JPWO2005026349A1 - 非アミノ有機酸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

炭酸マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウム、並びに一定範囲の濃度の1価カチオンを含む水性媒体中で、コリネ型細菌の菌体または該細菌の処理物を有機原料に反応させることにより、水性媒体の体積の増加を起こすことなく、pHを一定の範囲に保った状態で、コハク酸、リンゴ酸又はフマル酸等の非アミノ有機酸を製造する。

Description

本発明は、コリネ型細菌を用いた非アミノ有機酸の製造に関するものである。
コハク酸などの非アミノ有機酸を発酵により生産する場合、通常、Anaerobiospirillum属、Actinobacillus属等の嫌気性細菌が用いられている(米国特許第5,142,834号公報、米国特許第5,504,004号公報又はInternational Journal of Systematic Bacteriology(1999),vol.49,p207−216)。嫌気性細菌を用いた場合は、生産物の収率が高いが、その一方では、増殖するために多くの栄養素を要求するために、培地中に多量のCSL(コーンスティープリカー)などの有機窒素源を添加する必要がある。これらの有機窒素源を多量に添加することは培地コストの上昇をもたらすだけでなく、生産物を取り出す際の精製コストの上昇にもつながり経済的でなかった。
また、コリネ型細菌などの好気性細菌を好気性条件下で一度培養し、菌体を増殖させた後、集菌、洗浄し、静止菌体として酸素を通気せずに非アミノ有機酸を生産する方法も知られている(特開平11−113588号公報、特開平11−196888号公報)。この場合、菌体を増殖させるに当たっては、有機窒素の添加量が少なくてよく、簡単な培地で十分増殖できるため経済的ではあるが、目的とする有機酸の生成量、生成濃度、菌体当たりの生産速度の向上、または、製造プロセスの簡略化等について改善の余地があった。
さらに非アミノ有機酸を発酵生産する場合には、非アミノ有機酸の生成とともにpHが低下するため、中和によりpHを調整しながら反応させる必要があった。そこで、pHの調整に炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムなどが用いられてきたが、中和液の添加により反応液の体積が増加するという問題点があった。一方で、炭酸マグネシウムや水酸化マグネシウムは水に溶けにくい等の理由から、コリネ型細菌を用いた非アミノ有機酸の発酵生産におけるpH調整には用いられてこなかった。
本発明の課題は、発酵法により、発酵液のpHを一定の範囲に調節しながら、非アミノ有機酸をより効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、水性媒体中で、該水性媒体を炭酸マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムで中和しながらコリネ型細菌と有機原料とを反応させることにより、発酵中の水性媒体の体積の増加を防ぎ、かつ、該媒体のpHを一定の範囲に保った状態で非アミノ有機酸を製造できることを見出した。さらに、1価カチオンを水性媒体中に共存させることにより、有機原料の消費速度、有機酸の生産速度および、収率が高まることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)水性媒体中でコリネ型細菌の菌体またはその処理物を有機原料に反応させて該有機原料から非アミノ有機酸を生成させ、該非アミノ有機酸を採取する工程を含む非アミノ有機酸の製造方法であって、前記水性媒体を炭酸マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムで中和しながら、前記菌体または処理物を有機原料に反応させることを特徴とする方法。
(2)1価カチオンを含有する水性媒体中でコリネ型細菌の菌体またはその処理物を有機原料に反応させて該有機原料から非アミノ有機酸を生成させ、該非アミノ有機酸を採取する工程を含む非アミノ有機酸の製造方法であって、前記水性媒体を炭酸マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムで中和しながら前記菌体または処理物を有機原料に反応させることを特徴とする方法。
(3)1価カチオンがアンモニウムイオンまたはナトリウムイオンである、(2)の方法。
(4)嫌気的雰囲気下で前記菌体または処理物を有機原料に反応させることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかの方法。
(5)前記水性媒体が炭酸イオン、重炭酸イオンまたは炭酸ガスを含有することを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかの方法。
(6)有機原料がグルコース又はシュークロースである、(1)〜(5)のいずれかの方法。
(7)非アミノ有機酸がコハク酸、リンゴ酸又はフマル酸である、(1)〜(6)のいずれかの方法。
(8)前記コリネ型細菌が、ラクテートデヒドロゲナーゼ活性が非改変株に比べて10%以下に低減化するように改変された細菌である、(1)〜(7)のいずれかの方法。
(9)前記コリネ型細菌が、フマル酸レダクターゼおよび/又はピルビン酸カルボキシラーゼの活性が増強するように改変された細菌である、(1)〜(7)のいずれかの方法。
(10)前記コリネ型細菌が、ラクテートデヒドロゲナーゼ活性が非改変株に比べて10%以下に低減化し、さらにフマル酸レダクターゼおよび/又はピルビン酸カルボキシラーゼの活性が増強するように改変された細菌である、(1)〜(7)のいずれかの方法。
(11)(1)〜(10)のいずれかの方法により非アミノ有機酸を製造する工程、及び前記工程で得られた非アミノ有機酸を原料として重合反応を行う工程を含む、非アミノ有機酸含有ポリマーの製造方法。
プラスミドpKMB1の構築手順と制限酵素地図を示す図。 プラスミドpKMB1/ΔLDHの構築手順を示す図。 プラスミドpTZ4の構築手順を示す図。 プラスミドpMJPC1の構築手順を示す図。 プラスミドpFRPC1.1の構築手順を示す図。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の製造方法は、水性媒体中、コリネ型細菌の菌体または該細菌の処理物を有機原料に反応させて該有機原料から非アミノ有機酸を生成させ、該非アミノ有機酸を採取する非アミノ有機酸の製造方法であって、前記水性媒体を炭酸マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムで中和しながら菌体または処理物を有機原料に反応させることを特徴とする、非アミノ有機酸の製造方法である。
本発明に使用されるコリネ型細菌(coryneform bacterium)は、非アミノ有機酸の生産能を有すれば特に限定されないが、コリネバクテリウム属に属する微生物、ブレビバクテリウム属に属する微生物又はアースロバクター属に属する微生物が挙げられ、このうち好ましくは、コリネバクテリウム属又はブレビバクテリウム属に属するものが挙げられ、更に好ましくは、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)、ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス(Brevibacterium ammoniagenes)又はブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)に属する微生物が挙げられる。
上記微生物の特に好ましい具体例としては、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)MJ−233(FERM BP−1497)、同MJ−233 AB−41(FERM BP−1498)、ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス(Brevibacterium ammoniagenes)ATCC6872、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ATCC31831、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)ATCC13869が挙げられる。
ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233は、1975年4月28日に通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所(現独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター)(〒305−8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に受託番号FERM P−3068として寄託され、1981年5月1日にブダペスト条約に基づく国際寄託に移管され、FERM BP−1497の受託番号で寄託されている。
なお、ブレビバクテリウム・フラバムは、現在、コリネバクテリウム・グルタミカムに分類される場合もあることから(Lielbl,W.,Ehrmann,M.,Ludwig,W.and Schleifer,K.H.,International Journal of Systematic Bacteriology,1991,vol.41,p255−260)、本発明においては、ブレビバクテリウム・フラバムのMJ−233株及びMJ−233 AB−41株はそれぞれ、コリネバクテリウム・グルタミカムのMJ−233株及びMJ−233 AB−41株と同一の株であるものとする。
本発明の方法において用いられる上記微生物は、野生株だけでなく、UV照射やNTG処理等の通常の変異処理により得られる変異株、細胞融合もしくは遺伝子組換え法などの遺伝学的手法により誘導される組換え株などのいずれの株であってもよい。尚、上記遺伝子組み換え株の宿主としては、形質転換可能な微生物であれば、親株と同じ属種であっても良いし、属種の異なるものであっても良いが、上述のような好気性細菌を宿主とするのが好ましい。
本発明の製造方法においては、ラクテートデヒドロゲナーゼ活性が低減化するように改変された変異株を用いることが好ましい。「ラクテートデヒドロゲナーゼ活性が低減化する」とは、ラクテートデヒドロゲナーゼ非改変株と比較して菌体当たりのラクテートデヒドロゲナーゼ活性が低下していることをいう。ラクテートデヒドロゲナーゼ活性は、ラクテートデヒドロゲナーゼ非改変株と比較して、菌体当たり10%以下に低減化されていることが好ましい。また、ラクテートデヒドロゲナーゼ活性は完全に欠損していてもよい。ラクテートデヒドロゲナーゼ活性が低減化されたことは、公知の方法(L.Kanarek and R.L.Hill,J.Biol.Chem.239,4202(1964))によりラクテートデヒドロゲナーゼ活性を測定することによって確認することができる。コリネ型細菌のラクテートデヒドロゲナーゼ活性の低減化された変異株の具体的な製造方法としては、特開平11−206385号公報に記載されている染色体への相同組換えによる方法、あるいは、本明細書実施例に記載のSacB遺伝子を用いる方法(Schafer,A.et al.Gene 145(1994)69−73)等が挙げられる。
また、本発明の製造方法においては、フマル酸リダクターゼ(FRD)および/またはピルビン酸カルボキシラーゼ(PC)の活性が増強するように改変されたコリネ型細菌を用いることもできる。ここで、「増強」とは、非改変株と比較してこれらの酵素の菌体当たりの活性が増加している状態をいう。フマル酸リダクターゼについて、大腸菌のフマル酸リダクターゼはTCA回路の正回りで作用するコハク酸デヒドロゲナーゼの逆反応を担う酵素であるが、嫌気的条件下におけるフマル酸呼吸に関与しており、好気的条件下においては転写レベルでその遺伝子発現が抑制されていることが知られている(Jones,H.M.,Gunsalus,R.P.,J.Bacteriol.,1985,Vol.164,p1100−1109)。従って、フマル酸リダクターゼはその活性が増強されすぎると、菌体の生育が悪くなることが考えられるため、本発明においては、フマル酸リダクターゼ活性は菌体の生育が大きく阻害されない程度に増強されていることが望ましい。
なお、PCおよびFRDの活性が増強されたことは、それぞれ後述するようなNADHの減少またはKFe(CN)の減少を測定する方法により、これらの酵素活性を測定することによって確認することができる。フマル酸リダクターゼあるいはピルビン酸カルボキシラーゼの発現が増強されたコリネ型細菌は、フマル酸リダクターゼ(FRD)遺伝子またはピルビン酸カルボキシラーゼ(PC)遺伝子を、特開平11−196888号公報に記載された方法と同様にして遺伝子組み換え技術を用い、コリネ型細菌中で高発現させることにより作製することができる。
PC活性を増強させるために用いるPC遺伝子は、既にその塩基配列が決定されている遺伝子、もしくは、通常の方法によりPC活性を有するタンパク質をコードするDNA断片を微生物、動植物等の染色体より単離し、塩基配列を決定したものを使用することができる。また、塩基配列が決定された後には、その配列にしたがって合成した遺伝子を使用することもできる。
PC遺伝子を含むDNA断片は、微生物、動植物由来の染色体上に存在している。これらの供給源微生物、動植物からPC遺伝子を調製するための基本操作を、配列が既知である、コリネ型細菌由来のものを一例として述べれば次のとおりである。
PC遺伝子は、上記コリネ型細菌コリネバクテリウム・グルタミカム ATCC13032株の染色体上に存在し(Peters−Wendisch,P.G.et al.Microbiology 144(1998)915−927)、それらの配列が既知であるため(GenBank Database Accession No.AP005276)(配列番号15)、PCR法により、PC遺伝子を分離・取得することができる。
例えば、PCRに用いるプライマーとして、配列番号13及び14に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを用いてコリネバクテリウム・グルタミカム由来の染色体を鋳型としてPCRを行うと、約3.7kbからなるPC遺伝子を増幅させることができる。このとき、PCRに使用するプライマーの5’末端に適当な制限酵素サイトを付加しておくことにより、後述するベクターの適当な部位に連結させることができ、得られる組換えベクターを用いてコリネ型細菌に導入することができる。
また、遺伝子配列が不明であっても、PC活性を指標に蛋白質を精製し、そのN末アミノ酸配列、部分分解配列よりプローブまたはプライマーを合成し、通常用いられるハイブリダイゼーションの手法により遺伝子断片を単離できる。また、PC蛋白質間で保存されている領域のアミノ酸配列をもとにプローブまたはプライマーを合成し、ハイブリダイゼーション、PCR法により断片を取得することが可能である。取得した断片は通常の手法によりそのDNA塩基配列を決定することができる。
本明細書において、切断DNA断片の大きさ及びプラスミドの大きさは、アガロースゲル電気泳動を用いる場合には、エシェリヒア・コリのラムダ・ファージ(λphage)のDNAを制限酵素HindIIIで切断して得られる分子量既知のDNA断片の同一アガロースゲル上での泳動距離で描かれる標準線に基づき、また、ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いる場合には、エシェリヒア・コリのファイ・エックス174ファージ(φX174phage)のDNAを制限酵素HaeIIIで切断して得られる分子量既知のDNA断片の同一ポロアクリルアミドゲル上での泳動距離で描かれる標準線に基づき、切断DNA断片またはプラスミドの各DNA断片の大きさを算出することができる。尚、各DNA断片の大きさの決定において、1kb以上の断片の大きさについては、1%アガロースゲル電気泳動によって得られる結果を採用し、約0.1kbから1kb未満の断片の大きさについては4%ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られる結果を採用した。
上記PC遺伝子を含む本発明に用いるDNA断片は、コリネバクテリウム・グルタミカム染色体DNAから分離されたもののみならず、通常用いられるDNA合成装置、例えばアプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)社製394DNA/RNAシンセサイザーを用いて合成されたものであってもよい。また、前記のようにコリネ型細菌染色体DNAから取得されるPC遺伝子は、コードされるPCの機能、すなわち二酸化炭素固定に関与する性質を実質的に損なうことがない限り、配列番号15の塩基配列において、一部の塩基が他の塩基と置換されていてもよく、又は削除されていてもよく、或いは新たに塩基が挿入されていてもよく、さらに塩基配列の一部が転位されているものであってもよく、これらの誘導体のいずれもが、本発明に用いることができる。例えば、配列番号15の塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA、または配列番号15の塩基配列と90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上の相同性を有するDNAであって、PC活性を有するタンパク質をコードするDNAも好適に用いることができる。ここで、ストリンジェントな条件としては、通常のサザンハイブリダイゼーションの洗いの条件である60℃、1×SSC,0.1%SDS、好ましくは、0.1×SSC、0.1%SDSに相当する塩濃度でハイブリダイズする条件が挙げられる。
また、コリネバクテリウム・グルタミカム以外の細菌、または他の微生物又は動植物由来のPC遺伝子を使用することもできる。特に、以下に示す微生物または動植物由来のPC遺伝子は、その配列が既知(括弧内に文献を示す)であり、上記と同様にしてハイブリダイゼーンションにより、あるいはPCR法によりそのORF部分を増幅することによって、取得することができる。得られた遺伝子は、後記実施例3作製のベクターのTZ4プロモーター下流に挿入することができる。挿入したプラスミドを実施例4(C)の方法に従って好気性コリネ型細菌を形質転換し、非アミノ有機酸の製造に使用することができる。
ヒト[Biochem.Biophys.Res.Comm.,202,1009−1014,(1994)]
マウス[Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,90,1766−1779,(1993)]
ラット[GENE,165,331−332,(1995)]
酵母;
サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)
[Mol.Gen.Genet.,229,307−315,(1991)]
シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)
[DDBJ Accession No.;D78170]
バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)
[GENE,191,47−50,(1997)]
リゾビウム・エトリ(Rhizobium etli)
[J.Bacteriol.,178,5960−5970,(1996)]
PC遺伝子を含むDNA断片は、適当な発現プラスミド、例えばpUC118(宝酒造製)へ挿入し、適当な宿主微生物、例えばエシェリヒア・コリJM109(宝酒造製)へ導入することにより発現させることができる。発現したPC遺伝子産物であるピルビン酸カルボキシラーゼ(配列番号16)の確認は、該形質転換体から粗酵素液を抽出し、Magasanikの方法[J.Bacteriol.,158,55−62,(1984)]により直接PC活性を測定し、非形質転換株から抽出した粗酵素液のPC活性と比較することにより、確認することができる。
PC遺伝子を含むDNA断片は、適当なプラスミド、例えばコリネ型細菌内でプラスミドの複製増殖機能を司る遺伝子を少なくとも含むプラスミドベクターに導入することにより、コリネ型細菌内でPCの高発現可能な組換えプラスミドを得ることができる。ここで、上記組み換えプラスミドにおいて、PC遺伝子を発現させるためのプロモーターはコリネ型細菌が保有するプロモーターであることができるが、それに限られるものではなく、PC遺伝子の転写を開始させるための塩基配列であればいかなるプロモーターであっても良い。例えば、実施例3に示すようなTZ4プロモーターが挙げられる。
PC遺伝子を導入することができるプラスミドベクターとしては、コリネ型細菌内での複製増殖機能を司る遺伝子を少なくとも含むものであれば特に制限されない。その具体例としては、例えば、特開平3−210184号公報に記載のプラスミドpCRY30;特開平2−72876号公報及び米国特許5,185,262号明細書公報に記載のプラスミドpCRY21、pCRY2KE、pCRY2KX、pCRY31、pCRY3KE及びpCRY3KX;特開平1−191686号公報に記載のプラスミドpCRY2およびpCRY3;特開昭58−67679号公報に記載のpAM330;特開昭58−77895号公報に記載のpHM1519;特開昭58−192900号公報に記載のpAJ655、pAJ611及びpAJ1844;特開昭57−134500号公報に記載のpCG1;特開昭58−35197号公報に記載のpCG2;特開昭57−183799号公報に記載のpCG4およびpCG11等を挙げることができる。
それらの中でもコリネ型細菌の宿主−ベクター系で用いられるプラスミドベクターとしては、コリネ型細菌内でプラスミドの複製増殖機能を司る遺伝子とコリネ型細菌内でプラスミドの安定化機能を司る遺伝子とを有するものが好ましく、例えば、プラスミドpCRY30、pCRY21、pCRY2KE、pCRY2KX、pCRY31、pCRY3KEおよびpCRY3KX等が好適に使用される。
PC遺伝子を好気性コリネ型細菌内で複製可能なプラスミドベクターの適当な部位に挿入して得られる組み換えベクターで、コリネ型細菌、例えばブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)MJ−233(FERM BP−1497)を形質転換することにより、本発明で用いるPC遺伝子の発現が増強されたコリネ型細菌が得られる。なお、PC活性の増強は、公知の相同組換え法によって染色体上でPC遺伝子を導入、置換、増幅等によって高発現化させることによっても行うことができる。形質転換は、例えば、電気パルス法(Res.Microbiol.,Vol.144,p.181−185,1993)等によって行うことができる。
本発明において使用するFRD活性が増強された細菌は、FRD遺伝子を細菌に導入することによって得ることができる。用いることのできるFRD遺伝子はフマル酸リダクターゼ活性を有するタンパク質をコードする限り特に限定されないが、例えば、配列番号19に示す塩基配列を有する大腸菌由来の遺伝子を挙げることができる。この遺伝子はFRDを構成する4つのサブユニット(frdA、frdB、frdC及びfrdD;配列番号20〜23)をコードする遺伝子(配列番号19の440〜2245,2241〜2975,2986〜3381,及び3392〜3751)をそれぞれ含む、オペロン遺伝子である。この遺伝子の全長を細菌に導入してもよいし、サブユニット遺伝子ごとに導入してもよい。各サブユニット遺伝子は、FRD活性を有する複合体を形成することのできるサブユニットタンパク質をコードする限り、上記塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA、または上記塩基配列と90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上の相同性を有するようなホモログであってもよい。ここで、ストリンジェントな条件としては、通常のサザンハイブリダイゼーションの洗いの条件である60℃、1×SSC,0.1%SDS、好ましくは、0.1×SSC、0.1%SDSに相当する塩濃度でハイブリダイズする条件が挙げられる。なお、このようなFRD遺伝子ホモログの中でも、FRDのBサブユニット(frdB)(配列番号21)の17番目のアミノ酸に対応するアミノ酸がリジンであるようなタンパク質をコードするものが好ましい。配列番号19に示す塩基配列を有する遺伝子又はそのホモログは、PCR法やハイブリダイゼーション法によって得ることができる。また、必要に応じて、frdBの17番目のアミノ酸に対応するアミノ酸がリジンになるような突然変異を、公知の方法により導入することもできる。
また、大腸菌以外の細菌、または他の微生物又は動植物由来のFRD遺伝子を使用することもできる。微生物または動植物由来のFRD遺伝子は、既にその塩基配列が決定されている遺伝子、ホモロジー等に基いてFRD活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を微生物、動植物等の染色体より単離し、塩基配列を決定したものなどを使用することができる。また、塩基配列が決定された後には、その配列にしたがって合成した遺伝子を使用することもできる。これらはハイブリダイゼーション法やPCR法によりそのプロモーターおよびORF部分を含む領域を増幅することによって、取得することができる。
得られたFRD遺伝子を含むDNA断片を、適当なプラスミド、例えばコリネ型細菌内でプラスミドの複製増殖機能を司る遺伝子を少なくとも含むプラスミドベクターに導入することにより、コリネ型細菌内でFRDの発現増強が可能な組換えプラスミドを得ることができる。コリネ型細菌にFRD遺伝子を導入することができるプラスミドベクターとしては、コリネ型細菌内での複製増殖機能を司る遺伝子を少なくとも含むものであれば特に制限されず、上述のpCRY30、pCRY21等を用いることができる。なお、FRD活性の増強は、公知の相同組換え法によって染色体上でFRD遺伝子を導入、置換、増幅等によって高発現化させることによっても行うことができる。
前述したように、本発明においてフマル酸リダクターゼ活性は、菌体の生育が大きく阻害されない程度に増強されていることが望ましいため、適当なコピー数のプラスミドを選択するか、適当な発現強度のプロモーターを選択することにより、FRD遺伝子の発現量を調節することが好ましい。ここで、FRD遺伝子を発現させるためのプロモーターはコリネ型細菌において機能するものであればいかなるプロモーターであっても良く、用いるFRD遺伝子自身のプロモーターであってもよい。
本発明において、PC及びFRD活性が増強した細菌を用いる場合は、これらの遺伝子を個別に細菌に導入してもよいし、両遺伝子を含むベクターを用いて同時に導入してもよい。本発明においては、ラクテートデヒドロゲナーゼ活性が低減化し、かつPC及び/またはFRD活性が増強するように改変された細菌を用いることが特に好ましい。このような細菌は、例えば、LDH遺伝子が破壊されたコリネ型細菌を作製し、得られた細菌をPC遺伝子及びFRD遺伝子を含む組換えベクターでそれぞれ形質転換することにより得ることができる。なお、これらの遺伝子を用いた改変操作はいずれの操作を先に行ってもよい。
本発明の製造方法に上記細菌を用いるに当たっては、寒天培地等の固体培地で斜面培養したものを直接反応に用いても良いが、上記細菌を予め液体培地で培養(種培養)したものを用いるのが好ましい。このように種培養した細菌を有機原料を含む培地で増殖させながら、有機原料と反応させることによって非アミノ有機酸を製造することができる。また、増殖させて得られた菌体を有機原料を含む水溶液中で有機原料と反応させることによっても製造することができる。なお、好気性コリネ型細菌を本発明の方法に用いるためには、先ず菌体を通常の好気的な条件で培養した後用いることが好ましい。培養に用いる培地は、通常微生物の培養に用いられる培地を用いることができる。例えば、硫酸アンモニウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム等の無機塩からなる組成に、肉エキス、酵母エキス、ペプトン等の天然栄養源を添加した一般的な培地を用いることができる。培養後の菌体は、遠心分離、膜分離等によって回収され、反応に用いられる。
本発明においては菌体の処理物を使用することもできる。菌体の処理物とは、例えば、菌体をアクリルアミド、カラギーナン等で固定化した固定化菌体、菌体抽出物、例えば、菌体を破砕した破砕物、その遠心分離上清、又はその上清を硫安処理等で部分精製した画分等を挙げることができる。
本発明の製造方法において用いる有機原料は、本微生物が資化して非アミノ有機酸を生成させうる炭素源であれば特に限定されないが、通常、ガラクトース、ラクトース、グルコース、フルクトース、グリセロール、シュークロース、サッカロース、デンプン、セルロース等の炭水化物;グリセリン、マンニトール、キシリトール、リビトール等のポリアルコール類等の発酵性糖質が用いられ、このうちグルコース、シュークロース、フルクトース又はグリセロールが好ましく、特にグルコース又はシュークロースが好ましい。また、上記発酵性糖質を含有する澱粉糖化液、糖蜜なども使用される。これらの有機原料は、単独でも組み合わせても使用できる。
上記有機原料の使用濃度は特に限定されないが、有機酸の生成を阻害しない範囲で可能な限り高くするのが有利であり、通常、5〜30%(W/V)、好ましくは10〜20%(W/V)の範囲内で用いることができる。また、反応の進行に伴う上記有機原料の減少にあわせ、有機原料の追加添加を行っても良い。
本発明の製造方法に用いる水性媒体としては特に限定されず、例えば、水、緩衝液、液体培地等が挙げられるが、既述したような液体培地が最も好ましい。また、本発明の水性媒体には、窒素源や無機塩などが含まれることが好ましい。ここで、窒素源としては、本微生物が資化して非アミノ有機酸を生成させうる窒素源であれば特に限定されないが、具体的には、アンモニウム塩、硝酸塩、尿素、大豆加水分解物、カゼイン分解物、ペプトン、酵母エキス、肉エキス、コーンスティープリカーなどの各種の有機、無機の窒素化合物が挙げられる。無機塩としては各種リン酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カリウム、マンガン、鉄、亜鉛等の金属塩が用いられる。また、ビオチン、パントテン酸、イノシトール、ニコチン酸等のビタミン類、ヌクレオチド、アミノ酸などの生育を促進する因子を必要に応じて添加するとよい。また、反応時の発泡を抑えるために、水性媒体には市販の消泡剤を適量添加しておくことが望ましい。
本発明の製造方法の一形態においては、水性媒体を、炭酸マグネシウムを添加することによって中和しながら反応させる。炭酸マグネシウムは、4炭酸マグネシウム1水酸化マグネシウム5水和物として存在しており、比較的水に溶けにくい。水性媒体へ炭酸マグネシウムの添加は、粉末等の固体あるいは水等に溶かした溶液を加えることにより行うことができるが、溶液の添加による体積の増加を防ぐことが可能であるため、粉末等の固体のまま添加することが好ましい。粉末で添加した炭酸マグネシウムは、溶解度が低いため、過剰に添加しても、アルカリ性に傾きすぎることなく一定のpHを保つことが可能である。例えば、コリネ型細菌の菌体懸濁液に、炭酸マグネシウムを過剰に添加した場合の初期pHは、pH8〜8.5程度であり、その後反応が進むにつれてpHは低下するが、反応後のpHは、pH6〜7程度に保持されている。これは、反応中、過剰に添加されて溶け残った炭酸マグネシウムが次第に溶解し、pHが急激に下がることを防ぐためと考えられる。
本発明の製造方法の他の形態においては、水酸化マグネシウムを添加することによって、水性媒体を中和しながら反応させてもよい。水酸化マグネシウムの水性媒体への添加は、例えば粉体等の固体あるいは水等に溶かした溶液の状態で行うことができる。この場合、目的とする有機酸の生産量を増加させるため、炭酸ガスを供給しつつ反応を行うことが好ましい。
本発明の製造方法の他の形態においては、炭酸マグネシウム及び水酸化マグネシウムを添加することにより水性媒体を中和しながら反応させてもよい。炭酸マグネシウム及び水酸化マグネシウムの添加は、同時に行って中和してもよいし、炭酸マグネシウムを添加した後に水酸化マグネシウムを添加して中和してもよいし、また、水酸化マグネシウムを添加した後に炭酸マグネシウムを添加して中和してもよい。
本反応において、中和するとは、反応により生じた非アミノ有機酸を炭酸マグネシウム及び/または水酸化マグネシウムと反応させることにより、水性媒体のpHを一定の範囲、例えばpH5〜10、好ましくはpH6〜9.5に保つことをいう。本発明においては、炭酸マグネシウム及び/または水酸化マグネシウムを最初に添加してもよいし、反応中も必要に応じてさらに加えてもよい。また、炭酸マグネシウム及び/または水酸化マグネシウムに加えて、他のpH調節物質、例えばアルカリ性物質、炭酸塩、尿素などを添加してもよい。
水性媒体には、炭酸イオン、重炭酸イオン又は炭酸ガスを含有させ、好気的条件または嫌気的条件で反応させることが好ましい。炭酸イオン又は重炭酸イオンは、中和剤として用いる炭酸マグネシウムから供給されるが、必要に応じて、炭酸若しくは重炭酸又はこれらの塩或いは炭酸ガスから供給することもできる。炭酸又は重炭酸の塩の具体例としては、例えば炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等が挙げられる。そして、炭酸イオン、重炭酸イオンは、0.001〜5M、好ましくは0.1〜3M、さらに好ましくは1〜2Mの濃度で添加するとよい。炭酸ガスを含有させる場合は、溶液1L当たり50mg〜25g、好ましくは100mg〜15g、さらに好ましくは150mg〜10gの炭酸ガスを含有させるとよい。
また、本発明で用いる水性媒体に1価カチオンを添加することによりコハク酸等の有機酸の生成速度あるいは収率を上昇させることができる。1価カチオンとしては、アンモニウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が挙げられるが、アンモニウムイオンが好ましく用いられる。
1価カチオン添加の際は、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等、1価カチオンの水酸化物として添加することができるが、1価カチオンの塩として添加することが好ましく、アンモニウムイオンの塩としては、炭酸水素アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等が、ナトリウムイオンの塩としては、炭酸水素ナトリウム等が、カリウムイオンの塩としては、炭酸水素カリウム等が挙げられる。
1価カチオンの塩を添加する場合は、通常、粉末状態で添加するか、その懸濁液または水溶液として添加することが好ましい。また、水酸化アンモニウムを添加する場合は、アンモニア水として添加してもよいし、気体として反応液中に通気することにより添加することもできる。
1価カチオンの添加濃度としては、アンモニウムイオンとしては、0.001M〜2M、好ましくは0.01M〜1Mであり、ナトリウムイオンとしては、0.001M〜2M、好ましくは0.01M〜1Mであり、カリウムイオンとしては、0.001M〜2M、好ましくは0.01M〜1Mである。
1価カチオンの添加時期としては、反応開始時に添加してもよいし、反応途中で連続的、逐次的あるいは間欠的に添加してもよい。連続的に反応液を使用する場合は、反応液に既に添加されている1価カチオンの量を考慮し、1価カチオンの反応液中の濃度が前記した好ましい濃度になるように添加することが好ましい。
本反応に用いる微生物の生育至適温度は、通常、25℃〜35℃である。反応時の温度は、通常、25℃〜40℃、好ましくは30℃〜37℃である。反応に用いる菌体の量は、特に規定されないが、1〜700g/L、好ましくは10〜500g/L、さらに好ましくは20〜400g/Lが用いられる。反応時間は1時間〜168時間が好ましく、3時間〜72時間がより好ましい。
細菌の培養時は、通気、攪拌し酸素を供給することが必要である。一方、有機酸の生成反応は、通気、攪拌して行ってもよいが、通気せず、酸素を供給しない、又は、通気を絞り酸素供給量を制限した嫌気的雰囲気下で行ってもよい。ここでいう嫌気的雰囲気下とは、溶液中の溶存酸素濃度を低く抑えて反応することを意味する。この場合、溶存酸素濃度として0〜2ppm、好ましくは0〜1ppm、さらに好ましくは0〜0.5ppmで反応させることが望ましい。そのための方法としては、例えば容器を密閉して無通気で反応させる、窒素ガス等の不活性ガスを供給して反応させる、炭酸ガス含有の不活性ガスを通気する、攪拌を少なくする等の方法を用いることができる。
有機酸の生成反応は、通常、培養液中のグルコース等の有機原料が消費された時点で反応終了とすることができる。このとき、反応液中には、コハク酸、リンゴ酸またはフマル酸等の有機酸が生成している。このうち、コハク酸が最も蓄積度が高く生産物としては好ましい。
上記の反応により、コハク酸、リンゴ酸またはフマル酸等の有機酸を得ることができる。この有機酸含有組成物自体も本発明の範囲内である。有機酸含有組成物としてはコハク酸の蓄積濃度が高いものが特に好ましい。また、反応液又は培養液中に蓄積した有機酸は常法に従って、分離・精製することができる。具体的には、遠心分離、ろ過等により菌体等の固形物を除去した後、イオン交換樹脂等で脱塩し、その溶液から結晶化あるいはカラムクロマトグラフィーにより有機酸を分離・精製することができる。
さらに本発明においては、上記した本発明の方法により非アミノ有機酸を製造した後に、得られた非アミノ有機酸を原料として重合反応を行うことにより非アミノ有機酸含有ポリマーを製造することができる。近年、環境に配慮した工業製品が数を増す中、植物由来の原料を用いたポリマーに注目が集まってきており、本発明において製造される非アミノ有機酸は、ポリエステルやポリアミドといったポリマーに加工されて用いる事が出来る。また、本発明の製造法により得られる非アミノ有機酸または該非アミノ有機酸を含有する組成物は、食品添加物や医薬品、化粧品として用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
実施例1
<遺伝子破壊用ベクターの構築>
(A)枯草菌ゲノムDNAの抽出
LB培地[組成:トリプトン10g、イーストエキストラクト5g、NaCl5gを蒸留水1Lに溶解]10mLに、枯草菌(Bacillus subtilis ISW1214)を対数増殖期後期まで培養し、菌体を集めた。得られた菌体を10mg/mLの濃度にリゾチームを含む10mM NaCl−20mMトリス緩衝液(pH8.0)−1mM EDTA・2Na溶液0.15mLに懸濁した。
次に、上記懸濁液にプロテナーゼKを、最終濃度が100μg/mLになるように添加し、37℃で1時間保温した。さらにドデシル硫酸ナトリウムを最終濃度が0.5%になるように添加し、50℃で6時間保温して溶菌した。この溶菌液に、等量のフェノール/クロロフォルム溶液を添加し、室温で10分間ゆるやかに振盪した後、全量を遠心分離(5,000×g、20分間、10〜12℃)し、上清画分を分取し、酢酸ナトリウムを0.3Mとなるように添加した後、2倍量のエタノールを加え混合した。遠心分離(15,000×g、2分)により回収した沈殿物を70%エタノールで洗浄した後、風乾した。得られたDNAに10mMトリス緩衝液(pH7.5)−1mM EDTA・2Na溶液5mLを加え、4℃で一晩静置し、以後のPCRの鋳型DNAに使用した。
(B)PCRによるSacB遺伝子の増幅およびクローニング
枯草菌SacB遺伝子の取得は、上記(A)で調製したDNAを鋳型とし、既に報告されている該遺伝子の塩基配列(GenBank Database Accession No.X02730)を基に設計した合成DNA(配列番号1および配列番号2)を用いたPCRによって行った。
反応液組成:鋳型DNA1μL、PfxDNAポリメラーゼ(インビトロジェン社製)0.2μL、1倍濃度添付バッファー、0.3μM各々プライマー、1mM MgSO、0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。反応温度条件:DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch社製)を用い、94℃で20秒、68℃で2分からなるサイクルを35回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの68℃での保温は5分とした。増幅産物の確認は、0.75%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMCBioProducts製)ゲル電気泳動により分離後、臭化エチジウム染色により可視化することにより行い、約2kbの断片を検出した。ゲルからの目的DNA断片の回収は、QIAQuick Gel Extraction Kit(QIAGEN製)を用いて行った。
回収したDNA断片は、T4 ポリヌクレオチドキナーゼ(T4 Polynucleotide Kinase:宝酒造製)により5’末端をリン酸化した後、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて大腸菌ベクター(pBluescriptII:STRATEGENE製)のEcoRV部位に結合し、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLアンピシリンおよび50μg/mLX−Galを含むLB寒天培地[トリプトン10g、イーストエキストラクト5g、NaCl5g及び寒天15gを蒸留水1Lに溶解]に塗抹した。
この培地上で白色のコロニーを形成したクローンを、次に50μg/mLアンピシリンおよび10%ショ糖を含むLB寒天培地に移し37℃24時間培養した。これらのクローンのうち、ショ糖を含む培地で生育できなかったものについて、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。SacB遺伝子が大腸菌内で機能的に発現する株は、ショ糖含有培地にて生育不能となるはずである。得られたプラスミドDNAを制限酵素SalIおよびPstIで切断することにより、約2kbの挿入断片が認められ、該プラスミドをpBS/SacBと命名した。
(C)クロラムフェニコール耐性SacBベクターの構築
大腸菌プラスミドベクターpHSG396(宝酒造:クロラムフェニコール耐性マーカー)500ngに制限酵素PshBI10unitsを37℃で一時間反応させた後、フェノール/クロロフォルム抽出およびエタノール沈殿により回収した。これを、クレノウフラグメント(Klenow Fragment:宝酒造製)により両末端を平滑化した後、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いてMluIリンカー(宝酒造)を連結、環状化させ、大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を34μg/mLクロラムフェニコールを含むLB寒天培地に塗抹した。得られたクローンから常法によりプラスミドDNAを調製し、制限酵素MluIの切断部位を有するクローンを選抜し、pHSG396Mluと命名した。
一方、上記(B)にて構築したpBS/SacBを制限酵素SalIおよびPstIで切断した後、クレノウフラグメントにて末端を平滑化した。これにライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いてMluIリンカーを連結したのち、0.75%アガロースゲル電気泳動によりSacB遺伝子を含む約2.0kbのDNA断片を分離、回収した。このSacB遺伝子断片を、制限酵素MluI切断後、アルカリフォスファターゼ(Alkaline Phosphatase Calf intestine:宝酒造)にて末端を脱リン酸化したpHSG396Mlu断片とライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結させ、大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を34μg/mLクロラムフェニコールを含むLB寒天培地に塗抹した。こうして得られたコロニーを、次に34μg/mLクロラムフェニコールおよび10%ショ糖を含むLB寒天培地に移し37℃24時間培養した。これらのクローンのうち、ショ糖を含む培地で生育できなかったものについて、常法によりプラスミドDNAを精製した。こうして得られたプラスミドDNAをMluI切断により解析した結果、約2.0kbの挿入断片を持つことが確認され、これをpCMB1と命名した。
(D)カナマイシン耐性遺伝子の取得
カナマイシン耐性遺伝子の取得は、大腸菌プラスミドベクターpHSG299(宝酒造:カナマイシン耐性マーカー)のDNAを鋳型とし、配列番号3および配列番号4で示した合成DNAをプライマーとしたPCR法によって行った。反応液組成:鋳型DNA1ng、PyrobestDNAポリメラーゼ(宝酒造)0.1μL、1倍濃度添付バッファー、0.5μM各々プライマー、0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。
反応温度条件:DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch社製)を用い、94℃で20秒、62℃で15秒、72℃で1分20秒からなるサイクルを20回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの72℃での保温は5分とした。
増幅産物の確認は、0.75%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMCBioProducts製)ゲル電気泳動により分離後、臭化エチジウム染色により可視化することにより行い、約1.1kbの断片を検出した。ゲルからの目的DNA断片の回収は、QIAQuick Gel Extraction Kit(QIAGEN製)を用いて行った。回収したDNA断片は、T4 ポリヌクレオチドキナーゼ(T4 Polynucleotide Kinase:宝酒造製)により5’末端をリン酸化した。
(E)カナマイシン耐性SacBベクターの構築
上記(C)で構築したpCMB1を制限酵素Van91IおよびScaIで切断して得られた約3.5kbのDNA断片を0.75%アガロースゲル電気泳動により分離、回収した。これを上記(D)で調製したカナマイシン耐性遺伝子と混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結し、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLカナマイシンを含むLB寒天培地に塗抹した。
このカナマイシン含有培地上で生育した株は、ショ糖含有培地にて生育不能であることが確認された。また、同株から調製したプラスミドDNAは、制限酵素HindIII消化により354、473、1807、1997bpの断片を生じたことから、図1に示した構造に間違いがないと判断し、該プラスミドをpKMB1と命名した。
実施例2
<LDH遺伝子破壊株の作製>
(A)ブレビバクテリウム・フラバムMJ233株ゲノムDNAの抽出
A培地[尿素2g、(NHSO7g、KHPO0.5g、KHPO0.5g、MgSO・7HO0.5g、FeSO・7HO6mg、MnSO・4−5HO6mg、ビオチン200μg、チアミン100μg、イーストエキストラクト1g、カザミノ酸1g、グルコース20g、蒸留水1Lに溶解]10mLに、ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233株を対数増殖期後期まで培養し、得られた菌体を上記実施例1の(A)に示す方法にてゲノムDNAを調製した。
(B)ラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子のクローニング
MJ233株ラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子の取得は、上記(A)で調製したDNAを鋳型とし、特開平11−206385に記載の該遺伝子の塩基配列を基に設計した合成DNA(配列番号5および配列番号6)を用いたPCRによって行った。反応液組成:鋳型DNA1μL、TaqDNAポリメラーゼ(宝酒造)0.2μL、1倍濃度添付バッファー、0.2μM各々プライマー、0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。
反応温度条件:DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch社製)を用い、94℃で20秒、55℃で20秒、72℃で1分からなるサイクルを30回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの72℃での保温は5分とした。増幅産物の確認は、0.75%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMCBioProducts製)ゲル電気泳動により分離後、臭化エチジウム染色により可視化することにより行い、約0.95kbの断片を検出した。ゲルからの目的DNA断片の回収は、QIAQuick Gel Extraction Kit(QIAGEN製)を用いて行った。
回収したDNA断片を、PCR産物クローニングベクターpGEM−TEasy(Promega製)と混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結後、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLアンピシリンおよび50μg/mLX−Galを含むLB寒天培地に塗抹した。この培地上で白色のコロニーを形成したクローンを、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを制限酵素SacIおよびSphIで切断することにより、約1.0kbの挿入断片が認められ、これをpGEMT/CgLDHと命名した。
(C)ラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子破壊用プラスミドの構築
上記(B)で作製したpGEMT/CgLDHを制限酵素EcoRVおよびXbaIで切断することにより約0.25kbからなるラクテートデヒドロゲナーゼのコーディング領域を切り出した。残った約3.7kbのDNA断片の末端をクレノウフラグメントにて平滑化し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて環状化させ、大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLアンピシリンを含むLB寒天培地に塗抹した。この培地上で生育した株を、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを制限酵素SacIおよびSphIで切断することにより、約0.75kbの挿入断片が認められたクローンを選抜し、これをpGEMT/ΔLDHと命名した。
次に、上記pGEMT/ΔLDHを制限酵素SacIおよびSphIにて切断して生じる約0.75kbのDNA断片を、0.75%アガロースゲル電気泳動により分離、回収し、欠損領域を含むラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子断片を調製した。このDNA断片を、制限酵素SacIおよびSphIにて切断した実施例1にて構築したpKMB1と混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結後、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLカナマイシンおよび50μg/mLX−Galを含むLB寒天培地に塗抹した。
この培地上で白色のコロニーを形成したクローンを、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを制限酵素SacIおよびSphIで切断することにより、約0.75kbの挿入断片が認められたものを選抜し、これをpKMB1/ΔLDHと命名した(図2)。
(D)ブレビバクテリウム・フラバムMJ233−ES株由来ラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子破壊株の作製
ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233株の形質転換に用いるプラスミドDNAは、pKMB1/ΔLDHを用いて塩化カルシウム法(Journal of Molecular Biology,53,159,1970)により形質転換した大腸菌JM110株から調製した。
ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233株(FERM BP−1497)は、常法(Wolf H et al.,J.Bacteriol.1983,156(3)1165−1170、Kurusu Y et al.,Agric Biol Chem.1990,54(2)443−7)に従って内在性プラスミドを除去(キュアリング)し、得られたプラスミドキュアリング株ブレビバクテリウム・フラバムMJ233−ES株を以後の形質転換に用いた。
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233−ES株の形質転換は、電気パルス法(Res.Microbiol.、Vol.144,p.181−185,1993)によって行い、得られた形質転換体をカナマイシン50μg/mLを含むLBG寒天培地[トリプトン10g、イーストエキストラクト5g、NaCl5g、グルコース20g、及び寒天15gを蒸留水1Lに溶解]に塗抹した。
この培地上に生育した株は、pKMB1/ΔLDHがブレビバクテリウム・フラバムMJ233−ES株菌体内で複製不可能なプラスミドであるため、該プラスミドのラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子とブレビバクテリウム・フラバムMJ−233株ゲノム上の同遺伝子との間で相同組み換えを起こした結果、同ゲノム上に該プラスミドに由来するカナマイシン耐性遺伝子およびSacB遺伝子が挿入されているはずである。次に、上記相同組み換え株をカナマイシン50μg/mLを含むLBG培地にて液体培養した。この培養液の菌体数約100万相当分を10%ショ糖含有LBG培地に塗抹にした。結果、2回目の相同組み換えによりSacB遺伝子が脱落しショ糖非感受性となったと考えられる株約10個得た。
この様にして得られた株の中には、そのラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子がpKMB1/ΔLDHに由来する変異型に置き換わったものと野生型に戻ったものが含まれる。ラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子が変異型であるか野生型であるかの確認は、LBG培地にて液体培養して得られた菌体を直接PCR反応に供し、ラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子の検出を行うことによって容易に確認できる。ラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子をPCR増幅するためのプライマー(配列番号7および配列番号8)を用いて分析すると、野生型では720bp、欠失領域を持つ変異型では471bpのDNA断片を認めるはずである。上記方法にてショ糖非感受性となった菌株を分析した結果、変異型遺伝子のみを有する株を選抜し、該株をブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔLDHと命名した。
(E)ラクテートデヒドロゲナーゼ活性の確認
上記(D)で作製したブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔLDH株をA培地に植菌し、30℃で15時間好気的に振とう培養した。得られた培養物を遠心分離(3,000×g、4℃、20分間)して菌体を回収後、ナトリウム−リン酸緩衝液[組成:50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.3)]で洗浄した。
次いで、洗浄菌体0.5g(湿重量)を上記ナトリウム−リン酸緩衝液2mLに懸濁し、氷冷下で超音波破砕器(ブランソン社製)にかけ菌体破砕物を得た。該破砕物を遠心分離(10,000×g,4℃,30分間)し、上清を粗酵素液として得た。対照として、ブレビバクテリウム・フラバムMJ233−ES株の粗酵素液を同様に調製し、以下の活性測定に供した。
ラクテートデヒドロゲナーゼ酵素活性の確認は、両粗酵素液について、ピルビン酸を基質とした乳酸の生成に伴い、補酵素NADHがNADに酸化されるのを、340nmの吸光度変化として測定した[L.Kanarek and R.L.Hill,J.Biol.Chem.239,4202(1964)]。反応は、50mMカリウム−リン酸緩衝液(pH7.2)、10mMピルビン酸、0.4mMNADH存在下、37℃にて行った。その結果、ブレビバクテリウム・フラバムMJ233−ES株から調製された粗酵素液におけるラクテートデヒドロゲナーゼ活性に対し、ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔLDH株から調製された粗酵素液におけるラクテートデヒドロゲナーゼ活性は、10分の1以下であった。
実施例3
<コリネ型細菌発現ベクターの構築>
(A)コリネ型細菌用プロモーター断片の調製
コリネ型細菌で強力なプロモーター活性を有することが報告された特開平7−95891の配列番号4に記載のDNA断片(以降TZ4プロモーターと称する)を利用することとした。本プロモーター断片の取得は、実施例2の(A)で調製したブレビバクテリウム・フラバムMJ233ゲノムDNAを鋳型とし、特開平7−95891の配列番号4に記載の配列を基に設計した合成DNA(配列番号9および配列番号10)を用いたPCRによって行った。
反応液組成:鋳型DNA1μL、PfxDNAポリメラーゼ(インビトロジェン社製)0.2μL、1倍濃度添付バッファー、0.3μM各々プライマー、1mM MgSO、0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。反応温度条件:DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch社製)を用い、94℃で20秒、60℃で20秒、72℃で30秒からなるサイクルを35回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの72℃での保温は2分とした。
増幅産物の確認は、2.0%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMCBioProducts製)ゲル電気泳動により分離後、臭化エチジウム染色により可視化することにより行い、約0.25kbの断片を検出した。ゲルからの目的DNA断片の回収は、QIAQuick Gel Extraction Kit(QIAGEN製)を用いて行った。回収したDNA断片は、T4 ポリヌクレオチドキナーゼ(T4 Polynucleotide Kinase:宝酒造製)により5’末端をリン酸化した後、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて大腸菌ベクターpUC19(宝酒造)のSmaI部位に結合し、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLアンピシリンおよび50μg/mLX−Galを含むLB寒天培地に塗抹した。
この培地上で白色のコロニーを形成した6クローンについて、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製し、塩基配列を決定した。これ中でTZ4プロモーターがpUC19のlacプロモーターと逆方向に転写活性を有するように挿入されたクローンを選抜し、これをpUC/TZ4と命名した。
次に、pUC/TZ4を制限酵素BamHIおよびPstIで切断して調製したDNA断片に、5’末端がリン酸化された合成DNA(配列番号11および配列番号12)から成り、両末端にそれぞれBamHIとPstIに対する粘着末端を有するDNAリンカーを混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結後、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。本DNAリンカーには、リボソーム結合配列(AGGAGG)およびその下流に配したクローニングサイト(上流から順に、PacI、NotI、ApaI)が含まれている。
この培地上で白色のコロニーを形成したクローンを、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAの中から制限酵素NotIによって切断されるものを選抜し、これをpUC/TZ4−SDと命名した。この様にして構築したpUC/TZ4−SDを制限酵素PstIで切断後、クレノウフラグメントにて末端を平滑化し、次いで制限酵素KpnIで切断することにより生じた約0.3kbのプロモーター断片を、2.0%アガロースゲル電気泳動により分離、回収した。
(B)コリネ型細菌発現ベクターの組み立て
コリネ型細菌にて安定的に自立複製可能なプラスミドとして、特開平12−93183記載のpHSG298par−repを利用する。本プラスミドは、ブレビバクテリウム・スタチオニスIFO12144株が保有する天然型プラスミドpBY503の複製領域および安定化機能を有する領域と大腸菌ベクターpHSG298(宝酒造)に由来するカナマイシン耐性遺伝子および大腸菌の複製領域を備える。
pHSG298par−repを制限酵素SseIで切断後、クレノウフラグメントにて末端を平滑化し、次いで制限酵素KpnIで切断することによって調製したDNAを、上記(A)で調製したTZ4プロモーター断片と混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結後、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLカナマイシンを含むLB寒天培地に塗抹した。
この培地上で生育した株を、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAの中から制限酵素NotIによって切断されるものを選抜し、該プラスミドをpTZ4と命名した(図3に構築手順を示した)。
実施例4
<ピルベートカルボキシラーゼ活性増強株の作製>
(A)ピルベートカルボキシラーゼ遺伝子の取得
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233株由来ピルベートカルボキシラーゼ遺伝子の取得は、<実施例2>の(A)で調製したDNAを鋳型とし、全ゲノム配列が報告されているコリネバクテリウム・グルタミカム ATCC13032株の該遺伝子の配列(GenBank Database Accession No.AP005276)を基に設計した合成DNA(配列番号13および配列番号14)を用いたPCRによって行った。
反応液組成:鋳型DNA1μL、PfxDNAポリメラーゼ(インビトロジェン社製)0.2μL、1倍濃度添付バッファー、0.3μM各々プライマー、1mM MgSO、0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。反応温度条件:DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch社製)を用い、94℃で20秒、68℃で4分からなるサイクルを35回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの68℃での保温は10分とした。PCR反応終了後、Takara Ex Taq(宝酒造)を0.1μL加え、さらに72℃で30分保温した。
増幅産物の確認は、0.75%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMCBioProducts製)ゲル電気泳動により分離後、臭化エチジウム染色により可視化することにより行い、約3.7kbの断片を検出した。ゲルからの目的DNA断片の回収は、QIAQuick Gel Extraction Kit(QIAGEN製)を用いて行った。回収したDNA断片を、PCR産物クローニングベクターpGEM−TEasy(Promega製)と混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結後、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLアンピシリンおよび50μg/mLX−Galを含むLB寒天培地に塗抹した。
この培地上で白色のコロニーを形成したクローンを、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを制限酵素PacIおよびApaIで切断することにより、約3.7kbの挿入断片が認められ、これをpGEM/MJPCと命名した。
pGEM/MJPCの挿入断片の塩基配列は、アプライドバイオシステム社製塩基配列解読装置(モデル377XL)およびビックダイターミネーターサイクルシークエンスキットver3を用いて決定した。その結果得られたDNA塩基配列および推測されるアミノ酸配列を配列番号15に記載する。本アミノ酸配列はコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株由来のそれと極めて高い相同性(99.4%)を示すことから、pGEM/MJPCの挿入断片がブレビバクテリウム・フラバムMJ233株由来のピルベートカルボキシラーゼ遺伝子であること断定した。
(B)ピルベートカルボキシラーゼ活性増強用プラスミドの構築
上記(A)で作製したpGEM/MJPCを制限酵素PacIおよびApaIで切断することにより生じる約3.7kbからなるピルベートカルボキシラーゼ遺伝子断片を、0.75%アガロースゲル電気泳動により分離、回収した。このDNA断片を、制限酵素PacIおよびApaIにて切断した<実施例3>にて構築したpTZ4と混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結後、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLカナマイシンを含むLB寒天培地に塗抹した。この培地上で生育した株を、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを制限酵素PacIおよびApaIで切断することにより、約3.7kbの挿入断片が認められたものを選抜し、これをpMJPC1と命名した(図4)。
(C)ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔLDH株への形質転換
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233株内で複製可能なpMJPC1による形質転換用のプラスミドDNAは、上記(B)で形質転換した大腸菌(DH5α株)から調製した。ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔLDH株への形質転換は、電気パルス法(Res.Microbiol.、Vol.144,p.181−185,1993)によって行い、得られた形質転換体をカナマイシン50μg/mLを含むLBG寒天培地[トリプトン10g、イーストエキストラクト5g、NaCl5g、グルコース20g、及び寒天15gを蒸留水1Lに溶解]に塗抹した。
この培地上に生育した株から、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを抽出、制限酵素切断による解析を行った結果、同株がpMJPC1を保持していることを確認し、該株をブレビバクテリウム・フラバムMJ233/PC/ΔLDH株と命名した。
(D)ピルベートカルボキシラーゼ酵素活性
上記(C)で得られた形質転換株ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/PC/ΔLDH株をグルコース2%、カナマイシン25mg/Lを含むA培地100mLで終夜培養を行った。得られた菌体を集菌後、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.5)50mlで洗浄し、同組成の緩衝液20mLに再度懸濁させた。懸濁液をSONIFIER 350(BRANSON製)で破砕し、遠心分離した上清を無細胞抽出液とした。得られた無細胞抽出液を用いピルベートカルボキシラーゼ活性を測定した。酵素活性の測定は100mM Tris/HCl緩衝液(pH7.5)、0.1mg/10mLビオチン、5mM塩化マグネシウム、50mM炭酸水素ナトリウム、5mMピルビン酸ナトリウム、5mMアデノシン3リン酸ナトリウム、0.32mM NADH、20units/1.5mlリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(WAKO製、酵母由来)及び酵素を含む反応液中で25℃で反応させることにより行った。1Uは1分間に1μmolのNADHの減少を触媒する酵素量とした。ピルベートカルボキシラーゼを発現させた無細胞抽出液における比活性は0.2U/mg−蛋白質であった。なお親株であるMJ233/△LDH株をA培地を用いて同様に培養した菌体では、本活性測定方法によりピルベートカルボキシラーゼ活性は検出されなかった。
実施例5
<大腸菌フマレートレダクターゼ遺伝子のクローニング>
(A)大腸菌DNA抽出
LB培地10mLに、大腸菌(Eschericia coli)JM109株を対数増殖期後期まで培養し、得られた菌体を上記実施例1(A)に示す方法にてゲノムDNAを調製した。
(B)大腸菌フマレートレダクターゼ遺伝子のクローニング
大腸菌フマレートレダクターゼ遺伝子の取得は、上記(A)で調製したDNAを鋳型とし、全ゲノム配列が報告されている大腸菌K12−MG1655株の該遺伝子の配列(GenBank Database Accession No.U00096)を基に設計した合成DNA(配列番号17および配列番号18)を用いたPCRによって行った。反応液組成:鋳型DNA1μL、PfxDNAポリメラーゼ(インビトロジェン社製)0.2μL、1倍濃度添付バッファー、0.3μM各々プライマー、1mM MgSO、0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。反応温度条件:DNAサーマルサイクラー MJResearch社製PTC−200を用い、94℃で20秒、68℃で4分からなるサイクルを35回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの68℃での保温は10分とした。PCR反応終了後、Takara Ex Taq(宝酒造)を0.1μL加え、さらに72℃で30分保温した。
増幅産物の確認は、0.75%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMCBioProducts製)ゲル電気泳動により分離後、臭化エチジウム染色により可視化することにより行い、約3.8kbの断片を検出した。ゲルからの目的DNA断片の回収は、QIAQuick Gel Extraction Kit(QIAGEN製)を用いて行った。
回収したDNA断片を、PCR産物クローニングベクターpT7Blue T−Vector(Novagen製)と混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結後、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLアンピシリンおよび50μg/mLX−Galを含むLB寒天培地に塗抹した。この培地上で白色のコロニーを形成したクローンを、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを制限酵素HindIIIおよびKpnIで切断することにより、約3.9kbの挿入断片が認められ、これをpFRD6.0と命名した。
pFRD6.0の挿入断片の塩基配列は、アプライドバイオシステム社製塩基配列解読装置(モデル377XL)およびビッグダイターミネーターサイクルシークエンスキットver3を用いて決定した。その結果得られたDNA塩基配列および推測されるアミノ酸配列を配列番号19、20〜23に記載する。
実施例6
<ピルベートカルボキシラーゼおよびフマレートレダクターゼ活性増強株の作製>
(A)pMJPC1の制限酵素部位改変
実施例3にて構築したpMJPC1を制限酵素KpnIにて完全に切断した後、アルカリフォスファターゼ(Alkaline Phosphatase Calf intestine:宝酒造)を反応させて5’末端を脱リン酸化処理して調製したDNA断片に、5’末端がリン酸化された合成DNA(配列番号24および配列番号25)から成るDNAリンカーを混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結後、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLカナマイシンを含むLB寒天培地に塗抹した。この培地上で生育した株を、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAから制限酵素NdeIによって切断されるものを選抜し、これをpMJPC1.1と命名した
(B)ピルベートカルボキシラーゼおよびフマレートレダクターゼ活性増強用プラスミドの構築
実施例5にて作製したpFRD6.0を制限酵素HindIIIで切断後、クレノウフラグメントにて末端を平滑化し、次いで制限酵素KpnIで切断して生じた約3.9kbのDNA断片を0.75%アガロースゲル電気泳動により分離、回収した。この様にして調製した大腸菌フマレートレダクターゼ遺伝子を含む断片を、上記(A)で作製したpMJPC1.1を制限酵素NdeIで切断後、クレノウフラグメントにて末端を平滑化し、次いで制限酵素KpnIで切断することによって調製したDNAと混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結後、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLカナマイシンを含むLB寒天培地に塗抹した。
この培地上で生育した株を、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを制限酵素HindIII消化により505、2132、2675、3775、4193bpの断片を生じたことから、図5に示した構造に間違いがないと判断し、該プラスミドをpFRPC1.1と命名した。
(B)ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔLDH株の形質転換
pFRPC1.1を用いたブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔLDH株の形質転換は、実施例4の(C)に記載の方法にて行い、プラスミドpFRPC1.1を保持することが確認された株を得、これをブレビバクテリウム・フラバムMJ233/FRD/PC/ΔLDH株と命名した。
(C)FRD酵素活性測定
上記(B)で得られた形質転換株ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/FRD/PC/ΔLDH株をグルコース2%、カナマイシン25mg/Lを含むA培地100mLで終夜培養を行った。得られた菌体を集菌後、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.5)50mLで洗浄し、同組成の緩衝液20mlに再度懸濁させた。懸濁液をSONIFIER 350(BRANSON製)で破砕し、遠心分離した上清を無細胞抽出液とした。得られた無細胞抽出液を用いフマレートリダクターゼ活性を測定した。酵素活性の測定は33mM Tris塩酸緩衝液(pH7.5)、0.1mM EDTA、20mMコハク酸Na、2mM KFe(CN)及び酵素を含む反応液中で25℃で反応させることにより行った。1Uは1分間に2μmolのKFe(CN)の減少を触媒する酵素量とした。プラスミドpFRPC1.1を発現させた無細胞抽出液におけるフマレートリダクターゼ比活性は0.02U/mg−蛋白質であった。なお親株であるMJ233/△LDH株をA培地を用いて同様に培養した菌体では、比活性は0.01U/mg−蛋白質であった。
実施例7
<炭酸マグネシウム中和による反応>
尿素:4g、硫酸アンモニウム:14g、リン酸1カリウム:0.5g、リン酸2カリウム0.5g、硫酸マグネシウム・7水和物:0.5g、硫酸第一鉄・7水和物:20mg、硫酸マンガン・水和物:20mg、D−ビオチン:200μg、塩酸チアミン:200μg、酵母エキス:1g、カザミノ酸:1g、及び蒸留水:1000mLの培地100mLを500mLの三角フラスコにいれ、120℃、20分加熱滅菌した。これを室温まで冷やし、あらかじめ滅菌した50%グルコース水溶液を4mL、無菌濾過した5%カナマイシン水溶液を50μL添加し、実施例6で作製したブレビバクテリウム・フラバムMJ233/FRD/PC/ΔLDH株を接種して24時間30℃にて種培養した。尿素:12g、硫酸アンモニウム:42g、リン酸1カリウム:1.5g、リン酸2カリウム1.5g、硫酸マグネシウム・7水和物:1.5g、硫酸第一鉄・7水和物:60mg、硫酸マンガン・水和物:60mg、D−ビオチン:600μg、塩酸チアミン:600μg、酵母エキス3g、カザミノ酸3g、消泡剤(アデカノールLG294:旭電化製):1mL及び蒸留水:2500mLの培地を5Lの発酵糟に入れ、120℃、20分加熱滅菌した。これを室温まで冷やした後、あらかじめ滅菌した12%グルコース水溶液を500mL添加し、これに前述の種培養液を全量加えて、30℃に保温した。通気は毎分500mL、攪拌は毎分500回転で培養を行った。12時間後にグルコースがほぼ消費されていた。
硫酸マグネシウム・7水和物:0.2g、硫酸第一鉄・7水和物:8mg、硫酸マンガン・水和物:8mg、D−ビオチン:80μg、塩酸チアミン:80μg及び蒸留水:200mLの培地を500mLの三角フラスコに入れ、120℃、20分加熱滅菌した。室温まで冷やした後、上記の培養液を8000rpm、5分の遠心分離により集菌した菌体に添加して、O.D.(660nm)が60になるように再懸濁した。この懸濁液25mLとあらかじめ滅菌した24%グルコース溶液25mLを100mLの三角フラスコに入れ、4炭酸マグネシウム1水酸化マグネシウム5水和物:4.215gを添加して混合した。この反応用懸濁液を30℃に保温し、毎分120回転で攪拌しながら反応を行った。反応開始後20時間における糖消費速度は2.08g/L/hであり、コハク酸生産速度は1.61g/L/h、収率は77%であった。なお、糖消費速度及びコハク酸生産速度は、反応開始時から反応終了時までの平均値で表している。
実施例8
<水酸化マグネシウム中和による反応(1)>
硫酸マグネシウム・7水和物:0.2g、硫酸第一鉄・7水和物:8mg、硫酸マンガン・水和物:8mg、D−ビオチン:80μg、塩酸チアミン:80μg、消泡剤(アデカノールLG294:旭電化製):1mL及び蒸留水:200mLの培地を500mLの三角フラスコに入れ、120℃、20分加熱滅菌した。室温まで冷やした後、上記実施例7と同様の方法により得られた培養液を8000rpm、5分の遠心分離により集菌した菌体に添加して、O.D.(660nm)が200になるように再懸濁した。この懸濁液200mLとあらかじめ滅菌した30%グルコース溶液200mLを1Lのジャーファーメンターに入れ、35℃に保温した。pHが6.8に保たれるように4M水酸化マグネシウム水溶液を断続的に添加し、毎分100mLで通気、毎分400回転で攪拌しながら反応を行った。反応開始後46時間における平均糖消費速度は3.22g/L/hであり、コハク酸生産速度は1.38g/L/h、収率は72%であった。
上記と同様に反応用懸濁液を調製し、35℃に保温した。pHが6.8に保たれるように4M水酸化マグネシウム水溶液を断続的に添加し、通気は行わず、毎分200回転で攪拌しながら反応を行った。反応開始後50時間における平均糖消費速度は2.60g/L/hであり、コハク酸生産速度は0.90g/L/h、収率は55%であった。
実施例9
<水酸化マグネシウム中和による反応(2)(ジャーファーメンター)>
(A)菌体の調製
実施例4で作製したブレビバクテリウム・フラバムMJ233/PC/ΔLDH株を実施例7と同様にして種培養を行った。グルコース:100g、硫酸マグネシウム・7水和物:0.5g、正リン酸:0.65g、大豆タンパク加水分解液(全窒素含量35g/L):14.3mL、硫酸アンモニウム:1.0g、硫酸第一鉄・7水和物:20mg、硫酸マンガン・水和物:20mg、D−ビオチン:1mg、塩酸チアミン:1mg及び消泡剤(GD−113:日本油脂社製):0.05mLを1L中に含む培地を150L作製し、pHを1N KOHで6.5に調整した後、300Lのジャーファーメンターに入れ、120℃、20分加熱滅菌した。冷却後、前述の種培養液を450mL接種して30℃に保温した。通気は毎分113L、圧力は50kPa、攪拌は毎分280回転で、pHをアンモニアガスにて7.6に調整しながら20時間前培養を行った。
グルコース:100g、硫酸マグネシウム・7水和物:0.5gを1L中に含む糖溶液260L分に相当する量の各成分を計量し、50Lに溶解して、120℃、20分加熱滅菌した。また、正リン酸:0.65g、大豆タンパク加水分解液(全窒素含量35g/L):2.9mL、硫酸アンモニウム:1.0g、硫酸第一鉄・7水和物:20mg、硫酸マンガン・水和物:20mg、D−ビオチン:1mg、塩酸チアミン:1mg及び消泡剤(GD−113):0.05mLを1L中に含む培地260L分に相当する量の各成分を計量し、140Lに溶解して、pHを1N KOHで6.5に調整した後、120℃、20分加熱滅菌した。滅菌した糖溶液と培地を500Lのジャーファーメンターに入れ、冷却後、前述の前培養液を70L加えて全量を260Lとした後、30℃に保温した。通気は毎分113L、圧力は50kPa、攪拌は毎分140回転で、pHをアンモニアガスにて7.6に調整しながら24時間培養を行い、コハク酸生産能を有する菌体を得た。MF膜(旭化成社製)により、約4倍に菌体液を濃縮し、乾燥菌体重が約60g/Lの菌体懸濁液を得た。菌体懸濁液は4℃にて保存した。
(B)コハク酸の生産
菌体懸濁液を遠心分離してさらに濃縮し、乾燥菌体重が約120g/Lとなるように遠心上清を用いて調製した。グルコース:150g、硫酸マグネシウム・7水和物:0.5gを蒸留水に溶解して300mLとし、120℃、20分加熱滅菌した。また、正リン酸:0.65g、大豆タンパク加水分解液(全窒素含量35g/L):2.9mL、硫酸第一鉄・7水和物:20mg、硫酸マンガン・水和物:20mg、D−ビオチン:1mg、塩酸チアミン:1mg及び消泡剤(GD−113):0.05mLを約300mLの蒸留水に溶解し、pHを5Nの水酸化カリウム溶液で6.5に調整した後、蒸留水で450mLにメスアップし、120℃、20分加熱滅菌した。上記のグルコース溶液120mLと培地180mLを混合して1Lのジャーファーメンターに入れ、前述の乾燥菌体重が約120g/Lの懸濁液を100mL接種して30℃に保温した。液上面より二酸化炭素を毎分20mL通気し、攪拌は毎分400回転で、pHを2.5Mの水酸化マグネシウム溶液、5Mの水酸化ナトリウム溶液、5Mの水酸化カリウム溶液、または5Mのアンモニア水で、それぞれ7.3に調整しながら反応を行った。反応開始後14時間目のコハク酸蓄積、コハク酸生産速度及び収率は以下の表のとおりであった。
Figure 2005026349
水酸化カリウム、水酸化ナトリウム又はアンモニア水を用いた場合と比較して、水酸化マグネシウムを用いて中和しながら反応を行った場合、コハク酸蓄積、コハク酸生成速度及び収率が顕著に高いことが確かめられた。
実施例10
<炭酸水素アンモニウムを添加した炭酸マグネシウム中和による反応>
上記実施例7と同様に反応用懸濁液を調製し、これに再終濃度を0.05、0.1、0.2、0.4、0.8mol/Lとなるように炭酸水素アンモニウムを添加して反応を行った。反応開始後20時間における糖消費速度、コハク酸生産速度、収率は表2の通りになった。これにより、炭酸マグネシウム中和反応において、炭酸水素アンモニウムを適量添加することにより、糖消費速度及びコハク酸生産速度が大幅に上昇することが明らかになった。
Figure 2005026349
実施例11
<炭酸水素ナトリウムを添加した炭酸マグネシウム中和による反応(フラスコ)>
上記実施例7と同様に反応用懸濁液を調製し、これに再終濃度を0.05、0.1、0.2、0.4、0.8mol/Lとなるように炭酸水素ナトリウムを添加して反応を行った。反応開始後20時間における糖消費速度、コハク酸生産速度、収率は表3の通りになった。これにより、炭酸マグネシウム中和反応において、炭酸水素ナトリウムを適量添加することにより、糖消費速度、コハク酸生産速度及び収率が大幅に上昇することが明らかになった。
Figure 2005026349
実施例12
<炭酸マグネシウム中和による反応(ジャーファーメンター)>
硫酸マグネシウム・7水和物:0.2g、硫酸第一鉄・7水和物:8mg、硫酸マンガン・水和物:8mg、D−ビオチン:80μg、塩酸チアミン:80μg、消泡剤(アデカノールLG294:旭電化製):1mL及び蒸留水:200mLの培地を500mLの三角フラスコに入れ、120℃、20分加熱滅菌した。室温まで冷やした後、上記7と同様の方法により得られた培養液を8000rpm、5分の遠心分離により集菌した菌体に添加して、O.D.(660nm)が200になるように再懸濁した。この懸濁液200mLとあらかじめ滅菌した30%グルコース溶液200mLを1Lのジャーファーメンターに入れ、4炭酸マグネシウム1水酸化マグネシウム5水和物:58.284gを添加して混合した。この反応用懸濁液を35℃に保温し、毎分100mLで通気、毎分400回転で攪拌しながら反応を行った。反応開始後約16時間でグルコースがほぼ消費されていた。糖消費速度は9.80g/L/hであり、コハク酸生産速度は8.78g/L/h、収率は96%であった。これにより、炭酸マグネシウム中和反応によって、糖消費速度、コハク酸生産速度、収率が顕著に上昇することがジャー培養において確認された。
実施例13
<炭酸水素アンモニウムを添加した炭酸マグネシウム中和による反応(ジャーファーメンター)>
上記実施例12と同様に反応用懸濁液を調製し、これに再終濃度を0.1mol/Lとなるように炭酸水素アンモニウムを添加して同様に反応を行った。反応開始後約10時間でグルコースがほぼ消費されていた。糖消費速度は15.2g/L/hであり、コハク酸生産速度は12.6g/L/h、収率は92%であった。これにより、炭酸マグネシウム中和反応において、炭酸水素アンモニウムを適量添加することにより、糖消費速度、コハク酸生産速度及び収率が顕著に上昇することがジャー培養において確認された。
実施例14
<シュークロースを有機原料とした炭酸マグネシウム中和による反応(ジャーファーメンター)>
硫酸マグネシウム・7水和物:0.2g、硫酸第一鉄・7水和物:8mg、硫酸マンガン・水和物:8mg、D−ビオチン:80μg、塩酸チアミン:80μg、消泡剤(アデカノールLG294:旭電化製):1mL及び蒸留水:200mLの培地を500mLの三角フラスコに入れ、120℃、20分加熱滅菌した。室温まで冷やした後、上記7と同様の方法により得られた培養液を8000rpm、5分の遠心分離により集菌した菌体に添加して、O.D.(660nm)が60になるように再懸濁した。この懸濁液200mLとあらかじめ滅菌した20%シュークロース溶液200mLを1Lのジャーファーメンターに入れ、4炭酸マグネシウム1水酸化マグネシウム5水和物:38.8g、炭酸水素アンモニウム3.2gを添加して混合した。この反応用懸濁液を35℃に保温し、毎分400回転で攪拌しながら反応を行った。反応開始後約20時間でシュークロースがほぼ消費されていた。糖消費速度は5g/L/hであり、コハク酸生産速度は4.6g/L/h、収率は91%であった。
[比較例1]
<炭酸アンモニウム中和による反応(ジャーファーメンター)>
尿素:4g、硫酸アンモニウム:14g、リン酸1カリウム:0.5g、リン酸2カリウム0.5g、硫酸マグネシウム・7水和物:0.5g、硫酸第一鉄・7水和物:20mg、硫酸マンガン・水和物:20mg、D−ビオチン:200μg、塩酸チアミン:200μg、酵母エキス:1g、カザミノ酸:1g、及び蒸留水:1000mLの培地100mLを500mLの三角フラスコにいれ、120℃、20分加熱滅菌した。これを室温まで冷やし、あらかじめ滅菌した50%グルコース水溶液を4mL、無菌濾過した5%カナマイシン水溶液を50μL添加し、実施例6(B)で作製したブレビバクテリウム・フラバムMJ233/FRD/PC/ΔLDH株を接種して24時間30℃にて種培養した。尿素:12g、硫酸アンモニウム:42g、リン酸1カリウム:1.5g、リン酸2カリウム1.5g、硫酸マグネシウム・7水和物:1.5g、硫酸第一鉄・7水和物:60mg、硫酸マンガン・水和物:60mg、D−ビオチン:600μg、塩酸チアミン:600μg、酵母エキス3g、カザミノ酸3g、消泡剤(アデカノールLG294:旭電化製):1mL及び蒸留水:2500mLの培地を5Lの発酵糟に入れ、120℃、20分加熱滅菌した。これを室温まで冷やした後、あらかじめ滅菌した12%グルコース水溶液を500mL添加し、これに前述の種培養液を全量加えて、30℃に保温した。通気は毎分500mL、攪拌は毎分500回転で培養を行った。12時間後にグルコースがほぼ消費されていた。
硫酸マグネシウム・7水和物:0.2g、硫酸第一鉄・7水和物:8mg、硫酸マンガン・水和物:8mg、D−ビオチン:80μg、塩酸チアミン:80μg及び蒸留水:200mLの培地を500mLの三角フラスコに入れ、120℃、20分加熱滅菌した。室温まで冷やした後、上記の培養液を8000rpm、5分の遠心分離により集菌した菌体に添加して、O.D.(660nm)が200になるように再懸濁した。この懸濁液200mLとあらかじめ滅菌した30%グルコース溶液200mLを1Lのジャーファーメンターに入れて混合し、35℃に保温した。pHは2M炭酸アンモニウムを用いて7.6に保ち、毎分100mLで通気、毎分400回転で攪拌しながら反応を行った。反応開始後約14時間でグルコースがほぼ消費されていた。糖消費速度は11g/L/hであり、コハク酸生産速度は5.3g/L/h、収率は72%であった。
[比較例2]
<炭酸ナトリウム中和による反応(ジャーファーメンター)>
上記比較例1と同様に反応用懸濁液を調製し、pHを2M炭酸ナトリウムを用いて7.6に保ち、同様に反応を行った。反応開始後約12時間でグルコースがほぼ消費されていた。糖消費速度は13g/L/hであり、コハク酸生産速度は7.2g/L/h、収率は95%であった。
本発明の方法によれば、発酵反応液の体積の増加をほとんど起こすことなく、水性媒体のpHを一定の範囲に保持したまま、非アミノ有機酸を製造することができる。さらに、水性媒体に1価カチオンを添加することにより非アミノ有機酸の生成速度あるいは収率を大幅に上げることができる。

Claims (11)

  1. 水性媒体中でコリネ型細菌の菌体またはその処理物を有機原料に反応させて該有機原料から非アミノ有機酸を生成させ、該非アミノ有機酸を回収する工程を含む非アミノ有機酸の製造方法であって、前記水性媒体を炭酸マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムで中和しながら、前記菌体または処理物を有機原料に反応させることを特徴とする方法。
  2. 1価カチオンを含有する水性媒体中でコリネ型細菌の菌体またはその処理物を有機原料に反応させて該有機原料から非アミノ有機酸を生成させ、該非アミノ有機酸を採取する工程を含む非アミノ有機酸の製造方法であって、前記水性媒体を炭酸マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムで中和しながら、前記菌体または処理物を有機原料に反応させることを特徴とする方法。
  3. 1価カチオンがアンモニウムイオンまたはナトリウムイオンである、請求項2に記載の方法。
  4. 嫌気的雰囲気下で前記菌体または処理物を有機原料に反応させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記水性媒体が炭酸イオン、重炭酸イオンまたは炭酸ガスを含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記有機原料がグルコース又はシュークロースである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 非アミノ有機酸がコハク酸、リンゴ酸又はフマル酸である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記コリネ型細菌が、ラクテートデヒドロゲナーゼ活性が非改変株に比べて10%以下に低減化するように改変された細菌である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記コリネ型細菌が、フマル酸レダクターゼおよび/又はピルビン酸カルボキシラーゼの活性が増強するように改変された細菌である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記コリネ型細菌が、ラクテートデヒドロゲナーゼ活性が非改変株に比べて10%以下に低減化し、さらに、フマル酸レダクターゼおよび/又はピルビン酸カルボキシラーゼの活性が増強するように改変された細菌である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法により非アミノ有機酸を製造する工程、及び前記工程で得られた非アミノ有機酸を原料として重合反応を行う工程を含む、非アミノ有機酸含有ポリマーの製造方法。
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