JP2003278310A - 成形紙管構造体とその製造方法 - Google Patents
成形紙管構造体とその製造方法Info
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Abstract
能性などに優れた建築資材用として利用でき、かつ配
管、配線、機器類などを収納できる機能性を有する成形
紙管構造体を提供する。 【構成】外面形状が平面部分4a,4a,4a,4aと
曲面部分4b,4b、4b,4bから構成される成形紙
管4とする。その成形紙管4を複数本並列し隣接する平
面部分同士を接合して成形紙管群5とする。成形紙管群
5の少なくとも片面に外装材6を接合する。
Description
湿性、設備収納性などに優れた機能性を有する建材とし
て用いることができる成形紙管構造体とその製造方法に
関するもので、さらに詳しくは、断熱屋根材・断熱壁材
・結露防止壁材、防音天井材・防音床材・防音壁材、調
湿壁材、電気配線収納壁材・ガス水道収納壁材・冷暖房
床材・システム床材・システム天井材・分電番収納壁材
・情報機器収納壁材などに利用できる成形紙管構造体お
よびその製造方法に関するものである。
き、平巻きなどで生産された円筒状紙管の外面を部分的
に対称位置で加圧することにより、外側面の対称位置に
形成された平面部分と、元の円筒状紙管の円弧状を残し
た曲面部分とからなる紙管を言うものである。造管と同
時に成形するか、造管を適当な長さに切断した後にする
か、または別途加湿加温状態で成形するかは生産現場で
適宜に選択される。
は、例えば、実開平6−27130号公報に開示されて
いるように、断面形状が円形、楕円形、多角形などの紙
管を並列し、その片面または両面に紙、合成紙、布、金
属箔、プラスチックフィルムなどのシートを貼着するこ
とにより軽量で可撓性に富み、且つ可曲性があって、壁
装材、間仕切り、天井材、床材などのパネル材として用
いることができる紙管パネルが提案されている。
070号公報に開示されているように、建築用内装ボー
ドと外装ボードとの間に中空の角柱形紙管からなる構造
材料を介在させて間仕切り壁や補強リブ付きボードとし
て使用することが提案されている。さらに、その製造方
法においても連続的に生産するのが難しい問題があっ
た。
紙管パネルおよび後者の建築用内外装構造材料では、そ
の内部に配管、配線、機器類などの収納ができないた
め、利用度に制限があって室内の有効空間容積を狭ばめ
るばかりでなく、使用時にはパネル材および外装ボード
の外部に設けることに限定されるだけでなく、外部に露
出することになり、外観上、体裁が悪くなり用途が限ら
れていた。
発されたもので、建築用資材として求められる放熱・断
熱性能、遮音性能、調湿性能、加工性などに優れると共
に、配管、配線、機器類などを収納できる機能性を有す
る成形紙管構造体およびその製造方法を提供することを
目的とする。
の不足している地域または戦争・天災などで被災してい
る地域への援助物資の一つとしてテントに代わる簡易ハ
ウス用の資材としても使用できる成形紙管構造体および
その製造方法を提供することを目的とする。
の目的を達成する手段として、本発明では、複数枚の紙
材からなり、外面形状が曲面部分と平面部分から構成さ
れた複数の筒状の成形紙管を用いて、隣接する成形紙管
の平面部分同士を連結して成形紙管群を形成し、その成
形紙管群の少なくとも片面に板状、シート、フィルムな
どの外装材を接着してなる成形紙管構造体を開発し、採
用した。
り、外面形状が曲面部分と平面部分から構成された複数
の筒状の成形紙管を用いて、隣接する成形紙管の平面部
分同士を連結して成形紙管群を形成し、その成形紙管群
の少なくとも片面に板状、シート、フィルムなどの外装
材を接着するとともに、成形紙管の開口部を破壊できる
シート片で封止し、その上面の横方向に接合された成形
紙管の少なくとも一部に孔を設け、縦方向に接合された
成形紙管と連通させたことを特徴とする成形紙管構造体
を開発し、採用した。
た成形紙管構造体において、成形紙管の中空部に水道
管、ガス管、熱交換パイプなどの配管類あるいは電力
線、通信ケーブルなどの配線類を収納した成形紙管構造
体を開発し、採用した。
より接着して筒状の紙管を造管する工程と、該紙管の外
面を部分的に加圧して外側面に対称的に平面部分を形成
する工程と、平面部分と元の紙管の残部により形成され
た曲面部を有する成形紙管を造管する工程と、複数の成
形紙管の平面部分同士を接合して成形紙管群とする工程
と、接合された成形紙管群の少なくとも片面に板状、フ
ィルム状などの外装材を接合する工程とからなることを
特徴とする成形紙管構造体の製造方法を開発し、採用し
た。
を添付の図1〜図6に基づいて説明すれば、図1、図2
において、1はスパイラル巻き機または平巻き機にて生
産された外径82mm、内径76mmの円筒状の紙管、
2,2は所定の間隔で紙管1の両側に垂直方向に配置さ
れた中央部が僅かに突出する太鼓状の加圧ローラー、
3,3は紙管1の上下に水平方向に配置された同様の加
圧ローラーである。
紙管1は垂直方向の加圧ローラー2,2に挟み込まれて
両側面を変形させて平面部分4a,4aを形成し、上下
加圧ローラー3,3に挟み込まれて上下両面を変形させ
て平面部分4a,4aを形成し、紙管1の円弧の残部即
ち、四隅部を曲面4b,4b,4b,4bに形成した成
形紙管4となる。
および傾きなどは、紙管1の外径に対しどの程度の平面
部分および角度を形成させるかにより決定される。この
実施の形態においては、加圧ローラー2,2および3,
3の間隔は約75mmとした。
ラー3,3のそれぞれの位置は紙管の変形に要する加圧
ならびに変形を容易にするため前後に僅かにずらしてあ
り、好ましくは加圧ローラーの大きさ1本分位ずらすこ
とで紙管の紙層剥離がなく変形度合い(変形対称性、曲
率形状、平面形状)などが良好になる。
紙層同士が接着されていない間(巻き芯との摩擦抵抗に
よる熱で温度が高く、未乾燥状態で接着剤が硬化してい
ない状態)に加圧ローラー2,2、3,3間を通過する
時に加圧成形することにより、紙層が剥離せず、また余
分な設備(加熱、加湿設備を含む)を設置しなくとも容
易に成形が可能である。
速度に同期させて、紙管1の周囲を公転回転させること
により、連続した成形紙管が生産できる。すなわち、加
圧ローラー群を造管速度に合せて自転公転させることに
より、紙層剥離のない成形紙管4ができる。
厚さが厚ければ外径、内径の差により曲面部分4bと平
面部分4aの境界域に皺、浮きが発生する場合があり、
紙管外径が90mm以下の場合の好ましい紙管の厚さは
約4mm以下である。紙管外径が大きくなれば当然に紙
管の厚さも厚くできる。また曲面部分4bの範囲を大き
くとることによりさらに紙管の厚さを大きくできる。こ
のように曲面部分4bを残存させることにより、成形紙
管4の機械的な強度を高めることができる。
4を示すもので、元の紙管1の曲率半径40mmの曲面
部分4b,4b,4b,4bと、上下面および両側面を
加圧変形させた幅約32m、対向内面距離約67mmの
平面部4a,4a,4a,4aとにより構成された略正
方形に近い断面形状のものであるが、この形状に限定さ
れるものでなく、用途に応じて加圧ローラー2,2、
3,3の位置関係を調整することにより、曲面部分4b
を一部に有する三角形、矩形、台形など各種形状の成形
紙管の製造が可能である。
接する平面部分同士4a,4aを接着剤で接着して連結
した成形紙管群で、その成形紙管群5の表裏面に厚さ3
mmの化粧板の外装材6を、下面にアルミニウム箔をラ
ミネートした厚さ0.3mmの紙材の外装材6をそれぞ
れ接着で接合して成形紙管構造体7を構成している。
の形態を示しており、上記第1実施の形態と相違してい
るのは、縦方向の成形紙管4と横方向の成形紙管9から
構成されている点であって、他の部材の構成は前記第1
実施の形態と相違していないので説明を省略すると共
に、同一部材には同一符号を符してある。
8に示すように、縦方向の成形紙管4を、前記第1実施
の成形紙管群5と同じように複数本並列して、隣接する
平面部分同士4a,4aを接着剤で連結して成形紙管群
8を形成し、その上面部に横方向の成形紙管9を接合し
てあり、その成形紙管9の下面の所要の位置に孔10を
明けてある。
4の中空部の空気を密封し、断熱効果を高めるため両端
の開口部に空気遮断用として封止するシート片で、紙や
プラスチックフイルムなどの破壊しやすい材質からなっ
ている。12は厚さ約3mmのパンチング孔を設けたベ
ニヤ板の上に多孔質性クロスを貼り付けた外装材であ
り、それによって成形紙管構造体13を構成している。
配線または配管をする必要があるときに、成形紙管4の
開口部に貼り付けられたシート片11を予め破っておく
ことにより、横方向の成形紙管9の孔10と連通され
る。他の開口部のシート片11は破られないため内部の
空気が移動せず、断熱効果を維持する。
造体13の使用例と作用、効果を図9および図11に示
す外壁材Aおよび図11に示す床材Bについて説明す
る。図9は、外壁面側に床暖房用の給湯器14を配置
し、内壁面側に制御器(リモコン)15を配置し、該給
湯器14に繋がる温湯給排水パイプ16を床材Bに配設
された熱交換パイプ17と接続して床暖房用のシステム
を構築する例を示しており、温湯給排水パイプ16を予
め縦方向の成形紙管4の適宜位置に穿設した孔に挿入し
て成形紙管4の中空部に沿って下方に延ばして熱交換パ
イプ17と接続するものである。この時、温湯給排水パ
イプ16は成形紙管4の中空部に充分収納できるスペー
スがあって容易にスムーズに収納することができる。ま
た、温湯給排水パイプ16と熱交換パイプ17は成形紙
管4の中空部内に収納され隠れて外面に出ることがない
ので損傷することがない。
1に示す間仕切り材Cについて説明する。横方向の成形
紙管9の一方の開口部から電力線18を、他方の開口部
から電話(インターネット用含む)回線19を挿通し、
縦方向の成形紙管4の開口部に貼ってあるシート片11
(図8参照)を破り中空部に通してコンセント20に結
合したものであり、この使用例によれば、電力線18、
電話回線19を挿入収納しやすく外部に現れることがな
い利点がある。また、他の成形紙管4の開口部のシート
片11は破られないため、中空部の空気が移動せず、音
波振動の成形紙管内部での減衰が高くなり、断熱効果と
遮音効果を発揮でき、ピアノ据え付けた部屋あるいはス
テレオを設置してある部屋の間仕切り材として使用する
と、外部への音の漏れがなく周囲に迷惑をかけず快適な
生活ができる。
保温(断熱効果)し、暖房および冷房効率を高めること
ができる。さらに、夏は室内温度を冷却(自然冷却効
果)することができる。すなわち、冷却効果については
成形紙管内を下方(床下近辺)から上方に向けて空気の
流れを作る(エントツ効果で自然に緩やかな気流が生じ
る)ことにより、壁面の温度を空冷により下げることが
できる。なお、強制的に気流の流れを作ればさらに効率
は高くなるが、エネルギー消費の点からは自然対流を利
用することが好ましい。すなわち、環境にやさしい自然
温度管理システムが創出できる。
の下敷材Dとして使用すると、配管(床下暖房、ガス管
など)、配線(電力線、電話線など)が埋設できる。畳
敷きの場合はさらに湿度の調整(調湿作用)ができ、カ
ビの発生が防止できる。またマンションなどの場合、振
動吸収材として階下の室への振動伝達を紙の変形復元力
で抑制する効果が付加される。
ると、屋根裏との断熱(この断熱性は、特にマンション
などの上層階で期待でき、天井からの熱を低減すること
ができる。)、階上からの遮音を図ることができるもの
である。
して使用すると、断熱効果が図れて夏場の屋根から照り
返しによる熱遮断、さらに前述したように紙管内部に空
気を流すことで冷却効果を計ることができる。
場合は、成形紙管を小型化し外装材として雨の浸透を防
止する金属材、洋瓦、U瓦(商品名)などに貼り付ける
などして利用できる。この場合、厚さを薄くするため紙
管径を小さく、好ましくは直径20mm〜30mmにす
るとよい。
管とその用途について説明したが、2×4工法も可能で
ある。図12の断面図に示すような形状のものも用途に
応じて利用でき、特に成形紙管4の断面形状については
実施例に限定されない。
る際の継手として、図13の斜視図に示すような構成体
も必要となる。(A)はボードを直角に接続する場合、
(B)はT字状に接続する場合、(C)は交差させる場
合などに利用できる。
示す各成形紙管構造体を壁材として使用した場合の遮音
試験の結果を下記する。従来の円形紙管21を離間配置
し紙管外面全体に沿うように外装材22としての厚さ1
mmの紙を貼り付けた構造体(A)及び従来の角形紙管
23を両端に配置し、その間に略ハニカム構造体24を
配置し、両面に同じ外装材25を接着した構造体(B)
並びに本発明の成形紙管4による構造体(C)のそれぞ
れを、防音効果を有する箱の片面に設置し、その箱の内
部にスピーカーを配置して各構造体面から洩れる音響を
測定したところ、従来の構造体(A)は約1/3dB、
構造体(B)は約2/3dBであったのに対して、本発
明の構造体(C)は約1/7dBであった。このことは
本発明の構造体が音波の振動を面で伝達していないこ
と、面部分が紙管の厚さで減衰させ紙管内部の空気に伝
播しにくくさせているためと考えられる。
た。その結果を下記する。実験方法は、図14の各構造
体を熱プレートの上面に密着させ、温度計測用の熱伝導
体を構造体の両面にそれぞれ固定した。熱プレート温度
を約45℃に制御した4時間後の温度は、構造体(A)
は約28℃、構造体(B)は30℃、本発明の構造体
(C)では約25℃であった。このことは本発明の構造
体が断熱性に優れていることを示している。
材、構造体の寸法、材質及び造管速度などについては特
に限定されるものではなく、また収納設備類なども用途
に応じて適宜選択されるものである。
成形紙管を接合する際に隣接する平面部分同士で接合す
るため、接着面積が大きくなって紙管同士の接合が強固
になり、丈夫な成形紙管構造体となる。また、成形紙管
には元の紙管の曲面部分を残しているので、機械的な強
度を高めることができる。
め、外装材を多孔質や吸湿性の部材にすると室内の水分
を吸い込み、乾燥ぎみの場合は、吸湿した水分を吐き出
すことにより、室内の湿度を安定させ、過乾燥、過湿度
による弊害を抑制する調湿効果を有する。
得られると共に、パイプや電線などを成形紙管の中空部
に充分収納でき、収容物を損傷させることがなくなると
ともに、外観に現れないので体裁がよくなる。また、遮
音性、調湿性、断熱性、収納性の優れた成形紙管構造体
を比較的簡単に得ることができる。
である。
る。
る。
用した状態の断面図である。
材に使用した状態の斜視図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 複数枚の紙材からなり、外面形状が曲面
部分と平面部分から構成された複数の筒状の成形紙管を
用いて、隣接する成形紙管の平面部分同士を連結して成
形紙管群を形成し、その成形紙管群の少なくとも片面に
板状、シート、フィルムなどの外装材を接着してなる成
形紙管構造体。 - 【請求項2】 複数枚の紙材からなり、外面形状が曲面
部分と平面部分から構成された複数の筒状の成形紙管を
用いて、隣接する成形紙管の平面部分同士を連結して成
形紙管群を形成し、その成形紙管群の少なくとも片面に
板状、シート、フィルムなどの外装材を接着するととも
に、成形紙管の開口部を破壊できるシート片で封止し、
その上面の横方向に接合された成形紙管の少なくとも一
部に孔を設け、縦方向に接合された成形紙管と連通させ
たことを特徴とする成形紙管構造体。 - 【請求項3】 成形紙管の中空部に水道管、ガス管、熱
交換パイプなどの配管類あるいは電力線、通信ケーブル
などの配線類を収納したことを特徴とする請求項1ある
いは請求項2に記載の成形紙管構造体。 - 【請求項4】 複数枚の紙を接着剤により接着して筒状
の紙管を造管する工程と、該紙管の外面を部分的に加圧
して外側面の対称位置に平面部分を形成する工程と、平
面部分と元の紙管の残部により形成された曲面部を有す
る成形紙管を造管する工程と、複数の成形紙管の平面部
分同士を接合して成形紙管群とする工程と、接合された
成形紙管群の少なくとも片面に板状、シート、フィルム
などの外装材を接合する工程とからなることを特徴とす
る成形紙管構造体の製造方法。
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JP2002083493A JP3992520B2 (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | 成形紙管構造体とその製造方法 |
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