JP7117196B2 - ベンチレーションマット及び座席 - Google Patents

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本発明は、例えば、自動車等に設置される座席とそれに使用されるベンチレーションマットに係り、特に、座席を通じて送風等を行う場合に適した構成とすることが可能なものに関する。
例えば、自動車等の座席に、特に周囲の温度や湿度が高い条件の下で長時間に渡って着座する場合、座席の表面と人体接触部に「蒸れ」や「べたつき感」が生じる。この「蒸れ」や「べたつき感」は着座者の快適感を損なう原因となることから、従来からこのような問題に対する対策が種々検討されている。
このような検討の一つとして、例えば、当該特許出願人より特許文献1,2のような提案がなされている。特に特許文献1の図7、図14などには、送風装置が組込まれた座席の概略断面図が示されており、送風機などの送風源より送られた風が、チューブ状の通風路を通過して、吹出口より吹き出し、着座者に送風させる態様が開示されている。この送風により着座者の「蒸れ」や「べたつき感」が解消されることとなる。又、関連する技術として、例えば特許文献3~6も挙げられる。
特許第4999455号公報:クラベ 特許第5430085号公報:クラベ 特開2007-84039公報:ブリヂストン 特開2017-71368公報:ブリヂストン 特許第4107033号公報:松下電器産業 特許第4125721号公報:W.E.T.
ここで、特に車両用座席には、表皮カバーをシートクッション材に固定するための吊込部が形成されている。この吊込部の構造としては、表皮カバーに吊込部材が形成され、シートクッション材にワイヤ等を埋め込むことにより固定部材が形成され、これら吊込部材と固定部材をホグリング等の止め具で係止することで、表皮カバーとシートクッション材を連結する構造となっている。吊込部材は、樹脂板や不織布帯のような材料によって形成されており、また、表皮が弛んでシワが生じないよう、表皮カバーの吊込部材は強い張力でシートクッション材の固定部材に引き込まれて係止されている。そのため、吊込部の位置において、通風路は大きくシートクッション材側に湾曲されるとともに、吊込部材と固定部材の間で挟みこまれることになる。これにより、従来の送風装置では、吊込部において、通風路の通気が妨げられることとなり、吊込部の先に空気を送ったり、吊込部の先から空気を吸い込んだりすることが困難であった。
本発明はこのような従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、吊込部の影響なく着座者に送風等をすることができるベンチレーションマットを提供することにある。
上記目的を達成するべく、本発明によるベンチレーションマットは、複数のチューブがシート状に連結されたベンチレーションマット本体と、接続マットを有し、前記複数のベンチレーションマット本体が、上記接続マットを介して接続されており、前記ベンチレーションマット本体は、前記複数のチューブの一方の側に前記複数のチューブに跨がるようにスリットが設けられ、前記複数のチューブのもう一方の側に前記チューブの素材で連結されるベンチレーション部を有し、前記接続マットは、通気性のある立体構造を備える基材と、前記基材の周囲を覆うバリアチューブと、を有し前記複数のチューブと前記基材が空気循環可能なように連通されており、前記接続マットの空気透過率が、2%以上であり、前記基材における圧縮量を40%としたときの圧縮応力値が、2~30kPaであるものである。
また、前記ベンチレーションマット本体及び前記接続マットは、断熱シートが略全面に貼り付けられており、前記断熱シートによって前記ベンチレーションマット本体と前記接続マットが固定されていることが考えられる。
また、前記複数のチューブの間を連通する気流混合部を有することが考えられる。
また、本発明による座席は、シートクッション材と、表皮カバーと、前記のベンチレーションマットを有し、前記シートクッション材が前記表皮カバーに覆われており、前記シートクッション材と前記表皮カバーが固定される吊込部が形成されており、前記吊込部に前記接続マットが位置するように、前記ベンチレーションマットが配置されているものである。
本発明によるベンチレーションマットによれば、吊込部においても十分な通気がなされるため、吊込部を有する座席であっても、着座者への送風や、着座者からの空気の吸引をすることができる。
本発明で使用されるベンチレーションマットの一方の面を示す平面図である。 本発明で使用されるベンチレーションマットのもう一方の面を示す平面図である。 本発明のベンチレーションマットを搭載する自動車用シートの概略図である。 本発明のベンチレーションマットを搭載する自動車用シートの吊込部の断面図である。
以下では、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下で説明するベンチレーションマットは、自動車用シートの座面と背もたれとの少なくとも一方に設けられるものである。また、本発明にかかるベンチレーションマットは、自動車用シートのクッション材と、当該クッション材を覆う表皮カバーと、の間に挟み込むように設置される。また、ベンチレーションマットには、ファンが設けられ、このファンにより、ベンチレーションマットから空気を吸引する又はベンチレーションマットに空気が流し込まれる。
以下の説明では、自動車用シートにベンチレーションマットを設置した状態で、表皮カバー側、つまり座面側に位置する面を表面、自動車用シートのクッション材側に位置する面を裏面と称す。
図1に実施の形態1にかかるベンチレーションマット1の概略図を示す。図1では、ベンチレーションマット1の斜視図を示す。図1に示すように、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、第1のベンチレーションマット本体111、第2のベンチレーションマット本体112を有している。また、これら第1のベンチレーションマット本体111と第2のベンチレーションマット本体112を接続する接続マット121及び122を有している。実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、通風ガイド30を有していることも考えられる。このようなベンチレーションマット1は、通風ガイド30が、一端にファン取り付け孔が設けられ、他端がベンチレーションマット本体111の側面に設けられた接続孔に接続されることで形成される。本実施の形態1では、接続マットを2つ使用しているが、勿論、接続マットは1つでも良いし、3つ以上であっても良い。また、ベンチレーションマット本体を2つ使用しているが、勿論、ベンチレーションマット本体は2つ以上であっても良い。
第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112は、シート状に連結された複数のチューブ11により構成される構造を主構造体とする。このチューブ11は、例えばポリエチレンのような樹脂やオレフィン系可塑性エラストマー等により成形される。複数のチューブ11の連結方法として、シート状に複数のチューブ11が並ぶように一体成形する方法、所定の長さに切断された複数のチューブ11を接着する方法、所定の長さに切断された複数のチューブ11を不織布等の布に接着する方法などが考えられる。
第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112には、ベンチレーション部13及び気流混合部14が設けられることが考えられる。ベンチレーション部13は、複数のチューブ11の表皮カバーに接する側にスリットが設けられる部分であって、複数のチューブ11のシートクッション材に接する側はチューブを形成する素材で連結される。このベンチレーション部13の一態様は、チューブ11の延在方向と直交する方向にチューブを削るようにして設けられた溝である。図1では、第1のベンチレーションマット本体111に2つ、第2のベンチレーションマット本体112に2つのベンチレーション部13が設けられている。
また、気流混合部14は、ベンチレーション部13よりも通風ガイド20の接続部に近い部分に設けられ、複数のチューブ11の間を連通するように設けられる。図1に示す例では、気流混合部14は、ベンチレーションマット本体10のシートクッション材側にスリットが設けられるように、チューブ11の延在方向と直交する方向にチューブを削るようにして設けられた溝である。また、実施の形態1にかかるベンチレーションマット本体10に設けられる気流混合部14は、シートに被せられる表皮カバーに接する側のチューブが削り取られずに残る形態となっている。気流混合部14は、隣接するチューブ間が連通される空間であってベンチレーションマット本体10を構成する複数のチューブを流れる空気をこの空間で拡散或いは混合する部分である。なお、気流混合部14では、スリットの底部の平坦度を増すことで、空気の拡散効率を高めることができる。また、気流混合部14は、接続マット121及び122の近傍に設けられることも考えられる。
そして、図1に示す例では、第1のベンチレーションマット本体111には、通風ガイド30が接続部を含む部分に不織布12が貼り付けられている。また、図1では図示されていないが、不織布12は、ベンチレーションマット本体10の裏面(例えば、気流混合部14の開口部が設けられている面)にも貼り付けられている。裏面に貼り付けられる不織布12については、気流混合部14を覆っても覆わなくてもよく貼り付け範囲は製品毎に異なっていても良い。
以下の説明では、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1の面のうち表皮カバーに面する側(つまり、ベンチレーション部13の開口部が設けられる側)を表面側と称し、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1の面のうちシートクッション材に面する側(つまり、気流混合部14の開口部が設けられる側)を裏面側と称す。
接続マット121及び122は、通気性のある立体構造を備える基材(例えば、スペーサ22、23)と、基材の周囲を覆うバリアチューブとを有している。この基材(例えば、スペーサ22、23)は、例えば、ダブルラッセルや3Dメッシュシートのような繊維を立体的に編んだ立体編物、繊維が三次元状に複雑に絡み合ってできた構造体、連続気泡を有するフォーム材(スポンジ)、ゴムチューブを並べたもの等を用いることができる。立体編物としては、例えば、旭化成社製のフュージョン(登録商標)、住江織物社製のスウィングネット(登録商標)、ミュラーテキスタイル社製の3mesh(登録商標)、ユニチカ社製のキュービックアイ(登録商標)等が挙げられる。繊維が三次元状に絡み合ってできた構造体としては、例えば、東洋紡社製のブレスエアー(登録商標)等が挙げられる。連続気泡を有するフォーム材やゴムチューブを構成する材料としては、例えば、ウレタン、EPDM、クロロプレン、イソプレン、シリコーン、各種熱可塑性エラストマー等の材料が使用される。これら基材は、通気しやすい方向と通気しにくい方向のような方向性を持つものも考えられる。例えば、立体編物のようなものだと、断続的に断面当たりの繊維の密度が高くなる(本数が多くなる)部分が形成されるような方向や、連続的に繊維の密度が低くなる(本数が少なくなる)部分を有するような方向が形成されるようなものがある。この場合、繊維の密度が低い(本数が少ない)方が通気しやすいことになる。このような方向性を持つ基材を使用する場合は、実際に通気がなされる方向である空気流動方向が、基材における通気しやすい方向、例えば、連続的に繊維の密度が低くなる(本数が少なくなる)部分を有するような方向と同じ方向であることが好ましい。また、バリアチューブは、例えば、不織布、スパンボンド不織布、織布、フィルム、ゴム引き布を用いることができる。ここで、不織布、スパンボンド不織布及び織布の素材は、アラミド繊維、ガラス繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン、ポリオレフィン繊維、レーヨン繊維等が考えられる。また、フィルムの素材としては、ポリエチレン、ポリビニル、ポリプロピレン、PET、各種熱可塑性エラストマー等が考えられる。ゴム引き布は、繊維に気密性を与える加工をしたものである。この基材は複数のチューブ11と空気循環可能なように連通されており、これにより、第1のベンチレーションマット本体111、接続マット121、接続マット122及び第2のベンチレーションマット本体112の間で通気されるようになる。
接続マット121,122は、空気透過率が2%以上のものを使用する。空気透過率は、何も接続していない送風源による空気の流量に対する、送風源に直接接続マットを接続した状態での空気の流量の割合を示す。送風源に直接接続マットを接続した状態での空気の流量の測定については、より具体的には、接続マットにおけるバリアチューブが開口している一端に送風源を接続し、もう一端に流量計を接続し、送風源を作動したときの流量を測定する。特に、接続マット121,122の空気透過率が35%以上、更には、40%以上であることが好ましい。このような接続マット121,122とするため、基材の通気性は、2000cm/dm・min以上であることが好ましい。通気性が2000cm/dm・min以上の基材であれば、接続マット121,122の空気透過率も優れたものとすることができる。なお、通気性は、実際にベンチレーションマットとして設置した場合の通気方向について測定され、ISO9237に準拠し、試験時の圧力を2hPaとして測定される。接続マット121,122の空気透過率に優れていれば、第1のベンチレーションマット本体111と第2のベンチレーションマット本体112との間の通気を十分にすることができる。
また、基材における圧縮量を40%としたときの圧縮応力値(以下、40%圧縮応力値と記すことがある)は、2~30kPaである。40%圧縮応力値が2kPa未満であると、吊込部での表皮カバーを固定する際の張力によって基材が潰れてしまい、第1のベンチレーションマット本体111と第2のベンチレーションマット本体112との間の通気が十分ではなくなる。40%圧縮応力値が30kPaを超えると、吊込部で表皮カバーを固定する際に、シートクッション材の形状に合わせて基材を曲げることが困難となり、作業性に問題が生ずることになる。また、着座者が接続マットを感じ取ってしまい違和感の原因となることもある。特に、基材における40%圧縮応力値が、10kPa以上であることが好ましく、また、20kPa以下であることが好ましい。なお、40%圧縮応力値は、ISO3386-1に準拠して測定される。
立体編物からなる基材等において、通気経路に存在する繊維が多い場合、及び、通気経路に存在する繊維の径が太い場合、接続マットの空気透過率は低くなるが、基材の40%圧縮応力値は高くなる傾向にある。また、基材の繊維の材質によって基材の40%圧縮応力値を設計することもできる。接続マットの空気透過率は、接続マットの断面積及び長さによっても設計することができる。最適な接続マットの空気透過率及び基材の40%圧縮応力値を得るため、接続マットの寸法や、基材に使用される繊維について適切なものを使用する必要がある。
接続マット121及び122の両端は、サイドバリア11に設けられた接続孔に差し込まれる。図1では、接続マット121及び122と第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112との接続する部分を接続部25~28とした。実施の形態1にかかるベンチレーションマット1では、第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112に接続マット121,122を差し込んだ状態で、両面テープ付き不織布12を巻き付けることにより、第1のベンチレーションマット本体111、第2のベンチレーションマット本体112、接続マット121及び接続マット122が外れないように接続する。このときこれらの間をレーザー溶着等しておけば、より安定的に接続することができる。第1のベンチレーションマット本体111、第2のベンチレーションマット本体112、接続マット121及び接続マット122を接続する方法としては、接着、粘着、溶着、縫製等、従来公知のいずれの方法をとっても良い。
通風ガイド30は、非通気性のチューブであって、通気性のある立体構造を備える基材(例えば、スペーサ32)により内部に通風路が形成される。このスペーサ32は、例えば、繊維を立体的に編んだ3Dメッシュシートを用いることができる。また、非通気性のチューブとしては、フィルムを袋状に成形したものであって、フィルム素材としてポリプロピレン等の樹脂や各種エラストマー等を利用することができる。
通風ガイド30の一端には、スペーサ32が露出するように開口部が設けられる。この開口部は、プラスチック素材で形成された型が嵌め込まれ、ファン取り付け孔31となる。通風ガイド30の他端は、第1のベンチレーションマット本体111の設けられた接続部に差し込まれる。図1では、通風ガイド30と第1のベンチレーションマット本体111との接続する部分が不織布12により覆われる。実施の形態1にかかるベンチレーションマット1では、第1のベンチレーションマット本体111に通風ガイド30を差し込んだ状態で、両面テープ付き不織布12を巻き付けることにより、第1のベンチレーションマット本体111と通風ガイド30とが外れないように接続する。このとき通風ガイド30と第1のベンチレーションマット本体111とをレーザー溶着等しておけば、より安定的に接続することができる。通風ガイド30と第1ベンチレーションマット本体111を接続する方法としては、接着、粘着、溶着、縫製等、従来公知のいずれの方法をとっても良い。両面テープ付きの不織布を使用することにより、第1のベンチレーションマット本体111の通風ガイド側の端部の開口部を塞ぎ、そこからの気流の漏れや侵入を防止することができる。つまり、不織布12は、第1のベンチレーションマット本体111を構成する複数のチューブ11の通風ガイド側の端部の開口部を塞ぎ気流の漏れや侵入を防止する気流漏れ防止部として機能する。
ここで、実施の形態1にかかる第1のベンチレーションマット本体111、第2のベンチレーションマット本体112と、スペーサ22、23、3との形状について更に詳細に説明する。そこで、図2に実施の形態1にかかるベンチレーションマットの詳細な構造を説明する図を示す。図2では、ベンチレーションマット1を表面から見たベンチレーションマット1の概略図と、ベンチレーションマット1を裏面から見たベンチレーションマット1の概略図と、ベンチレーションマット1を側面から見たベンチレーションマット1本体10の概略図を示した。また、図2では、通風ガイド30の構成のうち通風ガイド30内の通風路を構成するスペーサ32の形状のみを示した。
図2に示すように、第1のベンチレーションマット本体111には、切り欠き部15a、15b、15cが設けられ、第2のベンチレーションマット本体112には、切り欠き部15d、15eが設けられる。一方、スペーサ22,23,32のうち第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112に差し込まれる側の形状は、袋状の非通気性チューブやバリアチューブが被される部分と同じ幅であるが、非通気性チューブやバリアチューブが被された状態で切り欠き部15a~eに差し込まれる部分が露出する。切り欠き部15a~eが、第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112に接続マット121,122を接続する接続部となる。スペーサ22,23,32をこのような形状とすることで、スペーサ22,23,32を元の3Dメッシュシート材から切り出す際の部材利用効率を高めることができる。
また、図2に示すように、第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112の表面側には、ベンチレーション部13が設けられる。このベンチレーション部13は、側面から見ると、表面側に開口したチューブ11に刻まれた溝であることがわかる。また、第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112の裏面側には、気流混合部14が設けられる。この気流混合部14は、側面から見ると、裏面側に開口したチューブ11に刻まれた溝であることがわかる。また、気流混合部14の一部は、ベンチレーション部13と切り欠き部15との間に設けられ、気流混合部14の別の一部は、接続マット121,122の近傍に設けられる。なお、気流混合部14は、出来るだけ切り欠き部15や接続マット121,122に近い部分に設けることで、切り欠き部15接続マット121,122に接続されるスペーサ22,23,32による横方向(例えば、気流混合部14となる溝が延在する方向)気流の発生が促進されるため、複数のチューブ11を流れる気流の拡散効果を高めることができる。
続いて、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1の自動車用シートへの組み込み形態について説明する。そこで、図3に実施の形態1にかかるベンチレーションマットを搭載する自動車用シートの概略図を示す。実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、実際には表皮カバーの下に設置されるため、表皮カバーに隠れた状態で自動車用シート60に搭載される。そこで、図3に示す概略図では、自動車用シート60において、ベンチレーションマット1が設置される部分が分かるようにベンチレーションマット本体10を座面62上に図示した。なお、通風ガイド30については、ファン取り付け孔31が自動車用シート60の裏面側に回り込むように取り回しがなされる。
図3に示すように、自動車用シート60は、背もたれ61及び座面62を有する。そして、背もたれ61と座面62には、それぞれ吊込部63が設けられる。この吊込部63は、表皮カバーが吊込部材によりクッション材と連結される部分である。そこで、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、第1のベンチレーションマット本体111と第2のベンチレーションマット本体112が吊込部63を挟むように、且つ、接続マット121及び接続マット122が吊込部63に位置するよう配置する。また、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、座面62にそれぞれ設けられる。勿論、背もたれ61にベンチレーションマットを設けても構わない。また、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、ベンチレーション部13が着座者側に位置し、気流混合部14がシートクッション側(不図示)に位置するように設置される。また、図面は省略したが、座面62を構成するシートクッション材には、第1のベンチレーションマット本体111、第2のベンチレーションマット本体112、接続マット121、接続マット122及び通風ガイド30を埋め込むために、これらの形状に対応した凹部が形成される。そして、第1のベンチレーションマット本体111、第2のベンチレーションマット本体112、接続マット121、接続マット122及び通風ガイド30は、この凹部に嵌め込まれるように設置される。
この吊込部63付近の構造について、さらに詳細に説明する。そこで、図4に、図3のIV-IV線に沿った実施の形態1にかかるベンチレーションマットを搭載する自動車用シートの吊込部の断面図を示す。
図4に示すように、第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112は、クッション材64と表皮カバー65とに挟まれる位置に設けられる。また、第1のベンチレーションマット本体111と第2のベンチレーションマット本体112は、吊込部63を挟むように分離して配置される。また、接続マット121及び接続マット122が吊込部63に位置するよう配置される。吊込部63には、吊込部材66が設けられ、この吊込部材66により、表皮カバー65がクッション材64に引っ張られるようにクッション材64と連結される。具体的には、クッション材64には、上記した表皮カバー65に吊込部材66取り付けられた箇所に対応して溝が形成される。そして、その溝の底部に固定部材67として金属ワイヤが埋め込まれている。このようなクッション材64と表皮カバー65ついて、表皮カバー65の吊込部材66をクッション材64の溝の底部に引き込み、ホグリング等の止め具68によって吊込部材66と固定部材67を固定することによって連結される。止め具68は、接続マット121及び122を避けた箇所に配置される。この吊込部材66をクッション材64の溝の底部に引き込む張力により、表皮カバー65は張りのある状態となる。
ここで、接続マットの寸法や基材の種類を変えたものを用意し、上記実施の形態に準拠してベンチレーションマットを作成し実施例1~9とした。なお、実施例1,2,7,8は同一種類の立体編物からなる基材を使用している。実施例3,4,5,6は、それぞれ異なる種類の立体編物からなる基材を使用している。実施例9は連続気孔の発泡ウレタン樹脂からなる基材を使用している。これら実施例1~9にかかるベンチレーションマットについて、送風源(流量44.8m/h、静圧275Paのブロワ)を接続し、車両用座席内に配置した。その際、吊込部の組付けの作業性について確認を行った。また、実施例1~9にかかるベンチレーションマットを車両用座席内に配置した状態で、測定者が着座をして吊込部の感触を確認するとともに、空気を吸引するように送風源を12Vで作動し、特に第2のベンチレーションマット本体112において空気の吸引による清涼感を感じるかについて確認をした。各実施例の接続マットの詳細とともに、作業性、感触、清涼感について表1に示す。表1の作業性、感触、清涼感の評価について、優れていたものを○、実使用上問題はないがやや不十分だったものを△、実使用上問題があるものを×とした。
Figure 0007117196000001
表1に示すとおり、実施例1~9何れのベンチレーションマットにおいても、吊込部の組付け作業性、吊込部の感触、空気の吸引による清涼感について、実使用上問題のないものであった。特に実施例1,2にかかるものは、吊込部の組付けが容易であり、吊込部における違和感も全くなく、送風源から最も離れた部分からも十分の空気の吸引が感じられていた。実施例3にかかるものは、吊込部の圧力によって接続マットが若干潰れており、それによって、吸引の風量が若干低下していた。実施例4にかかるものも、実施例3ほどではなかったが、わずかな接続マットの潰れが見られた。実施例5にかかるものも十分な空気の吸引はなされていたが、実施例1に比べるとやや劣るものであった。実施例6にかかるものは、吊込部の組付けにやや力が必要であり、着座時にも他の実施例と異なる感触があった。但し、吊込部は、表皮カバーの縫い目に吊込部材が取り付けられている関係上、縫い目の感触の方が強く出るため、違和感とまでは至らなかった。実施例7~9にかかるものは、他の実施例と比較しても、吸引の風量が少ない感覚を受けた。
上記説明のように、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、接続マットの空気透過率が2%以上であり、圧縮量を40%としたときの圧縮応力値が2~30kPaである。そのため、第1のベンチレーションマット本体111と第2のベンチレーションマット本体112との間の通気を十分なものとすることができる。この十分な通気は、吊込部で表皮カバーを固定する際の張力がかかっても維持することができる。更に、吊込部で表皮カバーを固定する際に、シートクッション材の形状に合わせて基材を曲げることができるため、シート組立て時の作業性に問題が生ずることはない。また、着座者が接続マットを感じ取り違和感を覚えてしまうこともない。
また、接続マットは曲げた状態で吊込部に配置されるため、実使用時には、ベンチレーションマット本体よりも、接続マットの方が通気しにくくなる。全体の通気度合いの平準化を図るため、複数のチューブより基材の方が空気透過性に優れるものとすることも考えられる。
また、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、簡単な形状の部品を組み合わせることで形成されるため、ベンチレーションマット1の構成部品の材料利用効率が高い(例えば、1つの材料に占める廃棄材料に対する利用可能材料の比率が高い)。つまり、材料の利用効率が高まることで、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、製造コストを低減することができる。
また、接続マット121,122は、第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112を構成する複数のチューブ11の一部としか接しない形状である場合、第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112を構成する複数のチューブ11に流れる気流の量を均一化できない問題が生じる。しかしながら、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、気流混合部14を設けることで、接続マット121,122が第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112に接続される接続部から離れた位置にあるチューブ11に流れる気流をこの気流混合部14を介して接続部に導くことができる。これにより、実施の形態1にかかるベンチレーションマット1は、第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112と接続マット121,122とが一部でしか接続されない形態であっても、第1のベンチレーションマット本体111及び第2のベンチレーションマット本体112を構成する複数のチューブ11に流れる気流の均一に近づけることができる。
本発明によるベンチレーションマット1~4を自動車用シート60に組み込む際、例えば、第1のベンチレーションマット本体111、第2のベンチレーションマット本体112等を、クッション材64上に粘着テープ等で固定することが考えられる。このような態様のみでなく、例えば、クッション材64を成形する際、予め第1のベンチレーションマット本体111、第2のベンチレーションマット本体112等を成形型内に配置しておき、そこにクッション材の材料を流し込んだ後、クッション材の材料を発泡硬化させることも考えられる。この場合、第1のベンチレーションマット本体111、第2のベンチレーションマット本体112等とクッション材64が確実に固定されて位置ズレを防止することができる。このような工法は、カーシートヒータの技術分野では一般的なものであり、例えば、特許文献5等が参照できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
以上詳述したように本発明のベンチレーションマットによれば、吊込部の影響なく着座者に送風等をすることができる。その用途としては、自動車の座席以外にも、例えば、自動二輪車や鉄道車両等の車両座席でも良いし、チャイルドシート、土木建築用重機の座席、船舶や航空機などの座席、遊園地の観覧車の座席、各種競技場の観覧席、劇場や映画館等の鑑賞用座席、駅やテーマパーク、屋外公園等に設置されたベンチ、家庭内やオフィスで使用されるソファーや座椅子、理髪店の椅子、各種医療機関で使用されている医療用の椅子などへの適用も考えられる。また、座席のみならず、例えば、ベッド、ベビーカーなど、幅広く応用が可能である。
1 ベンチレーションマット
11 チューブ
12 不織布
13 ベンチレーション部
14 気流混合部
15a~e 切り欠き部
22、23 スペーサ
30 通風ガイド
31 ファン取り付け孔
32 スペーサ
33 接続部
60 自動車用シート
61 背もたれ
62 座面
63 吊込部
64 クッション材
65 表皮カバー
66 吊込部材
67 固定部材
68 止め具
111 第1のベンチレーションマット本体
112 第2のベンチレーションマット本体
121、122 接続マット

Claims (4)

  1. 複数のチューブがシート状に連結されたベンチレーションマット本体と、
    接続マットを有し、
    前記複数のベンチレーションマット本体が、上記接続マットを介して接続されており、
    前記ベンチレーションマット本体は、
    前記複数のチューブの一方の側に前記複数のチューブに跨がるようにスリットが設けられ、前記複数のチューブのもう一方の側に前記チューブの素材で連結されるベンチレーション部を有し、
    前記接続マットは、
    通気性のある立体構造を備える基材と、
    前記基材の周囲を覆うバリアチューブと、を有し
    前記複数のチューブと前記基材が空気循環可能なように連通されており、
    前記接続マットの空気透過率が、2%以上であり、
    前記基材における圧縮量を40%としたときの圧縮応力値が、2~30kPaであるベンチレーションマット。
  2. 前記ベンチレーションマット本体及び前記接続マットは、断熱シートが略全面に貼り付けられており、前記断熱シートによって前記ベンチレーションマット本体と前記接続マットが固定されている請求項1記載のベンチレーションマット。
  3. 前記複数のチューブの間を連通する気流混合部を有する請求項1記載のベンチレーションマット。
  4. シートクッション材と、表皮カバーと、請求項1又は2記載のベンチレーションマットを有し、
    前記シートクッション材が前記表皮カバーに覆われており、
    前記シートクッション材と前記表皮カバーが固定される吊込部が形成されており、
    前記吊込部に前記接続マットが位置するように、前記ベンチレーションマットが配置されている座席。
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