明 細 書 抗ウィルス作用を有する化合物およびその配合剤 技術分野
本発明は、 抗ウィルス作用を有するホルボール誘導体を有効成分とし、 更にゥ ィルスの複製過程又は成熟過程の阻害剤、 及び所望により他の薬剤、 例えば、 ホ ルポール誘導体以外の抗ウィルス作用を有する薬剤、 前述の各種薬剤による副作 用を抑制又は除去するための解毒剤を含む抗ウィルス配合剤、 特にヒト免疫不全 ウィルス (H I V) のようなウィルスに対して有効な抗ウィルス配合剤に関する ものである。 ' 背景技術
後天性免疫不全症候群 (A I D S ;エイズ) 'を引き起こす原因であるヒ ト免疫 不全ウィルス (H I V) が発見されて以来、 有効な抗 H I V薬を開発するための 研究がさかんに行われ、 近年、 この分野で著しい進歩が見られる。 エイズ治療薬 の研究開発においては、 抗 H I V作用を有する新規化学薬剤の研究開発以外に、 天然の抗 H I V作用を有する物質の探索も盛んに行われており、 例えば、 種々の 化学構造を有する植物由来の化合物が、 H I V— 1の複製やそれにかかわる酵素 を阻害することが報告されている (例えば Che, 1991 ; Schinazi, 1992; Nasr, Cradock & Johnson, 1992;E1-Mekka y et al. , 1995;E1-Mekkawy, Meselhy, Kusumoto, Kadota, Hattori, Namba, 1998 ;Ng, Huang, Fong & Yeung, 1997; Kusumoto & Hattori, 1999参照)。
植物由来の生理活性物質は、原料である植物から比較的容易に入手可能であり、 また和漢薬や世界各地の民間治療薬の原料として使用される植物も多く、 生理活 性についての多量の情報の蓄積があることから、 有効な抗 H I V薬としても期待 されている。
しかしながら、 現在までに ¾見されている植物由来の抗 H I V作用を有する物 質は何れも活性が充分ではない。 また、 植物由来の前記物質のなかには毒性や発
癌性などの有害な副作用を有するものもあるので、 有用な生理活性と有害な生理 活性とを勘案して、 例えば抗 H I V薬のような抗ウィルス剤として最適なものを 選択することは非常に難しい。 そのため、 高い抗ウィルス作用 (例えば、 抗 H I V作用) を有し且つ有害な副作用が少ない前記物質の発見及びそれをベースとし た有効な抗ウィルス剤、 例えば抗 H I V剤の開発が望まれていた。
本発明者らは天然のエイズ治療薬を探索する過程で、 抗 H I V作用を指標に 種々のエジプト民間薬を探索し、クロトン.チグリゥム(Croton tiglium)種子〔種 子の生薬名:ハズ (巴豆)〕 のメタノールエキス及び水エキスが細胞毒性濃度 (選 択インデックスは各々 3 4 . 4 , 5 0. 0 ) より低い濃度 (I C50は各々 0 . 0 2 5と 2 . 0 μ g /m L) で MT— 4細胞での H I Vの増殖及び細胞病原性効果 (C P E) を阻害することを見出した(Kawahata, Otake, Mori, Morimoto, Ueba, Kusumoto et al. , 1996)。 本発明者は特に、 クロトン 'チグリウムに含まれるチ グリアン型のホルボールエステル、 とりわけ特定のホルポール誘導体にエイズゥ ィルスの増殖を強く抑制する効果があることを見出した。
ところで、 現在の抗 H I V療法においては、 抗ウィルス剤を単独で使用するこ とは殆どなく、 複数の薬剤を同時に用いる多剤併用療法が主流となっている。 そ の背景には、 エイズ治療に使用可能な逆転写酵素阻害剤、 プロテアーゼ阻害剤な どを抗 H I V薬として単独で使用した場合には、 必ずしも充分な抗エイズウィル ス効果が期待できないことがある。
すなわち、 現在の抗 H I V薬は、 エイズウイルスの複製又は成熟を抑制又は阻 止するに過ぎないので、 エイズ治療では絶えずエイズウィルスの増殖を抑制又は P且止し続けなければならない。 一方、 エイズウイルスは逆転写を繰り返す毎に変 異を起こすので、 薬剤耐性が出現し易く、 その結果、 エイズウイルスの複製又は 成熟を抑制又は阻止する機序による抗 H I V薬は、 臨床効果が低下することが判 つている。
前述の欠点を補うために、 例えば、 2種の逆転写酵素阻害剤を併用してウィル スの複製抑制を行う 2剤併用療法が行われている。 更に、 2剤併用療法を用いて も、 長期投与により抗 H I V薬に対するエイズウイルスの耐性が生じ、 充分な治 療効果が得られなくなった場合は、 より強力な 3剤併用療法、すなわち、例えば、
ヌクレオシド系の逆転写酵素阻害剤 2種 +プロテアーゼ阻害剤 1種による 3剤併 用療法が行われ、 臨床試験によりその長期的効果が認められている。
抗 H I V薬としては現在、 逆転写酵素阻害薬及びプロテアーゼ阻害薬が市販さ れており、 またィンテグラーゼ阻害薬及びコレセプター薬などが開発されつつあ る。
このような現状において、 以下に示すように、 種々の阻害剤、 抗ウィルス剤、 前記阻害剤ゃ抗ゥィルス剤に対する解毒剤が提案されている。
阻害剤関連:例えば、 特開平 5— 279329号公報 (内部ラタタム環を有す る H I Vプロテアーゼ阻害剤)、特開平 5— 331067号公報(レトロウイルス プロテアーゼの阻害剤)、特開平 6— 25158号公報(置換ピロリジン誘導体及 び H I Vプロテアーゼ阻害剤)、特開平 6— 73004号公報(置換ピペコリン酸 誘導体及ぴ H I Vプロテアーゼ阻害剤)、特開平 7— 285877号公報(H I V 一 1の逆転写酵素阻害剤)、並びに特開平 11— 322789号公報(アミノ酸誘 導体)。 - 抗ウィルス剤関連:例えば、 特開平 5— 97888号公報 (新規ォキセタノシ ン誘導体、その塩及び抗ウィルス剤)、特開平 6— 56825号公報(ベンゾジァ ゼピン類)、 特開平 6— 234641号公報 (抗ウィルス組合せ)、 特開平 6— 3 .16524公報(抗エイズウイルス剤)、並びに特開平 7— 82292号公報(新 規なグリチルレチン酸関連化合物又はそれらの塩)。
解毒剤関連:例えば、 特開平 9一 30974号公報 (エイズウイルス抑制剤等 の毒性、 副作用の消除法とその製造方法)。
抗 H I V薬の作用機序に関しては、 H IVが正常宿主細胞 (ヒ トの CD4陽性 Tリンパ球やマクロファージ) に結合した後、 続く感染細胞中での複製から成熟 するまでの過程において、 いくつかの作用点が考えられている。 以下、 図 1, 2 に基づいて、 H I Vウィルスの複製及び成熟過程について簡単に説明する。 図 1に H I Vウィルスの概略構造を示す。 ウィルス殼 1は脂質二重膜 2からな り、 その表面に、 マトリックス '蛋白質 (MA) と g p 41と g p l 20とから なる構造体を有している。 ウィルス殼 1の内部には、 コア '蛋白質(CA)、 ヌク レオキ'ャプシド '蛋白質 (NC)、 RNA、逆転写酵素 3、 インテグレース 4及び
プロテアーゼ 5などが存在する。 .
図 1に示す構造を有する H I Vウィルスは、 図 2に示す機序により複製され、 成熟する。 図 2において、 エンベロープ (ウィルス殼 1 ) を持ったウィルス粒子 は、 特異的な細胞膜分子 (受容体;ケモカインレセプター及び C D 4 ) に結合す る 〔過程①〕。 次いで、 エンベロープを利用して細胞膜に融合して 〔過程②〕、 細 胞内に侵入する。 脱殻した 〔過程③〕 ウィルスは自らの逆転写酵素によって R N Aを逆転写して 〔過程④〕 D NAを複製し、 複製された D NAは細胞核內へ移行 する〔過程⑤〕。細胞核内の D N Aはインテグラーゼによつて組み込まれ〔過程⑥〕、 プロウィルスとなる。 更に、 H I Vの遺伝子情報が増幅転写され、 H I Vの蛋白 質が H I Vウィルスの有するプロテアーゼの働きで合成され〔過程⑦〕、 コア一蛋 白質の集合 〔過程⑧〕 と、 エンベロープの会合 〔過程⑨〕 が行われて、 感染性ゥ ィルス粒子の成熟 〔過程⑩〕 が完了する。 また、 結合一成熟の過程でウィルスを 抑制する未知の作用部位又は作用機序 〔過程⑪〕 が考えられている。 トランスゴ ルジ網による H I Vウィルスの形成、 放出及ぴ成熟 〔過程⑫、 ⑬及ぴ⑭〕 も行わ れる。
現在のエイズ治療においては、 図 2に示す機序における H I Vウィルスの細胞 膜への結合から D N Aの組み込みまでの前記過程において、 R NAをD NAに転 写する逆転写酵素を阻害する 〔過程④を阻害する〕 薬剤と、 プロウィルスが成熟 するまでの後期過程において、 コア一蛋白質の合成に関与するプロテア一ゼを阻 害する 〔過程⑦を阻害する〕 薬剤の 2種が抗 H I V薬の中心であり、 これらの薬 剤を 2剤以上を組み合わせた多剤併用療法が試みられている。
一方、 前記の特定のホルボ ル誘導体は、 逆転写酵素の阻害及びプロテアーゼ の阻害という前述の二つの代表的な抗 H I V作用を有せず、 別の機序による抗 H I V作用、 すなわち、 H I Vウィルスが宿主細胞と結合して融合するまでの過程 を阻害する 〔過程①及び過程②を阻害する〕 ことによる抗 H I V作用を有するも のと考えられる。
従って、特定のホルボール誘導体と前述の各種阻害剤(又は従来の抗 H I V薬) 1種以上とを組み合わせて用いれば、 すなわち、 このような構成を有するいわゆ るカクテル製剤を用いれば、 このカクテル製剤は、 H I Vウィルスの複製又は成
熟に関する複数の過程に同時に作用するので、 従来の抗 H I V薬に比べて一層強 ぃ抗 H I V作用を有することが予想される。
本発明は、 前述のような観点に基づいて成されたものであり、 その目的とする ところは、 従来から知られている抗ウィルス剤に比べて一層高い抗ウィルス作用 を有し、 且つ有害な副作用が少ない抗ウィルス剤 (例えば抗 H I V剤) を提供す ることにある。 発明の開示
本願の第一の発明は、 少なくとも次式 1
[式中、 は、
- (CH2) aX (C¾) bCH3 (式中、 Xは O又は Sを表し、 aは 1ないし 3の数であり、 bは 0ないし 5の数である。) で表される基を表すか、
- (CH2) cX (CH2) dYCH3 (式中、 X及び Yは O又は Sを表し、 cは 1ないし 3の数であ り、 dは 1ないし 5の数である。) で表される基を表すか、
-C0 (CH2) e CH3 (式中、 eは 0ないし 1 2の数である。) で表される基を表すか、 又 は
- (C¾) f CH3 (式中、 f は 0ないし 5の数である。) で表される基を表し、 '
R2は - C0 (CH2) nCH3 (式中、 nは 3ないし 1 2の数を表す。) で表される基を表し、
R3, R4および R5は、 互いに独立して、 水素原子、 脂肪族あるいは芳香族カルボン 酸残基を表す。]
で表され、 かつ、
MT- 細胞における HIV- 1誘発細胞病原性効果(CPE)を 50%阻害する濃度 EC5。と、
差眷ぇ用鈹(規則 26)
細胞増殖試験における MT- 4細胞の生存を 50%減少させる濃度 CC5。との比安全係数 S. I =CC50/EC50力 S 10以上であるホルボール誘導体を有効成分として含むことを特 徴とする抗ウィルス配合剤に関する。
本願の第二の発明は、 式 1中の は、 (CH2) aX (CH2) bCH3 (式中、 Xは O又は Sを 表し、 aは 1ないし 3の数であり、 bは 0ないし 5の数である。) で表される基を 表す本願の第一の発明記載の抗ウィルス配合剤に関する。
本願の第三の発明は、 式 1中の は、 - (C ) cX(CH2) dYCH3 (式中、 X及び Yは O 又は Sを表し、 cは 1ないし 3の数であり、 dは 1ないし 5の数である。) で表さ れる基を表す本願の第一の発明記載の抗ウィルス配合剤に関する。
本願の第四の発明は、 式 1中の は、 _C0 (C ) e CH3 (式中、 eは 0ないし 1 2 の数である。)で表される基を表す本願の第一の発明記载の抗ウィルス配合剤に関 する。
本願の第五の発明は.、 式 1中の は、 -(C¾) f CH
3 (式中、 f は 0ないし 5の数 である。)で表される基を表す本願の第一の発明記載の抗ウィルス配合剤に関する。 本願の第六の発明は、 天然由来あるいは合成によって得られた次式 2
で表される中間体ホルボール中の _C 0H基を- CH20L基(Lは保護基を表す。) に変 換して、 次式
差替 え 用紙 (規則 26)
で表される化合物を得、 該化合物を CH3 (CH2)nC0Cl (式中、 nは本願の第一の発明 で定義されたとおりである。) で表される化合物と反応させて、 次式
で表される化合物を得、 該化合物を (式中、 は本願の第一の発明で定義さ れたとおりである) で表される化合物と反応させて、 次式
で表される化合物を得、 さらに得られた該化合物中の - C¾0L基を- CH
20H基に変換 して、 本願の第一の発明記載の式 1で表されるホルボール誘導体を製造する方法 に関する。
本願の第七の発明は、 本願の第一の発明記載のホルポール誘導体のうちの少な くとも 1種及び他の抗 HIV作用を有する薬剤のうちの少なくとも 1種からなる抗 HIVウィルス配合剤に関する。
本願の第八の発明は、 前記他の抗 HIV作用を有する薬剤が、 逆転写酵素阻害剤 であることを特徵とする本願の第七の発明記載の抗 HIVウィルス配合斉 JJに関する。 本願の第九の発明は、 前記他の抗 HIV作用を有する薬剤が、 インテグラーゼを 介した D N Aの組み込みを阻害する薬剤であることを特徴とする本願の第七の発 明記載の抗 HIVウィルス配合剤に関する。
本願の第十の発明は、 前記他の抗 HIV作用を有する薬剤が、 プロウィルスの転 写を抑制する薬剤であることを特徴とする本願の第七の発明記載の抗 HIVウィル
ス配合剤に関する。
本願の第十一の発明は、 前記他の抗 HIV作用を有する薬剤が、 プロテアーゼを 介したコア一蛋白質の合成を阻害する薬剤であることを特徴とする本願の第七の 発明記載の抗 HIVウィルス配合剤に関する。
本願の第十二の発明は、 前記他の抗 HIV作用を有する薬剤が、 コア蛋白質の集 合とパッケージングを抑制する薬剤であることを特徴とする本願の第七の発明記 載の抗 HIVウィルス配合剤に関する。
本願の第十三の発明は、 前記他の抗 HIV作用を有する薬剤が、 コア蛋白質と殼 外蛋白質の会合を抑制する薬剤であることを特徴とする本願の第七の発明記載の 抗 HIVウィルス配合剤に関する。
本願の第十四の発明は、 前記他の抗 HIV作用を有する薬剤が.、 細胞膜から遊離 脱出した感染性のウィルス粒子の成熟を抑制する薬剤であることを特徴とする本 願め第七の発明記載の抗 HIVウィルス配合剤に関する。 図面の簡単な説明
図 1は、 H I Vウィルスの概略構造を示す図であり、 図 2は、 H I Vウィルス の複製過程又は成熟過程の機序を示す図であり、 図 3は、 種々のホルボール誘導 体の生成機構を示す図であり、 図 4は、 NPB- 11の抗ウィルス作用を示したグラフ である。 発明を実施するための最良の形態
式 1で表されるホルポール誘導体において、 R
2, R
3 , 1
4及ぴ1
5は、 定義される範囲内の基を表わす。 脂肪族カルボン酸残基又は芳香族カルボン酸残 基とは、 一般式 R C O O Hで表わされる脂肪族又は芳香族カルボン酸 (式中、 R は脂肪族基又は芳香族基を表わす) から O H部分を除いた R C O部分を表わし、 具体的には、 例えば、 ァセチル基, ベンジル基, チグロィル基等であってよい。 式 1で表されるホルボール誘導体は、 好ましい態様として、 天然由来あるいは 合成によって得られた次式 2
で表される中間体ホルポール中の - C¾0H基を、 _CH20TBS基に変換して、 次式
で表される化合物を得、 該化合物を CH
3 (C¾) nC0Cl (式中、 nは 3ないし 1 2の数 である。) で表される化合物と反応させて、 次式
で表される化合物を得、 該化合物を (式中、 は請求項 1で定義されたとお りである) で表される化合物で表される化合物と反応させて、 次式
差替え 用 紙
で表される化合物を得、 さらに得られた該化合物中の- CH
20TBS基を- CH
20H基に変 換して、 製造され得る。
前記式 1で表わされるホルボール誘導体は優れた抗ゥィルス作用を有するもの が多く、 それ故、 これらは本抗ウィルス配合剤、 例えば抗 H I V剤の有効成分と して使用し得る。 しかしながら、 式 1で表わされるホルポ^"ル誘導体には抗ウイ ルス作用の小さいものや有害な副作用が大きいものが含まれるため、 MT-4細胞に おける HIV- 1誘発細胞病原性効果 (CPE) を 50%阻害する濃度 EC50と、 細胞増殖 試験における MT- 4細胞の生存を 50%減少させる濃度 CC50との比安全係数 S. 1 = CC50/EC50が 10以上であるものを選択する必要がある。式 1で表されるホルボー ル誘導体を有効成分として含む抗ウィルス配合剤は、 図 2に示す H I Vウィルス のライフサイクルの機序のうち、 過程①及ぴ②を有効に阻止し得る。
また、本願発明の抗ウィルス配合剤において、他の抗 HIV作用を有する薬剤が、 以下の群:
(1)逆転写酵素阻害剤、
(2)インテグラーゼを介した D N Aの組み込みを阻害する薬剤、
(3)プロウィルスの転写を抑制する薬剤、
(4)プロテアーゼを介したコア一蛋白質の合成を阻害する薬剤、
(5)コア蛋白質の集合とパッケージングを抑制する薬剤、
(6)コア蛋白質と殼外蛋白質の会合を抑制する薬剤、
(7)細胞膜から遊離脱出した感染性のウィルス粒子の成熟を抑制する薬剤、及びか ら選択された少なくとも 1種の薬剤であるものが好ましい。
これら薬剤(1) 〜(7)は、 式 1で表されるホルボール誘導体と組み合わせて使 用され、 本発明の抗ウィルス配合剤の使用目的に応じて適宜選択してよい。 本願 発明の抗ウィルス配合剤を抗 H I V薬として使用する瘍合は、 式 1で表されるホ ルポール誘導体と、 例えば、 (1) の逆転写酵素阻害剤及び/又は (4) のプロテア ーゼを介したコア一蛋白質の合成を阻害する薬剤を組合せて用いることができる。 具体的には、 例えば、 (1)の逆転写酵素阻害剤は、 例えば、 ジドブジン (AZT) 、 ジダノシン(ddl) 、ザルシタビン(ddC)、 ラミブジン(3TC) 、サニルプジン(d4T) 、 ァパカビル (ABC) 、 ジドプジン 'ラミプジン製剤(AZT.3TC) 、 ネビラビン ( VP) 、
エフアビレンツ(EFV) 、 N, - 〔1 (S) —ベンジル一 3— 〔4 a (S), 8 a (S), 3 (S)—第三ブチルカルパモイル)デカヒドロイソキノリン一 2—ィル〕 一 2 (R) —ヒ ドロキシルプロピル一〕 一 N" ― (キノリン一 2—ィルカルバモ ィル) 一 Lーァスパラギンアミ ド(Ro31- 8959) 又は (+ ) — S— 4, 5, 6, 7 —テトラヒ ドロ一 5—メチル一6— (3—メチル一 2—ブテュル) ィミダゾ 〔4, 5, 1 - j k] 〔1, 4〕 ベンゾジァゼピン一 2 (1 H) —チオン(R- 82913,TIB0)、 又はそれらの薬学上許容され得る誘導体である。
また、 (4) のプロテアーゼを介したコア一蛋白質の合成を阻害する薬剤は、 例 えば、 インジナビル(IDV) 、 サキナビル(SQV) 、 リ トナビル(RTV) 、 ネルフイナ ビル (NFV) 又はアンプレナビル (APV) 、 又はそれらの薬学上許容され得る誘導体 である。
本願発明の抗ウィルス配合剤は、 実際の使用形態に応じて種々の変形が可能で ある。 例えば、 複数のウィルスに対する作用を望む場合、 具体的には、 例えば、 H I Vウィルスに加えて、 他のウィルスにも汚染された物の滅菌や、 H I Vウイ ルスに加えて、 他のウィルスにも感染した患者の治療を行う場合には、 更に他の 抗ウィルス剤、 例えば、 ジデォキシアデノシン (DQA;)、 フォスカネットなどを 併用してもよい。
他の抗 HIV作用を有する薬剤を併用する場合には、 該薬剤の副作用が問題とな る場合もあるので、 この場合には適当な解毒剤、 前記式 1で表わされるホルポー ル誘導体やそれ以外の他の抗ゥィルス剤に対する解毒剤を更にブレンドして用い ることができる。
本願発明の抗ウィルス配合剤は、 好適であれば、 各種の用途に用いてよい。 前 記用途は、 例えば、 ウィルス性の疾患を患う人間や人間以外の動物の治療、 ウイ ルスに汚染された物の滅菌、 ウィルスに汚染され得るものへの予防的適用(塗布、 噴霧、 散布、 等) などである。 また、 本発明の抗ウィルス配合剤の使用形態は用 途に応じて適宜選択してよい。例えば、本発明の抗ウィルス配合剤の使用形態は、 粉剤、 顆粒剤、 錠剤、 溶液剤、 乳化剤、 分散剤、 ペースト等であってよい。 ぐ実施例 >
a ) 機器分析
旋光度は D I P - 3 6 0自動旋光度計 (JASCO, Kyoto, Japan) で測定した。 赤外 吸収スぺク トルは F TZ I R— 2 3 0分光度計(JASCO, Kyoto, Japan) で記録した。 紫外吸収スぺク トルは U V— 2 2 0 0 U V - V I S分光光度計 (Shimadzu, Kyoto, Japan)を用いて測定した。 NMRスぺクトルは Varian Unity plus 500 ( X H, 5 0 0 MH z ; 13 C , 1 2 5 MH z ) 分光計で計測し、 化学 シフト (δ ) はテトラメチルシラン (TM S ) を標準として表わした。
b ) クロマトグラフィー
ィ) カラムクロマトグラフィー
シリ力ゲル 6 0 ( 7 0 - 2 3 O mesh, Merk)、 0DS Cosmos il 140 C18-0PN (Nacalai Tesque, Kyoto, Japan) 0
c ) 試薬と酵素
何れも、 この分野で慣用のものを使用した。
実施例 1 . ホルポール誘導体の合成
1 ) TBS化
Ar気流下、ホノレホーノレ (phorbol) (364 mg, 1 mmol)、イミダゾーノレ Umidazole) ( 201 mg, 3 mmol )、 および Ν,Ν-ジメチルァミ ノ ピリ ジン ( Ν,Ν- dimethylaminopyridine) (12 mg, 0.1 mmol) の無水 DMF (2 ml) 溶液を水冷 し、 ί-プチノレジメチノレシリノレクロリ ド ( butyldimethylsilyl chloride) (166 mg, 1.1 mmol) の無水 DMF (2 ml) 溶液を加えて、 氷冷下 l h撹拌した。 反応液を 直接シリカゲルカラムクロマトグラフィー (AcOEt) に附し、 生成物を含むフラ クシヨンの溶媒を減圧留去した。 得られた残渣を CH2C12 -へキサン (hexane) (1: 1)に懸濁して冷却後、析出した結晶を吸引ろ取して乾燥させ、無色結晶 271 mg を得た。 そのろ液を減圧乾固させ、 残渣を再度シリカゲルカラムクロマトグ ラフィー (AcOEt) に附し、 無色結晶 21 mg (図 3の化合物 1 ) を得た。 合計、 292 mg (61%) Mp (融点) 270 - 273°C (分解)
-NMR (ァセトン -£¾) : 0.05 (3H, s), 0.06 (3H, s), 0.71 (1H, d, J= 5.6 Hz), 0.88 (9H, s), 1.07 (3H, d, J= 6A Hz), 1.16 (3H, s), 1.23 (3H, s), 1.69 (3H, dd, J= 3.0, 1.3 Hz), 1.95一 2.00 (1H, m), 2.46 (2H, s), 3.09 - 3.14 (2H, m), 3.24 (1H, bs),
3.51 (IH, br), 4.05 (2H, s), 4.09 (IH, br), 4.10 (IH, d, J= 9.8 Hz), 4.65 (IH, s), 5.61 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.58 (1H, s); 13C-NMR (ァセトン- 6) : -5.14, 10.22, 15.53, 17.81, 18.78, 24.08, 26.22, 26.46, 37.15, 38.25, 40.12, 46.06, 58.23, 62.99, 68.64, 74.50, 78.79, 81.43, 130.31, 133.14, 140.90, 159.75, 208.49; IR (KBr) cm"1: 3315, 1675; Anal Calcd for C26H4206Si計算値: C, 65.24; H, 8.84, 実測値: C, 64.95; H, 8.69; [a]D 25 = +83.39 (c = 0.85, MeOH).
2 ) デカノイノレイ匕
Ar気流下、 TBS体 (図 3の化合物 1 ; 48 mg, 0.1 mmol) およびトリェチルェ ミン (triethylamine) (42 μ 1, 0.3 mmol) の無水 CH2C12 (l ml) 溶液を氷冷し、 デカノイルクロリ ド (decanoyl chloride) (41 μ 1, 0.2 mmol) を加えて室温にて 3 h撐拌した。 反応液を CH2C12で希釈して 10% HC1、 飽和 NaHC03水、 飽和食 塩水で順次洗浄し、 MgS04で乾燥後溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラ ムクロマトグラフィー (CH2C12 - AcOEt = 4: 1) に附し、 無色オイル (図 3の 化合物 2 ; 47 mg, 74%) を得た。
Ή-匪 R (CDC13): 0.04 (3H, s), 0.05 (3H, s), 0.86 - 0.89 (12H, m), 0.99 (1H, d, J = 5.6 Hz), 1.04 (3H, d, J= 6.8 Hz), 1.19 (3H, s), 1.22一 1.36 (17H, m), 1.58― 1.65 (2H, m), 1.76 (3H, dd, J= 3.0, 1.3 Hz), 1.97 - 2.04 (1H, m), 2.33 - 2.37 (3H, m), 2.46 (IH, d, J= 18.8 Hz), 2.71 (IH, s), 3.13 (2H, br), 3.96 (IH, d, J= 9.8 Hz), 4.00 (2H, s), 5.59 (IH, d, J = 5.8 Hz), 7.56 (IH, d, = 1.3 Hz); 13C-NMR (CDClg): -5.29, 10.11, 14.10, 15.07, 16.91, 18.36, 22.63, 23.65, 24.76, 25.81, 25.91, 26.59, 29.09, 29.20, 29.22, 29.36, 31.81, 34.26, 35.46, 38.32, 38.99, 44.90, 56.80, 67.90, 73.49, 77.53, 78.21, 127.63, 132.90, 140.54, 160.45, 176.86, 208.96; IR (neat) 3396, 1706 cm'1; MS m/z 575 (M+-i-Bu); HRMS Calcd for C32H6107Si計算値: 575.3404 (M+- ί-Bu), 実測値: 575.3432; [a]D 25 =. +65.95 (c = 0.71, CHClg).
3 ) MOM化
Ar気流下、 デカノィル体 (図 3の化合物 2 ; 16.1 mg, 0.025 mmol) およびジ イソプロピルェチルアミン (diisopropylethylamine) (14 ml, 0.075 mmol) の無 水 CH2C12 (0.5 ml)溶液に、 クロロメチルメチルエーテル(chloromethyl methyl
ether) (3.8 ml, 0.05 mmol) を加えて室温にて 20 h撹拌した。 反応液を C C12 で希釈して 10% HC1、 飽和 NaHC03水、 飽和食塩水で順次洗浄し、 MgS04で乾 燥後溶媒を減圧留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (CH2C12 - AcOEt = 9 : 1) に附し、 無色オイル (図 3の化合物 3 a ; 10.7 mg, 63%) を得 た。
-NMR (CDC13): 0.04 (3H, s), 0.05 (3H, s), 0.87 (9H, s), 0.88 (3H, t, J= 7.2 Hz), 0.97 (1H, d, J= 5.6 Hz), 1.05 (3H, d, J= 6.4 Hz), 1.18 (3H, s), 1.22 - 1.33 (17H, m), 1.77 (3H, dd, J= 3.0, 1.3 Hz), 2.02 - 2.07 (1H, m), 2.18 (1H, s), 2.29一 2.36 (2H, m), 2.38 (1H, d, J= 18.8 Hz), 2.47 (1H, d, J= 18.8 Hz), 3.12 (1H, t, J = 5.6 Hz), 3.23 (1H, bs), 3.36 (3H, s), 3.94 (1H, d, J= 9.4 Hz), 4.00 (2H, s), 4.54 (1H, d, J= 6.4 Hz), 4.88 (1H, d, J= 6.8 Hz), 5.61 (1H, d, J= 6.3 Hz), 5.65 (1H, s), 7.61 (1H, s); 13C-匪 R (CDClg) : -5.30, -5.28, 10.11, 14.10, 15.16, 16.80, 18.36, 22.64, 23.84, 24.56, 25.55, 25.92, 29.07, 29.23, 29.24, 29.38, 31.83, 34.53, 36.08, 38.39, 39.11, 44.23, 55.68, 56.12, 65.56, 68.20, 73.73, 77.76, 79.80, 95.05, 128.46, 132.44, 139.85, 161.20, 176.19, 209.19; IR (neat) cm 1: 3404, 1709; MS m/z 676 (M+); HRMS Calcd for C38H6408Si計算値: 676.43704 (M+), 実測値: 676.4402; [a]D 26 = +78.75 (c= 0.53, CHC13).
4 ) 脱シリル化
Ar気流下、 MOM体 (図 3の化合物 3 a ; 45 mg, 0.067 mmol) の無水 THF (0.5 ml) 溶液を氷冷し、 テトラー n—プチルアンモニゥムフルオライ ド (tetra-12-butylammonmm fluoride) (1 M THF溶液, 0.2 ml, 0.2 mmol) を加え て氷冷下 1.5 h撹拌した。 反応液に飽和 NaHC03水を加えて CHC13で抽出し、 MgS04で乾燥後溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲル力ラムクロマトグラフィ 一 (CH2C12 - AcOEt = 4 : 1) に附し、 無色オイル (図 3の化合物 4 a (試料 NPB-11) ; 35 mg, 94%) を得た。
¾-NMR (CDClg): 0.88 (3H, t, J= 7.3 Hz), 1.00 (1H, d, J= 5.6 Hz), 1.06 (3H, d, J= 6.8 Hz), 1.19 (3H, s), 1.22 - 1.35 (18H, m), 1.78 (3H, d, J= 1.7 Hz), 2.02― 2.07 (1H, m), 2.24 (1H, s), 2.29一 2.35 (2H, m), 2.46 (1H, d, J= 18.8 Hz), 2.53 (1H, d, J= 18.8 Hz), 3.18 (1H, t, J= 5.6 Hz), 3.23 (1H, s), 3.36 (3H, s), 3.94 (1H,
d, J= 9.8 Hz), 3.98 (1H, d, J= 12.8 Hz), 4.04 (1H, d, J= 12.8 Hz), 4.54 (1H, d, J = 6.8 Hz), 4.88 (1H, d, J= 6.8 Hz), 5.67 (1H, d, J= 4.7 Hz), 5.76 (1H, s), 7.61 (1H, s); 13C-NMR (CDC13): 10.13, 14.11, 15.21, 16.78, 22.65, 23.84, 24.58, 25.61, 29.08, 29.23, 29.25, 29.38, 31.84, 34.52, 36.05, 38.60, 39.06, 44.20, 55.71, 56.17, 65.52, 68.04, 73.62, 77.97, 79.67, 95.06, 129.37, 132.68, 140.27, 161.09, 176.32, 209.08; IR (neat) cm 1: 3409, 1709; MS /z 501 (M+-OCH2OCH3); HRMS Calcd for C30H45O6計算値 :501.3216 (M+-OCH2OCH3), 実測値: 501.3200; [a]D 25 = +89.27 (c= 0.11, CHC13).
5 ) MEM化
Ar気流下、 デカノィル体 (図 3の化合物 2 ; 234 mg, 0.37 mmol) およぴジィ ソプロピルェチルァミン (diisopropylethylamine) (0.051 ml, 0.44 mmol) の無 水 CH2C12 (3 ml) 溶液に、 クロロメチルメチルエーテル (chloromethyl methyl ether) (0.13 ml, 0.74 mmol)を加えて室温にて 20 h撹拌した。反応液を CH2C12 で希釈して 10% HC1、 飽和 NaHC03水、 飽和食塩水で順次洗浄し、 MgS04で乾 燥後溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (CH2C12 一 AcOEt = 5 : l) に附し、 無色オイル (図 3の化合物 3 b ; 10.7 mg, 63%) を得 た。
¾-NMR (CDC13) 0.02 (6H, s), 0.85 (9H, s), 0.88 (1H, d, J= 5.8 Hz), 0.98 (3H, d, J = 6.3 Hz), 1.13 (3H, s), 1.20一 1.24 (17H, m), 1.57一 1.68 (2H, m), 1.72 (3H, m), 2.31 - 2.28 (3H, m), 2.46 (1H, d, J= 7.9 Hz), 2.72 (1H, Br), 3.08 (1H, m), 3.17 (1H, Br), 3.30 (1H, d, J= 4.4 Hz), 3.35 (3H, s), 3.50― 3.53 (2H, m), 3.61 - 3.73 (2H, m), 3.894 (1H, d, J = 9.6 Hz), 3.97 (2H, s), 4.64 (1H, d, J= 6.6 Hz), 4.94 (1H, d, J= 6.6 Hz), 5.57 (1H, br), 5.60 (1H, s), 7.55 (1H, s); 13C-NMR (CDC13): -4.98 (q), 10.33 (q), 14.33 (q), 15.38 (s), 17.11 (q), 18.58 (q), 22.87 (t), 24.03 (q), 24.79 (t), 25.77 (s), 26.15 (q), 29.34 (t), 29.45 (t), 29.62 (t), 32.04 (t), 34.73 (t), 36.35 (d), 38.52 (t), 39.31 (d), 44.31 (d), 56.31 (d), 59.14 (q), 65.62 (t), 67.23 (t), 68.30 (t), 71.85 (s), 73.82 (s), 77.88 (s), 80.15 (d), 93.82 (t), 128.42 (d), 132.45 (s), 139.99 (s), 160.95 (d), 176.12 (s), 208.97 (s); IR (neat) cm 1: 3411, 1711; MS m/z 720 (M+) ; HRMS Calcd for C40H68O9Si計算値: 720.4633 (M+), 実測値:
720.4622; [a]D 2B = +79.98 (c = 0.90, CHC13).
6 ) 脱 TBSィ匕
Ar気流下、 MEM体 (図 3の化合物 3 b ; 147 rag, 0.204 mmol) の無水 THF ( 1.5 ml) 溶液を氷冷し、 テトラ一 n—プチルアンモニゥムフルオライ ド (tetra-/2-butylammonium fluoride) (1 M THF溶液, 0.6 ml, 0.612 mmol) を加 えて氷冷下 1.5 h撹拌した。 反応液に飽和 NH4C1水を加えて CHC13で抽出し、 MgSO4で乾燥後溶媒を減圧留去した。残渣をシリ力ゲル力ラムクロマトグラフィ 一 (CH2C12 - AcOEt = 4 : 1) に附し、 無色オイル (図 3の化合物 4 b (試料 NPB-12) ; 89 mg, 72%) を得た。
Ή-NMR (CDC13): 0.86 (3H, t, J= 7.1 Hz), 0.99 (3H, t, J= 6.2 Hz), 1.16 (3H, s), 1.21 - 1.25 (雇' m), 1.58 (2H, m), 1.72 (3H, d, J= 1.4 Hz), 2.46一 2.50 (2H, m), 2.29一 2.32 (2H, m), 3.17 - 3.18 (2H, m), 3.33 (1H, d, J二 4.4 Hz), 3.36 (3H, s), 3.52 (2H, t, J= 4.9 Hz), 3.64 - 3.75 (2H, m), 3.95 (2H, t, J= 10.3 Hz), 4.65 (1H, d, J= 6.9 Hz), 4.94 (1H, d, J= 6.9 Hz), 5.63 (1H, d, J= 5.2 Hz), 5.75 (1H, s), 7.55 (lH,s); 13C-NMR (CDC13): 10.36 (q), 14.36 (q), 15.48 (q), 17.09 (q), 22.90 (t), 24.05 (q), 24.84 (t), 25.85 (s), 29.37 (t), 29.47 (t), 29.63 (t), 32.06 (t), 34.76 (t), 36.31 (d), 38.68 (t)、 39.21 (d), 44.31 (d), 56.26 (d), 59.18 (q), 65.66 (s), 67.28 (t), 68.16 (t), 71.86 (t), 73.75 (s), 78.24 (s), 80.13 (d), 93.96 (t), 129.33 (d), 132.71 (s), 140.54 (s), 160.99 (d), 176.28 (s), 209.14 (s); IR (neat) cm 1: 3406, 1709; MS ^588 (M+-H20); HRMS Calcd for C34H5409 計算値: 606.3768 (M+), 実測値: 606.3779; [a]D 25 = +85.88 (c = 1.00, CHC13).
7 ) メチル化
Ar気流下、 アルコール体(図 3の化合物 2 ; 165 mg, 0.26 mmol) の無水ジク ロロメタン溶液に、 2,6—ジ一 t一プチルルチジン(2,6- di- ^Butyllutidine) (474 mg, 1.82 mmol) と、 MeOTf (0.122 ml, 1.09 mmol) を加え、 室温で 2 0時間攪 拌後、 ピリジンで溶液を塩基性にした後、 飽和重曹水、 飽和食塩水で洗浄した有 機層を硫酸マグネシウムで乾燥ろ過後、 溶媒を留去した。 その残留物をシリカゲ ルカラムクロマトグラフィー (CH2C12 - AcOEt = 5 : 1) で分離し、 メチル体(図 3の化合物 5 a ; 23 mg, 0.0356 mmol, 14%) を無色油状物質として得た。
¾-NMR (CDC13): 0.05 (3H, s), 0.07 (3H, s), 0.89 (9H, s), 0.97 (3H, s), 1.02 (2H, d, J= 6.6 Hz), 1.14 (3H, s), 1.23― 1.26 (18H, m), 1.61一 1.68 (6H, m), 1.79 (3H, s), 2.01― 2.17 (4H, m), 2.21一 2.26 (IH, m), 2.33一 2.39 (4H, m), 2.43 - 2.49 (1H, m), 2.62 (IH, br), 3.19 (1H, br), 3.24 (3H, s), 3.43 (IH, d, J二 8.0 Hz), 3.97 (IH, d, J= 1.3 Hz), 4.00 (2H, s), 4.31 (IH, s), 5.65 (IH, s), 7.46 (1H, s); 13C-NMR (CDC13): -4.91 (q), 1.35 (s), 10.46 (q), 14.41 (q), 16.11 (q), 17.43 (q), 22.95 (t), 23.61 (q), 25.22 (t), 25.98 (s), 26.19 (q), 27.53 (s), 29.39 (t), 29.54 (t), 29.68 (t), 29.97 (t), 32.12 (t), 34.32 (t), 35.09 (d), 38.22 (d), 38.98 (t), 46.48 (d), 48.89 (d), 52.20 (q), 68.14 (t), 69.69 (s), 73.71 (s), 78.48 (d), 83.90 (q), 128.70 (d), 133.72 (s), 137.68 (s), 160.31 (d), 208.97 (s); IR (neat) cm"1: 3484, 1711 ; [a]D 25 = +62.30 (c= 0.99, CHC13).
8 ) 脱シリルイ匕
Ar気流下、 シリル体 (図 3の化合物 5 a ; 23 mg, 0.0356 mmol) の無水 THF 溶液を氷冷し、 これにテトラ一 n—プチルアンモニゥムフルオライド (teti'a- - butylammonium fluoride) (1 M THF溶液, 0.071 ml, 0.0711 mmol) を加え、 室 温にて 9 0分攪拌後、 飽和塩化アンモニゥム水溶液で反応を停止し、 クロ口ホル ムで抽出した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、 ろ過後溶媒を留去した。 その残 留物をシリカゲル力ラムクロマトグラフィー (AcOEt) で分離後、 アルコール体 (図 3の化合物 6 a (試料 NPB-13) ; 8 mg, 0.0156 mmol, 44%) を無色油状物質 として得た。
¾-NMR (CDClg): 0.86 - 0.91 (3H, m), 0.97一 1.04 (4H, m), 1.15 (3H, s), 1.24 - 1.27 (16H, m), 1.61 - 1.68 (4H, m), 1.78 (2H, q, J = 1.4 Hz), 2.04 - 2.17 (IH, m), 2.34一 2.38 (2H, m), 2.42 - 2.51 (2H, m), 3.20 (IH, s), 3.25 (3H, s), 3.40 (IH, s), 3.98 (IH, d, J = 9.1 Hz), 4.07 (2H, s), 4.31 (IH, s), 5.67 (IH, s), 7.47 (IH, s); 13C-NMR (CDClg): 1.02, 10.15, 14.10, 15.78, 17.20, 22.62, 24.89, 24.98, 27.22, 29.06, 29.21, 29.35, 29.64, 34.00, 35.13, 37.98, 38.83, 46.12, 48.56, 51.94, 68.10, 69.25, 73.28, 78.17, 83.60, 129.84, 133.58, 137.71, 159.97, 172.04, 177.51, 208.67; IR (neat) cm 1: 3422, 1707; MS m/z 531 (M;-H); HRMS Calcd for C31H47Ov計算値: 531.3322 (M+), 実測値: 531.3325; [ ]D 25 = +106.69 (c = 0.75,
CHC13).
9 ) ェチル化
Ai'気流下、 アルコール体(図 3の化合物 2 ; 275 mg, 0.43 mmol) の無水ジク ロロメタン溶液に、 2,6—ジー t―ブチルルチジン(2,6- di-i-Butyllutidine) (356 mg, 1.74 mmol) と、 MeOTf (0.134 ml, 1.04 mmol) を加え、 室温で 6 5時間攪 拌後,水で反応を停止し、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した有機層を硫酸マグネ シゥムで乾燥ろ過後、 溶媒を留去した。 その残留物をシリカゲルカラムクロマト グラフィー (CH2C12 - AcOEt = 4 : 1) で分離し、 ェチル体(図 3の化合物 5 b ; 28 mg, 0.0423 mmol, 10%) を無色油状物質として得た
¾-NMR (CDC13): 0.05 (6H ,s), 0.89 (9H, s), 1.01 (4H, m), 1.11― 1.16 (2H, m), 1.13 (3H, s), 1.22 (3H, s), 1.23一 1.27 (14H, m), 1.32 (3H, s), 1.61一 1.72 (2H, m), 1.78 (3H, s), 2.28一 2.65 (4H, m), 3.17 (1H, br), 3.30 - 3.40 (1H, m), 3.91一 3.99 (3H, m), 5.61 - 1H, s), 7.47 (1H, s); 13C-NMR (CDC13): -4.91, 10.46, 14.42, 15.96, 16.11. 17.47, 18.71, 22.95, 23.61, 25.30, 26.19, 27.48, 29.39, 29.54, 29.68, 30.43, 32.12, 34.42, 35.31, 38.52, 39.00, 46.49, 49.68, 59.35, 68.24, 69.69, 73.74, 78.59, 83.66, 128.85, 133.60, 137.53, 160.56, 177.72; IR (neat) cm 1: 3419, 1711; MS J2i/ 659 (M+-H); HRMS Calcd for C38H6307Si 計算値: 659.4343 (M+- H), 実測値: 659.4383; [a]D 25 = +81.97 (c = 0.1.20, CHC13).
1 0 ) ェチル体の脱シリル化
A 気流下、 シリル体(図 3の化合物 5 b ; 28 mg, 0.0424 mmol) の無水 THF 溶液を氷冷し、 テトラ一 n—ブチルアンモニゥムフルオライ ド (tetra-i2- b tylammonium fluoride) (1 M THF溶液, 0.13 ml, 0.13 mmol) を室温にて 4 0分攪拌後、 飽和塩化アンモニゥム水溶液で反応を停止し、 クロロホルムで抽出 した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、 ろ過後溶媒を留去した。 その残留物をシ リカゲルカラムクロマトグラフィー (AcOEt) で分離後、 アルコール体 (図 3の 化合物 6 b (試料 NPB-14) ; 17 mg, 0.0317 mmol, 75%) を無色油状物質として 得た。
¾-NMR (CDC13): 1.01 - 1.04 (4H, m), 1.14 (3H, s), 1.23 - 1.32 (14H, m), 1.61一 1.68 (2H, m), 1.78 (3H, s), 1.98― 2.04 (2H, m), 2.32 - 2.39 (2H, m), 2.97 (1H,
br), 3.17 (1H, br), 3.28一 3.35 (1H, m), 3.43 - 3.49 (1H, m), 3.99 - 4.01 (3H, m), 5.63 (1H, s), 7.48 (1H, s); 13C-NMR (CDC13): 10.49, 14.42, 15.91, 16.11, 17.61, 22.95, 23.61, 25.30, 25.90, 27.51, 29.39, 29.54, 29.67, 32.12, 34.42, 35.18, 38.63, 39.08, 46.51, 49.67, 59.39, 68.43, 69.63, 73.72, 78.67, 83.70, 130.14, 133.89, 138.05, 160.57, 177.74, 209.16; IR (neat) cm"1: 3449, 1708; MS /z 546 (M+); HRMS Calcd for C32H50O7計算値: 546.3557 (M+), 実測値: 546.3548; [a]D 25 = +109.81 (c = 0.745, CHC13).
実施例 2 . 抗 H .I V作用
<細胞培養 >
実験には human T-cell leukemia virus I (HTLV-I)感染 T細胞株、 MT-4細胞 および T細胞白血病細胞株、 MOLT-4 (clone No.8) 細胞、 HIV-1持続感染細胞、 MOLT-4 - IIIB 細胞を使用した。 細胞は 10%非動化ゥシ胎児血清 (fetal calf serum:FCS)(MOREGATE, Australia), 100 μ g/ml ス ト レプ トマイ シンと lOOU/mlのぺニシリン G(SIGMA)を添カ卩した RPMI-1640培地 (SIGMA)を用レヽ、 5%CO2、 37°Cの条件下で培養した。 継代は 3日ごとに 30xl04個 /mlに調整して おこなった。
<ウィルス >
ウィルスは HIV-1IIIB株 (T細胞指向性株: T-tropic) と HIV-1 JRCSF (マク ロファージ指向性: M-tropic) を使用した。 HIV-1IIIBは MOLT-4/IIIB細胞 上清から調整した。
MOLT-4/IIIB細胞を 30x104個/ mlに調整して培養を開始し、 3日後に培養液 を回収し、 4°C, 3000rpmで 10分間遠心分離した。 JRCSFは 293T細胞にウィル ス ϋΝΑ15 μ δをトランスフエクシヨンの後、培養をおこない、 2日後に培養液を 回収した。 これらの上清を 0.45 μ πιのフィルターに通した。 ウィルスストックは — 80°Cに凍結保存した。 ゥィルス量は p24量で調整した。
<被検体 >
1 ) in vitro活性:ホルボール誘導体は l.Omgを 1.0mlの DMSOに溶解して 原液とし、 これを生理食塩液あるいはリン酸緩衝液で所定の濃度に希釈して被検 体とした。
2 ) 血液中での安定性:生後 6— 7週令の BALB/c系雄性マゥスの腹大静脈か ら 3.80/。クェン酸ナトリゥム 0.1mlを入れた注射筒で 1 ml採血し、 5000rpm 10 分間遠心分離して血漿を得た。 被検液 1に対して血漿 9を加えて 10倍希釈の所 定濃度とし、 37°Cで 30分間ィンキュベーションして被検体とした。
3 ) in situ活性:生後 6-7週令の BALB/c系雄性マゥスに上記被検体 1)を用い て lmg/kg経口投与し、投与 20,40および 60分後にエーテル軽麻酔下で、腹大静 脈から上記 2 ) 同様に採血し、 血漿を得て被検体とした。 アツセィ (Assay) 系 には 56°C 30分間加熱非動化した後、 1一 10%を添カ卩した。
く抗 HIV活性の評価 >
各被検体の抗 HIV活性は HIV-1によって誘導される細胞変性に対する阻害活 性を MTTassayによつて評価した。 Assayはトリプリケートでおこない、抗 HIV 活性と細胞毒性を同時に測定した。
96ゥエルプレートを用い、 内側 60ゥエルに 10%FCS/RPMI-1640培地を 100 μ ΐ/wellずつ加え、外側 36ゥエルには蒸発を防ぐため 200 μ 1ΛνΘΐ1の RPMI-1640 培地を加えた。
内側 60ゥエルを用い RPMI-1640培地で調整した被検体を 25^u l/wellで最初 のレーンに加え、 よくピペッティング操作をして 5倍段階希釈系列を調整した。 また、 最後のレーンには被検体を加えず、 コントロールとした。 30x10個/ mlに 懸濁した MT-4 細胞を 2 本のフラスコに用意し、 一方には HIV-1IIIB を multiplicity of infection(MOI)=0.01で感染させた。 感染もしくは非感染 MT-4 細胞を直ちに 100 /z l/mlずつ加え被検体と共に 5%C02,37°Cの条件下で培養した。
5日後、 細胞の viabilityを Titertek Multiskanを用いた MTT法によって測定 した。 PBS(Ca++, Mg++ · free Phosphate-buffered saline)で 7.5mg/mlに調整し た MTTを 20 μ 1/wellずつ加え 5%C02, 37°Cの条件で 1時間培養し、 150 μ 1の 培養上清を除いた後、 100 U の細胞溶解液 「5%(v/v) ritonX-100/酸性 isopropanol」 を加えプレートミキサ一で 30分間攪拌した。
プレートリーダ一で 540nmにおける吸光度 (リファレンス波長 690nm) を測 定した。 被検体とウィルスを加えなかったゥエルの吸光度の平均を 100%、 被検 体を加えず、 ウィルスを加えたゥエルの吸光度の平均を 0 %として、 各ゥエルの
viability(% of control)値を算出 し、 50%細胞毒性濃度(50% cytotoxic concentration)、 CC5。および 50%細胞変性阻害濃度 (50% effective concentration), EC50を求めた。 また、 CC50と EC50の比、 Sl(selective index)値 (SI=CC50/EC50) を計算した。
一方、 JRCSFの末梢単核球 (PBMC)への感染と抗 HIV活性の評価は次のよう に行った。 lxlOo cells/mlの PBMCに 20ngの p24を持つ JRCSFを接種し、 2 時間後に細胞を洗った。 この後、被験薬剤を含んだ培養液中で 7日間培養し、 p24 を測定することによりその抗ウィルス活性を検討した。
<結果 >
一連のホルボール誘導体の in vitroにおける抗 HIV活性は表 2に示したとおり である。 ホルボールのジエステルであり 12位にァセチル基、 13位にデカノィル 基を有する N-6 (S. El-Mekkawy他 ; Chem. Pharm. Bull. 47(9) 1346-1347 (1999)) の抗 HIV活性は極めて強いが、血漿中で失活し生体内で不安定であった。 おそらく 12位のエステルが血液中のプソィドコリンエステラ ゼによって加水 分解される可能性が考えられる。 '
そこで生体内で安定な誘導体を創るため 12位の置換基を検討した。 12位のァセ チノレ基を、 炭素数を増加したエステル型の NPB-5および NPB-9に変えるとむし ろ活性は減少した。
一方、 12位をエーテル型に変換したメ トキシメチル基の NPB-11は、 活性も強 くまた血漿中においても安定であった。 しかしながら NPB-12のように炭素数を 1つ増やしたメトキシェチル基に代えると活性は減少した。
また、 12位をメトキシ基およびエトキシ基に代えた NPB-13および NPB-14は NPB-11に比べて活性が弱く熱に対しても不安定であった。
N-6を基本とし、 12位に置換基を導入した誘導体の合成により、抗 HIV活性の 50%抑制濃度が 1.7ng/mlと極めて低く、 逆に正常細胞に対しては、 50%障害濃度 が 6.9123 g/mlと高く、 従って、 安全係数が 4066であり、 熱および生物学的に 安定な NPB-11を創出することが出来た。
T細胞指向性株 (HIV-1 ΠΙΒ)を感染させた MT-4細胞における ホルボール誘導体の抗ゥィルス作用
表に示した抗 HIV活性は T細胞指向性株のゥィルスを用いて評価したものであ り、 ウィルスが宿主細胞に吸着 ·侵入する際の第 2の受容体 CXCR4が介在する assay系である。 現在、 HIVウィルスが感染するタイプには 2つがあり、 上記以 外に、 マクロファージ指向性ウィルスの有する第 2の受容体は CCR5が介在する と考えられている。
そこで、 ホルボール誘導体が CCR5受容体に関わっているかどうかを明らかに するため、 NPB-11について検討した。
マクロファージ指向性株 (HIV-1 JRCSF)を感染させた末梢リンパ球における NPB-11の抗ウィルス作用を図 4に示した。ウィルスの gag蛋白に 1つである p24 量を定量して、 その減少量から抗 HIV作用を調べたものであるが、 NPB-11の 1 ng/mlでウィルス蛋白はほとんど検出されず、 明らかな抗ウィルス作用が認めら れた。
エイズウイルスは、 (1)宿主細胞への吸着、 (2)侵入 '脱殻、 (3)ウィルス遺伝子 の逆転写と組み込み、 (4)ウィルス遺伝子の転写 '複製、 (5)蛋白合成と修飾、 (6) 粒子の形成と放出のライフサイクルを繰り返して複製、 増殖する。
これらのサイクルのどれか 1つを阻止すればウィルスの増殖を阻害することが 出来る。 現在、 (3)および (5)を阻止する薬剤があり、 (3)の 2剤と (5)の 1剤の 3剤 を併用したカクテル療法が治療の中心となっている。 しかしながら、 ウィルスは
次々に変異を繰り返すため、 エイズの根治は困難である。 また、 近年 (1)の過程を ブロックする薬剤の開発が進められているが、 まだ治療薬としては用いられてい ない。
本発明品は (1)の過程における 2つの異なったコレセプターに指向するウィルス 株に有効であることから、 単独は勿論のこと、 他のステップに作用する薬剤との 併用も可能であり有用性は高いものと考えられる。 産業上の利用可能性
本発明の抗ウィルス配合剤では、 特定のホルポール誘導体と、 該誘導体と作用 機序が異なる他の抗 HIV作用を有する薬剤とからなつていてもよい。 それ故、 異 なる作用機序による複数の抗ウィルス性が同時に発現し得るため、 非常に強力な 抗ウィルス効果を得ることができる。 また、 本発明の抗ウィルス配合剤は、 各種 の解毒剤や式 1で表わされるホルポール誘導体以外の他の抗ウィルス剤を含み得 るため、 有害な副作用がなく、 且つ多くのウィルスに対しても有効である。 それ 故、 本発明の抗ウィルス配合剤は、 特に抗 H I V薬として有用である。