JPWO2005028388A1 - 酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラス - Google Patents
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Abstract
主成分としての酸化亜鉛、アルミナ、及びシリカと、核形成剤としてのジルコニアとを含有し、主成分が、酸化亜鉛20〜30質量%、アルミナ15〜25質量%、及びシリカ50〜60質量%の比率で構成され、かつ、これらの成分全体で100質量%を占めるものであり、主成分100質量部に対して、核形成剤としてのジルコニア3〜6質量部を含有し、更に、主成分、及び核形成剤に加えて、修飾成分としての酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、五酸化二リン、酸化ニオブ、及び酸化タンタルからなる群より選択された少なくとも一種の成分を含有する酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラスである。また、反射鏡基体として酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラスを用い、この反射鏡基体の本体の内部に金属製の網状体を埋設することにより、反射鏡基体自体が破損した際にその破片の拡散防止を図ることができる。
Description
本発明は、光源ランプの光を反射させるための反射鏡用の基体(反射鏡基体)、特に、照明装置や映写機光源の反射鏡基体として好適に用いられる結晶化ガラスに関する。
OHP(Over Head Projector)、液晶プロジェクターをはじめとする映写機光源や、スポット照明等の照明装置においては、光源ランプから照射される光を反射させるための反射鏡が用いられる。このような反射鏡は、超高圧水銀灯等の光源ランプからの発熱によって高温に曝される部材であり、高い耐熱性が要求される。従って、従来は、耐熱性に優れる耐熱ガラス(例えば、パイレックス(登録商標)、コーニング社製等)を構成材料とする反射鏡基体に反射膜が形成されたものが用いられてきた。
しかしながら、近年、照明装置や映写機光源等に使用される光源ランプは高出力化、高輝度化される傾向にあり、要求される耐熱性のレベルはより一層高いものとなっている。このような背景の下、反射鏡基体の構成材料として、耐熱ガラスより更に耐熱性に優れる結晶化ガラスを用いることが試みられている。
例えば、β−スポジュメン固溶体(β−spodumene:Li2O−Al2O3−4SiO2)やβ−ユークリプタイト固溶体(β−eucryptite:Li2O−Al2O3−2SiO2)といったリチア−アルミナ−シリカ系結晶化ガラス(以下、「リチア系結晶化ガラス」と記す場合がある)を反射鏡基体の構成材料として用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、本発明者等もセルジアン(celsian:BaO−Al2O3−2SiO2)のようなバリア−アルミナ−シリカ系結晶化ガラス(以下、「バリア系結晶化ガラス」と記す場合がある)を反射鏡基体の構成材料として用いることを既に提案している(例えば、特許文献2参照)。
ところが、上記のリチア系結晶化ガラスは、熱膨張係数(JIS R1618:40〜400℃)が0×10−7〜20×10−7(/℃)程度と極めて小さく、優れた耐熱性を示すものの、融点が約1500℃以上と高いため、溶融性に劣るという問題があった。具体的には、ガラスを溶融して反射鏡基体を成形する際に、1500℃以上の高温に耐え得る特殊設備(溶融炉等)を必要とし、製造条件に制約があるという難点があった。一方、上記のバリア系結晶化ガラスは、融点が1450℃前後と低く、そのような問題は生じないものの、熱膨張係数(JIS R1618:40〜400℃)は30×10−7〜45×10−7(/℃)程度であり、耐熱性の面でなお改善の余地を残していた。
本発明は、上述のような従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、これらの結晶化ガラスとは異なる組成を有する、より高性能な結晶化ガラス、具体的には、少なくともバリア系結晶化ガラスと同等の高い耐熱性、好ましくはリチア系結晶化ガラスに匹敵する優れた耐熱性を有し、かつ、バリア系結晶化ガラスのように融点が低く、溶融性が良好な結晶化ガラスを提供するものである。
本発明者等は、上述の課題を解決するべく鋭意研究した結果、酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系の結晶化ガラスにおいて、特定の修飾成分を含有せしめることによって、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明によれば、以下の酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラスが提供される。
[1]主成分としての酸化亜鉛(ZnO)、アルミナ(Al2O3)、及びシリカ(SiO2)と、核形成剤としてのジルコニア(ZrO2)とを含有する酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系の結晶化ガラスであって、前記主成分が、酸化亜鉛20〜30質量%、アルミナ15〜25質量%、及びシリカ50〜60質量%の比率で構成され、かつ、これらの成分全体で100質量%を占めるものであり、前記主成分100質量部に対して、前記核形成剤としてのジルコニア3〜6質量部を含有し、更に、前記主成分、及び前記核形成剤に加えて、修飾成分としての酸化リチウム(Li2O)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化カリウム(K2O)、五酸化二リン(P2O5)、酸化ニオブ(Nb2O5)、及び酸化タンタル(Ta2O5)からなる群より選択された少なくとも一種の成分を含有する酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラス。
[2]前記主成分により結晶相が構成され、その主結晶相が亜鉛ペタライト(Zn−petallite)固溶体又はβ−石英(β−quartz)固溶体である前記[1]に記載の酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラス。
[3]前記主成分100質量部に対して、前記修飾成分0.2〜5.0質量部を含有する前記[1]又は[2]に記載の酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラス。
[4]前記核形成剤としてジルコニアの一部に代えて、前記核形成剤としての二酸化スズを含有し、その含有量は、前記主成分100質量部に対して0.5〜4質量部である[1]〜[3]のいずれかに記載の酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラス。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラスからなり、反射膜を配置するための凹面が形成された本体と、前記本体の内部に埋設された金属製の網状体とを備えた反射鏡基体。
[6]前記網状体が、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ステンレス鋼(SUS:Steel Use Stainless)、及びコバール(kobar)の群から選択される少なくとも一種を主たる構成成分とする金属からなるものである前記[5]に記載の反射鏡基体。
[7]前記網状体が、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、及び銅(Cu)の群から選択される少なくとも一種を主たる構成成分とする金属からなるもの、又は前記金属からなる表面被膜を有するものである前記[5]又は[6]に記載の反射鏡基体。
本発明の酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラス(以下、「酸化亜鉛系結晶化ガラス」と記す場合がある)は、少なくともバリア系結晶化ガラスと同等の高い耐熱性、条件によっては、リチア系結晶化ガラスに匹敵する優れた耐熱性を有し、かつ、バリア系結晶化ガラスのように融点が低く、溶融性が良好である。また、リチア系結晶化ガラスと比較して、高温条件下での経時的な結晶安定性に優れており、長期間高温に曝された場合でも体積収縮が極めて少ない。
[図1]本発明の酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラスにおける好ましい主成分構成比率を示す相図である。
[図2]実施例50の結晶化ガラスの熱膨張率の経時的な変化を示したグラフである。
[図3]比較例14の結晶化ガラスの熱膨張率の経時的な変化を示したグラフである。
[図4]反射鏡基体の一般的な構成を示す側面断面図である。
[図5]反射鏡基体成形用金型により、反射鏡基体を成形する工程(a)〜(f)を示す工程図である。
[図6]反射鏡基体の使用状態を示す側面断面図である。
[図7(a)]本発明の反射鏡基体の構成を示す側面断面図である。
[図7(b)]本発明の反射鏡基体の構成を示す側面断面図である。
[図7(c)]本発明の反射鏡基体の構成を示す側面断面図である。
[図8]反射鏡基体成形用金型により、本発明の反射鏡基体を成形する工程(a)〜(g)を示す工程図である。
[図2]実施例50の結晶化ガラスの熱膨張率の経時的な変化を示したグラフである。
[図3]比較例14の結晶化ガラスの熱膨張率の経時的な変化を示したグラフである。
[図4]反射鏡基体の一般的な構成を示す側面断面図である。
[図5]反射鏡基体成形用金型により、反射鏡基体を成形する工程(a)〜(f)を示す工程図である。
[図6]反射鏡基体の使用状態を示す側面断面図である。
[図7(a)]本発明の反射鏡基体の構成を示す側面断面図である。
[図7(b)]本発明の反射鏡基体の構成を示す側面断面図である。
[図7(c)]本発明の反射鏡基体の構成を示す側面断面図である。
[図8]反射鏡基体成形用金型により、本発明の反射鏡基体を成形する工程(a)〜(g)を示す工程図である。
10,50…反射鏡基体、12…凹面、14…椀状部、15…くびれ部、16…ネック部、17…本体、18…内部空間、20…貫通孔、22…反射膜、24…光源ランプ、26…固定材、28…保護板、30…反射鏡基体成形用金型、32…モールド、32a…凹部、33…キャビティ、34…コアロッド、34a…凸部35…ゴブ供給ノズル、36…リング、36a…ガイド孔、38…ゴブ、37…切断刃、52…網状体。
以下、本発明の結晶化ガラスを実施するための最良の形態について具体的に説明するが、本発明は以下の形態に限定されるものではない。
本発明の結晶化ガラスは、主成分としての酸化亜鉛、アルミナ、及びシリカと、核形成剤としてのジルコニアとを含有する酸化亜鉛系の結晶化ガラスであり、主成分としての酸化亜鉛、アルミナ、及びシリカの構成比率、並びに核形成剤としてのジルコニアの含有量を所定の値に制御し、更に、主成分、及び核形成剤に加えて、特定の修飾成分を含有せしめたものである。
(1)主成分
本発明の結晶化ガラスは、主成分としての酸化亜鉛、アルミナ、及びシリカを含有する。このような系の結晶化ガラスは、熱膨張率が小さく、優れた耐熱性を示すことを期待できる。
本発明の結晶化ガラスは、主成分としての酸化亜鉛、アルミナ、及びシリカを含有する。このような系の結晶化ガラスは、熱膨張率が小さく、優れた耐熱性を示すことを期待できる。
酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラスにおいては、主成分としての酸化亜鉛、アルミナ、及びシリカによって結晶相が構成される。その結晶相としては、亜鉛ペタライト(Zn−petallite:ZnO・Al2O3・3SiO2、ZnO・2SiO2、ZnO・Al2O3・8SiO2の混合物)固溶体、β−石英(β−quartz:SiO2)固溶体、ガーナイト(gahnite:ZnO・Al2O3)、ウィリマイト(willemite:2ZnO・SiO2)等があるが、亜鉛ペタライト固溶体、β−石英固溶体、ウィリマイトの熱膨張率が比較的小さいのに対し、ガーナイトの熱膨張率は著しく大きい。
従って、本発明の結晶化ガラスは、その結晶相として、可能な限りガーナイトを含まないことが好ましく、実質的にガーナイトを含まないこと(実質的にガーナイトを0質量%含むこと)が更に好ましく、その主結晶相が亜鉛ペタライト固溶体又はβ−石英固溶体であることが特に好ましい。なお、本発明において「主結晶相」というときは、室温(25℃)において粉末X線回折装置(例えば、商品名:RINT2500、理学電機(株)製)により測定される回折X線のピーク強度が最も強い結晶相を意味するものとする。
酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系の結晶化ガラスにおいて、亜鉛ペタライト固溶体又はβ−石英固溶体を特異的に形成させるためには、主成分として含有される酸化亜鉛、アルミナ、及びシリカの構成比率(以下、「主成分構成比率」と記す)を所定の値に制御することが必要である。具体的には、図1に示す相図の斜線部分、即ち、主成分が、酸化亜鉛20〜30質量%、アルミナ15〜25質量%、及びシリカ50〜60質量%の比率で構成され、かつ、これらの成分全体で100質量%を占めるという限定された構成比率において、亜鉛ペタライト固溶体又はβ−石英固溶体が特異的に形成される。
表2は、図1の相図における記号(I)〜(VII)で示される主成分構成比率を有する酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラスについて、その結晶相、及び熱膨張係数を評価した結果を示す表である。具体的には、図1の記号(I)〜(VII)で示される主成分構成比率を有し、更に、表1に示す量の核形成剤(ジルコニア)、及びガラス清澄剤(酸化アンチモン(Sb2O3))を含有し、修飾成分を含有しない酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラスを実際に製造し(参考例1〜7)、それらの結晶化ガラスにつき、室温(25℃)において粉末X線回折装置により測定される回折X線のピークパターンに基づいて結晶相を、JIS R1618に記載の方法に準拠して熱膨張係数(平均線熱膨張係数)を各々評価した結果を示したものである。
具体的には、結晶相は、粉末X線回折装置として、回転対陰極型ターゲット(Cu)、及びグラファイトモノクロメータを有する粉末X線回折装置(商品名:RINT2500、理学電機(株)製)を用い、X線源CuKα線、管電圧50kV、管電流30mA、回折角2θ=10°〜40°の条件の下、室温(25℃)において結晶化ガラスの回折ピークを測定することにより評価した。測定される回折X線のピーク強度が最も強い結晶相をその結晶化ガラスの主結晶相とした。
また、熱膨張係数は、結晶化ガラスから3mm×3mm×20mmの測定サンプルを切り出し、JIS R1618に記載の方法に準拠して、40〜400℃、40〜600℃、40〜800℃の3つの温度範囲で測定した。更に、耐熱性の評価としては、40〜400℃における熱膨張係数が、リチア系結晶化ガラスと同等以下(20×10−7(/℃)以下)の結晶化ガラスが得られた場合を「○」、バリア系結晶化ガラスと同等以下(45×10−7(/℃)以下)の結晶化ガラスが得られた場合を「△」、バリア系結晶化ガラスより大きい(45×10−7(/℃)超)結晶化ガラスしか得られなかった場合を「×」として表記した。
表2に示すように、図1の記号(I)〜(VII)で示される主成分構成比率を有する酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラスは、いずれもその主結晶相が亜鉛ペタライト固溶体又はβ−石英固溶体であり、その熱膨張係数は、少なくともバリア系結晶化ガラス(30×10−7〜45×10−7(/℃))と同等以下であり、主成分構成比率や結晶化温度等を適切な条件に設定したものについては、リチア系結晶化ガラス(0×10−7〜20×10−7(/℃))に匹敵する極めて小さい値を示した。
このように、主成分が、酸化亜鉛20〜30質量%、アルミナ15〜25質量%、及びシリカ50〜60質量%の比率で構成され、かつ、これらの成分全体で100質量%を占める酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラスは、その主結晶相が亜鉛ペタライト固溶体又はβ−石英固溶体であるため、いずれも熱膨張率が小さく、優れた耐熱性を示すものであるが、中でも参考例1又は参考例3で採用した主成分構成比率を有する結晶化ガラスが好ましい。これらの主成分構成比率を有する結晶化ガラスは、リチア系結晶化ガラスに匹敵する極めて小さい熱膨張率を有し、優れた耐熱性を示すことに加え、白濁の少ない半透明のガラスであり、赤外光を容易に透過するために、反射鏡基体とした際に蓄熱による内部温度の上昇が起こり難く、更には、結晶化温度等の製造条件に拘らず、安定的に熱膨張率の小さい結晶化ガラスを得られる点において好ましい。また、反射鏡基体とした際に、蒸着される反射材との熱膨張率差を小さくでき、反射材にクラックが発生する事態を有効に防止することができる点において、参考例1で採用した主成分構成比率を有する結晶化ガラスが特に好ましい。
なお、参考例1又は参考例3で採用した主成分構成比率を有する結晶化ガラスと比較すると、参考例5で採用した主成分構成比率を有する結晶化ガラスは、ガーナイトの形成が惹起され易いことに起因して、やや熱膨張率が大きく、耐熱性にやや劣り、参考例2又は参考例4で採用した主成分構成比率を有する結晶化ガラスは、ガラスが白濁した白色不透明のガラスであり、赤外光を吸収するために、反射鏡基体とした際に蓄熱による内部温度の上昇が起こり易いことに加え、外観検査の際に内部欠陥等の不良を発見し難いという不具合が生じるおそれがあり、参考例6又は参考例7で採用した主成分構成比率を有する結晶化ガラスは、結晶化温度等の製造条件によっては熱膨張率が大きく変動したり、結晶化が確実に進行しないおそれがある。
但し、これらの主成分構成比率を有する結晶化ガラスについても、少なくともバリア系結晶化ガラスと同等以下の熱膨張率を有し、優れた耐熱性を示すことはいうまでもない。なお、ここに示されるような、主成分が、酸化亜鉛20〜30質量%、アルミナ15〜25質量%、及びシリカ50〜60質量%の比率で構成された結晶化ガラスであっても、後述する修飾成分を含有しないものについては、耐熱性は良好である一方で、融点が高く溶融性が十分ではないという結果が得られている。このような結晶化ガラスは成形性が悪化するという点において問題がある。従って、本発明の結晶化ガラスは、後述する特定の修飾成分を含有することが必須の条件となる。
(2)核形成剤
本発明の結晶化ガラスは、核形成剤としてのジルコニアを含有する。本明細書において「核形成剤」というときは、結晶化ガラスにおいて微細ガラス結晶の析出を促進するための物質を意味する。
本発明の結晶化ガラスは、核形成剤としてのジルコニアを含有する。本明細書において「核形成剤」というときは、結晶化ガラスにおいて微細ガラス結晶の析出を促進するための物質を意味する。
通常、結晶化ガラスの核形成剤としては、チタニア(TiO2)等が含有されるが、本発明の結晶化ガラスにおける核形成剤はジルコニアを含有していなければならない。核形成剤としてチタニアを含有する結晶化ガラスは、熱膨張率が著しく大きいガーナイトの形成が惹起され易いため、結晶化ガラス自体の熱膨張率も大きくなる傾向があり、耐熱性に劣る場合がある。核形成剤としてジルコニアを含有する結晶化ガラスは、このような不具合が生じ難い点において好ましい。
核形成剤としてのジルコニアは、主成分100質量部に対して、3〜6質量部含有されていることが必要である。含有量が上記範囲未満の場合には、ジルコニアが核形成剤としての効果を発揮しなくなり、ガラスの結晶化が不十分となるおそれがある点において好ましくなく、上記範囲を超えると、結晶化に先立って核形成剤を溶融させる際に、その溶融が困難になるというおそれがある点において好ましくない。
なお、本発明の結晶化ガラスは、主成分、核形成剤、修飾成分を所定の比率で混合してガラス原料を調製し、そのガラス原料を溶融して溶融ガラスとした後、所望の形状に成形し、熱処理(結晶化処理)を行うことにより、反射鏡基体とすることができるが、ガラス原料の溶融・成形の際に、ごく稀に核形成剤としてのジルコニアの再結晶に起因する失透現象や成形体の表面粗さの増大が認められる場合がある。
上記の現象が発生する頻度はさほど多くはない。しかしながら、失透現象は結晶化ガラスを不均質化させるおそれがあり、成形体の表面粗さの増大は反射鏡の反射特性を低下させるおそれがあるため、可能な限り抑制することが好ましい。
そこで、本発明者等が鋭意検討した結果、核形成剤としてのジルコニアの一部に代えて、核形成剤としての二酸化スズ(SnO2)を含有せしめることが、ガラス原料の溶融・成形の段階におけるジルコニアの再結晶、ひいては失透現象や成形体の表面粗さの増大を抑制するために有効であることを見出した。即ち、本発明の結晶化ガラスは、核形成剤としてのジルコニアの一部に代えて、核形成剤としての二酸化スズを含有するものであること、要すれば、核形成剤としてジルコニアと二酸化スズの双方を含有し、これらの総量として、主成分100質量部に対して3〜6質量部を含有するものが好ましい。
核形成剤としてジルコニアのみを含有する結晶化ガラスにおいて、ガラス原料の溶融・成形の段階におけるジルコニアの再結晶を抑制するためには、核形成剤としてのジルコニアの含有量を主成分100質量部に対して3質量部以下とすることが有効である。但し、このような結晶化ガラスは核形成剤の含有量が少ないことに起因して結晶核の形成が不十分となり易く、結晶性に劣る場合がある。
一方、核形成剤としてのジルコニアの一部に代えて、核形成剤としての二酸化スズを含有する結晶化ガラスは、良好な結晶性を維持したまま、ガラス原料の溶融・成形の段階におけるジルコニアの再結晶を抑制することが可能であることに加え、ガラスの溶融温度を低下させ、溶融性を向上させることができる点において好ましい。
核形成剤としての二酸化スズは、主成分100質量部に対して、0.5〜4質量部含有されていることが好ましく、0.5〜2質量部含有されていることが更に好ましい。含有量が上記範囲未満の場合には、二酸化スズによるジルコニアの再結晶を抑制する効果を享受できなくなるおそれがある点において好ましくなく、上記範囲を超えると、二酸化スズ自体が再結晶し易くなり、ジルコニアの場合と同様に、失透現象や成形体の表面粗さの増大が発生するおそれがある点において好ましくない。
なお、核形成剤のジルコニアの全部に代えて、核形成剤としての二酸化スズを含有せしめた場合(即ち、核形成剤として二酸化スズのみを含有せしめた場合)にもガラス原料の溶融・成形の段階における失透現象や成形体の表面粗さの増大を回避することができる場合がある。但し、ガーナイト(熱膨張率が著しく大きい)、ウィリマイト(亜鉛ペタライト固溶体やβ−石英固溶体と比較して熱膨張率が大きい)の形成が惹起され得るため、結晶化ガラス自体の熱膨張率が大きくなり、耐熱性に劣る場合がある。
核形成剤として二酸化スズを含む結晶化ガラスにおいては、核形成剤としてのジルコニアは、主成分100質量部に対して2〜3質量部含有されていることが好ましい。このような含有量とすることにより、良好な結晶性を維持したまま、ガラス原料の溶融・成形の段階におけるジルコニアの再結晶を抑制することができる。
以上のことを勘案すると、本発明の結晶化ガラスにおいては、主成分100質量部に対して、核形成剤としてのジルコニアを3質量部、二酸化スズを2質量部含有するものが最も好ましい。このような結晶化ガラスは、良好な結晶性を維持したまま、ガラス原料の溶融・成形の段階におけるジルコニアの再結晶を効果的に抑制することができるのは勿論のこと、その主結晶相を亜鉛ペタライト固溶体又はβ−石英固溶体とすることができるため、熱膨張率が小さく、リチア系結晶化ガラスに匹敵する優れた耐熱性を示す。
(3)修飾成分
本発明の結晶化ガラスは、修飾成分としての酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、五酸化二リン、酸化ニオブ、及び酸化タンタルからなる群より選択された少なくとも一種の成分を含有する。本明細書において「修飾成分」というときは、主成分によって構成される結晶構造中の非架橋酸素と静電的に結合し、ガラスの種々の物性に影響を与える物質を意味する。
本発明の結晶化ガラスは、修飾成分としての酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、五酸化二リン、酸化ニオブ、及び酸化タンタルからなる群より選択された少なくとも一種の成分を含有する。本明細書において「修飾成分」というときは、主成分によって構成される結晶構造中の非架橋酸素と静電的に結合し、ガラスの種々の物性に影響を与える物質を意味する。
通常、結晶化ガラスの修飾成分としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等)の酸化物、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等)の酸化物、遷移金属(イットリウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン等)の酸化物、非金属(ホウ素、リン等)の酸化物の他、酸化ビスマス(Bi2O3)等が含有されるが、本発明の結晶化ガラスにおいては、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、五酸化二リン、酸化ニオブ、及び酸化タンタルからなる群より選択された少なくとも一種の成分(以下、「6成分」と略記する場合がある)を修飾成分として含有している必要がある。
修飾成分として上記6成分のうちの少なくとも一種の成分を含有する結晶化ガラスは、上記6成分を含有しない結晶化ガラスと比較して、熱膨張率がより安定し、耐熱性に一層優れる他、溶融性も良好であり、ガラスの成形性に優れる。中でも酸化リチウムを修飾成分として含有する結晶化ガラスは、特に融点が低く(1450〜1500℃程度)、ガラスの溶融性が良好であるため、ガラスを溶融して反射鏡基体を成形するに際し、1500℃以上の高温に耐え得る特殊設備(溶融炉等)は不要であり、製造条件に関する制約が少ない。即ち、極めて簡便に反射鏡基体を製造することが可能である。また、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムというアルカリ金属の酸化物を修飾成分として含有する結晶化ガラスは、五酸化二リンを修飾成分として含有する結晶化ガラスと比較して、結晶性が良好である。更に、酸化ニオブ、酸化タンタルを含有する結晶化ガラスは、溶融性が良好であることに加え、結晶化温度が低く、結晶性も良好である。
修飾成分としての上記6成分は、上記6成分の総量として、主成分100質量部に対して、0.2〜5.0質量部含有されていることが好ましく、0.5〜4.6質量部含有されていることが更に好ましい。含有量が上記範囲未満の場合には、修飾成分としての効果を発揮しなくなるおそれがある点において好ましくなく、上記範囲を超えると、熱膨張率が大きくなるというおそれがある点において好ましくない。
酸化リチウムの好ましい含有量は、主成分100質量部に対して、0.3〜0.75質量部である。含有量が上記範囲未満の場合には、酸化リチウムによるガラスの溶融性向上効果を享受できなくなるおそれがある点において好ましくない。
五酸化二リンの好ましい含有量は、主成分100質量部に対して、1〜3質量部である。含有量が上記範囲未満の場合には、五酸化二リンによるガラスの溶融性向上効果を享受できなくなるおそれがある点において好ましくなく、上記範囲を超えると、ガラスの結晶性が低いために、結晶化が不十分となるおそれがある点において好ましくない。
酸化ナトリウムの好ましい含有量は、主成分100質量部に対して、0.4〜1質量部である。含有量が上記範囲未満の場合には、酸化ナトリウムによる結晶性向上効果を享受できなくなるおそれがある点において好ましくない。
酸化カリウムの好ましい含有量は、主成分100質量部に対して、0.5〜1.5質量部である。含有量が上記範囲未満の場合には、酸化カリウムによる結晶性向上効果を享受できなくなるおそれがある点において好ましくない。
酸化ニオブの好ましい含有量は、主成分100質量部に対して、0.1〜0.5質量部である。含有量が上記範囲未満の場合には、酸化ニオブによる溶融性改善、結晶化温度低減、結晶性向上効果を享受できなくなるおそれがある点において好ましくない。
酸化タンタルの好ましい含有量は、主成分100質量部に対して、0.1〜0.5質量部である。含有量が上記範囲未満の場合には、酸化タンタルによる溶融性改善、結晶化温度低減、結晶性向上効果を享受できなくなるおそれがある点において好ましくない。
本発明の結晶化ガラスは、修飾成分として上記6成分のうちの少なくとも一種の成分を含有する限りにおいて、他の修飾成分を含有するものであってもよい。例えば、修飾成分として主成分100質量部に対して、0.1〜0.5質量部程度の酸化バナジウム(V2O5)、又は酸化モリブデン(MoO3)を含有せしめることは好ましい。但し、他の修飾成分の含有量は、本発明の結晶化ガラスが有する好ましい効果、即ち、少なくともバリア系結晶化ガラスと同等以下の熱膨張率を有し、優れた耐熱性を示すという効果を阻害しない範囲に制限されるべきである。
なお、本発明の結晶化ガラスにおいて重要な点は、通常は結晶化ガラスの修飾成分として好適に用いられるアルカリ土類金属の酸化物(酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO))、酸化ホウ素(B2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ビスマス(Bi2O3)を含有せしめると、却って耐熱性の向上効果が減殺される点にある。修飾成分としてこれらの成分を含有せしめると、熱膨張率の高い結晶相(ガーナイトやスピネル(MgO・Al2O3)等)の形成が惹起され易くなるため、熱膨張率が大きくなり、耐熱性が低下することによる。中でも、酸化ホウ素を修飾成分として含む結晶化ガラスは、熱膨張率の増大、耐熱性の低下がより顕著である。従って、本発明の結晶化ガラスにおいては、少なくとも修飾成分としての酸化ホウ素を実質的に含有しないこと(修飾成分としての酸化ホウ素を実質的に0質量%含有すること)が好ましい。
(4)添加剤
本発明の結晶化ガラスは、主成分、核形成剤、修飾成分の他、目的に応じて添加剤を含有せしめてもよい。例えば、ガラス清澄剤として、主成分100質量部に対して、0.5質量部程度の酸化アンチモン(Sb2O3)を含有せしめることは、ガラス溶融の際の気泡の発生量を減少させ、ガラス内に気泡を残り難くするという効果を享受できる点において好ましい。
本発明の結晶化ガラスは、主成分、核形成剤、修飾成分の他、目的に応じて添加剤を含有せしめてもよい。例えば、ガラス清澄剤として、主成分100質量部に対して、0.5質量部程度の酸化アンチモン(Sb2O3)を含有せしめることは、ガラス溶融の際の気泡の発生量を減少させ、ガラス内に気泡を残り難くするという効果を享受できる点において好ましい。
(5)結晶化ガラス
本発明の結晶化ガラスは、上述した主成分、核形成剤、修飾成分を所定の比率で混合してガラス原料を調製し、そのガラス原料を溶融してガラスとした後、800〜900℃程度の高温で2〜4時間程度、熱処理(結晶化処理)を行うことによって得ることができる。
本発明の結晶化ガラスは、上述した主成分、核形成剤、修飾成分を所定の比率で混合してガラス原料を調製し、そのガラス原料を溶融してガラスとした後、800〜900℃程度の高温で2〜4時間程度、熱処理(結晶化処理)を行うことによって得ることができる。
また、上述した主成分、核形成剤、修飾成分に代えて、加熱によりこれらの成分に変換される得る前駆体(例えば、炭酸塩、硝酸塩等)を用い、これらを酸化物換算で所定の比率となるように混合してガラス原料を調製し、そのガラス原料を溶融してガラスとした後、同様の条件で熱処理(結晶化処理)を行うことによっても得ることができる。
処理温度・処理時間が上記範囲未満の場合には、ガラスの結晶化が十分に進行せず、その結晶化度が低下するおそれがある点において好ましくなく、上記範囲を超える場合には、熱膨張率の高い結晶相(ガーナイトやウィリマイト等)の形成が惹起され易くなるため、ガラスの熱膨張率が大きくなり、耐熱性が低下するおそれがある点において好ましくない。
上記のようにして得られる本発明の結晶化ガラスは、高い耐熱性を有し、かつ、融点が低く、溶融性が良好であることに加え、高温条件下での経時的な結晶安定性に優れており、長期間高温に曝された場合でも体積収縮が極めて少ないという特徴的な物性を示す。
図2は、本発明の結晶化ガラスを600℃、650℃、700℃、750℃の高温条件下で各々20時間保持し、この際測定した体積膨張率の経時的な変化を示したグラフである。この図2に示すように、本発明の結晶化ガラスは、ガラスの温度が保持温度に達するまではその温度上昇に伴って膨張率が上昇(体積が膨張)しているが、ガラスの温度が保持温度に達した後においては略一定の膨張率(体積)を維持しており、20時間を経過してもその膨張率(体積)は殆ど変化しなかった。
これに対し、リチア系結晶化ガラスについて同様の試験を行ったところ、図3に示すように、ガラスの温度が保持温度に達し、その膨張率(体積)が極大値に至った後、一転、膨張率が低下(体積が減少)するという挙動を示した。そして、この挙動は保持温度が高温となるほど顕著となる傾向があった。即ち、リチア系結晶化ガラスは、長時間高温に曝されると体積収縮を起こすことになる。
リチア系結晶化ガラスがこのような挙動を示す原因は、高温条件下で保持されることにより、経時的に結晶相が変化することにある。具体的には、i)結晶粒成長による密度上昇(体積収縮)、ii)β−ユークリプタイト固溶体(熱膨張係数≦0)からβ−スポジュメン固溶体(熱膨張係数≧0)への結晶相の変化、等が原因として挙げられる。即ち、リチア系結晶化ガラスは、高温条件下における経時的な結晶安定性が不十分であるために、長時間高温に曝されると体積収縮を起こしてしまうのである。
従って、リチア系結晶化ガラスにより反射鏡基体を構成した場合には、長期間の使用により結晶粒成長が進行し体積収縮が起こるため、反射鏡基体の形状が変化するおそれがある。このような形状変化は、反射特性の低下や集光点のズレを招来するため好ましくない。
本発明の結晶化ガラスは、リチア系結晶化ガラスとは異なり、上記のような不具合が少ないため、600℃以上の高温条件下、5000〜10000時間といった長期間の使用に耐え得る耐久性を要求される反射鏡基体の構成材料として好ましいものである。近年、照明装置や映写機光源等に使用される光源ランプが高出力化、高輝度化され、反射鏡基体がより高い温度に曝される傾向にあることも考慮すれば、本発明の結晶化ガラスが非常に有用な材料であることはいうまでもない。
(6)反射鏡基体
既に述べたように、本発明の結晶化ガラスは、光源ランプの光を反射させるための反射鏡を構成する反射鏡基体、特に、照明装置や映写機光源の反射鏡基体の構成材料として好適に用いることができるものである。
既に述べたように、本発明の結晶化ガラスは、光源ランプの光を反射させるための反射鏡を構成する反射鏡基体、特に、照明装置や映写機光源の反射鏡基体の構成材料として好適に用いることができるものである。
反射鏡基体は、反射膜を配置するための凹面が形成された部材である。凹面は、反射膜を配置した際に、所望の反射特性が得られる限り、その形状に特に制限はない。通常は、回転二次曲面(例えば、放物曲面や楕円曲面等)に構成することが多く、中でも、反射光の集光効率に優れる楕円曲面に構成することが好ましい。
上記凹面以外の部分の構成については特に限定はなく、目的に応じて種々の構成のものが用いられるが、一般的な構成としては、図4に示す反射鏡基体10のような構成が挙げられる。図4に示す反射鏡基体10は、椀状部14と、ネック部16という2つの部分から構成されている。そして、椀状部14とネック部16との境界部はくびれ形状となっており、くびれ部15が形成されている。椀状部14には、反射膜を配置するための凹面12が形成されており、ネック部16は凹面12の底部側に椀状部14と連続するように付設されている。また、椀状部14には、凹面12によって区画された内部空間18が形成されており、ネック部16には、その内部を貫通し、椀状部14の内部空間18に開孔する光源ランプ配設用の貫通孔20が形成されている。
上記のような反射鏡基体は、例えば、ガラス原料を高温で溶融させてなる溶融ガラス塊(「ゴブ」と称される)を、金型を用いてプレス成形する方法により製造することができる。
反射鏡基体を成形するために用いられる金型としては、例えば、図5に示すような、反射鏡基体31の外部形状と相補的な形状の凹部32aを有するモールド32と、反射鏡基体31の内部空間と相補的な形状の凸部34aを有するコアロッド34と、コアロッド34をモールド32の凹部32aに案内するガイド孔36aを有するリング36とを備え、モールド32、コアロッド34、及びリング36が一体となって、反射鏡基体31を成形するキャビティ33が形成されるように構成された反射鏡基体成形用金型30が用いられる。
上記のような反射鏡基体成形用金型30を用いると、以下に示すような方法により反射鏡基体を成形することができる。まず、ゴブ供給ノズル35からゴブ38を供給し(図中(a))、そのゴブ38を切断刃37を用いて切断することにより、モールド32の凹部32aに一定量のゴブ38を注入する(図中(b))。
次いで、モールド32の上端面にリング36を載置し、コアロッド34をリング36のガイド孔36aに緩挿した後、コアロッド34を下方に向かって押圧する(図中(c)〜(e))。こうすることにより、コアロッド34がモールド32の凹部32aに案内されるとともに、モールド32、コアロッド34、及びリング36が一体となって、反射鏡基体31を成形するキャビティ33が形成されるので、反射鏡基体31を成形することが可能となる(図中(f))。この際、反射鏡基体31の外部形状は、これと相補的な形状の凹部32aを有するモールド32により、一方、反射鏡基体31の内部空間は、これと相補的な形状の凸部34aを有するコアロッド34によって、その殆どが成形されることになる。
成形完了後は、反射鏡基体31を十分冷却した後、まず、コアロッド34を上方に引き上げる。この際、反射鏡基体31はリング36によって下方に押さえられているため、コアロッド34とともに引き上げられることはなく、モールド32の内部に保持される。次いで、リング36を上方に引き上げることにより型ばらしを行い、成形体である反射鏡基体31をモールド32から取り出す。このようにして、成形体である反射鏡基体31を得ることができる。
上記のようにして得られた反射鏡基体は、図4及び図6に示すように、機械加工等によりネック部16の下端側を刳り貫いて、光源ランプ配設用の貫通孔20を形成した後、凹面12を被覆するように反射膜22を配置することにより反射鏡とすることができる。
反射膜は所望の反射特性を得られる限り、その構成は特に限定されるものではない。例えば、チタニア(TiO2)等の高屈折率物質とシリカ(SiO2)等の低屈折率物質とが交互に積層された交互多層膜等を好適に用いることができる。反射膜の形成には、従来公知の成膜法を利用することができる。上記の交互多層膜の場合であれば、従来公知の成膜法(例えば、PVD法、CVD法、スパッタリング法等)を利用して、高屈折率物質と低屈折率物質とを交互に積層するように成膜すればよい。
この反射鏡は、図6に示すように、光源ランプ配設用の貫通孔20に超高圧水銀灯等の光源ランプ24を装填し、その光源ランプ24を耐熱セメント等の固定材26を用いて固着し、更に、内部空間18の開口部を、ガラス製の保護板28(厚さ4〜5mm程度)によって閉塞することにより発光装置とする。なお、保護板28は、耐用時間の経過により光源ランプが破損した際にその破片の拡散防止を図るという理由から配設されるものである。
以上、一般的な構成の反射鏡基体の例により説明してきたが、本発明の結晶化ガラスを、反射膜を配置するための凹面が形成された本体と、本体の内部に埋設された金属製の網状体を備えた反射鏡基体の構成材料として用いることも好ましい形態の一つである。即ち、図7(a)〜図7(c)に示す反射鏡基体50のように、本発明の結晶化ガラスからなり、反射面となる凹面12が形成された本体17と、その本体17の内部に埋設された金属製の網状体52とを備えたものが好ましい。
上記の反射鏡基体50の特徴的な構成は、反射鏡基体50の本体の内部に金属製の網状体52を埋設した点にある。網状体52は、耐用時間の経過により反射鏡基体自体が破損した際にその破片の拡散防止を図るという理由から配設されるものである。このような反射鏡基体は、発光装置使用時の安全性を向上させることが可能であり、付設されている他の装置(例えば、液晶プロジェクター等)の損傷を回避することができるため好ましい。
網状体52は、反射鏡基体50の本体17の内部に埋設されていることが必要であるが、その埋設位置は特に制限されるものではない。従って、上記の目的に適合するように適宜配置すればよく、通常は、凹面12の少なくとも一部を凹面12に沿って被包するように埋設される。
網状体52は、本体17の凹面12を凹面12に沿って被包するように配置されることが必要であるが、そのことを除き網状体52の配置位置ついては特に制限はない。図7(c)に示すように、凹面12の全体を被包するように網状体52が配置された場合には、網状体52による飛散防止効果が高い点において好ましいが、必ずしも凹面12の全体を被包するように網状体52が配置される必要はない。例えば、図7(a)、図7(b)に示すように、凹面12の少なくとも一部が網状体52によって被包されていれば本発明の効果を得ることができる。
図7(a)〜図7(c)に示す反射鏡基体50のように、本体が椀状部14と、ネック部16という2つの部分から構成されている場合には、その構造上、両者の境界部であるくびれ部15が熱ストレスに対して脆弱な部分であり破損し易い。従って、図7(a)に示すように、少なくともくびれ部15近傍に網状体52を配置すれば十分にその効果を発揮させることができる。また、図7(a)〜図7(c)に示す反射鏡基体50のように、椀状部14からくびれ部15を経てネック部16に至るまで網状体52を連続的に配置することも好ましい。
網状体を構成する金属について特に制限はないが、本体が結晶化ガラスにより構成されていることを考慮してその材質を選択することが好ましい。
まず、網状体は、反射鏡基体の本体の内部に埋設されるものであるので、反射鏡基体の製造過程において、高温のゴブと接触することになる。従って、窒素パージ等を必要とせず、大気雰囲気下で反射鏡基体を製造するためには、耐酸化性に優れた材質を選択することが好ましい。また、反射鏡基体は高温条件下で使用されるものであるので、本体を構成する結晶化ガラスと熱膨張係数が近似し、ヤング率が高く、延展性に優れた材質を選択することが好ましい。
上記のような観点からは、網状体は、ニッケル、コバルト、ステンレス鋼、及びコバールの群から選択される少なくとも一種を主たる構成成分とする金属からなるものであることが好ましい。上記金属を選択することにより、窒素パージ等を必要とせず、大気雰囲気下で反射鏡基体を製造することが可能となり、本体と網状体との熱膨張挙動の相違により反射鏡基体が破損する事態を効果的に抑制することができる。
なお、「主たる構成成分」とは、網状体の全てが上記金属から構成されている必要はなく、主として上記金属から構成されていれば足りる趣旨である。具体的には、網状体を構成する金属のうち30質量%以上が上記金属であることを意味する。
更に、反射鏡基体はその成形後に高温での熱処理(結晶化処理)を行うため、その結晶化を促進し得る材質を選択することが好ましい。このような観点からは、網状体は、金、白金、銀、及び銅の群から選択される少なくとも一種を主たる構成成分とする金属からなるものであることが好ましい。これらの金属はガラスの結晶核となり得るため、ガラスの結晶化を促進し、結晶を微細化することができる点において好ましい。なお、網状体を上記金属からなる表面被膜を有するものとした場合にも同様の効果を得ることができる。
網状体は、網目構造を有することが必要であるが、他の構成については、結晶化ガラスの性状、反射鏡基体のサイズ、破片の拡散防止効果等を勘案して適宜決定すればよい。例えば、網目形状としては、正方形、菱形、亀甲型等の形状を採用することができ、目開きとしては3〜10mm程度のものを好適に用いることができる。通常、網状体は直径0.1〜1.0mmφ程度の金属線によって構成されることが多いが、場合によっては、同程度の幅を有する金属箔によって構成されていてもよい。
上記のような網状体が埋設された反射鏡基体は、図5に示した一般的な構成の反射鏡基体の製造方法に準じた方法にて製造することができる。即ち、図8に示すように、モールド32と、コアロッド34と、リング36とを備えた反射鏡基体成形用金型30が用い、ゴブ38をプレス成形する方法により製造すればよい。この製造方法では、ゴブ38の注入前に、モールド32の凹部32aに予め網状体52をセットしておくこと(図中(a))を除いては、図5に示した製造方法と同様の工程により、網状体52が埋設された反射鏡基体50を得ることができる(図中(b)〜(g))。
以下、本発明の結晶化ガラスにつき実施例を用いて具体的に説明するが、本発明の結晶化ガラスはこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例の結晶化ガラスについては、耐熱性、結晶性、溶融性、失透性の4項目について評価し、これらの評価に基づいて総合評価を行った。耐熱性、結晶性、溶融性、失透性の4項目については、以下の方法により評価した。
[耐熱性]
耐熱性の評価としては、結晶化ガラスから3mm×3mm×20mmの測定サンプルを切り出し、JIS R1618に記載の方法に準拠して、40〜400℃、40〜600℃、40〜800℃の3つの温度範囲で熱膨張係数を測定し、40〜400℃における熱膨張係数が、リチア系結晶化ガラスと同等以下(20×10−7(/℃)以下)の結晶化ガラスが得られた場合を「○」、バリア系結晶化ガラスと同等以下(45×10−7(/℃)以下)の結晶化ガラスが得られた場合を「△」、バリア系結晶化ガラスより大きい(45×10−7(/℃)超)結晶化ガラスしか得られなかった場合を「×」として表記した。
耐熱性の評価としては、結晶化ガラスから3mm×3mm×20mmの測定サンプルを切り出し、JIS R1618に記載の方法に準拠して、40〜400℃、40〜600℃、40〜800℃の3つの温度範囲で熱膨張係数を測定し、40〜400℃における熱膨張係数が、リチア系結晶化ガラスと同等以下(20×10−7(/℃)以下)の結晶化ガラスが得られた場合を「○」、バリア系結晶化ガラスと同等以下(45×10−7(/℃)以下)の結晶化ガラスが得られた場合を「△」、バリア系結晶化ガラスより大きい(45×10−7(/℃)超)結晶化ガラスしか得られなかった場合を「×」として表記した。
[結晶性]
結晶性の評価としては、その結晶化ガラスが結晶化し得る最低温度が850℃未満である場合を「○」、850〜900℃である場合を「△」、900℃を超える場合を「×」として表記した。
結晶性の評価としては、その結晶化ガラスが結晶化し得る最低温度が850℃未満である場合を「○」、850〜900℃である場合を「△」、900℃を超える場合を「×」として表記した。
[溶融性]
溶融性の評価としては、その結晶化ガラスの溶融温度が1500℃未満である場合を「○」、1500〜1530℃である場合を「△」、1530℃を超える場合を「×」として表記した。
溶融性の評価としては、その結晶化ガラスの溶融温度が1500℃未満である場合を「○」、1500〜1530℃である場合を「△」、1530℃を超える場合を「×」として表記した。
[失透性]
失透性の評価としては、その結晶化ガラスのガラス原料を溶融して溶融ガラスとし、反射鏡基体の形状に成形するまでの間に失透現象が発生する頻度により評価した。100基の反射鏡基体(サンプル)を製造する際に、失透現象が発生したサンプルが全くなかった場合を「◎」、失透現象が発生したサンプルが2基以下であった場合を「○」、失透現象が発生したサンプルが5基以下であった場合を「△」、失透現象が発生したサンプルが6基以上であった場合を「×」として表記した。
失透性の評価としては、その結晶化ガラスのガラス原料を溶融して溶融ガラスとし、反射鏡基体の形状に成形するまでの間に失透現象が発生する頻度により評価した。100基の反射鏡基体(サンプル)を製造する際に、失透現象が発生したサンプルが全くなかった場合を「◎」、失透現象が発生したサンプルが2基以下であった場合を「○」、失透現象が発生したサンプルが5基以下であった場合を「△」、失透現象が発生したサンプルが6基以上であった場合を「×」として表記した。
[総合評価]
総合評価としては、実施例1〜43、及び比較例1〜10の結晶化ガラスについては、耐熱性、結晶性、溶融性という3項目の評価が全て「○」である場合を「◎」、上記3項目のうち2項目が「○」である場合を「○」、これ以外の場合を「△」として表記した。但し、上記3項目のうち耐熱性、又は溶融性のいずれか1項目でも「×」があるものについては上記の基準に拘らず「×」として表記した。
総合評価としては、実施例1〜43、及び比較例1〜10の結晶化ガラスについては、耐熱性、結晶性、溶融性という3項目の評価が全て「○」である場合を「◎」、上記3項目のうち2項目が「○」である場合を「○」、これ以外の場合を「△」として表記した。但し、上記3項目のうち耐熱性、又は溶融性のいずれか1項目でも「×」があるものについては上記の基準に拘らず「×」として表記した。
また、実施例44〜50、及び比較例11〜13の結晶化ガラスについては、耐熱性、結晶性、溶融性の評価が全て「○」であり、かつ、失透性が「◎」である場合を「◎」、耐熱性、結晶性、溶融性の評価が全て「○」であり、かつ、失透性が「○」である場合を「○」、耐熱性、又は失透性のいずれか1項目でも「△」があるものについては「△」として表記した。
[実施例1〜8、比較例1〜4]
表3に記載の主成分、核形成剤、修飾成分を表3に記載の比率で混合してガラス原料を調製し、そのガラス原料を溶融してガラスとした後、875℃又は900℃で4時間、熱処理(結晶化処理)を行うことによって、実施例1〜8、及び比較例1〜4の結晶化ガラスを得た。これらの結晶化ガラスについて耐熱性、結晶性、溶融性を評価した結果を表4に示す。
表3に記載の主成分、核形成剤、修飾成分を表3に記載の比率で混合してガラス原料を調製し、そのガラス原料を溶融してガラスとした後、875℃又は900℃で4時間、熱処理(結晶化処理)を行うことによって、実施例1〜8、及び比較例1〜4の結晶化ガラスを得た。これらの結晶化ガラスについて耐熱性、結晶性、溶融性を評価した結果を表4に示す。
[評価]
表3及び表4に示すように、修飾成分としての五酸化二リンを含有する実施例1〜8の結晶化ガラスは、修飾成分としての五酸化二リンを含有しない比較例1〜4の結晶化ガラスと比較して溶融性が良好であった。特に、修飾成分として、酸化ホウ素を含有せず、五酸化二リン1質量部のみを含有する実施例5の結晶化ガラスは、耐熱性、結晶性とも優れており、更に良好な結果を示した。一方、修飾成分としての酸化ホウ素を3質量部と比較的多く含有する比較例2の結晶化ガラスは、耐熱性、溶融性とも不良であった。
表3及び表4に示すように、修飾成分としての五酸化二リンを含有する実施例1〜8の結晶化ガラスは、修飾成分としての五酸化二リンを含有しない比較例1〜4の結晶化ガラスと比較して溶融性が良好であった。特に、修飾成分として、酸化ホウ素を含有せず、五酸化二リン1質量部のみを含有する実施例5の結晶化ガラスは、耐熱性、結晶性とも優れており、更に良好な結果を示した。一方、修飾成分としての酸化ホウ素を3質量部と比較的多く含有する比較例2の結晶化ガラスは、耐熱性、溶融性とも不良であった。
[実施例9〜19]
表5に記載の主成分、核形成剤、修飾成分を表5に記載の比率で混合してガラス原料を調製し、そのガラス原料を溶融してガラスとした後、825℃、850℃、875℃又は900℃で4時間、熱処理(結晶化処理)を行うことによって、実施例9〜19の結晶化ガラスを得た。これらの結晶化ガラスについて耐熱性、結晶性、溶融性を評価した結果を表6に示す。
表5に記載の主成分、核形成剤、修飾成分を表5に記載の比率で混合してガラス原料を調製し、そのガラス原料を溶融してガラスとした後、825℃、850℃、875℃又は900℃で4時間、熱処理(結晶化処理)を行うことによって、実施例9〜19の結晶化ガラスを得た。これらの結晶化ガラスについて耐熱性、結晶性、溶融性を評価した結果を表6に示す。
[評価]
表5及び表6に示すように、主成分構成比率が図1中記号(VII)である実施例9の結晶化ガラスより、主成分構成比率が図1中記号(I)である実施例11の結晶化ガラスの方が結晶性が良好であった。主成分構成比率が図1中記号(I)である実施例11〜19の結晶化ガラスの中では、修飾成分として、酸化リチウム、酸化セシウムを含有する実施例11,14,15,16の結晶化ガラスは、酸化ナトリウムや酸化カリウムのみを含有する実施例12,13の結晶化ガラスと比較して結晶性が良好であった。また、本発明に規定する修飾成分(6成分)の総量が2.5質量部を超える実施例17〜19の結晶化ガラスにあっては、これに加えて溶融性に優れており、極めて良好な結果を示した。
表5及び表6に示すように、主成分構成比率が図1中記号(VII)である実施例9の結晶化ガラスより、主成分構成比率が図1中記号(I)である実施例11の結晶化ガラスの方が結晶性が良好であった。主成分構成比率が図1中記号(I)である実施例11〜19の結晶化ガラスの中では、修飾成分として、酸化リチウム、酸化セシウムを含有する実施例11,14,15,16の結晶化ガラスは、酸化ナトリウムや酸化カリウムのみを含有する実施例12,13の結晶化ガラスと比較して結晶性が良好であった。また、本発明に規定する修飾成分(6成分)の総量が2.5質量部を超える実施例17〜19の結晶化ガラスにあっては、これに加えて溶融性に優れており、極めて良好な結果を示した。
(比較例5〜10)
表7に記載の主成分、核形成剤、修飾成分を表7に記載の比率で混合してガラス原料を調製し、そのガラス原料を溶融してガラスとした後、875℃又は900℃で4時間、熱処理(結晶化処理)を行うことによって、比較例5〜10の結晶化ガラスを得た。これらの結晶化ガラスについて耐熱性、結晶性、溶融性を評価した結果を表8に示す。
表7に記載の主成分、核形成剤、修飾成分を表7に記載の比率で混合してガラス原料を調製し、そのガラス原料を溶融してガラスとした後、875℃又は900℃で4時間、熱処理(結晶化処理)を行うことによって、比較例5〜10の結晶化ガラスを得た。これらの結晶化ガラスについて耐熱性、結晶性、溶融性を評価した結果を表8に示す。
[評価]
表7及び表8に示すように、本発明に規定する修飾成分(6成分)に代えて、酸化ビスマス、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化イットリウムを修飾成分として含有する比較例5〜10の結晶化ガラスは、溶融性が不良であった。
表7及び表8に示すように、本発明に規定する修飾成分(6成分)に代えて、酸化ビスマス、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化イットリウムを修飾成分として含有する比較例5〜10の結晶化ガラスは、溶融性が不良であった。
[実施例20〜29]
表9に記載の主成分、核形成剤、修飾成分を表9に記載の比率で混合してガラス原料を調製し、そのガラス原料を溶融してガラスとした後、800℃、825℃、又は850℃で4時間、熱処理(結晶化処理)を行うことによって、実施例20〜29の結晶化ガラスを得た。これらの結晶化ガラスについて耐熱性、結晶性、溶融性を評価した結果を表10に示す。
表9に記載の主成分、核形成剤、修飾成分を表9に記載の比率で混合してガラス原料を調製し、そのガラス原料を溶融してガラスとした後、800℃、825℃、又は850℃で4時間、熱処理(結晶化処理)を行うことによって、実施例20〜29の結晶化ガラスを得た。これらの結晶化ガラスについて耐熱性、結晶性、溶融性を評価した結果を表10に示す。
[実施例30〜43]
表11に記載の主成分、核形成剤、修飾成分を表11に記載の比率で混合してガラス原料を調製し、そのガラス原料を溶融してガラスとした後、825℃、又は850℃で4時間、熱処理(結晶化処理)を行うことによって、実施例30〜43の結晶化ガラスを得た。これらの結晶化ガラスについて耐熱性、結晶性、溶融性を評価した結果を表12に示す。
表11に記載の主成分、核形成剤、修飾成分を表11に記載の比率で混合してガラス原料を調製し、そのガラス原料を溶融してガラスとした後、825℃、又は850℃で4時間、熱処理(結晶化処理)を行うことによって、実施例30〜43の結晶化ガラスを得た。これらの結晶化ガラスについて耐熱性、結晶性、溶融性を評価した結果を表12に示す。
[評価]
表9〜表12に示すように、修飾成分として、アルカリ金属酸化物に加えて、酸化ニオブ、或いは酸化タンタルを含有する実施例21,24〜43の結晶化ガラスは、耐熱性、結晶性、溶融性のいずれもが優れており、極めて良好な結果を示した。また、アルカリ金属酸化物の他、酸化バナジウム、或いは酸化モリブデンを含有する実施例20,23の結晶化ガラスも良好な結果を示したが、極めて良好な結果を示した実施例21,24〜43の結晶化ガラスと比較すると、結晶性がやや劣る結果となった。
表9〜表12に示すように、修飾成分として、アルカリ金属酸化物に加えて、酸化ニオブ、或いは酸化タンタルを含有する実施例21,24〜43の結晶化ガラスは、耐熱性、結晶性、溶融性のいずれもが優れており、極めて良好な結果を示した。また、アルカリ金属酸化物の他、酸化バナジウム、或いは酸化モリブデンを含有する実施例20,23の結晶化ガラスも良好な結果を示したが、極めて良好な結果を示した実施例21,24〜43の結晶化ガラスと比較すると、結晶性がやや劣る結果となった。
[実施例44〜50、比較例11〜13]
表13に記載の主成分、核形成剤、修飾成分を表13に記載の比率で混合してガラス原料を調製し、そのガラス原料を溶融してガラスとした後、800℃、又は825℃で4時間、熱処理(結晶化処理)を行うことによって、実施例44〜50、及び比較例11〜13の結晶化ガラスを得た。これらの結晶化ガラスについて耐熱性、結晶性、溶融性、失透性を評価した結果を表14に示す。
表13に記載の主成分、核形成剤、修飾成分を表13に記載の比率で混合してガラス原料を調製し、そのガラス原料を溶融してガラスとした後、800℃、又は825℃で4時間、熱処理(結晶化処理)を行うことによって、実施例44〜50、及び比較例11〜13の結晶化ガラスを得た。これらの結晶化ガラスについて耐熱性、結晶性、溶融性、失透性を評価した結果を表14に示す。
[評価]
表13〜表14に示すように、核形成剤としてジルコニア4質量部のみを含有する実施例44の結晶化ガラスは、耐熱性、結晶性、溶融性のいずれもが優れており、実施例17〜19,21,24〜43の結晶化ガラスと同様に極めて良好な結果を示すものであるが、その失透性を評価したところ、一部のサンプルにおいて核形成剤としてのジルコニアの再結晶に起因する失透現象が認められた。
表13〜表14に示すように、核形成剤としてジルコニア4質量部のみを含有する実施例44の結晶化ガラスは、耐熱性、結晶性、溶融性のいずれもが優れており、実施例17〜19,21,24〜43の結晶化ガラスと同様に極めて良好な結果を示すものであるが、その失透性を評価したところ、一部のサンプルにおいて核形成剤としてのジルコニアの再結晶に起因する失透現象が認められた。
実施例44の結晶化ガラスに対して、ジルコニアの含有量を変えることなく、単に核形成剤としての二酸化スズを加えた実施例45〜48の結晶化ガラスでは失透性の改善は認められなかった。
これに対し、核形成剤としてのジルコニアの含有量を3質量部に減じ、その代わりに核形成剤としての二酸化スズ1.5質量部を含有せしめた実施例49の結晶化ガラスでは失透性の改善が認められ、結晶性が低下することもなかった。即ち、実施例49の結晶化ガラスは良好な結晶性を維持したまま、ガラス原料の溶融・成形の段階におけるジルコニアの再結晶を抑制することが可能であった。
更に、核形成剤としてのジルコニアの含有量を3質量部に減じ、その代わりに核形成剤としての二酸化スズ2質量部を含有せしめた実施例50の結晶化ガラスでは失透性が顕著に改善され、結晶性が低下することもなかった。即ち、実施例50の結晶化ガラスは良好な結晶性を維持したまま、ガラス原料の溶融・成形の段階におけるジルコニアの再結晶を効果的に抑制することができた。更に、その主結晶相が亜鉛ペタライト固溶体であるために、熱膨張率が小さく、リチア系結晶化ガラスに匹敵する優れた耐熱性を示した。
また、核形成剤としてのジルコニアの全部に代えて、核形成剤としての二酸化スズを含有せしめた場合(即ち、核形成剤として二酸化スズのみを含有せしめた場合)、比較例11の結晶化ガラスのように、良好な結晶性・耐熱性を維持したまま、失透性が顕著に改善されたものもあったが、比較例12,13の結晶化ガラスのように、結晶相としてガーナイトやウィリマイトが形成されることによって、結晶化ガラス自体の熱膨張率が大きくなり、耐熱性が低下する場合があった。また、二酸化スズの含有量が6質量部である比較例13の結晶化ガラスは、二酸化スズ自体が再結晶し易くなるために、ジルコニアの場合と同様に、失透現象が発生した。
[結晶の経時安定性]
既に述べた耐熱性、結晶性、溶融性、失透性の評価とは別に、結晶の経時安定性について評価を行った。結晶の経時安定性の評価は、結晶化ガラスから3mm×3mm×20mmの測定サンプルを切り出し、JIS R1618に記載の方法に準拠して、600℃、650℃、700℃、750℃の高温条件下で各々20時間保持し、体積膨張率の経時的な変化を測定することにより行った。評価対象は、実施例50の結晶化ガラスと、β−スポジュメン固溶体、及びβ−ユークリプタイト固溶体を結晶相とする市販のリチア系結晶化ガラスとした(「比較例14」とする)。比較例14の結晶化ガラスは、表15に記載の組成を有するものであった。その結果を、図2及び図3に示す。
既に述べた耐熱性、結晶性、溶融性、失透性の評価とは別に、結晶の経時安定性について評価を行った。結晶の経時安定性の評価は、結晶化ガラスから3mm×3mm×20mmの測定サンプルを切り出し、JIS R1618に記載の方法に準拠して、600℃、650℃、700℃、750℃の高温条件下で各々20時間保持し、体積膨張率の経時的な変化を測定することにより行った。評価対象は、実施例50の結晶化ガラスと、β−スポジュメン固溶体、及びβ−ユークリプタイト固溶体を結晶相とする市販のリチア系結晶化ガラスとした(「比較例14」とする)。比較例14の結晶化ガラスは、表15に記載の組成を有するものであった。その結果を、図2及び図3に示す。
図2のグラフから明らかなように、実施例50の結晶化ガラスは、ガラスの温度が保持温度に達するまではその温度上昇に伴って膨張率が上昇(体積が膨張)しているが、ガラスの温度が保持温度に達した後においては略一定の膨張率(体積)を維持しており、20時間を経過してもその膨張率(体積)は殆ど変化しなかった。即ち、実施例50の結晶化ガラスは、高温条件下での経時的な結晶安定性に優れており、長期間高温に曝された場合でも体積収縮が極めて少なかった。
これに対し、比較例14の結晶化ガラスは、図3のグラフに示すように、ガラスの温度が保持温度に達し、その膨張率(体積)が極大値に至った後、一転、膨張率が低下(体積が減少)するという挙動を示した。そして、この挙動は保持温度が高温となるほど顕著となる傾向であった。即ち、比較例14の結晶化ガラスは、長時間高温に曝されると体積収縮を起こすものであった。具体的には、実施例50の結晶化ガラスは、750℃、20時間経過後の体積収縮が0体積%であったのに対し、比較例14の結晶化ガラスは0.5体積%の体積収縮が認められた。
本発明の酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラスは、光源ランプの光を反射させるための反射鏡を構成する反射鏡基体、特に、照明装置や映写機光源の反射鏡基体として好適に用いることができる。
Claims (7)
- 主成分としての酸化亜鉛(ZnO)、アルミナ(Al2O3)、及びシリカ(SiO2)と、核形成剤としてのジルコニア(ZrO2)とを含有する酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系の結晶化ガラスであって、
前記主成分が、酸化亜鉛20〜30質量%、アルミナ15〜25質量%、及びシリカ50〜60質量%の比率で構成され、かつ、これらの成分全体で100質量%を占めるものであり、前記主成分100質量部に対して、前記核形成剤としてのジルコニア3〜6質量部を含有し、更に、前記主成分、及び前記核形成剤に加えて、修飾成分としての酸化リチウム(Li2O)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化カリウム(K2O)、五酸化二リン(PO5)、酸化ニオブ(Nb2O5)、及び酸化タンタル(Ta2O5)からなる群より選択された少なくとも一種の成分を含有する酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラス。 - 前記主成分により結晶相が構成され、その主結晶相が亜鉛ペタライト(Zn−petallite)固溶体又はβ−石英(β−quartz)固溶体である請求項1に記載の酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラス。
- 前記主成分100質量部に対して、前記修飾成分としての酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、五酸化二リン、酸化ニオブ、及び酸化タンタルからなる群より選択された少なくとも一種の成分をその総量として0.2〜5.0質量部含有する請求項1又は2に記載の酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラス。
- 前記核形成剤としてジルコニアの一部に代えて、前記核形成剤としての二酸化スズ(SnO2)を含有し、その含有量は、前記主成分100質量部に対して0.5〜4質量部である請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラス。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラスからなり、反射膜を配置するための凹面が形成された本体と、前記本体の内部に埋設された金属製の網状体とを備えた反射鏡基体。
- 前記網状体が、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ステンレス鋼(SUS:Steel Use Stainless)、及びコバール(kobar)の群から選択される少なくとも一種を主たる構成成分とする金属からなるものである請求項5に記載の反射鏡基体。
- 前記網状体が、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、及び銅(Cu)の群から選択される少なくとも一種を主たる構成成分とする金属からなるもの、又は前記金属からなる表面被膜を有するものである請求項5又は6に記載の反射鏡基体。
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