JPWO2005006694A1 - タイミング抽出装置及び方法並びにそのタイミング抽出装置を備えた復調装置 - Google Patents

タイミング抽出装置及び方法並びにそのタイミング抽出装置を備えた復調装置 Download PDF

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Abstract

デジタル変調信号用のタイミング成分抽出装置において、周波数変換部30は、シンボルレートfsのI信号及びQ信号より成る複素ベースバンド信号を入力し、データ変化に伴って存在する±fs/2周波数成分を±fs/4周波数に周波数変換する。乗算器31、32は、複素ベースバンド信号のI信号及びQ信号を各々2乗し、その各2乗結果を加算器33で加算することにより、非線形処理する。BPF34は、加算器33の出力のうち±fs/2の周波数成分を抽出し、タイミング信号として出力する。従って、シンボルレートfsの2倍のサンプリング周波数で処理が可能であり、且つキャリア周波数オフセットの影響を受けず安定にタイミング抽出する。

Description

本発明は、デジタル衛星TV放送やデジタルケーブルTV放送等で用いるPSK(Phase Shift Keying)方式や、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)方式等のデジタル変調方式を復調する際に、その復調に必要なタイミングを抽出するタイミング抽出装置及び方法に関する。
従来、PSK方式やQAM方式などのデジタル変調信号から、その信号に含まれる情報を復調、再生するためのタイミング成分の抽出方法として、例えば、特許第2555140号明細書(特許文献1)に記載されるものがある。このものは、シンボルのデータ変化に伴ってデジタル変調信号に存在するシンボルレートfsの1/2倍の周波数成分を非線形処理して、fsの周波数成分を抽出するものである。
この抽出方法では、非線形処理するので、受信機側で利用する局部発振器の周波数誤差に起因して生じるキャリア周波数のオフセットの影響を受けることなく、安定にタイミング抽出が可能である。また、最終的にfsの周波数成分を抽出することから、デジタル信号処理では、サンプリング定理を満足するように、2fsを越えるサンプリング周波数で動作する必要があって、通常では、干渉を避けるために、サンプリング周波数を4fs以上としている。
更に、従来の他のタイミング成分抽出方法としては、例えば、特開平5−207082号公報(特許文献2)に記載されるように、シンボルのデータ変化に伴ってデジタル変調信号に存在するfs/2の周波数成分を抽出し、この抽出した周波数成分に対してベクトル処理と周波数シフト処理と2倍角処理とを施すことにより、サンプリング周波数を2fsとしながら、処理可能なタイミング抽出方法がある。
また、従来の更に他のタイミング成分抽出方法としては、例えば、特開平7−226781号公報(特許文献3)に記載されるように、サンプリング周波数を2fsとし、デジタル信号を平均化した信号を非線形処理して、その1サンプル遅延信号との差分をとることにより、fsの周波数成分を抽出する方法が知られている。
解決課題
しかしながら、特許文献1記載の方法では、安定にタイミング抽出するために、4fsのサンプリング周波数でデジタル信号処理する必要がある。このため、シンボルレートが高い周波数の場合には、ハードウエアの実現が困難であったり、消費電力が増大したりする。また、低シンボルレートであっても、DSPで処理を実現する場合には、単位時間当たりの処理量が増大する欠点がある。
また、特許文献2記載の方法では、ベクトル化処理を施すために、受信機側で利用する局部発振器の周波数誤差に起因して生じるキャリア周波数のオフセットの影響を受け、このため、キャリア周波数のオフセットがあると、正確なタイミング抽出が困難になる。
更に、特許文献3記載の抽出方法では、サンプリング周波数を2fsとしているために、抽出信号はサンプリングの定理により干渉を起こし、安定したタイミング抽出を行うことができない。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、シンボルレートfsが高い場合であっても、2fsの低いサンプリング周波数でデジタル信号処理を行いながらも、ハードウエアの実現を容易にし、キャリア周波数オフセットの影響を受けずに、干渉のない安定したタイミング抽出方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明では、デジタル変調信号を復調して情報を再生する場合に、デジタル変調信号のシンボルレートをfsとして、I信号及びQ信号からなる複素ベースバンド信号のfs/2の正及び負の周波数成分を、他の周波数成分と干渉を起こさないような周波数位置に周波数変換し、その後、この周波数変換されたI信号及びQ信号を少なくとも各々2乗して、その周波数位置の2倍の周波数成分を抽出する。
すなわち、本発明のタイミング抽出装置は、シンボルレートがfsであるデジタル変調信号から、そのシンボルの判定タイミング成分を抽出するタイミング抽出装置であって、前記デジタル変調信号から得られるI信号及びQ信号から成る複素ベースバンド信号に含まれる前記fsの1/2値の正及び負の周波数成分を、周波数位置fm(0<|fm|<fs/2)に周波数変換する周波数変換手段と、前記周波数変換手段により周波数変換された後のI信号及びQ信号を各々少なくとも2乗する非線形処理手段と、前記非線形処理手段の出力信号から、前記周波数位置fmの2倍の周波数成分をタイミング信号として抽出する周波数抽出手段とを備えたことを特徴とする。
本発明は、前記タイミング抽出装置において、前記周波数位置fmは、|fm|=fs/2M(Mは2以上の整数)であることを特徴とする。
本発明は、前記タイミング抽出装置において、MはM=2であって、前記周波数位置fmは、|fm|=fs/4であることを特徴とする。
本発明は、前記タイミング抽出装置において、MはM=4であって、前記周波数位置fmは、|fm|=fs/8であることを特徴とする。
本発明は、前記タイミング抽出装置において、前記周波数変換手段は、前記非線形処理手段の出力信号に含まれる前記周波数位置fmの2倍の周波数成分に対して折り返し歪み成分となる周波数成分を、前記複素ベースバンド信号から予め除去するフィルタリング手段を備えることを特徴とする。
本発明は、前記タイミング抽出装置において、前記周波数変換手段は、前記複素ベースバンド信号を周波数増大方向に周波数シフトする第1の周波数シフト手段と、逆に、前記複素ベースバンド信号を周波数減少方向に周波数シフトする第2の周波数シフト手段とを備えることを特徴とする。
本発明は、前記タイミング抽出装置において、前記周波数変換手段は、前記複素ベースバンド信号を前記fs/2の周波数だけ周波数増大方向及び周波数減少方向に周波数シフトする周波数シフト手段を備えることを特徴とする。
本発明は、前記タイミング抽出装置において、前記周波数変換手段は、前記複素ベースバンド信号に含まれる前記fsの1/2値の正及び負の周波数成分を抽出するバンドバスフィルタリング手段を備えることを特徴とする。
本発明は、前記タイミング抽出装置において、前記周波数変換手段は、前記周波数位置fmに周波数変換された前記fsの1/2値の正及び負の周波数成分の値として、2回のサンプリング毎に真値よりも√2倍された値を演算する数値演算手段を有することを特徴とする。
本発明は、前記タイミング抽出装置において、前記非線形処理手段は、前記周波数変換手段により周波数変換された後のI信号及びQ信号を各々2乗する2個の乗算手段と、前記乗算手段により2乗されたI信号及びQ信号を加算する加算器と、前記加算器の出力を1/2倍するビットシフト手段と、前記加算器の出力と前記ビットシフト手段の出力との何れか一方を選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
本発明は、前記タイミング抽出装置において、前記周波数抽出手段は、前記周波数位置fmが、|fm|=fs/(2×L)(Lは1以上の整数)であるとき、L回に1回の割合で前記タイミング信号を出力することを特徴とする。
本発明は、前記タイミング抽出装置において、前記第1及び第2の周波数シフト手段は、前記周波数位置fmに存在する干渉成分を予め除去するフィルタリング手段を備えることを特徴とする。
本発明は、前記タイミング抽出装置において、前記周波数変換手段は、前記第1及び第2の周波数シフト手段の出力を複素加算することを特徴とする。
本発明のタイミング抽出方法は、シンボルレートがfsであるデジタル変調信号から、そのシンボルの判定タイミング成分を抽出するタイミング抽出方法であって、前記デジタル変調信号から得られるI信号及びQ信号から成る複素ベースバンド信号に含まれる前記fsの1/2値の正及び負の周波数成分を、周波数位置fm(0<|fm|<fs/2)に周波数変換し、前記周波数変換された後のI信号及びQ信号を各々少なくとも2乗し、前記2乗されたI信号及びQ信号を加算し、その後、前記加算された信号から、前記周波数位置fmの2倍の周波数成分をタイミング信号として抽出することを特徴とする。
本発明は、前記タイミング抽出方法において、前記周波数位置fmは、|fm|=fs/2M(Mは2以上の整数)であることを特徴とする。
本発明の復調装置は、デジタル変調信号を受信するアンテナと、前記アンテナにより受信されたデジタル変調信号を直交検波して、I信号とQ信号とから成る複素ベースバンド信号を得る準同期検波手段と、前記準同期検波手段により得られた複素ベースバンド信号をアナログ値からデジタル値に変換するAD変換手段と、前記タイミング抽出装置とを備え、前記タイミング抽出装置からのタイミング信号に基づいて、前記AD変換手段により得られるデジタル値の複素ベースバンド信号を、2fsのサンプリング周波数でサンプリングした復調データとすることを特徴とする。
以上により、本発明では、2fsのサンプリング周波数であっても、複素ベースバンド信号のfs/2の正及び負の周波数成分を周波数変換した周波数位置fmが、シンボルレートfsの1/2値よりも小さい、すなわち、2fmがfsよりも小さいので、サンプリング定理上、この周波数位置fmでのfs/2の正及び負の周波数成分は折り返し歪み成分と干渉を起こすことないと共に、低消費電力化が可能である。しかも、2乗処理という非線形処理により、fsの周波数成分を抽出するので、キャリア周波数のオフセットの影響を受けることがなく、安定なタイミング抽出ができる。
特に、本発明では、周波数演算手段での周波数変換で行われる複素乗算を、非線形処理手段のビットシフト手段と選択手段とにより代行することができるので、回路規模を小さくできる。
更に、本発明では、タイミング抽出装置はタイミング信号をL回に1回の割合で出力すれば良いので、後段に用いられるタイミング誤差検出器やループフィルタの単位時間当りの演算量が大きく削減される。
図1は本発明の第1の実施の形態とするタイミング抽出方法を採用した復調装置の構成を示すブロック図である。
図2は第1の実施の形態に用いられるタイミング抽出部の具体的な構成例を示すブロック図である。
図3は第1の実施の形態に用いられる周波数変換部の動作原理を説明するための周波数特性図を示し、同図(a)はレート変換後の複素ベースバンド信号のスペクトルを示す図、同図(b)は±fs/2周波数成分を±fs/4周波数位置に周波数変換した図、同図(c)は±fs/4周波数成分が直流成分と±fs/2周波数成分とに変換された様子を示す図である。
図4は第1の実施の形態に用いられる周波数変換部の具体的な構成例を示すブロック図である。
図5は第1の実施の形態に用いられる周波数変換部の動作を説明するための周波数特性図を示し、同図(a)は複素ベースバンド信号の−fs/2周波数成分を−fs/4周波数位置に周波数変換した図、同図(b)は+fs/2周波数成分を−fs/4周波数位置に周波数変換した図、同図(c)は第1の複素フィルタの周波数特性を示す図、同図(d)は第2の複素フィルタの周波数特性を示す図である。
図6は第1の実施の形態に用いられる±fs/4シフト部の具体的な構成例を示すブロック図である。
図7は第1の実施の形態に用いられる複素フィルタの具体的な構成例を示すブロック図である。
図8はタイミング信号とサンプル点の関係を表した波形図を示し、同図(a)はサンプリングタイミングが遅い場合を示す図、同図(b)はサンプリングタイミングが早い場合を示す図である。
図9は第2の実施の形態に用いられる周波数変換部の具体的な構成例を示すブロック図である。
図10は第2の実施の形態に用いられる周波数変換部の動作を説明するための周波数特性図を示し、同図(a)は複素ベースバンド信号の−fs/2周波数成分を0周波数位置に周波数変換した図、同図(b)は+fs/2周波数成分を0周波数位置に周波数変換した図、同図(c)はLPFの周波数特性を示す図、同図(d)はLPFの他の周波数特性を示す図である。
図11は第3の実施の形態に用いられる周波数変換部の具体的な構成例を示すブロック図である。
図12は第4の実施の形態に用いられるタイミング抽出部の具体的な構成例を示すブロック図である。
図13は第4の実施の形態に用いられる周波数変換部の具体的な構成例を示すブロック図である。
図14は第5の実施の形態に用いられるタイミング抽出部の具体的な構成例を示すブロック図である。
図15は第5の実施の形態に用いられる周波数変換部の具体的な構成例を示すブロック図である。
図16は第5の実施の形態に用いられるタイミング抽出部のタイミング出力信号とサンプル点の関係を表した波形図である。
図17はタイミング誤差検出器の具体的な誤差関数例を示す入出力特性図である。
図18は第6の実施の形態に用いられる電圧制御発振器を用いた復調装置の全体構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態であるタイミング抽出方法を採用したQPSK(Quadrature PSK)信号やQAM信号等のデジタル変調信号を復調する復調装置の構成を示すブロック図である。
先ず、この復調装置について説明する。図1において、デジタル変調信号はアンテナ101で受信される。ダウンコンバータ102は、アンテナ101での受信信号を所望の中間周波数帯に周波数変換して、出力する。
準同期検波器(準同期検波手段)103は、局部発振器104の固定発振周波数で直交検波し、同相成分と直交成分との両信号を出力する。ローパスフィルタ(LPF)105、106は、前記準同期検波器103からの同相成分と直交成分から成る複素ベースバンド信号から高調波成分を除去して、出力する。AD変換器(AD変換手段)107、108は、シンボルレートfsの2倍を上回るクロック信号を用いて前記LPF105、106からの複素ベースバンド信号をサンプリングし、複素ベースバンド信号をアナログ値からデジタル値に変換する。
更に、レート変換器109は、後述するタイミング制御部110が出力するタイミング制御信号110aに基づいて前記AD変換器107、108からのデジタル値の複素ベースバンド信号をレート変換し、2fsのサンプリングレートで出力する。
デジタルフィルタ(RX−FIL)111、112は、前記レート変換器109でレート変換した信号を入力し、デジタルデータ伝送におけるシンボル間干渉を防止するようにスペクトル整形し、出力する。波形等化器113は、伝送路で生じた反射等によるゴーストを波形等化して、出力する。同期検波器114は、キャリア周波数オフセットを補正し、復調データを出力する。
加えて、タイミング制御部110は、レート変換器109でレート変換後の2fsでサンプリングした同相信号(I)と直交信号(Q)からなる複素ベースバンド信号を入力し、タイミング制御信号110aをレート変換器109に出力しており、レート変換部109を含めてフィードバックループを形成している。このタイミング制御部110は、タイミング抽出部20と、タイミング誤差検出部21と、ループフィルタ22とから構成されている。
前記タイミング抽出部(タイミング抽出装置)20はレート変換部109が出力する複素ベースバンド信号からシンボルの判定タイミング成分を抽出し、タイミング誤差検出器21に出力する。
前記タイミング抽出部20の具体的な構成例を図2に示す。タイミング抽出部20は、周波数変換部30と、2個の乗算器(乗算手段)31、32と、加算器(加算手段)33と、バンドパスフィルタ(BPF)34とから構成される。
ここで、図3(a)及び図3(b)を参照して周波数変換部(周波数変換手段)30の動作の具体例を簡単に説明する。図3(a)に、レート変換後の複素ベースバンド信号のスペクトルを示す。同図(a)において、破線はデジタル変調信号のスペクトルを示し、実線はデジタル変調信号がシンボルレートfsでデータが変化することに伴って存在する±fs/2の周波数成分を示す。
周波数変換部30は、レート変換部109からの複素ベースバンド信号を入力し、±fs/2の周波数成分を、他の周波数領域の周波数成分と干渉が起こらないように、図3(b)に示す±fs/4に周波数変換する。
複素ベースバンド信号を構成するI信号及びQ信号は、各々、2個の乗算器31、32及び加算器33により構成される非線形処理部(非線形処理手段)40により2乗処理(非線形処理)される。つまり、I信号及びQ信号は各々乗算器31、32で2乗され、その各2乗結果を加算器33で加算する非線型処理が施される。ここで、±fs/4の周波数成分は非線型処理により、図3(c)に示すように、直流成分と±fs/2の周波数成分に変換される。BPF34は図3(c)に破線で示すような通過中心周波数が±fs/2の周波数特性を有するものであり、非線型処理した信号を入力して、±fs/2の周波数成分を抽出し、タイミング信号として出力する。
以上の操作により、タイミング信号として抽出した±fs/2の周波数成分は、サンプリング周波数2fsにおいて、−fsよりも大きく且つ+fsよりも小さい値であるので、非線形処理により自身の折り返し歪み成分の影響を受けることなく抽出される。
次に、周波数変換部30の具体的な構成例を図4に示す。周波数変換部30は、+fs/4シフト部301と、−fs/4シフト部302と、第1及び第2の複素フィルタ(フィルタリング手段)303、304と、複素加算器305とから構成される。
ここで、図5を参照して、周波数変換部30の動作について説明する。複素ベースバンド信号は、+fs/4シフト部301と−fs/4シフト部302とに入力される。+fs/4シフト部301は、複素ベースバンド信号を+fs/4周波数だけシフトし、図3(a)に示す複素ベースバンド信号の−fs/2の周波数成分を図5(a)に示すように−fs/4の周波数位置に周波数変換し、第1の複素フィルタ303に供給する。
前記+fs/4シフト部301の内部構成は、例えば、図6に示される。同図において、+fs/4シフト部301は、複素乗算器3011と、サイン/コサイン信号発生器3012とから構成される。サイン/コサイン信号発生器3012は、サンプリングクロック周波数2fsでI軸、Q軸からなる複素平面においてサンプリング毎にπ/4位相だけ回転する回転ベクトルを出力する。すなわち、(I、Q)=(1、0)、(1/√2、1/√2)、(0、1)、(−1/√2、1/√2)、(−1、0)、(−1/√2、−1/√2)、(0、−1)、(1/√2、−1/√2)を取るI信号及びQ信号を順次繰り返し複素乗算器3011に供給する。複素乗算器3011は、複素ベースバンド信号とサイン/コサイン発生器3012の出力信号とを複素乗算する。これにより、+fs/4だけの周波数シフトを実現することができる。
一方、−fs/4シフト部302は、複素ベースバンド信号を−fs/4周波数だけシフトし、複素ベースバンド信号の+fs/2の周波数成分を図5(b)に示すように+fs/4の周波数位置に周波数変換して、第2の複素フィルタ304に供給する。−fs/4シフト部302の内部構成は、同様に図6に示した構成となり、サイン/コサイン信号発生器3012のデータ発生方法としては、I軸、Q軸からなる複素平面においてサンプリング毎に−π/4位相だけ回転する回転ベクトルを出力する。すなわち、(I、Q)=(1、0)、(1/√2、−1/√2)、(0,−1)、(−1/√2、−1/√2)、(−1、0)、(−1/√2、1/√2)、(0、1)、(1/√2、1/√2)を取るI信号及び、Q信号を順次繰り返し複素乗算器3011に供給することにより、−fs/4だけの周波数シフトを実現することができる。
図4において、第1の複素フィルタ303は、少なくとも−fs/4の周波数を通過させ、第2の複素フィルタ304の出力である+fs/4の周波数成分と周波数的に干渉しないように+fs/4周波数を阻止し、後段の非線型処理後の±fs/2の周波数の折り返し歪成分となる±3fs/4周波数を阻止する周波数特性を有しており、この特性に従ってフィルタリングされた複素ベースバンド信号を複素加算器305に供給する。このフィルタリング操作は、周波数変換部30に入力される複素ベースバンドの周波数成分では、−fs/2周波数を通過させ、0周波数を阻止し、+fs/2及び±fsの周波数を阻止する操作となる。
前記第1の複素フィルタ303の内部構成は、例えば、図7に示される。同図において、第1の複素フィルタ303は、3つの複素遅延器41、42、43と、4つの複素演算器44、45、46、47と、複素加算器48からなる構成をとる。複素遅延器41〜43は、サンプリングクロック周波数2fsに従って複素ベースバンド信号を遅延させる。複素演算器44〜47は、複素ベースバンド信号と複素タップ係数Cim、Cqm(m=0、1、2,3)とについて複素乗算に相当する演算を行う。複素加算器305は、複素演算器44〜47の総和をとって、出力する。複素タップ係数としては、(Ci0、Cq0)=(1、0)、(Ci1、Cq1)=(1/√2、−1/√2)、(Ci2、Cq2)=(0、−1)、(Ci3、Cq3)=(−1/√2、−1/√2)を与えることにより、図5(c)の周波数特性を実現できる。
次に、図4の第2の複素フィルタ304は、少なくとも+fs/4の周波数を通過させ、第1の複素フィルタ303の出力である−fs/4の周波数成分と周波数的に干渉しないように−fs/4周波数を阻止し、後段の非線型処理後の±fs/2の周波数の折り返し歪成分となる±3fs/4の周波数を阻止する周波数特性を有しており、この特性に従ってフィルタリングされた複素ベースバンド信号を複素加算器305に供給する。このフィルタリング操作は、周波数変換部30に入力される複素ベースバンド信号の周波数成分では、+fs/2周波数を通過させ、0周波数を阻止し、−fs/2及び±fsの周波数を阻止する操作である。例えば、第2の複素フィルタ304は、図7に示す内部構成を有し、タップ係数としては、(Ci0、Cq0)=(1,0)、(Ci1、Cq1)=(1/√2、1/√2)、(Ci2、Cq2)=(0、1)、(Ci3、Cq3)=(−1/√2、1/√2)を与えることにより、図5(d)の周波数特性を実現できる。
図4の複素加算器305は、前述の処理により得られた複素ベースバンド信号を複素加算する。これにより、その複素加算出力はデジタル変調波の±fs/2の周波数成分が、他の周波数領域の周波数成分と干渉が起こらないように、±fs/4の周波数位置に周波数変換された複素ベースバンド信号となる。
次に、図2に戻って、非線形処理部40の乗算器31、32は、図4の周波数変換部30の複素加算器305から出力されるI信号とQ信号とからなる複素ベースバンド信号の前記I信号及びQ信号の各々を2乗し、出力する。加算器33は、その各2乗後の信号を加算し、BPF34に供給する。
前記非線形処理部40での2乗和処理は、従来でも用いられている非線形処理方法であって、シンボル変化に伴う周波数成分の0度と180度との位相不確定性とキャリア周波数のオフセットの影響をキャンセルする。加えて、本実施の形態では、サンプリング周波数及び時間ずれに伴い、図4の周波数変換部30の+fs/4シフト部301及び−fs/4シフト部302で生じる周波数オフセットをキャンセルする。
図2において、BPF34は、前記非線形処理部40の加算器33からの加算結果信号のうち±fs/2の周波数成分を抽出し、この抽出した周波数成分をタイミング信号として、図1に示したタイミング誤差検出器21へ出力する。
図8は、タイミング波形とサンプル点との関係を表した波形図を示す。同図(a)及び同図(b)において、曲線Aは正しいサンプリングタイミングの場合を、同図(a)の曲線Bはサンプリングタイミングが遅い場合を、同図(b)の曲線Cはサンプリングタイミングが早い場合を各々示す。タイミング誤差検出器21は、例えばX点とY点の大きさからφ=Tan−1(X/Y)を算出することにより、サンプルポイントのタイミングずれを検出し、タイミング誤差信号としてループフィルタ22に出力する。
図17にタイミング誤差検出器21の誤差関数を示す。同図において、実線は、タイミング信号の入力位相とφ=Tan−1(X/Y)との関係を示す。同図から判るように、入力位相が0、+πの時、0交差ポイントが存在する。この入力位相が+π又は−πのポイントに収束すると、擬似同期が発生する。この擬似同期発生を回避するために、タイミング誤差検出器21は、例えば、擬似同期回避手段として4サンプルをカウントするカウンタを有し、サンプリングクロック周波数2fsの4サンプルを1周期として解析し、入力位相がπ/2〜πと−π/2〜−πとの時、破線又は1点鎖線で示すような特性にする。尚、4サンプル中の基準ポイントとしては、図4に示した周波数変換部30の+fs/4シフト部301及び−fs/4シフト部302内で使用する回転ベクトル(0〜2π)の初期位相を0に揃え、その回転ベクトルが0又はπの時のデータポイントを基準ポイントとすることが、望ましい。
また、他の回避方法として、例えば、BER測定器やC/N検出器等の信号品質検出手段を用い、タイミング制御ループが収束した後、信号品質が悪い場合は、擬似同期と判定し、レート変換部109の出力信号を制御して、タイミング信号をπ又は−π位相シフトするようにする方法もある。
図1のタイミング制御部110において、ループフィルタ22は、タイミング誤差検出器21からのタイミング誤差信号を平滑化して、タイミング制御信号110aとしてレート変換部109へ出力する。
以上のように、本実施の形態の構成によれば、サンプリングクロック周波数2fsでキャリア周波数オフセットの影響を受けることなく安定にタイミング抽出が可能である。
尚、本実施の形態では、周波数変換部30の入力である複素ベースバンド信号の+fs/2の周波数成分を+fs/4周波数位置へ周波数変換し、−fs/2の周波数成分を−fs/4周波数位置へ周波数変換したが、本発明はこれに限定されず、その他、例えば、周波数成分的に干渉が起らないように、+fs/2の周波数成分を−fs/4周波数位置へ周波数変換し、−fs/2の周波数成分を+fs/4周波数位置へと逆の周波数配置に周波数変換しても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図9及び図10を参照して説明する。
本実施の形態の全体構成は、図1及び図2に示したものと同様であるが、周波数変換部30の構成が異なる。図9は本実施の形態の周波数変換部30の構成を示すものである。尚、図9において、図4と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分を中心に説明する。
図9において、複素ベースバンド信号は、+fs/2だけ周波数増大方向に周波数シフトする+fs/2シフト部(第1の周波数シフト手段)306と、逆に−fs/2だけ周波数減少方向に周波数シフトする−fs/2シフト部(第2の周波数シフト手段)307とに入力される。前記+fs/2シフト部306は、複素ベースバンド信号を+fs/2周波数だけシフトし、図3(a)に示す複素ベースバンド信号の−fs/2の周波数成分を図10(a)に示すように0周波数の位置に周波数変換して、LPF308に供給する。一方、−fs/2シフト部307は、複素ベースバンド信号を−fs/2周波数だけシフトし、複素ベースバンド信号の+fs/2の周波数成分を図10(b)に示すように0周波数の位置に周波数変換して、LPF309に供給する。
LPF308及びLPF309は、図10(c)に示すように、0周波数を通過させ、±fs/2及び±fsの各周波数成分を阻止する周波数特性を有するフィルタであり、この特性に従ってフィルタリングされた複素ベースバンド信号を各々−fs/4シフト部(第2の周波数シフト手段)310及び+fs/4シフト部(第1の周波数シフト手段)311に供給する。
前記LPF308及びLPF309は、周波数特性が同じであるので、同一の構成となる。また、各々のLPF308、309の入力であるI信号及びQ信号は、LPFの周波数特性が0周波数を中心として正負対称であるので、各々、独立且つ同一のフィルタリング処理が可能である。
一方のLPF308のフィルタリング操作は、周波数変換部30に入力される複素ベースバンド信号の周波数成分では、−fs/2の周波数を通過させ、0周波数、+fs/2及び±fsの各周波数を阻止する操作である。他方のLPF309のフィルタリング操作は、周波数変換部30に入力される複素ベースバンド信号の周波数成分では、+fs/2の周波数を通過させ、0周波数、−fs/2及び±fsの周波数を阻止する操作である。
更に、図9において、−fs/4シフト部310は、0周波数成分を−fs/4の周波数位置にシフトし、fsのヌル周波数成分を3fs/4の周波数位置にシフトし、fs/2のヌル周波数成分をfs/4の周波数位置にシフトする。一方、+fs/4シフト部311は、0周波数成分をfs/4の周波数位置にシフトし、−fsのヌル周波数成分を−3fs/4の周波数位置にシフトし、−fs/2のヌル周波数成分を−fs/4の周波数位置にシフトする。
複素加算器305は、前記−fs/4シフト部310及び+fs/4シフト部311の出力を複素加算する。その結果、その複素加算出力はデジタル変調波の±fs/2の周波数成分が、他の周波数領域の周波数成分と干渉が起こらないように±fs/4の周波数位置に周波数変換され、後段の非線形処理により±fs/4の折り返し歪み成分となる±3fs/4をヌル周波数成分とする複素ベースバンド信号となる。
以上のように、本実施の形態によれば、2個のLPF308及びLPF309は、同一の構成となり、加えて、各々のLPF308、309のI側とQ側とが、各々、独立且つ同一のフィルタリング処理構成となるので、回路が簡単になる。その他の具体的な効果は第1の実施の形態と同様である。
尚、第1の実施の形態と同様に、周波数変換部30の入力である複素ベースバンド信号の±fs/2の周波数成分を周波数成分的に干渉が起こらないように、±fs/4の逆の周波数配置に周波数変換しても、同様の効果が得られることは勿論である。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について図10及び図11を参照して説明する。
本実施の形態の全体構成は図1及び図2に示した構成と同様であるが、周波数変換部30の構成が異なる。図11は本実施の形態の周波数変換部30の構成を示す。尚、図11において、図4及び図9と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
図11において、複素ベースバンド信号はBPF(バンドパスフィルタリング手段)312に入力される。このBPF312は、通過中心周波数が±fs/2の周波数特性を有しており、複素ベースバンド信号を入力し、±fs/2の周波数成分を抽出して、+fs/2シフト部306及び−fs/2シフト部307に出力する。
前記+fs/2シフト部306は、複素ベースバンド信号を+fs/2だけ周波数シフトして、−fs/2の周波数成分を0周波数の位置に周波数変換し、+fs/2の周波数をfs周波数の位置に周波数変換して、LPF313に出力する。一方、−fs/2シフト部307は、−fs/2だけ周波数シフトして、+fs/2の周波数成分を0周波数の位置に周波数変換し、−fs/2の周波数成分を−fs周波数の位置に周波数変換して、LPF309に出力する。
LPF313及びLPF314は、図10(d)に示すように0周波数を通過させ、±fsの周波数を阻止する周波数特性を有するフィルタであって、この特性に従ってフィルタリングされた複素ベースバンド信号を、各々、−fs/4シフト部310及び+fs/4シフト部311に出力する。
−fs/4シフト部310は、0周波数成分を−fs/4の周波数位置にシフトし、fsのヌル周波数成分を3fs/4の周波数位置にシフトする。一方、+fs/4シフト部311は、0周波数成分をfs/4の周波数位置にシフトし、−fsのヌル周波数成分を−3fs/4の周波数位置にシフトする。
複素加算器305は、前記−fs/4シフト部310及びfs/4シフト部311の両出力を複素加算する。その結果、この複素加算出力は、デジタル変調波の±fs/2の周波数成分が他の周波数領域の周波数成分と干渉が起こらないように±fs/4の周波数位置に周波数変換され、後段の非線形処理により±fs/4の折り返し歪み成分となる±3fs/4をヌル周波数成分とする複素ベースバンド信号となる。
以上のように、本実施の形態によれば、BPF312により、±fs/2の周波数成分を抽出するので、不要な周波数信号成分を予め除去できて、より安定にタイミング抽出することが可能である。その他の具体的な効果は第1の実施の形態と同様である。
尚、2個のLPF313、314の周波数特性を、図10(c)の周波数特性を持つLPF308、309に置き換えることで、サンプリング定理の折り返し歪み成分を更に除去でき、更に安定にタイミング抽出できることは言うまでもない。
また、第1の実施の形態と同様に、周波数変換部30の入力である複素ベースバンド信号の±fs/2の周波数成分を周波数成分的に干渉が起こらないように、±fs/4の逆の周波数配置に周波数変換しても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について図12及び図13を参照して説明する。
本実施の形態の全体構成は図1に示したものと同様であるが、図2のタイミング抽出部20の構成が異なる。図12は本実施の形態のタイミング抽出部20の構成を示すものである。
図12において、タイミング抽出部20は、既述した第1〜第3の実施の形態と入出力信号としては同じであるが、周波数変換部30の代わりに、周波数変換部35を使用することと、非線形処理部40’内において、加算器33の後段に、ビットシフト器(ビットシフト手段)36と、セレクタ(選択手段)37とが挿入されている点が異なる。尚、図12において、図2と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
図13は、周波数変換部35の構成を示す。同図において、周波数変換部35は、図11に示した周波数変換部30の構成と若干異なる。図13において、図11と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
図13において、第1の数値演算器(数値演算手段)315は、LPF313から供給される複素ベースバンド信号に、I軸及びQ軸からなる複素平面において、(I、Q)=(1、0)、(1/√2、−1/√2)、(0、−1)、(−1/√2、−1/√2)、(−1、0)、(−1/√2、1/√2)、(0、1)、(1/√2、1/√2)を取るI信号及びQ信号を順次繰り返し複素乗算した数値に対し、更に、I値及びQ値の1/√2の部分にのみ√2を掛けた値を複素乗算する。すなわち、複素平面において、(I、Q)=(1、0)、(1、−1)、(0、−1)、(−1、−1)、(−1、0)、(−1、1)、(0、1)、(1、1)を取るI信号及びQ信号を順次繰り返し複素乗算する。
一方、第2の数値演算器(数値演算手段)316は、LPF314から供給される複素ベースバンド信号に、I軸及びQ軸からなる複素平面において、(I、Q)=(1、0)、(1/√2、1/√2)、(0、1)、(−1/√2、1/√2)、(−1、0)、(−1/√2、−1/√2)、(0、−1)、(1/√2、−1/√2)を取るI信号及びQ信号を順次繰り返し複素乗算することとは異なり、I値及びQ値の1/√2の部分にのみ√2を掛けた値を用いる。すなわち、複素平面において、(I、Q)=(1、0)、(1、1)、(0、1)、(−1、1)、(−1、0)、(−1、−1)、(0、−1)、(1、−1)を取るI信号及びQ信号を順次繰り返し複素乗算する。
図13の制御信号発生器317は、前記第1の数値演算器315及び第2の数値演算器315において√2倍した値の演算タイミングを合わせるために、使用する。例えば、制御信号発生器317は、A(n)を第1の数値演算器315のnサンプル時の複素乗算する値、B(n)を第2の数値演算器316のnサンプル時の複素乗算する値とすると、
A(n)=(1、0)、A(n+1)=(1、−1)、A(n+2)=(0、−1)、A(n+3)=(−1、−1)、A(n+4)=(−1、0)、A(n+5)=(−1、1)、A(n+6)=(0、1)、A(n+7)=(1、1)となり、一方、B(n)=(1、0)、B(n+1)=(1、1)、B(n+2)=(0、1)、B(n+3)=(−1、1)、B(n+4)=(−1、0)、B(n+5)=(−1、−1)、B(n+6)=(0、−1)、B(n+7)=(1、−1)となる。
前記数値と複素ベースバンド信号との複素乗算は、複素乗算を使用せず、セレクタ、符号反転、加算器等で実現できる。
√2倍した値は2乗すると、2となる。すなわち、周波数変換部35で√2倍した信号を2乗処理の後に1/2倍することにより、もとの信号となる。このことから、図12に示すように、非線形処理部40’においては、2乗処理後に信号をビットシフト器36で1/2倍し、ビットシフト器36の出力と加算器33の出力とを制御信号発生器317のタイミングに基づいて、√2倍信号のタイミングでは、ビットシフト器36の出力信号を選択し、それ以外の信号のタイミングでは加算器33の出力を選択することにより、図2に示したタイミング抽出部20と同じ出力を得ることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、2乗演算後に1/2倍した信号と、通常値の出力信号とを、制御信号に基づいて選択する構成をとることにより、複素乗算器が行う演算が加算器33、ビットシフト器36及びセレクタ37だけで実現できるので、回路規模を小さくすることができる。
その他の具体的な効果は第1の実施の形態と同様である。尚、第1の実施の形態と同様に、周波数変換部35の入力である複素ベースバンド信号の±fs/2の周波数成分を周波数成分的に干渉が起こらないように、±fs/4の逆の周波数配置に周波数変換しても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について図14及び図15を参照して説明する。
本実施の形態の全体構成は図1に示したものと同様であるが、図2のタイミング抽出部20の構成が異なる。図14は本実施の形態のタイミング抽出部20の構成を示すものである。
図14において、タイミング抽出部20は、先に示した第1の実施の形態の図2と入力信号としては同じであるが、周波数変換部30の代わりに周波数変換部38を使用することと、図12のBPF34の代わりに、通過中心周波数が±fs/4の周波数特性であるBPF39とを使用する点が異なる。尚、図14において、図2と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
図15は、前記周波数変換部38の構成を示すものである。この周波数変換部38は、図11に示した周波数変換部30の−fs/4シフト部310の代わりに、−fs/8シフト部318を使用すると共に、+fs/4シフト部311の代わりに+fs/81シフト部319を使用する点で異なる。図15において、図11と同一部分には、同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
図15において、−fs/8シフト部318は、0周波数位置にあるシンボルの変化に伴って発生する周波数成分を−fs/8の周波数位置にシフトする。一方、+fs/8シフト部319は、0周波数位置にあるシンボルの変化に伴って発生する周波数成分をfs/8の周波数位置にシフトする。
複素加算器305は、前記−fs/8シフト部318と前記+fs/8シフト部319との両出力を複素加算し、±fs/8の周波数成分が干渉を起こすことなく後段の非線形処理により±fs/4の折り返し歪み成分となる±7fs/8をヌル周波数成分とする複素ベースバンド信号を出力する。
更に、図14において、2個の乗算器31、32は、前記周波数変換部38の複素加算器305から供給されるI信号及びQ信号からなる複素ベースバンド信号の前記I信号及びQ信号を共に各々2乗し、加算器33は前記各2乗後の信号を加算して、非線形処理を行う。この非線形処理により、入力信号の±fs/8の周波数成分は、0周波数と、±fs/4の周波数位置とに周波数変換される。BPF39は、この±fs/4の周波数成分を抽出し、タイミング信号として出力する。
図16は、タイミング信号とサンプル間隔との関係を表した波形を示す。前記第1〜第4の実施の形態では、図8において1周期の正弦波に対し4サンプルで表現していたが、図16に示すように、1周期の正弦波に対して8点のサンプリング点で表現される。従って、例えば、図中黒丸印の信号を間引いた1サンプルデータ間引き信号をタイミング信号として出力することにより、後段のタイミング誤差検出器22及びループフィルタ22はこの間引かれたタイミング信号を使用して動作すれば良く、時間単位の演算量を削減することが可能となる。
以上のように、本実施の形態によれば、BPF39の出力データを間引くことが可能となり、後段のタイミング誤差検出器22及びループフィルタ23の単位時間当りの演算量を削減することができる。その他の具体的な効果は第1の実施の形態と同様である。
尚、第1の実施の形態と同様に、周波数変換部38の入力である複素ベースバンド信号の±fs/2の周波数成分を周波数成分的に干渉が起こらないように±fs/8の逆の周波数配置に周波数変換しても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、本実施の形態では、タイミング抽出部20に入力される複素ベースバンド信号の±fs/2の周波数を±fs/8に周波数変換し、非線形抽出処理後に±fs/4の周波数成分を抽出する例を示したが、本発明はこれに限定されず、±fs/2M(Mは3以上の整数)に周波数変換し、非線形処理後に、±fs/Mの周波数を抽出することによっても、第1の実施の形態と同様の効果が得られることは言うまでもないし、更には、このように整数値Mを用いることは必須ではなく、要は、複素ベースバンド信号に含まれる±fs/2の周波数を成分を、周波数位置fm(0<|fm|<fs/2)に周波数変換して、この±fs/2の周波数成分が他の周波数成分と干渉を起こすことがないようにすれば良い。
加えて、±fs/(2×L)に周波数変換し、非線形処理後、±fs/(2×L)(Lは3以上の整数)を抽出し、L回に1回データをタイミング誤差検出器22へ出力することにより、後段のタイミング誤差検出器22及びループフィルタ23の演算量を更に削減することができる。
(第6の実施の形態)
続いて、本発明の第6の実施の形態について図18を参照して説明する。
図18は、本発明のタイミング抽出装置を含む復調装置の他の構成例を示す。同図の復調装置は、図1の復調装置とは異なり、図1のレート変換部109の代わりに、DA変換器115及び電圧制御クロック発振器116を用いて、AD変換器107、108とタイミング制御部110とDA変換器115と電圧制御クロック発振器116からなるフィードバックループを形成することにより、タイミング制御を行うようにした構成を持つ。
図18の復調装置について、図1と異なる部分について簡単に説明すると、AD変換器107、108は、電圧制御クロック発振器116から供給されるシンボルレートfsの2倍のクロックでサンプリングし、複素ベースバンド信号をアナログ値からデジタル値に変換する。
タイミング制御部110は、前記複素ベースバンド信号を入力し、タイミング抽出部20においてタイミングを抽出し、タイミング誤差検出器21においてAD変換器107、108で生じたサンプルタイミングの誤差を検出し、ループフィルタ22においてタイミングの誤差を平滑化し、タイミング制御信号として出力する。DA変換器115は、前記ループフィルタ22からのタイミング制御信号をデジタル信号からアナログ信号に変換する。電圧制御クロック発振器116は、電圧値によりクロック発振周波数の制御が可能な構成を有し、前記DA変換器115からのタイミング制御信号を電圧値として入力し、このタイミング制御信号が安定する周波数のクロックをAD変換器107、108に供給する。
以上により、所望のサンプルタイミングで動作することが可能になり、安定した復調動作を実現することができる。
以上説明したように、本発明のタイミング抽出装置及び方法によれば、デジタル変調信号からシンボルの判定タイミング成分を抽出するに際し、サンプリング周波数をシンボルレートfsの2倍のサンプリング周波数としながら、折り返し歪み成分と干渉を起こすことなく、キャリア周波数のオフセットの影響を受けずに安定にタイミング成分の抽出が可能であるので、デジタル衛星TV放送やデジタルケーブルTV放送等で用いるデジタル変調方式の復調等の用途に適用して有用である。
本発明は、デジタル衛星TV放送やデジタルケーブルTV放送等で用いるPSK(Phase Shift Keying)方式や、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)方式等のデジタル変調方式を復調する際に、その復調に必要なタイミングを抽出するタイミング抽出装置及び方法に関する。
従来、PSK方式やQAM方式などのデジタル変調信号から、その信号に含まれる情報を復調、再生するためのタイミング成分の抽出方法として、例えば、特許文献1に記載されるものがある。このものは、シンボルのデータ変化に伴ってデジタル変調信号に存在するシンボルレートfsの1/2倍の周波数成分を非線形処理して、fsの周波数成分を抽出するものである。
この抽出方法では、非線形処理するので、受信機側で利用する局部発振器の周波数誤差に起因して生じるキャリア周波数のオフセットの影響を受けることなく、安定にタイミング抽出が可能である。また、最終的にfsの周波数成分を抽出することから、デジタル信号処理では、サンプリング定理を満足するように、2fsを越えるサンプリング周波数で動作する必要があって、通常では、干渉を避けるために、サンプリング周波数を4fs以上としている。
更に、従来の他のタイミング成分抽出方法としては、例えば、特許文献2に記載されるように、シンボルのデータ変化に伴ってデジタル変調信号に存在するfs/2の周波数成分を抽出し、この抽出した周波数成分に対してベクトル処理と周波数シフト処理と2倍角処理とを施すことにより、サンプリング周波数を2fsとしながら、処理可能なタイミング抽出方法がある。
また、従来の更に他のタイミング成分抽出方法としては、例えば、特許文献3に記載されるように、サンプリング周波数を2fsとし、デジタル信号を平均化した信号を非線形処理して、その1サンプル遅延信号との差分をとることにより、fsの周波数成分を抽出する方法が知られている。
特許第2555140号明細書(第5−7頁、第5図) 特開平5−207082号公報(第3−6頁、第2図) 特開平7−226781号公報(第5−6頁、第4図)
しかしながら、特許文献1記載の方法では、安定にタイミング抽出するために、4fsのサンプリング周波数でデジタル信号処理する必要がある。このため、シンボルレートが高い周波数の場合には、ハードウエアの実現が困難であったり、消費電力が増大したりする。また、低シンボルレートであっても、DSPで処理を実現する場合には、単位時間当たりの処理量が増大する欠点がある。
また、特許文献2記載の方法では、ベクトル化処理を施すために、受信機側で利用する局部発振器の周波数誤差に起因して生じるキャリア周波数のオフセットの影響を受け、このため、キャリア周波数のオフセットがあると、正確なタイミング抽出が困難になる。
更に、特許文献3記載の抽出方法では、サンプリング周波数を2fsとしているために、抽出信号はサンプリングの定理により干渉を起こし、安定したタイミング抽出を行うことができない。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、シンボルレートfsが高い場合であっても、2fsの低いサンプリング周波数でデジタル信号処理を行いながらも、ハードウエアの実現を容易にし、キャリア周波数オフセットの影響を受けずに、干渉のない安定したタイミング抽出方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明では、デジタル変調信号を復調して情報を再生する場合に、デジタル変調信号のシンボルレートをfsとして、I信号及びQ信号からなる複素ベースバンド信号のfs/2の正及び負の周波数成分を、他の周波数成分と干渉を起こさないような周波数位置に周波数変換し、その後、この周波数変換されたI信号及びQ信号を少なくとも各々2乗して、その周波数位置の2倍の周波数成分を抽出する。
すなわち、請求項1記載の発明のタイミング抽出装置は、シンボルレートがfsであるデジタル変調信号から、そのシンボルの判定タイミング成分を抽出するタイミング抽出装置であって、前記デジタル変調信号から得られるI信号及びQ信号から成る複素ベースバンド信号に含まれる前記fsの1/2値の正及び負の周波数成分を、周波数位置fm(0<|fm|<fs/2)に周波数変換する周波数変換手段と、前記周波数変換手段により周波数変換された後のI信号及びQ信号を各々少なくとも2乗する非線形処理手段と、前記非線形処理手段の出力信号から、前記周波数位置fmの2倍の周波数成分をタイミング信号として抽出する周波数抽出手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のタイミング抽出装置において、前記周波数位置fmは、|fm|=fs/2M(Mは2以上の整数)であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のタイミング抽出装置において、MはM=2であって、前記周波数位置fmは、|fm|=fs/4であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載のタイミング抽出装置において、MはM=4であって、前記周波数位置fmは、|fm|=fs/8であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1又は2記載のタイミング抽出装置において、前記周波数変換手段は、前記非線形処理手段の出力信号に含まれる前記周波数位置fmの2倍の周波数成分に対して折り返し歪み成分となる周波数成分を、前記複素ベースバンド信号から予め除去するフィルタリング手段を備えることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1又は2記載のタイミング抽出装置において、前記周波数変換手段は、前記複素ベースバンド信号を周波数増大方向に周波数シフトする第1の周波数シフト手段と、逆に、前記複素ベースバンド信号を周波数減少方向に周波数シフトする第2の周波数シフト手段とを備えることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1、2又は6記載のタイミング抽出装置において、前記周波数変換手段は、前記複素ベースバンド信号を前記fs/2の周波数だけ周波数増大方向及び周波数減少方向に周波数シフトする周波数シフト手段を備えることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1記載のタイミング抽出装置において、前記周波数変換手段は、前記複素ベースバンド信号に含まれる前記fsの1/2値の正及び負の周波数成分を抽出するバンドバスフィルタリング手段を備えることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項3記載のタイミング抽出装置において、前記周波数変換手段は、前記周波数位置fmに周波数変換された前記fsの1/2値の正及び負の周波数成分の値として、2回のサンプリング毎に真値よりも√2倍された値を演算する数値演算手段を有することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項9記載のタイミング抽出装置において、前記非線形処理手段は、前記周波数変換手段により周波数変換された後のI信号及びQ信号を各々2乗する2個の乗算手段と、前記乗算手段により2乗されたI信号及びQ信号を加算する加算器と、前記加算器の出力を1/2倍するビットシフト手段と、前記加算器の出力と前記ビットシフト手段の出力との何れか一方を選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項1又は2記載のタイミング抽出装置において、前記周波数抽出手段は、前記周波数位置fmが、|fm|=fs/(22×L)(Lは1以上の整数)であるとき、L回に1回の割合で前記タイミング信号を出力することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項6記載のタイミング抽出装置において、前記第1及び第2の周波数シフト手段は、前記周波数位置fmに存在する干渉成分を予め除去するフィルタリング手段を備えることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項6記載のタイミング抽出装置において、前記周波数変換手段は、前記第1及び第2の周波数シフト手段の出力を複素加算することを特徴とする。
請求項14記載の発明のタイミング抽出方法は、シンボルレートがfsであるデジタル変調信号から、そのシンボルの判定タイミング成分を抽出するタイミング抽出方法であって、前記デジタル変調信号から得られるI信号及びQ信号から成る複素ベースバンド信号に含まれる前記fsの1/2値の正及び負の周波数成分を、周波数位置fm(0<|fm|<fs/2)に周波数変換し、前記周波数変換された後のI信号及びQ信号を各々少なくとも2乗し、前記2乗されたI信号及びQ信号を加算し、その後、前記加算された信号から、前記周波数位置fmの2倍の周波数成分をタイミング信号として抽出することを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項14記載のタイミング抽出方法において、前記周波数位置fmは、|fm|=fs/2M(Mは2以上の整数)であることを特徴とする。
請求項16記載の発明の復調装置は、デジタル変調信号を受信するアンテナと、前記アンテナにより受信されたデジタル変調信号を直交検波して、I信号とQ信号とから成る複素ベースバンド信号を得る準同期検波手段と、前記準同期検波手段により得られた複素ベースバンド信号をアナログ値からデジタル値に変換するAD変換手段と、前記請求項1記載のタイミング抽出装置とを備え、前記タイミング抽出装置からのタイミング信号に基づいて、前記AD変換手段により得られるデジタル値の複素ベースバンド信号を、2fsのサンプリング周波数でサンプリングした復調データとすることを特徴とする。
以上により、請求項1〜16記載の発明では、2fsのサンプリング周波数であっても、複素ベースバンド信号のfs/2の正及び負の周波数成分を周波数変換した周波数位置fmが、シンボルレートfsの1/2値よりも小さい、すなわち、2fmがfsよりも小さいので、サンプリング定理上、この周波数位置fmでのfs/2の正及び負の周波数成分は折り返し歪み成分と干渉を起こすことないと共に、低消費電力化が可能である。しかも、2乗処理という非線形処理により、fsの周波数成分を抽出するので、キャリア周波数のオフセットの影響を受けることがなく、安定なタイミング抽出ができる。
特に、請求項10記載の発明では、周波数演算手段での周波数変換で行われる複素乗算を、非線形処理手段のビットシフト手段と選択手段とにより代行することができるので、回路規模を小さくできる。
更に、請求項11記載の発明では、タイミング抽出装置はタイミング信号をL回に1回の割合で出力すれば良いので、後段に用いられるタイミング誤差検出器やループフィルタの単位時間当りの演算量が大きく削減される。
以上説明したように、請求項1〜16記載の発明によれば、デジタル変調信号からシンボルの判定タイミング成分を抽出するに際し、サンプリング周波数をシンボルレートfsの2倍のサンプリング周波数としながら、折り返し歪み成分と干渉を起こすことなく、低消費電力で、且つ、キャリア周波数のオフセットの影響を受けずに安定にタイミング成分の抽出が可能である。
特に、請求項10記載の発明によれば、周波数変換で行うべき複素乗算を、非線形処理でのビットシフトと信号の選択処理とにより代行したので、回路規模を小さくできる。
更に、請求項11記載の発明によれば、タイミング抽出装置がタイミング信号をL回に1回の割合で出力すれば良いので、後段に用いられるタイミング誤差検出器やループフィルタの単位時間当りの演算量を大きく削減できる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態であるタイミング抽出方法を採用したQPSK(Quadrature PSK)信号やQAM信号等のデジタル変調信号を復調する復調装置の構成を示すブロック図である。
先ず、この復調装置について説明する。図1において、デジタル変調信号はアンテナ101で受信される。ダウンコンバータ102は、アンテナ101での受信信号を所望の中間周波数帯に周波数変換して、出力する。
準同期検波器(準同期検波手段)103は、局部発振器104の固定発振周波数で直交検波し、同相成分と直交成分との両信号を出力する。ローパスフィルタ(LPF)105、106は、前記準同期検波器103からの同相成分と直交成分から成る複素ベースバンド信号から高調波成分を除去して、出力する。AD変換器(AD変換手段)107、108は、シンボルレートfsの2倍を上回るクロック信号を用いて前記LPF105、106からの複素ベースバンド信号をサンプリングし、複素ベースバンド信号をアナログ値からデジタル値に変換する。
更に、レート変換器109は、後述するタイミング制御部110が出力するタイミング制御信号110aに基づいて前記AD変換器107、108からのデジタル値の複素ベースバンド信号をレート変換し、2fsのサンプリングレートで出力する。
デジタルフィルタ(RX−FIL)111、112は、前記レート変換器109でレート変換した信号を入力し、デジタルデータ伝送におけるシンボル間干渉を防止するようにスペクトル整形し、出力する。波形等化器113は、伝送路で生じた反射等によるゴーストを波形等化して、出力する。同期検波器114は、キャリア周波数オフセットを補正し、復調データを出力する。
加えて、タイミング制御部110は、レート変換器109でレート変換後の2fsでサンプリングした同相信号(I)と直交信号(Q)からなる複素ベースバンド信号を入力し、タイミング制御信号110aをレート変換器109に出力しており、レート変換部109を含めてフィードバックループを形成している。このタイミング制御部110は、タイミング抽出部20と、タイミング誤差検出部21と、ループフィルタ22とから構成されている。
前記タイミング抽出部(タイミング抽出装置)20はレート変換部109が出力する複素ベースバンド信号からシンボルの判定タイミング成分を抽出し、タイミング誤差検出器21に出力する。
前記タイミング抽出部20の具体的な構成例を図2に示す。タイミング抽出部20は、周波数変換部30と、2個の乗算器(乗算手段)31、32と、加算器(加算手段)33と、バンドパスフィルタ(BPF)34とから構成される。
ここで、図3(a)及び図3(b)を参照して周波数変換部(周波数変換手段)30の動作の具体例を簡単に説明する。図3(a)に、レート変換後の複素ベースバンド信号のスペクトルを示す。同図(a)において、破線はデジタル変調信号のスペクトルを示し、実線はデジタル変調信号がシンボルレートfsでデータが変化することに伴って存在する±fs/2の周波数成分を示す。
周波数変換部30は、レート変換部109からの複素ベースバンド信号を入力し、±fs/2の周波数成分を、他の周波数領域の周波数成分と干渉が起こらないように、図3(b)に示す±fs/4に周波数変換する。
複素ベースバンド信号を構成するI信号及びQ信号は、各々、2個の乗算器31、32及び加算器33により構成される非線形処理部(非線形処理手段)40により2乗処理(非線形処理)される。つまり、I信号及びQ信号は各々乗算器31、32で2乗され、その各2乗結果を加算器33で加算する非線型処理が施される。ここで、±fs/4の周波数成分は非線型処理により、図3(c)に示すように、直流成分と±fs/2の周波数成分に変換される。BPF34は図3(c)に破線で示すような通過中心周波数が±fs/2の周波数特性を有するものであり、非線型処理した信号を入力して、±fs/2の周波数成分を抽出し、タイミング信号として出力する。
以上の操作により、タイミング信号として抽出した±fs/2の周波数成分は、サンプリング周波数2fsにおいて、−fsよりも大きく且つ+fsよりも小さい値であるので、非線形処理により自身の折り返し歪み成分の影響を受けることなく抽出される。
次に、周波数変換部30の具体的な構成例を図4に示す。周波数変換部30は、+fs/4シフト部301と、−fs/4シフト部302と、第1及び第2の複素フィルタ(フィルタリング手段)303、304と、複素加算器305とから構成される。
ここで、図5を参照して、周波数変換部30の動作について説明する。複素ベースバンド信号は、+fs/4シフト部301と−fs/4シフト部302とに入力される。+fs/4シフト部301は、複素ベースバンド信号を+fs/4周波数だけシフトし、図3(a)に示す複素ベースバンド信号の−fs/2の周波数成分を図5(a)に示すように−fs/4の周波数位置に周波数変換し、第1の複素フィルタ303に供給する。
前記+fs/4シフト部301の内部構成は、例えば、図6に示される。同図において、+fs/4シフト部301は、複素乗算器3011と、サイン/コサイン信号発生器3012とから構成される。サイン/コサイン信号発生器3012は、サンプリングクロック周波数2fsでI軸、Q軸からなる複素平面においてサンプリング毎にπ/4位相だけ回転する回転ベクトルを出力する。すなわち、(I、Q)=(1、0)、(1/√2、1/√2)、(0、1)、(−1/√2、1/√2)、(−1、0)、(−1/√2、−1/√2)、(0、−1)、(1/√2、−1/√2)を取るI信号及びQ信号を順次繰り返し複素乗算器3011に供給する。複素乗算器3011は、複素ベースバンド信号とサイン/コサイン発生器3012の出力信号とを複素乗算する。これにより、+fs/4だけの周波数シフトを実現することができる。
一方、−fs/4シフト部302は、複素ベースバンド信号を−fs/4周波数だけシフトし、複素ベースバンド信号の+fs/2の周波数成分を図5(b)に示すように+fs/4の周波数位置に周波数変換して、第2の複素フィルタ304に供給する。−fs/4シフト部302の内部構成は、同様に図6に示した構成となり、サイン/コサイン信号発生器3012のデータ発生方法としては、I軸、Q軸からなる複素平面においてサンプリング毎に−π/4位相だけ回転する回転ベクトルを出力する。すなわち、(I、Q)=(1、0)、(1/√2、−1/√2)、(0,−1)、(−1/√2、−1/√2)、(−1、0)、(−1/√2、1/√2)、(0、1)、(1/√2、1/√2)を取るI信号及び、Q信号を順次繰り返し複素乗算器3011に供給することにより、−fs/4だけの周波数シフトを実現することができる。
図4において、第1の複素フィルタ303は、少なくとも−fs/4の周波数を通過させ、第2の複素フィルタ304の出力である+fs/4の周波数成分と周波数的に干渉しないように+fs/4周波数を阻止し、後段の非線型処理後の±fs/2の周波数の折り返し歪成分となる±3fs/4周波数を阻止する周波数特性を有しており、この特性に従ってフィルタリングされた複素ベースバンド信号を複素加算器305に供給する。このフィルタリング操作は、周波数変換部30に入力される複素ベースバンドの周波数成分では、−fs/2周波数を通過させ、0周波数を阻止し、+fs/2及び±fsの周波数を阻止する操作となる。
前記第1の複素フィルタ303の内部構成は、例えば、図7に示される。同図において、第1の複素フィルタ303は、3つの複素遅延器41、42、43と、4つの複素演算器44、45、46、47と、複素加算器48からなる構成をとる。複素遅延器41〜43は、サンプリングクロック周波数2fsに従って複素ベースバンド信号を遅延させる。複素演算器44〜47は、複素ベースバンド信号と複素タップ係数Cim、Cqm(m=0、1、2,3)とについて複素乗算に相当する演算を行う。複素加算器305は、複素演算器44〜47の総和をとって、出力する。複素タップ係数としては、(Ci0、Cq0)=(1、0)、(Ci1、Cq1)=(1/√2、−1/√2)、(Ci2、Cq2)=(0、−1)、(Ci3、Cq3)=(−1/√2、−1/√2)を与えることにより、図5(c)の周波数特性を実現できる。
次に、図4の第2の複素フィルタ304は、少なくとも+fs/4の周波数を通過させ、第1の複素フィルタ303の出力である−fs/4の周波数成分と周波数的に干渉しないように−fs/4周波数を阻止し、後段の非線型処理後の±fs/2の周波数の折り返し歪成分となる±3fs/4の周波数を阻止する周波数特性を有しており、この特性に従ってフィルタリングされた複素ベースバンド信号を複素加算器305に供給する。このフィルタリング操作は、周波数変換部30に入力される複素ベースバンド信号の周波数成分では、+fs/2周波数を通過させ、0周波数を阻止し、−fs/2及び±fsの周波数を阻止する操作である。例えば、第2の複素フィルタ304は、図7に示す内部構成を有し、タップ係数としては、(Ci0、Cq0)=(1,0)、(Ci1、Cq1)=(1/√2、1/√2)、(Ci2、Cq2)=(0、1)、(Ci3、Cq3)=(−1/√2、1/√2)を与えることにより、図5(d)の周波数特性を実現できる。
図4の複素加算器305は、前述の処理により得られた複素ベースバンド信号を複素加算する。これにより、その複素加算出力はデジタル変調波の±fs/2の周波数成分が、他の周波数領域の周波数成分と干渉が起こらないように、±fs/4の周波数位置に周波数変換された複素ベースバンド信号となる。
次に、図2に戻って、非線形処理部40の乗算器31、32は、図4の周波数変換部30の複素加算器305から出力されるI信号とQ信号とからなる複素ベースバンド信号の前記I信号及びQ信号の各々を2乗し、出力する。加算器33は、その各2乗後の信号を加算し、BPF34に供給する。
前記非線形処理部40での2乗和処理は、従来でも用いられている非線形処理方法であって、シンボル変化に伴う周波数成分の0度と180度との位相不確定性とキャリア周波数のオフセットの影響をキャンセルする。加えて、本実施の形態では、サンプリング周波数及び時間ずれに伴い、図4の周波数変換部30の+fs/4シフト部301及び−fs/4シフト部302で生じる周波数オフセットをキャンセルする。
図2において、BPF34は、前記非線形処理部40の加算器33からの加算結果信号のうち±fs/2の周波数成分を抽出し、この抽出した周波数成分をタイミング信号として、図1に示したタイミング誤差検出器21へ出力する。
図8は、タイミング波形とサンプル点との関係を表した波形図を示す。同図(a)及び同図(b)において、曲線Aは正しいサンプリングタイミングの場合を、同図(a)の曲線Bはサンプリングタイミングが遅い場合を、同図(b)の曲線Cはサンプリングタイミングが早い場合を各々示す。タイミング誤差検出器21は、例えばX点とY点の大きさからφ=Tan-1(X/Y)を算出することにより、サンプルポイントのタイミングずれを検出し、タイミング誤差信号としてループフィルタ22に出力する。
図17にタイミング誤差検出器21の誤差関数を示す。同図において、実線は、タイミング信号の入力位相とφ=Tan-1(X/Y)との関係を示す。同図から判るように、入力位相が0、+πの時、0交差ポイントが存在する。この入力位相が+π又は−πのポイントに収束すると、擬似同期が発生する。この擬似同期発生を回避するために、タイミング誤差検出器21は、例えば、擬似同期回避手段として4サンプルをカウントするカウンタを有し、サンプリングクロック周波数2fsの4サンプルを1周期として解析し、入力位相がπ/2〜πと−π/2〜−πとの時、破線又は1点鎖線で示すような特性にする。尚、4サンプル中の基準ポイントとしては、図4に示した周波数変換部30の+fs/4シフト部301及び−fs/4シフト部302内で使用する回転ベクトル(0〜2π)の初期位相を0に揃え、その回転ベクトルが0又はπの時のデータポイントを基準ポイントとすることが、望ましい。
また、他の回避方法として、例えば、BER測定器やC/N検出器等の信号品質検出手段を用い、タイミング制御ループが収束した後、信号品質が悪い場合は、擬似同期と判定し、レート変換部109の出力信号を制御して、タイミング信号をπ又は−π位相シフトするようにする方法もある。
図1のタイミング制御部110において、ループフィルタ22は、タイミング誤差検出器21からのタイミング誤差信号を平滑化して、タイミング制御信号110aとしてレート変換部109へ出力する。
以上のように、本実施の形態の構成によれば、サンプリングクロック周波数2fsでキャリア周波数オフセットの影響を受けることなく安定にタイミング抽出が可能である。
尚、本実施の形態では、周波数変換部30の入力である複素ベースバンド信号の+fs/2の周波数成分を+fs/4周波数位置へ周波数変換し、−fs/2の周波数成分を−fs/4周波数位置へ周波数変換したが、本発明はこれに限定されず、その他、例えば、周波数成分的に干渉が起らないように、+fs/2の周波数成分を−fs/4周波数位置へ周波数変換し、−fs/2の周波数成分を+fs/4周波数位置へと逆の周波数配置に周波数変換しても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図9及び図10を参照して説明する。
本実施の形態の全体構成は、図1及び図2に示したものと同様であるが、周波数変換部30の構成が異なる。図9は本実施の形態の周波数変換部30の構成を示すものである。尚、図9において、図4と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分を中心に説明する。
図9において、複素ベースバンド信号は、+fs/2だけ周波数増大方向に周波数シフトする+fs/2シフト部(第1の周波数シフト手段)306と、逆に−fs/2だけ周波数減少方向に周波数シフトする−fs/2シフト部(第2の周波数シフト手段)307とに入力される。前記+fs/2シフト部306は、複素ベースバンド信号を+fs/2周波数だけシフトし、図3(a)に示す複素ベースバンド信号の−fs/2の周波数成分を図10(a)に示すように0周波数の位置に周波数変換して、LPF308に供給する。一方、−fs/2シフト部307は、複素ベースバンド信号を−fs/2周波数だけシフトし、複素ベースバンド信号の+fs/2の周波数成分を図10(b)に示すように0周波数の位置に周波数変換して、LPF309に供給する。
LPF308及びLPF309は、図10(c)に示すように、0周波数を通過させ、±fs/2及び±fsの各周波数成分を阻止する周波数特性を有するフィルタであり、この特性に従ってフィルタリングされた複素ベースバンド信号を各々−fs/4シフト部(第2の周波数シフト手段)310及び+fs/4シフト部(第1の周波数シフト手段)311に供給する。
前記LPF308及びLPF309は、周波数特性が同じであるので、同一の構成となる。また、各々のLPF308、309の入力であるI信号及びQ信号は、LPFの周波数特性が0周波数を中心として正負対称であるので、各々、独立且つ同一のフィルタリング処理が可能である。
一方のLPF308のフィルタリング操作は、周波数変換部30に入力される複素ベースバンド信号の周波数成分では、−fs/2の周波数を通過させ、0周波数、+fs/2及び±fsの各周波数を阻止する操作である。他方のLPF309のフィルタリング操作は、周波数変換部30に入力される複素ベースバンド信号の周波数成分では、+fs/2の周波数を通過させ、0周波数、−fs/2及び±fsの周波数を阻止する操作である。
更に、図9において、−fs/4シフト部310は、0周波数成分を−fs/4の周波数位置にシフトし、fsのヌル周波数成分を3fs/4の周波数位置にシフトし、fs/2のヌル周波数成分をfs/4の周波数位置にシフトする。一方、+fs/4シフト部311は、0周波数成分をfs/4の周波数位置にシフトし、−fsのヌル周波数成分を−3fs/4の周波数位置にシフトし、−fs/2のヌル周波数成分を−fs/4の周波数位置にシフトする。
複素加算器305は、前記−fs/4シフト部310及び+fs/4シフト部311の出力を複素加算する。その結果、その複素加算出力はデジタル変調波の±fs/2の周波数成分が、他の周波数領域の周波数成分と干渉が起こらないように±fs/4の周波数位置に周波数変換され、後段の非線形処理により±fs/4の折り返し歪み成分となる±3fs/4をヌル周波数成分とする複素ベースバンド信号となる。
以上のように、本実施の形態によれば、2個のLPF308及びLPF309は、同一の構成となり、加えて、各々のLPF308、309のI側とQ側とが、各々、独立且つ同一のフィルタリング処理構成となるので、回路が簡単になる。その他の具体的な効果は第1の実施の形態と同様である。
尚、第1の実施の形態と同様に、周波数変換部30の入力である複素ベースバンド信号の±fs/2の周波数成分を周波数成分的に干渉が起こらないように、±fs/4の逆の周波数配置に周波数変換しても、同様の効果が得られることは勿論である。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について図10及び図11を参照して説明する。
本実施の形態の全体構成は図1及び図2に示した構成と同様であるが、周波数変換部30の構成が異なる。図11は本実施の形態の周波数変換部30の構成を示す。尚、図11において、図4及び図9と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
図11において、複素ベースバンド信号はBPF(バンドパスフィルタリング手段)312に入力される。このBPF312は、通過中心周波数が±fs/2の周波数特性を有しており、複素ベースバンド信号を入力し、±fs/2の周波数成分を抽出して、+fs/2シフト部306及び−fs/2シフト部307に出力する。
前記+fs/2シフト部306は、複素ベースバンド信号を+fs/2だけ周波数シフトして、−fs/2の周波数成分を0周波数の位置に周波数変換し、+fs/2の周波数をfs周波数の位置に周波数変換して、LPF313に出力する。一方、−fs/2シフト部307は、−fs/2だけ周波数シフトして、+fs/2の周波数成分を0周波数の位置に周波数変換し、−fs/2の周波数成分を−fs周波数の位置に周波数変換して、LPF309に出力する。
LPF313及びLPF314は、図10(d)に示すように0周波数を通過させ、±fsの周波数を阻止する周波数特性を有するフィルタであって、この特性に従ってフィルタリングされた複素ベースバンド信号を、各々、−fs/4シフト部310及び+fs/4シフト部311に出力する。
−fs/4シフト部310は、0周波数成分を−fs/4の周波数位置にシフトし、fsのヌル周波数成分を3fs/4の周波数位置にシフトする。一方、+fs/4シフト部311は、0周波数成分をfs/4の周波数位置にシフトし、−fsのヌル周波数成分を−3fs/4の周波数位置にシフトする。
複素加算器305は、前記−fs/4シフト部310及びfs/4シフト部311の両出力を複素加算する。その結果、この複素加算出力は、デジタル変調波の±fs/2の周波数成分が他の周波数領域の周波数成分と干渉が起こらないように±fs/4の周波数位置に周波数変換され、後段の非線形処理により±fs/4の折り返し歪み成分となる±3fs/4をヌル周波数成分とする複素ベースバンド信号となる。
以上のように、本実施の形態によれば、BPF312により、±fs/2の周波数成分を抽出するので、不要な周波数信号成分を予め除去できて、より安定にタイミング抽出することが可能である。その他の具体的な効果は第1の実施の形態と同様である。
尚、2個のLPF313、314の周波数特性を、図10(c)の周波数特性を持つLPF308、309に置き換えることで、サンプリング定理の折り返し歪み成分を更に除去でき、更に安定にタイミング抽出できることは言うまでもない。
また、第1の実施の形態と同様に、周波数変換部30の入力である複素ベースバンド信号の±fs/2の周波数成分を周波数成分的に干渉が起こらないように、±fs/4の逆の周波数配置に周波数変換しても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について図12及び図13を参照して説明する。
本実施の形態の全体構成は図1に示したものと同様であるが、図2のタイミング抽出部20の構成が異なる。図12は本実施の形態のタイミング抽出部20の構成を示すものである。
図12において、タイミング抽出部20は、既述した第1〜第3の実施の形態と入出力信号としては同じであるが、周波数変換部30の代わりに、周波数変換部35を使用することと、非線形処理部40’内において、加算器33の後段に、ビットシフト器(ビットシフト手段)36と、セレクタ(選択手段)37とが挿入されている点が異なる。尚、図12において、図2と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
図13は、周波数変換部35の構成を示す。同図において、周波数変換部35は、図11に示した周波数変換部30の構成と若干異なる。図13において、図11と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
図13において、第1の数値演算器(数値演算手段)315は、LPF313から供給される複素ベースバンド信号に、I軸及びQ軸からなる複素平面において、(I、Q)=(1、0)、(1/√2、−1/√2)、(0、−1)、(−1/√2、−1/√2)、(−1、0)、(−1/√2、1/√2)、(0、1)、(1/√2、1/√2)を取るI信号及びQ信号を順次繰り返し複素乗算した数値に対し、更に、I値及びQ値の1/√2の部分にのみ√2を掛けた値を複素乗算する。すなわち、複素平面において、(I、Q)=(1、0)、(1、−1)、(0、−1)、(−1、−1)、(−1、0)、(−1、1)、(0、1)、(1、1)を取るI信号及びQ信号を順次繰り返し複素乗算する。
一方、第2の数値演算器(数値演算手段)316は、LPF314から供給される複素ベースバンド信号に、I軸及びQ軸からなる複素平面において、(I、Q)=(1、0)、(1/√2、1/√2)、(0、1)、(−1/√2、1/√2)、(−1、0)、(−1/√2、−1/√2)、(0、−1)、(1/√2、−1/√2)を取るI信号及びQ信号を順次繰り返し複素乗算することとは異なり、I値及びQ値の1/√2の部分にのみ√2を掛けた値を用いる。すなわち、複素平面において、(I、Q)=(1、0)、(1、1)、(0、1)、(−1、1)、(−1、0)、(−1、−1)、(0、−1)、(1、−1)を取るI信号及びQ信号を順次繰り返し複素乗算する。
図13の制御信号発生器317は、前記第1の数値演算器315及び第2の数値演算器315において√2倍した値の演算タイミングを合わせるために、使用する。例えば、制御信号発生器317は、A(n)を第1の数値演算器315のnサンプル時の複素乗算する値、B(n)を第2の数値演算器316のnサンプル時の複素乗算する値とすると、
A(n)=(1、0)、A(n+1)=(1、−1)、A(n+2)=(0、−1)、A(n+3)=(−1、−1)、A(n+4)=(−1、0)、A(n+5)=(−1、1)、A(n+6)=(0、1)、A(n+7)=(1、1)となり、一方、B(n)=(1、0)、B(n+1)=(1、1)、B(n+2)=(0、1)、B(n+3)=(−1、1)、B(n+4)=(−1、0)、B(n+5)=(−1、−1)、B(n+6)=(0、−1)、B(n+7)=(1、−1)となる。
前記数値と複素ベースバンド信号との複素乗算は、複素乗算を使用せず、セレクタ、符号反転、加算器等で実現できる。
√2倍した値は2乗すると、2となる。すなわち、周波数変換部35で√2倍した信号を2乗処理の後に1/2倍することにより、もとの信号となる。このことから、図12に示すように、非線形処理部40’においては、2乗処理後に信号をビットシフト器36で1/2倍し、ビットシフト器36の出力と加算器33の出力とを制御信号発生器317のタイミングに基づいて、√2倍信号のタイミングでは、ビットシフト器36の出力信号を選択し、それ以外の信号のタイミングでは加算器33の出力を選択することにより、図2に示したタイミング抽出部20と同じ出力を得ることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、2乗演算後に1/2倍した信号と、通常値の出力信号とを、制御信号に基づいて選択する構成をとることにより、複素乗算器が行う演算が加算器33、ビットシフト器36及びセレクタ37だけで実現できるので、回路規模を小さくすることができる。
その他の具体的な効果は第1の実施の形態と同様である。尚、第1の実施の形態と同様に、周波数変換部35の入力である複素ベースバンド信号の±fs/2の周波数成分を周波数成分的に干渉が起こらないように、±fs/4の逆の周波数配置に周波数変換しても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について図14及び図15を参照して説明する。
本実施の形態の全体構成は図1に示したものと同様であるが、図2のタイミング抽出部20の構成が異なる。図14は本実施の形態のタイミング抽出部20の構成を示すものである。
図14において、タイミング抽出部20は、先に示した第1の実施の形態の図2と入力信号としては同じであるが、周波数変換部30の代わりに周波数変換部38を使用することと、図12のBPF34の代わりに、通過中心周波数が±fs/4の周波数特性であるBPF39とを使用する点が異なる。尚、図14において、図2と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
図15は、前記周波数変換部38の構成を示すものである。この周波数変換部38は、図11に示した周波数変換部30の−fs/4シフト部310の代わりに、−fs/8シフト部318を使用すると共に、+fs/4シフト部311の代わりに+fs/81シフト部319を使用する点で異なる。図15において、図11と同一部分には、同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
図15において、−fs/8シフト部318は、0周波数位置にあるシンボルの変化に伴って発生する周波数成分を−fs/8の周波数位置にシフトする。一方、+fs/8シフト部319は、0周波数位置にあるシンボルの変化に伴って発生する周波数成分をfs/8の周波数位置にシフトする。
複素加算器305は、前記−fs/8シフト部318と前記+fs/8シフト部319との両出力を複素加算し、±fs/8の周波数成分が干渉を起こすことなく後段の非線形処理により±fs/4の折り返し歪み成分となる±7fs/8をヌル周波数成分とする複素ベースバンド信号を出力する。
更に、図14において、2個の乗算器31、32は、前記周波数変換部38の複素加算器305から供給されるI信号及びQ信号からなる複素ベースバンド信号の前記I信号及びQ信号を共に各々2乗し、加算器33は前記各2乗後の信号を加算して、非線形処理を行う。この非線形処理により、入力信号の±fs/8の周波数成分は、0周波数と、±fs/4の周波数位置とに周波数変換される。BPF39は、この±fs/4の周波数成分を抽出し、タイミング信号として出力する。
図16は、タイミング信号とサンプル間隔との関係を表した波形を示す。前記第1〜第4の実施の形態では、図8において1周期の正弦波に対し4サンプルで表現していたが、図16に示すように、1周期の正弦波に対して8点のサンプリング点で表現される。従って、例えば、図中黒丸印の信号を間引いた1サンプルデータ間引き信号をタイミング信号として出力することにより、後段のタイミング誤差検出器22及びループフィルタ22はこの間引かれたタイミング信号を使用して動作すれば良く、時間単位の演算量を削減することが可能となる。
以上のように、本実施の形態によれば、BPF39の出力データを間引くことが可能となり、後段のタイミング誤差検出器22及びループフィルタ23の単位時間当りの演算量を削減することができる。その他の具体的な効果は第1の実施の形態と同様である。
尚、第1の実施の形態と同様に、周波数変換部38の入力である複素ベースバンド信号の±fs/2の周波数成分を周波数成分的に干渉が起こらないように±fs/8の逆の周波数配置に周波数変換しても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、本実施の形態では、タイミング抽出部20に入力される複素ベースバンド信号の±fs/2の周波数を±fs/8に周波数変換し、非線形抽出処理後に±fs/4の周波数成分を抽出する例を示したが、本発明はこれに限定されず、±fs/2M(Mは3以上の整数)に周波数変換し、非線形処理後に、±fs/Mの周波数を抽出することによっても、第1の実施の形態と同様の効果が得られることは言うまでもないし、更には、このように整数値Mを用いることは必須ではなく、要は、複素ベースバンド信号に含まれる±fs/2の周波数を成分を、周波数位置fm(0<|fm|<fs/2)に周波数変換して、この±fs/2の周波数成分が他の周波数成分と干渉を起こすことがないようにすれば良い。
加えて、±fs/(22×L)に周波数変換し、非線形処理後、±fs/(2×L)(Lは3以上の整数)を抽出し、L回に1回データをタイミング誤差検出器22へ出力することにより、後段のタイミング誤差検出器22及びループフィルタ23の演算量を更に削減することができる。
(第6の実施の形態)
続いて、本発明の第6の実施の形態について図18を参照して説明する。
図18は、本発明のタイミング抽出装置を含む復調装置の他の構成例を示す。同図の復調装置は、図1の復調装置とは異なり、図1のレート変換部109の代わりに、DA変換器115及び電圧制御クロック発振器116を用いて、AD変換器107、108とタイミング制御部110とDA変換器115と電圧制御クロック発振器116からなるフィードバックループを形成することにより、タイミング制御を行うようにした構成を持つ。
図18の復調装置について、図1と異なる部分について簡単に説明すると、AD変換器107、108は、電圧制御クロック発振器116から供給されるシンボルレートfsの2倍のクロックでサンプリングし、複素ベースバンド信号をアナログ値からデジタル値に変換する。
タイミング制御部110は、前記複素ベースバンド信号を入力し、タイミング抽出部20においてタイミングを抽出し、タイミング誤差検出器21においてAD変換器107、108で生じたサンプルタイミングの誤差を検出し、ループフィルタ22においてタイミングの誤差を平滑化し、タイミング制御信号として出力する。DA変換器115は、前記ループフィルタ22からのタイミング制御信号をデジタル信号からアナログ信号に変換する。電圧制御クロック発振器116は、電圧値によりクロック発振周波数の制御が可能な構成を有し、前記DA変換器115からのタイミング制御信号を電圧値として入力し、このタイミング制御信号が安定する周波数のクロックをAD変換器107、108に供給する。
以上により、所望のサンプルタイミングで動作することが可能になり、安定した復調動作を実現することができる。
以上説明したように、本発明のタイミング抽出装置及び方法によれば、デジタル変調信号からシンボルの判定タイミング成分を抽出するに際し、サンプリング周波数をシンボルレートfsの2倍のサンプリング周波数としながら、折り返し歪み成分と干渉を起こすことなく、キャリア周波数のオフセットの影響を受けずに安定にタイミング成分の抽出が可能であるので、デジタル衛星TV放送やデジタルケーブルTV放送等で用いるデジタル変調方式の復調等の用途に適用して有用である。
本発明の第1の実施の形態とするタイミング抽出方法を採用した復調装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態に用いられるタイミング抽出部の具体的な構成例を示すブロック図である。 第1の実施の形態に用いられる周波数変換部の動作原理を説明するための周波数特性図を示し、同図(a)はレート変換後の複素ベースバンド信号のスペクトルを示す図、同図(b)は±fs/2周波数成分を±fs/4周波数位置に周波数変換した図、同図(c)は±fs/4周波数成分が直流成分と±fs/2周波数成分とに変換された様子を示す図である。 第1の実施の形態に用いられる周波数変換部の具体的な構成例を示すブロック図である。 第1の実施の形態に用いられる周波数変換部の動作を説明するための周波数特性図を示し、同図(a)は複素ベースバンド信号の−fs/2周波数成分を−fs/4周波数位置に周波数変換した図、同図(b)は+fs/2周波数成分を−fs/4周波数位置に周波数変換した図、同図(c)は第1の複素フィルタの周波数特性を示す図、同図(d)は第2の複素フィルタの周波数特性を示す図である。 第1の実施の形態に用いられる±fs/4シフト部の具体的な構成例を示すブロック図である。 第1の実施の形態に用いられる複素フィルタの具体的な構成例を示すブロック図である。 タイミング信号とサンプル点の関係を表した波形図を示し、同図(a)はサンプリングタイミングが遅い場合を示す図、同図(b)はサンプリングタイミングが早い場合を示す図である。 第2の実施の形態に用いられる周波数変換部の具体的な構成例を示すブロック図である。 第2の実施の形態に用いられる周波数変換部の動作を説明するための周波数特性図を示し、同図(a)は複素ベースバンド信号の−fs/2周波数成分を0周波数位置に周波数変換した図、同図(b)は+fs/2周波数成分を0周波数位置に周波数変換した図、同図(c)はLPFの周波数特性を示す図、同図(d)はLPFの他の周波数特性を示す図である。 第3の実施の形態に用いられる周波数変換部の具体的な構成例を示すブロック図である。 第4の実施の形態に用いられるタイミング抽出部の具体的な構成例を示すブロック図である。 第4の実施の形態に用いられる周波数変換部の具体的な構成例を示すブロック図である。 第5の実施の形態に用いられるタイミング抽出部の具体的な構成例を示すブロック図である。 第5の実施の形態に用いられる周波数変換部の具体的な構成例を示すブロック図である。 第5の実施の形態に用いられるタイミング抽出部のタイミング出力信号とサンプル点の関係を表した波形図である。 タイミング誤差検出器の具体的な誤差関数例を示す入出力特性図である。 第6の実施の形態に用いられる電圧制御発振器を用いた復調装置の全体構成を示す図である。
符号の説明
20 タイミング抽出部(タイミング抽出装置)
21 タイミング誤差検出器
22 ループフィルタ
30、35、38 周波数変換部(周波数変換手段)
31、32 乗算器(乗算手段)
33 加算器(加算手段)
34、39 BPF(周波数抽出手段)
36 ビットシフト器(ビットシフト手段)
37 セレクタ(選択手段)
40、40’ 非線形処理手段
101 アンテナ
103 準同期検波器(準同期検波手段)
107、108 AD変換器(AD変換手段)
109 レート変換器
301 +fs/4シフト部
302 −fs/4シフト部
303、304 フィルタリング手段
305 複素加算器
306 +fs/2シフト部(第1の周波数シフト手段)
307 −fs/2シフト部(第2の周波数シフト手段)
310 −fs/4シフト部(第2の周波数シフト手段)
311 +fs/4シフト部(第1の周波数シフト手段)
312 BPF(バンドパスフィルタリング手段)
315、316 数値演算器(数値演算手段)
317 制御信号発生器
318 −fs/8シフト部
319 +fs/8シフト部
3011 複素乗算器
3012 サイン/コサイン信号発生器

Claims (16)

  1. シンボルレートがfsであるデジタル変調信号から、そのシンボルの判定タイミング成分を抽出するタイミング抽出装置であって、
    前記デジタル変調信号から得られるI信号及びQ信号から成る複素ベースバンド信号に含まれる前記fsの1/2値の正及び負の周波数成分を、周波数位置fm(0<|fm|<fs/2)に周波数変換する周波数変換手段と、
    前記周波数変換手段により周波数変換された後のI信号及びQ信号を各々少なくとも2乗する非線形処理手段と、
    前記非線形処理手段の出力信号から、前記周波数位置fmの2倍の周波数成分をタイミング信号として抽出する周波数抽出手段と
    を備えたことを特徴とするタイミング抽出装置。
  2. 請求項1記載のタイミング抽出装置において、
    前記周波数位置fmは、
    |fm|=fs/2M(Mは2以上の整数)である
    ことを特徴とするタイミング抽出装置。
  3. 請求項2記載のタイミング抽出装置において、
    MはM=2であって、
    前記周波数位置fmは、|fm|=fs/4である
    ことを特徴とするタイミング抽出装置。
  4. 請求項2記載のタイミング抽出装置において、
    MはM=4であって、
    前記周波数位置fmは、|fm|=fs/8である
    ことを特徴とするタイミング抽出装置。
  5. 請求項1又は2記載のタイミング抽出装置において、
    前記周波数変換手段は、
    前記非線形処理手段の出力信号に含まれる前記周波数位置fmの2倍の周波数成分に対して折り返し歪み成分となる周波数成分を、前記複素ベースバンド信号から予め除去するフィルタリング手段を備える
    ことを特徴とするタイミング抽出装置。
  6. 請求項1記載のタイミング抽出装置において、
    前記周波数変換手段は、
    前記複素ベースバンド信号を周波数増大方向に周波数シフトする第1の周波数シフト手段と、
    逆に、前記複素ベースバンド信号を周波数減少方向に周波数シフトする第2の周波数シフト手段とを備える
    ことを特徴とするタイミング抽出装置。
  7. 請求項1、2又は6記載のタイミング抽出装置において、
    前記周波数変換手段は、
    前記複素ベースバンド信号を前記fs/2の周波数だけ周波数増大方向及び周波数減少方向に周波数シフトする周波数シフト手段を備える
    ことを特徴とするタイミング抽出装置。
  8. 請求項1記載のタイミング抽出装置において、
    前記周波数変換手段は、
    前記複素ベースバンド信号に含まれる前記fsの1/2値の正及び負の周波数成分を抽出するバンドバスフィルタリング手段を備える
    ことを特徴とするタイミング抽出装置。
  9. 請求項3記載のタイミング抽出装置において、
    前記周波数変換手段は、
    前記周波数位置fmに周波数変換された前記fsの1/2値の正及び負の周波数成分の値として、2回のサンプリング毎に真値よりも√2倍された値を演算する数値演算手段を有する
    ことを特徴とするタイミング抽出装置。
  10. 請求項9記載のタイミング抽出装置において、
    前記非線形処理手段は、
    前記周波数変換手段により周波数変換された後のI信号及びQ信号を各々2乗する2個の乗算手段と、
    前記乗算手段により2乗されたI信号及びQ信号を加算する加算器と、
    前記加算器の出力を1/2倍するビットシフト手段と、
    前記加算器の出力と前記ビットシフト手段の出力との何れか一方を選択する選択手段とを備える
    ことを特徴とするタイミング抽出装置。
  11. 請求項1又は2記載のタイミング抽出装置において、
    前記周波数抽出手段は、
    前記周波数位置fmが、|fm|=fs/(2×L)(Lは1以上の整数)であるとき、L回に1回の割合で前記タイミング信号を出力する
    ことを特徴とするタイミング抽出装置。
  12. 請求項6記載のタイミング抽出装置において、
    前記第1及び第2の周波数シフト手段は、前記周波数位置fmに存在する干渉成分を予め除去するフィルタリング手段を備える
    ことを特徴とするタイミング抽出装置。
  13. 請求項6記載のタイミング抽出装置において、
    前記周波数変換手段は、前記第1及び第2の周波数シフト手段の出力を複素加算する
    ことを特徴とするタイミング抽出装置。
  14. シンボルレートがfsであるデジタル変調信号から、そのシンボルの判定タイミング成分を抽出するタイミング抽出方法であって、
    前記デジタル変調信号から得られるI信号及びQ信号から成る複素ベースバンド信号に含まれる前記fsの1/2値の正及び負の周波数成分を、周波数位置fm(0<|fm|<fs/2)に周波数変換し、
    前記周波数変換された後のI信号及びQ信号を各々少なくとも2乗し、
    前記2乗されたI信号及びQ信号を加算し、
    その後、前記加算された信号から、前記周波数位置fmの2倍の周波数成分をタイミング信号として抽出する
    ことを特徴とするタイミング抽出方法。
  15. 請求項14記載のタイミング抽出方法において、
    前記周波数位置fmは、
    |fm|=fs/2M(Mは2以上の整数)である
    ことを特徴とするタイミング抽出方法。
  16. デジタル変調信号を受信するアンテナと、
    前記アンテナにより受信されたデジタル変調信号を直交検波して、I信号とQ信号とから成る複素ベースバンド信号を得る準同期検波手段と、
    前記準同期検波手段により得られた複素ベースバンド信号をアナログ値からデジタル値に変換するAD変換手段と、
    前記請求項1記載のタイミング抽出装置とを備え、
    前記タイミング抽出装置からのタイミング信号に基づいて、前記AD変換手段により得られるデジタル値の複素ベースバンド信号を、2fsのサンプリング周波数でサンプリングした復調データとする
    ことを特徴とする復調装置。
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