JPWO2004088319A1 - 物質固定化剤、それを用いた物質固定化方法及びそれを用いた物質固定化基体 - Google Patents

物質固定化剤、それを用いた物質固定化方法及びそれを用いた物質固定化基体 Download PDF

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Abstract

基体上に種々の固定化すべき物質を共有結合により固定化することができ、かつ、非特異吸着の防止効果に優れた、物質固定化剤が開示されている。一分子内に、ホスホリルコリン基と、光反応性基を複数含むポリマーを用いることにより、該ポリマーは、光反応性基を介して基体及び固定化すべき物質に結合し、これによって、固定化すべき物質は該ポリマーを介して基体上に共有結合され、さらに、ホスホリルコリン基により非特異吸着が有効に防止される。また、基体上に所望の物質を固定化するために用いられる物質固定化剤であって、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有するノニオン性水溶性高分子から成る物質固定化剤も提供された。

Description

本発明は、ポリペプチド、核酸、脂質等の所望の物質を基体上に固定化するための物質固定化剤、それを用いた物質固定化方法及びそれを用いた物質固定化基体に関する。
従来より、抗体又は抗原をプレート上に固定化した、免疫測定のためのイムノプレートや、核酸をチップ上に固定化したDNAチップ等が広く用いられている。従来、基体上にタンパク質や核酸を固定化する方法の1つとして、物理吸着が広く用いられている。すなわち、例えばポリスチレンのような疎水性の基体と、基体上に固定化すべきタンパク質や核酸の水溶液とを接触させて放置することにより、物理吸着によってタンパク質や核酸が基体上に固定化される。
しかしながら、物理吸着を用いる方法では、基体と固定化物質との結合が弱く、物質を固定化した基体の安定性が不十分であるという問題がある。また、目的のタンパク質や核酸で被覆されなかった領域への非特異吸着を防止するために、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、スキムミルク等のタンパク質(タンパク質を固定化する場合)や、サケ精子DNA等のDNA(DNAを固定化する場合)でブロッキングすることが行われているが、ブロッキングによる非特異吸着の防止効果も必ずしも満足できるものではない。
また、基体上の官能基と、固定化すべきタンパク質や核酸の官能基とを共有結合させることにより基体上にタンパク質や核酸を固定化することも行われている。しかしながら、この方法では、用いる官能基が物質の活性部位の中又はその近傍にある場合には、固定化により物質の活性が失われてしまう。また、適当な官能基が存在しない場合には、この方法により固定化することができない。また、物理吸着の場合と同様、ブロッキングにより非特異吸着が防止されているが、その防止効果は必ずしも満足できるものではない。
以上の従来技術を記載した文献として次のものを挙げることができる。
特開平11−337551号公報
特開2001−337089号公報
一方、光反応性基を利用して物質を基板に固定化することも知られている(Y.Ito and M.Nogawa,″Preparation of a protein micro−array using a photo−reactive polymer for a cell adhesion assay,″Biomaterials,24、3021−3026(2003))。しかしながら、この方法では、非特異吸着を防止するための配慮は特にされてはいない。
従って、本発明の目的は、基体上に種々の固定化すべき物質を共有結合により固定化することができ、かつ、非特異吸着の防止効果に優れた、物質固定化剤、それを用いた物質固定化方法及びそれを用いた物質固定化基体を提供することである。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、分子全体として電気的に中性な水溶性のポリマーを物質固定化剤に利用することにより、非特異吸着を有効に防止できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、基体上に所望の物質を固定化するために用いられる水溶性のポリマーであって、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有し、かつ、前記水溶性ポリマーが分子全体として電気的に中性なポリマーから成る、物質固定化剤を提供する。
また、本発明は、基体に固定化すべき物質と、上記本発明の物質固定化剤とを含む水溶液又は水懸濁液を前記基体に塗布し、光照射することを含む、基体上への物質の固定化方法を提供する。さらに、本発明は、上記本発明の方法により前記物質が固定化された基体を提供する。
本願発明により、基体上に固定化すべき物質を共有結合により固定化することができ、かつ、非特異吸着の防止効果に優れた、物質固定化剤、それを用いた物質固定化方法及びそれを用いた物質固定化基体が提供された。本発明によれば、固定化すべき物質を、その種類に関係なく共有結合により固定化することができ、安定な固定化基板を得ることができる。また、本発明の物質固定化剤を用いて物質を固定化すると、非特異吸着が効果的に防止される。さらに、本発明の物質固定化剤を用いて物質を固定化する場合、選択露光を行うことにより、固定化物質のパターニングも可能であり、容易にマイクロアレイ等の任意のパターンに物質を固定化することができる。
上記の通り、本発明の物質固定化剤は、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有し、かつ、前分子全体として電気的に中性なポリマーから成る。ここで、「分子全体として電気的に中性」とは、中性付近のpH(pH6〜8)の水溶液中で電離してイオンになる基を有さないか、又は有していても陽イオンになるものと陰イオンになるものを有していて、その電荷の合計が実質的に0になることを意味する。ここで「実質的に」とは、電荷の合計が0になるか、又は0にはならないとしても本発明の効果に悪影響を与えない程度に小さいことを意味する。
本発明の物質固定化剤は、水溶性であり、水に対する溶解度(水100gに溶解するグラム数)は、好ましくは5以上である。
水溶性ポリマーの好ましい例として、下記一般式[I]で表される構造を有する単位と、下記一般式[II]で示される構造を有する単位を含むポリマーを挙げることができる。
Figure 2004088319
(ただし、一般式[I]及び[II]中、X及びYは、互いに独立して、重合した状態の重合性原子団を表し、Rは光反応性基を有する原子団を表し、一般式[I]及び[II]で表される単位は、それぞれ2個以上であり、かつ、一般式[I]で表される単位の数は、一般式[II]で表される単位の数よりも大きい)。
(上記一般式[I]で表される構造を有する単位を以下、便宜的に「単位[I]」と言うことがある。また、上記一般式[II]で示される構造を有する単位を、以下、便宜的に「単位[II]」と言うことがある。)
を挙げることができる。
上記ホスホリルコリン含有ポリマーは、生体膜が種々の物質と接触するにもかかわらず、非特異吸着がほとんど起きないことに着目し、生体膜の構成成分であるホスホリルコリンを含む高分子を利用して、所望の物質を基体に固定化することにより非特異吸着を有効に防止できるのではないかという着想に基づいて発明されたものである。
単位[I]は、ホスホリルコリン基を含む単位であり、Xは重合した状態の重合性原子団を表す。Xとしては、ビニル系モノマー残基が好ましい。単位[I]としては、下記一般式[V]に示されるものが好ましい。
Figure 2004088319
(ただし、式中、X’は、ビニル部分が付加重合している状態のメタクリルオキシ基、メタクリルアミド基、アクリルオキシ基、アクリルアミド基、スチリルオキシ基又はスチリルアミド基を表し、Rは単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基(ただし1個又は2個のヒドロキシル基で置換されていてもよい)を表す)。
このような単位の好ましい具体例として、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、N−(2−メタクリルアミド)エチルホスホリルコリン、4−メタクリロイルオキシブチルホスホリルコリン、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、10−メタクリロイルオキシデシルシルホスホリルコリン、ω−メタクリロイルジオキシエチレンホスホリルコリン又は4−スチリルオキシブチルホスホリルコリンに由来する(すなわち、これらの単位を重合させた)単位を挙げることができる。これらの中でも2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに由来する単位が特に好ましい。
−方、単位[II]中の光反応性基の好ましい例としてアジド基(−N)を挙げることができるがこれに限定されるものではない。また、一般式[II]のYとしては、ビニル系モノマー残基が好ましい。単位[II]の好ましい例として、下記一般式[VI]で示されるものを挙げることができる。
Figure 2004088319
(ただし、Y’は、ビニル部分が付加重合している状態のメタクリルオキシ基、メタクリルアミド基、アクリルオキシ基、アクリルアミド基、スチリルオキシ基又はスチリルアミド基を表し、Rは単結合、炭素数1〜10のアルキレン基(ただし1個又は2個のヒドロキシル基で置換されていてもよい)、フェニレン基(ただし、1〜3個の炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい。)
単位[I]の数は単位[II]の数よりも大きく、その比率は、特に限定されないが、100:2〜100:50程度が好ましく、特に100:5〜100:20程度が好ましい。このように、ポリマーは、ホスホリルコリン基を有する単位[I]から主として成ることにより、非特異吸着が効果的に防止される。また、水溶性ポリマーの分子量は、特に限定されないが、通常、1,000〜1,000,000程度であり、好ましくは、5,000〜100,000程度である。
上記水溶性ポリマーは、単位[I]と単位[II]のみから成るものが好ましいが、本発明の効果に悪影響を与えない範囲で他の重合性モノマー由来の単位を含んでいてもよい。このような他の単位の割合は、本発明の効果に悪影響を与えない範囲であれば特に限定されないが、通常、通常、ポリマー中の全単位中の30モル%以下、好ましくは10モル%以下である。
上記水溶性ポリマーの好ましい例として、下記一般式[III]で表すものを挙げることができる。
Figure 2004088319
(ただし、式中、X’、Y’、R、Rは上記定義と同じ意味を表し、n及びmは、互いに独立して2以上の整数であり、かつ、nはmよりも大きく、X’を含む単位とY’を含む単位はランダムな順序で結合している。)
上記一般式[III]で示される化合物の中でも、特に下記式[IV]で示されるポリマーが好ましい。
Figure 2004088319
(ただし、n’は50ないし200の整数、m’は5ないし40の整数を表し、ホスホリルコリン含有単位と、アジドフェニル基含有単位はランダムな順序で結合している)。
上記水溶性ポリマーは、上記した単位[I]及び単位[II]を単に重合させることにより製造することができる。あるいは、側鎖(ホスホリルコリン基含有基及び光反応性基含有基)を含まない主鎖のポリマーを先に合成し、後から側鎖を結合してもよい。また、ホルホリルコリン基含有基を有する単位[I]と、光反応性基を有さない単位[II]とを先ず重合し、後から光反応性基含有基を結合させてもよい。下記の実施例ではこの方法を採用している。なお、モノマーの重合や、側鎖の結合は、当業者の技術常識に従って容易に実施することができるし、下記の実施例にもその一例が具体的に記載されている。
また、本発明に用いられる水溶性ポリマーとしては、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有するノニオン性水溶性高分子(ポリマー)を好ましい例として挙げることができる。ノニオン性水溶性高分子は、上記したホスホリルコリン含有ポリマーと同等の非特異吸着防止効果を有し、それでいてホスホリルコリン含有ポリマーよりも安価に製造又は入手可能であるという利点を有する。
ここで、「ノニオン性」とは、中性付近のpH(pH6〜8)の水溶液中で電離してイオンになる基を実質的に有さないことを意味する。ここで「実質的に」とは、このような基を全く含まないか、又は含んでいるとしても本発明の効果に悪影響を与えない程度に微量(例えば、このような基の数が炭素数の1%以下)であることを意味する。
ノニオン性水溶性高分子の分子量は、特に限定されないが、通常、350〜500万程度であり、好ましくは、500〜数10万程度である。
このようなノニオン性水溶性高分子の好ましい例として、ポリエチレングリコール(PEG)やポリプロピレングリコールのようなポリアルキレングリコール;ビニルアルコール、メチルビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルオキサゾリドン、ビニルメチルオキサゾリドン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルサクシンイミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−iso−プロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メチロールアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、アクリロイルピロリジン、アクリロイルピペリジン、スチレン、クロロメチルスチレン、ブロモメチルスチレン、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、メチルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート、n−プロピルシアノアクリレート、iso−プロピルシアノアクリレート、n−ブチルシアノアクリレート、iso−ブチルシアノアクリレート、tert−ブチルシアノアクリレート、グリシジルメタクリレート、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、iso−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、iso−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテルなどのモノマー単位を単独か混合物を構成成分とするノニオン性のビニル系高分子;ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、アラビアガム、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム、プルラン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、キトサン、キチン誘導体、カラギーナン、澱粉類(カルボキシメチルデンプン、アルデヒドデンプン)、デキストリン、サイクロデキストリン等の天然高分子、メチルセルロース、ビスコース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのような水溶性セルロース誘導体等の天然高分子を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。これらのうち、特に好ましいものはポリエチレングリコール、ポリ(メタ)アクリルアミド(本明細書及び特許請求の範囲において、「(メタ)アクリル」は、「メタクリル」又は「アクリル」を意味する)及びポリ(グリシジル(メタ)アクリレート)であり、これらの中で特に好ましくは、ポリエチレングリコールである。
上記したノニオン性水溶性高分子は、1分子当り少なくとも2個の光反応性基を有する。ノニオン性水溶性高分子1分子当りの光反応性基の数は、2個以上であれば、特に限定されるものではないが、あまりに多すぎると、非特異吸着が増大する恐れがあるので、高分子を構成する炭素数(側鎖の炭素を含まない)の10%以下が好ましく、さらに好ましくは5%以下である。光反応性基の好ましい例としてアジド基(−N)を挙げることができるがこれに限定されるものではない。光反応性基の具体例としてフェニルアジド基、アセチル基、ベンゾイル基が挙げられるが、特に好ましくはフェニルアジド基である。アジド基等の光反応性基は、ノニオン性水溶性高分子に直接結合していてもよいが、任意のスペーサー構造を介してノニオン性水溶性高分子に結合されていてもよく、通常、後者の方が製造が容易であり好ましい。後者の場合、スペーサー構造は、何ら限定されるものではなく、例えば炭素数1〜10のアルキレン基(ただし1個又は2個のヒドロキシル基で置換されていてもよい)、フェニレン基(ただし、1〜3個の炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい)等を挙げることができる。
ノニオン性水溶性高分子への光反応性基の導入は、常法に基づき容易に行うことができる。例えば、官能基を有するノニオン性水溶性高分子と、該官能基と反応する官能基を有するアジド化合物を反応させて、ノニオン性水溶性高分子にアジド基を結合させることができる。好ましいノニオン性水溶性高分子であるポリエチレングリコールを用いる場合、両末端にアミノ基やカルボキシル基を有するポリエチレングリコールが市販されているので、このような市販の官能基含有ポリエチレングリコールの官能基に、アジド基含有化合物を反応させてポリエチレングリコールにアジド基を結合させることができる。下記実施例にも、複数のこのような方法が具体的に記載されている。あるいは、ノニオン性水溶性高分子が水溶性ビニル系高分子のように、モノマーの重合により形成されるものである場合には、水溶性ビニル系高分子の主な構成単位となるビニル系モノマーと、光反応性ビニル系モノマーとを共重合させることにより光反応性基を有するノニオン性水溶性高分子を製造することもできる。この方法により得られる光反応性水溶性ビニル系高分子の好ましい例として、ポリ((メタ)アクリルアミド−光反応性(メタ)アクリル酸アミド)共重合体及びポリ(グリシジル(メタ)アクリレート−光反応性(メタ)アクリル酸アミド)共重合体、ポリ(エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート−光反応性アクリル酸アミド)共重合体等を挙げることができ、これらを製造する方法は、下記実施例に具体的に記載されている。
本発明の物質固定化剤を用いて固定化される物質は、特に限定されないが、ポリペプチド(糖タンパク質及びリポタンパク質を包含する)、核酸、脂質並びに細胞(動物細胞、植物細胞、微生物細胞等)及びその構成要素(核、ミトコンドリア等の細胞内小器官、細胞膜や単位膜等の膜等を包含する)を例示することができる。本発明の物質固定化剤に光反応性基として用いられるアジド基は、光を照射することにより窒素分子が離脱すると共に窒素ラジカルが生じ、この窒素ラジカルは、アミノ基やカルボキシル基等の官能基のみならず、有機化合物を構成する炭素原子とも結合することが可能であるので、ほとんどの有機物を固定化することが可能である。
基体としては、少なくともその表面が、上記光反応性基と結合し得る物質から成るものであれば特に限定されず、マイクロプレート等で広く用いられているポリスチレンをはじめ、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートやポリプロピレン等の有機物から成るものを例示することができる。ガラス板にシランカップリング剤をコーティングしたもの等も用いることができる。また、基体の形態は何ら限定されるものではなく、マイクロアレイ用基板のような板状のものや、ビーズ状、繊維状のもの等を用いることができる。さらに、板に設けられた穴や溝、例えば、マイクロプレートのウェル等も用いることができる。本発明の物質固定化剤は、これらのうち、特にマイクロアレイ用に適している。
本発明の物質固定化剤を用いて、基体上に所望の物質を固定化することは、次のようにして行うことができる。先ず、基体に固定化すべき物質と、本発明の物質固定化剤とを含む水溶液又は水懸濁液を前記基体に塗布する。この場合、水溶液中の物質固定化剤の濃度(重量基準)は、特に限定されないが、通常、0.005%〜10%程度であり、好ましくは0.04〜1%程度である。また、固定化すべき物質の濃度(重量基準)は、通常、用いる物質固定化剤の10倍ないし200倍程度であり、好ましくは20倍ないし100倍程度である。
次に、塗布した液を好ましくは乾燥した後、光を照射する。光は、用いる光反応性基がラジカルを生じさせることができる光であり、光反応性基としてアジド基を用いる場合には、紫外線が好ましい。照射する光線の線量は、特に限定されないが、通常、1cm当たり1mW〜100mW程度である。
光を照射することにより、ポリマー中の光反応性基がラジカルを生じ、ポリマーが基体及び固定化すべき物質の双方と共有結合する。その結果、固定化すべき物質がポリマーを介して基体に固定化される。光反応性基として用いられるアジド基は、光を照射することにより窒素分子が離脱すると共に窒素ラジカルが生じ、この窒素ラジカルは、アミノ基やカルボキシル基等の官能基のみならず、有機化合物を構成する炭素原子とも結合することが可能であるので、ほとんどの有機物を固定化することが可能である。なお、本発明の方法では、光反応性基により生じるラジカルを利用して結合反応を行うので、固定化すべき物質の特定の部位と結合するのではなく、ランダムな部位と結合する。従って、活性部位が結合に供されて活性を喪失する分子も当然出てくると考えられるが、活性部位に影響を与えない部位で結合する分子も当然存在するので、本発明の方法によれば、従来、適当な置換基が活性部位又はその近傍にあるために、共有結合で固定化することが困難であった物質であっても、全体として活性を喪失させることなく、共有結合により基体に固定化することができる。
光が照射されなかった部分では、光反応性基が基体及び物質に結合しないので、洗浄すればポリマーも物質も除去される。従って、フォトマスク等を介して選択露光を行うことにより、任意のパターンで物質を固定化することができる。従って、選択露光により、マイクロアレイ等の任意の種々の形状に物質を固定化することができるので、非常に有利である。
あるいは、本発明の物質固定化剤と、固定化すべき物質の混合物を基体上にマイクロスポッティングし、基体の全面を光照射してもよい。マイクロスポッティングは、液を基体上に非常に狭い領域に塗布する手法であり、DNAチップ等の作製に常用されており、そのための装置も市販されているので、市販の装置を用いて容易に行うことができる。あるいは、先ず、基体上に本発明の物質固定化剤を全面にコーティングし、その上に固定化すべき物質をマイクロスポッティングし、次いで基体の全面に光照射してもよい。この場合、固定化すべき物質のスポットが、物質固定化剤の層の上に形成され、物質固定化剤を介して基体に共有結合で固定化される物質の割合が高くなる。さらに、基体上に本発明の物質固定化剤をマイクロスポッティングし、その上に固定化すべき物質をマイクロスポッティングし、次いで基体の全面に光照射してもよい。この場合にも固定化すべき物質のスポットが、物質固定化剤の層(それぞれ分離したスポット)の上に形成され、物質固定化剤を介して基体に共有結合で固定化される物質の割合が高くなる。
本発明の方法は、抗体若しくはその抗原結合性断片又は抗原を固定化した免疫測定用プレートの作製、DNAやRNAを基板上に固定化した核酸チップ、マイクロアレイ等の作製に好適に用いることができるがこれらに限定されるものではなく、例えば、細胞全体やその構成要素の固定化等にも適用することができる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1 物質固定化剤の製造(その1)
下記の合成スキームにより光反応性メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)ポリマーを合成した。
Figure 2004088319
2mLのPMAc水溶液(5wt%=50mg/mL)(PMAcは2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(90%)とメタクリル酸(10%)のランダム共重合体で上記反応式中の化合物1)に12.44mgの4−アジドアニリンと、17.47mgの水溶性カルボジイミド(WSC)を混合し,最終的に純水で100mLにメスアップした。pH7で24時間撹拌(冷蔵庫中4℃)し、反応終了後,透析カセット(PIERCE社製)で、外液からアジドアニリンのUV吸収がなくなるまで透析。最後に凍結乾燥し光反応性MPCポリマーを得た。
試験例1 光反応性MPCポリマーの非特異吸着性
実施例1で製造した光反応性MPCポリマーの非特異吸着性を、以下のようにFITC化タンパク質又は細胞と接触させることにより調査した。
(1) MPCポリマーの基板上への結合
実施例1で製造した光反応性MPCポリマーを、純水に10mg/mlの濃度で溶解し、ポリスチレン基板(直径2cm)上に25μl塗布して風乾した。次に、幅100μmのストライプパターンを有するフォトマスクを介して紫外線(波長260nm)を選択照射した(照射量16mW/cm)。次いで、水洗し、ポリスチレン基板上に光反応性MPCポリマーをストライプ状に固定化した。
(2) FITC(フルオレッセインイソチオシアネート)化タンパク質の吸着
FITC−BSA(シグマ社より市販)水溶液(濃度10mg/ml)、FITC−IgG(シグマ社より市販)水溶液(濃度2mg/ml)又はFITC−フィブリノーゲン水溶液(濃度3.7mg/370μl)を、上記パターンが形成された基板上に50μl載せ、37℃で10分間反応させた。PBSで洗浄後、乾燥させ、蛍光顕微鏡で観察した。
その結果、光反応性MPCポリマーが固定化されていない領域にのみ蛍光が見られ、極めて明瞭なストライプパターンが観察された。これにより、MPCポリマーがタンパク質を非特異吸着しないことが確認された。
なお、上記試験に用いたFITC−フィブリノーゲンは、次のようにして調製した。すなわち、フィブリノーゲン20mgにFITC−I 0.1mgを加えて50mM炭酸ナトリウム緩衝液(pH8.5)7mlに溶解し、4℃で一夜反応させ、排除分子量3000のフィルターで遠心濃縮した。脱塩のため、MilliQ水(商品名)で3回遠心分離した。その後、凍結乾燥して3.7mgのFITC−フィブリノーゲンを得た。
(3) 細胞の吸着
実施例1で調製した光反応性MPCポリマーを、上記と同様にポリスチレン基板上にパターンをつけて固定化し、水洗後、70%エタノールを用いて滅菌し、滅菌水で洗浄した。得られた基板をそのままで、又は1% BSA/PBS溶液若しくは1%フィブリノーゲン/PBS溶液250μlを基板に載せて37℃で10分間反応させ、水洗後、細胞の吸着試験に供した。用いた細胞は、Cos 7細胞(理化学研究所 細胞バンクより市販)及びRaw 246細胞(理化学研究所 細胞バンク社より市販)であった。細胞を基板上に播き、1時間後及び4時間後に顕微鏡で観察した。
その結果、光反応性MPCポリマーを固定化した領域には、細胞がほとんど吸着されず、細胞がストライプ状に吸着された。とりわけ、光反応性MPCポリマー単独の場合及び光反応性MPCポリマーにフィブリノーゲンを塗布した基板で明瞭なストライプパターンが観察された。
実施例2 免疫測定
以下に記載する方法により、本発明の方法により作製した、コラーゲン固定化基板を用いて、コラーゲンを検出する免疫測定を行った。
方法
(i)0.1%光反応性MPCポリマー(実施例1で製造したもの)水溶液と0.5%コラーゲン水溶液を1:10で混合。
(ii) 35mmポリスチレンディッシュに3μlのMPC/コラーゲン水溶液をスポット。
(iii)乾燥後、UV照射(波長260nm、照射量16mW/cm、10秒間)により固定化。
(iv) PBSで3回洗浄。
(v)一次抗体として抗コラーゲン抗体(モノサン社より市販)(5μg/ml)又は抗ヒトCD3抗体(ファーミンジェン社より市販)(5μg/ml)をスポット上に100μl添加、室温で4時間インキュベーション。
(vi)PBSで3回洗浄後、FITC標識二次抗体(抗ラビットIgGあるいはマウスIgG抗体)(アマーシャム社より市販)(5000倍希釈)100μl添加、室温で1時間インキュベーション。
(vii)PBSで3回洗浄後、蛍光顕微鏡にて観察。
(viii) コントロールとしてMPCポリマーのみをスポットしたもの、またタカラ社製Hubbleスライドガラスにポリマー無しでコラーゲン溶液のみをスポットしたもので同様の操作を行った。さらに、コントロールとして、負電荷のみを有するアジドフェニル基導入ポリアクリル酸(PAAc)とコラーゲンの水溶液、又は正電荷のみを有するアジドフェニル基導入ポリアリルアミン(PAAm)とコラーゲンの水溶液を同様にポリスチレン基板上にスポットしたものを用いて同様の操作を行った。
結果と考察
抗コラーゲン抗体による免疫染色後、蛍光顕微鏡によりMPCポリマー/コラーゲンスポットに蛍光が観察され、抗CD3抗体では染色されず、コラーゲンが特異的に染色されることが確認された。コントロールとして行ったMPCポリマーのみのスポットではほとんど蛍光は無く、負電荷のみを有するアジドフェニル基導入ポリアクリル酸(PAAc)とコラーゲンでも、蛍光はなかった。正電荷のみを有するアジドフェニル基導入ポリアリルアミン(PAAm)では、抗体の種類によらず非特異的な染色が起こった。以上のことから、MPCポリマーの非特異的吸着が少ない特性を実証することが出来た。コントロールとしてタカラ社製のHubbleスライドガラスへコラーゲンの固定化を行ったが、スポット上に蛍光は観察されなず、この場合にはコラーゲンは固定化できなかったと考えられる。以上よりMPCポリマーを用いてタンパク質の共有固定化が可能となり、非特異的吸着を抑制し、有効であることが明らかになった。なお、結果を下記表1にまとめて示す。
Figure 2004088319
実施例3 物質固定化剤の製造(その2)
(1) N−(4−アジドベンゾイロキシ)スクシンイミドの合成
Figure 2004088319
4−アジド安息香酸(東京化成(株)より市販)600mgとN−ヒドロキシスクシンイミド(和光純薬(株)より市販)420mgを1,4−ジオキサン40mlに溶解し、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(和光純薬(株)より市販)760mgを加えて室温で攪拌しながら反応を開始した。24時間後、副生成物をろ紙でろ去し、ろ液は減圧下で溶媒を留去した。得られた生成物は、1,4−ジオキサンとジエチルエーテルを用いて2回再結晶して精製した。その結果、675mgのN−(4−アジドベンゾイロキシ)スクシンイミドを得た(収率70.6%)。
(2) ポリエチレングリコールへのアジド基の導入
Figure 2004088319
100mgのポリ(エチレングリコール)ビス(3−アミノプロピル)末端(Aldrich社より市販、平均分子量1500、以下、便宜的に「PEG−NH2」と言うことがある)と68.6mgの(1)で製造したN−(4−アジドベンジロキシ)スクシンイミドをジメチルホルムアミド(和光純薬(株)より市販)10mlに溶解し、pH6で4℃で24時間攪拌した。反応終了後、エバポレータにより減圧下でDMFを留去し、純水を入れ、未反応物を沈殿させた。沈殿物を遠心分離により、沈降させ上清を回収し、凍結乾燥により光反応性PEG−NH2(NH2基は、アジド化合物との結合に消費されてもはや存在しないが便宜的にこのように記載する)を得た。
実施例4 物質固定化剤の製造(その3)
Figure 2004088319
100mgのポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチル)エーテル(Aldrich社より市販、平均分子量600、以下、便宜的に「PEG−COOH」と言うことがある))と113.3mgの4−アジドアニリンと127mgの水溶性カルボジイミドを純水10mlに溶解し、pH6で4℃で24時間攪拌した。反応終了後、水酸化ナトリウムによりpH12にし、未反応物を沈殿させた。沈殿物を遠心分離により沈降させ、上清を回収し、分液ロートにてクロロホルムで脱塩した(pHが中性になるまで繰り返した)。そして凍結乾燥により光反応性PEG−COOHを得た(COOH基は、アジド化合物との結合に消費されてもはや存在しないが便宜的にこのように記載する)。
実施例5 物質固定化剤の製造(その4)
(1) N−アジドフェニルアクリル酸アミドの合成
Figure 2004088319
4−アジドアニリン(Aldrich社より市販)341.2mgとN−アクリロキシスクシンイミド(Aldrich社より市販)169.1mgをDMF10mlに溶解し、4℃で攪拌しながら反応を開始した。24時間後、再結晶により精製した。その結果、N−アジドフェニルアクリル酸アミドを得た。
(2) 光反応性ポリ(アクリルアミド−N−アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体の合成
Figure 2004088319
639.7mgのアクリルアミド(和光純薬市販)と160mgのN−アジドフェニルアクリル酸アミドをエタノール30mlに溶解し、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブリロニトリル(和光純薬より市販)を82.1mg添加し、攪拌しながら60℃で反応を開始した。5時間後、アセトンへの再沈殿により重合物を精製し、減圧乾燥により光反応性ポリ(アクリルアミド−N−アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体を得た。
実施例6 物質固定化剤の製造(その5)
光反応性ポリ(グリシジルメタクリレート−N−アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体の合成
Figure 2004088319
1.28gのグリシジルメタクリレート(Aldrich社より市販)と160mgのN−アジドフェニルアクリル酸アミドをメタノール30mlに溶解し、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブリロニトリルを16.42mg添加し、攪拌しながら60℃で反応を開始した。5時間後、ジエチルエーテルへの再沈殿により重合物を精製し、減圧乾燥により光反応性ポリ(グリシジルメタクリレート−N−アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体を得た。水酸化ナトリウム(pH12)による処理によりエポキシ基をグリセロール化させ、水溶性とした。
比較例1 光反応性ポリアクリル酸の製造
光反応性ポリアクリル酸は、次のように調整した。720mgのポリアクリル酸(和光純薬社より市販、平均分子量1,000,000)と170.6mgの4−アジドアニリンと1.917gの水溶性カルボジイミドを純水100mlに溶解し、pH7.0、4℃で24時間攪拌した。反応終了後、外液からアジドアニリンのUV吸収がなくなるまで透析を行った。最後に凍結乾燥し光反応性ポリアクリル酸ポリマーを得た。
比較例2 光反応性ポリアリルアミンの製造
比較例1の方法において、ポリアクリル酸をポリアクリルアミンに代えた同様な方法により光反応性ポリアクリルアミンを製造した。
実施例7 免疫測定
(1) コラーゲン固定化基体の作製及びそれを用いた抗コラーゲン抗体の免疫測定
以下の手順により、実施例3ないし6、又は実施例1、比較例1若しくは比較例2で製造した物質固定化剤を用い、コラーゲンを固定化した基体(ポリスチレンディッシュ)を作製し、これを用いて抗コラーゲン抗体の免疫測定を行った。
(i)上記作成した光反応性PEG−NH(実施例3)、光反応性PEG−COOH(実施例4)、光反応性ポリ(アクリルアミド−N−アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体(実施例5)又は光反応性ポリ(グリシジルメタクリレート−N−アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体(実施例6)(0.125wt%)とコラーゲン(0.25wt%)を1:1で混合。
(ii)35mmポリスチレンディッシュに0.5μlのポリマー/コラーゲン水溶液をスポット。
(iii)乾燥後、UV照射(波長260nm、照射量40mW/cm、10秒間)により固定化。
(iv)PBS(0.1%tween20)で3回洗浄。
(v)一次抗体として抗コラーゲン抗体(モノサン社より市販)10倍希釈溶液(1%BSA/PBS)又はマウスIgG抗体(Santa cruz biotechnology社より市販)40倍希釈溶液(1%BSA/PBS)をスポット状に100μl添加、室温で3時間インキュベーション。
(vi)PBS(0.1%Tween20(商品名))で3回洗浄後、FITC標識二次抗体(抗ラビットIgG抗体あるいはマウスIgG抗体)(アマシャム社より市販)20倍希釈溶液(1%BSA/PBS)を100μl添加、室温で1時間インキュベーション。
(vii)PBS(0.1%Tween20(商品名))で3回洗浄後、蛍光顕微鏡にて観察。
(viii)光反応性MPCポリマー(実施例1)、比較として光反応性ポリアクリル酸(比較例1)、光反応性ポリアリルアミン(比較例2)およびコントロールとして各例において物質固定化剤のみをスポットしたもので同様の操作を行った。
(2) 結果
下記表2に示すように、抗コラーゲン抗体による免疫染色後、PEG−NH2(実施例3)/コラーゲンスポット及びPEG−COOH(実施例4)/コラーゲンスポット、ポリ(アクリルアミド−N−アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体(実施例5)/コラーゲンスポット、ポリ(グリシジルメタクリレート−N−アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体(実施例6)/コラーゲンスポットで蛍光が観察され、抗IgG抗体スポットでは蛍光は観察されなかった。これによりコラーゲンが特異的に染色されたことが確認できた。PEG−NH2(実施例3)、PEG−COOH(実施例4)では蛍光強度もMPCポリマー/コラーゲンスポット(実施例1)を抗コラーゲン抗体で染色した場合とほぼ同等であり、ポリ(アクリルアミド−N−アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体(実施例5)、ポリ(グリシジルメタクリレート−N−アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体(実施例6)では約1/2の蛍光強度を示した。それに対して、負電荷のみを有する光反応性ポリアクリル酸/コラーゲンスポット(比較例1)では、蛍光は無く、正電荷のみを有する光反応性ポリアリルアミン/コラーゲン(比較例2)では、抗体の種類によらず非特異的な染色が起こった。以上より光反応性ポリエチレングリコールはMPCポリマーと同等にタンパク質を固定化することができ、また非特異的吸着を抑制することが明らかとなった。また、ポリ(アクリルアミド−N−アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体(実施例5)、ポリ(グリシジルメタクリレート−N−アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体(実施例6)においてもポリエチレングリコール(実施例3、4)よりはタンパク質の固定化量は低いが、固定化は可能であり、非特異的吸着も抑制することができる。
Figure 2004088319
Figure 2004088319
実施例8 物質固定化剤の製造(その6)
1. N−アジドフェニルアクリル酸アミドの合成
(反応式)
Figure 2004088319
4−アジドアニリン塩酸塩(Aidrich社より市販)300.02mgを97mlの純水に溶解し、その溶液に2mol/lのNaOH水溶液を3ml加えた。次にアクリル酸クロリド(東京化成工業より市販)200mgをジクロロメタンで希釈し、13mlにしたものをゆっくりと攪拌しながら滴下し、滴下終了後、密栓し1時間強攪拌した。析出した固体をろ過により回収、ジクロロメタン相はクロロホルム80mlを加えて分液した。分液した有機層を乾燥させ、固体を回収した。その結果、N−アジドフェニルアクリル酸アミドを得た。
2. 光反応性ポリ(エチレングリコールモノメタクリレート−N−アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体の合成
(反応式)
Figure 2004088319
300mlナス型フラスコにN−アジドフェニルアクリル酸アミド49.90mg、PEG(重合度n=8)モノメタクリレート2225.2mgを43mlの酢酸エチルに溶解させアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を6.31mg入れて窒素で満たし密栓し、湯浴で60℃、6時間攪拌した。加熱を止めてある程度溶媒を留去させた後ジエチルエーテルに移しソニケーターを30分かけた。固体を回収し、減圧乾燥を2時間行った。その結果、光反応性ポリ(エチレングリコールモノメタクリレート−N−アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体を得た。
実施例9 アレルゲン固定化基体の作製及びそれを用いたアレルゲン抗体の免疫測定
スギ及びダニアレルゲン(生化学工業(株)より市販)を純水で0.25wt%に調整し、実施例1又は実施例8で製造した光反応性ポリマー(0.125wt%)と1:1(V/V)で混合した。混合したアレルゲン/ポリマー溶液をポリスチレン基板上に0.5μlスポットして風乾した。次に紫外線(波長260nm、照射量15mW/cm)を照射してポリスチレン基板上にアレルゲンを固定化した。
次いでPBS(0.1%tween20)で洗浄し、一次抗体としてアレルゲン抗体(生化学工業(株)より市販)をヒト血清で100μg/mlに調整したものをスポット上に10μl添加し、室温で2時間反応させた。次にPBS(0.1%tween20)で洗浄し、HRP標識二次抗体(アマシャムバイオサイエンス社より市販)を10%BSA/PBSで100倍に希釈したものをスポット上に10μl添加し、室温で1時間反応させた。PBS(0.1%tween20)で洗浄後、化学発光試薬ECL advance(アマシャムバイオサイエンス社より市販)を10μl添加し、ゲル撮影装置により30秒間露光した画像を得た。得られた画像を解析ソフトにより数値化した。
以下の表3に数値化した発光強度を纏めて示す。
抗体濃度100ng/mlで最も高い発光強度を示したのは、PEGと、実施例8の共重合体であった。また、抗体濃度が0の時の発光強度が低いのも実施例8の共重合体であり、非特異的吸着が最も少ないことがわかった。
以上の結果より、アレルゲン固定化量が多く、非特異的吸着の少ない実施例8の共重合体がアレルゲンアレイに使用するマトリックスに最も適していることがわかった。
Figure 2004088319
本願発明は、基体上に固定化すべき物質を共有結合により固定化することができ、かつ、非特異吸着の防止効果に優れた、物質固定化剤、それを用いた物質固定化方法及びそれを用いた物質固定化基体に係る。本発明によれば、固定化すべき物質を、その種類に関係なく共有結合により固定化することができ、安定な固定化基板を得ることができる。また、本発明の物質固定化剤を用いて物質を固定化すると、非特異吸着が効果的に防止される。さらに、本発明の物質固定化剤を用いて物質を固定化する場合、選択露光を行うことにより、固定化物質のパターニングも可能であり、容易にマイクロアレイ等の任意のパターンに物質を固定化することができる。従って、本願発明は、各種マイクロアレイの作製等に有用である。

Claims (25)

  1. 基体上に所望の物質を固定化するために用いられる水溶性のポリマーであって、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有し、かつ、前記水溶性ポリマーが分子全体として電気的に中性なポリマーから成る、物質固定化剤。
  2. 下記一般式[I]で表される構造を有する単位と、下記一般式[II]で示される構造を有する単位を含む、請求項1記載の物質固定化剤。
    Figure 2004088319
    (ただし、一般式[I]及び[II]中、X及びYは、互いに独立して、重合した状態の重合性原子団を表し、Rは光反応性基を有する原子団を表し、一般式[I]及び[II]で表される単位は、それぞれ2個以上であり、かつ、一般式[I]で表される単位の数は、一般式[II]で表される単位の数よりも大きい)。
  3. 前記光反応性基がアジド基である請求項1又は2記載の物質固定化剤。
  4. 一般式[I]で表される単位の数と一般式[II]で表される単位の数の比が100:2〜100:50である請求項2又は3記載の物質固定化剤。
  5. 前記ポリマーの分子量が、1,000〜1,000,000である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の物質固定化剤。
  6. X及びYがビニル系モノマー由来である請求項2ないし5のいずれか1項に記載の物質固定化剤。
  7. 前記物質固定化剤が、下記一般式[III]で表される請求項3ないし6のいずれか1項に記載の物質固定化剤。
    Figure 2004088319
    (ただし、式中、X’及びY’は、互いに独立して、ビニル部分が付加重合している状態のメタクリルオキシ基、メタクリルアミド基、アクリルオキシ基、アクリルアミド基、スチリルオキシ基又はスチリルアミド基を表し、Rは単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基(ただし1個又は2個のヒドロキシル基で置換されていてもよい)を表し、Rは単結合、炭素数1〜10のアルキレン基(ただし1個又は2個のヒドロキシル基で置換されていてもよい)、フェニレン基(ただし、1〜3個の炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい)、n及びmは、互いに独立して2以上の整数であり、かつ、nはmよりも大きく、X’を含む単位とY’を含む単位はランダムな順序で結合している)を表す請求項5記載の物質固定化剤。
  8. X’を含む単位が、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、N−(2−メタクリルアミド)エチルホスホリルコリン、4−メタクリロイルオキシブチルホスホリルコリン、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、10−メタクリロイルオキシデシルシルホスホリルコリン、ω−メタクリロイルジオキシエチレンホスホリルコリン又は4−スチリルオキシブチルホスホリルコリンに由来する請求項7記載の物質固定化剤。
  9. 前記一般式[I]で示される単位が、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに由来する請求項8記載の物質固定化剤。
  10. 下記式[IV]で表される請求項9記載の物質固定化剤。
    Figure 2004088319
    (ただし、n’は50ないし200の整数、m’は5ないし40の整数を表し、ホスホリルコリン含有単位と、アジドフェニル基含有単位はランダムな順序で結合している)。
  11. 基体に固定化する物質が、ポリペプチド、核酸、脂質並びに細胞及びその構成要素から成る群から選ばれる請求項1ないし10のいずれか1項に記載の物質固定化剤。
  12. 基体に固定化すべき物質と、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の物質固定化剤とを含む水溶液又は水懸濁液を前記基体に塗布し、光照射することを含む、基体上への物質の固定化方法。
  13. 基体に固定化する物質が、ポリペプチド、核酸、脂質並びに細胞及びその構成要素から成る群から選ばれる請求項12記載の方法。
  14. 前記光を選択照射することにより、物質を固定化する領域をパターニングすることを含む請求項12又は13記載の方法。
  15. 請求項12ないし14のいずれか1項に記載の方法により前記物質が固定化された基体。
  16. 前記水溶性ポリマーが、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有するノニオン性水溶性高分子から成る請求項1記載の物質固定化剤。
  17. 前記ノニオン性水溶性高分子が、ポリアルキレングリコール、ポリビニル系高分子又は天然高分子である請求項16記載の物質固定化剤。
  18. 前記ポリアルキレングリコールがポリエチレングリコールであり、ポリビニル系高分子がポリ((メタ)アクリルアミド−光反応性(メタ)アクリル酸アミド)共重合体又はポリ(グリシジル(メタ)アクリレート−光反応性(メタ)アクリル酸アミド)共重合体である請求項17記載の物質固定化剤。
  19. 前記ノニオン性水溶性高分子が、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド−光反応性アクリル酸アミド)共重合体又はポリ(グリシジルメタクリレート−光反応性アクリル酸アミド)共重合体である請求項18記載の物質固定化剤。
  20. 前記光反応性基がフェニルアジド基である請求項16ないし19のいずれか1項に記載の物質固定化剤。
  21. 前記ノニオン性水溶性高分子の分子量が500ないし500万である請求項16ないし20のいずれか1項に記載の物質固定化剤。
  22. 基体に固定化する物質が、ポリペプチド、多糖類、核酸、脂質並びに細胞及びその構成要素から成る群から選ばれる請求項16ないし21のいずれか1項に記載の物質固定化剤。
  23. 基体に固定化すべき物質と、請求項16ないし22のいずれか1項に記載の物質固定化剤とを含む水溶液又は水懸濁液を前記基体に塗布し、光照射することを含む、基体上への物質の固定化方法。
  24. 基体に固定化する物質が、ポリペプチド、多糖類、核酸、脂質並びに細胞及びその構成要素から成る群から選ばれる請求項23記載の方法。
  25. 請求項16ないし24のいずれか1項に記載の方法により前記物質が固定化された基体。
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