JPWO2005037926A1 - 黒色組成物、黒色被膜組成物、樹脂ブラックマトリクス、液晶表示装置用カラーフィルターおよび液晶表示装置 - Google Patents

黒色組成物、黒色被膜組成物、樹脂ブラックマトリクス、液晶表示装置用カラーフィルターおよび液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

要約従来、金属薄膜ブラックマトリクスでしか達成することができなかった高OD値、かつ、高密着性の樹脂ブラックマトリクスを与える黒色被膜組成物が開示されている。黒色被膜組成物は、チタン酸窒化物と樹脂を必須成分として含有し、CuKα線をX線源とした場合のチタン酸窒化物の回折角2θが25°〜26°の時の最大回折線強度をI1、回折角2θが27°〜28°の時の最大回折線強度をI2、回折角2θが36°〜38°の時の最大回折線強度をI3とした場合に、下記の式(1)と式(2)で示されるX線強度比R1とR2が、それぞれ下記の式(3)と式(4)の関係にある。R1=I3/{I3+1.8(I1+1.8I2)} (1)R2=I2/I1(2)R1> 0.70 (3)0.85 < R2< 1.80 (4)

Description

本発明は、黒色組成物及び黒色被膜組成物並びにそれらを利用した樹脂ブラックマトリクス並びに該樹脂ブラックマトリックスを具備する液晶表示装置用カラーフィルター及び該カラーフィルターを具備する液晶表示装置に関するものである。
液晶表示装置は、液晶の電気光学応答を用いることにより、画像や文字の表示や情報処理などを行うものであり、具体的には、パソコン、ナビゲーションシステム、液晶テレビ、液晶プロジェクターおよび液晶空間変調素子などに用いられる。
液晶表示装置は、2枚の基板間に液晶層が挟み込まれた構造を取っており、液晶層が外場印加に伴って示す電気光学応答を利用することにより明暗が表現でき、色選択性を有する画素から成るカラーフィルターなどを用いることによりカラー表示も可能である。
液晶表示において、画素間あるいは駆動回路部分など光透過の防止が必要な部分には、遮光膜としてブラックマトリックスが用いられる。遮光膜の材質としては、クロム、ニッケルおよびアルミニウム等の消衰係数の大きな金属素材が採用されている。
これらの金属を用いた遮光膜の成膜方法としては、蒸着法、スパッタ法および真空製膜が一般的であり、該遮光膜のパターン化は、フォトリソグラフィー法によって行われる。典型例としては、ブラックマトリックスは、上記方法で成膜された金属薄膜上にフォトレジストを塗布、乾燥した後、フォトマスクを介して紫外線を照射してレジストパターンを形成後、エッチングとレジスト剥離の工程を経て製造される。このようにして得られた金属薄膜からなるブラックマトリクスは、膜厚が0.2μm程度で、光学濃度(OD値)が4.0以上となる。そのため、金属薄膜からなるブラックマトリクスを使用したカラーフィルターは、赤、緑、青の画素を形成した後の表面段差は0.2μm以下と非常に小さくなっており、表面段差を低減するための保護膜の形成が不要であるという利点をもつ。しかしながら、金属薄膜からなるブラックマトリクスは、製造工程が煩雑であるため製造コストが高くなり、その結果、カラーフィルター自体のコストが高くなるという問題がある。さらに、この金属薄膜からなるブラックマトリックスを有する液晶表示装置は、金属薄膜表面の反射率が高いため、強い外光を照射すると、反射光が強く表示品位が著しく低下するという問題がある。また、その反射率を低下させるために、金属薄膜と基板の間に酸化金属膜などを設け、2層あるいは3層の薄膜にするという方法もあるが、製造コストの問題は回避できない。
一方、金属以外の遮光剤としては、カーボンブラックやチタンブラックなどが利用されている。カーボンブラックやチタンブラックなどの遮光剤を使用したブラックマトリクスは、一般的に次のような方法で作製される。
まず、遮光剤を樹脂溶液に分散した黒色組成物を作製する。次に、該黒色組成物を基板上に塗布し、その後、上述と同様のフォトリソグラフィー法によりパターン化を行う。このようにして得られたブラックマトリックスは、ペースト塗布法で成膜されること、反射率の低いカーボンブラックなどを遮光剤としていることから、プロセスの低コスト化を図ることができるとともに、金属遮光膜と比較して反射率を低減できること等の特長を有する。ここで、ペースト塗布法とは組成物(ペースト)を基板に塗布した後に、フォトリソグラフィー法によりパターン化を行う方法のことを言う。しかしながら、膜厚あたりのOD値は、上述の金属薄膜を使用したものに比べてはるかに低く、十分な遮光性を確保するためには、膜に含まれる遮光剤濃度を高くすること、または、厚膜化することが必要である。しかしながら、遮光剤濃度を高くすると、ポリマー量が減少するため基板との密着性が低下するという問題が発生する。また、厚膜化すると、赤、緑、青の画素を形成した後の表面段差が大きくなり、表面段差を低減するために、赤、緑、青画素上に保護膜を形成する必要がある。
従来、ブラックマトリックスとして、例えば、非感光性ポリイミド樹脂にカーボンブラックを分散した樹脂ブラックマトリクスがある(特許文献1参照)。この樹脂ブラックマトリクスは、表面の官能基濃度を規定したカーボンブラックを使用することにより分散安定性が向上し、膜厚1μmあたりのOD値は3.1〜3.4となっている。
また、チタンブラックと樹脂からなる樹脂ブラックマトリクスもあり(特許文献2参照)、この場合は膜厚0.9μmでの、OD値は3.0となっている。さらに、チタン酸窒化物と樹脂からなる樹脂ブラックマトリクスがある(特許文献3参照)。この樹脂ブラックマトリクスは、下記式により得られるR値が0.24以上であるチタン酸窒化物を使用することにより、樹脂ブラックマトリクスのOD値向上を達成している。この樹脂ブラックマトリクスの膜厚1μmあたりのOD値は最大3.72である。
=I/{I+1.8(I+1.8I)}
: 2θ=25°〜26°での最大回折線強度
: 2θ=27°〜28°での最大回折線強度
: 2θ=36°〜38°での最大回折線強度
ここで、2θとは、CuKα線をX線源としたときのチタン酸窒化物の回折角である。また、チタン酸窒化物と樹脂からなる樹脂ブラックマトリクスがある(特許文献4参照)。この樹脂ブラックマトリクスは、ハンターの色差式における明度指数L値が12.0以下であるチタン酸窒化物を使用することにより、樹脂ブラックマトリクスのOD値を向上させている(膜厚1μmあたりのOD値は最大4.0である。)。また、チタンブラックを使用した黒色感放射線性樹脂組成物がある(特許文献5参照)。この樹脂ブラックマトリクスは、膜厚1.1μmで、OD値が3.0である。また、高分子化合物とチタンブラックからなる黒色顔料組成物がある(特許文献6参照)。この樹脂ブラックマトリクスは、膜厚1.5μmで、OD値が3.5である。
以上、いずれの公知例においても、使用している遮光剤の遮光性がそれほど高くないため、膜厚1μmあたりのOD値はそれほど高くない。上述のチタン酸窒化物と樹脂からなる樹脂ブラックマトリクスでは、膜厚1μmあたりのOD値が4.0の例も示されているが、OD値を高くするために樹脂ブラックマトリクスの遮光剤濃度を高く設定している(遮光剤と樹脂の重量比は70対30)。遮光剤濃度が高い場合には、樹脂ブラックマトリクスとガラスとの密着性が不十分になる。樹脂ブラックマトリクスのパターン幅が狭い場合にはパターンが得られないなどの問題が発生する。この問題は、黒色感放射線性樹脂組成物の場合にはより一層深刻であり、密着性の問題に加えて、パターン幅が広い場合でもエッジ形状がテーパー状あるいは逆テーパー状となり、樹脂ブラックマトリクスとして好ましい垂直に切り立ったエッジ形状が得られないという問題も発生する。
実際、樹脂ブラックマトリクスを使用したカラーフィルターにおいては、樹脂ブラックマトリクスの密着性が金属薄膜ブラックマトリクスに比べて低いことに起因する問題、すなわち、液晶注入時にシール部でブラックマトリクスが剥がれる問題や、パターン幅10μm以下の狭いパターンが形成できないという問題が発生している。
特許第3196638号公報(第1頁、第9〜11頁、表1) 特開2000−66018号公報(第2頁、第7〜8頁) 特開2000−143985号公報(第2頁、第5〜7頁) 特開2001−40292号公報(第2頁、第5〜7頁) 特許第3230800号公報(第1頁、第11頁) 特開平10−114836号公報(第2頁、第9〜10頁)
本発明の目的は、かかる従来技術の欠点に鑑み創案されたもので、従来、金属薄膜ブラックマトリクスでしか達成することができなかった高OD値、かつ、高密着性の樹脂ブラックマトリクスを与える黒色被膜組成物を提供することにある。このような黒色被膜組成物を使用すれば、薄膜で高OD値かつ高密着性の樹脂ブラックマトリクスが得られる。よって、これまで金属薄膜ブラックマトリクスでしか実現できなかった保護膜のないカラーフィルターを、樹脂ブラックマトリクスを用いても実現できるようになる。
本発明者らは、従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、遮光剤として以下のように特定のチタン酸窒化物を使用することにより、本発明の課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、チタン酸窒化物と樹脂と溶剤を必須成分として含有する黒色組成物であって、CuKα線をX線源とした場合のチタン酸窒化物の回折角2θが25°〜26°の時の最大回折線強度をI、回折角2θが27°〜28°の時の最大回折線強度をI、回折角2θが36°〜38°の時の最大回折線強度をIとした場合に、下記の式(1)と式(2)で示されるX線強度比RとRが、それぞれ下記の式(3)と式(4)の関係にある黒色組成物を提供する。
=I/{I+1.8(I+1.8I)} (1)
=I/I (2)
> 0.70 (3)
0.85 < R < 1.80 (4)
また、本発明は、チタン酸窒化物と樹脂を必須成分として含有する黒色被膜組成物であって、CuKα線をX線源とした場合のチタン酸窒化物の回折角2θが25°〜26°の時の最大回折線強度をI、回折角2θが27°〜28°の時の最大回折線強度をI、回折角2θが36°〜38°の時の最大回折線強度をIとした場合に、下記の式(1)と式(2)で示されるX線強度比RとRが、それぞれ下記の式(3)と式(4)の関係にある黒色被膜組成物。
=I/{I+1.8(I+1.8I)} (1)
=I/I (2)
> 0.70 (3)
0.85 < R < 1.80 (4)
を提供する。
さらに、本発明は、上記本発明の黒色被膜組成物から得られた樹脂ブラックマトリクス、該樹脂ブラックマトリクスを具備する液晶表示装置用カラーフィルター及び該液晶表示装置用カラーフィルターを具備する液晶表示装置を提供する。
本発明によれば、従来、金属薄膜ブラックマトリクスでしか達成することができなかった高OD値、かつ、高密着性の樹脂ブラックマトリクスを与える黒色組成物を得ることができる。本発明の黒色組成物は、薄膜で高OD値かつ高密着性の樹脂ブラックマトリクスを形成できるため、これまで金属薄膜ブラックマトリクスでしか実現できなかった保護膜のないカラーフィルターを、樹脂ブラックマトリクスを用いても実現できるようになる。本発明では、このように保護膜の形成が不要となるため、カラーフィルターの歩留まり低下の防止やコスト削減に大きく貢献することができる。
本発明の黒色組成物は、少なくとも遮光剤と樹脂と溶剤を含み、黒色被膜組成物は、基板上に形成された遮光性を有する黒色薄膜状形態をもち、遮光剤としてチタン酸窒化物を必須成分として含有するものである。
本発明で遮光剤として使用されるチタン酸窒化物は、一般にTiNxOy(ただし、0<x<2.0、0.1<y<2.0)の組成からなる。
本発明者らはより遮光性の高いチタン酸窒化物を探索する検討を鋭意行った結果、X線回折強度を元にした下記の式(1)で示されるX線強度比Rと、下記の式(2)で示されるX線強度比Rがそれぞれ下記の式(3)と式(4)の関係にあるとき、チタン酸窒化物の遮光性が非常に高くなることを見出した。
=I/{I+1.8(I+1.8I)} (1)
=I/I (2)
> 0.70 (3)
0.85 < R < 1.80 (4)
ここで、RとRはX線強度比であり、Iはチタン酸窒化物のX線回折スペクトルを通常のX線回折装置を用いて、CuKα線をX線源として測定する回折角2θが25°〜26°の時の最大回折線強度であり、Iは、回折角2θが27°〜28°の時の最大回折線強度であり、Iは、回折角2θが36°〜38°の時の最大回折線強度である。
上記の式(1)は、既述の特許文献3に記載のものであり、Rが大きいほど遮光性が高いと記載されている。しかし、発明者らは、この式(1)だけに着目してチタン酸窒化物の製造条件の最適化を行っていると、再現性良くRを大きくすることができないことがわかった。そこで、発明者らは、他のパラメーターについて鋭意検討を行い、上記の式(2)のRが上記の式(4)の関係にあるときに、再現性良く上記の式(3)が満たされることを見出したのである。
上記の式(3)と式(4)を満たすチタン酸窒化物を遮光剤として用いることにより、本発明の樹脂ブラックマトリクスは、黒色被膜組成物中の遮光剤濃度を低く保ったまま、高OD値を達成することが可能となる。その結果、本発明の樹脂ブラックマトリクスは、高密着性を確保することができるのである。また、本発明の樹脂ブラックマトリクスは、膜厚当たりのOD値が高いため、実用的なOD値(3.5)で膜厚は0.8μm以下となる。その結果、樹脂ブラックマトリクスを用いた場合でも、保護膜なしで平坦性に実用上問題のないカラーフィルターを得ることができるようになった。
さらに、驚くべきことに、上記の式(3)と式(4)を満たすチタン酸窒化物を遮光剤として用いた感光性の黒色被膜組成物は、高OD値かつ高密着性という特長に加えて、垂直に切り立ったエッジ形状の樹脂ブラックマトリクスが得られることがわかった。これは、高OD値であるため膜下部まで光が届きにくいのにもかかわらず、光照射時の膜硬化が膜下部まで特異的に進み易いためである。そのメカニズムについては、十分には解明されていないが、発明者らは、本発明で用いられるチタン酸窒化物が、(1)紫外線(特に、i線(365nm))透過率が通常の遮光剤に比べて高いこと、(2)光照射で発生するラジカルのトラップ能力が通常の遮光剤に比べて格段に低いため、該ラジカルが膜下部まで拡散していくことが原因ではないかと推測している。
なお、X線強度比Rは、0.7より大きいことが必要であるが、0.80以上であれば、同じ遮光剤濃度で、より高いOD値を達成できるため、さらに好ましい。また、X線強度比R があまりにも大きくなるような条件で製造を行うと、X線強度比Rが0.85以下になってしまうため、X線強度比Rは0.99以下であることが好ましい。
上記X線強度比R及びRを有するチタン酸窒化物は、例えば、(1)二酸化チタンまたは水酸化チタンを、アンモニア存在下で高温還元する方法(特開昭60−65069号公報、特開昭61−201610号公報参照)又は(2)二酸化チタンまたは水酸化チタンにバナジウム化合物を付着させ、アンモニア存在下で高温還元する方法(特開昭61−201610号公報参照)のような公知のチタン酸窒化物の製造方法において、X線強度比R及びRが上記範囲に入るように製造パラメーターを適宜調整することにより製造することができる。例えば、上記(1)の方法では、アンモニアガスの供給速度並びに熱処理の時間を調整することにより、上記範囲に入るX線強度比R及びRを有するチタン酸窒化物を製造することができる。一般に、アンモニアガスの供給速度が大きくなるとRが大きくなり、Rが小さくなる傾向がある。また、熱処理時間が長くなると、Rが大きく、Rが小さくなる傾向がある。従って、これらを調整することにより上記範囲に入るX線強度比R及びRを有するチタン酸窒化物を製造することができる。アンモニアガスの供給速度は、炉内線速度として5.5 cm/secないし6.5 cm/sec程度が適当であり、熱処理は、800〜850℃で8〜9時間が適当であるが、必ずしもこの範囲に限定されるものではない。上記範囲に入るX線強度比R及びRを有するチタン酸窒化物を製造する具体的な条件は、下記実施例に記載されている。
本発明の黒色被覆組成物の光学濃度(OD値)は、膜厚1μm当たり4.4以上であることが好ましい。なぜなら、波長430〜640nmの可視光域において膜厚1μmでOD値が4.4以上あれば、膜厚0.8μmで、OD値3.5以上となるからである。また、OD値はより好ましくは4.6以上である。なぜなら、OD値が4.6以上あれば、OD値を3.5とする場合の膜厚がさらに薄くすることができるからである。ここでOD値は、例えば、顕微分光光度計(大塚電子製MCPD2000)を用いて下記の関係式より求めたものである。
OD値 = log10(I/I)
(ここで、Iは入射光強度、Iは透過光強度である。)
本発明で使用されるチタン酸窒化物の一次粒子径は、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは60nm以下、さらに好ましくは、30nm以下である。後述するように、粒径が小さいほど、沈降が起こりにくくなるため好ましい。ただし、一次粒径が10nmより小さいと、分散時に凝集が起こりやすくなり、樹脂ブラックマトリクスの表面に凹凸が生じるなどの問題が発生するため、好ましくない。一次粒子径は、電子顕微鏡による算術平均により求めることができる。
本発明の黒色組成物においては、溶剤の選択が重要な要素の一つである。その理由は、チタン酸窒化物の比重にある。本発明のチタン酸窒化物の比重は、4.2〜4.8の間であり、該チタン酸窒化物を含有する黒色組成物では、長時間保存時の該チタン酸窒化物の沈降が問題となる。沈降を防止する方法としては、該チタン酸窒化物の粒径を小さくすること、黒色組成物の粘度を大きくすること、保存温度をできる限り低温にすることが挙げられる。これら3つの手段の中で、溶剤は黒色組成物の粘度に大きな影響を与える。すなわち、粘度の高い溶剤が、黒色組成物の粘度も高くするため好ましく用いられる。しかしながら、一般的に粘度の高い溶剤は、沸点も高い場合が多い。溶剤の沸点が高いと、乾燥が遅くなって生産効率が低下したり、黒色組成物から形成された黒色被膜に溶剤が残存するなどの問題が発生する。
以上より、溶剤は、沸点が120℃〜180℃の範囲にあり、かつ、粘度が3mPa・s〜10mPa・sの範囲にあるものを使用することが好ましい。沸点が120℃以下では、揮発速度が大きすぎて、様々な塗布欠点の原因となる。また、沸点が180℃以上の場合には、乾燥速度、膜内部の溶剤残存の問題が生じる。なお、樹脂の硬化温度が十分に高い場合には、沸点が180℃以上の溶剤も使用することができる。一方、粘度が3mPa・sよりも小さい場合には、チタン酸窒化物の沈降を防止できない。粘度が10mPa・sよりも大きい場合には、チタン酸窒化物の凝集が起こりやすくなる。沸点が120℃〜180℃の範囲にあり、かつ、粘度が3mPa・s〜10mPa・sの範囲にある溶剤の例として、エチレングリコールブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル等及びこれらの混合物を挙げることができる。また、溶剤の使用量は、適宜選択することができ、特に限定されないが、通常、黒色組成物全量の95〜60重量%程度であり、好ましくは90〜70重量%程度である。なお、粘度は25℃での測定値であり、測定は円錐円板型粘度計などを使用して行う。
本発明で用いられる樹脂としては、公知のブラックマトリックスに用いられている樹脂を用いることができ、感光性、非感光性のいずれの樹脂も使用できる。具体的にはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シロキサンポリマ系樹脂およびポリイミド樹脂などが好ましく用いられる。特に、アクリル樹脂とポリイミド樹脂が、耐熱性および保存安定性などの面で優れており、好適に用いられる。
アクリル樹脂は、感光性樹脂組成物として使用される場合が多く、その場合感光性樹脂組成物は、少なくとも、アクリル樹脂、光重合性モノマーおよび光重合開始剤から構成されるものである。
アクリル樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレートやメチルメタクリレートなどのアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、または、環状のアクリレート、メタクリレート、あるいは、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートなどの官能基を有するアクリレートやメタクリレートなどの中から、複数のものを選択して共重合させた樹脂が挙げられる。なお、アクリル樹脂は、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、イタコン酸エステルおよびフマル酸エステルなどの他のモノマーを含んだ共重合体であっても良い。アクリル樹脂の重量平均分子量は1,000〜200,000程度のものを使用することが好ましい。
光重合性モノマーとしては、2官能、3官能および多官能モノマーを使用することができる。2官能モノマーとしては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートおよびトリエチレングリコールジアクリレートなどがあり、ジシクロペンタジエンなどの脂環構造を含むアクリレートや、フルオレンなどの多環式芳香族を含むアクリレートなども使用することができる。3官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびペンタエリスリトールトリアクリレートなどがあり、また、多官能モノマーとしては、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレートなどが挙げられる。
また、光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、チオキサントン、イミダゾール、オキシムおよびトリアジン系の化合物等を単独もしくは混合して用いることができる。
また、本発明で使用されるアクリル樹脂には、エポキシ化合物とエポキシ硬化剤を添加しても良い。また、アクリル樹脂にエポキシ基が含まれていても良い。これらの添加により、ブラックマトリクスの耐溶剤性や耐熱性を向上することができる。
エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、フェノールノボラックエポキシ化合物、クレゾールノボラックエポキシ化合物、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、グリシジルエステル系エポキシ化合物、グリシジルアミン系エポキシ化合物、複素環式エポキシ化合物およびフルオレン基含有エポキシ化合物などを使用することができる。
また、硬化剤としては、アルコール、フェノール、アミン、酸無水物、カルボン酸および活性水素を有する化合物など、通常の硬化剤を使用することができる。また、オニウム塩などのカチオン系の硬化触媒を使用しても良い。
本発明において樹脂として好適に用いられるポリイミド樹脂は、非感光性樹脂として使用される場合が多く、前駆体としてのポリアミック酸を加熱開環イミド化することによって形成される。ポリアミック酸は、通常次の一般式(5)で表される構造単位を主成分とするものである。
Figure 2005037926
ここで、上記の一般式(5)中のnは1〜4の整数である。Rは酸成分残基であり、少なくとも2個の炭素原子を有する3価または4価の有機基である。耐熱性の面から、Rは環状炭化水素、芳香族環または芳香族複素環含有し、かつ炭素数6から30の3価または4価の基が好ましい。Rの例として、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフタレン基、ペリレン基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルスルフォン基、ジフェニルプロパン基、ベンゾフェノン基、ビフェニルトリフルオロプロパン基、シクロブチル基およびシクロペンチル基などから誘導された基が挙げられるが、これに限定されるものではない。Rは、少なくとも2個の炭素原子を有する2価の有機基である。耐熱性の面から、Rは環状炭化水素、芳香族環または芳香族複素環を含有し、かつ炭素数6から30の2価の基である事が好ましい。Rの例として、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフタレン基、ペリレン基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルスルフォン基、ジフェニルプロパン基、ベンゾフェノン基、ビフェニルトリフルオロプロパン基、ジフェニルメタン基およびシクロヘキシルメタン基などから誘導された基が挙げられるがこれに限定されるものではない。上記の一般式(5)で表される構造単位を主成分とするポリマーは、R、Rがこれらのうち各々1種から構成されていても良いし、各々2種以上から構成される共重合体であっても良い。
アクリル樹脂とポリイミド樹脂のいずれの樹脂を用いた場合でも、黒色組成物にさらに密着性改良剤を加えることができる。密着性改良剤としては、シランカップリング剤やチタンカップリング剤を使用することができる。
さらに、本発明では密着改良剤として、オルガノアルコキシシランの加水分解縮合物を使用することが好ましい。オルガノアルコキシシランは、下記一般式(6)
Si(OR4−n (6)
(ここで、Rは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4、特に1又は2)、ビニル基、フェニル基およびγ−グリシドキシプロピル基から選ばれる有機基であり、Rは、水素およびアルキル基から選ばれる有機基であり、nは1〜3の整数を表す。)で示される化合物である。具体的な例としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、およびγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられるが、本発明ではこれらに限定されない。これらのオルガノアルコキシシランは、単独で、または、複数のものを併用して使用することができる。また、これらのオルガノアルコキシシランは、そのままの状態で使用できるが、その加水分解物、加水分解縮合物の状態でも使用することができる。加水分解は、オルガノアルコキシシランに水を加えて、低温で反応させることにより行なわれる。また加水分解縮合は、オルガノアルコキシシランに水を加えて、加熱し、水とアルコールを留去することにより行なわれる。ここで、加水分解および加水分解縮合には、酸触媒を添加してもよい。しかしながら、オルガノアルコキシシランをそのままの状態で使用することはこのましくない。なぜなら、オルガノアルコキシシランは水分に対して不安定であり、高反応性だからである。また、オルガノアルコキシシラン加水分解物を黒色組成物に用いる場合には、黒色組成物中に水、アルコールなどの低沸点溶剤が残存し、その結果、塗布欠点の原因になる可能性があるため好ましくない。これらの点から、本発明では加水分解縮合物を使用することがもっとも好ましい。
また、本発明では、密着改良剤として、シロキサン結合と炭素−炭素二重結合を同一分子内に有し、かつ、シラノール基を有さない化合物を使用することができる。該化合物は、シロキサン結合部でガラス基板との密着性を発現し、炭素−炭素二重結合で樹脂と結合することにより、黒色被膜とガラス基板との密着性の向上を果たすものである。さらに、該化合物は活性なシラノール基を含まないため、黒色組成物の保存安定性悪化、あるいは、パターン加工時の残渣発生などの問題を起こさない。該化合物は、下記一般式(7)で示されるものであり、具体的な例としては、ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサンと4倍当量のグリシジルメタクリレートの反応物などが挙げられる。
Figure 2005037926
(ここで、各Rは、互いに独立に水素又はアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)であり、各Rは互いに独立にアミド結合、イミド結合、エステル結合、エーテル結合、ウレタン結合などを含む有機基であり、R〜Rはアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)であり、nは1〜3の整数を表す。)
上記Rの好ましい例としては、次のような有機基を挙げることができる。
Figure 2005037926
なお、上記各式中、プロピレン基(-CH2CH2CH2-)は、炭素数1ないし6の他のアルキレン基であっても好ましく、また、ヒロドキシプロピレン基(-CH2CH(OH)CH2-)は、炭素数1ないし6の他のヒドロキシアルキレン基であっても好ましい。
上記した各密着性改良剤は、単独でも組み合わせても用いることができる。また、密着性改良剤の使用量は、適宜選択することができ、特に限定されないが、通常、黒色組成物全量の0.1〜10重量%程度である。
本発明の黒色組成物において、チタン酸窒化物/樹脂の重量組成比は、75/25〜60/40の範囲であることが、高抵抗かつ高OD値の黒色被膜を得るために好ましい。また、チタン酸窒化物/樹脂の重量組成比が73/27〜65/35の範囲であることが、密着性、パターン加工性およびOD値のバランスの点でより好ましい。重量比率が75/25を超えると、チタン酸窒化物が多すぎるため黒色被膜の密着性やパターン加工性に問題が生じる。また、重量比率が60/40未満となるとOD値が急激に低下し、膜厚1μmでOD値4.4以上という目標を達成できない。ただし、黒色被膜の色度調整のために、OD値が低下しない範囲でチタン酸窒化物の一部を他の顔料に変えることが可能である。
特に、他の顔料として、カーボンブラックを使用すれば、黒色被膜のOD値の低下を最小限に抑えられるとともに、黒色被膜の抵抗値、色度などを調整することができる。すなわち、チタン酸窒化物は高抵抗体であるのに対して、カーボンブラックは低抵抗であるため、両者の混合比率により黒色被膜の抵抗値をコントロールできることになる。また、カーボンブラックとして、表面処理されたものを使用すれば、さらに黒色被膜の抵抗値コントロールの幅が広がることになる。一方、色度に間しては、チタン酸窒化物の透過色が青色であるのに対して、カーボンブラックの透過色は赤色であるため、両者を混合すれば着色のない黒(ニュートラル・ブラック)が得られる。さらに、驚くべきことに、カーボンブラックとして、酸性の表面処理が施されたものを使用すると現像マージンの拡大、すなわち、現像時間を長くしても解像度の低下が見られないという新たな効果も得られる。そのメカニズムは十分には解明されていないが、塩基性の表面をもつチタン酸窒化物と酸性の表面をもつカーボンブラックの組み合わせにより、このような効果が得られていると考えられる。カーボンブラックを使用する場合、その含有量は適宜選択することができ、特に限定されないが、通常、チタン酸窒化物の重量に対して5〜20%程度である。
本発明の黒色組成物から得られる黒色被膜は、本発明のチタン酸窒化物を使用することにより、高OD値かつ高密着性という特長を有する。さらに、高OD値であるため膜下部まで光が届きにくいのにもかかわらず、光照射時の膜硬化が膜下部まで特異的に進み易く、垂直に切り立ったエッジ形状の樹脂ブラックマトリクスが得られる。そのメカニズムについては、十分には解明されていないが、本発明で用いられるチタン酸窒化物は、(1)紫外線(とくに、i線(365nm))透過率が通常の遮光剤に比べて高いこと、(2)光照射で発生するラジカルのトラップ能力が通常の遮光剤に比べて格段に低く、該ラジカルが膜下部まで拡散していくことが原因ではないかと推測される。このような特長をもつことから、本発明の黒色組成物から得られる黒色被膜は、膜厚1μmあたりOD値が4.4以上であり、かつ、光硬化に必要な最低露光量が60mJ/cm以下という、高OD値、高感度の黒色被膜となる。ここで、露光量は、露光装置の光源から基板上に照射されたi線(365nm)の強度を表したものである。
本発明においては、この黒色被膜を樹脂ブラックマトリックスとして使用する。一般に樹脂ブラックマトリックスの製造方法としては、塗液を基板上に、ディップ法、ロールコータ法、スピナー法、ダイコーティング法あるいはワイヤーバーによる方法などによって塗布した後、オーブンやホットプレートを用いて加熱乾燥および硬化を行い、塗布膜を得る。ここでの加熱条件は、使用する樹脂、溶媒および塗布量により異なるが、通常50〜400℃で、1〜300分間加熱することが好ましい。
このようして得られた塗布膜は、通常、フォトリソグラフィーなどの方法を用いてパターン加工される。すなわち、樹脂が非感光性の樹脂である場合には、その上にフォトレジストの被膜を形成した後に、また、樹脂が感光性の樹脂である場合は、そのままかあるいは酸素遮断膜を形成した後に、被膜を露光、現像して所望のパターンにする。その後、必要に応じて、フォトレジストまたは酸素遮断膜を除去した後、加熱し硬化させる。ここでの熱硬化条件は、樹脂により異なるが、アクリル樹脂の場合には200〜250℃で1〜60分間、ポリイミド樹脂の場合には200〜350℃で1〜60分間加熱するのが一般的である。
このようして得られた樹脂ブラックマトリックスは、高密着性を保持したまま、液晶表示装置用カラーフィルターに要求されるOD値(3.5以上)を達成できる膜厚が0.8μm以下である。OD値3.5を達成する膜厚が0.8μmより大きい場合には、該カラーフィルターの表面段差が大きくなるため、画素上に保護膜を形成して表面段差を0.3μmすることが必要となる。その結果、該カラーフィルターの歩留まり低下とコスト増加などに繋がる。また、膜厚を0.8μm以下にした場合には、被膜のOD値が3.5以下となるため、液晶駆動時の表示のコントラストが低下し、表示品位が著しく低下する。さらに、ブラックマトリックスにより十分に遮光されず、液晶表示装置内に形成された薄膜トランジスタ等に光が入射した場合、薄膜トランジスタの誤作動を生じる場合がある。
本発明の樹脂ブラックマトリクスは、チタン酸窒化物と樹脂を必須成分として含有する樹脂ブラックマトリクスであって、CuKα線をX線源とした場合のチタン酸窒化物の回折角2θが25°〜26°の時の最大回折線強度をI、回折角2θが27°〜28°の時の最大回折線強度をI、回折角2θが36°〜38°の時の最大回折線強度をIとした場合に、下記の式(1)と式(2)で示されるX線強度比RとRが、それぞれ下記の式(3)と式(4)の関係にあることを特徴とするものである。
=I/{I+1.8(I+1.8I)} (1)
=I/I (2)
> 0.70 (3)
0.85 < R < 1.80 (4)
また、上記のチタン酸窒化物を使用することにより、本発明の樹脂ブラックマトリクスは、OD値が膜厚1μmあたり4.4以上となる。
さらに、上記発明のチタン酸窒化物は、通常の遮光剤に比べて紫外線(とくに、i線(365nm))透過率が高いことから、本発明の樹脂ブラックマトリクスでは、OD値が2.0のときの、i線の透過率が0.2%より大きくなる。ここで、OD値が2.0のときのi線透過率の値は、実際の樹脂ブラックマトリクスのOD値とi線透過率から、近似的に比例計算で求めても良い。なお、OD値は前述したように顕微分光光度計(大塚電子製MCPD2000)で測定し、i線透過率は、紫外可視分光光度計などで測定することができる。 本発明においては、この樹脂ブラックマトリックスを使用して液晶表示用カラーフィルターを製造することができる。本発明の樹脂ブラックマトリックスを液晶表示用カラーフィルターに用いる場合、通常の製造工程としては、例えば、特公平2−1311号公報に示されているように、まず、透明基板上にブラックマトリックスを積層し、次いで赤、緑、青の色選択性を有する画素を形成せしめ、この上に必要に応じてオーバーコート膜を形成させるものである。なお、画素の具体的な材質としては、任意の光のみを透過するように膜厚制御された無機膜や、染色、染料分散あるいは顔料分散された着色樹脂膜などがある。また、画素の形成順は必要に応じて任意に変更可能である。
本発明のカラーフィルターの画素に用いられる顔料には特に制限はないが、耐光性、耐熱性および耐薬品性に優れた顔料が望ましい。代表的な顔料の具体的な例としては、ピグメントレッド(PR−)、2、3、22、38、149,166、168、177,206、207、209、224、242,254、ピグメントオレンジ(PO−)5、13、17、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、ピグメントイエロー(PY−)12、13、14、17、20、24、83、86、93、94、109、110、117、125、137、138、139、147、148、150,153、154、166、173、185、ピグメントブルー(PB−)15(15:1、15:2、15:3、15:4、15:6)、21、22、60、64、ピグメントバイオレット(PV−)19、23、29、32、33、36、37、38、40および50などが挙げられる。本発明ではこれらに限定されずに種々の顔料を使用することができる。
上記顔料としては必要に応じて、ロジン処理、酸性基処理、塩基性処理および顔料誘導体処理などの表面処理が施されているものを使用しても良い。
なお、PR(ピグメントレッド)、PY(ピグメントイエロー)、PV(ピグメントバイオレット)およびPO(ピグメントオレンジ)等は、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists社発行)の記号であり、正式には頭にC.I.を付するもの(例えば、C.I.PR254など)である。これは顔料や染色の標準を規定したものであり、それぞれの記号は特定の標準となる顔料とその色を指定するものである。なお、以下の本発明の説明においては、原則として、前記C.I.の表記は省略(例えば、C.I.PR254ならば、PR254)する。
本発明で着色樹脂膜として用いられる樹脂に特に制限は無く、感光性、非感光性のいずれの樹脂も使用でき、具体的にはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シロキサンポリマ系樹脂およびポリイミド樹脂などが好ましく用いられる。製造プロセスの簡便さや、耐熱性と耐光性などの面から、画素としては顔料分散された着色樹脂膜を用いることが好ましい。また、パターン形成の容易さの点からは、顔料が分散された感光性のアクリル樹脂を用いることが好ましい。また、耐熱性と耐薬品性の面からは、顔料分散されたポリイミド膜を用いることが好ましい。
本発明のカラーフィルターにおいては、3原色の着色層を形成後に必要に応じて透明導電膜を形成することができる。透明導電膜としては、好適にはITO(Indium Tin Oxide)などの酸化物薄膜が採用され、通常0.1μm程度のITO膜がスパッタリング法や真空蒸着法などで作製される。次に、本発明のカラーフィルター作製方法の一例を述べる。
まず、無アルカリガラスの上にポリアミック酸とチタン酸窒化物を含む黒色組成物を用いて、ブラックマトリクスを形成する。ブラックマトリクスの開口部を埋めるように青着色層を形成する。同様にして、赤着色層をブラックマトリクスの開口部に形成し、次いで、緑着色層をブラックマトリクスの開口部に形成する。次に、透明導電膜を積層することにより、本発明のカラーフィルターが完成する。
次に、このカラーフィルターを用いて作成した液晶表示装置の一例について述べる。上記カラーフィルターと電極基板とを、さらにそれらの基板上に設けられた液晶配向のためのラビング処理を施した液晶配向膜、およびセルギャップ保持のためのスペーサーを介して、対向させて貼りあわせる。なお、電極基板上には、薄膜トランジスタ(TFT)素子や薄膜ダイオード(TFD)素子、および走査線、信号線などを設け、TFT液晶表示装置やTFD液晶表示装置を作成することができる。次に、シール部に設けられた注入口から液晶を注入した後に、注入口を封止する。次に、ICドライバー等を実装することにより液晶表示装置が完成する。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
平均一次粒径が40nmの二酸化チタン粉末(4.0kg)を反応炉に投入した後、アンモニアガスを炉内線速度6cm/secで流し、炉内温度850℃で9時間の反応を行い、チタン酸窒化物A(3.2kg)を得た。遮光剤としてのチタン酸窒化物Aの粉末を理学電気製X線回折装置を用いて回折スペクトルを測定したところ、I、I、Iはそれぞれ36cps、36cps、818cpsとなり、X線強度比Rは0.82、X線強度比Rは1.00となった。
γ−ブチロラクトン(3825g)溶媒中で、ピロメリット酸二無水物(149.6g)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(225.5g)、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン(69.5g)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(210.2g)、およびビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサン(17.4g)を60℃の温度で3時間反応させた後、無水マレイン酸(2.25g)を添加し、更に60℃の温度で1時間反応させることによって、前駆体であるポリアミック酸溶液(ポリマー濃度15重量%)を得た。
上記のチタン酸窒化物Aを11.2g、前記のポリマー濃度15重量%のポリアミック酸溶液18.7g、N−メチル−2ピロリドン57.2g、および3−メチル−3メトキシブチルアセテート12.9gを、ガラスビーズ100gとともにホモジナイザーを用いて、7,000rpmで30分間分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、固形分濃度14重量%の分散液を得た。この分散液27.5gに、前記のポリマー濃度15重量%ポリアミック酸溶液5.9g、γ−ブチロラクトン1.0g、N−メチル−2−ピロリドン6.0g、および3−メチル−3−メトキシブチルアセテート1.8gを添加混合し、黒色組成物を作製した。この黒色組成物を無アルカリガラス基板上に塗布後、145℃の温度でプリベークを行い、ポリイミド前駆体黒色被膜を形成した。次に、得られたポリイミド前駆体黒色被膜を290℃の温度に加熱して熱硬化を行い、ポリイミドに転換して樹脂ブラックマトリックス用遮光膜を形成した。このときのチタン酸窒化物/ポリイミド樹脂の重量比は65/35であった。得られた樹脂ブラックマトリックス用遮光膜は、膜厚0.8μmでOD値は3.60であった。また、得られた樹脂ブラックマトリクス用遮光膜について、JIS K 5600に準拠して、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行ったが、剥がれは1カ所も認められなかった。
実施例2
平均一次粒径が50nmの二酸化チタン粉末(4.0kg)を反応炉に投入した後、アンモニアガスを炉内線速度5.5cm/secで流し、炉内温度850℃で8時間の反応を行い、チタン酸窒化物B(3.1kg)を得た。チタン酸窒化物Bの粉末を理学電気製X線回折装置を用いて回折スペクトルを測定したところ、I、I、Iはそれぞれ41cps、73cps、775cpsとなり、X線強度比Rは0.71、X線強度比Rは1.78となった。遮光剤として、チタン酸窒化物Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂ブラックマトリクス用遮光膜を形成した。得られた樹脂ブラックマトリクス用遮光膜は、膜厚0.8μmでOD値は3.51であった。また、実施例1と同様にして、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行ったが剥がれは1カ所も認められなかった。
実施例3
平均一次粒径が45nmの二酸化チタン粉末(4.0kg)を反応炉に投入した後、アンモニアガスを炉内線速度6.5cm/secで流し、炉内温度800℃で8時間の反応を行い、チタン酸窒化物C(3.2kg)を得た。チタン酸窒化物Cの粉末を理学電気製X線回折装置を用いて回折スペクトルを測定したところ、I、I、Iはそれぞれ49cps、42cps、802cpsとなり、X線強度比Rは0.78、X線強度比Rは0.86となった。遮光剤としてチタン酸窒化物Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂ブラックマトリクス用遮光膜を形成した。得られた樹脂ブラックマトリクス用遮光膜は、膜厚0.8μmでOD値は3.55であった。また、実施例1と同様にして、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行ったが、剥がれは1カ所も認められなかった。
実施例4
ポリアミック酸溶液の代わりに、次のようなアクリル樹脂溶液を使用し、プリベーク温度を120℃、ベーク温度を220℃としたことこと以外は、実施例1と同様にして樹脂ブラックマトリクス用遮光膜を形成した。露光量はi線で200mJ/cmとした。アクリル樹脂溶液は、アクリル共重合体溶液(ダイセル化学工業株式会社製サイクロマーP(登録商標)、ACA−250)、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、光開始剤イルガキュア(登録商標)369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの混合物を使用した。チタン酸窒化物/(アクリル共重合体+ペンタエリスリトールテトラメタクリレート)の重量比は65/35であった。得られた樹脂ブラックマトリックス用遮光膜は、膜厚0.8μmでOD値は3.60であった。また、実施例1と同様にして、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行ったが、剥がれは1カ所も認められなかった。
実施例5
プロピレングリコールモノメチルエーテルの代わりに、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル(沸点:153℃、粘度:3.4mPa・s)を使用したこと以外は、実施例4と同様にして黒色組成物を作製し、さらに黒色被膜を形成した。得られた黒色被膜は、膜厚0.8μmでOD値は3.60であった。また、実施例1と同様にして、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行ったが、剥がれは1カ所も認められなかった。さらに、得られた黒色組成物を5℃で2ヶ月間静置した後に、上層部を静かに採取し、実施例4と同様にして黒色被膜を形成したが、膜厚0.8μmでOD値は3.60となり、膜厚とOD値の関係には変化は見られなかった。すなわち、黒色組成物中でチタン酸窒化物の沈降は起こっていないことが確認できた。
比較例1
平均一次粒径が40nmの二酸化チタン粉末(4.0kg)を反応炉に投入した後、アンモニアガスを炉内線速度4.0cm/secで流し、炉内温度800℃で6時間の反応を行い、チタン酸窒化物D(3.0kg)を得た。チタン酸窒化物Dの粉末を理学電気製X線回折装置を用いて回折スペクトルを測定したところ、I、I、Iはそれぞれ77cps、65cps、790cpsとなり、X線強度比Rは0.69、X線強度比Rは0.84となった。遮光剤としてチタン酸窒化物Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂ブラックマトリクス用遮光膜を形成した。得られた樹脂ブラックマトリクス用遮光膜は、膜厚0.8μmで、OD値は3.3であった。また、OD値3.5の時の膜厚は0.85μmであった。また、実施例1と同様にして、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行ったが、剥がれは1カ所も認められなかった。
比較例2
平均一次粒径が50nmの二酸化チタン粉末(4.0kg)を反応炉に投入した後、アンモニアガスを炉内線速度3.5cm/secで流し、炉内温度800℃で6時間の反応を行い、チタン酸窒化物E(2.9kg)を得た。チタン酸窒化物Eの粉末を理学電気製X線回折装置を用いて回折スペクトルを測定したところ、I、I、Iはそれぞれ60cps、112cps、745cpsとなり、X線強度比Rは0.61、X線強度比Rは1.81となった。遮光剤としてチタン酸窒化物Eを用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂ブラックマトリクス用遮光膜を形成した。得られた樹脂ブラックマトリクス用遮光膜は、膜厚0.8μmで、OD値は3.0であった。また、OD値3.5の時の膜厚は0.93μmであった。また、実施例1と同様にして、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行ったが、剥がれは1カ所も認められなかった。
実施例6
オルガノアルコキシシラン加水分解縮合物を添加したこと以外は、実施例4と同様にして黒色被膜を形成した。オルガノアルコキシシラン加水分解縮合物は以下のようにして作製した。また、黒色組成物中の添加量は、アクリル樹脂に対して1重量%とした。
フェニルトリメトキシシラン 24.0g、メチルトリメトキシシラン 258.8g、水 108.12g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 336.0gを混合し、110℃で2時間反応させることにより、オルガノアルコキシシラン加水分解縮合物を得た。反応中に、発生するメタノール、水は留去した。
得られた黒色被膜は、膜厚0.8μmでOD値は3.55であった。また、実施例1と同様にして、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行ったが、剥がれは1カ所も認められなかった。さらに、該黒色皮膜を形成したガラス基板121℃、2気圧のプレッシャークッカーテスト(PCT)の条件で3時間保管した後に、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行ったが、剥がれは1カ所も認められなかった。
実施例7
ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサンと4倍当量のグリシジルメタクリレートの反応物を添加したこと以外は、実施例4と同様にして黒色被膜を形成した。該反応物は以下のようにして作製した。また、黒色組成物中の添加量は、アクリル樹脂に対して1重量%とした。
ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサン 49.6g、グリシジルメタクリレート 113.72g、ハイドロキノン 0.1gを混合し、50℃で2時間反応させた。続いて、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 163.32gを加え、さらに、50℃で2時間反応させることにより、該反応物を得た。
得られた黒色被膜は、膜厚0.8μmでOD値は3.55であった。また、実施例1と同様にして、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行ったが、剥がれは1カ所も認められなかった。さらに、該黒色皮膜を形成したガラス基板121℃、2気圧のプレッシャークッカーテスト(PCT)の条件で3時間保管した後に、碁盤目セロハンテープ剥離試験を行ったが、剥がれは1カ所も認められなかった。
実施例8
光開始剤としてCGI242(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)を用いたこと以外は実施例4と同様にして黒色組成物を作製した。得られた黒色組成物をポストベーク後の膜厚が0.8μmとなるように塗布した後に、実施例4と同様にプリベークを行った。 得られた黒色被膜を、露光量を30mJ/cm〜210mJ/cmの範囲で20mJ/cm刻みで変化させて露光を行い、それぞれの基板を0.04重量%の水酸化カリウム溶液に120秒間浸漬し、その後、水洗を行ってから実施例4と同様にポストベークを行い、黒色被膜を得た。得られた黒色被膜は、露光量が50mJ/cm以上の領域では、膜厚が0.8μmとなっており、光硬化に必要な最低の露光量は、50mJ/cmであることが確認できた。また、これとは別に、プリベークまでは同様にした後に、露光量を50mJ/cmとし、1、2、3、5、6、10、15、20、30、50μmのライン&スペースパターンをもつフォトマスクを介して露光を行った基板を5枚作製した。得られた基板を0.04重量%の水酸化カリウム溶液に時間を変えて浸漬すると、90秒〜130秒の範囲で6μm以上のライン&スペースパターン被膜が得られることがわかった。
実施例9
遮光剤として、実施例1のチタン酸窒化物Aと酸性カーボンブラックの50/50(重量比)の混合物を用いたこと、および、ライン&スペースパターン被膜を作製するときの露光量を60mJ/cmにしたこと以外、実施例8と同様にして、黒色組成物、黒色被膜、ライン&スペースパターン被膜を得た。得られた黒色被膜は、露光量が80mJ/cm以上の領域で、膜厚が0.8μmとなっており、光硬化に必要な最低の露光量は、60mJ/cmであることが確認できた。さらに、得られた黒色被膜を蛍光灯にかざして観察すると、着色のない黒であることが確認できた。また、得られたライン&スペースパターン被膜は、90秒から150秒の範囲で5μm以上のライン&スペースパターンが残っていた。すなわち、実施例8のチタン酸窒化物単独の黒色組成物より、解像度が高く、さらに、現像マージンも広いことが確認できた。
比較例3
遮光剤として、酸性カーボンブラックのみを使用したこと、および、ライン&スペースパターン被膜を作製するときの露光量を120mJ/cmにしたこと以外、実施例8と同様にして、黒色組成物、黒色被膜、ライン&スペースパターン被膜を得た。得られた黒色被膜は、露光量が120mJ/cm以上の領域で、膜厚が0.8μmとなっており、光硬化に必要な最低の露光量は、120mJ/cmであることが確認できた。さらに、得られた黒色被膜を蛍光灯にかざして観察すると、赤味の黒であることが確認できた。また、得られたライン&スペースパターン被膜は、90秒から130秒の範囲で6μm以上のライン&スペースパターンが残っていた。すなわち、酸性カーボンブラック単独では、感度が大きく低下することが確認できた。
実施例10
(カラーフィルターの作製)
実施例1と同様の方法でポリイミド前駆体黒色着色膜を形成後、冷却し、ポジ型フォトレジストを塗布して、90℃で加熱乾燥してフォトレジスト被膜を形成した。これを紫外線露光機を用いて、フォトマスクを介して露光した。露光後、アルカリ現像液に浸漬し、フォトレジストの現像と、ポリイミド前駆体黒色着色膜のエッチングを同時に行い、開口部を形成した。エッチング後、不要となったフォトレジスト層をメチルセルソルブアセテートにて剥離した。エッチングされたポリイミド前駆体黒色着色膜を290℃の温度に加熱して熱硬化を行い、ポリイミドに転換して樹脂ブラックマトリックスを形成した。樹脂ブラックマトリックスのOD値は、3.6であった。また、樹脂ブラックマトリックスの膜厚は、0.8μmであった。この樹脂ブラックマトリクスのi線透過率を測定したところ、0.14%であった。この値から、OD値が2のときのi線透過率は、0.25%となる。次に、赤、緑、青の画素を樹脂ブラックマトリクス上に形成した。γ−ブチロラクトンとN−メチル−2−ピロリドンの混合溶媒中で、ピロメリット酸二無水物(0.5モル当量)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(0.49モル当量)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(0.95モル当量)、およびビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサン(0.05モル当量)を反応させ、ポリアミック酸溶液(ポリマー濃度20重量%)を得た。このポリアミック酸溶液を200g取り出し、それにγ−ブチロラクトン186gとブチルセロソルブ64gを添加して、ポリマー濃度10重量%の画素用ポリアミック酸溶液を得た。ピグメントレッド177(アントラキノンレッド)4g、γ−ブチロラクトン40g、およびチルセロソルブ6gを、ガラスビーズ100gとともにホモジナイザーを用いて、7,000rpmで30分間分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、顔料濃度8重量%の分散液を得た。顔料分散液30gに、前記のポリマー濃度10重量%の画素用ポリアミック酸溶液30gを添加混合し、赤色ペーストを得た。
樹脂ブラックマトリックス上に赤色ペーストを塗布し、プリベークを行い、ポリイミド前駆体赤色着色膜を形成した。ポジ型フォトレジストを用い、前記と同様な手段により、赤色画素を形成し、290℃の温度に加熱して熱硬化を行った。
ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)3.6g、ピグメントイエロー83(ベンジジンイエロー)0.4g、γ−ブチロラクトン32g、およびブチルセロソルブ4gを、ガラスビーズ120gとともにホモジナイザーを用いて、7,000rpmで30分間分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、顔料濃度10重量%の分散液を得た。顔料分散液32gに、前記のポリマー濃度10重量%の画素用ポリアミック酸溶液30gを添加混合し、緑色カラーペーストを得た。赤色ペーストを用いたときと同様にして、緑色画素を形成し、290℃の温度に加熱して熱硬化を行った。前記のポリマー濃度10重量%の画素用ポリアミック酸溶液60gと、ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー)2.8g、N−メチル−2−ピロリドン30g、ブチルセロソルブ10gをガラスビーズ150gとともにホモジナイザーを用い、7,000rpmで30分間分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、青色カラーペーストを得た。
前記と同様の手順により、青色画素を形成し、290℃の温度に加熱して熱硬化を行った。このようにしてカラーフィルターを作製した。得られたカラーフィルターの画素上の表面段差は最大で0.3μmであり、画素上に保護膜を形成して平坦性を向上する必要はなかった。続いて、スパッタリング法により、画素上にITOを製膜した。製膜温度は230℃とした。その結果、膜厚が1,400オングストロームで、表面抵抗が15Ω/□のITOが得られた。このようにして、カラーフィルターを完成した。
(液晶表示装置の作成)
得られたカラーフィルターを中性洗剤で洗浄した後、ポリイミド樹脂からなる配向膜を印刷法により塗布し、ホットプレートで250℃の温度で10分間加熱した。膜厚は0.07μmであった。この後、カラーフィルター基板をラビング処理し、シール剤をディスペンス法により塗布、ホットプレートで90℃、10分間加熱した。一方、ガラス上にTFTアレイを形成した基板も同様に洗浄した後、配向膜を塗布し、加熱した。その後、直径5.5μmの球状スペーサーを散布し、シール剤を塗布したカラーフィルター基板と重ね合わせ、オーブン中で加圧しながら160℃の温度で90分間加熱して、シール剤を硬化させた。このセルを120℃の温度、13.3Paの圧力下で4時間放置し、続いて、窒素中で0.5時間放置した後に、再度真空下において液晶注入を行った。液晶注入は、セルをチャンバーに入れて、室温で13.3Paの圧力まで減圧した後、液晶注入口を液晶に漬けて、窒素を用いて常圧に戻すことにより行った。液晶注入後、紫外線硬化樹脂により、液晶注入口を封口した。次に、偏光板をセルの2枚のガラス基板の外側に貼り付け、セルを完成させた。さらに、得られたセルをモジュール化して、液晶表示装置を完成させた。得られた液晶表示装置を観察した結果、表示不良はないことがわかった。また、樹脂ブラックマトリクスの遮光性が高いため、コントラストが良好であった。また、同様にして、100台の液晶表示装置を作製したが、樹脂ブラックマトリクスの密着性が高いため、液晶注入時にシール部が、剥がれるなどの不良はまったく発生しなかった。
実施例11
樹脂ブラックマトリクスとして、実施例4の遮光膜を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、カラーフィルターと液晶表示装置を作製した。樹脂ブラックマトリクスは、以下のように作製した。実施例4と同様の方法でアクリル樹脂からなる黒色着色膜を形成後、冷却した。これを紫外線露光機を用いて、フォトマスクを介して露光した。露光後、アルカリ現像液に浸漬して現像することにより、開口部を形成した。その後、210℃の温度に加熱して熱硬化を行い、樹脂ブラックマトリックスを形成した。樹脂ブラックマトリックスのOD値は3.6であった。樹脂ブラックマトリックスの膜厚は0.8μmであった。この樹脂ブラックマトリクスのi線透過率を測定したところ、0.17%であった。この値から、OD値が2のときのi線透過率は、0.3%となる。以下実施例5と同様にしてカラーフィルターを完成させた。得られたカラーフィルターの画素上の表面段差は、最大で0.3μmであり、平坦性を向上させるための保護膜の形成は必要なかった。また、得られたカラーフィルターを使用して、実施例5と同様にして液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置を観察した結果、表示不良はないことがわかった。また、樹脂ブラックマトリクスの遮光性が高いため、コントラストが良好であった。また、同様にして、100台の液晶表示装置を作製したが、樹脂ブラックマトリクスの密着性が高いため、液晶注入時にシール部が剥がれるなどの不良はまったく発生しなかった。
比較例4
樹脂ブラックマトリクスとして、比較例1の遮光膜を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、カラーフィルターと液晶表示装置を作製した。樹脂ブラックマトリクスのOD値は3.3で、膜厚は0.8μmであった。得られたカラーフィルターの画素上の表面段差は、最大で0.3μmであり、平坦性を向上させるための保護膜の形成は必要なかったが、液晶表示装置において、樹脂ブラックマトリクスの遮光性が不十分であることに起因して、バックライトの光漏れや、TFTの誤動作などが起こり、コントラストが低かった。
比較例5
樹脂ブラックマトリクスとして、比較例1の遮光膜を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、カラーフィルターと液晶表示装置を作製した。樹脂ブラックマトリクスのOD値は3.5で、膜厚は0.85μmであった。得られたカラーフィルターの画素上の表面段差は、最大で0.35μmであった。このカラーフィルターを使用した液晶表示装置において、表面段差に起因する液晶配向の乱れのため、表示不良が認められた。
実施例12
(カラーフィルターの作製)
実施例4の黒色アクリル樹脂溶液を用いて、樹脂ブラックマトリクスを作製した。黒色アクリル樹脂溶液を塗布しプリベーク後、冷却した。これを紫外線露光機を用いて、フォトマスクを介して露光した。露光後、アルカリ現像液に浸漬して現像し、その後、220℃の温度に加熱して熱硬化を行い、樹脂ブラックマトリクスを形成した。得られたブラックマトリクスは、膜厚が0.8μmでOD値は3.60であった。この樹脂ブラックマトリクスのi線透過率を測定したところ、0.17%であった。この値から、OD値が2のときのi線透過率は、0.3%となる。また、パターンのエッジ部が垂直に切り立った形状であった。次に、赤、緑、青の画素を樹脂ブラックマトリクス上に形成した。材料としては、以下の赤色レジスト、緑色レジストおよび色レジストを使用した。ピグメントレッド177(アントラキノンレッド)(12g)、アクリル共重合体溶液(ダイセル化学工業株式会社製サイクロマーP(登録商標)、ACA−250)(8.0g)、高分子分散剤ソルスパース(登録商標)24000SC(アビシア製)(3.6g)、およびメチル−3メトキシブチルアセテート(76.4g)を、ガラスビーズ100gとともにホモジナイザーを用いて、7,000rpmで30分間分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、顔料濃度12%の分散液を得た。この分散液(13.6g)に、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート(0.9g)、光開始剤イルガキュア(登録商標)369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)(0.5g)、および3メチル−3メトキシブチルアセテート(37.8g)からなる希釈ワニス(16.4g)を加え、赤色レジストを得た。
ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)(10.8g)、ピグメントイエロー83(ベンジジンイエロー)(1.2g)、アクリル共重合体溶液A(ダイセル化学工業株式会社製サイクロマーP(登録商標)、ACA−250)(8.0g)、高分子分散剤ソルスパース(登録商標)24000SC(アビシア製)(3.6g)、およびメチル−3メトキシブチルアセテート(76.4g)を、ガラスビーズ100gとともにホモジナイザーを用いて、7,000rpmで30分間分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、顔料濃度12%の分散液を得た。この分散液(13.6g)に、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート(0.9g)、光開始剤イルガキュア(登録商標)369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)(0.5g)、および3メチル−3メトキシブチルアセテート(37.8g)からなる希釈ワニス(16.4g)を加え、緑色レジストを得た。
ピグメントグリーン15(フタロシアニンブルー)(12.0g)、アクリル共重合体溶液A(ダイセル化学工業株式会社製サイクロマーP(登録商標)、ACA−250)(8.0g)、高分子分散剤ソルスパース(登録商標)24000SC(アビシア製)(3.6g)、および3メチル−3メトキシブチルアセテート(76.4g)を、ガラスビーズ100gとともにホモジナイザーを用いて、7,000rpmで30分間分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、顔料濃度12%の分散液を得た。この分散液(13.6g)に、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート(0.9g)、光開始剤イルガキュア(登録商標)369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)(0.5g)、3メチル−3メトキシブチルアセテート(37.8g)からなる希釈ワニス(16.4g)を加え、青色レジストを得た。
樹脂ブラックマトリクス上に赤色カラーレジストを塗布し、冷却した。これを紫外線露光機を用いて、フォトマスクを介して露光した。露光後、アルカリ現像液に浸漬して現像することにより、開口部を形成した。その後、220℃の温度に加熱して熱硬化を行い、赤色画素を形成した。赤色画素と同様の方法で、青色画素、青色画素を形成した。このようにしてカラーフィルターを作製した。得られたカラーフィルターの画素上の表面段差は最大で0.26mであり、画素上に保護膜を形成して平坦性を向上する必要はなかった。続いて、スパッタリング法により、画素上にITOを製膜した。製膜温度は230℃とした。その結果、膜厚が1,400オングストロームで、表面抵抗が15Ω/□のITOが得られた。このようにして、カラーフィルターを完成した。また、得られたカラーフィルターを使用して、実施例5と同様にして液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置を観察した結果、表示不良はないことがわかった。また、樹脂ブラックマトリクスの遮光性が高いため、コントラストが良好であった。また、同様にして、100台の液晶表示装置を作製したが、樹脂ブラックマトリクスの密着性が高いため、液晶注入時にシール部が剥がれるなどの不良はまったく発生しなかった。
本発明の黒色被膜組成物を使用すれば、薄膜で高OD値かつ高密着性の樹脂ブラックマトリクスが得られるため、これまで金属薄膜ブラックマトリクスでしか実現できなかった保護膜のないカラーフィルターを、樹脂ブラックマトリクスを用いても実現できるようになる。本発明では、このように保護膜の形成が不要となるため、カラーフィルターの歩留まり低下の防止やコスト削減に大きく貢献することができる。

Claims (22)

  1. チタン酸窒化物と樹脂と溶剤を必須成分として含有する黒色組成物であって、CuKα線をX線源とした場合のチタン酸窒化物の回折角2θが25°〜26°の時の最大回折線強度をI、回折角2θが27°〜28°の時の最大回折線強度をI、回折角2θが36°〜38°の時の最大回折線強度をIとした場合に、下記の式(1)と式(2)で示されるX線強度比RとRが、それぞれ下記の式(3)と式(4)の関係にある黒色組成物。
    =I/{I+1.8(I+1.8I)} (1)
    =I/I (2)
    > 0.70 (3)
    0.85 < R < 1.80 (4)
  2. X線強度比Rが0.80以上である請求項1記載の黒色組成物。
  3. 溶剤の沸点が120℃〜180℃の範囲にあり、かつ、該溶剤の粘度が3mPa・s〜10mPa・sの範囲にある請求項1又は2記載の黒色組成物。
  4. 樹脂が、アクリル樹脂およびポリイミド樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項1〜3のいずれかに記載の黒色組成物。
  5. オルガノシラン加水分解縮合物を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の黒色組成物。
  6. シロキサン結合と炭素−炭素二重結合を同一分子内に有し、かつ、シラノール基を有さない化合物をさらに含有する請求項1〜5のいずれかに記載の黒色組成物。
  7. シロキサン結合と炭素−炭素二重結合を同一分子内に有し、かつ、シラノール基を有さない前記化合物が、下記一般式(7)で表される構造を有する請求項6記載の黒色組成物。
    Figure 2005037926
    (ここで、各Rは、互いに独立に水素又はアルキル基、各Rは互いに独立にアミド結合、イミド結合、エステル結合又はウレタン結合を含む有機基であり、R〜Rは互いに独立にアルキル基であり、nは1〜3の整数を表す。)
  8. チタン酸窒化物と樹脂の組成重量比が、チタン酸窒化物/樹脂=75/25〜60/40の範囲にある請求項1〜7のいずれかに記載の黒色組成物。
  9. カーボンブラックをさらに含有する請求項1〜8のいずれかに記載の黒色組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載された黒色組成物から得られる黒色被膜の光学濃度(OD値)が膜厚1μmあたり4.4以上であり、かつ、該黒色被膜の光硬化に必要な最低の露光量が60mJ/cm以下である黒色組成物。
  11. チタン酸窒化物と樹脂を必須成分として含有する黒色被膜組成物であって、CuKα線をX線源とした場合のチタン酸窒化物の回折角2θが25°〜26°の時の最大回折線強度をI、回折角2θが27°〜28°の時の最大回折線強度をI、回折角2θが36°〜38°の時の最大回折線強度をIとした場合に、下記の式(1)と式(2)で示されるX線強度比RとRが、それぞれ下記の式(3)と式(4)の関係にある黒色被膜組成物。
    =I/{I+1.8(I+1.8I)} (1)
    =I/I (2)
    > 0.70 (3)
    0.85 < R < 1.80 (4)
  12. X線強度比Rが0.80以上である請求項11記載の黒色被膜組成物。
  13. 樹脂が、アクリル樹脂およびポリイミド樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項11又は12記載の黒色被膜組成物。
  14. チタン酸窒化物と樹脂の組成重量比が、チタン酸窒化物/樹脂=75/25〜60/40の範囲にある請求項11〜13のいずれかに記載の黒色被膜組成物。
  15. 光学濃度(OD値)が、膜厚1μmあたり4.4以上である請求項11〜14のいずれかに記載の黒色被膜組成物。
  16. 光学濃度(OD値)が2.0のときのi線の透過率が、0.2%より大きい請求項11〜15のいずれかに記載の黒色被膜組成物。
  17. シロキサン結合と炭素−炭素二重結合を同一分子内に有し、かつ、シラノール基を有さない化合物をさらに含有する請求項11〜16のいずれかに記載の黒色被膜組成物。
  18. シロキサン結合と炭素−炭素二重結合を同一分子内に有し、かつ、シラノール基を有さない前記化合物が、下記一般式(7)で表される構造を有する請求項17記載の黒色組成物。
    Figure 2005037926
    (ここで、各Rは、互いに独立に水素又はアルキル基、各Rは互いに独立にアミド結合、イミド結合、エステル結合又はウレタン結合を含む有機基であり、R〜Rは互いに独立にアルキル基であり、nは1〜3の整数を表す。)
  19. カーボンブラックをさらに含有する請求項11〜18のいずれかに記載の黒色被膜組成物。
  20. 請求項11〜19のいずれかに記載の黒色被膜組成物から得られた樹脂ブラックマトリクス。
  21. 請求項20に記載の樹脂ブラックマトリクスを具備する液晶表示装置用カラーフィルター。
  22. 請求項21記載の液晶表示装置用カラーフィルターを具備する液晶表示装置。

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