JPWO2005088836A1 - 弾性表面波装置 - Google Patents

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Abstract

通過帯域が相対的に低い第1のフィルタの高域側におけるフィルタ特性の急峻性及び相対的に通過帯域が高い第2のフィルタの通過帯域低域側のフィルタ特性の急峻性が高められている弾性表面波分波器を提供する。複数の弾性表面波共振子を用いて構成された梯子型回路構成の第1,第2のフィルタ11,12を有し、通過帯域の周波数が相対的に低い第1のフィルタ11が第1の圧電基板13を用いて構成されており、通過帯域の周波数が相対的に高い第2のフィルタ12が第2の圧電基板14を用いて構成されており、第1,第2の圧電基板13,14が、圧電基板13,14が回転YカットX伝搬LiTaO3基板であり、第1の圧電基板13のカット角が第2の圧電基板14のカット角よりも大きい弾性表面波分波器1。

Description

本発明は、通過帯域が相対的に低い第1のフィルタと、通過帯域が相対的に高い第2のフィルタとを接続してなる弾性表面波装置に関し、より詳細には、第1のフィルタが第1の圧電基板を用いて構成されており、第2のフィルタが第1の圧電基板とは異なる第2の圧電基板を用いて構成されている弾性表面波装置に関する。
近年、携帯電話機などにおいて用いられている分波器の小型化が進んでいる。この種の分波器の小型化を進めるために、複数の弾性表面波共振子を用いて構成された弾性表面波フィルタが広く用いられている。
分波器では、通過帯域が相対的に低い、例えば送信側フィルタと、通過帯域が相対的に高い例えば受信側フィルタとが接続されている。この場合、両フィルタの通過帯域が近接している場合には、通過帯域が低い側のフィルタの通過帯域の高域側におけるフィルタ特性の急峻性が高められる必要がある。また、通過帯域が高い側のフィルタの通過帯域の低域側においてフィルタ特性の急峻性が高められる必要がある。
下記の特許文献1には、このような用途に用いられる弾性表面波分波器の一例が開示されている。
図12は、特許文献1に記載の弾性表面波分波器を示す模式的平面図である。
図12に示す弾性表面波分波器101では、小型化及び低コスト化を果たすために、同一圧電基板102上に、第1,第2のフィルタ103,104が構成されている。すなわち、圧電基板102上に、複数の弾性表面波共振子を構成するための電極を形成することにより、通過帯域が相対的に低い第1のフィルタ103が形成されており、他方、同じく圧電基板102上に複数の弾性表面波共振子を構成するための電極を形成することにより、通過帯域が相対的に高い第2のフィルタ104が形成されている。
また、特許文献1には、通過帯域が異なる第1,第2のフィルタを、異なる圧電基板上に構成した構造も開示されている。
特開平4−369111号公報
しかしながら、特許文献1には、相対的に通過帯域の周波数が低い第1のフィルタと、相対的に通過帯域の周波数が高い第2のフィルタとを、別の圧電基板上に構成する場合、どのような圧電基板を用いるかについては何ら開示されていない。
特許文献1に記載されているように、従来、送信側フィルタ及び受信側フィルタを同一圧電基板上に形成した構造や、送信側フィルタ及び受信側フィルタを異なる圧電基板を用いて構成した構造が知られていた。また、この種の弾性表面波分波器では、主に伝搬減衰定数が最小となるカット角の圧電基板を用いて構成されていた。そして、送信側フィルタ及び受信側フィルタが別々の圧電基板を用いて構成されている場合にも、通常、伝搬減衰定数が最小となるカット角を有する同一材料からなる2枚の圧電基板が使用されていた。
しかしながら、同一材料からなる2枚の圧電基板を用いて送信側フィルタ及び受信側フィルタを構成した構造では、送信側フィルタと受信側フィルタとの通過帯域が近接した分波器などに用いた場合、フィルタ特性の急峻性が十分ではなく、良好な周波数特性を得ることが困難であった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、周波数が相対的に低い第1のフィルタの通過帯域高域側におけるフィルタ特性の急峻性及び通過帯域が相対的に高い第2のフィルタの通過帯域低域側のフィルタ特性の急峻性が効果的に高められており、互いの通過帯域が近接している用途に用いられた場合でも、良好な周波数特性を得ることを可能とする弾性表面波装置を提供することにある。
本発明によれば、第1の圧電基板において複数の弾性表面波共振子がラダー型回路構成を有するように接続されており、相対的に通過帯域の周波数が低い第1のフィルタと、第2の圧電基板において複数の弾性表面波共振子がラダー型回路構成を有するように接続されており、相対的に通過帯域の周波数が高い第2のフィルタとを備えた弾性表面波装置において、前記第1,第2の圧電基板は、回転YカットX伝搬LiTaO基板であり、前記第1の圧電基板のカット角が、前記第2の圧電基板のカット角よりも大きいことを特徴とする、弾性表面波装置が提供される。
本発明のより限定的な局面では、上記第1のフィルタに用いられている第1の圧電基板は、カット角が45°以上の回転YカットX伝搬LiTaO3基板であり、第2のフィルタに用いられている第2の圧電基板が、カット角が45°未満の回転YカットX伝搬LiTaO3基板である。
また、本発明に係る弾性表面波装置では、好ましくは、第1,第2のフィルタが、第1,第2の圧電基板上に形成されたそれぞれ第1,第2の電極を有し、第1,第2の電極の密度を、それぞれ、ρ1,ρ2(g/cm3)、第1,第2のフィルタの波長をλ1、λ2(μm)としたとき、第1の電極の膜厚が0.18×λ1/ρ1〜0.40×λ1/ρ1、第2の電極の膜厚が0.27×λ2/ρ2〜0.53×λ2/ρ2の範囲とされている。
本発明のより特定的な局面では、第1,第2の電極が、Cuからなり、第1の電極の厚みが0.02λ1〜0.045λ1の範囲とされており、第2の電極の厚みが、0.03λ2〜0.06λ2の範囲とされている。
本発明に係る弾性表面波装置では、好ましくは、第1,第2の圧電基板上に、温度特性を改善するためのSiO2膜が形成される。
好ましくは、SiO2の膜厚は、第1,第2のフィルタの各波長の5〜50%の範囲とされる。
また、好ましくは、SiO2膜の表面は平坦化されている。
本発明に係る弾性表面波装置は、例えばデュプレクサとして好適に用いられる。
本発明に係る弾性表面波装置では、通過帯域が相対的に低い第1のフィルタにおける第1の圧電基板に回転YカットX伝搬LiTaO基板が用いられており、通過帯域が相対的に高い第2のフィルタにおける上記第2の圧電基板にも回転YカットX伝搬LiTaO基板が用いられている。LiTaO基板の電気機械結合係数は大きいため、本発明によれば低損失の弾性表面波装置を提供できる。
また、第1の圧電基板のカット角が、第2の圧電基板のカット角より大きいので、第1,第2のフィルタのフィルタ特性の急峻性を効果的に高めることができる。特に、第1の圧電基板のカット角が45°以上である場合には、第1のフィルタを構成する弾性表面波共振子の反共振Qが共振Qよりも高められ、第1のフィルタの通過帯域高域側の急峻性を効果的に高めることができる。また、第2の圧電基板のカット角が45°未満である場合には、第2のフィルタを構成する弾性表面波共振子の共振Qが反共振Qよりも高められ、第2のフィルタの通過帯域低域側の急峻性を効果的に高めることができる。
第1のフィルタの電極の厚みが0.18×λ1/ρ1〜0.40×λ1/ρ1、第2のフィルタの電極の厚みが0.27×λ2/ρ2〜0.53×λ2/ρ2とされている場合には、第1のフィルタの弾性表面波共振子の反共振Qを効果的に高めることができ、かつ第2のフィルタにおける弾性表面波共振子の共振Qを効果的に高めることができる。従って、より一層良好な周波数特性を得ることができる。
また、本発明において、第1,第2の圧電基板上にSiO2膜が形成されている場合には、SiO2膜により周波数温度特性を改善することができる。特に、SiO2膜の膜厚が、波長の5〜50%の範囲である場合には、周波数温度係数をより一層効果的に改善することができる。
SiO2膜の上面が平坦化されている場合には、SiO2膜の上面が電極構造を反映して凹凸を有するように構成されている場合に比べて、通過帯域内における所望でないリップル等の抑圧を図ることがき、良好な周波数特性を得ることができる。
図1は、(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る弾性表面波分波器の第1のフィルタ及び第2のフィルタの模式的平面図である。 図2は、本発明の一実施形態の弾性表面波分波器の回路構成を示す回路図である。 図3は、PCS用弾性表面波デュプレクサにおける送信側フィルタの従来の代表的な周波数特性の一例を示す図である。 図4は、PCS用弾性表面波デュプレクサにおける受信側フィルタの従来の代表的な周波数特性の一例を示す図である。 図5は、1ポート型弾性表面波共振子のインピーダンス−周波数特性を示す図である。 図6は、1ポート型弾性表面波共振子の位相−周波数特性を示す図である。 図7は、1ポート型弾性表面波共振子の共振Q値と、ラダー型フィルタの通過帯域よりも低域側におけるフィルタ特性の急峻性との関係を示す図である。 図8は、1ポート型弾性表面波共振子の反共振Q値と、ラダー型フィルタの通過帯域よりも高域側におけるフィルタ特性の急峻性との関係を示す図である。 図9は、回転YカットX伝搬のLiTaO3基板のカット角と、共振Q値及び反共振Q値との関係を示す図である。 図10は、Cuからなる電極膜厚と、反共振Q値との関係を示す図である。 図11は、Cuからなる電極膜厚と、共振Q値との関係を示す図である。 図12は、従来の弾性表面波分波器の一例を示す模式的平面図である。
符号の説明
1…弾性表面波分波器
11…第1のフィルタ
12…第2のフィルタ
13…第1の圧電基板
14…第2の圧電基板
S11a〜S11c…直列腕共振子
P11a,P11b…並列腕共振子
L11a,L11b…インダクタンス素子
C11…コンデンサ素子
ANT…アンテナ
S12a〜S12c…直列腕共振子
P12a〜P12d…並列腕共振子
L12a,L12b…インダクタンス素子
C12a,C12b…コンデンサ素子
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る弾性表面波分波器に用いられる第1,第2の模式的平面図であり、図2は、その回路構成を示す図である。
本実施形態の弾性表面波分波器1は、PCS用のデュプレクサである。PCSの場合、送信側通過帯域は1850〜1910MHz、受信側通過帯域は1930〜1990MHzである。そこで、弾性表面波分波器1では、送信側の第1のフィルタ11が、上記通過帯域を有し、受信側の相対的に通過帯域が高い第2のフィルタ12が、1930〜1990MHzの通過帯域を有するように構成されている。
図2に示されているように、第1,第2のフィルタ11,12は、それぞれ、複数の弾性表面波共振子をラダー型回路構成を有するように接続した構造を有する。ここでは、第1のフィルタ11が、直列腕共振子S11a,S11b,S11cと、並列腕共振子P11a,P11bとを有する。他方、第2のフィルタ12は、複数の直列腕共振子S12a,S12b,S12c及び並列腕共振子P12a,P12b,P12c,P12dを有する。
なお、第1のフィルタ11においては、並列腕共振子P11a,P11bとアース電位との間に、それぞれ、インダクタンスL11a,L11bが接続されている。また、アンテナ入力端子ANTと、直列腕共振子S11aとの間にコンデンサC11が接続されている。他方、第2のフィルタ12側においては、アンテナ入力端子ANTと、第2のフィルタ12の入力端との間に、インピーダンス整合を図るために整合回路が接続されている。この整合回路は、アンテナ入力端子ANTと、第2のフィルタ12との間に挿入されたインダクタンス素子L12aと、インダクタンス素子L12aの両端とアース電位との間にそれぞれ接続されたコンデンサ素子C12a,C12bとを有する。また、直列腕共振子S12cに並列にインダクタンス素子L12bが接続されている。
図1(a)及び(b)に示すように、直列腕共振子S11a〜S11c,並列腕共振子P11a,P11b及び直列腕共振子S12a〜S12c及び並列腕共振子P12a〜P12dは、それぞれ、インターデジタル電極と、インターデジタル電極の表面波伝搬方向両側に配置された反射器とを有する1ポート型弾性表面波共振子により構成されている。
本実施形態では、第1のフィルタ11が、第1の圧電基板13を用いて構成されている。すなわち、第1の圧電基板13上に、各種電極を形成することにより、図2に示した第1のフィルタ11の回路構成が実現されている。他方、第2のフィルタ12では、第2の圧電基板14が用いられている。第2の圧電基板14上に各種電極を形成することにより、図2に示されている第2のフィルタ12の回路構成が実現されている。
また、本実施形態の弾性表面波分波器1では、上記第1の圧電基板13として、第1のフィルタ11に使用される弾性表面波共振子の反共振Qが該弾性表面波共振子の共振Qよりも大きくなる圧電基板が用いられており、第2の圧電基板14として、第2のフィルタ12に使用される弾性表面波共振子の共振Qが該弾性表面波共振子の反共振Qよりも大きくなる圧電基板が用いられており、それによって第1のフィルタ通過帯域高域側のフィルタ特性の急峻性及び第2のフィルタの通過帯域低域側のフィルタ特性の急峻性が高められている。これを、以下において説明する。
一般的なPCS用の送信フィルタ及び受信フィルタの周波数特性の代表例を図3及び図4にそれぞれ示す。PCSの場合、送信側通過帯域と受信側通過帯域との間の周波数間隔が20MHzと非常に狭くなっている。送信側フィルタでは1930〜1990MHz帯及び受信側フィルタでは1850〜1910MHz帯において、十分な減衰量を有する必要がある。従って、送信側フィルタでは、通過帯域高域側においてすなわち図3の矢印Aで示す領域において、並びに、受信側フィルタでは、通過帯域低域側すなわち図4の矢印Bで示す領域においてフィルタ特性の急峻性が効果的に高められることが求められる。本実施形態の弾性表面波分波器1では、この要求を満たすことができる。これを以下において説明する。
図5及び図6は、2種の1ポート型弾性表面波共振子の代表的なインピーダンス特性及び位相特性の一例を示す図であり、図7は、弾性表面波共振子の共振Q値と、複数の弾性表面波共振子を用いたラダー型フィルタにおける通過帯域低域側のフィルタ特性の急峻性との関係を示す図である。なお、図7の縦軸の急峻性とは、(減衰量が3.0dBである周波数)−(減衰量50dBである周波数)で表される。
図7から明らかなように、弾性表面波共振子の共振Qが良好であるほどラダー型フィルタの通過帯域低域側における急峻性が高められることがわかる。
他方、図8は、弾性表面波共振子の反共振Q値と、ラダー型フィルタの通過帯域高域側における急峻性との関係を示す図である。なお、図8における縦軸の急峻性は、減衰量が3.0dBの周波数−減衰量が40dBの周波数である。図8から明らかなように、弾性表面波共振子の反共振Qが良好であるほどラダー型フィルタの通過帯域高域側における急峻性が高められることがわかる。
そこで、様々な回転角のYカット−X伝搬LiTaO3基板を用い、種々の1ポート型弾性表面波共振子を作製し、共振Q及び反共振Q値を求めた。結果を図9に示す。なお、弾性表面波共振子を構成するための電極は、Cuにより構成し、その膜厚は波長の4.0%(80nm)とした。また、IDT電極の線幅は0.5μm、波長は約2μmとした。また、IDT電極の表面波伝搬方向の両側に、同じく線幅0.5μm及び膜厚4.0%の一対の反射器をCuを用いて作製した。さらに、これらの電極を覆うように、SiO2膜を温度特性を改善するために成膜した。SiO2膜の膜厚は波長の20%、400nmとした。
図9から明らかなように、1ポート型弾性表面波共振子のカット角を異ならせることにより、共振Q及び反共振Qが変化することがわかる。そして、共振Qが良好なカット角と、反共振Qが良好なカット角が異なることがわかる。他方、図7及び図8から明らかなように、共振Qを高めることにより、通過帯域低域側の急峻性を高めることができ、反共振Qを高めることにより、通過帯域高域側におけるフィルタ特性の急峻性を高めることがきる。従って、通過帯域が相対的に低い第1のフィルタにおいて、高域側のフィルタ特性の急峻性を高めるには、使用する弾性表面波共振子の反共振Qを高めればよく、そのためには、図9よりカット角の大きな圧電基板を用いることが好ましいことがわかる。逆に、通過帯域が相対的に第2のフィルタにおいて、フィルタ側のフィルタ特性の急峻性を高めるには、弾性表面波共振子の共振Qを高めればよく、そのためには、図9から、カット角の小さな圧電基板を用いることが望ましいことがわかる。
そこで、本実施形態の弾性表面波分波器1では、第1のフィルタ11に用いられている第1の圧電基板13が、第2の圧電基板14よりもカット角が大きなYカット−X伝搬のLiTaO3基板を用いて構成されている。従って、本実施形態によれば、第1のフィルタの通過帯域高域側及び第2のフィルタ12の通過帯域低域側におけるフィルタ特性の急峻性を効果的に高めることができる。
従来、送信側フィルタ及び受信側フィルタは、前述した特許文献1に記載のように、同一の圧電基板に構成されていることがあった。この場合、圧電基板のカット角は同じにならざるを得ず、従って共振Q及び反共振Qを高めようとした場合、カット角が45°付近のLiTaO3基板が用いられていた。しかしながら、このような構成では、送信側フィルタの高域側及び受信側フィルタの通過帯域低域側における急峻性をさほど高めることはできなかった。
これに対して、本実施形態の弾性表面波分波器では、上記のように、第1,第2の圧電基板13,14のカット角が上記のように選択されているため、第1のフィルタ11及び第2のフィルタ12の通過帯域の相手側通過帯域側の阻止域における急峻性を効果的に高めることができる。
なお、図9から明らかなように、弾性表面波共振子の共振Q及び反共振Qの値は、回転YカットX伝搬LiTaO3基板では、カット角が45°付近で交叉している。そして、カット角が45°以上で反共振Qが高くなり、カット角が45°未満で共振Qが高くなる。従って、好ましくは、第1の圧電基板13が、カット角が45°以上の回転YカットX伝搬LiTaO3基板を用いて構成され、第2の圧電基板14が、カット角が45°未満の回転YカットX伝搬LiTaO3基板を用いて構成されていることが望ましい。
上記のように、本実施形態の弾性表面波分波器では、通過帯域が相対的に低い第1のフィルタ11と、通過帯域が相対的に高い第2のフィルタ12において異なるカット角の圧電基板13,14を用いることにより、それぞれに最適な反共振Q及び共振Qを実現し得る圧電基板を用いることができる。そのため、第1のフィルタの通過帯域高域側及び第2のフィルタ12の通過帯域低域側におけるフィルタ特性の急峻性を効果的に高めることができる。
なお、上記実施形態では、各弾性表面波共振子のIDT電極をCuにより構成した。本願発明者はこの電極膜厚を変化させた場合、弾性表面波共振子の共振Q及び反共振Qが変化することを見出した。図10及び図11は、Cuからなる電極膜厚を変化させた場合の1ポート型弾性表面波共振子の反共振Q及び共振Qの変化を示す図である。なお、圧電基板としては、カット角が図10が42°、図11が46°である回転YカットX伝搬LiTaO3基板を用い、膜厚を除く電極の構成は上記実施形態の場合と同様とした。また、電極膜厚は電極指周期により定まる波長に対する割合(%)で示した。図10及び図11から明らかなように、Cuからなる電極膜厚を変化させることにより、共振Q及び反共振Qが変化することがわかる。図10から、電極膜厚が波長の2〜4.5%の範囲であれば、反共振Q値が700以上と良好であり、図11から明らかなように、電極膜厚が波長の3〜6%であれば、共振Q値が700以上と良好である。
従って、第1のフィルタでは、Cuからなる電極膜厚を波長の2〜4.5%とし、第2のフィルタ12では、Cuからなる電極膜厚を3〜6%の範囲とすれば共振Q値を700以上と良好な値とし得ることがわかる。よって、好ましくは、Cuからなる電極膜厚は第1のフィルタ11において、波長の2〜4.5%の範囲とされ、第2のフィルタ12において、波長の3〜6%の範囲とすることが望ましい。
なお、図10及び図11は、電極がCuからなる場合の結果を示したが、本発明においては電極はCu以外の金属、例えばCu合金、Cu以外の金属もしくは合金、あるいは複数の金属膜を積層した積層金属膜などにより構成してもよい。このような場合、電極の密度ρと、銅の密度ρCuとの関係から上記好ましい膜厚を換算すればよい。すなわち、電極の平均密度がρである場合、その電極の好ましい膜厚範囲は、Cuの密度ρCu=8.9(g/cm3)に基づき、第1のフィルタ11における電極膜厚の好ましい範囲及びフィルタにおいて共振Qを高め得る好ましい電極膜厚範囲を求めればよい。式(1),(2)において、λ1,λ2は、それぞれ、第1,第2のフィルタの電極の電極指周期により定まる波長であり、ρ1,ρ2はそれぞれ第1,第2のフィルタの電極の密度である。また、電極が複数の金属の多層構造または合金等で構成されている場合には、電極全体の平均密度を求めて電極の密度にすればよい。
式(1)
第1のフィルタにおける好ましい電極膜厚範囲=0.18×λ1/ρ1〜0.40×λ1/ρ1
式(2)
第2のフィルタにおける好ましい電極膜厚範囲=0.27×λ2/ρ2〜0.53×λ2/ρ2
なお、本発明に係る弾性表面波装置は、上記PCS用のデュプレクサに限らず様々な分波器やデュプレクサに用いることができる。
また、圧電基板としては、LiTaO3基板に限らず、LiNbO3基板などの他の圧電単結晶基板を用いることも可能である。

Claims (8)

  1. 第1の圧電基板において複数の弾性表面波共振子がラダー型回路構成を有するように接続されており、相対的に通過帯域の周波数が低い第1のフィルタと、第2の圧電基板において複数の弾性表面波共振子がラダー型回路構成を有するように接続されており、相対的に通過帯域の周波数が高い第2のフィルタとを備えた弾性表面波装置において、
    前記第1,第2の圧電基板は、回転YカットX伝搬LiTaO基板であり、
    前記第1の圧電基板のカット角が、前記第2の圧電基板のカット角よりも大きいことを特徴とする、弾性表面波装置。
  2. 前記第1の圧電基板が、カット角が45°以上の回転YカットX伝搬LiTaO3基板からなり、前記第2の圧電基板が、カット角が45°未満の回転YカットX伝搬LiTaO3基板からなる、請求項1に記載の弾性表面波装置。
  3. 前記第1,第2のフィルタが、それぞれ、第1,第2の圧電基板上に形成されたフィルタ構成用の第1,第2の電極を有し、
    前記第1,第2の電極の密度を、それぞれ、ρ1,ρ2(g/cm3)とし、第1,第2のフィルタの電極の電極指の周期で測定される波長をそれぞれ、λ1、λ2(μm)としたとき、第1の電極の膜厚が、0.18×λ1/ρ1〜0.40×λ1/ρ1の範囲にあり、第2の電極の厚みが0.27λ2/ρ2〜0.53×λ2/ρ2の範囲にある、請求項1または2に記載の弾性表面波装置。
  4. 前記第1,第2の電極が、Cuからなり、前記第1の電極の厚みが、0.02λ1〜0.045λ1の範囲にあり、第2の電極の厚みが、0.03λ2〜0.06λ2の範囲にある、請求項3に記載の弾性表面波装置。
  5. 前記第1,第2の圧電基板上に形成されており、温度特性を改善するためのSiO2膜をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
  6. 前記SiO2の膜厚が、第1,第2のフィルタの波長の5〜50%の範囲にある、請求項5に記載の弾性表面波装置。
  7. 前記SiO2膜の上面が平坦化されていることを特徴とする、請求項5または6に記載の弾性表面波装置。
  8. デュプレクサである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
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