JPWO2005037926A1 - 黒色組成物、黒色被膜組成物、樹脂ブラックマトリクス、液晶表示装置用カラーフィルターおよび液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
I1: 2θ=25°〜26°での最大回折線強度
I2: 2θ=27°〜28°での最大回折線強度
I3: 2θ=36°〜38°での最大回折線強度
R1=I3/{I3+1.8(I1+1.8I2)} (1)
R2=I2/I1 (2)
R1 > 0.70 (3)
0.85 < R2 < 1.80 (4)
R1=I3/{I3+1.8(I1+1.8I2)} (1)
R2=I2/I1 (2)
R1 > 0.70 (3)
0.85 < R2 < 1.80 (4)
を提供する。
R2=I2/I1 (2)
R1 > 0.70 (3)
0.85 < R2 < 1.80 (4)
OD値 = log10(I0/I)
(ここで、I0は入射光強度、Iは透過光強度である。)
R1 nSi(OR2)4−n (6)
(ここで、R1は、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4、特に1又は2)、ビニル基、フェニル基およびγ−グリシドキシプロピル基から選ばれる有機基であり、R2は、水素およびアルキル基から選ばれる有機基であり、nは1〜3の整数を表す。)で示される化合物である。具体的な例としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、およびγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられるが、本発明ではこれらに限定されない。これらのオルガノアルコキシシランは、単独で、または、複数のものを併用して使用することができる。また、これらのオルガノアルコキシシランは、そのままの状態で使用できるが、その加水分解物、加水分解縮合物の状態でも使用することができる。加水分解は、オルガノアルコキシシランに水を加えて、低温で反応させることにより行なわれる。また加水分解縮合は、オルガノアルコキシシランに水を加えて、加熱し、水とアルコールを留去することにより行なわれる。ここで、加水分解および加水分解縮合には、酸触媒を添加してもよい。しかしながら、オルガノアルコキシシランをそのままの状態で使用することはこのましくない。なぜなら、オルガノアルコキシシランは水分に対して不安定であり、高反応性だからである。また、オルガノアルコキシシラン加水分解物を黒色組成物に用いる場合には、黒色組成物中に水、アルコールなどの低沸点溶剤が残存し、その結果、塗布欠点の原因になる可能性があるため好ましくない。これらの点から、本発明では加水分解縮合物を使用することがもっとも好ましい。
R1=I3/{I3+1.8(I1+1.8I2)} (1)
R2=I2/I1 (2)
R1 > 0.70 (3)
0.85 < R2 < 1.80 (4)
平均一次粒径が40nmの二酸化チタン粉末(4.0kg)を反応炉に投入した後、アンモニアガスを炉内線速度6cm/secで流し、炉内温度850℃で9時間の反応を行い、チタン酸窒化物A(3.2kg)を得た。遮光剤としてのチタン酸窒化物Aの粉末を理学電気製X線回折装置を用いて回折スペクトルを測定したところ、I1、I2、I3はそれぞれ36cps、36cps、818cpsとなり、X線強度比R1は0.82、X線強度比R2は1.00となった。
平均一次粒径が50nmの二酸化チタン粉末(4.0kg)を反応炉に投入した後、アンモニアガスを炉内線速度5.5cm/secで流し、炉内温度850℃で8時間の反応を行い、チタン酸窒化物B(3.1kg)を得た。チタン酸窒化物Bの粉末を理学電気製X線回折装置を用いて回折スペクトルを測定したところ、I1、I2、I3はそれぞれ41cps、73cps、775cpsとなり、X線強度比R1は0.71、X線強度比R2は1.78となった。遮光剤として、チタン酸窒化物Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂ブラックマトリクス用遮光膜を形成した。得られた樹脂ブラックマトリクス用遮光膜は、膜厚0.8μmでOD値は3.51であった。また、実施例1と同様にして、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行ったが剥がれは1カ所も認められなかった。
平均一次粒径が45nmの二酸化チタン粉末(4.0kg)を反応炉に投入した後、アンモニアガスを炉内線速度6.5cm/secで流し、炉内温度800℃で8時間の反応を行い、チタン酸窒化物C(3.2kg)を得た。チタン酸窒化物Cの粉末を理学電気製X線回折装置を用いて回折スペクトルを測定したところ、I1、I2、I3はそれぞれ49cps、42cps、802cpsとなり、X線強度比R1は0.78、X線強度比R2は0.86となった。遮光剤としてチタン酸窒化物Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂ブラックマトリクス用遮光膜を形成した。得られた樹脂ブラックマトリクス用遮光膜は、膜厚0.8μmでOD値は3.55であった。また、実施例1と同様にして、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行ったが、剥がれは1カ所も認められなかった。
ポリアミック酸溶液の代わりに、次のようなアクリル樹脂溶液を使用し、プリベーク温度を120℃、ベーク温度を220℃としたことこと以外は、実施例1と同様にして樹脂ブラックマトリクス用遮光膜を形成した。露光量はi線で200mJ/cm2とした。アクリル樹脂溶液は、アクリル共重合体溶液(ダイセル化学工業株式会社製サイクロマーP(登録商標)、ACA−250)、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、光開始剤イルガキュア(登録商標)369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの混合物を使用した。チタン酸窒化物/(アクリル共重合体+ペンタエリスリトールテトラメタクリレート)の重量比は65/35であった。得られた樹脂ブラックマトリックス用遮光膜は、膜厚0.8μmでOD値は3.60であった。また、実施例1と同様にして、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行ったが、剥がれは1カ所も認められなかった。
プロピレングリコールモノメチルエーテルの代わりに、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル(沸点:153℃、粘度:3.4mPa・s)を使用したこと以外は、実施例4と同様にして黒色組成物を作製し、さらに黒色被膜を形成した。得られた黒色被膜は、膜厚0.8μmでOD値は3.60であった。また、実施例1と同様にして、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行ったが、剥がれは1カ所も認められなかった。さらに、得られた黒色組成物を5℃で2ヶ月間静置した後に、上層部を静かに採取し、実施例4と同様にして黒色被膜を形成したが、膜厚0.8μmでOD値は3.60となり、膜厚とOD値の関係には変化は見られなかった。すなわち、黒色組成物中でチタン酸窒化物の沈降は起こっていないことが確認できた。
平均一次粒径が40nmの二酸化チタン粉末(4.0kg)を反応炉に投入した後、アンモニアガスを炉内線速度4.0cm/secで流し、炉内温度800℃で6時間の反応を行い、チタン酸窒化物D(3.0kg)を得た。チタン酸窒化物Dの粉末を理学電気製X線回折装置を用いて回折スペクトルを測定したところ、I1、I2、I3はそれぞれ77cps、65cps、790cpsとなり、X線強度比R1は0.69、X線強度比R2は0.84となった。遮光剤としてチタン酸窒化物Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂ブラックマトリクス用遮光膜を形成した。得られた樹脂ブラックマトリクス用遮光膜は、膜厚0.8μmで、OD値は3.3であった。また、OD値3.5の時の膜厚は0.85μmであった。また、実施例1と同様にして、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行ったが、剥がれは1カ所も認められなかった。
平均一次粒径が50nmの二酸化チタン粉末(4.0kg)を反応炉に投入した後、アンモニアガスを炉内線速度3.5cm/secで流し、炉内温度800℃で6時間の反応を行い、チタン酸窒化物E(2.9kg)を得た。チタン酸窒化物Eの粉末を理学電気製X線回折装置を用いて回折スペクトルを測定したところ、I1、I2、I3はそれぞれ60cps、112cps、745cpsとなり、X線強度比R1は0.61、X線強度比R2は1.81となった。遮光剤としてチタン酸窒化物Eを用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂ブラックマトリクス用遮光膜を形成した。得られた樹脂ブラックマトリクス用遮光膜は、膜厚0.8μmで、OD値は3.0であった。また、OD値3.5の時の膜厚は0.93μmであった。また、実施例1と同様にして、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行ったが、剥がれは1カ所も認められなかった。
オルガノアルコキシシラン加水分解縮合物を添加したこと以外は、実施例4と同様にして黒色被膜を形成した。オルガノアルコキシシラン加水分解縮合物は以下のようにして作製した。また、黒色組成物中の添加量は、アクリル樹脂に対して1重量%とした。
ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサンと4倍当量のグリシジルメタクリレートの反応物を添加したこと以外は、実施例4と同様にして黒色被膜を形成した。該反応物は以下のようにして作製した。また、黒色組成物中の添加量は、アクリル樹脂に対して1重量%とした。
光開始剤としてCGI242(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)を用いたこと以外は実施例4と同様にして黒色組成物を作製した。得られた黒色組成物をポストベーク後の膜厚が0.8μmとなるように塗布した後に、実施例4と同様にプリベークを行った。 得られた黒色被膜を、露光量を30mJ/cm2〜210mJ/cm2の範囲で20mJ/cm2刻みで変化させて露光を行い、それぞれの基板を0.04重量%の水酸化カリウム溶液に120秒間浸漬し、その後、水洗を行ってから実施例4と同様にポストベークを行い、黒色被膜を得た。得られた黒色被膜は、露光量が50mJ/cm2以上の領域では、膜厚が0.8μmとなっており、光硬化に必要な最低の露光量は、50mJ/cm2であることが確認できた。また、これとは別に、プリベークまでは同様にした後に、露光量を50mJ/cm2とし、1、2、3、5、6、10、15、20、30、50μmのライン&スペースパターンをもつフォトマスクを介して露光を行った基板を5枚作製した。得られた基板を0.04重量%の水酸化カリウム溶液に時間を変えて浸漬すると、90秒〜130秒の範囲で6μm以上のライン&スペースパターン被膜が得られることがわかった。
遮光剤として、実施例1のチタン酸窒化物Aと酸性カーボンブラックの50/50(重量比)の混合物を用いたこと、および、ライン&スペースパターン被膜を作製するときの露光量を60mJ/cm2にしたこと以外、実施例8と同様にして、黒色組成物、黒色被膜、ライン&スペースパターン被膜を得た。得られた黒色被膜は、露光量が80mJ/cm2以上の領域で、膜厚が0.8μmとなっており、光硬化に必要な最低の露光量は、60mJ/cm2であることが確認できた。さらに、得られた黒色被膜を蛍光灯にかざして観察すると、着色のない黒であることが確認できた。また、得られたライン&スペースパターン被膜は、90秒から150秒の範囲で5μm以上のライン&スペースパターンが残っていた。すなわち、実施例8のチタン酸窒化物単独の黒色組成物より、解像度が高く、さらに、現像マージンも広いことが確認できた。
遮光剤として、酸性カーボンブラックのみを使用したこと、および、ライン&スペースパターン被膜を作製するときの露光量を120mJ/cm2にしたこと以外、実施例8と同様にして、黒色組成物、黒色被膜、ライン&スペースパターン被膜を得た。得られた黒色被膜は、露光量が120mJ/cm2以上の領域で、膜厚が0.8μmとなっており、光硬化に必要な最低の露光量は、120mJ/cm2であることが確認できた。さらに、得られた黒色被膜を蛍光灯にかざして観察すると、赤味の黒であることが確認できた。また、得られたライン&スペースパターン被膜は、90秒から130秒の範囲で6μm以上のライン&スペースパターンが残っていた。すなわち、酸性カーボンブラック単独では、感度が大きく低下することが確認できた。
(カラーフィルターの作製)
実施例1と同様の方法でポリイミド前駆体黒色着色膜を形成後、冷却し、ポジ型フォトレジストを塗布して、90℃で加熱乾燥してフォトレジスト被膜を形成した。これを紫外線露光機を用いて、フォトマスクを介して露光した。露光後、アルカリ現像液に浸漬し、フォトレジストの現像と、ポリイミド前駆体黒色着色膜のエッチングを同時に行い、開口部を形成した。エッチング後、不要となったフォトレジスト層をメチルセルソルブアセテートにて剥離した。エッチングされたポリイミド前駆体黒色着色膜を290℃の温度に加熱して熱硬化を行い、ポリイミドに転換して樹脂ブラックマトリックスを形成した。樹脂ブラックマトリックスのOD値は、3.6であった。また、樹脂ブラックマトリックスの膜厚は、0.8μmであった。この樹脂ブラックマトリクスのi線透過率を測定したところ、0.14%であった。この値から、OD値が2のときのi線透過率は、0.25%となる。次に、赤、緑、青の画素を樹脂ブラックマトリクス上に形成した。γ−ブチロラクトンとN−メチル−2−ピロリドンの混合溶媒中で、ピロメリット酸二無水物(0.5モル当量)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(0.49モル当量)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(0.95モル当量)、およびビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサン(0.05モル当量)を反応させ、ポリアミック酸溶液(ポリマー濃度20重量%)を得た。このポリアミック酸溶液を200g取り出し、それにγ−ブチロラクトン186gとブチルセロソルブ64gを添加して、ポリマー濃度10重量%の画素用ポリアミック酸溶液を得た。ピグメントレッド177(アントラキノンレッド)4g、γ−ブチロラクトン40g、およびチルセロソルブ6gを、ガラスビーズ100gとともにホモジナイザーを用いて、7,000rpmで30分間分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、顔料濃度8重量%の分散液を得た。顔料分散液30gに、前記のポリマー濃度10重量%の画素用ポリアミック酸溶液30gを添加混合し、赤色ペーストを得た。
得られたカラーフィルターを中性洗剤で洗浄した後、ポリイミド樹脂からなる配向膜を印刷法により塗布し、ホットプレートで250℃の温度で10分間加熱した。膜厚は0.07μmであった。この後、カラーフィルター基板をラビング処理し、シール剤をディスペンス法により塗布、ホットプレートで90℃、10分間加熱した。一方、ガラス上にTFTアレイを形成した基板も同様に洗浄した後、配向膜を塗布し、加熱した。その後、直径5.5μmの球状スペーサーを散布し、シール剤を塗布したカラーフィルター基板と重ね合わせ、オーブン中で加圧しながら160℃の温度で90分間加熱して、シール剤を硬化させた。このセルを120℃の温度、13.3Paの圧力下で4時間放置し、続いて、窒素中で0.5時間放置した後に、再度真空下において液晶注入を行った。液晶注入は、セルをチャンバーに入れて、室温で13.3Paの圧力まで減圧した後、液晶注入口を液晶に漬けて、窒素を用いて常圧に戻すことにより行った。液晶注入後、紫外線硬化樹脂により、液晶注入口を封口した。次に、偏光板をセルの2枚のガラス基板の外側に貼り付け、セルを完成させた。さらに、得られたセルをモジュール化して、液晶表示装置を完成させた。得られた液晶表示装置を観察した結果、表示不良はないことがわかった。また、樹脂ブラックマトリクスの遮光性が高いため、コントラストが良好であった。また、同様にして、100台の液晶表示装置を作製したが、樹脂ブラックマトリクスの密着性が高いため、液晶注入時にシール部が、剥がれるなどの不良はまったく発生しなかった。
樹脂ブラックマトリクスとして、実施例4の遮光膜を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、カラーフィルターと液晶表示装置を作製した。樹脂ブラックマトリクスは、以下のように作製した。実施例4と同様の方法でアクリル樹脂からなる黒色着色膜を形成後、冷却した。これを紫外線露光機を用いて、フォトマスクを介して露光した。露光後、アルカリ現像液に浸漬して現像することにより、開口部を形成した。その後、210℃の温度に加熱して熱硬化を行い、樹脂ブラックマトリックスを形成した。樹脂ブラックマトリックスのOD値は3.6であった。樹脂ブラックマトリックスの膜厚は0.8μmであった。この樹脂ブラックマトリクスのi線透過率を測定したところ、0.17%であった。この値から、OD値が2のときのi線透過率は、0.3%となる。以下実施例5と同様にしてカラーフィルターを完成させた。得られたカラーフィルターの画素上の表面段差は、最大で0.3μmであり、平坦性を向上させるための保護膜の形成は必要なかった。また、得られたカラーフィルターを使用して、実施例5と同様にして液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置を観察した結果、表示不良はないことがわかった。また、樹脂ブラックマトリクスの遮光性が高いため、コントラストが良好であった。また、同様にして、100台の液晶表示装置を作製したが、樹脂ブラックマトリクスの密着性が高いため、液晶注入時にシール部が剥がれるなどの不良はまったく発生しなかった。
樹脂ブラックマトリクスとして、比較例1の遮光膜を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、カラーフィルターと液晶表示装置を作製した。樹脂ブラックマトリクスのOD値は3.3で、膜厚は0.8μmであった。得られたカラーフィルターの画素上の表面段差は、最大で0.3μmであり、平坦性を向上させるための保護膜の形成は必要なかったが、液晶表示装置において、樹脂ブラックマトリクスの遮光性が不十分であることに起因して、バックライトの光漏れや、TFTの誤動作などが起こり、コントラストが低かった。
樹脂ブラックマトリクスとして、比較例1の遮光膜を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、カラーフィルターと液晶表示装置を作製した。樹脂ブラックマトリクスのOD値は3.5で、膜厚は0.85μmであった。得られたカラーフィルターの画素上の表面段差は、最大で0.35μmであった。このカラーフィルターを使用した液晶表示装置において、表面段差に起因する液晶配向の乱れのため、表示不良が認められた。
(カラーフィルターの作製)
実施例4の黒色アクリル樹脂溶液を用いて、樹脂ブラックマトリクスを作製した。黒色アクリル樹脂溶液を塗布しプリベーク後、冷却した。これを紫外線露光機を用いて、フォトマスクを介して露光した。露光後、アルカリ現像液に浸漬して現像し、その後、220℃の温度に加熱して熱硬化を行い、樹脂ブラックマトリクスを形成した。得られたブラックマトリクスは、膜厚が0.8μmでOD値は3.60であった。この樹脂ブラックマトリクスのi線透過率を測定したところ、0.17%であった。この値から、OD値が2のときのi線透過率は、0.3%となる。また、パターンのエッジ部が垂直に切り立った形状であった。次に、赤、緑、青の画素を樹脂ブラックマトリクス上に形成した。材料としては、以下の赤色レジスト、緑色レジストおよび色レジストを使用した。ピグメントレッド177(アントラキノンレッド)(12g)、アクリル共重合体溶液(ダイセル化学工業株式会社製サイクロマーP(登録商標)、ACA−250)(8.0g)、高分子分散剤ソルスパース(登録商標)24000SC(アビシア製)(3.6g)、およびメチル−3メトキシブチルアセテート(76.4g)を、ガラスビーズ100gとともにホモジナイザーを用いて、7,000rpmで30分間分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、顔料濃度12%の分散液を得た。この分散液(13.6g)に、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート(0.9g)、光開始剤イルガキュア(登録商標)369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)(0.5g)、および3メチル−3メトキシブチルアセテート(37.8g)からなる希釈ワニス(16.4g)を加え、赤色レジストを得た。
Claims (22)
- チタン酸窒化物と樹脂と溶剤を必須成分として含有する黒色組成物であって、CuKα線をX線源とした場合のチタン酸窒化物の回折角2θが25°〜26°の時の最大回折線強度をI1、回折角2θが27°〜28°の時の最大回折線強度をI2、回折角2θが36°〜38°の時の最大回折線強度をI3とした場合に、下記の式(1)と式(2)で示されるX線強度比R1とR2が、それぞれ下記の式(3)と式(4)の関係にある黒色組成物。
R1=I3/{I3+1.8(I1+1.8I2)} (1)
R2=I2/I1 (2)
R1 > 0.70 (3)
0.85 < R2 < 1.80 (4) - X線強度比R1が0.80以上である請求項1記載の黒色組成物。
- 溶剤の沸点が120℃〜180℃の範囲にあり、かつ、該溶剤の粘度が3mPa・s〜10mPa・sの範囲にある請求項1又は2記載の黒色組成物。
- 樹脂が、アクリル樹脂およびポリイミド樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項1〜3のいずれかに記載の黒色組成物。
- オルガノシラン加水分解縮合物を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の黒色組成物。
- シロキサン結合と炭素−炭素二重結合を同一分子内に有し、かつ、シラノール基を有さない化合物をさらに含有する請求項1〜5のいずれかに記載の黒色組成物。
- チタン酸窒化物と樹脂の組成重量比が、チタン酸窒化物/樹脂=75/25〜60/40の範囲にある請求項1〜7のいずれかに記載の黒色組成物。
- カーボンブラックをさらに含有する請求項1〜8のいずれかに記載の黒色組成物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載された黒色組成物から得られる黒色被膜の光学濃度(OD値)が膜厚1μmあたり4.4以上であり、かつ、該黒色被膜の光硬化に必要な最低の露光量が60mJ/cm2以下である黒色組成物。
- チタン酸窒化物と樹脂を必須成分として含有する黒色被膜組成物であって、CuKα線をX線源とした場合のチタン酸窒化物の回折角2θが25°〜26°の時の最大回折線強度をI1、回折角2θが27°〜28°の時の最大回折線強度をI2、回折角2θが36°〜38°の時の最大回折線強度をI3とした場合に、下記の式(1)と式(2)で示されるX線強度比R1とR2が、それぞれ下記の式(3)と式(4)の関係にある黒色被膜組成物。
R1=I3/{I3+1.8(I1+1.8I2)} (1)
R2=I2/I1 (2)
R1 > 0.70 (3)
0.85 < R2 < 1.80 (4) - X線強度比R1が0.80以上である請求項11記載の黒色被膜組成物。
- 樹脂が、アクリル樹脂およびポリイミド樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項11又は12記載の黒色被膜組成物。
- チタン酸窒化物と樹脂の組成重量比が、チタン酸窒化物/樹脂=75/25〜60/40の範囲にある請求項11〜13のいずれかに記載の黒色被膜組成物。
- 光学濃度(OD値)が、膜厚1μmあたり4.4以上である請求項11〜14のいずれかに記載の黒色被膜組成物。
- 光学濃度(OD値)が2.0のときのi線の透過率が、0.2%より大きい請求項11〜15のいずれかに記載の黒色被膜組成物。
- シロキサン結合と炭素−炭素二重結合を同一分子内に有し、かつ、シラノール基を有さない化合物をさらに含有する請求項11〜16のいずれかに記載の黒色被膜組成物。
- カーボンブラックをさらに含有する請求項11〜18のいずれかに記載の黒色被膜組成物。
- 請求項11〜19のいずれかに記載の黒色被膜組成物から得られた樹脂ブラックマトリクス。
- 請求項20に記載の樹脂ブラックマトリクスを具備する液晶表示装置用カラーフィルター。
- 請求項21記載の液晶表示装置用カラーフィルターを具備する液晶表示装置。
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