JP2024518225A - 医薬組成物及びアプレピタント注射液並びに凍結乾燥粉末注射剤 - Google Patents

医薬組成物及びアプレピタント注射液並びに凍結乾燥粉末注射剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、医薬組成物及びアプレピタント注射液並びにアプレピタント凍結乾燥粉末注射剤を開示する。該医薬組成物は、アプレピタントと、1次安定剤と、2次安定剤とを含み、前記1次安定剤はデオキシコール酸ナトリウムを含み、前記2次安定剤はポビドンを含む。本発明によって提供されるアプレピタント注射剤は注射で投与可能となり、この製剤は補助剤の使用量を大幅に減少させ、患者への使用時に注射部位への刺激性が小さく、アレルギー反応が起こりにくく、より安全で、製剤の安定性が良く、常温での貯蔵、輸送が可能であり、生産、貯蔵及び輸送コストを大幅に低減できる。

Description

本発明は、医薬組成物に関し、さらに、アプレピタント注射液及びアプレピタント凍結乾燥粉末注射剤に関する。
アプレピタント(Aprepitant)は、MERCKによって開発、市販されたNK1受容体アンタゴニストであり、2003年に米国FDAによって経口カプセル剤の市販が承認され、商品名がイメンド(Emend)であり、臨床において主に高度催吐性抗腫瘍化学療法の初回及び繰り返しの治療過程に現れる急性及び遅発性の悪心及び嘔吐を予防するために用いられる。アプレピタントは、常に糖質コルチコイド及び一種の5-HT3アンタゴニストと併用され、年齢が6か月以上の患者に適用され、1.高度催吐性抗がん化学療法(HEC)の初期及び繰り返しの治療過程に関連する急性及び遅発性の悪心及び嘔吐に用いられ、大用量のシスプラチンを含み、2.中度催吐性抗がん化学療法(MEC)の初期及び繰り返し過程に関連する悪心及び嘔吐にに用いられ、その化学構造は、以下の通りである。
アプレピタントは、ヒトサブスタンスPニューロキニン1(NK1)受容体の選択的な高親和性拮抗剤である。化学療法による悪心嘔吐(CINV)及び手術後の悪心嘔吐(PONV)を治療する他の既存の薬物の作用標的である5-ヒドロキシトリプタミン受容体3(5-HT3)、ドーパミン受容体及び糖質コルチコイド受容体の親和力が低い又は親和性がない。臨床前の研究により、NK1受容体アンタゴニストは、細胞傷害性化学療法薬、例えばシスプラチンによる嘔吐を抑制することができることが示された。アプレピタントの臨床前及び人体陽電子放出断層撮影(PET)研究により、アプレピタントは血液脳関門を透過し、脳内のNK1受容体を占領する。アプレピタントは、シスプラチンに起因する急性及び遅発性の嘔吐を抑制し、5-HT3受容体アンタゴニストであるオンダンセトロン及び糖質コルチコイドであるデキサメサゾンの、シスプラチンによる嘔吐に対する制吐活性を増強する。
アプレピタント原薬は白色から灰白色の結晶固体であり、分子量が534.43であり、水に難溶である。アプレピタントカプセルの日本IFファイル情報によれば、室温におけるアプレピタントの水への溶解度は0.00055mg/mLであり、エタノール及び酢酸イソプロピル、アセトニトリルに微溶解し、低溶解低浸透の薬物に属し、バイオ医薬品ではIV類に分類される。水溶性が悪いことから、薬物の溶出が遅く完全ではなく、バイオアベイラビリティが低い。MSD社は、薬物のバイオアベイラビリティを向上させるために、ナノ結晶技術を用いてバイオアベイラビリティを向上させたが、その開発された経口投与カプセルの絶対バイオアベイラビリティも60%から65%のみであり、かつ最大血中濃度(Cmax)に達するには約4時間かかる必要があり、患者の化学治療前又は化学治療後に迅速に効くのに不利であり、臨床応用の場面が深刻に制限されている。
注射剤は化学療法前に投与されることが明らかな臨床的利点を有し、そのバイオアベイラビリティが高く、投与後に迅速に効き、最大の範囲内で癌の化学療法患者に利益を与え、さらに薬物の治療効果を向上させることができる。しかしながら、アプレピタントは水にほとんど溶解せず(0.00055mg/mL)、真溶液型の通常注射剤に溶解開発することは困難であり、溶解性の悪さが製剤者が乗り越えにくい障害となる。
アプレピタントの溶解度が悪いため、注射剤の開発にはたくさんの困難を乗り換えなければならない。鋭意の研究により、2010年、MERCKは、溶解度を向上させるために、アプレピタントンに対して、プロドラッグとしてホスアプレピタントメグルミンが開発され、最終的に凍結乾燥粉末注射剤として開発され、商品名は、EMEND(注射用ホスアプレピタントメグルミン)である。しかし、これまでのプロドラッグ注射剤は、多くの欠陥がある。1)プロドラッグの安定性が極めて悪く、アプレピタントに変換されやすく、-20℃の条件下で原薬を保存することが必要であり、2)凍結乾燥後のホスアプレピタントメグルミン注射剤は、その安定性が相変わらず悪く、2~8℃で保存する必要があり、3)ホスアプレピタントメグルミンは、安定性が悪く、原薬の生産、貯蔵、輸送及び製剤の生産、輸送及び貯蔵について、普通の常温で生産、貯蔵された注射剤に比べて高額なコストをもたらし、患者の投薬コストが高くなるとともに、医療資源の巨大な浪費となり、(4)ホスアプレピタントメグルミン注射剤の処方に大量のTween80(活性成分の使用量の58%)が含有され、使用時にしばしば患者の注射部位の痛みが強く、臨床データによると、ホスアプレピタントメグルミンの注射部位の有害反応の発生率(3.0%)が経口アプレピタント対照群(0.5%)よりも高く、(5)ホスアプレピタントメグルミンが水中でアプレピタントに変換されて析出しやすく、患者の使用時に安全性の懸念がある。
HERON社は、アプレピタントを脂肪乳剤注射液として開発することを試み、長年の努力を経て最終的に開発に成功し、2017年に米国FDAに承認された上で、アプレピタント脂肪乳剤注射液が市販されており、商品名がCINVANTIであり、規格が130mg/18mLである。この製剤は、レシチン2.6g、エタノール0.5g、オレイン酸ナトリウム0.1g、大豆油1.7g、ショ糖1gを含む。この注射剤は依然として多くの欠陥が存在する。1)処方には大量の大豆油及びレシチンを有し、製剤における補助剤の使用量は5.9gであり、活性成分の45倍であり、大量の補助剤により、薬物を静脈注射した後にアレルギー反応が生じやすく、患者の健康を危害し、2)オレイン酸ナトリウムが一定の刺激性を有し、静脈投与後に投与部位に痛みを生じやすいなどの症状を有し、3)乳剤は熱力学的不安定系であり、この製剤は依然として2~8℃で保存する必要があり、4)また、この製剤は薬液の体積が大きく、臨床での使用に一定の不便をもたらし、迅速に使用することに不便である。
市販されている製品に存在する欠陥に対して、患者の使用安全性を向上させるとともに、生産、貯蔵及び輸送コストを低減し、臨床での使用を容易にし、医療コストを節約するために、安全性が良く(投与部位への刺激性が小さく、アレルギー反応が発生しにくいなど)、医薬品の体積が小さく、使用が便利で、常温での貯蔵及び輸送が可能な注射剤を開発する必要が依然として存在する。
従来技術に存在する課題に対して、本発明は、ナノ結晶製剤技術を用いてアプレピタントを懸濁注射剤に直接開発することを試みた。ナノ結晶懸濁注射剤の開発の難易度が高く、市販に成功した製剤は、精神疾患分野の長効薬の開発に多く用いられ、例えば既に市販されている薬物アリピプラゾール持続性筋肉注射剤及びパリペリドンパルミチン酸エステル注射液はいずれも筋肉注射製剤である。静脈注射が可能なナノ結晶懸濁注射剤の開発はさらに困難となり、一方では静脈注射用の界面活性剤の種類が少ないことに制限され、他方では原薬の物理化学的性質及び複雑な製剤プロセスに制限され、第三の側面ではナノ結晶懸濁注射剤が粒子の粒子径に対して厳しい要求がある。本発明の目的を達成するために、以下の手段を採用する。
第1の態様において、本発明は、アプレピタントと、1次安定剤と、2次安定剤とを含む医薬組成物であって、前記1次安定剤はデオキシコール酸ナトリウムを含み、前記2次安定剤はポビドンを含む、医薬組成物を提供する。本発明は、安定剤としてデオキシコール酸ナトリウムとポビドンとの組み合わせを採用することにより、安定性に優れ、且つ粒子径が小さく、注射に使用可能なナノ結晶懸濁液を得ることができる。
いくつかの実施形態において、前記1次安定剤と前記2次安定剤との質量比は1:1~8である。いくつかの実施形態において、前記1次安定剤と前記2次安定剤との質量比は、1:1~7であり、好ましくは1:2~7である。いくつかの実施例において、前記1次安定剤と前記2次安定剤との質量比は、1:1、1:1.5、1:2、1:2.5、1:3、1:3.5、1:4、1:5.5、1:6、1:6.5又は1:7である。
いくつかの実施形態において、前記デオキシコール酸ナトリウムの質量と前記ポビドンの質量との比は1:1~8である。いくつかの実施形態において、前記デオキシコール酸ナトリウムの質量と前記ポビドンの質量との比は、1:1~7であり、好ましくは1:2~7である。発明者らは、デオキシコール酸ナトリウムとポビドンとの質量比がこの範囲内であると、粒子径が小さいナノ結晶製剤が得られ、且つナノ結晶懸濁液の安定性を大幅に向上させることができることを見出した。いくつかの実施例において、前記デオキシコール酸ナトリウムの質量と前記ポビドンの質量との比は、1:1、1:1.5、1:2、1:2.5、1:3、1:3.5、1:4、1:5.5、1:6、1:6.5又は1:7である。
いくつかの実施形態において、前記1次安定剤及び前記2次安定剤の合計質量に対する前記アプレピタントの質量の割合は、1:0.05~3.7である。いくつかの実施形態において、前記1次安定剤及び前記2次安定剤の合計質量に対する前記アプレピタントの質量の割合は、1:0.1~2である。いくつかの実施例において、前記1次安定剤及び前記2次安定剤の合計質量に対する前記アプレピタントの質量の割合は、1:0.065、1:0.08、1:0.1、1:0.2、1:0.3、1:0.4、1:0.5、1:0.6、1:0.7、1:0.8、1:0.9、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2.0、1:2.1、1:2.2、1:2.3、1:2.4等である。
いくつかの実施形態において、前記デオキシコール酸ナトリウム及びポビドンの合計質量に対する前記アプレピタントの質量の割合は1:0.05~3.7である。いくつかの実施形態において、前記デオキシコール酸ナトリウム及び前記ポビドンの合計質量に対する前記アプレピタントの質量の割合は1:0.1~2である。いくつかの実施例において、前記デオキシコール酸ナトリウム及び前記ポビドンの合計質量に対する前記アプレピタントの質量の割合は、1:0.065、1:0.08、1:0.1、1:0.2、1:0.3、1:0.4、1:0.5、1:0.6、1:0.7、1:0.8、1:0.9、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2.0、1:2.1、1:2.2、1:2.3、1:2.4等である。
いくつかの実施形態において、前記ポビドンの分子量は45000未満、好ましくは分子量は40000未満、好ましくは分子量は35000未満、好ましくは分子量は30000未満、好ましくは分子量は25000未満、好ましくは分子量は20000未満、好ましくは分子量は15000未満、好ましくは分子量は10000未満、好ましくは分子量は8000未満、より好ましくは分子量は4000未満である。いくつかの実施形態において、前記ポビドンは、ポビドンK30、ポビドンK18、ポビドンK17、ポビドンK15及びポビドンK12から選択される1種又は複数種である。
いくつかの実施形態において、前記1次安定剤は、デオキシコール酸ナトリウムである。他の幾つかの実施形態において、前記1次安定剤は、Tween80及びTween20のうちの1種又は2種をさらに含む。
いくつかの実施形態において、前記2次安定剤はポビドンである。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、pH調整剤、浸透圧調整剤及び凍結乾燥保護剤のうちの1つ又は複数をさらに含む。好ましくは、前記pH調整剤は、塩酸、水酸化ナトリウム、クエン酸、クエン酸塩、酒石酸、酒石酸塩、酢酸、乳酸、リン酸及びリン酸塩(例えば、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等)から選択される1種又は複数種であり、好ましくは、前記浸透圧調整剤は、塩化ナトリウム、グルコース、マンニトール、グリセリンから選択される1種又は複数種であり、好ましくは、前記凍結乾燥保護剤は、スクロース、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、トレハロースから選択される1種又は複数種である。
いくつかの実施形態において、前記医薬組成物は懸濁液の形態である。好ましくは、前記懸濁液のpH値は6.0~8.5、6.0~8.0、又は6.5~8.0であり、好ましくは6.5~8.0、最も好ましくは7.0~8.0である。いくつかの実施形態において、前記懸濁液中のアプレピタントのD50は200nm未満、好ましくは120nm未満、好ましくは100nm未満、例えば80nm未満である。粒子径が小さい方が製品の安定に有利であり、溶解速度の向上にも有利である。
いくつかの実施形態において、アプレピタントは、結晶形I、結晶形II(CN98806703.Xに開示される結晶形I、結晶形II)、アモルファス又はそれらの混合物を含む結晶形である。
いくつかの実施形態において、前記医薬組成物は、重量部で、アプレピタント1部と、1次安定剤0.04~0.45部(例えば、0.05、0.06、0.07、0.08、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45)と、2次安定剤0.04~3.2部(例えば、0.05、0.06、0.07、0.08、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9など)と、pH調整剤0.001~0.04部(例えば、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.01、0.012、0.015、0.02、0.03など)との成分を含むか、又はそれらの成分からなる。
いくつかの実施形態において、前記医薬組成物は、重量部で、アプレピタント1部と、1次安定剤0.04~0.45(例えば、0.05、0.06、0.07、0.08、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45)部と、2次安定剤0.04~3.2部(例えば、0.05、0.06、0.07、0.08、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9など)と、浸透圧調整剤0.005~0.05部(例えば、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.01、0.012、0.015、0.02、0.03、0.04、0.05など)との成分を含むか、又はそれらの成分からなる。
いくつかの実施形態において、前記医薬組成物は、重量部で、アプレピタント1部と、1次安定剤0.04~0.45部と、2次安定剤0.04~3.2部、pH調整剤0.001~0.04部と、浸透圧調整剤0.005~0.05部との成分を含むか、又はそれらの成分からなる。
いくつかの実施形態において、前記医薬組成物は、水、好ましくは注射用水をさらに含む。
いくつかの実施形態において、前記医薬組成物は、重量部で、アプレピタント1部と、1次安定剤0.04~0.45部と、2次安定剤0.04~3.2部と、pH調整剤0.001~0.04部と、浸透圧調整剤0.005~0.05部、及び、水との成分を含むか、又はそれらの成分からなる。
いくつかの実施形態において、前記医薬組成物は、重量部で、アプレピタント1部と、1次安定剤0.04~0.42部と、2次安定剤0.08~2.9部と、pH調整剤0.001~0.04部と、浸透圧調整剤0.005~0.05部と、及び、水との成分を含むか、又はそれらの成分からなる。
いくつかの実施形態において、前記医薬組成物は、重量部で、アプレピタント1部と、1次安定剤0.05~0.40部と、2次安定剤0.1~2.8部と、pH調整剤0.001~0.04部と、浸透圧調整剤0.005~0.5部と、及び、水との成分を含むか、又はそれらの成分からなる。
いくつかの実施形態において、前記医薬組成物は重量部で、重量部で、アプレピタント1部と、デオキシコール酸ナトリウム0.04~0.45部と、ポビドン0.04~3.2部と、pH調整剤0.001~0.04部と、浸透圧調整剤0.005~0.05部と、及び、水とを含む。
いくつかの実施形態において、前記医薬組成物は、重量部で、アプレピタント1部と、デオキシコール酸ナトリウム0.05~0.38部と、ポビドン0.1~2.00部と、pH調整剤0.001~0.04部と、浸透圧調整剤0.005~0.05部とを含む。
いくつかの実施形態において、前記医薬組成物は、重量部で、アプレピタント1部と、デオキシコール酸ナトリウム0.06~0.37部と、ポビドン0.12~1.90部と、pH調整剤0.001~0.04部と、浸透圧調整剤0.005~0.05部とを含む。
いくつかの実施形態において、前記医薬組成物は、重量部で、アプレピタント1部と、デオキシコール酸ナトリウム0.06~0.35部と、ポビドン0.12~1.75部と、pH調整剤0.001~0.04部と、浸透圧調整剤0.005~0.05部とを含む。
第2の態様において、本発明は、医薬組成物(例えば、本発明の第1の態様に記載の医薬組成物)の調製方法を提供し、該調製方法は、1次安定剤、2次安定剤、選択可能な成分及びアプレピタントを湿式研磨することを含み、前記1次安定剤はデオキシコール酸ナトリウムを含み、前記2次安定剤はポビドンを含み、前記選択可能な成分はpH調整剤及び浸透圧調整剤のうちの1つ又は複数を含む。
いくつかの実施形態において、前記湿式研磨の研磨媒体はジルコニアビーズ及び/又はポリスチレンビーズである。
いくつかの実施形態において、前記湿式研磨は、6.0m/s~17.0m/sの速度で行われる。
いくつかの実施形態において、前記調製方法は、
1)前記1次安定剤及び前記2次安定剤を注射用水に溶解し、完全に溶解するまで撹拌し、任意選択で、前記pH調整剤を添加し、アプレピタントを添加して均一に分散させた後、初期研磨懸濁液とするステップと、
(2)研磨媒体を研磨チャンバーに入れ、前記初期研磨懸濁液を研磨バレルに入れて6.0m/sから17.0m/sの速度で研磨を開始し、研磨してD50が200nm未満のアプレピタントナノ懸濁液を得るステップと、
(3)前記アプレピタントナノ懸濁液を除菌濾過して充填し、好ましくはバイアル瓶又はアンプル瓶に充填するステップと、を含む。
第3の態様において、本発明は、本発明の第1の態様に記載の医薬組成物を含む、アプレピタント注射剤を提供する。
本発明により提供されるアプレピタント注射剤は、静脈注射に適用される。本発明により提供されるアプレピタント注射剤は、補助剤の使用量を大幅に減少させ、且つ安定性に優れる。
第4の態様において、本発明は、本発明の第1の態様に記載の医薬組成物に好ましくは凍結乾燥保護剤を加えて凍結乾燥して調製された凍結乾燥粉末を含む、アプレピタントの凍結乾燥粉末注射剤を提供する。
いくつかの実施形態において、質量部で、アプレピタントは1部、凍結乾燥保護剤は0~3.5部である。いくつかの実施形態において、質量部で、アプレピタントは1部、凍結乾燥保護剤は0.1~3、0.15~2、0.2~1.5、0.2~1.0、又は0.1~0.5部である。
本発明の進歩性は、アプレピタントを静脈注射可能なナノ結晶懸濁注射剤に調製し、この製剤は補助剤の使用量を大幅に減少させ、開発された製剤は患者への使用時に注射部位への刺激性が小さく、アレルギー反応が起こりにくく、より安全で、医薬品の体積が小さく、使用が便利で、製剤の安定性が良く、常温での貯蔵、輸送が可能であり、生産、貯蔵及び輸送コストを大幅に低減できる。
本発明の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、実施例を参照して、本発明を更に詳細に説明する。ここで説明される具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものであり、本発明を限定するものではない。
実施例1:単一種類の界面活性剤の研磨粒子径への影響
異なる種類の界面活性剤を用いて、アプレピタントナノ懸濁注射剤を調製した。容器内に適量の注射用水を加え、それぞれ表1の表面安定剤を加えて完全に溶解させ、続いて原薬(アプレピタント)を加えて均一に分散させるまで撹拌した。湿式研磨機において、研磨チャンバーの体積の80%を占める0.1~0.2mmのイットリウム安定化ジルコニアビーズを加え、研磨速度が約12.1~12.3m/sであり、3h研磨して、研磨懸濁液を得た後、マルバーンレーザー粒度分布計(Mastersizer 3000)を用いて粒子径分布を調べ、D50は、粒子の累積分布が50%である粒子径、即ち、この粒子径より小さい粒子の体積含有量が全粒子の50%を占めることを表す。研磨懸濁液の安定性(40℃で10日間放置して懸濁液にケーキング、凝集又は結晶成長があるか否かを観察する)を初歩的に考察した。結果データを以下の表1に示す。
粒子径の測定結果は、処方中にポロキサマー188を含有する場合以外、残りの表面安定剤はいずれもナノ結晶懸濁液の平均粒子径を200nm未満にすることができ、中でも、処方中にデオキシコール酸ナトリウムを含有する溶液の研磨効果がより良好となり、得られたナノ懸濁液の平均粒子径は最小であるが、いずれも安定性に劣る欠陥が存在する。その結果、上記表面安定剤を単一でナノ結晶懸濁注射剤の開発に用いると、効果が悪いことが示された。
実施例2:2種類の界面活性剤の組み合わせについての考察
2種類の界面活性剤を用いて、アプレピタントナノ懸濁注射剤を調製した。表面安定剤として、ポビドンK12、ポビドンK17、ポロキサマー188、オレイン酸ナトリウムを使用してデオキシコール酸ナトリウムと組み合わせて研磨した。表2の処方組成及び配合比に基づいて、容器内に適量の注射用水を加え、2種類の表面安定剤を順次加えて完全に溶解させるまで撹拌し、次に原薬(アプレピタント)を加えて均一に分散させるまで撹拌し、研磨チャンバーの体積80%を占める0.1~0.2mmのイットリウム安定化ジルコニアビーズを加え、研磨速度が約12.1~12.3m/sであり、研磨して得られた懸濁注射液について粒子径分布を調べ、マルバーンレーザー粒度分布計(Mastersizer 3000)を用いて粒子径分布を調べ、D50は、粒子の累積分布が50%である粒子径、即ち、この粒子径より小さい粒子の体積含有量が全粒子の50%を占めることを表す。研磨懸濁液の安定性(40℃で10日間放置して懸濁液にケーキング、凝集又は結晶成長があるか否かを観察する)を初歩的に考察した。研究結果を表2に示す。

上記実験データにより、ポビドンK17及び異なる濃度のポビドンK12を使用してデオキシコール酸ナトリウムと組み合わせることにより、ナノ結晶懸濁液の平均粒子径を200nm未満にすることができることが示されている。意外にも、単一のデオキシコール酸ナトリウム、及びデオキシコール酸ナトリウムと他の安定剤との組み合わせに比べて、デオキシコール酸ナトリウムとポビドンとを組み合わせることにより、D50がより小さくなる(150nm未満、120nm未満、さらには100nm未満)ナノ懸濁液が得られ、且つ研磨後の溶液安定性が良好である。さらに、デオキシコール酸ナトリウムとポビドンとの質量比が1:2~7の範囲内であると、溶液安定性をさらに向上できることを見出した。その結果、デオキシコール酸ナトリウムとポビドンとの安定剤の組み合わせがナノ結晶懸濁注射剤の開発に適することが示されている。
実施例3:
アプレピタント懸濁液の調製(湿式研磨法)
処方(100本)
アプレピタント 13g
デオキシコール酸ナトリウム 0.85g
ポビドンK12 3.9g
塩化ナトリウム 0.25g
注射用水を500mLになるまで添加する。
調製プロセス:
(1)初期懸濁液の調製:3.9gのポビドンK12、0.85gのデオキシコール酸ナトリウム及び0.25gの塩化ナトリウムを注射用水に溶解し、完全に溶解するまで撹拌した。13gのアプレピタント原薬を加えて均一に分散させた後、初期懸濁液とした。
(2)50mlのイットリウム安定化した研磨ビーズ(研磨媒体)を研磨チャンバーに入れ、初期懸濁液を研磨バレルに入れて研磨を開始し、速度は16m/sであった。
(3)3時間研磨した後にサンプリングして懸濁液の平均粒子径が200nm未満であることを測定し、アプレピタントナノ懸濁液を得た。
(4)ナノ懸濁液を注射用水で約26mg/mLにさらに希釈し、除菌濾過した後、滅菌したバイアル瓶又はアンプル瓶に充填し、アプレピタントナノ懸濁注射剤を調製した。
実施例4:
アプレピタント懸濁注射液の調製(湿式研磨法)
処方(100本)
アプレピタント 13g
デオキシコール酸ナトリウム 1.7g
ポビドンK12 5.85g
クエン酸モノナトリウム又はリン酸二水素ナトリウムでpHを6.5~7.5に調整する。
注射用水を500mLになるまで添加する。
調製プロセス:
(1)研磨懸濁液の調製:5.85gのポビドンK12、1.7gのデオキシコール酸ナトリウムを注射用水に溶解し、完全に溶解するまで撹拌し、クエン酸モノナトリウム又はリン酸二水素ナトリウムを加えて溶液のpH値を6.5~7.5に調整した。13gのアプレピタント原薬を加えて均一に分散させた後、初期研磨懸濁液とした。
(2)50mLのイットリウム安定化した研磨ビーズを研磨チャンバーに入れ、初期研磨懸濁液を研磨バレルに入れて研磨を開始し、速度は16m/sであった。
(3)3時間研磨した後にサンプリングして懸濁液の平均粒子径が200nm未満であることを測定し、アプレピタントナノ懸濁液を得た。
(4)ナノ懸濁液を注射用水で約26mg/mLにさらに希釈し、除菌濾過した後、滅菌したバイアル瓶又はアンプル瓶に充填し、アプレピタントナノ懸濁注射剤を調製した。
実施例5:
アプレピタント懸濁凍結乾燥粉末注射剤の調製(湿式研磨法)
処方(100本)
アプレピタント 13g
デオキシコール酸ナトリウム 1.70g
ポビドンK12 7.8g
クエン酸モノナトリウムでpH値を6.5~7.5に調整する。
マンニトール 3.9g
注射用水を500mLになるまで添加する。
調製プロセス:
(1)研磨懸濁液の調製:7.8gのポビドンK12、1.70gのデオキシコール酸ナトリウム及びマンニトール3.9gを注射用水に溶解し、完全に溶解するまで撹拌した。クエン酸モノナトリウムでpH値を6.5~7.5に調整し、13gのアプレピタント原薬を添加して均一に分散させた後、初期研磨懸濁液とした。
(2)50mlのイットリウム安定化した研磨ビーズを研磨チャンバーに入れ、初期研磨懸濁液を研磨バレルに入れて研磨を開始し、回転速度は6m/sであった。
(3)2時間研磨した後にサンプリングして懸濁液の平均粒子径が200nm未満であることを測定し、アプレピタントナノ懸濁液を得た。
(4)上記ナノ懸濁液を注射用水で約26mg/mlにさらに希釈し、除菌濾過した後、バイアル瓶に充填し、凍結乾燥した後、アプレピタント凍結乾燥粉末注射剤を得た。凍結乾燥プロセスは以下の通りである。
凍結乾燥後に得られたサンプルの外観は、多孔質の白色塊状物であり、極めて再溶解しやすく、再溶解後のナノ懸濁液の粒子径は、凍結乾燥前とは変わりがなかった。
ナノ結晶技術を用いて調製された懸濁注射液及び凍結乾燥粉末注射剤は、安定性に優れ、原薬及び完成品はいずれも常温で貯蔵輸送することができ、生産、貯蔵及び輸送コストを大幅に低減することができる。ホスアプレピタントメグルミン原薬は-20℃で、その完成品は2~8℃で貯蔵する必要がある。したがって、本発明の懸濁注射液及び凍結乾燥粉末注射液は、ホスアプレピタントメグルミンと比較して大きな利点を有する。アプレピタント脂肪乳剤注射液の完成品は、2~8℃で貯蔵する必要があるため、本発明の懸濁注射液及び凍結乾燥粉末注射液は、アプレピタント脂肪乳剤注射液よりも安定性が良く、薬品の生産流通過程における倉庫保管、輸送及び使用コストを節約する。
ナノ結晶技術を用いて調製された懸濁注射剤は、補助剤が少なく、補助剤の使用量が0.05~0.35g/本であってもよく、例えば、実施例3の補助剤の使用量が0.05g/本であり、実施例4が0.14g/本である。市販されているアプレピタント脂肪乳剤注射液と比較して、補助剤の使用量を大幅に減少させることができる。表3に示すように、アプレピタント脂肪乳剤注射液の補助剤の使用量は5.9g/本である。
実施例6:安定性考察結果
実施例3で調製したアプレピタントナノ懸濁液注射液と実施例5で調製したアプレピタント凍結乾燥粉末注射剤に対して安定性を考察したところ、いずれも良好な物理的及び化学的安定性を有する。
1)アプレピタントナノ懸濁注射液の安定性研究
アプレピタントナノ懸濁注射液の加速40℃での6か月の安定性を調べたところ、データは以下のとおりである。
上記のアプレピタントナノ懸濁注射液は加速条件下で安定性を6か月考察した結果、注射液の重要な品質属性とされる外観、粒子径、不溶性微粒子、関連物質がいずれも変化がなく、このナノ懸濁注射液の安定性が良好であり、常温での貯蔵が可能であることを示した。
2)アプレピタントナノ凍結乾燥粉末注射剤
アプレピタントナノ凍結乾燥粉末注射剤の加速60℃での5日間、15日間及び30日間の安定性を調べたところ、データは以下のとおりである。
前記アプレピタントナノ凍結乾燥粉末注射剤は、高温60℃の条件下で安定性を30日間考察した結果、重要な品質属性とされる外観、粒子径、不溶性微粒子、関連物質がいずれも変化がなく、このナノ注射液の安定性が良好であり、常温での貯蔵が可能であることを示した。
実施例7 異なるpH調整剤の粒子径への影響の検討
粒子径及び性状測定により、異なるpH調整剤の使用量によるナノ結晶粒子径及び安定性の研究を考察し、実施例4の処方に基づいてpH調整剤及び使用量を変化させて考察したところ、測定結果は以下の通りである。
実験データは、クエン酸モノナトリウム又はリン酸二水素ナトリウムをpH調整剤として採用すると、ナノ結晶懸濁液の平均粒子径を200nm未満にすることができ、且つ研磨後の溶液安定性が良好であることを示した。pH調整剤としてリン酸二水素ナトリウムを添加すると、D50がより小さくなる(150nm未満、120nm未満、さらには100nm未満)ナノ結晶懸濁液が得られ、さらに、アプレピタントとpH調整剤との重量比が1:0.001~0.04であると、さらに溶液安定性を向上させることができることを見出した。
実施例8:動物PK試験の結論
市販されているホスアプレピタントメグルミン凍結乾燥粉末注射剤(EMEND)と実施例4で調製したナノ懸濁注射剤のイン・ビボPKを比較した。
試験方法:雄性SDラットを2群、各群6匹(体重約300g)使用した。各ラットに0.5ml投与した。ホスアプレピタントメグルミン凍結乾燥粉末注射剤及び調製されたナノ懸濁注射剤の濃度を1mg/mlに希釈した。投与後、それぞれ2、10、20、30、40分間、及び、1、1.5、2、3、5、12、18時間後に血液試料を採取し、LC-MS/MSを用いて血液試料中の総アプレピタント濃度を測定した。動物PKの研究結果は、実施例4で調製されたナノ懸濁注射剤は、ホスアプレピタントメグルミン凍結乾燥粉末注射剤と動物のイン・ビボPKにおいて等価であり、ホスアプレピタントメグルミン凍結乾燥粉末注射剤を等価的に代替することができ、且つ注射部位への刺激性は、市販されているホスアプレピタントメグルミン注射剤及びアプレピタント脂肪乳剤注射液よりも小さく、患者への使用はより安全であることを示した。
実施例9:血管刺激性の比較
市販されているホスアプレピタントメグルミン凍結乾燥粉末注射剤(EMEND)と、アプレピタント脂肪乳剤注射液(CINVANTI)とを比較した。
A:実施例3で調製したアプレピタント懸濁注射液
B:実施例5で調製したアプレピタント凍結乾燥粉末注射剤
C:ホスアプレピタントメグルミン凍結乾燥粉末注射剤(EMEND)
D:アプレピタント脂肪乳剤注射液(CINVANTI)
試験方法:各群にウサギ5匹、体重が2.3~2.8kg、左耳に被験薬物を静脈注射し、右耳に等量の生理食塩水を静脈注射して自己対照とし、投与体積1ml/kg(被験薬物濃度1mg/ml)であった。投与後1時間及び24時間後にそれぞれ投与部位への刺激状況を観察して採点した。
翌日、動物を殺処分した後、注射部位から組織サンプル(近位端3-10mm及び遠位端20-30mm)を切り取って10%中性緩衝ホルマリン(NBF)に固定し、顕微鏡下で評価した。評価用組織をパラフィンブロックに包埋し、スライスし、ヘマトキシリン及びエオジンで染色し、顕微鏡評価を行った。全ての収集した組織に対して組織病理学的評価を行い、発見した静脈内皮細胞損失、炎症細胞浸潤などを評価した。
試験結果:
1.ウサギの耳縁静脈血管刺激性結果
対照群としての右耳は、生理食塩水注射後に顕著な反応がなく、左耳に被験薬物を注射した後、刺激性結果は以下の表に示す。
上記結果から、自己研究群A、Bは刺激性が低く、市販されている製品であるホスアプレピタントメグルミン及びアプレピタント注射液より優れていることが示された。
上記ウサギの耳縁静脈血管刺激性結果及び組織病理学的検査結果から、本発明で調製されたナノ結晶注射剤の注射部位への刺激性は、市販注射剤よりも低く、患者の使用安全性がより高いことが示された。
本発明の技術案は上記具体的な実施例に限定されず、本発明の技術案による技術的変形は、いずれも本発明の保護範囲内に入る。

Claims (14)

  1. アプレピタントと、1次安定剤と、2次安定剤とを含む医薬組成物であって、前記1次安定剤はデオキシコール酸ナトリウムを含み、前記2次安定剤はポビドンを含む、医薬組成物。
  2. 前記1次安定剤と前記2次安定剤との質量比は、1:1~7であり、好ましくは1:2~7である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記デオキシコール酸ナトリウムの質量と前記ポビドンの質量との比は、1:1~7であり、好ましくは1:2~7であり、及び/又は、前記デオキシコール酸ナトリウム及びポビドンの合計質量に対する前記アプレピタントの質量の割合は1:0.05~3.7である、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. 前記ポビドンの分子量は45000未満、好ましくは分子量は30000未満、好ましくは分子量は15000未満、好ましくは分子量は10000未満、より好ましくは分子量は4000未満であり、好ましくは前記ポビドンは、ポビドンK30、ポビドンK18、ポビドンK17、ポビドンK15及びポビドンK12から選択される1種又は複数種である、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  5. 前記1次安定剤は、Tween80及びTween20のうちの1種又は2種をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  6. 前記医薬組成物は、pH調整剤及び浸透圧調整剤のうちの1つ又は複数をさらに含み、
    好ましくは、前記pH調整剤は、塩酸、水酸化ナトリウム、クエン酸、クエン酸塩、酒石酸、酒石酸塩、酢酸、乳酸、リン酸及びリン酸塩から選択される1種又は複数種であり、
    好ましくは、前記浸透圧調整剤は、塩化ナトリウム、グルコース、マンニトール及びグリセリンから選択される1種又は複数種である、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  7. 前記医薬組成物は懸濁液の形態であり、
    好ましくは、前記懸濁液のpH値は6.0~8.5、好ましくは6.5~8.0、最も好ましくは7.0~8.0であり、及び/又は、前記懸濁液中のアプレピタントのD50は200nm未満、好ましくは120nm未満、好ましくは100nm未満である、請求項1~6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  8. 重量部で、アプレピタント1部と、1次安定剤0.04~0.45部と、2次安定剤0.04~3.2部と、pH調整剤0.001~0.04部と、浸透圧調整剤0.005~0.05部と、及び水とを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  9. 重量部で、アプレピタント1部と、デオキシコール酸ナトリウム0.04~0.45部と、ポビドン0.04~3.2部と、pH調整剤0.001~0.04部と、浸透圧調整剤0.005~0.05部と、又は、
    重量部で、アプレピタント1部と、デオキシコール酸ナトリウム0.05~0.38部と、ポビドン0.1~2.00部と、pH調整剤0.001~0.04部と、浸透圧調整剤0.005~0.05部と、又は、
    重量部で、アプレピタント1部と、デオキシコール酸ナトリウム0.06~0.37部と、ポビドン0.12~1.90部と、pH調整剤0.001~0.04部と、浸透圧調整剤0.005~0.05部と、又は、
    重量部で、アプレピタント1部と、デオキシコール酸ナトリウム0.06~0.35部と、ポビドン0.12~1.75部と、pH調整剤0.001~0.04部と、浸透圧調整剤0.005~0.05部とを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む、アプレピタント注射剤。
  11. (1)前記1次安定剤及び前記2次安定剤を注射用水に溶解し、完全に溶解するまで撹拌し、任意選択で、前記pH調整剤を添加し、アプレピタントを添加して均一に分散させた後、初期研磨懸濁液とするステップと、
    (2)研磨媒体を研磨チャンバーに入れ、前記初期研磨懸濁液を研磨バレルに入れて6.0m/sから17.0m/sの速度で研磨を開始し、研磨してD50が200nm未満のアプレピタントナノ懸濁液を得るステップと、
    (3)前記アプレピタントナノ懸濁液を除菌濾過した後、バイアル瓶又はアンプル瓶に充填するステップと、を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物の調製方法。
  12. 前記研磨媒体はジルコニアビーズ及び/又はポリスチレンビーズである、請求項11に記載の調製方法。
  13. 請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物に凍結乾燥保護剤を加えて凍結乾燥して調製された凍結乾燥粉末を含む、アプレピタント凍結乾燥粉末注射剤。
  14. 前記凍結乾燥保護剤は、スクロース、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、トレハロースから選択される1種又は複数種である、請求項13に記載のアプレピタント凍結乾燥粉末注射剤。
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