JP5548197B2 - レトロウイルスの集合及び成熟の小分子阻害剤 - Google Patents

レトロウイルスの集合及び成熟の小分子阻害剤 Download PDF

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Description

本願は、2009年8月8に出願された米国仮特許出願第61/087,574号の米国特許法§119(e)に基づく利益を主張する。この仮特許出願の全内容は参照により本明細書中に援用される。
ヒト免疫不全症ウイルス1型(HIV−1)は、後天性免疫不全症候群(AIDS)を引き起こす病原体である。AIDS Epidemic Update(UNAIDS,December 2007)によれば、特にサハラ砂漠以南のアフリカ及び東南アジアにおいて、約3千6百万人がHIV−1に感染している。高活性抗レトロウイルス療法(HAART)の導入は、HIV−1感染者における罹患率及び死亡率の減少にかなり寄与している。しかし、患者が生じる薬剤耐性は、利用可能な治療選択肢を著しく制限している。生じた薬剤耐性、及び最近の臨床試験における幾つかの療法の失敗は、治療範囲を広め、治療抵抗性のHIV−1変異体の発生を抑制する、新しいクラスの抗HIV−1薬を開発するためにより新しい標的を特定し、利用する重大な必要性を強調している。
HIV−1感染は、宿主細胞へのウイルスの付着、ウイルスRNAからDNAへの遺伝物質の逆転写、ウイルスDNAと宿主DNAの統合、DNAからのウイルスRNAの複製、ウイルスタンパク質を産生するウイルスRNAの翻訳、ウイルスタンパク質の切断、ウイルスタンパク質の集合及びパッケージング、並びに宿主細胞からの出芽を伴う。
宿主免疫細胞のHIV−1感染は、まず、細胞膜へのウイルスの付着を必要とする。すべての生細胞の表面膜には、「受容体」と呼ばれる複合タンパク質構造が存在する。受容体は、特定の鍵、すなわち「リガンド」が差し込まれる鍵にしばしばたとえられる。宿主膜上の受容体にビリオンが付着することによって融合することができ、ウイルスRNAを含めたウイルス内容物が細胞質中に注入される。ヒト細胞に感染する他のウイルス同様、HIV−1は、宿主の機構を奪い取り、自身の複数のコピーを作製する。RNAが複製され、タンパク質に翻訳されると、ウイルスRNAと関連タンパク質がパッケージされ、細胞膜の小片を伴って宿主細胞から放出される。
HIV−1ゲノムには9個の遺伝子しかない。これらの遺伝子は、ウイルスコア並びに逆転写酵素、インテグラーゼ及びプロテアーゼのような酵素などの構造タンパク質を産生するのに必要なコードを有する。最も重要な遺伝子の一つであるgag遺伝子は、HIV−1の重要な構造タンパク質であるGagタンパク質をコードする。HIV−1に感染したヒト細胞においては、ウイルスGagタンパク質は、原形質膜において新生ウイルス粒子の集合を誘導し、したがって、レトロウイルスの集合を中断させるための良好な標的である。
本開示は、治療有効量の式Iの化合物又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステルを含む、薬剤組成物を記述する。
式中、R及びRは独立に、(C1〜6)アルキル、置換又は非置換(C1〜6)アルキル、置換又は非置換(C1〜6)アルコキシ、置換又は非置換フェニル、置換又は非置換ベンジル、置換又は非置換ベンジルオキシ、置換又は非置換アルキルフェニル、置換又は非置換アミノフェニル、シクロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換複素環、及び置換又は非置換アルキル複素環からなる群から選択される部分であり、Rは、H及び置換又は非置換(C1〜6)アルキルからなる群から選択される部分であり、ZはC=O、C=S又はS(=O)=Oであり、T、U、V、W及びXは、CR又はNから独立に選択され、式中、Rは、水素、置換又は非置換(C1〜6)アルキル、置換又は非置換(C1〜6)アルコキシ、ヒドロキシルアルキル、ハロゲン、ニトリル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、アルキルアミノスルホニル、置換又は非置換アリールアミノスルホニル、置換又は非置換フェニル、及び置換又は非置換ベンジルからなる群から選択される部分である。一部の実施形態においては、化合物は、表1の化合物群から選択される。別の実施形態においては、組成物は、表1の少なくとも2種類の化合物を含む。
本開示は、治療有効量の式IIの化合物又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステルを含む、薬剤組成物も記述する。
式中、Rは、水素、置換又は非置換(C1〜6)アルキル、置換又は非置換(C1〜6)アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ニトリル、ニトロ、アミノ、スルホニル、スルホンアミドからなる群から選択される部分であり、Rは、置換又は非置換(C1〜6)アルキル、置換又は非置換(C1〜6)アルコキシ、カルボキシル、アルキルアミノスルホニル、置換又は非置換アリールアミノスルホニル、置換又は非置換フェニル、置換又は非置換ベンジル、置換又は非置換ベンジルオキシ、置換又は非置換アルキルフェニル、置換又は非置換アミノフェニル、シクロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換複素環、及び置換又は非置換アルキル複素環からなる群から選択される部分であり、A、V、W、X及びYは、CR又はNから独立に選択され、式中、Rは、水素、(C1〜6)アルキル、置換又は非置換(C1〜6)アルキル、置換又は非置換(C1〜6)アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ニトリル、アミノ、ニトロからなる群から選択される部分である。一部の実施形態においては、化合物は、表2の化合物群から選択される。別の実施形態においては、組成物は、表1及び2から選択される少なくとも2種類の化合物を含む。
本組成物は、1種類以上の薬学的に許容される賦形剤及び/又は1種類以上の追加の治療薬も含むことができる。
本システム及び方法は、HIV−1集合及び複製を中断させる方法も対象とする。これらの方法は、薬学的有効量の式I若しくは式IIの化合物又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステルを含む薬剤組成物を細胞に投与することを含み得る。これらの方法は、表1及び2に開示したものを含めて、本明細書に開示する組成物のいずれかを利用し得る。
これらの方法は、逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、融合阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、ケモカイン受容体(CXCR4、CCR5)阻害剤、インターロイキン2、ヒドロキシ尿素、モノクローナル抗体、サイトカイン及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種類の追加の治療薬と一緒に、式I及び/又は式IIの化合物を投与することを更に含み得る。例えば、本発明は以下を提供する:
(項目1)
ヒト免疫不全症ウイルスの阻害剤又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステルを含む薬剤組成物であって、前記阻害剤が以下の構造
(式中、R 及びR は独立に、(C 1〜6 )アルキル、置換又は非置換(C 1〜6 )アルキル、置換又は非置換(C 1〜6 )アルコキシ、置換又は非置換フェニル、置換又は非置換ベンジル、置換又は非置換ベンジルオキシ、置換又は非置換アルキルフェニル、置換又は非置換アミノフェニル、シクロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換複素環、及び置換又は非置換アルキル複素環からなる群から選択される部分であり、
は、H及び置換又は非置換(C 1〜6 )アルキルからなる群から選択される部分であり、
ZはC=O、C=S又はS(=O)=Oであり、
T、U、V、W及びXは、CR 又はNから独立に選択され、式中、R は、水素、置換又は非置換(C 1〜6 )アルキル、置換又は非置換(C 1〜6 )アルコキシ、ヒドロキシルアルキル、ハロゲン、ニトリル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、アルキルアミノスルホニル、置換又は非置換アリールアミノスルホニル、置換又は非置換フェニル、及び置換又は非置換ベンジルからなる群から選択される部分である)
を有する、組成物。
(項目2)
前記阻害剤が、以下:
からなる群から選択される、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記阻害剤が以下の構造を有する、項目1に記載の組成物。
(項目4)
少なくとも1種類の薬学的に許容される賦形剤を更に含む、項目1に記載の組成物。
(項目5)
少なくとも1種類の追加の治療有効薬を更に含む、項目1に記載の組成物。
(項目6)
ヒト免疫不全症ウイルスの阻害剤又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステルを含む薬剤組成物であって、前記阻害剤が以下の構造
(式中、R1は、水素、置換又は非置換(C 1〜6 )アルキル、置換又は非置換(C 1〜6 )アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ニトリル、ニトロ、アミノ、スルホニル、スルホンアミドからなる群から選択される部分であり、
R2は、置換又は非置換(C 1〜6 )アルキル、置換又は非置換(C 1〜6 )アルコキシ、カルボキシル、アルキルアミノスルホニル、置換又は非置換アリールアミノスルホニル、置換又は非置換フェニル、置換又は非置換ベンジル、置換又は非置換ベンジルオキシ、置換又は非置換アルキルフェニル、置換又は非置換アミノフェニル、シクロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換複素環、及び置換又は非置換アルキル複素環からなる群から選択される部分であり、
A、V、W、X及びYは、CR3又はNから独立に選択され、式中、R3は、水素、(C 1〜6 )アルキル、置換又は非置換(C 1〜6 )アルキル、置換又は非置換(C 1〜6 )アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ニトリル、アミノ、ニトロからなる群から選択される部分である)
を有する、薬剤組成物。
(項目7)
前記阻害剤が、以下:
からなる群から選択される、項目6に記載の組成物。
(項目8)
前記阻害剤が以下の構造:
を有する、項目6に記載の組成物。
(項目9)
少なくとも1種類の薬学的に許容される賦形剤を更に含む、項目6に記載の組成物。
(項目10)
少なくとも1種類の追加の治療有効薬を更に含む、項目6に記載の組成物。
(項目11)
HIVの集合及び複製を中断させる方法であって、
薬学的有効量の式Iの化合物又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステルを含む薬剤組成物を、HIVの集合及び複製の中断を必要とする患者に投与すること
(式中、R 及びR は個々に、(C 1〜6 )アルキル、置換又は非置換(C 1〜6 )アルキル、置換又は非置換(C 1〜6 )アルコキシ、置換又は非置換フェニル、置換又は非置換ベンジル、置換又は非置換ベンジルオキシ、置換又は非置換アルキルフェニル、置換又は非置換アミノフェニル、シクロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換複素環、及び置換又は非置換アルキル複素環からなる群から選択される部分であり、
は、H及び置換又は非置換(C 1〜6 )アルキルからなる群から選択される部分であり、
ZはC=O、C=S又はS(=O)=Oであり、
T、U、V、W及びXは、CR 又はNから独立に選択され、式中、R は、水素、置換又は非置換(C 1〜6 )アルキル、置換又は非置換(C 1〜6 )アルコキシ、ヒドロキシルアルキル、ハロゲン、ニトリル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、アルキルアミノスルホニル、置換又は非置換アリールアミノスルホニル、置換又は非置換フェニル、及び置換又は非置換ベンジルからなる群から選択される部分である。)、及び
HIVの集合及び複製を中断させること
を含む、方法。
(項目12)
逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、融合阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、ケモカイン受容体(CXCR4、CCR5)阻害剤、インターロイキン2、ヒドロキシ尿素、モノクローナル抗体及びサイトカインからなる群から選択される少なくとも1種類の追加の治療薬を投与することを更に含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
HIVの集合及び複製を中断させる方法であって、
薬学的有効量の式IIの化合物又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステルを含む薬剤組成物を、HIVの集合及び複製の中断を必要とする患者に投与すること
(式中、R は、水素、置換又は非置換(C 1〜6 )アルキル、置換又は非置換(C 1〜6 )アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ニトリル、ニトロ、アミノ、スルホニル及びスルホンアミドからなる群から選択される部分であり、
は、置換又は非置換(C 1〜6 )アルキル、置換又は非置換(C 1〜6 )アルコキシ、カルボキシル、アルキルアミノスルホニル、置換又は非置換アリールアミノスルホニル、置換又は非置換フェニル、置換又は非置換ベンジル、置換又は非置換ベンジルオキシ、置換又は非置換アルキルフェニル、置換又は非置換アミノフェニル、シクロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換複素環、及び置換又は非置換アルキル複素環からなる群から選択される部分であり、
A、V、W、X及びYは、CR 又はNから独立に選択され、式中、R は、水素、(C 1〜6 )アルキル、置換又は非置換(C 1〜6 )アルキル、置換又は非置換(C 1〜6 )アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ニトリル、アミノ、ニトロからなる群から選択される部分である。)、及び
HIV−1の集合及び複製を中断させること
を含む、方法。
(項目14)
逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、融合阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、ケモカイン受容体(CXCR4、CCR5)阻害剤、インターロイキン2、ヒドロキシ尿素、モノクローナル抗体及びサイトカインからなる群から選択される少なくとも1種類の追加の治療薬を投与することを更に含む、項目13に記載の方法。
図1A〜図1Cは、NYAD−S6の非存在下(対照)および存在下でのHIV−1のカプシドタンパク質(CA)のin vitro集合に起因する成熟ウイルス様粒子のネガティブ染色された電子顕微鏡法(EM)イメージである。 図1D〜図1Gは、NYAD−S8の非存在下(対照)および存在下でのHIV−1のカプシドタンパク質(CA)のin vitro集合に起因する成熟ウイルス様粒子のネガティブ染色された電子顕微鏡法(EM)イメージである。 図2A〜図2Dは、HIV−1の成熟粒子の形成の中断に対する細胞アッセイにおけるNYAD−S6の効果を示す図である。
用語の定義
以下の用語の定義を、読者に役立つ参考として提供する。本明細書で使用する用語は、本開示に関係するので特定の意味を有する。用語をその通常の一般的な意味に従って使用するためにあらゆる努力がなされた。しかし、一般的な通常の意味と以下の定義に矛盾が存在する場合、これらの定義が一般的な用法に取って代わる。
本明細書では「脂環式」という用語は、脂肪族化合物と環状化合物の諸性質を兼ね備えた化合物を指し、1個以上の官能基で場合によっては置換された、環式又は多環式の脂肪族炭化水素及び架橋シクロアルキル化合物を含むが、それだけに限定されない。当業者には理解されるように、「脂環式」は、それだけに限定されないが、1個以上の官能基で場合によっては置換された、シクロアルキル、シクロアルケニル及びシクロアルキニル部分を含むことが本明細書では意図される。したがって、例示的な脂環式基としては、例えば、1個以上の置換基を有し得る、シクロプロピル、−CH2−シクロプロピル、シクロブチル、−CH2−シクロブチル、シクロペンチル、−CH2−シクロペンチル−n、シクロヘキシル、−CH2−シクロヘキシル、シクロヘキセニルエチル、シクロヘキサニルエチル、ノルボルニル(norborbyl)部分などが挙げられるが、それだけに限定されない。
本明細書では「脂肪族」という用語は、1個以上の官能基で場合によっては置換された、飽和と不飽和の両方の直鎖(すなわち、非分枝)又は分枝脂肪族炭化水素を含む。当業者には理解されるように、「脂肪族」は、それだけに限定されないが、アルキル、アルケニル、アルキニル部分を含むことが本明細書では意図される。したがって、本明細書では「アルキル」という用語は、直鎖及び分枝アルキル基を含む。同様の規則が「アルケニル」、「アルキニル」などの他の総称にも当てはまる。さらに、本明細書では「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」などの用語は、置換及び非置換の基の両方を包含する。ある実施形態においては、本明細書では「低級アルキル」は、約1〜6個の炭素原子を有する(置換、非置換、分枝又は非分枝)アルキル基を示すのに使用され、一部の実施形態においては、この用語は、約1〜3個の炭素原子を有する基を指し得る。ある実施形態においては、使用されるアルキル、アルケニル及びアルキニル基は、約1〜20個の脂肪族炭素原子を含む。ある別の実施形態においては、使用されるアルキル、アルケニル及びアルキニル基は、約1〜10個の脂肪族炭素原子を含む。更に別の実施形態においては、使用されるアルキル、アルケニル及びアルキニル基は、約1〜8個の脂肪族炭素原子を含む。更に別の実施形態においては、使用されるアルキル、アルケニル及びアルキニル基は、約1〜6個の脂肪族炭素原子を含む。更に別の実施形態においては、使用されるアルキル、アルケニル及びアルキニル基は、約1〜4個の脂肪族炭素原子を含む。したがって、例示的な脂肪族基としては、例えば、1個以上の置換基を有していてもよい、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、アリル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル(bulyl)、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル部分などが挙げられるが、それだけに限定されない。例示的なアルケニル基としては、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、l−メチル−2−ブテン−l−イルなどが挙げられるが、それだけに限定されない。代表的なアルキニル基としては、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロ[ロ]イニルなどが挙げられるが、それだけに限定されない。
本明細書では「アルコキシ」又は「アルキルオキシ」という用語は、酸素原子を介して親分子部分に結合した、前に定義したアルキル基を指す。ある実施形態においては、アルキル基は、約1〜20個の脂肪族炭素原子を含む。ある別の実施形態においては、アルキル基は、約1〜10個の脂肪族炭素原子を含む。更に別の実施形態においては、アルキル基は、約1〜8個の脂肪族炭素原子を含む。更に別の実施形態においては、アルキル基は、約1〜6個の脂肪族炭素原子を含む。更に別の実施形態においては、アルキル基は、約1〜4個の脂肪族炭素原子を含む。アルコキシ基の例としては、メトキシ(melhoxy)、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、ネオペントキシ及びn−ヘキソキシが挙げられるが、それだけに限定されない。
一般に、本明細書では「芳香族部分」という用語は、芳香族性に関するヒュッケル則を満足する少なくとも1個の環を含む、好ましくは3〜14個の炭素原子を有する、安定な置換又は非置換の不飽和単環又は多環状炭化水素部分を指す。芳香族部分の例としては、フェニル、インダニル、インデニル、ナフチル、フェナントリル及びアントラシルが挙げられるが、それだけに限定されない。本明細書に定義された芳香族及び複素環式芳香族部分は、脂肪族(例えば、アルキル)又は複素脂肪族(例えば、ヘテロアルキル)部分を介して結合することができ、したがって、−(脂肪族)芳香族、−(複素脂肪族)芳香族、−(脂肪族)複素環式芳香族、−(複素脂肪族)複素環式芳香族、−(アルキル)芳香族、−(ヘテロアルキル)芳香族、−(アルキル)複素環式芳香族、−(ヘテロアルキル)複素環式芳香族部分などの部分も含むことも理解されるであろう。したがって、本明細書では「芳香族又は複素環式芳香族部分」は、芳香族、複素環式芳香族、−(アルキル)芳香族、−(ヘテロアルキル)芳香族、−(ヘテロアルキル)複素環式芳香族及び−(ヘテロアルキル)複素環式芳香族と区別なく使用することができる。置換基としては、安定な化合物の形成をもたらす本明細書に記載の置換基のいずれかが挙げられるが、それだけに限定されない。
「アリール」という用語は、脂肪族(例えば、アルキル)又は複素脂肪族(例えば、ヘテロアルキル)部分を介して結合したものを除いて、上述した芳香族部分を指す。ある実施形態においては、「アリール」とは、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニルなどを含めて、ただしそれだけに限定されない、芳香族性に関するヒュッケル則を満足する1又は2個の環を有する単環又は二環式炭素環系を指す。アリール及びヘテロアリール部分の置換基としては、安定な化合物の形成をもたらす、上記置換基、すなわち、本明細書に開示する脂肪族部分又は別の部分について列挙された置換基のいずれかが挙げられるが、それだけに限定されない。
本明細書では「シクロアルキル」という用語は、3から7個の炭素原子を有する環式アルキル基を指す。適切なシクロアルキルとしては、脂肪族、複素脂肪族又は複素環式部分の場合と同様に場合によっては置換されていてもよい、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられるが、それだけに限定されない。同様の規則が「シクロアルケニル」、「シクロアルキニル」などの他の総称にも当てはまる。
本明細書では「エステル」は、本明細書に記載の化合物の任意の部分上に位置するカルボン酸基から誘導され得る。限定するつもりはないが、エステルは、アルキルエステル、アリールエステル又はヘテロアリールエステルであり得る。
本明細書では「ハロ」及び「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択される原子を指す。
「ハロアルキル」という用語は、そのアルキル基に結合した1、2又は3個のハロゲン原子を有するアルキル基を表し、それだけに限定されないが、クロロメチル、ブロモエチル、トリフルオロメチルなどの基によって例示される。
「ハロゲン化」という用語は、その部分に結合した1、2又は3個のハロゲン原子を有する部分を表す。
本明細書では「複素脂環式」、「ヘテロシクロアルキル」又は「複素環式」という用語は、複素脂肪族と環状化合物の諸性質を兼ね備えた化合物を指し、本明細書に定義された、1個以上の官能基で場合によっては置換された、モルホリノ、ピロリジニル、フラニル、チオフラニル、ピロリルなどの飽和及び不飽和の単環又は多環式複素環を含むが、それだけに限定されない。ある実施形態においては、「複素環式」という用語は、酸素、硫黄及び窒素から独立に選択される1から3個のヘテロ原子を有する非芳香族5、6若しくは7員環又は縮合6員環を含む二若しくは三環式基を含めて、ただしそれだけに限定されない、多環式基を指す。ここで、(i)各5員環はゼロから2個の二重結合を有し、各6員環はゼロから2個の二重結合を有し、(ii)窒素及び硫黄ヘテロ原子は場合によっては酸化されていてもよく、(iii)窒素ヘテロ原子は場合によっては四級化されていてもよく、(iv)上記複素環のいずれかは、アリール又はヘテロアリール環に縮合していてもよい。代表的な複素環としては、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル(morpholmyl)、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル及びテトラヒドロフリルが挙げられるが、それだけに限定されない。さらに、一部の実施形態においては、上記及び本明細書の脂環式又は複素脂環式部分のいずれかは、それと縮合したアリール又はヘテロアリール部分を含み得ることが理解されるであろう。一般に適用可能な置換基の追加の例は、本明細書に記載の表及び実施例に示す具体的実施形態によって説明される。
本明細書では「複素脂肪族」という用語は、主鎖中の1個以上の炭素原子がヘテロ原子で置き換わった脂肪族部分を指す。したがって、複素脂肪族基とは、1個以上の酸素、硫黄、窒素、リン又はケイ素原子を、すなわち炭素原子の代わりに、含む脂肪族鎖を指す。したがって、本明細書では、複素脂肪族主鎖中に少なくとも1個の窒素原子を有する1〜6原子の複素脂肪族リンカーは、少なくとも1個の炭素原子が窒素原子で置き換えられ、残りの5個の炭素原子の任意の1個以上が酸素、硫黄、窒素、リン又はケイ素原子で置き換えられていてもよい、炭素脂肪族鎖を指す。本明細書では、複素脂肪族主鎖中に少なくとも1個の窒素原子を有する1原子の複素脂肪族リンカーとは、−NH−又はNR−を指す。ここで、Rは脂肪族、複素脂肪族、アシル、芳香族、複素環式芳香族又は窒素保護基である。複素脂肪族部分は、分枝状でも線状非分枝状でもよい。一部の実施形態においては、複素脂肪族部分は、その上の水素原子の1個以上が、上記置換基のいずれかを含めた1個以上の部分で独立に置き換えられることによって、置換される。
本明細書では「複素環式芳香族部分」という用語は、芳香族性に関するヒュッケル則を満足する少なくとも1個の環を含む、好ましくは3〜14個の炭素原子を有する、安定な置換又は非置換の不飽和複素単環式又は複素多環式炭化水素部分を指す。複素環式芳香族部分の例としては、ピリジル、キノリニル、ジヒドロキノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ジヒドロキナゾリル(quinazolyl)及びテトラヒドロキナゾリルが挙げられるが、それだけに限定されない。本明細書に定義された芳香族及び複素環式芳香族部分は、脂肪族(例えば、アルキル)又は複素脂肪族(例えば、ヘテロアルキル)部分を介して結合することができ、したがって、−(脂肪族)芳香族、−(複素脂肪族)芳香族、−(脂肪族)複素環式芳香族、−(複素脂肪族)複素環式芳香族、−(アルキル)芳香族、−(ヘテロアルキル)芳香族、−(アルキル)複素環式芳香族、−(ヘテロアルキル)複素環式芳香族部分などの部分も含むことも理解されるであろう。したがって、本明細書では「芳香族又は複素環式芳香族部分」は、芳香族、複素環式芳香族、−(アルキル)芳香族、−(ヘテロアルキル)芳香族、−(ヘテロアルキル)複素環式芳香族及び−(ヘテロアルキル)複素環式芳香族と区別なく使用することができる。置換基としては、安定な化合物の形成をもたらす上記置換基のいずれかが挙げられるが、それだけに限定されない。
本明細書では「ヘテロアリール」という用語は、脂肪族(例えば、アルキル)又は複素脂肪族(例えば、ヘテロアルキル)部分を介して結合したものを除いて、上述した複素環式芳香族部分を指す。本開示のある実施形態においては、「ヘテロアリール」という用語は、約5から約10個の環原子を有し、そのうち1個の環原子が硫黄、酸素及び窒素から選択され、ゼロ、1又は2個の環原子が硫黄、酸素及び窒素から独立に選択される追加のヘテロ原子であり、残りの環原子が炭素である、環式不飽和基を指す。この環式不飽和基は、例えば、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニルなどのように、任意の環原子を介して分子の残りの部分に結合している。アリール及びヘテロアリール部分の置換基としては、安定な化合物の形成をもたらす、上記置換基、すなわち、本明細書に開示する脂肪族部分又は別の部分について列挙された置換基のいずれかが挙げられるが、それだけに限定されない。
「HIVカプシド」又は「カプシド」という用語は、約1500個のGagポリペプチドで構成される秩序のある正二十面体の粒子を指し、その中に、通常はHIV−1特異的ゲノム材料及び酵素が収容される。カプシドは、まず未成熟構造として形成され、その後HIV特異的プロテアーゼによって媒介される「成熟」現象を経る。HIV特異的プロテアーゼは、未成熟カプシドを形成するGagポリペプチドをより小さいタンパク質に切断する。それによって、カプシド形状は成熟した錐状カプシドに変化する。
本明細書では「阻害する」、「阻害」、「阻害性」及び「阻害活性」という用語は、患者の生存可能性を延長することができるように、HIVの集合、成熟及び複製活性を遅くする、減少させる、妨げる、抑止する、又は抑制することを指す。一部の実施形態においては、請求項にかかる組成物は、レトロウイルス活性を90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%又は10%抑制し得る。IC50は、阻害の有効性の容認された尺度であることが当業者に十分理解されている。この尺度は、特定の物質が特定の活性を50%減少又は阻害するのにどれだけ必要であるかを示す。
本明細書では「薬学的に許容される誘導体」とは、患者に投与すると本明細書に記載の化合物又はその代謝産物若しくは残基を(直接的又は間接的に)与える、開示化合物の任意の薬学的に許容される塩、エステル、若しくはかかるエステルの塩、又は任意の他の付加体若しくは誘導体を表す。薬学的に許容される誘導体としては、とりわけプロドラッグが挙げられる。
本明細書では「薬学的に許容される塩」又は「塩」という用語は、当業者には理解されるように、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなく、ヒト及び他の動物の組織と接触して使用するのに適しており、妥当な利点/リスク比に相応した塩を指す。多数の薬学的に許容される塩が当分野で周知である。例えば、S.M.Berge等は、参照によりその全体を本明細書に援用するJ.Pharmaceutical Sciences,66:1−19,1977において、薬学的に許容される塩を詳述している。本明細書に開示する化合物の薬学的に許容される塩としては、適切な無機及び有機の酸及び塩基から誘導される塩が挙げられる。薬学的に許容される塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩が挙げられ、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、過塩素酸などの無機酸、若しくは酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、マロン酸などの有機酸と一緒に、又はイオン交換などの当分野で用いられる別の方法を使用することによって、形成されるアミノ基の塩が挙げられるが、それだけに限定されない。他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類塩が挙げられる。本開示は、本明細書に開示する化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級化も予見する。水溶性若しくは油溶性又は水分散性若しくは油分散性の生成物をかかる四級化によって得ることができる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。さらに、薬学的に許容される塩としては、適宜、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩などの対イオンを使用して形成される無毒のアンモニウム、第四級アンモニウム及びアミンカチオンが挙げられる。
本明細書では「プロドラッグ」とは、投与後に治療有効化合物に変換される化合物を指す。この用語は、当分野で一般に理解されるように本明細書では広義に解釈すべきである。本記述の範囲を限定するものではないが、変換は、エステル基又はある別の生物学的に不安定な基の加水分解によって起こり得る。一般に、ただし必ずしもそうではないが、プロドラッグは、不活性であり、又はそれが変換される治療有効化合物よりも低活性である。本明細書に開示する化合物のエステルプロドラッグが企図される。
一般に、「小分子」は、サイズが約5キロダルトン(kD)未満の有機分子であると当業者には理解される。一部の実施形態においては、小分子は、約3kD、2kD又は1kD未満である。一部の実施形態においては、小分子は約800ダルトン(D)、600D、500D、400D、300D、200D又は100D未満である。一部の実施形態においては、小分子は非重合体である。一部の実施形態においては、小分子はタンパク質でも、ペプチドでも、アミノ酸でもない。一部の実施形態においては、小分子は、核酸でもヌクレオチドでもない。一部の実施形態においては、小分子は糖類でも多糖でもない。
本明細書では「安定な」という用語は、検出するのに十分な期間、好ましくは本明細書に詳述する目的に有用である十分な期間、化合物の完全性を維持するのに十分な安定性又は耐久性を有する化合物を指す。
本明細書に記載の化合物は、任意の数の置換基又は官能部分で「置換」し得る。一般に、「置換」という用語は、「場合によっては」という用語が前に付いていてもいなくても、所与の構造中の水素ラジカルが特定の置換基のラジカルで置き換えられることを指す。「非置換」という用語は、水素が依然として存在し、置換されていない構造を指す。任意の所与の構造における1つを超える位置は、特定の基から選択される1個を超える置換基で置換し得る。置換基は、位置ごとに同じでも異なってもよい。本明細書では「置換された」という用語は、有機化合物のすべての許容される置換基を含むことが企図される。広範な一態様においては、許容される置換基としては、有機化合物の非環式及び環式、分枝及び非分枝、炭素環式、複素環式、芳香族及び非芳香族、炭素及びヘテロ原子置換基が挙げられるが、それだけに限定されない。
この開示では、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基、及び/又はヘテロ原子の原子価を満たす本明細書に記載の有機化合物の任意の許容される置換基を有し得る。さらに、この開示は、有機化合物の許容される置換基によって限定されることを意図するものでは決してない。本開示によって予見される置換基及び変数の組合せは、好ましくは、本明細書に記載の目的に有用である安定な化合物の形成をもたらす組合せである。置換基の例としては、脂肪族、複素脂肪族、脂環式、複素脂環式、芳香族、複素環式芳香族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアルキルチオ、ヘテロアリールチオ、F、Cl、Br、I、−NO、−CN、−CF、−CHCF、−CHCl、−CHOH、−CHCHOH、−CHNH、−CHSOCH又は−GRGIが挙げられるが、それだけに限定されない。式中、Gは、−O−、−S−、NRG2−、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(=O)O−、−C(=O)NRG2−、−OC(=O)−、−NRG2C(=O)−、−OC(=O)O−、−OC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)O−、−NRG2C(=O)NRG2−、−C(=S)−、−C(=S)S−、−SC(=S)−、−SC(=S)S−、−C(=NRG2)−、−C(=NRG2)O−、−C(=NRG2)NRG3−、−OC(=NRG2)、−NRG2C(=NRG3)−、−NRG2SO−、−NRG2SONRG3−又は−SONRG2−であり、RG1、RG2及びRG3の各存在は、水素、ハロゲン、又は場合によっては置換された脂肪族、複素脂肪族、脂環式、複素脂環式、芳香族、複素環式芳香族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール若しくはアルキルヘテロアリール部分を独立に含むが、それだけに限定されない。一般に適用可能な置換基の更なる例は、本明細書に記載の具体的実施形態によって説明される。
「治療有効量」又は「薬学的有効量」という用語は、HIV感染及び/又は1種類以上の関連疾患、障害若しくは症状に罹患した又は感受性の被験体に投与したときに、HIV感染及び/又は関連疾患(単数又は複数)、障害(単数又は複数)若しくは症状(単数又は複数)を治療するのに十分な組成物量を意味する。
本明細書では「チオアルキル」という用語は、硫黄原子を介して親分子部分に結合した、前に定義したアルキル基を指す。ある実施形態においては、アルキル基は、約1〜20個の脂肪族炭素原子を含む。ある別の実施形態においては、アルキル基は、約1〜10個の脂肪族炭素原子を含む。更に別の実施形態においては、アルキル基は、約1〜8個の脂肪族炭素原子を含む。更に別の実施形態においては、アルキル基は、約1〜6個の脂肪族炭素原子を含む。更に別の実施形態においては、アルキル基は、約1〜4個の脂肪族炭素原子を含む。チオアルキル基の例としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ及びn−ブチルチオが挙げられるが、それだけに限定されない。
本明細書では「治療する」、「治療」又は「治療すること」という用語は、特定の疾患、障害又は症状(例えば、HIV感染)の1つ以上の症候又は特徴を部分的又は完全に緩和する、阻止する、防止する、治す、発症を遅らせる、発生率を低下させる、改善する及び/又は軽減することを指す。
本明細書では「脂肪族」、「複素脂肪族」、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、「ヘテロアルキニル」など、ただしそれだけに限定されない用語は、置換及び非置換、飽和及び不飽和並びに線状及び分枝基を包含することが理解されるであろう。同様に、「脂環式」、「複素環式」、「ヘテロシクロアルキル」、「複素環」など、ただしそれだけに限定されない用語は、置換及び非置換の飽和及び不飽和基を包含する。さらに、単独で又はより大きい部分の一部として使用される、「シクロアルキル」、「シクロアルケニル」、「シクロアルキニル」、「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロシクロアルケニル」、「ヘテロシクロアルキニル」、「芳香族」、「複素環式芳香族」、「アリール」、「ヘテロアリール」など、ただしそれだけに限定されない用語は、置換された基と非置換の基の両方を包含する。
発明の詳細説明
Gagポリタンパク質は、感染性ヒト免疫不全症ウイルス1(HIV−1)の集合及び出芽に必要である。HIV−1の集合は、一般に、Gagポリタンパク質の制御重合によって起こると考えられる。Gagポリタンパク質は、原形質膜に輸送され、そこで集合が起こる。次いで、ウイルス粒子が形成され、球状の未成熟非感染性粒子として出芽する。出芽直後に、粒子は、成熟として知られるプロセスを経る。この成熟段階中に、Gagタンパク質は、ウイルスプロテアーゼによって順次切断され、粒子形態の劇的な変化を誘発し、円錐状カプシドに包囲された高電子密度のコアが形成される。Gagタンパク質は、ウイルスプロテアーゼによってマトリックス(MA)、カプシド(CA)、ヌクレオカプシド(NC)、p6ドメイン、及び2種類のスペーサータンパク質P1とP2に順次切断される。
カプシドタンパク質は、Gag分解産物であり、ウイルスゲノムを包囲するウイルスの円錐状コアの形成に中心的役割を果たす。カプシドは、幾つかのホモ又はヘテロポリマータンパク質を形成する多数のサブユニットで構成される。1個のサブユニットからの伸長ポリペプチド鎖は、隣接サブユニットのドメインまで伸長することがあり、塩橋、水素結合及び疎水性相互作用によってカプシドの安定化を助ける。成熟カプシド形成は、ウイルスの集合及び成熟に重要であり、したがって、カプシド機能の中断は、新世代HIV−1療法の開発の有望な標的である。(CAとも呼ばれる)主要カプシドタンパク質p24は、N末端ドメイン(NTD)とC末端ドメイン(CTD)からなる疎水性タンパク質である。
HIV−1集合を中断させる幾つかのペプチド及び小分子としては、小分子阻害剤CAP−1、CAP−2、PA−457及びカプシド集合阻害剤(CAI)が挙げられる。これらの化合物は、ウイルスの安定性及び/又は集合に影響を及ぼす。CAP−1は、ウイルス感染性アッセイにおいて用量依存的なHIV−1阻害を示したが、低結合親和性(K約800μM)であった。CAP−2は細胞傷害性であった。PA−457は、細胞培養において低nM抗ウイルス力を示した。CAIは、HIV−1集合をin vitroで中断させるのに成功したが、細胞透過性がなく、したがって実行可能な薬物候補ではない。
成熟カプシドの形成は、ウイルス感染性において重要であり、ウイルスの集合、成熟及び侵入後早期段階において極めて重要な役割を果たす。NTD又はCTDの変異は、ウイルスの集合及び放出に欠陥をもたらし、最終的にウイルス感染性を阻害し得る。NTDは、シクロフィリンAに結合し、ウイルスコア形成に重要である。CTDは、ウイルスの集合に不可欠であるGagオリゴマー化の重要な決定要因を含む。CTDは、主要相同性領域(MHR)として知られるGagの最も保存されたセグメントも含む。単離されたカプシドCTDは、溶液中で二量体を形成する。この二量体は、Gag集合及び成熟における主要な推進力であることが示された。CTDモノマー中の二量体界面残基の変異は、二量体形成を中断させ、カプシドの集合を損ない、ウイルスを非感染性にする。したがって、カプシドCTDは、ウイルスの集合及び成熟に重要な役割を果たし、カプシド破壊は、新世代抗HIV−1薬への特に有望な道である。
カプシドCTDと複合されたCAI(上述したように、細胞透過性のない公知ペプチド阻害剤)のX線構造は、疎水性ポケット及び周囲領域に構造的に結合するペプチド系阻害剤の分子詳細を明らかにした。CAIは、αらせん構造を形成し、疎水性ポケットにK約15μMで結合する。
ハイスループットフレキシブルドッキングに基づく仮想スクリーニングは、構造に基づく合理的リード発見(rational lead discovery)のための最新技術である。ドッキング及びスコアリング技術において高精度な改善が急速に蓄積されたことによって、仮想スクリーニングは、リード発見の伝統的方法の魅力的な代替法になった。ドッキングに基づく仮想スクリーニング技術は、スクリーニングされる分子ごとに合成して実験的に試験することなしに、実質的に無数の薬物様分子をサンプリングすることができるので、多数の創薬の取組みの中心的機能になった。
ZINC7データベース(Irwin and Shoichet,J.Chem.Inf.Model.2005;45(1):177−82)が、ドッキングに基づく仮想スクリーニング研究用に選択された。このデータベースは、すぐにドッキングできる段階の約460万のあらかじめ選別された化合物を3次元(3D)形式で含む。自動ドッキングソフトウェアGLIDE8.0(Schroedinger、Portland、OR)をZINCデータベースと併用した。GLIDE8.0は、二段階スコアリングプロセスを適用して、受容体とのその相互作用パターンに基づくリガンドの最適配座及び配向を選別する。
ZINCデータベースからの約40,000種類の薬物様分子をスクリーニングし、200種類の最高スコアのドッキング化合物を3D解析用に選択して、CTDとの最適な相互作用が可能な化合物を特定した。3D解析に基づいて、特定の化合物を実験用に選択した。試験化合物の効力及び選択性に基づいて、追加の類似体を試験して、HIV−1に対する抗ウイルス活性を求めた。
本開示は、HIV−1の集合、成熟及び出芽を妨害する特定の小分子の発見に関する。式I及びIIの小分子並びにその薬学的に許容される塩及びエステルを、細胞培養におけるHIV−1カプシド集合の阻害剤として使用することができる。特に、この新しいクラスの抗HIV−1化合物は、HIV−1カプシドのCTD(アミノ酸146〜231)を標的にする。これらの分子及び作用機序は、新規であり、当業者に現在公知のものとは異なる。
式Iの化合物の種々の置換基及び変数は、以下のように定義される。
及びRは独立に、(C1〜6)アルキル、置換又は非置換(C1〜6)アルキル、置換又は非置換(C1〜6)アルコキシ、置換又は非置換フェニル、置換又は非置換ベンジル、置換又は非置換ベンジルオキシ、置換又は非置換アルキルフェニル、置換又は非置換アミノフェニル、シクロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換複素環、及び置換又は非置換アルキル複素環からなる群から選択される部分である。
は、H及び置換又は非置換(C1〜6)アルキルからなる群から選択される部分である。
ZはC=O、C=S又はS(=O)=Oである。
T、U、V、W及びXは、CR又はNから独立に選択され、式中、Rは、水素、置換又は非置換(C1〜6)アルキル、置換又は非置換(C1〜6)アルコキシ、ヒドロキシルアルキル、ハロゲン、ニトリル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、アルキルアミノスルホニル、置換又は非置換アリールアミノスルホニル、置換又は非置換フェニル、及び置換又は非置換ベンジルからなる群から選択される部分である。
表1は、式Iの幾つかの実施形態の例示であり、化合物の対応するIC50(HIV−1p24の50%阻害を与える化合物濃度)及びCC50(50%細胞傷害を引き起こす化合物濃度)データを含む。式Iの化合物は、表1に示すものに限定されない。
式IIの化合物の種々の置換基及び変数は、以下のように定義される。
式中、Rは、水素、置換又は非置換(C1〜6)アルキル、置換又は非置換(C1〜6)アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ニトリル、ニトロ、アミノ、スルホニル、スルホンアミドからなる群から選択される部分である。
は、置換又は非置換(C1〜6)アルキル、置換又は非置換(C1〜6)アルコキシ、カルボキシル、アルキルアミノスルホニル、置換又は非置換アリールアミノスルホニル、置換又は非置換フェニル、置換又は非置換ベンジル、置換又は非置換ベンジルオキシ、置換又は非置換アルキルフェニル、置換又は非置換アミノフェニル、シクロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換複素環、及び置換又は非置換アルキル複素環からなる群から選択される部分である。
A、V、W、X及びYは、CR又はNから独立に選択され、式中、Rは、水素、(C1〜6)アルキル、置換又は非置換(C1〜6)アルキル、置換又は非置換(C1〜6)アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、ニトリル、アミノ、ニトロからなる群から選択される部分である。
表2は、式IIの幾つかの実施形態の例示であり、化合物の対応するIC50及びCC50データを含む。式IIの化合物は、表2に示すものに限定されない。
本開示は、HIV感染及び/又は関連疾患、障害及び症状の防止及び/又は治療に有用である小分子HIV阻害剤を提供する。より具体的には、本開示の薬剤組成物は、細胞培養及び無細胞環境において、HIVの集合及び複製を中断させるのに有用である。例えば、図1A〜Cは、NYAD−S6の非存在下及び存在下でのCAタンパク質の集合を示す。図1Aは、化合物非存在下でのCAタンパク質の集合を示す。図1Bは、0.5倍モル当量のNYAD−S6を用いたCAタンパク質の集合を示す。図1Cは、1倍モル当量のNYAD−S6の存在下でのCAタンパク質の集合を示す。図から明らかなように、NYAD−S6の存在は、CAタンパク質の集合を大きく抑制する。図1D〜Gは、NYAD−S8の非存在下又は存在下でのCAタンパク質の集合を示す。
別の一例では、図2A〜Dは、NYAD−S6の非存在下及び存在下での成熟粒子形成の細胞を用いた中断を示す。図2Aは、対照であり、NYAD−S6なしの成熟粒子形成を示す。図2B、2C及び2Dは、それぞれ0.4μM、2μM及び10μMのNYAD−S6の存在下での成熟粒子形成を示す。図2A〜Dは、NYAD−S6の存在下での成熟粒子形成の劇的な減少を明瞭に示している。
本明細書に開示する薬剤組成物は、HIV感染リスクのある被験体に、又はHIV感染及び/又は関連疾患、障害若しくは症状に罹患した若しくは感受性の患者に、投与するために処方された治療有効量のHIV−1小分子阻害剤を含む。開示組成物の一部は、少なくとも1種類の薬学的に許容される賦形剤を含み、少なくとも1種類の追加の治療有効薬を場合によっては含み得る。
開示する小分子阻害剤は、遊離した形態で投与することができ、必要に応じて、薬学的に許容されるその誘導体として投与することができる。一部の実施形態においては、開示化合物を塩の形態で投与し、別の実施形態においては、化合物をエステル又はプロドラッグの形態で投与する。
本薬剤組成物用に適切な賦形剤としては、例えば、所望からの特定の投与量に適した、1種類以上の担体、結合剤、充填剤、ビヒクル、崩壊剤、界面活性剤、分散若しくは懸濁助剤、増粘剤若しくは乳化剤、等張化剤、防腐剤、滑沢剤など、又はその組合せが挙げられる。Remington’s Pharmaceutical Sciences,Sixteenth Edition,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)は、薬学的に許容される組成物の処方に使用される種々の担体、及びその調製のための公知技術を開示している。この文献を参照によりその全体を本明細書に援用する。
開示化合物の一部は、1個以上の不斉(キラル)中心を含むことができ、したがって種々の異性体として存在することができる。開示化合物及びその薬剤組成物は、個々の鏡像異性体、ジアステレオマー、幾何異性体若しくは光学異性体の形とすることができ、又は立体異性体の混合物、及び薬学的に許容されるその塩、水和物及びプロドラッグの形とし得る。ある実施形態においては、本開示の化合物は互変異性化合物である。別の実施形態においては、立体異性体又はジアステレオマーの混合物、例えばラセミ混合物を提供することができる。別の実施形態においては、化合物は、Z又はE異性体として存在することができる1個以上の二重結合を有し得る。この開示の化合物及び組成物は、1種類以上の薬学的に許容される賦形剤又は添加剤を含む、薬学的に許容されるその誘導体も包含する。
開示組成物は、非経口、静脈内、皮内、皮下、経口、吸入、経皮、局所、経粘膜、直腸、大槽内、膣内、腹腔内、口腔及び眼内を含めて、ただしそれだけに限定されない任意の望ましい送達経路用に処方し得る。
ある態様においては、非経口、皮内又は皮下製剤は、無菌注射水性懸濁剤又は油性懸濁剤であり得る。許容されるビヒクル、溶液、懸濁液及び溶媒としては、水又は他の無菌希釈剤、食塩水、リンゲル液、塩化ナトリウム、モノ又はジグリセリドなどの不揮発性油、オレイン酸などの脂肪酸、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒、ベンジルアルコールなどの抗菌剤、アスコルビン酸などの抗酸化剤、エチレンジアミン四酢酸などのキレート化剤、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩などの緩衝剤、及び塩化ナトリウム、デキストロースなどの張性調節剤が挙げられるが、それだけに限定されない。
非経口、皮内又は皮下適用用の液剤又は懸濁剤は、1種類以上の以下の成分、すなわち、注射用水、食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの無菌希釈剤、プロピレングリコール又は他の合成溶媒、ベンジルアルコール、メチルパラベンなどの抗菌剤、アスコルビン酸、硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤、エチレンジアミン四酢酸などのキレート化剤、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩などの緩衝剤、及び塩化ナトリウム、デキストロースなどの張性調節剤を含み得る。pHは、塩酸、水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基を用いて調節することができる。非経口調製物は、ガラス又はプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジ又は複数回投与バイアルに封入することができる。
注射用に適切な薬剤組成物としては、無菌水性液剤又は分散液剤、及び無菌注射液又は分散液を即座に調製するための無菌散剤を挙げることができる。静脈内投与の場合、適切な担体としては、食塩水、静菌水、CREMOPHOR EL(登録商標)(BASF、Parsippany、NJ)又はリン酸緩衝食塩水(PBS)が挙げられるが、それだけに限定されない。溶媒又は分散媒は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液状ポリエチレングリコールなど)及びその適切な混合物を含み得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合には報いられる(requited)粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって、維持することができる。微生物の増殖は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって防止することができる。組成物は、例えば、糖、マンニトールなどの多価アルコール、ソルビトール、塩化ナトリウムなどの等張化剤も含み得る。注射用組成物の吸収は、例えばモノステアリン酸アルミニウム、ゼラチンなど、吸収を遅らせる薬剤の添加によって延長させることができる。
経口組成物は、不活性希釈剤又は食用担体を含み得る。経口組成物は、ゼラチンカプセルに封入することができ、又は圧縮して錠剤にすることができる。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分又は類似性質の化合物のいずれかを含むことができる:微結晶セルロース、トラガカントゴム、ゼラチンなどの結合剤、デンプン、ラクトースなどの賦形剤、アルギン酸、Primogel、コーンスターチなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、ステライツ(sterites)などの滑沢剤、コロイド状二酸化ケイ素などの流動化剤、スクロース、サッカリンなどの甘味剤、又はペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジ香味剤などの香味剤。
全身投与は、経粘膜又は経皮手段によることができる。経粘膜又は経皮投与の場合、浸透剤を使用することができる。かかる浸透剤は、当分野で一般に公知であり、例えば、洗浄剤、胆汁酸塩及びフシジン酸誘導体が挙げられる。経皮投与は、生理活性薬剤を含むことができ、当分野で一般に公知の軟膏剤、膏薬、ゲル剤又はクリーム剤に処方することができる。経粘膜投与は、経鼻噴霧剤又は坐剤を使用して実施することができる。
開示するHIV−1小分子阻害剤は、HIV−1感染及び/又は関連疾患、障害及び症状の治療に有用である。少なくとも1種類の小分子阻害剤を含む薬剤組成物は、HIV−1感染に罹患した又は感受性の個体に投与することができる。
小分子阻害剤を含む薬剤組成物は、適切な投与計画に従って治療有効量で投与することができる。当業者には理解されるように、正確な必要量は、被験体の種、年齢及び全身状態、感染の重症度、個々の薬剤(単数又は複数)、並びに投与方法に応じて、被験体ごとに異なり得る。一部の実施形態においては、被験体の体重に基づく薬剤組成物約0.001mg/kgから約50mg/kgを1日1回以上投与して、所望の治療効果を得る。別の実施形態においては、被験体の体重に基づく薬剤組成物約1mg/kgから約25mg/kgを1日1回以上投与して、所望の治療効果を得る。
化合物及び薬剤組成物の全1日用量は、主治医が正しい医学的判断の範囲内で決定することができる。任意の特定の患者又は対象に対する具体的治療有効量レベルは、治療する障害及び障害の重症度、使用する具体的化合物の活性、使用する具体的な組成物、患者又は被験体の年齢、体重、全般的健康状態、性別及び食事、使用する具体的な化合物の投与時間、投与経路及び排出速度、治療期間、使用する具体的な化合物と組み合わせて又は同時に使用される薬物を含めた種々の因子、並びに医学分野で周知である他の因子に応じて決まる。
開示する化合物及び組成物は、併用療法に使用することもできる。すなわち、本開示の化合物及び薬学的に許容される組成物は、少なくとも1種類の別の所望の組成物、療法、治療又は医療処置と同時に、その前に、又はその後に、投与することができる。施される療法の具体的組合せは、主治医が決定することができ、治療と得られる所望の治療効果の整合性を考慮することができる。組み合わせて利用される治療有効薬は、単一の組成物、治療又は手順で一緒に投与することができ、又は別々に投与し得ることが理解されるであろう。
例えば、開示する小分子阻害剤を含む薬剤組成物は、例えば、1種類以上のヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、プロテアーゼ阻害剤(PI)、融合阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、ケモカイン受容体(CXCR4、CCR5)阻害剤及び/又はヒドロキシ尿素を含めて、ただしそれだけに限定されない少なくとも1種類の別のHIV阻害剤と組み合わせて投与し得る。
ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤としては、アバカビル(ABC;ZIAGEN(登録商標))、ジダノシン(ジデオキシイノシン(ddl);VIDEX(登録商標))、ラミブジン(3TC;EPIVIR(登録商標))、スタブジン(d4T;ZERIT(登録商標)、ZERIT XR(登録商標))、ザルシタビン(ジデオキシシチジン(ddC);HIVID(登録商標))、ジドブジン(ZDV、以前はアジドチミジン(AZT)として知られた;RETROVIR(登録商標))、アバカビル、ジドブジン及びラミブジン(TRIZIVIR(登録商標))、ジドブジン及びラミブジン(COMBIVIR(登録商標))、並びにエムトリシタビン(EMTRIVA(登録商標))が挙げられるが、それだけに限定されない。ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤としては、フマル酸テノホビルジソプロキシル(VIREAD(登録商標))が挙げられる。HIV用非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤としては、ネビラピン(VIRAMUNE(登録商標))、メシル酸デラビルジン(RESCRIPTOR(登録商標))及びエファビレンツ(SUSTIVA(登録商標))が挙げられるが、それだけに限定されない。
HIV用プロテアーゼ阻害剤(PI)としては、アンプレナビル(AGENERASE(登録商標))、メシル酸サキナビル(FORTOVASE(登録商標)、INVIRASE(登録商標))、リトナビル(NORVIR(登録商標))、硫酸インジナビル(CRIXIVAN(登録商標))、メシル酸ネルフマビル(nelfmavir)(VIRACEPT(登録商標))、ロピナビル及びリトナビル(KALETRA(登録商標))、アタザナビル(REYATAZ(登録商標))及びホスアンプレナビル(LEXIVA(登録商標))が挙げられる。アタザナビル及びホスアンプレナビル(LEXIVA(登録商標))は、HIV−1感染治療用にU.S.Food and Drug Administration(FDA)によって最近認可された新しいプロテアーゼ阻害剤である(HIV感染用アタザナビル(Reyataz)及びエムトリシタビン(Emtriva)については、www.medletter.comでオンライン利用可能なMedical Letter on Drugs and Therapeutics、aidsinfo.nih.gov/guidelinesでオンライン利用可能なU.S.Department of Health and Human Services(2003).Guidelines for the Use of Antiretroviral Agents in HIV−infected Adults and Adolescentsを参照されたい)。
融合阻害剤は、ウイルスと細胞の融合の発生を防止し、したがってHIV感染及び増殖を防止する。融合阻害剤としては、エンフューヴィルタイド(FUZEON(登録商標))、Lalezari et al.,New England J.Med.,348:2175−2185(2003)及びマラビロク(SELZENTRY(登録商標)、Pfizer)が挙げられるが、それだけに限定されない。
インテグラーゼ阻害剤は、インテグラーゼの作用を遮断し、HIV−1遺伝物質が宿主DNAに組み込まれるのを防止し、それによってウイルス複製を停止させる。インテグラーゼ阻害剤としては、ラルテグラビル(ISENTRESS(登録商標)、Merck)及びエルビテグラビル(GS9137、Gilead Sciences)が挙げられるが、それだけに限定されない。
その代わりに、又はそれに加えて、小分子阻害剤は、1種類以上の抗感染薬(例えば、抗生物質など)、鎮痛剤、又はHIVに直接起因しないが免疫無防備状態の個体に一般に見られる1つ以上の疾患、障害若しくは症状の症候に対処するように意図された別の薬剤と組み合わせて投与することができる。
(実施例1)
in vitro集合及び成熟の阻害を研究するための電子顕微鏡法
in vitro集合を無細胞系と細胞系の両方で研究した。無細胞系は、軽微な変更を加えて既報のように設定された(Huseby et al.,Assembly of human immunodeficiency virus precursor gag proteins;J.Biol Chem,280:17664−17670(2005)、Ganser−Pornillos et al.,Assembly properties of the human immunodeficiency virus type 1 CA protein;J.Virol,78:2545−2552(2004)、及びGross et al.,In vitro assembly properties of purified bacterially expressed capsid proteins of human immunodeficiency virus;Eur.J.Biochem.,249:592−600(1997))。50mM NaHPO、pH8.0を透析緩衝剤として使用した。集合研究に用いた緩衝剤は1.2M NaClも含み、100又は500−Da−MWCO透析チューブ(SPECTRA(登録商標)/Por)をペプチドの透析に使用した。手短に述べると、原料タンパク質をpH8.0のNaHPO緩衝剤で適切な濃度(CAタンパク質の場合50μM)に調節した。様々な用量の化合物NYAD−S6及びNYAD−S8と一緒に4℃で30分間インキュベーション後、試料を1.2M NaClを含むpH8.0のNaHPO緩衝剤で終夜4℃で透析した。ネガティブ染色を使用して、集合を検査した。炭素被覆銅グリッド(200メッシュサイズ、EM Sciences)をポリ−L−リジン(1mg/mL、Sigma)20μLで2分間処理した。反応溶液20マイクロリットルをグリッド上に2分間置いた。次いで、液が置かれたグリッドを酢酸ウラニル溶液30μLで2分間染色した。過剰の染色液を除去し、グリッドを風乾した。試料をPhilips EM410電子顕微鏡で検査した。
精製CAタンパク質が発現され、管状粒子が得られた(図1)。NYAD−S6及びNYAD−S8で処理すると、成熟様粒子が用量依存的に破壊された。0.5倍モル当量のNYAD−S6と一緒にインキュベーション後、管状粒子の完全性は大きく損なわれた(図1B)。1倍モル当量のNYAD−S6と一緒にインキュベーション後、管状粒子の集合は完全に遮断された(図1C)。同様に、0.5倍及び1倍モル当量のNYAD−S8と一緒にインキュベーション後、管状粒子の完全性は大きく損なわれた(図1E及びF)。3倍モル当量のNYAD−S8と一緒にインキュベーション後、管状粒子の集合は完全に遮断された(図1G)。
細胞を用いた系では、Gag−Polをコードするプラスミドを移入した1日後に、ウイルス様粒子(VLP)の放出及び形態に対するNYAD−S6の影響を電子顕微鏡法によって分析した。1ウェル当たり4万個の293T細胞を移入前日に6ウェルプレートに蒔いた。移入4時間後に細胞を2回洗浄し、様々な濃度のNYAD−S6の存在又は非存在下で、完全培地と一緒に更に20時間インキュベートした。次いで、細胞を100mMカコジル酸ナトリウム中の3%グルタルアルデヒドで1時間固定し、100mMカコジル酸ナトリウム中の1%OsOで更に1時間、後固定した。次いで、試料を段階的な一連のエタノール溶液によって脱水し、EPON(登録商標)媒体に包埋した。酢酸ウラニル及びクエン酸鉛で染色後、超薄切片をPhilips EM410電子顕微鏡下で検査した。
Gag−Pol発現ベクターが移入された無処理細胞の場合には、高電子密度コア構造を含む多数の成熟粒子が見られた(図2A)。Gag−Polを発現する細胞を0.4、2及び10μMのNYAD−S6で処理すると、高電子密度コア構造の形成が著しく阻害された(図2B、2C及び2D)。このデータから、NYAD−S6がカプシドを標的にし、Gag−Polを発現する細胞における正常な粒子集合及び成熟を損なうことが確認される。
(実施例2)
HIV−1感染性の阻害
実験室用に改造されたHIV−1系統による感染に対するNYAD−S6、NYAD−S8及びその類似体の阻害活性を、軽微な変更を加えて既報のように測定した(Jiang et al.,Enhancement of human immunodeficiency virus type−1 infection by antisera to peptides from the envelope glycoproteins gp120/gp41;J.Exp.Med.,174:1557−1563(1991))。AZTを正の対照として感染性アッセイに使用した。手短に述べると、10%FBSを含むRPMI1640培地200μL中で、段階的濃度の小分子の存在又は非存在下で、1×10個のMT−2細胞(リンパ球)をHIV−1に100TCID50(50%組織培養感染量、0.01MOI[感染多重度])で終夜感染させた。次いで、培養上清を除去し、新たに調製された試験化合物を含む新しい培地を添加した。感染後4日目に、培養上清100μLを各ウェルから収集し、等体積の5%TRITON X−100(登録商標)と混合し、ELISA(登録商標)によってp24抗原に対して試験した。IC50値をGraphPad Prismソフトウェア(GraphPad Software(登録商標),Inc.)によって計算し、値をIC50<10μMとIC50>10μMとして分類した。
一次HIV−1分離株による感染に対する化合物NYAD−S6、NYAD−S8、NYAD−S17などの選択された強力な小分子阻害剤の阻害活性を既報のように求めた(Jiang et al.,N−substituted pyrrole derivatives as novel human immunodeficiency virus type−1 entry inhibitors that interfere with the gp41 six−helix bundle formation and block virus fusion;Antimicrob.Agents Chemotherapy,48:4349−4359,2004)。末梢血単核細胞(PBMC)をHistopaque−1077(Sigma)を用いた標準密度勾配遠心法によって健康なドナーの血液から単離した。細胞を37℃で2時間培養した。非接着細胞を収集し、10%FBS、5μg/ml PHA及び100U/ml IL−2(Sigma)を含むRPMI−1640培地1ml当たり5×10細胞で再懸濁させ、続いて37℃で3日間インキュベートした。PHAで刺激された細胞(5×10細胞/ウェル)を、段階的濃度の小分子阻害剤の非存在下又は存在下で一次HIV−1分離株に500TCID50(0.01MOI)で感染させた。培地を3日ごとに変え、新たに調製された阻害剤を含む新しい培地で置換した。上清を感染後7日目に収集し、ELISAによってp24抗原に対して試験した。PBMCにおけるp24産生の阻害をある範囲の濃度にわたって測定し、p24産生を50%阻害するのに必要な濃度(IC50)をGraphPad Prismソフトウェアによって計算した。
HIV−1系統に対するNYAD−S6及びその類似体の阻害活性を表1に示した。NYAD−S8及びその類似体の阻害活性を表2に示した。表1及び2の分子は、計算IC50値を含み、IC50<10μMを表すのに「A」を使用し、IC50>10μMを表すのに「B」を使用する。
化合物NYAD−S6、NYAD−S8及びNYAD−S17、類似度検索によって同定されたNYAD−S8の類似体は、広範囲の実験室用に改造されたHIV−1並びに1種類のRT阻害剤耐性分離株及び1種類のプロテアーゼ阻害剤耐性分離株を含めた一次分離株に対しても試験された。これらの化合物は、一貫して強力な活性を示した(表3)。表3の分子は、計算IC50値を含み、IC50<10μMを表すのに「A」を使用し、IC50>10μMを表すのに「B」を使用し、CC50<50μMを表すのに「C」を使用し、IC50>50μMを表すのに「D」を使用する。
(実施例3)
阻害剤の細胞傷害性
MT−2細胞及びPBMCを用いた培養物における小分子の細胞傷害性を、既報(Jiang et al.,2004)のように、水酸化テトラゾリウムXTT(ナトリウム3’−(1−(フェニルアミノ)−カルボニル)−3,4−テトラゾリウム−ビス(4−メトキシ−6−ニトロ)ベンゼンスルホン酸水和物)細胞傷害性アッセイによって測定した。手短に述べると、MT−2細胞の場合、段階的濃度の小分子100μLを96ウェルプレート中の等体積の細胞(5×10細胞/ml)に添加し、続いて37℃で4日間インキュベートした。これは、(培地をウイルスの代わりに添加した以外)MT−2における中和アッセイと同様に行われた。PBMCの場合には、2.5×10細胞/mLを使用し、細胞傷害性を7日後に測定した。XTT(PolySciences,Inc.)の添加後、4時間後に620nmを基準として可溶性細胞内ホルマザンを450nmで比色定量した。CC50値を計算した。
NYAD−S6及びその類似体の細胞傷害性測定を表1に示した。NYAD−S8及びその類似体の細胞傷害性測定を表2に示した。表1及び2の分子は、計算CC50値を含み、CC50<10μMを表すのに「C」を使用し、CC50>10μMを表すのに「D」を使用する。
別段の記載がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量、分子量などの諸性質、反応条件などを表すすべての数値は、すべての場合において「約」という用語によって修飾されることを理解されたい。したがって、それに反しない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載の数値パラメータは、本発明によって得ようとする所望の諸性質に応じて変化し得る近似値である。いずれにせよ、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限しようとするものではないが、各数値パラメータは、少なくとも、報告した有効桁数に照らして、さらに、通常の丸め法を適用することによって、解釈すべきである。本発明の広範な範囲を記述した数値範囲及びパラメータは近似ではあるが、具体例で示した数値はできるだけ正確に報告している。しかし、任意の数値は、それぞれの試験測定において見られる標準偏差に必然的に起因するある誤差を本質的に含む。
本発明の記述に関連して(特に、以下の特許請求の範囲に関連して)使用される「1つの(a、an)」、「前記(the)」という用語及び類似の指示対象は、本明細書で別段の記載がない限り、又は状況が明白に矛盾しない限り、単数と複数の両方を包含すると解釈すべきである。本明細書の数値範囲の列挙は、その範囲内の個別の値を個々に参照する省略表現法として役立つことを単に意図したものにすぎない。本明細書で別段の記載がない限り、個々の値は、本明細書で個々に列挙したかのごとく本明細書に組み入れられる。本明細書に記載したすべての方法は、本明細書で別段の記載がない限り、又は状況が明白に矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書に記載した任意及びすべての実施例又は例示的文言(例えば、「など」)は、単に本発明をより明確にすることを意図したものにすぎず、別途請求する本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる文言も、任意の非請求要素が本発明の実施に不可欠であることを示すと解釈すべきではない。
本明細書に開示する本発明の代替要素又は実施形態のグループ化を限定的なものとして解釈すべきではない。各グループメンバーを、個々に、又はグループの他のメンバー若しくは本明細書の別の要素と任意に組み合わせて、参照し、請求することができる。一グループの1つ以上のメンバーは、便宜上及び/又は特許性上、一グループに含まれ得る、又は一グループから削除され得ることが予期される。任意のかかる包含又は削除が生じたときには、本明細書は、変更されたグループを含むとみなされ、したがって添付の特許請求の範囲で使用されたすべてのマーカッシュ群の書面による記述を満たすものである。
本発明者らが知る本発明を実施するための最良の形態を含めて、本発明の特定の実施形態を本明細書に記載する。これらの記載された実施形態の複数の変形形態が、上記記述を読むことによって当業者に明らかになることは言うまでもない。本発明者は、当業者がかかる変形形態を適宜採用することを予期しており、本発明者らは、本発明が、本明細書に具体的に記述された方法以外の方法で実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用可能な法律によって許容される、本明細書に添付の特許請求の範囲に列挙された主題のすべての改変及び等価物を含む。さらに、すべての可能なその変形形態における上記要素の任意の組合せも、本明細書で別段の記載がない限り、又は状況が明白に矛盾しない限り、本発明に包含される。
本明細書に開示する具体的実施形態は、特許請求の範囲において、文言からなる(consisting of)又は文言から本質的になる(consisting essentially of)を使用して更に限定し得る。移行句「からなる(consisting of)」は、特許請求の範囲において使用するときには、出願の場合でも補正によって追加された場合でも、特許請求の範囲に明記されていない要素、段階又は成分を排除する。移行句「から本質的になる(consisting essentially of)」は、明記した材料又は段階、及び基本的な新規特性(単数又は複数)に実質的に影響を及ぼさないものに特許請求の範囲を限定する。かくして特許請求された本発明の実施形態は、本明細書で本来的に又は明確に記述され、実施可能にされる。
さらに、本明細書を通して特許及び刊行物を多数参照した。上記参考文献及び刊行物の各々を、参照によりその全体を本明細書に個々に援用する。
最後に、本明細書に開示する実施形態は、本発明の原理を説明するためのものであることを理解されたい。採用することができる別の変形形態も本発明の範囲内である。すなわち、非限定的な例として、本発明の別の構成を本明細書の教示に従って利用することができる。したがって、本発明は、示し、記述したとおりのものだけに限定されない。

Claims (6)

  1. ヒト免疫不全症ウイルスの阻害剤を含む薬剤組成物であって、該阻害剤が、以下:

    からなる群から選択される、組成物。
  2. 前記阻害剤が以下の構造を有する、請求項1に記載の組成物
  3. 少なくとも1種類の薬学的に許容される賦形剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
  4. 少なくとも1種類の追加の治療有効薬とに投与されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  5. HIVの集合及び複製を中断させるための組成物であって、
    薬学的有効量の以下:

    からなる群から選択される化合物又は薬学的に許容されるその塩含む、組成物。
  6. 逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、融合阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、ケモカイン受容体(CXCR4、CCR5)阻害剤、インターロイキン2、ヒドロキシ尿素、モノクローナル抗体及びサイトカインからなる群から選択される少なくとも1種類の追加の治療薬とに投与されることを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
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