JPWO2004108310A1 - 継目無管の製造における穿孔圧延方法 - Google Patents

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Abstract

ロール径をあまり細くすることなしに回転鍛造効果を抑制し、附加剪断変形を抑制できる継目無管製造時の穿孔圧延方法である。この方法は、主ロールの傾斜角βと、同主ロールの交叉角γを下記の式(1)から(3)までを満足する範囲に保持し、中実ビレットの外径d0と穿孔圧延後のホローピースの外径dおよび肉厚tとの関係が下記の式(4)を満たすようにし、さらに主ロールの入口直径D1、出口直径D2、上記のd0、dおよびγが下記の(5)式を満たすようにすることを特徴とする。 8°≦β≦20° ・・・(1) 5°≦γ≦35° ・・・(2) 15°≦β+γ≦50° ・・・(3) 1.5≦−Ψr/Ψθ≦4.5 ・・・(4) (d/d0)/(0.75+0.025γ)≦D2/D1・・・(5) 但し、式(4)において、Ψr=ln(2t/d0)、Ψθ=ln{2(d−t)/d0}である。

Description

本発明は、継目無管の製造工程の中のビレットの穿孔圧延方法に関する。特にビレットから高加工度で薄肉の素管(ホローピース)を製造することのできる穿孔圧延方法に関する。
技術背景
継目無管の製造方法として最も一般的に採用されている方法には、マンネスマン−プラグミル法およびマンネスマン−マンドレルミル法がある。これらの方法では、加熱炉で所定の温度に加熱した中実ビレットを穿孔圧延機で穿孔して中空棒状のホローピースとし、これをプラグミル、マンドレルミルなどの延伸圧延機によって主として肉厚を減じてホローシェルとする。次いで、サイザまたはストレッチレデューサなどの絞り圧延機で主として外径を減じて、所定の寸法の継目無管とする。本発明は、上記の工程の中の最初の穿孔圧延工程に関する。
まず、従来技術として、本発明者らが特許文献1および特許文献2で提案した発明について述べる。
特公平5−23842号公報 特公平8−4811号公報
特許文献1の発明(以下「第1の先行発明」という)は、ビレットおよびホローピースが通過するパスラインを挟んで左右または上下に対設された両端支持のコーン型主ロールの傾斜角βと、この主ロールの交叉角γとを下記の式(1)〜式(3)の範囲に保持し、かつ中実ビレットの直径dと穿孔圧延後のホローピースの外径dおよび肉厚tとが下記式(4)を満足するようにし、穿孔比を4.0以上、拡管比を1.15以上または「肉厚/外径」比を6.5以下とする継目無管の製造方法の発明である。
上記の傾斜角βとは、ロールの軸芯線がパスラインの水平面または垂直面に対してなす角度である。また、交叉角γとは、ロールの軸芯線がパスラインの垂直面または水平面に対してなす角度である。
8°≦β≦20° ・・・(1)
5°≦γ≦35° ・・・(2)
15°≦β+γ≦50° ・・・(3)
1.5≦−Ψ/Ψθ≦4.5 ・・・(4)
但し、Ψ=ln(2t/d
Ψθ=ln{2(d−t)/d
上記第1の先行発明の方法は、ロールの傾斜角βと交叉角γを適正な範囲に保持することによって、穿孔圧延工程、なかんずく高加工度の薄肉穿孔圧延工程で顕著に発生する回転鍛造効果と附加剪断変形を可能な限り抑制する方法である。そして、ステンレス鋼や高合金鋼の製管で発生する内面疵やラミネーション(肉厚中央部で発生する二枚割れ)を防止し、かつ、円周方向ひずみΨθと肉厚方向ひずみΨの配分を適正化し、前記式(4)の関係を満足させることによって、管肉のフレアリングやピーリング、あるいは尻詰まりなどの操業上のトラブルを減少させることを特徴とする方法である。
上記の第1の先行発明は、従来、ユジーン押出し製管法で製管せざるを得なかった難加工性材料の製管を、マンネスマン製管法で行うことを可能にした。それに加えて、高加工度の薄肉穿孔圧延を可能にしたので、後続する延伸圧延工程、絞り圧延工程での工程省略あるいは工程短縮が可能になった。従って、この発明は、継目無管の製造工程の合理化に大きく貢献する発明であった。
例えば、マンネスマン−プラグミル方式の工程で使用するマンネスマンピアサおよびロータリエロンゲータは、交叉穿孔圧延機1基に替わり、ダブルピアシングをシングルピアシングにすることが可能になった。マンネスマン−プラグミル方式とは、マンネスマンピアサ→ロータリエロンゲータ→プラグミル→リーラ→サイザの工程を経る方式である。
また、マンネスマン−マンドレルミル方式では、マンネスマンピアサを交叉穿孔圧延機に置き替えることにより、マンドレルミルの少数スタンド化が可能となった。このマンネスマン−マンドレルミル方式とは、マンネスマンピアサ→マンドレルミル→ストレッチレデューサの工程を経る方式である。
さらに、マンネスマン−アッセルミル方式、即ち、マンネスマンピアサ→アッセルミル→ストレッチレデューサの工程を経る方式、の工程でも、交叉穿孔圧延機の導入が相継ぐこととなった。交叉穿孔圧延機によればプラグを替えるだけで単一サイズのビレットから多サイズのホローピースを製造する、いわゆる「サイズフリー圧延」が可能になるので、ビレットサイズの統合、段取り替え時間の短縮などの操業上の利点が大きい。
特許文献2の発明(以下「第2の先行発明」という)は、更にコーン型主ロールの直径と中実ビレットの直径との関係を最適化することを目的としてなされた発明である。この発明では、回転鍛造効果を極力抑制し、かつ附加剪断変形をも極力抑制するために、コーン型主ロールのゴージ部直径(即ち、ロールゴージ径)Dとビレット直径dとを下記の式(a)を満足せしめることを特徴とする。
2.5≦D/d≦4.5 ・・・(a)
上記第2の先行発明では、ステンレス鋼、高合金鋼などの難加工性材料を内面疵やラミネーションを発生させることなく安定して穿孔するためには、ビレット径に対してロールゴージ径をできるだけ小さくすべきであるとしている。しかし、ロールゴージ径を小さくするには、ロール構造上、入側と出側のロールの軸径も小さくしなければならない。そうすると、ロール軸を支承するベアリングの強度が不足し、特にコーン型ロールの場合は入側のベアリングの疲労強度が不足して、耐久性が問題になる。従って、ロールゴージ径の過度な縮小は、実操業では推奨できない。
本発明の目的は、ロールゴージ径をあまり小さくすることなしに回転鍛造効果を極力抑制し、かつ附加剪断変形をも極力抑制することのできる穿孔圧延方法の提供にある。
本発明者は、上記の目的を達成すべく研究を重ね、下記の穿孔圧延方法の発明に到った。なお、以下の説明における符号の意味を図1に示した。
パスラインを挟んで左右または上下に対設された両端支持のコーン型主ロールの傾斜角βと交叉角γを下記の式(1)から式(3)までを満足する範囲に保持し、中実ビレットの外径dと穿孔圧延後のホローピースの外径dおよび肉厚tとの関係が下記の式(4)を満たすようにし、さらに、主ロールの入口直径D、出口直径D、上記のd、dおよびγが下記の(5)式を満たすようにすることを特徴とする継目無管製造における穿孔圧延方法。
8°≦β≦20° ・・・(1)
5°≦γ≦35° ・・・(2)
15°≦β−γ≦50° ・・・(3)
1.5≦−Ψ/Ψθ≦4.5 ・・・(4)
(d/d)/(0.75+0.025γ)≦D/D ・・・(5)
但し、式(4)において、Ψ=ln(2t/d
Ψθ=ln{2(d−t)/d
である。
前記のとおり、傾斜角βとは、ロールの軸芯線がパスラインの水平面または垂直面に対してなす角度であり、交叉角γとは、ロールの軸芯線がパスラインの垂直面または水平面に対してなす角度である。
上記の本発明方法においては、主ロールの入口直径D、出口直径Dと上記のd、dおよびγの関係が下記の(6)式を満足するのが望ましい。
/D≦(d/d)/(1.00−0.027γ) ・・・(6)
また、上記本発明方法の効果は、回転鍛造効果および付加変形が顕著になる、穿孔圧延比が4.0以上、拡管比が1.15以上、またはホローピースの「肉厚/外径比」が6.5以下という穿孔圧延においても十分得られる。
本発明方法における傾斜角βおよび交叉角γの値の範囲は、前記の特許文献1および特許文献2の発明における範囲と同じである。これらの範囲は、回転鍛造効果を減殺し、附加剪断変形をできるだけ抑制する観点から決定された。
半径方向対数ひずみΨと円周方向対数ひずみΨθの比、即ち「−Ψ/Ψθ」の範囲は、特許文献1の発明におけるそれと同じである。これは、穿孔圧延における圧下量を長手方向と円周方向に如何に配分するかという原理、原則から決められており、その原理、原則からはずれると、管肉のフレアリング(はみ出し現象)やピーリング、あるいは尻詰まりが発生し、穿孔圧延そのものが停止する。
本発明の大きな特徴は、ビレット径に対するロール形状が主として回転鍛造効果に大きな影響を及ぼすことに着目したことである。以下、この点について説明する。
まず、コーン型ロールの、管材料と主ロールとの接触限界位置での入口直径Dと出口直径Dとの比、即ち、拡径比「D/D」、ホローピースの外径dとビレット外径dとの比、即ち、管材料の拡管比「d/d」および交叉角γの関係を、回転鍛造効果と附加剪断変形を抑制する観点から究明した。
実験に先立って、ロール形状を表す指標(指数)の選定を行った。そして、考えられる種々の指標が、果たして回転鍛造効果や附加剪断変形との関係を表す指標となり得るか否かを検討した。その結果、管材料の拡管比「d/d」とコーン型ロールの拡径比「D/D」との比、即ち、(d/d)/(D/D)をその指標とすることにした。
図1に示すロールのゴージ位置を挟んで入側のバレル幅L、即ち、管材料のロール噛み込み開始点からロールゴージまでの距離と出側のバレル幅Lとのバレル幅比「L/L」も指標と考えられるが、これは、回転鍛造効果および附加剪断変形には直接的には無関係であり、これの適正範囲は別の観点から決定した。なお、バレル幅には不必要な余長をつけるのが一般的であり、バレル幅比は、定義すること自体に難点がある。
一般に、ロール交叉角γが大きくなるほどロール拡径比「D/D」は大きくなり、より著しいコーン形状となる。しかし、上記出側のバレル幅Lが同一のときは、同一ロール交叉角であることを前提として比較すれば、管材料の拡管比「d/d」が大きくなるほどロールの拡径比「D/D」は小さくならざるを得ず、「d/d」を考慮して適正な「D/D」となるロール設計を行う必要があり、ロール設計の難しさはここにある。
ロール設計は、穿孔圧延時のプラグ前における回転鍛造効果を減殺し、プラグ穿孔圧延後の円周方向剪断ひずみγrθに代表される附加剪断変形を極力抑制する観点からなされなければならない。回転鍛造効果による管材料の脆化が、管の内面疵発生の原因であり、附加剪断変形が内面疵伝播の要因だからである。
本発明者は、実験用交叉穿孔圧延機を用いて炭素鋼ビレットを供試材とし、ロール形状を変えて穿孔圧延の実験を行い、回転鍛造効果および附加剪断変形に及ぼすロール形状の影響を詳細に検討した。実験条件を表1および表2に示す。穿孔圧延後のホローピースの肉厚tは、「肉厚/外径」比、即ち、(t/d)×100が2.5〜3%となるように設定した。
Figure 2004108310
Figure 2004108310
回転鍛造効果に及ぼす拡径比「D/D」および拡管比「d/d」の影響の一例を図2の(a)および(b)に示す。また、附加剪断変形に及ぼす拡径比「D/D」および拡管比「d/d」の影響の一例を図3の(a)および(b)に示す。
回転鍛造効果に及ぼすロール形状の影響は、穿孔圧延の途中で主ロールおよびディスクロールを停止して「途中止め材」を作り、プラグの先端位置より軸方向に直角に直径方向(ガイドの方向)に平行部が25mm、厚みが3mmの板状の微小引張試験片を採取し、常温で引張試験を行い、絞り値(%)に及ぼすロール形状の影響を調べて評価した。なお、回転鍛造効果は、引張試験の伸び値(%)よりも絞り値(%)に鮮明に現れる。
附加剪断変形としては円周方向剪断歪みγrθに着目し、その測定はピン埋め込み法によった。即ち、中実ビレットの直径に沿って軸芯に平行に複数本のピンを埋め込み、穿孔圧延後のホローピースを横断して円周方向剪断ひずみγrθを測定した。
図2から明らかなように、例えば、ロール交叉角γを固定して考えれば、拡管比「d/d」が小さいほど、また拡径比「D/D」が大きいほど、絞り値を大きくすることができる。即ち、回転鍛造効果を減殺することができる。言い換えれば、母材の絞り値よりプラグ前の管材料の絞り値の方が大きくなる傾斜角βの範囲が広くなる。
また、図3から分かるように、拡管比が小さく、拡径比が大きいほど、円周方向剪断ひずみを小さくすることができる。即ち、附加剪断変形を抑制することができる。従って、拡管比を大きくした場合でも、拡径比が大きくなるようにロール交叉角度γを十分大きくして、ロール形状を適切にすれば、円周方向剪断変形が大きくなりすぎることはない。
ところで、ロール形状が不適切な場合、即ち、拡管比に対してロール交叉角が小さい場合、拡管比を取るために拡径比が小さくなりすぎて、ロールの出口径Dがゴージ径Dに接近し、管材離脱点での出側ロールの周速度の低下により、管材料を出側に引き出す作用が弱まる。これによって、ロールと管材料との間のスリップ現象が顕著になる。このスリップ現象はビレット径にも影響され、入側においてもスリップが大きくなり、回転鍛造回数の増加によって回転鍛造効果が現れはじめ、プラグ前の管材料が母材よりも脆化する傾斜角βの範囲が拡大する。回転鍛造回数とはビレットがロールに噛み込まれてプラグ先端に到達するまでのビレットの回転数である。
勿論、附加剪断変形も大きく現れるようになる。その極端な場合は、ロールの出口径Dが入口径Dに接近する場合である。なお、附加剪断変形とは、円周方向剪断ひずみγrθ、表面捻れ剪断ひずみγθlおよび長手方向剪断ひずみγlrの総称である。
図4および図5に拡管比「d/d」、ロールの拡径比「D/D」およびロール交叉角γの関係を示す。これらの図にはロール形状の良否判定の結果も示してある。即ち、○印はロール形状が適切であること、●印は不適切であることを示す。
ロール形状の適、不適は、回転鍛造効果で判定する必要がある。そこで、プラグ前の管材料の延性(絞り値)を母材(ビレット)の絞り値よりも大きくできるか否かを判定の基準とした。そして、傾斜角(β)を12°として穿孔圧延を行い、前記のように、プラグ前の管材横断面内から採取した平行部が25mm、厚みが3mmの板状微小引張り試験片を用いて引張り試験を行い、プラグ前の管材料の絞り値が母材の絞り値よりも大きくなっているか否かを調査した。大きくなっている場合が、前記の○印、そうでない場合が●印である。図4および図5から、適切なロール形状の条件は、下記のとおりである。
(5/6)−(1/3)(d/d)≦(D/D
1+0.03γ≦(D/D
上記のように「D/D」をロール形状指数として採用すれば、グラフでは「D/D」、「d/d」およびγの相関関係は明瞭になるが、3つの変数の関係を同時に数式化することが難しくなる。この問題を回避するため、本発明者はロール形状指数として管材料の拡管比「d/d」とロールの拡径比「D/D」の比率、即ち「(d/d)/(D/D)」を選定した。
図6は、上記のロール形状指数「(d/d)/(D/D)」、拡管比「d/d」および交叉角γの関係を示す図である。縦軸に「(d/d)/(D/D)」を、横軸にγをそれぞれとっても「d/d」がパラメータとして残るが、ロール形状が適切となる条件は、一つの不等式で表すことができる。即ち、
(d/d)/(D/D)≦0.75+0.025γ
であり、これより
(d/d)/(0.75+0.025γ)≦(D/D) ・・・(5)
となる。
ここで、軸受の強度、寿命等の設備上の問題点を解消するため、入側ロール径をあまり小さくすることなく、最適ロール形状を得るために、ロールのゴージ径Dgをビレット径dの4.5倍以上とすれば、
1.00−0.027γ≦(d/d)/(D/D
これより、
/D≦(d/d)/(1.00−0.027γ) ・・・(6)
となる。この式(6)と前記の式(5)から、
(d/d)/(0.75+0.025γ)≦(D/D)≦(d/d)/(1.00−0.027γ)・・・(7)
を満たすのが望ましいロール形状の条件となる。
表1、表2および図2から図6までのグラフにおいて(a)はロールのゴージ径D=400mmの場合であり、(b)はD=500mmの場合である。従って、(a)と(b)の比較は、特許文献2に開示されている第2の先行発明の内容を論じることになる。なお、上記の不等式(式(7))の上限は、D=315mmとして表1、表2と同様の計算を行えば、容易に導かれる。
付言すれば、DおよびDはコーン型主ロールの入口径および出口径であるが、管材料が主ロールの入口面で噛み込まれ、出口面でロールを離れる場合を前提としており、正確にはビレットがロールに噛み込まれた位置における主ロールの径がDであり、ホローピースがロールを離れる位置における主ロール径がDである。
最後にロールのバレル幅について述べる。バレル幅Lは図1のLとLの合計である。このバレル幅に必要以上の余長をつけることは、圧延機の全体構造を必要以上に大きくすることにつながる。従って、入側バレル幅Lは噛み込みの安定性を損なわない範囲で、出側バレル幅Lは仕上げのリーリング回数を考慮して決定すべきであり、バレル幅比「L/L」は下記の範囲に収めるのがよい。
1.0≦L/L≦2.0
18%Cr−8%Niのオーステナイト系ステンレス鋼の60mm径のビレットを供試材として、ガイドシューを使用して拡管比1.5の高加工度薄肉穿孔圧延を行った。ビレットの加熱温度は1250℃とした。なお、ステンレス鋼の熱間加工性は炭素鋼のそれに較べてはるかに劣悪である。
1.ロールの条件
交叉角… γ=25°
ゴージ径…D=400mm
傾斜角… β=12°
入口径… D=240mm
出口径… D=550mm
ロール拡径比… D/D=2.29
入側バレル幅… L=300mm
出側バレル幅… L=460mm
バレル幅 … L+L=760mm
バレル幅比… L/L=1.53
2.穿孔圧延条件
プラグ径… d=80mm
ビレット径…d=60mm
ホローシェル径… d=90mm
ホローシェル肉厚…t=2.7mm
拡管比… d/d=1.50
穿孔圧延比… d /4t(d−t)=3.82
「肉厚/外径」比… (t/d)×100=3.0%
ロール形状指数… (d/d)/(D/D)=0.655
肉厚方向対数ひずみ…Ψ=ln(2t/d)=ln0.09=−2.408
円周方向対数ひずみ…Ψθ=ln{2(d−t)/d}=ln2.91=1.068
圧下配分比…−Ψ/Ψθ=2.255
上記のとおり、円周方向と肉厚方向の圧下配分比、即ち、長手方向と円周方向の圧下配分比が適切であったために、フレアリングもピーリングも発生することなく穿孔圧延ができた。ロール形状も適正化されているので、難加工性の材料の高加工度超薄肉穿孔圧延であっても、内面疵やラミネーションの発生は見られなかった。
高合金鋼の熱間加工性は、ステンレス鋼のそれよりもなお劣悪であり、穿孔圧延温度が1275℃を超えるとラミネーションを発生することが多い。そこで、この実施例では、25%Cr−35%Ni−3Moの高合金鋼の70mm径のビレットを供試材としてディスクロールを使用して1200℃の温度で拡管比2の高加工度薄肉穿孔圧延を行った。
1.ロールの条件
交叉角… γ=30°
傾斜角… β=12°
ゴージ径…D=500mm
入口径… D=300mm
出口径… D=670mm
ロール拡径比… D/D=2.23
入側バレル幅… L=300mm
出側バレル幅… L=460mm
バレル幅 … L+L=760mm
バレル幅比… L/L=1.53
2.穿孔圧延条件
プラグ径… d=130mm
ビレット径…d=70mm
ホローシェル径… d=140mm
ホローシェル肉厚…t=3.5mm
拡管比… d/d=2.00
穿孔圧延比… d /4t(d−t)=2.56
「肉厚/外径」比… (t/d)×100=2.5%
ロール形状指数…(d/d)/(D/D)=0.897
肉厚方向対数ひずみ…Ψ=ln(2t/d)=ln0.10=−2.303
円周方向対数ひずみ…Ψθ=ln{2(d−t)/d}=ln3.90=1.361
圧下配分比…−Ψ/Ψθ=1.692
上記のとおり、円周方向と肉厚方向の圧下配分は適切であり、また、ロール形状も適正化されているので、熱間加工性の劣悪な高合金鋼の高加工度薄肉穿孔圧延であっても、何の問題もなく穿孔圧延できた。
本発明の穿孔圧延方法では、管材料の拡管比とコーン型主ロールの拡径比の相対的関係を適正化している。従って、穿孔圧延過程における回転鍛造効果は編著に抑制され、ステンレス鋼、高合金鋼などの難加工性材料の高加工度薄肉穿孔圧延において発生しやすい内面疵やラミネーションをより確実に抑えることができる。本発明方法によれば、拡管比2.0までの拡管穿孔圧延が可能である。
先に述べたとおり、本発明者は、回転鍛造効果を殺し、附加剪断変形を抑制する観点から高交叉角穿孔圧延法を提唱し、これまでにも幾つかの発明を行った。しかし、高交叉角化は、回転鍛造効果を殺し、附加剪断変形を抑制するための必要条件であるが、十分条件ではない。必要かつ十分な条件は、ロール形状の最適化であり、高交叉角化はロール形状最適化の必要条件なのである。
[図1]穿孔圧延の態様を示す図である。
[図2]回転鍛造効果(微小引張試験の絞り値)に及ぼす拡径比(D/D)および拡管比(d/d)の影響を示す図である。
[図3]附加剪断ひずみ(円周方向剪断ひずみ)に及ぼす拡径比(D/D)および拡管比(d/d)の影響を示す図である。
[図4]拡径比(D/D)、拡管比(d/d)およびロール傾斜角(γ)の関係を示す図である。
[図5]拡径比(D/D)、拡管比(d/d)およびロール交叉角(γ)の関係を示す図である。
[図6]ロール形状指数、即ち、(d/d)/(D/D)とロール交叉角(γ)との関係を示す図である。
符号の説明
γ:ロール交叉角
:ロール入口直径
:ロール出口直径
:ロールゴージ直径
:ロールの入側バレル幅
:ロールの出側バレル幅
:ビレットの外径
d:ホローピースの外径
t:ホローピースの肉厚
本発明は、継目無管の製造工程の中のビレットの穿孔圧延方法に関する。特にビレットから高加工度で薄肉の素管(ホローピース)を製造することのできる穿孔圧延方法に関する。
継目無管の製造方法として最も一般的に採用されている方法には、マンネスマン−プラグミル法およびマンネスマン−マンドレルミル法がある。これらの方法では、加熱炉で所定の温度に加熱した中実ビレットを穿孔圧延機で穿孔して中空棒状のホローピースとし、これをプラグミル、マンドレルミルなどの延伸圧延機によって主として肉厚を減じてホローシェルとする。次いで、サイザまたはストレッチレデューサなどの絞り圧延機で主として外径を減じて、所定の寸法の継目無管とする。本発明は、上記の工程の中の最初の穿孔圧延工程に関する。
まず、従来技術として、本発明者らが特許文献1および特許文献2で提案した発明について述べる。
特公平5−23842号公報 特公平8−4811号公報
特許文献1の発明(以下「第1の先行発明」という)は、ビレットおよびホローピースが通過するパスラインを挟んで左右または上下に対設された両端支持のコーン型主ロールの傾斜角βと、この主ロールの交叉角γとを下記の式(1)〜式(3)の範囲に保持し、かつ中実ビレットの直径d0と穿孔圧延後のホローピースの外径dおよび肉厚tとが下記式(4)を満足するようにし、穿孔比を4.0以上、拡管比を1.15以上または「肉厚/外径」比を6.5以下とする継目無管の製造方法の発明である。
上記の傾斜角βとは、ロールの軸芯線がパスラインの水平面または垂直面に対してなす角度である。また、交叉角γとは、ロールの軸芯線がパスラインの垂直面または水平面に対してなす角度である。
8°≦β≦20° ・・・(1)
5°≦γ≦35° ・・・(2)
15°≦β+γ≦50° ・・・(3)
1.5≦−Ψr/Ψθ≦4.5 ・・・(4)
但し、Ψr=ln(2t/d0
Ψθ=ln{2(d−t)/d0
上記第1の先行発明の方法は、ロールの傾斜角βと交叉角γを適正な範囲に保持することによって、穿孔圧延工程、なかんずく高加工度の薄肉穿孔圧延工程で顕著に発生する回転鍛造効果と附加剪断変形を可能な限り抑制する方法である。そして、ステンレス鋼や高合金鋼の製管で発生する内面疵やラミネーション(肉厚中央部で発生する二枚割れ)を防止し、かつ、円周方向ひずみΨθと肉厚方向ひずみΨrの配分を適正化し、前記式(4)の関係を満足させることによって、管肉のフレアリングやピーリング、あるいは尻詰まりなどの操業上のトラブルを減少させることを特徴とする方法である。
上記の第1の先行発明は、従来、ユジーン押出し製管法で製管せざるを得なかった難加工性材料の製管を、マンネスマン製管法で行うことを可能にした。それに加えて、高加工度の薄肉穿孔圧延を可能にしたので、後続する延伸圧延工程、絞り圧延工程での工程省略あるいは工程短縮が可能になった。従って、この発明は、継目無管の製造工程の合理化に大きく貢献する発明であった。
例えば、マンネスマン−プラグミル方式の工程で使用するマンネスマンピアサおよびロータリエロンゲータは、交叉穿孔圧延機1基に替わり、ダブルピアシングをシングルピアシングにすることが可能になった。マンネスマン−プラグミル方式とは、マンネスマンピアサ→ロータリエロンゲータ→プラグミル→リーラ→サイザの工程を経る方式である。
また、マンネスマン−マンドレルミル方式では、マンネスマンピアサを交叉穿孔圧延機に置き替えることにより、マンドレルミルの少数スタンド化が可能となった。このマンネスマン−マンドレルミル方式とは、マンネスマンピアサ→マンドレルミル→ストレッチレデューサの工程を経る方式である。
さらに、マンネスマン−アッセルミル方式、即ち、マンネスマンピアサ→アッセルミル→ストレッチレデューサの工程を経る方式、の工程でも、交叉穿孔圧延機の導入が相継ぐこととなった。交叉穿孔圧延機によればプラグを替えるだけで単一サイズのビレットから多サイズのホローピースを製造する、いわゆる「サイズフリー圧延」が可能になるので、ビレットサイズの統合、段取り替え時間の短縮などの操業上の利点が大きい。
特許文献2の発明(以下「第2の先行発明」という)は、更にコーン型主ロールの直径と中実ビレットの直径との関係を最適化することを目的としてなされた発明である。この発明では、回転鍛造効果を極力抑制し、かつ附加剪断変形をも極力抑制するために、コーン型主ロールのゴージ部直径(即ち、ロールゴージ径)Dgとビレット直径d0とを下記の式(a)を満足せしめることを特徴とする。
2.5≦Dg/d0≦4.5 ・・・(a)
上記第2の先行発明では、ステンレス鋼、高合金鋼などの難加工性材料を内面疵やラミネーションを発生させることなく安定して穿孔するためには、ビレット径に対してロールゴージ径をできるだけ小さくすべきであるとしている。しかし、ロールゴージ径を小さくするには、ロール構造上、入側と出側のロールの軸径も小さくしなければならない。そうすると、ロール軸を支承するベアリングの強度が不足し、特にコーン型ロールの場合は入側のベアリングの疲労強度が不足して、耐久性が問題になる。従って、ロールゴージ径の過度な縮小は、実操業では推奨できない。
本発明の目的は、ロールゴージ径をあまり小さくすることなしに回転鍛造効果を極力抑制し、かつ附加剪断変形をも極力抑制することのできる穿孔圧延方法の提供にある。
本発明者は、上記の目的を達成すべく研究を重ね、下記の穿孔圧延方法の発明に到った。なお、以下の説明における符号の意味を図1に示した。
パスラインを挟んで左右または上下に対設された両端支持のコーン型主ロールの傾斜角βと交叉角γを下記の式(1)から式(3)までを満足する範囲に保持し、中実ビレットの外径d0と穿孔圧延後のホローピースの外径dおよび肉厚tとの関係が下記の式(4)を満たすようにし、さらに、主ロールの入口直径D1、出口直径D2、上記のd0、dおよびγが下記の(5)式を満たすようにすることを特徴とする継目無管製造における穿孔圧延方法。
8°≦β≦20° ・・・(1)
5°≦γ≦35° ・・・(2)
15°≦β+γ≦50° ・・・(3)
1.5≦−Ψr/Ψθ≦4.5 ・・・(4)
(d/d0)/(0.75+0.025γ)≦D2/D1 ・・・(5)
但し、式(4)において、Ψr=ln(2t/d0
Ψθ=ln{2(d−t)/d0
である。
前記のとおり、傾斜角βとは、ロールの軸芯線がパスラインの水平面または垂直面に対してなす角度であり、交叉角γとは、ロールの軸芯線がパスラインの垂直面または水平面に対してなす角度である。
上記の本発明方法においては、主ロールの入口直径D1、出口直径D2と上記のd0、dおよびγの関係が下記の(6)式を満足するのが望ましい。
2/D1≦(d/d0)/(1.00−0.027γ) ・・・(6)
また、上記本発明方法の効果は、回転鍛造効果および付加変形が顕著になる、穿孔圧延比が4.0以上、拡管比が1.15以上、またはホローピースの「肉厚/外径比」が6.5以下という穿孔圧延においても十分得られる。
本発明方法における傾斜角βおよび交叉角γの値の範囲は、前記の特許文献1および特許文献2の発明における範囲と同じである。これらの範囲は、回転鍛造効果を減殺し、附加剪断変形をできるだけ抑制する観点から決定された。
半径方向対数ひずみΨrと円周方向対数ひずみΨθの比、即ち「−Ψr/Ψθ」の範囲は、特許文献1の発明におけるそれと同じである。これは、穿孔圧延における圧下量を長手方向と円周方向に如何に配分するかという原理、原則から決められており、その原理、原則からはずれると、管肉のフレアリング(はみ出し現象)やピーリング、あるいは尻詰まりが発生し、穿孔圧延そのものが停止する。
本発明の大きな特徴は、ビレット径に対するロール形状が主として回転鍛造効果に大きな影響を及ぼすことに着目したことである。以下、この点について説明する。
まず、コーン型ロールの、管材料と主ロールとの接触限界位置での入口直径D1と出口直径D2との比、即ち、拡径比「D2/D1」、ホローピースの外径dとビレット外径d0との比、即ち、管材料の拡管比「d/d0」および交叉角γの関係を、回転鍛造効果と附加剪断変形を抑制する観点から究明した。
実験に先立って、ロール形状を表す指標(指数)の選定を行った。そして、考えられる種々の指標が、果たして回転鍛造効果や附加剪断変形との関係を表す指標となり得るか否かを検討した。その結果、管材料の拡管比「d/d0」とコーン型ロールの拡径比「D2/D1」との比、即ち、(d/d0)/(D2/D1)をその指標とすることにした。
図1に示すロールのゴージ位置を挟んで入側のバレル幅L1、即ち、管材料のロール噛み込み開始点からロールゴージまでの距離と出側のバレル幅L2とのバレル幅比「L2/L1」も指標と考えられるが、これは、回転鍛造効果および附加剪断変形には直接的には無関係であり、これの適正範囲は別の観点から決定した。なお、バレル幅には不必要な余長をつけるのが一般的であり、バレル幅比は、定義すること自体に難点がある。
一般に、ロール交叉角γが大きくなるほどロール拡径比「D2/D1」は大きくなり、より著しいコーン形状となる。しかし、上記出側のバレル幅L2が同一のときは、同一ロール交叉角であることを前提として比較すれば、管材料の拡管比「d/d0」が大きくなるほどロールの拡径比「D2/D1」は小さくならざるを得ず、「d/d0」を考慮して適正な「D2/D1」となるロール設計を行う必要があり、ロール設計の難しさはここにある。
ロール設計は、穿孔圧延時のプラグ前における回転鍛造効果を減殺し、プラグ穿孔圧延後の円周方向剪断ひずみγに代表される附加剪断変形を極力抑制する観点からなされなければならない。回転鍛造効果による管材料の脆化が、管の内面疵発生の原因であり、附加剪断変形が内面疵伝播の要因だからである。
本発明者は、実験用交叉穿孔圧延機を用いて炭素鋼ビレットを供試材とし、ロール形状を変えて穿孔圧延の実験を行い、回転鍛造効果および附加剪断変形に及ぼすロール形状の影響を詳細に検討した。実験条件を表1および表2に示す。穿孔圧延後のホローピースの肉厚tは、「肉厚/外径」比、即ち、(t/d)×100が2.5〜3%となるように設定した。
Figure 2004108310
Figure 2004108310
回転鍛造効果に及ぼす拡径比「D2/D1」および拡管比「d/d0」の影響の一例を図2の(a)および(b)に示す。また、附加剪断変形に及ぼす拡径比「D2/D1」および拡管比「d/d0」の影響の一例を図3の(a)および(b)に示す。
回転鍛造効果に及ぼすロール形状の影響は、穿孔圧延の途中で主ロールおよびディスクロールを停止して「途中止め材」を作り、プラグの先端位置より軸方向に直角に直径方向(ガイドの方向)に平行部が25mm、厚みが3mmの板状の微小引張試験片を採取し、常温で引張試験を行い、絞り値(%)に及ぼすロール形状の影響を調べて評価した。なお、回転鍛造効果は、引張試験の伸び値(%)よりも絞り値(%)に鮮明に現れる。
附加剪断変形としては円周方向剪断歪みγに着目し、その測定はピン埋め込み法によった。即ち、中実ビレットの直径に沿って軸芯に平行に複数本のピンを埋め込み、穿孔圧延後のホローピースを横断して円周方向剪断ひずみγを測定した。
図2から明らかなように、例えば、ロール交叉角γを固定して考えれば、拡管比「d/d0」が小さいほど、また拡径比「D2/D1」が大きいほど、絞り値を大きくすることができる。即ち、回転鍛造効果を減殺することができる。言い換えれば、母材の絞り値よりプラグ前の管材料の絞り値の方が大きくなる傾斜角βの範囲が広くなる。
また、図3から分かるように、拡管比が小さく、拡径比が大きいほど、円周方向剪断ひずみを小さくすることができる。即ち、附加剪断変形を抑制することができる。従って、拡管比を大きくした場合でも、拡径比が大きくなるようにロール交叉角度γを十分大きくして、ロール形状を適切にすれば、円周方向剪断変形が大きくなりすぎることはない。
ところで、ロール形状が不適切な場合、即ち、拡管比に対してロール交叉角が小さい場合、拡管比を取るために拡径比が小さくなりすぎて、ロールの出口径D2がゴージ径Dgに接近し、管材離脱点での出側ロールの周速度の低下により、管材料を出側に引き出す作用が弱まる。これによって、ロールと管材料との間のスリップ現象が顕著になる。このスリップ現象はビレット径にも影響され、入側においてもスリップが大きくなり、回転鍛造回数の増加によって回転鍛造効果が現れはじめ、プラグ前の管材料が母材よりも脆化する傾斜角βの範囲が拡大する。回転鍛造回数とはビレットがロールに噛み込まれてからプラグ先端に到達するまでのビレットの回転数である。
勿論、附加剪断変形も大きく現れるようになる。その極端な場合は、ロールの出口径D2が入口径D1に接近する場合である。なお、附加剪断変形とは、円周方向剪断ひずみγ、表面捻れ剪断ひずみγθlおよび長手方向剪断ひずみγlrの総称である。
図4および図5に拡管比「d/d0」、ロールの拡径比「D2/D1」およびロール交叉角γの関係を示す。これらの図にはロール形状の良否判定の結果も示してある。即ち、○印はロール形状が適切であること、●印は不適切であることを示す。
ロール形状の適、不適は、回転鍛造効果で判定する必要がある。そこで、プラグ前の管材料の延性(絞り値)を母材(ビレット)の絞り値よりも大きくできるか否かを判定の基準とした。そして、傾斜角(β)を12°として穿孔圧延を行い、前記のように、プラグ前の管材横断面内から採取した平行部が25mm、厚みが3mmの板状微小引張り試験片を用いて引張り試験を行い、プラグ前の管材料の絞り値が母材の絞り値よりも大きくなっているか否かを調査した。大きくなっている場合が、前記の○印、そうでない場合が●印である。図4および図5から、適切なロール形状の条件は、下記のとおりである。
(5/6)+(1/3)(d/d0)≦(D2/D1
1+0.03γ≦(D2/D1
上記のように「D2/D1」をロール形状指数として採用すれば、グラフでは「D2/D1」、「d/d0」およびγの相関関係は明瞭になるが、3つの変数の関係を同時に数式化することが難しくなる。この問題を回避するため、本発明者はロール形状指数として管材料の拡管比「d/d0」とロールの拡径比「D2/D1」の比率、即ち「(d/d0)/(D2/D1)」を選定した。
図6は、上記のロール形状指数「(d/d0)/(D2/D1)」、拡管比「d/d0」および交叉角γの関係を示す図である。縦軸に「(d/d0)/(D2/D1)」を、横軸にγをそれぞれとっても「d/d0」がパラメータとして残るが、ロール形状が適切となる条件は、一つの不等式で表すことができる。即ち、
(d/d0)/(D2/D1)≦0.75+0.025γ
であり、これより
(d/d0)/(0.75+0.025γ)≦(D2/D1) ・・・(5)
となる。
ここで、軸受の強度、寿命等の設備上の問題点を解消するため、入側ロール径をあまり小さくすることなく、最適ロール形状を得るために、ロールのゴージ径Dgをビレット径d0の4.5倍以上とすれば、
1.00−0.027γ≦(d/d0)/(D2/D1
これより、
2/D1≦(d/d0)/(1.00−0.027γ) ・・・(6)
となる。この式(6)と前記の式(5)から、
(d/d0)/(0.75+0.025γ)≦(D2/D1)≦(d/d0)/(1.00−0.027γ)・・・(7)
を満たすのが望ましいロール形状の条件となる。
表1、表2および図2から図6までのグラフにおいて(a)はロールのゴージ径Dg=400mmの場合であり、(b)はDg=500mmの場合である。従って、(a)と(b)の比較は、特許文献2に開示されている第2の先行発明の内容を論じることになる。なお、上記の不等式(式(7))の上限は、Dg=315mmとして表1、表2と同様の計算を行えば、容易に導かれる。
付言すれば、D1およびD2はコーン型主ロールの入口径および出口径であるが、管材料が主ロールの入口面で噛み込まれ、出口面でロールを離れる場合を前提としており、正確にはビレットがロールに噛み込まれた位置における主ロールの径がD1であり、ホローピースがロールを離れる位置における主ロール径がD2である。
最後にロールのバレル幅について述べる。バレル幅Lは図1のL1とL2の合計である。このバレル幅に必要以上の余長をつけることは、圧延機の全体構造を必要以上に大きくすることにつながる。従って、入側バレル幅L1は噛み込みの安定性を損なわない範囲で、出側バレル幅L2は仕上げのリーリング回数を考慮して決定すべきであり、バレル幅比「L2/L1」は下記の範囲に収めるのがよい。
1.0≦L2/L1≦2.0
[実施例1]
18%Cr−8%Niのオーステナイト系ステンレス鋼の60mm径のビレットを供試材として、ガイドシューを使用して拡管比1.5の高加工度薄肉穿孔圧延を行った。ビレットの加熱温度は1250℃とした。なお、ステンレス鋼の熱間加工性は炭素鋼のそれに較べてはるかに劣悪である。
1.ロールの条件
交叉角… γ=25°
ゴージ径…Dg=400mm
傾斜角… β=12°
入口径… D1=240mm
出口径… D2=550mm
ロール拡径比… D2/D1=2.29
入側バレル幅… L1=300mm
出側バレル幅… L2=460mm
バレル幅 … L1+L2=760mm
バレル幅比 … L2/L1=1.53
2.穿孔圧延条件
プラグ径… dp=80mm
ビレット径…d0=60mm
ホローシェル径… d=90mm
ホローシェル肉厚…t=2.7mm
拡管比… d/d0=1.50
穿孔圧延比… d0 2/4t(d−t)=3.82
「肉厚/外径」比… (t/d)×100=3.0%
ロール形状指数… (d/d0)/(D2/D1)=0.655
肉厚方向対数ひずみ…Ψr=ln(2t/d0)=ln0.09=−2.408
円周方向対数ひずみ…Ψθ=ln{2(d−t)/d0}=ln2.91=1.068
圧下配分比… −Ψr/Ψθ=2.255
上記のとおり、円周方向と肉厚方向の圧下配分比、即ち、長手方向と円周方向の圧下配分比が適切であったために、フレアリングもピーリングも発生することなく穿孔圧延ができた。ロール形状も適正化されているので、難加工性の材料の高加工度超薄肉穿孔圧延であっても、内面疵やラミネーションの発生は見られなかった。
[実施例2]
高合金鋼の熱間加工性は、ステンレス鋼のそれよりもなお劣悪であり、穿孔圧延温度が1275℃を超えるとラミネーションを発生することが多い。そこで、この実施例では、25%Cr−35%Ni−3Moの高合金鋼の70mm径のビレットを供試材としてディスクロールを使用して1200℃の温度で拡管比2の高加工度薄肉穿孔圧延を行った。
1.ロールの条件
交叉角… γ=30°
傾斜角… β=12°
ゴージ径…Dg=500mm
入口径… D1=300mm
出口径… D2=670mm
ロール拡径比… D2/D1=2.23
入側バレル幅… L1=300mm
出側バレル幅… L2=460mm
バレル幅 … L1+L2=760mm
バレル幅比 … L2/L1=1.53
2.穿孔圧延条件
プラグ径… dp= 130mm
ビレット径…d0=70mm
ホローシェル径… d=140mm
ホローシェル肉厚…t=3.5mm
拡管比… d/d0=2.00
穿孔圧延比… d0 2/4t(d−t)=2.56
「肉厚/外径」比… (t/d)×100=2.5%
ロール形状指数… (d/d0)/(D2/D1)=0.897
肉厚方向対数ひずみ…Ψr=ln(2t/d0)=ln0.10=−2.303
円周方向対数ひずみ…Ψθ=ln{2(d−t)/d0}=ln3.90=1.361
圧下配分比… −Ψr/Ψθ=1.692
上記のとおり、円周方向と肉厚方向の圧下配分は適切であり、また、ロール形状も適正化されているので、熱間加工性の劣悪な高合金鋼の高加工度薄肉穿孔圧延であっても、何の問題もなく穿孔圧延できた。
本発明の穿孔圧延方法では、管材料の拡管比とコーン型主ロールの拡径比の相対的関係を適正化している。従って、穿孔圧延過程における回転鍛造効果は編著に抑制され、ステンレス鋼、高合金鋼などの難加工性材料の高加工度薄肉穿孔圧延において発生しやすい内面疵やラミネーションをより確実に抑えることができる。本発明方法によれば、拡管比2.0までの拡管穿孔圧延が可能である。
先に述べたとおり、本発明者は、回転鍛造効果を殺し、附加剪断変形を抑制する観点から高交叉角穿孔圧延法を提唱し、これまでにも幾つかの発明を行った。しかし、高交叉角化は、回転鍛造効果を殺し、附加剪断変形を抑制するための必要条件であるが、十分条件ではない。必要かつ十分な条件は、ロール形状の最適化であり、高交叉角化はロール形状最適化の必要条件なのである。
穿孔圧延の態様を示す図である。 回転鍛造効果(微小引張試験の絞り値)に及ぼす拡径比(D2/D1)および拡管比(d/dp)の影響を示す図である。 附加剪断ひずみ(円周方向剪断ひずみ)に及ぼす拡径比(D2/D1)および拡管比(d/dp)の影響を示す図である。 拡径比(D2/D1)、拡管比(d/dp)およびロール傾斜角(γ)の関係を示す図である。 拡径比(D2/D1)、拡管比(d/dp)およびロール交叉角(γ)の関係を示す図である。 ロール形状指数、即ち、(d/d0)/(D2/D1)とロール交叉角(γ)との関係を示す図である。
符号の説明
γ:ロール交叉角
1:ロール入口直径
2:ロール出口直径
g:ロールゴージ直径
1:ロールの入側バレル幅
2:ロールの出側バレル幅
0:ビレットの外径
d:ホローピースの外径
t:ホローピースの肉厚

Claims (3)

  1. パスラインを挟んで左右または上下に対設された両端支持のコーン型主ロールの傾斜角βと交叉角γを下記の式(1)から式(3)までを満足する範囲に保持し、中実ビレットの外径dと穿孔圧延後のホローピースの外径dおよび肉厚tとの関係を下記の式(4)を満たすようにし、さらに、主ロールの入口直径D、出口直径D、上記のd、dおよびγが下記の(5)式を満たすようにすることを特徴とする継目無管製造における穿孔圧延方法。
    8°≦β≦20° ・・・(1)
    5°≦γ≦35° ・・・(2)
    15°≦β−γ≦50° ・・・(3)
    1.5≦−Ψ/Ψθ≦4.5 ・・・(4)
    (d/d)/(0.75+0.025γ)≦D/D ・・・(5)
    但し、式(4)において、Ψ=ln(2t/d
    Ψθ=ln{2(d−t)/d
    である。
  2. 主ロールの入口直径D、出口直径Dと上記のd、dおよびγの関係が下記の(6)式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の穿孔圧延方法。
    /D≦(d/d)/(1.00−0.027γ) ・・・(6)
  3. 穿孔圧延比を4.0以上、拡管比を1.15以上、またはホローピースの「肉厚/外径比」を6.5以下として実施することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の穿孔圧延方法。
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