JP5705978B2 - 溶解度が向上した難溶性トリサイクリック誘導体の薬学的組成物 - Google Patents

溶解度が向上した難溶性トリサイクリック誘導体の薬学的組成物 Download PDF

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Description

本発明は、リン脂質、コレステロール及びイオン性脂質を含む脂質混合物と、トリサイクリック誘導体とからなる脂質ナノ粒子を含む、溶解度が向上した薬学的組成物及び前記脂質ナノ粒子の製造方法に関する。
特許文献1は、下記構造式(1)のトリサイクリック誘導体を開示している。構造式(1)の化合物は、コルヒチンの誘導体であって、癌細胞株に対しては非常に強い細胞毒性を示し、動物毒性試験では、コルヒチン又はタキソールの注射剤に比べて、毒性が著しく減少しており、腫瘍の大きさ及び腫瘍の重量を顕著に減少させて、HUVEC細胞で強力な血管新生抑制作用を示す。そのため、構造式(1)の化合物は、臨床的に有用な抗癌剤、抗増殖抑制剤、及び血管新生抑制剤として使用できる。しかし、構造式(1)のトリサイクリック誘導体は、水相に対する溶解度が小さく、滅菌水、注射用水、脱イオン水及び緩衝液のような医薬品製造用水相では、生物学的な利用可能性が低い。そして、可溶化された薬学的組成物として投与しても、体内投与直後、体液及び組織から析出するなど、安定した薬学的製剤の開発に限界があった。
このような下記構造式(1)のトリサイクリック誘導体を水性媒質に可溶化するために、ジメチルスルホキシド、ツイン80、クレモホールなどの溶解補助剤を使用しなければならない。しかし、これらの溶解補助剤、特にクレモホールは、人体に及ぼす副作用により深刻なアレルギー反応を示すことが知られている。
このような溶解性の低い薬物を可溶化させるための多様な技術、即ち、ナノ粒子、固体分散体及びミセルなどが知られている。
化合物をリポソーム又はミセルのような脂質凝集体に包装することにより、不溶性、加水分解性化合物を臨床的条件で投与することもできる。リポソームは、広範囲な薬物に対して生理学的に利用可能であり、生分解性の運搬システムとして知られている。また、水相における可溶化が要求されない。そこで、不溶性化合物が、単独で遊離された状態より濃縮されてリポソーム中に製剤化されることで、リポソームは薬物を作用部位に高濃度で運搬することができる。
特許文献2及び3には、アルブミン微細粒子を利用して、パクリタキセルが安定した形態で分散されている製剤の製造技術が示されている。しかし、界面活性剤を使用した公知の製剤に比べ、パクリタキセル−アルブミン粒子が血清アルブミンに吸着することにより、パクリタキセルの薬効が減少する問題点がある。
また、特許文献4には、生分解性でありながら疎水性である高分子としてポリラクチド、ポリグリコリドなどを有し、親水性高分子としてはポリエチレングリコールを有する両親媒性ブロック共重合体を用いて、ジテルペノイドアルカロイド系薬物を可溶化する技術が示されている。しかし、この技術は、薬物の可溶化と可溶化された剤形の毒性低下には効果的であるが、体内投与時、ミセルの構造が不安定であるため、ミセルのコア−シェル構造がたやすく破壊され、封入された薬物が析出される欠点をもつ。
また、特許文献5には、リポソームにカプセル化されたカンプトテシンを含む製剤及びその製造方法が記載されている。製剤は、一つ以上のリン脂質及びカンプトテシンを含むリポソームを内包して、このリポソーム製剤は、遊離された薬物に比べ、改善された薬物動態及び安定性を有する。しかし、カプセル化されたリポソームに薬物を封入する技術は、単位リポソームに封入される薬物の量が少なくて、高濃度溶液の製剤技術に適していない。
上述のように、水相への溶解度の低い構造式(1)のトリサイクリック誘導体が高濃度で可溶化された薬学的製剤の開発のためには、トリサイクリック誘導体がその構造体内に安定的に含有されて、化合物を含有した構造体が水相で安定的に分散されることにより、最終的に水相に難溶性薬物を高濃度で可溶化できる技術が切実に求められている。また、体内投与時、構造体に含有された薬物が体液やタンパク質、塩などの体内成分により容易に破壊されず、体内投与後、薬物が可溶化された構造体から遊離あるいは析出されないなど、体内安定性に優れるトリサイクリック誘導体の可溶化のためのナノ構造体の開発が求められている。
本発明者らは、難溶性トリサイクリック誘導体に脂質混合物を導入した脂質ナノ粒子を利用し、人体に有害な溶解補助剤を使用することなく、トリサイクリック誘導体の溶解度を向上させて、後で注射剤として使用するために水を加えても、向上された溶解度を維持することを確認し、製造された固体状態の脂質ナノ粒子の長期間保管時の安定性を確認して、本発明を完成した。
大韓民国特許登録第10−0667464−0000号明細書 米国特許第5439686号明細書 米国特許第5560933号明細書 大韓民国公開特許第1999−0069033号明細書 大韓民国公開特許第2001−0030599号明細書
本発明の目的は、難溶性トリサイクリック誘導体及び脂質混合物からなる脂質ナノ粒子を含む、溶解度の向上した薬学的組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、前記薬学的組成物に含まれる脂質ナノ粒子の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、リン脂質、コレステロール及びイオン性脂質からなる群から選択された2種以上で構成される脂質混合物と、下記構造式(1)で表される難溶性トリサイクリック誘導体とからなる脂質ナノ粒子を含む、トリサイクリック誘導体の溶解度が向上した薬学的組成物を提供する。
また、本発明は、リン脂質、コレステロール及びイオン性脂質からなる群から選択された2種以上で構成される脂質混合物を有機溶媒に溶解させて脂質混合物溶液を製造する工程(工程1)と、前記工程1で製造された脂質混合物溶液に、前記構造式(1)で表されるトリサイクリック誘導体を溶解させる工程(工程2)と、前記工程2で製造されたトリサイクリック誘導体を含む脂質混合物溶液と水を混合しながら超音波を照射することで、分散された脂質ナノ粒子溶液を製造する工程(工程3)と、前記工程3で製造された脂質ナノ粒子溶液を減圧蒸留し、有機溶媒を除去する工程(工程4)と、前記工程4で製造された脂質ナノ粒子溶液を凍結乾燥する工程(工程5)と、を含む、前記薬学的組成物の製造方法を提供する。
本発明によると、上記構造式(1)の難溶性トリサイクリック誘導体に脂質混合物を導入し、超音波を照射して脂質ナノ粒子を製造することにより、人体に有害な溶解補助剤を使用することなくトリサイクリック誘導体の溶解度を向上させて、後で注射剤として使用するために水を加えても、向上された溶解度を維持する効果を有する。また、製造された固体状態の脂質ナノ粒子は、長期間保管時も安定性を示す。したがって、本発明は、トリサイクリック誘導体を使用する薬学的製剤の製造に普遍的に適用することができる。
図1は、有機溶媒中のトリサイクリック誘導体の溶解度を測定するための、HPLC測定用の標準曲線を示す図である。 図2は、本発明の一実施例における、脂質ナノ粒子の大きさを粒子分析器で測定した結果を示す図である。 図3は、本発明の一実施例における、脂質ナノ粒子のCryo−TEM像を示す図である。 図4は、本発明の一実施例における、トリサイクリック誘導体が含まれていない脂質ナノ粒子のCryo−TEM像を示す図である。 図5は、本発明の一実施例における、イオン性脂質が含まれていない脂質ナノ粒子のCryo−TEM像を示す図である。 図6は、本発明の一実施例における、イオン性脂質が含まれていない脂質ナノ粒子から遊離された状態にあるトリサイクリック誘導体のCryo−TEM像を示す図である。
本明細書において、用語‘脂質ナノ粒子’は、リン脂質、コレステロール、イオン性脂質と、下記構造式(1)で表されるトリサイクリック誘導体と、からなるナノ粒子を意味する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、リン脂質、コレステロール及びイオン性脂質からなる群から選択された2種以上で構成される脂質混合物と、下記構造式(1)で表される難溶性トリサイクリック誘導体と、からなる脂質ナノ粒子を含むトリサイクリック誘導体の溶解度が向上した薬学的組成物を提供する。
前記脂質混合物において、リン脂質は、任意のリン脂質、又はリポソームを形成できるリン脂質の組合せを使用することができる。例えば、ホスファチジルコリン(例えば卵や、大豆又はその他の植物から得られた天然リン脂質、半合成リン脂質又は合成リン脂質等)、脂質鎖の長さが多様なリン脂質、不飽和リン脂質などを適宜選択して使用することができる。具体的には、例えば、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、水素化大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、大豆ホスファチジルコリン(Soy PC)、卵ホスファチジルコリン(Egg PC)、水素化卵ホスファチジルコリン(HEPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)から選択される1種又は2種以上の混合物を使用することができる。これらの中でも、水素化大豆ホスファチジルコリン(HSPC)を使用することが好ましい。
また、前記脂質混合物において、イオン性脂質は、陰イオン性脂質又は陽イオン性脂質を使用することができる。
前記陰イオン性脂質としては、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジラウロイルホスファチジルグリセロール(DLPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジミリストイルホスファチジン酸(DMPA)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)、ジラウロイルホスファチジン酸(DLPA)、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)から選択される1種、又はこれらの2種以上の混合物を使用することができる。これらの中でも、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)を使用することが好ましい。
前記陽イオン性脂質としては、ジオレイルトリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP)、ジメチルオクタデシアンモニウム(DMOA)、ジオレイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、ジアルキルジメチルアンモニウムブロマイド(DXDAB)、ジアルキルトリメチルアンモニウムプロパン(DXTAP)から選択される1種、又はこれらの2種以上の混合物を選択して使用することができる。
本発明による前記脂質混合物の構成成分において、リン脂質は、前記脂質ナノ粒子の構造を形成して、コレステロールは、形成された前記脂質ナノ粒子の構造を安定化して、イオン性脂質は、形成された前記脂質ナノ粒子が互いに凝集することを防止する。
本発明による前記脂質混合物において、リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の比は、重量部の比(以下「重量比」)で0〜100:0〜20:0〜10であることが好ましく、0〜20:0〜7:1〜3であることがより好ましくて、7:3:1であることが更に好ましい。
もし、リン脂質の重量比が100を超過する場合、コレステロールの重量比が20を超過する場合、又はイオン性リン脂質の重量比が10を超過する場合は、粒子が大きくなりすぎる問題がある。
また、本発明によるリン脂質、コレステロール及びイオン性脂質を含む脂質混合物とトリサイクリック誘導体の重量比は、1〜20:1であることが好ましく、3:1であることがより好ましい。もし、トリサイクリック誘導体1重量部に対して脂質混合物が1重量部未満であると、脂質ナノ粒子の大きさが大きくなって、脂質ナノ粒子から遊離されるトリサイクリック誘導体が発生し、トリサイクリック誘導体の溶解度改善効果が弱くなる。一方、トリサイクリック誘導体1重量部に対して脂質混合物が20重量部を超過すると、それ以上の粒子の大きさの改善効果がないばかりか、脂質混合物を溶解させる溶媒の量が大きく増加し、工程上の問題が発生して、経済性も低下する。
更に、本発明による前記脂質ナノ粒子は、大きさが1nm〜1,000nmであることが好ましく、20nm〜200nmであることがより好ましい。もし、前記脂質ナノ粒子の大きさが1nm未満であると、薬物封入率が低下する場合があり、脂質ナノ粒子の大きさが1,000nmを超過すると、注射剤に使用し難い場合がある。
また、本発明による薬学的組成物に、エチレンジアミン四酢酸、エリソルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールなどの通常的に使用される抗酸化剤から一つ又は二つ以上を選択して添加することができる。
更に、本発明による薬学的組成物は、スクロース、マンニトール、クレアチニンなどの通常的に使用される凍結乾燥用充填剤を含むことができる。これらの凍結乾燥用充填剤は、下記脂質ナノ粒子の製造方法の工程5における凍結乾燥時、脂質ナノ粒子間の凝集を防止することができる。その結果、製造された固体状態の脂質ナノ粒子を注射用水に加える場合、再凝集されることなく迅速に分散され、当初の脂質ナノ粒子の大きさを維持する。
また、本発明は、前記構造式(1)のトリサイクリック誘導体を含む脂質ナノ粒子の製造方法を提供する。
本発明による脂質ナノ粒子の製造方法は、具体的には、リン脂質、コレステロール及びイオン性脂質からなる群から選択された2種以上で構成される脂質混合物を有機溶媒に溶解させて脂質混合物溶液を製造する工程(工程1)と、前記工程1で製造された脂質混合物溶液に、前記構造式(1)で表されるトリサイクリック誘導体を溶解させる工程(工程2)と、前記工程2で製造されたトリサイクリック誘導体を含む脂質混合物溶液と水を混合しながら超音波を照射することで、分散された脂質ナノ粒子溶液を製造する工程(工程3)と、前記工程3で製造された脂質ナノ粒子溶液を減圧蒸留し、有機溶媒を除去する工程(工程4)と、前記工程4で製造された脂質ナノ粒子溶液を凍結乾燥する工程(工程5)と、を含む、トリサイクリック誘導体の溶解度が向上した、薬学的組成物に含まれる脂質ナノ粒子の製造方法を提供する。
以下、本発明を工程別に更に具体的に説明する。
本発明の前記脂質ナノ粒子の製造方法において、前記工程1は、前記脂質混合物を有機溶媒に溶解させて脂質混合物溶液を製造する工程である。前記脂質混合物を溶解させる有機溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフランなどを使用することができる。
ここで、前記リン脂質:コレステロール:イオン性脂質は、重量比で0〜100:0〜20:0〜10であることが好ましく、0〜20:0〜7:1〜3であることがより好ましく、7:3:1であることが更に好ましい。前記リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の比とする理由は、上述のとおりである。
一方、前記脂質混合物溶液中の前記脂質混合物の濃度は、20mg/mL〜200mg/mLの範囲になるように調節することが好ましい。
本発明の前記脂質ナノ粒子の製造方法において、前記工程2は、前記工程1で得られた脂質混合物溶液に、トリサイクリック誘導体を溶解させる工程である。
ここで、脂質混合物:トリサイクリック誘導体の比としては、重量比で1〜20:1が挙げられるが、3:1が好ましい。
一方、前記脂質混合物溶液中のトリサイクリック誘導体の濃度は、20mg/mL〜200mg/mLの範囲になるように調節することが好ましい。
本発明の前記脂質ナノ粒子の製造方法において、前記工程3は、前記工程2で得られた脂質混合物溶液から脂質ナノ粒子溶液を得る工程である。具体的には、前記工程2で得られたトリサイクリック誘導体を含む脂質混合物溶液と水を混合しながら超音波を照射することで、脂質混合物が分散された脂質ナノ粒子溶液を製造する工程である。
前記分散された脂質ナノ粒子溶液を得る方法は、1)トリサイクリック誘導体を含む脂質混合物溶液に水を添加する方法、2)水にトリサイクリック誘導体を含む脂質混合物溶液を添加する方法、及び3)トリサイクリック誘導体を含む脂質混合物溶液と水を同時に添加する方法のいずれも使用できるが、生成される脂質ナノ粒子の安定性を向上させることができるという点で、前記1)の方法を使用することが好ましい。
一方、前記超音波の照射装置としては、特に制限はないが、チップソニケーターを使用することが好ましい。
本発明の前記脂質ナノ粒子の製造方法において、前記工程4は、前記工程3で得られた脂質ナノ粒子溶液を減圧蒸留する工程である。具体的には、前記工程3で得られた分散された脂質ナノ粒子の溶液を減圧蒸留し、有機溶媒を除去して脂質ナノ粒子溶液を得る工程である。
前記工程4では、必要に応じて、ポアサイズが0.1μm〜0.5μmであるメンブレイン、好ましくはポアサイズが0.2μmであるメンブレインを利用してろ過滅菌を行うことができる。前記メンブレインのポアサイズが0.1μm未満であると、脂質ナノ粒子が通過できない場合があり、0.5μmを超過すると、注射剤に適しない大きさの粒子が含有される場合がある。
追加的に、前記工程4において、減圧蒸留後、必要に応じて、エチレンジアミン四酢酸、エリソルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールなどの通常使用される抗酸化剤、又はスクロース、マンニトール、クレアチニンなどの通常使用される凍結乾燥用充填剤を添加することができる。
本発明の前記脂質ナノ粒子の製造方法において、前記工程5は、前記工程4で得られた脂質ナノ粒子溶液を凍結乾燥して、目的物質である固体状態の脂質ナノ粒子を得る工程である。
本発明による固体状態の脂質ナノ粒子は、人体に有害な溶解補助剤を使用することなくトリサイクリック誘導体の溶解度を向上させて、後で注射剤として使用するために水を加えても、向上された溶解度を維持する効果を有する。
また、製造された固体状態の脂質ナノ粒子は、長期間保管時も、形状及び純度を維持されるため、トリサイクリック誘導体を有効成分とする薬学的製剤の製造に有用である。
本発明の、前記脂質ナノ粒子を含む溶解度の向上した薬学的組成物は、薬学的に下記の多様な経口又は非経口投与形態に剤形化することができる。
経口投与用剤形としては、例えば、錠剤、丸剤、硬/軟質カプセル剤、液剤、シロップ剤、顆粒剤、エリキシル剤などが挙げられる。これらの剤形において、前記有効成分の他に、通常使用される充填剤、増量剤、湿潤剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤などの希釈剤、又は賦形剤を1種以上使用することができる。
前記崩壊剤としては、寒天、デンプン、アルギン酸又はそのナトリウム塩、無水リン酸一水素カルシウム塩などが挙げられる。
前記滑沢剤としては、シリカ、タルク、ステアリン酸又はそのマグネシウム塩、カルシウム塩、ポリエチレングリコールなど挙げられる。
前記結合剤としては、マグネシウムアルミニウムシリケート、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリビニールピロリジン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
その他にも、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、グリシンなどを希釈剤として使用でき、場合によっては、一般に知られた共沸混合物、吸収剤、着色剤、香味剤、甘味剤などを一緒に使用することができる。
また、本発明による前記薬学的組成物は、非経口投与することができる。前記非経口投与剤としては、皮下注射剤、静脈注射剤、筋肉内注射剤、胸部内注射剤、経皮吸収剤が挙げられる。
ここで、注射剤として製剤化するためには、前記構造式(1)で示される誘導体又は薬学的に許容されるその塩を安定剤又は緩衝剤と共に水で混合して溶液又は懸濁液に製造して、それをアンプル又はバイアルの投与単位として調製することができる。
また、経皮吸収剤として製剤化するためには、薬物保護層、薬物貯蔵層、放出速度調節膜、粘着剤などで構成されるパッチ型の薬物貯蔵層に貯蔵して製剤化することができる。
前記薬学的組成物は、滅菌されるか、あるいは防腐剤、安定化剤又は浸透圧調節のための塩、緩衝剤などの補助剤、及びその他治療的に有用な物質を含有することができる。前記薬学的組成物は、通常の混合、顆粒化又はコーティング方法により製剤化することができる。本発明による前記薬学的組成物は、更に必要に応じて、その他の薬剤、例えば、他の癌治療剤と併用投与することもできる。
本発明の前記薬学的組成物を単位容量形態で剤形化する場合、有効成分として前記構造式1の誘導体又はその薬学的に許容可能な塩を、約0.1mg〜1,500mgの単位容量で含有することが好ましい。投与量は、患者の体重、年齢及び疾病の深刻度のような要因によって、医者の処方で決まるが、成人の治療に必要な投与量としては、投与の頻度と強度にもよるが、一日約1mg〜500mgが好ましい。成人への筋肉内又は静脈内投与時、一回投与するとして、一日約5mg〜300mgであれば十分であるが、一部患者の場合、更に高い一日投与量が好ましい場合もある。
以下、実施例を通じて本発明を更に詳細に説明するが、これら実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の内容がこれに限定されるものではない。
(実施例1)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造1
水素化大豆ホスファチジルコリン(HSPC)4.582g、コレステロール1.964g、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)0.655g及びα−トコフェロール14.4mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比7:3:1)を、メタノール60mL及びジクロロメタン40mLの有機溶媒に溶解させて製造した脂質混合物溶液に、構造式(1)のトリサイクリック誘導体2.4gを加えて溶解した(脂質混合物:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
前記トリサイクリック誘導体を含む脂質混合物溶液を0℃に冷却した後、25mL/minの速度で蒸留水200mLを添加しつつ、チップソニケーター(モデル:VCX750、製造会社:Sonics社)を用いて超音波を照射することで脂質ナノ粒子を分散させた後、減圧蒸留を行って有機溶媒を除去し、0.2μmメンブレインろ過により滅菌した。
滅菌された脂質ナノ粒子にスクロース28.8gを加えて、凍結乾燥過程を行い、トリサイクリック誘導体を含む固体状態の脂質ナノ粒子を製造した。
実施例2)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造2
実施例1において、蒸留水200mLにトリサイクリック誘導体を含む脂質混合物溶液を添加することを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した。
(実施例3)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造3
トリサイクリック誘導体を含む脂質混合物溶液と蒸留水200mLを同時に添加することを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した。
(実施例4)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造4
水素化大豆ホスファチジルコリン3.055g、コレステロール1.309g、ジパルミトイルホスファチジン酸0.436g(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比7:3:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比2:1)。
(実施例5)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造5
水素化大豆ホスファチジルコリン1.527g、コレステロール0.655g、ジパルミトイルホスファチジン酸0.218g(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比7:3:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比1:1)。
(実施例6)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造6
構造式(1)のトリサイクリック誘導体を180mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン458mg、コレステロール196mg、ジパルミトイルホスファチジン酸65mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比7:3:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比4:1)。
(実施例7)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造7
構造式(1)のトリサイクリック誘導体120mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン458mg、コレステロール196mg、ジパルミトイルホスファチジン酸65mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比7:3:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比6:1)。
(実施例8)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造8
構造式(1)のトリサイクリック誘導体72mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン458mg、コレステロール196mg、ジパルミトイルホスファチジン酸65mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比7:3:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比10:1)。
(実施例9)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造9
構造式(1)のトリサイクリック誘導体36mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン458mg、コレステロール196mg、ジパルミトイルホスファチジン酸65mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比7:3:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比20:1)。
(実施例10)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造10
構造式(1)のトリサイクリック誘導体240mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン504mg、コレステロール216mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比7:3:0)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
(実施例11)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造11
構造式(1)のトリサイクリック誘導体72mg、及びコレステロール162mg、ジパルミトイルホスファチジン酸54mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比0:3:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
(実施例12)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造12
構造式(1)のトリサイクリック誘導体168mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン441mg、ジパルミトイルホスファチジン酸63mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比7:0:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
(実施例13)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造13
構造式(1)のトリサイクリック誘導体80mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン129mg、コレステロール55mg、ジパルミトイルホスファチジン酸55mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比7:3:3)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
(実施例14)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造14
構造式(1)のトリサイクリック誘導体48mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン67mg、コレステロール29mg、ジパルミトイルホスファチジン酸48mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比7:3:5)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
(実施例15)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造15
構造式(1)のトリサイクリック誘導体41mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン43mg、コレステロール18mg、ジパルミトイルホスファチジン酸61mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比7:3:10)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
(実施例16)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造16
構造式(1)のトリサイクリック誘導体96mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン58mg、コレステロール173mg、ジパルミトイルホスファチジン酸58mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比1:3:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
(実施例17)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造17
構造式(1)のトリサイクリック誘導体144mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン185mg、コレステロール185mg、ジパルミトイルホスファチジン酸62mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比3:3:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
(実施例18)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造18
構造式(1)のトリサイクリック誘導体312mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン669mg、コレステロール200mg、ジパルミトイルホスファチジン酸67mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比10:3:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
(実施例19)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造19
構造式(1)のトリサイクリック誘導体184mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン460mg、コレステロール69mg、ジパルミトイルホスファチジン酸23mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比20:3:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
(実施例20)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造20
構造式(1)のトリサイクリック誘導体176mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン466mg、コレステロール46mg、ジパルミトイルホスファチジン酸16mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比30:3:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
(実施例21)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造21
構造式(1)のトリサイクリック誘導体182mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン505mg、コレステロール30mg、ジパルミトイルホスファチジン酸10mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比50:3:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
(実施例22)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造22
構造式(1)のトリサイクリック誘導体165mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン475mg、コレステロール14mg、ジパルミトイルホスファチジン酸5mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比100:3:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
(実施例23)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造23
構造式(1)のトリサイクリック誘導体192mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン448mg、コレステロール64mg、ジパルミトイルホスファチジン酸64mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比7:1:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
(実施例24)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造24
構造式(1)のトリサイクリック誘導体288mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン465mg、コレステロール332mg、ジパルミトイルホスファチジン酸66mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比7:5:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
(実施例25)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造25
構造式(1)のトリサイクリック誘導体336mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン470mg、コレステロール470mg、ジパルミトイルホスファチジン酸67mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比7:7:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
(実施例26)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造26
構造式(1)のトリサイクリック誘導体136mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン159mg、コレステロール227mg、ジパルミトイルホスファチジン酸23mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比7:10:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
(実施例27)本発明に基づくトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子の製造27
構造式(1)のトリサイクリック誘導体118mg、及び水素化大豆ホスファチジルコリン88mg、コレステロール253mg、ジパルミトイルホスファチジン酸13mg(リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の重量比7:20:1)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法でトリサイクリック誘導体が含まれた脂質ナノ粒子を製造した(脂質混合物溶液:トリサイクリック誘導体の重量比3:1)。
(比較例1)トリサイクリック誘導体が含まれていない脂質ナノ粒子の製造
実施例1においてトリサイクリック誘導体を添加しなかったことを除いては、実施例1と同様の方法で脂質ナノ粒子を製造した。
(参照例1)トリサイクリック誘導体の水に対する溶解度測定
構造式(1)のトリサイクリック誘導体の水に対する溶解度を以下のように測定した。
まず、前記トリサイクリック誘導体1.42mgをアセトニトリルに溶解して100μg/mL溶液を製造した後、順次希釈して、50μg/mL、20μg/mL及び10μg/mLの標準溶液を製造した。この各標準溶液に3−エトキシチオコルヒチンを内部標準物質として添加して、HPLCで分析し、トリサイクリック誘導体の面積比を解析して、その標準曲線を作成した。図1にトリサイクリック誘導体の面積比に関する標準曲線を示す。
次に、トリサイクリック誘導体1gを蒸留水10mLに加えて混濁液を作り、24時間常温で攪拌して十分溶かした後、不溶物質を除くために0.2μmメンブレインでろ過して、ろ液中に残ったトリサイクリック誘導体を、3−エトキシチオコルヒチンを内部標準物質として添加して、HPLCで測定した。図1に示す面積比に関する標準曲線と比較して、水に溶けているトリサイクリック誘導体の濃度を計算した。
この結果から、トリサイクリック誘導体の水に対する溶解度は、0.00μg/mLであって、水相には殆ど溶けないことが分かった。
(参照例2)トリサイクリック誘導体の溶解補助剤に対する溶解度測定
構造式(1)のトリサイクリック誘導体の溶解補助剤に対する溶解度を以下のように測定した。
注射剤に使用される一般的な溶解補助剤を使用した場合のトリサイクリック誘導体の溶解度を、上記参照例1で使用した方法で測定した結果を下記表1に示す。
表1に示すように、トリサイクリック誘導体を水性溶媒に溶解させた場合は、pHを変化させても溶解度は改善されず、有機溶媒のうち、グリセリン、プロピレングリコール、エタノールなどを使用した場合も、溶解度改善の効果がほとんどないことが分かる。
トリサイクリック誘導体をN,N−ジメチルアセトアミド、ポリエチレングリコール400、ベンジルアルコールなどの有機溶媒に溶解させた場合は、溶解度改善の効果があったが、注射剤に使用するために水を混合すると、トリサイクリック誘導体の溶解度が急激に減少することを確認した。その結果を下記表2に示す。
表1及び表2に示されたように、人体に有害ではあるが、溶解度に改善効果のある溶媒を過剰量、溶解補助剤として使用すれば、トリサイクリック誘導体の溶解度を改善することはできる。しかしながら、溶解補助剤の使用は、人体に有害であり好ましいものではない。
(実験例1)トリサイクリック誘導体を含む脂質ナノ粒子の溶解度測定
実施例1で製造した脂質ナノ粒子の溶解度を測定するために、下記のように実験を行った。
実施例1で製造されたトリサイクリック誘導体を含む固体状態の脂質ナノ粒子660mgに蒸留水4.0mLを加えて溶解した。その後、溶液中に溶解されたトリサイクリック誘導体の濃度を、参照例1と同様の方法を利用して測定した結果、10.80mg/mLであった。
参照例1で測定したトリサイクリック誘導体の水に対する溶解度(0.00mg/mL)に比べ、溶解度が向上したことを確認した。
参照例2において、溶解補助剤を使用してトリサイクリック誘導体を溶解させた後、水を追加的に加えた場合は、溶解度が急激に減少した。これに対して、実験例1に示されたように、本発明のトリサイクリック誘導体を含む脂質ナノ粒子の溶解度は、更に水が加えられても維持されると考えられる。
(実験例2)トリサイクリック誘導体を含む脂質混合物溶液を分散させる方法による脂質ナノ粒子大きさの違いの測定
トリサイクリック誘導体を含む脂質混合物溶液の分散方法を変えて製造された実施例1〜3の脂質ナノ粒子大きさを、粒子分析器(モデル:ZETA SIZER−3000、製造会社:マルバーン社)を利用して測定した結果を下記表3に示す。また、実施例1の脂質ナノ粒子のサイズ(粒子大きさ)を前記粒子分析器で測定した結果を図2に示した。
表3に示されたように、トリサイクリック誘導体を含む脂質混合物溶液の分散方法によって、生成される脂質ナノ粒子の大きさが20nm以上の差を示した。したがって、分散方法によって脂質ナノ粒子の大きさを調節することができることが分かる。
(実験例3)脂質混合物溶液中の脂質混合物とトリサイクリック誘導体の重量比変化による粒子大きさの違いの測定
脂質混合物溶液中の脂質混合物とトリサイクリック誘導体の重量比の変化による脂質ナノの粒子大きさの差を調べるために、実施例1及び4〜9で製造された脂質ナノ粒子の大きさを、実験例2で使用した粒子分析器を利用して測定した。その結果を下記表4に示す。
表4に示されたように、脂質混合物溶液中の脂質ナノ粒子の粒子大きさは、約90nm〜150nmであり、前記脂質混合物とトリサイクリック誘導体の重量比によって脂質ナノ粒子の大きさを調節可能なことが分かる。また、脂質混合物と構造式(1)の化合物の重量比が3:1未満である場合は、粒子大きさが大きくなり、3:1を超過してからは粒子大きさに変化がないため、脂質混合物と構造式(1)の化合物の最適比率が3:1であることが分かる。
(実験例4)脂質混合物溶液中のイオン性脂質の重量比変化による粒子大きさの違いの測定
脂質混合物溶液中のイオン性脂質の重量比の変化による脂質ナノ粒子の粒子大きさの差異を調べるために、実施例1、10、13、14及び15で製造された脂質ナノ粒子の大きさを、実験例2で使用した粒子分析器を利用して測定した。その結果を下記表5に示す。
表5に示されたように、脂質混合物溶液中のイオン性脂質の重量比によって脂質ナノ粒子の大きさを調節することが可能である。イオン性脂質を含んでいない場合は、粒子大きさが355.5nmと最も大きかった。これは、イオン性脂質の不在により、形成された脂質ナノ粒子同士が再凝集したからであると考えられる。また、イオン性脂質を1重量部〜10重量部含有した場合、103.7nm〜273.9nmの大きさの脂質ナノ粒子が形成された。
(実験例5)脂質混合物溶液中のリン脂質の重量比変化による粒子大きさの違いの測定
脂質混合物溶液中のリン脂質の重量比の変化による脂質ナノ粒子の粒子大きさの差異を調べるために、実施例1、11及び16〜22で製造された脂質ナノ粒子の大きさを、実験例2で使用した粒子分析器を利用して測定した。その結果を下記表6に示す。
表6に示されたように、脂質混合物溶液中のリン脂質の重量比によって脂質ナノ粒子の大きさを調節することが可能である。リン脂質を含んでいない場合は、粒子大きさ130.6nmの脂質ナノ粒子が形成された。リン脂質を1重量部〜100重量部含有した場合、103.7nm〜220.7nmの大きさの脂質ナノ粒子が形成された。
(実験例6)脂質混合物溶液中のコレステロールの重量比変化による粒子大きさの違いの測定
脂質混合物溶液中のコレステロールの重量比の変化による脂質ナノ粒子の粒子大きさの差異を調べるために、実施例1、12及び23〜27で製造された脂質ナノ粒子の大きさを、実験例2で使用した粒子分析器を利用して測定した。その結果を下記表7に示す。
表7に示されたように、脂質混合物溶液中のコレステロールの重量比によって脂質ナノ粒子の大きさを調節すること可能である。コレステロールを含んでいない場合は、粒子大きさ169nmの脂質ナノ粒子が形成された。コレステロールを1重量部〜20重量部含有した場合、103.7nm〜232.1nmの大きさの脂質ナノ粒子が形成された。
前記実験例4〜6の結果から、リン脂質:コレステロール:イオン性脂質の最適重量比は、7:3:1であることが分かった。
(実験例7)脂質ナノ粒子の安定性評価
前記実施例1で製造された脂質ナノ粒子を冷蔵保管における安定性を評価した結果を、下記表8に示す。
表8に示されたように、固体状態の脂質ナノ粒子は、24ヶ月間冷蔵保管した後も、形状及び純度を維持する安定性を示すことが分かった。
(実験例8)脂質ナノ粒子の構造確認
本発明の実施例において製造された脂質ナノ粒子の構造を確認するために、Cryo−TEMを利用した。
具体的には、実施例1で製造された脂質ナノ粒子をCryo−TEM(モデル:Cryo Tecnai F20G2、製造会社:FEI COMPANY社)を利用して構造を解析した結果を図3に示した。また、比較例1で製造した、トリサイクリック誘導体が含まれていない脂質ナノ粒子の構造を図4に示した。実施例10で製造した、イオン性脂質が含まれていない脂質ナノ粒子の構造を図5に示した。実施例10で製造した脂質ナノ粒子から遊離されているトリサイクリック誘導体を図6に示した。
図3〜6に示されたように、実施例1と比較例1を比較してみると、トリサイクリック誘導体の有無に関係なく、脂質ナノ粒子の構造は同一であることを確認した。これは、本発明の脂質ナノ粒子がトリサイクリック誘導体を安定的に含むことができることを示す。また、実施例10で製造した、イオン性脂質が含まれていない脂質ナノ粒子の場合、安定性が低下し、再凝集する。再凝集される過程で脂質ナノ粒子から遊離されたトリサイクリック誘導体を確認した。

Claims (14)

  1. 水素化大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、コレステロール及びジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)からなる脂質混合物と、下記構造式(1)で表される難溶性トリサイクリック誘導体と、からなる脂質ナノ粒子を含み、前記脂質混合物と前記トリサイクリック誘導体の重量比が1〜20:1であることを特徴とするトリサイクリック誘導体の溶解度が向上した薬学的組成物。
  2. 脂質混合物における水素化大豆ホスファチジルコリン:コレステロール:ジパルミトイルホスファチジン酸の重量比が7:3:1である請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 脂質混合物とトリサイクリック誘導体の重量比が3:1である請求項1から2のいずれかに記載の薬学的組成物。
  4. 脂質ナノ粒子の大きさが1nm〜1,000nmである請求項1から3のいずれかに記載の薬学的組成物。
  5. 脂質ナノ粒子の大きさが20nm〜200nmである請求項1から4のいずれかに記載の薬学的組成物。
  6. 薬学的組成物が溶解補助剤を含んでいない請求項1から5のいずれかに記載の薬学的組成物。
  7. 水素化大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、コレステロール及びジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)からなる脂質混合物を有機溶媒に溶解させて脂質混合物溶液を製造する工程(工程1)と、
    前記工程1で製造された脂質混合物溶液に、請求項1の構造式(1)で表されるトリサイクリック誘導体を溶解させる工程(工程2)と、
    前記工程2で製造されたトリサイクリック誘導体を含む脂質混合物溶液と水を混合しながら超音波を照射することで、分散された脂質ナノ粒子溶液を製造する工程(工程3)と、
    前記工程3で製造された脂質ナノ粒子溶液を減圧蒸留し、有機溶媒を除去する工程(工程4)と、
    前記工程4で製造された脂質ナノ粒子溶液を凍結乾燥する工程(工程5)と、
    を含み、前記工程2の前記脂質混合物と前記トリサイクリック誘導体の重量比が1〜20:1であることを特徴とする脂質ナノ粒子の製造方法。
  8. 工程1で使用される有機溶媒が、クロロホルム、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、イソプロピルアルコール及びテトラヒドロフランからなる群から選択される1種、又はこれらの2種以上の混合物である請求項7に記載の脂質ナノ粒子の製造方法。
  9. 工程1の脂質混合物は、コレステロール:水素化大豆ホスファチジルコリン:ジパルミトイルホスファチジン酸の重量比が7:3:1である請求項7から8のいずれかに記載の脂質ナノ粒子の製造方法。
  10. 工程2の脂質混合物溶液内の脂質混合物とトリサイクリック誘導体の重量比が3:1である請求項7から9のいずれかに記載の脂質ナノ粒子の製造方法。
  11. 工程3において、脂質ナノ粒子の分散は、1)トリサイクリック誘導体を含む脂質混合物溶液に水を添加する方法、2)水にトリサイクリック誘導体を含む脂質混合物溶液を添加する方法、又は3)トリサイクリック誘導体を含む脂質混合物溶液と水を同時に添加する方法で行われる請求項7から10のいずれかに記載の脂質ナノ粒子の製造方法。
  12. 請求項1から6のいずれかに記載のトリサイクリック誘導体の溶解度が向上した薬学的組成物、及び薬学的に許容可能な添加剤を含むことを特徴とする薬学的製剤。
  13. 請求項1から6のいずれかに記載のトリサイクリック誘導体の溶解度が向上した薬学的組成物、及び薬学的に許容可能な賦形剤又は補助剤を含むことを特徴とする薬学的製剤。
  14. 請求項1から6のいずれかに記載のトリサイクリック誘導体の溶解度が向上した薬学的組成物、及び薬学的に許容可能な賦形剤又は補助剤を含むことを特徴とする注射剤。
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