JP2002296579A - 液晶装置用基板および液晶表示素子 - Google Patents

液晶装置用基板および液晶表示素子

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JP2002296579A
JP2002296579A JP2001100333A JP2001100333A JP2002296579A JP 2002296579 A JP2002296579 A JP 2002296579A JP 2001100333 A JP2001100333 A JP 2001100333A JP 2001100333 A JP2001100333 A JP 2001100333A JP 2002296579 A JP2002296579 A JP 2002296579A
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resin
liquid crystal
substrate
film
black matrix
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JP2001100333A
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English (en)
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Takayoshi Akamatsu
孝義 赤松
Manabu Kawasaki
学 川▲さき▼
Masahiro Yoshioka
正裕 吉岡
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低アルカリガラスを基板としたカラーフィルタ
ーにおいて、現像時に低アルカリガラスとの密着力の高
い樹脂ブラックマトリックスを提供することで、低アル
カリガラス上において良好なブラックマトリックスパタ
ーンを得る。 【解決手段】低アルカリガラス基板上に遮光材と樹脂を
有してなる樹脂ブラックマトリックスに酸化物が含まれ
ることを特徴とする液晶表示素子用基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低アルカリガラス
を用いた液晶表示素子用基板および該液晶表示素子用基
板を用いた液晶表示素子に関する。これらの液晶表示素
子は、画像や文字の表示や、情報処理などに用いられる
ものであり、具体的には、パソコン、ワードプロセッサ
ー、ナビゲーションシステム、液晶テレビ、ビデオ、携
帯電話などの表示画面や、液晶プロジェクター、液晶空
間変調素子などに用いられる。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は基本的には2枚の基板間
に液晶層が挟み込まれた構造を取っている。液晶表示素
子内部の液晶層が電圧印加に伴って示す電気光学応答を
利用することにより明暗が表現できる。色選択性を有す
る画素から成るカラーフィルターを用いることによりカ
ラー表示が可能である。
【0003】基板にはガラスが用いられるが、用途によ
り、3種類のガラスが使い分けられている。低アルカリ
ガラスは、アルカリガラスとともにパッシブマトリック
スと呼ばれるTNモードやSTNモードの液晶表示素子
に用いられるガラスである。アルカリイオンは液晶中に
混入して表示ムラの原因になるので、アルカリガラスで
はシリカ被覆してアルカリ溶出防止が施されるが、低ア
ルカリガラスではアルカリ溶出量が小さいので、アルカ
リ溶出防止のための被覆が不要である。一方、TFT駆
動素子を用いたアクティブマトリックスでは、駆動素子
の電気的特性に微量のアルカリが悪影響を及ぼすのでア
ルカリを含まない無アルカリガラスが用いられる。
【0004】カラーフィルターは3原色の着色膜の集ま
りを一画素として多数の画素から構成されている。そし
て、各着色膜の間には混色の防止によるコントラスト向
上や対向基板上の駆動素子の誤動作防止のためにブラッ
クマトリックスと呼ばれる遮光膜が用いられる。遮光膜
としては、クロム、ニッケルなどの金属膜を用いること
が知られている他、カーボンブラックを主成分とする遮
光材と樹脂の組成物、すなわち樹脂ブラックマトリック
スにより形成する方法が知られている。樹脂ブラックマ
トリックスはクロム、ニッケルなどの重金属を含まない
ため、対環境性の点で優れている。また、真空薄膜形成
プロセスを使用しないので、低コストである点でも優れ
ている。
【0005】樹脂ブラックマトリックスの遮光材として
は、通常カーボンブラックが使用されるが、本発明者ら
が検討したところ、無アルカリガラスやシリカコートし
たアルカリガラス上では十分な接着力があるカーボンブ
ラックを使った樹脂ブラックマトリックスであっても低
アルカリガラス上では接着力、特にキュア前でパターニ
ング時の接着力が不足し、パターニングする際に膜が脱
離しやすいことがわかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、かか
る従来技術の欠点を解決せんとするものであり、低アル
カリガラス上でも良好にパターニングされた樹脂ブラッ
クマトリックスを備えた液晶表示素子用基板を提供する
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基本的には、
以下の構成からなる。低アルカリガラス基板上に遮光材
と樹脂を有してなる樹脂ブラックマトリックスに酸化物
が含まれることを特徴とする液晶表示素子用基板。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に使用される基板は、低ア
ルカリガラスである。アルカリの含有量により、ガラス
は、アルカリガラス、低アルカリガラス、無アルカリガ
ラスに分けることができる。アルカリとは、アルカリ金
属元素であり、ナトリウム、カリウム、リチウム、ルビ
ジウム、セシウム等である。無アルカリガラスでは、R
2O(Rはアルカリ金属)で示されるアルカリ成分が重
量で0.1%未満である。アルカリガラスにおいては、
数%〜数十%含まれる。低アルカリガラスでは2%以下
である。JIS R3502で測定したアルカリ溶出量
においては、無アルカリガラスはR2Oで示されるアル
カリ成分の溶出が、ほぼ0であり、低アルカリガラスで
は0.1mg以下である。無アルカリガラスおよび低ア
ルカリガラスとしては、ホウケイ酸ガラスおよびアルミ
ノホウケイ酸塩ガラスに分類されるガラスが用いられる
が、ホウケイ酸ガラスおよびアルミノホウケイ酸塩ガラ
スに分類されるガラスの中でもアルカリ含有量に大きな
幅がある。例えば、ホウケイ酸ガラスは、SiO2、B2
3を主体とし、R2O、CaO、BaOが添加される
が、R 2O量は、0〜20%である。また、アルミノホ
ウケイ酸塩ガラスは、SiO2、Al23を主体とし、
2O、CaO、B23が添加されるが、R2O量は、0
〜20%である。
【0009】上記低アルカリガラス上に樹脂ブラックマ
トリックスが設けられる。樹脂ブラックマトリックスに
用いられる遮光材としては特に限定されるものではな
く、樹脂マトリックスとしたときに波長が430〜64
0nmでの膜厚1μmあたりのOD値が、好ましくは
1.3以上(より好ましくは1.5以上)の遮光性を有
するものである。遮光材の材質としては、カーボンブラ
ック、黒鉛、酸化チタン、四酸化鉄等の金属酸化物粉、
金属硫化物粉などが好適な例として例示できあるが、カ
ーボンブラック、酸化チタン、酸化窒化チタンがより好
ましい。なお、樹脂ブラックマトリックス中における遮
光材の含有量は好ましくは20〜90重量%(より好ま
しくは25〜80重量%、更に好ましくは30〜70重
量%)である。又、前記遮光材の形態については、微粒
子形態が好適である。
【0010】本発明に使用される遮光材粒子の一次粒子
径は100nm以下が好ましく、より好ましくは60n
m以下である。何故ならばより濃い黒色を得ることがで
きるとともに樹脂ブラックマトリックスの表面粗さを低
減して液晶配向への悪影響を抑制することができるから
である。一方、遮光材粒子の一次粒子径の下限値は特に
限定されるものではないが、10nm以上が好ましく、
15nm以上がより好ましい。何故ならば、小さすぎる
と分散が不安定になりやすく、塗布の安定性が損なわれ
たり、凝集によってかえって表面粗さが増大することが
あるからである。一次粒子径は、電子顕微鏡による算術
平均により求めることができる。
【0011】本発明では、現像液でパターニング中の樹
脂ブラックマトリックスと低アルカリガラスとの接着力
を確保し、パターンの脱離を防止するために、樹脂ブラ
ックマトリックスに酸化物が含まれることが必要であ
る。酸化物としては無機酸化物が好適な例として挙げら
れ、酸化珪素、酸化チタン、酸化窒化チタン、酸化アル
ミが好ましい。又、前記酸化物の形態については微粒子
形態が好適である。酸化物を多く含むことで現像液中で
の低アルカリガラスと樹脂ブラックマトリックスの接着
力を高めることができる理由の詳細は不明であるが、キ
ュア前においては、樹脂は下地との接着力を発現しきれ
ておらず、樹脂に分散された遮光材と下地の接着力が現
像時の樹脂ブラックマトリックスの接着力に大きな役割
を果たしているためと考えられる。さらに遮光材表面が
酸化物を多く含むことでキュア後の接着力も高めること
ができる。
【0012】前記ブラックマトリックス中における、前
記酸化物の含有量はその存在形態により大きく異なる
が、好ましくは0.2〜10重量%(より好ましくは
0.5〜8重量%、更に好ましくは1〜7重量%)であ
る。
【0013】本発明において、ブラックマトリックス中
における酸化物の存在形態については、例えば、遮光材
が酸化物である場合がある。このとき、酸化物の好適な
含有量は、前記数値範囲ではなく、遮光材の好適な含有
量と同じになる。この場合では、現像液中での低アルカ
リガラス基板と樹脂ブラックマトリックスとの接着力を
大きくできるため好ましい。また、遮光材と別個に酸化
剤を加える手間が省け、かつ、遮光材と酸化物をそれぞ
れ加えることによる樹脂の占める割合の相対的低下とい
う問題が無い点でも好ましい。
【0014】又、遮光材の表面を酸化物で被覆するとい
う場合もある。この場合も、現像液中での低アルカリガ
ラス基板と樹脂ブラックマトリックスとの接着力を大き
くできるため好ましい。遮光材と酸化物をそれぞれ別々
に最適に素材を選択することができる上に、僅かな酸化
物が有効にその役割を発揮することができる。又、遮光
材が半導体性や低アルカリガラス基板材料との電池形成
等の好ましくない性能を有する場合にはその発現を阻止
することも可能である。この場合、ブラックマトリック
ス中の酸化物の含有量は好ましくは0.5〜10重量%
(より好ましくは1〜8重量%)である。被覆形態は特
に限定されるものでは無く、例えば、遮光材粒子表面に
酸化物微粒子が付着、接着乃至は融着している物でも良
いし、遮光材粒子の表面に酸化物成分が傾斜的に含有
(遮光材粒子表面で酸化物が実質的に100%で、内部
に向かうほど酸化物含量が低減していく)していても良
いが、酸化物が膜状に遮光材の表面を被覆しているのが
好ましい。遮光材を被覆する酸化物膜は液相または気相
で形成され、表面被覆率を確保し、本発明の効果を実現
するためには平均膜厚として5nm以上の厚さであるこ
とが好ましい。また、OD値を確保するためには30n
m以下の厚さであることが好ましい。より好ましくは7
〜20nmである。気相で酸化珪素膜を形成する例とし
ては、減圧下におけるテトラメトキシシランの熱分解あ
るいはプラズマ分解を利用することができる。液相で酸
化珪素膜を形成する例としては、テトラメトキシシラン
を使ったゾルゲル反応を利用することができる。
【0015】最後に、遮光材と酸化物は異なる粒子乃至
はマトリックスとして存在する形態であるが、これは、
遮光材と別個に酸化剤を加える手間があり、かつ、遮光
材と酸化物をそれぞれ加えることによる樹脂の占める割
合の相対的低下という問題がある。
【0016】結局、酸化物遮光材を採用することあるい
は、酸化物膜で被覆された遮光材を採用することが好ま
しい。いずれの場合でも遮光材表面が酸化物を多く含む
ことが本発明の効果を得るためには好ましい。
【0017】酸化チタンは、遮光性能が高く優れてい
る。本発明の酸化チタンは、窒化チタンを含んでも良
く、TiNxOy(ただし、0≦x<1.5、0.1<
y<2)の組成で示される。このような酸化チタンは、
以下の方法で製造されるが、特にこれらに限定されるも
のではない。 (1)二酸化チタンまたは水酸化チタンをアンモニア存
在下で高温還元する方法(特開昭60−65069号公
報、特開昭61−201610号公報)。 (2)二酸化チタンまたは水酸化チタンにバナジウム化
合物を付着させ、アンモニア存在下で高温還元する方法
(特開昭61−201610号公報)。
【0018】本発明の酸化物膜で被覆された遮光材とし
ては、酸化珪素などの酸化物膜で被覆されたカーボンブ
ラックや酸化チタンがある。遮光材を酸化物膜で被覆す
ることで、現像液でパターニング中の樹脂ブラックマト
リックスと低アルカリガラスとの接着力を確保し、パタ
ーンの脱離を防止することができる他、液晶表示ムラの
原因となる顔料からのイオン性不純物の溶出を抑制する
効果や遮光材粒子の分散性を改良する効果がある。信号
配線上や液晶駆動電極上にブラックマトリックスを形成
する場合には、高抵抗のブラックマトリックスが好まし
い。黒色を呈する酸化チタンは、不完全酸化状態であ
り、電気的には半導体であるので、絶縁性の酸化物膜で
被覆された遮光材が好適に採用される。低アルカリガラ
スとの現像時の接着力を確保するためには、遮光材表面
が完全に酸化物の状態であることが好ましいが、不定形
の遮光材粒子を酸化物膜で完全に覆おうとすると、数十
nm以上の酸化物膜厚が必要であり、粒子径が10〜1
00nmである遮光材の遮光性能が著しく低下すること
がある。このため、酸化物膜で被覆する遮光材も酸化物
であることがさらに好ましい。
【0019】なお、本発明において、遮光材または酸化
物はそれぞれ、単独種であっても良いし、複数種の混合
でも良い。混合形態は、粒子毎に異なっていても良い
し、1つの粒子中で複数種が混合しているものであって
も良い。又、遮光材や酸化物以外のもの(分散剤、界面
活性剤、色調調整のための顔料、等)が混合されていて
も良いが、それが樹脂ブラックマトリックス中に占める
割合は20重量%以下であることが好ましい。
【0020】樹脂ブラックマトリックス中における樹脂
成分の含有量は、好ましくは10重量%以上である。上
限値は遮光材などの下限値により決められる。樹脂ブラ
ックマトリックスおよび後述する着色膜に用いられる樹
脂としては、特に限定されないが、エポキシ系樹脂、ア
クリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、
ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの非感光
性または感光性の材料が好ましく用いられる。
【0021】非感光性の樹脂としては、上記の各種ポリ
マーなどで現像処理が可能なものが好ましく用いられる
が、透明導電膜の製造工程や液晶表示素子の製造工程で
かかる熱に耐えられるような耐熱性を有する樹脂が好ま
しい。また、液晶表示素子の製造工程で使用される有機
溶媒への耐性を持つ樹脂が好ましく、中でもポリイミド
系樹脂が特に好ましい。
【0022】本発明で使用されるポリイミド樹脂は例え
ば、前駆体としてのポリアミック酸を加熱閉環イミド化
することによって形成される。ポリアミック酸は、通常
次の一般式(1)で表される構造単位を主成分とする。
【0023】
【化1】
【0024】ここで上記式(1)中のnは1〜4の数で
ある。R1は酸成分残基であり、R1は少なくとも2個の
炭素原子を有する3価または4価の有機基を示す。耐熱
性の面から、R1は環状炭化水素、芳香族環または芳香
族複素環を含有し、かつ炭素数6から30の3価または
4価の基が好ましい。R1の例として、フェニル基、ビ
フェニル基、ターフェニル基、ナフタレン基、ペリレン
基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルスルフォン基、
ジフェニルプロパン基、ベンゾフェノン基、ビフェニル
トリフルオロプロパン基、シクロブチル基、シクロペン
チル基などから誘導された基が挙げられるがこれに限定
されるものではない。R2は少なくとも2個の炭素原子
を有する2価の有機基を示す。耐熱性の面から、R2
環状炭化水素、芳香族環または芳香族複素環を含有し、
かつ炭素数6から30の2価の基が好ましい。R2の例
として、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、
ナフタレン基、ペリレン基、ジフェニルエーテル基、ジ
フェニルスルフォン基、ジフェニルプロパン基、ベンゾ
フェノン基、ビフェニルトリフルオロプロパン基、ジフ
ェニルメタン基、シクロヘキシルメタン基などから誘導
された基が挙げられるがこれに限定されるものではな
い。上記式(1)で表される構造単位を主成分とするポ
リマーはR1、R2がこれらの内各々1個から構成されて
いても良いし、各々2種以上から構成される共重合体で
あっても良い。
【0025】またアクリル系樹脂としては、アクリル
酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタク
リレートなどのアルキルアクリレートまたはアルキルメ
タクリレート、環状のアクリレートまたはメタクリレー
ト、ヒドロキシエチルアクリレートまたは、メタクリレ
ートなどの内から3〜5種類程度のモノマを用いて、分
子量5000〜200000程度に重合した樹脂を用い
る。
【0026】感光性の樹脂としては、光分解型樹脂、光
架橋型樹脂、光重合型樹脂などのタイプがあり、特に、
エチレン不飽和結合を有するモノマー、オリゴマーまた
はポリマーと紫外線によりラジカルを発生する光重合性
モノマや光重合開始剤とを含む感光性組成物、感光性ポ
リアミック酸組成物等が好適に用いられる。光重合性モ
ノマとしては、2官能、3官能、それ以上の多官能モノ
マがあり、2官能モノマとして、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチ
レングリコールアクリレートなどがあり、3官能モノマ
として、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒ
ドロキシエチル)イソシアネートなどがあり、それ以上
の多官能モノマとしてジトリメチロールプロパンテトラ
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタおよびヘ
キサアクリレートなどがある。また、光重合開始剤とし
ては、ベンゾフェノン、チオキサントン、イミダゾー
ル、トリアジン系などが単独もしくは混合で用いられ
る。
【0027】前記樹脂と溶媒などからなる樹脂溶液中に
遮光材粒子(必要に応じて酸化物粒子)を分散させるこ
とにより樹脂ブラックマトリックス用のペースト(以
下、黒色ペーストという、これに対して、着色膜用のペ
ーストを着色ペースト又は単に色ペーストという)を得
る。遮光材粒子を分散させる方法としては、例えば、ポ
リイミド前駆体溶液中に遮光材粒子や分散剤等を混合さ
せた後、三本ロール、サンドグラインダー、ボールミル
などの分散機中で分散させる方法などがあるが、これら
の方法に特に限定されない。また、遮光材粒子の分散性
向上、あるいは塗布性や平坦性向上のために種々の添加
剤が加えられていても良い。樹脂ブラックマトリックス
および後述する着色膜の塗液に用いる溶媒は、着色材、
遮光材、樹脂の溶解性、塗液の塗布性などの観点から選
択する。
【0028】遮光材粒子と樹脂の比は、酸化チタンまた
は酸化珪素膜で被覆された酸化チタンの場合、遮光材粒
子と樹脂が重量組成比で、90:10〜30:70の範
囲が低アルカリガラス基板に対して高い密着力を示しか
つ高いOD値を有する上で好ましい。(より好ましくは
80:20〜40:60)重量比で遮光材粒子が90%
を越えるとパターン形成性が悪くなる。また、遮光材粒
子が30%未満となるとOD値が低く、十分な遮光性を
得るために厚いブラックマトリックスとなって、液晶配
向に重要な基板の平坦性が損なわれる。
【0029】樹脂ブラックマトリックスの色度調整など
を目的として、黒色以外の顔料を添加することは、十分
なOD値を確保できる範囲で適宜許される。
【0030】樹脂ブラックマトリックスは、黒色ペース
トを基板上に塗布、乾燥した後に、パターニングして形
成される。黒色ペーストを塗布する方法としては、ディ
ップ法、ロールコーター法、スピナー法、ダイコーティ
ング法、ワイヤーバーコーティング法などが好適に用い
られ、この後、オーブンやホットプレートを用いて加熱
乾燥する。加熱乾燥条件は、使用する樹脂、溶媒、ペー
スト塗布量により異なるが、通常60〜200℃で1〜
60分である。
【0031】このようにして得られた黒色ペースト被膜
は、樹脂が非感光性の樹脂である場合は、その上にフォ
トレジスト膜を形成した後に、また、樹脂が感光性の樹
脂である場合は、そのままかあるいは酸素遮断膜を形成
した後に、露光、現像を行う。必要に応じて、ポジ形フ
ォトレジスト膜または酸素遮断膜を除去し、キュアす
る。キュア条件は、前駆体からポリイミド系樹脂を得る
場合には、塗布量により若干異なるが、200〜300
℃で1〜60分の加熱が一般的である。アクリル系樹脂
の場合には、キュア条件は、通常150〜300℃で1
〜60分の加熱が一般的である。かくして樹脂ブラック
マトリックスを得る。
【0032】また、基板上に黒色ペーストを塗布する方
法以外に、別基板上に塗布、セミキュアされた黒色膜を
加熱加圧して転写する方法(転写法)によって樹脂ブラ
ックマトリックスを形成しても良い。
【0033】本発明の樹脂ブラックマトリックスには混
色の防止、駆動素子に外光があたることにより生じる駆
動素子の誤作動の防止、駆動配線上の配向不良部分の遮
光などのため、一定以上の遮光能を付与する。反射型あ
るいは半透過型と呼ばれる液晶表示素子においては、バ
ックライトからの透過光に対しては金属薄膜の反射膜に
よる遮光性があること、外光の反射光はブラックマトリ
ックスを二回通ることなどの理由により、通常の透過型
の液晶表示の場合より遮光能は低くても良い。OD値
は、波長430〜640nmの可視光域において1.3
以上が好ましい。
【0034】樹脂ブラックマトリックスの膜厚は、上記
のOD値と液晶表示素子用基板表面の平坦性の点から選
択されるが、好ましくは0.5〜2μm、より好しくは
0.8〜1.5μmである。
【0035】樹脂ブラックマトリックス層は格子状もし
くはストライプ状に形成される。樹脂ブラックマトリッ
クス層の下に部分的に着色層などの有機物層や反射型も
しくは半透過型液晶表示素子に用いられる金属反射膜な
どが配置されても良い。あるいは、信号配線上などの上
に直接形成される部分があっても良い。
【0036】本発明のカラーフィルターは、少なくとも
基板、樹脂ブラックマトリックス、および着色膜から構
成され、カラーフィルターオンアレイと呼ばれる駆動素
子側基板にカラーフィルターを設ける配置でも有効であ
る。通常、赤、緑、青または黄、マゼンダ、シアンの三
原色の着色膜がブラックマトリックスの開口部に配置さ
れる。
【0037】着色膜用の色ペーストは着色材、前述の樹
脂と溶媒などによって形成される。着色材としては有機
顔料、無機顔料、染料を問わず着色剤全般を使用するこ
とができる。代表的な有機顔料の例をカラーインデック
ス(CI)ナンバーで示す。赤色顔料の例としてはピグ
メントレッド9、97、122、123、144、14
9、166、168、177、190、192、20
9,215、216、224、254などが挙げられ
る。緑色顔料の例としてはピグメントグリーン7、1
0、36、47などが挙げられる。青色顔料の例として
はピグメントブルー15:3、15:4、15:6、2
1、22、60、64などが挙げられる。黄色顔料の例
としてはピグメントイエロー12、13、14、17、
20、24、83、86、93、94、109、11
0、117、125、129,137、138、13
9、147、148、150、153、154、16
6、173などが挙げられる。紫色顔料の例としてはピ
グメントバイオレット19、23、29、32、33、
36、37、38などが挙げられる。橙色顔料の例とし
てはピグメントオレンジ13、31、36、38、4
0、42、43、51、55、59、61、64、65
などが挙げられる。なお、顔料は必要に応じて、ロジン
処理、酸性基処理、塩基性基処理などの表面処理が施さ
れているものを使用しても良い。
【0038】着色膜を形成する方法としては、樹脂ブラ
ックマトリックスと同様の方法が採用できる。基板上に
着色剤を含むペーストを塗布、乾燥した後に、パターニ
ングを行う。着色剤を分散または溶解させ着色ペースト
を得る方法としては、溶媒中に樹脂と着色剤を混合させ
た後、三本ロール、サンドグラインダー、ボールミルな
どの分散機中で分散させる方法などがある。
【0039】着色ペーストを塗布する方法としては、黒
色ペーストの場合と同様、ディップ法、ロールコーター
法、スピナー法、ダイコーティング法、ワイヤーバーコ
ーティング法等が好適に用いられ、この後、オーブンや
ホットプレートを用いて加熱乾燥を行う。加熱乾燥条件
は、使用する樹脂、溶媒、ペースト塗布量により異なる
が通常60〜200℃で1〜60分である。
【0040】このようにして得られた着色ペースト被膜
は、樹脂が非感光性の樹脂である場合は、その上にフォ
トレジスト膜を形成した後に、また、樹脂が感光性の樹
脂である場合は、そのままかあるいは酸素遮断膜を形成
した後に、露光、現像を行う。必要に応じて、フォトレ
ジスト膜または酸素遮断膜を除去し、キュアする。
【0041】キュア条件は、前駆体からポリイミド系樹
脂を得る場合には、塗布量により若干異なるが、200
〜300℃で1〜60分の加熱が一般的である。アクリ
ル系樹脂の場合には、キュア条件は、150〜300℃
で1〜60分加熱が一般的である。以上のプロセスによ
り、基板上にパターニングされた着色膜が形成される。
また、いわゆる転写法で着色膜を形成しても良い。
【0042】基板上に、上記のように、第1色目の着色
膜を全面にわたって形成した後に、不必要な部分をフォ
トリソグラフィー法により除去し、所望の第1色目の着
色膜のパターンを形成する。同様の操作を繰り返し、第
2色目の着色パターン、第3色目の着色パターンを形成
する。
【0043】着色膜の膜厚は、好ましくは0.5〜2.
5μm、より好ましくは0.8〜2μmである。この膜
厚が0.5μmよりも薄い場合には、着色が不十分にな
る。一方、膜厚が2.5μmよりも厚い場合には、カラ
ーフィルターの平坦性が犠牲になりやすい。現実には、
各着色膜の目標とする色を出し、かつ3色の着色膜およ
び樹脂ブラックマトリックスの段差がなるだけ小さくな
るように着色膜中の着色材料と樹脂の比率を設定するこ
とにより膜厚を一定範囲内に調整する。
【0044】着色膜の上には必要に応じて透明保護膜を
形成できる。樹脂ブラックマトリックスを採用した場
合、金属薄膜によるブラックマトリックスに比べて膜厚
が大きいので、カラーフィルターの凹凸が大きくなり、
平坦化のために透明保護膜が設けられることが多い。ま
た、透明保護膜を設けることで着色膜や樹脂ブラックマ
トリクスからの不純物の溶出を抑制することができる。
透明保護膜に用いられる樹脂としては、エポキシ系樹
脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ゼラ
チン等が好ましく用いられるが、透明導電膜の製造工程
や液晶表示素子の製造工程でかかる熱に耐えられるよう
な耐熱性を有する樹脂が好ましく、また、液晶表示素子
の製造工程で使用される有機溶媒への耐性を持つ樹脂が
好ましいことから、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂
やアクリル系樹脂が好ましく用いられる。
【0045】透明保護膜を塗布する方法としては、黒色
ペースト、着色ペーストの場合と同様、ディップ法、ロ
ールコーター法、スピナー法、ダイコーティング法、ワ
イヤーバーによる方法などが好適に用いられ、この後、
オーブンやホットプレートを用いて加熱乾燥を行う。こ
のとき、必要に応じて真空乾燥をしても良い。加熱乾燥
条件は、使用する樹脂、溶媒、ペースト塗布量により異
なるが、通常60〜200℃で1〜60分である。ま
た、キュア条件は、樹脂により異なるが、通常200〜
300℃で1〜60分である。
【0046】本発明の透明保護膜の厚さは0.02μm
から6μmであることが好ましい。0.02μmよりも
薄い場合は、ブラックマトリックスや着色膜からの不純
物の遮断性が充分でないだけでなく、平坦化も充分でな
い。画素内段差を小さくする点からは該透明保護膜が厚
い方が効果的である。該透明保護膜が6μmよりも厚い
場合は、不純物の遮断性の点では良好であるが、液晶注
入の際に気泡が残りやすかったり、該透明保護膜が乾燥
して生成したパーティクルが生産収率を低下させたりす
るので好ましくない。
【0047】着色膜を形成後、もしくは透明保護膜形成
後、必要に応じて透明導電膜が形成される。透明導電膜
としてはITOなどの酸化物薄膜が採用され、通常0.
1μm程度のITO膜がスパッタリング法などで作製さ
れる。TFTアクティブマトリックス方式では透明導電
膜は表示領域でベタ膜であるが、TFDアクティブマト
リックス方式や単純マトリックス方式ではベタの透明導
電膜形成後、ストライプ状にパターニングされる。ま
た、透明導電膜形成前に、透明保護膜との密着性改良や
透明導電膜のパターニング性改良を目的として、酸化珪
素膜などの透明無機膜を設けることは適宜許される。
【0048】上述のようにして得られた少なくとも低ア
ルカリガラス上にブラックマトリックスを備えた液晶表
示素子用基板と対向基板とをセルギャップ保持のための
スペーサーを介してシール剤で貼り合わせる。次に、シ
ール部に設けられた注入口から液晶を注入した後に、注
入口を感光性樹脂で封止して、液晶表示素子が完成す
る。
【0049】本発明の液晶表示素子用基板上に固定され
たスペーサーを形成しても良い。固定されたスペーサー
とは、特開平4−318816号公報に示されるように
液晶表示素子用基板の特定の場所に固定され、液晶表示
素子を作製した際に対向基板と接するものである。これ
により対向基板との間に、一定のギャップが保持され、
このギャップ間に液晶が注入される。固定されたスペー
サーを配することにより、液晶表示素子の製造工程にお
いて球状スペーサーを散布する工程や、シール剤内にロ
ッド状のスペーサーを混練りする工程を省略することが
できる。
【0050】固定されたスペーサーの形成は、フォトリ
ソグラフィーや印刷、電着などの方法でよって行われ
る。スペーサーを容易に設計通りの位置に形成できるの
で、フォトリソグラフィーによって形成することが好ま
しい。また、該スペーサーは赤、緑、青着色膜の作製時
に積層構造で形成しても赤、緑、青着色膜作製後に別材
料で形成しても良い。
【0051】なお、本発明において、液晶表示素子用基
板とは、ブラックマトリックスを設ける工程以降の各中
間段階の基板の何れであっても良い。
【0052】本発明の液晶表示素子用基板は、液晶表示
素子の駆動方法、表示方式にも限定されず、アクティブ
マトリックス方式、パッシブマトリックス方式、TNモ
ード、STNモード、IPSモード、VAモード、EC
Bモード、OCBモードなど種々の液晶表示素子に適用
される。また、液晶表示素子の構成、例えば偏光板の
数、散乱体の位置などにも限定されずに反射型液晶表示
素子もしくは半透過半反射型液晶表示素子に使用するこ
とができる。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき、さらに具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるもの
ではない。
【0054】実施例1 (ポリアミック酸の合成)γ−ブチロラクトン(382
5g)溶媒中で、ピロメリット酸二無水物(149.6
g)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(22
5.5g)、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン
(69.5g)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル(210.2g)、ビス−3−(アミノプロピル)テ
トラメチルシロキサン(17.4g)を60℃、3時間
反応させた後、無水マレイン酸(2.25g)を添加
し、さらに60℃、1時間反応させることによって、前
駆体であるポリアミック酸溶液(ポリマー濃度15重量
%)PA1を得た。 (黒色ペースト用分散液の作製)数平均粒径60nmの
酸化チタン(三菱マテリアル製12S)11.2g、前
記のPA1ポリアミック酸溶液18.7g、N−メチル
−2ピロリドン57.2g、3−メチル−3メトキシブ
チルアセテート12.9gをガラスビーズ100gとと
もにホモジナイザーを用いて、7000rpmで30分
間分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、黒色
ペースト用分散液Bk1を得た。 (樹脂ブラックマトリックスの形成)上述のBk1分散
液27.5gに、PA1ポリアミック酸溶液3.7g、
γ−ブチロラクトン1g、N−メチル−2−ピロリドン
6g、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート1.
8gを添加混合し、黒色ペーストを作製した。黒色ペー
スト中の酸化チタンと樹脂の重量比は70:30であっ
た。このペーストを低アルカリガラス(日本電気硝子製
BLC)上に塗布後、125℃、20分間乾燥し、ポリ
イミド前駆体黒色膜を形成した。JIS R3502に
したがって測定した該低アルカリガラスのアルカリ成分
(R2O)溶出量は、0.05mgであった。次にポジ
型フォトレジストを塗布し、90℃で10分間乾燥し
た。フォトレジストをフォトマスクを介して60mJ/
cm2 (365nmの紫外線強度)露光した。露光後、
テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの2.2
5%の水溶液からなる現像液に浸漬し、フォトレジスト
の現像、ポリイミド前駆体の黒色膜のエッチングを同時
に行った。エッチング後の黒色膜は、幅18μm、ピッ
チ100μmのストライプで、欠けや脱離がなく、良好
なパターンが得られた。フォトレジスト膜をアセトンで
剥離した後、該ポリイミド前駆体黒色着色膜を270
℃、30分間キュアしてポリイミドに転換し、樹脂ブラ
ックマトリックスを形成した。得られた樹脂ブラックマ
トリックスの厚さは0.5μmで、1μmあたりのOD
値は3.0であった。 (色画素の形成)赤、緑、青の顔料として各々ピグメン
トレッド177で示されるジアントラキノン系顔料、ピ
グメントグリーン36で示されるフタロシアニングリー
ン系顔料、ピグメントブルー15:6で示されるフタロ
シアニンブルー系顔料を用意した。ポリイミド前駆体溶
液PA1に上記顔料を各々混合分散させて、赤、緑、青
の3種類の着色ペーストを得た。
【0055】まず、樹脂ブラックマトリックスを形成し
た基板上に青ペーストを塗布し、125℃、20分間乾
燥した。この後、ポジ型フォトレジストをスピナーで塗
布後、90℃で10分間乾燥した。フォトマスクを用い
て露光後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイ
ド2.25%水溶液に基板を浸漬し揺動させながら、ポ
ジ型レフォトジストの現像および着色ペースト塗膜のエ
ッチングを同時に行い、ストライプ状の樹脂ブラックマ
トリックス間を埋めるピッチ300μmのパターンを得
た。その後、ポジ型フォトレジストをレジスト剥離液で
剥離し、さらに、270℃で30分間キュアした。青着
色膜の膜厚は0.7μmでストライプ幅方向端部を6μ
m幅でブラックマトリックスに重ねる設計とした。
【0056】基板洗浄後に、青着色膜と同様にして、厚
さ0.7μmの緑画素を形成した。さらに基板洗浄後
に、青着色膜と同様にして、厚さ0.7μmの赤画素を
形成した。 (透明保護膜および透明導電膜の作製)メチルトリメト
キシシラン4.08g、フェニルトリメトキシシラン
9.9g、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン
28.8gをγ−ブチロラクトン156.3g、3−メ
チル−3−メトキシブタノール150gに溶解し、30
℃で撹拌しながら9.12gの蒸留水を加えた後、50
℃で2時間加熱撹拌し、加水分解・縮合をおこなった。
ついで130℃に昇温してさらに縮合を進めながら生成
したアルコールと水を留去させた。この溶液を50℃に
冷却した後、撹拌しつつ3,3’,4,4’−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸2無水物24.17gを添加し
てアミック酸系ポリオルガノシロキサン溶液PSA1を
得た。
【0057】メチルトリメトキシシラン272g、フェ
ニルトリメトキシシラン396gを3−メチル−3−メ
トキシブタノール785.6gに溶解した後に、撹拌し
つつ燐酸3.34gと蒸留水216gの混合物を加え
た。得られた溶液を105℃で1時間加熱し、主として
メタノールからなる成分302gを留去させた。ついで
130℃で2時間加熱し、主としてアルコールと水から
なる成分147gを留去させた。これを室温まで冷却し
てから3−メチル−3−メトキシブタノール86gを加
えてポリオルガノシロキサン系溶液OS1を得た。
【0058】アセト酢酸エチルエステル650gと3−
メチル−3−メトキシブタノール1567gの混合液に
テトラブトキシジルコニウム383gを添加して30℃
で1時間撹拌した後、24時間放置してジルコニアキレ
ート溶液ZC1を得た。
【0059】上記の方法で得たPSA1アミック酸系ポ
リオルガノシロキサン溶液7.5gとOS1ポリオルガ
ノシロキサン溶液10gおよびZC1キレート溶液1.
5gを混合し、透明樹脂用組成物を得た。ブラックマト
リックスと3原色の着色膜が形成された基板上に該透明
樹脂を塗布し、80℃ で10分間乾燥し、次いで27
0℃ で60分間キュアして、厚さが0.2μmの透明
保護膜を形成した。
【0060】該透明保護膜が形成された基板上に、スパ
ッタリング法にて厚さが30nmの酸化珪素膜と厚さが
1.5μmのITO膜をこの順に連続形成した。フォト
リソグラフィー法にてITO膜をブラックマトリクスの
ストライプ状開口部上に残すようにパターニングした。
かくしてカラーフィルター基板を得た。 (対向基板の作製)低アルカリガラス基板上に膜厚0.
15μmのITO膜をスパッタ法にて形成した後にフォ
トリソグラフィー法により、カラーフィルター基板上の
ITOストライプとは直交するように、ストライプパタ
ーンを形成した。 (液晶表示素子の作製)上記のカラーフィルター基板上
と対向基板上にポリイミド配向剤を塗布し、80℃ で
10分間乾燥し180℃ で1時間キュアして厚さ50
nmの配向膜を得た。液晶が両基板間で270°捻れる
ように、該配向膜をレーヨン布によりラビング処理し
た。カラーフィルター基板に直径4.5μmのポリスチ
レンからなるスペーサーを散布した。一方、対向基板上
には直径4.8μmのガラスロッドを混入したエポキシ
系のシール剤をスクリーン印刷した。シール剤は樹脂ブ
ラックマトリックスで形成された額縁部分に接合される
ように配置し、液晶注入口を設けた。
【0061】カラーフィルター基板と対向基板を位置合
わせし、圧力をかけつつ加熱処理した。加熱処理は15
0℃で1時間実施され、2つの基板が固定した。次い
で、得られたセルに液晶を注入する。まずセルを減圧中
に置き充分脱気した。シール剤に設けられた液晶注入口
を液晶中に浸した後、減圧雰囲気を常圧もしくは加圧雰
囲気に変化させ、液晶をセルの中に注入した。液晶が注
入されたセルの液晶注入口を紫外線硬化樹脂で塞いだ。
ラビング方向に合わせて、基板外側に偏光フィルムを貼
り付けて液晶表示素子を得た。かくして得られた液晶表
示素子は、基板貼り合わせ後の製造工程でのシール剥が
れがなく、樹脂ブラックマトリックスとガラス基板との
密着性は良好であった。
【0062】実施例2 酸化チタン粒子(三菱マテリアル製12S)にゾルゲル
法で20nm厚の酸化珪素膜を被覆した。この酸化珪素
膜被覆酸化チタン粒子を遮光材として使用したこと以外
は、実施例1と同様にしてカラーフィルター基板を形成
した。
【0063】低アルカリガラス上の樹脂ブラックマトリ
ックスを現像後、観察したところパターンの欠落はなく
良好なストライプパターンが得られた。ブラックマトリ
クスのOD値は1μmあたり2.7であった。
【0064】得られた液晶表示素子は、基板貼り合わせ
後の製造工程でのシール剥がれがなく、樹脂ブラックマ
トリックスとガラス基板との密着性は良好であった。
【0065】実施例3 数平均粒径22nmのカーボンブラック(三菱化学製M
A100)にゾルゲル法で20nm厚の酸化珪素膜を被
覆した。この酸化珪素膜被覆カーボンブラックを遮光材
として使用したことと遮光材と樹脂の重量比率を50:
50としたこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフ
ィルター基板を形成した。
【0066】低アルカリガラス上の樹脂ブラックマトリ
ックスを現像後、観察したところパターンの欠落はなか
ったが、ストライプパターンの端部にうねりが見られパ
ターンはやや不良であった。ブラックマトリクスのOD
値は1μmあたり2.9であった。得られた液晶表示素
子は、基板貼り合わせ後の製造工程でのシール剥がれが
1.2%の割合で発生し、樹脂ブラックマトリックスと
ガラス基板密着性はやや不良であった。
【0067】比較例1 カーボンブラック(三菱化学製MA100)を遮光材と
して使用したこと以外は、実施例3と同様にしてカラー
フィルター基板を形成した。
【0068】低アルカリガラス上の樹脂ブラックマトリ
ックスを現像後、観察したところ、ストライプパターン
の端部にうねりが見られ、さらにストライプパターンが
全幅欠落している部分があった。ITOエッチングを施
して完成したカラーフィルターには、数mmの長さに渡
ってストライプパターンが欠落することがあり、接着力
が不足であった。
【0069】
【発明の効果】本発明は、低アルカリガラス基板上に主
として酸化物遮光材または酸化物膜で被覆された遮光材
からなる遮光材と樹脂を含有する樹脂ブラックマトリッ
クスを形成したことにより、低アルカリ基板上において
も現像時にパターンの欠落がなく良好なパターニングが
できる。また、キュア後の樹脂ブラックマトリックスと
ガラス基板との密着性も良好でシール剥がれがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/30 G09F 9/30 349C 9/35 9/35 Fターム(参考) 2H042 AA09 AA15 2H048 BA11 BB14 BB44 2H090 HB08X JB02 LA02 2H091 FA02Y FA35Y GA01 GA08 LA30 5C094 AA43 BA43 CA19 CA24 EB02 ED03 ED15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低アルカリガラス基板上に遮光材と樹脂を
    有してなる樹脂ブラックマトリックスに酸化物が含まれ
    ることを特徴とする液晶表示素子用基板。
  2. 【請求項2】該酸化物が該遮光材である請求項1に記載
    の液晶表示素子用基板。
  3. 【請求項3】該遮光材が該酸化物で被覆されたものであ
    る請求項1に記載の液晶表示素子用基板
  4. 【請求項4】該低アルカリガラス基板上に少なくとも着
    色膜が形成されたものである請求項1〜3のいずれかに
    記載の液晶表示素子用基板。
  5. 【請求項5】該遮光材が、酸化チタンまたは酸化物で被
    覆された酸化チタンである請求項1〜4のいずれかに記
    載の液晶表示素子用基板。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の液晶表示
    素子用基板を有してなるものである液晶表示素子。
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