JPWO2004103360A1 - 抗ウイルス作用を有する化合物およびその配合剤 - Google Patents

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Abstract

式1[R1は、−(CH2aX(CH2)bCH3又は−(CH2cX(CH2)dYCH3又は−CO(CH2)eCH3又は−(CH2)fCH3、R2は、−CO(CH2)nCH3、R3、R4及びR5は、水素、脂肪族あるいは芳香族カルボン酸残基を表す(式中X及びYは0又はS、a〜f、nは数を表す)]で表され、かつ、MT−4細胞におけるHIV−1誘発細胞病原性効果(CPE)を50%阻害する濃度EC50と、細胞増殖試験におけるMT−4細胞の生存を50%減少させる濃度EC50との比安全係数S.I=EC50/EC50が10以上であるホルボール誘導体を有効成分として含む抗ウイルス配合剤。特にヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対して有効である。

Description

本発明は、抗ウイルス作用を有するホルボール誘導体を有効成分とし、更にウイルスの複製過程又は成熟過程の阻害剤、及び所望により他の薬剤、例えば、ホルボール誘導体以外の抗ウイルス作用を有する薬剤、前述の各種薬剤による副作用を抑制又は除去するための解毒剤を含む抗ウイルス配合剤、特にヒト免疫不全ウイルス(HIV)のようなウイルスに対して有効な抗ウイルス配合剤に関するものである。
後天性免疫不全症候群(AIDS;エイズ)を引き起こす原因であるヒト免疫不全ウイルス(HIV)が発見されて以来、有効な抗HIV薬を開発するための研究がさかんに行われ、近年、この分野で著しい進歩が見られる。エイズ治療薬の研究開発においては、抗HIV作用を有する新規化学薬剤の研究開発以外に、天然の抗HIV作用を有する物質の探索も盛んに行われており、例えば、種々の化学構造を有する植物由来の化合物が、HIV−1の複製やそれにかかわる酵素を阻害することが報告されている(例えばChe,1991;Schinazi,1992;Nasr,Cradock & Johnson,1992;El−Mekkawy et al.,1995;El−Mekkawy,Meselhy,Kusumoto,Kadota,Hattori,Namba,1998;Ng,Huang,Fong & Yeung,1997;Kusumoto & Hattori,1999参照)。
植物由来の生理活性物質は、原料である植物から比較的容易に入手可能であり、また和漢薬や世界各地の民間治療薬の原料として使用される植物も多く、生理活性についての多量の情報の蓄積があることから、有効な抗HIV薬としても期待されている。
しかしながら、現在までに発見されている植物由来の抗HIV作用を有する物質は何れも活性が充分ではない。また、植物由来の前記物質のなかには毒性や発癌性などの有害な副作用を有するものもあるので、有用な生理活性と有害な生理活性とを勘案して、例えば抗HIV薬のような抗ウイルス剤として最適なものを選択することは非常に難しい。そのため、高い抗ウイルス作用(例えば、抗HIV作用)を有し且つ有害な副作用が少ない前記物質の発見及びそれをベースとした有効な抗ウイルス剤、例えば抗HIV剤の開発が望まれていた。
本発明者らは天然のエイズ治療薬を探索する過程で、抗HIV作用を指標に種々のエジプト民間薬を探索し、クロトン・チグリウム(Croton tiglium)種子〔種子の生薬名:ハズ(巴豆)〕のメタノールエキス及び水エキスが細胞毒性濃度(選択インデックスは各々34.4,50.0)より低い濃度(IC50は各々0.025と2.0μg/mL)でMT−4細胞でのHIVの増殖及び細胞病原性効果(CPE)を阻害することを見出した(Kawahata,Otake,Mori,Morimoto,Ueba,Kusumoto et al.,1996)。本発明者は特に、クロトン・チグリウムに含まれるチグリアン型のホルボールエステル、とりわけ特定のホルボール誘導体にエイズウイルスの増殖を強く抑制する効果があることを見出した。
ところで、現在の抗HIV療法においては、抗ウイルス剤を単独で使用することは殆どなく、複数の薬剤を同時に用いる多剤併用療法が主流となっている。その背景には、エイズ治療に使用可能な逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤などを抗HIV薬として単独で使用した場合には、必ずしも充分な抗エイズウイルス効果が期待できないことがある。
すなわち、現在の抗HIV薬は、エイズウイルスの複製又は成熟を抑制又は阻止するに過ぎないので、エイズ治療では絶えずエイズウイルスの増殖を抑制又は阻止し続けなければならない。一方、エイズウイルスは逆転写を繰り返す毎に変異を起こすので、薬剤耐性が出現し易く、その結果、エイズウイルスの複製又は成熟を抑制又は阻止する機序による抗HIV薬は、臨床効果が低下することが判っている。
前述の欠点を補うために、例えば、2種の逆転写酵素阻害剤を併用してウイルスの複製抑制を行う2剤併用療法が行われている。更に、2剤併用療法を用いても、長期投与により抗HIV薬に対するエイズウイルスの耐性が生じ、充分な治療効果が得られなくなった場合は、より強力な3剤併用療法、すなわち、例えば、ヌクレオシド系の逆転写酵素阻害剤2種+プロテアーゼ阻害剤1種による3剤併用療法が行われ、臨床試験によりその長期的効果が認められている。
抗HIV薬としては現在、逆転写酵素阻害薬及びプロテアーゼ阻害薬が市販されており、またインテグラーゼ阻害薬及びコレセプター薬などが開発されつつある。
このような現状において、以下に示すように、種々の阻害剤、抗ウイルス剤、前記阻害剤や抗ウイルス剤に対する解毒剤が提案されている。
阻害剤関連:例えば、特開平5−279329号公報(内部ラクタム環を有するHIVプロテアーゼ阻害剤)、特開平5−331067号公報(レトロウイルスプロテアーゼの阻害剤)、特開平6−25158号公報(置換ピロリジン誘導体及びHIVプロテアーゼ阻害剤)、特開平6−73004号公報(置換ピペコリン酸誘導体及びHIVプロテアーゼ阻害剤)、特開平7−285877号公報(HIV−1の逆転写酵素阻害剤)、並びに特開平11−322789号公報(アミノ酸誘導体)。
抗ウイルス剤関連:例えば、特開平5−97888号公報(新規オキセタノシン誘導体、その塩及び抗ウイルス剤)、特開平6−56825号公報(ベンゾジアゼピン類)、特開平6−234641号公報(抗ウイルス組合せ)、特開平6−316524公報(抗エイズウイルス剤)、並びに特開平7−82292号公報(新規なグリチルレチン酸関連化合物又はそれらの塩)。
解毒剤関連:例えば、特開平9−30974号公報(エイズウイルス抑制剤等の毒性、副作用の消除法とその製造方法)。
抗HIV薬の作用機序に関しては、HIVが正常宿主細胞(ヒトのCD4陽性Tリンパ球やマクロファージ)に結合した後、続く感染細胞中での複製から成熟するまでの過程において、いくつかの作用点が考えられている。以下、図1,2に基づいて、HIVウイルスの複製及び成熟過程について簡単に説明する。
図1にHIVウイルスの概略構造を示す。ウイルス殻1は脂質二重膜2からなり、その表面に、マトリックス・蛋白質(MA)とgp41とgp120とからなる構造体を有している。ウイルス殻1の内部には、コア・蛋白質(CA)、ヌクレオキャプシド・蛋白質(NC)、RNA、逆転写酵素3、インテグレース4及びプロテアーゼ5などが存在する。
図1に示す構造を有するHIVウイルスは、図2に示す機序により複製され、成熟する。図2において、エンベロープ(ウイルス殻1)を持ったウイルス粒子は、特異的な細胞膜分子(受容体;ケモカインレセプター及びCD4)に結合する〔過程▲1▼〕。次いで、エンベロープを利用して細胞膜に融合して〔過程▲2▼〕、細胞内に侵入する。脱殼した〔過程▲3▼〕ウイルスは自らの逆転写酵素によってRNAを逆転写して〔過程▲4▼〕DNAを複製し、複製されたDNAは細胞核内へ移行する〔過程▲5▼〕。細胞核内のDNAはインテグラーゼによって組み込まれ〔過程▲6▼〕、プロウイルスとなる。更に、HIVの遺伝子情報が増幅転写され、HIVの蛋白質がHIVウイルスの有するプロテアーゼの働きで合成され〔過程▲7▼〕、コア−蛋白質の集合〔過程▲8▼〕と、エンベロープの会合〔過程▲9▼〕が行われて、感染性ウイルス粒子の成熟〔過程▲10▼〕が完了する。また、結合−成熟の過程でウイルスを抑制する未知の作用部位又は作用機序〔過程▲11▼〕が考えられている。トランスゴルジ網によるHIVウイルスの形成、放出及び成熟〔過程▲12▼、▲13▼及び▲14▼〕も行われる。
現在のエイズ治療においては、図2に示す機序におけるHIVウイルスの細胞膜への結合からDNAの組み込みまでの前記過程において、RNAをDNAに転写する逆転写酵素を阻害する〔過程▲4▼を阻害する〕薬剤と、プロウイルスが成熟するまでの後期過程において、コア−蛋白質の合成に関与するプロテアーゼを阻害する〔過程▲7▼を阻害する〕薬剤の2種が抗HIV薬の中心であり、これらの薬剤を2剤以上を組み合わせた多剤併用療法が試みられている。
一方、前記の特定のホルボール誘導体は、逆転写酵素の阻害及びプロテアーゼの阻害という前述の二つの代表的な抗HIV作用を有せず、別の機序による抗HIV作用、すなわち、HIVウイルスが宿主細胞と結合して融合するまでの過程を阻害する〔過程▲1▼及び過程▲2▼を阻害する〕ことによる抗HIV作用を有するものと考えられる。
従って、特定のホルボール誘導体と前述の各種阻害剤(又は従来の抗HIV薬)1種以上とを組み合わせて用いれば、すなわち、このような構成を有するいわゆるカクテル製剤を用いれば、このカクテル製剤は、HIVウイルスの複製又は成熟に関する複数の過程に同時に作用するので、従来の抗HIV薬に比べて一層強い抗HIV作用を有することが予想される。
本発明は、前述のような観点に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、従来から知られている抗ウイルス剤に比べて一層高い抗ウイルス作用を有し、且つ有害な副作用が少ない抗ウイルス剤(例えば抗HIV剤)を提供することにある。
本願の第一の発明は、少なくとも次式1:
Figure 2004103360
[式中、Rは、
−(CH)aX(CH)bCH(式中、XはO又はSを表し、aは1ないし3の数であり、bは0ないし5の数である。)で表される基を表すか、
−(CH)cX(CH)dYCH(式中、X及びYはO又はSを表し、cは1ないし3の数であり、dは1ないし5の数である。)で表される基を表すか、
−CO(CH)e CH(式中、eは0ないし12の数である。)で表される基を表すか、又は
−(CH)f CH(式中、fは0ないし5の数である。)で表される基を表し、
は−CO(CH)nCH(式中、nは3ないし12の数を表す。)で表される基を表し、
,RおよびRは、互いに独立して、水素原子、脂肪族あるいは芳香族カルボン酸残基を表す。]
で表され、かつ、
MT−4細胞におけるHIV−1誘発細胞病原性効果(CPE)を50%阻害する濃度EC50と、細胞増殖試験におけるMT−4細胞の生存を50%減少させる濃度CC50との比安全係数S.I=CC50/EC50が10以上であるホルボール誘導体を有効成分として含むことを特徴とする抗ウイルス配合剤に関する。
本願の第二の発明は、式1中のRは、(CH)aX(CH)bCH(式中、XはO又はSを表し、aは1ないし3の数であり、bは0ないし5の数である。)で表される基を表す本願の第一の発明記載の抗ウイルス配合剤に関する。
本願の第三の発明は、式1中のRは、−(CH)cX(CH)dYCH(式中、X及びYはO又はSを表し、cは1ないし3の数であり、dは1ないし5の数である。)で表される基を表す本願の第一の発明記載の抗ウイルス配合剤に関する。
本願の第四の発明は、式1中のRは、−CO(CH)e CH(式中、eは0ないし12の数である。)で表される基を表す本願の第一の発明記載の抗ウイルス配合剤に関する。
本願の第五の発明は、式1中のRは、−(CH)f CH(式中、fは0ないし5の数である。)で表される基を表す本願の第一の発明記載の抗ウイルス配合剤に関する。
本願の第六の発明は、天然由来あるいは合成によって得られた次式2
Figure 2004103360
で表される中間体ホルボール中の−CHOH基を−CHOL基(Lは保護基を表す。)に変換して、次式
Figure 2004103360
で表される化合物を得、該化合物をCH(CH)nCOCl(式中、nは本願の第一の発明で定義されたとおりである。)で表される化合物と反応させて、次式
Figure 2004103360
で表される化合物を得、該化合物をRCl(式中、Rは本願の第一の発明で定義されたとおりである)で表される化合物と反応させて、次式
Figure 2004103360
で表される化合物を得、さらに得られた該化合物中の−CHOL基を−CHOH基に変換して、本願の第一の発明記載の式1で表されるホルボール誘導体を製造する方法に関する。
本願の第七の発明は、本願の第一の発明記載のホルボール誘導体のうちの少なくとも1種及び他の抗HIV作用を有する薬剤のうちの少なくとも1種からなる抗HIVウイルス配合剤に関する。
本願の第八の発明は、前記他の抗HIV作用を有する薬剤が、逆転写酵素阻害剤であることを特徴とする本願の第七の発明記載の抗HIVウイルス配合剤に関する。
本願の第九の発明は、前記他の抗HIV作用を有する薬剤が、インテグラーゼを介したDNAの組み込みを阻害する薬剤であることを特徴とする本願の第七の発明記載の抗HIVウイルス配合剤に関する。
本願の第十の発明は、前記他の抗HIV作用を有する薬剤が、プロウイルスの転写を抑制する薬剤であることを特徴とする本願の第七の発明記載の抗HIVウイルス配合剤に関する。
本願の第十一の発明は、前記他の抗HIV作用を有する薬剤が、プロテアーゼを介したコア−蛋白質の合成を阻害する薬剤であることを特徴とする本願の第七の発明記載の抗HIVウイルス配合剤に関する。
本願の第十二の発明は、前記他の抗HIV作用を有する薬剤が、コア蛋白質の集合とパッケージングを抑制する薬剤であることを特徴とする本願の第七の発明記載の抗HIVウイルス配合剤に関する。
本願の第十三の発明は、前記他の抗HIV作用を有する薬剤が、コア蛋白質と殼外蛋白質の会合を抑制する薬剤であることを特徴とする本願の第七の発明記載の抗HIVウイルス配合剤に関する。
本願の第十四の発明は、前記他の抗HIV作用を有する薬剤が、細胞膜から遊離脱出した感染性のウイルス粒子の成熟を抑制する薬剤であることを特徴とする本願の第七の発明記載の抗HIVウイルス配合剤に関する。
図1は、HIVウイルスの概略構造を示す図であり、図2は、HIVウイルスの複製過程又は成熟過程の機序を示す図であり、図3は、種々のホルボール誘導体の生成機構を示す図であり、図4は、NPB−11の抗ウイルス作用を示したグラフである。
式1で表されるホルボール誘導体において、R,R,R,R及びRは、定義される範囲内の基を表わす。脂肪族カルボン酸残基又は芳香族カルボン酸残基とは、一般式RCOOHで表わされる脂肪族又は芳香族カルボン酸(式中、Rは脂肪族基又は芳香族基を表わす)からOH部分を除いたRCO部分を表わし、具体的には、例えば、アセチル基,ベンジル基,チグロイル基等であってよい。
式1で表されるホルボール誘導体は、好ましい態様として、天然由来あるいは合成によって得られた次式2
Figure 2004103360
で表される中間体ホルボール中の−CHOH基を、−CHOTBS基に変換して、次式
Figure 2004103360
で表される化合物を得、該化合物をCH(CH)nCOCl(式中、nは3ないし12の数である。)で表される化合物と反応させて、次式
Figure 2004103360
で表される化合物を得、該化合物をRCl(式中、Rは請求項1で定義されたとおりである)で表される化合物で表される化合物と反応させて、次式
Figure 2004103360
で表される化合物を得、さらに得られた該化合物中の−CHOTBS基を−CHOH基に変換して、製造され得る。
前記式1で表わされるホルボール誘導体は優れた抗ウイルス作用を有するものが多く、それ故、これらは本抗ウイルス配合剤、例えば抗HIV剤の有効成分として使用し得る。しかしながら、式1で表わされるホルボール誘導体には抗ウイルス作用の小さいものや有害な副作用が大きいものが含まれるため、MT−4細胞におけるHIV−1誘発細胞病原性効果(CPE)を50%阻害する濃度EC50と、細胞増殖試験におけるMT−4細胞の生存を50%減少させる濃度CC50との比安全係数S.I=CC50/EC50が10以上であるものを選択する必要がある。式1で表されるホルボール誘導体を有効成分として含む抗ウイルス配合剤は、図2に示すHIVウイルスのライフサイクルの機序のうち、過程▲1▼及び▲2▼を有効に阻止し得る。
また、本願発明の抗ウイルス配合剤において、他の抗HIV作用を有する薬剤が、以下の群:
(1)逆転写酵素阻害剤、
(2)インテグラーゼを介したDNAの組み込みを阻害する薬剤、
(3)プロウイルスの転写を抑制する薬剤、
(4)プロテアーゼを介したコア−蛋白質の合成を阻害する薬剤、
(5)コア蛋白質の集合とパッケージングを抑制する薬剤、
(6)コア蛋白質と殻外蛋白質の会合を抑制する薬剤、
(7)細胞膜から遊離脱出した感染性のウイルス粒子の成熟を抑制する薬剤、及びから選択された少なくとも1種の薬剤であるものが好ましい。
これら薬剤(1)〜(7)は、式1で表されるホルボール誘導体と組み合わせて使用され、本発明の抗ウイルス配合剤の使用目的に応じて適宜選択してよい。本願発明の抗ウイルス配合剤を抗HIV薬として使用する場合は、式1で表されるホルボール誘導体と、例えば、(1)の逆転写酵素阻害剤及び/又は(4)のプロテアーゼを介したコア−蛋白質の合成を阻害する薬剤を組合せて用いることができる。
具体的には、例えば、(1)の逆転写酵素阻害剤は、例えば、ジドブジン(AZT)、ジダノシン(ddI)、ザルシタビン(ddC)、ラミブジン(3TC)、サニルブジン(d4T)、アバカビル(ABC)、ジドブジン・ラミブジン製剤(AZT・3TC)、ネビラビン(NVP)、エファビレンツ(EFV)、N’−〔1(S)−ベンジル−3−〔4a(S),8a(S),3(S)−第三ブチルカルバモイル)デカヒドロイソキノリン−2−イル〕−2(R)−ヒドロキシルプロピル−〕−N”−(キノリン−2−イルカルバモイル)−L−アスパラギンアミド(Ro31−8959)又は(+)−S−4,5,6,7−テトラヒドロ−5−メチル−6−(3−メチル−2−ブテニル)イミダゾ〔4,5,1−jk〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−2(1H)−チオン(R−82913,TIBO)、又はそれらの薬学上許容され得る誘導体である。
また、(4)のプロテアーゼを介したコア−蛋白質の合成を阻害する薬剤は、例えば、インジナビル(IDV)、サキナビル(SQV)、リトナビル(RTV)、ネルフィナビル(NFV)又はアンプレナビル(APV)、又はそれらの薬学上許容され得る誘導体である。
本願発明の抗ウイルス配合剤は、実際の使用形態に応じて種々の変形が可能である。例えば、複数のウイルスに対する作用を望む場合、具体的には、例えば、HIVウイルスに加えて、他のウイルスにも汚染された物の滅菌や、HIVウイルスに加えて、他のウイルスにも感染した患者の治療を行う場合には、更に他の抗ウイルス剤、例えば、ジデオキシアデノシン(DDA)、フォスカネットなどを併用してもよい。
他の抗HIV作用を有する薬剤を併用する場合には、該薬剤の副作用が問題となる場合もあるので、この場合には適当な解毒剤、前記式1で表わされるホルボール誘導体やそれ以外の他の抗ウイルス剤に対する解毒剤を更にブレンドして用いることができる。
本願発明の抗ウイルス配合剤は、好適であれば、各種の用途に用いてよい。前記用途は、例えば、ウイルス性の疾患を患う人間や人間以外の動物の治療、ウイルスに汚染された物の滅菌、ウイルスに汚染され得るものへの予防的適用(塗布、噴霧、散布、等)などである。また、本発明の抗ウイルス配合剤の使用形態は用途に応じて適宜選択してよい。例えば、本発明の抗ウイルス配合剤の使用形態は、粉剤、顆粒剤、錠剤、溶液剤、乳化剤、分散剤、ペースト等であってよい。
a)機器分析
旋光度はDIP−360自動旋光度計(JASCO,Kyoto,Japan)で測定した。赤外吸収スペクトルはFT/IR−230分光度計(JASCO,Kyoto,Japan)で記録した。紫外吸収スペクトルはUV−2200UV−VIS分光光度計(Shimadzu,Kyoto,Japan)を用いて測定した。NMRスペクトルはVarian Unityplus500(H,500MHz;13C,125MHz)分光計で計測し、化学シフト(δ)はテトラメチルシラン(TMS)を標準として表わした。
b)クロマトグラフィー
イ)カラムクロマトグラフィー
シリカゲル60(70−230mesh,Merk)、ODS Cosmosil 140 C18−OPN(Nacalai Tesque,Kyoto,Japan)。
c)試薬と酵素
何れも、この分野で慣用のものを使用した。
実施例1.ホルボール誘導体の合成
1)TBS化
Ar気流下、ホルボール(phorbol)(364mg,1mmol)、イミダゾール(imidazole)(201mg,3mmol)、およびN,N−ジメチルアミノピリジン(N,N−dimethylaminopyridine)(12mg,0.1mmol)の無水DMF(2ml)溶液を氷冷し、t−ブチルジメチルシリルクロリド(t−butyldimethylsilyl chloride)(166mg,1.1mmol)の無水DMF(2ml)溶液を加えて、氷冷下1h撹拌した。反応液を直接シリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOEt)に附し、生成物を含むフラクションの溶媒を減圧留去した。得られた残渣をCHCl−ヘキサン(hexane)(1:1)に懸濁して冷却後、析出した結晶を吸引ろ取して乾燥させ、無色結晶271mgを得た。そのろ液を減圧乾固させ、残渣を再度シリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOEt)に附し、無色結晶21mg(図3の化合物1)を得た。合計、292mg(61%)。Mp(融点)270−273℃(分解)
H−NMR(アセトン−d):0.05(3H,s),0.06(3H,s),0.71(1H,d,J=5.6Hz),0.88(9H,s),1.07(3H,d,J=6.4Hz),1.16(3H,s),1.23(3H,s),1.69(3H,dd,J=3.0,1.3Hz),1.95−2.00(1H,m),2.46(2H,s),3.09−3.14(2H,m),3.24(1H,bs),3.51(1H,br),4.05(2H,s),4.09(1H,br),4.10(1H,d,J=9.8Hz),4.65(1H,s),5.61(1H,d,J=5.6Hz),7.58(1H,s);18C−NMR(アセトン−d):−5.14,10.22,15.53,17.81,18.78,24.08,26.22,26.46,37.15,38.25,40.12,46.06,58.23,62.99,68.64,74.50,78.79,81.43,130.31,133.14,140.90,159.75,208.49;IR(KBr)cm−1:3315,1675;Anal.Calcd for C2642Si計算値:C,65.24;H,8.84,実測値:C,64.95;H,8.69;[α] 25=+83.39(c=0.85,MeOH).
2)デカノイル化
Ar気流下、TBS体(図3の化合物1;48mg,0.1mmol)およびトリエチルエミン(triethylamine)(42μl,0.3mmol)の無水CHCl(1ml)溶液を氷冷し、デカノイルクロリド(decanoyl chloride)(41μl,0.2mmol)を加えて室温にて3h撹拌した。反応液をCHClで希釈して10%HCl、飽和NaHCO水、飽和食塩水で順次洗浄し、MgSOで乾燥後溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl−AcOEt=4:1)に附し、無色オイル(図3の化合物2;47mg,74%)を得た。
H−NMR(CDCl):0.04(3H,s),0.05(3H,s),0.86−0.89(12H,m),0.99(1H,d,J=5.6Hz),1.04(3H,d,J=6.8Hz),1.19(3H,s),1.22−1.36(17H,m),1.58−1.65(2H,m),1.76(3H,dd,J=3.0,1.3Hz),1.97−2.04(1H,m),2.33−2.37(3H,m),2.46(1H,d,J=18.8Hz),2.71(1H,s),3.13(2H,br),3.96(1H,d,J=9.8Hz),4.00(2H,s),5.59(1H,d,J=5.8Hz),7.56(1H,d,J=1.3Hz);13C−NMR(CDCl):−5.29,10.11,14.10,15.07,16.91,18.36,22.63,23.65,24.76,25.81,25.91,26.59,29.09,29.20,29.22,29.36,31.81,34.26,35.46,38.32,38.99,44.90,56.80,67.90,73.49,77.53,78.21,127.63,132.90,140.54,160.45,176.86,208.96;IR(neat)3396,1706cm−1;MS m/z575(M−t−Bu);HRMS Calcd for C3251Si計算値:575.3404(M−t−Bu),実測値:575.3432;[α] 25=+65.95(c=0.71,CHCl).
3)MOM化
Ar気流下、デカノイル体(図3の化合物2;16.1mg,0.025mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(diisopropylethylamine)(14ml,0.075mmol)の無水CHCl(0.5ml)溶液に、クロロメチルメチルエーテル(chloromethyl methyl ether)(3.8ml,0.05mmol)を加えて室温にて20h撹拌した。反応液をCHClで希釈して10%HCl、飽和NaHCO水、飽和食塩水で順次洗浄し、MgSOで乾燥後溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl−AcOEt=9:1)に附し、無色オイル(図3の化合物3a;10.7mg,63%)を得た。
H−NMR(CDCl):0.04(3H,s),0.05(3H,s),0.87(9H,s),0.88(3H,t,J=7.2Hz),0.97(1H,d,J=5.6Hz),1.05(3H,d,J=6.4Hz),1.18(3H,s),1.22−1.33(17H,m),1.77(3H,dd,J=3.0,1.3Hz),2.02−2.07(1H,m),2.18(1H,s),2.29−2.36(2H,m),2.38(1H,d,J=18.8Hz),2.47(1H,d,J=18.8Hz),3.12(1H,t,J=5.6Hz),3.23(1H,bs),3.36(3H,s),3.94(1H,d,J=9.4Hz),4.00(2H,s),4.54(1H,d,J=6.4Hz),4.88(1H,d,J=6.8Hz),5.61(1H,d,J=6.3Hz),5.65(1H,s),7.61(1H,s);13C−NMR(CDCl):−5.30,−5.28,10.11,14.10,15.16,16.80,18.36,22.64,23.84,24.56,25.55,25.92,29.07,29.23,29.24,29.38,31.83,34.53,36.08,38.39,39.11,44.23,55.68,56.12,65.56,68.20,73.73,77.76,79.80,95.05,128.46,132.44,139.85,161.20,176.19,209.19;IR(neat)cm−1:3404,1709;MS m/z676(M);HRMS Calcd for C3864Si計算値:676.43704(M),実測値:676.4402;[α] 25=+78.75(c=0.53,CHCl).
4)脱シリル化
Ar気流下、MOM体(図3の化合物3a;45mg,0.067mmol)の無水THF(0.5ml)溶液を氷冷し、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド(tetra−n−butylammonium fluoride)(1M THF溶液,0.2ml,0.2mmol)を加えて氷冷下1.5h撹拌した。反応液に飽和NaHCO水を加えてCHClで抽出し、MgSOで乾燥後溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl−AcOEt=4:1)に附し、無色オイル(図3の化合物4a(試料NPB−11);35mg,94%)を得た。
H−NMR(CDCl):0.88(3H,t,J=7.3Hz),1.00(1H,d,J=5.6Hz),1.06(3H,d,J=6.8Hz),1.19(3H,s),1.22−1.35(18H,m),1.78(3H,d,J=1.7Hz),2.02−2.07(1H,m),2.24(1H,s),2.29−2.35(2H,m),2.46(1H,d,J=18.8Hz),2.53(1H,d,J=18.8Hz),3.18(1H,t,J=5.6Hz),3.23(1H,s),3.36(3H,s),3.94(1H,d,J=9.8Hz),3.98(1H,d,J=12.8Hz),4.04(1H,d,J=12.8Hz),4.54(1H,d,J=6.8Hz),4.88(1H,d,J=6.8Hz),5.67(1H,d,J=4.7Hz),5.76(1H,s),7.61(1H,s);13C−NMR(CDCl):10.13,14.11,15.21,16.78,22.65,23.84,24.58,25.61,29.08,29.23,29.25,29.38,31.84,34.52,36.05,38.60,39.06,44.20,55.71,56.17,65.52,68.04,73.62,77.97,79.67,95.06,129.37,132.68,140.27,161.09,176.32,209.08;IR(neat)cm−1:3409,1709;MS m/z501(M−OCHOCH);HRMS Calcd for C3045計算値:501.3216(M−OCHOCH),実測値:501.3200;[α] 25=+89.27(c=0.11,CHCl).
5)MEM化
Ar気流下、デカノイル体(図3の化合物2;234mg,0.37mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(diisopropylethylamine)(0.051ml,0.44mmol)の無水CHCl(3ml)溶液に、クロロメチルメチルエーテル(chloromethyl methyl ether)(0.13ml,0.74mmol)を加えて室温にて20h撹拌した。反応液をCHClで希釈して10%HCl、飽和NaHCO水、飽和食塩水で順次洗浄し、MgSOで乾燥後溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl−AcOEt=5:1)に附し、無色オイル(図3の化合物3b;10.7mg,63%)を得た。
H−NMR(CDCl)0.02(6H,s),0.85(9H,s),0.88(1H,d,J=5.8Hz),0.98(3H,d,J=6.3Hz),1.13(3H,s),1.20−1.24(17H,m),1.57−1.68(2H,m),1.72(3H,m),2.31−2.28(3H,m),2.46(1H,d,J=7.9Hz),2.72(1H,Br),3.08(1H,m),3.17(1H,Br),3.30(1H,d,J=4.4Hz),3.35(3H,s),3.50−3.53(2H,m),3.61−3.73(2H,m),3.894(1H,d,J=9.6Hz),3.97(2H,s),4.64(1H,d,J=6.6Hz),4.94(1H,d,J=6.6Hz),5.57(1H,br),5.60(1H,s),7.55(1H,s);13C−NMR(CDCl):−4.98(q),10.33(q),14.33(q),15.38(s),17.11(q),18.58(q),22.87(t),24.03(q),24.79(t),25.77(s),26.15(q),29.34(t),29.45(t),29.62(t),32.04(t),34.73(t),36.35(d),38.52(t),39.31(d),44.31(d),56.31(d),59.14(q),65.62(t),67.23(t),68.30(t),71.85(s),73.82(s),77.88(s),80.15(d),93.82(t),128.42(d),132.45(s),139.99(s),160.95(d),176.12(s),208.97(s);IR(neat)cm−1:3411,1711;MS m/z720(M);HRMS Calcd for C4068Si計算値:720.4633(M),実測値:720.4622;[α] 25=+79.98(c=0.90,CHCl).
6)脱TBS化
Ar気流下、MEM体(図3の化合物3b;147mg,0.204mmol)の無水THF(1.5ml)溶液を氷冷し、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド(tetra−n−butylammonium fluoride)(1M THF溶液,0.6ml,0.612mmol)を加えて氷冷下1.5h撹拌した。反応液に飽和NHCl水を加えてCHClで抽出し、MgSOで乾燥後溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl−AcOEt=4:1)に附し、無色オイル(図3の化合物4b(試料NPB−12);89mg,72%)を得た。
H−NMR(CDCl):0.86(3H,t,J=7.1Hz),0.99(3H,t,J=6.2Hz),1.16(3H,s),1.21−1.25(18H,m),1.58(2H,m),1.72(3H,d,J=1.4Hz),2.46−2.50(2H,m),2.29−2.32(2H,m),3.17−3.18(2H,m),3.33(1H,d,J=4.4Hz),3.36(3H,s),3.52(2H,t,J=4.9Hz),3.64−3.75(2H,m),3.95(2H,t,J=10.3Hz),4.65(1H,d,J=6.9Hz),4.94(1H,d,J=6.9Hz),5.63(1H,d,J=5.2Hz),5.75(1H,s),7.55(1H,s);13C−NMR(CDCl):10.36(q),14.36(q),15.48(q),17.09(q),22.90(t),24.05(q),24.84(t),25.85(s),29.37(t),29.47(t),29.63(t),32.06(t),34.76(t),36.31(d),38.68(t)、39.21(d),44.31(d),56.26(d),59.18(q),65.66(s),67.28(t),68.16(t),71.86(t),73.75(s),78.24(s),80.13(d),93.96(t),129.33(d),132.71(s),140.54(s),160,99(d),176.28(s),209.14(s);IR(neat)cm−1:3406,1709;MS m/z588(M−HO);HRMS Calcd for C3454計算値:606.3768(M),実測値:606.3779;[α] 25=+85.88(c=1.00,CHCl).
7)メチル化
Ar気流下、アルコール体(図3の化合物2;165mg,0.26mmol)の無水ジクロロメタン溶液に、2,6−ジ−t−ブチルルチジン(2,6−di−t−Butyllutidine)(474mg,1.82mmol)と、MeOTf(0.122ml,1.09mmol)を加え、室温で20時間攪拌後、ピリジンで溶液を塩基性にした後、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥ろ過後、溶媒を留去した。その残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl−AcOEt=5:1)で分離し、メチル体(図3の化合物5a;23mg,0.0356mmol,14%)を無色油状物質として得た。
H−NMR(CDCl):0.05(3H,s),0.07(3H,s),0.89(9H,s),0.97(3H,s),1.02(2H,d,J=6.6Hz),1.14(3H,s),1.23−1.26(18H,m),1.61−1.68(6H,m),1.79(3H,s),2.01−2.17(4H,m),2.21−2.26(1H,m),2.33−2.39(4H,m),2.43−2.49(1H,m),2.62(1H,br),3.19(1H,br),3.24(3H,s),3.43(1H,d,J=8.0Hz),3.97(1H,d,J=1.3Hz),4.00(2H,s),4.31(1H,s),5.65(1H,s),7.46(1H,s);13C−NMR(CDCl):−4.91(q),1.35(s),10.46(q),14.41(q),16.11(q),17.43(q),22.95(t),23.61(q),25.22(t),25.98(s),26.19(q),27.53(s),29.39(t),29.54(t),29.68(t),29.97(t),32.12(t),34.32(t),35.09(d),38.22(d),38.98(t),46.48(d),48.89(d),52.20(q),68.14(t),69.69(s),73.71(s),78.48(d),83.90(q),128.70(d),133.72(s),137.68(s),160.31(d),208.97(s);IR(neat)cm−1:3484,1711;[α] 25=+62.30(c=0.99,CHCl).
8)脱シリル化
Ar気流下、シリル体(図3の化合物5a;23mg,0.0356mmol)の無水THF溶液を氷冷し、これにテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド(tetra−n−butylammonium fluoride)(1M THF溶液,0.071ml,0.0711mmol)を加え、室温にて90分攪拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応を停止し、クロロホルムで抽出した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後溶媒を留去した。その残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOEt)で分離後、アルコール体(図3の化合物6a(試料NPB−13);8mg,0.0156mmol,44%)を無色油状物質として得た。
H−NMR(CDCl):0.86−0.91(3H,m),0.97−1.04(4H,m),1.15(3H,s),1.24−1.27(16H,m),1.61−1.68(4H,m),1.78(2H,q,J=1.4Hz),2.04−2.17(1H,m),2.34−2.38(2H,m),2.42−2.51(2H,m),3.20(1H,s),3.25(3H,s),3.40(1H,s),3.98(1H,d,J=9.1Hz),4.07(2H,s),4.31(1H,s),5.67(1H,s),7.47(1H,s);13C−NMR(CDCl):1.02,10.15,14.10,15.78,17.20,22.62,24.89,24.98,27.22,29.06,29.21,29.35,29.64,34.00,35.13,37.98,38.83,46.12,48.56,51.94,68.10,69.25,73.28,78.17,83.60,129.84,133.58,137.71,159.97,172.04,177.51,208.67;IR(neat)cm−1:3422,1707;MS m/z531(M−H);HRMS Calcd for C3147計算値:531.3322(M),実測値:531.3325;[α] 25=+106.69(c=0.75,CHCl).
9)エチル化
Ar気流下、アルコール体(図3の化合物2;275mg,0.43mmol)の無水ジクロロメタン溶液に、2,6−ジ−t−ブチルルチジン(2,6−di−t−Butyllutidine)(356mg,1.74mmol)と、MeOTf(0.134ml,1.04mmol)を加え、室温で65時間攪拌後,水で反応を停止し、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥ろ過後、溶媒を留去した。その残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl−AcOEt=4:1)で分離し、エチル体(図3の化合物5b;28mg,0.0423mmol,10%)を無色油状物質として得た
H−NMR(CDCl):0.05(6H,s),0.89(9H,s),1.01(4H,m),1.11−1.16(2H,m),1.13(3H,s),1.22(3H,s),1.23−1.27(14H,m),1.32(3H,s),1.61−1.72(2H,m),1.78(3H,s),2.28−2.65(4H,m),3.17(1H,br),3.30−3.40(1H,m),3.91−3.99(3H,m),5.61−1H,s),7.47(1H,s);13C−NMR(CDCl):−4.91,10.46,14.42,15.96,16.11.17.47,18.71,22.95,23.61,25.30,26.19,27.48,29.39,29.54,29.68,30.43,32.12,34.42,35.31,38.52,39.00,46.49,49.68,59.35,68.24,69.69,73.74,78.59,83.66,128.85,133.60,137.53,160.56,177.72;IR(neat)cm−1:3419,1711;MS m/z659(M−H);HRMS Calcd for C3863Si計算値:659.4343(M−H),実測値:659.4383;[α] 25=+81.97(c=0.1.20,CHCl).
10)エチル体の脱シリル化
Ar気流下、シリル体(図3の化合物5b;28mg,0.0424mmol)の無水THF溶液を氷冷し、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド(tetra−n−butylammonium fluoride)(1M THF溶液,0.13ml,0.13mmol)を室温にて40分攪拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応を停止し、クロロホルムで抽出した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後溶媒を留去した。その残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOEt)で分離後、アルコール体(図3の化合物6b(試料NPB−14);17mg,0.0317mmol,75%)を無色油状物質として得た。
H−NMR(CDCl):1.01−1.04(4H,m),1.14(3H,s),1.23−1.32(14H,m),1.61−1.68(2H,m),1.78(3H,s),1.98−2.04(2H,m),2.32−2.39(2H,m),2.97(1H,br),3.17(1H,br),3.28−3.35(1H,m),3.43−3.49(1H,m),3.99−4.01(3H,m),5.63(1H,s),7.48(1H,s);13C−NMR(CDCl):10.49,14.42,15.91,16.11,17.61,22.95,23.61,25.30,25.90,27.51,29.39,29.54,29.67,32.12,34.42,35.18,38.63,39.08,46.51,49.67,59.39,68.43,69.63,73.72,78.67,83.70,130.14,133.89,138.05,160.57,177.74,209.16;IR(neat)cm−1:3449,1708;MS m/z546(M);HRMS Calcd for C3250計算値:546.3557(M),実測値:546.3548;[α] 25=+109.81(c=0.745,CHCl).
実施例2.抗HIV作用
<細胞培養>
実験にはhuman T−cell leukemia virus I(HTLV−I)感染T細胞株、MT−4細胞およびT細胞白血病細胞株、MOLT−4(clone No.8)細胞、HIV−1持続感染細胞、MOLT−4・IIIB細胞を使用した。細胞は10%非動化ウシ胎児血清(fetal calf serum:FCS)(MOREGATE,Australia),100μg/mlストレプトマイシンと100U/mlのペニシリンG(SIGMA)を添加したRPMI−1640培地(SIGMA)を用い、5%CO2、37℃の条件下で培養した。継代は3日ごとに30x10個/mlに調整しておこなった。
<ウイルス>
ウイルスはHIV−1IIIB株(T細胞指向性株:T−tropic)とHIV−1JRCSF(マクロファージ指向性:M−tropic)を使用した。HIV−1IIIBはMOLT−4/IIIB細胞上清から調整した。
MOLT−4/IIIB細胞を30x10個/mlに調整して培養を開始し、3日後に培養液を回収し、4℃,3000rpmで10分間遠心分離した。JRCSFは293T細胞にウイルスDNA15μgをトランスフェクションの後、培養をおこない、2日後に培養液を回収した。これらの上清を0.45μmのフイルターに通した。ウイルスストックは−80℃に凍結保存した。ウイルス量はp24量で調整した。
<被検体>
1)in vitro活性:ホルボール誘導体は1.0mgを1.0mlのDMSOに溶解して原液とし、これを生理食塩液あるいはリン酸緩衝液で所定の濃度に希釈して被検体とした。
2)血液中での安定性:生後6−7週令のBALB/c系雄性マウスの腹大静脈から3.8%クエン酸ナトリウム0.1mlを入れた注射筒で1ml採血し、5000rpm10分間遠心分離して血漿を得た。被検液1に対して血漿9を加えて10倍希釈の所定濃度とし、37℃で30分間インキュベーションして被検体とした。
3)in situ活性:生後6−7週令のBALB/c系雄性マウスに上記被検体1)を用いて1mg/kg経口投与し、投与20,40および60分後にエーテル軽麻酔下で、腹大静脈から上記2)同様に採血し、血漿を得て被検体とした。アッセイ(Assay)系には56℃30分間加熱非動化した後、1−10%を添加した。
<抗HIV活性の評価>
各被検体の抗HIV活性はHIV−1によって誘導される細胞変性に対する阻害活性をMTTassayによって評価した。Assayはトリプリケートでおこない、抗HIV活性と細胞毒性を同時に測定した。
96ウエルプレートを用い、内側60ウエルに10%FCS/RPMI−1640培地を100μl/wellずつ加え、外側36ウエルには蒸発を防ぐため200μl/wellのRPMI−1640培地を加えた。
内側60ウエルを用いRPMI−1640培地で調整した被検体を25μl/wellで最初のレーンに加え、よくピペッティング操作をして5倍段階希釈系列を調整した。また、最後のレーンには被検体を加えず、コントロールとした。30x10個/mlに懸濁したMT−4細胞を2本のフラスコに用意し、一方にはHIV−1IIIBをmultiplicity of infection(MOI)=0.01で感染させた。感染もしくは非感染MT−4細胞を直ちに100μl/mlずつ加え被検体と共に5%CO2,37℃の条件下で培養した。
5日後、細胞のviabilityをTitertek Multiskanを用いたMTT法によって測定した。PBS(Ca++,Mg++・free Phosphate−buffered saline)で7.5mg/mlに調整したMTTを20μl/wellずつ加え5%CO2,37℃の条件で1時間培養し、150μlの培養上清を除いた後、100μlの細胞溶解液「5%(v/v)TritonX−100/酸性isopropanol」を加えプレートミキサーで30分間攪拌した。
プレートリーダーで540nmにおける吸光度(リファレンス波長690nm)を測定した。被検体とウイルスを加えなかったウエルの吸光度の平均を100%、被検体を加えず、ウイルスを加えたウエルの吸光度の平均を0%として、各ウエルのviability(% of control)値を算出し、50%細胞毒性濃度(50% cytotoxic concentration)、CC50および50%細胞変性阻害濃度(50% effective concentration)、EC50を求めた。また、CC50とEC50の比、SI(selective index)値(SI=CC50/EC50)を計算した。
一方、JRCSFの末梢単核球(PBMC)への感染と抗HIV活性の評価は次のように行った。1x10cells/mlのPBMCに20ngのp24を持つJRCSFを接種し、2時間後に細胞を洗った。この後、被験薬剤を含んだ培養液中で7日間培養し、p24を測定することによりその抗ウイルス活性を検討した。
<結果>
一連のホルボール誘導体のin vitroにおける抗HIV活性は表2に示したとおりである。ホルボールのジエステルであり12位にアセチル基、13位にデカノイル基を有するN−6(S.El−Mekkawy他;Chem.Pharm.Bull.47(9)1346−1347(1999))の抗HIV活性は極めて強いが、血漿中で失活し生体内で不安定であった。おそらく12位のエステルが血液中のプソイドコリンエステラーゼによって加水分解される可能性が考えられる。
そこで生体内で安定な誘導体を創るため12位の置換基を検討した。12位のアセチル基を、炭素数を増加したエステル型のNPB−5およびNPB−9に変えるとむしろ活性は減少した。
一方、12位をエーテル型に変換したメトキシメチル基のNPB−11は、活性も強くまた血漿中においても安定であった。しかしながらNPB−12のように炭素数を1つ増やしたメトキシエチル基に代えると活性は減少した。
また、12位をメトキシ基およびエトキシ基に代えたNPB−13およびNPB−14はNPB−11に比べて活性が弱く熱に対しても不安定であった。
N−6を基本とし、12位に置換基を導入した誘導体の合成により、抗HIV活性の50%抑制濃度が1.7ng/mlと極めて低く、逆に正常細胞に対しては、50%障害濃度が6.9123μg/mlと高く、従って、安全係数が4066であり、熱および生物学的に安定なNPB−11を創出することが出来た。
Figure 2004103360
表に示した抗HIV活性はT細胞指向性株のウイルスを用いて評価したものであり、ウイルスが宿主細胞に吸着・侵入する際の第2の受容体CXCR4が介在するassay系である。現在、HIVウイルスが感染するタイプには2つがあり、上記以外に、マクロファージ指向性ウイルスの有する第2の受容体はCCR5が介在すると考えられている。
そこで、ホルボール誘導体がCCR5受容体に関わっているかどうかを明らかにするため、NPB−11について検討した。
マクロファージ指向性株(HIV−1 JRCSF)を感染させた末梢リンパ球におけるNPB−11の抗ウイルス作用を図4に示した。ウイルスのgag蛋白に1つであるp24量を定量して、その減少量から抗HIV作用を調べたものであるが、NPB−11の1ng/mlでウイルス蛋白はほとんど検出されず、明らかな抗ウイルス作用が認められた。
エイズウイルスは、(1)宿主細胞への吸着、(2)侵入・脱殻、(3)ウイルス遺伝子の逆転写と組み込み、(4)ウイルス遺伝子の転写・複製、(5)蛋白合成と修飾、(6)粒子の形成と放出のライフサイクルを繰り返して複製、増殖する。
これらのサイクルのどれか1つを阻止すればウイルスの増殖を阻害することが出来る。現在、(3)および(5)を阻止する薬剤があり、(3)の2剤と(5)の1剤の3剤を併用したカクテル療法が治療の中心となっている。しかしながら、ウイルスは次々に変異を繰り返すため、エイズの根治は困難である。また、近年(1)の過程をブロックする薬剤の開発が進められているが、まだ治療薬としては用いられていない。
本発明品は(1)の過程における2つの異なったコレセプターに指向するウイルス株に有効であることから、単独は勿論のこと、他のステップに作用する薬剤との併用も可能であり有用性は高いものと考えられる。
本発明の抗ウイルス配合剤では、特定のホルボール誘導体と、該誘導体と作用機序が異なる他の抗HIV作用を有する薬剤とからなっていてもよい。それ故、異なる作用機序による複数の抗ウイルス性が同時に発現し得るため、非常に強力な抗ウイルス効果を得ることができる。また、本発明の抗ウイルス配合剤は、各種の解毒剤や式1で表わされるホルボール誘導体以外の他の抗ウイルス剤を含み得るため、有害な副作用がなく、且つ多くのウイルスに対しても有効である。それ故、本発明の抗ウイルス配合剤は、特に抗HIV薬として有用である。

Claims (14)

  1. 少なくとも次式1:
    Figure 2004103360
    [式中、Rは、
    −(CH)aX(CH)bCH(式中、XはO又はSを表し、aは1ないし3の数であり、bは0ないし5の数である。)で表される基を表すか、
    −(CH)cX(CH)dYCH(式中、X及びYはO又はSを表し、cは1ないし3の数であり、dは1ないし5の数である。)で表される基を表すか、
    −CO(CH)eCH(式中、eは0ないし12の数である。)で表される基を表すか、又は
    −(CH)f CH(式中、fは0ないし5の数である。)で表される基を表し、
    は−CO(CH)nCH(式中、nは3ないし12の数を表す。)で表される基を表し、
    ,RおよびRは、互いに独立して、水素原子、脂肪族あるいは芳香族カルボン酸残基を表す。]
    で表され、かつ、
    MT−4細胞におけるHIV−1誘発細胞病原性効果(CPE)を50%阻害する濃度EC50と、細胞増殖試験におけるMT−4細胞の生存を50%減少させる濃度CC50との比安全係数S.I=CC50/EC50が10以上であるホルボール誘導体を有効成分として含むことを特徴とする抗ウイルス配合剤。
  2. 式1中のRは、−(CH)aX(CH)bCH(式中、XはO又はSを表し、aは1ないし3の数であり、bは0ないし5の数である。)で表される基を表す請求項1記載の抗ウイルス配合剤。
  3. 式1中のRは、−(CH)cX(CH)dYCH(式中、X及びYはO又はSを表し、cは1ないし3の数であり、dは1ないし5の数である。)で表される基を表す請求項1記載の抗ウイルス配合剤。
  4. 式1中のRは、−CO(CH)e CH(式中、eは0ないし12の数である。)で表される基を表す請求項1記載の抗ウイルス配合剤。
  5. 式1中のRは、−(CH)f CH(式中、fは0ないし5の数である。)で表される基を表す請求項1記載の抗ウイルス配合剤。
  6. 天然由来あるいは合成によって得られた次式2
    Figure 2004103360
    で表される中間体ホルボール中の−CHOH基を−CHOL基(Lは保護基を表す。)に変換して、次式
    Figure 2004103360
    で表される化合物を得、該化合物をCH(CH)nCOCl(式中、nは請求項1で定義されたとおりである。)で表される化合物と反応させて、次式
    Figure 2004103360
    で表される化合物を得、該化合物をRCl(式中、Rは請求項1で定義されたとおりである)で表される化合物と反応させて、次式
    Figure 2004103360
    で表される化合物を得、さらに得られた該化合物中の−CHOL基を−CHOH基に変換して、請求項1記載の式1で表されるホルボール誘導体を製造する方法。
  7. 請求項1記載のホルボール誘導体のうちの少なくとも1種及び他の抗HIV作用を有する薬剤のうちの少なくとも1種からなる抗HIVウイルス配合剤。
  8. 前記他の抗HIV作用を有する薬剤が、逆転写酵素阻害剤であることを特徴とする請求項7記載の抗HIVウイルス配合剤。
  9. 前記他の抗HIV作用を有する薬剤が、インテグラーゼを介したDNAの組み込みを阻害する薬剤であることを特徴とする請求項7記載の抗HIVウイルス配合剤。
  10. 前記他の抗HIV作用を有する薬剤が、プロウイルスの転写を抑制する薬剤であることを特徴とする請求項7記載の抗HIVウイルス配合剤。
  11. 前記他の抗HIV作用を有する薬剤が、プロテアーゼを介したコア蛋白質の合成を阻害する薬剤であることを特徴とする請求項7記載の抗HIVウイルス配合剤。
  12. 前記他の抗HIV作用を有する薬剤が、コア蛋白質の集合とパッケージングを抑制する薬剤であることを特徴とする請求項7記載の抗HIVウイルス配合剤。
  13. 前記他の抗HIV作用を有する薬剤が、コア蛋白質と殻外蛋白質の会合を抑制する薬剤であることを特徴とする請求項7記載の抗HIVウイルス配合剤。
  14. 前記他の抗HIV作用を有する薬剤が、細胞膜から遊離脱出した感染性のウイルス粒子の成熟を抑制する薬剤であることを特徴とする請求項7記載の抗HIVウイルス配合剤。
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