JPWO2005066654A1 - レーダ - Google Patents

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Abstract

所定の測定タイミングt−nTでの第1の突出部のピーク周波数f1[t-nT]から、今回の測定タイミングtでの第1・第2の突出部のピーク周波数の中心周波数fr[t] を予測し、(f1[t] +f2[t])/2が予測したfr[t] に近似するf1[t] 、f2[t] をペア候補として抽出する。また、ドップラシフト周波数が第1の突出部のピーク周波数f1[t-nT]および第2の突出部のピーク周波数f2[t-nT]から求まるドップラシフト周波数に略等しいf1[t],f2[t]を選択する。

Description

この発明は、連続波を周波数変調した電波を送受信して物標の探知を行うレーダに関するものである。
従来、例えば車載用レーダとして、ミリ波を利用したFM−CWレーダが開発されている。FM−CWレーダは、連続波(CW)を周波数変調(FM)した電波を送受信して物標の探知を行う。すなわち、周波数が次第に上昇する上り変調区間と、周波数が次第に下降する下り変調区間とを繰り返す送信信号を送信し、物標からの反射信号を含む受信信号を受信するようにし、送信信号と受信信号との周波数差の信号であるビート信号の周波数スペクトルに基づいて物標の相対距離および相対速度を求める。また、物標の相対位置・相対速度は通常一定ではないので、上記動作を一定周期で繰り返し、その都度物標の相対位置・相対速度を求める。さらに、物標は或る探知方位角範囲に分布しているので、上記動作を所定方位を向く1つのビームについて行い、そのビーム方位を順次変化させることによって、上記探知方位角範囲内の物標の方位を求める。
物標が単一である場合には、上り変調区間と下り変調区間において、物標からの反射波に基づくビート信号の周波数スペクトルにそれぞれ単一の突出部が生じる。従って、その突出部のピーク周波数を、上り変調区間のビート信号(以下「アップビート信号」という。)と下り変調区間のビート信号(以下「ダウンビート信号」という。)とについてそれぞれ求め、その2つのピーク周波数から物標の相対距離および相対速度を求めることができる。
ところが、略同一方向に複数の物標が存在する場合には、同一ビームについてアップビート信号とダウンビート信号のそれぞれについて、周波数スペクトルに複数の突出部が生じる。そのため、これら複数の突出部のうち、どれとどれの組み合わせが同一物標の存在に起因して生じたものであるかを判定(以下「ペアリング」という。)する必要がある。しかし、検出した突出部の数が増える程ペアリングに時間がかかるとともに、組み合わせの数が増大するため、誤ったペアリングが生じる可能性も増大する。そのため、限られた時間内に探知可能な物標の数が制限されるという問題や、多くの物標を探知するためには高速演算可能な演算処理部が必要となってコスト高になるという問題、あるいはペアリング誤りが生じた場合、高精度な相対距離・速度を求め難いという問題があった。
実際のレーダでは、上述の問題を回避するために一度のペアリングだけに依存しないように、前後の相関を考慮したフィルタ処理などにより精度の向上を図ることになる。しかし、初めから誤ったペアリングを起こさないことが重要である。
そのため、従来は特許文献1に開示されているように、受信信号の周波数スペクトルに現れる突出部の強度が略同一である組み合わせを同一物標によるものと見なしてペアリングを行うようにしている。
また、ドップラシフト周波数分の移動距離が、将来の予測時間における相対速度による移動距離に一致するように、上り変調と下り変調の傾きを設定することが特許文献2に開示されている。この構成によれば、ペアリングせずに距離の算出が可能となる。
特開平4−343084号公報 特開平6−94829号公報
しかし、特許文献1の方法では、受信信号強度が略同一である突出部が複数現れた場合、ペアとなり得る組み合わせを決定できない場合が生じる。
また、特許文献2の方法によれば、距離算出のためにはペアリングが不要となるが、相対速度の算出ができないという問題があった。
そこで、この発明の目的は、上述の問題を解消して、ペアリングを容易にするとともに相対速度の算出も可能にしたレーダを提供することにある。
(1)この発明は、周波数が次第に上昇する上り変調区間と、周波数が次第に下降する下り変調区間とを交互に繰り返す送信信号を送信するとともに、該送信信号の物標での反射信号である受信信号を受信し、送信信号と受信信号とのビート信号の周波数スペクトルに関するデータを求め、上り変調区間のビート信号の周波数スペクトルに現れる複数の第1突出部と、下り変調区間のビート信号の周波数スペクトルに現れる複数の第2突出部とから、ペアリングを行い、ペアをなす2つの突出部の周波数に基づいて相対距離と相対速度を検知するレーダにおいて、
所定タイミングでの第1の突出部のピーク周波数から、該所定タイミングより一定時間後のタイミングでの第1・第2の突出部のピーク周波数の中心周波数(すなわち距離遅延に基づく成分)を予測し、前記一定時間後のタイミングで得られた突出部のペアを前記中心周波数を基に抽出するようにしたことを特徴としている。
(2)またこの発明は、所定タイミングでの第2の突出部のピーク周波数から、該所定タイミングより一定時間前のタイミングでの第1・第2の突出部のピーク周波数の中心周波数を予測し、前記一定時間前のタイミングで得られた突出部のペアを前記中心周波数を基に抽出するようにしたことを特徴としている。
(3)またこの発明は、前記周波数分析を行う測定周期をT、上り変調区間とそれに隣接する下り変調区間とを一周期とする変調周期を1/fm、送信信号の中心周波数をfo、上り変調区間と下り変調区間での周波数変位幅をΔFとするとき、
nT≒fo/(2ΔF・fm)
(但し、nは任意の自然数)
の関係を満たすnTを前記の「一定時間」として、突出部のペアを抽出することを特徴としている。
(4)またこの発明は、所定タイミングから一定時間前の第1の突出部のピーク周波数と前記所定タイミングから一定時間後の第2の突出部のピーク周波数とを用いて、前記所定タイミングでの第1・第2の突出部のピーク周波数の中心周波数を予測し、前記所定タイミングで得られた突出部のペアを前記中心周波数を基に抽出することを特徴としている。
(5)またこの発明は、(4)において所定タイミングでのペアをなす第1・第2の突出部のピーク周波数の差に略等しい周波数差を形成する前記所定タイミングでの前記中心周波数の予測に用いた前記一定時間前のタイミングでの第1の突出部とペアをなす第2の突出部が無い場合に、および/または前記周波数差を形成する前記所定タイミングでの前記中心周波数の予測に用いた前記一定時間後のタイミングでの第2の突出部とペアをなす第1の突出部が無い場合に、前記所定タイミングでの第1・第2の突出部の組み合わせをペア候補から除外することを特徴としている。
(1)この発明によれば、所定タイミングでの第1の突出部のピーク周波数から、該所定タイミングより一定時間後のタイミングでの第1・第2の突出部のピーク周波数の中心周波数(距離遅延に基づく成分)を予測し、その中心周波数を基に、一定時間後のタイミングで得られた突出部のペアを抽出するようにしたことにより、ペアリングが容易となり、ペアリング誤りの発生度合いも殆どなくなるため、正しい相対距離・速度の算出が可能になる。また、ペアリングに要する計算量が減少するので、単位時間あたりの探知可能な物標の数が増し、探知の周期を短縮化できる。
(2)また、この発明によれば、所定タイミングでの第2の突出部のピーク周波数から、該所定タイミングより一定時間前のタイミングでの第1・第2の突出部のピーク周波数の中心周波数(距離遅延に基づく成分)を予測し、その中心周波数を基に、一定時間前のタイミングで得られた突出部のペアを抽出するようにしたことにより、ペアリングが容易となり、ペアリング誤りの発生度合いも殆どなくなるため、正しい相対距離・速度の算出が可能になる。また、ペアリングに要する計算量が減少するので、単位時間あたりの探知可能な物標の数が増し、探知の周期を短縮化できる。
(3)また、この発明によれば、測定周期をT、上り変調区間とそれに隣接する下り変調区間とを一周期とする変調周期を1/fm、送信信号の中心周波数をfo、上り変調区間と下り変調区間での周波数変位幅をΔFとするとき、nを任意の自然数とし、
nT≒fo/(2ΔF・fm)の関係を満たすnTを前記の「一定時間」とし、所定タイミングでの突出部のペアを抽出するようにしたので、前記所定タイミングからn回前の測定における第1の突出部のピーク周波数または同n回後の測定における第2の突出部のピーク周波数から、前記所定タイミングで得られた突出部のペアを抽出できる。
(4)また、この発明によれば、所定タイミングから一定時間前の第1の突出部のピーク周波数とその所定タイミングから一定時間後の第2の突出部のピーク周波数とを用いて、所定タイミングでの第1・第2の突出部のピーク周波数の中心周波数を予測し、所定タイミングで得られた突出部のペアを前記中心周波数を基に抽出するようにしたので、上記nT≒fo/(2ΔF・fm)の関係を満たさない場合でもまたはその関係からずれが生じても、中心周波数の予測誤差がキャンセルされて、ペアリングの精度を高めることができる。
(5)また、この発明によれば、所定タイミングでのペアをなす第1・第2の突出部のピーク周波数の差に略等しい周波数差を形成する所定タイミングでの第1・第2の突出部のピーク周波数の中心周波数の予測に用いた一定時間前のタイミングでの第1の突出部とペアをなす第2の突出部が無い場合に、および/または前記周波数差を形成する所定タイミングでの前記中心周波数の予測に用いた一定時間後のタイミングでの第2の突出部とペアをなす第1の突出部が無い場合に、前記所定タイミングでの第1・第2の突出部の組み合わせをペア候補から除外するようにしたので、ペア候補の数を早く削減でき、ペアリングを高速化できる。また、誤ペアリングの可能性も低減できる。
レーダの構成を示すブロック図である。 同レーダの上り変調区間と下り変調区間でのビート信号の例を示す図である。 上り変調区間と下り変調区間におけるビート信号の周波数スペクトルの例を示す図である。 第1の実施形態に係るレーダの各測定タイミングでのピーク周波数などの変化の例を示す図である。 第1の実施形態に係るレーダの各測定タイミングでのピーク周波数などの変化の例を示す図である。 同レーダのペアリングに関する処理手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係るレーダにおけるペアリングに関する処理手順を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係るレーダにおける各測定タイミングでのピーク周波数などの変化の例を示す図である。 同レーダにおけるペアリングに関する処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1−RFブロック
2−信号処理ブロック
3−誘電体レンズ
4−1次放射器
5−サーキュレータ
6−カプラ
7−アイソレータ
8−VCO
9−ミキサ
13−デジタル信号処理装置
14−マイクロプロセッサ
16−スキャンユニット
この発明の実施形態に係るレーダの構成をブロック図として図1に示す。
このレーダは、図1に示すようにRFブロック1と信号処理ブロック2とから構成している。RFブロック1は、レーダ測定用の電波を送受信し、送信波と受信波とのビート信号を信号処理ブロック2へ出力する。信号処理ブロック2の変調カウンタ11は、結果的にDAコンバータ10から三角波信号を発生させるためのカウントを行い、その値をDAコンバータ10へ出力する。DAコンバータ10は、それをアナログ電圧信号に変換してRFブロック1のVCO(電圧制御発振器)8へ与える。これにより送信波をFM変調する。すなわち、VCO8の発振信号はアイソレータ7、カプラ6、サーキュレータ5を介して1次放射器4へ供給される。この1次放射器4は、誘電体レンズ3の焦点面または焦点面付近にあって、誘電体レンズ3は、1次放射器4から放射されるミリ波信号を鋭いビームとして送信する。物標(車両など)からの反射波が誘電体レンズ3を介し1次放射器4へ入射されると、受信信号がサーキュレータ5を介してミキサ9へ導かれる。ミキサ9には、この受信信号とカプラ6からの送信信号の一部であるローカル信号とを入力して、その周波数差の信号に相当するビート信号を中間周波信号として信号処理ブロック2のADコンバータ12へ出力する。ADコンバータ12は、これをデジタルデータに変換する。DSP(デジタル信号処理装置)13は、ADコンバータ12から入力したデータ列をFFT(高速フーリエ変換)処理して、後述するように、物標の相対距離および相対速度を算出する。
RFブロック1内のスキャンユニット16は、1次放射器4を誘電体レンズ3の焦点面またはそれに平行な面内を平行移動させる。この1次放射器4が設けられている可動部と固定部側との間に0dBカプラを構成している。モータMはスキャンユニット16の駆動用モータである。このモータによって、例えば100ms周期で−10度から+10度の範囲をビーム走査する。
信号処理ブロック2内のマイクロプロセッサ14は、変調カウンタ11およびスキャンユニット16を制御する。このマイクロプロセッサ14は、スキャンユニット16に対してビーム方位を所定角度に向けるとともに、三角波でVCO8を変調するように、変調カウンタ11を制御する。マイクロプロセッサ14は、DSP13が求めた上り変調区間の周波数スペクトルに現れる突出部と、下り変調区間の周波数スペクトルに現れる突出部とのペアを抽出(ペアリング)する。また、マイクロプロセッサ14は、後述する方法によって物標の相対距離と相対速度を求め、それを図外のホスト装置へ出力する。
図2は、物標までの距離と相対速度に起因する、送信信号と受信信号の周波数変化のずれの例を示している。送信信号TXSは中心周波数foを周波数中心として、三角波状に周波数変調された信号である。この送信信号TXSの周波数上昇時における送信信号TXSと受信信号RXSとの周波数差がアップビート信号の周波数f1であり、送信信号TXSの周波数下降時における送信信号TXSと受信信号RXSとの周波数差がダウンビート信号の周波数f2である。ΔFは周波数偏位幅である。この送信信号TXSと受信信号RXSの三角波の時間軸上のずれ(時間差)Δtが、アンテナから物標までの電波の往復時間に相当する。また、送信信号TXSと受信信号RXSの周波数軸上のずれがドップラシフト量であり、これはアンテナに対する物標の相対速度に起因して生じる。この時間差とドップラシフト量によってアップビート信号の周波数f1とダウンビート信号の周波数f2の値が変化する。このf1,f2を検出することによって、レーダから物標までの距離およびレーダに対する物標の相対速度を算出する。すなわち、距離遅延に基づく周波数成分をfr、相対速度に基づくドップラシフト周波数成分をfdで表すと、
fr=(f1+f2)/2 …(1)
fd=(f2−f1)/2 …(2)
の関係にある。
図3は、上り変調区間と下り変調区間のビート信号の周波数スペクトルの例を示している。ここで実線は上り変調区間でのビート信号の周波数スペクトル、破線は下り変調区間でのビート信号の周波数スペクトルである。図3に示した周波数範囲では、上り変調区間でのビート信号に、ピーク周波数がf11,f12,f13の3つの突出部が生じていて、下り変調区間のビート信号に、ピーク周波数がf21,f22の2つの突出部が生じている。これらの複数の突出部同士のペアリングを行い、ペアをなす2つのピーク周波数から(1)式により物標との相対距離を求め、(2)式によって物標との相対速度を求める。例えば、ピーク周波数f13,f22をペアと見なした場合、距離遅延に基づく周波数成分frは、fr=(f13+f22)/2として求め、速度差によるドップラシフト周波数成分fdは、fd=(f22−f13)/2として求める。
ところで、図2に示したように、送信中心周波数をfo、変調周期を1/fm、周波数変位幅をΔFとすると、距離Rにある物標が相対速度Vで近づいてくる場合、ビート信号に含まれる距離遅延成分frは
fr=(4fmΔF・R)/C …(3)
の関係にあるので、距離Rは
R=Cfr/(4fmΔF) …(4)
として求められる。またビート信号に含まれるドップラシフトに基づく周波数成分fdは
fd=(2Vfo)/C …(5)
の関係にあるので、相対速度Vは
V=Cfd/(2fo) …(6)
として求めることができる。
また、上り変調と下り変調のそれぞれの区間で行うFFTの周波数分解能は、この区間の基本周波数である2fmとなり、それに相当する距離分解能をδR、速度分解能をδVとすると、(4)式,(6)式にそれぞれR=δR,fr=2fm,V=δV,fd=2fmを代入して
δR=C/2ΔF …(7)
δV=fm・C/fo …(8)
となる。
一方、アップビート周波数f1、ダウンビート周波数f2はそれぞれ
f1=fr−fd …(9)
f2=fr+fd …(10)
と表されるため、次の関係で表される時間をτとすると、物標が等速直線運動をしている場合に、ある時刻で得られたf1,f2は、それぞれその時刻に対しτ後にまたはτ前のfrに一致する。
τ=δR/δV=fo/(2fmΔF) …(11)
この関係を図4および図5を用いて説明する。
今、測定周期をTとし、nT=τの関係を満たすように測定周期Tを定めると、任意のタイミングでn回後の測定タイミングにおける物標の距離遅延に基づく周波数成分frを予測することができる。例えば、時刻tでのfrは時刻t−nTでの上り変調区間のビート周波数f1に等しい。
従って、「常にn回前のf1を今回のfrと見なして距離を求める」という処理が考えられる。しかし、それだけでは物標の相対速度が求められないし、物標が急加減速した時や、nT≒τの条件に対する誤差が大きくなった場合に、距離の測定誤差もこれに応じて大きくなってしまう。
一方、通常のFMCWレーダの場合、既に述べたとおり、ある時刻での測定における上り変調区間と下り変調区間でのビート周波数f1,f2を組み合わせることにより、相対距離と相対速度を同時に求めることができるが、物標が複数存在する場合にはf1,f2も複数となり、これらを正しく組み合わせなければ距離・速度とも真値と全く異なる値が出力されてしまう。
本発明は、次の手順により物標の距離および相対速度を求め、上述のいずれの問題も同時に解消するものである。
(1) 時刻t−nTでの上り変調区間のビート周波数f1を時刻tでの予測距離f1prd とする。
(2) 時刻tでの上り,下りそれぞれの変調区間のビート周波数f1,f2に対し、
(f1prd −ε)<(f1+f2)/2 <(f1prd +ε)を満たすf1とf2のペア候補を求める。但しεは生じうる誤差に基づき適宜設定する定数である。
(3)(2)で求めた組み合わせから、f2−f1≒f2prd −f1prd を満たすf2prdが無いものをペア候補から除外する。但しf2prd は時刻tでの下り変調区間のビート周波数である。
(4)(3)で求めた組み合わせのうち、FMCWレーダのペアリングに用いられる他の諸条件(周波数スペクトルに現れる突出部のピーク値の一致度、周波数スペクトルの方位方向のプロファイルから求めたピーク方位の一致度等)も考慮し、ペアの可能性のある組み合わせを一つ以上選ぶ。
(5)(4)で選んだf1,f2より、fr,fdを求め、この結果を(4)式,(6)式に代入し、相対距離Rと相対速度Vを得る。
図4の(A)と(B)は物標の相対速度が異なっている例である。いずれの場合も時刻tにおける距離遅延に基づく周波数成分frは時刻t−nTでのアップビート信号周波数f1に略等しい。
また図5は物標がレーダから遠ざかる場合のアップビート信号の周波数f1とダウンビート信号の周波数f2の変化の例を示している。この場合も時刻tにおけるfrは時刻t−nTでのf1に略等しい。
次に、上述のペアリングの手順の例をフローチャートとして図6に示す。
ここで、tは何回目の測定であるかを表す変数である。まず、tに初期値0を代入し(S1)、ビート信号のサンプリングデータを入力し、FFT演算する(S2→S3)。その後、FFT演算により求めたアップビート信号の周波数スペクトルに現れる突出部のピーク周波数(以下単に「アップビート信号のピーク周波数」という。)とダウンビート信号の周波数スペクトルに現れる突出部のピーク周波数(以下単に「ダウンビート信号のピーク周波数」という。)とを2次元配列変数f1[t][ ],f2[t][ ]に代入する。(S4)。但し、以降の説明では各タイミングでのアップビート信号とダウンビート信号の周波数スペクトルに現れる複数の突出部のピーク周波数のデータ列をまとめて表すために1次元配列の形式で表す。
続いてアップビート信号とダウンビート信号に含まれる複数のピーク周波数のうち、(f1[t] +f2[t] )/2がnTだけ前回の測定で求めたアップビート信号の複数のピーク周波数f1[t-nT]に対して±εの範囲で一致するピーク周波数f1[t] ,f2[t] の組合わせをペア候補として抽出する(S5)。
続いて今回のアップビート信号のピーク周波数f1[t] とダウンビート信号のピーク周波数f2[t] との差が、時刻t−nTでのf1,f2との差(f2[t-nT]−f1[t-nT])に略等しくなるf2[t-nT]が無い場合、f1[t]とf2[t]の組み合わせをペア候補から除外する(S6)。その後はピーク強度やピーク方位の類似度を考慮して最も確からしい組み合わせをペアとして決定する(S7)。
以上の処理を繰り返すことによって各測定タイミングでのペアリングを行う(S7→S8→S2→・・・・)。
次に第2の実施形態に係るレーダのペアリングに関する別の処理内容を図7を参照して説明する。
第1の実施形態では時刻t−nTでのf1,f2から時刻tでのfrを推定するようにしたが、この第2の実施形態では時刻tでのf2から時刻t−nTでのfrを推定する。
図7はそのペアリングの処理手順を示すフローチャートである。図6の例と異なるのはステップS15,S16,S18である。ステップS15では、時刻t−nTでのアップビート信号とダウンビート信号に含まれていた複数のピーク周波数のうち、(f1[t-nT]+f2[t-nT])/2が今回の測定で求めたダウンビート信号の複数ピーク周波数f2[t] に対して±εの範囲で一致するピーク周波数f1[t-nT],f2[t-nT]の組合わせをペア候補として抽出する。
続いて時刻tでのアップビート信号のピーク周波数f1とダウンビート信号のピーク周波数f2との差(f2[t] −f1[t] )が、時刻t−nTでのf1,f2との差(f2[t-nT]−f1[t-nT])に略等しくなるf1[t]が無い場合、f1[t-nT]とf2[t-nT]の組み合わせをペア候補から除外する(S16)。
その後、ピーク強度やピーク方位の類似度を考慮して最も確からしい組み合わせをペアとして決定する(S17)。
そして、ペアと見なしたf1[t-nT],f2[t-nT]を用い、今回の測定で求めたf1とf2の差であるドップラシフト周波数と、時刻t−nTでの測定で求めたf1とf2の差であるドップラシフト周波数とが略等しい(すなわちf2[t] −f1[t] ≒f2[t-nT]−f1[t-nT])を満たすf1[t] ,f2[t]を抽出し、
fr[t] =(f1[t] +f2[t] )/2
fd[t] =(f2[t] −f1[t] )/2
により今回の測定タイミングにおける相対距離と相対速度を求める(S18)。
次に、第3の実施形態に係るレーダについて図8・図9を参照して説明する。
第1・第2の実施形態では測定周期Tが(11)式を満たすように定めた場合について示したが、この第3の実施形態では、任意の測定周期に対応するものである。
図8は各測定タイミングでのアップビート信号のピーク周波数f1、ダウンビート信号のピーク周波数f2および距離遅延に基づく周波数成分frの変化の例を示している。この例では周期nTはnTとτの差が最小となるようnを適切に選んでも、nT≒τとならず、nT<τの関係にある。そのため前回の測定タイミングt−nTでのf1は今回の測定タイミングtでのfrとは一致しない。
図9はこの第3の実施形態に係るレーダのペアリングに関する処理手順を示すフローチャートである。図6に示した手順と異なるのはステップS25〜S27である。ステップS25では時刻t−2nTでのf1に最も近い周波数を示す今回の時刻tでのf2を選び、両者の平均値が時刻t−nTでのfr(すなわち(f1[t-2nT]+f2[t])/2)に±εの範囲で一致する時刻t−nTでのf1,f2をペア候補として抽出する。
続いて時刻tでのアップビート信号のピーク周波数f1とダウンビート信号のピーク周波数f2との差(f2[t] −f1[t] )が、時刻t−nTでのf1,f2の差(f2[t-nT]−f1[t-nT])に略等しくなるf1[t]が無い場合、f1[t-nT]とf2[t-nT]の組み合わせをペア候補から除外する(S26)。
さらに同様に、時刻t−2nTでのアップビート信号のピーク周波数f1とダウンビート信号のピーク周波数f2との差(f2[t-2nT] −f1[t-2nT] )が、時刻t−nTでのf1,f2との差(f2[t-nT]−f1[t-nT])に略等しくなるf2[t-2nT]が無い場合、f1[t-nT]とf2[t-nT]の組み合わせをペア候補から除く(S27)。
このようにして、時刻tでのf2と時刻t−2nTでのf1とから時刻t−nTでのfrを推定し、距離遅延に基づく周波数成分がそのfrを満たすようなペアをペア候補として抽出し、その抽出したペアから求まるドップラシフト周波数成分fd[t-nT]と略等しいドップラシフト周波数となるペアが時刻tまたはt−2nTの測定タイミングで存在する組み合わせを抽出することによって時刻t−nTでのペア候補を抽出する。
なお、時刻tでのfr,fdを求めるには、図7のステップ18で示した場合と同様に、ペアと見なしたf1[t-nT],f2[t-nT]を用い、今回の測定で求めたf1とf2の差であるドップラシフト周波数と、時刻t−nTでの測定で求めたf1とf2の差であるドップラシフト周波数とが略等しい(すなわちf2[t] −f1[t] ≒f2[t-nT]−f1[t-nT])を満たすf1[t] ,f2[t]を抽出し、
fr[t] =(f1[t] +f2[t] )/2
fd[t] =(f2[t] −f1[t] )/2
により今回の測定タイミングにおける距離と相対速度を求めればよい。
この発明は、連続波を周波数変調した電波を送受信して物標の探知を行うレーダに関するものである。
従来、例えば車載用レーダとして、ミリ波を利用したFM−CWレーダが開発されている。FM−CWレーダは、連続波(CW)を周波数変調(FM)した電波を送受信して物標の探知を行う。すなわち、周波数が次第に上昇する上り変調区間と、周波数が次第に下降する下り変調区間とを繰り返す送信信号を送信し、物標からの反射信号を含む受信信号を受信するようにし、送信信号と受信信号との周波数差の信号であるビート信号の周波数スペクトルに基づいて物標の相対距離および相対速度を求める。また、物標の相対位置・相対速度は通常一定ではないので、上記動作を一定周期で繰り返し、その都度物標の相対位置・相対速度を求める。さらに、物標は或る探知方位角範囲に分布しているので、上記動作を所定方位を向く1つのビームについて行い、そのビーム方位を順次変化させることによって、上記探知方位角範囲内の物標の方位を求める。
物標が単一である場合には、上り変調区間と下り変調区間において、物標からの反射波に基づくビート信号の周波数スペクトルにそれぞれ単一の突出部が生じる。従って、その突出部のピーク周波数を、上り変調区間のビート信号(以下「アップビート信号」という。)と下り変調区間のビート信号(以下「ダウンビート信号」という。)とについてそれぞれ求め、その2つのピーク周波数から物標の相対距離および相対速度を求めることができる。
ところが、略同一方向に複数の物標が存在する場合には、同一ビームについてアップビート信号とダウンビート信号のそれぞれについて、周波数スペクトルに複数の突出部が生じる。そのため、これら複数の突出部のうち、どれとどれの組み合わせが同一物標の存在に起因して生じたものであるかを判定(以下「ペアリング」という。)する必要がある。しかし、検出した突出部の数が増える程ペアリングに時間がかかるとともに、組み合わせの数が増大するため、誤ったペアリングが生じる可能性も増大する。そのため、限られた時間内に探知可能な物標の数が制限されるという問題や、多くの物標を探知するためには高速演算可能な演算処理部が必要となってコスト高になるという問題、あるいはペアリング誤りが生じた場合、高精度な相対距離・速度を求め難いという問題があった。
実際のレーダでは、上述の問題を回避するために一度のペアリングだけに依存しないように、前後の相関を考慮したフィルタ処理などにより精度の向上を図ることになる。しかし、初めから誤ったペアリングを起こさないことが重要である。
そのため、従来は特許文献1に開示されているように、受信信号の周波数スペクトルに現れる突出部の強度が略同一である組み合わせを同一物標によるものと見なしてペアリングを行うようにしている。
また、ドップラシフト周波数分の移動距離が、将来の予測時間における相対速度による移動距離に一致するように、上り変調と下り変調の傾きを設定することが特許文献2に開示されている。この構成によれば、ペアリングせずに距離の算出が可能となる。
特開平4−343084号公報 特開平6−94829号公報
しかし、特許文献1の方法では、受信信号強度が略同一である突出部が複数現れた場合、ペアとなり得る組み合わせを決定できない場合が生じる。
また、特許文献2の方法によれば、距離算出のためにはペアリングが不要となるが、相対速度の算出ができないという問題があった。
そこで、この発明の目的は、上述の問題を解消して、ペアリングを容易にするとともに相対速度の算出も可能にしたレーダを提供することにある。
(1)この発明は、周波数が次第に上昇する上り変調区間と、周波数が次第に下降する下り変調区間とを交互に繰り返す送信信号を送信するとともに、該送信信号の物標での反射信号である受信信号を受信し、送信信号と受信信号とのビート信号の周波数スペクトルに関するデータを求め、上り変調区間のビート信号の周波数スペクトルに現れる複数の第1突出部と、下り変調区間のビート信号の周波数スペクトルに現れる複数の第2突出部とから、ペアリングを行い、ペアをなす2つの突出部の周波数に基づいて相対距離と相対速度を検知するレーダにおいて、
所定タイミングでの第1の突出部のピーク周波数から、該所定タイミングより一定時間後のタイミングでの第1・第2の突出部のピーク周波数の中心周波数(すなわち距離遅延に基づく成分)を予測し、前記一定時間後のタイミングで得られた突出部のペアを前記中心周波数を基に抽出するようにしたことを特徴としている。
(2)また、この発明は(1)において、ペア抽出手段が、前記一定時間後のタイミングでのペアをなす第1・第2の突出部のピーク周波数の差に略等しい周波数差を形成する、前記一定時間後のタイミングでの前記中心周波数の予測に用いた前記所定タイミングでの第1の突出部とペアをなす第2の突出部が無い場合に、前記一定時間後のタイミングでの第1・第2の突出部の組み合わせをペア候補から除外するものとする。
(3)またこの発明は、所定タイミングでの第2の突出部のピーク周波数から、該所定タイミングより一定時間前のタイミングでの第1・第2の突出部のピーク周波数の中心周波数を予測し、前記一定時間前のタイミングで得られた突出部のペアを前記中心周波数を基に抽出するようにしたことを特徴としている。
(4)また、この発明は(3)において、ペア抽出手段が、前記一定時間前のタイミングでのペアをなす第1・第2の突出部のピーク周波数の差に略等しい周波数差を形成する、前記一定時間前のタイミングでの前記中心周波数の予測に用いた前記所定タイミングでの第2の突出部とペアをなす第1の突出部が無い場合に、前記一定時間前のタイミングでの第1・第2の突出部の組み合わせをペア候補から除外するものとする。
(5)またこの発明は、前記周波数分析を行う測定周期をT、上り変調区間とそれに隣接する下り変調区間とを一周期とする変調周期を1/fm、送信信号の中心周波数をfo、上り変調区間と下り変調区間での周波数変位幅をΔFとするとき、
nT≒fo/(2ΔF・fm)
(但し、nは任意の自然数)
の関係を満たすnTを前記の「一定時間」として、突出部のペアを抽出することを特徴としている。
(6)またこの発明は、所定タイミングから一定時間前の第1の突出部のピーク周波数と前記所定タイミングから一定時間後の第2の突出部のピーク周波数とを用いて、前記所定タイミングでの第1・第2の突出部のピーク周波数の中心周波数を予測し、前記所定タイミングで得られた突出部のペアを前記中心周波数を基に抽出することを特徴としている。
(7)またこの発明は、(6)において所定タイミングでのペアをなす第1・第2の突出部のピーク周波数の差に略等しい周波数差を形成する前記所定タイミングでの前記中心周波数の予測に用いた前記一定時間前のタイミングでの第1の突出部とペアをなす第2の突出部が無い場合に、および/または前記周波数差を形成する前記所定タイミングでの前記中心周波数の予測に用いた前記一定時間後のタイミングでの第2の突出部とペアをなす第1の突出部が無い場合に、前記所定タイミングでの第1・第2の突出部の組み合わせをペア候補から除外することを特徴としている。
(1)この発明によれば、所定タイミングでの第1の突出部のピーク周波数から、該所定タイミングより一定時間後のタイミングでの第1・第2の突出部のピーク周波数の中心周波数(距離遅延に基づく成分)を予測し、その中心周波数を基に、一定時間後のタイミングで得られた突出部のペアを抽出するようにしたことにより、ペアリングが容易となり、ペアリング誤りの発生度合いも殆どなくなるため、正しい相対距離・速度の算出が可能になる。また、ペアリングに要する計算量が減少するので、単位時間あたりの探知可能な物標の数が増し、探知の周期を短縮化できる。
(2)また、この発明によれば、ペア抽出手段が、前記一定時間後のタイミングでのペアをなす第1・第2の突出部のピーク周波数の差に略等しい周波数差を形成する、前記一定時間後のタイミングでの前記中心周波数の予測に用いた前記所定タイミングでの第1の突出部とペアをなす第2の突出部が無い場合に、前記一定時間後のタイミングでの第1・第2の突出部の組み合わせをペア候補から除外するようにしたので、ペア候補の数を早く削減でき、ペアリングを高速化できる。また、誤ペアリングの可能性も低減できる。
(3)また、この発明によれば、所定タイミングでの第2の突出部のピーク周波数から、該所定タイミングより一定時間前のタイミングでの第1・第2の突出部のピーク周波数の中心周波数(距離遅延に基づく成分)を予測し、その中心周波数を基に、一定時間前のタイミングで得られた突出部のペアを抽出するようにしたことにより、ペアリングが容易となり、ペアリング誤りの発生度合いも殆どなくなるため、正しい相対距離・速度の算出が可能になる。また、ペアリングに要する計算量が減少するので、単位時間あたりの探知可能な物標の数が増し、探知の周期を短縮化できる。
(4)また、この発明によれば、ペア抽出手段が、前記一定時間前のタイミングでのペアをなす第1・第2の突出部のピーク周波数の差に略等しい周波数差を形成する、前記一定時間前のタイミングでの前記中心周波数の予測に用いた前記所定タイミングでの第2の突出部とペアをなす第1の突出部が無い場合に、前記一定時間前のタイミングでの第1・第2の突出部の組み合わせをペア候補から除外するようにしたので、ペア候補の数を早く削減でき、ペアリングを高速化できる。また、誤ペアリングの可能性も低減できる。
(5)また、この発明によれば、測定周期をT、上り変調区間とそれに隣接する下り変調区間とを一周期とする変調周期を1/fm、送信信号の中心周波数をfo、上り変調区間と下り変調区間での周波数変位幅をΔFとするとき、nを任意の自然数とし、
nT≒fo/(2ΔF・fm)の関係を満たすnTを前記の「一定時間」とし、所定タイミングでの突出部のペアを抽出するようにしたので、前記所定タイミングからn回前の測定における第1の突出部のピーク周波数または同n回後の測定における第2の突出部のピーク周波数から、前記所定タイミングで得られた突出部のペアを抽出できる。
(6)また、この発明によれば、所定タイミングから一定時間前の第1の突出部のピーク周波数とその所定タイミングから一定時間後の第2の突出部のピーク周波数とを用いて、所定タイミングでの第1・第2の突出部のピーク周波数の中心周波数を予測し、所定タイミングで得られた突出部のペアを前記中心周波数を基に抽出するようにしたので、上記nT≒fo/(2ΔF・fm)の関係を満たさない場合でもまたはその関係からずれが生じても、中心周波数の予測誤差がキャンセルされて、ペアリングの精度を高めることができる。
(7)また、この発明によれば、所定タイミングでのペアをなす第1・第2の突出部のピーク周波数の差に略等しい周波数差を形成する所定タイミングでの第1・第2の突出部のピーク周波数の中心周波数の予測に用いた一定時間前のタイミングでの第1の突出部とペアをなす第2の突出部が無い場合に、および/または前記周波数差を形成する所定タイミングでの前記中心周波数の予測に用いた一定時間後のタイミングでの第2の突出部とペアをなす第1の突出部が無い場合に、前記所定タイミングでの第1・第2の突出部の組み合わせをペア候補から除外するようにしたので、ペア候補の数を早く削減でき、ペアリングを高速化できる。また、誤ペアリングの可能性も低減できる。
この発明の実施形態に係るレーダの構成をブロック図として図1に示す。
このレーダは、図1に示すようにRFブロック1と信号処理ブロック2とから構成している。RFブロック1は、レーダ測定用の電波を送受信し、送信波と受信波とのビート信号を信号処理ブロック2へ出力する。信号処理ブロック2の変調カウンタ11は、結果的にDAコンバータ10から三角波信号を発生させるためのカウントを行い、その値をDAコンバータ10へ出力する。DAコンバータ10は、それをアナログ電圧信号に変換してRFブロック1のVCO(電圧制御発振器)8へ与える。これにより送信波をFM変調する。すなわち、VCO8の発振信号はアイソレータ7、カプラ6、サーキュレータ5を介して1次放射器4へ供給される。この1次放射器4は、誘電体レンズ3の焦点面または焦点面付近にあって、誘電体レンズ3は、1次放射器4から放射されるミリ波信号を鋭いビームとして送信する。物標(車両など)からの反射波が誘電体レンズ3を介し1次放射器4へ入射されると、受信信号がサーキュレータ5を介してミキサ9へ導かれる。ミキサ9には、この受信信号とカプラ6からの送信信号の一部であるローカル信号とを入力して、その周波数差の信号に相当するビート信号を中間周波信号として信号処理ブロック2のADコンバータ12へ出力する。ADコンバータ12は、これをデジタルデータに変換する。DSP(デジタル信号処理装置)13は、ADコンバータ12から入力したデータ列をFFT(高速フーリエ変換)処理して、後述するように、物標の相対距離および相対速度を算出する。
RFブロック1内のスキャンユニット16は、1次放射器4を誘電体レンズ3の焦点面またはそれに平行な面内を平行移動させる。この1次放射器4が設けられている可動部と固定部側との間に0dBカプラを構成している。モータMはスキャンユニット16の駆動用モータである。このモータによって、例えば100ms周期で−10度から+10度の範囲をビーム走査する。
信号処理ブロック2内のマイクロプロセッサ14は、変調カウンタ11およびスキャンユニット16を制御する。このマイクロプロセッサ14は、スキャンユニット16に対してビーム方位を所定角度に向けるとともに、三角波でVCO8を変調するように、変調カウンタ11を制御する。マイクロプロセッサ14は、DSP13が求めた上り変調区間の周波数スペクトルに現れる突出部と、下り変調区間の周波数スペクトルに現れる突出部とのペアを抽出(ペアリング)する。また、マイクロプロセッサ14は、後述する方法によって物標の相対距離と相対速度を求め、それを図外のホスト装置へ出力する。
図2は、物標までの距離と相対速度に起因する、送信信号と受信信号の周波数変化のずれの例を示している。送信信号TXSは中心周波数foを周波数中心として、三角波状に周波数変調された信号である。この送信信号TXSの周波数上昇時における送信信号TXSと受信信号RXSとの周波数差がアップビート信号の周波数f1であり、送信信号TXSの周波数下降時における送信信号TXSと受信信号RXSとの周波数差がダウンビート信号の周波数f2である。ΔFは周波数偏位幅である。この送信信号TXSと受信信号RXSの三角波の時間軸上のずれ(時間差)Δtが、アンテナから物標までの電波の往復時間に相当する。また、送信信号TXSと受信信号RXSの周波数軸上のずれがドップラシフト量であり、これはアンテナに対する物標の相対速度に起因して生じる。この時間差とドップラシフト量によってアップビート信号の周波数f1とダウンビート信号の周波数f2の値が変化する。このf1,f2を検出することによって、レーダから物標までの距離およびレーダに対する物標の相対速度を算出する。すなわち、距離遅延に基づく周波数成分をfr、相対速度に基づくドップラシフト周波数成分をfdで表すと、
fr=(f1+f2)/2 …(1)
fd=(f2−f1)/2 …(2)
の関係にある。
図3は、上り変調区間と下り変調区間のビート信号の周波数スペクトルの例を示している。ここで実線は上り変調区間でのビート信号の周波数スペクトル、破線は下り変調区間でのビート信号の周波数スペクトルである。図3に示した周波数範囲では、上り変調区間でのビート信号に、ピーク周波数がf11,f12,f13の3つの突出部が生じていて、下り変調区間のビート信号に、ピーク周波数がf21,f22の2つの突出部が生じている。これらの複数の突出部同士のペアリングを行い、ペアをなす2つのピーク周波数から(1)式により物標との相対距離を求め、(2)式によって物標との相対速度を求める。例えば、ピーク周波数f13,f22をペアと見なした場合、距離遅延に基づく周波数成分frは、fr=(f13+f22)/2として求め、速度差によるドップラシフト周波数成分fdは、fd=(f22−f13)/2として求める。
ところで、図2に示したように、送信中心周波数をfo、変調周期を1/fm、周波数変位幅をΔFとすると、距離Rにある物標が相対速度Vで近づいてくる場合、ビート信号に含まれる距離遅延成分frは
fr=(4fmΔF・R)/C …(3)
の関係にあるので、距離Rは
R=Cfr/(4fmΔF) …(4)
として求められる。またビート信号に含まれるドップラシフトに基づく周波数成分fdは
fd=(2Vfo)/C …(5)
の関係にあるので、相対速度Vは
V=Cfd/(2fo) …(6)
として求めることができる。
また、上り変調と下り変調のそれぞれの区間で行うFFTの周波数分解能は、この区間の基本周波数である2fmとなり、それに相当する距離分解能をδR、速度分解能をδVとすると、(4)式,(6)式にそれぞれR=δR,fr=2fm,V=δV,fd=2fmを代入して
δR=C/2ΔF …(7)
δV=fm・C/fo …(8)
となる。
一方、アップビート周波数f1、ダウンビート周波数f2はそれぞれ
f1=fr−fd …(9)
f2=fr+fd …(10)
と表されるため、次の関係で表される時間をτとすると、物標が等速直線運動をしている場合に、ある時刻で得られたf1,f2は、それぞれその時刻に対しτ後にまたはτ前のfrに一致する。
τ=δR/δV=fo/(2fmΔF) …(11)
この関係を図4および図5を用いて説明する。
今、測定周期をTとし、nT=τの関係を満たすように測定周期Tを定めると、任意のタイミングでn回後の測定タイミングにおける物標の距離遅延に基づく周波数成分frを予測することができる。例えば、時刻tでのfrは時刻t−nTでの上り変調区間のビート周波数f1に等しい。
従って、「常にn回前のf1を今回のfrと見なして距離を求める」という処理が考えられる。しかし、それだけでは物標の相対速度が求められないし、物標が急加減速した時や、nT≒τの条件に対する誤差が大きくなった場合に、距離の測定誤差もこれに応じて大きくなってしまう。
一方、通常のFMCWレーダの場合、既に述べたとおり、ある時刻での測定における上り変調区間と下り変調区間でのビート周波数f1,f2を組み合わせることにより、相対距離と相対速度を同時に求めることができるが、物標が複数存在する場合にはf1,f2も複数となり、これらを正しく組み合わせなければ距離・速度とも真値と全く異なる値が出力されてしまう。
本発明は、次の手順により物標の距離および相対速度を求め、上述のいずれの問題も同時に解消するものである。
(1) 時刻t−nTでの上り変調区間のビート周波数f1を時刻tでの予測距離f1prd とする。
(2) 時刻tでの上り,下りそれぞれの変調区間のビート周波数f1,f2に対し、
(f1prd −ε)<(f1+f2)/2 <(f1prd +ε)を満たすf1とf2のペア候補を求める。但しεは生じうる誤差に基づき適宜設定する定数である。
(3)(2)で求めた組み合わせから、f2−f1≒f2prd −f1prd を満たすf2prd が無いものをペア候補から除外する。但しf2prd は時刻tでの下り変調区間のビート周波数である。
(4)(3)で求めた組み合わせのうち、FMCWレーダのペアリングに用いられる他の諸条件(周波数スペクトルに現れる突出部のピーク値の一致度、周波数スペクトルの方位方向のプロファイルから求めたピーク方位の一致度等)も考慮し、ペアの可能性のある組み合わせを一つ以上選ぶ。
(5)(4)で選んだf1,f2より、fr,fdを求め、この結果を(4)式,(6)式に代入し、相対距離Rと相対速度Vを得る。
図4の(A)と(B)は物標の相対速度が異なっている例である。いずれの場合も時刻tにおける距離遅延に基づく周波数成分frは時刻t−nTでのアップビート信号周波数f1に略等しい。
また図5は物標がレーダから遠ざかる場合のアップビート信号の周波数f1とダウンビート信号の周波数f2の変化の例を示している。この場合も時刻tにおけるfrは時刻t−nTでのf1に略等しい。
次に、上述のペアリングの手順の例をフローチャートとして図6に示す。
ここで、tは何回目の測定であるかを表す変数である。まず、tに初期値0を代入し(S1)、ビート信号のサンプリングデータを入力し、FFT演算する(S2→S3)。その後、FFT演算により求めたアップビート信号の周波数スペクトルに現れる突出部のピーク周波数(以下単に「アップビート信号のピーク周波数」という。)とダウンビート信号の周波数スペクトルに現れる突出部のピーク周波数(以下単に「ダウンビート信号のピーク周波数」という。)とを2次元配列変数f1[t][ ],f2[t][ ]に代入する。(S4)。但し、以降の説明では各タイミングでのアップビート信号とダウンビート信号の周波数スペクトルに現れる複数の突出部のピーク周波数のデータ列をまとめて表すために1次元配列の形式で表す。
続いてアップビート信号とダウンビート信号に含まれる複数のピーク周波数のうち、(f1[t] +f2[t] )/2がnTだけ前回の測定で求めたアップビート信号の複数のピーク周波数f1[t-nT]に対して±εの範囲で一致するピーク周波数f1[t] ,f2[t] の組合わせをペア候補として抽出する(S5)。
続いて今回のアップビート信号のピーク周波数f1[t]とダウンビート信号のピーク周波数f2[t] との差が、時刻t−nTでのf1,f2との差(f2[t-nT]−f1[t-nT])に略等しくなるf2[t-nT]が無い場合、f1[t]とf2[t]の組み合わせをペア候補から除外する(S6)。その後はピーク強度やピーク方位の類似度を考慮して最も確からしい組み合わせをペアとして決定する(S7)。
以上の処理を繰り返すことによって各測定タイミングでのペアリングを行う(S7→S8→S2→・・・・)。
次に第2の実施形態に係るレーダのペアリングに関する別の処理内容を図7を参照して説明する。
第1の実施形態では時刻t−nTでのf1,f2から時刻tでのfrを推定するようにしたが、この第2の実施形態では時刻tでのf2から時刻t−nTでのfrを推定する。
図7はそのペアリングの処理手順を示すフローチャートである。図6の例と異なるのはステップS15,S16,S18である。ステップS15では、時刻t−nTでのアップビート信号とダウンビート信号に含まれていた複数のピーク周波数のうち、(f1[t-nT]+f2[t-nT])/2が今回の測定で求めたダウンビート信号の複数ピーク周波数f2[t] に対して±εの範囲で一致するピーク周波数f1[t-nT],f2[t-nT]の組合わせをペア候補として抽出する。
続いて時刻tでのアップビート信号のピーク周波数f1とダウンビート信号のピーク周波数f2との差(f2[t] −f1[t] )が、時刻t−nTでのf1,f2との差(f2[t-nT]−f1[t-nT])に略等しくなるf1[t]が無い場合、f1[t-nT]とf2[t-nT]の組み合わせをペア候補から除外する(S16)。
その後、ピーク強度やピーク方位の類似度を考慮して最も確からしい組み合わせをペアとして決定する(S17)。
そして、ペアと見なしたf1[t-nT],f2[t-nT]を用い、今回の測定で求めたf1とf2の差であるドップラシフト周波数と、時刻t−nTでの測定で求めたf1とf2の差であるドップラシフト周波数とが略等しい(すなわちf2[t] −f1[t] ≒f2[t-nT]−f1[t-nT])を満たすf1[t] ,f2[t] を抽出し、
fr[t] =(f1[t] +f2[t] )/2
fd[t] =(f2[t] −f1[t] )/2
により今回の測定タイミングにおける相対距離と相対速度を求める(S18)。
次に、第3の実施形態に係るレーダについて図8・図9を参照して説明する。
第1・第2の実施形態では測定周期Tが(11)式を満たすように定めた場合について示したが、この第3の実施形態では、任意の測定周期に対応するものである。
図8は各測定タイミングでのアップビート信号のピーク周波数f1、ダウンビート信号のピーク周波数f2および距離遅延に基づく周波数成分frの変化の例を示している。この例では周期nTはnTとτの差が最小となるようnを適切に選んでも、nT≒τとならず、nT<τの関係にある。そのため前回の測定タイミングt−nTでのf1は今回の測定タイミングtでのfrとは一致しない。
図9はこの第3の実施形態に係るレーダのペアリングに関する処理手順を示すフローチャートである。図6に示した手順と異なるのはステップS25〜S27である。ステップS25では時刻t−2nTでのf1に最も近い周波数を示す今回の時刻tでのf2を選び、両者の平均値が時刻t−nTでのfr(すなわち(f1[t-2nT]+f2[t])/2)に±εの範囲で一致する時刻t−nTでのf1,f2をペア候補として抽出する。
続いて時刻tでのアップビート信号のピーク周波数f1とダウンビート信号のピーク周波数f2との差(f2[t] −f1[t] )が、時刻t−nTでのf1,f2の差(f2[t-nT]−f1[t-nT])に略等しくなるf1[t]が無い場合、f1[t-nT]とf2[t-nT]の組み合わせをペア候補から除外する(S26)。
さらに同様に、時刻t−2nTでのアップビート信号のピーク周波数f1とダウンビート信号のピーク周波数f2との差(f2[t-2nT] −f1[t-2nT] )が、時刻t−nTでのf1,f2との差(f2[t-nT]−f1[t-nT])に略等しくなるf2[t-2nT]が無い場合、f1[t-nT]とf2[t-nT]の組み合わせをペア候補から除く(S27)。
このようにして、時刻tでのf2と時刻t−2nTでのf1とから時刻t−nTでのfrを推定し、距離遅延に基づく周波数成分がそのfrを満たすようなペアをペア候補として抽出し、その抽出したペアから求まるドップラシフト周波数成分fd[t-nT]と略等しいドップラシフト周波数となるペアが時刻tまたはt−2nTの測定タイミングで存在する組み合わせを抽出することによって時刻t−nTでのペア候補を抽出する。
なお、時刻tでのfr,fdを求めるには、図7のステップ18で示した場合と同様に、ペアと見なしたf1[t-nT],f2[t-nT]を用い、今回の測定で求めたf1とf2の差であるドップラシフト周波数と、時刻t−nTでの測定で求めたf1とf2の差であるドップラシフト周波数とが略等しい(すなわちf2[t] −f1[t] ≒f2[t-nT]−f1[t-nT])を満たすf1[t] ,f2[t] を抽出し、
fr[t] =(f1[t] +f2[t] )/2
fd[t] =(f2[t] −f1[t] )/2
により今回の測定タイミングにおける距離と相対速度を求めればよい。
レーダの構成を示すブロック図である。 同レーダの上り変調区間と下り変調区間でのビート信号の例を示す図である。 上り変調区間と下り変調区間におけるビート信号の周波数スペクトルの例を示す図である。 第1の実施形態に係るレーダの各測定タイミングでのピーク周波数などの変化の例を示す図である。 第1の実施形態に係るレーダの各測定タイミングでのピーク周波数などの変化の例を示す図である。 同レーダのペアリングに関する処理手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係るレーダにおけるペアリングに関する処理手順を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係るレーダにおける各測定タイミングでのピーク周波数などの変化の例を示す図である。 同レーダにおけるペアリングに関する処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1−RFブロック
2−信号処理ブロック
3−誘電体レンズ
4−1次放射器
5−サーキュレータ
6−カプラ
7−アイソレータ
8−VCO
9−ミキサ
13−デジタル信号処理装置
14−マイクロプロセッサ
16−スキャンユニット

Claims (5)

  1. 周波数が次第に上昇する上り変調区間と、周波数が次第に下降する下り変調区間とを交互に繰り返す送信信号を送信するとともに、該送信信号の物標での反射信号である受信信号を受信する送受信手段と、
    前記送信信号と前記受信信号とのビート信号の周波数スペクトルに関するデータを求める周波数分析手段と、
    前記上り変調区間の前記ビート信号の周波数スペクトルに現れる複数の第1突出部と、前記下り変調区間の前記ビート信号の周波数スペクトルに現れる複数の第2突出部とから、同一物標による前記送信信号の反射に起因して生じた突出部のペアを抽出するペア抽出手段と、
    該ペアをなす2つの突出部の周波数に基づいて、物標までの距離と物標との相対速度を検知する手段とを備えたレーダにおいて、
    前記ペア抽出手段は、所定タイミングでの第1の突出部のピーク周波数から該所定タイミングより一定時間後のタイミングでの第1・第2の突出部のピーク周波数の中心周波数を予測し、前記一定時間後のタイミングで得られた突出部のペアを前記中心周波数を基に抽出する手段を設けたレーダ。
  2. 周波数が次第に上昇する上り変調区間と、周波数が次第に下降する下り変調区間とを交互に繰り返す送信信号を送信するとともに、該送信信号の物標での反射信号である受信信号を受信する送受信手段と、
    前記送信信号と前記受信信号とのビート信号の周波数スペクトルに関するデータを求める周波数分析手段と、
    前記上り変調区間の前記ビート信号の周波数スペクトルに現れる複数の第1突出部と、前記下り変調区間の前記ビート信号の周波数スペクトルに現れる複数の第2突出部とから、同一物標による前記送信信号の反射に起因して生じた突出部のペアを抽出するペア抽出手段と、
    該ペアをなす2つの突出部の周波数に基づいて、物標までの距離と物標との相対速度を検知する手段とを備えたレーダにおいて、
    前記ペア抽出手段は、所定タイミングでの第2の突出部のピーク周波数から該所定タイミングより一定時間前のタイミングでの第1・第2の突出部のピーク周波数の中心周波数を予測し、前記一定時間前のタイミングで得られた突出部のペアを前記中心周波数を基に抽出する手段を設けたレーダ。
  3. 前記ペア抽出手段は、
    前記周波数分析を行う測定周期をT、前記上り変調区間とそれに隣接する下り変調区間とを一周期とする変調周期を1/fm、前記送信信号の中心周波数をfo、前記上り変調区間と下り変調区間での周波数変位幅をΔFとするとき、
    nT≒fo/(2ΔF・fm)
    (但し、nは任意の自然数)
    の関係を満たすnTを前記一定時間として前記突出部のペアを抽出することを特徴とする請求項1または2に記載のレーダ。
  4. 周波数が次第に上昇する上り変調区間と、周波数が次第に下降する下り変調区間とを交互に繰り返す送信信号を送信するとともに、該送信信号の物標での反射信号である受信信号を受信する送受信手段と、
    前記送信信号と前記受信信号とのビート信号の周波数スペクトルに関するデータを求める周波数分析手段と、
    前記上り変調区間の前記ビート信号の周波数スペクトルに現れる複数の第1の突出部と、前記下り変調区間の前記ビート信号の周波数スペクトルに現れる複数の第2の突出部とから、同一物標による前記送信信号の反射に起因して生じた突出部のペアを抽出するペア抽出手段と、
    該ペアをなす2つの突出部の周波数に基づいて、物標までの距離と物標との相対速度を検知する手段とを備えたレーダにおいて、
    前記ペア抽出手段は、所定タイミングから一定時間前の第1の突出部のピーク周波数と前記所定タイミングから一定時間後の第2の突出部のピーク周波数とを用いて、前記所定タイミングでの第1・第2の突出部のピーク周波数の中心周波数を予測し、前記所定タイミングで得られた突出部のペアを前記中心周波数を基に抽出する手段を設けたレーダ。
  5. 前記ペア抽出手段は、前記所定タイミングでのペアをなす第1・第2の突出部のピーク周波数の差に略等しい周波数差を形成する前記所定タイミングでの前記中心周波数の予測に用いた前記一定時間前のタイミングでの第1の突出部とペアをなす第2の突出部が無い場合に、および/または前記周波数差を形成する前記所定タイミングでの前記中心周波数の予測に用いた前記一定時間後のタイミングでの第2の突出部とペアをなす第1の突出部が無い場合に、前記所定タイミングでの第1・第2の突出部の組み合わせをペア候補から除外する請求項4に記載のレーダ。
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