JP2004165879A - 弾性表面波素子 - Google Patents

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恭輔 尾崎
Satoshi Waga
聡 和賀
Haruhiko Fujimoto
晴彦 藤本
Takashi Sato
崇 佐藤
Yutaka Matsuo
裕 松尾
Takeshi Ikeda
剛 池田
Kazuaki Kaneko
一明 金子
Takuo Kudo
拓夫 工藤
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Abstract

【課題】GHz帯域において、挿入損失が少なく、共振特性が良好な弾性表面波素子を提供する。
【解決手段】くし歯状電極部13,14をCu合金を用いて形成し、圧電基板12のX軸方向に伝搬する表面波の波長をλ、くし歯状電極部13,14の膜厚をHとしたとき、くし歯状電極部13,14の規格化膜厚H/λを0.045以上で0.070以下にし、圧電基板12をX軸を中心とするY軸からZ軸方向への回転切断角度θが、52.0°以上で58.0°以下の回転YカットLiTaO基板とすることにより、反射係数S11の値を0.88以上にする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高周波帯域における共振特性を向上させることのできる弾性表面波素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性表面波素子は機械的振動エネルギーが固体表面付近にのみ集中して伝搬する弾性表面波を利用した電子部品であり、フィルタ、共振器またはデュプレクサなどを構成するために用いられる。
【0003】
近年、携帯電話などの移動体通信端末の小型化及び軽量化が急速に進んでおり、これらの移動体通信端末に実装される電子部品の小型化が要求されている。
【0004】
弾性表面波素子は、圧電基板の表面上に、導電性で比重の小さい材料からなる一対のくし歯状電極(IDT(インタディジタルトランスデューサ)電極)を対向させ、それぞれのくし歯部を互い違いに並べる構成を有している。このような単純な構造を有する弾性表面波素子は移動体通信端末に実装されるフィルタ、共振器またはデュプレクサを小型化するために非常に適した素子である。
【0005】
従来の弾性表面波素子では、表面波の励振効率が高く、また高周波帯域において表面波の伝搬損失が小さい圧電基板材料として、LiTaO単結晶の36°回転Yカット板を表面波の伝搬方向がX方向になるようにして用いていた。
【0006】
表面波の周波数が数百MHz以下の帯域のとき、LiTaO単結晶の36°回転Yカット板を用いた圧電基板によって形成された弾性表面波素子は、表面波の励振効率が高く、またこのような高周波帯域において表面波の伝搬損失が小さいものである。
【0007】
しかし、近年、携帯電話などでGHz帯域の動作が必要とされるようになると、LiTaO単結晶の36°回転Yカット板を用いた圧電基板によって形成された弾性表面波素子が必ずしも最適なものではないことが分かってきた。
【0008】
GHz帯域での動作になると、電極膜厚を増加させることにより、みかけ上の電気機械結合係数を増大させ、フィルタの広帯域化が可能であるが、電極から基板内部に向かって放射されるバルク波が増大し、表面波の伝搬損失が増大することが、特許文献1に記載されている。すなわち、GHz帯域での動作では、電極の付加質量の効果が顕著に現れることが記載されている。
【0009】
また、特許文献1には、GHz帯域では、電極の付加質量の効果が現れるため、弾性表面波素子の伝搬損失を最小にするために、圧電基板の材料として用いられるLiTaO単結晶のカット角θを36°より大きく、具体的には39°〜46°にするとよいことが示されている。
【0010】
また、従来の弾性表面波素子のくし歯状電極部の材料には、導電性でかつ比重の小さなAlまたはAlを主成分とする合金が一般的に用いられてきた。
【0011】
しかし、弾性表面波素子を、例えば、送信増幅器の後段に位置し、大きな電力が印加されるRF部(高周波部)のアンテナデュプレックサとして用いるためには、高い耐電力性が要求される。さらに、移動体通信端末の高周波化に伴い、弾性表面波素子の動作周波数を数百MHzから数GHzにすることも要求されている。
【0012】
そこで、くし歯状電極部をAlまたはAlを主成分とする合金によって形成する代わりに、CuまたはCuを主成分とする合金によって形成することも提案されている。
【0013】
例えば、特許文献2には、低抵抗でかつストレスマイグレーション耐性の高いCuまたはCuを主成分とする合金によって、弾性表面波素子のくし型電極部を形成することが記載されている。
【0014】
【特許文献1】
特開2001−251157号公報(第4頁、第7図、第8図、第5頁、第12図、第6頁)
【特許文献2】
特開2002−26685号公報(第3頁、第1図)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際に弾性表面波素子を形成して、圧電基板の材料として用いられるLiTaO単結晶のカット角θと最小挿入損失との関係を調べた結果は、特許文献1の図8及びその説明である明細書の段落(0035)、(0036)に記載されているだけである。この結果は、特許文献1の図7に示された弾性表面波フィルタを用いて得られたものであり、櫛型電極の膜厚を励振される弾性表面波の10%に相当する約0.4μmに固定した場合の結果である。
【0016】
また、特許文献1では、電極膜厚と弾性表面波フィルタの伝搬損失との関係を図12及びその説明である明細書の段落(0046)、(0047)に示している。しかし、図12の結果は櫛型電極をAlあるいはAl−1%Cu合金を用いて形成した条件下における伝搬損失の計算値であって、実験値ではない。
【0017】
また、特許文献1の段落(0050)には櫛型電極をCuを用いて形成するときの好ましい電極膜厚の範囲が記載されている。しかし、特許文献1には、この膜厚範囲を規定した根拠となる実験値、或は計算値のいずれも記載されていない。
【0018】
すなわち、これまで、圧電基板の材料としてLiTaO単結晶を用い、電極の材料にCuまたはCu合金を用いた弾性表面波素子を形成する際、優れた特性を得るための、LiTaO単結晶のカット角θと電極膜厚の関係を求めることは可能になっていなかった。
【0019】
本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、実際に形成された弾性表面波素子の共振特性を測定することによって特定された所定の値のカット角のLiTaO単結晶からなる圧電基板と、所定の値の規格化膜厚の電極を有することにより、挿入損失を抑制しつつ、GHz帯域における共振特性を従来よりも向上させることのできる弾性表面波素子を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、圧電基板と、前記圧電基板表面に表面波を励起する電極部、並びに前記表面波を反射させる反射器を有する弾性表面波素子において、
前記電極部は、くし歯状電極部及び前記くし歯状電極部に接続された接続電極部を有しており、前記くし歯状電極部は、薄膜形成されたCuまたはCu合金からなる層を有し、前記表面波の波長をλ、前記くし歯状電極部の膜厚をHとしたとき、前記くし歯状電極部の規格化膜厚H/λが0.045以上で0.070以下であり、前記圧電基板は、X軸を中心とするY軸からZ軸方向への回転切断角度θが、52.0°以上で58.0°以下の回転YカットLiTaO基板であって、前記圧電基板のX軸方向に前記表面波が伝搬されることを特徴とするものである。
【0021】
本発明における、くし歯状電極部の規格化膜厚H/λと前記圧電基板の回転切断角度θの値は、弾性表面波素子の反射係数S11の値を評価基準として求められている。
【0022】
反射係数S11は、弾性表面波共振器の信号入力電極と接地電極との間に信号を印加したときの入射電圧に対する反射電圧の比で求められ、理想的な共振器の場合、反共振周波数において反射係数S11は1となる。これは、反共振周波数において、インピーダンスが無限大となり、共振器のQが無限大であることを意味するので、反射係数S11が1に近づくほど特性の優れた共振器になる。
【0023】
具体的には、反共振周波数の入力信号を弾性表面波素子に入力したときに、S11が0.88以上になるような、くし歯状電極部の規格化膜厚H/λの値と前記圧電基板の回転切断角度θの値を求め、本発明の弾性表面波素子を特定した。
【0024】
これにより、本発明の弾性表面波素子であれば、GHz帯域の高周波信号において良好な共振特性を確実に発揮することができる。従って、本発明の弾性表面波素子を用いると、急峻な減衰特性を示すフィルタを形成することができる。
【0025】
また、本発明の弾性表面波素子はくし歯状電極部をCuまたはCu合金を用いて形成している。従って、くし歯状電極部を微細化しても抵抗増加を抑えることができ、フィルターの挿入損失を小さくすることができる。また高周波化によって応力が増大した場合でもCu原子の移動が発生しづらく、弾性表面波素子のストレスマイグレーション耐性を向上させることができる。
【0026】
さらに、本発明では、規格化膜厚H/λを0.045以上で0.070以下と厚くすることができるので、前記電極部における抵抗を小さくでき、弾性表面波素子の挿入損失を抑制することができる。
【0027】
なお、前記くし歯状電極部の規格化膜厚H/λを0.050以上で0.065以下とし、前記圧電基板を、X軸を中心とするY軸からZ軸方向への回転切断角度θが、52.4°以上で58.0°以下である回転YカットLiTaO基板にすると、反共振周波数の入力信号を入力したときに、S11が0.90以上を示し、GHz帯域の高周波信号における共振特性がさらに良好になる弾性表面波素子を得ることができる。
【0028】
または、前記くし歯状電極部の規格化膜厚H/λを0.050以上で0.065以下とし、前記圧電基板を、X軸を中心とするY軸からZ軸方向への回転切断角度θが、50.0°以上で59.5°以下である回転YカットLiTaO基板として、前記圧電基板のX軸方向に前記表面波が伝搬される弾性表面波素子を形成しても、反共振周波数の入力信号を入力したときのS11を0.88以上にすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態の弾性表面波素子を示す平面図である。
【0030】
符号11は弾性表面波素子を示しており、この弾性表面波素子は共振器としての機能を有している。
【0031】
符号12は、圧電基板を示している。本実施の形態では、圧電基板12はLiTaOによって形成されている。
【0032】
圧電基板12上に、くし歯状電極部13及びくし歯状電極部14が形成されている。くし歯状電極部13及びくし歯状電極部14には、それぞれ図示X3方向と逆方向に延びるくし歯部13a、及び図示X3方向に延びるくし歯部14aが形成されている。くし歯状電極部13のくし歯部13aとくし歯状電極部14のくし歯部14aは、所定の間隔をあけて図示X方向に互い違いに並べられている。
【0033】
また、くし歯状電極部13及びくし歯状電極部14には、弾性表面波素子を外部の回路と接続するための接続電極部15、16が電気的に接続されている。
【0034】
くし歯状電極部13と接続電極部15が電極部17を構成し、くし歯状電極部14と接続電極部16が電極部18を構成している。
【0035】
図1に示される実施の形態では、くし歯状電極部13のくし歯部13aとくし歯状電極部14のくし歯部14aは同じ幅寸法W1を有しており、間隔幅P1も一定の値である。また、くし歯部13aとくし歯部14aはL1の長さ寸法で交差している。なお、幅寸法W1は0.1μm以上で1.5μm以下、間隔幅P1は0.1μm以上で1.5μm以下、長さ寸法L1は16μm以上で100μm以下である。
【0036】
本実施の形態では、くし歯状電極部13及びくし歯状電極部14が、CuまたはCu合金によって形成されている。なお、ここでいうCu合金とは、例えば、Cu中に少量のAg、Sn、Cを含有する合金である。添加元素であるAg、Sn、Cの含有量は、Cu合金の比重が純粋なCuの比重とほとんど同じになる範囲であればよい。具体的には、Cu合金中の添加元素の質量%が0.5質量%以上10.0質量%以下であれば、このCu合金の比重は、純粋なCuの比重とほとんど同じになる。
【0037】
さらに、くし歯状電極部13及びくし歯状電極部14の図示X方向と図示X方向の反対側に所定の距離をおいて、長方形状の電極(ストリップ)19aが図示X方向に複数並べられた反射器19,19が形成されている。図1では、反射器19を構成する各電極の端部どうしは開放されている。ただし、反射器19を構成する各電極の端部どうしは、短絡されていてもよい。
【0038】
接続電極部15、16及び反射器19,19は、くし歯状電極部13,14と同じ材料で形成されてもよいし、Auなど他の導電性材料によって形成されてもよい。
【0039】
なお、くし歯状電極部13、14、接続電極部15、16、反射器19,19はスパッタ法や蒸着法などの薄膜形成プロセス及びレジストフォトリソグラフィによるパターン形成によって形成される。また、くし歯状電極部13,14及び反射器19,19の下層にTiなどの下地膜が設けられてもよい。また、くし歯状電極部13,14及び反射器19,19の上層にCrなどからなる酸化防止のための保護層が形成されてもよい。
【0040】
弾性表面波素子11の接続電極部15または接続電極部16の一方を接地側とし、もう一方から高周波信号を入力すると、圧電基板12の表面に表面波が励起され、この表面波が図示X方向及び図示X方向と反平行方向に進行する。前記表面波は反射器19,19によって反射されて、くし歯状電極部13,14に戻って来る。弾性表面波素子11は、共振周波数と反共振周波数を有しており、反共振周波数において最もインピーダンスが高くなる。
【0041】
図2に結晶軸X,Y,Zを有するLiTaO単結晶を、結晶軸Xの回りでY軸からZ軸方向に回転角θだけ傾けた角度で切り出した状態を示す。このような圧電基板をθ回転YカットLiTaO基板という。なお、角度θのことを回転切断角度またはカット角と言い表す。
【0042】
本実施の形態の弾性表面波素子は、前記表面波の波長をλ、前記くし歯状電極部の膜厚をHとしたとき、前記くし歯状電極部の規格化膜厚H/λが0.045以上で0.070以下であり、前記圧電基板は、X軸を中心とするY軸からZ軸方向への回転切断角度θ(カット角)が、52.0°以上で58.0°以下の回転YカットLiTaO基板である。
【0043】
上記したように、GHz帯域のような高周波領域では、くし歯状電極部13、14の膜厚Hが圧電基板12の表面に励起される表面波の波長に対して無視できなくなる。すなわち、くし歯状電極部13、14の付加質量効果が顕著に現れる。
【0044】
後述する実施例において実験的に証明するが、くし歯状電極部13,14の規格化膜厚H/λ及び回転YカットLiTaO基板の回転切断角度(カット角)θが上記範囲内であると、弾性表面波素子11の反共振周波数における反射係数S11が0.88以上になる。
【0045】
すなわち、反共振周波数における弾性表面波素子11の入力インピーダンスが大きくなり、表面波の減衰が少なくQの高い共振器を形成することができる。従って、弾性表面波素子11を用いることにより、急峻な減衰特性を示すフィルタを形成することができる。
【0046】
また、本発明の弾性表面波素子は、くし歯状電極部13,14をCuまたはCu合金を用いて形成している。従って、くし歯状電極部13,14を微細化しても抵抗増加を抑えることができ、また高周波化によって応力が増大した場合でもCu原子の移動が発生しづらく、弾性表面波素子11のストレスマイグレーション耐性を向上させることができる。
【0047】
さらに、規格化膜厚H/λが0.045以上で0.070以下と厚くなっているため、くし歯状電極部13,14における抵抗を小さくでき、弾性表面波素子11の挿入損失を抑制することができる。
【0048】
なお、くし歯状電極部13,14の規格化膜厚H/λを0.050以上で0.065以下とし、圧電基板12を52.4°以上で58.0°以下の回転切断角度θの回転YカットLiTaO基板とすれば、反共振周波数の入力信号を入力したときに、S11が0.90以上を示し、GHz帯域の高周波信号における共振特性がより良好になる。
【0049】
また、くし歯状電極部13,14の規格化膜厚H/λを0.050以上で0.065以下とし、圧電基板12を、カット角が50.0°以上で59.5°以下の回転YカットLiTaO基板として、圧電基板のX軸方向に表面波が伝搬される弾性表面波素子を形成しても、反共振周波数の入力信号を弾性表面波素子に入力したときのS11を0.88以上にすることができる。
【0050】
図3及び図4に、図1に示される弾性表面波素子11を用いて形成したフィルタの構成例を示す。
【0051】
図3において符号R1、R2、R3で示すものは、図1に示す弾性表面波素子11を1つの単位として記号化したものである。図3に示すフィルタは、いわゆるT型フィルタであり、3つの弾性表面波素子を接続したものであり、弾性表面波素子R1と弾性表面波素子R2がそれぞれの接続電極部を介して直列接続されており、弾性表面波素子R1の一方の接続電極が入力側端子inとされ、弾性表面波素子R2の一方の接続電極が出力側端子outとされている。弾性表面波素子R3の一方の接続電極は、弾性表面波素子R1と弾性表面波素子R2間に接続されており、もう一方の接続電極は接地されている。
【0052】
図4において符号R4、R5、R6で示されたものも、図1に示される弾性表面波素子11を1つの単位として記号化したものである。図4では、3つの弾性表面波素子のうち、弾性表面波素子R5と弾性表面波素子R6が並列接続されており、弾性表面波素子R5と弾性表面波素子R6の間に弾性表面波素子R4が挿入されている。
【0053】
すなわち、弾性表面波素子R4は一方の接続電極が入力側端子inで、他方の接続電極が出力端子out、弾性表面波素子R5は一方の接続電極が入力側端子inで、他方の接続電極が接地された状態、弾性表面波素子R6は一方の接続電極が出力端子outで、他方の接続電極が接地された状態になっている。図4に示されるフィルタはいわゆるπ型フィルタである。
【0054】
【実施例】
本発明では、弾性表面波素子の共振器特性を反射係数S11によって評価した。
【0055】
反射係数S11は、弾性表面波共振器の信号入力電極と接地電極との間に信号を印加したときの入射電圧に対する反射電圧の比で求められ、理想的な共振器の場合、反共振周波数において反射係数S11は1となる。これは、反共振周波数において、インピーダンスが無限大となり、共振器のQが無限大であることを意味するので、反射係数S11が1に近づくほど特性の優れた共振器になる。
【0056】
本実施例では、図1に示される形状の弾性表面波素子を形成し、圧電基板の材料となるLiTaO単結晶のX軸を中心とするY軸からZ軸方向への回転切断角度(カット角)θ及びくし歯状電極部の規格化膜厚H/λと、弾性表面波素子のS11特性との関係を調べた。
【0057】
実験条件を以下に示す。 くし歯状電極部のくし歯部の幅寸法W1及び反射器の各ストリップの幅寸法W2:W1=W2=0.4μm〜0.545μm
くし歯状電極部のくし歯部の間隔寸法P1及び反射器の各ストリップの間隔寸法P2:P1=P2=0.4μm〜0.545μm
くし歯部13aとくし歯部14aの交差長さ寸法L1:L1=40×(弾性表面波の波長λ)=40×2×(W1+P1)
くし歯状電極部の膜厚及び反射器の各ストリップの膜厚:H=0.095μm
くし歯状電極部のくし歯部の本数:200本
反射器のストリップの本数:50本
くし歯状電極部と反射器の間の距離L2:L2=P1=P2=0.4μm〜0.545μm
なお、圧電基板の材料はLiTaOである。本実施例では、入力周波数を反共振周波数(本実施例では1.7GHz〜2.1GHz)にしている。また、くし歯状電極部及び反射器はCu97.0Ag3.0合金によって形成されている。
【0058】
結果を図5に示す。図5をみると、くし歯状電極部の規格化膜厚H/λが0.045以上で0.070以下であり、前記圧電基板の材料であるLaTiO単結晶のカット角が52.0°以上で58.0°以下のとき、反共振周波数における反射係数S11が0.88以上になる。
【0059】
すなわち、反共振周波数におけるインピーダンスが大きくなり、Qの高い共振器を形成することができる。従って、急峻な減衰特性を示すフィルタを形成することができる。
【0060】
さらに、くし歯状電極部の規格化膜厚H/λが0.050以上で0.065以下であり、圧電基板の材料であるLaTiO単結晶のカット角が52.4°以上で58.0°以下のとき、反共振周波数におけるS11が0.90以上を示し、GHz帯域の高周波信号における共振特性がより良好になる。
【0061】
または、くし歯状電極部の規格化膜厚H/λが0.050以上で0.065以下であり、圧電基板の材料であるLaTiO単結晶のカット角θが50.0°以上で59.5°以下の場合にも、反共振周波数におけるS11を0.88以上にすることができることがわかる。
【0062】
このように、本発明では、圧電基板の材料となるLiTaO単結晶のカット角の値を、特許文献1に好適なカット角として示されている値より大きな値にすることにより、くし歯状電極部の規格化膜厚H/λを0.045以上にして弾性表面波素子の挿入損失を低くすることと、S11特性を0.88以上にして共振特性を向上させることを両立できる。
【0063】
従って、本発明の弾性表面波素子であれば、GHz帯域の高周波信号において良好な共振特性を確実に発揮することができ、急峻な減衰特性を示すフィルタを形成することができる。
【0064】
以上本発明をその好ましい実施例に関して述べたが、本発明の範囲から逸脱しない範囲で様々な変更を加えることができる。
【0065】
なお、上述した実施例はあくまでも例示であり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0066】
【発明の効果】
以上詳細に説明した本発明の弾性表面波素子では、圧電基板のX軸方向に伝搬される前記表面波の波長をλ(μm)、前記くし歯状電極部の膜厚をH(μm)としたとき、前記くし歯状電極部の規格化膜厚H/λを0.045以上で0.070以下とし、前記圧電基板を、X軸を中心とするY軸からZ軸方向への回転切断角度θが52.0°以上で58.0°以下である回転YカットLiTaO基板とする。これによって、弾性表面波素子の反共振周波数における反射係数S11を0.88以上にすることができる。
【0067】
本発明では、圧電基板の材料となるLiTaO単結晶のカット角の値と、くし歯状電極部の規格化膜厚H/λの値を上記範囲に設定することにより、弾性表面波素子の挿入損失を低くすることと、共振特性を向上させることを両立できる。従って、本発明の弾性表面波素子であれば、GHz帯域の高周波信号において良好な共振特性を確実に発揮することができ、急峻な減衰特性を示すフィルタを形成することができる。
【0068】
さらに、くし歯状電極部の規格化膜厚H/λを0.050以上で0.065以下とし、圧電基板の材料であるLaTiO単結晶のカット角を52.4°以上で58.0°以下にすると、反共振周波数におけるS11が0.90以上を示し、GHz帯域の高周波信号における共振特性がより良好になる。
【0069】
または、くし歯状電極部の規格化膜厚H/λを0.050以上で0.065以下とし、圧電基板の材料であるLaTiO単結晶ののカット角を50.0°以上で59.5°以下とした場合にも、反共振周波数におけるS11を0.88以上にすることができる。
【0070】
また、本発明の弾性表面波素子はくし歯状電極部をCuまたはCu合金を用いて形成している。従って、くし歯状電極部を微細化しても抵抗増加を抑えることができ、また高周波化によって応力が増大した場合でもCu原子の移動が発生しづらく、弾性表面波素子のストレスマイグレーション耐性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性表面波素子の実施の形態を示す平面図、
【図2】単結晶圧電基板のカット角を説明するための様式図、
【図3】本発明の弾性表面波素子を用いて形成したT型フィルタの等価回路図、
【図4】本発明の弾性表面波素子を用いて形成したπ型フィルタの等価回路図、
【図5】圧電基板のカット角θ及びくし歯状電極部の規格化膜厚H/λと弾性表面波素子のS11特性との関係を示すグラフ、
【符号の説明】
11 弾性表面波素子
12 圧電基板
13、14 くし歯状電極部
15、16 接続電極部
17、18 電極部
19 反射器

Claims (3)

  1. 圧電基板と、前記圧電基板表面に表面波を励起する電極部、並びに前記表面波を反射させる反射器を有する弾性表面波素子において、
    前記電極部は、くし歯状電極部及び前記くし歯状電極部に接続された接続電極部を有しており、前記くし歯状電極部は、薄膜形成されたCuまたはCu合金からなる層を有し、前記表面波の波長をλ、前記くし歯状電極部の膜厚をHとしたとき、前記くし歯状電極部の規格化膜厚H/λが0.045以上で0.070以下であり、前記圧電基板は、X軸を中心とするY軸からZ軸方向への回転切断角度θが、52.0°以上で58.0°以下の回転YカットLiTaO基板であり、前記圧電基板のX軸方向に前記表面波が伝搬されることを特徴とする弾性表面波素子。
  2. 前記くし歯状電極部の規格化膜厚H/λが0.050以上で0.065以下であり、前記圧電基板は、X軸を中心とするY軸からZ軸方向への回転切断角度θが、52.4°以上で58.0°以下の回転YカットLiTaO基板である請求項1記載の弾性表面波素子。
  3. 圧電基板と、前記圧電基板表面に表面波を励起する電極部、並びに前記表面波を反射させる反射器を有する弾性表面波素子において、
    前記電極部はくし歯状電極部及び前記くし歯状電極部に接続された接続電極部を有しており、前記くし歯状電極部は、薄膜形成されたCuまたはCu合金からなる層を有し、前記表面波の波長をλ、前記くし歯状電極部の膜厚をHとしたとき、前記くし歯状電極部の規格化膜厚H/λが0.050以上で0.065以下であり、前記圧電基板は、X軸を中心とするY軸からZ軸方向への回転切断角度θが、50.0°以上で59.5°以下の回転YカットLiTaO基板であり、前記圧電基板のX軸方向に前記表面波が伝搬されることを特徴とする弾性表面波素子。
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