JPWO2004096229A1 - 溶液医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、(a)4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−[[4−(4−フルオロベンジル)−2−モルホリニル]メチル]ベンズアミド(化合物A)又はその生理学的に許容される塩、(b)プロピレングリコール及び(c)水を含有する溶液医薬組成物に関する。本発明によれば、注射剤や経口剤として有用な化合物A含有溶液医薬組成物、即ち、溶解度とpHが共に望まれる範囲内にあり、且つ安定性の高い溶液医薬組成物を提供することができる。

Description

本発明は、水に難溶性の塩基性薬物を含有する溶液医薬組成物、具体的には4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−[[4−(4−フルオロベンジル)−2−モルホリニル]メチル]ベンズアミドを活性成分として含有し、その溶解性および安定性を向上させた溶液形態の医薬組成物に関する。
(±)−4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−[[4−(4−フルオロベンジル)−2−モルホリニル]メチル]ベンズアミド(以下、モサプリドという)は選択的セロトニン4受容体アゴニストであり、良好な消化管運動促進作用を示す(米国特許公報第4870074号公報)。特に、そのクエン酸塩・2水和物は、慢性胃炎に伴う消化器症状の改善を目的として既に実用化され、クエン酸モサプリド(無水物)として2.5mgまたは5mg(モサプリドとして1.72mgまたは3.44mg)含有する錠剤が市販されている。また、モサプリド(やその塩)は逆流性食道炎、胃切除後症候群、その他の消化器症状の治療薬としても有用である。しかしながら、モサプリドやその塩は水に難溶であるため、モサプリドまたはその塩を含有する溶液製剤は未だ見出されていない。
通常、モサプリドのように水に難溶な塩基性薬物を水溶液中に溶解させ溶液製剤とするためには、無機酸あるいは有機酸を添加することにより溶解度の向上を図るか、もしくは界面活性剤等を添加するなどの手段が用いられる。モサプリドを使用上有用な濃度で溶液に調剤、あるいは製剤化するためには、溶液の保存条件の変動なども考慮して、少なくとも目的とする濃度以上の溶解度を持つ処方(溶媒の選択、濃度選択、酸の選択、界面活性剤の選択など)を探索する必要がある。また、注射剤のpHは、投与部位に対する刺激性等の観点から2以上とすることが望ましい。さらに、医薬品製剤としては溶解性のみならず溶液中での薬物のより高い安定性が求められる。しかしながら、このような溶解度と適正なpHとを共に満足するモサプリド(またはその塩)を含有する安定性の高い溶液製剤は知られていない。
本発明は、モサプリドを含有し、注射剤や経口剤として有用な溶液医薬組成物、即ち、溶解度とpHが共に望まれる範囲内にあり、且つ安定性の高い溶液組成物を提供することを課題とする。
これまでモサプリドはN,N−ジメチルホルムアミドやピリジン等の医薬上許容されない有機溶媒には溶解するものの、水に難溶性であるので、医薬上許容される溶液形態の製剤を作ることは難しいと考えられていた。本発明者らはモサプリドまたはその生理学的に許容される塩の溶液製剤を得るべく、鋭意研究を重ね、各種の医薬上許容される溶剤について検討した結果、モサプリドまたはその塩がプロピレングリコールには意外にも非常によく溶解することがわかった。しかし、モサプリドをプロピレングリコールに溶解させた場合、モサプリドが不安定で、保存中に多量に分解してしまうことが新たに判明した。そこで、本発明者は、更に研究を重ねた結果、特定の範囲のプロピレングリコールとモサプリドが溶解しない水とを含有する水系溶媒であれば、モサプリドは十分量溶解し且つ分解物はほとんど生成しないという、両方の効果を有する溶液製剤が得られることを見いだした。本発明者らは、更にpHをある特定の範囲に調節することにより、モサプリドの溶解性、安定性は飛躍的に改善され、これまで製造が不可能であった小容量(10ml以下)の注射剤あるいは経口液剤の製造が可能となるとの知見を得、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の態様の発明を提供するものである。
(1)(a)4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−[[4−(4−フルオロベンジル)−2−モルホリニル]メチル]ベンズアミド(以下、化合物Aという)又はその生理学的に許容される塩、
(b)約10w/v%〜約92w/v%のプロピレングリコール及び
(c)溶液医薬組成物を完成させるに必要な量の水
を含有する溶液医薬組成物。
(2)pHが約2〜約5.5である上記(1)に記載の溶液医薬組成物。
(3)成分(b)が、約10w/v%〜約75w/v%のプロピレングリコールである上記(1)に記載の溶液医薬組成物。
(4)成分(a)が、化合物Aに換算して約1mg/ml〜約12mg/mlの濃度となる量の、化合物A又はその生理学的に許容される塩である上記(1)に記載の溶液医薬組成物。
(5)さらに、(d)酸性物質を含有する上記(1)に記載の溶液医薬組成物。
(6)酸性物質(d)が、塩酸、硝酸、燐酸、硫酸、メタンスルホン酸、乳酸、酢酸、酒石酸およびクエン酸からなる群から選択される少なくとも1種である上記(5)に記載の溶液医薬組成物。
(7)化合物Aがラセミ体である上記(1)に記載の溶液医薬組成物。
(8)化合物Aの生理学的に許容される塩が、クエン酸塩である上記(1)に記載の溶液医薬組成物。
(9)成分(a)が、化合物Aのクエン酸塩2水和物である上記(1)に記載の溶液医薬組成物。
(10)(a)化合物Aに換算して約1mg/ml〜約10mg/mlの濃度となる量の、化合物A又はその生理学的に許容される塩、
(b)約20w/v%〜約75w/v%のプロピレングリコール、
(c)溶液医薬組成物を完成させるに必要な量の水、および
(d)メタンスルホン酸、クエン酸及び塩酸からなる群から選択される少なくとも1種の酸性物質、
を含有する、pHが約2.5〜約4.5である上記(1)に記載の溶液医薬組成物。
(11)(a)化合物Aに換算して約1.5mg/ml〜約5.5mg/mlの濃度となる量の、化合物A(ラセミ体)のクエン酸塩・二水和物、
(b)約25w/v%〜約55w/v%のプロピレングリコール、
(c)溶液医薬組成物を完成させるに必要な量の水、および
(d)メタンスルホン酸、クエン酸及び塩酸からなる群から選択される少なくとも1種の酸性物質、
を含有する、pHが約3〜約4である上記(1)に記載の溶液医薬組成物。
(12)注射剤又は経口剤の形態である上記(1)に記載の溶液医薬組成物。
(13)(i)化合物A又はその生理学的に許容される塩を含む薬物含有粉末状乃至粒状物、および
(ii)プロピレングリコール及び水を含有する薬物溶解液、
からなる用時調製製剤。
(14)上記(1)に記載の溶液医薬組成物及び当該組成物に関する記載物を含む商業パッケージであって、当該記載物および/または当該パッケージに当該組成物を特定の疾患のために使用する、もしくは使用すべきであることを記載してなる商業パッケージ。
(15)上記(13)に記載の用時調製製剤及び当該製剤に関する記載物を含む商業パッケージであって、当該記載物および/または当該パッケージに当該製剤を特定の疾患のために使用する、もしくは使用すべきであることを記載してなる商業パッケージ。
(16)上記(1)に記載の溶液医薬組成物の有効な量を、消化管運動機能促進、胃切除後症状の改善又は胃食道逆流症(GERD)の予防若しくは治療のために、患者に投与することを含む、方法。
(17)上記(1)に記載の溶液医薬組成物の、消化管運動機能促進、胃切除後症状の改善又は胃食道逆流症(GERD)の予防若しくは治療のための使用。
(18)化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を含有する溶液医薬組成物の製造方法であって、
(i)溶液医薬組成物を完成させるに必要な量よりも少ない量の水と最終的な組成物中約10w/v%〜約92w/v%の濃度となる量のプロピレングリコールを含む混合溶媒に、化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を溶解させる工程、および
(ii)工程(i)で得られた混合液に水を添加して組成物を完成させる工程を含む製造方法。
(19)化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を含有する溶液医薬組成物の製造方法であって、
(i’)最終的な組成物中約10w/v%〜約92w/v%の濃度となる量のプロピレングリコールに、化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を溶解させる工程、および
(ii’)工程(i’)で得られた液に溶液医薬組成物を完成させるに必要な量の水を添加して組成物を完成させる工程、
を含む製造方法。
(20)必要に応じて酸性物質および/または製剤化に必要な添加剤を加え、pHを約2〜約5.5に調整する工程を含む上記(18)又は(19)のいずれかに記載の方法。
(21)上記(18)〜(20)のいずれかに記載の方法によって得ることができる、溶液医薬組成物。
(22)化合物Aまたはその生理学的に許容される塩の水系溶媒中での溶解性および安定性を改善する方法であって、最終的な組成物中約10w/v%〜約92w/v%の濃度となる量のプロピレングリコールを含む水系溶媒に、化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を溶解させることを含む改善方法。
(23)上記(22)に記載の方法によって得ることができる、化合物Aの溶解性および安定性が改善された溶液医薬組成物。
図1は、本発明にかかわる化合物Aの水に対する溶解性とpHの関係を示したものである。
図2は、本発明組成物(化合物A 1.71mg/ml含有組成物)の安定性試験の結果を示したものである。
図3は、本発明組成物(化合物A 5.15mg/ml含有組成物)の安定性試験の結果を示したものである。
本発明を以下により詳細に説明する。
(a)化合物Aまたはその生理学的に許容される塩
本発明にかかわる化合物A、即ち、4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−[[4−(4−フルオロベンジル)−2−モルホリニル]メチル]ベンズアミドは、下記式:
Figure 2004096229
で表される化合物であり、選択的セロトニン4受容体アゴニストとして、良好な消化管運動促進作用を有している。
本発明にかかわる化合物Aはラセミ体であっても、又は一方の光学活性体であってもよいが、ラセミ体が好適である。
また、化合物Aはフリー体であってもよいし、その生理学的に許容される塩であってもよい。塩としては好ましくは酸付加塩がよい。たとえば有機酸の付加塩としては、ギ酸塩、酢酸塩、乳酸塩、アジピン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩等が挙げられ、無機酸の付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等が例示できる。この中でも特にクエン酸塩が好ましい。さらに、化合物Aまたはその生理学的に許容される塩は、溶媒和物であってもよく、水和物若しくは非水和物であってもよい。好ましくはクエン酸塩の水和物がよく、とりわけクエン酸塩・2水和物が好ましい。
上記化合物Aまたはその生理学的に許容される塩は、例えば、米国特許第4870074号公報に記載の方法またはこれに準じる方法によって製造することができる。
本発明の溶液医薬組成物は、化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を、化合物Aに換算して、約1mg/ml〜約12mg/ml、好ましくは、約1mg/ml〜約10mg/ml、より好ましくは、約1.5mg/ml〜約5.5mg/ml含有する。
本発明によれば、下記に示すような溶媒(およびpH)であれば、該溶媒は、化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を、目的とする濃度よりも多くの量を溶解できる。したがって、上記の化合物Aの濃度は、飽和濃度を示すものではなく、溶液医薬組成物として求められる条件に適合する濃度である。本発明組成物における溶媒は基本的に下記のプロピレングリコール及び水からなる。
(b)プロピレングリコールおよび(c)水
本発明にかかわる溶媒は、プロピレングリコールと水との混合溶媒である。以下の実施例に示すように、プロピレングリコールは化合物Aを溶解するが、溶解すると保存中に分解物を多量に生成させる(比較例2)。しかし、化合物Aが溶解しない水(比較例1)をプロピレングリコールに混合した水系溶媒は、化合物Aの溶解性と安定性を満たす溶媒であることが明らかとなった。
というものの、水系溶媒中、プロピレングリコールが高濃度のままであると、溶解性は維持されるが、保存安定性は十分満足いくものではなかった。即ち、プロピレングリコールの適切な濃度範囲には一定の制約がある。そこで、溶液組成物のpHを刺激性が生じない範囲で、ある程度酸性側に調整すれば分解物の生成を大幅に抑制することができ、そして、前記制約が解消するとの意外な知見を得た。このような知見から、プロピレングリコールの適切な濃度範囲を見いだした。
具体的には、プロピレングリコールの配合量は、溶液医薬組成物全量に対し約10w/v%以上、通常、約10w/v%〜約92w/v%、好ましくは、約10w/v%〜約75w/v%、より好ましくは、約20w/v%〜約75w/v%、最も好ましいのは約25w/v%〜約55w/v%である。
また、上記プロピレングリコールの一部に代えて、プロピレングリコールの効果に悪影響を与えない量の他の溶媒、例えばエタノール等を混合して使用してもよい。その混合割合は特に限定されないが、溶液組成物全量に対し約10w/v%以下である。
組成物中、化合物A、プロピレングリコール、下記の必要に応じて添加する酸性物質そのものや各添加剤そのものを除いた残余は水であり、その量は溶液医薬組成物を完成させるに必要な量である。この水の量について、「溶液医薬組成物を完成させるに必要な量」とは、所望の溶液医薬組成物の調製工程で用いられる水の全量を意味し、化合物Aをプロピレングリコールに溶解させる際にプロピレングリコールを水溶液として用いる場合にはその水の量、酸性物質を添加する場合のその水溶液とする水の量、最終的に溶液医薬組成物の全量を調整する場合に添加される残余の水の量などの合計量である。
なお、本明細書において、「溶液医薬組成物を完成させるに必要な量」なる用語は、単に「組成物を完成させる量」、「組成物を完成させるに必要な量」または「組成物を完成させるための量」などということもある。
したがって、例えば溶液医薬組成物がプロピレングリコールを約50w/v%、化合物Aを5mg/ml含む注射剤であるとき、組成物中水は約50w/v%含まれる。
なお、これにエタノール等の他の溶媒が配合される場合、プロピレングリコールの一部に代えてそれら溶媒を配合するので水の量には殆ど影響されないし、活性成分の化合物Aの量や後記pH調整用の酸性物質の添加量は、全体の組成物量から見て僅かである。
(d)酸性物質
本発明の溶液医薬組成物では、酸性物質の添加は必須ではない。即ち、化合物A又はその生理学的に許容される塩、プロピレングリコールおよび水からなる溶液のpHが約2〜約5.5であれば、酸性物質の添加は必要ではない。pHが上記範囲を逸脱するときは酸性物質を添加して、pHを前記に範囲に調整する。上記範囲は、好ましくは、約2.5〜約5、より好ましくは約2.5〜約4.5、最も好ましくは、約3〜約4である。但し、酸性物質を添加しなくてもそのpHが上記範囲に含まれる場合であっても、所望のpHに調整するために酸性物質を添加することが奨励される。このような酸性物質としては、当該溶液医薬組成物のpHを上記範囲に調節することができるものであれば特に限定されず、無機酸、有機酸ともに使用することができる。具体的には、塩酸、硝酸、燐酸、硫酸などの無機酸、メタンスルホン酸、乳酸、酢酸、酒石酸、クエン酸などの有機酸が例示できる。好ましくは、塩酸、燐酸、クエン酸、メタンスルホン酸、より好ましくは、塩酸である。
溶液医薬組成物の製造方法
本発明の溶液医薬組成物の製造方法は、特に限定されることなく、通常の方法、例えば、以下の方法に従って製造することができる。
化合物Aまたはその生理学的に許容される塩をプロピレングリコールに溶解するに際しては、プロピレングリコールと溶液医薬組成物を完成させるに必要な量より少ない一定量の水から得られるプロピレングリコール水溶液に溶解させるか、またはプロピレングリコールに直接化合物A又はその生理学的に許容される塩を溶解させたのち、溶液医薬組成物を完成させるに必要な量より少ない量の水を添加する方法が採用される。
即ち、一定量の水に所定量のプロピレングリコールを添加、混合して得られる水溶液に、化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を加え攪拌、溶解させる。このとき、化合物Aまたはその生理学的に許容される塩が未だ混合液中で白濁している場合、上記酸性物質を適当量添加することによって、所望されるpHに調節し、化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を溶解させる。また、酸性物質を添加する前に化合物Aまたはその生理学的に許容される塩が溶解している場合であっても、必要に応じて酸性物質を添加することによって、適当なpHに調節することが奨励される。その後、水を加え組成物の容量を調整して本発明の溶液医薬組成物を調製する。すなわち、上記組成物の調製に際して、プロピレングリコールと混合する水の量は、若干少なく使用し、最終的に水を加えて一定容量となるように調整するのが好ましい。
または、まずプロピレングリコールに化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を加え、攪拌し、溶解させる。その際必要に応じて加温してもよい。その後、一定量の水を添加して混合する。酸性物質の添加については上記と同様に行う。その後、水を加えて組成物の容量を調整して本発明の溶液医薬組成物を調製する。
また、所望されるpHよりも更に酸性の溶液となるよう過剰の酸性物質を上記プロピレングリコール水溶液中に配合し、化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を溶解させ、その後水酸化ナトリウムの如き適当な塩基性物質で水溶液のpHを所望の範囲に調節してもよい。
本発明の特徴と好ましい実施態様
本発明の特徴のひとつは、化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を溶解するが、保存条件下で化合物Aの分解を促進するという、利害得失を有するプロピレングリコールと、化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を実質的に溶解しない水との混合物を溶媒として選択することにより、プロピレングリコールの溶解能を維持したまま化合物Aの分解を抑制したことにある。
本発明の別の特徴は、溶液のpHを約2〜約5.5に保持することにより、化合物Aの分解を抑制せしめると同時にプロピレングリコールの適切な濃度範囲を飛躍的に拡大したことにある。
本発明の更なる特徴は、プロピレングリコールと水との組み合わせにより、化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を飽和に近い状態で溶解させるのではなく、飽和濃度よりも十分に低い濃度において溶解させるので、保存条件の変動などに伴っておきるであろう化合物Aの析出を阻止し、且つ、化合物Aの分解を大幅に抑制したことにある。
本発明の好ましい実施態様は、上記(2)〜上記(12)項に記載の組成物であり、その中でも、更に好ましい実施態様は、上記(10)項に記載の組成物、最も好ましい実施態様は、上記(11)項に記載の組成物である。
本発明組成物の溶液注射剤への適用
本発明の溶液医薬組成物を注射剤として使用する場合には、通常の公知の方法により、例えば、得られた組成物を濾過滅菌、高圧蒸気滅菌等で滅菌をおこなって使用する。また、上記溶液医薬組成物は、塩化ナトリウム、ブドウ糖、ソルビトール等の等張化剤、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチルなどの保存剤等の適当な添加剤を必要に応じて含んでいてもよい。これら添加剤は、酸性物質を添加する前に配合するのが好ましい。
本発明の注射剤は、静脈内注射剤としての使用されるほか、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤としても使用することができるが、これらに限定されない。また、得られた注射剤を輸液に配合して使用することも可能である。
本発明組成物の経口剤への適用
経口液剤
本発明の溶液医薬組成物を経口液剤として使用する場合には、当該組成物は、必要に応じて、以下の各種の添加剤を含んでいてもよい。例えば、ブドウ糖、ソルビトール、マンニトール、キシリトール等の糖類、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ソーマチン、ネオテーム等の甘味剤及びクエン酸、酒石酸、乳酸などの酸味剤、L−グルタミン酸又はその塩等の旨味成分などを、化合物Aの苦味の抑制を目的として適量含んでいてもよい。また、必要に応じて当該組成物は、パラアミノ安息香酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル等を保存剤として適量含んでいてもよい。その添加時期、配合量等は通常の経口液剤の製造に準じて行うことができる。
経口半固形製剤
本発明の溶液医薬組成物を、適当な担体を加えることにより、あるいは容器中に保持あるいは充填することにより、実質的に外観が半固形ないし固形の経口製剤を調製することもできる。たとえば、上記溶液医薬組成物に、ゼラチン、寒天、キサンタンガム、グアガム、ジェランガムなどのゲル化剤を添加剤として添加し、加温することで化合物Aを含有する均一な液体とし、これを治療単位量含有するように分割した後冷却し、あるいは冷却し硬化させた後に分割することにより、たとえば、ゼリー状の経口製剤(半固形剤)とすることができる。必要に応じて、当該経口製剤は、以下の添加剤、ショ糖、ブドウ糖、ソルビトール、キシリトール等の糖類、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ソーマチン、ネオテームなどを甘味剤及びクエン酸、酒石酸、乳酸などの酸味剤を矯味成分として含有していてもよい。更に、嗜好性を高めるために、メントール、ストロベリー香料、ピーチ香料、ヨーグルト香料などを含有していてもよい。このほか、パラオキシ安息香酸メチル(メチルパラベン)、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピルなどの保存剤も含有することもできる。その添加時期、配合量等は通常の経口半固形製剤の製造に準じて行うことができる。このゼリー状の製剤は、ゲル化剤の濃度を適当に調節することによりゲル強度を高め、錠剤あるいはカプセル形に成型することもできる。
用時調製製剤
本発明の溶液医薬組成物を、使用直前に調製する用時調製製剤としてもよい。即ち、本発明は薬物含有粉末状乃至粒状物及び薬物溶解液からなる用時調製製剤も提供する。
(i)薬物含有粉末状乃至粒状物
薬物含有粉末状乃至粒状物は、化合物A又はその生理学的に許容される塩を含むものであり、上記溶液注射剤又は経口液剤に使用する各種添加剤を含んでいてもよく、適当な容器に充填する。
(ii)薬物溶解液
薬物溶解液は、プロピレングリコール及び水を含有する。また、必要に応じて、さらに酸性物質を含んでいてもよく、上記溶液注射剤又は経口液剤に使用する各種添加剤を含んでいてもよい。該酸性物質の種類は上記に記載したとおりであり、またそれぞれの濃度は、上記薬物含有粉末状乃至粒状物と混合した際に上記溶液医薬組成物における濃度となるように配合すればよい。
実際に溶液注射剤や経口剤等として使用する際は、薬物含有粉末状乃至粒状物に、上記薬物溶解液の必要量を添加し、化合物Aを十分に混合、溶解することによって本発明の溶液組成物を調製し、使用することができる。
以下、実施例、比較例および試験例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、これらに限定されない。
以下の実施例等において、化合物Aのラセミ体を化合物A−aと、また、化合物A−aのクエン酸塩二水和物を化合物A−bと定義する。
なお、以下の試験例2で行った試験、即ち「60℃、1ケ月保存」の条件下での安定性試験は、本発明組成物が非常に安定であることを示すために実施した苛酷試験(stability test under severe condition)であり、医薬品の常温における保存安定性を推測するために通常実施される加速試験(accelerated stability test)「40℃、6ヵ月保存」よりも苛酷な試験である。
また、極めて短期間で安定性を評価するために、更に苛酷な「80℃、1週間保存」の条件下でも安定性試験を行うことがある。即ち、比較例2および試験例1で行ったこの安定性試験は、苛酷試験と比較して非常に苛酷な試験(stability test under much severer condition)(超−苛酷試験)である。
比較例1(化合物A−aの水に対する溶解性)
化合物A−bを用いて、化合物A−aの水に対する溶解性(20℃)を調べた。その結果を図1に示す。
図1に示すように、化合物A−aの水に対する溶解度は、pH6.1で0.0013mg/ml、pH3.5でも0.38mg/mlと非常に低いものであった。
比較例2(化合物A−aのプロピレングリコールへの溶解性及び安定性)
(1)(化合物A−a 1.71mg/ml含有組成物)
ガラスビーカーにプロピレングリコール50gを入れ、それを攪拌しながら化合物A−b 132mgをそこに添加し、攪拌することによって溶解させた。得られた混合液において、化合物A−bは完全に溶解していた。この溶液をガラス製注射筒にセットしたデュラポアPVDFメンブレンフィルター(マイレックス−GV、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過しながら2ml無色アンプルに2mlずつ充填し、熔閉用ガスバーナーで閉塞後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃、20分間)した。このアンプルを「80℃、一週間保存」の条件での安定性試験(超−苛酷試験)を行った。即ち、80℃で一週間保存した後、当該溶液の保存前後での総類縁物質量を、高速溶液クロマトグラフ法(面積百分率)により測定した。尚、総類縁物質量とは、化合物A−aの分解生成物および化合物A−aに夾雑する副生物、即ち、化合物A−aを製造する際に生じる中間体や不純物等の総量を意味する。
その結果、保存前の総類縁物質量は0.60%であったにもかかわらず、1週間後の総類縁物質量は、39.8%と著しく増加していた。
(2)(化合物A−a 5.15mg/ml含有組成物)
上記(1)と同様にして、ガラスビーカーにプロピレングリコール50gを入れ、それを攪拌しながら化合物A−b 397mgをそこに添加し、攪拌することによって溶解させ、得られたアンプルについて「80℃、一週間保存」の条件下での安定性試験(超−苛酷試験)を行った。
その結果、保存前の総類縁物質量は1.86%であったにもかかわらず、1週間後の総類縁物質量は、50.3%と著しく増加していた。
実施例1(化合物A−a 1.71mg/ml及び5.15mg/ml含有組成物)
(1)化合物A−a 1.71mg/ml含有溶液組成物の調製
ガラスビーカー中最終的に溶液組成物中30、50、70(w/v)%の各濃度になるような量のプロピレングリコール(以下、PGということがある)と組成物を完成させる量より少ない量の水を混合し、その溶液を攪拌しながら化合物A−b 132mgおよび必要に応じて適量の0.1mol/リットル−塩酸を加え、pH2.1〜4.8の溶液に調整し、残りの水を加え、無色透明な溶液医薬組成物50mlを製造した。
得られた各溶液をガラス製注射筒にセットしたデュラポアPVDFメンブレンフィルター(マイレックス−GV、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過しながら2ml無色アンプルに2mlずつ充填し、熔閉用ガスバーナーで閉塞後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃、20分間)し、化合物A−aの注射液を製造した。
(2)化合物A−a 5.15mg/ml含有溶液組成物の調製
上記(1)と同様にして、ガラスビーカー中最終的に溶液組成物中50、70、90(w/v)%の各濃度になるような量のプロピレングリコールと組成物を完成させる量より少ない量の水を混合し、その溶液を攪拌しながら化合物A−b 397mgおよび必要に応じて適量の0.1mol/リットル−塩酸を加え、pH2.5〜4.9の溶液に調整し、残りの水を加え、無色透明な溶液医薬組成物50mlを製造した。
得られた各溶液をガラス製注射筒にセットしたデュラポアPVDFメンブレンフィルター(マイレックス−GV、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過しながら2ml無色アンプルに2mlずつ充填し、熔閉用ガスバーナーで閉塞後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃、20分間)し、化合物A−aの注射液を製造した。
試験例1
上記実施例1で得た各注射液について、「80℃、一週間保存」の条件での安定性試験(超−苛酷試験)を行った。即ち、80℃で一週間保存した後、各溶液の保存前後での総類縁物質量を、高速溶液クロマトグラフ法(面積百分率)により測定した。
一週間後の総類縁物質量(%)を図2(実施例1(1))および図3(実施例1(2))に示す。これらの結果、本発明の組成物は安定であることがわかった。
実施例2(化合物A−a 1.62mg/ml含有注射剤)
ガラスビーカーに注射用水40mlを入れ、プロピレングリコール50gを加えマグネチックスターラー(東洋科学産業)で5分間攪拌し、均一に混合した。次に、化合物A−b 250mgを加え15分間攪拌溶解させた。この液に0.1mol/リットル−塩酸を添加することによって、4種類の異なるpH(下記表1参照)の溶液を調製した。これら各溶液に注射用水を加え全量を100mlとした。得られた各溶液をガラス製注射筒にセットしたデュラポアPVDFメンブレンフィルター(マイレックス−GV、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過しながら2ml無色アンプルに2mlずつ充填し、熔閉用ガスバーナーで閉塞後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃、20分間)し、注射液を製造した(下記表1参照)。
試験例2(60℃、1ヶ月の安定性試験)
実施例2で得た各注射液(2−▲1▼〜2−▲4▼)について、「60℃、1ヶ月保存」の条件下での安定性試験(苛酷試験)を行った。即ち、各注射液を60℃で1ヶ月間保存した後、各溶液の保存前後での総類縁物質量を、高速溶液クロマトグラフ法(面積百分率)により測定した。また、「溶液状態」を注射剤の不溶性異物検査法(Foreign Insoluble Matter Test for Injections)で評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2004096229
上記試験の結果、どの注射剤も60℃、1ヶ月の苛酷試験において安定であることが判った。
実施例3(化合物A−a 1.62mg/ml含有組成物)
組成物を完成させるための量よりも少ない量の水に、最終的に表2に記載の各濃度になるようにプロピレングリコールを添加し、その溶液に攪拌しながら化合物A−b 5.0mgおよび必要に応じてメタンスルホン酸水溶液を加えpHを調整した後、水を添加して無色透明な液体医薬組成物2mlを製造した。得られた各組成物のpHを表2に示す。
Figure 2004096229
実施例4(化合物A−a 3.25mg/ml含有組成物)
組成物を完成させるための量よりも少ない量の水に、最終的に表3に記載の各濃度になるようにプロピレングリコールを添加し、その溶液に攪拌しながら化合物A−b 10.0mgおよびメタンスルホン酸水溶液を加えpHを調整した後、水を添加して無色透明な溶液医薬組成物2mlを製造した。得られた各組成物のpHを表3に示す。
Figure 2004096229
実施例5(化合物A−a 4.87mg/ml含有組成物)
0.8mlの水にプロピレングリコール1gを添加し、その溶液に攪拌しながら化合物A−b 15.0mgおよびメタンスルホン酸水溶液を加えpHを調整した後、水を添加して無色透明な溶液医薬組成物2mlを製造した。得られた組成物のpHを表4に示す。
Figure 2004096229
実施例6(化合物A−a 10.3mg/ml含有組成物)
ガラスビーカーにプロピレングリコール5gおよび化合物A−b 159mgを加え、約60℃で加温下マグネチックスターラー(東洋科学産業)を用いて3分間攪拌溶解させた。この溶液に注射用水を加え全量を10mlとした。得られた組成物のpHは約4.2であった。
実施例7(化合物A−a 1.72mg/ml含有注射剤)
処方例1(表5)に示す処方(製造分量)に従い、化合物A−aの注射剤を製造した。即ち、ステンレス製容器に注射用水2リットルを入れ、プロピレングリコール2.5kgを加え攪拌機(Fine社製、FBL1200M型)で5分間攪拌し、均一に混合した。次に、化合物A−b 13.225gを加え15分間攪拌溶解した。この液を1mol/リットル−塩酸でpH3.5に調節した。その後、適量の注射用水を加え全量を5リットルとした。この液をデュラポアPVDFメンブレンフィルター(MCGL10S、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過した。この濾液をアンプル充填熔閉機(ハギノヤ機械、H−01型)で2ml無色アンプルに2mlずつ充填、熔閉後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃、20分間)し、注射剤とした。
Figure 2004096229
実施例8(化合物A−a 1.72mg/ml含有注射剤)
処方例2(表6)に示す処方(製造分量)に従い、化合物A−aの注射剤を製造した。即ち、ステンレス製容器に注射用水2リットルを入れ、プロピレングリコール2.5kgを加え攪拌機(Fine社製、FBL1200M型)で5分間攪拌し、均一に混合した。次に、化合物A−b 13.225gを加え15分間攪拌溶解した。この液を1mol/リットル−塩酸でpH2.5に調節した。その後、適量の注射用水を加え全量を5リットルとした。この液をデュラポアPVDFメンブレンフィルター(MCGL10S、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過した。この濾液をアンプル充填熔閉機(ハギノヤ機械、H−01型)で2ml無色アンプルに2mlずつ充填、熔閉後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃、20分間)し、注射剤とした。
Figure 2004096229
実施例9(化合物A−a 3.43mg/ml含有注射剤)
処方例3(表7)に示す処方(製造分量)に従い、化合物A−aの注射剤を製造した。即ち、ステンレス製容器に注射用水2リットルを入れ、プロピレングリコール2.5kgを加え攪拌機(Fine社製、FBL1200M型)で5分間攪拌し、均一に混合した。次に、化合物A−b 26.45gを加え15分間攪拌した。この白濁液に1mol/リットル−塩酸を徐々に加えて溶解し、最終的にpHを3.0に調節した。その後、適量の注射用水を加え全量を5リットルとした。この液をデュラポアPVDFメンブレンフィルター(MCGL10S、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過した。この濾液をアンプル充填熔閉機(ハギノヤ機械、H−01型)で2ml無色アンプルに2mlずつ充填、熔閉後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃、20分間)し、注射剤とした。
Figure 2004096229
実施例10(化合物A−a 5.15mg/ml含有注射剤)
処方例4(表8)に示す処方(製造分量)に従い、化合物A−aの注射剤を製造した。即ち、ステンレス製容器に注射用水2リットルを入れ、プロピレングリコール2.5kgを加え攪拌機(Fine社製、FBL1200M型)で5分間攪拌し、均一に混合した。次に、化合物A−b 39.675gを加え15分間攪拌溶解した。この白濁液に1mol/リットル−塩酸を徐々に加えて溶解し、最終的にpHをpH2.5に調節した。その後、適量の注射用水を加え全量を5リットルとした。この液をデュラポアPVDFメンブレンフィルター(MCGL10S、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過した。この濾液をアンプル充填熔閉機(ハギノヤ機械、H−01型)で2ml無色アンプルに2mlずつ充填、熔閉後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃、20分間)し、注射剤とした。
Figure 2004096229
実施例11(化合物A−a 1.72mg/ml含有注射剤)
処方例5(表9)に示す処方(製造分量)に従い、化合物A−aの注射剤を製造した。即ち、ステンレス製容器に注射用水2リットルを入れ、プロピレングリコール2.5kgを加え攪拌機(Fine社製、FBL1200M型)で5分間攪拌し、均一に混合した。次に、化合物A−b 13.225gを加え15分間攪拌溶解した。この液を1mol/リットル−塩酸でpH3.5に調節した。その後、適量の注射用水を加え全量を5リットルとした。この液をデュラポアPVDFメンブレンフィルター(MCGL10S、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過した。この濾液をアンプル充填熔閉機(ハギノヤ機械、H−01型)で10ml無色アンプルに10mlずつ充填、熔閉後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃、20分間)し、注射剤とした。
Figure 2004096229
実施例12(化合物A−a 1.72mg/ml含有注射剤)
処方例6(表10)に示す処方(製造分量)に従い、化合物A−aの注射剤を製造した。即ち、ステンレス製容器に注射用水2リットルを入れ、プロピレングリコール2.5kgを加え攪拌機(Fine社製、FBL1200M型)で5分間攪拌し、均一に混合した。次に、化合物A−b 13.225gを加え15分間攪拌溶解した。この液を0.5mol/リットル−メタンスルホン酸でpH3.5に調節した。その後、適量の注射用水を加え全量を5リットルとした。この液をデュラポアPVDFメンブレンフィルター(MCGL10S、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過した。この濾液をアンプル充填熔閉機(ハギノヤ機械、H−01型)で2ml無色アンプルに2mlずつ充填、熔閉後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃、20分間)し、注射剤とした。
Figure 2004096229
実施例13(化合物A−a 1.72mg/ml含有注射剤)(酸性物質非添加)
処方例7(表11)に示す処方(製造分量)に従い、化合物A−aの注射剤を製造した。即ち、ステンレス製容器に注射用水2リットルを入れ、プロピレングリコール2.5kgを加え攪拌機(Fine社製、FBL1200M型)で5分間攪拌し、均一に混合した。次に、化合物A−b 13.225gを加え15分間攪拌溶解した。得られた溶液のpHは4.5であった。その後、適量の注射用水を加え全量を5リットルとした。この液をデュラポアPVDFメンブレンフィルター(MCGL10S、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過した。この濾液をアンプル充填熔閉機(ハギノヤ機械、H−01型)で2ml無色アンプルに2mlずつ充填、熔閉後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃、20分間)し、注射剤とした。
Figure 2004096229
実施例14(化合物A−a 1.72mg/ml含有注射剤)
処方例8(表12)に示す処方(製造分量)に従い、化合物A−aの注射剤を製造した。即ち、ステンレス製容器に注射用水2リットルを入れ、プロピレングリコール1.5kgを加え攪拌機(Fine社製、FBL1200M型)で5分間攪拌し、均一に混合した。次に、化合物A−b 13.225gを加え15分間攪拌溶解した。この液を1mol/リットル−塩酸でpH2.5に調節した。その後、適量の注射用水を加え全量を5リットルとした。この液をデュラポアPVDFメンブレンフィルター(MCGL10S、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過した。この濾液をアンプル充填熔閉機(ハギノヤ機械、H−01型)で2ml無色アンプルに2mlずつ充填、熔閉後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃、20分間)し、注射剤とした。
Figure 2004096229
実施例15(化合物A−a 3.43mg/ml含有注射剤)
処方例9(表13)に示す処方(製造分量)に従い、化合物A−aの注射剤を製造した。即ち、ステンレス製容器に注射用水2リットルを入れ、プロピレングリコール1.5kgを加え攪拌機(Fine社製、FBL1200M型)で5分間攪拌し、均一に混合した。次に、化合物A−b 26.45gを加え15分間攪拌溶解した。この液を1mol/リットル−塩酸でpH2.0に調節した。その後、適量の注射用水を加え全量を5リットルとした。この液をデュラポアPVDFメンブレンフィルター(MCGL10S、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過した。この濾液をアンプル充填熔閉機(ハギノヤ機械、H−01型)で2ml無色アンプルに2mlずつ充填、熔閉後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃、20分間)し、注射剤とした。
Figure 2004096229
実施例16(化合物A−a 1.72mg/ml含有注射剤)
処方例10(表14)に示す処方(製造分量)に従い、化合物A−aの注射剤を製造した。即ち、ステンレス製容器に注射用水2リットルを入れ、プロピレングリコール2.5kgを加え攪拌機(Fine社製、FBL1200M型)で5分間攪拌し、均一に混合した。次に、化合物A−b 13.225gを加え15分間攪拌溶解した。この液を1mol/リットル−塩酸でpH4.0に調節した。その後、適量の注射用水を加え全量を5リットルとした。この液をデュラポアPVDFメンブレンフィルター(MCGL10S、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過した。この濾液をアンプル充填熔閉機(ハギノヤ機械、H−01型)で2ml無色アンプルに2mlずつ充填、熔閉後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃20分間)し、注射剤とした。
Figure 2004096229
実施例17(化合物A−a 1.72mg/ml含有注射剤)
処方例11(表15)に示す処方(製造分量)に従い、化合物A−aの注射剤を製造した。即ち、ステンレス製容器に注射用水2リットルを入れ、プロピレングリコール2.0kgを加え攪拌機(Fine社製、FBL1200M型)で5分間攪拌し、均一に混合した。次に、化合物A−b 13.225gを加え15分間攪拌溶解した。この液を1mol/リットル−塩酸でpH3.0に調節した。その後、適量の注射用水を加え全量を5リットルとした。この液をデュラポアPVDFメンブレンフィルター(MCGL10S、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過した。この濾液をアンプル充填熔閉機(ハギノヤ機械、H−01型)で2ml無色アンプルに2mlずつ充填、熔閉後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃20分間)し、注射剤とした。
Figure 2004096229
実施例18(化合物A−a 1.72mg/ml含有注射剤)
処方例12(表16)に示す処方(製造分量)に従い、化合物A−aの注射剤を製造した。即ち、ステンレス製容器に注射用水2リットルを入れ、プロピレングリコール1.0kgを加え攪拌機(Fine社製、FBL1200M型)で5分間攪拌し、均一に混合した。次に、化合物A−b 13.225gを加え15分間攪拌溶解した。この液を1mol/リットル−塩酸でpH2.5に調節した。その後、適量の注射用水を加え全量を5リットルとした。この液をデュラポアPVDFメンブレンフィルター(MCGL10S、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過した。この濾液をアンプル充填熔閉機(ハギノヤ機械、H−01型)で2ml無色アンプルに2mlずつ充填、熔閉後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃20分間)し、注射剤とした。
Figure 2004096229
実施例19(用時調製製剤)
処方例13(表17)に示す処方(製造分量)に従い、化合物A−aの注射剤用溶解液および薬物含有粉末状乃至粒状物を製造した。即ち、ステンレス製容器に注射用水2リットルを入れ、プロピレングリコール2.5kgを加え攪拌機(Fine社製、FBL1200M型)で5分間攪拌後、1mol/リットル−塩酸9.5mlを加え攪拌し、均一に混合した。その後、適量の注射用水を加え全量を5リットルとした。この液をデュラポアPVDFメンブレンフィルター(MCGL10S、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過した。この濾液をアンプル充填熔閉機(ハギノヤ機械、H−01型)で2ml無色アンプルに2mlずつ充填、熔閉後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃、20分間)し、注射剤用の溶解液を製した(処方例13−1)。また、この濾液をアンプル充填熔閉機(ハギノヤ機械、H−01型)で20ml無色アンプルに20mlずつ充填、熔閉後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃、20分間)し、注射剤用の溶解液を製した(処方例13−2)。
処方例13−3及び13−4の組成から成る薬物含有粉末状乃至粒状物は、化合物A−bの粉末(無菌化品)を使用し、無菌充填作業用にバリデートされたアイソレーター内で処方例に従って秤量した。それらをガラスバイアルに充填、ブチルゴム栓により施栓した。
上述用時調整製剤を注射剤として使用するには、ガラス注射筒に計りとった溶解液を薬物含有粉末状乃至粒状物のバイアル中に用時注入し、溶解させて、化合物A−aの溶液とする。
Figure 2004096229
実施例20(経口液剤)
処方例14(表18)に示す処方(製造分量)に従い、化合物A−aの経口液剤を製造した。即ち、ステンレス製容器に精製水1.5リットルを入れ、ソルビトール500g、クエン酸5g、L−グルタミン酸ナトリウム5gを加え攪拌機(Fine社製、FBL1200M型)で15分間攪拌溶解した。さらに、プロピレングリコール2.5kgを加え5分間攪拌し、均一に混合した。次に、化合物A−b 13.225gを加え15分間攪拌溶解した。この液を1mol/リットル−塩酸でpH3.5に調節した。その後、適量の精製水を加え全量を5リットルとした。この液をデュラポアPVDFメンブレンフィルター(MCGL10S、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過した。この濾液を100mlガラス瓶に充填し、経口液剤(シロップ剤)を製した。本製剤は、例えば、薬効量である2mlを計量カップに量り取り分割して服用する。
Figure 2004096229
実施例21(化合物A−a 1.72mg/ml含有注射剤)
処方例15(表19)に示す処方(製造分量)に従い、化合物A−aの注射剤を製造した。即ち、ステンレス製容器に注射用水2リットルを入れ、プロピレングリコール2.5kgを加え攪拌機(Fine社製、FBL1200M型)で5分間攪拌し、均一に混合した。次に、化合物A−b 13.225gを加え15分間攪拌溶解した。この液を1mol/リットル−塩酸でpH3.5に調節した。その後、適量の注射用水を加え全量を5リットルとした。この液をデュラポアPVDFメンブレンフィルター(MCGL10S、0.22μm、日本ミリポア製)で濾過した。この濾液を分注器(平沢製作所)で20ml無色バイアルに10mlずつ充填後、ゴム栓(V5−F8、大協ゴム精工)で打栓し、フリップオフキャップを被せ、巻き締め機(扇機械)で巻き締め後、高圧蒸気滅菌機(讃岐田製作所)で滅菌(121℃、20分間)し、注射剤を製した。
Figure 2004096229
実施例22(半固形製剤)
処方例16(表20)に示す処方(製造分量)に従い、化合物A−aの半固形(ゼリー)製剤を製造した。即ち、ステンレス製容器に精製水1リットルを入れ、メチルパラベン2.5gを加え10分間攪拌しながら90℃で加熱溶解後、室温まで冷却した。次に、D−ソルビトール500g、クエン酸5gを加え10分間攪拌し溶解した。次に、プロピレングリコール2.5kgを加え5分間攪拌し均一に混合した。次に、化合物A−b 15.87gを加え15分間攪拌溶解した。この液にゼラチン500gを加え攪拌しながら80℃に加熱し溶解した。その後、約50℃まで冷却し、適量の精製水を加え全量を5リットルとした後、5mlずつ容器に分注し冷却してゼリー剤とした。
Figure 2004096229
本発明の溶液医薬組成物は、高濃度で化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を含有しており、注射剤、経口剤として有用である。また、本発明の溶液医薬組成物は安定性が高く、長期保存が可能である。更に、化合物Aが上記薬物溶解液への溶解性が高いことから、本発明の組成物は使用直前に調製する用時調製製剤の形とすることができる。また本発明の溶液医薬組成物は、注射剤や経口剤としての製造に際して特別な条件、装置も必要なく従来の装置で製造可能である。
加えて、本発明の溶液医薬組成物を注射剤として使用する場合には、刺激性が低いという効果を有する。

Claims (23)

  1. (a)4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−[[4−(4−フルオロベンジル)−2−モルホリニル]メチル]ベンズアミド(以下、化合物Aという)又はその生理学的に許容される塩、
    (b)約10w/v%〜約92w/v%のプロピレングリコール及び
    (c)溶液医薬組成物を完成させるに必要な量の水、
    を含有する溶液医薬組成物。
  2. pHが約2〜約5.5である請求項1に記載の溶液医薬組成物。
  3. 成分(b)が約10w/v%〜約75w/v%のプロピレングリコールである請求項1に記載の溶液医薬組成物。
  4. 成分(a)が、化合物Aに換算して約1mg/ml〜約12mg/mlの濃度となる量の、化合物A又はその生理学的に許容される塩である請求項1に記載の溶液医薬組成物。
  5. さらに、(d)酸性物質を含有する請求項1に記載の溶液医薬組成物。
  6. 酸性物質(d)が、塩酸、硝酸、燐酸、硫酸、メタンスルホン酸、乳酸、酢酸、酒石酸およびクエン酸からなる群から選択される少なくとも1種である請求項5に記載の溶液医薬組成物。
  7. 化合物Aがラセミ体である請求項1に記載の溶液医薬組成物。
  8. 化合物Aの生理学的に許容される塩が、クエン酸塩である請求項1に記載の溶液医薬組成物。
  9. 成分(a)が、化合物Aのクエン酸塩2水和物である請求項1に記載の溶液医薬組成物。
  10. (a)化合物Aに換算して約1mg/ml〜約10mg/mlの濃度となる量の、化合物A又はその生理学的に許容される塩、
    (b)約20w/v%〜約75w/v%のプロピレングリコール、
    (c)溶液医薬組成物を完成させるに必要な量の水、および
    (d)メタンスルホン酸、クエン酸及び塩酸からなる群から選択される少なくとも1種の酸性物質、
    を含有する、pHが約2.5〜約4.5である請求項1に記載の溶液医薬組成物。
  11. (a)化合物Aに換算して約1.5mg/ml〜約5.5mg/mlの濃度となる量の、化合物A(ラセミ体)のクエン酸塩・二水和物、
    (b)約25w/v%〜約55w/v%のプロピレングリコール、
    (c)溶液医薬組成物を完成させるに必要な量の水、および
    (d)メタンスルホン酸、クエン酸及び塩酸からなる群から選択される少なくとも1種の酸性物質、
    を含有する、pHが約3〜約4である請求項1に記載の溶液医薬組成物。
  12. 注射剤又は経口剤の形態である請求項1に記載の溶液医薬組成物。
  13. (i)化合物A又はその生理学的に許容される塩を含む薬物含有粉末状乃至粒状物、および
    (ii)プロピレングリコール及び水を含有する薬物溶解液、
    からなる用時調製製剤。
  14. 請求項1に記載の溶液医薬組成物及び当該組成物に関する記載物を含む商業パッケージであって、当該記載物および/または当該パッケージに当該組成物を特定の疾患のために使用する、もしくは使用すべきであることを記載してなる商業パッケージ。
  15. 請求項13に記載の用時調製製剤及び当該製剤に関する記載物を含む商業パッケージであって、当該記載物および/または当該パッケージに当該製剤を特定の疾患のために使用する、もしくは使用すべきであることを記載してなる商業パッケージ。
  16. 請求項1に記載の溶液医薬組成物の有効な量を、消化管運動機能促進、胃切除後症状の改善又は胃食道逆流症(GERD)の予防若しくは治療のために、患者に投与することを含む、方法。
  17. 請求項1に記載の溶液医薬組成物の、消化管運動機能促進、胃切除後症状の改善又は胃食道逆流症(GERD)の予防若しくは治療のための使用。
  18. 化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を含有する溶液医薬組成物の製造方法であって、
    (i)溶液医薬組成物を完成させるに必要な量よりも少ない量の水と最終的な組成物中約10w/v%〜約92w/v%の濃度となる量のプロピレングリコールを含む混合溶媒に、化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を溶解させる工程、および
    (ii)工程(i)で得られた混合液に水を添加して組成物を完成させる工程、
    を含む製造方法。
  19. 化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を含有する溶液医薬組成物の製造方法であって、
    (i’)最終的な組成物中約10w/v%〜約92w/v%の濃度となる量のプロピレングリコールに、化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を溶解させる工程、および
    (ii’)工程(i’)で得られた液に溶液医薬組成物を完成させるに必要な量の水を添加して組成物を完成させる工程、
    を含む製造方法。
  20. 必要に応じて酸性物質および/または製剤化に必要な添加剤を加え、pHを約2〜約5.5に調整する工程を含む請求項18又は19のいずれかに記載の方法。
  21. 請求項18〜20のいずれかに記載の方法によって得ることができる、溶液医薬組成物。
  22. 化合物Aまたはその生理学的に許容される塩の水系溶媒中での溶解性および安定性を改善する方法であって、最終的な組成物中約10w/v%〜約92w/v%の濃度となる量のプロピレングリコールを含む水系溶媒に、化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を溶解させることを含む改善方法。
  23. 請求項22に記載の方法によって得ることができる、化合物Aの溶解性および安定性が改善された溶液医薬組成物。
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