JP7117195B2 - ベンチレーションマット及び座席 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、自動車等に設置される座席とそれに使用されるベンチレーションマットに係り、特に、座席を通じて送風等を行う場合に適した構成とすることが可能なものに関する。
例えば、自動車等の座席に、特に周囲の温度や湿度が高い条件の下で長時間に渡って着座する場合、座席の表面と人体接触部に「蒸れ」や「べたつき感」が生じる。この「蒸れ」や「べたつき感」は着座者の快適感を損なう原因となることから、従来からこのような問題に対する対策が種々検討されている。
このような検討の一つとして、例えば、当該特許出願人より特許文献1,2のような提案がなされている。特に特許文献1の図7、図14などには、送風装置が組込まれた座席の概略断面図が示されており、送風機などの送風源より送られた風が、チューブ状の通風路を通過して、吹出口より吹き出し、着座者に送風させる態様が開示されている。この送風により着座者の「蒸れ」や「べたつき感」が解消されることとなる。又、関連する技術として、例えば特許文献3~6も挙げられる。
特許第4999455号公報:クラベ 特許第5430085号公報:クラベ 特開2007-84039公報:ブリヂストン 特開2017-71368公報:ブリヂストン 特許第4107033号公報:松下電器産業 特許第4125721号公報:W.E.T.
ここで、特に車両用座席には、表皮カバーをシートクッション材に固定するための吊込部が形成されている。この吊込部の構造としては、表皮カバーに吊込部材が形成され、シートクッション材にワイヤ等を埋め込むことにより固定部材が形成され、これら吊込部材と固定部材をホグリング等の止め具で係止することで、表皮カバーとシートクッション材を連結する構造となっている。吊込部材は、樹脂板や不織布帯のような材料によって形成されており、また、表皮が弛んでシワが生じないよう、表皮カバーの吊込部材は強い張力でシートクッション材の固定部材に引き込まれて係止されている。そのため、吊込部の位置において、通風路は大きくシートクッション材側に湾曲されるとともに、吊込部材と固定部材の間で挟みこまれることになる。これにより、従来の送風装置では、吊込部において、通風路の通気が妨げられることとなり、吊込部の先に空気を送ったり、吊込部の先から空気を吸い込んだりすることが困難であった。
本発明はこのような従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、吊込部の影響なく着座者に送風等をすることができるベンチレーションマットを提供することにある。
上記目的を達成するべく、本発明によるベンチレーションマットは、複数のベンチレーションマット本体と、接続マットを有し、前記複数のベンチレーションマット本体が、上記接続マットを介して接続されており、前記ベンチレーションマット本体は、通気性のある立体構造を備える第1の基材と、前記第1の基材の外周を覆うサイドバリアと、前記サイドバリアに囲われ、前記第1の基材が露出する開口面と、を有し、前記接続マットは、通気性のある立体構造を備える第2の基材と、前記第2の基材の周囲を覆うバリアチューブと、を有し、前記第1の基材と前記第2の基材が空気循環可能なように連通されており、前記接続マットの空気透過率が、2%以上であり、前記第2の基材における圧縮量を40%としたときの圧縮応力値が、2~30kPaであるベンチレーションマット。
また、前記ベンチレーションマット本体と、前記接続マットが、縫製により固定されていることが考えられる。
また、本発明による座席は、シートクッション材と、表皮カバーと、前記のベンチレーションマットを有し、前記シートクッション材が前記表皮カバーに覆われており、前記シートクッション材と前記表皮カバーが固定される吊込部が形成されており、前記吊込部に前記接続マットが位置するように、前記ベンチレーションマットが配置されているものである。
ものである。
本発明によるベンチレーションマットによれば、吊込部においても十分な通気がなされるため、吊込部を有する座席であっても、着座者への送風や、着座者からの空気の吸引をすることができる。
本発明で使用されるベンチレーションマットの一方の面を示す平面図である。 本発明で使用されるベンチレーションマットのもう一方の面を示す平面図である。 本発明のベンチレーションマットを搭載する自動車用シートの概略図である。 本発明のベンチレーションマットを搭載する自動車用シートの吊込部の断面図である。
以下では、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下で説明するベンチレーションマットは、自動車用シートの座面と背もたれとの少なくとも一方に設けられるものである。また、本発明にかかるベンチレーションマットは、自動車用シートのクッション材と、当該クッション材を覆う表皮カバーと、の間に挟み込むように設置される。また、ベンチレーションマットには、ファンが設けられ、このファンにより、ベンチレーションマットから空気を吸引する又はベンチレーションマットに空気が流し込まれる。
以下の説明では、自動車用シートにベンチレーションマットを設置した状態で、表皮カバー側、つまり座面側に位置する面を表面、自動車用シートのクッション材側に位置する面を裏面と称す。
図1に実施の形態1にかかるベンチレーションマット1の概略図を示す。図1では、ベンチレーションマット1の上面図及び下面図を示す。上面図は、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1の表面側の構成を示すものであり、下面図は、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1の裏面側の構成を示すものである。
図1に示すように、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、第1のベンチレーションマット本体111、第2のベンチレーションマット本体112を有している。また、これら第1のベンチレーションマット本体111と第2のベンチレーションマット本体112を接続する接続マット121及び122を有している。本実施の形態1では、接続マットを2つ使用しているが、勿論、接続マットは1つでも良いし、3つ以上であっても良い。また、ベンチレーションマット本体を2つ使用しているが、勿論、ベンチレーションマット本体は2つ以上であっても良い。
図1に示すように、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、通風ガイド30を有していることも考えられる。このようなベンチレーションマット1は、通風ガイド30が、一端にファン取り付け孔が設けられ、他端がベンチレーションマット本体111の側面に設けられた接続孔に接続されることで形成される。
第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112は、例えば、第1の基材(例えば、スペーサ13)、サイドバリア11、通気性カバー12、連結ベルト14、開口面15を備えるものが考えられる。スペーサ13は、通気性のある立体構造を備えるシートである。スペーサ13は、例えば、繊維を立体的に編んだ3Dメッシュシートである。この3Dメッシュシートを所定形状に切り出す際には、レーザ溶断により加工することが好ましい。これにより、端面のほつれにより繊維クズが発生することを防止することができる。
サイドバリア11は、通気性カバー12よりも通気性が低く、接続マット121、接続マット122及び通風ガイド30が接続される接続部以外のスペーサ13の外周を覆う。サイドバリア11は、スペーサ13に、例えば、接着剤や粘着剤で接着される、或いは、スペーサ13に縫製される、溶着されるなどの形態でスペーサ13の外周を覆う。特に縫製であれば、熱的又は経時的な影響によって接着力が低下することがないため好ましい。
通気性カバー12は、布で形成され、全体が通気性を備え、スペーサ13の表面を覆う。なお、通気性カバー12がスペーサ13を覆う面積は、スペーサ13の表面のうちサイドバリア11で覆われていない領域である。
通気性カバー12は、例えば、不織布のような繊維素材であって、高い通気性を有するものが好ましい。一方、サイドバリア11は、通気性カバー12よりも通気性が低い素材を選択する。サイドバリア11は、例えば、不織布、スパンボンド不織布、織布、フィルム、ゴム引き布を用いることができる。ここで、不織布、スパンボンド不織布及び織布の素材は、アラミド繊維、ガラス繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン、ポリオレフィン繊維、レーヨン繊維等が考えられる。また、フィルムの素材としては、ポリエチレン、ポリビニル、ポリプロピレン、ペット等が考えられる。ゴム引き布は、繊維に気密性を与える加工をしたものである。
また、第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112の裏面には、通気性カバー12が設けられておらず、サイドバリア11で囲まれる部分が開口面15となっている。つまり、開口面15においてはスペーサ13が露出する。また、第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112の裏面には、開口面15を跨いで両側のサイドバリア11を接続する連結ベルト14が設けられることが考えられる。この連結ベルト14は、第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112の形状を安定させるものである。
接続マット121及び122は、通気性のある立体構造を備える第2の基材(例えば、スペーサ22、23)と、基材の周囲を覆うバリアチューブとを有している。この第2の基材(例えば、スペーサ22、23)は、例えば、ダブルラッセルや3Dメッシュシートのような繊維を立体的に編んだ立体編物、繊維が三次元状に複雑に絡み合ってできた構造体、連続気泡を有するフォーム材(スポンジ)、ゴムチューブを並べたもの等を用いることができる。立体編物としては、例えば、旭化成社製のフュージョン(登録商標)、住江織物社製のスウィングネット(登録商標)、ミュラーテキスタイル社製の3mesh(登録商標)、ユニチカ社製のキュービックアイ(登録商標)等が挙げられる。繊維が三次元状に絡み合ってできた構造体としては、例えば、東洋紡社製のブレスエアー(登録商標)等が挙げられる。連続気泡を有するフォーム材やゴムチューブを構成する材料としては、例えば、ウレタン、EPDM、クロロプレン、イソプレン、シリコーン、各種熱可塑性エラストマー等の材料が使用される。これら第2の基材は、通気しやすい方向と通気しにくい方向のような方向性を持つものも考えられる。例えば、立体編物のようなものだと、断続的に断面当たりの繊維の密度が高くなる(本数が多くなる)部分が形成されるような方向や、連続的に繊維の密度が低くなる(本数が少なくなる)部分を有するような方向が形成されるようなものがある。この場合、繊維の密度が低い(本数が少ない)方が通気しやすいことになる。このような方向性を持つ第2の基材を使用する場合は、実際に通気がなされる方向である空気流動方向が、第2の基材における通気しやすい方向、例えば、連続的に繊維の密度が低くなる(本数が少なくなる)部分を有するような方向と同じ方向であることが好ましい。また、バリアチューブは、サイドバリア11と同じ素材を用いることができ、例えば、不織布、スパンボンド不織布、織布、フィルム、ゴム引き布を用いることができる。ここで、不織布、スパンボンド不織布及び織布の素材は、アラミド繊維、ガラス繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン、ポリオレフィン繊維、レーヨン繊維等が考えられる。また、フィルムの素材としては、ポリエチレン、ポリビニル、ポリプロピレン、PET、各種熱可塑性エラストマー等が考えられる。ゴム引き布は、繊維に気密性を与える加工をしたものである。この第2の基材は第1の基材と空気循環可能なように連通されており、これにより、第1のベンチレーションマット本体111、接続マット121、接続マット122及び第2のベンチレーションマット本体112の間で通気されるようになる。
接続マット121,122は、空気透過率が2%以上のものを使用する。空気透過率は、何も接続していない送風源による空気の流量に対する、送風源に直接接続マットを接続した状態での空気の流量の割合を示す。送風源に直接接続マットを接続した状態での空気の流量の測定については、より具体的には、接続マットにおけるバリアチューブが開口している一端に送風源を接続し、もう一端に流量計を接続し、送風源を作動したときの流量を測定する。特に、接続マット121,122の空気透過率が35%以上、更には、40%以上であることが好ましい。このような接続マット121,122とするため、第2の基材の通気性は、2000cm/dm・min以上であることが好ましい。通気性が2000cm/dm・min以上の第2の基材であれば、接続マット121,122の空気透過率も優れたものとすることができる。なお、通気性は、実際にベンチレーションマットとして設置した場合の通気方向について測定され、ISO9237に準拠し、試験時の圧力を2hPaとして測定される。接続マット121,122の空気透過率に優れていれば、第1のベンチレーションマット本体111と第2のベンチレーションマット本体112との間の通気を十分にすることができる。
また、第2の基材における圧縮量を40%としたときの圧縮応力値(以下、40%圧縮応力値と記すことがある)は、2~30kPaである。40%圧縮応力値が2kPa未満であると、吊込部での表皮カバーを固定する際の張力によって基材が潰れてしまい、第1のベンチレーションマット本体111と第2のベンチレーションマット本体112との間の通気が十分ではなくなる。40%圧縮応力値が30kPaを超えると、吊込部で表皮カバーを固定する際に、シートクッション材の形状に合わせて基材を曲げることが困難となり、作業性に問題が生ずることになる。また、着座者が接続マットを感じ取ってしまい違和感の原因となることもある。特に、基材における40%圧縮応力値が、10kPa以上であることが好ましく、また、20kPa以下であることが好ましい。なお、40%圧縮応力値は、ISO3386-1に準拠して測定される。
立体編物からなる基材等において、通気経路に存在する繊維が多い場合、及び、通気経路に存在する繊維の径が太い場合、接続マットの空気透過率は低くなるが、基材の40%圧縮応力値は高くなる傾向にある。また、基材の繊維の材質によって基材の40%圧縮応力値を設計することもできる。接続マットの空気透過率は、接続マットの断面積及び長さによっても設計することができる。最適な接続マットの空気透過率及び基材の40%圧縮応力値を得るため、接続マットの寸法や、基材に使用される繊維について適切なものを使用する必要がある。
接続マット121及び122の両端は、サイドバリア11に設けられた接続孔に差し込まれる。図1では、接続マット121及び122と第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112との接続する部分を接続部25~28とした。
通風ガイド30は、非通気性のチューブであって、通気性のある立体構造を備える第3の基材(例えば、スペーサ32)により内部に通風路が形成される。このスペーサ32は、第1の基材と同じ素材、例えば、繊維を立体的に編んだ3Dメッシュシートを用いることができる。
通風ガイド30の一端には、スペーサ32が露出するように開口部が設けられる。この開口部は、プラスチック素材で形成された型が嵌め込まれ、ファン取り付け孔31となる。通風ガイド30の他端は、サイドバリア11に設けられた接続孔に差し込まれる。図1では、通風ガイド30とベンチレーションマット本体10との接続する部分を接続部33とした。
ここで、スペーサ13等の形状についてさらに詳細に説明する。図2に実施の形態1にかかるベンチレーションマットの基材(例えば、スペーサ)の形状を説明する図を示す。図2では、スペーサ13、22、23、32の形状について、第1の例と第2の例を示した。図2に示すように、スペーサ13、22、23、32はそれぞれ別の部品として形成される。第1の例では、第1のベンチレーションマット本体111には、切り欠き部13a、13b、13cが設けられ、第2のベンチレーションマット本体112には、切り欠き部13d、13eが設けられる。一方、通風ガイド30のスペーサ32のうち第1のベンチレーションマット本体111に差し込まれる側の形状は、袋状の非通気性チューブが被される部分と同じ幅であるが、非通気性チューブが被された状態で切り欠き部13aに差し込まれる部分が露出する。また、接続マット121及び122のスペーサ22、23のうち第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112に差し込まれる側の形状は、バリアチューブが被される部分と同じ幅であるが、バリアチューブが被された状態で切り欠き部13b~eに差し込まれる部分が露出する。第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマットの切り欠き部13a~eが、通風ガイド30、接続マット121及び接続マット122を接続する接続部となる。スペーサ22、23、32をこのような形状とすることで、スペーサ22、23、32を元の3Dメッシュシート材から切り出す際の部材利用効率を高めることができる。
第2の例では、スペーサ22、23、32の接続孔側の端部には、通風ガイド30、接続マット121又は接続マット122から突出し、幅が通風ガイド30、接続マット121又は接続マット122よりも広い抜け防止部22a、23a、32aが形成される。また、スペーサ13の接続孔付近には、抜け防止部22a、23a、32aの形状に対応した形状の切り欠き部13a~eが設けられる。ベンチレーションマット1を組み立てる際には、抜け防止部22a、23a、32aを切り欠き部13a~eに嵌め込んだ状態で、スペーサ13の外周にサイドバリア11を設ける。これにより、抜け防止部22a、23a、32aがサイドバリア11により抑えられるため、通風ガイド30、接続マット121及び接続マット122が第1のベンチレーションマット本体111又は第2のベンチレーションマット本体112から抜け落ちることが防止され、ベンチレーションマット本体111、第2のベンチレーションマット本体112、接続マット121、接続マット122及び通風ガイド30が一体の部品となる。ベンチレーションマット本体111、第2のベンチレーションマット本体112、接続マット121、接続マット122及び通風ガイド30の接続は、接着、粘着、縫製、溶着等従来公知のいずれの方法を用いても良く特に限定されない。
続いて、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1の自動車用シートへの組み込み形態について説明する。そこで、図3に実施の形態1にかかるベンチレーションマット1を搭載する自動車用シートの概略図を示す。実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、実際には表皮カバーの下に設置されるため、表皮カバーに隠れた状態で自動車用シート60に搭載される。そこで、図3に示す概略図では、自動車用シート60において、ベンチレーションマット1が設置される部分を網掛け模様で示した。なお、通風ガイド30については、ファン取り付け孔31が自動車用シート60の裏面側に回り込むように取り回しがなされる。
図3に示すように、自動車用シート60は、背もたれ61及び座面62を有する。そして、背もたれ61と座面62には、それぞれ吊込部63が設けられる。この吊込部63は、表皮カバーが吊込部材によりクッション材と連結される部分である。そこで、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、第1のベンチレーションマット本体111と第2のベンチレーションマット本体112が吊込部63を挟むように、且つ、接続マット121及び接続マット122が吊込部63に位置するよう配置する。また、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、背もたれ61と座面62にそれぞれ設けられる。
この吊込部63付近の構造について、さらに詳細に説明する。そこで、図4に、図3のIV-IV線に沿った実施の形態1にかかるベンチレーションマットを搭載する自動車用シートの吊込部の断面図を示す。
図4に示すように、第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112は、クッション材64と表皮カバー65とに挟まれる位置に設けられる。また、第1のベンチレーションマット本体111と第2のベンチレーションマット本体112は、吊込部63を挟むように分離して配置される。また、接続マット121及び接続マット122が吊込部63に位置するよう配置される。吊込部63には、吊込部材66が設けられ、この吊込部材66により、表皮カバー65がクッション材64に引っ張られるようにクッション材64と連結される。具体的には、クッション材64には、上記した表皮カバー65に吊込部材66取り付けられた箇所に対応して溝が形成される。そして、その溝の底部に固定部材67として金属ワイヤが埋め込まれている。このようなクッション材64と表皮カバー65ついて、表皮カバー65の吊込部材66をクッション材64の溝の底部に引き込み、ホグリング等の止め具68によって吊込部材66と固定部材67を固定することによって連結される。止め具68は、接続マット121及び122を避けた箇所に配置される。この吊込部材66をクッション材64の溝の底部に引き込む張力により、表皮カバー65は張りのある状態となる。
ここで、接続マットの寸法や第2の基材の種類を変えたものを用意し、上記実施の形態に準拠してベンチレーションマットを作成し実施例1~9とした。なお、実施例1,2,7,8は同一種類の立体編物からなる第2の基材を使用している。実施例3,4,5,6は、それぞれ異なる種類の立体編物からなる第2の基材を使用している。実施例9は連続気孔の発泡ウレタン樹脂からなる第2の基材を使用している。これら実施例1~9にかかるベンチレーションマットについて、送風源(流量44.8m/h、静圧275Paのブロワ)を接続し、車両用座席内に配置した。その際、吊込部の組付けの作業性について確認を行った。また、実施例1~9にかかるベンチレーションマットを車両用座席内に配置した状態で、測定者が着座をして吊込部の感触を確認するとともに、空気を吸引するように送風源を12Vで作動し、特に第2のベンチレーションマット本体112において空気の吸引による清涼感を感じるかについて確認をした。各実施例の接続マットの詳細とともに、作業性、感触、清涼感について表1に示す。表1の作業性、感触、清涼感の評価について、優れていたものを○、実使用上問題はないがやや不十分だったものを△、実使用上問題があるものを×とした。
Figure 0007117195000001
表1に示すとおり、実施例1~9何れのベンチレーションマットにおいても、吊込部の組付け作業性、吊込部の感触、空気の吸引による清涼感について、実使用上問題のないものであった。特に実施例1,2にかかるものは、吊込部の組付けが容易であり、吊込部における違和感も全くなく、送風源から最も離れた部分からも十分の空気の吸引が感じられていた。実施例3にかかるものは、吊込部の圧力によって接続マットが若干潰れており、それによって、吸引の風量が若干低下していた。実施例4にかかるものも、実施例3ほどではなかったが、わずかな接続マットの潰れが見られた。実施例5にかかるものも十分な空気の吸引はなされていたが、実施例1に比べるとやや劣るものであった。実施例6にかかるものは、吊込部の組付けにやや力が必要であり、着座時にも他の実施例と異なる感触があった。但し、吊込部は、表皮カバーの縫い目に吊込部材が取り付けられている関係上、縫い目の感触の方が強く出るため、違和感とまでは至らなかった。実施例7~9にかかるものは、他の実施例と比較しても、吸引の風量が少ない感覚を受けた。
上記説明のように、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、接続マットの空気透過率が2%以上であり、圧縮量を40%としたときの圧縮応力値が2~30kPaである。そのため、第1のベンチレーションマット本体111と第2のベンチレーションマット本体112との間の通気を十分なものとすることができる。この十分な通気は、吊込部で表皮カバーを固定する際の張力がかかっても維持することができる。更に、吊込部で表皮カバーを固定する際に、シートクッション材の形状に合わせて第2の基材を曲げることができるため、シート組立て時の作業性に問題が生ずることはない。
ベンチレーションマット本体に使用される第1の基材についても、第2の基材と同様の通気性と圧縮応力値を有するもの使用しても良い。また、接続マットは曲げた状態で吊込部に配置されるため、実使用時には、ベンチレーションマット本体よりも、接続マットの方が通気しにくくなる。全体の通気度合いの平準化を図るため、第1の基材より第2の基材の方が通気性に優れるものとすることも考えられる。また、第2の基材は、接続マットとして吊込部に配置されるのに対し、第1の基材はベンチレーションマット本体として着座者が実際に座る箇所に配置される。このことから、第1の基材は柔軟なものが求められるため、第1の基材より第2の基材の方が圧縮応力値が低いものとすることが考えられる
また、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、簡単な形状の部品を組み合わせることで形成されるため、ベンチレーションマット1の構成部品の材料利用効率が高い(例えば、1つの材料に占める廃棄材料に対する利用可能材料の比率が高い)。つまり、材料の利用効率が高まることで、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、製造コストを低減することができる。
本発明によるベンチレーションマット1~4を自動車用シート60に組み込む際、例えば、第1のベンチレーションマット本体111、第2のベンチレーションマット本体112等を、クッション材64上に粘着テープ等で固定することが考えられる。このような態様のみでなく、例えば、クッション材64を成形する際、予め第1のベンチレーションマット本体111、第2のベンチレーションマット本体112等を成形型内に配置しておき、そこにクッション材の材料を流し込んだ後、クッション材の材料を発泡硬化させることも考えられる。この場合、第1のベンチレーションマット本体111、第2のベンチレーションマット本体112等とクッション材64が確実に固定されて位置ズレを防止することができる。このような工法は、カーシートヒータの技術分野では一般的なものであり、例えば、特許文献5等が参照できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
以上詳述したように本発明のベンチレーションマットによれば、吊込部の影響なく着座者に送風等をすることができる。その用途としては、自動車の座席以外にも、例えば、自動二輪車や鉄道車両等の車両座席でも良いし、チャイルドシート、土木建築用重機の座席、船舶や航空機などの座席、遊園地の観覧車の座席、各種競技場の観覧席、劇場や映画館等の鑑賞用座席、駅やテーマパーク、屋外公園等に設置されたベンチ、家庭内やオフィスで使用されるソファーや座椅子、理髪店の椅子、各種医療機関で使用されている医療用の椅子などへの適用も考えられる。また、座席のみならず、例えば、ベッド、ベビーカーなど、幅広く応用が可能である。
1 ベンチレーションマット
11 サイドバリア
12 通気性カバー
13 スペーサ
13a~e 切り欠き部
14 連結ベルト
15 開口面
22、23 スペーサ
25~28 接続部
30 通風ガイド
31 ファン取り付け孔
32 スペーサ
32a 抜け防止部
33 接続部
60 自動車用シート
61 背もたれ
62 座面
63 吊込部
64 クッション材
65 表皮カバー
66 吊込部材
67 固定部材
68 止め具
111 第1のベンチレーションマット本体
112 第2のベンチレーションマット本体
121、122 接続マット

Claims (3)

  1. 複数のベンチレーションマット本体と、
    接続マットを有し、
    前記複数のベンチレーションマット本体が、上記接続マットを介して接続されており、
    前記ベンチレーションマット本体は、
    通気性のある立体構造を備える第1の基材と、
    前記第1の基材の外周を覆うサイドバリアと、
    前記サイドバリアに囲われ、前記第1の基材が露出する開口面と、を有し、
    前記接続マットは、
    通気性のある立体構造を備える第2の基材と、
    前記第2の基材の周囲を覆うバリアチューブと、を有し、
    前記第1の基材と前記第2の基材が空気循環可能なように連通されており、
    前記接続マットの空気透過率が、2%以上であり、
    前記第2の基材における圧縮量を40%としたときの圧縮応力値が、2~30kPaであるベンチレーションマット。
  2. 前記ベンチレーションマット本体と、前記接続マットが、縫製により固定されている請求項1記載のベンチレーションマット
  3. シートクッション材と、表皮カバーと、請求項1又は2記載のベンチレーションマットを有し、
    前記シートクッション材が前記表皮カバーに覆われており、
    前記シートクッション材と前記表皮カバーが固定される吊込部が形成されており、
    前記吊込部に前記接続マットが位置するように、前記ベンチレーションマットが配置されている座席。
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