JPWO2005084493A1 - 通風装置 - Google Patents

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Abstract

本願発明による通風装置は、送風源と通風路からなる通風装置であって、前記通風路は複数のチューブが並列一体化され、シート状に成形されたものから構成されていることを特徴とする通風装置。送風源と、通風路と、ノズルと、からなる通風装置であって、前記送風源と前記通風路とが前記ノズルを介して接続されているとともに、前記通風路は複数のチューブが並列一体化され、シート状に成型されたものから構成されていることを特徴とするものである。

Description

本発明は、例えば、自動車等の乗り物の座席に装着される通風装置に係り、特に、通風路の構成を工夫することにより、運転者等が着座や離座を繰返しても所望とする通風量を安定して確保することができるとともに、座り心地を損なわず、且つ安価なものに関する。
例えば、自動車等の座席に、特に周囲の温度や湿度が高い条件の下で長時間に渡って着座する場合、座席の表面と人体接触部に「蒸れ」や「べたつき感」が生じる。この「蒸れ」や「べたつき感」は着座者の快適感を損なう原因となることから、従来からこのような問題に対する対策が種々検討されている。
例えば、特許文献1においては、車両用座席の内部から表面に向かって空気を吹出す通風装置を設け、これによって、「蒸れ」や「べたつき感」を解消する方法が提案されている。
第23図は上記特許文献1に示された車両用座席の一例を示す分解斜視図である。第23図に示す車両用座席においては、通気性を有するシート表皮109と、乗員当接側の面に凹部110が形成されたシートパット107の前記凹部110内に、弾性変形可能なゴム材によって構成された送風経路形成手段としての送風チューブ111が配設されていて、送風手段としてのエアコンユニット112から送風されたエアーが送風チューブ111内を移動し、送風チューブ111の乗員当接側に形成されたエアー通過部としての貫通孔114からシート表皮109を介して乗員側に送風される構成となっている。
又、この種の通風装置の他の例としては、例えば、特許文献2に開示されたものがある。第24図は、上記特許文献2に開示された通風装置の構成を示す斜視図である。第24図において、符号115は図示しない送風源(例えば、エアポンプ)に接続された分岐ジョイントであり、この分岐ジョイント115には、所定の間隔をあけて並列に配置された複数本の可撓性チューブ116からなる通気路群118が接続されている。そして、通気路群118を構成する可撓性チューブ116には、単数の空気吹出し口117が各々の位置をずらした状態で形成されている。
尚、この通風装置は、車両用座席のシート表皮とワディングとの間に配置されて実使用に供されるとされている。
特許文献2によると、この通風装置は、運転者等が着座した際に可撓性チューブ116は圧縮変形を生じるが、複数本の可撓性チューブ116を並列に配置することで可撓性チューブ116の一本当たりにおける着座荷重の分担分が抑制されて各可撓性チューブ116の潰れが低減でき、更に吹出し口117の形成位置を各可撓性チューブ116毎にずらして、可撓性チューブ116の配置領域全体に分散化することにより、通気性が確実に向上されるとしている。
又、複数の可撓性チューブ116を並列に配置することによって、運転者等の着座者に対する通気路群118の当りは、線より面に近い状態で得られるため、着座者への違和感や不快感の付与が確実に防止されるとしている。
特開2000−125990号公報 特開2003−4688号公報
しかしながら、前記従来の構成によると次のような問題点があった。
まず、特許文献1に示されている従来例においては、送風効率と必要面積に均等な空気の吹出し量が得られるように、予めシートパット107に複雑な形状の凹部110を形成する必要があり、又、前記凹部110に隙間なく収まる複雑な形状をした送風チューブ111を用意する必要があるため大幅にコストが上昇してしまうという問題点があった。
更に、送風チューブ111に設けられた貫通孔114は、必ずシート表皮109側を向いていないとシート表皮109からの吹出し量が低下してしまうが、着座と離座を繰り返すことにより、シートパット107の凹部110内に配置された送風チューブ111がよじれて、通気孔114の向きがシート表面から異なる方向にずれてしまう恐れが多分にある。このような場合には、シート表皮109からの吹出し量が大幅に低下してしまい、結局、着座者の快適感を損なうことになってしまう。
そこで、この問題に対しては、例えば、シートパット107に形成された凹部110と送風チューブ111とを接着固定することが考えられるが、その際、通気孔114は必ずシート表皮109側になるように位置合わせする必要があることから、作業が非常に煩雑となって作業性が大幅に低下してしまう。又、この場合、シートパット107に形成された凹部110と送風チューブ111を接着固定するために使用する接着剤がシートパット107内に浸透してしまうことにより、シートパット107の一部の柔軟性が低下して風合いが硬くなり、着座者の快適感を損なってしまう問題が発生してしまう。
一方、特許文献2に示されている従来例においては、予めシートパットに複雑な形状の凹部を形成する必要がなく、又、シートパットの凹部の形状に合わせたチューブを用意する必要もないため、前記した第1の従来例に比べてコスト的には有利であると考えられる。しかしながら、複数の可撓性チューブ116を単に並列に配置して着座加重の分担分を抑制しただけでは、荷重の大きさによってはそれぞれの可撓性チューブ116の潰れは避けがたく、特に通風量を増加させるために、可撓性チューブ116の径を太くしたり、快適性を向上させるためにシートパット107を柔らかくしたような場合には、可撓性チューブ116の潰れは顕著になってしまうという問題があった。これは、複数本の可撓性チューブ116相互間に所定の隙間が形成されているため、可撓性チューブ116の上側から荷重が加わった場合に、可撓性チューブ116が扁平して横に広がってしまうことが原因であった。
更に、この従来例においては、着座と離座を繰返すと、それぞれの可撓性チューブ116が移動し、可撓性チューブ116同士が重なったり、可撓性チューブ116に捩れが生じ、吹出し口117がシート表皮側とは異なる方向に向いてしまう恐れがある。この場合、十分な吹出し風量を確保することができなくなるとともに、可撓性チューブ116の配置が不均一になることで、着座した時の違和感が著しくなり、着座者の快適感を損なってしまうという問題が発生してしまう。
本発明はこのような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、着座者が着座や離座を繰り返しても、所望とする通風量を安定して確保することができるとともに、座り心地を損なわず、且つ安価な通風装置を提供することにある。
前記目的を達成するべく本発明の請求項1による通風装置は、送風源と、上記送風源に接続され複数のチューブが並列一体化されてシート状に成形された通風路と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項2による通風装置は、請求項1記載の通風装置において、前記通風路は前記送風源に対してノズルを介して接続されていることを特徴とするものである。
又、請求項3による通風装置は、請求項1記載の通風装置において、前記通風路には吹出し口が形成されていることを特徴とするものである。
又、請求項4による通風装置は、請求項1記載の通風装置において、前記チューブはその横断面形状が円形であることを特徴とするものである。
又、請求項5による通風装置は、請求項1記載の通風装置において、前記チューブはその横断面形状が角型であることを特徴とするものである。
又、請求項6による通風装置は、請求項1記載の通風装置において、前記チューブの前記送風源とは反対側の端部が閉塞されていることを特徴とするものである。
又、請求項7による通風装置は、請求項1記載の通風装置において、前記チューブの前記送風源とは反対側の端部が開放されていることを特徴とするものである。
又、請求項8による通風装置は、請求項1記載の通風装置において、前記複数のチューブは隣接するチューブ同士が接着されることにより並列一体化されていることを特徴とするものである。
又、請求項9による通風装置は、請求項1記載の通風装置において、前記複数のチューブはシート上に設置され該シートを介して並列一体化されていることを特徴とするものである。
又、請求項10による通風装置は、請求項9記載の通風装置において、前記複数のチューブは一対のシート間に挟持されるようにして並列一体化されることを特徴とするものである。
又、請求項11による通風装置は、請求項9記載の通風装置において、前記複数のチューブは長手方向に分断されていて、それら分断されている複数のチューブを所定の間隔を存した状態で前記シート上に設置した状態で並列一体化されることを特徴とするものである。
又、請求項12による座席は、座席本体と、上記座席本体に組み込まれた前記請求項1乃至請求項12の何れかに記載の通風装置と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項13による座席は、請求項12記載の座席において、上記座席本体はシートパットと該シートパットの表面に固定されるシート表皮とから構成されていて、上記シートパットには上記シート表皮を固定するための溝が設けられており、上記通風装置の通風路は上記溝を避けるように設置されていることを特徴とするものである。
又、請求項14による座席は、請求項12記載の座席において、上記通風装置の通風路は上記座席本体の曲面部に掛かるような状態で設置されていて、上記通風路の上記曲面部に掛かった部分には吹出し口が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項15による座席は、請求項12記載の座席において、車両用であることを特徴とするものである。
ここで、「複数のチューブが並列一体化されてシート状に成形されたもの」とは、各々独立して成形された複数のチューブ同士を接着や溶着、その他の固定方法によって並列に一体化した成形品や、同時押出成形工法や射出成形工法などによって並列に一体化された成形品などをいう。
本発明による通風装置によると、まず、通風路は複数のチューブが並列一体化され、シート状に成形されているため、着座時に荷重がチューブに加わっても、一部のチューブが完全に扁平して通風量が確保できなくなることがない。又、着座と離座を繰返してもチューブがよじれたり、チューブ同士が重なったりしないため、チューブに形成された吹出し口の位置が移動してしまうことがない。従って、使用用途に応じた必要な通風量を安定して確保することができるとともに、座り心地を損なうこともない。又、シートパットに予め凹部を設ける必要が無く、且つシートパットに接着剤等を使用して固定する必要がないため製造工程を大幅に削減することができるため、安価な通風装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
尚、この実施の形態は、本発明を自動車等の車両用座席に適用することを想定した例を示すものである。
本実施の形態による通風装置1は、図1に示すような構成になっている。まず、ファンからなる送風源2があり、この送風源2には、オレフィン系熱可塑性エラストマーからなり、内径3mmφ、外径4mmφの70本のチューブ4が並列一体化されシート状に成形された通風路3が接続されている。ここで、通風路3は、送風源2の吹出し口に差し込められるように、並列一体化されたチューブ4の一端を分割して重ねた状態で送風源2の吹出し口に差し込んで固定している。通風路3を構成する複数のチューブ4の上面側(シート表皮側)には幅10mmの一直線スリット状の吹出し口5が60mm間隔で3本形成されており、また、送風源2と接続されていない側の端部は塞がれている。
このような構成の通風装置1とすることにより、チューブ4に上から荷重が加わって、チューブ4が扁平しても横同士のチューブ4が一体化されているため、扁平された部分の逃げ場がなくなり、一定以上の変形が制限されることで、実使用上で想定される荷重が加わっても完全に潰れることはなく、所望とする通風量を確保することができる。
ここで、チューブ4を並列一体化しない場合、着座時の通風量は、着座しない場合に比較して最大で0.6%まで減少するのに対し、本実施の形態のように、チューブ4を並列一体化した場合には、最大47%の減少に止まっていることを実験により確認している。
又、送風源2と通風路3とを接続する方法としては、図1に示した方法以外にも、例えば、図2に示すように、送風源2と通風路3とをノズル6を介して接続することが考えられる。こちらの方が、中央部から端部の何れのチューブ4の通風量も略等しくなるという利点がある。
尚、送風源2とノズル6は直接接続されることに限定されず、座席への組付け性の効率を高めるため、送風源2とノズル6を任意の断面形状を有するダクトを介して接続することも可能である。
又、送風源2と通風路3とをノズル6を介して接続する場合は、チューブ4の断面形状が円形であれば、図3に示すように、ノズル6との接続部においてチューブ4が2列になるように接続することが好ましい。これにより、接続部におけるノズル6とチューブ4との隙間を減少させることができるため、送風ロスを少なくすることができる。チューブ4が1列の場合と、チューブ4が2列の場合とで送風量を比較すると、1列の場合は206.7L/minであったのに対し、2列の場合は232.8L/minであり、2列の方が送風量が多く、送風ロスが少ないことを確認している。
又、チューブ4が2列になるように接続する場合は、チューブ4のノズル側の端部において、図4に示すように、上列と下列の接合部分を削り、所謂「すり鉢状」にすることも考えられる(図4にて削った部分を符号4aで示す。)。これにより、風が一体化されたチューブ4の中心に向かうようになり、ノズル6とチューブ4との隙間から抜け難くなるため、送風ロスを少なくすることができる。
チューブ4の材質は特に限定されず、前記したオレフィン系熱可塑性エラストマーの他にも、例えば、オレフィン系樹脂、シリコーンゴム、塩化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、各種エラストマーなど種々の材料を使用することができる。
チューブ4の径、肉厚も特に限定されず、柔軟性、潰れ難さ、通風量といった特性のバランスにあわせて適宜設定すればよい。又、チューブの長さや本数も、所望とする送風位置や使用形態などに応じて適宜設定すればよい。
又、チューブ4の断面形状も特に限定されない。例えば、図5に示すような複数孔の開いた角型であれば、チューブ4同士の接着強度も断面形状が円形のチューブ4では線状に近い接着面であるが、角型のチューブ4の場合は接着面が広いため、より接着強度が得られる利点がある。更に、角型のチューブ4の場合は断面が円形の場合に比べて高さが低くても同じ通風量が得られるため、チューブ4が並列一体化され、座席に組込まれた際にも、より快適性を損なわなくてすむという利点がある。又、一定の面積に必要な本数が少なくてすむためコストを抑えることができるという利点もある。
一方、チューブ4の断面形状が円形であれば、実使用上で想定される以上の荷重が加わっても、断面形状が角型の場合よりもチューブ4が潰れ難いという利点がある。又、曲面部に通風装置を組み込む場合には、チューブ4の断面形状が円形の場合は、断面形状が四角形状の場合よりも曲げ易いため、組み込み易いという利点もある。要は使用状態に併せて断面形状を適宜に選定すれば良い。
吹出し口5の位置は各チューブ4毎に異なっていても良いし、一直線状に形成しても良いが、図1においては、量産性の面から一直線スリット状の吹出し口5を形成している。吹出し口5の大きさに特に限定はないが、例えば、内径3mmφ、外径4mmφのチューブ4を使用し、一直線スリット状の吹出し口5を形成する場合、吹出し口5の幅が5〜15mm程度であれば、十分な通風量が得られるとともに、荷重が掛かった場合にも潰れ難いため好ましい。又、吹出し口5の位置は、使用用途に応じて任意に形成すれば良く、複数箇所に形成してもよいが、複数箇所に形成する場合、これらの間隔が50mm以上であれば、荷重が掛かった場合にも潰れ難いため好ましい。
又、図1においては、送風源2と接続されていない側の端部を塞いでいるが、送風源2と接続されていない側の端部の一部または全部を塞がずに開口した状態としておき、そこを吹出し口として機能させることも考えられる。又、端部を開口とする場合は、図6に示すように、端部の上部を切欠き、上方へ風が吹出すようにしても良い。要は、使用用途に応じた必要な通風量が得られるようにチューブ4の任意の位置に吹出し口5を形成すれば良い。
複数のチューブ4を並列一体化する方法であるが、本実施の形態では、予め公知の押出し成形工法により必要本数のチューブ4を用意しておき、これらを並列に並べたものを、チューブ4の幅の合計値より若干狭い枠に収め、その上にチューブ4の全体を覆うように金属板を載せ、所定の加重を加えた状態で加熱してチューブ4を軟化させてチューブ4同士を接着一体化させた。加熱条件は、常温から200℃まで約1時間のプロファイルとし、これにより必要とする接着強度を得た。
尚、本発明において、複数のチューブを並列一体化する方法としては、前記のように加圧加熱により軟化させ接着させる方法に限定されるものではない。
例えば、別の方法としては、予め成形された複数のチューブを並列に並べた後、隣接するチューブ同士を接着剤等を使用して接着することも考えられる。この方法においては、例えばチューブの材質をシリコーンゴムとした場合は、熱硬化型シリコーン接着剤が適している。
又、別の方法としては、予め成形された複数のチューブを並列に並べた後、隣接するチューブの接触面にレーザ光線を照射し、チューブ同士を融着一体化する方法も考えられる。この場合、チューブの材質は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)などの融点が200℃以上の樹脂でも使用することが可能となる。
又、別の方法としては、熱可塑性樹脂製の編み糸、或いは各種の繊維に熱可塑性樹脂をコーティングした編み糸により、複数のチューブをすだれ形状に編み込んだ後、加熱することによりチューブと前記編み糸の熱可塑性樹脂同士を軟化接着することで隣接するチューブの間隔が保持されたシート状に成形する方法も考えられる。
又、別の方法としては、従来公知の同時押出成形工法により所定の幅を有するベルト状のチューブを成形してシート状にする方法や、樹脂製フィルムを従来公知の熱プレス成形工法やウエルダー工法により並行した複数孔を有するシート状に成形する方法も考えられる。
又、公知の射出成形工法により、平行な複数孔を有するシート状の成形品を直接製造する方法も考えられる。
又、樹脂やエラストマーなどのシート上にチューブを並行に配置し、このシートとチューブとを一体化させる方法も考えられる。具体的な例としては、チューブと同じ材質(本実施の形態の場合は、オレフィン系熱可塑性エラストマー)を使用して、熱融着によりチューブとシートとを一体化させる方法、表面に接着層を有するシートを使用して、この接着層によりチューブとシートとを一体化させる方法等が挙げられる。
尚、前記ではシートという記載をしたが、勿論、布状のものやフィルム状のものを使用しても構わない。
図7は、前記した本実施の形態による通風装置を、自動車等の車両用座席に組込んだ状態の例を示すものである。図7において、まず、凹部を形成しないシートパット7とシート表皮9の間に、チューブ4が並列一体化され、シート状に成形された通風路3を設置し、座席の下に設置した送風源2に接続されている。ここで、送風源2としては、通常のファン以外にも、例えば、温風や冷風を発生することのできるペルチェ素子を内蔵させたものでも良いし、エアコンディショナー等の空調設備であっても良い。このような場合には、冷風をチューブ4に通風させることにより、着座者の汗等による蒸れやべたつき感の除去に対する効果がより一層高まり、快適性を更に向上させることができる。
又、通風装置の組み込みに際して、例えば、図8に示すように、膝裏に位置する箇所のような曲面部に吹出し口5を形成すれば、平面部に形成された吹出し口よりも多い風量を得ることができるので、更に快適性を向上させることができる。
又、図9に示すように、本実施の形態による通風装置とシート表皮9の間に、例えば、従来公知のシートヒータ8を設置することも考えられる。シートヒータ8としては、従来公知のものを何れも使用可能であるが、例えば、特許文献3に示されたものは、良好な通気性を有することから、特に好ましい。このようにシートヒータと組み合わせることにより、通風によるムレやべたつき感の除去の機能と暖房機能とを兼ね備えることが可能となる。
特開2003−174952号公報
又、温度センサや湿度センサ等と組み合わせて、通風のタイミングや通風量、温風や冷風の温度や湿度などを適宜に制御することにより、着座者の快適性を更に向上させることもできる。
尚、本発明の通風装置の全体構成についても、前記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、図10のように、並列一体化したチューブ4を吹出し口5の向きを逆にして2枚重ねた状態でノズル6に接続すれば、2方向へ送風を行うことができる。
又、図11のように、並列一体化したチューブ4を2枚重ねてノズル6に接続し、上部のチューブ4に貫通孔の吹出し口5を形成すれば、下部のチューブ4の風を上部のチューブ4を貫通して通風路の上面側に出すことができるため、吹出し口5からの風量をより多くすることができる。
又、図12のように隣接するチューブ4同士の一部を一体化していないものであれば、複数箇所に送風を行うことができる。
又、図13のようにノズル6に並列一体化したチューブ4を複数個接続したものであれば、複数箇所に送風を行うことができる。
又、第14図に示すように、座席の背面側に通風装置を組み込むことも考えられる。
又、第15図及び第16図に示すように、座席のシートパット7にシート表皮9を固定するための溝11が形成されている場合には、その溝11を避けるようにして通風路3、3を設置することが考えられる。
又、第17図および第18図に示すように、上記溝11を避けるようにして通風路3、3を設置するために、シートパット7に貫通孔13を穿孔し、そこに通風路3を通すようにすることが考えられる。
又、第10図に並列一体化したチューブ4を二枚重ねにしてノズル6に接続した通風路3を示したが、そのような通風路3を、第19図に示すように、座席の座面と背面の両方に送風できるように設置する構成も考えられる。すなわち、二枚重ねの状態で設けられた一方を座面に設置し、他方を背面に設置するものである。
又、複数本のチューブ4とシートを一体化させる方法として、第20図に示すように、2枚のシート21、23によって複数本のチューブ4を挟むようにして一体化させることも考えられる。その際、チューブ4に設けられている吹き出し口を閉塞することがないように、上記シート21、23側に切欠部を形成しておくか、或いは良好な通気性を備えたシート21、23を使用することが考えられる。
又、複数本のチューブ4とシートを一体化させる方法として、第21図に示すように、開口した複数本のチューブ4の先に所定の間隔を存した状態で別の複数本のチューブ4を設置し、さらにその先に所定の間隔を存した状態で別の複数本のチューブ4を設置し、それらをシート25によって一体化させることが考えられる。この場合、上記所定の間隔の部位が吹き出し口5となる。よって、別途吹き出し口を形成する工程が不要となる。
又、第22図に示すように、ダクト27が分岐タイプのものであれば、1個の送風源2に対して複数個(第22図に示す場合には2個)のノズル6、6と通風路3、3を接続して配置することが考えられる。
以上、詳述したように本発明によれば、着座者が着座や離座を繰返しても、所望とする通風量を安定して確保することができるとともに、座り心地を損なわず、且つ安価な通風装置を提供することができる。又、その用途としては、自動車の座席以外にも、例えば、自動二輪車や鉄道車両等の車両座席でも良いし、チャイルドシート、船舶や航空機などの座席、遊園地の観覧車の座席、各種競技場の観覧席、劇場や映画館等の鑑賞用座席、駅やテーマパーク、屋外公園等に設置されたベンチ、家庭内やオフィスで使用されるソファーや座椅子、理髪店の椅子、各種医療機関で使用されている医療用の椅子などへの適用も考えられる。また、座席のみならず、例えば、ベッド、布団、枕、ベビーカー、便座カバー、被服類など、柔軟な感触が要求される分野において幅広く応用が可能である。
本発明の実施の形態を示す図で、通風路が送風源と直接接続された構造の通風装置を示す斜視図である。 本発明の実施の形態を示す図で、通風路が送風源とノズルを介して接続された構造の通風装置を示す斜視図である。 本発明の実施の形態を示す図で、図3(a)は、ノズルとの接続部においてチューブが2列になるように接続された構造の通風装置を示す斜視図であり、図3(b)は、図3(a)におけるb−b断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、チューブのノズル側の端部において、チューブの上列と下列の接合部分を削った状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態を示す図で、図5(a)は角型チューブによる通風路が送風源とノズルを介して接続された構造の通風装置を示す斜視図であり、図5(b)は図5(a)におけるb−b断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、チューブの送風源と接続されていない側の端部の上部を切欠いた構造の通風装置を示す斜視図である。 本発明の実施の形態を示す図で、通風装置が座席に組み込まれている状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、曲面部に吹出し口を形成した時の風の吹出す状態を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、通風装置及びシートヒータが座席に組み込まれている状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、並列一体化したチューブが吹出し口の向きを逆にして2枚重ねた状態でノズルに接続された構造の通風装置を示す斜視図である。 本発明の実施の形態を示す図で、並列一体化したチューブが2枚重ねてノズルに接続され上部のチューブに貫通孔の吹出し口が形成された構造の通風装置を示す斜視図である。 本発明の実施の形態を示す図で、隣接するチューブ同士の一部を一体化していない構造の通風装置を示す斜視図である。 本発明の実施の形態を示す図で、ノズルに並列一体化したチーブを複数個接続した構造の通風装置を示す斜視図である。 本発明の実施の形態を示す図で、座席の背面に通風装置を設置した状態を示す側断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、溝が設けられた座席の座面に通風装置を設けた状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態を示す図で、溝が設けられた座席の座面に通風装置を設けた状態を示す側断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、溝が設けられた座席の座面に通風装置を設ける際に貫通孔を形成した状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態を示す図で、溝が設けられた座席の座面に通風装置を設ける際に貫通孔を形成した状態を示す側断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、二枚重ねの通風路を座面と背面の両方に設置した状態を示す側断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、図20(a)は2枚のシートによって複数本のチューブを挟むようにして一体化させた構造の通風装置を示す斜視図であり、図20(b)は図20(a)におけるb−b断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、所定の間隔を存した状態で別の複数本のチューブを設置し、それらをシートによって一体化した構造の通風装置を示す斜視図である。 本発明の実施の形態を示す図で、送風源に接続された分岐タイプのダクトに、複数個のノズルと通風路を接続した構造の通風装置を示す斜視図である。 従来例を示す分解斜視図である。 従来例を示す斜視図である。
符号の説明
1 通風装置
2 送風源
3 通風路
4 チューブ
5 吹出し口
6 ノズル
7 シートパッド
8 シートヒータ
9 シート表皮

Claims (15)

  1. 送風源と、
    上記送風源に接続され複数のチューブが並列一体化されてシート状に成形された通風路と、
    を具備したことを特徴とする通風装置。
  2. 請求項1記載の通風装置において、
    前記通風路は前記送風源に対してノズルを介して接続されていることを特徴とする通風装置。
  3. 請求項1記載の通風装置において、
    前記通風路には吹出し口が形成されていることを特徴とする通風装置。
  4. 請求項1記載の通風装置において、
    前記チューブはその横断面形状が円形であることを特徴とする通風装置。
  5. 請求項1記載の通風装置において、
    前記チューブはその横断面形状が角型であることを特徴とする通風装置。
  6. 請求項1記載の通風装置において、
    前記チューブの前記送風源とは反対側の端部が閉塞されていることを特徴とする通風装置。
  7. 請求項1記載の通風装置において、
    前記チューブの前記送風源とは反対側の端部が開放されていることを特徴とする通風装置。
  8. 請求項1記載の通風装置において、
    前記複数のチューブは隣接するチューブ同士が接着されることにより並列一体化されていることを特徴とする通風装置。
  9. 請求項1記載の通風装置において、
    前記複数のチューブはシート上に設置され該シートを介して並列一体化されていることを特徴とする通風装置。
  10. 請求項9記載の通風装置において、
    前記複数のチューブは一対のシート間に挟持されるようにして並列一体化されることを特徴とする通風装置。
  11. 請求項9記載の通風装置において、
    前記複数のチューブは長手方向に分断されていて、それら分断されている複数のチューブを所定の間隔を存した状態で前記シート上に設置した状態で並列一体化されることを特徴とする通風装置。
  12. 座席本体と、上記座席本体に組み込まれた前記請求項1乃至請求項12の何れかに記載の通風装置と、を具備したことを特徴とする座席。
  13. 請求項12記載の座席において、
    上記座席本体はシートパットと該シートパットの表面に固定されるシート表皮とから構成されていて、
    上記シートパットには上記シート表皮を固定するための溝が設けられており、
    上記通風装置の通風路は上記溝を避けるように設置されていることを特徴とする座席。
  14. 請求項12記載の座席において、
    上記通風装置の通風路は上記座席本体の曲面部に掛かるような状態で設置されていて、
    上記通風路の上記曲面部に掛かった部分には吹出し口が設けられていることを特徴とする座席。
  15. 請求項12記載の座席において、
    車両用であることを特徴とする座席。
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