿孔の内部と
外気とを連通する空気抜き孔とを形成し、緩挿孔の端部
外周をバルーンの一方の取り付け部の保持部とし、本体
外側を把持部とした体腔内挿入部用バルーン装着装置が
提案されている。
【0060】このように構成されたバルーン装着装置に
よりバルーンを装着するには、まずバルーンの一方の取
り付け部を緩挿孔に挿入した状態で、他方の取り付け部
を裏返した状態で緩挿孔の口元に被せ、緩挿孔の口元に
形成されているバルーン保持溝に係止してセットする。
【0061】そして、体腔内挿入部先端をバルーン装着
装置へ緩挿し、体腔内挿入部の先端部に設けられている
超音波送受信部全体が入り込むようにする。
【0062】するとバルーンは緩挿孔の奥方向に伸びて
いき、バルーン保持溝に係止されていた取り付け部が外
れ、体腔内挿入部の先端部の後部外周に形成されている
バルーン装着用溝に落ち込んで係止される。
【0063】その後、バルーン装着装置を抜き取ると、
バルーンは超音波送受信部の外周に密着した状態で残
る。次に、超音波送受信部先端側のバルーンの取り付け
部を、体腔内挿入部の先端部の前部外周に形成されてい
るバルーン装着用溝に係止することによってバルーンの
装着が完了する。
【0064】この場合、緩挿孔の深さは体腔内挿入部の
先端部の前後に形成した2つのバルーン装着用溝が内部
に位置できる程度にする必要がある。
【0065】又、緩挿孔の内径は、体腔内挿入部のバル
ーン装着部の外径よりも大きく形成する必要があるが、
緩挿孔の端部外周をバルーンの取り付け部の保持部とす
るためには、バルーンの取り付け部の装着し易さやバル
ーンに損傷を与えないことを考慮すると、緩挿孔の内径
は無暗に大きくすることはできない。
【0066】よって、緩挿孔の内径は、体腔内挿入部の
バルーン装着部の外径よりもわずかに大きい程度に止め
る必要があり、各種の体腔内挿入部に合わせて、様々な
緩挿孔内径のバルーン装着装置を用意しなければならな
かった。
【0067】この不具合を解決するために、実用新案登
録公報第2527252号には、バルーン装着装置の両
側に、内径の異なる2つの緩挿孔を形成し、両緩挿孔の
間に空気抜き孔を形成することで、先端部の外径が異な
る挿入部に対して1つの装置で対応することができるよ
うにした技術が開示されている。
【0068】(課題)しかし、この場合でも、1つの体
腔内挿入部用バルーン装着装置では、2種類の内径の異
なる緩挿孔しか形成することができないため、体腔内挿
入部の先端部の外径が3種類以上ある場合には、複数の
体腔内挿入部用バルーン装着装置を用意しなければなら
ず、取扱が不便であった。
【0069】又、体腔内挿入部用バルーン装着装置は、
略円筒形状をしているため転がりやすく、紛失したり、
落下によって破損したりする不具合があった。
【0070】(目的)そこで、1つの装置で三種類以上
の形状の体腔内挿入部に対応でき、又転がり難い形状に
よって紛失や破損を防ぐようにした体腔内挿入部用バル
ーン装着装置を提供する。
【0071】(課題を解決するための手段)すなわち、
体腔内挿入部用バルーン装着装置において、体腔内挿入
部のバルーン装着部を受け入れる緩挿孔を形状が異なる
挿入部に対して三つ以上設けなおかつ各緩挿孔の軸方向
は互いに平行又は直行するようにする。
【0072】このように各緩挿孔の軸方向を互いに平行
又は直行するように構成することで、バルーン装着装置
を射出成形によって製造する際に、緩挿孔の軸方向と成
形型の移動方向とを合わせることができ、現実的に製造
可能となる。そして、三種類以上の形状の体腔内挿入部
に1つの装置で対応できる。
【0073】又、各緩挿孔の開口部付近には、その緩挿
孔が対応可能な体腔内挿入部が判別できるように文字や
図記号等で示すことによって、使用するべき緩挿孔を間
違えないようにできる。更に、転がりにくい形状となる
ので、紛失や破損を防ぐことができる。
【0074】(具体例)図8〜図11に体腔内挿入部用
バルーン装着装置の具体例を示す。図8、図9に示すよ
うに、バルーン装着装置70は、内径の異なる三つの緩
挿孔71〜73によりT字型に形成されており、各緩挿
孔71〜73の間に空気抜き74が形成されている。
【0075】各緩挿孔71〜73の内、2つの緩挿孔7
1,73は中心軸が一致しており、残りの緩挿孔72の
中心軸は、2つの緩挿孔71,73の中心軸に対して直
行されている。
【0076】又、各緩挿孔71〜73の開口部付近に
は、その緩挿孔71〜73が対応可能な超音波内視鏡の
機種名を表示した表示部55〜57が設けられている。
【0077】このように構成することにより、バルーン
を装着する体腔内挿入部の先端部が3種類の異なる外径
であっても1つのバルーン装着装置70で対応すること
ができる。又、各緩挿入孔71〜73には、表示部55
〜57により対応可能な機種名が表示されているため、
誤装着されることが無く、取扱性が良い。
【0078】又、図10に別の体腔内挿入部用バルーン
装着装置の具体例を示す。同図に示すバルーン装着装置
80は、内径の異なる4つの緩挿孔81〜84により十
字型に形成されている。2つずつ二組の緩挿孔81,8
3及び82,84の中心軸はそれぞれ一致していて互い
に直交している。
【0079】又、図11に更に別の体腔内挿入部用バル
ーン装着装置の具体例を示す。同図に示すバルーン装着
装置90は、内径の異なる4つの緩挿孔91〜94によ
り形成されており、2つずつ二組の緩挿孔91,92及
び93,94の中心軸はそれぞれ一致していて互いに平
行に設定されている。
【0080】尚、各具体例において、各バルーン装着装
置70,80,90の緩挿孔を結ぶ中心軸は完全に一
致、直交している必要はなく、それぞれ平行にずれてい
てもよい。
【0081】以上の結果、1つの装置で三種類以上の形
状の体腔内挿入部に設けた先端部に対応できる体腔内挿
入部用バルーン装着装置を、射出成形によって安価に製
造することができる。
【0082】又、バルーン装着装置をT字型、或いは十
字型に形成したので、転がりにくい形状によって紛失や
破損を防ぐようにした体腔内挿入部用バルーン装着装置
を提供することができる。
【0083】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
ポリメチルペンテンで音響透過面上の振動子外装キャッ
プを形成することで、超音波診断の妨げとなる多重反射
を極小するといったポリメチルペンテン本来のもつ優れ
た生体との音響的整合性は維持したまま、振動子外装キ
ャップに作用する衝撃荷重、曲げ応力等の外力に対する
機械的強度を充分に確保することができ、高い安全性及
び信頼性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例による超音波プローブの挿入部先端
の断面図
【図2】第2実施例による超音波プローブの挿入部先端
の断面図
【図3】第3実施例による超音波プローブの挿入部先端
の概略図
【図4】第4実施例による超音波内視鏡の挿入部先端の
概略図
【図5】第5実施例による超音波プローブの挿入部先端
の概略図
【図6】音響インピーダンスと曲げ弾性率との関係を示
す特性図
【図7】音響インピーダンスとロックウェル硬度との関
係を示す特性図
【図8】体腔内挿入部用バルーン装着装置の側面図
【図9】図8の縦断面図
【図10】別の体腔内挿入部用バルーン装着装置の側面
【図11】更に別の体腔内挿入部用バルーン装着装置の
側面図
【符号の説明】
1,11,21,31,41 超音波プローブ 3,13,23,34,43 超音波振動子 6,16,26,36,46 外装キャップ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月26日(2000.1.2
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】この場合、外装キャップは、被検者及び超
音波プローブを操作すると共に、診断する医師の電気的
安全性や被検者生体のアレルギー反応を惹起させない
生物学的安全性を充分満足する材質、例えば樹脂材で構
成されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】このような構成では、上述した粘弾性特性
を有するポリメチルペンテンを基材とする材料を用いて
外装キャップを形成した結果、生体の音響的整合性を
確保しつつ、機械的強度を向上させることができ、実際
の臨床使用の際に外装キャップが受ける程度の衝撃荷
重、曲げ応力では亀裂等が発生することがなく、耐久性
の向上が図られている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G047 CA01 EA07 EA11 GA00 GB36 4C301 EE07 EE12 FF04 GB22 GC13 5D019 AA16 AA18 BB02 EE01 EE02 FF04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外装キャップに内包されている超音波振
    動子を駆動させて超音波画像を得る超音波プローブにお
    いて、 上記外装キャップを、 曲げ弾性率(kg/cm):4500〜6000、 アイゾット衝撃強度(kgcm/cm):50以上、 ロックウェル硬度:30〜50、 の機械的仕様を満足するポリメチルペンテンを基材とし
    た材料で形成したことを特徴とする超音波プローブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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