JP4549126B2 - フィールドエミッションディスプレイ用遮光膜付基板及びこの基板を用いたフィールドエミッションディスプレイ - Google Patents

フィールドエミッションディスプレイ用遮光膜付基板及びこの基板を用いたフィールドエミッションディスプレイ Download PDF

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Description

本発明は、情報表示端末や平面型テレビなどに用いられるフィールドエミッションディスプレイ及びその基板に関し、特に、高コントラストのためのフィールドエミッションディスプレイのパネルを実現するための遮光膜を設けた基板とこの基板を用いたフィールドエミッションディスプレイに関する。
従来、平面ディスプレイとして液晶ディスプレイが広く利用されているが、この液晶ディスプレイは、その製造において多くの工程と厳しい品質管理が要求されており、また、消費電力が大きい等の特性上の問題もあり、これらの液晶ディスプレイに代わるものとしてフィールドエミッションディスプレイ(以下これを総称してFEDという)が注目されている。
FEDは、自発光型のディスプレイであるため画質も優れ、且つ低消費電力であるという特徴をも持つ。しかしながら、このFEDに使用するR、G及びBの蛍光体から発光されるR光、G光及びB光は、それぞれ純粋なR、G及びB光とは云えず、その結果、これらの3原色の加色混合によって得られるカラー画像は鮮明性に欠けるという問題がある。
FEDの発光基板側に遮光膜を設けることによって、意図しない蛍光体層からの発光色が、意図した蛍光体層の発光と混合することが防止され、その結果、表示カラー画像のコントラストを向上させることができる。また、FEDの発光基板側にカラーフイルターを設けることによって、蛍光体層から発光されるそれぞれの光中の不要の波長の光を、カラーフイルターによって吸収し、必要なそれぞれの純粋な各R、G及びB光を発光させることができるので、濁りのない高品質のカラー画像を表示できる。
高い遮光性を有する遮光膜を作製するには、従来から金属を用いることが考えられていた。例えば、金属薄膜を蒸着法やスパッタリング法により作製し、該金属薄膜の上にフォトレジストを塗布し、次いで表示装置用遮光膜付基板用パターンをもつフォトマスクを用いてフォトレジスト層を露光現像し、その後露出した金属薄膜をエッチングし、最後に金属薄膜上のレジスト層を剥離することにより遮光膜を形成する方法が挙げられる(例えば、非特許文献1を参照)。
この方法は、金属薄膜を用いるため、膜厚が小さくても高い遮光効果が得られる反面、蒸着法やスパッタリング法という真空成膜工程やエッチング工程が必要となり、コストが高くなるという問題がある。また、金属膜であるため反射率が高く、強い外光の下では表示コントラストが低いという問題もある。これに対しては低反射クロム膜(金属クロムと酸化クロムの2層からなるもの等)を用いるという手段があるが、更にコストアップとなることは否めない。そして、この方法で最もよく用いられるクロムは、環境負荷が大きいという欠点を有する。
一方、反射率の低い遮光膜付基板を得るためにカーボンブラックを用いて表示装置用遮光膜を形成する技術がある(特許文献1参照)。これは、カーボンブラックを含有する感光性樹脂組成物を基板に塗布して乾燥したものを露光、現像したものである。しかし、カーボンブラックは、金属微粒子に比べ単位塗布量あたりの光学濃度が低いため、高い遮光性、光学濃度を確保するためには必然的に膜厚が大きくなる。このため、遮光膜部分で段差が生じ、セルに組む際に段差の影響が出ないような設計上の配慮が必要となる。また遮光膜を設けた後から赤、青、緑色などの画素を形成する場合も、表面が凹凸になりやすい。これらの段差を解消するには、基板表面を研磨して平滑性を確保する方法、表面に平坦化層を設ける方法もあるが、これらの方法ではコストアップとなる。
また、無電解メッキを用いて、ニッケルなどの金属を膜中に生成させる遮光膜の形成方法が開示されている(特許文献2参照)。この方法もメッキ工程を含むので、金属スパッタ膜を用いる方法同様、製造の環境負荷が大きい。さらに、無電解メッキを用いてニッケルなどの金属の硫化物を膜中に生成させる遮光膜の形成方法が開示されている(特許文献3参照)。この方法もメッキ工程を含むので金属スパッタ膜を用いる方法同様製造の環境負荷が大きい。
特開昭62−9301号公報 特開平5−241016号公報 特開平7−218715号公報 共立出版(株)発行「カラーTFT液晶ディスプレ イ」第218〜220頁(1997年4月10日)
本発明は、上述の問題に鑑みなされたものであり、その目的は環境負荷が小さく、薄層で高遮光性を有し、かつ観察者側から見た時に反射率の低いFEDとこのFEDに用いられる遮光膜付基板を提供することである。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
<1> 基板と、該基板の少なくとも一方の側の少なくとも一部に設けられた遮光膜と、を有す、フィールドエミッションディスプレイ用遮光膜付基板であって、該遮光膜が、金属微粒子を含有する樹脂層を含み、該遮光膜の555nmにおける厚さ1μmあたりの光学濃度(OD)が3から20であることを特徴とするフィールドエミッションディスプレイ用遮光膜付基板。
<2> 前記金属微粒子が、平均粒径が異なる金属微粒子を2種以上含み、かつその平均粒径の差が10nm以上であることを特徴とする<1>記載のフィールドエミッションディスプレイ用遮光膜付基板。
<3> 前記金属微粒子が、表面に金属化合物からなるシェルを有し、内部に金属からなるコアを有するコアシェル微粒子であることを特徴とする<1>記載のフィールドエミッションディスプレイ用遮光膜付基板。
<4> 前記遮光膜が、少なくとも2層の樹脂層からなり、該樹脂層のうち少なくとも1層が前記金属微粒子を含有する層であり、該樹脂層のうち少なくとも1層が光吸収層であることを特徴とする<1>記載のフィールドエミッションディスプレイ用遮光膜付基板。
<5> <1>から<4>のいずれかに記載の遮光膜付基板を用いたことを特徴とするフィールドエミッションディスプレイ。
本発明によれば遮光膜の透過光学濃度が3以上という、高濃度薄膜の遮光膜が提供できる。従来この領域はクロムなどの金属膜(エッチングによるパターニングが必要)でしか達し得なかったが、本発明により通常のフォトリソ工程で実現が可能となり、環境負荷が小さく、産業上有用である。
本発明の遮光膜付基板は、基板と、該基板の少なくとも一方の側の少なくとも一部に設けられた遮光膜と、を有し、該遮光膜が金属微粒子を含有する樹脂層を含み、該遮光膜の555nmにおける厚さ1μmあたりの光学濃度(OD)が3から20であることを特徴とする。
基板に遮光膜を有し、該遮光膜が金属微粒子を含有する樹脂層を含み、遮光膜の555nmにおける厚さ1μmあたりの光学濃度(OD)を前記範囲とすることより、環境負荷が小さく、薄膜で高遮光性を有し、かつ観察者側から見た時に反射率の低い遮光膜付基板を提供することができるものである。
《遮光膜付基板》
本発明の遮光膜付基板は、基板と該基板の少なくとも一方の側の少なくとも一部に設けられた遮光膜と、を有する。
<遮光膜>
前記遮光膜は、金属微粒子を含有する樹脂層を含むが、更に光吸収層を有することが好ましい。
本発明の遮光膜「ブラックマトリックス(BMともいう)」はFEDパネルに使用することが望ましい。
遮光膜の厚みは0.2から0.9μm、より好ましくは0.3から0.6μm、最も好ましいのは0.4から0.5μmの範囲が望ましい。厚みが0.2μm未満になると遮光性が低下し、厚みが0.9μmを超えるとこの後設ける赤、青、緑の画素の表面が平滑にならず色むらが発生する場合がある。
可視光域での該遮光膜の光学濃度(OD)は好ましくは3.0以上7.0以下、より好ましくは3.5以上6.5以下、最も好ましくは4以上6以下である。光学濃度が3未満になるとコントラストが低下し、表示品位が低下し、またバックライトによる額縁部分の透け、等が問題となる場合があり、7.0以上だと膜厚が厚くなる場合がある。
この光学濃度(OD)範囲を実現するためには、波長555nmにおける光学濃度(OD)が厚さ1μmあたり3から20とする必要があり、より好ましくは4から15、最も好ましくは8から12である。
前記遮光膜は、一般的にカラーフィルターに要求される耐熱性、耐光性、耐薬品性、表面の平滑性、硬度などの性能が求められ、これらの要求性能についてはたとえば「カラーフィルターの成膜技術とケミカルズ(渡辺 順次監修、株式会社シーエムシー、1998年発行)」の189ページ、「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男著 工業調査会 1994年発行)」の117ページに記載されている。必要な性能は従来公知の遮光膜同様、顔料/バインダー比、バインダー種、露光や熱処理条件などで制御することができる。
(金属微粒子を含有する樹脂層)
以下、前記金属微粒子を含有する樹脂層について説明する。
該樹脂層は、金属微粒子とともに樹脂を含有するが、本発明の金属微粒子を含有する樹脂層は、カーボンブラックや顔料と異なり、光を反射させて遮光することで高い遮蔽効率を実現していると考えられる層である。これにより遮光膜の膜厚を薄くすることができる。また、基板側(ディスプレーとしての観察者の側)から入射した光は、光吸収層を経て漏れた光を反射して基板側に戻すが、本発明の金属微粒子を含有する層内部の金属微粒子の表面プラズモンによる吸収(吸収係数が10E7前後)で、反射を減らすことができる。また、光吸収層を基板と金属微粒子を含有する層との間に設けている場合は、光吸収層を経て漏れた光を反射して基板側に戻し、光吸収層の厚みを薄くすることができる。
このように光を反射する性質と光を吸収する性質を併せ持っていることで、反射率がアルミの鏡面(可視光域で99%以上)などより低いにもかかわらず、高い遮蔽力を有すると同時に、観察者側からの光の反射をある程度押さえ、観察者側からの光を実用上許容できるレベルまで反射防止できると考えられる。さらに、比較的薄い光吸収層を設けることにより顕著な効果を奏する。
また、前記金属微粒子を含有する層の反射率は、同一金属であれば、金属微粒子の膜中濃度が高いほど高くなる。
また、本発明は環境負荷を小さくする事が目的であるから、金属微粒子を含有する層として、エッチング工程が必要となるような、金属スパッタ、イオンプレーテング、金属蒸着などにより形成された金属膜は不適当である。
―金属微粒子―
該金属微粒子を2種以上含む遮光膜の金属粒子が、平均粒径が異なる金属微粒子を2種以上含み、かつその平均粒径の差が10nm以上であることが好ましい。
本発明で用いられる金属微粒子は特に限定されず、いかなるものを用いてもよい。ここで「金属」とは「岩波理化学辞典(第5版、岩波書店 1998年発行)の「金属」444ページに記載されたものをいう。
本発明では、該金属がナノ粒子を形成することが好ましく、ナノ粒子を形成する金属としては、この中で周期表の第3属から第13属の金属が好ましい。これらのうち、銀、ニッケル、コバルト、鉄、銅、パラジウム、金、白金、スズ、亜鉛、アルミニウム、タングステン、チタン、又はクロムが好ましく、金、銀、銅、アルミニウムがより好ましい。
銀を用いたときの遮光膜(金属膜)における反射率は、400nm付近より立ち上がり、500nmでは90%以上の反射率となる。反射率は化合物で異なるが、金、銀、アルミニウムなど可視光領域で高い反射率を持つものが好適に用いられる。とりわけ、コスト、安定性の点銀が好ましい。銀としてはコロイド銀が最も好ましい。
金属微粒子の製造には、上記金属を2種以上組み合わせて用いてもよく、合金として用いることも可能である。
金属微粒子は市販のものを用いることができる他、金属イオンの化学的還元法(脂肪酸銀の熱還元性金属微粒子)、無電解メッキ法、金属の蒸発法等により調製することが可能である。
例えば、銀微粒子(コロイド銀)の場合は、従来から知られている方法、例えば米国特許第2,688,601号明細書に開示されているゼラチン水溶液中で可溶性銀塩をハイドロキノンによって還元する方法、ドイツ特許第1,096,193号明細書に記載されている難溶性銀塩をヒドラジンによって還元する方法、米国特許第2,921,914号明細書に記載されているタンニン酸により銀に還元する方法のごとく銀イオンを溶液中で化学的に還元する方法や、特開平5−134358号公報に記載されている無電解メッキによって銀粒子を形成する方法、バルク金属をヘリウムなどの不活性ガス中で蒸発させ、溶媒でコールドトラップするガス中蒸発法等の方法を用いることが可能である。また、Wiley & Sons, New York, 1933年発行、Weiser著の Colloidal Elements に記載されたCarey Leのデキストリン還元法による黄色コロイド銀の調製方法を用いてもよい。
本発明における金属微粒子としては、前記有機金属化合物の熱還元性金属微粒子を原料として用いることも好ましい。ここで、本明細書において、有機金属化合物とは、金属を含有する有機化合物の総称を意味するものである。
用いられる有機金属化合物としては、特に制限されず、またいずれの市販品も使用できる。例えばオレイン酸塩、ナフテン酸塩、オクチル酸塩、ステアリン酸塩、安息香酸塩、パラトイルイル酸塩、n-デカン酸塩等の脂肪酸金属塩、イゾプロポキシド、エトキシド等の金属アルコキシド、上記金属のアセチルアセトン錯塩が挙げられる。これらの中でも、特にオレイン酸塩、パラトイルイル酸塩、ステアリン酸塩、又はn-デカン酸塩等の脂肪酸金属塩、金属エトキシド、或いは金属アセテルアセトネート等がより好ましく、脂肪酸金属塩がさらに好ましく、直鎖脂肪酸金属塩が特に好ましく、炭素数は通常6〜30程度、より好ましくは10〜18である。
また、有機金属化合物は、単独で又は2種以上併用することができる。有機金属化合物の金属も特に制限されず、最終製品の用途に応じて適宜選択することができる。
有機金属化合物の金属成分としては、該有機金属化合物に由来するものであれば特に限定されないが、前期の金属微粒子を構成する金属が好ましい。
本発明における金属成分としては、これらの金属単体、これらの金属混合物、或いはこれらの金属の合金などのあらゆる状態を包含する。
有機金属化合物の金属成分については、例えばそれより得られる超微粒子を金属コーティング膜用に用いる場合は、その金属成分が多くの成分として金属コーティング膜を形成することになるので、その用途等に応じて適宜選択すれば良い。
なお、例えば昇華性があり、急激に分解する等の特性を有する有機金属化合物であっても、昇華性を抑えるために高沸点の溶剤を加える等の工夫により有効に使用することができる。
また、本発明における金属微粒子は、例えば2種以上の金属を含む有機金属化合物を予め混合することによって合金型の超微粒子として調整することも可能である。
原料として有機金属化合物の形態は特に制限されず、粉末状、液状等のいずれのものであっても良い。
本発明の金属微粒子の形状には特に制限はなく、球状(断面が円、楕円)、不定形、板状、針状、さらに正6面体や正8面体(ナノロッド、ディスク、ファイバー、リング)などの多面体でもよいが、中でも球状が好ましい。
本発明における金属微粒子の平均粒径は、1〜5000nmの範囲が好ましいが、2〜500nmの範囲がより好ましく、2〜200nmの範囲が更に好ましい。平均粒径が1nmの粒子は、生成が難しく、また、金属プラズモンによる吸収が大きくなり、全体にフラットな吸収でなくなり、該平均粒径の金属微粒子を用いて作製されたカラーフィルターは、その特性上、視野で茶褐色に見える点で、好ましくない場合がある。また5000nmを超えると粒子を分散した分散物の安定性が低下して、遮光性が悪化する場合がある。
なおここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言う。また「数平均粒径」とは多数の粒子について上記の粒径を求め、この100個平均値を言う。
―金属微粒子の形成方法―
本発明の金属微粒子の形成方法には特に制限はない。代表的な方法には以下のものがある。
(1)公知の方法で作製した有機金属化合物の還元などにより、金属化合物の粒子を形成する方法。(特開平10−183207)
(2)気相法、液相法などの金属を蒸発させる公知の方法で。
その他、金属微粒子の形成方法については例えば「超微粒子の技術と応用における最新動向II(住ベテクノリサーチ株式会社 2002年発行)」に記載されている
本発明における前期遮光膜は、後述の着色組成物を用いることにより形成することができる。該着色組成物により形成した場合、遮光膜の膜厚1μmあたりの光学濃度が3以上20以下とする必要がある。
また、カラーフィルター作製の際、加熱工程時、金属微粒子が融着するのを防止することを考慮すると、前記着色組成物における金属微粒子の含有量は、形成される遮光膜に含まれる金属微粒子の含有量が10〜90質量%、好ましくは10〜80質量%程度になるように調節することが好ましい。
前記金属微粒子は平均粒径の差が10nm以上異なる2種以上の金属微粒子を含有することが好ましい。ここで平均粒径とは、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察により、50個の粒径を測定し、その平均を算出したものをいう。この平均粒径の差は、好ましくは、10〜500nmであり、更に好ましくは、30〜250nmである。平均粒径の異なる3種以上の金属微粒子を含有する場合は、まず近接する2種の平均粒径と含有量比から、2種混合後の金属微粒子の平均粒径を換算し、残り1種の金属微粒子との差が10nm以上であればよい。
平均粒径の差が、10nm未満であると、黒色(無彩色)が得られ難い。
本発明の着色組成物に用いる金属微粒子の平均粒径は、遮光膜の光学濃度(OD)の観点から、1〜500nm、特に60〜250nmであることが好ましく、特に70〜200nmであることが好ましい。
―コアシェル微粒子―
前記金属微粒子は少なくとも、金属及び/又は金属化合物からなる2重構造を有するコアシェル微粒子であることが好ましい。
該コアシェル粒子のコアとシェルは、いずれの成分であってもよいが、表面のシェルと内部のコアの成分は異なることが好ましく、表面に金属化合物からなるシェルを有し、内部に金属からなるコアを有することが、作製のし易さの点で好ましい。
本発明の金属微粒子、いわゆるナノ粒子内部のコアを形成する金属としては、周期表の第3属から第13属の金属が好ましい。これらのうち銀、ニッケル、クロム、銅、パラジウム、金、白金、アルミニウム、タングステン、又はチタンは好ましく、とりわけ銀がコスト、安定性の点から特に好ましい。
本発明で言う前記「金属化合物」とは、金属と該金属以外の元素とからなる化合物である。該金属が前記金属と同義であり、好ましい例も同様である。
該金属と他の元素との化合物としては、金属の酸化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩などが挙げられ、中でも金属硫化物は色調や微粒子形成のしやすさから特に好ましい。
金属化合物の具体例としては、酸化銅(II)、酸化マンガン、硫化鉄、硫化銀などがある
。このうち硫化銀は色調、微粒子形成のしやすさや安定性の観点から特に好ましい。
シェルを形成する金属化合物を構成する金属とコアを形成する金属は同種であっても異なる種類であってもよいが、粒子形成のし易さから同種であることが望ましい。
本発明におけるコアシェル微粒子の形状には特に制限はない。必ずしも真球でなく、回転楕円形、不定形、さらに正6面体や正8面体など多面体でも良い。
本発明におけるコアシェル粒子の数平均粒径は、1〜5000nmの範囲が好ましいが、2〜500nmの範囲がより好ましく、2〜200nmの範囲が更に好ましい。平均粒径が1nmの粒子は、生成が難しく、また、金属プラズモンによる吸収が大きくなり、全体にフラットな吸収でなくなり、該平均粒径の金属微粒子を用いて作製されたカラーフィルターは、その特性上、視野で茶褐色に見える点で、好ましくない場合がある。また5000nmを超えると粒子を分散した分散物の安定性が低下して、遮光性が悪化する場合がある。
なおここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言う。また「数平均粒径」とは多数の粒子について上記の粒径を求め、この100個平均値を言う。
本発明のコアシェル粒子のコア半径とシェルの厚みの比については特に制限はない。シェルの重量の粒子重量の占める割合は、0.05〜0.95、より好ましくは0.08〜0.92の範囲が望ましい。内部金属に対し、表面の金属化合物が0.2〜250質量%であることが好ましい。シェルの重量比が大きすぎると遮光性が悪化し、逆に小さすぎると光の反射率が大きくなり好ましくない。
―コアシェル粒子の形成方法―
前記コアシェル粒子の形成方法には特に制限はない。代表的な方法は以下のが挙げられる。
(1)公知の方法で作製した金属微粒子の表面に酸化、硫化なごにより、金属化合物のシェルを形成する方法。例えば、金属微粒子を水などの分散媒に分散させて、硫化ナトリウムや硫化アンモニウムなどの硫化物を添加する方法がある、また、金属微粒子を硫化水素やオゾンなどのガスと接触させて表面を硫化、または酸化させる方法等がある。これらの方法で粒子の表面が硫化、または酸化されてコアシェルが形成される。
(2)金属微粒子を形成する過程で、連続的に表面に金属化合物と内部の金属の量比を調整するには、金属硫化物の場合、添加する硫化物の量を制御する方法が好ましい。
用いる金属微粒子は、前記公知の方法として、特開平10−183207号公報、「超微粒子の技術と応用における最新動向II(住ベテクノリサーチ株式会社 2002年発行)」等に記載の方法、気相法、液相法などの金属を蒸発させるなどの方法により作製することができる。
本発明においては、金属微粒子は、分散されていることが望ましい。存在状態は特に限定されないが、金属微粒子が安定な分散状態で存在していることが好ましく、例えば、コロイド状態であることがより好ましい。コロイド状態の場合には、例えば、金属微粒子が実質的に球形の微粒子状態で分散されていることが好ましい。
ここでは、分散剤として、チオール基含有化合物、アミノ酸またはその誘導体、ペプチド化合物、多糖類及び多糖類由来の天然高分子、合成高分子及びこれらに由来するゲルなどを用いることができる。
ここで用いるチオール基含有化合物の種類は特に限定されず、1個又は2個以上のチオール基を有する化合物であればいかなるものでもよい。
チオール基含有化合物としては、例えば、アルキルチオール類(例えば、メチルメルカプタン、エチルメルカプタンなど)、アリールチオール類(例えば、チオフェノール、チオナフトール、ベンジルメルカプタンなど)、アミノ酸又はその誘導体(例えば、システイン、グルタチオンなど)、ペプチド化合物(例えば、システイン残基を含むジペプチド化合物、トリペプチド化合物、テトラペプチド化合物、5以上のアミノ酸残基を含むオリゴペプチド化合物など)、又は蛋白質(例えば、メタロチオネインやシステイン残基が表面に配置された球状蛋白質など)などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
また、分散液には、親水性高分子、界面活性剤、防腐剤、安定化剤などを適宜配合してもよい。親水性高分子としては、水に溶解でき、希薄状態において実質的に溶液状態を維持できるものであればいかなるものを用いてもよい。例えば、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、フィブロネクチン、ラミニン、エラスチンなどのタンパク質及びタンパク質由来の物質;セルロース、デンプン、アガロース、カラギーナン、デキストラン、デキストリン、キチン、キトサン、ペクチン、マンナンなどの多糖類及び多糖類由来の物質などの天然高分子;ポバール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルアミンなどの合成高分子;又はこれらに由来するゲルなどを用いることができる。ゼラチンを用いる場合には、ゼラチンの種類は特に限定されず、例えば、牛骨アルカリ処理ゼラチン、豚皮膚アルカリ処理ゼラチン、牛骨酸処理ゼラチン、牛骨フタル化処理ゼラチン、豚皮膚酸処理ゼラチンなどを用いることができる。
―コアシェル金属微粒子分散組成物―
前記コアシェル粒子は、コアシェル微粒子が分散したコアシェル金属微粒子分散組成物(以下、「粒子分散組成物」とも言う。)として遮光膜作製に用いることができる。
該粒子分散組成物の分散媒としては特に制限はなく、水、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メチルアルコール、n-プロピルアルコール、i-プルピルアルコールなどの種々のものを用いることができる。
前記粒子分散組成物におけるコアシェル粒子濃度は0.01〜70質量%、より好ましくは0.1〜30質量%の範囲が望ましい。濃度が0.01質量%未満になると必要な粒子を得るための組成物の量が多くなり不利である。また濃度が70質量%を超えると組成物の安定性が低下する。本発明の粒子分散組成物には、コアシェル粒子、分散媒以外に分散剤、界面活性剤などを添加してもよい。
―焼結性粒子―
本発明に用いられる金属微粒子は、粒径をある程度揃えた場合は、熱処理工程で粒子同士をある割合で融着させることができ、これらの粒子群は金属膜に近い性質となって光を反射し効率的に光を遮蔽することができる。また、粒径に分布を持たせた場合や10nm以下の超微粒子を用いた場合など、熱処理なしでもある程度の金属膜的反射を得ることが出来る。
このようなことから、本発明における金属微粒子が上記のような性質を示す焼結性粒子であることが好ましい。
即ち、該焼結性粒子とは、粒子径がナノメートル単位になることによる、融点降下の現象は久保効果として一般的に知られている。今回用いる粒子も例外ではなく10nm付近の金属微粒子となることにより、その金属微粒子及び表面の融点降下によりお互いの金属微粒子同士が融着するようになるような現象を起こす粒子のことをいう。
また、バルク金属の融点が高いほど、焼結粒子径が大きくなり不利となる。金や銀は融点が1000℃近辺なので好適に用いることが出来る。
このように、粒子同士が焼結することにより、金属内の自由電子の電子移動距離が長くなる為よりバルク的な性質に変化し反射率が増加(バルク金属に近づく)するものと考えられる。
本発明における金属微粒子を含有する層中の金属微粒子の体積分立は、金属により若干異なるが、「(金属体積/層体積)×100=金属体積率(%)」で求める。例えば、金属微粒子を含有する層中の金属微粒子の体積率は、比重10.5として金属銀の体積を求め、金属微粒子を含有する層の全体積で除した割合となる。
前記金属微粒子を含有する層中の金属微粒子の体積率(%)は、金属により若干異なるが、好ましくは30〜95%、より好ましくは40〜94%、最も好ましくは50〜93%である。体積率が30%未満になると、金属微粒子を含有する層における必要な反射率(遮光に必要な反射率)が得られなくなり、更に。黄色味をおびてくることがあり、90%を超えると、フォトリソ時の現像性が悪くなり、塗布膜が脆くなり、ピンホール故障や傷故障が起き易くなる傾向がある。また、全体の膜厚を薄くするという狙いから、あるいは粒子同士の融着を促進する狙いからも30%〜95%が好ましい。
―遮光膜作製用着色組成物―
前記遮光膜作製用着色組成物は、前記金属微粒子を含有し、その他として分散剤、分散媒を含有することが好ましい。さらに、該組成物は感光性を有することが好ましい。該金属微粒子は前記コアシェル微粒子分散組成物として用いることが好ましい。
感光性を付与するためには、前記着色組成物に感光性樹脂組成物が添加される。以下、着色組成物とは感光性樹脂組成物を含んだ状態を言う場合もある。
感光性樹脂組成物は、金属微粒子を含んでいない感光性の樹脂の組成物を意味し、アルカリ可溶性バインダーポリマー、エチレン性不飽和二重結合を有する光の照射によって付加重合するモノマー、光重合開始剤等を含有することにより作製できる。
感光性樹脂組成物は、アルカリ水溶液現像可能なものと、有機溶剤で現像可能なものがあるが、安全性と現像液のコストの点で、アルカリ水溶液現像可能なものが好ましい。
用いられる感光性樹脂としては、光、電子線などの放射線を受容する部分が硬化するネガ型でも、放射線未受容部が硬化するポジ型のいずれでもよい。
前記ポジ型感光性樹脂には、ノボラック系の樹脂が挙げられる。
例えば、特開平7−43899号公報記載のアルカリ可溶性ノボラック樹脂系を使用することができる。
また、特開平6−148888号公報記載の、ポジ型感光性樹脂層、即ち、該公報記載のアルカリ可溶性樹脂と感光剤として1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルと該公報記載の熱硬化剤の混合物を含む感光性樹脂層を用いる事ができる。
また特開平5−262850号公報記載の組成物も活用可能である。
ネガ型感光性樹脂としては、ネガ型ジアゾ樹脂とバインダーからなる感光性樹脂、光重合性組成物、アジド化合物とバインダーとからなる感光性樹脂組成物、桂皮酸型感光性樹脂組成物等が挙げられる。
その中でも特に好ましいのは光重合開始剤、光重合性モノマーおよびバインダーを基本構成要素として含む感光性樹脂である。
該感光性樹脂層には、特開平11−133600号公報記載の「重合性化合物B」「重合開始剤C」「界面活性剤」「接着助剤」や、その他の組成物が利用できる。
例えば、ネガ型感光性樹脂で、アルカリ水溶液現像可能な感光性樹脂は、主成分としてカルボン酸基含有のバインダー(前述のアルカリ可溶な熱可塑性樹脂等)と光の照射によって付加重合することのできるエチレン性不飽和二重結合含有モノマーと光重合開始剤を含んでいる。
本発明の遮光膜付基板は、遮光膜作製用着色組成物(以下、着色組成物)を前記基板上に塗布することにより作製することができる。
該着色組成物における金属微粒子の粒子濃度は、0.01から70質量%、より好ましくは0.1から40質量%の範囲が望ましい。濃度が0.01質量%未満になると必要な粒子の塗布量得るために使用する感光性樹脂組成物の量が多くなり、均一に塗布できない、乾燥負荷がかかるなどの問題がおきる場合があり、また濃度が70質量%を超えると感光性樹脂組成物の保存安定性が低下する場合がある。
本発明における感光性樹脂組成物には、溶媒の他に、分散剤、界面活性剤などを添加してもよい。
該分散剤としてはポリビニルアルコール、アクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アクリルアミド/アクリル酸共重合物、スチレン/無水マレイン酸共重合体などの公知の分散剤を使用できる。また、ステアリン酸銀のような脂肪族銀化合物も公的に用いることが出来る。分散剤については例えば「顔料分散技術、技術情報協会(株)(1999年発行)」に記載されている。
界面活性剤としてはアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系の公知の界面活性剤を使用できるが、このうちアニオン系界面活性剤が安定性の観点から好ましい。
好ましいアニオン系界面活性剤の例として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホ琥珀酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムなどが挙げられる。界面活性剤については例えば「新版 界面活性剤ハンドブック(吉田 時行、新藤 信一、大垣 忠義、山中 樹好編、光学図書(株)、昭和62年発行)」に記載され
ている。更に界面活性剤として、C8F15SO2N(C2H5)(CH2O)14H、C8F17SO3Li、C7F15COONH4、C8F17SO2(C2H5)C2H4OPO(OH)2、F110、F113、F176PF、F117、F780(いずれも大日本インキ化学工業(株)製オリゴマータイプフッ素系界面活性剤)
などのフッ素系界面活性剤も好ましい
―顔料微粒子―
本発明の遮光膜には、光を吸収する性質が要求されるため、さらに顔料微粒子を含有することができる。
該顔料微粒子としては、光吸収性物質(黒色顔料、顔料、染料)が挙げられる。その例としては、好ましくは、カーボンブラック、顔料の混合物、さらにマンガン、コバルト、鉄、銅の少なくとも一種類の金属元素を含有する酸化物複合化合物などがあげられる。より好ましくはカーボンブラック、さらにマンガン、コバルト、鉄、銅の少なくとも一種類の金属元素を含有する酸化物複合化合物、最も好ましくはカーボンブラックである。カーボンブラックは、適宜表面処理して用いられる。
前記反射率は、本発明において目の感度のピーク波長付近の555nmでの反射率を用いる。
具体的な測定方法は、法線に対し5°傾いた方向から光を入射させ、法線と反対側の反射方向(角度法線に対して5°)で光の強度を計測して入射強度I0と反射強度Iの比率「(I/I0)×100(%)」より計算する。但し、基板表面の反射の影響がある場合は、予め基板を測定し、基板の反射を差し引いた値を用いる。また、金属微粒子を含有する層の反射率は、基板上に単独で形成後、基板と反対の側から測定する。
金属微粒子を含有する層の反射率は、金属微粒子同士が電子の受け渡しができる程度に接近するか、接触するほど高くなる傾向がある。例えば、小さく揃った粒径(10nm)の物は、200℃前後の比較的低い熱処理温度でも粒子同士が融着し反射率が高くなる。また大小様々な粒径の混合物(2から80nm)では、粒子同士が膜形成の段階で接近または接触し反射率が高い傾向がある。
本発明における金属微粒子を含有する層の反射率は、波長555nmにおいて、好ましくは30%から90%、より好ましくは40%から80%、最も好ましくは50%から70%である。この範囲以下では、充分な遮蔽力が得られないことがあり、この範囲以上では、金属粒子の添加量が増えすぎてフォトリソ法によるパターニングが困難となる場合がある。
本発明における遮光膜の基板側から測定した場合の、波長555nmにおける反射率が0.01〜6%であることが好ましく、明室コントラルトを高くする観点より0.1〜1.5%、特に0.7〜1.0%が好ましい。
(光吸収層)
前記遮光膜が、少なくとも2層の樹脂層からなり、該樹脂層のうち少なくとも1層が前記金属微粒子を含有する層である、該樹脂層のうち少なくとも1層が光吸収層であることが好ましい。
前記金属微粒子を含有する層(以下、「光反射層」ともいう。)が波長555nmにおける反射率が30〜90%であるとき、波長555nmにおける光吸収層の光学濃度(OD)が0.3〜3.0であることが好ましい。
本発明における光吸収層は、光吸収機能を有し、基板側から観察した時の反射を低減する役割を持つ層である。
該光吸収層を樹脂層全体の最も基板側に設けた場合は、基板−樹脂層界面での反射も抑制する。この光吸収層には、低反射黒色膜又は均質複合低反射黒色膜が用いられる。
その膜厚は均質組成膜では0.05から0.6μmが好ましく、さらに0.1から0.3μmが総膜厚の観点より好ましい。0.05μmより薄いと光吸収の効果がなくなるおそれがあり、0.6μmより厚いとカラーフィルター形成時に支障が生じる恐れがある。
また、光学濃度(OD)が0.3から3.0の範囲であり、好ましくは0.5から1.2であり、最も好ましくは0.6から1.0の範囲である。
この目的のため、本発明における光吸収層は、光吸収性物質(黒色顔料、顔料、染料)を含有することが好ましい。
該光吸収性物質の例としては、好ましくは、カーボンブラック、顔料の混合物、さらにマンガン、コバルト、鉄、銅の少なくとも一種類の金属元素を含有する酸化物複合化合物などがあげられる。より好ましくはカーボンブラック、さらにマンガン、コバルト、鉄、銅の少なくとも一種類の金属元素を含有する酸化物複合化合物、最も好ましくはカーボンブラックである。カーボンブラックは、適宜表面処理して用いられる。
本発明の光吸収層に用いられる光吸収性物質(着色材料)は、前記樹脂層中に実質的に均一に分散されていることが好ましく、5μm以下の粒径、好ましくは1μm以下の粒径である。カラーフィルターの作製に当たっては、0.5μm以下の粒径のものが特に好ましい。
好ましいブラック顔料(黒顔料)もしくは染料の例は次の通りである。モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)及びカーボンブラック、マンガンやコバルトの酸化物Mn3O4、Co3O4、や鉄、銅などの金属酸化物等が挙げられる。
これら顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、ニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル、等の公知の分散機が挙げられる。
該光吸収層の光学濃度は、光反射層濃度との兼ね合いで決まる。光吸収層は光反射層からの反射光の反射を防止させる効果と光吸収の両方の効果があるが、光吸収層は外光の吸収が2回行われるので、通常の単層膜よりも薄くてすむ利点がある。通常、光吸収層の光学濃度は3以下が好ましい。特に好ましい態様としては、金属微粒子を含有する層の金属微粒子濃度を70%以上とし、光の反射率を400nmから800nmの範囲で70%以上とさせることにより、光吸収層の光学濃度を低く設定可能となる。
本発明における光吸収層は、フォトリソなど環境負荷の小さな方法でパターン状に形成する必要があり、これに必要な樹脂成分を含有する組成物によって形成される。この樹脂成分については後述する。
なお、本発明における光吸収層を、最も基板に近い側に転写法で形成する場合は、本発明における光吸収層を形成するための転写材料が、少なくとも150℃以下の温度で軟化もしくは粘着性になることが好ましく、熱可塑性であることが好ましい。
公知の光重合性組成物を用いた層の大部分はこの性質を有するが、公知層の一部は、熱可塑性結合剤の添加あるいは相溶性の可塑剤の添加によって更に改質することができる。
―樹脂成分―
本発明における光吸収層の素材としては、公知の、例えば特開平3−282404に記載されている感光性樹脂がすべて使用できる。
具体的には、ネガ型ジアゾ樹脂とバインダーからなる感光性樹脂層、光重合性組成物、アジド化合物とバインダーとからなる感光性樹脂組成物、桂皮酸型感光性樹脂組成物等が挙げられる。その中でも特に好ましいのは光重合性樹脂である。その光重合性樹脂は光重合開始剤、光重合性モノマーまたはオリゴマー、およびバインダーを基本構成要素として含むことが好ましい。
また、ここで述べた樹脂成分は、感光性樹脂組成物を基板に直接塗布する場合にも、塗布膜が安定に基板に密着する意味で好ましい。
更に、ここで述べた樹脂成分は、本発明の金属微粒子を含有する層や補助層にも用いることができる。
光吸収層は、観察者側から見た時の反射を抑制する事が目的で形成されるから、金属微粒子を含有する層に対して観察者側に位置するよう設ける。逆に設けた場合は、この目的を達成できない。
(補助層)
本発明における補助層とは、以下に記述するいずれかの1以上の機能を有する層であり、耐衝撃性、耐薬品性、耐溶剤性の観点から、遮光画像層中に設けることが好ましい。
該遮光膜は、感光性の補助層を用いてフォトリソ的方法でパターニングして、基板上の少なくとも一部に遮光膜を形成しても良いが、金属微粒子の表面プラズモンによる吸収に、波長依存性があることを利用して、比較的光遮蔽力の弱い波長域を露光波長として利用することで、金属微粒子を含有する層そのものに光重合系を含ませフォトリソ的方法でパターニングすることが可能である。
より具体的には、たとえば365nmの吸収領域を使用する光硬化システムの場合、光反射率がその付近で低いことが要求される。銀の場合は、300nm付近の反射率が50%以下となるため、365nmの吸収領域を使用する光硬化システムに好適に用いられる。
この反射特性は金属の種類により異なるので、露光波長により金属の種類を適宜選択する。
1. 基板と、本発明における樹脂層(光吸収層)との間の密着力を増すために、この
界面に形成される層
2.基板と、本発明における樹脂層との間、または本発明における樹脂層と本発明における別の樹脂層との間、に設けられ界面での反射を防止する層
3.光反射層と光吸収層との間の密着力を増すために、この界面に設けられる層
4.本発明における樹脂層上を保護するために設けられる層
5.本発明における樹脂層をフォトリソによりパターニングするために設けられる層
本発明における補助層を用いた具体的な層構成の例としては、基板側より、光吸収層/光反射層/補助層、光吸収層/補助層/光反射層/補助層、補助層/光吸収層/光反射層/補助層などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
<転写材料>
本発明における転写材料は、仮支持体の上に少なくとも1層の転写層を有する材料である。本発明の転写材料はさらに必要に応じて、熱可塑性樹脂層、中間層、中間層、剥離層などを設けてもよい。特に熱可塑性樹脂層、中間層は転写層の転写性や感度改良に有効である。
前記転写層は、少なくとも2層の樹脂層であり、該樹脂層が少なくとも1層の金属微粒子を含有する層(光反射層)と、すくなくとも1層の光吸収層を有することが好ましい。
いかに転写材料について詳細に説明する。
(仮支持体)
前記仮支持体としては、ポリエステル、ポリスチレン等の公知の仮支持体を利用できる。中でも2軸延伸したポリエチレンテレフタレートは強度、寸法安定性、耐薬品性、コストの観点から好ましい。仮支持体の厚みは15から200μm、より好ましくは30から150μmの範囲が望ましい。厚みが大きすぎるとコスト上不利であり、厚みが小さすぎると塗布後の乾燥工程やラミネーション工程の熱により仮支持体が変形するという不都合を生じる。
また、可撓性を有し、加圧若しくは加圧及び加熱下においても著しい変形、収縮若しくは伸びを生じないことが必要である。そのような仮支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
(転写層)
本発明における転写材料の転写層は、前述の遮光膜作成用着色組成物から形成されることが好ましく、また、感光性樹脂組成物であることが好ましく、必要に応じてポリマー、モノマー、重合開始剤、重合禁止剤、界面活性剤、顔料などを添加して得られた塗布液を仮支持体に塗布して得られる。
本発明の転写層は感光性を付与したものであることが好ましい。
該転写層は、アルカリ水溶液現像可能なものと、有機溶剤で現像可能なものがあるが、安全性と現像液のコストの点で、アルカリ水溶液現像可能なものが好ましい。アルカリ水溶液現像可能な光重合性組成物は、主成分としてカルボン酸基含有のバインダーと多官能アクリルモノマーと光重合開始剤を含んでいる。
―多官能アクリルモノマー―
本発明で用いる多官能アクリルモノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類が好ましい。
―バインダー―
カルボン酸基含有バインダーとしては、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和有機酸化合物とメチルアクリレート、エチルアクリレート、ベンジルメタクリレート等の不飽和有機酸エステル化合物の共重合体が好ましい。
―光重合開始剤―
光重合開始剤としては、ハロメチルオキサジアゾール系化合物またはハロメチル−s−トリアジン系化合物を含有する組成物を挙げることができる。
―溶媒―
本発明における前記感光性樹脂組成物は、溶媒を含むことが好ましい。この溶媒としては特に制限はなく水、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プルピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等種々のものを用いることができる。
(熱可塑性樹脂層)
本発明の転写材料には熱可塑性樹脂層を設けることができる。
熱可塑性樹脂層を構成する樹脂としては、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ゴム系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂およびこれらの共重合体等をあげる事ができる。
熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル或いはそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル或いはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル及びそのケン化物の様な塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂等の有機高分子が挙げられる。
これらの樹脂は以下のように2種類(樹脂Aと樹脂B)を混合して用いる事がこのましい。樹脂Aとしては重量平均分子量が5万〜50万で、且つガラス転移温度(Tg)が0から140℃の範囲、更に好ましくは重量平均分子量が6万から20万で、且つガラス転移温度(Tg)が30から110℃の範囲の樹脂が好ましい。これらの樹脂の具体例としては、特開昭63−147159号明細書に記載されたメタクリル酸/2一エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体を挙げることができる。
樹脂Bとしては重量平均分子量が3千から3万で、且つガラス転移温度(Tg)が30から170℃の範囲、更に好ましくは重量平均分子量が4千から2万で、且つガラス転移温度(Tg)が60から140℃の範囲の樹脂が好ましい。好ましい具体例として特開平5−241340号明細書に記載のスチレン/(メタ)アクリル酸共重合体が挙げられる。
熱可塑性樹脂層を構成する樹脂Aの重量平均分子量が5万未満、又はガラス転移温度(Tg)が0℃未満では、レチキュレーションの発生や、転写中に熱可塑性樹脂が周囲にはみ出して仮支持体を汚染する。樹脂Aの重量平均分子量が50万を越え、又はガラス転移温度(Tg)が140℃を越えるとラミネート適性が低下する。
熱可塑性樹脂の厚みは1から50μm、より好ましくは2から20μmの範囲が望ましい。厚みが1μm未満であるとラミネート適性が低下し、50μmを超えるとコスト、製造適性の観点から好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂層の塗布液としてはこの層を構成する樹脂を溶解する限り特に制限なく使用でき、例えばメチルエチルケトン、n−プロパノール、i−プロパノール等を使用できる。
(中間層<酸素遮断層>)
本発明における転写材料において、熱可塑性樹脂層と転写層の間に、塗布時の両層の層混合を防止するためのアルカリ可溶な中間層(以下、「酸素遮断層」ともいう。)を設けることが好ましい。
中間層を構成する樹脂としてはアルカリ可溶であれば特に制限はない。このような樹脂の例としては、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、セルロース系樹脂、アクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ゼラチン、ビニルエーテル系樹脂、ポリアミド樹脂およびこれらの共重合体を挙げることができる。また、ポリエステルのように通常はアルカリ可溶性でない樹脂にカルボキシル基やスルホン酸基を持つモノマーを共重合してアルカリ可溶性にした樹脂も用いることができる。
これらの中で好ましいものはポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールとしては鹸化度が80%以上のものが好ましく、83から98%のものがさらに好ましい。
中間層を構成する樹脂は2種類以上を混合して使用することが好ましく、特にポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとを混合して使用することが好ましい。両者の質量比はポリビニルピロリドン/ポリビニルアルコール=1/99から75/25が好ましく、さらに好ましくは10/90から50/50の範囲内である。上記質量比が1/99未満であると中間層の面状の悪化や、中間層上に塗設する光吸収層との密着不良といった問題が生じる場合がある。また、上記質量比が75/25を超えると中間層の酸素遮断性が低下して感度が低下する場合がある。
中間層の厚みは0.1から5μmが好ましく、0.5から3μmの範囲内がさらに好ましい。上記厚みが0.1μm未満であると酸素遮断性が低下する場合があり、上記厚みが5μmを超えると現像時の中間層除去時間が増大してしまう。
中間層の塗布溶媒としては上記の樹脂を溶解することができれば特にその他の限定はないが、水を用いるのが好ましく、水に上述の水混和性有機溶剤を混合した混合溶媒も好ましい。中間層の塗布溶媒として好ましい具体例としては、次のようなものがある。水、水/メタノール=90/10、水/メタノール70/30、水/メタノール=55/45、水/エタノール=70/30、水/1−プロパノール=70/30、水/アセトン=90/10、水/メチルエチルケトン=95/5である。これらの比は質量比を表わす。
(感光性樹脂転写材料の作製方法)
本発明における感光性樹脂転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の添加剤を溶解した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を設け、その後熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤からなる中間層材料の溶液を塗布、乾燥し、その後感光性樹脂層を、中間層を溶解しない溶剤で塗布、乾燥して設けることにより作製することができる。
また、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層及び中間層を設けたシート、及び保護フィルム上に感光性樹脂層を設けたシートを用意し、中間層と感光性樹脂層が接するように相互に貼り合わせることによっても、更には、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたシート、及び保護フィルム上に感光性樹脂層及び中間層を設けたシートを用意し、熱可塑性樹脂層と中間層が接するように相互に貼り合わせることによっても、作製することができる。
(保護フィルム)
該感光性樹脂層は、貯蔵の際汚染や損傷に対して保護するために、仮支持体に相対する側に薄い被覆シートを有する事が出来る。被覆シートは仮支持体と同じかまたは類似の材料からなっても良いが、感光性樹脂層から容易に分離されねばならない。被覆シート材料としては例えばシリコーン紙、ポリオレフィンもしくはポリテトラフルオルエチレンシートが適当である。被覆シートの厚みは約5から100μmであるのが好ましい。特に好ましくは10から30μm厚のポリエチレンまたはポリプロピレンフィルムである。
(塗布、乾燥)
本発明で前記着色組成物を塗布するには、公知の塗布装置等によって行うことができる。
塗布方法としては特に制限はない。例えば特開平5−224011号公報記載のスピンコート法、特開平9-323472号公報記載のダイコート法などを用いることができる。また、例えば「コーティング工学(原崎 勇次著、朝倉書店、昭和47年発行)」に記載されている方法も用いることができる。
この中でも、本発明においては、液が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。
具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコーターが好適に用いられる。
これらのノズルやコーターにより仮支持体、または基板に、前記着色組成物を塗布することにより、仮支持体においては転写層、基板においては感光性樹脂層を形成することができる。
乾燥後の膜厚は0.2から0.9μm、より好ましくは0.3から0.6μm、最も好ましくは0.4から0.5μmの範囲が望ましい。厚みが0.2μm未満になると形成された遮光膜の遮光性が低下し、厚みが0.9μmを超えると遮光膜形成後に設ける赤、青、緑の画素の表面が平滑にならず色むらが発生する。
《遮光膜付基板の作製方法》
<転写材料を用いた遮光膜付基板の作成方法>
本発明の遮光膜付基板は、仮支持体上に転写層(遮光層)を設けた転写材料を、転写層(遮光層)が基板と接するように積層し、転写材料と基板との積層体から仮支持体を剥離し、その後遮光膜用フォトマスクを介して該感光性遮光層を露光、現像することにより得ることができる。
以下、本発明における転写材料(感光性樹脂転写材料)を基板に転写する方法について詳細に述べる。
仮支持体上の少なくとも2層の樹脂層を有する転写層を基板に転写する工程である。
転写は、転写層(光反射層及び/または光吸収層)と基板を密着させてラミネートする方法が好ましい。ラミネートは公知の方法を用いることができる。例えばラミネーター、真空ラミネーターなどを使い60から150℃程度の温度、0.2から20Pa程度の圧力、0.05から10m/分程度のライン速度の範囲で行うことができる。本発明ではラミネートの後、仮支持体を剥離することが好ましい。
(他の色の形成)
また、本発明によりカラーフィルターを形成するには、基板上に感光性樹脂層を形成し、露光して現像することを色の数だけ繰り返す方法など、公知の方法によって製造することができる。尚、必要に応じて、その境界を遮光膜で区分した構造とすることもできる。
上記の製造方法において、基板上に上記感光性樹脂層を形成する方法としては、(a)上記の各着色感光性樹脂組成物を公知の塗布装置等によって塗布する方法、及び(b)前述の感光性樹脂転写材料を用い、ラミネーターによって貼り付ける方法などが挙げられる。
―ラミネーターによる貼り付け―
前述の感光性樹脂転写材料を用い、フィルム状に形成した感光性樹脂層を、後述する基板上に加熱及び/又は加圧したローラー又は平板で圧着又は加熱圧着することによって、貼り付けることができる。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法が挙げられるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。
(基板)
本発明に使用される基板としては、例えば、透明基板が用いられ、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、或いは、プラスチックフィルム等を挙げることができる。
また、上記基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、前期着色組成物、又は感光性樹脂転写材料との密着を良好にすることができる。該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報に記載の方法が好適に用いられる。
(中間層、酸素遮断層)
本発明を実施するには、感光性樹脂層上に更に酸素遮断機能のある中間層を設けた状態で露光することができる。これにより、露光感度をアップすることができる。材料としては既に<感光性樹脂転写材料>の(中間層)の項において説明したものと同様のものが挙げられる。
(パターン露光)
本発明の遮光膜作製における露光は次のように行うことが好ましい。
露光に使用される光源は、遮光性の転写層の感光性に応じて選択される。例えば、超高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、アルゴンレーザー等の公知の光源を使用
することができる。特開平6−59119号公報に記載のように、400nm以上の波長の光透過率が2%以下である光学フィルター等を併用しても良い。
露光方法は、基板全面を1回で露光する一括露光でもよいし、基板を分割して何回かに分けて露光する分割露光でもよい。更に、レーザーを用いて基板表面をスキャンしながら行う露光方法でもよい。
(現像)
前記パターン露光後の樹脂層(転写層)を現像し、未露光部分うぃ除去する工程である。
現像液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液を使用するが、さらに、水と混和性の有機溶剤を少量添加したものを用いても良い。適当なアルカリ性物質としては、アルカリ金属水酸化物類(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ金属炭酸塩類(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属ケイ酸塩類(例、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、アルカリ金属メタケイ酸塩類(例、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類(例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド)または燐酸三ナトリウムを挙げることができる。アルカリ性物質の濃度は、0.01質量%から30質量%であり、pHは8から14が好ましい。また、必要に応じて転写層の酸化等の性質に応じて例えば、現像液のpH等を変化させて、本発明の膜状脱離による現像を行なえるように調整することができる。
上記水と混和性のある適当な有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドンを挙げることができる。水と混和性の有機溶剤の濃度は、0.1から30質量%が一般的である。
現像液には、さらに公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01から10質量%が好ましい。
現像液は、浴液としても、あるいは噴霧液としても用いることができる。転写層の未硬化部分を固形状(好ましくは膜状)で除去するには、現像液中に回転ブラシで擦るか湿潤スポンジで擦るなどの方法、あるいは現像液を噴霧した際の噴霧圧を利用する方法が好ましい。現像液の温度は、通常室温付近から40℃の範囲が好ましい。現像処理の後に水洗工程を入れることも可能である。
熱可塑性樹脂層の処理液と感光性樹脂層の現像液が同一である必要はなく、処方が異なっていても良い。
(ベーク)
現像工程の後、必要に応じて加熱処理を行ってもよい。この処理により、露光により硬化した感光性遮光膜を加熱して硬化を進め、耐溶剤性や耐アルカリ性を高めることができる。加熱方法は、現像後の基板を電気炉、乾燥器等の中で加熱する方法、赤外線ランプで加熱する方法などが挙げられる。加熱温度や加熱時間は、感光性遮光膜の組成や厚みによるが、120℃から250℃で10から300分間、より好ましくは、180から240℃で30から200分間の範囲が好ましい。
(ポスト露光)
また、現像工程の後、加熱処理をする前に、硬化促進のため露光を行ってもよい。この露光も前述の1回目の露光と同様の方法で行うことができる。
(パターニング)
本発明では、画素の形状を得ることをパターニングと呼び上記のように、感光性樹脂層の、露光、現像により行われる。このようなパターニング方法はフォトリソグラフィーまたはフォトリソと呼ぶ。
<着色組成物(感光性樹脂組成物を含む)を用いた遮光膜の製造方法>
本発明における前記着色組成物(感光性樹脂組成物を含む)を用いた遮光膜の製造方法について述べる。
まず、前記着色組成物(感光性樹脂組成物を含む)を基板上に塗布、乾燥し樹脂層を形成する、続いて、該樹脂層に露光マスクを用いて画像パターンを露光する。画像パターンの露光後の樹脂層を現像して未露光部分を除去して遮光膜を基板上に形成する。
ここで、基板、露光、現像等については、前記転写材料を用いた場合に記載した内容と同じである。また、塗布、乾燥については転写材料の作製方法における条件等を採用することができる。
本発明における着色組成物に含まれる感光性樹脂組成物は、目的に応じて種々用途に用いられるが、好適には前記遮光膜、前記遮光膜付基板、前記転写材料、後述のカラーフィルター、及び表示装置におけるBMに用いられる。
《カラーフィルター》
本発明におけるカラーフィルターは、基板上に着色層からなり、互いに異なる色を呈する2以上の画素郡を有し、該画素郡を構成する各画素は互いに前記遮光膜で隔離されていることが好ましい。
該基板は、光透過性基板であることが好ましく、前述の通りである。
該カラーフィルターは前記遮光膜付基板を用いて形成されることが好ましく、該遮光膜は前記着色組成物もしくは、前記転写材料を用いて形成されることが好ましい。
本発明におけるカラーフィルター層は、青色フィルターと、緑色フィルターと、赤色フィルターの1種以上を用いることが好ましい。3色独立発光式の場合は設けなくてよい。
<FED>
本発明の対象となるFEDとしては、その電子放出素子が電界集中効果により電子放出を行う冷陰極(フィールドエミッションアレイ)や、これに置き換わる微小電子源であるMIM構造(金属/絶縁体/金属)、MIS構造(金属/絶縁体/半導体)、MSM構造(金属/半導体/金属)微小電子源を有している電子放出素子を含む。又、1965年に「ラジオエンジニアリング エレクトロフィジックス(Radio Eng.Electron Phys.)」第10巻、1290〜1296頁」にエム・アイ・エリンソン(M.I.Elinson)らによって報告されて以来、いくつかの報告がされている電極間に微粒子を持つ平面型電子放出素子を有するFEDがあり、更に新規に開発される微小電子放出素子を有するFEDも本発明の対象とするFEDに含まれる。
また、本発明のFEDは、遮光膜及び/又はカラーフイルターを有する限り、従来公知の、或いは今後開発されるFEDの全てを包含する
本発明のFEDにおいて、ガラス基板としては、ソーダライムガラス、低膨脹ガラス(例えば、コーニング7059等)、高歪点ガラス等が使用でき、配線層は、電子放出素子に電圧を供給するもので、例えば、ITO、SnO2、ZnO:Al等の透明導電膜や、Al、Au、W、Mo、Ti、Ta、Nb、Cr、Pt等の材料から、約0.02〜200μm程度の厚みに、蒸着とフォトグラフィー、或いは印刷と焼成等の方法で形成することができる。
次に、電子放出素子の形成方法の代表的な作製方法としては、Si基板のエッチングと絶縁体、金属の堆積を組み合わせた方法や、Spindt型のような金属堆積の方法等がある。電子放出素子の形状も円錐型の他、カルデラ状や、十字型、平面型等、様々である。更に、電界集中効果を利用せず熱電子放出を行うMIM、MIS、MSM構造の微小電子源もある。これらの材料も構造により様々である。
発光基板のガラス基板の下面に、陽極及びRGBの蛍光体層を形成される。例えば、陽極は、例えば、ITO、SnO2、ZnO:Al等の透明導電膜を約0.3〜200μm程度の厚みに、蒸着とフォトグラフィー、或いは印刷と焼成等の方法で形成することができる。蛍光体層は、通常、それぞれR、G及びBに発光する蛍光体を、低温で焼成可能な樹脂バインダー(例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、アクリル樹脂等)と溶剤中に分散させ、蛍光体ペーストとしたものを塗布し、焼成することによってモザイク状に形成することができる。
電子照射によってR色に発光する蛍光体としては、Y23:Eu、Y22S:Eu、Y2SiO5:Eu、Y3Al512:Eu、ScBO3:Eu、Zn3(PO4)2:Mn、YBO3:Eu、SnO2:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、GdBO3:Eu、LuBO3:Eu等があり、B色に発光する蛍光体としては、ZnMgO、ZnGa24、ZnS:Ag、Y2SiO5:Ce、CaWO4:Pb、BaMgAl1423:Eu等があり、G色に発光する蛍光体としては、ZnO:Zn、Gd22S:Tb、ZnGa24:Mn、ZnS:Cu,Al、Zn2SiO4:Mn、BaAl1219:Mn、BaAl1219:Mn、YBO3:Tb、BaMgAl1423:Mn、LuBO3:Tb、GbBO3:Tb、ScBO3:Tb、Sr6Si33Cl4:Eu等が挙げられる。
これらの蛍光体層を縦横ともにRGBRGB・・・・の繰り返しで平面的に設け、例えば、R、G及びB色の1色の1画素のサイズは約1〜2500μm2であり、それぞれの色の蛍光体層の間隔は約2〜70μm程度である。各色とも蒸着とフォトグラフィー、電着、印刷、或いは印刷と焼成等の方法で約0.5〜200μm程度の厚みに形成される。
また、蛍光体層の形成に高温処理が要求されない場合には、遮光膜を発光基板のガラス基板の下側(蛍光体層側)に作製することができる。その際、隣り合う陽極と遮光膜との間に絶縁層を設けることが好ましい。絶縁層としては、例えば、SiO2、Al23、Ta25 等を蒸着やスパッタ法で約1〜50μm程度の厚みに形成する。勿論、絶縁層の材料は上記の例に限定されず、例えば、無色透明のガラスペーストを印刷或いはコーティング及び焼成して形成してもよい。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、特に断らない限り、「部」、「%」はそれぞれ「質量部」、「質量%」を意味する。
(実施例1)
遮光膜付基板の作製
(銀分散スラリーの製造)
ゼラチン112gに、蒸留水3,488gを添加し、そして得られた混合物を約47℃まで加熱してゼラチンを溶解した。これに、酢酸カルシウム4.0g及びホウ化水素カリウム2.0gを添加した。その直後に、蒸留水1.0Lに溶解した硝酸銀6.0gを、急速に攪拌しながら添加した。蒸留水を添加して、最終重量を5.0kgに調整した。次いで生成物をゲル化温度近くまで冷却し、そして小さな穴を通過させて冷却した水の中へ入れ、それにより非常に微細なヌードルを形成した。これらのヌードル(線状のスラリー)を、現場で青色銀を生成するための増幅触媒として供給した。便宜上及びヌードルが溶融塊を形成するのを防ぐために、水を用いてヌードルを希釈して水1対ヌードル3のヌードルスラリーを作製した。
ホウ化水素還元銀核650gに、蒸留水81gに溶解したモノスルホン酸ヒドロキノンカリウム6.5g及びKCl 0.29gを添加した。ヌードルスラリーを約6℃まで冷却した。別々の容器に、以下の2種の溶液A及びBを製造した。
A 亜硫酸ナトリウム(無水) 19.5部
重亜硫酸ナトリウム(無水) 0.98部
蒸留水 122.0部
B 硝酸銀 9.75部
蒸留水溶液 122.0部
上記A及びBを混合して、攪拌を続けると消失する白色沈殿を形成させた。次いで直ちに、この混合物を短時間で(5分間以内)急速に攪拌しながら上記ヌードルスラリーに添加した。温度を10℃に維持し、そしてすべての可溶性銀塩が核の上に還元されるまで、約80分間増幅を進行させた。得られた青色スラリー微粒子を、ナイロンメッシュバック中でスラリーを介して水道水を通過させ、そして約30分間洗浄水がバックを通過するようにして洗浄したので、すべての塩を洗い流した。
ゲルスラリーに分散させた洗浄した青色銀を、溶融した場合に1.5重量%の濃度の銀を有する青色銀分散体が得られるように、生成物の重量が412gになるまで脱水した。
(銀微粒子の作製)
上記の如くして得られた銀分散スラリー5000gに、分散剤(ラピゾールB−90、日本油脂(株)製)25gとパパイン5重量%水溶液1000gを添加し37℃で24時間保存した。
この液を2000rpmで5分間遠心分離し、銀微粒子を沈降させた。上澄み液を除いた後蒸留水で洗浄して酵素で分解されたゼラチン分解物を除去した。
次いで銀微粒子沈降物をメチルアルコールで洗浄してから乾燥させた。約85gの銀微粒子の凝集物が得られた。この凝集物73.5gとソルスパース20000(アビシア(株)製 分散剤)1.05gメチルエチルケトン16.4gを混合した。これをビーズ分散機(ジルコニアビーズ0.3mm)を用いて平均粒径100nmの銀微粒子分散液A−1を得た。
同様の方法で平均粒径90nmの銀微粒子分散液A−2を得た。
(仮支持体の作製)
厚さ75 μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、乾燥厚みが5μmになるように下記の処方Cからなる熱可塑性樹脂層塗布液を塗布し、100℃で3分間乾燥させた。
次に下記の処方Dから成る中間層塗布液を上記で作製した熱可塑性樹脂層の上に乾燥厚みが1.5μmになるように塗布し、100℃で3分間乾燥させた。
C:熱可塑性樹脂層塗布液処方
メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=54/12/5/29の共重合体(数平均分子量80000) 58部
スチレン/アクリル酸=70/30の共重合体(数平均分子量7000) 136部
BPE−500(新中村化学株製 多官能アクリレート) 90部
F780F(大日本インキ化学工業(株)製 フッ素系界面活性剤20%) 1部
メチルエチルケトン 541部
1−メトキシ−2−プロパノール 63部
メチルアルコール 111部
D:中間層(保護層)塗布液の処方
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製 PVA205) 3.0部
ポリビニルピロリドン(GAFコーポレーション(株)製 PVP−K30)1.3部
蒸留水 50.7部
メチルアルコール 45.0部
(転写材料の作製)
上記で得られた仮支持体の上に、下記Eの処方より得られる塗布液を膜厚が0.6μmになるように上記で作製した中間層の上に塗布して、100℃で3分間乾燥して、転写材料を作製した。
E:感光性樹脂層塗布液の処方
銀微粒子分散液A−1(100nm) 20.0部
銀微粒子分散液A−2(90nm) 20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 28.6部
メチルエチルケトン 37.6部
界面活性剤(F176PF(20%)) 0.2部
ヒドロキノンモノメチルエーテル 0.001部
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比=73/27、分子量30000) 2.1部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
金属微粒子の体積分率の和が0.126になるよう添加
ビス[4−[N−[4−(4、6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート 0.1部
(転写材料を用いた転写による遮光膜付基板の作製)
上記転写材料を用いて以下の方法で遮光膜付基板を作製した。
(転写)
転写材料の感光性樹脂層面を透明ガラス基板(厚さ1.1mm)にラミネーター(大成ラミネータ(株)製VP−II)を用いて加圧(0.8Pa)、加熱(130℃)して貼り合わせ、続いて仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体のみを除去した。転写材料が保護シートを有する場合は該シートを剥離した後、前記操作を行う。
(露光)
続いて、上記で得られた転写材料に、超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該感光性材料の間の距離を200μmに設定し、塗布面側から露光量70mJ/cm2でパターン露光した。該垂直に立てた状態とは、該感光材料の熱可塑性樹脂層面が、マスク側となるようにマスクと平行に垂直に立てることを意味する。
(現像)
1%トリエタノールアミン水溶液で熱可塑性樹脂及び、中間層を除去した。この際、感光性樹脂層は実質的に現像されていなかった。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、該樹脂層の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムアーチ)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。
引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、遮光膜を得た。引き続き、220℃で40分間熱処理して、遮光膜付基板を得た。
(実施例2〜5)
実施例1の銀微粒子分散液の代わりに、表1に示す銀微粒子分散液 の混合液を使用した以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例6)
実施例1の銀微粒子分散液A−2(90nm)の代わりに、塩化金酸水溶液の水面をバーナーの炎で処理して調製した金微粒子分散液 (90nm)を使用した以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例7)
実施例1の銀微粒子分散液A−2(90nm)の代わりに、パラジウム微粒子分散液(90nm)を使用した以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例8〜14)
実施例1〜7と同様の処方で、感光層塗布液、保護層塗布液(中間層塗布液の処方と同じ)を作製した。
(感光材料の作製)
ガラス基板にスピンコーターを用いて膜厚が0.6μmになるように上記の処方Eからなる感光層塗布液を塗布して100℃で5分間乾燥した。次いでこの上にスピンコーターを用いて上記の処方Dからなる保護層塗布液を乾燥膜厚が1.5μmになるように塗布して100℃で5分間乾燥した。
(感光材料を用いた液レジによる遮光膜付基板の作製)
上記で得られた感光材料に、実施例1と同様の露光、現像処理を行い、遮光膜付基板を得た。
(実施例15〜21)
実施例8〜14において保護層をつけずに、かつ露光量を70mJ/cm2から500mJ/cm2変更した以外は実施例8〜14と同様に実施した。その結果、実施例8〜14と同様な結果を得た。
(実施例22)
(コアシェル銀微粒子分散液の作製/アセトン系)
200gの銀微粒子のアセトン分散物(平均粒径30nm、濃度2.5質量%)にポリマーP−1(ビニルピロリドン/酢酸ビニル=60/40(質量比)共重合体、重量平均分子量5000)を0.95g添加して、30分間攪拌した。
次いで攪拌しながら、濃度7.2質量%の硫化ナトリウム水溶液を金属の硫化率が10%になるように添加した。硫化ナトリウム水溶液添加後、そのまま30分間攪拌を続けた。このようにして、硫化銀のシェルを持つ銀コアシェル微粒子を作製した。
なお、ここでいう「硫化率」とは、金属微粒子のうち硫化されている割合で、硫化率0%は全く硫化されていない状態、100%は粒子全体が完全に硫化物になっている状態を表す。なお、硫化ナトリウム水溶液添加時の液温は23℃であった。
これらのコアシェル微粒子について、次の方法により評価を行った。
[平均粒径測定]
微粒子100個をFE−SEM(日立(株)製F−900)で撮影した。倍率は30000倍である、各々の撮影画像において、これと等しい塩の直径を求め、これをその粒子直径とした。100個の粒子について求めた直径を平均して粒子の平均粒径(平均直径)とした。
[シェル重量比]
粒子中のシェルの重量比は、粒子中の銀とイオウのモル数から計算により求めた。両者のモル数は、ポリエチレンテレフタレート仮支持体の上に、粒子分散液をスピンコート塗布した試料を蛍光X線分析装置Type3370E(理学(株)製)を用いた蛍光X線分析で求めた。イオウと銀のモル数をそれぞれms、mAとすると、シェルのAg2Sのモル数はms、コアのAgのモル数はmA−2msになる。
従って、シェルとコアの重量比は、(ms/247.8):(mA−2ms/107.9)になる。
(感光性転写塗布液の作製)
上記で作製した銀微粒子分散液に下記の処方Fからなる添加剤を添加して、感光性転写層塗布液とした。
F:感光性塗布液の処方
微粒子分散液 159.6部
ポリマーP−2 0.19部
F780F(大日本インキ化学工業(株)製フッ素系界面活性剤20%) 0.03部
ヒドロキノンモノメチルエーテル 0.0001部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 0.19部
ビス[4−[N−[4−(4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート 0.001部
(ポリマーP−2:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=60/40(wt/wt)、数平均分子量(35000)
(転写材料を用いた転写による遮光膜付基板の作製)
実施例1と同様の方法で作製した仮支持体上に、上記Fの処方より得られる感光性塗布液を光学濃度が3.8になるようにスリットコーターを用いて塗布し、100℃で3分間乾燥し、転写材料を作製した。
続いて、実施例1と同様の方法で転写、露光、現像処理を行い、遮光膜付基板を得た。
(実施例23)
硫化率を30%に変更する以外は、実施例22と同様に実施例23を実施した。
(実施例24)
硫化率を50%に変更する以外は、実施例22と同様に実施例23を実施した。
(実施例25)
硫化率を70%に変更する以外は、実施例22と同様に実施例23を実施した。
(実施例26〜29)
銀粒子の代わりに、パラジウム微粒子(平均粒径15mm、濃度10質量%)を用いる以外は実施例22〜25と同様に実施例26〜29を実施した。
(実施例30〜37)
(感光材料の作製)
ガラス基板にスピンコーターを用いて上記の実施例22〜29と同様の処方からなる感光性塗布液を光学濃度(OD)が3.8になるように塗布し、100℃で3分間乾燥した。次いでこの上に、上記の処方Dからなる中間層塗布液を乾燥膜厚が1.5μmになるように塗布して100℃で3分間乾燥した。
(感光材料を用いた液レジによる遮光膜付基板の作製)
上記で得られた感光材料に、実施例1と同様の露光、現像処理を行い、遮光膜付基板を得た。
(実施例38)
遮光膜付基板の作製
実施例1と同様の方法で仮支持体を作製し、さらにその上に下記処方Gより得られる金属微粒子を内部に含有する層塗布液を光学濃度が3.4になるように、実施例1と同様の方法で作製した中間層の上にスリットコーターを用いて塗布し、さらにその上に下記処方Hより得られる光吸収層を光学濃度が0.6となるように塗布し、100℃で3分間乾燥した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層、酸素遮断膜、金属微粒子を含有する層と光吸収層が一体となったフィルムを作製し、その上に保護フィルム(厚さ12μmのポリプロピレンフィルム)を圧着させ、感光性樹脂転写材料とした。これを用いて露光量を300mJ/cm2に変化させた以外は、実施例1と同様の方法で、遮光膜付基板を得た。
G:金属微粒子を含有する層塗布液の処方
G−1液* 10部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(2.5%トルエン希釈溶液)0.19部
ビス[4−[N−[4−(4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート(0.2%トルエン希釈溶液)
0.1部
F780F(大日本インキ化学工業(株)製フッ素系界面活性剤20%)0.2%トルエン希釈溶液 0.14部
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=60/40(wt/wt)、数平均分子量35000、2.5%MEK希釈溶液 0.4部
*G−1液は、ステアリン酸銀を熱還元して得られた銀粒子濃度30wt%の銀粒子含有のヘプタン分散物(平均粒径30nm、分布5〜50nm、大研化学工業株式会社製NAG−09)にトルエンを4倍量加えて30分間攪拌したものである。このときのG−1液の固形分に対する金属銀の占める体積(率)は60%である。
H:光吸収層塗布液の処方
ベンジルルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比=73/27、粘度=0.12、重量平均分子量38000) 37.9部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 29.1部
ビス[4−[N−[4−(4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート 1.7部
カーボンブラック(黒色) (NIPX35、デグサ社製) 30.1部
メチルセロソルブアセテート 560部
メチルエチルケトン 280部
(実施例39)
実施例38において、光吸収層の光学濃度を1.2になるように膜厚を変更した以外は、同じ処方、工程で遮光膜付基板を作製した。
(実施例40)
実施例38において、金属微粒子を含有する層のバインダー、モノマー、開始剤を含まない処方に変更することにより、処方Gの金属体積率を90%に変更した以外は同じ処方、工程で遮光膜付基板を作製した。
(実施例41)
実施例38において、光吸収層作製における処方Hの顔料カーボンブラック(黒色)をナノテックMn酸化物(シーアイ化成株式会社製)に変更した以外は同じ処方、工程で、遮光膜付基板を作製した。
(実施例42)
実施例38において、中間層塗布液を塗布しない以外は同様の処方、工程で遮光膜付基板を作製した。
(実施例43)
実施例38において、作製された遮光膜付基板に、下記処方Iからなる補助層用塗布液を12μmポリプロピレンフィルム上にスリットコーターを用いて塗布し、光学濃度が0.6となるように膜厚を調整し、100℃で3分間乾燥した膜を、ラミネーターを用いて貼り合わせた。
これを用いて、実施例38と同様の方法で、露光、現像し、補助層付遮光膜付基板を作製した。
I:補助層用塗布液の処方
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比=73/27、粘度=0.12) 37.9部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 29.1部
ビス[4−[N−[4−(4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート 1.7部
カーボンブラック(黒色) 30.1部
メチルセロソルブアセテート 560部
メチルエチルケトン 280部
(実施例44)
実施例38において、前記実施例40の方法と同様にして、処方Gからなる光反射層の金属体積率を90%とし、光学濃度が4.4になるように膜厚を変更した以外は、同様の処方、工程で遮光膜付基板を作製した。
(実施例45)
実施例38において、処方Gの大研化学製NAG−09をAgナノメタルインクAg1T(真空冶金(株)製、30wt%、平均粒径5nm、分布2〜10nm)に変更した。また、銀層単独のベーク前は黄褐色をしており、ベーク後に銀鏡が発生するため、反射率はベーク後に測定した。それ以外は同様の処方、工程で遮光膜付基板を作製した。
(実施例46)
(感光材料の作製)
実施例38において、塗布法を変更した。ガラス基板にスリットコーターを用いて乾燥膜厚が0.2μmになるように、上記の処方Gからなる金属微粒子を含有する層塗布液を塗布して、この上に、上記の処方Hからなる光吸収層塗布液を塗布し、100℃で5分間乾燥した。次いでこの上に、上記の処方Dからなる中間層塗布液を乾燥膜厚が1.6になるように塗布して100℃で5分間乾燥した。
(感光材料を用いた液レジによる遮光膜付基板の作製)
上記で得られた感光材料に、実施例38と同様の露光、現像処理を行い、遮光膜付基板を得た。
(比較例1)
実施例1の感光層塗布液処方を下記の黒色レジスト塗布液に変えた以外は実施例1と同様にして比較例1を実施したが、ODが極端に低く、使用に耐えなかった。
黒色レジスト塗布液:
・CFP−FF−775B(C.I.PB15:6分散液
富士フイルムオーリン(株)製) 4.50部
・CFP−FF−293Y(C.I.PY139分散液
富士フイルムオーリン(株)製) 3.37部
・CFP−FF−802V(C.I.PV23分散液
富士フイルムオーリン(株)製) 4.16部
・CFP−FF−949K(カーボンブラック分散液
富士フイルムオーリン(株)製) 11.9 部
・MMPG−AC(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
18.9部
・メチルエチルケトン 52.0部
・ヒドロキノンモノメチルエーテル 0.0022部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 4.85部
・ビス〔4−〔N−〔4−(4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル〕カルバモイル〕フェニル〕セバケート 0.238部
・下記の共重合体 (メチルイソブチルケトン30重量%溶液) 0.065部
Figure 0004549126
(実施例47)
実施例1の感光層塗布液処方において銀微粒子分散液A−2の代わりに銀微粒子分散液A−5(93nm)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例47を実施したが、ブラックマトリックスの色相は青に変化し、実用使用で障害になる程度に色相のずれがあるものであった。
(実施例48)
実施例22において、硫化率を0%に変更する以外は、実施例22と同様の処方、工程で遮光膜付基板を作製した。
(実施例49)
実施例22において、硫化率を100%に変更する以外は、実施例22と同様の処方、工程で遮光膜付基板を作製した。
(実施例50)
実施例22において、銀粒子の代わりに、パラジウム粒子(平均粒径15mm、濃度10質量%)を用い、硫化率を0%に変更した以外は、実施例22と同様の処方、工程で遮光膜付基板を作製した。
(実施例51)
実施例22において、銀粒子の代わりに、パラジウム粒子(平均粒径15mm、濃度10質量%)を用い、硫化率を100%に変更した以外は、実施例22と同様の処方、工程で遮光膜付基板を作製した。
(実施例52〜55)
実施例48〜49の塗布方法を、実施例30〜37と同様の方法に変更した以外は、実施例48〜49と同様の処方で遮光膜付基板を作製した。
(比較例2)
実施例38において、金属微粒子を含有する層を作製しない以外は同様の処方、工程で遮光膜付基板を作製した。
(実施例56)
実施例38において、光吸収層を作製しない以外は同様の処方、工程で遮光膜付基板を作製した。
《評価》
上記により得られた58個のサンプル(実施例1〜56、比較例1〜2)について以下の評価を行った。結果を表1〜7に示した。
Figure 0004549126
Figure 0004549126
Figure 0004549126
Figure 0004549126
Figure 0004549126
Figure 0004549126
Figure 0004549126
<膜厚測定>
膜厚は非接触式表面粗さ計P−10(TENCOR社製)を用いて測定した。
<光学濃度測定>
膜の光学濃度は以下の方法で測定した。ガラス基板上に塗設された遮光膜の555nm光学濃度を、分光光度計(島津製作所、UV−2100)を用いて測定した(OD)。別途ガラス基板の光学濃度を同様の方法で測定した(OD0)。ODからOD0を差し引いた値を膜の光学濃度とした。
<色調測定>
試料をガラス基板側(塗布膜の形成されている面の反対側)から目視観察した。
<反射率測定>
日本分光(株)製スペクトロフォトメーターV−560と組み合わせた、日本分光(株)製絶対反射率測定装置ARV−474を用いてガラス基板側(塗布膜の形成されている面の反対側)の絶対反射率を測定した。測定角度は5度、波長は555nmである。なお、反射率の測定は、実施例45以外はベーク前後どちらでも良い。
<銀体積率測定>
銀体積は銀の比重を10.5として計算し、(銀体積/全体体積)*100=銀体積%で計算をおこなった。
(実施例57)
(カラーフィルターの作製:転写法)
実施例1と同様の方法で遮光膜付基板を作製し、これを用いて以下の方法で遮光膜付カラーフィルターを作製した。
実施例1と同様の方法で仮支持体を4枚作製し、これら仮支持体上に、下記表4の組成からなる赤色、青色、および緑色の3色の感光性樹脂層用塗布液を、それぞれ異なる仮支持体の中間層の上に塗布し、乾燥して乾燥層厚2.0μmの感光性樹脂層を形成した。
さらに上記感光性樹脂層の上にポリプロピレン(厚さ12μm)の保護シートを圧着し、赤色、青色、および緑色感光性転写材料を作製した。
この感光性転写材料を用いて、以下の方法で遮光膜付カラーフィルターを作製した。
赤色感光性転写材料の保護シートを剥離し、感光性樹脂層面を透明ガラス基板(厚さ1.1mm)にラミネーター(大成ラミネータ(株)製VP−II)を用いて加圧(0.8kg/cm2)、加熱(130℃)して貼り合わせ、続いて仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体を除去した。次に所定のフォトマスクを介して露光し、1%トリエタノールアミン水溶液で熱可塑性樹脂層及び中間層を除去した。この際、感光性樹脂層は実質的に現像されていなかった。次いで、1%炭酸ナトリウム水溶液で感光性樹脂層を現像して不要部を除去し、ガラス基板上に赤色画素パターンを形成した。次いで、赤色画素パターンが形成されたガラス基板上に、緑色感光性転写材料を上記と同様にして貼り合わせ、剥離、露光、現像を行ない、緑色画素パターンを形成した。同様の工程を青色感光性転写材料で繰り返し、遮光膜付基板上にカラーフィルターを形成した。
これらの工程において、仮支持体は熱可塑性樹脂層からの申し分の無い剥離性を示し、得られたカラーフィルターは画素の欠落がなく、下地との密着性が良好で、更に汚れも無かった。
(実施例58)
(カラーフィルターの作製:液レジ法)
実施例1と同様の方法でカラーフィルター用の遮光膜付基板を作製し、これを用いて以下の方法で遮光膜付カラーフィルターを作製した。
遮光膜付き基板上に、下記表4の処方を有する、赤色の感光性樹脂組成物を該遮光膜付き基板に塗布し、100℃、3分間で乾燥させた。
続いて、実施例1と同様の方法で露光、現像し赤色パターン画像を作製した。
更に、前記赤色の感光性樹脂組成物の代わりに、下記表4の緑色の感光性樹脂組成物を用いる以外は、前記赤色パターン画像の作製方法と同等な作業を繰り返し、前記赤色パターン画像上に緑色パターン画像を作製した。
続いて、前記赤色の感光性樹脂組成物の代わりに、下記表4の青色の感光性樹脂組成物を用いる以外は、前記赤色パターン画像の作製方法と同等な作業を繰り返し、前記緑パターン画像上に青色パターン画像を作製した。
(実施例59)
ガラス基板としては、ソーダライムガラスを用い、配線層はITOを用い、蒸着とフォトグラフィの方法で0.02μmの厚みに形成した。
次に、Si基板のエッチッグと絶縁体、金属の堆積を組み合わせた電子放出素子を形成した。発光基板のガラス基板の下面に、陽極及びRGBの蛍光体層を形成した。陽極は、ITOの透明導電膜を約0.3μm程度の厚みに蒸着法で形成した。蛍光体層は、それぞれR、G及びBに発光する蛍光体をアクリル樹脂と溶剤中に分散させ、蛍光体ペーストとしたものを塗布し、焼成することによってモザイク状に形成した。
電子照射によってR色に発光する蛍光体として(Y,Gd)BO3:Euを用い、B色に発光する蛍光体としてBaMgAl1423:Euを用い、G色に発光する蛍光体として
Zn2SiO4:Mnを用い、これらの蛍光体層を縦横ともにRGBRGB・・・・の繰り返しで平面的に設け、例えば、R、G及びB色の1色の1画素のサイズは1600μm2であり、それぞれの色の蛍光体層の間隔は15μmであった。各色とも蒸着方法で約1μm程度の厚みに形成した。
発光基板のガラス基板の上面(蛍光体層形成面とは反対側)に、実施例1〜6と同様の方法で作製した遮光膜を形成した。この時、遮光膜は、上記蛍光体層のR、G及びBの各画素の境界を被覆するように形成した。
また、蛍光体層の形成に高温処理が要求されない場合には、遮光膜を発光基板のガラス基板の下側(蛍光体層側)に作製することができた。その際、隣り合う陽極と遮光膜との間に絶縁層を設けた。
絶縁層としては、SiO2、を蒸着法で1μm程度の厚みに形成した。
この遮光膜を用いたFEDにおいては、意図しない蛍光体層からの発光色が、意図した蛍光体層の発光と混合することが防止され、表示カラー画像のコントラストが向上した。
(実施例60)
<FEDの作製>
実施例57または58で作製した遮光膜付カラーフィルターを用いて、特開平9−134686号公報に示されているようなFEDを、実施例59と同様の方法で遮光膜を遮光膜付カラーフィルターに変更して作製した。
この結果、蛍光体層から発光されるそれぞれの光中の不要の波長の光を、カラーフイルターによって吸収し、必要なそれぞれの純粋な各R、G及びB光を発光させることができるので、濁りのない高品質のカラー画像が表示できた。

Claims (5)

  1. 基板と、該基板の少なくとも一方の側の少なくとも一部に設けられた遮光膜と、を有す、フィールドエミッションディスプレイ用遮光膜付基板であって、該遮光膜が、金属微粒子を含有する樹脂層を含み、該遮光膜の555nmにおける厚さ1μmあたりの光学濃度(OD)が3から20であることを特徴とするフィールドエミッションディスプレイ用遮光膜付基板。
  2. 前記金属微粒子が、平均粒径が異なる金属微粒子を2種以上含み、かつその平均粒径の差が10nm以上であることを特徴とする請求項1に記載のフィールドエミッションディスプレイ用遮光膜付基板。
  3. 前記金属微粒子が、表面に金属化合物からなるシェルを有し、内部に金属からなるコアを有するコアシェル微粒子であることを特徴とする請求項1に記載のフィールドエミッションディスプレイ用遮光膜付基板。
  4. 前記遮光膜が、少なくとも2層の樹脂層からなり、該樹脂層のうち少なくとも1層が前記金属微粒子を含有する層であり、該樹脂層のうち少なくとも1層が光吸収層であることを特徴とする請求項1に記載のフィールドエミッションディスプレイ用遮光膜付基板。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の遮光膜付基板を用いたことを特徴とするフィールドエミッションディスプレイ。
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