JP2011096579A - 放電ランプ及びその製造方法、光源装置、プロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明では、発光管の失透を効果的に且つ長期的に抑制することができ、ランプ寿命を大幅に改善することのできる放電ランプ及びその製造方法、光源装置、プロジェクターを提供する。
【解決手段】本発明の放電ランプ3は、発光管の内面に、B膜および保護膜がこの順で積層されてなる酸化物多層膜が形成されているが形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、放電ランプ及びその製造方法、光源装置、プロジェクターに関するものである。
従来、プロジェクターは、映像投写装置として会議でのプレゼンテーション用や家庭におけるホームシアター用など各方面に利用されている。このようなプロジェクターに使用される光源装置としては、例えば、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、及び高圧水銀ランプなどの電極を有する放電式ランプが主に用いられている。
しかしながら、このような放電式ランプは、点灯中に高温になるために、発光管の材質として用いられている石英ガラスの結晶化による失透現象により、透過光を低下させたり、発光管自体の強度を低下させてしまうなどの問題があった。これらの問題を解決するために、発光管内部に保護膜として立方晶系窒化硼素(c−BN)薄膜を用いたもの(特許文献1)、窒化珪素硼素(SiBN)薄膜を用いたもの(特許文献2)、酸化イットリウム等の保護膜を用いたものがある(特許文献3)。
特開平6−333535号公報 特許3467939号 特開2008−270074号公報
しかしながら、特許文献1,2のいずれの成膜法においても化学気相析出(CVD法)を用いており、発光管内面に均一に成膜を行うことが困難であるという問題があった。また、酸化イットリウム保護膜を用いた場合、点灯中に失透して透過率が低下するという問題がある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、発光管の失透を効果的に且つ長期的に抑制することができ、ランプ寿命を大幅に改善することのできる放電ランプ及びその製造方法、光源装置、プロジェクターを提供することを目的の一つとしている。
本発明の放電ランプは、上記課題を解決するために、前記発光管の内面に、B膜および保護膜がこの順で積層されてなる酸化物多層膜が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、発光管の内面に、B膜および保護膜がこの順で積層されてなる酸化物多層膜が形成されていることから、発光管の失透を長期的に抑制することが可能である。
また、発光管内にタングステンからなる電極を備え、前記保護膜がGeO膜であることが好ましい。
本発明によれば、GeO膜はB膜と同じくらいの失透抑制効果を有する。また、発光管の内面からB膜およびGeO膜をこの順で積層することにより、B膜がGeO膜で覆われて最外層がGeO膜となる。これにより、点灯時のB膜の蒸発を抑制し、蒸発したBの影響によるタングステンからなる放電ランプの電極の劣化を抑制することができる。
また、前記B膜が、Bの微粒子を焼成してなる薄膜であり、前記GeO膜が、GeOの微粒子を焼成してなる薄膜であることが好ましい。
本発明のB膜は、Bの微粒子を焼成してなる薄膜であり、GeO膜は、GeOの微粒子を焼成してなる薄膜である。これにより、化学的に安定しているとともに耐熱性にも優れており、ランプ点灯時に高温に晒されたとしても変質しにくい。これにより、発光管の失透を効果的且つ長期的に抑制することができ、放電ランプとしての寿命を大幅に改善することができる。
また、前記酸化物多層膜の膜厚が、0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。
本発明によれば、複合酸化単層膜の膜厚が0.1μm未満の場合には失透抑制効果があまり期待できない。一方、膜厚が10μmを超える場合には厚みが増して膜割れや剥離が生じるおそれがある。
また、前記酸化物多層膜の膜厚が、0.2μm以上5μm以下であることが好ましい。
本発明によれば、膜割れや剥離なども生じず、高い失透抑制効果が期待できるので、高い発光光率を長時間維持することが可能となる。
また、前記B膜の膜厚が、前記GeO膜の膜厚よりも薄いことが好ましい。
本発明によれば、B膜の膜厚がGeO膜の膜厚よりも薄いことから、Bが電極に与える影響を抑えることができる。これにより、タングステンからなる電極の劣化を抑制できる。
本発明の放電ランプの製造方法は、石英ガラスからなる発光管の内面に、Bを含む第1の液体材料を発光管の内面に塗布する工程と、塗布された前記第1の液体材料を焼成することで前記発光管の内面にB膜を形成する工程と、前記B膜上に酸化物材料を含む第2の液体材料を塗布する工程と、塗布された前記第2の液体材料を焼成して前記B膜上に保護膜を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、石英ガラスからなる発光管の内面に、Bを含む第1の液体材料を発光管の内面に塗布する工程と、塗布された第1の液体材料を焼成することで発光管の内面上にB膜を形成する工程と、B膜上に第2の液体材料を塗布する工程と、塗布された第2の液体材料を焼成してB膜上に保護膜を形成する工程と、を有することから、発光管の内面にB膜および保護膜からなる多層膜が形成される。このようにして得られた多層膜は、透光性が高いだけでなく化学的に安定したものとなり、耐熱性にも優れていることから、放電ランプの点灯時における高温に晒されたとしても変質しにくい。
また、発光管の内面の内面に上記液体材料を塗布した後に加熱することによってB膜を形成しているので、発光管との密着性が高められて、密着不良等による剥離等を防止できる。
また、前記第1の液体材料が、前記Bの微粒子を媒体に分散させてなる液体材料であり、前記第2の液体材料が、GeOの微粒子を媒体に分散させてなる液体材料であることが好ましい。
本発明によれば、各微粒子の凝集を防いで分散性を高めることができ、発光管の内面全体に均一な膜厚で失透抑制膜を形成することができる。
本発明の光源装置は、本発明の放電ランプを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、備えられた放電ランプの失透が長期的に抑制されるものであるため高輝度な照明光を長期に亘って照射することが可能である。
本発明のプロジェクターは、本発明の光源装置を備えたことを特徴とする。
本発明の電子機器は、本発明の高輝度な照明光を長期に亘って照射することが可能な光源装置を備えていることから、表示品位が高く信頼性の高い投写像を得ることができる。
本発明の一実施形態である光源装置の概略構成を示す断面図。 本発明の一実施形態である放電ランプの概略構成を示す断面図。 放電ランプの断面拡大図。 発光管の各構成における透過率の違いを表すグラフ。 加速試験によって得られた失透抑制効果を表わすグラフ。 放電ランプの製造方法のフローチャートを示す図。 放電ランプの製造方法の各製造工程を示す発光管の部分拡大断面図。 プロジェクターの概略構成図。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態である光源装置の概略構成を示す断面図、図2は、放電ランプの概略構成を示す断面図、図3は、発光管の要部拡大断面図である。
本実施形態の光源装置1は、後述するプロジェクターに好適に採用されるもので、リフレクター12と、リフレクター12の内部に配置される放電ランプ3と、を有している。放電ランプ3は、石英ガラス(SiO)から構成される発光管10と、発光管10内に配置された一対の電極11a,11aとを有し、発光管10内には発光物質が封入されている。
発光管10は、中央部が球状に膨出した膨出部10Aと、膨出部10Aの両側に延在する封止部10B、10Bと、からなり、膨出部10Aの内部に発光物質を充填した発光領域14(発光ガスを封入した発光空間)が形成されている。発光領域14の内径は例えば、略1mm〜2mm程度である。
封止部10B、10Bには、それぞれ棒状の電極11a,11aが互いの端部を離間させた状態で配置されている。電極11a,11aは導電性材料であって、特に、熱膨張係数が小さく耐熱性が高い材料、具体的にはタングステンが適している。
なお、電極11a,11aの先端が発光管10の発光領域14に侵入する場合は、内部に充填するガスの種類にもよるが、ガスとの反応により電極材料の金属が腐食することが考えられるので、その場合は耐食膜などを備えることが望ましい。
封止部10B、10Bの内部には、一対の電極11a,11aと電気的に接続されるモリブデン製の金属箔11bが挿入され、ガラス材料等で封止されている。この金属箔11bには、さらに電極引き出し線としてのリード線33が接続され、このリード線33は、放電ランプ3の外部まで延出している。
発光領域14内に充填される発光物質としては、水銀、希ガスおよびハロゲン化合物で構成される。ここで、水銀は、例えば0.15mg/mm〜0.32mg/mmの封入量であり、150bar〜190barの蒸気圧で封入されることが好ましい。
また、希ガスは、発光部における発光を補助するために用いられるものであり、特に限定されないが、常用されるアルゴンガス、キセノンガス等を用いることができる。
さらにハロゲン化化合物は、塩素、臭素、および沃素のうちのいずれかのハロゲンを用いることができ、特に臭素を用いることが好ましい。
図2に示すように、本実施形態の発光管10には、膨出部10Aの内面10aに発光管10の失透を抑制するための失透抑制膜18が設けられている。
失透抑制膜18は、図3に示すように、発光管10の内面10aからB膜18AおよびGeO膜(保護膜)18Bがこの順で積層されてなるB−GeO酸化物多層膜であり、膨出部10Aの内面10a全体を覆っている。このような薄膜は耐熱性を有するため、ランプ使用温度で結晶化しにくいという効果を有している。
膜18Aは、ホウ素酸化物(B)の微粒子を焼成してなる薄膜である。また、GeO膜18Bは、二酸化ゲルマニウム(GeO)の微粒子を焼成してなる薄膜である。このGeO膜18Aは、B膜18Bの表面が露出することがないようにB膜18Bの表面全体を覆って形成されている。
膜18Bは、放電ランプ3の点灯時に高温に晒されると蒸発する虞がある。B(ホウ素)が蒸発する量が多いと、タングステンからなる電極11a,11aが劣化してしまうことから、これを抑制するため本実施形態では、B膜18A上にGeO膜18Bを形成して、B膜18Bが直接高温に晒されるのを防止した構成となっている。
失透抑制膜18の膜厚は、発光管10内に封入される発光物質などによっても異なってくるが、例えば、0.1μm以上10μm以下に設定する。より好ましくは、0.2μm以上5μm以下の範囲内が好ましい。
ここで、B膜はGeO膜に対して薄く形成されていることが好ましく、具体的には約0.2μm〜0.3μmが好ましい。
膜18Aを覆う保護膜としてはGe以外の材料からなる酸化膜を用いることも可能であるが、GeO膜が最も好ましい。GeO膜は非晶質系の酸化物膜であって無機系のガラス物質であることから、耐熱温度が高く失透を長期的に抑制し得る。
リフレクター12は、放電ランプ3の封止部10Bが挿通される首状部21およびこの首状部21から拡がる曲面状の反射部22を備えたガラス製の一体成形品である。
首状部21には、中央に挿入孔23が形成されており、この挿入孔23の中心に封止部10Bが配置される。
反射部22は、曲面状のガラス内面に金属薄膜を蒸着形成して構成され、この反射部22の反射面は、可視光を反射して赤外線を透過するコールドミラーとなっている。
放電ランプ3は、この反射部22の内部に配置され、膨出部10Aの内の電極11a,11a間の発光中心が反射部22の曲面の焦点位置と一致するように配置される。
そして、放電ランプ3を点灯すると、図1に示されるように、膨出部10Aから放射された光束は、反射部22の反射面で反射して、平行光となる。
このようなリフレクター12に放電ランプ3を固定する際には、放電ランプ3の封止部10Bをリフレクター12の挿入孔23に挿入し、挿入孔23内部にシリカ、アルミナを主成分とする無機系接着剤を充填する。
副反射鏡13は、膨出部10Aの発光領域14の光束射出方向前側を覆う反射部材であり、その反射面は、発光領域14の球面(発光管10の内面10a)に倣う凹曲面状に形成され、反射面はリフレクター12と同様にコールドミラーとなっている。ここで、副反射鏡13は、膨出部10Aの発光領域14の光束射出方向前側の略半分以上、1/3以下の範囲を覆うことが好ましい。
上述した放電ランプ3において、封止部10Bから外側に延出するリード線33に電圧を印加すると、電極11a,11a間で放電が生じて発光部15が発光する。そして、放電ランプ3の膨出部10Aから前方側に射出された光束の一部は、この副反射鏡13の反射面にて反射され、膨出部10Aに再度戻る。そして、この戻り光の一部が膨出部10Aの発光領域14に封入された封入物にエネルギーを吸収されるとともに、その他の戻り光がリフレクター12側に向けて進み、リフレクター12の反射部22から射出される。
このように本実施形態の光源装置1は、発光管10の内面10aに、B膜18AおよびGeO膜18Bを積層した酸化物多層膜からなる失透抑制膜18によって、発光管10の失透を長期的に抑制することが可能である。この失透抑制膜18は、透光性が高いだけでなく化学的な安定性及び耐熱性に非常に優れていることから、ランプ点灯時に高温に晒されたとしても変質しにくい。これにより、発光管10の失透を効果的且つ長期的に抑制することができ、放電ランプ3としての寿命を大幅に改善することができる。
また、本実施形態では、失透抑制膜18の膜厚が0.1μm以上10μm以下とされている。失透抑制膜18の膜厚が0.1μm未満の場合には失透抑制効果があまり期待できない。一方、膜厚が10μmを超える場合には厚みが増して膜割れや剥離が生じるおそれがある。よって、上記範囲内の膜厚で形成するようにし、0.2μm以上5μm以下の膜厚がより好ましい。これにより、膜割れや剥離なども生じず、高い失透抑制効果が期待できるので、高い発光光率を長時間維持することが可能となる。
なお、本実施形態では、発光管10の内面10aからB膜18A及びGeO膜18Bがこの順で形成されており、B膜18Aの表面がGeO膜18Bによって覆われた構成とされている。さらに、GeO膜18Bに比べてB膜18Aの方が薄く形成されていることから、ランプ点灯時にB膜18Aが蒸発してしまうのを抑制でき、蒸発したホウ素(B)がタングステンからなる電極11a,11aに影響を及ぼして劣化させてしまうことを防止することができる。これにより、電極11a,11aの長寿命化が期待できる。
図4は、発光管の各構成における透過率の違いを表すグラフであって、縦軸に透過率T(%)、横軸に波長λ(mm)を示す。
図4では、内面に何も形成されていない発光管の透過率を実線で示し、内面にB膜が形成された直後の発光管の透過率を一点鎖線で示し、内面にB膜が形成されてから2日間経過した後の発光管の透過率を破線で示す。
図4に示すように、いずれの波長においても、B膜を有した発光管の方が内面に何も形成されていない発光管よりも透過率が高い。
内面にB膜が形成された直後の発光管の場合、ランプ光の波長λが低波長のときほど高い透過率が得られ、ランプの波長λが高くなるに従い透過率が低下する傾向が見られる。
しかしながら、内面にB膜が形成されて2日間経過した後の発光管の場合、いずれのランプ光の波長λにおいても69%前後の透過率Tが得られ、略一定の透過率Tとなっている。ランプ波長λが550mm以下の場合はB膜が形成された直後の発光管の透過率の方が高いが、ランプ波長λが550mmを超えた場合においてはB膜が形成されて所定時間が経過した後の発光管の方が高い透過率が得られていることが分かる。
このように、内面に何も形成されておらず、内面(SiO)が露出している発光管よりも、内面にB膜を有する発光管の方がランプ光の透過率が高いことが判明した。
また、B膜が形成された直後よりもある程度時間が経過したときの方が、高い透過率が得られることも分かった。これにより、B膜によって発光管の失透を長期的に抑制できることができ、本発明の有効性を確認することができた。
図5に、加速試験によって得られた失透抑制効果を表わすグラフであって、縦軸に失透深さ(μm)、横軸に放置時間(H)を示す。
図5では、内面に何も形成されていない発光管の失透深さを○のプロット線で示し、内面にB膜が形成された発光管の失透深さを●のプロット線で示す。
1400℃に加熱された窒素ガス(N)雰囲気内に各発光管を放置した場合の失透状態について比較する。内面に何も形成されていない発光管の場合、放置時間が経過するにつれて発光管の失透深さが急速に進行していき、放置時管が約150時間になると内面からの失透深さがすでに300μmにまでに達している。一方、内面にB膜が形成されている発光管の場合、加熱時間が150時間に達した時点においても内面からの失透深さが200μm未満である。
このように、内面に何も形成されていない発光管よりも、発光管の内面にB膜を形成しておくことによって大幅に失透抑制効果が得られることが判明した。これにより、B膜によって発光管の失透を長期的に抑制することができ、発明の有効性を確認することができた。
次に、本実施形態の光源装置における放電ランプの製造方法について説明する。以下の説明では、本願発明の特徴部分である放電ランプ3の内面に失透抑制膜を形成する工程について詳しく説明し、他の工程については説明を省略する。
図6に、本実施形態の放電ランプの製造方法のフローチャートを示す。
本実施形態の放電ランプの製造方法は、第1塗布工程S1、第1熱処理工程S2、第2塗布工程S3、第2熱処理工程S4、および発光物質封入工程S5を有している。
図7に、放電ランプの製造方法の各工程を示す発光管の要部拡大断面図を示す。
まず、図7(a)に示すように、発光管10の内面10aに、Bの微粒子を媒体に分散させてなる液体材料18aを塗布する(S1)。
なお、B微粒子は比較的低温でエタノールに溶解することから、液体材料としてB微粒子をエタノールに溶解させたB溶液を用いてもよい。
次に、図7(b)に示すように、塗布した液体材料(塗布膜)18aを乾燥させた後、発光管10を所定の温度(1000℃以上)で加熱・焼成して固化微粒子を溶融させ、発光管10の内面10a全体にB膜18Aを形成する(S2)。
次に、図7(c)に示すように、発光管10の内面10aに形成したB膜18Aを覆うようにして、その表面にGeOの微粒子を媒体に分散させてなる液体材料18bを塗布する(S3)。
次に、図7(d)に示すように、塗布した液体材料(塗布膜)を乾燥させた後、発光管10を所定の温度(1000℃以上)で加熱・焼成して固化微粒子を溶融させた後、B膜18A上にGeO膜18Bを形成する(S4)。このようにして、発光管10の内面10aにB膜18A及びGeO膜18Bからなる失透抑制膜18を形成する。
次に、発光管10の発光空間K内に電極11a,11a等を設置するとともに発光物質を充填する(S5)。発光物質として、水銀、希ガスおよびハロゲン化合物を所定の蒸気圧下で所定量封入する。このようにして、本実施形態における放電ランプ3を得る。
以上述べたように、B微粒子を分散媒に分散させてなる液体材料、およびGeO微粒子を分散媒に分散させてなる液体材料、を用いることで、各液体材料中における微粒子の凝集を防いで分散性を高めることができ、発光管10の内面10a全体に均一な膜厚でB膜及びGeO膜を形成することができ、所望の失透抑制膜18を得ることができる。
また、第1熱処理工程および第2熱処理工程において、所定の温度でB微粒子を含む塗布膜及びGeO微粒子含む塗布膜をそれぞれ焼成することにより、B微粒子やGeO微粒子などの固化微粒子が溶融してガラス化したB膜及びGeO膜が得られる。このようにして得られた失透抑制膜18は、透光性が高いだけでなく、化学的に安定したものとなり、また耐熱性にも優れていることから、放電ランプ3の点灯時における高温に晒されたとしても変質しにくい。
また、発光管10の内面10aの内面に上記B微粒子を含有した液体材料を塗布した後に加熱することによってB膜18Aを形成しているので、発光管10との密着性が高められて、密着不良による剥離等を防止することができる。また、B膜18Aの表面にGeO微粒子を含有した液体材料を塗布した後に加熱することによってGeO膜18Bを形成しているので、B膜18Aとの密着性が高められて、密着不良による剥離等を防止することができる。
また、本実施形態においては、上記各液体材料をDIP法(浸漬法)にて発光管10の内面10aあるいはB膜18A上に塗布している。このため、発光管10の内面10aおよびB膜18A上に均一な膜厚で失透抑制膜18を形成することができる。
(プロジェクター)
次に、上記実施形態の光源装置を用いたプロジェクターについて説明する。
図8は、プロジェクターの構成例を示す平面図である。この図に示されるように、プロジェクター1100内部には、上記した本発明の光源装置1を備えたランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル(光変調部)1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114(投射部)を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
プロジェクター1100は、上述した実施形態の光源装置1を備えている。光源装置1は失透が長期的に抑制されるものであるため高輝度な照明光を長期に亘って照射することが可能である。このため、プロジェクター1100は、長寿命化され、表示品位が高く信頼性の高い投写像を得ることができる。
また、上記実施形態でのプロジェクター1100は、光変調部として液晶パネルを用いている。しかし、これに限らず、一般に、入射光を画像情報に応じて変調するものであればよく、マイクロミラー型光変調装置などを使用しても良い。なお、マイクロミラー型光変調装置としては、例えば、DMD(Digital Micro mirror Device)(登録商標)を用いることができる。なお、マイクロミラー型光変調装置を用いた場合には、入射偏光板や射出偏光板などは不要とすることができ、偏光変換素子も不要とすることができる。
上記実施形態での光源装置1は、透過型液晶方式のプロジェクター1100に用いられている。しかし、これに限らず、反射型液晶方式であるLCOS(Liquid Crystal On Silicon)方式などを採用したプロジェクターに用いられても同様の効果を奏することが可能である。
先の実施形態での光変調部は、液晶パネルを3枚使用する3板方式であっても、液晶パネルを1枚使用する単板方式を用いても良い。なお、単板方式を用いた場合には、照明光学系の色分離光学系や色合成光学系などは不要とすることができる。
また、光源装置1は、外部に設置される投射面に光学像の投射を行うフロントタイプのプロジェクターに適用している。しかし、これに限らず、プロジェクターの内部にスクリーンを有して、そのスクリーンに光学像を投射するリアタイプのプロジェクターにも適用可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもなく、上記各実施形態を組み合わせても良い。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
先の実施形態での光源装置1は、プロジェクターの光源として適用している。しかし、これに限らず、小型軽量の光源装置は、他の光学機器に適用しても良い。また、航空、船舶、車輌などの照明機器や、屋内照明機器などへも好適に適用することができる。
1…光源装置、3…放電ランプ、10…発光管、10a…内面、18…失透抑制膜、18A…B膜、18B…GeO膜(保護膜)、1100…プロジェクター

Claims (10)

  1. 発光管の内面に、B膜および保護膜がこの順で積層されてなる酸化物多層膜が形成されていることを特徴とする放電ランプ。
  2. 前記発光管内にタングステンからなる電極を備え、
    前記保護膜がGeO膜であることを特徴とする請求項1記載の放電ランプ。
  3. 前記B膜が、Bの微粒子を焼成してなる薄膜であり、
    前記GeO膜が、GeOの微粒子を焼成してなる薄膜であることを特徴とする請求項2記載の放電ランプ。
  4. 前記酸化物多層膜の膜厚が、0.1μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の放電ランプ。
  5. 前記酸化物多層膜の膜厚が、0.2μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項4記載の放電ランプ。
  6. 前記B膜の膜厚が、前記GeO膜の膜厚よりも薄いことを特徴とする請求項2ないし5のいずれか一項に記載の放電ランプ。
  7. 石英ガラスからなる発光管の内面に、Bを含む第1の液体材料を発光管の内面に塗布する工程と、
    塗布された前記第1の液体材料を焼成することで前記発光管の内面にB膜を形成する工程と、
    前記B膜上に酸化物材料を含む第2の液体材料を塗布する工程と、
    塗布された前記第2の液体材料を焼成して前記B膜上に保護膜を形成する工程と、を有することを特徴とする放電ランプの製造方法。
  8. 前記第1の液体材料が、前記Bの微粒子を媒体に分散させてなる液体材料であり、
    前記第2の液体材料が、GeOの微粒子を媒体に分散させてなる液体材料であることを特徴とする請求項7記載の放電ランプの製造方法。
  9. 請求項1から6のいずれかに記載の放電ランプを備えたことを特徴とする光源装置。
  10. 請求項9に記載の光源装置を備えたことを特徴とするプロジェクター。
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