JP2003051210A - 可溶性ポリイミドを用いたリフレクタ、それを備える放電ランプ及び画像投影装置 - Google Patents

可溶性ポリイミドを用いたリフレクタ、それを備える放電ランプ及び画像投影装置

Info

Publication number
JP2003051210A
JP2003051210A JP2001223498A JP2001223498A JP2003051210A JP 2003051210 A JP2003051210 A JP 2003051210A JP 2001223498 A JP2001223498 A JP 2001223498A JP 2001223498 A JP2001223498 A JP 2001223498A JP 2003051210 A JP2003051210 A JP 2003051210A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reflector
group
polyimide
discharge lamp
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001223498A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuaki Kobayashi
光明 小林
Shozo Aoki
尚三 青木
Hiroshi Ayukawa
洋 鮎川
Yukihisa Okada
幸久 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3M Innovative Properties Co
Original Assignee
3M Innovative Properties Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 3M Innovative Properties Co filed Critical 3M Innovative Properties Co
Priority to JP2001223498A priority Critical patent/JP2003051210A/ja
Publication of JP2003051210A publication Critical patent/JP2003051210A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)
  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 比較的に低い温度で保護皮膜が形成でき、こ
のため、リフレクタの反射膜の劣化の問題を生じず、か
つ、保護皮膜の成膜にそれ程大きなエネルギを必要とし
ないリフレクタを提供する。 【解決手段】 発光管1の周囲に配置されて前記発光管
からの光の指向性を高めるリフレクタ2であって、前記
リフレクタの外面には、有機溶媒に溶解可能な可溶性ポ
リイミドの耐熱性フィルム3が設けられていることを特
徴とするリフレクタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可溶性ポリイミド
を用いたリフレクタ、それを備える放電ランプ及びかか
る放電ランプを備える画像投影装置(例えば、オーバー
・ヘッド・プロジェクタ、液晶プロジェクタ又はデジタ
ル・ライト・プロセッシング(商標)方式のプロジェク
タ)に関する。
【0002】
【従来の技術】学会や会議では、ワードプロセッサやパ
ーソナルコンピュータを用いて作成した文書や図表を画
像の形でオーバー・ヘッド・プロジェクタ (OHP) によ
り映しながら、プレゼンテーションが一般に行われてい
る。また最近では、液晶プロジェクタの普及により、い
わゆる「電子プレゼンテーション」も急速に広がりつつ
ある。これは、通常、パーソナルコンピュータを用い
て、電子化された文書や図表の画像を制御しながら、そ
れに内蔵された液晶パネル(以下、「液晶ライトバル
ブ」とも言う。)等の記録媒体に直接表示し、訴求効果
に非常に優れたものになっている。
【0003】上述のOHPや液晶プロジェクタ等のような
画像投影装置では、高輝度光源が使用されている。比較
的明るい場所でも、上記画像を高い品質をもって投影で
きるようにするためである。典型的な高輝度光源は、水
銀ランプやメタルハライドランプ等のいわゆる放電ラン
プである。かかる放電ランプは、水銀、アルゴン又は必
要に応じてハロゲン化金属(メタルハライド)等のガス
を封入した発光管を備えている。また、発光管と組み合
せて、高圧放電ランプではリフレクタ(以下において、
「反射鏡」とも言う。)も用いられて、その発光管から
の光を効率よく集め、上記画像を表示する透明記録シー
トや液晶パネルに向ける場合も多い。
【0004】一般に、反射鏡は、発光管から出る赤外線
等の熱線を透過できる反射膜を内面に設けて、例えば、
上述した高圧放電ランプの温度の上昇を抑制して、発光
管の内圧の増加に伴う発光管の破裂を防止するようにな
っている。また、放電ランプが、高い蒸気圧をもった水
銀を封入した高発光効率の発光管を有している場合は、
反射鏡の外面に耐熱性フィルムを貼り付けることも知ら
れている。発光管の万一の破裂によるその破片の飛散を
防止し、液晶パネルや投影レンズ等のその他の光学系に
損傷を与えないようにするためである。
【0005】耐熱性フィルムは、典型的にはポリイミド
フィルムで、通常は粘着剤を介して反射鏡の外面に設け
られる。しかし、一般的なポリイミドフィルムは熱線を
吸収し易く、その温度の上昇を招く傾向がある。その結
果、粘着剤が強度を低下して、ポリイミドフィルムが反
射鏡から剥離し易くなる。
【0006】他方、特開2000−47327号公報に
は、粘着剤を介さずに耐熱性有機系フィルムを反射鏡の
外面に設けた投影用装置が開示されている。この耐熱性
有機系フィルムとしては、暗色系のポリイミドフィルム
が挙げられている。暗色系とすることで、この耐熱性フ
ィルムの熱放射により反射鏡が冷却されるようになって
いる。ポリイミド膜の形成は、ポリイミドの前駆体であ
るポリアミド酸を溶媒に溶かした溶液を塗布し、その
後、この溶液を高温に加熱して残存する溶媒の除去とポ
リアミド酸の硬化反応(イミド化反応)をする工程を経
ることが一般的である。典型的なポリイミドは有機溶媒
に対して不溶性であることが多いからである。上述し
た’327号公報には、ポリイミド膜を形成するに当た
り、ディッピング法により、黒色のポリイミドの入った
槽に反射鏡ガラス生地を浸してから引き上げ、それか
ら、300℃という比較的高温の炉内に10分以上入れ
る処理によってそのポリイミドを固着する工程が開示さ
れている。したがって、この’327号公報には、ポリ
イミド膜の原材料としてポリイミドが開示されているも
のの、上記高温の処理からそのポリイミドは実質上ポリ
アミド酸であるものと考えられる。このような高温での
処理では、反射鏡の反射膜等の劣化のおそれがあり、ま
た、成膜時に比較的大きなエネルギを必要とし、製造コ
ストが嵩むことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、比
較的に低い温度で保護皮膜が形成でき、このため、反射
膜の劣化の問題を生じず、かつ、保護皮膜の成膜にそれ
程大きなエネルギを必要としないリフレクタと、それを
用いた放電ランプ及び画像投影装置を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によると、発光管
の周囲に配置されて前記発光管からの光の指向性を高め
るリフレクタであって、前記リフレクタの外面には、有
機溶媒に溶解可能な可溶性ポリイミドの耐熱性フィルム
が設けられていることを特徴とするリフレクタが提供さ
れる。可溶性ポリイミドを耐熱性フィルムとして用いる
ことにより、250℃以下という比較的に低い温度で皮
膜を形成することができるので、リフレクタの反射膜の
劣化の問題がなく、また、成膜時に要するエネルギを低
く抑えることができる。
【0009】本明細書において、用語「可溶性ポリイミ
ド」とは、ポリイミドの重量平均分子量が1万以上であ
る場合においても、有機溶媒100質量部に対してポリ
イミドが5質量部以上溶解することが可能であるポリイ
ミドを意味する。なお、有機溶剤としては、N−メチル
ピロリドン(NMP)、γ―ブチロラクトン、シクロペ
ンタノン又はジオキサン等の極性溶媒を用いることがで
きる。耐熱性フィルムについての用語「透明」とは、波
長800nm〜2000nmの領域での吸光度の平均値
が0.06以下であることを意味する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のリフレクタには、有機溶
媒に溶解可能な可溶性ポリイミドの耐熱性フィルムが設
けられている。ポリイミドの可溶性は、ポリイミドの構
造中に、屈曲性残基又は伸縮性残基を導入すること及び
/又は嵩高い残基を導入することにより達成できる。具
体的には、可溶性ポリイミドとしては下記式
【0011】
【化4】 (この式中、Xは単結合、酸素原子、硫黄原子、スルホ
ン基、ジメチルケイ素、二官能芳香族残基、二官能芳香
族エーテル残基、2,2−プロピリデン基及び1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピリデン基からなる
群より選ばれ、Yは、
【0012】
【化5】
【0013】又は
【化6】
【0014】であり、Zは、単結合、酸素原子、硫黄原
子、ジメチルケイ素、スルホン基、2,2−プロピリデ
ン基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロプロピリ
デン基及び9,9−フルオレニリデン基からなる群より
選ばれ、nは11以上の整数であり、lは1以上の整数
であり、mは0以上の整数である)により表されるもの
が使用できる。上記の可溶性ポリイミドの末端基は特に
限定されない。例えば、末端基は、それぞれ、ポリマー
調製に使用される無水カルボン酸モノマー原料に由来す
る無水カルボン酸基又はカルボキシル基及びアミンモノ
マー原料に由来するアミン基であることができる。
【0015】より具体的には、4,4’−オキシジ(フ
タル酸無水物)と9,9−ビス(4−アミノフェニル)
フルオレンとから得られるポリイミド、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と9,9−
ビス(4−アミノフェニル)フルオレンとから得られる
ポリイミド、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物と、α,ω−3−アミノプロピルポリ
(ジメチルシロキサン)と、9,9−ビス(4−アミノ
フェニル)フルオレンとから得られるポリイミド、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
と、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
と、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレンと
から得られるポリイミド、などを挙げることができる。
【0016】可溶性ポリイミドは重量平均分子量が10
万以上であると、充分な機械強度を長時間にわたって維
持することができ、保護皮膜として良好に機能できるの
で好ましい。
【0017】本発明に使用される可溶性ポリイミドは以
下のとおりに調製できる。まず、適量の溶媒(例えば、
N−メチルピロリドン)、原料の無水カルボン酸モノマ
ー及びジアミンモノマーを窒素雰囲気下の容器に添加し
てモノマー溶液を調製し、この溶液を室温にて攪拌す
る。次に、この容器に脱水剤(例えば、無水酢酸及び乾
燥ピリジン)を所定量滴下する。その後、容器中の溶液
を攪拌しながら、容器を120〜140℃で所定の時
間、加熱してポリイミドを得る。次にこの溶液を室温ま
で放冷し、非溶媒としてのメチルエチルケトン(ME
K)中に滴下して沈殿物を得る。沈殿物を一旦デカンテ
ーションによりMEKから分離する。分離された沈殿物
をMEK中に所定時間浸し、デカンテーションにより分
離する。その後、分離した沈殿物をMEK中に入れ、加
熱還流した後に、放冷し、沈殿物をデカンテーションに
より単離する。単離された沈殿物をオーブンに入れ、約
100℃で18時間加熱・乾燥して粉末状のポリイミド
を得る。
【0018】本発明のリフレクタ用のコーティング組成
物は、可溶性ポリイミドを、有機溶媒、例えば、N−メ
チルピロリドン (NMP)、γ―ブチロラクトン、シクロペ
ンタノン及びジオキサンなどの極性有機溶媒中に溶解し
て得られる。ポリイミドの溶液はリフレクタの外面に刷
毛で塗るか又はポリイミド溶液中にリフレクタを浸漬し
てそれを引き上げるディップコーティングにより塗布で
きる。これを単に乾燥するだけで保護皮膜が得られる。
乾燥は、例えば、約100℃で15分間、250℃で1
5分以上維持することにより行なうことができる。この
ように得られる保護皮膜は透明である。このため、発光
管からの赤外線等の熱線による温度上昇を抑制すること
ができる。可溶性ポリイミドは、可視光に対しても透明
であるため、リフレクタの反射面において反射されずに
透過した可視光が周囲に洩れて、画像投影装置の性能に
影響を及ぼす場合も考えられる。このような場合には、
コーティング組成物中に着色材料を添加して、可視光洩
出を防止してもよい。添加されうる着色材料としては、
酸化チタン、カーボン、酸化マンガンなどが挙げられ、
例えば、シーアイ化成製の顔料「ブラック」(商品名)
を用いることができる。リフレクタの外面に設けられる
保護皮膜の厚さは、好ましくは50〜200μmの厚さ
である。保護皮膜の厚さが50μm未満であると、充分
な強度が得られず、発光管の破裂によるリフレクタの破
壊時にリフレクタの破片の飛散を生じるおそれがあり、
また、200μmを超えると、製造に時間が掛ったり、
発光管で生じた熱を外にのがす伝熱性を悪化させる。
【0019】以下において、図面を参照しながら本発明
を説明する。図1は、本発明のリフレクタを含む放電ラ
ンプの一実施形態を示す断面図である。放電ランプ10
は、発光管1、リフレクタ2及びポリイミド保護皮膜3
を備えている。発光管1は輝度の高いショートアーク型
であることが望ましい。ショートアーク型の発光管は2
つの近接した陰極と陽極によって支持されたアーク放電
から強烈な光を放射する。また、発光管としては、高圧
水銀、メタルハライド発光管などが挙げられる。リフレ
クタ2は、通常、反射面が放物面又は楕円面であり、発
光管1の周囲に配置されて発光管からの光の指向性を高
める。リフレタク2の外面にはポリイミド保護皮膜3が
設けられており、それにより、発光管の破裂によるリフ
レクタの破壊時にリフレクタが飛散するのを防止する。
【0020】本発明は、放電ランプ、この放電ランプか
らの光によって照明されうる表示素子、及び、この表示
素子によって形成された画像をスクリーン上に投影する
投影レンズを備える画像投影装置にも関する。このよう
な画像投影装置としては、オーバー・ヘッド・プロジェ
クタ(OHP)、液晶プロジェクタ、デジタル・ライト
・プロセッシング方式プロジェクタなどの画像投影装置
が挙げられる。OHPでは、放電ランプからの光が透明
画像記録シート(表示素子)を照明し、それにより形成
された画像が投影レンズを通してスクリーン上に投影さ
れる。液晶プロジェクタには、液晶ライトバルブ(表示
素子)が透過型である場合と反射型である場合とがあ
る。透過型の場合には、放電ランプからの光が透過型液
晶ライトバルブ(表示素子)を照明し、それにより形成
された画像が投影レンズを通してスクリーン上に投影さ
れる。一方、反射型の場合には、放電ランプからの光が
偏光ビームスプリッタで分離されて反射型液晶ライトバ
ルブ(表示素子)に照射され、この反射型ライトバルブ
での反射により形成された画像が投影レンズを通してス
クリーン上に投影される。デジタル・ライト・プロセッ
シング方式プロジェクタでは、放電ランプからの光が光
束分離手段により2以上の各波長領域の光束に分離され
て、デジタル・マイクロミラー・デバイス(表示素子)
に照射され、そこでの反射により形成された画像が投影
レンズを通してスクリーン上に投影される。上記デジタ
ル・マイクロミラー・デバイスは、複数のマイクロミラ
ーを反射面に配置し、反射面を2以上の領域に分けて、
隣接する領域のマイクロミラーの傾き制御方向を異なら
せ、上記のように分離された各波長領域の光をそれぞれ
対応する領域に入射して反射させるものである。
【0021】
【実施例】実施例1 9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(BA
FL)(アドケムコ社製)と4,4’−オキシジ(フタ
ル酸無水物)(ODPA)(ダイセル化学工業社製)
(モル比1:1)とから得られた可溶性ポリイミド(住
友スリーエム社製)のN−メチルピロリドン(NMP)
(三菱化学社製)中の20質量%溶液をリフレクタの外
面に刷毛で塗布する。これを100℃で15分間乾燥さ
せた後、250℃で15分以上乾燥させることにより、
リフレクタの外面上に100μmの厚さの保護皮膜を形
成した。この保護皮膜を設けたリフレクタを破裂させた
が、リフレクタの破片の飛散は見られなかった。また、
上記のとおりに製造したポリイミド保護皮膜を設けたリ
フレクタを250℃のオーブンにさらに30分間放置し
たが、保護皮膜の剥離は見られなかった。
【0022】実施例2 上記ODPA(ダイセル化学工業社製)の代わりに、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物(s−BPDA)(宇部興産社製)を使用した以外
は実施例1と同様にポリイミド溶液を形成し、保護皮膜
を形成した。この保護皮膜を設けたリフレクタを破裂さ
せたが、リフレクタの破片の飛散は見られなかった。ま
た、上記のとおりに製造したポリイミド保護皮膜を設け
たリフレクタを250℃のオーブンにさらに30分間放
置したが、保護皮膜の剥離は見られなかった。
【0023】実施例3 上記ODPA(ダイセル化学工業社製)の代わりに、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物(s−BPDA)(宇部興産社製)を使用し、BA
FL(アドケムコ社製)の一部をα,ω−3−アミノプ
ロピルポリ(ジメチルシロキサン)(X−22−161
AS)(信越化学工業社製)に置き換えたこと(モル比
=s−BPDA:BAFL:X−22−161AS=2
0:19:1)以外は実施例1と同様にポリイミド溶液
を形成し、保護皮膜を形成した。この保護皮膜を設けた
リフレクタを破裂させたが、リフレクタの破片の飛散は
見られなかった。また、上記のとおりに製造したポリイ
ミド保護皮膜を設けたリフレクタを250℃のオーブン
にさらに30分間放置したが、保護皮膜の剥離は見られ
なかった。さらに、このポリイミドから125μmのフ
ィルムを作製し、赤外線の波長領域で吸光度を測定し
た。結果を図2に示す。
【0024】実施例4 上記ODPA(ダイセル化学工業社製)の代わりに、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物(s−BPDA)(宇部興産社製)を使用し、BA
FL(アドケムコ社製)の一部を1,3−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)に置き換えた
こと(モル比=s−BPDA:BAFL:TPE−R=
4:3:1)以外は実施例1と同様にポリイミド溶液を
形成し、保護皮膜を形成した。この保護皮膜を設けたリ
フレクタを破裂させたが、リフレクタの破片の飛散は見
られなかった。また、上記のとおりに製造したポリイミ
ド保護皮膜を設けたリフレクタを250℃のオーブンに
さらに30分間放置したが、保護皮膜の剥離は見られな
かった。さらに、このポリイミドから125μmのフィ
ルムを作製し、赤外線の波長領域で吸光度を測定した。
結果を図2に示す。
【0025】比較例1 市販の不溶性ポリイミドフィルムである厚さ125μm
のカプトンフィルム(商品名)(東レデュポン社製、ピ
ロメリット酸二無水物と4,4’−オキシジアニリンか
らなるポリイミド)について、800nm〜2000n
mの赤外線の波長領域で吸光度を測定した。結果を図2
に示す。
【0026】図2から明らかなとおり、本発明の保護皮
膜を構成する可溶性ポリイミドは、従来の不溶性ポリイ
ミドよりも赤外領域での吸光度が低く、保護皮膜として
用いたときに、熱線の吸収によるリフレクタの温度上昇
を抑制することができる。
【0027】
【発明の効果】可溶性ポリイミドを耐熱性フィルムとし
て用いることにより、250℃以下という比較的に低い
温度で皮膜を形成することができるので、リフレクタの
反射膜の劣化の問題がなく、また、成膜時に要するエネ
ルギを低く抑えることができる。また、本発明の保護皮
膜を構成する可溶性ポリイミドは、従来の不溶性ポリイ
ミドよりも赤外領域での吸光度が低く、保護皮膜として
用いたときに、熱線の吸収によるリフレクタの温度上昇
を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリフレクタを含む放電ランプの一実施
形態の断面図を示す。
【図2】本発明の可溶性ポリイミドと従来の不溶性ポリ
イミドの赤外線の波長領域での吸光度のグラフを示す。
【符号の説明】
10…放電ランプ 1…発光管 2…リフレクタ 3…ポリイミド保護皮膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // F21Y 101:00 (72)発明者 青木 尚三 神奈川県相模原市南橋本3−8−8 住友 スリーエム株式会社内 (72)発明者 鮎川 洋 神奈川県相模原市南橋本3−8−8 住友 スリーエム株式会社内 (72)発明者 岡田 幸久 神奈川県相模原市南橋本3−8−8 住友 スリーエム株式会社内 Fターム(参考) 3K042 AA01 AB04 AC06 BB00 BB01 5C058 BA29 EA02 EA26 EA42 EA51

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光管の周囲に配置されて前記発光管か
    らの光の指向性を高めるリフレクタであって、 前記リフレクタの外面には、有機溶媒に溶解可能な可溶
    性ポリイミドの耐熱性フィルムが設けられていることを
    特徴とするリフレクタ。
  2. 【請求項2】 前記耐熱性フィルムが透明である請求項
    1に記載のリフレクタ。
  3. 【請求項3】 前記可溶性ポリイミドが下記式で表わさ
    れる請求項1に記載のリフレクタ。 【化1】 (この式中、Xは単結合、酸素原子、硫黄原子、スルホ
    ン基、ジメチルケイ素、二官能芳香族残基、二官能芳香
    族エーテル残基、2,2−プロピリデン基及び1,1,
    1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピリデン基からなる
    群より選ばれ、 Yは、 【化2】 又は 【化3】 であり、 Zは、単結合、酸素原子、硫黄原子、ジメチルケイ素、
    スルホン基、2,2−プロピリデン基、1,1,1,
    3,3,3−ヘキサフロロプロピリデン基及び9,9−
    フルオレニリデン基からなる群より選ばれ、 nは11以上の整数であり、lは1以上の整数であり、
    mは0以上の整数である。)
  4. 【請求項4】 前記有機溶媒が極性溶媒である、請求項
    1に記載のリフレクタ。
  5. 【請求項5】 前記極性溶媒が、N−メチルピロリドン
    (NMP)、γ―ブチロラクトン、シクロペンタノン及びジ
    オキサンからなる群から少なくとも1つ選択される、請
    求項4に記載のリフレクタ。
  6. 【請求項6】 前記耐熱性フィルムには着色材料が添加
    されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のリフ
    レクタ。
  7. 【請求項7】 発光管と、 請求項1〜6のいずれか1項に記載のリフレクタと、 を備える放電ランプ。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の放電ランプ、 前記放電ランプからの光によって照明されうる表示素
    子、及び前記表示素子によって形成された画像をスクリ
    ーン上に投影する投影レンズ、を備える画像投影装置。
JP2001223498A 2001-07-24 2001-07-24 可溶性ポリイミドを用いたリフレクタ、それを備える放電ランプ及び画像投影装置 Pending JP2003051210A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001223498A JP2003051210A (ja) 2001-07-24 2001-07-24 可溶性ポリイミドを用いたリフレクタ、それを備える放電ランプ及び画像投影装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001223498A JP2003051210A (ja) 2001-07-24 2001-07-24 可溶性ポリイミドを用いたリフレクタ、それを備える放電ランプ及び画像投影装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003051210A true JP2003051210A (ja) 2003-02-21

Family

ID=19056831

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001223498A Pending JP2003051210A (ja) 2001-07-24 2001-07-24 可溶性ポリイミドを用いたリフレクタ、それを備える放電ランプ及び画像投影装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003051210A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005028388A1 (ja) * 2003-09-19 2005-03-31 Ngk Insulators, Ltd. 酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラス及びそれを用いた反射鏡基体
WO2005043234A1 (ja) * 2003-10-31 2005-05-12 Sharp Kabushiki Kaisha リフレクタ、光源装置、及び投射型表示装置
CN100355685C (zh) * 2003-09-19 2007-12-19 日本碍子株式会社 氧化锌—氧化铝—二氧化硅基晶化玻璃及使用其的反射体基材
US7635950B2 (en) 2005-03-31 2009-12-22 Sony Corporation Short-arc type high pressure discharge lamp having gaps formed among electrode axes, metal foils and a glass material surface

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005028388A1 (ja) * 2003-09-19 2005-03-31 Ngk Insulators, Ltd. 酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラス及びそれを用いた反射鏡基体
JPWO2005028388A1 (ja) * 2003-09-19 2006-11-30 日本碍子株式会社 酸化亜鉛−アルミナ−シリカ系結晶化ガラス
US7169476B2 (en) 2003-09-19 2007-01-30 Ngk Insulators, Ltd. Zinc oxide-alumina-silica-based crystallized glass
CN100355685C (zh) * 2003-09-19 2007-12-19 日本碍子株式会社 氧化锌—氧化铝—二氧化硅基晶化玻璃及使用其的反射体基材
WO2005043234A1 (ja) * 2003-10-31 2005-05-12 Sharp Kabushiki Kaisha リフレクタ、光源装置、及び投射型表示装置
US7635950B2 (en) 2005-03-31 2009-12-22 Sony Corporation Short-arc type high pressure discharge lamp having gaps formed among electrode axes, metal foils and a glass material surface

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI277820B (en) Projection display device, image projection system, and light source device
US20060176452A1 (en) Light tunnel and projection apparatus having same
TWI285247B (en) Light source device and projector
JP2005062592A (ja) リフレクタ、投射型表示装置及び投光装置
JP2007047340A (ja) リフレクタ及びそれを用いた投射型画像表示装置
JP2003051210A (ja) 可溶性ポリイミドを用いたリフレクタ、それを備える放電ランプ及び画像投影装置
TWI289720B (en) Lighting device and projector
JP2010210984A (ja) 光学素子及びプロジェクター
JP2006215278A (ja) 光学素子および照明装置
JP2004258402A (ja) カラーホイールおよび投射装置
JP3268791B2 (ja) 投写型表示装置
JP4784561B2 (ja) 光学装置
JP2004077850A (ja) 液晶表示装置
JP2003222822A (ja) 投影装置
CN100526972C (zh) 具有可分散热能的不可见光反射片的投影显示装置
JP2005283842A (ja) 投射表示装置、および、画像投射システム
JP5678694B2 (ja) 放電ランプ、光源装置及びプロジェクター
JP2007310223A (ja) 光学装置
JP2000147660A (ja) 光学装置
JP4802924B2 (ja) 反射鏡及びプロジェクター装置用光源装置
JP2010198976A (ja) 放電ランプ及びその製造方法、光源装置、プロジェクタ
JP2003222821A (ja) 投影装置光学系
JP2011096579A (ja) 放電ランプ及びその製造方法、光源装置、プロジェクター
US20070222950A1 (en) Projection apparatus and illmination system
WO2004083910A1 (ja) リフレクタ及びそれを用いた投射型表示装置