JP3709826B2 - レーダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ミリ波帯電波などの探知信号を送受信して、物標の相対位置または相対速度を探知するレーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばミリ波帯電波を用いた車載用レーダは、車両の前方または後方に対して指向性の鋭いレーダビームを送信し、前方または後方を走行する車両などの物標からの反射波を受信し、その送信信号と受信信号との差の周波数信号であるビート信号を検出し、そのビート信号から物標の相対距離および相対速度を検出するようにしている。
【0003】
ここで、送信信号の周波数が連続的に上昇する区間と連続的に下降する区間とが周期的に繰り返されるFM−CW(周波数変調連続波)レーダについて、以下に述べる。
【0004】
図2の(A)は、物標の相対速度が0の時の送受信波形である。ここで縦軸は上記ビート信号の周波数、横軸は時間である。また実線で示す三角波は送信信号の、破線の三角波は受信信号の、それぞれの時間経過に伴う周波数変化を示している。三角波変調された送信波と物標により反射された受信波との間には、物標までの距離に比例した時間遅れτが生じる。今、物標までの距離をR、大気中の電波の伝搬速度をCとすると、
τ=2R/C …(1)
となる。この時の送信波の三角波変調周期を1/fm、同変調幅をΔFとすると、送信信号の周波数が連続的に上昇する区間(以下、「上り変調区間」という。)における、送信波と受信波との差の周波数信号であるビート信号(以下、「アップビート信号」という。)、送信信号の周波数が連続的に下降する区間(以下、「下り変調区間」という。)における、送信波と受信波との差の周波数信号であるビート信号(以下、「ダウンビート信号」という。)の何れでも、
fr=2fm・ΔF・τ=4R・fm・ΔF/C …(2)
となる。
【0005】
図2の(A)に示した例では、物標の相対速度が0であるので、f1=f2=frである。
【0006】
図2の(B)は、物標の相対速度が0でないときの送受信波形である。この場合、物標の相対速度Vによるドップラー効果により、受信波は、
fd=2V・f0/C …(3)
だけ周波数がシフトする。ここでf0は送信波の中心周波数である。このため、アップビート信号の周波数f1と、ダウンビート信号の周波数f2は、
f1=fr−fd …(4)
f2=fr+fd …(5)
となる。従って、frとfdは、
fr=(f1+f2)/2 …(6)
fd=(f2−f1)/2 …(7)
より求められる。(6)(7)と(2)(3)式より、
R=C・(f1+f2)/(8・fm・ΔF) …(8)
V=C・(f2−f1)/(4・f0) …(9)
が導かれる。
【0007】
このようにして、FMCW方式のレーダでは、アップビート信号の周波数f1とダウンビート信号の周波数f2を(8)(9)式に代入することによって、物標の相対距離Rおよび相対速度Vを求める。
【0008】
上記f1は、上り変調区間にサンプリングしたアップビート信号の周波数スペクトルの振幅成分に現れる突出部のピーク周波数に相当する。また、f2は、下り変調区間にサンプリングしたダウンビート信号の周波数スペクトルの振幅成分に現れる突出部のピーク周波数に相当する。したがって、上り変調区間にビート信号をサンプリングし、その周波数スペクトルの振幅成分に現れる突出部のピーク周波数をf1として求める。同様に、下り変調区間にビート信号をサンプリングし、その周波数スペクトルの振幅成分に現れる突出部のピーク周波数をf2として求める。
【0009】
物標が複数存在する場合、その物標の数だけ、アップビート信号の周波数スペクトルと、ダウンビート信号の周波数スペクトルに、それぞれ突出部が現れる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記FM−CW(周波数変調連続波)レーダにおいて、探知範囲に複数の物標が存在する時、この物標の相対距離と相対速度の条件によっては、アップビート信号またはダウンビート信号の周波数スペクトルに生じる突出部が互いに極め接近したり、完全に重なり合う状態が生じる。このようにビート信号の周波数スペクトルに表れる突出部が重なった場合、スペクトルの振幅成分からは、突出部が単一物標によるものか、複数物標によるものか(複数のそれぞれの物標による突出部が重なったものであるか)、の判別が困難であった。
【0011】
その結果、複数の物標が1つの物標として誤認識されることになり、レーダの動作上不都合が生じる。
【0012】
以上に述べた例はFM−CWレーダに関してであったが、例えば送信アンテナと受信アンテナが個別にあって、一定周波数のパルス波または連続波を送受信し、そのビート信号から物標の相対速度を検知するようにしたドップラレーダにおいては、相対速度の近似した複数の物標が存在する場合に、ビート信号の周波数スペクトルに突出部が重なってしまう。その結果、複数の物標の存在が検知できない、という問題が生じる。
【0013】
この発明の目的は、複数の物標が存在していて、ビート信号の周波数スペクトルの突出部位置が重なるような場合でも、その重なりを判定可能として、上述の問題を解消したレーダを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明は、送信信号と受信信号との差の周波数信号であるビート信号を基に、物標の相対位置または相対速度を検知するレーダにおいて、ビート信号に窓関数を掛けた信号の周波数スペクトルを分析し、該周波数スペクトルの振幅成分に現れる突出部のピーク周波数を中心とする所定周波数範囲で、前記周波数スペクトルの位相成分に略180度の位相反転が生じるか否かによって、当該ビート信号に対応する受信信号が単一物標からの反射波によるものか否かの判定を行う物標単一性判定手段を設ける。
【0015】
単一物標による周波数スペクトルは、その振幅成分の突出部のピーク周波数を中心とする所定周波数範囲で、その位相成分に略180°の位相反転が生じる。上記物標単一性判定手段は、従来用いられていなかった位相成分の情報を積極的に利用することにより、180°の位相反転の有無によって、物標の単一性を判定する。
【0016】
また、この発明は、前記送信信号の周波数が連続的に上昇する上り変調区間と、連続的に下降する下り変調区間とが周期的に繰り返されたものとする。これにより、所謂FM−CW方式により、物標の相対位置および相対速度の検出を可能とする。
【0017】
また、この発明は、上り変調区間でのビート信号の周波数スペクトルの振幅成分と、下り変調区間でのビート信号の周波数スペクトルの振幅成分にそれぞれ現れる突出部について、同一物標からの反射波による、上り変調区間での突出部と、下り変調区間での突出部との組を照合する際、前記物標単一性判定手段により単一物標によるものと判定された突出部については1対1で照合し、複数の物標による突出部が重なったものと判定された突出部については1対多で照合する照合手段を設ける。
【0018】
このように、同一物標についての上り変調区間における突出部と下り変調区間における突出部の組み合わせを求めるために、例えば突出部のピーク値などに基づいて照合を行う。その際、単一物標に起因する突出部については1対1で照合し、複数の物標による突出部が重なったものと判定された突出部については1対多で照合する。これにより、複数のすべての物標について、上り変調区間におけるビート信号の周波数と下り変調区間におけるビート信号の周波数とから相対速度および相対位置を検知する。
【0019】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態に係るレーダの構成について、各図を参照して、以下に説明する。
図1はレーダの構成を示すブロック図である。図1において、1はRFブロック、2は信号処理ブロックである。RFブロック1は、レーダ測定用の電波を送受信し、送信波と受信波とのビート信号を信号処理ブロック2へ出力する。信号処理ブロック2の変調カウンタ11は、結果的にDAコンバータ10から三角波信号を発生させるためのカウントを行い、その値をDAコンバータ10へ出力する。DAコンバータ10は、それをアナログ電圧信号に変換してRFブロック1のVCO(電圧制御発振器)8へ与える。これにより送信波をFM変調する。すなわち、VCO8の発振信号はアイソレータ7、カプラ6、サーキュレータ5を介して1次放射器4へ供給される。この1次放射器4は、誘電体レンズ3の焦点面または焦点面付近にあって、誘電体レンズ3は、1次放射器4から放射されるミリ波信号を鋭いビームとして送信する。車両などの物標からの反射波が誘電体レンズ3を介して1次放射器4へ入射されると、受信信号がサーキュレータ5を介してミキサ9へ導かれる。ミキサ9には、この受信信号とカプラ6からの送信信号の一部であるローカル信号とを入力して、その差の周波数信号であるビート信号を中間周波信号として、信号処理ブロック2のADコンバータ12へ出力する。ADコンバータ12は、これをデジタルデータに変換する。DSP(デジタル信号処理装置)13は、ADコンバータ12から入力したデータ列をFFT(高速フーリエ変換)処理して、後述するように物標の相対距離および相対速度を算出し、これらを出力回路15を介してホスト装置へ出力する。
【0020】
RFブロック1内の16で示す部分は、1次放射器4を誘電体レンズ3の焦点面またはそれに平行な面内を平行移動させるスキャンユニットである。この1次放射器4が設けられている可動部と固定部とで0dBカプラを構成している。Mで示す部分は、その駆動用モータを示している。
【0021】
信号処理ブロック2内の14は、変調カウンタ11およびスキャンユニット16を制御するマイクロプロセッサである。このマイクロプロセッサ14は、スキャンユニット16に対してビーム方位を所定角度に向けるとともに、その静止時間内に、上り変調区間と下り変調区間の一山分の三角波でVCO8を変調するように、カウント周期を定める。
【0022】
図3は、自車両の前方に2台の車両(物標)が存在する状態を示している。図4は、図3に示した状態で、車両A,Bについての上り変調区間と下り変調区間におけるビート信号の周波数スペクトル(以下、周波数スペクトルを単に「スペクトル」という。)の振幅成分を示している。図4の(A)は車両Aについてのスペクトルの振幅成分、(B)は車両Bについてのスペクトルの振幅成分、(C)は(A)と(B)を合成した、実際に得られるスペクトルの振幅成分である。この例では、自車両の前方を走行する車両(A)が自車両と同じ速度で走っており、車両Bが車両Aの後方から車両Aよりも速い速度で追い上げている。
【0023】
この時、車両Aは自車両に対する相対速度が0であるため、(A)に示すように、アップビート信号のスペクトルの振幅成分に現れる突出部p11のピーク周波数f11と、ダウンビート信号のスペクトルの振幅成分に現れる突出部p21のピーク周波数f21とは一致する。一方、車両Bは自車両より速いため、ドップラシフトが生じ、(B)に示すように、アップビート信号のスペクトルの振幅成分に現れる突出部p12のピーク周波数f12の方が、ダウンビート信号のスペクトルの振幅成分に現れる突出部p22のピーク周波数f22よりも高くなる。したがって、車両AB間の距離と、相対速度の条件によっては、(C)に示すように、アップビート信号に含まれる、車両Aによる突出部p11と、車両Bによる突出部p12とが重なるが、ダウンビート信号に含まれる、車両Aによる突出部p21と、車両Bによる突出部p22とが重ならない、といった状況が生じる。
【0024】
図9は、図1に示した信号処理ブロック2におけるDSP13の処理手順を示すフローチャートである。
まず、所定周期でサンプリングされ、AD変換されたデータを順次取り込み(n1)、ハニング窓の窓関数を掛ける(n2)。この窓関数を掛けたデータについてFFT(高速フーリエ変換)演算を行う(n3)。これにより、各離散周波数における振幅および位相の情報を算出する。すなわち、各離散周波数における実部と虚部の値から振幅成分と位相成分の情報を算出する(n4)。続いて、振幅成分に現れる突出部のピーク周波数を検出する(n5)。これらのn1〜n5の処理は、アップビート信号とダウンビート信号についてそれぞれ行う。
【0025】
その後、後述する物標単一性判定を行う(n6)。すなわち、検出した上記各突出部が、単一の物標に起因するものであるか、複数の物標に起因するものであるかの判定を行う。その後、アップビート信号から検出した上記突出部と、ダウンビート信号から検出した上記突出部とを基にして、同一物標による突出部同士の照合(以下、「ペアリング」という。)を行う(n7)。その後、ペアリングを行った、アップビート信号についてのピーク周波数をf1、ダウンビート信号についてのピーク周波数をf2として、前述した(8),(9)式によって物標の相対距離および相対速度を算出する(n8)。
【0026】
次に、上述した窓関数の処理およびFFTの処理によって生じる周波数スペクトルの表れ方について説明する。
まず、FFTの前処理として用いる窓関数であるハニング関数は、次の式で示される。
【0027】
【数10】
Figure 0003709826
【0028】
ただしTはサンプリング期間である。
【0029】
この窓関数を用いることで、FFT後のスペクトルのサイドローブを小さくすることができる。
【0030】
h(t)のフーリエ変換H(f)は次の式で表わされる。
【0031】
【数11】
Figure 0003709826
【0032】
そこで、単一の物標からの反射波により生じたビート信号の周波数スペクトルについて考える。この場合、ビート信号は単一周波数となる。ビート信号を、
【0033】
【数12】
Figure 0003709826
【0034】
とすると、ビート信号に窓関数を掛けた信号は
【0035】
【数13】
Figure 0003709826
【0036】
と表わされる。これは、周波数軸上で、窓関数h(t)のスペクトルH(f)を周波数軸上でftgt だけシフトすることを意味する。したがって、ビート信号のスペクトルX2 (f)は以下の式で表わされる。
【0037】
【数14】
Figure 0003709826
【0038】
このスペクトルX2 (f)の振幅成分および位相成分は図5のようになる。 ただし、実際には、FFTは離散フーリエ変換の一種であるので、信号処理の結果得られるスペクトルは、図5に示した周波数間隔1/T(T:サンプリング周期)で離散化した値となる。
【0039】
【数15】
Figure 0003709826
【0040】
が成り立つ。すなわち、1/Tで離散化した位相の変化を、振幅のピークの前後で見ると、180°の位相反転が3回続いて現れることになる。
【0041】
これに対して、複数の物標からの反射波に起因して生じる突出部が重なった場合には、複数の突出部の重ね合わせにより、上記位相反転の性質がなくなる。
【0042】
図6は単一物標によるスペクトルの例、図7は複数物標に起因して生じるスペクトルの例をそれぞれ示している。両図において、(A)は横軸を周波数、縦軸を振幅および位相としている。(B)は横軸を実部、縦軸を虚部とした複素平面上で、周波数変化に伴うスペクトルのベクトル軌跡を表わしたものである。
【0043】
図6に示すように、単一物標によるスペクトルの位相変化は、振幅の突出部の前後において、180°の位相反転が3回続けて生じる。この時のベクトル軌跡を複素平面上で表わすと、(B)のように一直線上に並ぶ。
【0044】
一方、複数物標に起因するスペクトルの場合には、図7に示すように、振幅のピークの前後で、180°の位相反転現象が崩れる。同図の(B)に示すように、そのベクトル軌跡を複素平面上で見ると、一直線上に並ばないことがわかる。
【0045】
図10は、図9におけるステップn6の物標単一性判定の処理手順を示すフローチャートである。
まず、スペクトルの振幅の突出部のうち、どの突出部について物標単一性の判定を行うかの選択を行う(n11)。その選択した突出部のピーク周波数における位相と、その1つ前の(すなわち離散周波数1/Tだけ低い)周波数における位相との位相差を判定する。その位相差が略180°であれば、続いて、上記中心周波数における位相と、1つ次の(すなわち離散周波数1/Tだけ高い)周波数における位相との位相差が略180°であるか否かの判定を行う(n12→n13)。図5に示したように、振幅のピーク周波数における位相F(n)と、その前後の離散周波数における位相F(n−1),F(n+1)との差が、それぞれ略180°であれば、この突出部を生じさせた物標は単一であるものと判定する(n14)。もし略180°の位相差がF(n)の前後になければ、複数の物標に起因した突出部であるものと判定する(n15)。以上の処理をスペクトル上に現れるすべての突出部について判定する(n16→n11→・・・)。
【0046】
この図10に示した処理は、アップビート信号とダウンビート信号のそれぞれについて行う。
【0047】
次に、図9におけるステップn7のペアリングの手順について説明する。
まず、図8に示すようなアップビート信号とダウンビート信号についてのスペクトルの振幅成分が求まっているものとする。ここで(B)に示すダウンビート信号についての突出部p22は、複数物標による突出部と判定されているものとする。その他の突出部p11,p12,p13,p21はそれぞれ単一物標による突出部と見なされているものとする。ペアリングは次の手順で行う。
【0048】
(1)アップビート信号についての突出部p11,p12,p13と、ダウンビート信号についての突出部p21,p22のすべての組み合わせについて所定の評価関数による評価を行う。
【0049】
その結果、次のような評価値を得る。
【0050】
Figure 0003709826
上記評価関数としては、照合すべき2つの突出部について、振幅の値が近いものほど評価値が高くなり、またピーク周波数が、通常あり得ない周波数以上離れていれば評価値が大きく下がる、といった評価関数を用いる。
【0051】
表1に示した評価値の場合、まず最も評価値の高いp11,p21をペアとして決定する。
【0052】
(3)次に、残った突出部p12,p13,p22の中から、2番目に評価値の高い(p12,p22)をペアとして選択する。ここで、p22は複数物標に起因する突出部であるものと判定されているので、p12とのペアリングの後も、まだ他の突出部とのペアリング対象として残す。
【0053】
(4)残った(p13,p22)についても評価値が高いため、これをペアとして選択する。
【0054】
このように、単一物標による突出部p11,p12,p13については、1対1のペアリングを行い、複数物標による突出部p22については、1対多のペアリングを行う。
【0055】
ペアリング終了の条件としては、例えば、
(1)すべての突出部ついてのペアリングが完了した時
(2)評価値が一定の値を上回るペアがなくなった時
の2つとする。
【0056】
なお、以上に示した実施形態では、FM−CW方式のレーダについて示したが、一定周波数のパルス波または連続波を送受信し、そのビート信号から物標の相対速度を検知するようにしたドップラレーダにおいても同様に適用すればよい。すなわち、ビート信号の周波数スペクトルの振幅成分に現れる突出部のピーク周波数から相対速度を求めるが、その突出部の前後で略180度の位相反転が無ければ、略同一相対速度の物標が複数存在するものとして扱えばよい。
【0057】
【発明の効果】
この発明によれば、送信信号と受信信号との差の周波数信号であるビート信号の周波数スペクトルの位相情報を基に、周波数スペクトルの振幅成分に生じた突出部が単一物標からの反射波によるものか否かの判定を行う、物標単一性判定手段を設けたことにより、複数の物標が1つの物標として誤認識される問題が解消できる。
【0058】
また、この発明によれば、前記送信信号の周波数が連続的に上昇する上り変調区間と、連続的に下降する下り変調区間とが周期的に繰り返されたものとすることにより、物標の相対位置と相対速度が同時に検出可能となる。
【0059】
また、この発明によれば、同一物標についての上り変調区間での周波数スペクトルの振幅成分に現れる突出部と、下り変調区間での周波数スペクトルの振幅成分に現れる突出部の組み合わせを求める際、単一物標に起因する突出部については1対1で照合し、複数の物標による突出部が重なったものと判定されたものについては1対多で照合することにより、複数のすべての物標について相対速度および相対位置を誤りなく検知できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るレーダの構成を示すブロック図
【図2】同レーダにおけるビート信号の周波数変化の波形を示す図
【図3】自車両とその前方の他の車両との関係を示す図
【図4】図3に示した状況でのスペクトルの例を示す図
【図5】単一物標に起因する周波数スペクトル上のピーク前後の位相変化の例を示す図
【図6】単一物標に起因する周波数スペクトル上のピーク前後の位相変化の例を示す図
【図7】複数物標に起因する周波数スペクトル上のピーク前後の位相変化の例を示す図
【図8】ペアリングの例としてのスペクトルを示す図
【図9】レーダにおける信号処理の手順を示すフローチャート
【図10】物標単一性判定処理の手順を示すフローチャート
【符号の説明】
1−RFブロック
2−信号処理ブロック
3−誘電体レンズ
4−1次放射器
5−サーキュレータ
6−カプラ
7−アイソレータ
8−VCO
9−ミキサ
15−出力回路
16−スキャンユニット

Claims (3)

  1. 送信信号と受信信号との差の周波数信号であるビート信号を基に、物標の相対位置または相対速度を検知するレーダにおいて、
    前記ビート信号に窓関数を掛けた信号の周波数スペクトルを分析し、該周波数スペクトルの振幅成分に現れる突出部のピーク周波数を中心とする所定周波数範囲で、前記周波数スペクトルの位相成分に略180度の位相反転が生じるか否かによって、当該ビート信号に対応する受信信号が単一物標からの反射波によるものか否かの判定を行う物標単一性判定手段、を備えたレーダ。
  2. 前記送信信号は、該送信信号の周波数が連続的に上昇する上り変調区間と、該周波数が連続的に下降する下り変調区間とが周期的に繰り返されたものである請求項1に記載のレーダ。
  3. 前記上り変調区間でのビート信号の周波数スペクトルの振幅成分と、前記下り変調区間でのビート信号の周波数スペクトルの振幅成分とにそれぞれ現れる突出部について、同一物標からの反射波による、上り変調区間での前記突出部と、下り変調区間での前記突出部との組を照合する際、前記物標単一性判定手段により単一物標によるものと判定された突出部については1対1で照合し、複数の物標による突出部が重なったものと判定された突出部については1対多で照合する照合手段を備えた請求項2に記載のレーダ。
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