JPWO2004087815A1 - フタロシアニン色素及びそのインクジェットプリント用用途 - Google Patents

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Abstract

本発明は置換基として少なくともそれぞれ1つの無置換スルファモイル基及び置換スルファモイル基を有し、両者の合計は2〜4であり、かつ置換スルファモイル基上の置換基は架橋基を介して置換トリアジニル基を有し、更に無置換スルファモイル基及び置換スルファモイル基はフタロシアニン環のβ位に置換していることを特徴とするフタロシアニン色素に関するもので、該フタロシアニン色素はインクジェットプリンタ用のインク、特にシアンインクとして適しており、該インクを用いてプリントされたプリント物は耐光性、耐オゾン性及び耐湿性に優れるものである。

Description

本発明はフタロシアニン色素、インク、インクセット、このインクまたはインクセットを用いたインクジェット記録方法、着色体、フタロシアニン色素の製造方法に関する。
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式記録材料、感熱転写型画像記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等が盛んに利用されている。また、ディスプレーではLCDやPDPにおいて、撮影機器ではCCDなどの電子部品において、カラーフィルターが使用されている。これらのカラー画像記録材料やカラーフィルターでは、フルカラー画像を再現あるいは記録するために、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の色素(染料や顔料)が使用されているが、好ましい色再現域を実現出来る吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件に耐えうる色素がないのが実状であり、改善が強く望まれている。
インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速に普及し、更に発展しつつある。インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式等がある。また、インクジェット記録に適したインクの例としては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インク等が挙げられる。
このようなインクジェット記録に適したインクに用いられる色素に対しては、溶剤に対する溶解性あるいは分散性が良好なこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)に対して強いこと、水や薬品に対する耐久性に優れていること、被記録材に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、更には、安価に入手できることが要求されている。特に、良好なシアンの色相を有し、耐光性(光に対する耐久性)、耐オゾン性(オゾンガスに対する耐久性)及び耐湿性(高湿度下における耐久性)に優れ、ブロンズ現象(ブロンジング現象とも言う)を起こさないシアン色素が強く望まれている。ブロンズ現象とは色素の会合やインクの吸収不良などが原因で光沢紙等の表面上に色素が金属片状になり、ぎらつく現象のことを言う。この現象が起こると光沢性、印字品位、印刷濃度すべての点で劣るものとなる。
インクジェット記録に適したインクに用いられる水溶性シアン色素の骨格としてはフタロシアニン系やトリフェニルメタン系が代表的である。最も広範囲に報告され、利用されている代表的なフタロシアニン系色素としては、以下のA〜Hで分類されるフタロシアニン誘導体がある。
A:ダイレクトブルー86(Direct Blue 86)、ダイレクトブルー87(Direct Blue 87)、ダイレクトブルー199(Direct Blue 199)、アシッドブルー249(Acid Blue 249)又はリアクティブブルー71(Reactive Blue 71)等の公知のフタロシアニン系色素
B:特開昭62−190273号公報(文献1)、特開平7−138511号公報(文献2)、特開2002−105349号公報(文献3)等に記載のフタロシアニン系色素〔例えば、Cu−Pc−(SONa)m(SONH)n : m+n=1〜4の混合物〕
C:特開平5−171085号公報(文献4)等に記載のフタロシアニン系色素〔例えば、Cu−Pc−(COH)m(CONR)n : m+n=0〜4の数〕
D:特開平10−140063号公報(文献5)等に記載のフタロシアニン系色素〔例えば、Cu−Pc−(SOH)m(SONR)n : m+n=0〜4の数、且つ、m≠0〕
E:特表平11−515048号公報(文献6)等に記載のフタロシアニン系色素〔例えば、Cu−Pc−(SOH)l(SONH)m(SONR)n : l+m+n=0〜4の数〕
F:特開昭59−22967号公報(文献7)等に記載のフタロシアニン系色素〔例えば、Cu−Pc−(SONR)n : n=1〜5の数〕
G:特開2000−303009号公報(文献8)及び特開2002−249677号公報(文献9)等に記載のフタロシアニン系色素〔置換基の置換位置を制御したフタロシアニン化合物、β−位に置換基が導入されたフタロシアニン系色素:β−位については後記参照〕
H:特開2003−34758号公報(文献10)等に記載のピリジン環を有するフタロシアニン系色素
現在一般に広く用いられ、Direct Blue 86又はDirect Blue 199に代表されるフタロシアニン系色素については、一般に知られているマゼンタ色素やイエロー色素に比べ耐光性に優れるという特徴がある。フタロシアニン系色素は酸性条件下ではグリーン味の色相であり、シアンインクとしては余り好ましくない。そのためこれらの色素をシアンインクとして用いる場合は中性からアルカリ性の条件下で使用するのが好ましい。しかしながら、インクが中性からアルカリ性でも、用いる被記録材が酸性紙である場合印刷物の色相が大きく変化する可能性がある。
さらに、昨今環境問題として取りあげられることの多い酸化窒素ガスやオゾン等の酸化性ガスによってもグリーン味に変色及び消色し、同時に印字濃度も低下してしまう。
一方、トリフェニルメタン系については、色相は良好であるが、耐光性、耐オゾン性及び耐湿性において非常に劣る。
今後、使用分野が拡大して、広告等の展示物に広く使用されると、光や環境中の活性ガスに曝される場合が多くなるため、特に、良好な色相を有し、耐光性および環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)耐性に優れ、かつ安価な色素及びインクがますます強く望まれてくる。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たすシアン色素(例えば、フタロシアニン系色素)及びシアンインクを開発することは難しい。これまで、活性ガス耐性を付与したフタロシアニン系色素は、前記文献3、8〜10及び特開2002−80762号公報(文献11)等に開示されているが、色相、耐光性、耐オゾン性及び耐湿性等すべての品質を満足させ、更には安価に製造可能なシアン色素及びシアンインクはいまだ得られていない。よってまだ市場の要求を充分に満足させるには至っていない。
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、シアンインクとして良好な色相を有し、耐光性、耐オゾン性及び耐湿性に優れた新規なフタロシアニン色素を提供すること、更には該フタロシアニン色素を用いたインクジェットに適したインク及びインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明者らは、良好な色相と耐光性及び耐オゾン性の高いフタロシアニン系色素類を詳細に検討したところ、特定のフタロシアニン系色素をインク用の色素として用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より詳しくは、トリアジニル環含有置換基で置換されたスルファモイル基と無置換スルファモイル基の両者を、特定の置換位置(β位:後記参照)に有する下記式(1)で示される金属フタロシアニン色素に関するものであり、該色素は良好なシアン等の色相を有し、耐光性(光に対する耐久性)、耐湿性(高湿度下における耐久性)に優れ、ブロンズ現象(ブロンジング現象とも言う)を起こさないという性質共に、耐オゾン性(オゾンガスに対する耐久性)においても優れることを見いだし、本発明を完成した。以下に本発明を詳しく記載する。
即ち、本発明は
1.式(1)で表されるフタロシアニン色素、
Figure 2004087815
{式(1)中、Mは水素原子、金属原子、金属酸化物、金属水酸化物、または金属ハロゲン化物を表す。R、R、R、R、R10、R11、R14、R15は各々独立して式(2)で表される無置換スルファモイル基、式(3)で表される置換スルファモイル基又は水素原子を表わす。但し、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15のうち少なくとも1つは無置換スルファモイル基、少なくとも1つは式(3)で表される置換スルファモイル基である。又、R、R、R、R、R、R12、R13、R16は水素原子を表す。無置換スルファモイル基の数と置換スルファモイル基の数の和は2から4であり、且つ無置換スルファモイル基の数は1から3であり、置換スルファモイル基の数は1から3である}
Figure 2004087815
{式(3)中、R17及びR18はそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアルケニル基を、Aは架橋基を表し、隣接するR17、R18、Aどうしが互いに連結して環を形成しても良い。Y及びZはそれぞれ独立してハロゲン原子、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアリロキシ基、置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、置換もしくは無置換のアルケニルオキシ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のヘテロ環アミノ基、置換もしくは無置換のアルケニルアミノ基、置換もしくは無置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロ環チオ基、置換もしくは無置換のアルケニルチオ基を表す。但し、Y、Zのうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する基である。}、
2.請求の範囲第1項の式(1)において、MがCuである式(4)で表される、請求の範囲第1項に記載のフタロシアニン色素、
Figure 2004087815
(式中R〜R16は式(1)と同じ意味を示す)、
3.架橋基Aがアルキレン、シクロアルキレン、アリレンである請求の範囲第1項又は第2項に記載のフタロシアニン色素、
4.RとR、RとR、R10とR11、R14とR15の各組み合わせにおいて、それぞれの一方が水素原子であり、もう一方が式(2)で表される無置換スルファモイル基、式(3)で表される置換スルファモイル基又は水素原子であり、かつR、R、R、R、R10、R11、R14、R15のうち、少なくとも1つは無置換スルファモイル基であり、少なくとも1つは式(3)で表される置換スルファモイル基である請求の範囲第1項から第3項のいずれか一項に記載のフタロシアニン色素、
5.式(3)の置換スルファモイル基が下記式(5)で表される基である請求の範囲第1項または第2項に記載のフタロシアニン色素、
Figure 2004087815
{式(5)中、Bはアルキレン、アリレン、キシリレンを表す。D及びEはそれぞれ独立して、塩素原子、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルコキシ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アセチルアミノ基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、ハロゲン原子から成る群から選択される置換基で置換されても良い。)、フェノキシ基(スルホン酸基、カルボキシル基、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い。)、ナフトキシ基(スルホン酸基、アセチルアミノ基からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い。)、ベンジロキシ基(スルホン酸基で置換されても良い。)、フェネチルオキシ基(スルホン酸基で置換されても良い。)、アルキルアミノ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基から成る群から選択される置換基で置換されても良い。)アニリノ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アセチルアミノ基、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い。)、ナフチルアミノ基(スルホン酸基または水酸基で置換されていても良い。)、ベンジルアミノ基(スルホン酸基で置換されても良い。)、フェネチルアミノ基(スルホン酸基で置換されても良い。)、アルキルチオ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基で置換されても良い。)またはアリールチオ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アルキル基からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い。)を表し、D、Eのうち少なくとも1つは、スルホン酸基及びカルボキシル基からなる群から選ばれるイオン性親水性基を置換基として有する。}、
6.Y及びZのいずれか一方がアミノ基又は、置換又は無置換のアルキルアミノ基であり、他方がハロゲン及びヒドロキシル基以外の基である請求の範囲第1項に記載のフタロシアニン色素、
7.ハロゲン及びヒドロキシル基以外の基がスルホン酸基で置換されたアリールアミノ基である請求の範囲第6項に記載のフタロシアニン色素、
8.式(1)の色素の含量が色素全体に対して少なくとも60%以上である請求の範囲第1項に記載のフタロシアニン色素、
9.式(1)が、式(6)で表されるフタロシアニン色素またはその塩に塩素化剤を反応させ、スルホン酸基をクロロスルホン基に変換した後、下記式(X)で表される有機アミンとアミド化剤を反応させて得られてなる請求の範囲第1項から第8項に記載のフタロシアニン色素、
Figure 2004087815
{式(6)中、Mは水素原子、金属元素、金属酸化物、金属水酸化物または金属ハロゲン化物を、Lはプロトン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、有機アミンのオニウムイオンまたはアンモニウムイオンを示す。a、b、c、dは0又は1であり、その和は2〜4の整数である。}
Figure 2004087815
(式(X)中、R17及びR18はそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアルケニル基を、Aは架橋基を表し、隣接するR17、R18、Aどうしが互いに連結して環を形成しても良い。Y及びZはそれぞれ独立してハロゲン原子、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアリロキシ基、置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、置換もしくは無置換のアルケニルオキシ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のヘテロ環アミノ基、置換もしくは無置換のアルケニルアミノ基、置換もしくは無置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロ環チオ基、置換もしくは無置換のアルケニルチオ基を表す。但し、Y、Zのうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する基である。)、
10.4−スルホフタル酸誘導体同士又は、4−スルホフタル酸誘導体と(無水)フタル酸誘導体を金属化合物の存在下に反応させることにより得られるスルホ金属フタロシアニン化合物に塩素化剤を反応させ、スルホン酸基をクロロスルホン基に変換した後、アミド化剤と下記式(X)で表される有機アミンを反応させて得られるフタロシアニン色素、
Figure 2004087815
{式(X)中、R17、R18、A、Y、Zは、前記と同じ意味を表す}
11.架橋基Aがアルキレン、シクロアルキレン、アリレンである請求の範囲第10項に記載のフタロシアニン色素、
12.式(X)で表される有機アミンが下記式(X’)である請求の範囲第10項または第11項に記載のフタロシアニン色素、
Figure 2004087815
{式(X’)中、Bはアルキレン、アリレン、キシリレンを表す。D及びEはそれぞれ独立して、塩素原子、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルコキシ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アセチルアミノ基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、ハロゲン原子から成る群から選択される置換基で置換されても良い)、フェノキシ基(スルホン酸基、カルボキシル基、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い)、ナフトキシ基(スルホン酸基、アセチルアミノ基からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い)、ベンジロキシ基(スルホン酸基で置換されても良い)、フェネチルオキシ基(スルホン酸基で置換されても良い)、アルキルアミノ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基から成る群から選択される置換基で置換されても良い)、アニリノ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アセチルアミノ基、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い)、ナフチルアミノ基(スルホン酸基または水酸基で置換されていても良い)、ベンジルアミノ基(スルホン酸基で置換されても良い)、フェネチルアミノ基(スルホン酸基で置換されても良い)、アルキルチオ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基で置換されても良い)またはアリールチオ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アルキル基からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い)を表し、D、Eのうち少なくとも1つはスルホン酸基及びカルボキシル基からなる群から選ばれるイオン性親水性基を置換基として有する。}、
13.金属化合物が銅化合物である請求の範囲第10項〜第12項のいずれか一項に記載のフタロシアニン色素、
14.色素成分として請求の範囲第1項〜第13項のいずれか一項に記載のフタロシアニン色素を含有することを特徴とするインク、
15.有機溶剤を含有する請求の範囲第14項に記載のインク、
16.インクジェット記録用である請求の範囲第14項〜第15項に記載のインク、
17.色素濃度の異なる2種類以上のシアンインクを用いるインクジェットプリンタにおいて、少なくとも1種類は請求の範囲第14項〜第16項のいずれか一項に記載のインクを用いることを特徴とするインクセット、
18.インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インクとして請求の範囲第14項〜第17項のいずれか一項に記載のインクまたはインクセットを使用することを特徴とするインクジェット記録方法、
19.被記録材が情報伝達用シートである請求の範囲第18項に記載のインクジェット記録方法、
20.情報伝達用シートが表面処理されたシートであって、支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受像層を有するシートである請求の範囲第19項に記載のインクジェット記録方法、
21.請求の範囲第範囲第14項〜第17項のいずれか一項に記載のインクまたはインクセットを含有する容器、
22.範囲第21項に記載の容器を有するインクジェットプリンタ、
23.請求の範囲第範囲第14項〜第17項のいずれか一項に記載のインクまたはインクセットで着色された着色体、
24.4−スルホフタル酸誘導体又は、4−スルホフタル酸誘導体と(無水)フタル酸誘導体を銅化合物の存在下に反応させることにより得られる化合物またはその塩に塩素化剤を反応させ、スルホン酸基をクロロスルホン化した後、上記式(X)で表される有機アミンとアミド化剤を反応させて得られることを特徴とするフタロシアニン色素の製造方法、
25. 下記式(14)
Figure 2004087815
{式中、Mは水素原子、金属原子、金属酸化物、金属水酸化物、または金属ハロゲン化物を表わし、1は0を含み1より小さく、nは0.3以上で3以下,mは1以上で3.7以下であり、l,m,nの合計は2以上4以下であり、R17及びR18はそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアルケニル基を、Aは架橋基を表し、隣接するR17、R18、Aどうしが互いに連結して環を形成しても良く、Y及びZはそれぞれ独立してハロゲン原子、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアリロキシ基、置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、置換もしくは無置換のアルケニルオキシ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のヘテロ環アミノ基、置換もしくは無置換のアルケニルアミノ基、置換もしくは無置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロ環チオ基、置換もしくは無置換のアルケニルチオ基を表す。但し、Y、Zのうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する基である。}
で表わされるフタロシアニン色素において、β位置換体が60%以上であり、α位置換体が40%以下であるフタロシアニン色素、
26.Y及びZのいずれか一方がアミノ基又は、置換又は無置換のアルキルアミノ基であり、他方がハロゲン及びヒドロキシル基以外の基である請求の範囲25項に記載のフタロシアニン色素、
27.ハロゲン及びヒドロキシル基以外の基がスルホン酸基で置換されたアリールアミノ基である請求の範囲第26項に記載のフタロシアニン色素、
28.Mは銅原子を表わし、Aは炭素数1〜6の2価の架橋基を示し、lは0を含み1より小さく、nは0.3以上で3以下,mは1以上で3.7以下であり、l,m,nの合計は2〜4であり、R17及びR18はいずれも水素原子、Y及びZはそれぞれ独立してアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のジアルキルアミノ基を表す。但し、Y、Zのうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する基である請求の範囲第25項に記載のフタロシアニン色素、に関する。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の前記式(1)で示される色素は、4−スルホフタル酸誘導体又は、4−スルホフタル酸誘導体と(無水)フタル酸誘導体を金属化合物の存在下に反応させることにより得られる化合物に塩素化剤を反応させ、スルホン酸基をクロロスルホン基に変換した後、アミド化剤と特定の有機アミンを反応させた、フタロシアニン環の特定の置換位置(β位)に無置換スルファモイル基と置換スルファモイル基を導入することにより得られる。該色素を使用した印字物は、極めて優れたオゾンガスに対する耐性を有する。
一般にフタロシアニン誘導体は、その合成時において不可避的に、下記式(1)における置換基R〜R16の置換位置異性体を含む場合があるが、これら置換位置異性体は互いに区別することなく同一誘導体として見なしている場合が多い。
Figure 2004087815
(式(1)中、M、R〜R16は前記と同じ意味を示す。)
本明細書において、便宜上置換位置が異なる三種類のフタロシアニン誘導体を以下に定義するように(1)β−位置換型、(2)α−位置換型、(3)α、β−位混合置換型に分類し、置換位置が異なるフタロシアニン誘導体を説明する場合に使用する。
なお、下記の説明において、1位〜16位の置換位置は、上記式(1)の置換基R〜R16が各々結合しているベンゼン核上の位置を意味し、本明細書においては以下同様とする。
(1)β−位置換型:2及びまたは3位、6及びまたは7位、10及びまたは11位、14及びまたは15位に特定の置換基(本明細書ではスルホン酸基、スルファモイル基又は置換スルファモイル基)を有するフタロシアニン色素。
(2)α−位置換型:1及びまたは4位、5及びまたは8位、9及びまたは12位、13及びまたは16位に特定の置換基を有するフタロシアニン色素。
(3)α、β−位混合置換型:1〜16位の任意の位置に、特定の置換基を有するフタロシアニン色素。
本発明の式(1)で示されるフタロシアニン色素は、上記β−位置換型に属する。なお、置換フタロシアニン色素において、β−位置換型、α−位置換型またはα、β−位混合置換型のいずれであるかは、本発明の製造方法による場合には原料フタル酸誘導体における置換基の位置から予測できる(該フタロシアニン色素においても対応する位置に置換基を有する)。そうでないときには、該フタロシアニン色素を、硝酸等によってフタル酸誘導体に分解し、該誘導体における置換位置をNMRにて調べることで、確認することができる。
前記式(1)において、Mは、水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。金属原子の具体例としては例えば、Li、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi等が挙げられる。金属酸化物としてはVO、GeO等が挙げられる。また、金属水酸化物としては例えば、Si(OH)、Cr(OH)、Sn(OH)、AlOH等が挙げられる。さらに、金属ハロゲン化物としては例えば、SiCl、VCl、VCl、VOCl、FeCl、GaCl、ZrCl、AlCl等が挙げられる。これらの中でもCu、Ni、Zn、Al、AlOHが好ましく、Cuが最も好ましい。
本明細書において特に断りのない限り、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、シクロアルキル基及びアルキレン等における炭素数は本発明の目的が達成される限り特に限定されない。通常、それらの炭素数は1〜16、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜6、更には1〜4程度である。ただし、シクロアルキル基については、通常3〜12、好ましくは5〜8程度である。また、これらが置換基を有する場合、本発明の目的が達成される限り、置換基の種類は特に限定されない。これらの基の炭素鎖上における好ましい置換基としては例えば、スルホン酸基及びそれから誘導される基(スルファモイル等)、カルボキシル基及びそれから誘導される基(カルボン酸エステル基等)、リン酸基及びそれから誘導される基(リン酸エステル基等)、水酸基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアミノ基、置換又は無置換のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基等が挙げられる。
また、アリール基についても本発明の目的が達成される限り特に限定されない。通常ばフェニル基又はナフチル基等である。アリール基上の好ましい置換基としては、例えば上記の炭素鎖上の好ましい置換基として挙げたもの及びウレイド基、ニトロ基、ヘテロ環基等が挙げられる。
前記式(3)及び式(X)においてR17及びR18はぞれぞれ独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。
上記置換もしくは無置換のアルキル基としては、例えば炭素数が1〜12のアルキル基があげられる。該置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基があげられる。
上記置換もしくは無置換のシクロアルキル基としては、例えば炭素数が3〜12のシクロアルキル基があげられ、好ましくは炭素数5〜8のシクロアルキル基が挙げられる。該シクロアルキル基上の置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基があげられる。
上記アリール基で置換されたアルキル基(アラルキル基)におけるアルキル基の炭素数は好ましくは1〜12程度である。該のアラルキル基は置換基を有してもよく、置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基があげられる。上記置換もしくは無置換のアリール基におけるアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基があげられる。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子があげられる。
上記置換もしくは無置換のヘテロ環基としては5員または6員環のものが好ましく、それらは更に縮環しても良い。また芳香族ヘテロ環であっても、非芳香族ヘテロ環であっても良い。ヘテロ環の例としては例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。また、これらのヘテロ環は置換基を有していてもよく、その置換基の例としては、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
上記置換もしくは無置換のアルケニル基としては、例えば炭素数が1〜12のアルケニル基があげられる。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い。)、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基が挙げられる。
前記式(3)及び式(X)においてAは架橋基を表す。架橋基としては通常2価の炭化水素架橋基が挙げられ、例えば炭素数1〜16,好ましくは炭素数1〜6の架橋基が挙げられる。該架橋基の例としては、例えばアルキレン、シクロアルキレン、アリレンがあげられ、及びこれらを組み合わせて形成される基であっても良い。これらを組み合わせて形成される基の例としてはとしては例えば、キシリレンがあげられる。また、R17及びR18と共に架橋基を形成しても良い。また架橋基は置換基を有しても良い。置換基としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基があげられる。
アルキレンとしては、例えば炭素数が1〜16のアルキレンがあげられる。アルキレンの炭素原子が一部、窒素、酸素及び硫黄原子に置換されても良い。またアルキレンとシクロアルキレンが組み合わさって形成される基であっても良い。炭素数1〜4のアルキレンが好ましい。
シクロアルキレンとしては、例えば炭素数が1〜16のシクロアルキレンがあげられる。シクロアルキレンの炭素原子が一部、窒素、酸素及び硫黄原子で置換されても良い。シクロアルキレンとアルキレンが組み合わさって形成される基であっても良い。またシクロアルキレンは橋架け環式炭化水素であってもスピロ環炭化水素であっても良い。
アリレンとしては、例えばフェニレン、ナフチレン等があげられる。これらは置換基を有しても良い。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
前記式(3)及び式(X)においてY及びZはそれぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換の、シクロアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリロキシ基、置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、置換もしくは無置換のアラルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアルケニルオキシ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のヘテロ環アミノ基、置換もしくは無置換のアラルキルアミノ基、置換もしくは無置換のアルケニルアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロ環チオ基、置換もしくは無置換のアルケニルチオ基を表し、Y、Zのうち少なくとも1つはイオン性親水性基を置換基として有する基である。イオン性親水性基としては、陰イオン性親水基が好ましく、例えばスルホン酸基、カルボキシル基またはリン酸基などがあげられ、スルホン酸基またはカルボキシル基が好ましく、より好ましくはスルホン酸基である。イオン性親水性基の数はY及びZの両者に含まれる合計で2以上が好ましく、通常2〜4である。
これらのイオン性親水性基は、フリー体であってもよいし、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機アミンのオニウムイオン塩またはアンモニウム塩であってもよい。アルカリ金属としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、例えばカルシウム、マグネシウム等が挙げられる。有機アミンとしては例えばアルキルアミン及びアルカノールアミンが挙げられる。アルキルアミンとしては、例えばメチルアミン、エチルアミン等の炭素数1〜4の低級アルキルアミンが挙げられる。アルカノールアミンとしては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のモノ、ジ又はトリ(炭素数1〜4の低級アルカノール)アミンが挙げられる。好ましい塩としては、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンの塩である。通常はナトリウム又はリチウムなどのアルカリ金属塩である。
Y及びZとしては、それぞれ独立に、置換もしくは無置換アミノ基が好ましく、置換アミノ基としては置換基を有してもよいアリールアミノ基もしくは置換基を有してもよい(C1〜C6)アルキルアミノ基が好ましい。置換基を有してもよいアリールアミノ基としてはイオン性親水性基で置換されたフェニルアミノ基もしくは同ナフチルアミノ基が好ましい。置換基を有してもよい(C1〜C6)アルキルアミノ基としてはイオン性親水性基で置換された(C1〜C6)アルキルアミノ基が好ましい。該アルキルアミノ基はモノ又はジアルキルアミノ基の何れでもよいが、モノアルキルアミノ基が好ましい。より好ましいYとZの組み合わせは何れか一方がアミノ基もしくはイオン性親水性基で置換された(C1〜C6)アルキルアミノ基であり、他方がイオン性親水性基で置換されたフェニルアミノ基もしくは同ナフチルアミノ基である場合である。イオン性親水性基としてはスルホン酸基またはカルボキシル基が好ましく、より好ましくはスルホン酸基である。
前記置換もしくは無置換のアルコキシ基としては、例えば炭素数が1〜12のアルコキシ基があげられる。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基があげられる。中でもスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基が好ましい。
前記置換もしくは無置換のシクロアルコキシ基としては、例えば炭素数が1〜12のシクロアルコキシ基があげられる。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基があげられる。中でもスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基が好ましい。
前記置換もしくは無置換のアリロキシ基としては、例えばフェノキシキ基、ナフトキシ基があげられる。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子があげられる。中でもスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基が好ましい。
前記置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基としては、5員または6員環のものが好ましく、それらは更に縮環しても良い。また芳香族ヘテロ環であっても、非芳香族ヘテロ環であっても良い。ヘテロ環の例としては例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。また、これらのヘテロ環は置換基を有していてもよく、その置換基の例としては、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
前記置換もしくは無置換のアラルキルオキシ基としては、例えば炭素数が1〜12のアラルキルオキシ基があげられる。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子があげられる。中でもスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基が好ましい。
前記置換もしくは無置換のアルケニルオキシ基としては、例えば炭素数が1〜12のアルケニルオキシ基があげられる。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基があげられる。中でもスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基が好ましい。
前記置換もしくは無置換のアルキルアミノ基としては、例えば炭素数が1〜12のアルキルアミノ基があげられる。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基又はリン酸基等のイオン性親水性基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基があげられる。中でもスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基が好ましい。
前記置換もしくは無置換のシクロアルキルアミノ基としては、例えば炭素数が1〜12のシクロアルキルアミノ基があげられる。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基があげられる。中でもスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基が好ましい。
前記置換もしくは無置換のアリールアミノ基としては、例えばアニリノ基、ナフチルアミノ基があげられる。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子があげられる。中でもスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基が好ましい。
前記置換もしくは無置換のヘテロ環アミノ基としては、5員または6員環のものが好ましく、それらは更に縮環しても良い。また芳香族ヘテロ環であっても、非芳香族ヘテロ環であっても良い。ヘテロ環の例としては例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。また、これらのヘテロ環は置換基を有していてもよく、その置換基の例としては、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
前記置換もしくは無置換のアラルキルアミノ基としては、例えば炭素数が1〜12のアラルキルアミノ基があげられる。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子があげられる。中でもスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基が好ましい。
前記置換もしくは無置換のアルケニルアミノ基としては、例えば炭素数が1〜12のアルケニルアミノ基があげられる。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基があげられる。中でもスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基が好ましい。
前記置換もしくは無置換のアルキルチオ基としては、例えば炭素数が1〜12のアルキルチオ基があげられる。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基があげられる。中でもスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基が好ましい。
前記置換もしくは無置換のシクロアルキルチオ基としては、例えば炭素数が1〜12のシクロアルキルチオ基があげられる。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基があげられる。中でもスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基が好ましい。
前記置換もしくは無置換のアリールチオ基としては、例えばフェニルチオ基、ナフチルチオ基があげられる。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子があげられる。中でもスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基が好ましい。
前記置換もしくは無置換のヘテロ環チオ基としては、5員または6員環のものが好ましく、それらは更に縮環しても良い。また芳香族ヘテロ環であっても、非芳香族ヘテロ環であっても良い。ヘテロ環の例としては例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。また、これらのヘテロ環は置換基を有していてもよく、その置換基の例としては、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
前記置換もしくは無置換のアラルキルチオ基としては、例えば炭素数が1〜12のアラルキルチオ基があげられる。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子があげられる。中でもスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基が好ましい。
前記置換もしくは無置換のアルケニルチオ基としては、例えば炭素数が1〜12のアルケニルチオ基があげられる。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基があげられる。中でもスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基が好ましい。
前記前記式(5)において、Bはアルキレン、アリレンまたはキシレンを表す。アルキレンとしては、例えば炭素数が1〜16のアルキレンがあげられ、好ましくは炭素数1〜6アルキレンが挙げられ、より好ましくはエチレンである。アリレンとしては、例えばフェニレン、ナフチレンがあげられる。これらは置換基を有しても良い。置換基の例としては例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アミノ基(アルキル基、アリール基及びアセチル基で置換されても良い)、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子があげられる。
前記式(5)において、D及びEはそれぞれ独立して、塩素原子、水酸基、アミノ基、アルコキシ基(スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アセチルアミノ基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、ハロゲン原子からなる群から選択される置換基で置換されても良い)、フェノキシ基(スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い)、ナフトキシ基(スルホン酸基、アセチルアミノ基からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い)、ベンジロキシ基(スルホン酸基で置換されても良い)、フェネチルオキシ基(スルホン酸基で置換されても良い)、アルキルアミノ基(スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基からなる群から選択される置換基で置換されても良い)、アニリノ基(スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アセチルアミノ基、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い)、ナフチルアミノ基(スルホン酸基または水酸基で置換されても良い)、ベンジルアミノ基(スルホン酸基で置換されても良い)、フェネチルアミノ基(スルホン酸基で置換されても良い)、アルキルチオ基(スルホン酸基、カルボキシル基または水酸基で置換されても良い)、アリールチオ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アルキル基からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い)を表す。また、D、Eのうち少なくとも1つはイオン性親水性基を置換基として有する基である。
D及びEとしては、それぞれ独立に置換もしくは無置換アミノ基が好ましく、置換アミノ基としては置換基を有してもよいアリールアミノ基もしくは置換基を有してもよい(C1〜C6)アルキルアミノ基が好ましい。置換基を有してもよいアリールアミノ基としてはイオン性親水性基で置換されたフェニルアミノ基もしくは同ナフチルアミノ基が好ましい。置換基を有してもよい(C1〜C6)アルキルアミノ基としてはイオン性親水性基で置換された(C1〜C6)アルキルアミノ基が好ましい。該アルキルアミノ基はモノ又はジアルキルアミノ基の何れでもよいが、モノアルキルアミノ基が好ましい。より好ましいYとZの組み合わせは何れか一方がアミノ基もしくはイオン性親水性基で置換された(C1〜C6)アルキルアミノ基であり、他方がイオン性親水性基で置換されたフェニルアミノ基もしくは同ナフチルアミノ基である場合である。イオン性親水性基としてはスルホン酸基、カルボキシル基または水酸基が好ましく、より好ましくはスルホン酸基である。
本発明のフタロシアニン色素を製造するにあたり、用いる金属化合物の金属種類(M)と有機アミンの組み合わせの具体例を表1から7に示すが、下記の例に限定されるものではない。尚、表中、有機アミンは遊離酸の形で記す。
Figure 2004087815
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本発明のフタロシアニン色素は、4−スルホフタル酸誘導体同士又は、4−スルホフタル酸誘導体と(無水)フタル酸誘導体を金属化合物の存在下に反応させることにより得られる化合物(β−位置換型のスルホフタロシアニン)に塩素化剤を反応させ、スルホン酸基をクロロスルホン基に変換した後、アミド化剤と有機アミンを反応させることにより得られる。原料として用いる4−スルホフタル酸誘導体には、3位にスルホン化されたものが通常15〜25質量%程度不純物として含有し、それ由来のα位置換体が目的フタロシアニン色素中に混入する。本発明の効果をより高めるためには(特に耐オゾン性のより高いインクを得る為には)、3位にスルホン化された不純物の含有量が少ない原料を使用するのが好ましい。
また、目的フタロシアニン色素中には、反応中にクロロスルホン基が一部分解したものが反応生成物中に混入されるが特に支障はない。得られる色素は下記式(14)で表わされ、β位置換体が主成分、即ち、少なくとも60%以上、好ましくは70%以上、更に好ましくは75%以上であると考えられる。
Figure 2004087815
(式(14)中、M、R17、R18は前記と同様の意味を表す。lは0を含み1より小さく、好ましくは0.7以下、より好ましくは0.5以下、最も好ましくは0.3以下であり、nは0.3以上、好ましくは0.7以上で3以下,mは1以上で3.7以下であり、l,m,nの合計は2以上4以下である。なお、l、m、nの値は混合物における平均値を示す。)
本発明のフタロシアニン色素を製造するにあたり、アミド化剤と、式(X)で表される有機アミンの比率(モル比)を、該フタロシアニン色素における無置換スルファモイル基と置換スルファモイル基の比率が1:3〜3:1になるような比率で用いることが好ましい。無置換するファモイル基の比率(アミド化剤の反応比率)が高い場合は、得られたフタロシアニン色素を含有するインクで記録した画像のオゾン耐性が高くなる一方、水溶性が低く、ブロンズ現象が起きやすい傾向にある。逆に有機アミンの比率が高い場合は、得られたフタロシアニン色素は水溶性が高く、ブロンズ現象が起きにくくなる一方、オゾン耐性が低くなる傾向にある。従って、用いる式(X)で表される有機アミンの種類に応じて、アミド化剤と、有機アミンの割合を適宜調節し、バランスのよい比率を選択すればよい。
本発明の式(1)の化合物の製造方法を説明する。
まず、前記式(6)で表される金属フタロシアニンスルホン酸を合成する。尚、前述のとおり、本発明のフタロシアニン色素には原料由来によるα−位置換体が副生するが、製造方法の説明においては、主成分のβ−位置換体で記載する。式(6)で表される金属フタロシアニンスルホン酸を合成するには、例えば触媒及び金属化合物の存在下、4−スルホフタル酸誘導体又は、4−スルホフタル酸誘導体と(無水)フタル酸誘導体を反応させることにより得られる。4−スルホフタル酸と(無水)フタル酸の反応のモル比を変えることによりスルホン基の数、つまりa〜dの数を調整することが可能である。4−スルホフタル酸誘導体としては4−スルホフタル酸、4−スルホ無水フタル酸、4−スルホフタルイミド、4−スルホフタロニトリル、4または5−スルホ−2−シアノベンザミド及び5−スルホ−1,3−ジイミノイソインドリン若しくはそれらの塩が挙げられる。これらの中で通常4−スルホフタル酸若しくはその塩が好ましい。但し、フタル酸、無水フタル酸及びフタルイミドの場合は尿素の添加が必須である。尿素の使用量は4−スルホフタル酸誘導体1モルに対し5〜100倍モル量である。
Figure 2004087815
{式(6)中、M、L、a、b、c、dは前記と同じ意味を表す。}
また、反応は通常、溶媒の存在下に行われ、溶媒としては沸点100℃以上、より好ましくは130℃以上の有機溶媒が用いられる。例えば、n−アミルアルコール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリクロロベンゼン、クロロナフタレン、ニトロベンゼン、キノリン、スルホラン、尿素等が挙げられる。溶媒の使用量は4−スルホフタル酸誘導体の1〜100質量倍である。
触媒としては、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、モリブデン酸アンモニウム及びホウ酸等が挙げられる。添加量は4−スルホフタル酸誘導体1モルに対し、0.001〜1倍モルである。
金属化合物としては、Li、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi等のハロゲン化物、カルボン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、アセチルアセトナート、カルボニル化合物、錯体等が挙げられる。例えば、塩化銅、臭化銅、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、塩化コバルト、酢酸コバルト、コバルトアセチルアセトナート等が挙げられる。金属化合物の使用量は4−スルホフタル酸誘導体または、4−スルホフタル酸誘導体と(無置換)フタル酸誘導体の総計1モルに対し、0.15〜0.35倍モルである。
反応温度は通常100〜290℃であり、好ましくは130〜270℃である。また反応時間は反応温度により変わるが通常1〜8時間である。反応終了後、濾過、塩析(又は酸析)、乾燥することによりフタロシアニンスルホン酸又はその塩の形で得られる。遊離酸とするには、例えば酸析すればよい。また、塩にするには、塩析するか、塩析によって所望の塩が得られないときには、例えば遊離酸にしたものに所望の有機又は無機の塩基を添加する通常の塩交換法を利用すればよい。
また、前記式(6)においてMが銅である、銅フタロシアニンスルホン酸またはその塩は、特許文献8に記載の方法で合成され、前記式(6)におけるa、b、c、dが1で表される化合物は、スルホラン溶媒中、4−スルホフタル酸(1モル)、塩化銅(II)(0.3モル)、リンモリブデン酸アンモニウム(0.003モル)、尿素(6モル)、塩化アンモニウム(0.5モル)を180℃、6時間反応させることにより前記式(6)で表される銅フタロシアニンスルホン酸が得られる。4−スルホフタル酸誘導体、金属化合物、溶媒及び触媒等の種類や使用量により反応性は異なり上記に限定されるものではない。
式(6)で表される、フタロシアニンスルホン酸又はその塩を、例えば有機溶媒、硫酸、発煙硫酸又はクロロスルホン酸等の溶媒中でクロロ化剤を反応させることにより、式(8)で表されるフタロシアニンスルホン酸クロリドが得られる。クロロ化剤はフタロシアニンスルホン酸又はその塩のスルホン酸基に対して、過剰に使用するのが好ましく、該スルホン酸基に対するモル割合で1〜10倍程度であり、1.5倍以上が好ましい。反応に用いられる有機溶剤としてはベンゼン、トルエン、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、クロル化剤としてはクロロスルホン酸、塩化チオニル、塩化スルフリル、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、本発明のフタロシアニン色素は一部、フタロシアニン核にクロロ化された不純物が生成し、反応生成物中に混入されてもよい。
Figure 2004087815
〔式中、M、a、b、c、dは前記と同じ意味を表す。〕
次に、得られたフタロシアニンスルホン酸クロリドと、アミド化剤と対応する下記式(X)で表される有機アミンを水溶媒中で通常pH6〜10、通常5〜70℃、通常1〜20時間反応させることにより目的の化合物が得られる。アミド化剤と上記有機アミンの使用量は、両者の合計(モル比)で、上記フタロシアニンスルホン酸クロリドのスルホン酸クロリド基に対して等モル以上が好ましく、通常1〜20倍モル、好ましくは1.5〜5倍モル程度である。上記有機アミンの割合は、目的化合物の置換スルファモイル基の割合に応じて使用すればよい。
反応に用いられるアミド化剤は、−NH基を導入するための薬剤で、例えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩、尿素、アンモニア水、アンモニアガス等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2004087815
〔式(X)中、R17、R18、A、Y、Zは、前記と同じ意味を表す。〕
なお、有機アミンの使用量はフタロシアニン化合物1モルに対して、通常、理論値の1倍モル以上である。上限はないが経済性等から見て、10倍モル以下である。有機アミンの反応性、反応条件により異なり、これらに限定されるものではない。
式(X)で表される対応する有機アミンの製造方法を説明する。例えばYに対応するアミン類、アルコール類又はチオール類を、通常0.95〜1.1モルと2,4,6−トリクロロ−S−トリアジン(シアヌルクロライド)1モルとを水中で通常pH3〜7、通常5〜40℃、通常2〜12時間反応させて、1次縮合物を得る。次いで、Zに対応するアミン類、アルコール類又はチオール類を通常0.95〜1.1モルを通常pH4〜10、通常5〜80℃、通常0.5〜12時間反応させることにより、2次縮合物を得る。次いで、通常pH9〜12、通常5〜90℃、通常0.5〜8時間で架橋基に対応するジアミン類1〜50モル反応させることにより、上記式(X)の化合物が得られる。なお、縮合の順序は各種化合物の反応性に応じ適宜定められ、上記に限定されない。また、本発明のフタロシアニン色素は一部、2価の連結基(L)を介してフタロシアニン環(Pc)が2量体(例えばPc−L−Pc)または3量体を形成した不純物が生成し、反応生成物中に混入されてもよく、その時複数個存在するLは、それぞれ同一であっても異なるものであってもよい。
Lで表される2価の連結基はスルホニル基(−SO−)、−SO−NH−SO−などが挙げられる。また、該連結基はこれらを組み合わせて形成される基であってもよい。
こうして得られた本発明のフタロシアニン色素は酸析又は塩析後、濾過等により分離することが出来る。塩析は例えば酸性〜アルカリ性、好ましくはpH1〜11の範囲で塩析を行うことが好ましい。塩析の際の温度は特に限定されないが、通常40〜80℃、好ましくは50〜70℃に加熱後、食塩等を加えて塩析するのが好ましい。
上記の方法で合成される、本発明の前記式(1)で表わされるフタロシアニン色素は、遊離酸の形あるいはその塩の形で得られる。遊離酸とするには、例えば酸析すればよい。また、塩にするには、塩析するか、塩析によって所望の塩が得られないときには、例えば遊離酸にしたものに所望の有機又は無機の塩基を添加する通常の塩交換法を利用すればよい。
本発明のシアンインクは、上記の方法にて製造された前記式(1)のフタロシアニン色素を含み、水を媒体として調製されるが、このインクをインクジェット記録用インクとして使用する場合、フタロシアニン色素に含まれるCl及びSO 2−等の陰イオンの含有量は少ないものが好ましく、その含有量の目安は、フタロシアニン色素中でCl及びSO 2−の総含量として5質量%以下、好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下であり、インク中に1質量%以下である。Cl及びSO 2−の少ない本発明のフタロシアニン色素を製造するには、例えば逆浸透膜による通常の方法又は本発明のフタロシアニン色素の乾燥品あるいはウェットケーキをアルコール及び水の混合溶媒中で撹拌し、濾過、乾燥する等の方法で脱塩処理すればよい。用いるアルコールは、炭素数1〜4の低級アルコール好ましくは炭素数1〜3のアルコール、更に好ましくはメタノール、エタノール又は2−プロパノールである。また、アルコールでの脱塩処理の際に、使用するアルコールの沸点近くまで加熱後、冷却して脱塩する方法も採用しうる。Cl及びSO 2−の含有量は例えばイオンクロマトグラフィーで測定される。
本発明のシアンインクをインクジェット記録用インクとして使用する場合、フタロシアニン色素に含まれる亜鉛、鉄等の重金属(イオン)、カルシウム、シリカ等の金属(陽イオン)等の含有量が少ないものを用いるのが好ましい(フタロシアニン骨格に含有される金属(式(1)におけるM)は除く)。その含有量の目安は例えば、フタロシアニン色素の精製乾燥品中に、亜鉛、鉄等の重金属(イオン)、カルシウム、シリカ等の金属(陽イオン)について各々500ppm以下程度である。重金属(イオン)及び金属(陽イオン)の含有量はイオンクロマトグラフィー、原子吸光法又はICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法にて測定される。
本発明のインク中に前記式(1)のフタロシアニン色素は、0.1〜8質量%、好ましくは0.3〜6質量%含有される。低い濃度のインクには本発明のフタロシアニン化合物は0.1〜2.5質量%含有される。
本発明のインクは水を媒体として調製される。本発明のインク中に、上記のようにして得られた前記条件を備えた前記式(1)の化合物又はその塩の混合物は、0.3〜6質量%含有される。本発明のインクにはさらに必要に応じて、水溶性有機溶剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有される。水溶性有機溶剤は、染料溶解剤、乾燥防止剤(湿潤剤)、粘度調整剤、浸透促進剤、表面張力調整剤、消泡剤等として使用される。その他インク調製剤としては、例えば、防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、染料溶解剤、褪色防止剤、乳化安定剤、表面張力調整剤、消泡剤、分散剤、分散安定剤、等の公知の添加剤が挙げられる。水溶性有機溶剤の含有量はインク全体に対して0〜60質量%、好ましくは10〜50質量%用い、インク調製剤はインク全体に対して0〜20質量%、好ましくは0〜15質量%用いるのが良い。上記以外の残部は水である。
本発明で使用しうる水溶性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1〜C4アルカノール、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オンまたは1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の複素環式ケトン、アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトンまたはケトアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル、エチレングリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコール、1,2−または1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の(C2〜C6)アルキレン単位を有するモノマー、オリゴマーまたはポリアルキレングリコールまたはチオグリコール、グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(トリオール)、エチレングリコールモノメチルエーテルまたはエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル又はジエチレングリコールモノエチルエーテル又はトリエチレングリコールモノメチルエーテル又はトリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの(C1〜C4)アルキルエーテル、γ−ブチロラクトンまたはジメチルスルホキシド等があげられる。
本発明のインクにおいて、水溶性有機溶剤として好ましいものは、炭素数3〜8のモノ又は多価アルコール及び炭素数1〜3のアルキル置換を有してもよい2−ピロリドンなどが挙げられ、多価アルコールとしてはヒドロキシ基を2〜3有するものが好ましい。具体的にはイソプロパノール、グリセリン、モノ、ジまたはトリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ブタノール等であり、より好ましくはイソプロパノール、グリセリン、ジエチレングリコール、2−ピロリドンである。これらの水溶性有機溶剤は、単独もしくは混合して用いられる。
防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ベンツチアゾール系、ニトチリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオシキド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられ、ピリジンオシキド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられ、無機塩系化合物としては、例えば無水酢酸ソーダが挙げられ、イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤としてソルビン酸ソーダ安息香酸ナトリウム、等(例えば、アベシア社製プロクセルGXL(S)(商品名)、プロクセルXL−2(S)(商品名)等)があげられる。
pH調整剤は、インクの保存安定性を向上させる目的で、インクのpHを6.0〜11.0の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。
キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどがあげられる。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトなどがあげられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物、スチルベン系化合物、又はベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
粘度調整剤としては、水溶性有機溶剤の他に、水溶性高分子化合物があげられ、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等があげられる。
染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等があげられる。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。
表面張力調整剤としては、界面活性剤があげられ、例えばアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などがあげられる。アニオン界面活性剤としてはアルキルスリホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸およびその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸ジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体などがある。両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体などがある。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルキルアルキルエーテル等のエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどのアセチレングリコール系(例えば、日信化学社製サーフィノール104、82、465、オルフィンSTG等)、等が挙げられる。これらのインク調製剤は、単独もしくは混合して用いられる。なお、本発明のインクの表面張力は通常25〜70mN/m、より好ましくは25〜60mN/mである。また本発明のインクの粘度は30mPa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調整することがより好ましい。
消泡剤としては、フッ素系、シリコーン系化合物が必要に応じて用いられる。本発明のインクを製造方法するにあたり、各薬剤を溶解させる順序には特に制限はない。インクを調製するにあたり、用いる水はイオン交換水または蒸留水など不純物が少ない物が好ましい。さらに、必要に応じメンブランフィルターなどを用いて精密濾過を行って夾雑物を除いてもよく、インクジェットプリンタ用のインクとして使用する場合は精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うフィルターの孔径は通常1ミクロン〜0.1ミクロン、好ましくは、0.8ミクロン〜0.2ミクロンである。
本発明のインクは、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクとのインクセットとしても使用される。更にはより高精細な画像を形成する為に、ライトマゼンタインク、ブルーインク、グリーンインク、オレンジインク、ダークイエローインク、グレーインク等と併用したインクセットとしても使用される。
適用できるイエローインクの色素としては、種々のものを使用することが出来る。例えばカップリング成分(以降カプラー成分と呼ぶ)としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロンやピリドン等のようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類、などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;カプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン染料;ベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;ナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
適用できるマゼンタインクの色素としては、種々のものを使用することが出来る。例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールアゾ染料;カプラー成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類などを有するアゾメチン染料;アリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、シアニン染料、オキソノール染料などのメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのカルボニウム染料;ナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン染料及びジオキサジン染料等の縮合多環染料等を挙げることができる。
前記の各色素は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。適用できるブラック色素としては、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラアゾ染料のほか、カーボンブラックの分散体を挙げることができる。
本発明のインクは、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピング等の記録方法に使用でき、特にインクジェット印捺法における使用に適する。
本発明のインクジェット記録方法は、前記で調製されたインクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、インクジェット専用紙、光沢紙、光沢フィルム、電子写真共用紙、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、ガラス、金属、陶磁器、皮革等に画像を形成する。
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり耐候性を改善する目的からポリマー微粒子分散物(ポリマーラテックスともいう)を併用してもよい。ポリマーラテックスを被記録材に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても,後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も被記録材中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用しても良い。
以下に、本発明のインクを用いてインクジェットプリントをするのに用いられる被記録材(特に記録紙及び記録フィルム)について説明する。記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/mが望ましい。支持体には、そのままインク受容層及びバックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層及びバックコート層を設けてもよい。更に支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。本発明では支持体として、両面をポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー)でラミネートした紙及びプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け染料(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
支持体上に設けられるインク受容層には、顔料や水性バインダーが含有されていてもよい。顔料としては、白色顔料が好ましく、白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の白色無機顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。インク受容層に含有される白色顔料としては、多孔性無機顔料が好ましく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能であるが、特に含水珪酸を使用することが望ましい。
インク受容層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独又は2種以上併用して用いることができる。本発明においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。インク受容層は、顔料及び水性結着剤の他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
インク受容層中に添加する媒染剤は、例えばポリマー媒染剤が用いられる。
耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダルシリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特にポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適である。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
耐光性向上剤としては、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダートアミン系酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの中で硫酸亜鉛が好適である。
界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例えば、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。その他のインク受容層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。なお、インク受容層は1層でも2層でもよい。
記録紙及び記録フィルムには、バックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げられる。バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント,ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に含有される水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラテックスを媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマーラテックスをバックコート層に添加しても、カールを防止することができる。
これら記録紙及び記録フィルムは、一般的にインクジェット専用紙、光沢紙又は光沢フィルムと呼ばれており、例えばピクトリコ(商品名:旭硝子(株)製)、カラーBJペーパー、高品位専用紙、カラーBJフォトフィルムシート、スーパーフォトペーパー、プロフェッショナルフォトペーパー(いずれも商品名:キャノン(株)製)、カラーイメージジェット用紙(商品名:シャープ(株)製)、PM写真用紙、スーパーファイン専用光沢フィルム(いずれも商品名:エプソン(株)製)、ピクタファイン(商品名:日立マクセル(株)製)等として市販されている。特に、本発明のインクを用いたインクジェット記録方法においては、被記録材として支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受像層を有する記録紙及び記録フィルムに特に有効に機能する。なお、普通紙にも利用できることはもちろんである。
本発明の着色体は、インクジェットプリンタを用いて、前記インクで被着色材を着色したものである。被着色材は前記被記録材及びその他のインクジェットプリンタで着色しうる物品であれば特に制限はない。
本発明のインクジェット記録方法で、被記録材に記録するには、例えば上記のインクを含有する容器をインクジェットプリンタの所定位置にセットし、通常の方法で、被記録材に記録すればよい。インクジェットプリンタとしては、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式のプリンタや加熱により生ずる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式のプリンタ等があげられる。
本発明によるインクは貯蔵中に沈澱、分離することがない。また、本発明によるインクをインクジェット印捺に使用した場合、噴射器(インクヘッド)を閉塞することもない。本発明によるインクは連続式インクジェットプリンタによる比較的長い時間一定の再循環下またはオンデマンド式インクジェットプリンタによる断続的な使用においても、物理的性質の変化を起こさない。
本発明のインクは、好ましい色素を使用した場合、鮮明なシアン色である。また、本発明のインクを使用した場合、特に耐オゾン性に優れ、かつ耐光性、耐水性においても優れた記録物を得ることができる。濃淡のシアンインクのセットとして用いることによって、さらに耐オゾン性及び耐光性、耐水性に優れた記録物を得ることができる。また、他のイエロー、マゼンタ、その他必要に応じて、グリーン、レッド、オレンジ、ブルーなどのインクと共に用いることで、広い可視領域の色調を色出しすることができ、耐オゾン性に優れ、かつ耐光性、耐水性においても優れた記録物を得ることができる。
以下に本発明を更に実施例により具体的に説明する。尚、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別の記載のない限り質量基準である。
式(1)において、Mが銅、β位に、無置換スルファモイル基2個及び式(3)の置換スルファモイル基2個を有し、式(3)においてYが2,5−ジスルホアニリノ基、Zがアミノ基、Aがエチレン、R17、R18が共に水素原子である化合物の合成
(1)銅フタロシアニンテトラスルホン酸テトラナトリウム塩(β位置換型)の合成((MがCuであり、a、b、c、dがすべて1で、LがNaである、式(6)の化合物)
冷却管の付いた四つ口フラスコに、スルホラン40部を加え180℃まで1時間で昇温し、そこに4−スルホフタル酸モノナトリウム塩40部、塩化アンモニウム4.5部、尿素55部、モリブデン酸アンモニウム0.5部、塩化銅(II)6部を加え、同温度で6時間攪拌した。反応液を40℃まで冷却した後、目的物をヌッチェで濾過し、400部のメタノールで洗浄した。続いて得られたウェットケーキに300部の水を加え、48%水酸化ナトリウム水溶液でpH11に調整し、80℃で1時間攪拌した。そして攪拌しながら35%塩酸水溶液を加えpHを3にし、そこに塩化ナトリウム80部を徐々に添加した。析出した結晶を濾取し、20%塩化ナトリウム水溶液150部で洗浄してウェットケーキ90部を得た。続いてメタノールを210部加え1時間攪拌し、析出した結晶を濾別し、70%メタノール水溶液300部で洗浄後乾燥して、式(6)のβ位置換型の銅フタロシアンテトラスルホン酸テトラナトリウム塩22.9部を青色結晶として得た。λmax:629nm(水溶液中)。
(2)銅フタロシアニンテトラスルホン酸クロリド(β位置換型)の合成
クロロスルホン酸79部中に攪拌しながら60℃以下で銅フタロシアニンテトラスルホン酸テトラナトリウム塩9.8部を徐々に仕込み、120℃で4時間反応を行った。次に反応液を80℃まで冷却し、塩化チオニル47.6部を30分間かけて滴下し、80℃で2時間、次いで90℃で1時間反応を行った。反応液を30℃以下に冷却し、氷水700部中にゆっくりと注ぎ、析出している結晶を濾過し、氷冷2%塩酸水溶液200部で洗浄し銅フタロシアニンテトラスルホン酸クロライドのウェットケーキ35.2部を得た。
(3)下記式(X−1)(式(X)におけるYが2,5−ジスルホアニリノ基、Zがアミノ基、Aがエチレン、R17、R18が共に水素原子である化合物)の合成
Figure 2004087815
氷水300部中にリパールOH2.9部、塩化シアヌル96.5部を投入し30分間攪拌した。次にアニリン−2,5−ジスルホン酸モノナトリウム塩(純度91.2%)150.8部を投入し、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加しながらpH2.7〜3.0を保持しながら10〜15℃で2時間、25〜30℃で2時間反応を行った。次に反応液を10℃以下に冷却した後、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH10.0に調整した。この反応液に28%アンモニア水60.7部を添加し、10〜15℃で2時間、次いで27〜30℃で2時間反応を行った。次にエチレンジアミン600部を投入し80℃で1時間反応を行った。液量を2000部に調整し、塩化ナトリウム200部を投入、続いて濃塩酸を滴下し、pH1.0に調整し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過分取し、20%塩化ナトリウム水溶液500部で洗浄し、ウェットケーキを245.9部得た。得られたウェットケーキ245.9部をメタノール1700部中に投入し、水90部を加え、60℃で1時間攪拌懸濁させた後、濾過、メタノールで洗浄、乾燥し、式(X−1)の化合物を125.8部得た。
(4)目的化合物(β位置換体)の合成
氷水200部中に(2)で得られた銅フタロシアニンテトラスルホン酸クロライドウェットケーキ35.2部を投入し、攪拌懸濁させた。10分後、5℃以下を保持したまま28%アンモニア水を滴下し、pH9.0に調整した。次に該懸濁液にアンモニア水2部及び、水100部中に式(X−1)の化合物8.5部を溶解させた水溶液を、注加し、28%アンモニア水を添加しながらpH9.0を保持し、10℃で2時間、20℃で2時間、50℃で1時間反応を行った。水を加え、液量を500部に調整し、塩化ナトリウム100部を投入し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過分取し、20%塩化ナトリウム水溶液200部で洗浄し、ウェットケーキ41.0部を得た。再度、水に溶解させ、全量を400部に調整、60℃に昇温した後、塩化ナトリウム80部を添加し、35%塩酸水溶液を添加しpHを1.0に調整し、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、20%塩化ナトリウム水溶液200部で洗浄し、ウェットケーキ51.5部を得た。得られたウェットケーキ51.5部をメタノール500部中に投入し、60℃で1時間攪拌懸濁させた後、濾過、メタノールで洗浄、乾燥し、青色結晶を8.9部得た。この化合物のλmaxは608.5nm(水溶液中)であった。
この化合物は、β位置換体が75%以上であり、反応及び式(X−1)の化合物の仕込み量から推定すると、式(9)(置換位置を特定せずに遊離酸の形で示す)においてmが2、nが2である化合物である。しかし、液体クロマトグラフ質量分析計で分析した結果、スルホン酸基も確認された。他の分析結果なども合わせると、lの値(スルホン酸基)が約0.3程度、nの値(置換スルファモイル基)は0.5ないし2の範囲と推定されるので、残部がm(無置換スルファモイル基)で、l、m及びnの合計が4というのが実際に近いと思われる。
Figure 2004087815
上記実施例1の色素において、β位の置換基を、無置換スルファモイル基3個及び式(3)の置換スルファモイル基1個に変えた以外は実施例1と同じである式(1)のフタロシアニン色素の合成
氷水100部中に実施例1の(2)で得られた銅フタロシアニンテトラスルホン酸クロライドウェットケーキ17.6部を投入し、攪拌懸濁させた。10分後、5℃以下を保持したまま28%アンモニア水を滴下し、pH9.0に調整した。次に上記懸濁液にアンモニア水0.5部、及び水30部中に式(X−1)の化合物2.1部を溶解させた水溶液を注加し、28%アンモニア水を添加しながらpH9.0を保持し、10℃で2時間、20℃で2時間、50℃で1時間反応を行った。水を加え、液量を250部に調整し、塩化ナトリウム50部を投入し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過分取し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ22.6部を得た。再度、水に溶解させ、全量を250部に調整、60℃に昇温した後、塩化ナトリウム12.5部を添加し、35%塩酸水溶液を添加しpHを1.5に調整し、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、20%塩化ナトリウム水溶液200部で洗浄し、ウェットケーキ33.0部を得た。得られたウェットケーキ33.0部をメタノール330部中に投入し、水33部を注加し、60℃で1時間攪拌懸濁させた後、濾過、メタノールで洗浄、乾燥し、青色結晶を4.1部得た。この化合物のλmaxは602.5nm(水溶液中)であった。
この化合物は、β位置換体が75%以上であり、反応及び、化合物(X−1)の仕込み量からみると、式(9)(置換位置を特定せずに遊離酸の形で示す)においてmが3、nが1である化合物である。しかし、液体クロマトグラフ質量分析計で分析した結果、スルホン酸基も確認された。他の分析結果なども合わせるとlの値(スルホン酸基)が約0.3程度、nの値(置換基スルファモイル基)は0.3〜1と推定されるので、残部がm(無置換スルファモイル基)で、l、m及びnの合計が4というのが実際に近いと思われる。
前記実施例1の色素において、β位の置換基を、無置換スルファモイル基1個及び式(3)の置換スルファモイル基3個に変えた以外は実施例1と同じである式(1)のフタロシアニン色素の合成
氷水100部中に実施例1の(2)で得られた銅フタロシアニンテトラスルホン酸クロライドウェットケーキ17.6部を投入し、攪拌懸濁させた。10分後、5℃以下を保持したまま28%アンモニア水を滴下し、pH9.0に調整した。次に該懸濁液にアンモニア水1.5部、及び水50部中に式(X−1)の化合物6.4部を溶解させた水溶液を注加し、28%アンモニア水を添加しながらpH9.0を保持し、10℃で2時間、20℃で2時間、50℃で1時間反応を行った。水を加え、液量を250部に調整し、塩化ナトリウム50部を投入し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過分取し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ22.0部を得た。再度、水に溶解させ、全量を250部に調整、60℃に昇温した後、塩化ナトリウム50部を添加し、35%塩酸水溶液を添加しpHを1.0に調整し、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ21.7部を得た。得られたウェットケーキ21.7部をメタノール220部中に投入し、水10部を注加し、60℃で1時間攪拌懸濁させた後、濾過、メタノールで洗浄、乾燥し青色結晶を5.8部得た。この化合物のλmaxは612.0nm(水溶液中)であった。
この化合物は、β位置換体が75%以上であり、反応および、化合物(X−1)の仕込み量からみると、式(9)(置換位置を特定せずに遊離酸の形で示す)においてmが1、nが3である化合物である。しかし、液体クロマトグラフ質量分析計で分析した結果、スルホン酸基も確認された。他の分析結果なども合わせるとlの値(スルホン酸基)が約0.3程度、nの値(置換基スルファモイル基)は0.8〜3と推定されるので、残部がm(無置換スルファモイル基)で、l、m及びnの合計が4というのが実際に近いと思われる。
前記実施例1の色素において、式(3)の置換スルファモイル基を、下記(X−2)のアミン由来の置換スルファモイル基に変えた以外は実施例1と同じである式(1)のフタロシアニン色素の合成
(1)下記式(X−2)(式(X)におけるYが4,6,8−トリスルホナフタレン−2−イル−アミノ基、Zがアミノ基、Aがエチレン、R17、R18が共に水素原子である化合物)の合成
Figure 2004087815
氷水100部中にリパールOH0.6部、塩化シアヌル19.4部を投入し30分間攪拌した。次に2−アミノナフタレン−4,6,8−トリスルホン酸(純度51.4%)74.5部を投入し、25%水酸化ナトリウム水溶液の添加によりpH2.7〜3.0を保持しながら10〜15℃で2時間、25〜30℃で2時間反応を行った。次に該反応液を5℃以下に冷却した後、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加しpH10.0に調整した。この反応液に28%アンモニア水12.1部添加し10〜15℃で2時間、次いで27〜30℃で2時間反応を行った。液量を700部に調整後、塩化ナトリウム140部、次いで35%塩酸を加え、pH6に調整し結晶を析出させ、濾過分取し、ウェットケーキ149.3部を得た。次にエチレンジアミン120部中に、得られたウェットケーキ149.3部を投入し80℃で1時間反応を行った。反応液中に2−プロパノール900部を投入しデカンテーションを行った。得られた残渣にメタノール1000部を投入し結晶化させ、濾過、メタノールによる洗浄、乾燥し、白色結晶を27.7部得た。
(2)氷水100部中に実施例1の(2)で得られた銅フタロシアニンテトラスルホン酸クロライドウェットケーキ17.6部を投入し、攪拌懸濁させた。10分後、5℃以下を保持したまま28%アンモニア水を滴下し、pH9.0に調整した。次に該懸濁液にアンモニア水1.0部及び、水50部中に式(X−2)の化合物5.8部を溶解させた水溶液を注加し、28%アンモニア水を添加しながらpH9.0を保持し、10℃で2時間、20℃で2時間、50℃で1時間反応を行った。水を加え、液量を200部に調整し、塩化ナトリウム40部を投入し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過分取し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ28.3部を得た。再度、水に溶解させ、全量を200部に調整、60℃に昇温した後、塩化ナトリウム20部を添加し、35%塩酸水溶液を添加しpHを1.7に調整し、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ40.4部を得た。得られたウェットケーキ40.4部をメタノール320部中に投入し、水16部を注加し、60℃で1時間攪拌懸濁させた後、濾過、メタノールで洗浄、乾燥し、青色結晶を4.5部得た。この化合物のλmaxは603.5nm(水溶液中)であった。
この化合物は、β位置換体が75%以上であり、反応及び式(X−2)のアミンの仕込み量からみると、式(12)(置換位置を特定せずに遊離酸の形で示す)においてmが2、nが2である化合物である。しかし、液体クロマトグラフ質量分析計で分析した結果、スルホン酸基も確認された。他の分析結果なども合わせるとlの値が約0.3、nの値は0.3〜2と推定されるので、残部がmであり、l、m、nの合計が4というのが実際に近いと思われる。
Figure 2004087815
前記実施例1の色素において、式(3)の置換スルファモイル基を、下記式(X−3)のアミン由来の置換スルファモイル基に変えた以外は実施例1と同じである式(1)のフタロシアニン色素の合成
(1)下記式(X−3)(式(X)におけるYが2,5−ジスルホアニリノ基、Zが2−スルホエチルアミノ基、Aがエチレン、R17、R18が共に水素原子である化合物)の合成
Figure 2004087815
氷水160部中にリパールOH0.1部、塩化シアヌル20部を投入し30分間攪拌した。次にアニリン−2,5−ジスルホン酸モノナトリウム塩(純度91.2%)33.2部を投入し、10%炭酸ナトリウム水溶液の添加によりpH4.0〜4.5を保持しながら5〜15℃で3時間反応を行った。次に反応液に2−アミノエタンスルホン酸13.8部を投入し、pH6.5〜7.0において15℃で0.5時間、pH8.0〜8.5において30℃で2時間反応を行った。反応液400部に2−プロパノール200部及び塩化ナトリウム60部を順次投入し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過、2−プロパノールによる洗浄、減圧乾燥を行い、白色結晶130.2部を得た。次に、エチレンジアミン120部中に得られた白色結晶130.2部を投入し、80℃で1時間反応させた。
該反応液中に2−プロパノール800部を投入しデカンテーションを行った。得られた残渣にメタノール600部を投入し残渣を溶解させ、液濾過を行い、濾液に2−プロパノール1200部を投入し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過分取し、2−プロパノールで洗浄、乾燥し、白色結晶を41.0部得た。
(2)氷水100部中に実施例1の(2)で得られた銅フタロシアニンテトラスルホン酸クロライドウェットケーキ17.6部を投入し、攪拌懸濁させた。10分後、5℃以下を保持したまま28%アンモニア水を滴下し、pH9.0に調整した。次に該懸濁液にアンモニア水1.0部及び、水50部中に式(X−3)の化合物5.1部溶解させた水溶液、を注加し、28%アンモニア水の添加によりpH9.0を保持し、10℃で2時間、20℃で2時間、50℃で1時間反応を行った。水を加え、液量を200部に調整し、塩化ナトリウム40部を投入し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過分取し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ25.3部を得た。再度、水に溶解させ、全量を200部に調整、60℃に昇温した後、塩化ナトリウム40部を添加し、次いで35%塩酸水溶液を添加しpHを1.0に調整し、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ22.1部を得た。得られたウェットケーキ22.1部をメタノール220部中に投入し、水11部を注加し、60℃で1時間攪拌懸濁させた後、濾過、メタノールでの洗浄、乾燥により、青色結晶を5.3部得た。 この化合物のλmaxは(608.5)nm(水溶液中)であった。
この化合物は、β位置換体が75%以上であり、反応及び式(X−3)のアミンの仕込み量からみると、式(13)(置換位置を特定せずに遊離酸の形で示す)においてmが2、nが2である化合物である。しかし、液体クロマトグラフ質量分析計で分析した結果、スルホン酸基も確認された。他の分析結果なども合わせるとlの値が約0.3、nの値は0.5〜2と推定されるので、残部がmであり、l、m、nの合計が4というのが実際に近いと思われる。
Figure 2004087815
前記実施例1の色素において、β位の置換基を、無置換スルファモイル基2.5個及び式(3)の置換スルファモイル基1.5個に変えた以外は実施例1と同じである式(1)のフタロシアニン色素の合成
氷水100部中に実施例1の(2)で得られた銅フタロシアニンテトラスルホン酸クロライドウェットケーキ17.6部を投入し、攪拌懸濁させた。10分後、アンモニア水1.0部、及び水60部中に式(X−1)の化合物3.2部を溶解させた水溶液を注加し、28%アンモニア水を添加しながらpH8〜8.5を保持し、17〜20℃で9時間反応を行った。水を加え、液量を250部に調整し、塩化ナトリウム50部を投入し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過分取し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ22.6部を得た。再度、水に溶解させ、全量を250部に調整、60℃に昇温した後、塩化ナトリウム12.5部を添加し、35%塩酸水溶液を添加しpHを1.5に調整し、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、20%塩化ナトリウム水溶液200部で洗浄し、ウェットケーキ33.0部を得た。得られたウェットケーキ33.0部をメタノール330部中に投入し、水33部を注加し、60℃で1時間攪拌懸濁させた後、濾過、メタノールで洗浄、乾燥し、青色結晶を4.1部得た。この化合物のλmaxは612.1nm(水溶液中)であった。
この化合物は、β位置換体が75%以上であり、反応及び、化合物(X−1)の仕込み量からみると、式(9)(置換位置を特定せずに遊離酸の形で示す)においてmが3、nが1である化合物である。しかし、液体クロマトグラフ質量分析計で分析した結果、スルホン酸基も確認された。他の分析結果なども合わせるとlの値(スルホン酸基)が約0.2程度、nの値(置換基スルファモイル基)は0.8〜1.5と推定されるので、残部がm(無置換スルファモイル基)(約2.8〜3)で、l、m及びnの合計が4というのが実際に近いと思われる。
実施例7(インク評価)
(A)インクの調整
下記表8に記載の各成分を混合溶解し、0.45μmのメンブランフィルター(アドバンテック社製)で濾過することによりインクを得た。尚、水はイオン交換水を使用した。又、インクのpHがpH=8〜10、総量が100部になるように水、苛性ソーダ(pH調整剤)を加えた。インクは実施例1の化合物を用いたインクをC−1とし、実施例2〜6の化合物を用いたインクも各々の番号に対応させC−2〜C−6とした。
Figure 2004087815
Figure 2004087815
比較例として、一般的にDirect Blue 199として使用されているインクジェット記録用色素、製品名:Projet Cyan 1(アベシア社製:比較例1)及び、前記文献8の実施例1に記載の方法にて合成及び精製した色素混合物(比較例2)を、印刷時、表1の実施例1〜6のインクと同じ印刷濃度になるように同様の方法で調整した。比較例1の製品を用いたインクはC−A、比較例2の化合物を用いたインクはC−Bとした。
(B)インクジェットプリント
インクジェットプリンタ(商品名 キヤノン社製 BJ S630)を用いて、光沢紙A(エプソン社製PM写真用紙 KA420PSK)、光沢紙B(キヤノン社製プロフェッショナルフォトペーパー PR−101)の2種にインクジェット記録を行った。
(C)記録画像の評価
1.色相評価
記録画像の色相は、記録紙を測色システム(GRETAG SPM50:GRETAG社製)を用いて測色し、印刷物のLが50〜90の範囲にあるときのa、b値を測色した。評価は好ましいa値を−50〜−10、b値を−50〜−10と定義し、3段階で行なった。
○:a、b値共に好ましい領域内に存在
△:a、b値片方のみ好ましい領域内に存在
×:a、b値共に好ましい領域外に存在
2.耐光性試験
記録画像の試験片を、キセノンウェザーメーター(ATLAS社製 型式Ci4000)を用い、0.36W/平方メートル照度で、槽内温度24℃、湿度60%RHの条件にて50時間照射した。試験後、反射濃度(D値)が0.70〜0.85の範囲で、試験前後の反射濃度を前記の測色システムを用いて測色した。測定後、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求め、3段階で評価した。
○:残存率70%以上
△:残存率50〜70%
×:残存率50%未満
3.耐オゾン性試験
記録画像の試験片を、オゾンウェザーメーター(スガ試験機社製 型式OMS−H)を用い、オゾン濃度12ppm、槽内温度24℃、湿度60%RHで3時間放置した。試験後、反射濃度(D値)が0.70〜0.85の範囲で、試験前後の反射濃度を前記の測色システムを用いて測色した。測定後、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求め、3段階で評価した。
○:残存率70%以上
△:残存率40〜70%
×:残存率40%未満
4.耐湿性試験
記録画像の試験片を、恒温恒湿器(応用技研産業社製)を用いて、槽内温度50℃、湿度90%RHで3日間放置した。試験後、試験片のにじみを目視にて3段階で評価した。
○:にじみが認められない
△:わずかににじみが認められる
×:大きくにじみが認められる
実施例1〜6で得られた化合物を使用したインク(C−1〜C−6)の記録画像の色相評価、耐光性試験結果、耐オゾン性試験結果及び耐湿性試験結果をそれぞれ表9(光沢紙A)及び表10(光沢紙B)に表わす。
Figure 2004087815
Figure 2004087815
Figure 2004087815
表9及び10から明らかなように、本発明の化合物を用いたシアンインクは色相に優れ、耐光性、耐オゾン性及び耐湿性に優れるものである。特に耐オゾン性に優れることは明らかである。
実施例8(インクセット)
淡色シアン及び濃色シアンの2種類の濃度が設定されたシアンインクセットを有するインクジェットプリンタ(商品名 キヤノン社製 BJ F850)に、淡色シアンインクとしてC−1を、濃色シアンインクとしてキャノン社純正シアンインクを装着して、光沢紙A(エプソン社製PM写真用紙 KA420PSK)、光沢紙B(キヤノン社製プロフェッショナルフォトペーパー PR−101)の2種にインクジェット記録を行った。印刷結果は、ドット抜けなど生じず、またフルカラー画像印刷としても満足のいく、鮮明な印刷物が得られた。この結果、本発明のインクは、淡色シアン及び濃色シアンの2種類の濃度が設定されたシアンインクセットを有するインクジェットプリンタにも徒用できることが確認された。
本発明の化合物を用いたインクは、シアンインク等として良好な色相を有し、耐光性、耐オゾン性及び耐湿性に優れたインクである。また、長期間保存後の結晶析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安定性が良好である。更に、他のマゼンタインク及びイエローインクと共に用いることで、広い可視領域の色調を色だしすることができる。従って、本発明のフタロシアニン色素を用いたインク、特にシアンインクはインクジェット記録用のインクとして極めて有用である。

Claims (28)

  1. 式(1)で表されるフタロシアニン色素、
    Figure 2004087815
    {式(1)中、Mは水素原子、金属原子、金属酸化物、金属水酸化物、または金属ハロゲン化物を表す。R、R、R、R、R10、R11、R14、R15は各々独立して式(2)で表される無置換スルファモイル基、式(3)で表される置換スルファモイル基又は水素原子を表わす。但し、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15のうち少なくとも1つは無置換スルファモイル基、少なくとも1つは式(3)で表される置換スルファモイル基である。又、R、R、R、R、R、R12、R13、R16は水素原子を表す。無置換スルファモイル基の数と置換スルファモイル基の数の和は2から4であり、且つ無置換スルファモイル基の数は1から3であり、置換スルファモイル基の数は1から3である}
    Figure 2004087815
    {式(3)中、R17及びR18はそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアルケニル基を、Aは架橋基を表し、隣接するR17、R18、Aどうしが互いに連結して環を形成しても良い。Y及びZはそれぞれ独立してハロゲン原子、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアリロキシ基、置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、置換もしくは無置換のアルケニルオキシ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のヘテロ環アミノ基、置換もしくは無置換のアルケニルアミノ基、置換もしくは無置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロ環チオ基、置換もしくは無置換のアルケニルチオ基を表す。但し、Y、Zのうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する基である。}。
  2. 請求の範囲第1項の式(1)において、MがCuである式(4)で表される、請求の範囲第1項に記載のフタロシアニン色素、
    Figure 2004087815
    (式中R〜R16は式(1)と同じ意味を示す)。
  3. 架橋基Aがアルキレン、シクロアルキレン、アリレンである請求の範囲第1項又は第2項に記載のフタロシアニン色素。
  4. とR、RとR、R10とR11、R14とR15の各組み合わせにおいて、それぞれの一方が水素原子であり、もう一方が式(2)で表される無置換スルファモイル基、式(3)で表される置換スルファモイル基又は水素原子であり、かつR、R、R、R、R10、R11、R14、R15のうち、少なくとも1つは無置換スルファモイル基であり、少なくとも1つは式(3)で表される置換スルファモイル基である請求の範囲第1項から第3項のいずれか一項に記載のフタロシアニン色素。
  5. 式(3)の置換スルファモイル基が下記式(5)で表される基である請求の範囲第1項または第2項に記載のフタロシアニン色素、
    Figure 2004087815
    {式(5)中、Bはアルキレン、アリレン、キシリレンを表す。D及びEはそれぞれ独立して、塩素原子、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルコキシ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アセチルアミノ基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、ハロゲン原子から成る群から選択される置換基で置換されても良い。)、フェノキシ基(スルホン酸基、カルボキシル基、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い。)、ナフトキシ基(スルホン酸基、アセチルアミノ基からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い。)、ベンジロキシ基(スルホン酸基で置換されても良い。)、フェネチルオキシ基(スルホン酸基で置換されても良い。)、アルキルアミノ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基から成る群から選択される置換基で置換されても良い。)アニリノ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アセチルアミノ基、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い。)、ナフチルアミノ基(スルホン酸基または水酸基で置換されていても良い。)、ベンジルアミノ基(スルホン酸基で置換されても良い。)、フェネチルアミノ基(スルホン酸基で置換されても良い。)、アルキルチオ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基で置換されても良い。)またはアリールチオ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アルキル基からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い。)を表し、D、Eのうち少なくとも1つは、スルホン酸基及びカルボキシル基からなる群から選ばれるイオン性親水性基を置換基として有する}。
  6. Y及びZのいずれか一方がアミノ基又は、置換又は無置換のアルキルアミノ基であり、他方がハロゲン及びヒドロキシル基以外の基である請求の範囲第1項に記載のフタロシアニン色素。
  7. ハロゲン及びヒドロキシル基以外の基がスルホン酸基で置換されたアリールアミノ基である請求の範囲第6項に記載のフタロシアニン色素。
  8. 式(1)の色素の含量が色素全体に対して少なくとも60%以上である請求の範囲第1項に記載のフタロシアニン色素。
  9. 式(1)が、式(6)で表されるフタロシアニン色素またはその塩に塩素化剤を反応させ、スルホン酸基をクロロスルホン基に変換した後、下記式(X)で表される有機アミンとアミド化剤を反応させて得られてなる請求の範囲第1項から第8項に記載のフタロシアニン色素
    Figure 2004087815
    {式(6)中、Mは水素原子、金属元素、金属酸化物、金属水酸化物または金属ハロゲン化物を、Lはプロトン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、有機アミンのオニウムイオンまたはアンモニウムイオンを示す。a、b、c、dは0又は1であり、その和は2〜4の整数である}
    Figure 2004087815
    (式(X)中、R17及びR18はそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアルケニル基を、Aは架橋基を表し、隣接するR17、R18、Aどうしが互いに連結して環を形成しても良い。Y及びZはそれぞれ独立してハロゲン原子、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアリロキシ基、置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、置換もしくは無置換のアルケニルオキシ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のヘテロ環アミノ基、置換もしくは無置換のアルケニルアミノ基、置換もしくは無置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロ環チオ基、置換もしくは無置換のアルケニルチオ基を表す。但し、Y、Zのうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する基である)。
  10. 4−スルホフタル酸誘導体同士又は、4−スルホフタル酸誘導体と(無水)フタル酸誘導体を金属化合物の存在下に反応させることにより得られるスルホ金属フタロシアニン化合物に塩素化剤を反応させ、スルホン酸基をクロロスルホン基に変換した後、アミド化剤と下記式(X)で表される有機アミンを反応させて得られるフタロシアニン色素
    Figure 2004087815
    {式(X)中、R17、R18、A、Y、Zは、前記と同じ意味を表す}。
  11. 架橋基Aがアルキレン、シクロアルキレン、アリレンである請求の範囲第10項に記載のフタロシアニン色素。
  12. 式(X)で表される有機アミンが下記式(X’)である請求の範囲第10項または第11項に記載のフタロシアニン色素
    Figure 2004087815
    {式(X’)中、Bはアルキレン、アリレン、キシリレンを表す。D及びEはそれぞれ独立して、塩素原子、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルコキシ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アセチルアミノ基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、ハロゲン原子から成る群から選択される置換基で置換されても良い)、フェノキシ基(スルホン酸基、カルボキシル基、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い)、ナフトキシ基(スルホン酸基、アセチルアミノ基からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い)、ベンジロキシ基(スルホン酸基で置換されても良い)、フェネチルオキシ基(スルホン酸基で置換されても良い)、アルキルアミノ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基から成る群から選択される置換基で置換されても良い)、アニリノ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アセチルアミノ基、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い)、ナフチルアミノ基(スルホン酸基または水酸基で置換されていても良い)、ベンジルアミノ基(スルホン酸基で置換されても良い)、フェネチルアミノ基(スルホン酸基で置換されても良い)、アルキルチオ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基で置換されても良い)またはアリールチオ基(スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アルキル基からなる群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されても良い)を表し、D、Eのうち少なくとも1つはスルホン酸基及びカルボキシル基からなる群から選ばれるイオン性親水性基を置換基として有する}。
  13. 金属化合物が銅化合物である請求の範囲第10項〜第12項のいずれか一項に記載のフタロシアニン色素。
  14. 色素成分として請求の範囲第1項〜第13項のいずれか一項に記載のフタロシアニン色素を含有することを特徴とするインク。
  15. 有機溶剤を含有する請求の範囲第14項に記載のインク。
  16. インクジェット記録用である請求の範囲第14項〜第15項に記載のインク。
  17. 色素濃度の異なる2種類以上のシアンインクを用いるインクジェットプリンタにおいて、少なくとも1種類は請求の範囲第14項〜第16項のいずれか一項に記載のインクを用いることを特徴とするインクセット。
  18. インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インクとして請求の範囲第14項〜第17項のいずれか一項に記載のインクまたはインクセットを使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
  19. 被記録材が情報伝達用シートである請求の範囲第18項に記載のインクジェット記録方法。
  20. 情報伝達用シートが表面処理されたシートであって、支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受像層を有するシートである請求の範囲第19項に記載のインクジェット記録方法。
  21. 請求の範囲第範囲第14項〜第17項のいずれか一項に記載のインクまたはインクセットを含有する容器。
  22. 範囲第21項に記載の容器を有するインクジェットプリンタ
  23. 請求の範囲第範囲第14項〜第17項のいずれか一項に記載のインクまたはインクセットで着色された着色体。
  24. 4−スルホフタル酸誘導体又は、4−スルホフタル酸誘導体と(無水)フタル酸誘導体を銅化合物の存在下に反応させることにより得られる化合物またはその塩に塩素化剤を反応させ、スルホン酸基をクロロスルホン化した後、上記式(X)で表される有機アミンとアミド化剤を反応させて得られることを特徴とするフタロシアニン色素の製造方法。
  25. 下記式(14)
    Figure 2004087815
    {式中、Mは水素原子、金属原子、金属酸化物、金属水酸化物、または金属ハロゲン化物を表わし、lは0を含み1より小さく、mは0.5以上で3以下,nは1以上で3.5以下であり、l,m,nの合計は2以上4以下であり、R17及びR18はそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアルケニル基を、Aは架橋基を表し、隣接するR17、R18、Aどうしが互いに連結して環を形成しても良く、Y及びZはそれぞれ独立してハロゲン原子、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアリロキシ基、置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、置換もしくは無置換のアルケニルオキシ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のヘテロ環アミノ基、置換もしくは無置換のアルケニルアミノ基、置換もしくは無置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロ環チオ基、置換もしくは無置換のアルケニルチオ基を表す。但し、Y、Zのうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する基である}
    で表わされるフタロシアニン色素において、β位置換体が60%以上であり、α位置換体が40%以下であるフタロシアニン色素。
  26. Y及びZのいずれか一方がアミノ基又は、置換又は無置換のアルキルアミノ基であり、他方がハロゲン及びヒドロキシル基以外の基である請求の範囲25項に記載のフタロシアニン色素。
  27. ハロゲン及びヒドロキシル基以外の基がスルホン酸基で置換されたアリールアミノ基である請求の範囲第25項に記載のフタロシアニン色素。
  28. Mは銅原子を表わし、Aは炭素数1〜6の2価の架橋基を示し、lは0を含み1より小さく、mは0.5以上で3以下,nは1以上で3以下であり、l,m,nの合計は2〜4であり、R17及びR18はいずれも水素原子、Y及びZはそれぞれ独立してアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のジアルキルアミノ基を表す。但し、Y、Zのうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する基である請求の範囲第25項に記載のフタロシアニン色素。
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